週刊読書人 発売日・バックナンバー

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鼎談=武田徹×松江哲明×武田砂鉄
<FAKE 圧倒的な映画体験!笑って泣いて翻弄されて疑って>
森達也監督作品「FAKE」(出演・佐村河内守)

《今週の書評》
■4面〈学術・思想〉
▽アドリアナ・ペトリーナ著/粥川準二監修「曝された生」
評:武田徹
▽デヴィッド・ハーヴェイ著「<資本論>第2巻・ 第3巻入門」
評:川村哲也
▽津村喬著「横議横行論」
評:大野光明
▽古泉達矢著「アヘンと香港 1845―1943」
評:関智英

■5面〈文学・芸術〉
▽山本真司著「《シェイクスピア》と近代日本の図像文化学」
評:荒木正純
▽坂井希久子著「ハーレーじじいの背中」
評:松本薫
▽西日本女性文学研究会企画「西日本女性文学案内」
評:渡邊澄子
▽D・H・ロレンス研究会編「ロレンスの短編を読む」
評:立石弘道

■8面〈読物・文化〉
▽白戸健一郎著「満洲電信電話株式会社」
評:井川充雄
▽浅井春夫著「沖縄戦と孤児院」
評:永田浩三
▽杉山徳太郎著「満洲航空」
評:稲垣真澄
▽山根貞男著「日本映画時評集成 1976―1989」
評:伊藤洋司

《今週の読物》
■3面
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)
◇連載=現代短歌むしめがね(山田航)
◇連載=漢字点心(円満字二郎)
◇連載=あの人に会いたい「ファッションスタイリスト・石田純子(下)」(江原礼子)
◇連載=夜郎戯暦<五月>(安倍夜郎)
▽著者から読者へ=「生きものたちをつなぐ「かおり」」(松井健二)

■6・7面
▽日本英文学全国大会特集(エッセイ=田中孝信)

■10面
▽上橋菜穂子と<聖霊の間守り人>展(世田谷文学館)イベントレポート

≪次週予告≫次号<6月3日号>予告
荒井晴彦・丸山昇一・西岡琢也・向井康介=「日本名作シナリオ選」を語る。
(8頁・定価280円)








《今週の書評》
■4面〈学術・思想〉
▽近藤真紀子監修/大島青松園編「大島青松園で生きたハンセン病回復者の人生の誇り」
評:宇内一文
▽李里花著「「国がない」ディアスポラの歴史」
評:外村大
▽神山伸弘著「ヘーゲル国家学」
評:面一也
▽工藤律子著「ルポ 雇用なしで生きる」
評:伊高浩昭

■5面〈文学・芸術〉
▽リービ英雄著「模範郷」
評:勝又浩
▽藤沢周著「武蔵無常」
評:森川雅美
▽ディーノ・ブッツァーティ著「絵物語」
評:野村喜和夫
▽藤谷聖和著「フィッツジェラルドと短編小説」
評:上西哲雄

■6面〈読物・文化〉
▽森村泰昌著「自画像の告白」
評:中川素子
▽山本英史著「北京餐庁情報」
評:泉京鹿
▽竹宮惠子著「少年の名はジルベール」
評:ヤマダトモコ
▽増田幸弘著「岐阜を歩く」
評:アライ=ヒロユキ
▽小野一光著「震災風俗嬢」
評:昼間たかし

《今週の読物》
■3面
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)
◇連載=現代短歌むしめがね(山田航)
◇連載=漢字点心(円満字二郎)
◇連載=読写!一枚の写真から(岩尾光代)
◇連載=あの人に会いたい「ファッションスタイリスト・石田純子(上)」(江原礼子)

■7面
◇連載=ともかくスケッチ(長友啓典)
◇連載=元気に、出版。出版、元気に。=「日本僑報社」(下)(森彰英)

■8面
▽「宇宙戦艦ヤマト」とその生みの親、西崎義展について語り合う会レポート

≪次週予告≫◇次号<5月27日号>予告
武田徹×武田砂鉄×松江哲明=鼎談 森達也監督作品・映画「FAKE(フェイク)」
(10頁・定価300円)
《今週の書評》
■4面〈学術・思想〉
▽ダニエル・ベンサイド著/佐々木力監訳「時ならぬマルクス」
評:長原 豊
▽オヴェ・コースゴー著「政治思想家としてのグルントヴィ」
評:中道寿一

■5面〈文学・芸術〉
▽トレイシー・シュヴァリエ著「ブレイクの隣人」
評:豊﨑由美
▽小林孝吉著「原発と原爆の文学」
評:尾西康充

■6面〈読物・文化〉
▽橋口譲二著「ひとりの記憶」
評:姜 信子
▽水口義朗著「「週刊コウロン」波乱・短命顚末記」
評:新井 信
▽木村朗、高橋博子著「核の戦後史」
評:中村尚樹
▽堀雅昭著「鮎川義介」
評:高瀬 毅

《今週の読物》
■3面
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)
◇連載=現代短歌むしめがね(山田航)
◇連載=漢字点心(円満字二郎)
▽文芸同人誌評(白川正芳)
▽映画時評・5月(伊藤洋司)

■4面
▽論潮・5月(大野光明)

■5面
▽文芸・5月(友田健太郎)

■7面
▽加古里子さん記者会見レポート
◇連載=本の国へようこそ

■8面
▽連載=元気に、出版。出版、元気に。=「日本僑報社」(上)(森彰英)

≪次週予告≫◇次号<5月20日号>予告
 井上達夫×渡辺靖=対談「トランプ米大統領に!?―リンカーンの時代からアメリカ建国の時代にまで遡って考える」
(8頁・定価280円)
椹木野衣/代島治彦×畠山容平×森達也/保坂和志/諏訪敦彦×想田和弘×深田晃司
<ドキュメンタリー映画の地平へ>
『日常と不在を見つめて ドキュメンタリー映画作家 佐藤真の哲学』(里山社)刊行/特集上映「佐藤真の不在を見つめて」トーク&シンポ抄録

《今週の書評》
■4面〈学術・思想〉
▽ジル・ドゥルーズ著「フランシス・ベーコン 感覚の論理学」
評:堀 千晶
▽洪􅰡伸著「沖縄戦場の記憶と「慰安所」」
評:下嶋哲朗
▽高野麻子著「指紋と近代」
評:美馬達哉
▽舘野和己・出田和久編「日本古代の交通・交流・情報1」
評:木本好信

■5面〈文学・芸術〉
▽金澤哲編著「ウィリアム・フォークナーと老いの 表象」
評:諏訪部浩一
▽カルメン・L・オリヴェイラ著「めずらしい花 ありふれた花」
評:旦 敬介
▽尾崎翠フォーラム実行委員会編「尾崎翠を読む」
評:大和志保
▽中村三春編「映画と文学 交響する想像力」
評:真銅正宏

■6面〈読物・文化〉
▽藤岡啓介編著「翻訳者あとがき讃」
評:阿部公彦
▽永井義男著「江戸の糞尿学」
評:吉野太喜
▽池上裕子著「越境と覇権」
評:河本真理
▽石上阿希著「へんてこな春画」
評:エスムラルダ

《今週の読物》
■3面
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)
◇連載=現代短歌むしめがね(山田航)
◇連載=漢字点心(円満字二郎)
◇連載=ともかくスケッチ(長友啓典)

■8面
▽『アッシジの聖フランシスコ』刊行 藤城清治氏インタビュー

≪次週予告≫◇次号<5月13日号>予告
鼎談=板垣雄三・丸川哲史・羽根次郎/汪暉著『世界史のなかの世界』をめぐって
(8頁・定価280円)
▼特集▼
「現代思想と政治」公開合評会(京都大学人文科学研究所)レポート<いま、現代思想と政治を問い直す>

市田良彦・王寺賢太・小泉義之・佐藤淳二・上田和彦・箱田徹・布施哲・長崎浩・沖公祐・佐藤隆・中村勝己・長原豊・佐藤嘉幸・松本潤一郎・上尾真道・立木康介・檜垣立哉・森川輝一・鵜飼哲


★世界的に学生運動が高揚した「68年」から約半世紀。かつて「68年思想」と呼ばれ、日本では「現代思想」と総称された西欧の思想家たちの仕事は、いまやアカデミックな研究の方法論や対象として定着した感がある。この現代思想の諸潮流を政治との関係において問い直す、18篇からなる浩瀚な論集が刊行された。市田良彦氏を班長に迎え、2011年から京都大学人文科学研究所で行われてきた共同研究の成果、『現代思想と政治ー資本主義・精神分析・哲学』(平凡社)である。ここでは、5年間の共同研究班最後の研究会として、檜垣立哉・森川輝一・鵜飼哲の三氏を評者として開かれた同書の公開合評会(3月20日、於京大人文研)から、寄稿者たちの多様かつ濃密な議論を紹介する(中山昭彦・廣瀬純両寄稿者は欠席)。なお議論の中では、前日同研究所で開かれたフーコー/アルチュセールを巡る国際ワークショップも話題に上った。

<主なコンテンツ>
1:反資本主義の拠り所をどこに求めるか
2:国家・資本主義・イディオ
3:「政治」をいかに限定するか
4:政治の拒否、拒否の政治
5:戦争と自然―政治の基底/無底
6:精神分析と政治
7:マルクス主義の転回?
8:国民主権の臨界

▼『現代思想と政治』目次▼
▽市田良彦「現代思想と政治をめぐる序」(終わりから始める/「社会」でもなく「倫理」でもなく/「政治」が消える?/分岐点としての「六八年五月」あるいは「すべては政治である」/「主体」が廃位される?/三つの環――〈政治哲学〉〈マルクス主義〉〈精神分析〉)
▽第一部・政治/哲学 小泉義之「ドゥルーズ/ガタリにおける政治と哲学」
▽王寺賢太「マキァヴェッリとポスト六八年の政治的〈構成〉の諸問題」
▽佐藤淳二「『ルソー問題』から初期マルクスへ――疎外の論理をめぐって」
▽上田和彦「モーリス・ブランショの『政治参加』(一九五八―一九六八年)」
▽箱田徹「ミシェル・フーコーの内戦論――市民社会戦争と歴史の真理ゲーム」
▽布施哲「俗物に唾することさえなく――フーコー、シュトラウス、原理主義」
▽第二部・資本/闘争 長崎浩「六八年のなにが政治思想を促したか」
▽沖公祐「マルクス主義における再生産論的転回」
▽佐藤隆「債権債務関係と商品交換――あるいは市場における権力の生成」
▽中村勝己「オペライズモの光芒――トロンティの社会的工場論と<政治>」
▽廣瀬純「情勢の下で思考する――アントニオ・ネグリと『六八年の哲学』」
▽長原豊「流れと捕獲の普遍史のために――三位一体と常駐し睥睨する<一者>」
▽第三部・主体/精神分析 中山昭彦「ヴァルター・ベンヤミン、暴力―力と歴史哲学」
▽佐藤嘉幸「分裂分析と新たな主体性の生産――ガタリ『アンチ・オイディプス草稿』を読む」
▽松本潤一郎「矛盾は失効したのか――思考の政治的時効」
▽上尾真道「六八年のプシポリティーク――フランス精神分析運動の一場面についての史的考察」
▽立木康介「ラカンの六八年五月――精神分析の『政治の季節』」

★いちだ・よしひこ氏は神戸大学大学院教授・フランス現代思想専攻。一九五七年生。
   
★おうじ・けんた氏は京都大学人文科学研究所准教授・社会思想史/フランス思想専攻。一九七〇年生。
★こいずみ・よしゆき氏は立命館大学大学院教授・哲学・倫理学専攻。一九五四年生。
  
★さとう・じゅんじ氏は北海道大学大学院教授・フランス文化論・思想史専攻。一九五八年生。
★うえだ・かずひこ氏は関西学院大教員・フランス思想専攻。一九六四年生。
★はこだ・てつ氏は大阪市立大学都市研究プラザ特任助教・思想史専攻。一九七六年生。
 
★ふせ・さとし氏は名古屋大学大学院准教授・政治哲学・政治理論専攻。一九六四年生。
★ながさき・ひろし氏は評論家。一九三七年生。
★おき・こうすけ氏は香川大学教授・経済理論専攻。一九七一年生。
★さとう・たかし氏は大分大学准教授・経済理論専攻。一九七〇年生。
★なかむら・かつみ氏は中央大学と法政大学で兼任講師・イタリア政治思想史専攻。一九六三年生。
★ながはら・ゆたか氏は法政大学教授・経済史・経済理論専攻。一九五二年生。
★さとう・よしゆき氏は筑波大学准教授・哲学/思想史専攻。一九七一年生。
★まつもと・じゅんいちろう氏は就実大学准教授・フランス文学・哲学・思想史専攻。一九七四年生。
★うえお・まさみち氏は立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員・精神分析・思想史専攻。一九七九年生。
★ついき・こうすけ氏は京都大学人文科学研究所准教授・精神分析専攻。一九六八年生。
★ひがき・たつや氏は大阪大学大学院教授・哲学・現代思想専攻。一九六四年生。
★もりかわ・てるかず氏は京都大学大学院教授・政治思想史専攻。一九七一年生。
★うかい・さとし氏は一橋大学大学院教授・フランス文学・思想専攻。一九五五年生。

▼今週の読物▼
■1面
◆連載=写真家の記憶の抽斗<94>/北井一夫(きたい・かずお氏=写真家)
<ユズが3個>2008年 シリーズ「ライカで散歩」
★コレクターの下田賢司がスポンサーになって、自由が丘画廊のオーナーだった実川暢宏さんとあと三、四人の友人とそれに私で、ソウル、上海、ベネチア、ニューヨークなどを旅行した…続きは本紙へ。

■3面
◆連載=日常の向こう側 ぼくの内側<238回>/横尾忠則(よこお・ただのり氏=美術家)
◎空っぽ&身軽が健康法 富士山のアカンベエ!

◆連載=漢字点心<第179回>/円満字 二郎(えんまんじ・じろう氏=編集者・ライター)
◎「誇」

◆連載=現代短歌むしめがね<第35回>コンピュータ編/山田 航(やまだ・わたる氏=歌人)
◎ショートケーキを箸もて食し生誕というささやかなエラーを祝う/内山晶太『窓、その他』(2012)

◆連載=あの人に会いたい「三越伊勢丹 呉服商品部・浅子堅一郎」下/江原礼子(えはら・れいこ氏=フリー編集者・ライター、イベントプロデューサー)
★「着物」は日本が世界に誇る和文化の代表格だが、着物を着る日本人はどんどん減り、花火大会での浴衣姿は見かけるが、和服そのものは日常とかけ離れた、別世界だと感じている人も多い。そんななか、三越伊勢丹で呉服業界に新しい風を入れたいと、さまざまな挑戦をする浅子堅一郎さん。今を生きる日本人に着物の魅力を知ってもらいたいと、縦横無尽に走り回る姿は、お会いして以来少しも変わることはなく、ますますその幅を広げている。

◆連載=夜郎戯暦(ヤロウザレゴヨミ)/安倍夜郎(あべ・やろう氏=漫画家)
◎4月15日
1452年 レオナルド・ダヴィンチ誕生。
ヘリコプターの日。全日本航空事業連合会がヘリコプターの原理を考え出した、ダ・ヴィンチの誕生日にちなんで1986年に制定。

◆受賞=第21回 日本絵本賞 表彰式

■7面
◆特集=特別展 ユネスコ無形文化遺産登録記念 北大路魯山人の美―和食の天才
★美食家で料理人、書家、篆刻家、陶芸家など多様な顔を持ち、それぞれの分野で高い評価を得た北大路魯山人(1883[明治16]年―1959[昭和34]年)。その中で一般にも広く知られている陶磁器を中心に集めた『北大路魯山人の美 和食の天才』が東京・日本橋の三井記念美術館で開催されている(6月26日まで)。「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたのを記念して開催されたこの展覧会について、同美術館参事の赤沼多佳氏にお話を伺った。

■8面
◆連載=田原総一朗の取材ノート/田原総一朗(たはら・そういちろう氏=ドキュメンタリー作家)
◎大惨事AIブームの到来

▼今週の書評▼
■4面
◆オノラ・オニール著『正義の境界』(みすず書房)
評:谷澤正嗣(やざわ・まさし氏=早稲田大学准教授・現代政治理論専攻)


◆クリストフ・ポンセ著『ボッティチェリ《プリマヴェラ》の謎』(勁草書房)
評:池上英洋)(いけがみ・ひでひろ氏=東京造形大学教授・西洋美術史専攻)


◆塩澤寬樹著『仏師たちの南都復興』(吉川弘文館)
評:末木文美士(すえき・ふみひこ氏=国際日本文化研究センター名誉教授・日本思想史・仏教史専攻)


◆佐藤健二著『浅草公園 凌雲閣十二階』(弘文堂)
評:松本常彦(まつもと・つねひこ氏=九州大学比較社会文化研究院教授・日本近代文学専攻)


■5面
◆金井嘉彦・吉川信編著『ジョイスの罠』(言叢社)
評:前田耕作(まえだ・こうさく氏=和光大学名誉教授・アジア文化研究者)


◆吉田修一著『橋を渡る』(文藝春秋)
評:西上心太(にしがみ・しんた氏=文芸評論家)


◆佐藤さとる著『コロボックルに出会うまで』(偕成社)
評:野上 暁(のがみ・あきら氏=評論家)


◆坂上秋成著『夜を聴く者』(河出書房新社)
評:美月レンカ(みづき・れんか氏=作家・音楽家)


■6面
◆中村保著『ヒマラヤの東 山岳地図帳』(ナカニシヤ出版)
評:岩田修二(いわた・しゅうじ氏=東京都立大学名誉教授・地理学専攻)


◆宮原諄二著『「白い光」を創る』(東京大学出版局)
評:志村幸雄(しむら・ゆきお氏=技術評論家)


◆植田康夫著『出版の冒険者たち。』(水曜社)
評:紅野謙介(こうの・けんすけ氏=日本大学教授・近代日本文学専攻)


◆智内威雄著『ピアノ、その左手の響き』(太郎次郎社エディタス)
評:鷲野彰子(わしの・あきこ氏=ピアニスト)
▼特集▼
座談会=坂上弘×紅野謙介×五味淵典嗣×内藤千珠子<新たなる文学研究へ>『オンライン版 三田文学』(丸善雄松堂)刊行を機に

★丸善雄松堂より「オンライン版 三田文学」が刊行された。永井荷風を主幹に据えて一九一〇(明治四三)年五月に創刊された「三田文学」は何度かの休刊を経ながらも今なお続く歴史ある文芸誌の一つ。オンライン版はその創刊から戦前・戦時期にあたる一九四四(昭和一九)年十・十一月合併号までの三九七冊をデジタル化しオンラインで公開する。研究機関向けではあるが、過去の文芸誌をデジタル化することなどの意義を作家の坂上弘氏、また近代文学研究者の紅野謙介、五味渕典嗣、内藤千珠子の三氏に語ってもらった。

<主なコンテンツ>
1:100年続く雑誌のデジタル化
2:三田文学の持つ独自の「距離感」
3:文学を社会の中の現象として見る
4:当時の現場感覚が伝わるオンライン
5:豊富な書き手を擁する三田文学
6:神の手触りを活かしたデジタルに

★さかがみ・ひろし氏=小説家・慶應義塾大学出版会会長。一九五六年十一月号から一年間、江藤淳と「三田文学」の編集を担当。著書に「優しい碇泊地」「田園風景」「近くて遠い旅」「眠らんかな」ほか多数。芸術選奨新人賞、読売文学賞、野間文芸賞、川端康成文学賞ほか受賞多数。一九三六年生。
  
★こうの・けんすけ氏=日本大学教授・近代日本文学専攻。著書に「書物の近代」「投機としての文学」「検閲と文学」ほか多数。一九五六年生。
   
★ごみぶち・のりつぐ氏=大妻女子大学准教授・近現代日本語文学専攻。著書に「言葉を食べる」、共著に「三田文学創刊100年」ほか。一九七三年生。
★ないとう・ちずこ氏=大妻女子大学准教授・近現代日本語文学・ジェンダー論専攻。著書に「帝国と暗殺」「小説の恋愛感触」「愛国的無関心」。一九七三年生。


▼今週の読物▼
■1面
◆連載=写真家の記憶の抽斗<番外編>/北井一夫(きたい・かずお氏=写真家)
<横須賀バー街>1964/2015年 シリーズ「カラー補足版 抵抗」
★「抵抗」は一九六四年に撮影して六五年に出版した。デモはトライXで撮り、横須賀バー街はコニカのネガカラーで撮って、パートカラーの写真集にする構想だったが、印刷費が足りずに全体がモノクロームだけの写真集になった。…続きは本紙へ

■3面
◆連載=日常の向こう側 ぼくの内側<237回>/横尾忠則(よこお・ただのり氏=美術家)
◎夢の話を夢で話す、美しき闇の顕在、無言の桜無情の猫

◆連載=漢字点心<第178回>/円満字 二郎(えんまんじ・じろう氏=編集者・ライター)
◎「芡」

◆連載=現代短歌むしめがね<第34回>コンピュータ編/山田 航(やまだ・わたる氏=歌人)
◎図書館にモーターの音 どの国の言葉でもないパスワード打つ/山崎聡子『手のひらの花火』(2013)

◆連載=あの人に会いたい「三越伊勢丹 呉服商品部・浅子堅一郎」上/江原礼子(えはら・れいこ氏=フリー編集者・ライター、イベントプロデューサー)
★「着物」は日本が世界に誇る和文化の代表格だが、着物を着る日本人はどんどん減り、花火大会での浴衣姿は見かけるが、和服そのものは日常とかけ離れた、別世界だと感じている人も多い。そんななか、三越伊勢丹で呉服業界に新しい風を入れたいと、さまざまな挑戦をする浅子堅一郎さん。今を生きる日本人に着物の魅力を知ってもらいたいと、縦横無尽に走り回る姿は、お会いして以来少しも変わることはなく、ますますその幅を広げている。

◆連載=読写!<第39回>/岩尾光代(いわお・みつよ氏=ジャーナリスト)
★議会解散後の総選挙は愈々来る五月十日全国一斉に挙行せらるることとなり政友会、憲政会、革新倶楽部等の所謂与党三派に政友本党入り乱れて其の準備戦は早や既に熾烈を極めて来た。(『歴史写真』大正十三年四月)

◆文庫日和=
◎著:中島 らも『中島らも短篇小説コレクション: 美しい手』(ちくま文庫)


■5面
◆新刊=
◎著:黒岩 涙香『裁判小説 人耶鬼耶』(インパクト出版会)


■6面
◆出版メモ=
    

◆連載=ともかくスケッチ<第37回>
◎ボクのお守り

■7面
◆特集=植本一子インタビュー<愛はこういうことだよ>
★植本一子さん、フォトグラファー。彼女が石田さんと呼ぶ二四歳年上の夫、ラッパーECD(石田義則氏)の妻であり、二人の娘を育てる母親でもある。  『かなわない』(タバブックス)は、二〇一四年に自費出版された同名冊子を中心に、二〇一一年発行の『働けECD~わたしの育児混沌日記』(ミュージック・マガジン)後の五年間の日記と書き下ろしを含むエッセイで構成されたもの。そこに描かれているのは、自由になりたいともがき苦しみながら、ままならない心を言葉に繋ぎ留め、生き抜こうとするひとりの女性の五年間の軌跡。  育児に対する葛藤、家族、生きづらさ、愛、そして孤独が圧倒的な筆致で綴られる。著者の生の言葉を聴きたくてインタビューをお願いした。


★うえもと・いちこ氏は写真家。二〇〇三年キヤノン写真新世紀で荒木経惟氏より優秀賞を受賞。広告、雑誌、CDジャケット、PV等広く活躍する。著書に『働けECD~わたしの育児混沌記』(ミュージック・マガジン)など。下北沢にて写真室「天然スタジオ」を主催。一九八四年広島県生まれ。

▼今週の書評▼
■3面
◆太田尚樹著『尾崎秀実とゾルゲ事件』(吉川弘文館)
評:田口卓臣(たぐち・たくみ氏=宇都宮大学准教授・フランス文学専攻)


◆及川卓著『ジェンダーとセックス』(弘文堂)
評:堀川聡司(ほりかわ・さとし氏=目白大学心理カウンセリングセンター)


◆菅孝行編『佐野碩 人と仕事』(藤原書店)
評:本橋哲也(もとはし・てつや氏=東京経済大学教員・カルチュラル・スタディーズ専攻)


◆宮田昌明著『英米世界秩序と東アジアにおける日本』(錦正社)
評:三宅正樹(みやけ・まさき氏=明治大学名誉教授・ユーラシア外交史専攻)


■4面
◆角田光代著『拳の先』(文藝春秋)
評:神田法子(かんだ・のりこ氏=ライター)


◆小田切秀雄著『文芸学講義』(菁柿堂)
評:黒古一夫(くろこ・かずお氏=文芸評論家)
文芸学講義―文学作品が書かれるまで

◆蘇芳のり子著『マルグリット・デュラス《幻想の詩学》』(せりか書房)
評:沓掛良彦(くつかけ・よしひこ氏=東京外国語大学名誉教授・西洋古典文学専攻)


◆黒名ひろみ著『温泉妖精』(集英社)
評:大野由美子(おおの・ゆみこ氏=書評家)


■5面
◆森正人著『戦争と広告』(KADOKAWA)
評:市川孝一(いちかわ・こういち氏=明治大学文学部教授・メディア文化論専攻)


◆飯村隆彦著『映像アートの原点1960年代』(水声社)
評:西村智弘(にしむら・ともひろ氏=映像評論家)
映像アートの原点 1960年代 (水声文庫)

◆佐々木敦著『ゴダール原論』(新潮社)
評:堀 潤之(ほり・じゅんじ氏=関西大学教授・映画研究・表象文化論専攻)


◆戸部田誠著『1989年のテレビっ子』(双葉社)
評:近藤正高(こんどう・まさたか氏=ライター)
▼特集▼
苅部直・藤本夕衣対談―推薦図書30冊掲載(7面)<本を手に、大学でいかに学ぶか>
「0.45ショック」「二人にひとりの無読書人」をいかにとらえるか
★全国大学生活協同組合連合会が毎年行なっている「学生生活実態調査」。その第51回調査の概要報告が、二月二四日に発表された(調査対象は全国の国公立および私立大学の学部生で、回収数は九七四一だった)。この中で特に目を引いたのが、「読書時間」に関する調査である。「読書時間0分」(まったく読書をしない人)の割合が四五・二パーセントに増加した。まさに「〇・四五ショック」とも言える数字であり、昨今の本離れを鑑みても、概ね「二人にひとり」の学生が「無読書人」に陥っている現状をどう受け止めればいいのか。一〇代末から二〇代初めにかけての「四年間」に、読書を通じて学ぶことは、その後の人生を決定づけると言ってもいい。新学期のはじまりに、いかにして本と向き合うか、具体的な推薦図書を挙げてもらいながら、東京大学教授・苅部直氏と慶應義塾大学/日本学術振興会特別研究員(RPD)・藤本夕衣氏に対談をしてもらった。テーマは、「大学の使い方/授業の受け方」にまで広げて議論してもらった。7面には、両氏の推薦図書(各十五冊ずつ)リストを掲載する。 

<主なコンテンツ>
1:人文学の変質
2:新しい価値の創造・再定義
3:45%の中身
4:授業は読書案内
5:「今ここ」から抜け出す
6:大学ならではの学び

★かるべ・ただし氏=東京大学教授・日本政治思想史専攻。著書に「光の領国 和辻哲郎」「秩序の夢」「歴史という皮膚」「丸山眞男」など。一九六五年生。
    

★ふじもと・ゆい氏=慶應義塾大学/日本学術振興会特別研究員・教育哲学・大学教育学専攻。著書に「古典を失った大学」など。一九七九年生。


▼今週の読物▼
■1面
◆連載=写真家の記憶の抽斗<第93回>/北井一夫(きたい・かずお氏=写真家)
<リンゴ>2006年 シリーズ「ライカで散歩」
★ 遠くへは行かずに家の近所を散歩して写真を撮ることから始めたこの連載だが、三年もすると、外へ出ずに家の中だけで撮れないものかと考えるようになった。…続きは本紙へ

■3面
◆連載=日常の向こう側 ぼくの内側<236回>/横尾忠則(よこお・ただのり氏=美術家)
◎花開いて風かへって寒し 花冷え花雲の灰色絵画

◆連載=漢字点心<第177回>/円満字 二郎(えんまんじ・じろう氏=編集者・ライター)
◎「牙」

◆連載=映画時評<4月>/伊藤洋司(いとう・ようじ氏=中央大学教授・フランス文学専攻)
◎未来の表現の可能性を開く虚構性
ジャ・ジャンクー「山河ノスタルジア」

◆連載=現代短歌むしめがね<第33回>コンピュータ編/山田 航(やまだ・わたる氏=歌人)
◎追悼の文といえどもほのぼのと342と打ちて三四二と変換す/永田和宏『華氏』(1996)

◆フォト&アート=
◎著:モリナガ ヨウ『築地市場: 絵でみる魚市場の一日』(小峰書店)


◆連載=本の国へようこそ<第70回>テーマ:幼年童話
★草が芽吹き、草の花も樹の花も色を開く四月は、新しいことがはじまる季節。小さな子の想像力は、文字なしの絵や余白を読みますが、もう少しお話を読みたいな、と思いはじめるそんなときにぴったりの本。今回は絵本から童話へのかけはしとなる「幼年童話」を紹介します。
◎著:たかどのほうこ『ポンちゃんはお金もち』(こぐま社)
ポンちゃんはお金もち (こぐまのどんどんぶんこ)
◎著:アーノルド ローベル『まるごとごくり! 』(大日本図書)

◎著:リチャード ウィルバー『番ネズミのヤカちゃん』(福音館書店)

◎著:村山 籌子『リボンときつねとゴムまりと月』(JULA出版)


■5面
◆新刊=
◎著:粟津 則雄『辻井喬=堤清二 文化を創造する文学者』(平凡社)


■7面
◆連載=元気に、出版。出版、元気に。=「双葉文庫」(下)/森彰英(もり・あきひで氏=フリーライター)

◆受賞=
◎第19回日本ミステリー文学大賞
◎第24階小川未明文学賞

◆連載=田原総一朗の取材ノート/田原総一朗(たはら・そういちろう氏=ドキュメンタリー作家)
◎刺激的で面白い映画が封切りに


★1・2面特集「本を手に、大学でいかに学ぶか」選書リストはこちら★

■8面
◆特集=クラフト・エヴィング商會「金曜日の本」刊行(世田谷文学館)
★二〇一四年一~三月、世田谷文学館で「星を売る店クラフト・エヴィング商會のおかしな展覧会」が開催された。その関連企画として、展覧会最終日前日の三月二十九日に行われたトークイベントが「金曜日の本と未来の本」。その際にクラフト・エヴィング商會が提案した「金曜日の本」が実を結び、本年三月十八日に世田谷文学館から、吉田篤弘さんの小説『おるもすと』を活版印刷で一四〇〇部、レコード『天使も怪物も笑う夜』五〇〇部が発売となった。翌十九日の出版記念イベントで、クラフト・エヴィング商會の吉田篤弘さんと浩美さんにより語られた、「金曜日の本」というレーベルに込めた思いや、制作の裏側について、その一部を載録させていただいた。

<主なコンテンツ>
1:金曜日の夜、本を読む喜び
2:パン屋さんと印刷屋さん
3:未来に残ってほしいもの
4:レコード、ラジオ、活版印刷

※クラフト・エヴィング商會=吉田篤弘と吉田浩美による制作ユニット。テキストとイメージを組み合わせた独創的な作品と装幀デザインを多数手がける。『稲垣足穂全集』『らくだこぶ書房21世紀古書目録』で講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。『どこかにいってしまったものたち』『クラウド・コレクター』他著作多数。吉田篤弘の著作『つむじ風食堂の夜』他、吉田浩美著作『apieceofcake』がある。
   

▼今週の書評▼
■4面
◆ジャンルイジ・ゴッジ著『ドニ・ディドロ、哲学者と政治』(勁草書房)
評:佐藤淳二(さとう・じゅんじ氏=北海道大学教員・フランス思想専攻)


◆ジョージ・ブルヌティアン著『アルメニア人の歴史』(藤原書店)
評:上野雅由樹(うえの・まさゆき氏=大阪市立大学講師・歴史学・オスマン帝国史専攻)


◆サロモン・マルカ著『評伝レヴィナス』(慶應義塾大学出版会)
評:合田正人(ごうだ・まさと氏=フランス文学・フランス思想・ドイツ思想専攻)


◆廣瀬純編著『資本の専制 奴隷の叛逆』(航思社)
評:松本潤一郎(まつもと・じゅんいちろう氏=就実大学教員・フランス思想専攻)


■5面
◆清水良典著『デビュー小説論』(講談社)
評:今井清人(いまい・きよと氏=文芸評論家)


◆鈴村和成著『テロの文学史』(太田出版)
評:千葉一幹(ちば・かずみき氏=文芸評論家・大東文化大学教授)


◆阿波弓夫著『オクタビオ・パス』(文化科学高等研究院出版局)
評:野谷文昭(のや・ふみあき氏=名古屋外国語大学教授・ラテンアメリカ文学専攻)


◆上江憲治・野口広明編『カフカ後記作品論集』(同学社)
評:川島 隆(かわしま・たかし氏=京都大学准教授・近現代ドイツ文学・メディア論)


■6面
◆島本浣著『日仏「美術全集」史』(三元社)
評:喜多崎親(きたざき・ちかし氏=成城大学教授・西洋美術史専攻)


◆佐藤卓己編『青年と雑誌の黄金時代』(岩波書店)
評:諸橋泰樹(もろはし・たいき氏=フェリス女学院大学教員・出版論専攻)


◆園田寿・臺宏士著『エロスと「わいせつ」のあいだ』(朝日新聞出版)
評:武田砂鉄(たけだ・さてつ氏=フリーライター)


◆下館和巳著『東北のジュリエット』(河北新報出版センター)
評:石原孝哉(いしはら・こうさい氏=駒澤大学名誉教授・イギリス文学専攻)
東北のジュリエット―シェイクスピアの名せりふ (河北選書)
▼特集▼
ウンベルト・エーコ追悼対談=和田忠彦・中村邦生 <もの書き そして 教育者>
★小説『プラハの墓地』(東京創元社)が日本で刊行される直前の2月、イタリアのウンベルト・エーコがこの世を去った。小説デビュー作『薔薇の名前』で知られる彼は、壮大な仕掛けに満ちた小説作品を何冊も著しているが、それは彼のほんの一面にすぎない。美学者であり記号論学者であり評論家でもありとさまざまな顔を持ったまさに知の巨人だったエーコを追悼して、『開かれた作品』などの翻訳者で交流もあった和田忠彦氏と、英文学者で小説家の中村邦生氏に対談していただいた。

<主なコンテンツ>
1:旺盛で驚異的だった執筆活動
2:若い人たちに希望を託しつづける
3:根っからの教育者だったエーコ
4:自分の限界を知った『フーコーの振り子』
5:膨大な知のカタログとしての全著作
6:書物という「植物的な記憶」への共感

★わだ・ただひこ氏=東京外国語大学教授・イタリア文学専攻。京大大学院修了。著書に「声、意味ではなく」「ファシズム、そして」、翻訳にエーコ「開かれた作品」(共訳)「小説の森散策」、カルヴィーノ「パロマー」、タブッキ「イザベルに ある曼荼羅」など。一九五二年生。
   
★なかむら・くにお氏=大東文化大学教授、作家。立教大大学院修了。著書に「月の川を渡る」「〈虚言〉の領域」「風の消息、それぞれの」「チェーホフの夜」「転落譚」「書き出しは誘惑する」「風の湧くところ」など。一九四六年生。
  
  

▼今週の読物▼
■1面
◆連載=写真家の記憶の抽斗<第92回>/北井一夫(きたい・かずお氏=写真家)
<衣服>2006年 シリーズ「ライカで散歩」
★つい最近のことだが、ツァイトフォトで「1990年代北京」展をやった時に、出版社の若い人から、この時代の中国はどんな国だったんですかと聞かれた…続きは本紙へ

■3面
◆連載=日常の向こう側 ぼくの内側<235回>/横尾忠則(よこお・ただのり氏=美術家)
◎まどろみの中の想念と現(うつつ) 黄色のドア、異次元の入口

◆連載=漢字点心<第176回>/円満字 二郎(えんまんじ・じろう氏=編集者・ライター)
◎「度」

◆連載=文芸同人誌評/白川正芳(しらかわ・まさよし氏=文芸評論家)
◎話題豊富に楽しみながら 広岡一「不用意な少年伝31」
◎農村が直面する問題を描く 村若昭雄「跡取り(その3)」

◆著者から読者へ=上演が紡ぎだす物語の世界 生きていくてがかりを模索する創造の営為/福岡まどか
◎著:福岡 まどか『ジャワの芸能ワヤン 〜その物語世界』(スタイルノート)


◆トークショー=『文豪ストレイドッグス 外伝』トークショー
★太宰治、中島敦、与謝野晶子、谷崎潤一郎……様々な文豪が異能力を用いてバトルする『文豪ストレイドッグス』は、原作・朝霧カフカ、作画・春河35で、コミックス9巻、小説3巻がKADOKAWAより刊
行されている。


◆連載=現代短歌むしめがね<第32回>コンピュータ編/山田 航(やまだ・わたる氏=歌人)
◎黙々と憤怒の言葉を吐き連ね「保存しない」にカーソルを置く/武富純一『鯨の祖先』(2014)

■4面
◆連載=論調<4月>/大野光明(おおの・みつあき氏=日本学術振興会特別研究員PD・歴史社会学・社会運動論専攻)
◎怒りの感度を研ぎ澄ます 東日本大震災と福島第一原発事故から5年

◆新刊=
◎著:ジェリー グリスウォルド『誰もがみんな子どもだった』(彩流社)


■5面
◆連載=文芸<5月>/友田健太郎(ともだ・けんたろう氏=文芸評論家)
◎汲めども尽きぬ魅力の最果の小説 大震災に強まる不透明感を描いた辺見

■7面
◆和合亮一氏インタビュー 『昨日ヨリモ優シクナリタイ』刊行を機に

<主なコンテンツ>
1:現実の違和感をアイロニーとして描く
2:詩はあらゆるものに橋を架ける
   

◆レポート=『働く君に伝えたい「お金」の教養』(ポプラ社) 刊行記念イベントレポート 出口治明×津田大介
★ポプラ社から『働く君に伝えたい「お金」の教養 人生を変える5つの特別講義』が刊行された。本書刊行を記念して2月12日丸善・丸の内本店3F日経セミナールームにて著者でライフネット生命保険株式会社代表取締役会長兼CEOの出口治明氏とゲストにジャーナリストの津田大介氏を招いてのトークイベントが開催された。その模様の一部を紹介する。

<主なコンテンツ>
1:親孝行が親不孝!?
2:若い人の特権って?
3:将来予測より自己投資

■8面
◆出版メモ=
詩集 一生一度 読書・満漢全席―本に関するコラムと古本ミステリー&SF  私の万華鏡―文人たちとの一期一会

◆連載=元気に、出版。出版、元気に。=「双葉文庫」上(森彰英)
◆連載=ともかくスケッチ(長友啓典)

▼今週の書評▼
■4面
◆鶴見俊輔著『「思想の科学」私史』(編集グループSURE)
◆鶴見俊輔著『まなざし』(藤原書店)
評:鈴木正(すずき・ただし氏=名古屋経済大学名誉教授・日本思想史専攻)


◆服部健二著『レーヴィットから京都学派とその「左派」の人間学へ』(こぶし書房)
評:内田 弘(うちだ・ひろし氏=専修大学名誉教授・経済学専攻)


■5面
◆佐々木敦著『ニッポンの文学』(講談社)
評:町口哲生(まちぐち・てつお氏=哲学専攻)
 

◆ゼイディー・スミス著『美について』(河出書房新社)
評:庄司宏子(しょうじ・ひろこ氏=成蹊大学教授・アメリカ文学・文化専攻)


■6面
◆福島泰樹著『追憶の風景』(晶文社)
評:齋藤愼爾(さいとう・しんじ氏=俳人)


◆内オサム・西原麻里編著『マンガ文化55のキーワード』(ミネルヴァ書房)
評:長山靖生(ながやま・やすお氏=評論家)


◆メノ・スヒルトハウゼン著『ダーウィンの覗き穴』(早川書房)
評:緑 慎也(みどり・しんや氏=サイエンスライター)


◆ジャン=ピエール・ルゴフ著『プロヴァンスの村の終焉』(青灯社)
評:佐藤 純(さとう・じゅん氏=写真家)
▼特集▼
小松美彦・田中智彦対談―バイオテクノロジー社会の行く末にあるもの<「ヘールシャム化」する世界>
『わたしを離さないで』(小説/映画/ドラマ)を解読する
★一月よりTBS系列で、ドラマ<わたしを離さないで>が、綾瀬はるか・三浦春馬・水川あさみ・麻生祐未などの共演で全国放映されている(三月一八日が最終回)。原作は二〇〇五年に刊行され世界的ベストセラーになった、カズオ・イシグロの『NeverLetMeGo』。日本でも翌〇六年に早川書房から土屋政雄訳で翻訳出版され(〇八年に文庫化)、現在では累計五〇万部に達している。また、二〇一〇年にマーク・ロマネク監督により映画化され、日本でも翌年に公開。さらに二〇一四年には、蜷川幸雄演出で舞台上演もされた。「臓器移植」と「クローン人間」という重いテーマを扱いながら、多くの人々に長く読み継がれてきた、その魅力とは何か。生命倫理学に関わる著作を多数著わしてきた武蔵野大学教授・小松美彦氏と、これから医療の世界に進む学生に対して倫理学を講ずる東京医科歯科大学准教授・田中智彦氏に、小説・映画・ドラマを比較対照しながら対談をしてもらった。なお小説版のあらすじは8面「編集室より」を参照。

<コンテンツ>
1:重厚なドラマ
2:「生権力機関」(フーコー)
3:題名に込められた意味
4:死者が生者に語る物語
5:「救済者兄弟」の誕生
6:新しい倫理の立ち上げ

★こまつ・よしひこ氏は武蔵野大学教授。生命倫理学・科学史科学論専攻。東京大学大学院博士課程修了。著書に「脳死・臓器移植の本当の話」「生権力の歴史」「生を肯定する」など。一九五五年生。
     
★たなか・ともひこ氏は東京医科歯科大学准教授。倫理学・政治思想専攻。早稲田大学大学院博士課程満期退学。著書に「メタバイオエシックスの構築へ」「生命倫理の基本概念」(共著)など。一九六七年生。

▼今週の読物▼
■1面
◆連載=写真家の記憶の抽斗<第89回>/北井一夫(きたい・かずお氏=写真家)
<強い木>2003年 シリーズ「ライカで散歩」
★遠くまで旅することなく、住んでいる家の近くを散歩して写真を撮ることでスタートした「ライカで散歩」の連載だが、その考えにもっとも相応しいのがこの写真である…続きは本紙へ

■3面
◆連載=日常の向こう側 ぼくの内側<233回>/横尾忠則(よこお・ただのり氏=美術家)
◎夢…現…幻…妄想通りの仕上げ、画竜点睛な未完

◆連載=漢字点心<第174回>/円満字 二郎(えんまんじ・じろう氏=編集者・ライター)
◎「嫋」※「ジョウ」

◆連載=現代短歌むしめがね<第30回>コンピュータ編/山田 航(やまだ・わたる氏=歌人)
◎アリス 穴に落ちて辿り着いたAmazonの倉庫で朝から働くアリス</石井僚一『十三月のマザー・テレサへ』(2015)

◆連載=あの人に会いたい「ジュエリーデザイナー・下川宏道」/江原礼子
★18金のチェーンに小さなパールが15粒並ぶネックレス。シンプルで飽きの来ないジュエリーを、1点1点丁寧に作り出す下川宏道さん。ご自身の名前、宏道(ひろみち)からとったというhimie(ヒーミー)の代表でもある。歯科技工士から、ジュエリーデザイナーへと転身を図ったという、異色の経歴の持ち主。表参道で週末だけ開けているショップに伺って、お話をお聞きした。
 
◆連載=読写!一枚の写真から/岩尾光代

◆文庫日和=
◎岡田 喜秋『旅に出る日』(ヤマケイ文庫)


■6面
◆新刊=
◎著:原ミナ汰『にじ色の本棚 ―LGBTブックガイド―』(三一書房)


■7面
◆レポート=小泉純一郎氏が語る日本文明の未来/日本文明研究所シンポジウム載録
<エネルギーの構造改革「原発ゼロ」へ>
★猪瀬直樹氏が所長を務める日本文明研究所の第三回シンポジウムが、二月八日、東京都渋谷区の日本経済大学で行われた。「日本の歩むべき道」と題する小泉純一郎元首相の特別講演である。小泉内閣では、郵政民営化、猪瀬氏が寄与した道路公団民営化等、大きな構造改革が成し遂げられてきた。本講演では、原発の構造改革に焦点をあて、今後の日本の在り方が語られている。その講演を載録させていただいた。
<主なコンテンツ>
1:全政党反対の中で実現した構造改革
2:絶対的な安全がないなら原発を持ってはいけない
3:危険、コストが高い、汚染エネルギー
4:自然をエネルギーに 自然とともに生きる

■8面
◆連載=ともかくスケッチ/長友啓典(ながとも・けいすけ氏=アートディレクター)
◎酒場のうわさ

◆連載=元気に、出版。出版、元気に。=「サイゾー」/塩澤実信(しおざわ・みのぶ氏=出版評論家)

◆受賞=第18回 大藪春彦賞 贈呈式開催

◆ブックサロン=
◎著:戸田 等『弁護士物語』(新潮社)


▼今週の書評▼
■4面
◆岩手大学人文社会科学部フランス文学研究室/中里まき子編著『無名な書き手のエクリチュール』(朝日出版社)
評:竹内修一(たけうち・しゅういち氏=北海道大学准教授・フランス文学専攻)


◆エルナン・コルテス著『コルテス報告書簡』(法政大学出版局)
評:伊高浩昭(いだか・ひろあき氏=ジャーナリスト)


◆現代公益学会編『東日本大震災後の協同組合と公益の課題』(文眞堂)
評:田中夏子(たなか・なつこ氏=日本協同組合学会副会長)


◆春日武彦著『鬱屈精神科医、占いにすがる』(大田出版)
評:可能涼介(かのう・りょうすけ氏=批評家・精神保健福祉士)


■5面
◆滝口悠生著『死んでいない者』(文藝春秋)
評:倉本さおり(くらもと・さおり氏=ライター・書評家)


◆内藤千珠子著『愛国的無関心』(新曜社)
評:山崎眞紀子(やまさき・まきこ氏=札幌大学教授・日本近現代文学専攻)


◆一條次郎著『レプリカたちの夜』(新潮社)
評:長瀬海(ながせ・かい氏=ライター・書評家)


◆山内祥史著『若き日の日野啓三』(和泉書院)
評:山根繁樹(やまね・しげき氏=松江工業高等専門学校教授・日本近代文学専攻)


■6面
◆エスムラルダ、KIRA著『同性パートナーシップ証明、はじまりました。』(ポット出版)
評:砂川秀樹(すながわ・ひでき氏=文化人類学者)


◆井戸まさえ著『無戸籍の日本人』(集英社)
評:歌代幸子(うたしろ・ゆきこ氏=ノンフィクションライター)


◆シャーウィン裕子著『戦争を悼む人びと』(高文研)
評:関千枝子(せき・ちえこ氏=ノンフィクション作家)


◆ジェイムズ・A・ミッチェル著『革命のジョン・レノン』(共和国)
評:サエキけんぞう(さえき・けんぞう氏=ミュージシャン)
▼特集▼
佐藤嘉幸/田口卓臣対談―「脱原発の哲学」(人文書院)刊行を機に<脱原発の「切迫性」をめぐって>
「3・11」から5年―脱原発は即時可能である
★三月一一日で、東日本大震災・福島第一原発事故から五年が経つ。この五年間で何が明らかになったのか。科学、技術、政治、経済、歴史、環境等あらゆる角度から、原発事故について論じた『脱原発の哲学』が刊行された。著者は若手思想家である佐藤嘉幸・田口卓臣の両氏。果たして今「脱原発」は可能なのか――そう問う前に、脱原発はまさに「切迫」した問題として眼前にある。刊行を機に、おふたりにお話しをうかがった。

<コンテンツ>
1:原発事故=「戦争」
2:「安全」イデオロギー
3:数値が隠すもの
4:構造的差別のシステム
5:管理された民主主義
6:この出来事を見よ

★さとう・よしゆき氏=筑波大学准教授・哲学/思想史専攻。パリ第一〇大学博士号取得。著書に「権力と抵抗」「新自由主義と権力」など。一九七一年生。
  
★たぐち・たくみ氏=宇都宮大学准教授・フランス文学専攻。東京大学大学院博士後期課程修了。著書に「ディドロ 限界の思考」など。一九七三年生。
 

▼今週の読物▼
■1面
◆連載=写真家の記憶の抽斗<第89回>/北井一夫(きたい・かずお氏=写真家)
<赤信号>2006年 シリーズ「ライカで散歩」
★六○歳を超した頃から遠くまで出掛けて写真を撮るのが億劫になった。…続きは本紙へ

■3面
◆連載=日常の向こう側 ぼくの内側<232回>/横尾忠則(よこお・ただのり氏=美術家)
◎描きながら湧く歓喜 躰の中にも春一番到来

◆レポート=「横尾忠則 迷画感応術」展 アートカーお披露目会見

◆連載=漢字点心<第173回>/円満字 二郎(えんまんじ・じろう氏=編集者・ライター)
◎「憶」

◆連載=現代短歌むしめがね<第29回>コンピュータ編/山田 航(やまだ・わたる氏=歌人)
◎ゲームでの道徳律を探るため試しに黒人だけ殺ってみる/吉田純『形状記憶ヤマトシダ類』(2004)

◆連載=映画時評<3月>/伊藤洋司(いとう・ようじ氏=中央大学教授・フランス文学専攻)
◎多様性そのものの世界を提示 アピチャッポン・ウィーラセタクン「光の墓」

◆本の国へようこそ<第69回>テーマ:震災を思う
★東日本大震災から五年を迎える日本。二〇二〇年にオリンピックを控えた日本は今、どんな国なのだろう。あの日の傷跡を癒すやさしい国になれているのか、自然は蘇るのか、そして…未来へ繰り越し中の原発の問題。改めて震災に向き合える本を、今回は紹介します。

①著:こもり まこと『のっぽのスイブル155』(偕成社)

②著:矢内 靖史『かえるふくしま』(ポプラ社)

③著:永幡 嘉之『原発事故で、生きものたちに何がおこったか。』(岩崎書店)

④著:早尾 貴紀『国ってなんだろう?: あなたと考えたい「私と国」の関係』(平凡社)


■5面
◆新刊=
◎著:奥 彩子『東欧の想像力』(松籟社)


■7面
◆出版メモ=
◎著:佐藤 卓己『『図書』のメディア史――「教養主義」の広報戦略』(岩波書店)


◎著:青柳英治『ささえあう図書館 「社会装置」としての新たなモデルと役割』(勉誠出版)


◆連載=田原総一朗の取材ノート/田原総一朗(たはら・そういちろう氏=ドキュメンタリー作家)
◎「東電は許せないが、君らは」

■8面
◆特集=天童荒太『ムーンナイト・ダイバー』(文藝春秋)インタビュー あの海の底から掬い上げる再生の光
★震災から五年の節目を前に、天童荒太氏の『ムーンナイト・ダイバー』が上梓された。私たちが目にすることのない、立入禁止地区の海の底へ、惨劇に直面した人々の心の内へ、主人公と共に潜っていったような読後感。この小さな国の中に、立ち入ることのできない場所があること。せわしなさの中で忘れてはいけない大切なことを教えてくれる小説だ。刊行を機に、天童氏にお話いただいた。

<主なコンテンツ>
1:あの日に向き直ること ホントウノ豊かな国とは
2:人類の希望の光を求め あの海へ、心の底へ潜る
3:サバイバーズギルトは深い愛、故人への思い
4:誰も見ることない風景を作家としてどう見るのか
5:命への飢餓と本能、愛を成熟しうること
6:未来へ運ばれる希望の化石、人類は続いていく

★てんどう・あらた氏=小説家。86年「白の家族」で野性時代新人文学賞を受賞、93年『孤独の歌声』が日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『家族狩り』で山本周五郎賞、2000年に『永遠の仔』で日本推理作家協会賞、09年に『悼む人』で直木賞、13年に『歓喜の仔』で毎日出版文化賞受賞。映像化作品多数。童話、絵本、エッセイ等著作多数。1960年生。


▼今週の書評▼
■4面
◆五百旗頭真/下斗米伸夫/A・V・トルクノフ/D・V・ストレリツォフ編『日ロ関係史』(東京大学出版会)
評:渋谷謙次郎(しぶや・けんじろう氏=神戸大学教授・ロシア法専攻)


◆カンタン・メイヤスー著『有限性の後で』(人文書院)
評:宮﨑裕助(みやざき・ゆうすけ氏=新潟大学人文学部・哲学専攻)


◆ジェローム・スピケ著『ナディア・ブーランジェ』(彩流社)
評:小宮正安(こみや・まさやす氏=横浜国立大学教授・ドイツ文学・ヨーロッパ文化史専攻)


■5面
◆ステファヌ・マラルメ+ジャン=ピエール・リシャール著『アナトールの墓のために』(水声社)
評:郷原佳以(ごうはら・かい氏=東京大学准教授・フランス文学専攻)
アナトールの墓のために

◆プリーモ・レーヴィ著『リリス』(晃洋書房)
評:堤 康徳(つつみ・やすのり氏=イタリア文学者)


◆ジョン・ワーゼン著『作家ロレンスは、こう生きた』(南雲堂)
評:田部井世志子(たべい・よしこ氏=北九州市立大学教授・英文学専攻)
作家ロレンスは、こう生きた

■6面
◆加藤幹雄著『ロックフェラー家と日本』(岩波書店)
評:飯森明子(いいもり・あきこ氏=常磐大学非常勤講師・日本外交史専攻)


◆前園実知雄著『中国歴史紀行』(新泉社)
評:朝 浩之(あさ・ひろゆき氏=編集者)


◆鈴木肇著『恐怖政治を生き抜く』(恵雅堂出版)
評:富田 武(とみた・たけし氏=成蹊大学名誉教授・ソ連政治史・日ソ関係史専攻)


◆高槻真樹著『映画探偵』(河出書房新社)
評:北小路隆志(きたこうじ・たかし氏=映画批評家)
▼特集▼
ミシェル・ヴィヴィオルカ/鵜飼哲討論会<テロリストを赦すことはできるか>
シャルリー・エブド襲撃から1年後のフランスとヨーロッパの難民危機:デリダとともにテロリズム、赦し、歓待について考える
★一月三十日、東京・恵比寿の日仏会館において、ミシェル・ヴィヴィオルカ(フランス国立社会科学高等研究院教授)と鵜飼哲(一橋大学教授)の両氏による討論会「シャルリー・エブド襲撃から1年後のフランスとヨーロッパの難民危機:デリダともにテロリズム、赦し、歓待について考える」が開かれた。『暴力』『レイシズムの変貌』等の邦訳書もある多文化主義の社会学者ヴィヴィオルカ氏の講演に、昨年一月の襲撃事件直後、現地から優れたレポートを発信した鵜飼氏が応答する。この模様を採録させてもらった。討論はフランス語で行われ、同時通訳は三浦信孝氏と河野南帆子氏が担当した。

<コンテンツ>
1:なぜ極端な暴力が?
2:人種差別と疎外
3:テロリズムの現実
4:「正義の理念」
5:すべては赦されるか
6:信条倫理と責任倫理の断絶

★ミシェル・ヴィヴィオルカ氏=フランス国立社会科学高等研究院教授・社会学者。著書に『差異、アイデンティティと文化の政治学』など。一九四六年生。
  

★うかい・さとし氏=一橋大学教授・哲学専攻。著書に『ジャッキー・デリダの墓』『主権のかなたで』『応答する力』など。一九五五年生。
     

▼今週の読物▼
■1面
◆連載=写真家の記憶の抽斗<第88回>/北井一夫(きたい・かずお氏=写真家)
<四合院玄関横>1997年 シリーズ「1990年代北京」
★これまでの私の写真は、都市を離れて、時代とともに崩壊して行く日本の村を、その生活や風景、家族を撮ろうと考えて撮っていた。…続きは本紙へ

■3面
◆連載=日常の向こう側 ぼくの内側<231回>/横尾忠則(よこお・ただのり氏=美術家)
◎補聴器が拓くサイボーグ人生。老ルマッサージ、アトリエSUNSUN

◆連載=漢字点心<第172回>/円満字 二郎(えんまんじ・じろう氏=編集者・ライター)
◎「禊」

◆連載=現代短歌むしめがね<第28回>コンピュータ編/山田 航(やまだ・わたる氏=歌人)
◎氷点下のサッポロバレーに夏靴の男らが来る砂金さがしに/日下淳『神の親指』(2007)

◆レポート=ザック・エブラヒム『テロリストの息子』刊行記念イベント ~共感(エンパシー)はイデオロギーに勝る~
★昨年11月のパリ同時多発テロ直後に話題になった動画がある。1993年、NY世界貿易センタービル爆破を企てたテロリストを父に持つ、ザック・エブラヒム氏が、2014年にTEDで行ったスピーチだ。(go.ted.com/ebrahim 日本語字幕あり)。本トークをもとに刊行されたのが『テロリストの息子』(ジェフ・ジャイルズ共著、佐久間裕美子訳、朝日出版社)。富山県氷見市で行なわれる「TEDxHimi」登壇のための来日を機に、1月29日、東京・渋谷のスマートニュース イベントスペースで、刊行記念のトークが行われた。ジャーナリストの津田大介氏を司会に、訳者の佐久間裕美子氏、読者代表として、東京糸井重里事務所CFOの篠田真貴子氏が登壇し、会場からもたくさんの質問を受ける双方向のイベントとなった。

◆レポート=『魔女の秘密展』開催中
★日本ではじめて多角的に魔女を紹介する『魔女の秘密展』がラフォーレミュージアム原宿で開催されている。本展では、ドイツ、オーストリア、フランスなど三十以上の美術館・博物館から、呪い道具や魔女裁判に関する資料、実際に使用された拷問道具など、日本初公開を含めた多数の作品を公開する。

■4面
▽論潮<3月>/大野光明(おおの・みつあき氏=大阪大学特任助教・歴史社会学・社会運動論専攻)
◎議会政治の変化と人びとの力 安保法制反対運動をめぐって

■5面
▽文芸<3月>/友田健太郎(ともだ・けんたろう氏=文芸評論家)
◎荻世いをらの飛躍作となるか 偏執的な持ち味はそのままに深みと広がりを増す

◆新刊=
著:高瀬 正仁『とぼとぼ亭日記抄』(萬書房)


■7面
追悼・津島佑子氏(与那覇恵子)(よなは・けいこ氏=東洋英和女学院大学教授・近現代文学専攻)

◆受賞=第145回芥川賞・直木賞贈呈式開催
  

◆受賞=第67回読売文学賞 授賞式開催

◆連載=ともかくスケッチ/長友啓典(ながとも・けいすけ氏=アート・ディレクター)
◎究極の本屋さん

■8面
◆芥川賞について話をしよう第9弾(小谷野敦・小澤英実)
★「芥川賞について話をしよう」第9弾をお送りします。今回から、東京学芸大学准教授の小澤英実氏を新たなメンバーに加え、小谷野敦氏と対談をしてもらった。第153回受賞作は滝口悠生『死んでいない者』と本谷有希子『異類婚姻譚』の二作。他の候補作は石田千『家へ』、上田岳弘『異郷の友人』、加藤秀行『シェア』、松浪太郎『ホモサピエンスの瞬間』。(編集部)

★★こやの・あつし氏=作家・比較文学者。東京大学大学院博士課程修了。著書に「母子寮前」「ヌエのいた家」「川端康成伝」「宗教に関心がなければいけないのか」など。
  

★おざわ・えいみ氏=東京学芸大学准教授・米文学・米文化・日米演劇専攻。東京大学大学院博士課程単位取得退学。訳書にエドワード・ジョーンズ「地図になかった世界」など。

▼今週の書評▼
■4面
◆小川侃著『ニッコロ・マキアヴェッリと現象学』(晃洋書房)
評:日下部吉信(くさかべ・よしのぶ氏=立命館大学特任教授・哲学専攻)


◆田端信廣著『ラインホルト哲学研究序説』(萌書房)
評:御子柴善之(みこしば・よしゆき氏=早稲田大学教授・哲学専攻)


■5面
◆青山南編訳『作家はどうやって小説を書くのか、じっくり聞いてみよう! パリ・レヴュー・インタヴュー ⅠⅡ』(岩波書店)
評:中村邦生(なかむら・くにお氏=作家・大東文化大学教授)
 

◆黒田喜夫著『燃えるキリン』(共和国)
評:野村喜和夫(のむら・きわお氏=詩人)


■6面
◆原田光著『鳥海青児 絵を耕す』(せりか書房)
評:河田明久(かわた・あきひさ氏=千葉工業大学教授・美術史専攻)


◆森村誠一著『遠い昨日、近い昔』(バジリコ)
評:塚本恭章(つかもと・やすあき氏=愛知大学専任教員・経済学博士・社会経済学専攻)


◆丁海玉著『法廷通訳人』(港の人)
評:小沼利英(おぬま・としひで氏=元辞書編集者)


◆堀内和恵著『原発を止める島』(南方新社)
評:市川紀行(いちかわ・のりゆき氏=元茨城県・美浦村村長、詩人)
▼特集▼
中田考・松山洋平対談―『イスラーム法とは何か?』『イスラーム神学』(作品社をめぐって)<イスラーム理解なくして世界のかたちは見えない>
イスラーム的な法思考から宗派対立、イスラーム国まで

★イスラーム法と神学の関係やスンナ派とシーア派の違いなどを詳細に解説し、イスラーム神学の体系とその真髄を明らかにした、日本初の、そして決定版となるイスラーム神学入門が刊行された。松山洋平著『イスラーム神学』である。昨年末には、中田考氏がイスラーム法について懇切丁寧に論じた『イスラーム法とは何か?』も上梓されている。イスラームを理解しなければ、現在世界各地で起きているテロ事件やIS問題の深層にあるものは見えてこない。「イスラームの本質を、ほとんどの日本人はまったく理解していない」と、両氏は語る。では、イスラーム理解には何が肝要なのか。二冊の書籍をめぐって、おふたりに対談をしてもらった。

<コンテンツ>
1:神に対する信仰
2:他社との対話の条件
3:「ハディースの徒」
4:スンナ派の多様性
5:神学的に見たIS
6:三つ巴の戦い

★なかた・こう氏はイスラム法学者。一九八三年にイスラーム入信。東京大学大学院修士課程修了。カイロ大学大学院博士課程修了。著書に「カリフ制再興」など。一九六〇年生。
     


★まつやま・ようへい氏は東京大学東洋文化研究所・日本学術振興会特別研究員PD。名古屋外国語大学非常勤講師。東京外国語大学大学院博士後期課程修了。一九八四年生。

▼今週の読物▼
■1面
◆連載=写真家の記憶の抽斗<第87回>/北井一夫(きたい・かずお氏=写真家)
<鯉>1997年 シリーズ「1990年代北京」
★1996年NHKBSドキュメンタリー「中国の素顔を撮る」は、今の時代の中国で普通の生活をしている普通の人たちをテーマにして写真を撮っている7人の紀実写真家をたずねて、彼らの写真を紹介してインタビューする番組だった。…続きは本紙へ

■3面
◆連載=日常の向こう側 ぼくの内側<230回>/横尾忠則(よこお・ただのり氏=美術家)
◎なるようになるのが運命 反文明的時間の中を歩く

◆連載=漢字点心<第171回>/円満字 二郎(えんまんじ・じろう氏=編集者・ライター)
◎「黜」※チュツ

◆連載=現代短歌むしめがね<第27回>コンピュータ編/山田 航(やまだ・わたる氏=歌人)
◎遠く山開かるる日やExcelの小技集とはさみしき読書/田村元『北二十二条西七丁目』(2012)

◆フォト&アート=
◎著:Julie Watai『トーキョー・フューチャー・クラシック』(DU BOOKS)


◆連載=あの人に会いたい/江原礼子 <『暮らしのおへそ』一田憲子さん(下)>


◆連載=文芸同人誌評/白川正芳(しらかわ・まさよし氏=文芸評論家)
◎研究成果を縦横に展開、充実の問題作(久慈きみ代「寺山修司『私』への遡行」)
◎日常の「優しさ」が表現された詩(藤吉佐与子「水」)

■7面
◆台湾ブックショップ・ツアー★ その3 再見!台湾 かの地で見た光/西山雅子(にしやま・まさこ氏=フリー編集者)

◆連載=元気に、出版。出版、元気に。
女性の生き方を追求し続けて 100年目を迎えた「婦人公論」(下)/森彰英(もり・あきひで氏=ジャーナリスト)

◆連載=田原総一朗の取材ノート/田原総一朗(たはら・そういちろう氏=ドキュメンタリー作家)
◎自民党の緊急事態法には…

■8面
◆特集=新庄耕インタビュー・『ニューカルマ』(集英社)正解のない現代社会をもがく、生き切る」

★不動産業の劣悪な労働環境の中、人生を掴もうと格闘する若者を描き、絶賛と共感を集めた『狭小邸宅』(集英社)から三年。新庄耕氏、待望の二作目『ニューカルマ』が刊行となった。ネットワークビジネスをテーマに、現代社会の光と闇を探る今作は、さらなる混沌と胸苦しさに、頁を閉じることが難しい! 新庄氏自身の執筆に纏わる葛藤や、生きづらい社会をのたうちながら前へ進もうとする人々の姿が、結晶した一冊である。刊行を機に新庄氏にお話を伺った。

★しんじょう・こう氏は小説家。京都市生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。2012年「狭小邸宅」で第36回すばる文学賞を受賞。デビュー作『狭小邸宅』に続き、本作が二冊目の単行本。1983年生。


▼今週の書評▼
■4面
◆オットー・ペゲラー編/寄川条路監訳『ヘーゲル講義録研究』(法政大学出版局)
評:面 一也(おもて・かずや氏=早稲田大学非常勤講師・政治哲学専攻)


◆大澤真幸著『社会システムの生成』(弘文堂)
評:平田知久(ひらた・ともひさ氏=群馬大学講師・社会学専攻)


◆マウリツィオ・ラッツァラート著『記号と機械』(共和国)
評:中島一夫(なかじま・かずお氏=批評家)


◆ベルント・シュティーグラー著『写真の映像』(月曜社)
評:増田 玲(ますだ・れい氏=東京国立近代美術館主任研究員・写真史専攻)


■5面
◆司修著『&#332;e』(白水社)
評:芳川泰久(よしかわ・やすひさ氏=文芸評論家、早稲田大学教授・フランス文学専攻)


◆永井一彰編『誹諧短冊手鑑』(八木書店)
評:神作研一(かんさく・けんいち氏=国文学研究資料館・総合研究大学院大学教授・日本近世文学専攻)
誹諧短冊手鑑

◆マリオ・バルガス=リョサ著『つつましい英雄』(河出書房新社)
評:井尻直志(いじり・なおし氏=関西外国語大学教授・スペイン文学・ラテンアメリカ文学専攻)


◆横山北斗著『蒼空を翔る』(牧野出版)
評:岳 真也(がく・しんや氏=作家)


■6面
◆張競著『時代の憂鬱魂の幸福』(明石書店)
評:稲垣 諭(いながき・さとし氏=自治医科大学教授・哲学専攻)


◆馬場マコト著『朱の記憶亀倉雄策伝』(日経BP社)
評:暮沢剛巳(くれさわ・たけみ氏=デザイン評論家)


◆奥西峻介著『遠国の春』(岩波書店)
評:みやこうせい(みや・こうせい氏=エッセイスト・ルーマニア民俗研究家)


◆山本俊輔+佐藤洋笑著『映画監督村川透』(DU BOOKS)
評:高鳥 都(たかとり・みやこ氏=ライター)

商品情報・内容

  • 出版社:読書人
  • 発行間隔:週刊
  • サイズ:新聞

■ 哲学思想・文学芸術からサブカルまで…読書人のための新聞

これからでる雑誌の特集紹介などの軽いもの、現場の書店員のすすめる超実用的児童書案内から、20世紀を代表する思想家に関するヘビー級まで広範囲な内容。中心になる書評は、『学術・思想』『文学・芸術』『読物・文化』ときめ細かく「専門紙」と言うより「通好み」といった切口で本の世界のあれこれを紹介している総合報道紙です。

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