MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック) 283 (発売日2020年10月20日) 表紙
  • 雑誌:MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック)
  • 出版社:神戸クルーザー
  • 発行間隔:月刊
  • 発売日:毎月20日
  • サイズ:A4
  • 参考価格:[紙版]1,370円 [デジタル版]1,280円
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MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック) 283 (発売日2020年10月20日)

神戸クルーザー
パトロンと音楽 音楽家を支えた王室、貴族、教会、富豪

MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック) 283 (発売日2020年10月20日)

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パトロンと音楽 音楽家を支えた王室、貴族、教会、富豪

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目次

 クラシック音楽の作曲家は自立して生活をするのが難しい。これは昔も今も変わらない。そこで登場するのはパトロン。ベートーヴェンの場合、ルドルフ大公(神聖ローマ皇帝レオポルト2世の末子)やリヒノウスキー侯やロプコヴィッツ侯といった貴族になる。ベートーヴェンは父親のような宮廷音楽家にならなかった(宮廷がモーツァルトの時代より財政が厳しくなり音楽家を抱えることが少なくなったこともある)。現代のような著作権制度はなく、著作権料が入るわけではない。暮らしていくにはお金が必要だ。
 ベートーヴェンは1809年、多額の報酬でカッセルの宮廷楽団の第1楽長の誘いがくる。ここの王様はナポレオンの弟のジェローム。しかし、ルドルフ大公、ロプコヴィッツ、キンスキーの3人の貴族は年金4000フローリンを申し出て、ウィーンへの引き止めを行った。さらに彼らはベートーヴェンにアン・デア・ウィーン劇場でのコンサートの開催権も与えている。当時のウィーンでは公務員の年収平均が500フローリンで、1000フローリンあれば快適な暮らしができたというから、かなりの厚遇ぶりだ。
 さらにベートーヴェンは献呈という仕組みをうまく利用した。交響曲第5番「運命」と交響曲第6番「田園」はロプコヴィッツ侯爵とラズモフスキー伯爵に献呈された。交響曲の献呈料の相場は400~500フローリンで、交響曲第5番の献呈料は500フローリンだった。ちなみにシューベルトのドイツ・リート「糸をつむぐグレートヒェン」の献呈料は200フローリンである。
 宮廷音楽家として職を全うしたのは、ベートーヴェンより40歳ほど年上のハイドン。ハンガリーの大貴族エステルハージ家の楽長を務めあげた。エステルハージ家はハプスブルク家から侯爵に叙せられた際に、ハプスブルク家にならって宮廷楽団を作った。当主パウル2世時代の1761年、ハイドンを副楽長に迎え入れた。楽長のヴェルナーの死後、楽長となり、就任時には宮廷楽団は25人だったが、1780年には50人と倍増、オーケストラの充実ぶりを見せている。90年、ハイドンは引退させられるが、94年に復帰した。
 チェイコフスキーとチャイコフスキーのパトロンになったナデジダ・フォン・メック夫人の関係はユニークだ。メック夫人の夫はラトヴィアのドイツ系貴族の家柄で、鉄道技術の専門家。技術者としての能力は高く、多くの鉄道を所有するまでになった。しかし、夫は1876年に心臓発作で急死、メック夫人は遺産を相続する。さらに長男が鉄道事業を発展させた。メック夫人は同年、チャイコフスキーに手紙を送り、年6000リーブルの資金の提供を申し入れた。以後13年間、無償で年間6000ルーブルもの大金を提供し続けた。彼女がねだったのはチャイコフスキーの肖像画1枚。手紙のやりとりだけで決して会うことはなかった。このほかにもチャイコフスキーは夫人に金の無心をしている。
 特集は他に、◎バッハとケーテン侯、フリードリヒ大王◎ワーブナーに惚れ込んだルートヴィヒ2世◎太陽王ルイ14世とリュリ◎イタリア・バロックの作曲家とパトロン◎ドメニコ・スカルラッティとスペイン王妃バルバラ◎日本のクラシック音楽を支えたパトロンたち、などです。
表紙は、ヴェルサイユ宮殿、シェーンブルン宮殿、サンスーシー宮殿、エステルハーザ宮殿です。

◎宮本文昭の気軽に話そう  ゲスト 上原彩子 ピアノ
 第12回チャイコフスコー国際コンクール・ピアノ部門で、女性として、日本人として初めて優勝したピアニスト。来年1月にはデビュー20周年のリサイタル第2弾「ショパン&ラフマイノフ」が行われる。「2人とも素晴らしいピアニストだったので、作品にもそのピアニズムが出ていて、勉強することでいろいろなインスピレーションが受けられます」と話している。

◎ステージ 宮城聰 演出
 SPAC、静岡県舞台芸術センター芸術総監督を務める演出家。ベルリン国立歌劇場で、日本人として初めてオペラを演出する。演目はモーツァルトの「ポントの王ミトリダーテ」。指揮とオーケストラはミンコフスキと手兵ルーブル宮音楽隊。ローマ帝国に最後まで抵抗したポントが舞台。「日本人の鎮魂のやり方をオペラに持ち込んでみようと思いました。鎮魂することで魂が解放されていきます」と演出プランを話した。初日は11月13日(木)。

このほか
◎青島広志の「押しもしないが押されてばかり」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

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商品情報・内容

■ クラシック音楽をもっと楽しむための月刊情報誌

「MOSTLY CLASSIC」(モーストリー・クラシック)は毎月20日発売の月刊音楽情報誌です。バッハやモーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスなど作曲家の魅力をはじめ、交響曲や協奏曲、ピアノ曲など音楽のジャンル、また世界各地のオーケストラやホール、ヴァイオリンやピアノなどバラエティーに富んだテーマを毎号特集しています。またピアニスト、小山実稚恵さんや小菅優さんの連載など読み物もたくさん。ソリストの活動やオーケストラ事情など毎月新鮮な情報を掲載しています。知識が少し増えるとクラシックを聴く楽しみが倍加します。コアなファンからクラシックは少し敷居が高いと思われている初心者まで誰でも楽しめる雑誌です。

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