光アライアンス 発売日・バックナンバー

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2,300円
■特集:さまざまなレーザー加工関連製品と技術①
○レーザー内部改質加工による硬脆性単結晶材料の曲げ加工と次世代加工概念の提案/長岡技術科学大学/會田 英雄・大島 龍司/九州大学/土肥 俊郎
硬脆性単結晶材料の新たな加工技術として「曲げる」加工を提案する。単結晶材料内部へのレーザー照射により材料内部応力を制御して曲げ変形を可能とした。本稿では、加工原理、応用例の紹介とともに本技術の将来展望を述べる。

○空間光位相変調技術を用いた高機能微細レーザー加工/浜松ホトニクス㈱/伊藤 晴康
細加工に用いられるレーザーの高出力化に伴い、レーザー光の位相を制御することで集光点を多点に分岐する“多点一括同時加工技術”の需要が高まりつつある。空間光位相変調素子、光学素子、電子冷却ユニット、および制御ソフトウエアにより構成される空間光位相変調モジュールを用いることで、位相制御技術を用いた高機能レーザー加工を簡便に行える環境が実現される。本稿では、空間光位相変調モジュールの概要を述べるとともに、空間光位相変調モジュールの耐光性、ならびにレーザー加工における位相制御技術の適用例に関して紹介する。

○電気自動車用パワーエレクトロニクスの銅材料への加工/㈱日本レーザー/西尾 高樹
現在、産業用アプリケーションとしてのレーザー加工は、ミクロレベルの機能で精度と再現性を求められると同時に、多種多様なアプリケーションで使われ、さまざまな材料の組み合わせとプロセス基礎の検討が進行中であり、製造設計エンジニアにとって新しい可能性が開かれることが確実視される。当社はレーザーによる加工用途に対して、RAYLASE社スキャンユニットをTRUMPF社ファイバレーザーをはじめその他さまざまなレーザーと組み合わせることで、顧客からの要求に最適なソリューションを提供する。本稿では、その概要を紹介する。

○ビーム可変技術がもたらす加工への効果/丸文㈱/木下 真寛
米国nLIGHT社が開発した独自のオールファイバー構造を用いたファイバーレーザーの特長とビーム可変技術について説明し、加工における期待される効果について紹介する。

○車載二次電池製造におけるレーザー溶接技術の開発/プライムアースEVエナジー㈱/齋藤 茂樹
当社は様々な接合技術を用いて電池を生産しているため、「接合はキー・プロセス」と考えている。特に、レーザーを用いた溶接工程が多いので、レーザー溶接に関する技術開発に力を注いでおり、品質向上(スパッタ低減)と生産性向上(高速溶接)の両立が重点課題である。ガウス的分布とトップハット分布を重畳して得られる合成ビームで封かん溶接を検討した結果、適切な合成割合に設定すれば、スパッタ低減と高速溶接の両立が可能なことがわかった。本稿では、特異なレーザー強度分布を形成することにより課題解決を目指した取り組みを紹介する。

○高出力ブルーレーザーの最新動向とその適用例/レーザーライン㈱/武田 晋
現在の固体レーザーによる加工は、高出力CWレーザー、極短パルスレーザー、短波長パルスレーザーなど非常に多彩なレーザーにより、さまざまな自動車製造工程や関連部品製造現場で普及している。中でも高出力CWレーザーは車体や各種部品の金属溶接を始め、樹脂溶着、レーザーブレージング(ろう付け)、切断、穴あけ、焼入れ、レーザークラッディング(肉盛り溶接)など、さまざまな用途で使用されている。本稿では、多くの産業に貢献する高出力ブルーレーザーの最新動向とその適用例を紹介する。

○Ophir製OEM向けレーザー光学部品の設計および製造サービス/㈱オフィールジャパン/鈴木 健司
Ophir Laser Optics Groupは、MKSグループとして積極的に設備投資を行い、自社での開発および製造能力を強化している。本稿では、保有している具体的な環境と、新製品について紹介する。

■解説
○ペロブスカイト太陽電池の高性能化開発と将来/桐蔭横浜大学/宮坂 力
飛躍的に高効率化の進んだペロブスカイト太陽電池について、ペロブスカイト半導体の特徴と発電の高性能化に向けた最新の技術を解説するとともに、軽量フレキシブル性を活用したIoTパワーデバイスへの応用を紹介する。

○深紫外光領域のナノ光学/北海道大学/田口 敦清
深紫外光は科学や産業に有用であるにもかかわらず、光学系が難しいというイメージがある。本稿では、深紫外光でナノイメージングやナノ加工を実現するアイデアと工夫の一端を、著者らの最近の研究を中心に紹介する。

○LEDを用いた全方向に光を放射する新たな標準光源の開発/(国研)産業技術総合研究所/中澤 由莉・神門 賢二/日亜化学工業㈱/山路 芳紀・正住 隆行
照明光源の全光束評価に不可欠な標準電球を代替する、LEDを用いた可視全域、および全方向に光を放射する新しい標準LEDの試作開発を行った。本稿では、開発した全方向形標準LEDとその特性評価結果を紹介する。

○レーザー中性子・X線による同時瞬間撮影/大阪大学/余語 覚文
レーザーを用いてイオンを加速(レーザーイオン加速)し、それを中性子に変換する「レーザー中性子源」について紹介する。レーザー中性子源は、線源の大きさやパルス幅などが、原子炉や加速器といった他の中性子源に比べ圧倒的に小さく、特有の応用が期待できる。我々はレーザーで瞬間的に強い中性子パルスと強いX線パルスを同時に生成し、瞬間的に中性子とX線の透過画像を撮像する技術を開発した。本稿では、レーザーによるイオン加速と中性子発生の原理を簡単に説明した後、その応用研究の成果について紹介する。

○電子ホログラフィを用いた究極の3Dディスプレイ開発/高知大学/高田 直樹
コンピュータでホログラムを作成することで電子化したホログラフィは「究極の3Dディスプレイ」になると考えられている。しかし、ホログラムの計算量は膨大であり、未だ実用化に至っていない。本稿では、汎用的なコンピュータ部品で構成されたマルチGPUクラスタ電子ホログラフィシステムによる、100万点からなる三次元物体の高精細なリアルタイム三次元動画再生について紹介する。
2,200円
■特集:光と物質の相互作用である“効果”を使いこなす
○光カー効果によるオンチップ型光スイッチの開発/慶應義塾大学/田邉 孝純・吉岐 航・遊部 航希
現在、仮想励起である光カー効果による光スイッチの低パワー化が待たれている。本稿では、筆者らが取り組んできた、光カー効果による全光スイッチとそれに関連した動的Q値制御などの成果について紹介する。

○ファラデー効果のオンオフを利用した電気的光制御/大阪大学/千葉 大地
金属磁石のナノ薄膜に電界を加えることで磁力を消したり元に戻したりできることがわかってきている。本稿では、同効果を利用し、ファラデー効果を制御することで、電気的に透過光強度を制御する手法について紹介する。

○シリケートガラスの結晶化制御とPockels効果の付与/東北大学/寺門 信明・中村 拓真・高橋 儀宏・藤原 巧
東北大・藤原グループでは、本来は静的な光媒体であったシリケートガラス(シリカを主体とする多成分系ガラス)とそのファイバーに動的な光制御能を付与することによって、既存の光制御技術への応用や新規光波制御デバイスを創出することを目指して研究を進めてきた。本稿では、 SrO-TiO2-SiO2系ガラスに焦点を当て、その結晶化制御によるPockels効果の発現と評価について紹介する。

○水を利用した光変調器/東京理科大学/徳永 英司
電極と水の界面のポッケルス効果により大きな光の電場変調信号を取り出す方法について紹介する。この方法により、あらゆる界面に遍在する界面ポッケルス効果を利用した光変調素子や界面センサーの開発が可能になる。

○液晶のフォトリフラクティブ効果とレーザー超音波リモートセンシングへの応用/東京理科大学/佐々木健夫
液晶に光導電性化合物を添加したものは高速なフォトリフラクティブ効果を示す。これは新しいレーザー超音波リモートセンシングに応用できる。これによって物体の厚さや内部構造を非接触で診断することができる。

○有機フォトリフラクティブポリマー材料の応用/京都工芸繊維大学/堤 直人
光導電性と2次の非線形光学効果であるPockels効果とを併せ持つ材料中で、光キャリアの移動に起因して発生する空間電荷電場により誘起されるフォトリフラクティブ現象の原理と、そのホログラム動画への応用を紹介する。

○エバネッセント光を用いたナノ光造形技術の開発/東京大学/高橋 哲
屈折率の異なる二種類の誘電体界面において、光と物質の相互作用の結果として生成されるエバネッセント光を、一括露光型マイクロ光造形法の露光エネルギーとして適用するナノ造形技術の開発について紹介する。

■解説
○三次元物体認識の基礎と先端技術/中京大学/橋本 学
さまざまな分野で知能ロボットを実用化するために必須となるロボットビジョン、なかでも三次元物体認識に関して、その課題を整理するとともに、主要要素である三次元センサと物体認識アルゴリズム、さらに当研究室で研究中の「機能認識」に関する最新技術を紹介する。

○ナノフォトニクス技術による光電融合アクセラレータへの展開/日本電信電話㈱/新家 昭彦
CMOS回路とフォトニック層の間のシームレスな接続や、超低遅延演算が期待されているチップサイズの光干渉ユニットを更に高機能化する、ナノフォトニクス光電変換素子の可能性について紹介する。

○フラットパネルディスプレイに対するLTPS-TFT用露光機の貢献/イトウデバイスコンサルティング 伊藤 丈二
LTPS-TFTの適用例として、システムオングラス(SOG)の開発ロードマップと、ディスプレイ製品の開発経緯、並びにLTPS-TFT用露光装置の開発経緯を半導体用露光装置と比較して紹介する。高精細ディスプレイに対するLTPS-TFT用露光装置の性能を露光フィールド・解像力・焦点深度・光強度の面から説明する。

○指先サイズの超小型波長掃引量子カスケードレーザーの開発/浜松ホトニクス㈱/杉山 厚志
100 ms以下の計測時間で中赤外帯分光データを取得可能な、指先サイズの中赤外・超小型波長掃引量子カスケードレーザー(QCL)を開発した。分光機能を有するレーザー光源であり、透過計測や反射計測の赤外分光データを遠隔かつ高速で取得することを可能とする。本稿では、波長掃引QCLの概要と応用事例について紹介する。
2,200円
■特集:交通を支える光技術
○信号・運転分野におけるLiDARの活用事例/(公財)鉄道総合技術研究所/川﨑 邦弘
信号・運転分野におけるLiDARを活用した保守の省力化と自動運転の高度化に資するための研究開発事例として、建築限界支障判定装置と列車前方監視システムを紹介する。

○電子牽引を支える光無線通信/㈱三技協 松井 隆
有人の先頭車に無人の後続車が自動で追従することを電子牽引と呼ぶ。電子牽引の通信を電波無線で行うには帯域とコストに課題があるが、光無線であればそれらを解消できる。本稿では、電子牽引を支えるその光無線通信について紹介する。

○三次元レーザーレーダ式踏切障害物検知装置と高機能化/㈱IHI/小鷲 宜也・林 俊寛
当社の三次元レーザーレーダ式踏切障害物検知装置(以下、3DLR障検)、および3DLR障検の高機能化版について紹介する。3DLR障検は、リアルタイムで踏切内を三次元的に監視することが可能な装置であり、検知エリアを広くかつ柔軟に設定でき、より小さな物体を検知できるという特長がある。高機能化版では、IHI独自のアルゴリズムを用いてソフトウェアを改良することで、さらなる安全性の向上とより正確な検知を可能にし、高齢者や車いすなどが踏切内部に取り残される事故の防止にこれまで以上に貢献する。今後の展開として、積雪地域への展開のため路面変化への自動追従、遠隔監視についても紹介する。

■特集:社会を変える量子技術への期待②
○CMOSアニーリングチップによる疑似量子コンピュータ/㈱日立製作所/山岡 雅直
IoTが一般的となり必要な計算能力は増大しているが、従来の計算機の性能向上は半導体微細化の鈍化とともに困難となっている。そこで、処理対象を組合せ最適化問題に特化し、最適化問題をイジングモデルに写像し効率よく解くアニーリングマシンが提案されている。当社では、半導体回路でイジングモデルを疑似的に再現するCMOSアニーリングマシンを提案し、これまでに複数のプロトタイプを開発し、技術的バージョンアップを図っているほか、実用化に向けて様々なアプリケーションやソフトウェア技術の提案を行っている。本稿では、技術的概略を解説し、最新の開発状況を紹介する。

○シリコンフォトニクスを用いた量子情報処理/東北大学/松田 信幸
光を用いた量子情報処理システムの構築するためのハードウェアプラットフォームとしてシリコンフォトニクスが注目されている。本稿では、シリコン光導波路を用いた量子情報処理用光回路の実現方法と量子計算への応用について紹介する。

○カーボンナノチューブ室温・通信波長単一光子源とチップ上光素子への展望/慶應義塾大学/大矢 秀真・牧 英之/(地独)神奈川県立産業技術総合研究所/中川 鉄馬
情報化社会の持続的な発展を見据え、近年光や量子を用いた新しい情報処理技術に注目が集まっている。我々はそのような新技術へのナノカーボン材料の応用に期待を寄せ、単一光子源やオンチップ光源の研究を進めている。

■製品特集:光学系設計ソフト活用術②
○レーザービームの強度分布の計算/㈱オクテック/コプフ ピエール・鴨下 正彦
レーザービームのモード(強度分布)について詳細な導出を述べた後、それらのモードが混ざり合った現実のビームの品質を、BROのASAP .NextGenで計算できることを紹介する。

○CAD上で光線追跡を可能にするRayViz/㈱ノーツアンドクロス/山本 努

○Beyond 5Gへ向けた光・電波融合デバイス・システム基盤技術の考察/(国研)情報通信研究機構/山本 直克
魅力的な未来社会を具現化するために、Beyond 5Gの高度情報通信インフラ構築に求められるデバイス・システム基盤技術とは何か。その技術革新の方向性について「光・電波融合」をキーワードとして考察する。

■解説
○Mixed Realityと人工知能の活用による次世代関節リウマチ遠隔医療システム『NURAS』の実際/長崎大学/川㞍 真也・野中 文陽
我々は関節リウマチ患者を対象に最新技術のMixed Realityによる関節診察を軸とした遠隔医療システム(NURAS)を開発した。本システムでは、人工知能の実装およびオンライン会議システム、患者報告アウトカムシステムとの連携により診療をサポートする。

○ナノ粒子間界面の光場・力学場制御/東京大学/松井 裕章
ナノ粒子間界面の光学応答(表面プラズモン励起)の光場・力学場制御に基づいて、マクロスケールな力学的情報(応力・歪み)を検出可能な応力光センシング(機械光変換)技術の開発を紹介する。

○長尺パイプ・形鋼専用三次元レーザ加工機/ヤマザキマザック㈱/北本 哲一
あらたにファイバーレーザを搭載した3Dパイプ加工機“FG-220”。長尺パイプ/形鋼にて複雑な曲面形状の精密加工が可能であり、素材の搬入から製品の搬出に至るまで連続的に自動運転が可能。

○CASE時代に向けた最新のレーザー加工技術と今後の展望/トルンプ㈱/中村 洋介
CASEと称される次世代の車を構成する半導体や電子部品の製造には、微細で高精度な加工が求められる。本稿では、このような加工に必須な超短パルスレーザーと、その加工応用例としてセラミックスとガラス加工を紹介する。
2,200円
■特集:社会を変える量子技術への期待①
○大規模コヒーレントイジングマシン/日本電信電話㈱/武居 弘樹・本庄 利守
結合された光パラメトリック発振器群を用いて組み合わせ最適化問題を解く新しい計算機「コヒーレントイジングマシン」の原理、大規模ハードウェアの開発状況、およびベンチマーク実験について紹介する。

○量子ドットレーザーを搭載したシリコンフォトニクス小型トランシーバ/アイオーコア㈱/芝 和宏・村瀬 博一・上林 正樹・萩原 靖彦/屋敷健一郎・栗原 充・藏田 和彦
1.3μm帯量子ドットレーザを搭載したシリコンフォトニクス小型トランシーバである光I/Oコアの105℃の高温特性と搭載した量子ドットレーザの高い信頼性について紹介する。今後、この光I/Oコアは、5G基地局アンテナや自動車などのアプリケーションにおいても適用可能である。

○超伝導ナノワイヤ単一光子検出器/(国研)情報通信研究機構/寺井 弘高
超伝導ナノワイヤ単一光子検出器(SSPD)は、通信波長帯で検出効率90%のSSPDシステムが市販されており、量子情報通信分野を中心に普及が進んでいる。本稿では、SSPDの現状と今後の展望について紹介する。

■製品特集:光学系設計ソフト活用術①
○光学製品の照明・見栄え解析、フォトニクス解析のための光学製品/サイバネットシステム㈱/大橋 祐介・森崎 遥平
近年、光学解析ツールの利用用途が広がってきている。本稿では、2021年10月より当社が新たに取り扱いを開始した光学解析ツールAnsys Speos、Ansys VRXPERIENCE、Ansys Lumericalについて概要を紹介する。

○光工学解析ソフトウェア/CBS Japan/稲畑 達雄
FREDmpcはレンズや鏡枠の迷光解析や実画像評価を高精度で行うPCソフト。米国NVIDEA社との協業でCUDA言語対応により業界初のGPUボード駆動でCPU処理の400~1,200倍の高速処理を実現。

○ハイパワーレーザー光学系設計事例/Zemax Japan㈱/松元 峻士
STARモジュールを用いたSTOP設計サイクルを、熱による変形の影響が大きいハイパワーレーザー光学系の設計事例を使って紹介する。

○高速物理光学ソフトウェア/㈱ティー・イー・エム/澤田 宏起
昨今はレーザーを用いる光学系の多様化、光学素子の微細化などの背景から回折、干渉の影響を高い精度で解析する需要が増加しつつある。汎用電磁場追跡ソフトウェアVirtualLab Fusionはこうした要求に対して多くの可能性を提供できる見通しである。本稿では、VirtualLab Fusionにおける物理光学計算の概要と解析事例をいくつか紹介する。

■解説
○殺菌能力と生体への安全性を兼ね備えているUVCの波長域の検討/神戸大学/国定 充
紫外線UVC波は従来人体に対しては有害と考えられてきた。近年Far-UVCというより短波長だけを取り出すランプが開発され、新型コロナウイルスに対して有効な不活化作用を示すのと同時に皮膚や眼に有害な作用が起きないとされている。

○赤外線サーモグラフィによる発熱者スクリーニング/立命館大学/木股 雅章
COVID-19発生以降頻繁に目にするようになった赤外線サーモグラフィによる発熱スクリーニングに関し、測定原理、誤差要因、使用上の注意事項を紹介する。

○新型コロナウイルス感染症と紫外線消毒/東京大学/小熊久美子
新型コロナウイルス感染症の世界的大流行を踏まえた紫外線消毒の技術動向と今後の展望について、国内外の状況や最新の知見を交えて紹介する。

○高輝度加工用青色半導体レーザー開発/大阪大学/塚本 雅裕・佐藤 雄二・東野 律子・竹中 啓輔・堀 英治/㈱島津製作所/東條 公資・宇野 進吾・諏訪 雅也/ヤマザキマザック㈱/大内 誠悟・浅野 孝平
NEDOプロジェクト「高輝度・高効率次世代レーザー技術開発(2016~2020年度)」における「高輝度青色半導体レーザー及び加工技術の開発」の成果について紹介する。

○近赤外線によるヒト生体機能計測/浜松医科大学/星 詳子
近赤外線スペクトロスコピと近赤外光トモグラフィは、主としてヘモグロビンを計測対象とする生体機能計測法である。本稿では、両計測法の基本原理、計測例、課題について概説し、今後の展望について紹介する。

○持ち運び可能なレーザーピーニング装置の開発/分子科学研究所/佐野 雄二
スーツケース2個に収納できるレーザーピーニング装置を開発した。各種の金属材料に適用した結果、残留応力と疲労特性の改善効果を確認した。100 V、400 Wで動作するため、屋外のインフラの長寿命化などへの応用も期待できる。
2,200円
■解説
○産業界におけるドローンを用いた遠隔計測/東京大学/土屋 武司
ドローンの普及とともに様々な利活用法が模索されている。その一つが遠隔計測である。ドローンは空中領域に計測機器を運ぶ飛行ロボットである。本稿では、ドローン技術の現状と産業界での遠隔計測を用いた実例を紹介する。

○内視鏡動画像に基づく胃の三次元モデル復元/東京工業大学/紋野 雄介・Widya Aji Resindra・奥富 正敏/日本大学/鈴木 翔・後藤田卓志/(医)康喜会辻仲病院柏の葉/三木 健司
内視鏡検査時の胃内部の動画から、胃全体の三次元モデルを復元して、内視鏡画像のカラーテクスチャ情報を効果的に三次元表示する手法を紹介する。

○インライン全数検査を目指す光表面形状計測システム/埼玉大学/塩田 達俊
インライン全数検査を実現するために高速でかつ振動に対するロバスト性をもった計測法の開発が重要であり、提案するシングルショット二次元光断層計測法が適用できる可能性があることを紹介する。

○生体分子計測に向けた蛍光分光測定/学習院大学/高門 輝
蛍光分光法は生体試料のような複雑で夾雑物の多い試料の測定に力を発揮する。本稿では、蛍光分光法を用いた生体分子計測について、蛍光寿命測定と近赤外波長領域での測定に焦点を当てて紹介する。

○マルチタップCMOSイメージセンサによる生体イメージングとTOF距離イメージングの高機能化/静岡大学/香川景一郎
本稿では、画素内に複数の電荷蓄積部をもつマルチタップ画素を用いた機能的イメージングとして、時間分割多重撮像と構造光照明に基づく生体イメージングと、マルチパス干渉に強い時間圧縮型距離画像計測について紹介する。

○ハライドペロブスカイトが拓く新しい非線形光学応用/京都大学/湯本 郷・金光 義彦
非線形光学過程を利用することにより、超高速な量子状態制御やスイッチングが可能になる。本稿では、ハライドペロブスカイト半導体ナノ粒子の特異な電子・光学特性を利用することにより、室温・近赤外領域における効率的な超高速光変調が実現できることを紹介する。

○近赤外マルチスペクトルセンサーとその眼底カメラへの応用/奈良先端科学技術大学院大学/太田 淳・竹原 浩成
眼底は体内で唯一外部から毛細血管が観察可能な場所であり、眼底像による生活習慣病診断が期待されている。近赤外カラー化技術を用いた眼底カメラは、まぶしくなく一人で眼底撮像が可能であり、パーソナルヘルスケアへの展開が期待できる。

○中赤外ファイバレーザーの進展と応用展開/大阪大学/時田 茂樹/三星ダイヤモンド工業㈱/村上 政直
従来の1μm、1.5μm、2μmのファイバーレーザーに加え、新波長2.8μmの中赤外ファイバーレーザーの実用化が検討されている。本稿では、その開発動向と応用例を紹介する。

○半導体量産のはじまったEUVリソグラフィーにおけるEUV検査・観察技術/兵庫県立大学/原田 哲男
波長13.5 nmのX線を用いるEUVリソグラフィーは、2019年から半導体量産での利用が開始された。回路原板であるマスクは多層膜反射型であるため、EUVでの検査・観察が必要となり、本稿では、EUVを用いたこれらの技術について紹介する。

○2次電池へのレーザー加工適用の現状と将来展望/㈱タマリ工業 三瓶 和久
2次電池は溶接、切断、クリーニングにレーザーが使われるが、銅、アルミの材料物性に起因する課題が多い。本稿では、レーザー加工の適用の現状と課題について解説し、発振器の進化に伴う将来の展望について紹介する。

■製品技術紹介
○高機能光計測用光学系と応用光計測装置/シナジーオプトシステムズ㈱/安川 学
○VCSEL光源ユニットの設計と評価/エーエルティー㈱/髙野 裕・河村 達也

2,200円
■特集:工業分野におけるOCTの現状と各社の取り組み②
○工業利用OCTの最適な選択法/㈱システムズエンジニアリング 樋渡 史子・高田 敏寛・大林 康二
工業利用OCTの最適な選択法について紹介する。

○インライン検査用シングルショットOCTの開発/シンクランド㈱/細田 真希・太田 和哉・志賀 代康/埼玉大学/塩田 達俊
部品の表面キズや不具合検査の精度向上を目的に、当社では計測速度と分解能、特に深さ方向の分解能とを両立させたインライン検査用シングルショットOCTの開発を行っている。

○OCTの産業用途への展開/ソーラボジャパン㈱/小池 英仁
ソーラボ社のVCSEL波長掃引方式および分光方式OCTでの実際の適用例をもとに、OCTの産業用途利用について紹介する。

○次世代画像解析に求められる3D断層イメージング対応
SD-OCT用分光ユニット最新情報(Wasatch Photonics社)/㈱ティー・イー・エム/浅香 宗利
産業用途に求められる次世代OCTイメージングを得るには、それに特化した専用分光器を使用する必要がある。本稿では、十分な信号強度を維持し、かつ深度方向ロールオフを最小限に抑えるWasatch Photonics社製SD-OCT用分光ユニットを紹介する。

○テラヘルツOCTによるインフラ構造物壁面検査技術の開発/㈱トプコン/椴山 誉
インフラ構造物の老朽化と維持管理は深刻な社会問題となっており、その解決は急務である。我々は、テラヘルツ波を用いた光干渉断層計(OCT)によるインフラ構造物の壁面検査技術の開発を行っており、本稿では、その成果について紹介する。

○特長的なOCTを実現するSCレーザー/セブンシックス㈱/西浦 匡則
NKT Photonics社のSuperKシリーズは「信頼性」、「安全性」、「制御性」に優れた唯一のSupercontinuumレーザーである。本稿では、SCレーザーを搭載したOCTの実例に触れながら、OCTに適したSuperKシリーズの選定方針、SuperKシリーズの優位性を紹介する。

■特集:色とは何か?色は現実それとも主観?
○ニュートンの光のスペクトルとゲーテの闇のスペクトル/大阪経済大学/畑 一成
色彩はどこに存在するのか。光の波長にあるのか、網膜にあるのか、脳にあるのか、もはや物質でもない意識にあるのか。その全てだとすると、色彩は物質的かつ非物質的であることになる。では、闇のスペクトルは可能か。

■解説
○リチウムイオン電池製造工程へのレーザー加工の適用と今後の可能性/トルンプ㈱/中村 強
EVの主要部品であるリチウムイオン電池の製造ツールとしてレーザーの重要性が高まっている。近年様々な新しいレーザーとその加工技術の開発が進み、今後さらに電池製造工程へのレーザー加工の適用が増えていくことが予想される。本稿では、このようなリチウムイオン電池の製造工程に適用されるレーザーとレーザー加工技術の現在と今後の可能性を探る。

○高強度レーザーを利用したインフラ点検技術の社会実装/㈱フォトンラボ/坂本 勝哉・木暮 繁/(国研)量子科学技術研究開発機構/錦野 将元・岡田 大・近藤 修司・北村 俊幸・長谷川 登
レーザー打音検査装置は、高強度レーザーにより打音検査を遠隔化・定量化・デジタル化することでインフラ点検業務を支援する新しい検査装置である。本稿では、その性能・運用方法、および社会実装の現状について紹介する。

○ミリ秒時間分解能CTのためのX線マルチビーム光学系の開発/東北大学/矢代 航
非可逆・非平衡系の4D可視化を可能とする1msマイクロX線CTを実現するためのマルチビーム光学系(マルチビーム光学素子、マルチビーム画像検出器)の基本的な原理と、それらを用いた実験例について報告する。

○全固体リチウム電池とレーザー/東京工業大学/西尾 和記・一杉 太郎
次世代型蓄電池である全固体Li電池のさらなる高性能化に向けて研究・開発が進められている。本稿では、電池研究で用いられているレーザーやその周辺機器に焦点をあて、著者らの全固体Li電池作製の取り組みを紹介する。

○DXの計測における可能性を考える/(国研)産業技術総合研究所/高辻 利之
デジタルトランスフォーメーション(DX)が社会のあらゆる分野でキーワードになっている。計測はDXを進める上で不可欠の技術であるが、本稿では、計測そのものにDXを取り入れることについて考察する。

■製品技術紹介
○高出力化が進む共焦点顕微法のための4波長レーザー光源/TOPTICA Photonics AG/コンスタンティン・バングルーバ
2,200円
■特集:工業分野におけるOCTの現状と各社の取り組み①
○光コヒーレンストモグラフィーの工業応用/山口東京理科大学/中道 友・吉田 和司
生体組織のマイクロ断層画像診断手法として光コヒーレンストモグラフィー(OCT)がある。本稿では、OCTをフィルムロールの三次元可視化検査に適用し、フィルム内の欠陥検出の可否からその有用性について紹介する。

○OCT技術の工業製品検査への応用/(地独)北海道立総合研究機構/岡崎 伸哉・飯島 俊匡 本間 稔規・大村 功
光コヒーレンストモグラフィ(OCT)は非接触・非侵襲で対象物の表面・内部構造を計測可能な技術として、主に医療分野において研究開発が進められている。本稿では、OCTの特徴の一つである「高空間分解能(数十μm)」に着目し、工業製品の微細な欠陥検査への適用を試みたので紹介する。

○高深度コンパクトOCTの開発動向および工業分野の紹介/オーテックス㈱/加納 敏也
LUMEDICA社では、人口規模の集団疾患スクリーニングに応用するために、低コストのOCTの開発を行っている。参入障壁を下げることにより、眼科以外の分野での応用を可能にした。本稿では、臨床、加工解析等の産業分野への応用について紹介する。

○OCTによる工業用レーザー溶接モニタシステム/㈱インテック/大迫 貞伸
レーザの高出力化より、レーザ溶接のアプリケーションが広がり、それに伴いモニタリング機能の役割の比重が大きく飛躍してきた。その中で、最新のレーザ溶接モニタリングシステムであるOCTシステムを紹介する。OCTシステムによりオンラインで、キーホール測定を行い、キーホール溶接での、溶け込み深さの計測、管理が可能になった。併せて、本稿では、OCTシステムのレーザ溶接システムへの適応例を紹介する。

○SS-OCTシステムの工業分野への応用/santec㈱/大矢 正人・両澤 淳・諫本 圭史
SS-OCTを応用した三次元計測器OPS-1000について紹介する。自社開発した高速波長掃引光源を用いた干渉計測により、高い測定感度、広い測定レンジ、高速測定などを同時に実現した。従来の計測器では測定が難しかった構造や材料の測定も可能になり、工業製品の高品質化への貢献が期待される。

○非接触透明体厚み・うねり計測装置/パルステック工業㈱/玉谷 充
ガラス、樹脂などの透明体の計測・検査を革新する産業向け高速、ロングレンジ、高精度OCTスキャナHM-1000を最新の応用事例を交えて紹介する。

○高コヒーレンス波長掃引光源を用いた光干渉測定/アンリツ㈱/腰原 勝
当社では、1,550 nm帯を中心波長に持つ高コヒーレントな波長掃引光源を開発し販売を行っている。本稿では、波長掃引光源の製品仕様を紹介すると共に、産業分野向けOCTへの応用例について、実際の測定結果と共に紹介する。

○産業分野におけるアキネティック波長掃引レーザーのOCT応用の現状とInsight Photonic Solutions社の活動/㈱日本レーザー/御前 彰文
今日の産業用アプリケーションにおけるアキネティックレーザー光源の堅牢性、コスト、拡張性がさらに向上するとともに、将来的には医療、産業、その他の市場におけるアキネティックレーザーの新たな可能性への扉が開かれる見通しである。本稿では、その可能性と展望について紹介する。

■解説
○誘電体ナノメンブレンを用いた真空紫外コヒーレント光発生と円偏光制御/東京大学/小西 邦昭・五神 真
近年我々が進めている、厚さ数100ナノメートルの自立誘電体薄膜(ナノメンブレン)を用いた、フェムト秒レーザーの真空紫外領域への波長変換実験と、さらに人工的に4回回転対称構造を作製することによる真空紫外コヒーレント円偏光発生の実験について紹介する。

○空間複素振幅変調信号光とホログラフィックメモリの大容量化/山梨大学/本間 聡
次世代大容量光メモリとして期待されるホログラフィックメモリと、空間複素振幅変調信号による情報記録密度の改善法について紹介する。

■製品技術紹介
○近赤外線領域での高感度な分析・測定を実現する光学部材向け分光特性検査装置/㈱日立ハイテクサイエンス/堀込 純
○性能・機能・品質を向上させた高速波長可変光源/santec㈱/牧野 辰哉

2,200円
■特集:光学薄膜技術の現状と各社の取り組み2
○光学薄膜の各種評価と実例/東海大学/室谷 裕志
光学薄膜では分光特性だけでなく、それ以外の特性(外観品質、機械的特性、応力など)についても年々重要になると共にその規格も厳しくなってきている。本稿では、膜の外観品質の評価方法や評価例について紹介する。

○狭帯域バンドパスフィルタの成膜とその測定方法/㈱オプトクエスト/安田 誠司・渡邉 正行
バンドパスフィルタは、半値幅が狭くなると波長面内分布の影響で透過損失が増加する傾向にあることは知られている。本稿では、今回、波長面内分布が0.04 nm/mmに収まるバンドパスフィルタの成膜に成功したので、その測定方法と合わせて紹介する。

○薄膜データ活用のツール/サイバネットシステム㈱/雪田 俊平・大橋 祐介/大塚電子㈱/岡本 宗大
本稿では、顕微分光膜厚計OPTMによる薄膜の測定時間や精度、実際の測定事例を紹介し、その測定結果が光学シミュレーションツール(結像解析や照明解析)でどのように利用できるのかについても紹介する。

○さまざまな機能を付加した光学薄膜/伊藤光学工業㈱/三輪 俊夫・神谷 雅男
光学薄膜は幅広い分野で用いられており、製品用途によっては光学機能だけにとどまらず、他の機能も複合的に要求される。本稿では、高透過機能に加え、防汚機能、防傷機能、防塵機能を付加した光学薄膜について紹介する。

○樹脂基板への成膜プロセスと成膜装置の現状/㈱昭和真空/加藤 昌弘
昨今、イメージセンサーの普及に伴い小型カメラモジュールの用途は拡大している。その多くは樹脂レンズが採用されている。そのレンズの両面には、反射防止膜(AR:AntiReflection Coating)が成膜されるのが一般的である。AR膜は、高屈折材料と低屈折材料を交互に6~ 10層程度積層し、これを低温で成膜する必要がある。本稿では、樹脂レンズへの成膜プロセスとその成膜装置の現状について紹介する。

○粒子投射エロージョン試験(MSE試験)による光学薄膜評価への適合/㈱パルメソ/松原 亨
光学薄膜の強さ評価において、単層膜、多層膜、界面そして基材などをそれぞれ個別に、または連続した分布として測る技術のニーズがある。新たに開発したMSE試験はそのニーズを満たすデータを取得できる。本稿では、本技術の試験原理の解説と、強さ分析評価事例を紹介する。

○光学薄膜の分光特性検査装置/㈱日立ハイテクサイエンス/堀込 純
光学部材に様々な機能を施す光学薄膜は、今後の光エレクトロニクス産業の発展に欠かせない技術の一つである。本稿では、光学薄膜の重要な指標である分光特性の測定に対応した分光光度計の基礎と原理・応用事例を紹介する。

■解説
○ニューラルネットワークを用いた固有値変調信号の復調/大阪大学/三科 健・久野 大介・丸田 章博
我々の研究グループでは、ニューラルネットワーク(ANN)を用いた固有値変調信号の復調方法の提案・実証を行っている。本稿では、固有値変調方式、ANNを用いた復調技術とその汎化性能について紹介する。

○空間直交振幅変調を用いたホログラフィックメモリにおける非干渉型信号光検出法/福岡大学/文仙 正俊
ホログラフィックメモリの大容量化技術の一つとして、信号光強度に加え位相も二次元変調する空間直交振幅変調が期待されている。本稿では、空間直交振幅変調信号光を強度輸送方程式法によって検出する手法を紹介する。

○ハイブリッド・オートコリメータ技術と応用/DUMA OPTRONICS LTD./OREN AHARON/PLX Inc./Itai/Vishnia
オートコリメータの光学機器としてのコンセプトは、すでに1世紀前に正確かつ非接触の角度測定技術として確立され、以来、光学素子の角度測定や位置合わせに使用されてきた長い歴史がある。一方、今日のフォトニクス開発では、より新しい、高機能な光学系とレーザーの位置合わせおよび測定技術が求められる。本稿で紹介する新しいハイブリッド・オートコリメータ技術は、従来のオートコリメータ技術に種々の新しい技術を搭載し、産業用途を含む最新のアライメントセンシングやメカニカルな位置合わせなどへの応用を実現したものである。

○光の回折を利用した表面ひずみ計測/東京工業大学/田口 諒・宍戸 厚
近年フレキシブルエレクトロニクスが急速に発展し、高分子フィルムの湾曲に伴う表面ひずみの定量解析の重要性が増している。本稿では、筆者らが開発している表面ひずみ測定手法とフレキシブル電子デバイス開発への取り組みについて紹介する。

○操作の自由度が高いレーザ加熱加工装置/浜松ホトニクス㈱/松本 聡
近年、レーザー加熱技術が注目を集めている。今まで困難であった加工状態のモニタリングを実現するレーザー加熱システムにより、ユーザーの操作自由度を大幅に向上し、この技術の普及を促進したいと考えている。

■製品技術紹介
○軽量で広範囲に対応できるレーザー洗浄装置/㈱アストロン/大竹 祐吉
○高精度ファイバーレーザー加工機/㈱光響/山形 遼・住村 和彦
2,200円
■特集:医療で期待される光の効果
○紫外線除菌と空気循環式紫外線清浄機による感染症対策/岩崎電気㈱/森 一郎
紫外線除菌のメカニズムと空気循環式紫外線清浄機の機能説明、および感染症対策として装置の除菌性能について紹介する。

○環境モニタリングや医療など幅広い応用が期待される赤外光源・ファイバセンサ/自然科学研究機構核融合科学研究所/上原 日和/秋田県立大学/合谷 賢治
赤外吸収分光を利用した光ファイバーセンサーは、将来、環境モニタリングや医療など幅広い分野での応用展開が期待される。本稿では、センシングに適した小型・低コストで広帯域な中赤外ファイバー光源について解説したのち、現在開発を進めている赤外光ファイバーセンサーについて紹介する。

○コロナ社会に期待される深紫外LED/(国研)理化学研究所/平山 秀樹

ウィズコロナ・ポストコロナ社会において高い期待が寄せられている、紫外線によるウィルス不活化・殺菌効果について紹介し、それを実現するための深紫外LEDの開発について、現状と今後の展望を述べた。

■製品特集:光学系設計ソフト機能ガイド
Zemax Japan㈱/CBS Japan/アドバンスソフト㈱/㈱ティー・イー・エム/サイバネットシステム㈱/㈱ノーツアンドクロス/㈱サイエンスラボラトリーズ/㈱ベストメディア

■解説
○機械学習適用による光ネットワークのリアルタイム自動診断技術/東京電機大学/平野 章
光ネットワーク装置のインテリジェント化によるネットワーク運用の自動化、 光ネットワーク装置への機械学習機能の導入、光ネットワークのリアルタイム自動診断用CATプラットフォーム、サービス障害回避への適用例などについて解説することで、機械学習適用による光ネットワークのリアルタイム自動診断技術について紹介する。

○メタマテリアル吸収体と赤外分光/(国研)理化学研究所・徳島大学/田中 拓男
光メタマテリアルを用いた物質のインピーダンスを制御すると、波長より薄い構造で光を完全に吸収するメタマテリアル吸収体を作ることできる。本稿では、メタマテリアル吸収体とそれを用いた高感度赤外分光技術について、著者の研究成果を中心に最近の進展を紹介する。

○レーザビームシェイピング技術とレーザ加工/広島工業大学/桑野 亮一・日野 実/千葉工業大学/徳永 剛/東京大学/森田 翔
レーザの強度分布を用途に応じて任意な強度分布に変換するレーザビームシェイピングの方法と、そのレーザ加工への応用を取り上げ、目的の強度パターンが、回転対称と非回転対称な場合の強度分布変換例を紹介する。

○ホログラフィックデータストレージの原理と記録再生シミュレーション/近畿大学/吉田 周平
ホログラフィーを応用した光ストレージであるホログラフィックデータストレージ(HDS)は、ホログラムの多重記録により光ディスクを大きく超える記録容量が実現できるとともに、2次元のデータページを単位として記録・再生するため、高い転送レートも実現可能である。本稿では、HDSの原理を概説するとともに、スカラー回折理論に基づいた記録再生シミュレーションの手法を紹介する。

○ニューラルネットワークの計算原理と光学非線形歪み補償への応用/明治大学/中村守里也
ニューラルネットワークの計算原理とそれを用いた非線形イコライザの実現、さらに光ファイバ伝送で生ずる光信号の光学非線形歪み補償への応用まで、基本的事項に重点を置いて紹介する。

○共役高分子ナノファイバのハイブリッド化とその非線形光学応答/東北大学/小野寺恒信・及川 英俊/(国研)物質・材料研究機構 Rodrigo Sato・武田 良彦
次世代の光デバイス・光コンピューティングの実現には極めて高性能な非線形光学材料が求められている。分子構造の制御だけでは高止まりしていた三次非線形光学感受率を、異種材料とのハイブリッド化によって増大可能であることが示された。
2,200円
■特集:光学薄膜技術の現状と各社の取り組み1
○光学薄膜の基本/㈱ニコン/秋山貴之
光学薄膜が施された媒質界面での振幅反射・透過係数(フレネル係数)の導出、振幅反射・透過係数とエネルギー反射率・透過率の関係、光学多層薄膜のモデル、光学多層薄膜の特性計算手法など、光学薄膜の基本事項を紹介する。

○光学薄膜設計ソフトウェア活用の基礎/㈲ケイワン/鬼崎康成
市販の光学薄膜ソフトウェアには、目標とする分光特性を満足させるための膜設計(最適化設計)に加え、技術者の生産性を向上させるための多くの役に立つ機能が含まれているものがある。本稿では、それらの機能の一部を紹介する。

○最近の光学薄膜材料と評価技術/㈱ソルテック/青木智則
最近の光学薄膜はいわゆる機能膜としても応用が拡大している。しかし評価に関しては未知の部分もある。その中で硬さについてMSE法により評価を行った。

○偏光による薄膜の光学測定/東京工芸大学/川畑州一
光学計測において、分光計測や干渉計測は良く知られているが、偏光を用いた計測は馴染みが薄く“特殊な分野”として限定的に扱われてきた。また、光学の分野においても、“偏光”そのものが“光の特異な振る舞い”として扱われてきたこともその一因かと思われる。しかし近年、薄膜や表面の計測において、偏光を用いた計測が有効な手法として注目を集めつつある。本稿では、偏光の初歩から解説し、偏光を用いた薄膜の計測手法として、偏光解析法と偏光計測干渉計について紹介する。

○分光エリプソメトリーによる光学薄膜の評価/㈲テクノ・シナジー/田所利康
分光エリプソメトリーは、偏光由来の高感度性と分光の豊富な情報を併せ持ち、多層膜、吸収膜、光学異方性膜など複雑な試料系の膜厚・光物性測定に応用される。分光エリプソメトリーの基礎から応用を紹介する。

■特集:光を使用した医療の可能性を探る3
○近赤外光を用いたワクチン増強効果/防衛医科大学校/君塚善文
従来のワクチン製剤には不足する効果を補うため、混合される生化学化合物による副作用が起こることがある。そこで、光のもつワクチン増強効果が注目されており、歴史や分類、現在までに解明された機序などを紹介する。

○乳がん治療における光音響イメージングの応用と将来展望/京都大学/松本純明・戸井雅和
我々はこれまで光音響現象を応用した光音響イメージング装置の開発を行ってきた。ターゲットは人体の血管であり、定量的、定性的な解析が可能であることを示してきた。本稿では、光音響イメージング装置が血管バイオロジーの解析に応用できることを示してきた過程と、乳がんに応用していく将来展望について紹介する。

○ヒト感染性ウイルスの迅速検出技術の開発/関西学院大学/佐藤英俊
環境中のヒト感染性細胞を迅速に検出する技術を目指し、培養細胞のラマン分光分析を応用した方法を開発している。本稿では、声なき培養ヒト細胞のわずかな変化を検出する技術について紹介する。

○歯周治療における抗菌的光線力学療法の現状/東京医科歯科大学/竹内康雄・北中祐太郎・岩田隆紀・青木章/日本大学/平塚浩一
歯周治療における従来の機械的手法による除染に加え、光と色素を組み合わせた抗菌的光線力学療法(a-PDT)が補助療法として注目されている。本稿では、歯周治療におけるa-PDT研究の現状と課題について紹介する。

○消化管癌治療における蛍光イメージングの応用と将来展望/国際医療福祉大学病院/吉田昌・大平寛典・鈴木裕
消化管の蛍光ガイド手術に使用されつつある蛍光として、Indocyanine green、近赤外線蛍光クリップ、protoporphyrin IX、Fluoresceinを紹介し、将来展望を紹介する。

○唾液腺管内視鏡手術におけるHo(ホルミウム)-YAGレーザーの応用/日本医科大学/松延毅
レーザーを用いた唾石の破砕術併用は、内視鏡単独では摘出困難な唾石への適応拡大に寄与する手技である。唾液腺管内視鏡の登場により外切開から内視鏡手術の低侵襲治療の時代へとシフトしてゆくことが予想される。
2,200円
■特集:光導波路技術の最前線~光導波路を使いこなす~
○平面光波回路を用いた光周波数基準リピータ/日本電信電話㈱/郷 隆司・赤塚 友哉・小栗 克弥・橋本 俊和/東京大学/香取 秀
光情報通信分野で実用化されてきた平面光波回路(PLC)は、精密な光位相検出を必要とする最先端科学にも応用できる。本稿では、次世代の時間・周波数標準の候補である光格子時計の遠隔周波数リンク用に開発したPLC光周波数基準リピータについて紹介する。

○オンボード・オンチップインターコネクトのためのポリマー光導波路/慶應義塾大学/石榑 崇明
三次元コア配線を容易に形成できるポリマー光導波路の作製法「モスキート法」により作製した、オンボード・オンチップインターコネクトのための三次元光導波路(マルチコアファイバのためのfan-in/out導波路、シリコンフォトニクスチップのためのテーパコア導波路型スポットサイズ変換器)について紹介する。

○ポリマー光導波路を用いた光電気ハイブリッドパッケージ技術/(国研)産業技術総合研究所/天野 建
機器の高性能化のためにパッケージ上に光素子を配置する(Co-package optics)が世界中で検討されている。我々はポリマー材料を用いた光電気ハイブリッドパッケージ技術を研究開発しており、本稿でその成果を紹介する。

○光コム・光周波数標準におけるPPLN導波路の応用/横浜国立大学/洪 鋒雷/徳島大学/吉井 一倫
PPLN導波路技術は光コムや高度な光時計の研究開発をサポートしている。本稿では、光コム・光周波数標準研究分野におけるPPLN導波路の応用について解説し、連続発振するレーザーの波長変換および光コムの広帯域化について紹介する。

■特集:光を使用した医療の可能性を探る②
○アミノレブリン酸を用いたがんの光線力学診療/高知大学/中山 沢・山本新九郎・福原 秀雄・井上 啓史/東京工業大学/小倉俊一郎
幅広いがん種において、アミノレブリン酸投与後にプロトポルフィリンIXの蓄積が認められる。ポルフィリンに蛍光能と活性酸素発生能があることを利用して、診断や治療に応用されている。本稿では、そのメカニズムと泌尿器領域における展開について紹介する。

○上部尿路腫瘍に対する光線力学診断とレーザーを用いた尿路内視鏡治療/関西医科大学附属病院/中尾 一慶・吉田 崇・松田 公志
尿管や腎盂から発生する上部尿路腫瘍の標準治療は、悪性度に関わらず根治的腎尿管全摘除術である。一方、近年の医療機器の進歩により、腎温存を目的とした尿路内視鏡手術が、特に低悪性度の限局腫瘍を中心に低侵襲治療として注目されつつある。しかし、手術機器や手技の標準化が不十分であることや、高い再発率などの様々な問題点がある。本稿では、上部尿路腫瘍に対する新たな光力学診断やレーザーの有用性について、我々が取り組んでいる内容を紹介する。

○光感受性色素とイムノトキシンを用いた新規がん治療法(iTAP法)の開発/日本医科大学/浜窪 隆雄
光照射により、これまでのがん抗体医薬の効きめを飛躍的に高める手法を開発した。本技術は、超高齢化社会おいて、より侵襲性が低く、副作用を抑え、機能を温存して社会生活の質を保つ治療法を提供する。

○画像強調内視鏡システムNBI(Narrow Band Imaging)を用いた耳鼻咽喉科領域の表在癌に対する内視鏡診断と治療/高知大学/山田 高義・羽柴 基・兵頭 政光・内田 一茂
NBIは、拡大内視鏡と併用することで食道表在癌の診断能を向上させた。この診断学は、困難であった耳鼻咽喉科領域の表在癌の早期発見、診断にも応用され、消化器内視鏡医と耳鼻咽喉科医の連携のもと、低侵襲な内視鏡治療が可能となり機能温存に寄与している。

○悪性神経膠腫に対する光線力学的診断と光線力学的療法/(国研)国立がん研究センター中央病院/大野 誠・成田 善孝
悪性神経膠腫の手術において、安全かつ最大の摘出を行うために、光線力学的診断および摘出腔周囲に浸潤した腫瘍細胞に対して光線力学的療法が行われており、本稿では、これらの原理と実際の臨床応用について紹介する。

○ペインクリニック領域における光線療法/京都府立医科大学附属病院/上野 博司
低出力レーザー照射などの光線療法には、優れた鎮痛効果を有する。光線療法は、痛みを伴わない非侵襲的な治療法であり、副作用もほとんどないため、ペインクリニックの臨床では他の治療と併用して、様々な痛みの治療に用いられる。

■解説
○極端紫外域高次高調波フェムト秒パルスの微小集光によるサブミクロン加工/東京大学/本山 央人・岩崎 純史・三村 秀和・山内 薫
極端紫外域の超短パルス光を近赤外フェムト秒レーザーの高次高調波光として発生させ、高精度集光ミラーを用いて半値全幅で1μm以下に集光した。本稿では、集光ビームをSiウエハ上のNi薄膜に照射し、微小集光領域においてNi層を除去できることを紹介する。

○回転型可変焦点モアレメタレンズ/東京農工大学/岩見健太郎
メタマテリアルを応用した超薄型レンズ“メタレンズ”が近年注目を集めている。本稿では、2枚のレンズを相対回転させることで、凸から凹まで幅広い可変焦点を実現するモアレメタレンズにいて紹介する。
2,200円
■特集:光を使用した医療の可能性を探る1
○ミトコンドリア由来活性酸素と光線力学療法/筑波大学/黒川 宏美・松井 裕史
光線力学療法(PDT)達成に重要ながん細胞特異的ポルフィリン集積現象の機序解明に関し、活性酸素種(ROS)に着目した検討を紹介する。ROS産生量を制御することでがん細胞特異的にPDTによる細胞傷害が促進できる。

○悪性神経膠腫に対する光線力学療法の初期治療経験/千葉県がんセンター/井内 俊彦・堺田 司・瀬戸口大毅・細野 純仁・長谷川祐三
腫瘍細胞選択性の高い光線力学療法は、浸潤性腫瘍である悪性神経膠腫の治療に適している。我々の経験でも、本治療施行後は局所再発頻度が減少し、また、従来の治療法と比較しても高い安全性が確認された。

○脳腫瘍に対する新規蛍光プローブの研究開発/東京大学/清水 武則・田中 將太・北川 陽介・神谷 真子・浦野 泰照・齊藤 延人
脳実質に発生する神経膠腫は、積極的摘出により予後改善が見込まれるものの、正常脳との境界が不明瞭なため、安全な摘出には腫瘍の可視化が重要である。本稿では、蛍光プローブによる腫瘍標識として、我々が開発した局所投与型プローブを紹介する。

○がんの光線力学治療を指向した小さな光増感剤開発/東京工業大学/湯浅 英哉・金森 功吏
光線力学治療は増感剤を服用後に光照射してがん細胞を殺傷する、比較的マイルドな治療法である。しかし、増感剤の分子量が大きいための課題がいくつかあり、筆者はこれを克服するために小さな増感剤の開発を行った。

○接触式レーザー前立腺蒸散術/慶應義塾大学/田中 伸之・大家 基嗣
CVPは980nmダイオードレーザーで肥大した前立腺組織を気化・除去する最新の前立腺肥大症手術である。本稿では、治療成績と共に、抗血栓療法下の高齢者や射精機能の温存等、多角的なCVP治療の展望を紹介する。

○肺がん治療における蛍光イメージングの応用と将来展望/名古屋大学/芳川 豊史
呼吸器外科手術においても、インドシアニングリーン(ICG)など、蛍光イメージングを用いた手術手技が広く行われ始めた。本稿では、呼吸器外科領域における蛍光ガイド手術の現状と将来展望について紹介する。

○MIPSが可能にした新たな蛍光イメージング/京都大学/瀬尾 智
我々はエンターテインメントで用いられてきたプロジェクションマッピングの技術を応用し、ICG蛍光画像を直接臓器に投影するMIPSを産学連携プロジェクトとして共同開発し、新たな蛍光イメージングを提唱している。

○泌尿器がんを対象としたポルフィリン代謝経路利用蛍光尿細胞診/奈良県立医科大学/三宅 牧人・中井 靖/大阪暁明館病院 平尾 佳彦/奈良県立医科大学/藤本 清秀
近年の泌尿器がんにおける光力学的診断技術の導入は目覚ましい。筋層非浸潤性膀胱がん治療後の経過観察の簡便化かつ低侵襲化を目標に、ポルフィリン代謝経路利用蛍光尿細胞診を開発してきたので、その経緯、現状、展望を紹介する。

○鏡視下腎部分切除術におけるICG蛍光ナビゲーションの現状/大阪市立大学/山崎 健史
鏡視下腎部分切除術においてインドシアニングリーンを用いた蛍光内視鏡システムの有用性が報告されている。本稿では、腎癌手術に対する鏡視下手術において、蛍光内視鏡システムの使用法に関する現状および展望について紹介する。

○上部消化管レーザー内視鏡を用いた胃腫瘍に対する光線力学的診断 /鳥取大学/菓 裕貴・神田 努・磯本 一
当院で実施している早期胃癌に対するレーザー光線力学的内視鏡診断(LPDED)について紹介する。当院の検討では、早期胃癌の85.7%でLPDEDによる蛍光性を確認できた。LPDEDは腫瘍を蛍光によって可視化するため、内視鏡医の経験に依存しない客観的な内視鏡診断法となる可能性がある。

○皮膚病に対する光線治療について/高知大学/中島 英貴
皮膚病に対する光線療法は紀元1000年前から行われており、本邦では1970年代から尋常性乾癬に対しPUVA療法が確立された後にナローバンドUVB、エキシマライト、エキシマレーザーが登場し、現在広く用いられている。メラニン系色素病変や血管病変にはアレキサンドライトレーザーと色素レーザーをそれぞれ用い、審美的な改善を通じて心理的な治療効果を得ることができる。

■解説
○光学式エンコーダによる超精密6自由度計測/東北大学/松隈 啓・清水 裕樹・高 偉
「測れないものは作れない」と言われる。最先端のものづくりではサブナノメートル・サブ角度秒精度の位置決めが必要になっており、本稿では、そのための線形・角度変位量を測定するためのエンコーダ技術について紹介する。

○テラヘルツイメージングセンサとその補正技術/北海道大学/池辺 将之・平田 脩馬・金澤 悠里
2,200円
■特集:有機-無機ハイブリッドフォトニクスが社会を変える
○屈折率制御を可能にする有機-無機ハイブリッド材料の開発/京都工芸繊維大学/松川 公洋
有機.無機ハイブリッドは、屈折率制御が可能な光学材料として注目されている。本稿では、シリカナノ粒子間に生じるナノポーラスを用いた低屈折率薄膜やジルコニアナノ粒子分散体を用いた高屈折率薄膜の開発について紹介する。

○有機-無機ハイブリッド材料の高屈折率高アッベ数実現への展開/(国研)理化学研究所/ 榎本 航之/山形大学/中野雅比古・菊地 守也・鳴海 敦・川口 正剛
近年、軽量化、成形加工性の容易さ、低価格化へのニーズの高まりによって、多くの用途において無機材料から樹脂材料への置き換わりが進んでいる。しかし一方で、有機材料は主に炭素および酸素などの限られた元素から構成されるために、無機材料に比べて屈折率を制御できる範囲が狭いという本質的な弱点を持っている。本稿では、水中で分散安定している高屈折率無機ナノ微粒子であるジルコニアを少量の表面処理剤を用いて水と混ざらない疎水性の有機媒体中(例えば、トルエン)に1次粒子径を保ったまま相移動と同時に疎水化および官能基化する方法について紹介する。また、そのような方法で表面処理された無機ナノ微粒子の性質、特性解析および高分子中にナノ分散させることによって高い透明性を維持しながら高屈折率かつ高アッベ数なハイブリッドバルク材料を合成する方法、得られた材料の光学特性について紹介する。

○有機電気光学ポリマー/シリコンフォトニクスハイブリッドによる高速低消費電力光変調/(国研)情報通信研究機構/大友 明
本稿では、光インターコネクトの高速化・低消費電力化への応用が期待されている、EOポリマー/Siハイブリッド光変調器の特徴と優位性について紹介する。

○赤外光励起自己形成光導波路/宇都宮大学/寺澤 英孝・杉原 興浩
本稿では、シリコンフォトニクスデバイス間のパッシブ接続実現に向けた、赤外光で光重合可能な樹脂の開発と、それを用いた自己形成光導波路の作製や、光ファイバ間の接続に関する研究を紹介する。

■解説
○光学設計と直交多項式/京セラSOC㈱/田邉 貴大
近年、光学設計における直交多項式の利用が広がってきている。本稿では、代表的な直交多項式であるZernike多項式とForbes多項式に共通する数学的背景について紹介する。

○クラウド環境での超高速光学シミュレータ/㈱ニコン/小野 広起/㈱EQN/松村 茂/㈱タイコ/牛山 善太
クラウド環境に特化した光学シミュレーション用ソフトウェアを開発している。本稿では、まだ開発半ばではあるが、並列分散処理およびGPU計算による応用計算のベンチマークを紹介する。

○三次元計測用レーザーパターン光源/エーエルティー㈱/髙野 裕
本稿では、DOEを使用したレーザパターン光源と、スキャナーを用いたパターン光源の原理と応用を紹介する。

○レーザープラズマX線源のプラズマパラメータ計測/北海道大学/富田健太郎
プラズマを用いた極端紫外(EUV)や軟X線光源の開発では、プラズマの電子状態(温度や密度)制御が本質的に重要である。本稿では、レーザー散乱計測により、プラズマ構造を初めて明らかにした結果を紹介する。

○可視10フェムト秒パルス光による昇華結晶化/神奈川大学/岩倉いずみ
可視10フェムト秒パルス光を使用して、電子基底状態において糖化合物の分子振動をコヒーレント励起することで、昇華結晶を生成させる新しい手法を見い出した。

○深層学習AIを搭載した光イメージング医療機器開発/大阪大学/新岡 宏彦・熊本 康昭・三宅 淳/京都府立医科大学/松本 辰也・高松 哲郎
本稿では、人工知能を用いた画像解析についてその応用例を示し、イメージング装置開発と深層学習AIの組み合わせた研究として、深紫外顕微鏡を用いた迅速癌検出技術について我々の研究内容を紹介する。

○マルチモーダルステレオ画像からの三次元計測/名古屋工業大学/坂上 文彦・佐藤 淳
本稿では、モーダルの異なるステレオ画像組を用いて、視差推定ネットワークとモーダル変換ネットワークを教師データを用いることなく学習させ、これらを併用することで距離計測を実現する方法を紹介する。

■製品技術紹介
○超高速微細周期構造パターニング技術/㈱プロフィテット/奈良 拓治/Fraunhofer IWS/Sabri Alamri・Tim Kunze
○Shack-Hartmann方式による高速波面収差計測装置/パルステック工業㈱/西島 直樹
2,178円
■特集:レーザー加工における最先端技術動向②
○高出力半導体レーザーとホットワイヤ法とを組み合わせた厚鋼板立向き溶接技術の開発/広島大学/山本 元道
筆者等はこれまでに、低入熱溶接が可能で制御性の高いレーザー熱源と、添加ワイヤの高能率送給が可能なホットワイヤ法とを組み合わせたホットワイヤ・レーザー溶接技術の開発を行ってきた。当研究では、高出力半導体レーザーとホットワイヤ法とを組み合わせ、エレクトロガス溶接等の厚鋼板1パス立向き溶接法にかわる、新しい低入熱1パス立向き溶接プロセスの開発を行っている。本槁では、研究の途中段階ではあるが、これまでに得られた研究成果を紹介する。

○超短パルスレーザー誘起表面周期構造による道路構造物の着雪対策工法について/(国研)土木研究所 寒地土木研究所/櫻井 俊光・松下 拓樹・松島 哲郎/(公財)レーザー技術総合研究所/染川 智弘
道路インフラにおける落雪対策として、超短パルスレーザー誘起表面周期構造を利用した着雪対策工法を開発している。本稿では、超親水性が付与された亜鉛めっき鋼板において着雪の融解が促進された結果について紹介する。

○ジルコニアへのレーザー誘起表面周期構造形成とインプラントに求められる機械強度評価/(国研)産業技術総合研究所/欠端 雅之
超短パルスレーザー照射によるジルコニアセラミックスへの表面周期構造形成の特徴、インプラント応用に求められる性能として機械強度等を評価した。

○中赤外Erファイバーレーザーによるレーザー加工技術/三星ダイヤモンド工業㈱/小田 晃一・小西 大介・三澤明日香・佐原 諒・都築 聡・村上 政直/大阪大学/時田 茂樹
発振波長2.8μmであるErファイバーレーザーをガラスに照射すると、ガラスの表面だけでなく内部まで加熱させることができる。ガラス端面にErFLを照射することで端面を丸く面取することができた。さらに、CO 2レーザーとErファイバーレーザーを同時に照射するCO 2レーザーアシストErファイバーレーザー照射により、走査速度を速めることができた。

○DOE(回折光学素子)を使用したレーザークラッディングの技術開発/大阪富士工業㈱/林 良彦・安積 一幸/大阪大学/阿部 信行・塚本 雅裕
DOE(回折光学素子)を使用することにより、任意のビームプロファイル形状や強度分布を構築することができる。本稿では、DOEを使用することで熱分布による影響をさらに微調整したより高品質なクラッディングの技術開発について紹介する。

○産業用深紫外ピコ秒レーザーの開発と事業化/スペクトロニクス㈱/折井 庸亮・河野 健太・田中 宏基・乙津 聡夫
IoT関連部品の微細化に伴い、非熱的微細加工の需要が高まっている。本稿では、上記加工に適応可能な深紫外ピコ秒パルスレーザーについて、長期にわたって安定に発生・利用する技術と今後の展望について紹介する。

○レーザー・アークハイブリッドによる異材接合技術の開発/㈱ダイヘン/恵良 哲生・玉城 怜士・浅山 智也・劉 忠杰
輸送機器の軽量化を実現する接合技術として、合金化溶融亜鉛めっき鋼板とアルミニウム合金の接合を対象に、低入熱・極低スパッタアーク溶接法とパルスレーザをハイブリッド化した接合システムを開発した。本稿では、金属間化合物の生成抑制効果と接合強度について紹介する。

■解説
○近赤外蛍光量子ドットによるエクソソーム生体内挙動解析技術の構築/名古屋大学/湯川 博
エクソソームは様々な細胞間コミュニケーションツールとして、生体内で広く利用されている。しかし、詳細な生体内挙動、細胞間移動などについて解析できる技術が乏しいのが現状である。本研究では、エクソソームを生体内で高感度に検出できる技術の確立を目指した。

■製品技術紹介
○光学式三次元計測器/santec㈱/大矢 正人・両澤 淳・諫本 圭史
○単一波長ファイバーレーザーを用いた二光子顕微鏡法の簡素化/TOPTICA Photonics AG/ マックス アイゼレ
○高速スキャナユニットを搭載したグリーンレーザー/㈱ニレコ/澤野 貴昭
○808 nmバタフライ型FBG半導体レーザー/㈱光響/住村 和彦・亀井 敬史

■研究室紹介
○大阪大学 大学院基礎工学研究科 物質創成専攻 未来物質領域 ナノ光物性理論研究室/大阪大学/石原 一
2,178円
■特集:レーザー加工における最先端技術動向1
○産業界で実用化が進む半導体レーザーによる熱処理技術/丸文㈱/江嶋 亮
半導体レーザは加工対象物に均質かつ局所的に入熱を加えることから、焼入れや肉盛を行うに最適なレーザである。硬化させたい材料にレーザを当て急速に温度を上昇させた後、急激に冷却されることで焼きが入るレーザ焼入れは、局所的な部分焼入れが可能で入熱量を最小限に抑えることができ、歪の少ない焼入れが可能となる。また、他の焼入れ工法とは違い、材料表面付近のみに強固な焼きが入るため、自己冷却による焼入れができることから冷却水などを使用しない。さらに、従来工法に比べて消費電力の少ない環境配慮型の新工法であり、日々の電気代削減にも貢献することができる。レーザ光の熱により溶融する溶融池に粉末や線材を供給するレーザ肉盛は、基材への熱影響も限定的であることから希釈が少なく、耐摩耗や耐腐食などの目的で肉盛する材料の特性を最大限活かすことができる。近年、200μm程度の膜厚を作る通常のレーザ肉盛よりもさらに薄膜となる20~ 30 μmの極薄膜のハイスピードレーザ肉盛の関心が高まっており、溶射やメッキの代替工法としての適用が始まろうとしている。

○ハブラニアンプロットを用いた製造現場における溶込み深さの簡易的予測の試み/大阪産業大学/部谷 学/㈱レーザックス/小澤 健治/㈲アイテックインターナショナル/舟山 博人
製造現場における溶込み深さの簡易的な予測方法としてHablanianplotを使ったデータベース化が有効であることを紹介する。今後、データベース拡充のために、ほかのグループと協力して、さらなる追加実験をする必要がある。

○ICIによるインプロセス溶接モニタの開発/IPGフォトニクスジャパン㈱/住森 大地
当社は「ファイバーレーザを大量生産における工具(ツール)へ」というミッションをもとに、ツールとして必要な加工状況を可視化するICI(Inline CoherentImaging)技術を開発している。レーザ溶接中のキーホール深さの基本的な決定方法を紹介する。

○機械学習を応用したフェムト秒レーザーアブレーション加工量の予測/光産業創成大学院大学/楠本 利行
レーザー加工への機械学習応用が盛んに進んでいる。本稿では、その一つとして、フェムト秒超短パルスレーザー除去加工における、レーザー加工条件および材料物性条件からレーザー加工除去量を予測するモデル作成への機械学習応用の試みについて紹介する。

■特集:医療現場に貢献する光技術3
○転移性脳腫瘍治療における光線力学的治療(photodynamic therapy:PDT)の適応と可能性/国立がん研究センター中央病院/宮北 康二・大野 誠・高橋 雅道・柳澤 俊介・成田 善孝
転移性脳腫瘍の治療成績の改善は、がん全体の治療成績を改善させることと、転移性脳腫瘍に伴う神経症状を改善させ担癌患者の日常の活動範囲や生活の質を維持するためにも必要である。現在の治療法としては手術療法、放射線療法、薬物療法が挙げられるが、我々は新たな治療として光線力学的治療(PDT)の可能性を期待している。本稿では、転移性脳腫瘍に対するPDTの適応、問題点につき検討し、適応拡大へ向けた臨床試験についても紹介する。

○ざ瘡瘢痕に対するレーザーを用いた複合治療/むすび葉クリニック渋谷/淺岡 匠子
ざ瘡後瘢痕に対し、minimally ablative resurfacing laserの一つであるEr:YSGGレーザー、および双極式高周波を用いたフラクショナルRFを用いて治療を行い、それぞれ比較的良好な改善を得た。

■製品特集:光学系設計ソフト活用術2
○照明設計・解析における波動光学や熱・流体解析との連携/サイバネットシステム㈱/笹川 平久
近年、照明設計解析ツールの利用用途が広がってきている。本稿では、照明設計解析ツールLightToolsを用いた化粧品評価、波動光学解析ツール(RSoft)や熱・流体解析ツール(ANSYS)と連携した新しい解析についていくつかの事例を紹介する。

○オプトメカニカルソフトウエア/㈱ノーツアンドクロス 山本 努
照明系のデザイン・解析・最適化・公差解析ツールであるオプトメカニカルソフトウエアTraceProは、立ち上がりの早いラーニングカーブを実現する洗練されたメニュー構造のCADインタフェースと、インタラクティブオプティマイザ・トラレンサを含む強力なデザイン支援機能をもち、デザインから製品の市場投入までの時間短縮をさらに加速する。本稿では、その機能と役割について紹介する。

○プロジェクションヘッドランプの設計手法/㈱オクテック/コプフピエール/Breault Research Organization Inc./Kevin Garcia
ASAP RNextGenを用いた、初期設計から標準模擬試験用に至る、LEDヘッドランプのバーチャル設計手法を式、図を用いて紹介する。ASAP RNextGenが、これらのプロセスを効率よく、分かりやすく表示する環境が準備されている点も紹介する。

○汎用光工学解析ソフトウエア/CBS japan/稲畑 達雄
FREDmpcは、レンズや鏡枠の迷光解析や実画像評価を高精度で行うPCソフト。米国NVIDIA社との協業で、CUDA言語対応により業界初のGPUボード駆動でCPU処理の400~ 1,200倍の高速処理を実現。

■製品技術紹介
○進化する高出力パルスグリーンファイバーレーザーとその機能/スペクトラ・フィジックス㈱/谷本 浩

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光技術を4つの基本アプリケーション(計測、加工・化工、伝送、情報処理)からとらえた実用的ガイドブックです。光部品、光機器・装置は、今後新規製品が増えると予想されており、このような製品動向を的確に迅速に伝えます。 これから光分野を学ばれる方、現場サイド、技術者、経営に携わる方々に見逃せない技術誌です。

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