判例時報 発売日・バックナンバー

全465件中 16 〜 30 件を表示
◆記 事◆

持続化給付金詐欺の量刑……安西 二郎


◆判決録細目◆

行 政

〇受刑者は、選挙に参加する資格・適性がないと疑うに足りるやむを得ない事由があるというべきであり、「自ら選挙の公正を害する行為をした者等」の「等」に含まれると解することができるから、公職選挙法11条1項2号の規定は憲法に違反するものとはいえないとした事例
(東京高判令6・3・13〈参考原審:東京地判令5・7・20本誌2601・64〉)

▽秘密会の議事の記録は公表しないなどと定める地方公共団体の議会の会議規則に基づきなされた地方公共団体の議会の委員会で開催された秘密会の議事録の全部非公開決定につき、会議規則は当該地方公共団体の情報公開条例の「法令等の定めるとこにより、公開することができないとされている情報」にいう「法令等」に当たらないなどとして、全部非公開決定を取り消した事例
(横浜地判令6・3・27)

▽1 大阪府議会がした「旧統一教会等の悪質な活動とは一線を画する決議」と題する決議は行政事件訴訟法3条2項にいう処分に当たらないとして、上記決議の取消しの訴えが却下された事例
 2 大阪府議会がした「旧統一教会等の悪質な活動とは一線を画する決議」と題する決議は原告の請願権等を侵害するものであるとは認められないなどとし、また、上記決議による名誉毀損の違法性について上記議会が原告の社会的評価を低下させたりするためにあえて上記決議をしたなど、上記決議の内容が上記議会の議事機関としての権限を逸脱又は濫用するものであるとは評価することができず、国家賠償法1条1項の適用上違法であるとはいえないなどとして、同項に基づく損害賠償請求が棄却された事例
(大阪地判令6・2・28)


民 事

〇民事再生手続開始後の脱退により生じた信用組合に対する出資金返戻請求権を受働債権とする相殺は民事再生法92条1項により許容されないとして、被控訴人の出資金返戻請求を認容した原判決が控訴審でも維持された事例
(大阪高判令5・12・19〈参考原審:大阪地判令4・11・24〉)

〇生命共済事業約款の暴力団排除条項に基づく生命共済契約の解除が有効とされた事例
(広島高判令6・10・4〈参考原審:広島地尾道支判令6・3・26〉)

▽1 被告が内容を了知せずに確定した外国判決に係る訴訟手続が民事訴訟法118条3号の公序良俗に反しないとされた事例
 2 外国判決基準時後に完成した消滅時効を執行判決訴訟で抗弁として主張でき、その場合には当該外国法の消滅時効規定が適用されるとした事例
(千葉地判令6・7・19)

▽総合飼料メーカーである原告が、家畜の肥育等を事業目的とする株式会社である被告が民事再生手続開始決定を受ける前に、被告との間の継続的商品売買基本契約に基づいて被告に生豚の肥育のための飼料を供給した行為が、民法307条1項の「財産の保存」に当たり、被告に対する飼料等の売掛債権について一般先取特権を有すると主張して、再生手続外で被告に飼料等の売買代金の支払を求めた訴えが却下された事例
(神戸地判令4・11・4)


刑 事

〇地方公共団体から自己名義の預金口座に住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金4630万円の誤振込入金を受けた被告人が、前記誤振込入金が自身に無関係なものであることを知りながらこれを利用して、複数回にわたり前記口座からオンラインカジノサービスの決裁代行業者名義の預金口座に送金等を行った事案において、電子計算機使用詐欺罪の成立を認めた原判決につき、法令適用の誤りないし事実誤認があるなどとする主張を排斥して、被告人の控訴を棄却した事例
(広島高判令6・6・11〈参考原審:山口地判令5・2・28〉)
◆判決録細目◆

民 事

〇妻が別居中の夫に対し婚姻費用分担金の支払を求めたところ、夫が抑うつ症状との診断を受け勤務先を退職したとしてその支払を拒絶した事案において、夫の就労が不可能な程度かは疑いが残るとして、退職後も退職前収入の約4割の収入があるものと扱い、基礎収入額をその43%と認めた上で、夫に婚姻費用分担金の支払を命じた原審判が維持された事例
(福岡高決令5・5・8〈参考原審:福岡家審令5・2・28〉)

▽建物所有を目的とする土地賃貸借契約において、賃貸人から賃借人に対して未払賃料(地代)の支払催告をした事実は認められず、無催告解除が許されるべき特段の事情も認められないとして、賃貸人による解除の意思表示が無効であるとされた事例
(東京地判令6・11・28)

▽1 粟粒結核を疑う両側肺野のびまん性の微細粒状ないし小粒状影がX線画像に写っていた患者について、医師に結核の再燃の可能性を念頭において注意深く上記画像を読影する注意義務違反があり、患者の死亡との間に高度の蓋然性があるとした事例
 2 原告が相続放棄の意思表示をした時点において、上記1の注意義務違反による損害賠償請求権があると認識していたとはいえず、その意思表示を無効とした事例
(東京地判令6・3・28)

▽動産の所有者に差押えがあった場合の譲受人からの意思表示を停止条件として動産所有権を譲渡する旨の合意に基づき行われた動産の譲渡について、動産の所有者の破産管財人による破産法160条3項に基づく否認権行使を認めた事例
(東京地判令6・8・29)

▽地方公共団体に対して土地を寄付した被相続人が寄付当時意思能力を有していなかった場合において、その相続人の1人が当該地方公共団体に対して当該土地についての所有権移転登記の抹消登記手続を求めることが権利の濫用に当たるとされた事例
(札幌地判令6・11・1)


労 働

▽1 労働基準法施行規則32条1項にいう「長距離にわたり継続して乗務するもの」及び同条2項の「その他の時間」の意義
 2 航空機の客室乗務員が、その具体的業務の実態に照らして、労働基準法施行規則32条1項にいう「長距離にわたり継続して乗務するもの」に該当せず、同条2項所定の時間の合計が労働基準法34条1項規定の休憩時間に相当するとはいえないとされた事例
 3 使用者が労働者に対して労働基準法34条1項に違反する勤務を命ずることについて、人格権に基づく差止めを認めた事例
(東京地判令7・4・22)


知的財産権

◎1 動画共有サービスを提供するため、米国所在のサーバからインターネットを通じてユーザが使用する我が国所在の端末にプログラムを配信することが、特許法2条3項1号にいう「電気通信回線を通じた提供」に当たるとされた事例
 2 動画共有サービスを提供するため、米国所在のサーバからインターネットを通じてユーザが使用する我が国所在の端末にプログラムを配信することが、特許法101条1号にいう「譲渡等」に当たるとされた事例
(最二判令7・3・3)

◎動画共有サービスを提供するため、米国内でウェブサーバ及びコメント配信用サーバ等の設置管理をしている米国法人が、上記ウェブサーバからインターネットを通じてユーザが使用する我が国所在の端末にファイルを配信することにより、上記端末と上記コメント配信用サーバ等とを含むシステムを構築することが、特許法2条3項1号にいう「生産」に当たるとされた事例
(最二判令7・3・3)


刑 事

▽触法(強制わいせつ、暴行、傷害)、ぐ犯、器物損壊保護事件及び強制的措置許可申請事件において、前者について少年を児童自立支援施設に送致するとともに、後者について事件を児童相談所長に送致し、1年6月の間に通算180日を限度として強制的措置を許可した事例
(千葉家決令6・3・5)


◆最高裁判例要旨(2025(令7)年3・4・5月分)
◆判例特報◆

〇1 幼児に対する頭部受傷による傷害致死事案につき、具体的な外力の立証がないにもかかわらず、医師証人の見解に基づき頭蓋内損傷等の存在から当然に外力の存在を推認した原判決には論理の飛躍があり、論理則経験則等に反するとして無罪を言い渡した事例
 2 幼児に対する強制わいせつ致傷事案につき、医師証人の推論の科学的根拠や推論が合理的に及ぶ範囲等について十分な検討を行わなかった原判決が論理則経験則等に反するとして無罪を言い渡した事例
 3 幼児に対する傷害事案につき、骨折の存在等によって被告人の暴行を推認するには足らない一方、骨折した可能性のある場所の物品、幼児の注意力や動きの程度、医学的知見等から事故によって骨折した可能性が否定できないなどとして無罪の原判決を維持した事例
──今西事件控訴審無罪判決
(大阪高判令6・11・28)

【参考論文】

今西事件控訴審判決について……石塚 章夫

専門家供述の評価方法——今西事件第1審判決と控訴審判決の検討——……高田 昭正


◆判決録細目◆

民 事

〇1 信託契約において信託金融資産から受益者の生活費等を交付すべきことが定められているが、生活費等の具体的金額やその算定方法が明らかにされておらず、生活費等の交付時期も明示されていないとして、受益者の受託者に対する信託契約に基づく生活費等の支払請求が棄却された事例
 2 信託法38条1項及び6項に基づく帳簿等の閲覧謄写請求につき預金通帳のみの謄写請求が認容された事例
(東京高判令6・2・8〈参考原審:さいたま地越谷支判令4・3・23〉)

▽回復期リハビリテーション病棟に入院中であった高次脳機能障害を有する患者が病室2階の窓から転落し死亡した事故について、当該病室の窓及びこれに隣接するベランダに設置又は保存の瑕疵があったとして土地工作物責任を肯定した事例
(東京地判令6・9・6)

▽東日本大震災の被災者である被告に対して応急仮設住宅として国家公務員宿舎を提供していた原告が、被告が使用貸借契約の期間満了後も当該建物を明け渡さないことは債務不履行であるとして損害賠償を請求した事案において、原告の請求が認容された事例
(東京地判令6・10・7)

▽外国の方式により婚姻した日本人夫婦が、夫婦が称する氏を定めずに戸籍法41条に基づく婚姻の届出をした場合において、同届出を不受理とした処分が不当とはいえないとされた事例
(東京家審令7・1・10)

▽内縁の成立及び効力の準拠法につき法の適用に関する通則法33条を適用して各当事者の本国法と解すべきとされた事例
(東京家審令7・1・31)

▽1 死亡した子に対する敬愛追慕の情がSNSへ投稿された記事により侵害されたとして提起された不法行為に基づく損害賠償請求が、証拠として提出された当該投稿に係る画像が捏造されたものである可能性を否定できないなどとして棄却された事例
 2 上記1の場合において、当該請求に係る訴えの提起の時点において通常人であれば当該画像が捏造されたものであることを容易に知り得たとまでは認められないなどとして、当該訴えの提起等が違法な行為とはならないとされた事例
(大阪地判令6・8・30)


刑 事

〇特定少年が実母の腹部等を包丁で突き刺すなどして同人を殺害しようとしたが傷害を負わせたにとどまったという殺人未遂保護事件において、少年が心神耗弱状態であったと認め、収容期間を3年間として第3種少年院に送致した原決定について、観護措置中に精神鑑定を実施するなどして少年の非行時の精神状態を慎重に判断する必要があったというべきであり、原審には審理不尽の法令違反があるとして、原決定を取り消し、原審に差し戻した事例
(福岡高宮崎支決令6・11・5)


◆最高裁判例要旨(2025(令7)年1・2月分)
◆記 事◆

最高裁民事破棄判決等の実情
―令和6年度―……宮端 謙一 一藤 哲志

日弁連主催シンポジウム報告
デジタル時代における民事訴訟の事実認定
―令和4年改正民事訴訟法施行を前に―


◆判決録細目◆

民 事

〇土留改修工事の不備により地盤沈下が生じたとする不法行為に基づく損害賠償請求において、民法724条2号の消滅時効の起算点を当該工事の完了検査時点ではなく地盤沈下が発生した時点と判断した事例
(東京高判令7・2・5〈参考原審:甲府地判令6・2・20〉)

▽原告が納付した固定資産税及び都市計画税に関し、固定資産の登録価格を決定する際に東京都の担当職員が家屋の建築当初の再建築費評点数の算出を誤ったことについて、職務上の注意義務違反が認められ国家賠償法上違法であるとして、原告の請求を認容した事例
(東京地判令6・10・28)

▽債務者が就労しつつ生活保護費を受給しているところ、養育費・婚姻費用請求権者である債権者から給与債権に対する差押えを受けたという事実関係の下で、債務者による差押えの全部取消しの申立て(民事執行法153条1項)が認められず、差押禁止債権の範囲変更の限度で認容された事例
(大阪地決令6・8・23)

▽建物の区分所有等に関する法律59条1項に基づく訴訟の口頭弁論終結後に被告であった区分所有者が死亡した場合に、同訴訟の判決に基づいて競売を申し立てることはできないとして、競売開始決定が取り消された事例
(大阪地決令6・9・5)


労 働

〇1 出来高払制賃金として支給されていた手当について労働基準法施行規則19条1項6号に定める出来高払制賃金に該当しないとした事例
 2 作業服の着替え時間を労働時間と認めた事例
 3 1年単位の変形労働時間制について適用の要件とされる労働日及び労働日ごとの労働時間の特定がなされていないとして無効とした事例
(東京高判令6・5・15〈参考原審:東京地立川支判令5・8・9〉)


◆最高裁判例要旨(2024(令6)年11・12月分)


◆最新判例批評◆

13 社団たる医療法人の社員が一般社団法人及び一般財団法人に関する法律37条2項の類推適用により裁判所の許可を得て社員総会を招集することの可否(消極)
(最三決令6・3・27)…山本 真知子
◆記 事◆

高齢者の生活に関わる法律制度の概要と法律的諸問題……鬼頭 季郎


◆判決録細目◆

行 政

◎地方団体が特別交付税の額の決定の取消しを求める訴えと裁判所法3条1項にいう法律上の争訟
(最一判令7・2・27)

〇1 現在日本国籍を有する者が、外国籍取得申請前の段階で、自己の志望によって外国籍を取得しても日本国籍を失わない地位にあることの確認の利益が認められた事例
 2 自己の志望によって外国籍を取得したときは日本国籍を失う旨規定する国籍法11条1項の規定は、憲法10条、13条、14条1項及び22条2項に違反しないとされた事例
(東京高判令5・2・21〈参考原審:東京地判令3・1・21〉)


民 事

▽企業間取引に関する契約書の記載をめぐり、契約書とは異なる内容の合意があったとは認められず、また、契約書における契約当事者の意思表示にはその要素に錯誤があったと認められるが、その一方で重過失があったと認められた事例
(東京地判令6・5・27)

▽1 特別支援学校の教職員に、給食時間時、生徒の動静を見守り、窒息等を防止すべき義務違反があったとした事例
 2 不法(違法)行為により死亡した者の相続人が被害者の得べかりし国民年金法30条の4所定の障害基礎年金を逸失利益として請求することはできないとした事例
(大分地判令6・3・1)
◆記 事◆

続・行政裁量論再訪(『争訟制度と行政法学』余滴)
——裁量基準の基準提示機能… 高橋 滋


◆判決録細目◆

行 政

◎飲酒運転等を理由とする懲戒免職処分を受けて地方公共団体の職員を退職した者に対してされた大津市職員退職手当支給条例(昭和37年大津市条例第7号。令和1年大津市条例第25号による改正前のもの)11条1項1号の規定による一般の退職手当の全部を支給しないこととする処分が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法なものであるとした原審の判断に違法があるとされた事例
(最一判令6・6・27)


民 事

◯元外国籍であることを理由にゴルフクラブへの入会を拒否したことが憲法14条1項、市民的及び政治的権利に関する国際規約26条、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約1条1項の趣旨に反し、不法行為を構成するとして慰謝料等が認められた事例
(名古屋高判令5・10・27〈参考原審:津地四日市支判令5・4・19〉)

▽インターネットショップの利用規約における転売禁止を定める条項に違反した場合の違約金支払条項が、民法548条の2第2項に該当し、売買契約の合意内容とはならず無効であるとして、転売した顧客への違約金請求を棄却した事例
(東京地判令5・8・24)

▽1 物流サービス業務の受託者が保管商品の出荷指示を拒否した行為につき債務不履行責任等を負うとされた事例
 2 物流業務委託基本契約の契約期間中に委託者が新たな個別契約の締結を控えた場合に同基本契約に基づく違約金等が発生しないとされた事例
(東京地判令6・4・22)


労 働

◎大学の講師の職が大学の教員等の任期に関する法律4条1項1号所定の教育研究組織の職に当たるとされた事例
(最一判令6・10・31)

〇外国人女性が日本の飲食店での就労を勧誘され来日したところ、売春行為に従事させられ性的自由又は性的自己決定権を侵害されたとして、勧誘者及び飲食店経営者に対する共同不法行為に基づく損害賠償請求が認められた事例
(東京高判令6・4・11〈参考原審:前橋地判令5・2・10〉)

〇生命保険会社が営業職員の賃金から業務上の経費を控除したことにつき、全体として会社と営業職員との間の負担合意による控除を適法と認めたものの、一部について合意の効力を否定して、経費控除に相当する額につき未払賃金請求を認めた事例
(大阪高判令6・5・16〈参考原審:京都地判令5・1・26〉)


◆最新判例批評◆

12 人傷保険金の損賠請求権の額からの全額控除はできないとされた事例
(最一判令5・10・16)…肥塚 肇雄
◆総索引◆

判 例 時 報 2501号~2600号

判 例 評 論 755号~787号


 第1 判例の部

 第2 判例評論および記事の部

 第3 裁判年月日・著名事件索引
◆判決録細目◆

民 事

▽1 海上運送契約の当事者の確定について判断した事例
 2 コンテナの海上運送契約において、海上運送人の運送約款の効力が海上運送契約の当事者である荷送人のみならず、荷送人の代理人にも及ぶとされた事例
(大阪地判令6・8・1)

▽婚姻関係の破綻後の不貞行為につき、当該不貞行為を行った者が婚姻関係の破綻をもたらせた場合、同人は破綻後の不貞行為についても不法行為責任を負うとされた事例
(東京地判令7・1・30)


労 働

◯思想信条を理由に昇級昇格差別を受けたとしてなされた同期同学歴従業員との間に生じた賃金・退職金差額相当の損害賠償とその余の差別を理由とする慰謝料請求が、時効消滅していないとされる範囲で認められた事例
(東京高判令7・3・25〈参考原審:水戸地判令6・3・14〉)


知的財産権

▽共同著作者性及び職務著作性の法律関係には、文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約5条2項に基づき、日本で保護される著作権については日本法が、米国で保護される著作権については米国法が、それぞれ適用されるとされた事例
(東京地判令7・1・30)
◆記 事◆

医療事故判例の理論的整理…平沼 直人


◆判決録細目◆

民 事

◎文化功労者年金法に基づく年金の支給を受ける権利に対する強制執行の可否
(最三決令6・10・23)

◯再転相続人(兄弟の配偶者)として相続放棄の申述が受理された後、再転相続人(おいの母)としてした相続放棄の申述につき、申述を却下すべきことが明白であるとは認められないとして、これを受理した事案
(東京高決令6・7・18〈参考原審:東京家立川支審令5・8・8〉)

〇先天性の聴覚障害を有する児童が交通事故死した事案で、聴覚の状態像、聴覚障害者をめぐる社会情勢や職場環境の変化を踏まえ、全労働者平均賃金を減額するべき程度に労働能力に制限があるとはいえないとして、これを減額せずに逸失利益を認定した事例
(大阪高判令7・1・20〈参考原審:大阪地判令5・2・27本誌2572・71〉)

〇1 昭和48年に建築されたマンションにおける区分所有者全員による管理者選任合意(規約)が認められた事例
 2 建物の区分所有等に関する法律25条2項に基づくマンション管理者解任請求が認容された事例
(福岡高判令6・1・18〈参考原審:福岡地小倉支判令4・12・12〉)

▽1 公益社団法人の会員に対する懲戒処分等の違法を理由とする損害賠償請求に係る訴えが司法審査の対象になるとした上で、上記懲戒処分等による不法行為の成立を否定した事例
 2 上記会員の地位確認請求に係る訴えが「法律上の争訟」に当たらないと判断した事例
(東京地判令6・10・18) 

▽親権者指定協議無効確認の訴えについて、人事訴訟法2条柱書の「その他の身分関係の形成又は存否の確認を目的とする訴え」に当たるとして、人事訴訟として取り扱った上で、原告の請求を認容した事例
(東京家判令4・10・20)

▽ブログに掲載された原告の社会的評価を低下させる記事について、掲載の時点では公共の利害に関する事項に当たるものであったが、その後11年以上が経過した口頭弁論終結日の時点においては公共の利害に関する事項に係るものとはいえないとして、削除請求が認容された事例
(名古屋地判令6・8・8)

▽建物の区分所有等に関する法律3条所定の団体が管理する文書について、その構成員は、同法及び規約の定めの限度で閲覧をさせるよう求めることができるにとどまるとされた事例
(名古屋地判令6・10・24)


刑 事

▽児童自立支援施設に送致されるとともに1年半の間に通算30日を限度として強制的措置をとることができる旨の決定を受けた少年につき、その強制的措置をとり得る大枠の期間内に再度の強制的措置許可申請がなされた事件で、通算40日を限度として許可された事例
(東京家決令6・9・24)


◆最新判例批評◆

11 性同一性障害特例法3条1項4号の生殖不能要件と憲法13条
(最大決令5・10・25)…渡邉 泰彦


◆最高裁判例要旨(2024(令6)年9・10月分)
◆判例特報◆

◎1 優生保護法3条1項1号から3号まで、10条及び13条2項(3条1項1号、2号及び10条については、昭和23年9月11日から平成8年9月25日までの間、3条1項3号については、昭和23年9月11日から平成8年3月31日までの間、13条2項については、昭和27年5月27日から平成8年9月25日までの間において施行されていたもの)と憲法13条及び14条1項
 2 優生保護法3条1項1号から3号まで、10条及び13条2項(3条1項1号、2号及び10条については、昭和23年9月11日から平成8年9月25日までの間、3条1項3号については、昭和23年9月11日から平成8年3月31日までの間、13条2項については、昭和27年5月27日から平成8年9月25日までの間において施行されていたもの)に係る国会議員の立法行為の国家賠償法1条1項所定の違法性の有無
 3 裁判所が民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段の除斥期間の主張が信義則に反し又は権利の濫用として許されないと判断することができる場合
 4 民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段の除斥期間の主張をすることが信義則に反し権利の濫用として許されないとされた事例
──旧優生保護法違憲最高裁大法廷判決
(最大判令6・7・3)

〇参考論文
令和6年度「滝井繁男行政争訟奨励賞」受賞記念
「優生保護法訴訟」最高裁判決までの道のり、そして補償法の成立まで……新里 宏二


◆判決録◆

行 政

〇宗教法人の所有地が、商業施設の敷地に用いられると同時に、境内地(参道)としても用いられている場合、境内地として用いられている割合に応じて固定資産税・都市計画税が非課税となると判断され、非課税用途に用いられている部分は存在しないとして全面課税した大阪市の課税処分の一部が取り消された事例
(大阪高判令5・6・29〈参考原審:大阪地判令4・11・17〉)


民 事

▽いわゆる相続法改正(平成30年法律第72号による改正)前の民法下における遺留分減殺の対象財産に債権が含まれる場合において、遺留分権利者が当該債権の債務者に対して直接請求するためには債務者対抗要件の具備が必要であると判示した事例
(東京地判令4・12・13)


労 働

◯1 退職の意思表示を雇用契約の合意解約の申込みと解してその撤回を認めた事例
 2 労働者が業務上の疾病により療養のために休業していた期間にされた自然退職扱いは労働基準法19条1項の規定に違反し効力を生じないとした事例
(仙台高判令6・2・20〈参考原審:福島地判令5・1・26〉)
◆記 事◆

海外判例研究──第19回──

◆憲法

公共の場所で寝泊まりすることを禁止する条例はホームレスという存在を罰するがゆえに残虐な刑罰を禁止する修正8条を侵害するか
──グランツパス市対ジョンソン判決……大林 啓吾

大統領の行為が刑事免責を受けるかどうかが争われた事件──トランプ対合衆国判決……大林 啓吾

コンテンツ内容を規制するプラットフォーマーの基準が憲法修正1条に違反するかどうかを判断するためには、「プラットフォーマーが独自の言論を行っているのか」という判断基準が必要であり、さらに事実審理が必要であるとして差し戻された事例……ダン ローゼン・西口 元

◆民法

建設工事の未払い代金に関する請負人の優先弁済権が認められた事件……胡 光輝

◆消費者法

EUでの欠陥製造物に関する責任追及において、表示製造者への該当性について、消費者保護の必要性から、積極的な表示行為を要することなく結果として自己の名前が製造物上に表示されているだけでも足りるとされた事例……カライスコス アントニオス

◆刑法

不作為による危険傷害罪……山下 裕樹

ステルシング(Stealthing)の可罰性……菊地 一樹

マネー・ローンダリング罪の主観的要件と公正な裁判……澁谷 洋平


◆判決録細目◆

民 事

◯建設業等を営む会社が、業務委託先の会社の従業員に自社の車両を運転させていたところ、当該従業員が自損事故を起こしたとして、当該従業員に不法行為に基づく損害賠償請求をした事案において、賠償を請求することができる範囲を信義則に基づいて制限した事例
(東京高判令6・5・22〈参考原審:東京地立川支判令5・6・27〉)


▽1 希少性の高いクラシック・カーの通常の損害としての必要かつ相当な修理方法として、損傷部位の部分塗装の範囲で修理費用を認めた事例
 2 損傷部位と非損傷部位の塗装状態に生じ得る差も踏まえ評価損として修理費用の5割相当を認めた事例
(東京地判令5・2・14)

▽町立病院の医師が、児童相談所長から児童虐待に関する情報提供を求められて回答したところ、保護者の精神疾患に関する診断等の記載について名誉感情侵害が成立するとされ、医師の不法行為責任及び町の使用者責任の成立が認められた事例
(東京地判令5・5・23)

▽特定適格消費者団体が原告となって提起した共通義務確認訴訟において、米国ニューヨーク市で開催予定の合唱フェスティバルが新型コロナウイルス感染症の影響により延期されたことで、同フェスティバルの主催者の演奏参加費を支払った対象消費者に対する債務が履行不能となり、同主催者が演奏参加費相当額を法律上の原因なく利得したと判断した事例
(東京地判令6・8・23)


▽一棟の建物として登記された建物のある専有部分の所有者による当該専有部分の取壊しが、当該建物が建物の区分所有等に関する法律1条にいう一棟の建物に当たり、その工事の対象に共用部分が含まれるとして、許されないとされた事例
(東京地判令6・2・28)

▽妻である被告との離婚を実現させるために婚姻費用分担金の支払をすることなく兵糧攻めともいうべき振る舞いを続けた原告が有責配偶者に当たるとして、原告の離婚請求を棄却した事例
(東京家判令4・4・28)

▽別荘地の分譲を受けるに当たり締結が義務付けられた、分譲地所有者を委任者とし、管理者を受任者とする分譲地の管理等を目的とする管理契約につき、受任者の利益のための契約とはいえないとして、委任者からの解除の効力を肯定した事例
(静岡地沼津支判令7・1・9)

▽映像等の証拠から養護学校の教員による生徒に対する暴行を認定するとともに、他の教員らが同暴行を制止しなかったことによる安全配慮義務違反及び校長の安全配慮義務違反を認めた事例
(名古屋地判令6・1・30)


商 事

▽弁護士資格を有する取締役が、重過失により買収対象会社の財務状況の調査等を怠ったとして、対象会社の債務を連帯保証し代位弁済を余儀なくされた者(買収会社の代表取締役)に対して、会社法429条1項に基づき損害賠償責任を負うとされた事例
(東京地判令6・4・9)


刑 事

◎強要未遂罪の成立を認めた第1審判決には判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認があるとした原判決に、刑事訴訟法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
(最一判令5・9・11)


◆判例評論◆

9 全部勝訴した原告が直接主義違反を理由とする控訴を提起することの許否
(最二判令5・3・24)……伊東 俊明

10 当事者間の合意に基づく養育費の支払を求める場合には、民事訴訟によるべきであるとした事例
(東京高決令5・5・25)……浦谷 知絵
◆記 事◆

裁判員裁判と控訴審
――裁判員裁判による第1審判決に対する事実審査の在り方と事実誤認事例の取扱いを中心に――…山田 耕司


◆書評◆

仲谷栄一郎『本と出会う本』(弘文堂、2024)
評者…加藤新太郎


◆判決録細目◆

民 事

〇当時3歳2か月の児童のホットドッグの誤嚥事故に関し市立保育所の管理職員の職務上の注意義務違反が認められた事例
(東京高判令6・9・26〈参考原審:東京地判令4・10・26本誌2592・77〉)

〇雇用主(会社)が全役員及び従業員を被保険者として加入した傷害総合保険契約に基づき、従業員に保険事故が発生したことによって雇用主が保険会社から受領した保険金は、当該従業員に引き渡さなければならないとされた事例
(大阪高判令5・4・14〈参考原審:神戸地社支判令4・10・11〉)

▽児童相談所長のした一時保護中の児童と同児童の父母の面会及び通信を全て制限した処分、同児童に対する児童相談所の職員らの措置等に関し、国家賠償法上の違法は認められないとした事例
(東京地判令6・4・19)

▽労働組合が行ったビラ配布及び街宣活動が、原告の名誉権、肖像権及び私生活上の平穏を侵害し、正当な組合活動として違法性が阻却されないなどとして、原告の損害賠償請求を一部認容した事例
(東京地判令5・6・14)

▽生産物賠償責任保険の保険者らが、エアバッグ・インフレータの不具合に起因する事故の被害者に対する損害賠償責任に係る保険金の支払義務を負うものとは認められないとされた事例
(東京地判令6・4・25)

▽小学生の女児が当時の担任教諭から給食を完食するように強要されて精神的苦痛を被ったとして国家賠償法に基づく損害賠償請求を一部認容した事例
(さいたま地判令5・10・25)


労 働

▽従業員が過重な業務に従事したことにより心停止(心臓性突然死)を発症して死亡したことにつき、会社の安全配慮義務違反を認め、素因減額及び損益相殺により会社が賠償すべき損害額を算定し、請求を一部認容した事例
(宮崎地判令6・5・15)


刑 事

◎公訴事実記載の事実の存在を認定した上で、被告事件が罪とならないときに当たるとして無罪とした第1審判決を法令適用の誤りを理由に破棄し、事実の取調べをすることなく公訴事実と同旨の犯罪事実を認定して有罪の自判をした原判決が、刑事訴訟法400条ただし書に違反しないとされた事例
(最一決令5・6・20)
◆記 事◆

再審請求事件の審理…今井 輝幸


◆判決録細目◆

民 事

〇同僚や上司からパワーハラスメントやセクシャルハラスメントを受け、うつ病を発症し、自殺未遂をした刑務所職員が、国に対し損害賠償を請求した事案につき、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求及び債務不履行(安全配慮義務違反)による損害賠償請求が一部認容された事例
(高松高判令4・8・30〈参考原審:徳島地判令2・4・5〉)

▽子と同居する妻が単独で行った子ども・子育て支援法に基づく教育・保育給付認定申請に対し、子と別居する夫が「保護者」に該当しないとの判断を前提に市が教育・保育給付認定をしたことに違法性はないとして、夫の市に対する国家賠償請求を棄却した事例
(東京地判令5・9・29)

▽子を胎児認知していた者が子は自分とは別の男性の嫡出子であることが明らかになった旨を主張して胎児認知無効確認請求をしたことが権利の濫用に当たるとされた事例
(東京家判令5・3・23)

▽被相続人の養子を申立人とし被相続人の配偶者と実子を相手方とする遺産分割の事件において、配偶者が遺産に属する建物への配偶者居住権の取得を希望したところ、その生活を維持するために特に必要があるとして、配偶者による上記配偶者居住権の取得が認められた事例
(福岡家審令5・6・14)


知的財産権

▽将棋の指し手の表示を含む動画についての動画配信プラットフォーム運営事業者に対する著作権侵害の申告行為が、不正競争防止法2条1項21号にいう不正競争にあたるとした事例
(大阪地判令6・1・16)

▽同一特許及び同一製品に係る特許権侵害差止等請求事件及び仮処分命令申立事件が並行審理された場合において、いわゆるレビュー期日における侵害論の心証開示後に、仮処分認容決定が発令された事例
(東京地決令6・9・20)


商 事

◎1 株券の発行前にした株券発行会社の株式の譲渡の譲渡当事者間における効力
 2  株券発行会社の株式の譲受人が民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)423条1項本文により譲渡人の株券発行会社に対する株券発行請求権を代位行使することの可否
(最二判令6・4・19)


労 働

▽長期間にわたる自宅待機命令が実質的な退職勧奨であるとして不法行為の成立が認められた一方、その後の懲戒解雇が有効とされた事例
(東京地判令6・4・24)

▽正社員に対しては寒冷地手当を支給する一方で時給制契約社員に対してはこれを支給しないという労働条件の相違が労働契約法(平成30年法律第71号による改正前のもの)20条にいう不合理と認められるものに当たらないとされた事例
(東京地判令5・7・20)


刑 事

◎いわゆるキャッシュカードすり替え型の窃盗罪につき実行の着手があるとされた事例
(最三決令4・2・14)

▽特定少年である少年が薬物を移動させるなどして共犯者による薬物の営利目的所持を幇助した覚醒剤取締法違反幇助、大麻取締法違反幇助保護事件において、刑事処分を相当と認めて検察官送致とした事例
(さいたま家決令6・4・19)

▽覚醒剤使用の故意が認められないとして不処分決定がされた少年本人に対する少年補償事件において、少年自身の行為によって覚醒剤を摂取したこと等を踏まえると、非行事実につき身体拘束を受けた帰責事由は専ら少年にあり、補償の必要性を失わせる特別の事情がある場合に該当するとして、補償を認めなかった事例
(大阪家決令6・2・13)


◆最新判例批評◆

6 会社法144条2項に基づく譲渡制限株式の売買価格決定手続においてDCF法によって算定された評価額から非流動性ディスカウントを行うことができるとされた事例
(最三決令5・5・24)…星  明男

7 他人の物の非占有者が業務上占有者と共謀して横領した場合における非占有者に対する公訴時効の期間
(最一判令4・6・9)…金子  博

8 倉庫火災原因者に対する倉庫所有者による損害賠償請求事件──倉庫所有者の法令違反による「因果関係の中断」は、なぜ認められなかったのか
(東京高判令6・2・8)…加藤 雅信
◆記 事◆

行政裁量論再訪(『争訟制度と行政法学』余滴)
―過程の統制・審査の強度と密度、裁判所の「社会観念」…高橋  滋


◆判決録◆

行 政

▽生活扶助に関する基準の引下げ等を内容とする「生活保護法による保護の基準」(昭和38年厚生省告示第158号)の改定が生活保護法3条、8条2項の規定に違反して違法であるとされた事例
(東京地判令6・6・13)


民 事

▽日本の裁判所が管轄権を有する外国法人に対する請求と主観的併合の関係にある請求のうち、当該法人の法人格の否認を主張する請求に係る訴えについて、民事訴訟法3条の6により日本の裁判所の管轄権を認めた一方、同法3条の9により却下した事例
(東京地判令6・3・25)


知的財産権

▽一話完結形式の連載小説に登場するキャラクターは著作権法2条1項1号にいう著作物に当たらないとされた事例
(東京地判令5・12・7)


労 働

▽私立大学において専門業務型裁量労働制を採用する就業規則の改正をしたことについて、その前提となる労使協定を締結した労働者が適格性を有する過半数代表者とは認められないことから同改正は無効となり、専門業務型裁量労働制及びこれを前提とした休日及び深夜勤務の許可制を適用することが違法となるなどとした事例
(松山地判令5・12・20)


刑 事

▽弁護人が提出した主に2つの新証拠のうち、1つはそれと対応する旧証拠の信用性を減殺せず、他の1つを踏まえても確定審の認定には合理的な疑いを生じないとして、再審請求を棄却した事例──飯塚事件第2次再審請求第1審決定
(福岡地決令6・6・5)

▽特定少年である少年が、16歳未満であり、かつ、少年より5歳以上年少である被害者と性交した不同意性交等保護事件等において、刑事処分以外の措置を相当と認め、少年を第1種少年院に送致し、収容期間を2年間とした事例
(東京家決令6・9・4)
◆判決録細目◆

行 政

◎1 「被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生年金保険の保険給付等に関する経過措置に関する政令」(平成27年政令第343号)50条にいう「施行日前から引き続き当該被保険者の資格を有するもの」の意義
 2 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成24年法律第63号)〔令和2年法律第40号による改正前のもの〕附則17条2項において準用される同附則15条3項(「被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律及び地方公務員等共済組合法及び被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律の施行に伴う地方公務員等共済組合法による長期給付等に関する経過措置に関する政令」(平成27年政令第347号)〔令和3年政令第229号による改正前のもの〕36条1項による読替え後のもの)にいう「施行日前から引き続き改正後厚生年金保険法第27条に規定する被保険者…であるもの」の意義
(最二判令6・9・13)

◎国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律(平成24年法律第99号)1条の規定のうち、国民年金法による年金たる給付等の額の計算に関する経過措置、平成25年度及び平成26年度における国民年金法による年金たる給付等の額の計算に関する経過措置の特例並びに平成25年度における厚生年金保険法による年金たる保険給付の額の計算に関する経過措置の特例について定める部分と憲法25条、29条
(最二判令5・12・15)


民 事

◎地方住宅供給公社が賃貸する住宅の使用関係と借地借家法32条1項の適用の有無
(最一判令6・6・24)

〇1 刑務所長が、自弁物品の直接購入を制限したことについて、合理的な理由がないにもかかわらず漫然と違法な購入制限を設けたとして、国家賠償法上違法であるとした事例
 2 刑務所長が、書籍及び雑誌類の差入冊数について、差入人1人当たり1日1回まで、1回につき3冊以内であった従前の取扱いを変更して、差入人1人当たり1月1回まで、1回につき3冊以内としたことが、合理的な理由がないにもかかわらず漫然と数量制限を設けたとして、国家賠償法上違法であるとした事例
(東京高判令6・2・15〈参考原審:宇都宮地栃木支判令5・3・29〉)


知的財産権

▽ファイル共有ソフトにおけるネットワークに参加しているピアがファイルの一部を所持していることを確認するUNCHOKEの通信は、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律5条1項にいう権利の侵害を構成するものとはいえないとされた事例
(東京地判令6・3・14)

▽先発医薬品に係る特許権者等がパテントリンケージにおいて先発医薬品に係る特許と後発医薬品との特許抵触がある旨の虚偽の回答をする行為は、パテントリンケージの趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くものと認められる特段の事情がある場合には、競争関係にある後発医薬品の製造販売承認を申請する者の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知するものとして、不正競争防止法2条1項21号に掲げる不正競争に該当するとした事例
(東京地決令6・10・28)


刑 事

▽特定少年である少年が、カッターナイフを示して現金を強取した事案において、刑事処分以外の措置を相当と認め、少年を第1種少年院に送致し、収容期間を3年間とした事例
(東京家決令6・5・16)


◆最新判例批評◆

3 少年保護事件を題材として家庭裁判所調査官が執筆した論文を雑誌及び書籍において公表した行為がプライバシーの侵害として不法行為法上違法とはいえないとされた事例
(最二判令2・10・9)…根本 尚徳

4 マンション建築工事の注文者がその敷地を譲渡する行為は、請負人の注文者に対する請負代金債権を侵害する不法行為に当たらないとされた事例
(最一判令5・10・23)…森田 修

5 捜査機関による押収処分を受けた者の還付請求が権利の濫用として許されないとされた事例
(最一決令4・7・27)…滝沢 誠
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