判例時報 発売日・バックナンバー

全465件中 46 〜 60 件を表示
◆記 事◆

★書評 千葉勝美『同性婚と司法』
  曽我部真裕


◆判決録細目◆

民 事

〇警察署の保護室に収容された抗告人が保護室内の映像記録について文書提出命令の申立てをした事案において、監督官庁による民事訴訟法223条4項に基づく意見について相当の理由があると認めるに足りず、同法220条4号ロの要件も満たさないとして、映像記録の提出を命じた事例
(東京高決令5・12・12)

▽弁護士が、犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律3条1項に基づき、ファクタリング取引を行う業者の預金口座に係る取引の停止等の措置を求めたことにつき、不法行為が成立しないとされた事例
(東京地判令5・1・18)


労 働

〇条件付採用期間中の地方公共団体職員に対する人事院規則11-4(職員の身分保障)10条2号に基づく分限免職処分が、処分の前提となる成績評価に恣意が入りすぎて厳しすぎ、また分限免職に代わる手段も検討されていないこと等を理由に、違法として取り消された事例
(福岡高判令5・11・30)

▽1 大学と外国人専任教員との有期労働契約の通算期間が5年となる更新合意につき、労働契約法18条1項の潜脱目的であるとの主張を排斥して有効と認めた事例
 2 前記労働者に対する通算8年間の有期労働契約期間満了に伴う雇止めにつき、労働契約法19条2号に基づく更新を認めた上で、同法18条1項に基づき期間の定めのない労働契約への転換を認めた事例
(長崎地判令5・1・30)


知的財産権

〇量産衣料品の生地に用いるデザイン案として作成され、後に量産品の布団に用いられた絵柄の著作物性を否定した事例
(大阪高判令5・4・27)


◆判例評論◆

19 強制採尿令状の発付に違法があっても尿の鑑定書等の証拠能力は肯定できるとされた事例
 (最一判令4・4・28)…柳川 重規

20 情報ネットワークの運営者に対するメッセージの削除請求が認容された事例―ツイート削除請求事件
 (最二判令4・6・24)…斉藤 邦史
◆判決録細目◆

行 政

〇1 電気事業法46条の17第2項の規定に基づく通知の取消しを求める訴えにつき、発電事業により排出される二酸化炭素により気候変動の進行を通じて生命等に被害を受けない利益は各人の個人的利益として保障されているとまでは解されないとされた事例
 2 電気事業法46条の17第2項の規定に基づく通知が、判示の事実関係の下では、違法であるとはいえないとされた事例
(大阪高判令4・4・26〈参考原審:大阪地判令3・3・15〉)

▽公職選挙法11条1項(2号に係る部分に限る)の規定の憲法適合性
(東京地判令5・7・20)


民 事

▽1 貸金業者とその顧客との間の継続的な金銭消費貸借取引の借入金債務につき利息制限法1条1項所定の制限を超える利息の弁済により過払金が発生した後、同取引の終了と同時に貸金業者の親会社と顧客とが金銭消費貸借取引に係る基本契約を締結するとともに、貸金業者の顧客に対する債務につき親会社による併存的債務引受が成立したとされた事案において、顧客の貸金業者に対する両者間の取引により生じた過払金返還請求権の消滅時効は同取引が終了した時から進行するものと認めた事例
 2 貸金業者とその顧客の間の取引により生じた過払金返還請求権について貸金業者とその親会社が連帯債務関係となると認められ、民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)439条が適用された事例
(東京地判令5・3・30)

▽相続開始前の遺留分放棄許可申立ての手続代理人となった弁護士について、依頼者への説明義務違反及び被相続人の財産調査義務違反はなく、債務不履行責任及び不法行為責任が否定された事例
(東京地判令5・1・13)


知的財産権

▽AI(ダバス、発明を自律的に発明した人工知能)が、特許法にいう「発明者」に該当しないとされた事例
(東京地判令6・5・16)


刑 事

▽特定少年である少年が、包丁2本を携帯したという銃砲刀剣類所持等取締法違反保護事件において、同種非行による保護処分歴等を考慮して犯情を評価し、少年院送致が許容されるとした上、資質上の問題性等を踏まえて少年を第1種少年院に送致し、犯情に鑑み収容期間を2年と定めた事例
(大阪家決令5・11・1)
◆判決録細目◆

行 政

〇条例の目的又は適正な請求に努める旨の利用者の責務に反する開示請求については開示しないことができる旨の定めを置く情報公開条例においてなされた非開示決定が、開示請求は開示を求める文書の所管部署に対し優位な地位を得たり自己満足を得るために行われたものであること及び開示のための作業量が所管部署の業務に支障を及ぼす態様のものであることから、当該開示請求は、権利行使として相当なものとはいえず、条例の目的及び利用者の責務に反しているとして、適法とされた事例
(東京高判令5・8・2〈参考原審:東京地判令5・2・16〉)


民 事

〇借地借家法32条1項に基づく賃料減額請求の意思表示による約定賃料の減額が認められなかった事例
(東京高判令3・11・4〈参考原審:東京地判令3・2・9〉)

〇交通事故の被害者が加害者に対して有する損害賠償請求権の仮差押えがされた場合、その効力は自動車損害賠償保障法16条1項に基づく直接請求権にも及ぶから、加害者は、仮差押えの発令を認識していた保険会社がした同項の直接請求権に基づく自賠責保険金の支払の効力を主張することはできないとした事例
(東京高判令4・4・7)

〇廃棄物処分場の立地自治体が、同処分場における廃棄物の不適正な処理の結果生じる生活環境保全上の支障等の除去のための措置に要した費用について、同処分場に一般廃棄物を搬入してその処分を委託した排出自治体に対して行った、事務管理に基づく有益費償還請求を認めなかった事例
(名古屋高金沢支判令4・12・7〈参考原審:福井地判令3・3・29本誌2514号62頁〉)

▽夫婦の一方が、他方に対し、婚姻前に自身の疾患(IgA腎症)について告知しなかったこと等が告知義務違反に当たる旨などを主張し、不法行為に基づく損害賠償請求をしたところ、不法行為の成立が否定された事例
(東京地判令4・11・22)


労 働

〇国立大学法人に対してその労働組合と誠実に団体交渉すべきことを命じた労働委員会の救済命令の取消しを求めた同法人の請求につき、差戻後の控訴審が団体交渉の過程における同法人の誠実交渉義務違反の不当労働行為を認定し、同請求を棄却すべきものとした事例
(仙台高判令5・7・19)

▽被告設置の病院に勤務している原告らが、被告に対し、扶養手当と住宅手当の組換えにより賃金が減額された職員を生じさせた就業規則の変更は合理性がないとして旧規定に基づく賃金の支払を求めた事案において、原告らの請求が棄却された事例
(山口地判令5・5・24)


刑 事

〇1 小児歯科医院の院長であり患児の主治医であった被告人が、同歯科医院の歯科医師に歯科用局所麻酔剤を使用して患児(当時2歳)の歯科治療をさせたところ、患児に異変が生じて2日後に救急搬送先の病院で死亡したことにつき、業務上過失致死罪に問われた事案において、同罪の成立を認めた原審の判断が是認された事例
 2 公判前整理手続で争いがないとされた前提事実に反する控訴審弁護人の主張について、前提事実が明らかに客観的な真実に反していると判明した場合には前提事実に基づく第1審判決の事実認定を維持できないが、本件では前提事実が明らかに客観的な真実に反しているとは認められないとされた事例
(福岡高判令6・2・9〈参考原審:福岡地判令4・3・25〉)

〇「殺害して天罰下る」、「自業自得。ご一家お揃いで奈落の底へどうぞ」などと記載した葉書の郵送について、被告人を無罪とした原判決を破棄し、脅迫罪の成立を肯定した事例
(東京高判令5・11・28〈参考原審:横浜地判令5・1・30〉)
◆記 事◆

実務と学説からみた憲法訴訟(10)
「群馬の森追悼碑訴訟」事件
―都市公園における記念碑と表現の自由―……下山 順

「自由と給付」の一局面
─「群馬の森」追悼碑裁判と表現の自由─……柴田 憲司


◆判決録細目◆

行 政

◎甲船と乙船が衝突した事故に係る海難につき小型船舶操縦士である甲船の船長に職務上の過失があるとした原審の判断に違法があるとされた事例
(最三判令6・1・30)


民 事

◎抵当不動産の賃借人は、抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権を差し押さえる前に賃貸人との間でした、抵当権設定登記の後に取得した賃貸人に対する債権と前記の差押えがされた後の期間に対応する賃料債権とを直ちに対当額で相殺する旨の合意の効力を抵当権者に対抗することができるか(消極)
(最二判令5・11・27)

〇1 審判に代わる決定に基づいてされた面会交流の実施を求める間接強制の申立てについて、同決定が定めていた面会交流の条件がその後にされた決定の確定により失効したことから、当該確定の日以降の部分が不適法であるとされた事例
 2 面会交流の実施を求めた間接強制の申立てが権利の濫用に当たらないとされた事例
(東京高決令5・1・17)

〇公立小学校の正課授業として実施された図画工作の作業中に同級生が木材に打ち込まれた釘を抜くためマイナスドライバーを用いた際に、その先端が向かい側で木材を押さえていた児童の眼に当たり負傷した事故について、指導教諭にマイナスドライバーの使用方法に関する説明指導義務及び監督義務を怠った注意義務違反があるとして国家賠償責任が認められた事例
(大阪高判令5・1・12)

▽1 テレビジョン放送をされた逮捕に関する報道番組の内容につき被逮捕者に対する名誉毀損に係る不法行為の成立を認めた事例
 2 取材対象者の容ぼうが撮影された取材時の映像を放送した報道番組につき同取材対象者の人格的利益を侵害するものとして不法行為の成立を認めた事例
(東京地判令5・3・24)


労 働

〇1 新型コロナウイルス感染対策として懇親会を含む社内イベントの開催を控えるよう要請される中、深夜まで会食した部下が帰宅時に駐車場内で飲酒運転により物損事故を起こした事案において、就業規則に基づく等級制度(職務別等級システム)による課長補佐相当の等級から係長相当の等級への降格決定が無効とされた事例
 2 降格決定により減額された賞与の差額の請求が、本人の人事評価の実績と会社の人事評価の運用から降格前の等級として人事評価をすれば受けられたはずの成果評価を前提に算定した差額の限度で認容された事例
(仙台高判令5・1・26)

▽1 陸上自衛隊の自衛官が、幹部自衛官名簿の登載順序が示す自衛官の順位と部隊等の指揮権を行使する順序が逆転する人事の後に適応障害を発症したことについて、国が国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負うとされた事例
 2 陸上自衛隊の自衛官が行った公務災害の申出に対し、補償事務主任者が実施機関に報告することなく公務災害に該当しない旨の通知を行ったことについて、国が国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負うとされた事例
(熊本地判令5・2・7)


◆判例評論◆

16 1 特許権者が、侵害品と需要者を共通にする同種の製品であって、市場において競合関係にある製品を輸出又は販売していた場合には、侵害行為により特許権者の製品の売上げが減少したものと評価でき、特許法102条2項が適用される
  2 特許法102条2項による損害額の推定が一部覆滅される場合であっても、推定覆滅部分について、特許権者が実施許諾をすることができたと認められるときは、同条3項が適用される──椅子式マッサージ機事件知財高裁大合議判決
(知財高判令4・10・20)……高林  龍

17 子の引渡しを命ずる審判を債務名義とする間接強制の方法による子の引渡しの強制執行の申立てが権利の濫用に当たるとした原審の判断に違法があるとされた事例
(最三決令4・11・30)……村上 正子 

18 外国公務員等に対して金銭を供与したという不正競争防止法違反の罪について、共謀の成立を認めた第1審判決に事実誤認があるとした原判決に、刑事訴訟法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
(最二判令4・5・20)……小島 秀夫


◆最高裁判例要旨(2024(令6)年4・5月分)
◆記 事◆

裁判員裁判の歩みとこれから⑹
──私の約12年間の裁判員裁判の実践──……山田 耕司


◆判決録細目◆

行 政

◎1公職選挙法251条の規定により遡って大阪市の議会の議員の職を失った当選人は、同市に対し当該当選人を唯一の所属議員とする会派の行った大阪市会政務活動費の交付に関する条例(平成13年大阪市条例第25号)5条所定の政務活動に関し不当利得返還請求権を有するか(消極)
 2 公職選挙法251条の規定により遡って大阪市の議会の議員の職を失った当選人は、同市に対し前記議会の議員として行った活動に関し不当利得返還請求権を有するか(消極)
(最三判令5・12・12)


民 事

〇老齢厚生年金の離婚時年金分割について、婚姻期間中の相手方の保険料納付に対する申立人の寄与を同等と見ることが著しく不当である特段の事情を認めるのが相当であるとして申立てを却下した原審判を取り消し、請求すべき按分割合を0・5と定めた事例
(東京高決令4・10・20〈参考原審:千葉家審令4・4・22〉)

〇限定的ではあるものの一定程度の意思能力がある可能性がある本人について、本人の精神の状況について鑑定をしないままされた後見開始の審判は、家事事件手続法119条1項に違反し、原審に差し戻しても鑑定を実施することは困難であるとして後見開始の申立てを却下した事例
(東京高決令5・11・24〈参考原審:甲府家都留支審令5・6・26〉)

〇後見開始申立事件において、本人の親族の非協力により鑑定ができなかったことから申立てを却下した原審判を取り消し、原審に差し戻した事例
(東京高決令5・3・20〈参考原審:横浜家審令4・8・19〉)


知的財産権

▽特許権者において販売等する製品が侵害品と市場において競合関係に立たない場合における特許法102条1項又は2項の適用の可否
(東京地判令4・12・15)


刑 事

◎第1審判決について、被告人の犯人性を認定した点に事実誤認はないと判断した上で、量刑不当を理由としてこれを破棄し、事件を第1審裁判所に差し戻した控訴審判決の拘束力を有する判断の範囲
(最一決令5・10・11)

▽特定少年である少年が、共犯者と及んだ侵入強盗等を含む窃盗、住居侵入、強盗、道路交通法違反保護事件において、犯情の重さに加え、少年の性格、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分を相当と認めて検察官送致とした事例
(東京家決令5・7・19)
◆記 事◆

実務と学説からみた憲法訴訟(9)

公安警察による個人情報の収集・保有・提供と憲法
─大垣警察市民監視事件を題材に─……山田 秀樹

国家による秘密裡の情報収集等の違憲性を争う訴訟
―大垣警察市民監視事件を題材として―……小西 葉子


◆判決録細目◆

行 政

◎独立行政法人日本芸術文化振興会の理事長がした文化芸術振興費補助金による助成金を交付しない旨の決定が前記理事長の裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法であるとされた事例
(最二判令5・11・17)


民 事

〇捜査機関の押収した物につき、被押収者が、目的物を任意提出した者に対して、その引渡請求権を被保全権利として、捜査機関(国)から目的物の引渡しを受けたり、目的物の引渡請求権の処分をすることを禁止し、かつ、捜査機関(国)が相手方に対して目的物を引き渡したり、被押収者の指図に従って処分することを仮に禁止することを認めた事例
(東京高決令5・1・25〈参考原審:東京地判令4・10・31〉)

▽家庭裁判所の裁判官が行った審判前の保全処分に関する審問期日の指定が国家賠償法上違法とはいえないとされた事例
(東京地判令5・3・23)

▽被告が運営する幼保連携型認定こども園において原告が原告の子の入園を申し込み被告が入園を許可した後にこれを取り消したことにつき、既に原告と被告との間で成立していた同園への入園契約の債務不履行及び原告の同入園契約上の地位を違法に侵害する不法行為に該当するものとされた事例
(大阪地判令4・5・31)


労 働

▽上司による労働者への退職を示唆する言動及び労働者の意に反して頭髪に整髪料をつけて髪型を変えた行為につき、使用者に職場環境配慮義務違反が認められるとして、労働者からの債務不履行に基づく損害賠償請求が一部認容された事例
(水戸地判令5・4・14)


刑 事

〇1 鑑定等の新証拠が無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たらないとして再審請求を棄却した原決定の判断を是認し、即時抗告を棄却した事例
 2 新証拠に一定の証明力を認め、その立証命題である旧証拠の一部についての証明力の減殺を認めたものの、それと関連する証拠関係に及ぼす影響について否定し、新旧全証拠の総合評価によることなく新証拠の明白性を否定した事例──大崎事件第4次再審請求即時抗告審決定
(福岡高宮崎支決令5・6・5)


◆判例評論◆

14 市庁舎前広場の性格と集会の自由──金沢市庁舎前広場事件(第2次訴訟)最高裁判決
(最三判令5・2・21)……岡田 俊幸

15 ふるさと納税に係わる寄附金の収入見込額が一定額を超えた場合を特別交付税の減額項目と定める総務省令(特別交付税に関する省令)の規定が地方交付税法の委任の範囲を逸脱し、無効であるとされた事例
(大阪地判令4・3・10)……中嶋 直木
◆記 事◆

裁判員裁判の歩みとこれから(5)
──私の約12年間の裁判員裁判の実践──
……山田 耕司


◆判決録細目◆

行 政

〇民事訴訟の口頭弁論期日を傍聴した職員が作成した知事に対する復命書の報告内容のうち、口頭弁論を一時休廷して、個別の当事者と非公開で行った事実上の進行協議に関する情報が、福島県情報公開条例7条6号イに規定する不開示情報にあたるとされた事例
(仙台高判令4・10・6)

▽1 同一の法人税の納税義務について、増額更正処分及び更正の請求に理由がない旨の通知処分がされた場合における、更正の請求に理由がない旨の通知処分の取消しを求める訴えの利益
 2 公益法人等が収益事業以外の事業に属する資産として取得した有価証券につき、当該公益法人等が普通法人に移行した後、同一銘柄の有価証券を追加取得せずに、当該有価証券を譲渡した場合における法人税法施行令119条の2第1項1号にいう「その取得をした有価証券の取得価額」の意義
 3 公益法人等が普通法人への移行前に収益事業に属しない減価償却資産について計上した減価償却費の金額は、法人税法31条4項にいう「所得の金額の計算上損金の額に算入されなかつた金額」に該当するか
 4 法人税法施行令131条の6の定める移行時資産等に該当する減価償却資産に係る、同施行令48条1項1号イ⑵(平成23年政令第379号による改正前のもの及び令和2年政令第207号による改正前のもの)にいう「取得価額(既にした償却の額で各事業年度の所得の金額…の計算上損金の額に算入された金額…を控除した金額)」の意義
(東京地判令5・2・17)


民 事

▽外国為替及び外国貿易法違反の罪により逮捕、勾留、起訴され、その後、検察官から公訴取消の申立てを受け公訴が棄却された者らが、警察による取調べ及び逮捕並びに検察官による勾留請求及び公訴提起が違法であるとして求めた国家賠償請求訴訟について請求が認容された事例
(東京地判令5・12・27)


労 働

▽原告の仮眠時間の一部に実作業時間があったにもかかわらず、それを労働時間とせずに休業補償給付の給付基礎日額を算定したことが誤りであるとして、休業補償給付支給処分を取り消した事例
(津地判令5・3・23)


刑 事

〇特定少年である少年が、少年院仮退院後の保護観察期間中に無賃乗車、無免許運転、大麻所持及び恐喝に及んだ事案において、少年を第1種少年院に送致し、収容期間を3年間と定め、比較的長期間(1年6月程度)の処遇勧告を付した原決定について、処分の著しい不当を理由とする抗告を棄却した事例
(東京高決令5・5・26)
◆記 事◆

最高裁民事破棄判決等の実情──令和5年度──
……川﨑直也、山本 拓


◆判決録細目◆

行 政

▽隣接する地方公共団体間の山間地における境界のうち、一部については江戸時代における利用等の状況を踏まえて確定したほか、一部については水利・治水上の観点や地勢上の特性に基づき最も衡平妥当な線として確定した事例
(新潟地判令5・6・5)


民 事

◎1 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、訴え提起の手数料につき各原告に対する訴訟上の救助の付与対象となるべき額
 2 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、各原告につき民事訴訟法82条1項本文にいう「訴訟の準備及び追行に必要な費用」として考慮すべき訴え提起の手数料の額
(最一決令5・10・19)

〇原告が、学校法人の理事長であった被告らにおいて、同学校法人には、当時、小学校の新築工事の請負工事の報酬を支払う能力がなく、同報酬を支払う意思もないのに、これがあるかのように装い、原告を欺罔して工事の請負契約を締結させたことが詐欺に当たるとして、不法行為に基づく損害賠償請求をした事案において、被告らは資金の調達方法を偽ったにとどまり、同学校法人の前記請負契約締結当時の資力に照らせば、請負報酬を支払う意思も能力もなかったとはいえず、被告らにつき欺罔行為も詐欺の故意も認められない等として原告の請求を棄却した原判決が、控訴審においても維持された事例
(大阪高判令4・8・24)


労 働

▽いわゆる内定者アルバイトとして入社前に内定先から雇用されていた新卒採用内定者が自殺したことについて、業務起因性が否定された事例
(東京地判令4・10・14)


刑 事

〇侵入窃盗等の犯行現場に犯人が残した工具痕が被告人の所持する工具により形成されたと認められるとした工具痕鑑定の信用性が否定された事例
(福岡高判令5・12・15)


◆最高裁判例要旨(2024(令6)年1・3月分)
◆記 事◆

実務と学説からみた憲法訴訟(8)

法律上の性別とはなにか
─経済産業省職員事件最高裁判決を経て─……立石 結夏

性自認と職員処遇における行政裁量
─経済産業省職員事件─……岡田 正則


◆判例特報◆

稲敷市における土砂埋立てに伴う土壌汚染による財産被害等責任裁定申請事件
(公調委令5・10・31裁定)

岐阜県本巣市曽井中島字南原地内の砂利採取計画変更不認可処分に対する取消裁定申請事件
(公調委令5・12・5裁定)


◆判決録細目◆

行 政

◎生物学的な性別が男性であり性同一性障害である旨の医師の診断を受けている一般職の国家公務員がした職場の女性トイレの使用に係る国家公務員法86条の規定による行政措置の要求は認められない旨の人事院の判定が、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となるとされた事例──経済産業省性同一性障害事件最高裁判決
(最三判令5・7・11)


民 事

◎被害者を被保険者とする人身傷害条項のある自動車保険契約を締結していた保険会社が、被害者の遺族に対し、前記条項の適用対象となる事故によって生じた損害について人身傷害保険金額に相当する額の金員を支払った場合において、前記遺族の加害者に対する損害賠償請求権の額から前記金員を全額控除することはできないとされた事例
(最一判令5・10・16)

〇高等学校が生徒募集を停止して廃校したことにつき、提携先の事業者に対して、学校設置会社は債務不履行責任に基づき、同会社代表取締役は会社法429条1項に基づき、各損害賠償責任を負うとした原判決について、控訴審において、学校設置会社の親会社及びその代表取締役の損害賠償責任を付加して認めた事例
(大阪高判令4・10・28〈参考原審:大阪地判令3・7・16本誌2526号68頁〉)


労 働
〇労働組合の組合員による業務の一部拒否が労働組合法7条1号の「正当な行為」に該当すると認められた事例
(東京高判令5・4・26〈参考原審:東京地判令4・10・6〉)


◆判例評論◆

12 科刑上一罪の関係にある数個の罪のいずれにも選択刑として罰金刑の定めがある場合の罰金刑の多額
(最一判令2・10・1)……成瀬 幸典

13 取締役の法令遵守義務違反と独禁法違反による会社への課徴金の取締役への転嫁が認められた事例──世紀東急工業株主代表訴訟第一審判決
(東京地判令4・3・28)……田中 慎一
◆記 事◆

「葬祭妨害」としての死体遺棄と「葬祭懈怠」としての死体遺棄
──最判令和5年3月24日刑集77巻3号41頁の意義について──……松宮 孝明


裁判員裁判の歩みとこれから⑷──私の約12年間の裁判員裁判の実践──……山田 耕司


◆書 評◆

書評 加藤新太郎『四日目の裁判官』(岩波書店、2024年)
評者……杉浦 徳宏


◆判例特報◆

◎性同一性障害者特例法生殖不能要件違憲最高裁大法廷決定
(最大決令5・10・25)


◆判決録◆

民 事

〇1 民法上の保佐等の制度は、本人の財産権等を擁護することを目的とするもので、警備業法における規制とは制度の趣旨が異なり、これを借用して被保佐人であることを警備員の欠格事由と定めた警備業法の本件規定(14条、3条1号)は、その制定当初から、憲法14条1項及び22条1項(職業選択の自由)に反するものであったとした事例
 2 本件規定が憲法に違反していることは、遅くとも平成22年7月頃には、国会にとっても明白であり、警備員をしていた被控訴人が被保佐人となり欠格事由に該当したことで退職を余儀なくされた平成29年3月まで、約6年8か月にわたって本件規定を改廃しなかったことは、国家賠償法1条1項の適用上違法であり、その違法性は大きいとした事例
 3 本件規定が職業選択の自由そのものを制約するもので、被控訴人が習熟しており、生計維持のためにも必要な社会経済活動を制限され、同程度の能力を有する法定後見制度を利用しない者との間で不平等な扱いを受け、社会生活をしていく中でその能力を発揮する主要な場を奪われ、個人としての自立等を妨げられ、自己実現のできる重要な機会を強制的に奪われたことなどを考慮すると、慰謝料は50万円が相当であるとして、原審の認容額から増額した事例
(名古屋高判令4・11・15〈参考原審:岐阜地判令3・10・1本誌2430号63頁〉)

〇1 町議会が議員に対して行った議員辞職勧告決議の一部が同議員の名誉権を侵害するものとして国家賠償法1条1項の違法を認め、町に対して損害の賠償を命じた事例
 2 普通地方公共団体の議会がその議員に対して議員辞職勧告決議を行った場合に、それが当該議会の内部規律の問題にとどまるとはいえない場合には、当該議員辞職勧告決議が行われたことを理由とする国家賠償請求の当否を審理する裁判所は、格別の制限なく、当該議員辞職勧告決議を行ったことについて国家賠償法1条1項の違法があるか否かを判断することができる
 3 普通地方公共団体の議会が、議員が議会外で行った政治的行為であって、議員として本来許されるべきものを理由として当該議員に対して辞職勧告決議を行った場合で、それが当該議員の私法上の権利利益を侵害するときは、もはや議会の内部規律の問題にとどまらないものとして、裁判所はその違法性の有無について判断することができる
(名古屋高判令4・11・18〈参考原審:岐阜地判令4・1・31〉)

▽著名なYouTuberの母親の容ぼう及び姿態を承諾なく撮影した行為及びその容ぼう等が写った写真を公表した行為について、肖像権を侵害する違法なものであるとは認められないとした事例
(東京地判令5・1・24)

▽信用取引により買い付けていた株式を売り付け、これと同時に、同数・同額の株式を現物取引により買い付けた事情があっても、当該売付けに金融商品取引法164条1項の適用があるとされた事例
(東京地判令5・12・6)

▽被疑者である被留置者が所持するいわゆる被疑者ノートの内容について、留置担当官が確認した行為、抹消を指示した行為及び取調べ以外のことを書かないよう記載内容を指示した行為が弁護人との関係でいずれも国家賠償法1条1項の適用上違法とされた事例
(横浜地判令5・3・3)

▽自動車損害賠償保障法施行令2条2項の「同一部位」の障害といえるか否かは、現存障害に係る損害から既存障害に係る損害を控除しなければ保険会社が当該交通事故と相当因果関係のない損害について賠償金を支払うことになるか否かで判断すべきであるとした事例
(広島地判令5・6・29)


刑 事

▽監護者(女性)と非監護者(男性)が共謀の上、非監護者において被害児童と性交をした事案につき、刑法65条1項を適用して非監護者に監護者性交等罪の成立を認めた事例
(松江地判令5・9・27)
◆記 事◆

最高裁刑事破棄判決等の実情 ──令和4年度──
……熊代 雅音


◆判決録細目◆

民 事

◎1筆の土地の一部分についての所有権移転登記請求権を有する債権者が当該登記請求権を被保全権利として当該土地の全部について処分禁止の仮処分命令の申立てをした場合における保全の必要性の有無
(最三決令5・10・6)

◎マンションの建築工事の注文者から前記マンションの敷地を譲り受けた行為が請負人の注文者に対する請負代金債権を違法に侵害する行為に当たらないとされた事例
(最一判令5・10・23)

〇当事者間の合意に基づいて養育費の支払を求める場合には、地方裁判所に対して訴えの提起をして判決を求める民事訴訟手続によるべきであって、家庭裁判所に対して家事審判の申立てをすることはできないとして、原審判を取り消して申立てを却下した事例
(東京高決令5・5・25)

▽芸能事務所との間の専属契約終了後においても無期限に芸能人自身による芸名使用を当該事務所の承諾に係らしめる旨の条項が公序良俗に反し無効であるとされた事例
(東京地判令4・12・8)

▽市立保育所に通園していた当時3歳2か月の幼児が給食のホットドッグを誤嚥して心肺停止となった事故につき、幼児にホットドッグを提供したことや誤嚥後の対応等に違法性はないとして、幼児及び家族の市に対する国家賠償請求を棄却した事例
(東京地判令4・10・26)

▽統合失調症に罹患していた成人男性が心神耗弱状態で引き起こした殺傷事件に関し、同居の親は、加害男性の病状の悪化を認識しながらこれを放置していた等の具体的な事情の下で、その者について、民法709条に基づく不法行為が成立すると解するのが相当であるとして、同居の母親に対する損害賠償請求を認めた事例
(大阪地判令4・10・25)

▽いわゆる振り込め詐欺において振込先として使用された口座の名義人につき、幇助による共同不法行為責任が肯定された事例
(東京地判令5・2・22)
◆記 事◆

実務と学説からみた憲法訴訟(7)

受刑者は選挙の公正を害するか―受刑者選挙権東京訴訟控訴審判決の報告と上告審へ向けた議論の起点―……吉田 京子

受刑者の選挙権制限を合憲とする思考とはどのようなものか……大石 和彦


海外判例研究──特報……大林 啓吾


◆判決録細目◆

民 事

▽区分所有建物の共用部分の瑕疵を原因として生じた漏水事故に関して、区分所有者の1人が、区分所有者全員で構成される当該建物の管理組合に対し、区分所有者全員が不真正連帯の形で負う工作物責任に基づく損害賠償債務の履行を求めることができるとした事例
(東京地判令4・12・27)

▽県立高校の野球部の活動中、河川へ落下したボールを回収しようとした生徒が同河川に転落して死亡した事故に関し、被告である県に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を肯定し、3割の過失相殺をした損害の賠償を命じた事例
(金沢地判令4・12・9)

▽民法719条1項後段の類推適用により、石綿含有建材を製造・販売した会社の損害賠償責任を認めた事例――建設アスベスト訴訟大阪ルート(第2陣、第3陣)第1審判決
(大阪地判令5・6・30)


刑 事

〇強制わいせつ、迷惑防止条例違反保護事件において、相当長期の処遇勧告を付して第1種少年院送致とした原決定について、処分の著しい不当等はないとして抗告を棄却しつつ、比較的長期の処遇による教育を実施することが相当と説示した事例
(大阪高決令5・6・26)


◆判例評論◆

10 金融商品取引法167条1項6号にいう「その者の職務に関し知つたとき」に当たるとされた事例
(最三決令4・2・25)……品田 智史

11 健康保険組合が被保険者に対して行うその親族等が健康保険法(平成24年法律第62号による改正前のもの)3条7項各号所定の被扶養者に該当しない旨の通知は、健康保険法189条1項所定の被保険者の資格に関する処分に該当するか(積極)
(最三判令4・12・13)……髙橋 正人
◆海外判例研究 ─第17回─ ◆

【憲法】
大学入試において人種に基づくアファーマティブアクションを採用することが合衆国憲法修正14条の平等保護条項に違反するとした事例
……大林 啓吾

バイデン政権が新型コロナ禍を理由に実施した学生ローンの免除プログラムの違法性が問われた事例
……大林 啓吾

【民法】
インターネットバンキングサービスにおける不正な振込送金と銀行の違約責任
……胡 光輝

【消費者法】
人工知能(AI)を用いたチャットボットによる不実表示について、チャットボットを使用していた事業者の責任が認められた事案
……カライスコス アントニオス

【刑法】
殴打による攻撃がなされるとの共犯者の予想に反して、正犯者がナイフで被害者を刺殺した場合に、故殺罪の共犯の成立が肯定された事例
……横濱 和弥

正当防衛における防衛行為の必要性の判断のあり方
……坂下 陽輔

一般平等待遇法(Allgemeines Gleichbehandlungsgesetz:AGG)15条2項が採用手続において差別的取扱いを受けた者に企業に対する補償金請求権を認めていることを被告人らが逆手に取り、採用されるつもりがないのに補償金目的で求人に応募をし、不在用通知を受けた後に補償金を請求した場合で、詐欺罪にいう欺罔行為と実行の着手が問題とされた事例
……冨川 雅満

表現を伴う脅迫事件では、被告人の精神状態の証明は必要であるが、被告人が脅迫を意図していたことまで証明する必要はなく、被告人が当該発言をするのは無謀であったことを証明すれば足りるとされた事例
……ダン ローゼン・西口 元


◆記 事◆

裁判員裁判の歩みとこれから(3)―私の約12年間の裁判員裁判の実践―
……山田 耕司


◆判決録細目◆

行 政

〇住民が、県が高級普通乗用車1台を購入する旨の売買契約を締結し、公金支出をしたことが違法であるなどと主張して、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、県知事を被告として、同契約の締結をした当時の県知事に不法行為に基づく損害賠償請求をすることを求める住民訴訟について、同車種の長年の使用実績等を考慮すると、他の車種を選択するか否かについて特段検討していなかったとしても、当時の県知事が同契約を締結したことが、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものと評価することはできないとして請求を棄却した事例
(広島高判令5・5・10〈参考原審:山口地判令4・11・2〉)


民 事
◎憲法53
条後段の規定により国会の臨時会の召集を決定することの要求をした国会議員は内閣による前記の決定の遅滞を理由として国家賠償請求をすることができるか(消極)
(最三判令5・9・12)

▽学校の運動会で組体操演技に参加した2日後に脳内出血を生じて死亡した中学生の遺族からの学校設置者に対する安全配慮義務違反及び事故原因の調査・報告義務違反等を理由とする損害賠償(国家賠償)請求をいずれも棄却した事例
(広島地福山支判令5・4・26)


労 働

○有期雇用の契約期間が通算5年を超えた私立大学の専任講師について、大学の教員等の任期に関する法律4条1項1号に該当しないから、同法7条によって労働契約法18条の「5年ルール」の適用が排除されることはなく無期雇用に転換した、と判断した事例
(大阪高判令5・1・18〈参考原審:大阪地判令4・1・31〉)
◆判決録細目◆

行 政

◎刑事施設に収容されている者が収容中に受けた診療に関する保有個人情報の全部を開示しない旨の決定につき国家賠償法1条1項にいう違法があったということはできないとされた事例
(最一判令5・10・26)

◎法定受託事務に係る申請を棄却した都道府県知事の処分がその根拠となる法令の規定に違反するとして、これを取り消す裁決がされた場合において、都道府県知事が前記処分と同一の理由に基づいて前記申請を認容する処分をしないことは、地方自治法245条の7第1項所定の法令の規定に違反していると認められるものに該当するか
(最一判令5・9・4)

◎1 租税特別措置法施行令(平成29年政令第114号による改正前のもの)39条の16第1項を適用することができないとした原審の判断に違法があるとされた事例
 2 増額更正処分後に国税通則法23条1項の規定による更正の請求をし、更正をすべき理由がない旨の通知処分を受けた者は、当該通知処分の取消しを求める訴えの利益を有するか(積極)
(最二判令5・11・6)


商 事

◎吸収合併消滅株式会社の株主が吸収合併をするための株主総会に先立って前記会社に対して委任状を送付したことが会社法785条2項1号イにいう吸収合併等に反対する旨の通知に当たるとされた事例
(最一決令5・10・26)


民 事

▽インターネットないしコンピュータゲームの過度の使用により、その健康上・社会生活上生じる様々な弊害・支障、とりわけ青少年において生じる生育上の危険性につき、これを予防するために前記危険性や弊害等について子供と話し合い、子供とのルール作りを求め、1日当たりの利用時間の上限の目安を示す等を条例で定めること及び同条例を改廃しないことは、憲法21条、94条、13条等には反せず、国家賠償法上違法であるとはいえないとされた事例
(高松地判令4・8・30)


刑 事

▽1 覚醒剤営利目的輸入の事案(受取型)において、「裏バイト」等の語句を検索してやり取りをするようになった投稿主との間のメッセージ内容や、被告人のインターネット閲覧履歴等を検討の上、被告人に故意があったと認めるには合理的な疑いが残るとして、被告人に無罪を言い渡した事例(①事件)
 2 覚醒剤営利目的輸入等の事案(受取型)において、海外の基金を受領するための手順として荷物を受け取ることになった経緯等を検討の上、被告人が違法薬物かもしれないと認識していたと断定する強い決め手となる事情が立証されておらず、故意があったと認めるには合理的な疑いが残るとして、被告人に無罪を言い渡した事例(②事件)
(①大阪地判令5・5・31、②神戸地判令5・6・5)


◆最高裁判例要旨(2023(令5)年12月分)
◆記 事◆

実務と学説からみた憲法訴訟(6)
「セックスワークにも給付金を」訴訟について……亀石 倫子 三宅 千晶


「セックスワークにも給付金を」訴訟をめぐって―憲法研究者の観点から……尾形  健


◆判決録細目◆

民 事

▽小学校の教諭の行為及び発言が、いずれも教諭が児童に対して行うことが許される教育的指導の範囲を逸脱したものであるとして、国家賠償法1条1項の適用上違法であるとされた事例
(熊本地判令5・2・10)


知的財産権

〇1 特許権者が、侵害品と需要者を共通にする同種の製品であって、市場において競合関係にある製品を輸出又は販売していた場合には、侵害行為により特許権者の製品の売上げが減少したと評価でき、特許法102条2項が適用される
 2 特許法102条2項による損害額の推定が一部覆滅される場合であっても、推定覆滅部分について、特許権者が実施許諾をすることができたと認められるときは、同条3項が適用される
(知財高判令4・10・20〈参考原審:大阪地判令2・2・20〉)


刑 事

▽1 路上で通行人をペティナイフで突き刺し傷害を負わせた殺人未遂等の事案について、統合失調症による幻聴のため対象を実在の人と認識していなかった被告人に対して、心神喪失を理由に無罪の言渡しがされた事例
 2 殺人未遂被告事件で、統合失調症による幻聴のため対象を実在の人と認識していなかった被告人について、精神の障害の影響を除き、当時の状況の下で外形的、客観的にみれば、故意が肯定できるとされた事例
(東京地判令5・6・13)


◆判例評論◆

7 家賃債務保証業者が作成した「ひな形」に含まれる賃貸借契約の無催告解除条項や建物明渡擬制条項につき、適格消費者団体による消費者契約法12条3項本文に基づく差止請求等が認められた事例
(最一判令4・12・12)……大澤慎太郎

8 令和3年10月31日衆議院議員総選挙における衆議院小選挙区選出議員の選挙区割りの合憲性
(最大判令5・1・25)……吉川 智志

9 多重請負の形態で下請企業の労働者に対し注文主が直接に指揮命令をしたケースで注文主および元請企業に対する労働者派遣法40条の6等による地位確認請求が棄却された事例──竹中工務店ほか2社事件
(大阪地判令4・3・30)……本庄 淳志
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