目次
特集
原曲を越える?! 編曲の面白さ
ムソルグスキーのピアノ組曲「展覧会の絵」と、ラヴェルによる管弦楽へ編曲された「展覧会の絵」のどちらを、よく耳にしたことがあるでしょうか。クラシック音楽には原曲と同じように親しまれている編曲作品がたくさんあります。
ムソルグスキーは1874年、「展覧会の絵」を作曲しました。友人の画家ガルトマンの遺作展を見て、インスピレーションを受け作曲されたものですが、生前は演奏されず、リムスキー=コルサコフによる編曲版が出版され、知られるようになりました。ラヴェルは1922年、ボストン交響楽団の指揮者クーセヴィツキーの依頼で、管弦楽版を作りました。これが世界で一気に「展覧会の絵」が広まるきっかけとなったのです。「展覧会の絵」は作曲家や指揮者の想像力をたいそう刺激する作品でした。それはその後も多くの編曲が生まれたことから分かります。指揮者ストコフスキー、日本の近衛秀麿、ロシアの作曲家ゴルチャコフなど枚挙にいとまがありません。ロックバンド、エマーソン・レイク・アンド・パーマーが出したロック版(71年)は、ポピュラー・ファンにも「展覧会の絵」が広まるきっかけになりました。
バッハの毎日はとても忙しいものでした。教会の楽長を務め、毎週末の礼拝のために教会カンタータなどの音楽を書かなければいけません。ライプチヒでは、毎週、自主演奏団体コレギウム・ムジクムの指揮をし、作品を提供するなど、時間はいくらあっても足りません。ですから、自身の作品の編曲、旧作からの改変、転用などがたくさんあります。集大成の「ミサ曲ロ短調」の第1部「ミサ」の全11曲は、1733年にザクセン新選帝侯アウグスト2世に献呈された「ミサ・プレヴィス」を、ほぼそのまま転用しています。音楽ジャーナリストの寺西肇氏は「何よりも、良い素材(=旋律)を十分に生かし切りたい、との思いが強かったのではないか」と指摘します。バッハを編曲した作品でもっとも知られているのは「G線上のアリア」。ドイツのヴァイオリニスト、ウィルヘルミにより「管弦楽組曲第3番」の第2楽章「アリア」を、ヴァイオリンの最低弦G線だけでメロディーを弾けるように、編曲しました。
民謡や伝統音楽も著名な作曲家によって編曲されています。よく知られているのはブラームスの「ハンガリー舞曲」と、ドヴォルザークの「スラヴ舞曲」。いずれも民族色を感じさせる美しいメロディーで、たちまち大ヒットしました。ハンガリー舞曲は、本当のハンガリーの民謡ではなくロマの音楽で、ブラームスは編曲と考えていました。しかし、「スラヴ舞曲」はドヴォルザークの創作。「ドヴォルザークは編曲している振りをしながら、実はそこで自分の音楽性を伸び伸びと歌い発展させている」と音楽評論家、江藤光紀氏。
他に、◎ベートーヴェン「第九」の編曲◎「ニーベルングの指環」のオーケストラ編曲◎チャイコフスキーと編曲◎指揮者・作曲家としてのマーラーの編曲◎音楽の都、ウィーンの編曲の伝統、などです。
◎BIGが語る 大野和士 指揮
新国立劇場の音楽監督に就任した大野和士。10月のモーツァルト「魔笛」から新シーズンが始まった。就任にあたって5つの目標を掲げている。第1は「レパートリーの拡充」。「新制作を年間3演目から4演目に増やします。これまで上演した新制作のいくつかは、レンタル・プロダクションで、上演すると返してしまうのでレパートリーが蓄積されません」と話す。今シーズンは「ツェムリンスキー「フィレンツェの悲劇」、プッチーニ「ジャンニ・スキッキ」、「トゥーランドット」が予定されている。ほかに、「日本人作曲家への委嘱」、「1幕物オペラの新制作」、「旬の演出家や歌手をリアルタイムで聴衆に届ける」、「内外の他の歌劇場とのコラボレーション」という目標を掲げての船出となった。
◎宮本文昭の気軽に話そう ゲスト 塚田佳男 ピアノ
日本歌曲伴奏の第一人者として活躍を続ける塚田佳男。初めは歌手を目指していた。「芸大在学中は声楽を勉強していて、そのまま二期会の研究生になったのですが、周囲がとにかく才能豊かな人ばかりでしたから、早々に歌の道はあきらめて彼らの伴奏をしていたのです」といきさつを語る。その後、ドイツに留学。今は奏楽堂日本歌曲コンクールの審査委員を務めるなど、日本歌曲の歌唱、伴奏法の指導にも力を入れる。しかし、「日本歌曲の歌唱法の確立にはまだ時間がかかりそうです」と話している。
このほか
◎青島広志の「ブルー・アイランド版音楽辞典」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。
◼︎ 目次配信サービス
MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック)最新号の情報がメルマガで届く♪ メールアドレスを入力して登録(解除)ボタンを押してください。
商品情報・内容
- 出版社:神戸クルーザー
- 発行間隔:月刊
- 発売日:毎月20日
- サイズ:A4
■ クラシック音楽をもっと楽しむための月刊情報誌
「MOSTLY CLASSIC」(モーストリー・クラシック)は毎月20日発売の月刊音楽情報誌です。バッハやモーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスなど作曲家の魅力をはじめ、交響曲や協奏曲、ピアノ曲など音楽のジャンル、また世界各地のオーケストラやホール、ヴァイオリンやピアノなどバラエティーに富んだテーマを毎号特集しています。またピアニスト、小山実稚恵さんや小菅優さんの連載など読み物もたくさん。ソリストの活動やオーケストラ事情など毎月新鮮な情報を掲載しています。知識が少し増えるとクラシックを聴く楽しみが倍加します。コアなファンからクラシックは少し敷居が高いと思われている初心者まで誰でも楽しめる雑誌です。
この雑誌の読者はこちらの雑誌も買っています!
MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック)の所属カテゴリ一覧
Fujisan.co.jpとは?
株式会社富士山マガジンサービスが運営する、
日本最大級の雑誌オンライン書店です。
一般的な書店と異なり、
定期購読サービスに特化しています。
雑誌、新聞、シリーズ書籍、漫画や
本屋にも無い古い本も見つかる!
法人サービスはこちら >
-
タイトル1万以上
豊富なラインナップで
書店に並ばない本とも出会える -
試し読み
バックナンバー1冊まるごと試し読み
したり、最新号も試し読みできる -
タダ読み
5,000冊以上の雑誌が
無料で読み放題 -
500円OFF
普段読んでいる雑誌のレビュー投稿で
500円割ギフト券をプレゼント -
事前予約
気になる本は
発売日前から事前予約可能 -
割引や特典付き
定期購読なら
お得に本が読めて
送料無料の雑誌も!
デジタル雑誌をご利用なら
最新号〜バックナンバーまで7000冊以上の雑誌
(電子書籍)が無料で読み放題!
タダ読みサービスを楽しもう!