判例時報 発売日・バックナンバー

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◆記 事◆

民事判例の主論と型について ……遠藤 賢治


◆判決録細目◆

行 政

〇生活扶助の基準生活費の減額を含む「生活保護法による保護の基準」(昭和38年厚生省告示第158号)の改定の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるとは認められないとして、前記改定が生活保護法3条及び8条2項の規定に違反するとした原審を取り消した事例
(大阪高判令5・4・14)


民 事

▽1 水道局職員の自殺と上司の安全配慮義務違反との間に相当因果関係が認められ、損害賠償が認められた事例
 2 自殺した職員の経験等を考慮して5割の過失相殺が認められた事例
(新潟地判令4・11・24)

▽警察署に勾留されていた被留置者が脚気に罹患したのは、食事提供担当者において注意義務を怠り、ビタミンB1の欠乏した食事を継続的に提供したためであるとして、国家賠償法1条1項に基づき損害賠償が命じられた事例
(さいたま地判令5・6・16)


労 働

◎雇用契約に基づく残業手当等の支払により労働基準法37条の割増賃金が支払われたものとした原審の判断に違法があるとされた事例
(最二判令5・3・10)


刑 事

〇違法収集証拠として証拠能力を否定した第1審の訴訟手続に法令違反があるとした控訴審判決を、法令の解釈適用を誤った違法があるとして破棄し控訴審に差し戻した上告審判決を受けて、差戻後の控訴審が、検察側主張の訴訟手続の法令違反及び弁護側主張の量刑不当の各控訴趣意をいずれも排斥し、被告人に一部無罪を言い渡した第1審判決を相当と認めてこれを是認した事例
(東京高判令4・10・5〈参考原審:東京地判令2・3・17〉)

〇被告人と犯人との同一性を認めた原判決の認定判断は、被告人の所持品と防犯カメラ映像に記録された犯人の着用品等の特徴の類似性及びその組合せが一致することの希少性の評価を誤り、ほかに被告人の犯人性を認める有力な証拠がないのに被告人を犯人と決め付けたものであるから、論理則、経験則等に照らして不合理なものであるとして、原判決に事実誤認があるとした事例
(福岡高判令4・4・20〈参考原審:福岡地小倉支判令3・11・25〉)
◆記 事◆

許可抗告事件の実情
 ──令和4年度──……福井章代・今西和樹


◆判決録細目◆

民 事

〇信用保証協会に対する保証委託契約上の求償金等債務を連帯保証する旨の保証契約につき、連帯保証人名下の印影は名義人の実印によるものであるが、本人の意思に基づいて顕出されたとの推定を妨げる特段の事情があるとして、その成立が否定された事例
(大阪高判令4・6・30〈参考原審:大阪地判令3・12・14〉)

▽1 河川管理者は、特定の土地につき河川法上の規制が及ばないことにより重大な被害が具体的に予見できる場合、これを河川区域に指定するべき義務を負うとした事例
 2 治水安全度設定の前提として、現況堤防高を基礎とし堤防の幅に係る安全性からスライドダウン評価を行った河川改修計画が格別不合理とはいえないとした事例
(水戸地判令4・7・22)

▽原告記者が取材を通じて職務上の関係を有する被告地方公共団体の幹部職員から受けた性的被害について、被告が内部調査の過程や報道対応等の際に原告の二次被害を防止すべき義務を怠ったとして、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を認めた事例
(長崎地判令4・5・30)

▽国有地売却に関する決裁文書等の改ざんを指示された公務員が自殺した事案において、改ざんを指示した公務員個人の損害賠償責任を否定した事例
(大阪地判令4・11・25)


労 働

〇会社が労働者に対して行った普通解雇につき、当該労働者による具体的な非違行為等を認定し、解雇権を濫用したものとは認められないとして、当該労働者による労働契約上の地位確認及び未払賃金支払の各請求を棄却した1審判決を維持し、控訴を棄却した事例
(東京高判令4・9・6〈参考原審:東京地判令4・1・27〉)

▽新型コロナウイルス感染防止策の不履行等を理由とする解雇が無効とされた事例
(大阪地判令4・12・5)


刑 事

◎1 刑法190条にいう「遺棄」の意義
 2 死亡後間もないえい児の死体を隠匿した行為が刑法190条にいう「遺棄」に当たらないとされた事例
(最二判令5・3・24)

◎1 薬事法(平成25年法律第84号による改正前のもの)66条1項の規制する「記事を広告し、記述し、又は流布」する行為の意義
 2 薬事法(平成25年法律第84号による改正前のもの)66条1項の規制する特定の医薬品等の購入・処方等を促すための手段としてされた告知といえるか否かの判断方法
 3 学術論文の学術雑誌への掲載が薬事法(平成25年法律第84号による改正前のもの)66条1項の規制する行為に当たらないとされた事例
(最一決令3・6・28)
◆記 事◆

共同正犯判断枠組の再構築……清野 憲一


◆判決録細目◆

行 政

◎1 消費税法(平成27年法律第9号による改正前のもの及び同改正後のもの)30条2項1号にいう「課税資産の譲渡等にのみ要する」課税仕入れと「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する」課税仕入れとの区別(①事件)
 2 事業者が消費税及び地方消費税の確定申告において課税期間中に行った課税仕入れに係る消費税額の全額を当該課税期間の課税標準額に対する消費税額から控除したことにつき国税通則法(平成28年法律第15号による改正前のもの)65条4項にいう「正当な理由」があると認めることはできないとされた事例(②事件)
(①、②最一判令5・3・6)

▽普通地方公共団体の議会による議員に対する出席停止の懲罰が違法であるとされた事例──岩沼市議出席停止処分事件差戻審
(仙台地判例5・3・14)


民 事

〇新聞記事において、被疑者の氏名等に加え、住所を地番まで記載した逮捕報道がされたことにつき、報道の時点で地番の公表が一律に許されないとの社会通念があるとまではいえず、被疑事実の重大性、被疑者特定に係る記載が基本的な要素のみであること、地番の記載の有無により被疑者の私生活上の平穏が害されるおそれに格段の違いがあったことが明らかでないこと等を理由として、プライバシー侵害による損害賠償責任が否定された事例
(東京高判令3・11・18〈参考原審:静岡地判令3・5・7本誌2515号63頁〉)

〇刑務作業中の受刑者が正常に印刷されていない紙を取り除こうとして印刷機内に手を差し入れていた時、他の受刑者が印刷機を作動させたため傷害を負った事故につき、刑務所職員らに安全指導義務違反があるとして国家賠償責任が認められた事例
(仙台高判令4・8・31〈参考原審:仙台地判令3・3・23〉)

▽被告(女性)が原告の妻と性的行為を行ったことが原告に対する不法行為に当たるとして慰謝料を認めた事例
(横浜地小田原支判令4・4・26)

▽入国管理施設に収容中であった者が容態急変後に死亡したことについて、同施設の職員らが救急搬送すべき注意義務を怠った過失により、死亡の時点においてなお生存していた相当程度の可能性が侵害されたとして、国家賠償責任が認められた事例
(水戸地判令4・9・16)

▽1 ループを形成する操作コードの付属した上げ下げロール網戸につき、製造物責任法3条の「欠陥」があるとは認められないとした事例
 2 リフォーム工事の請負契約等につき、特定商取引に関する法律 条6項1号の請求訪問販売に該当せず、契約締結の際に交付された書面は同法5条の書面に該当しないと認め、クーリングオフによる解除の主張が権利の濫用に当たらないとして、当該請負契約等の解除を認めた事例
(大阪地判令4・11・17)


知的財産権

▽アフィリエイトサイトを構成するウェブページが設置されていたウェブサーバーの管理者に対する発信者情報開示請求訴訟において、匿名投稿者の投稿につき、信用を害する虚偽 の事実である等との原告の主張に対し、当該匿名投稿者と原告との間の「競争関係」を肯定し、信用毀損行為該当性を認めた事例
(大阪地判令2・11・10)
◆記 事◆

実務・学説・目的的行為論(3)……小林憲太郎

海外判例研究─第16回─

・憲法
州の差別禁止法に基づくと、同性婚に賛同しないウェブデザイナーは同性婚のウェディングウェブサイトを依頼されたら断れないことになるので、そのような法律の運用は表現の自由を侵害するとした事例……大林 啓吾

表現者の主観的意図を考慮せずに客観的基準に基づいて脅迫罪を適用することは表現の自由を侵害するとした事例……大林 啓吾

・民法
抵当権設定登記をしなかった場合の抵当権設定契約の効力と責任に関する事件……胡 光輝

(親指を上げる手)という絵文字の使用が契約の承諾および署名に該当する場合……カライスコス アントニオス

・商標法

パロディとして製作された商品に表現的な内容が含まれているとしても、合衆国憲法修正第1条は、侵害者の商品の出所を特定するために商標が使用される場合には適用されないとされた事例……ダン ローゼン・西口 元

・刑法

詐欺を隠蔽するため犯行後に作成した物について、詐欺に関連して使用するための物にあたるとして所持罪の成立が認められた事例……山科 麻衣

売春婦に対して、有償で行うことを合意した性的行為を、ナイフで脅迫して無償で行わせた事例における量刑判断……小池 信太郎

環境活動家の抗議行動と違法性阻却……佐藤 拓磨


◆判決録細目◆

行 政

〇政務活動費のうちその趣旨、目的に反して支出された金額の返還を求める不当利得返還請求権は、「行政上の便宜を考慮する必要のある公法上の債権」であるとは認められないから、消滅時効期間を民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)167条1項所定の10年と解するのが相当であるとされた事例
(名古屋高金沢支判令5・2・8〈参考原審:富山地判令4・3・2〉)

▽都市再生特別地区内に建築された高層マンションの周辺住民が、同マンションは違法建築物であるとして提起した建築基準法上の是正措置命令の義務付けの訴えにつき、一部の住民に関する部分は原告適格を欠き却下、その余の住民に関する部分は棄却された事例
(横浜地判令3・12・22)


民 事

◎離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において当事者が婚姻中にその双方の協力によって得たものとして分与を求める財産の一部につき財産分与についての裁判をしないことの許否
(最二判令4・12・26)

〇患者が全身麻酔下で鼻中隔矯正術、下鼻甲介粘膜切除術及び外鼻形成術を受けた後、回復不能な遷延性意識障害に陥り、その後、脳死に伴う多臓器不全を直接の死因として死亡したことにつき、担当医師らに気管チューブ挿管後の確認義務違反がなければ、当該患者に遷延性意識障害が残らなかった相当程度の可能性があったとして、慰謝料請求の一部が認容された事例
(東京高判令4・3・22〈参考原審:東京地判令1・5・23〉)

〇国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律に基づき、子らをフランス共和国に返還するよう求めた事案において、同法28条1項5号に定める子の異議があるとは認められないなどとして、子らの返還を命じた原決定を維持した事例
(大阪高決令2・12・8〈参考原審:大阪家決令2・9・11〉)


刑 事

◎前訴で住居侵入、窃盗の訴因につき有罪の第1審判決が確定した場合において、後訴の訴因である常習特殊窃盗を構成する行為が前訴の第1審判決後にされたものであるときの前訴の確定判決による一事不再理効の範囲
(最一決令3・6・28)

〇統合失調症に罹患していた被告人が無差別殺人を計画し、人通りのある道幅の狭い通りで自動車を加速させながら走行し、殺意をもって8人を次々とはねて傷害を負わせるなどした事件につき、完全責任能力を認めた1審判決の判断が控訴審においても維持された事例
(東京高判令4・6・22〈参考原審:東京地判令3・3・17〉)
◆記 事◆

実務・学説・目的的行為論(2)……小林憲太郎


◆書 評◆

田中康郎監修『令状実務詳解〔補訂版〕』(立花書房、2023)
評者……宮村啓太


◆判決録細目◆

行 政

▽1 児童相談所長が一時保護を開始したことが国家賠償法1条1項の適用上違法であるとはいえないとされた事例
 2 児童相談所長が一時保護を継続したことが国家賠償法1条1項の適用上違法であるとされた事例
 3 児童相談所の職員が行政指導として一時保護中の児童とその親権者との面会を制限したことが、国家賠償法1条1項の適用上違法であるとされた事例
(大阪地判令4・3・24)


民 事

◎令和2年総務省令第82号の施行前に特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者が特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(令和3年法律第27号による改正前のもの)4条1項に基づき前記施行後に発信者の電話番号の開示を請求することの可否
(最二判令5・1・30)


〇同居したことがない夫婦間における婚姻費用分担申立事件において、抗告人の申立てを却下した原審の判断を取り消し、相手方に支払を命じた事例
(東京高決令4・10・13)〈参考原審:横浜家審令4・6・17〉

〇先行自動車に同乗中に後続自動車から追突された者が、後続自動車の運転者及びその運行供用者に対して民法709条及び自動車損害賠償保障法3条に基づく各損害賠償請求をした事案において、前記の交通事故は先行自動車の運転者により故意に招致されたとして、前記の各損害賠償請求が棄却された事例
(東京高判令4・3・23)〈参考原審:千葉地判令3・8・26〉

▽琉球民族であるとする原告らが昭和初期に沖縄県内の墳墓から持ち去られた遺骨を占有保管する大学である被告に対し遺骨の返還を求めた事案において、遺骨の所有権が原告らに帰属しないなどとして請求が棄却された事例
(京都地判令4・4・21)

▽(平成29年法律第44号による)民法改正後、施行日前に行われた根抵当権設定契約締結の詐害行為該当性について、改正前の民法424条の解釈において、直ちに改正後の民法424条の3を参照すべきものとはいえないとして、改正前の民法424条による詐害行為取消権に基づく根抵当権設定契約の取消し及び根抵当権設定登記等の抹消登記手続が認められた事例
(東京地判令3・9・8) 

▽相続財産である土地について、被相続人は、長年にわたり、地元の公共財産として申立人である市の公共の用に供してきており、将来的にもその現状が維持されることを望んでいたとして、申立人である市を特別縁故者と認めて当該土地を市に分与した事例
(水戸家審令4・7・13)


刑 事

〇特定少年である少年が、共犯者らと共謀の上、現金等を脅し取ったという恐喝保護事件において、試験観察を含む社会内処遇によって少年の改善更生を図ることは困難であるなどとして、短期間の処遇勧告を付して少年を第1種少年院に送致した原決定について、その処分が著しく不当であるとはいえないとして、抗告を棄却した事例
(東京高決令4・11・18)

▽自閉スペクトラム症特性及び抑うつ障害を有する被告人が実子2名を殺害した事案につき、被告人が心神喪失の状態にあったとの合理的な疑いが残るとして無罪を言い渡した事例
(那覇地判令4・2・24)
◆特 集◆ 袴田事件

・袴田事件訴訟をめぐる2つの重大な問題点と今後の課題 ……木谷 明

・袴田事件第2次再審請求差戻抗告審決定について……水谷規男

・検察の特別抗告断念と再審公判での有罪立証方針にまつわる諸々の疑問……市川 寛

・袴田事件第2次再審請求差戻抗告審決定(東京高決令5・3・13) 解説
 1 再審を開始した原決定に対する検察官の即時抗告を容れ、原決定を取り消して再審請求を棄却した高裁決定を、最高裁が取り消して高裁に差し戻したところ、差戻審において、専門的知見等に関する事実取調べの結果を踏まえ、原決定の結論が支持されて検察官の即時抗告が棄却された事例
 2 死刑判決に対する再審開始決定において、死刑及び拘置の執行を停止した原決定の判断が支持された事例
 3 有罪の言渡しを受けた対象者の実姉である保佐人からの再審請求について、その後、対象者の保佐人に追加選任された者についても再審請求人としての地位が認められた事例


◆確定審各判決◆

・第1審(静岡地判昭43・9・11)

・控訴審(東京高昭51・5・18)

・上告審(最二判昭55・11・19)


◆第1次再審請求審各決定◆

・第1審(静岡地決平6・8・8)

・即時抗告審(東京高決平16・8・26)

・特別抗告審(最二決平20・3・24)


◆第2次再審請求審各決定◆

・第1審(静岡地決平26・3・27)

・抗告審(東京高決平26・3・28)

・即時抗告審(東京高決平30・6・11)

・特別抗告審(最三決令2・12・22)

・差戻抗告審(東京高敬令5・3・13)
◆記 事◆

実務・学説・目的的行為論(1)……小林憲太郎


◆判決録細目◆

行 政

▽住民が、市が国庫補助金を原資とする補助金を事業者に違法に交付したことによって損害を被ったにもかかわらず、当時の市長に対し損害賠償請求権の行使を違法に怠っている旨を主張して、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、市長を被告として、当時の市長に対する損害賠償請求権を行使するよう求める住民訴訟について、市は、当該事業者から補助金の返還を受けることのないまま当該国庫補助金を国に返還した時点において、初めて当該損害に係る当時の市長に対する損害賠償請求権を行使することができるので、当該返還の日を基準として同法242条2項の規定を適用すべきものとした事例
(広島地判令4・3・30)


民 事

〇固定資産税及び都市計画税の賦課徴収を巡る土地の隣地所有者間の筆界の是正に伴う不当利得返還請求について、法律上の原因及び損失と利得との間の因果関係がないとして請求を棄却した事例
(東京高判令4・4・13〈参考原審:東京地判令2・11・25〉)

〇国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律に基づき、乳児である子をオーストラリア連邦に返還するよう求めた事案において、子の常居所地国が同国であると認めることはできないとして、申立てを却下した事例
(大阪高決令3・5・26)

▽高層マンションの売買契約に係る意思表示において、法令適合性に疑義がないとする買主の動機に錯誤があったとしても「要素の錯誤」に当たらないとした事例
(東京地判令4・3・29)

▽就労移行支援事業所に通所する障害者に対し、同事業所の管理者が行ったわいせつ行為について、知的障害の影響により性的同意能力に制限を受けていることを認識しながら、その状況を利用して性的行為に及んだものとして違法であるとされた事例
(福岡地久留米支判令4・10・7)


労 働

▽私立大学教授である原告が同大学を設置する被告から複数の教員及び学生に対するハラスメント行為を理由に停職1年間の懲戒処分を受けたことについて、当該処分の無効確認及び停職期間中の賃金の支払が認められた事例
(水戸地判令4・9・15)


刑 事

◎アルコール依存にり患している対象者について、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律による入院決定をした原々決定を取り消した原決定に同法42条1項、64条2項の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
(最二決令3・8・30)


◆最高裁判例要旨(2023(令5)年5月分)
◆記 事◆

当事者識別情報秘匿制度の運用に望む
 ──対審(当事者対等主義)との緊張関係……伊藤 眞


◆判決録細目◆

行 政

◎金沢市庁舎前広場における集会に係る行為に対し金沢市庁舎等管理規則(平成23年金沢市規則第55号)5条12号を適用することは、憲法21条1項に違反しない
(最三判令5・2・21)


民 事

▽インターネット上の電子掲示板に投稿された記事がバーチャルYouTuberとして活動する者の人格的利益を侵害するものであるとして、当該投稿に係る発信者情報の開示を命じた事例
(大阪地判令4・8・31)

▽自動車保険の契約者が初回保険料の支払を怠っている状況で、示談代行を行う保険会社が被害者との間で成立させた交通事故の示談につき、同保険会社が被害者に対し初回保険料の不払いを理由とする保険金支払免責の主張をすることが信義則に反するとはいえないとした事例
(静岡地判令5・4・28)


商 事

○買収防衛策として導入発動された新株予約権の無償割当てが、相当性を欠くものとして、その仮の差止めが認められた事例
(大阪高決令4・7・21〈参考原審:大阪地決令4・7・11〉)


知的財産権

〇1 特許権を侵害する製品(直接侵害品)の生産に用いられることのなかった間接侵害品がある場合には、当該間接侵害品の数量は特許法102条1項1号にいう「特定数量」に該当する
 2 当該「特定数量」に関しては特許法102条1項2号にいう「許諾をし得たと認められない場合」に該当し、実施料相当額の損害を請求することができない
 3 直接侵害品の生産に用いられることのなかった間接侵害品がある場合には、当該間接侵害品の数量は特許法102条2項による損害額推定の覆滅事由になる
──画面定義装置事件
(知財高判令4・8・8〈参考原審:大阪地判平30・12・13本誌2478号74頁〉)


刑 事

▽少年(特定少年)が、警察官になりすまし、高齢者らからキャッシュカードを盗み、それを用いて現金を窃取するなどした窃盗、詐欺保護事件について、犯情の悪質性、少年の立場、保護処分歴、保護環境等を考慮の上、刑事処分を相当と認めて検察官送致とした事例
(鳥取家決令4・9・26)
◆記 事◆

最高裁民事破棄判決等の実情
 ──令和4年度──……鷹野 旭・和久一彦


◆判決録細目◆

民 事

〇1 婚姻の意思能力があるといえるためには、社会通念上夫婦とみられる関係として、同居、協力扶助、相続といった婚姻の基本的な効果を理解する程度の能力だけではなく、法的効果の詳細まで理解する能力を要するか(消極)
 2 各種の認知機能検査の結果が不能ないし低得点であった若年性認知症の者について、婚姻の基本的な効果を理解する程度の婚姻のための意思能力がなかったものとはいえないとされた事例
(東京高判令3・4・27〈参考原審:東京家判令2・11・20〉)

〇子の引渡しを命じる家事審判の間接強制の申立てが権利の濫用に当たるものとして却下された事例
(名古屋高金沢支決令4・3・31〈参考原審:富山家決令3・12・23〉)

〇陸上自衛隊の輸送艦とプレジャーボートとの衝突事故について、陸上自衛隊の輸送艦側に注意義務違反が認められず、その損害賠償責任が認められなかった事例
(広島高判令3・12・22〈参考原審:広島地判令3・3・23〉)


知的財産権

▽被告のウェブサイトで使用されるhtmlファイル内のタイトルタグおよびディスクリプションメタタグに被告標章を使用したことが原告の商標権の侵害に当たらないとされた事例
(大阪地判令4・9・12)


労 働

〇1 労働契約について、口頭での退職合意の成立が認められた事例
 2 仮執行の原状回復及び損害賠償についての民事訴訟法260条2項の規定は、訴訟に先立つ仮処分に基づく金員支払には類推適用されないとした事例
(札幌高判令4・3・8〈参考原審:札幌地苫小牧支判令3・1・29〉)

▽雇用契約において時間外労働の対価とされていた定額の手当の支払により労働基準法37条の割増賃金が支払われたということができないとされた事例
(東京地判令4・1・18)


刑 事

◎外国公務員等に対して金銭を供与したという不正競争防止法違反の罪について、共謀の成立を認めた第1審判決に事実誤認があるとした原判決に、刑事訴訟法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
(最二判令4・5・20)


◆判例評論

20 在外邦人国民審査権行使制限憲法適合性訴訟最高裁大法廷判決
(最大判令4・5・25)……佐々木雅寿

21 父母以外の第三者で事実上子を監護してきた者が子との面会交流や子の監護者を定める審判を申し立てることの許否
(①②最一決令3・3・29)……棚村政行

22 共有物の分割と不動産取得税の非課税要件の解釈
(最三判令4・3・22)……伊川正樹

23 財産評価基本通達によらない評価額と平等原則
(最三判令4・4・19)……奥谷 健

24 旧警備業法事件一審判決
(岐阜地判令3・10・1)……堀口悟郎
◆記 事◆

SNSを用いたストーカー行為について……星 周一郎


◆判例特報◆

 1 強盗殺人事件の第1審判決(無期懲役)が確定し、服役中に死亡した元受刑者の妻子を請求人とする再審請求に対し、再審を開始する旨の判断をした原決定を維持し、検察官の即時抗告を棄却した事例
 2 新旧証拠の総合評価によれば、死体発見現場の知情性及びアリバイ主張の虚偽性を犯人性肯定の根拠とした確定判決の認定が動揺するなどしており、再審開始を認めた原決定の結論は正当であるとして、検察官の即時抗告を棄却した事例
──日野町事件第2次再審請求・再審開始決定即時抗告審
(大阪高決令5・2・27)


◆判決録細目◆

行 政

▽指定管理者の指定を取り消された原告が、普通地方公共団体である被告に対して、基本協定上の請求、委任契約ないし準委任契約に基づく報酬請求、民法650条3項の請求、民法651条2項の請求及び国家賠償請求をしたが、いずれも棄却された事例
(仙台地判令4・8・22)


民 事

◎インターネットを利用して短文の投稿をすることができる情報ネットワークにおいて、ある者のプライバシーに属する事実を摘示するメッセージが投稿された場合に、その者が前記情報ネットワークの運営者に対して前記メッセージの削除を求めることができるとされた事例
(最二判令4・6・24)

◎子の引渡しを命ずる審判を債務名義とする間接強制の方法による子の引渡しの強制執行の申立てが権利の濫用に当たるとした原審の判断に違法があるとされた事例
(最三決令4・11・30)

〇別居中の夫婦間において、妻である原審申立人が、夫で開業医である原審相手方に対して婚姻費用分担金の支払を求めた事案において、義務者である原審相手方の収入が標準算定方式の上限を超えることから、原審が、同方式によらず、同居時の生活水準や生活費支出状況、別居後の家計収支及び生活状況等の諸般の事情を踏まえて婚姻費用の分担額を定めたのに対し、抗告審においては、同方式を維持した上で、高額所得者である原審相手方の基礎収入について、同人の総収入から控除する税金や社会保険料、職業費及び特別経費について、事業収入の特殊性を踏まえた数値を用い、更に一定の貯蓄分を控除して婚姻費用分担額を算定した事例
(大阪高決令4・2・24)


知的財産権

◎音楽教室の運営者と演奏技術等の教授に関する契約を締結した者(生徒)のレッスンにおける演奏に関し前記運営者が音楽著作物の利用主体であるということはできないとされた事例
(最一判令4・10・24)

〇1 物の製造方法に係る特許権に基づく侵害差止等請求において、特許法104条を適用して被告原料が原告の特許発明の方法により生産されたものと推定し、また、推定の覆滅は認められないと判断された事例
 2 特許法39条2項の「同一の発明」に当たらないと判断された事例
(知財高判令4・2・9)


刑 事

◎強制採尿令状の発付に違法があっても尿の鑑定書等の証拠能力は肯定できるとされた事例
(最一判令4・4・28)

▽精神障害による幻聴・被影響妄想の影響下で実子を床に放り投げるなどの暴行を加え死亡させた傷害致死の事案につき、幻聴体験等についての被告人供述の信用性及び同供述に基づく精神鑑定の信用性を検討した上、心神喪失状態にあった疑いが残るとして無罪を言い渡した事例
(横浜地判令4・1・12)

▽保険金殺人の共同正犯として起訴された被告人につき、重要な役割を果たしたことは認めつつも、主犯とされる者の指示に従っていたにすぎず、積極的主体的に関与したとはいえないとして、殺人罪の幇助犯を認定した事例
(千葉地判令2・12・16)
◆判決録細目◆

行 政
◎地方自治法255条の2第1項1号の規定による審査請求に対する裁決について、原処分をした執行機関の所属する行政主体である都道府県は、取消訴訟を提起する適格を有するか(消極)
(最一判令4・12・8)

▽地方議会の議員による海外視察に関して、議会の派遣決定における派遣目的が是認される場合であっても、同派遣決定の議決時に派遣計画が明らかでなかった部分、あるいはその実際の派遣実施状況に照らして議員としての職務の遂行とはいえない部分については、当該議員に対して支給された旅費が不当利得に該当するとされた事例
(高松地判令3・12・24)


民 事

〇1 凍結保存精子を用いた生殖補助医療により出生した子は、当該凍結保存精子を提供した生物学的な父子関係を有する男性に対して、認知請求権を行使し得る法的地位があるか(積極)
 2 凍結保存精子を用いた生殖補助医療により出生した子らの生物学上の父に対する認知請求について、当該父が性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律に基づき女性への性別の取扱いの変更の審判を受けた場合において、同審判前に出生した子の認知請求は認められるが、同審判後に出生した子の認知請求は認められないとした事例
(東京高判令4・8・19〈参考原審:東京家判令4・2・28〉)

▽頸椎後方固定術で挿入されたスクリューの抜去・再挿入術後に患者が四肢麻痺となった場合において、担当医師にスクリューの刺入方向を誤った過失が認められた事例
(大阪地判令4・9・13)

▽地方議会において謝罪及び反省を求める旨の決議を受けた市議会議員による当該決議の内容の広報誌(議会便り)への掲載禁止と当該広報誌の頒布禁止の仮処分申立てがいずれも認められなかった事例
(大阪地決令4・9・26)


労 働

〇1 転籍出向を前提とする退職の意思表示が心裡留保により無効とされた事例
 2 仮執行宣言付きの1審判決後に1審判決認容額全額を支払った場合の付加金請求の当否
(東京高判令4・1・26〈参考原審:長野地松本支判令3・4・26〉)


◆最高裁判例要旨(2023(令5)年3月分)


◆判例評論

16 大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例の合憲性
(最三判令4・2・15)……中曽久雄

17 新型インフルエンザ等対策特別措置法45条3項による飲食店に対する営業時間短縮命令の違法性を認めたものの、東京都知事が職務上の注意義務に違反したとは認めず、東京都の国家賠償法上の責任を否定した事例――グローバルダイニング社VS東京都 コロナ禍時短命令国賠事件
(東京地判令4・5・16)……鵜澤 剛

18 被告人は心神耗弱の状態にあったとした第1審判決を事実誤認を理由に破棄し何ら事実の取調べをすることなく完全責任能力を認めて自判をした原判決が、刑訴法400条ただし書に違反するとされた事例
(最三判令3・9・7)……滝谷英幸

19 閲覧者の電子計算機においてその者の知らないうちに実行させて利益を得るプログラムコードを自己の運営するサイトのサーバコンピュータに保管した行為が不正指令電磁的保管罪に当たらないとされた事例――コインハイブ事件上告審判決
(最一判令4・1・20)……四方 光
◆特 集◆

民事裁判における情報・証拠収集手段の拡充に向けて
 ──早期開示命令制度について──日弁連主催シンポジウム報告


◆判決録細目◆

民 事

〇重症新生児仮死及び低酸素性虚血性脳症による脳性麻痺・体幹機能障害を生じさせた医療事故につき、日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会が編集・監修する産婦人科診療ガイドラインの2011年版として公表されたレベル分類に従って判断し、産科病院の担当医師による帝王切開を行う時期が遅れたとして、同病院を開設する医療法人の責任を肯定した事例
(大阪高判令3・12・16〈参考原審:大阪地判令2・2・26〉)

〇被疑者である被留置者に対する所持品検査として被疑者ノート(被疑者が弁護人等との接見に備えて取調べや接見の内容等を記載した文書)の内容を確認した留置担当官の行為が弁護人との関係で国家賠償法1条1項の適用上違法とされた事例
(名古屋高判令4・2・15〈参考原審:名古屋地判令2・9・29〉)


▽1 建物建替え工事に伴う位置指定道路における工事車両等の通行、工事等の支障となる電柱の撤去につき、敷地所有者に対する承諾請求及び妨害禁止請求を認めた事例
 2 ガス管の設置につき、隣地所有者に対する妨害禁止請求を認めた事例
(東京地判令4・3・23)


刑 事

◎傷害罪の成立を認めた第1審判決に判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認があるとした原判決に、刑事訴訟法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
(最一判令4・4・21)

〇民間企業の役員等である被告人らが、国立大学の教授に対し、同企業と同大学との共同研究の受入れ、実施等に関し、賄賂を供与したと認めて贈賄罪の成立を認めた1審判決を、賄賂でないものを賄賂と認めた事実誤認があるとして破棄し、被告人らに無罪を言い渡した事例
(大阪高判令2・6・17〈参考原審:大阪地判平30・9・19〉)
◆書 評◆

北河隆之『交通事故損害賠償法〔第3版〕』(弘文堂、2023)
評者……加藤新太郎


◆判決録細目◆

行 政

▽1 地方公務員法46条所定の勤務条件とは、給与、勤務時間、職場での安全衛生、執務環境など、職員の勤務の提供に関連した待遇であり、同条所定の措置要求の対象となる勤務条件は、当該職員に関する勤務条件について直接かつ具体的に維持、改善を求めるものであることを要するか(積極)
 2 地方公共団体の職員が人事委員会に対してした地方公務員法46条に基づく措置要求の要求事項について、措置要求の対象として取り上げることができないとした判定の一部が違法であるとされた事例
(東京地判令4・2・24)


民 事

◎1 賃貸住宅に係る賃料債務等の保証委託及び連帯保証に関する契約書中の、賃料等の不払があるときに連帯保証人が無催告にて賃貸借契約を解除することができる旨を定める条項の消費者契約法10条に規定する消費者契約の条項該当性
 2 賃貸住宅に係る賃料債務等の保証委託及び連帯保証に関する契約書中の、賃料等の不払等の事情が存するときに連帯保証人が賃貸住宅の明渡しがあったものとみなすことができる旨を定める条項の消費者契約法10条に規定する消費者契約の条項該当性
(最一判令4・12・12)

〇証券会社の従業員による勧誘行為につき説明義務ないし情報提供義務違反、実質的一任売買の違法があるとして、証券会社と当該従業員に対する損害賠償請求が一部認容された事例(過失相殺7割)
(名古屋高判令4・2・24〈参考原審:名古屋地岡崎支判令2・12・23〉)

▽法定管轄裁判所に訴えが提起され、管轄違いを理由とする専属的合意管轄裁判所への移送の申立てがされた事案において、訴訟の著しい遅滞を避け、又は当事者間の衡平を図るため、専属的合意管轄裁判所に移送せず、法定管轄裁判所において自ら審理及び裁判をするのが相当であるとされた事例
(大阪地決令4・9・8)


労 働

〇従業員に対する不利益取扱いにつき、使用者に不当労働行為意思を認め、人事上の裁量に基づく正当化理由に関する主張(理由の競合)を認めなかった事例
(東京高判令3・10・13〈参考原審:東京地判令3・2・22〉)


刑 事

▽特定少年である少年が、営利目的で大麻を譲渡し、営利目的で大麻を所持した大麻取締法違反保護事件において、犯情の重さに加え、少年の保護処分歴や犯行後の情況、少年の性格、年齢、環境等を考慮し、刑事処分を相当と認めて検察官送致とした事例
(神戸家尼崎支決令4・12・8)
◆判決録細目◆

行 政

◎健康保険組合が被保険者に対して行うその親族等が健康保険法(平成24年法律第62号による改正前のもの)3条7項各号所定の被扶養者に該当しない旨の通知は、健康保険法189条1項所定の被保険者の資格に関する処分に該当するか(積極)
(最三判令4・12・13)


民 事

〇市民病院の担当医が吸引分娩により出生児(娩出された胎児)に低酸素性虚血性脳症による脳性麻痺を生じさせた医療事故につき、同児と同児の両親からの前記病院の開設・運営者に対する損害賠償請求について、帝王切開移行へのダブルセットアップを怠った過失などはないとして請求を棄却した原判決を、控訴審において維持した事例
(名古屋高判令3・2・18〈参考原審:名古屋地判令2・3・25〉)


▽不動産売買の仲介等を業とする者から、土地を取得して事業用借地権を設定することにより収益を得ることを提案され、前記仲介業者らの仲介により、土地所有者から土地を購入する契約及び事業者を借地権者とする事業用借地権設定契約の覚書を締結した者が、前記事業者が地代の支払を開始する時期に関して前記仲介業者が誤った情報を提供したために前記覚書の解約を余儀なくされ、これにより損害を被ったなどと主張して前記仲介業者らに求めた損害賠償が認容された事例
(宮崎地判令4・3・22)


労 働

▽新人看護師が精神障害を発病して自殺したことについて、業務起因性が否定された事例
(釧路地判令4・3・15)


知的財産権

▽1 商品の形態が取引の際に出所表示機能を有するものではない場合における不正競争防止法2条1項1号にいう「商品等表示」該当性
 2 独占的に約20年以上販売されたガスバルブが前記の商品等表示に該当しないとされた事例
(東京地判令4・12・23)


刑 事

〇強盗殺人罪を否定し、殺人罪と窃盗罪の成立を認めた原判決を事実誤認により破棄して差し戻した事例
(名古屋高金沢支判令4・3・24〈参考原審:富山地判令3・3・5本誌2515号93頁〉)

▽起訴後勾留中の被告人に対し、DNA採取への協力を働きかけたこと及び被告人が弁護人への接見を求めたのにこれに応じなかったことが、被告人の人格権並びに被告人及び弁護人の接見交通権を侵害し、国家賠償法1条1項の適用上違法とされた事例
(広島地判令4・3・23)

▽少年法62条2項2号に該当する事件を検察官に送致した事例
(大阪家決令4・8・5)


◆判例評論◆

12 1 将来の転売を目的として購入したマンションに係る課税仕入れが消費税法30条2項1号の「課税資産の譲渡等のみに要するもの」に当たらず、同号の「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」に当たるとされた事例
  2 確定申告における消費税の申告額が過少であったことにつき、国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があるとはいえないとされた事例
(東京高判令3・7・29)……金子友裕

13 普通河川の敷地の占用に関する不許可処分について、市長は裁量権の行使に当たって事業の公共性・公益性を考慮することができるとして、裁量権の逸脱・濫用はないとした事例
(東京高判令3・4・21)……福重さと子

14 宮城県公務災害補償文書提出命令事件
(仙台高決令3・5・31)……村上裕章

15 原審が被告人質問を実施したが、被告人が黙秘し、他に事実の取調べは行われなかったという事案につき、第1審が無罪とした公訴事実を原審が認定して直ちに自ら有罪の判決をしても、刑訴法400条ただし書に違反しないとされた事例
(最一決令3・5・12)……加藤克佳
◆判決録細目◆

行 政

◎衆議院小選挙区選出議員の選挙区割りを定める公職選挙法(令和4年法律第89号による改正前のもの)13条1項、別表第1の規定の合憲性
(最大判令5・1・25)

▽ウガンダ共和国国籍を有する外国人について、レズビアンであることを理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するものであると認められるとして、難民に該当するとされた事例
(大阪地判令5・3・15)


民 事

▽コンビニエンスストア本部によるフランチャイズ契約の解除は、加盟店側の異常な接客対応やSNS上での本部に対する誹謗中傷を理由とするものであり、加盟店側が時短営業(非24時間営業)を強行したことを理由とするものではなく、優越的地位の濫用にも当たらないとして、建物の引渡し及び約定の損害賠償金等の支払を求める本部側の請求を認容し、契約上の地位確認等を求める加盟店側の請求を棄却した事例
(大阪地判令4・6・23)

▽1 小学校のフットサルゴールポストが転倒し児童が死亡した事故について、同小学校の校長にはゴールポストが固定されていなかったことを見逃した重大な過失があるとし、当該児童の行為について過失相殺を否定した事例
 2 前記事故について、保護者に対する調査報告義務違反が認められないとされた事例
(福岡地久留米支判令4・6・24)


刑 事

▽麻薬及び向精神薬取締法違反(麻薬と誤認して覚醒剤を自己使用)、大麻取締法違反(大麻所持)保護事件において、本件が常習的な違法薬物使用、所持の一環として行われたこと等を指摘し、犯情の程度は重く、少年院送致も許容されるとした上で、非行性の悪化等を指摘し、少年を第1種少年院送致とし、収容期間を3年間と定めた事例
(千葉家決令4・6・24)


◆最高裁判例要旨(2023(令5)年1・2月分)
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