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「往年の演奏家は、楽譜への忠実さを一歩において認識しつつ、その演奏家にしか成しえない自由な表現を披露してくれる。その演奏は聴く者に、音を聴く以上の感銘を与える。彼らの演奏を聴くと、本来、演奏とは何なのかを問いかけているように思われる」と桐朋学園大名誉教授の西原稔氏。
なんといっても往年の名演奏家の中で一番人気はフルトヴェングラーだろう。1886年、ベルリンで考古学者の父のもとに生まれた。1906年にデビュー。22年、ニキシュの後任としてベルリン・フィルとライプチヒ・ゲヴァントハウス管の常任指揮者に就任した。ナチス政権と対立しながらもベルリン・フィルを振り続けたが、戦争末期、スイスに亡命。戦後、非ナチ化裁判で無罪判決を受け、ベルリン・フィルに復帰した。51年、バイロイト音楽祭の再開場記念演奏会でベートヴェンの第九を指揮。54年、68歳で亡くなった。
指揮者・作曲家の徳岡直樹氏は「他では聴くことのできない強烈なインパクトが確かにある、と自信を持って言い切ることができる」とフルトヴェングラーの演奏を評する。徳岡氏があげたフルトヴェングラーの名盤にブラームスの交響曲第4番がある。1943年12月録音。これについて「この大戦中のブラームスは数種類残された同曲の録音の中でももっとも艶やかで、かつ壮絶なドラマの込められたド迫力の演奏」と感想を書いている。
NHK交響楽団コンサートマスター、篠崎史紀さんはNHKーFMで「まろのSP日記」というSPレコードを紹介する番組を持っているほど、CDやLPでなくてSPを聴いている。1950年代にはLPに置き換わってしまったから、残っているのはそれ以前に活躍していた往年の名演奏家。「聴衆も、演奏だけではなく、コンサート会場で感じるその瞬間の空気や匂いまでをも記憶し、演奏家の真意を受け止められる時代だったのだと思います」と記している。項目は他に◎ベーム、セル、ムラヴィンスキー、チェリビダッケ、カラヤン◎シュナーベル、ルービンシュタイン、ケンプ、ホロヴィッツ◎クライスラー、ティボー、シゲティ、ハイフェッツ◎時代によって変遷する演奏◎未来の可能性と過去への想像力◎往年のピアニストと現代のピアニスト、など。
表紙は、ハイフェッツ、フルトヴェングラー、ベーム、カラヤン、ホロヴィッツ、ディースカウ、リヒテル、カラス、カザルスです。
◎宮本文昭の気軽に話そう 川田知子 ヴァイオリン
東京フィルの首席ヴィオラ奏者、須田祥子とデュオCD「スターライト」をリリースしたばかり。ヴァイオリンとヴィオラの二重奏という珍しいCD。知らない曲ばかりかというとそうではない。シューベルトの歌曲「野ばら」や「魔王」なども入っている。須田とは15年ぐらいの付き合い。雰囲気が似ているので「本当の姉妹みたい」と言われることもある。4月末から宮崎国際音楽祭のコンサートに何本も出演する。20代の頃から出演し続けているなじみ深い音楽祭。3週間も滞在しているので、なじみの居酒屋が何軒もあるという。
◎WMSベルリン 沖澤のどかがベルリン・フィルを指揮
ドイツのヴァルター・シュタインマイヤー大統領の主催で、ベルリン・フィルによるウクライナとの連帯を表明する「自由と平和のためのコンサート」が3月27日、ベルビュー宮殿で行われた。急病のキリル・ペトレンコに変わり、アシスタントの沖澤のどかが指揮をした。ウクライナからベルリンに避難した作曲家シルヴェストロフの「夕べのセレナード」などを指揮。またキーシンとベルリン・フィルのコンサートマスター、樫本大進、チェロのシンケヴィッチのピアノ・トリオでショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲第2番よりを演奏した。
このほか
◎青島広志の「押しもしないが押されてばかり」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。
目次1
目次2
【連載】音楽探究の旅
【特集】なぜ往年の演奏家に魅せられるのか
今、フルトヴェングラーをどう聴くのか
21世紀に聴くフルトヴェングラー
私がSPを聴く理由
アルトゥーロ・トスカニーニ
ピエール・モントゥー
ブルーノ・ワルター
オットー・クレンペラー
ハンス・クナッパーツブッシュ
カール・ベーム
ジョージ・セル
エフゲニー・ムラヴィンスキー
ヘルベルト・フォン・カラヤン
セルジュ・チェリビダッケ
ゲオルク・ショルティ
カルロス・クライバー
その他の往年の名指揮者
アルフレッド・コルトー
アルトゥール・シュナーベル
ヴィルヘルム・バックハウス
アルトゥール・ルービンシュタイン
ヴィルヘルム・ケンプ
ウラディーミル・ホロヴィッツ
スヴャトスラフ・リヒテルとエミール・ギレリス
ディヌ・リパッティ
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ
サンソン・フランソワ
安川加壽子
その他の往年の名ピアニスト
フリッツ・クライスラー
ジャック・ティボー
ヨーゼフ・シゲティ
ヤッシャ・ハイフェッツ
ナタン・ミルシテイン
ダヴィッド・オイストラフ
アルテュール・グリュミオー
レオニード・コーガン
その他の往年の名ヴァオリニスト
パブロ・カザルス
ピエール・フルニエ
ヤーノシュ・シュタルケル
ジャクリーヌ・デュ・プレ
その他の往年の名チェリスト
エンリコ・カルーソー
マリオ・デル・モナコ
レナータ・テバルディ
マリア・カラス
エリーザベト・シュヴァルツコップ
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ
ヘルマン・プライ
ルチアーノ・パヴァロッティ
その他の往年の名歌手
時代によって変遷する演奏
今のピアニストにあるものとないもの
未来の可能性と過去への想像力
個性的な演奏家・個性的なプログラム コンサート・ガイド
MC Information
【連載】小山実稚恵のピアノと私
【連載】押しはしないが押されてばかり
【連載】宮本文昭の気軽に話そう
STAGE 實川風
STAGE 長谷川陽子
STAGE 鷲見恵理子
STAGE 濱田あや
WMS ベルリン
WMS ロンドン
WMS ミラノ
WMS パリ
WMS ニューヨーク
【連載】ヴィルフリート・和樹・ヘーデンボルクのウィーン・フィル便り
東西南北
オーケストラ新聞
【連載】マンスリー・ベルリン・フィル
【連載】音楽プロデューサー 中野雄の音楽人間模様
【連載】外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
【連載】音楽から見たロシア
【連載】鍵盤の血脈 井口基成
【連載】許光俊の「名曲のツボ」
【連載】いけたく本舗─私が出会った演奏家たち
【連載】巨匠「名盤」列伝
【連載】諸石幸生の「歴史的名盤とオーディオ」
私のお薦めコンサート
【連載】東条碩夫の「音楽巡礼記」
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