目次
- 紙版
- デジタル版
- 紙版
- デジタル版
スターバト・マーテル レクイエム 宗教音楽の魅力
モーツァルト、ヴェルディ、フォーレの「レクイエム」は「3大レクイエム」と称される。中でもモーツァルトの「レクイエム」の作曲の経緯はよく知られている。モーツァルトの最晩年、1人の謎の紳士がモーツァルト宅に訪れ、「レクイエム」の作曲依頼をした。その紳士は依頼者の名を語らなかった。「レクイエム」とは、死者の安息を願うミサで歌われる。生活の困窮もあり、体が弱っていたモーツァルトは、これは死の世界からの依頼で、自分のための「レクイエム」だと思い込んだという。
この伝説は今では否定されている。依頼者は、有名な作曲家に曲を作らせては自分の名前で発表するのを趣味としていた地方貴族ということが分かっている。またモーツァルトが経済的に生活が困るほどだったというのも違うらしい。
「スターバト・マーテル・ドロローサ」(聖母は悲しみで立ち尽くす)で始まり、それが曲名になった「スターバト・マーテル」。聖母マリアが、十字架にはりつけにされたイエス・キリストの死を嘆く。キリストとともに母も信仰の対象になってきた。600人以上の作曲家が「スターバト・マーテル」を作曲し、マリアとキリストをモチーフにした絵画は数知れない。
ロマン派の作品ではドヴォルザークの「スターバト・マーテル」がよく演奏される。ドヴォルザークは1875年、長女ヨゼフィーネを亡くした。生まれてわずか3日の命だった。我が子を亡くした心情を聖母マリアの悲しみに重ね合わせ「スターバト・マーテル」の作曲に取り掛かった。いったん他の仕事に時間を費やし、77年、今度は二女ルージェナと長男オタカールを相次いで失った。その後、短期間で「スターバト・マーテル」を仕上げている。
ところで、ブルックナーは交響曲第9番の第4楽章に自身の「テ・デウム」を使うことを望んだのだろう。「テ・デウム」は「天にまします主よ御身をたたえ」で始まる、主を称える讃歌である。教会では主日・祝日の朝課の最後に歌われてきた。ブルックナーは、この最後の交響曲を第3楽章までしか完成させることができなかった。ウィーン大学の最終講義で、未完成に終わったときには、第4楽章を「テ・デウム」で代用させたい、と語っている。
音楽評論家の岡本稔氏はブルックナーの名解釈者である指揮者ギュンター・ヴァントの言葉を紹介し、同意する。「ブルックナーは最終楽章を完成させる自信がなく、それから逃避するために第1交響曲の改定に長時間を費やしてしまった」と。交響曲第9番はベートーヴェンの「第九」と同じニ短調。交響曲第7番や第8番で成功したブルックナーはさまざまなプレッシャーを感じていた。第9番にしても第3楽章までが非常に高い水準で書かれ、第4楽章を作曲するのに尻込みしていたという。項目は他に◎グレゴリオ聖歌◎バッハ:ミサ曲ロ短調◎ハイドンのミサ曲◎グレゴリオ聖歌、スターバト・マーテル、レクイエムの名曲名盤◎ヴェルディとフォーレのレクイエム、などです。
表紙は、ウィーンのシュテファン大聖堂とミケランジェリの彫像「ピエタ」です。
◎宮本文昭の気軽に話そう ゲスト 天満敦子 ヴァイオリン
ルーマニアの作曲家ポルムベスクの「望郷のバラード」の演奏で知られる天満。先ごろ亡くなった作曲家、小林亜星は天満のヴァイオリンが好きで、一時期“追っかけ”のようにコンサートに来ていたという。知人となってからは、都はるみが歌ってヒットした小林の「北の宿から」などを弾いてもいる。作詞した阿久悠がこれを聞いて、「なんだ、歌詞いらないじゃない」と言ったという。さまざまなエピソードを楽しく語っている。
◎広島交響楽団 2021「平和の夕べ」コンサート
広島交響楽団の2021「平和の夕べ」コンサートが8月6日に広島で行われる。今年は8日に山形市でも特別公演がある。原爆を落とされた広島市のオーケストラにとってはアイデンティティーとなるコンサート。今年は、ゼレンカの「ミゼレーレ」、ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」の第2楽章、バッハ、ブリテン「シンフォニア・ダ・レクイエム」など多岐にわたる。音楽総監督を務める下野竜也は「1曲1曲に思いを込めて選曲しました」と語っている。
このほか
◎青島広志の「押しもしないが押されてばかり」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。
目次1
目次2
【連載】音楽探究の旅
【特集】作曲家はなぜ宗教音楽を作曲するのか
グレゴリオ聖歌
スターバト・マーテル
レクイエム
宗教音楽はクラシック音楽の主流か
モーツアルト宗教曲の愉悦
オルガニストから見たオルガンと宗教音楽
宗教曲が瑞々しく煌めいた黄金時代
ハイドンのミサ曲
宗教曲と合唱
ブルックナーの残した多くの宗教曲
ブルックナーの「テ・デウム」とは
聖母信仰とスターバト・マーテル
ドヴォルザークの宗教観と家族愛
20世紀のスターバト・マーテル
グレゴリオ聖歌と清貧
バッハ:ミサ曲 ロ短調
教会でヨーロッパ音楽巡礼
ヴェルディとフォーレのレクイエム
ロシアの作曲家と宗教音楽
グレゴリオ聖歌、レクイエム、スターバト・マーテルの名曲名盤
「トスカ」の華麗な罪
キリスト教と日本人
奇しくも追悼用に用いられるようになった音楽
MC Information
宗教曲コンサート・ガイド
【特別企画】広島交響楽団「平和の夕べ」コンサート
【連載】押しはしないが押されてばかり
【連載】宮本文昭の気軽に話そう
【連載】小山実稚恵のピアノと私
STAGE 久元祐子
STAGE パーヴォ・ヤルヴィ
STAGE 上村文乃
STAGE 神尾真由子・横溝耕一
WMS ベルリン
WMS サリー
WMS ローマ
WMS パリ
WMS ニューヨーク
【連載】ヴィルフリート・和樹・ヘーデンボルクのウィーン・フィル便り
東西南北
私のお薦めコンサート
オーケストラ新聞
【連載】マンスリー・ベルリン・フィル
【連載】音楽から見たロシア
【連載】外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
【連載】音楽プロデューサー 中野雄の音楽人間模様
【連載】東条碩夫の「音楽巡礼記」
公演 Reviews
【連載】いけたく本舗─私が出会った演奏家たち
【連載】諸石幸生の「歴史的名盤とオーディオ」
【連載】音楽に抱かれる悦び
【連載】巨匠「名盤」列伝
私の夢のコンサート
【連載】許光俊の「名曲のツボ」
【連載】鍵盤の血脈 井口基成
Book
Movie
Theater
Art
Ballet
CD&DVD ジャンル別に新譜をCheck!
海外公演ここが聴きどころ
News at random
追悼 フレデリック・ジェフスキ
Concert Selection
FM&TV INFORMATION
バックナンバーのご案内
HOTEL’S INFO
読者プレゼント
読者アンケート
読者の声
次号予告
裏表紙
◼︎ 目次配信サービス
MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック)最新号の情報がメルマガで届く♪ メールアドレスを入力して登録(解除)ボタンを押してください。
商品情報・内容
- 出版社:神戸クルーザー
- 発行間隔:月刊
- 発売日:毎月20日
- サイズ:A4
■ クラシック音楽をもっと楽しむための月刊情報誌
「MOSTLY CLASSIC」(モーストリー・クラシック)は毎月20日発売の月刊音楽情報誌です。バッハやモーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスなど作曲家の魅力をはじめ、交響曲や協奏曲、ピアノ曲など音楽のジャンル、また世界各地のオーケストラやホール、ヴァイオリンやピアノなどバラエティーに富んだテーマを毎号特集しています。またピアニスト、小山実稚恵さんや小菅優さんの連載など読み物もたくさん。ソリストの活動やオーケストラ事情など毎月新鮮な情報を掲載しています。知識が少し増えるとクラシックを聴く楽しみが倍加します。コアなファンからクラシックは少し敷居が高いと思われている初心者まで誰でも楽しめる雑誌です。
この雑誌の読者はこちらの雑誌も買っています!
MOSTLY CLASSIC(モーストリー・クラシック)の所属カテゴリ一覧
Fujisan.co.jpとは?
株式会社富士山マガジンサービスが運営する、
日本最大級の雑誌オンライン書店です。
一般的な書店と異なり、
定期購読サービスに特化しています。
雑誌、新聞、シリーズ書籍、漫画や
本屋にも無い古い本も見つかる!
法人サービスはこちら >
-
タイトル1万以上
豊富なラインナップで
書店に並ばない本とも出会える -
試し読み
バックナンバー1冊まるごと試し読み
したり、最新号も試し読みできる -
タダ読み
5,000冊以上の雑誌が
無料で読み放題 -
500円OFF
普段読んでいる雑誌のレビュー投稿で
500円割ギフト券をプレゼント -
事前予約
気になる本は
発売日前から事前予約可能 -
割引や特典付き
定期購読なら
お得に本が読めて
送料無料の雑誌も!
デジタル雑誌をご利用なら
最新号〜バックナンバーまで7000冊以上の雑誌
(電子書籍)が無料で読み放題!
タダ読みサービスを楽しもう!