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「フランス音楽を、イタリア音楽に匹敵するもう一方の音楽、と呼んでも決して間違いではないでしょう。なぜなら、この2つ、イタリアと フランスの音楽はそれぞれに独自の、独特のものを持っているように思われるからです」
この言葉はドイツの音楽家マッテゾンが1713年に残したもの。フランス・バロック時代においてフランス音楽の個性は際立っていた。「実のところ、ドイツ・バロックの作曲家たちは常にイタリアとフランスから最先端の音楽を学び、それをスタート地点にして自分のたちの音楽を作ってきた」と音楽学の佐藤康太氏は記している。
近代フランス音楽を特徴づける作曲家といえばフォーレ、ドビュッシー、ラヴェル。「サン=サーンスがドイツ音楽をわき目に見て、ソナタ形式の作品構成や動機の展開を模範としていったのに対して、彼らはそのくびきから解放されている」と指摘するのは桐朋学園大名誉教授の西原稔氏。
クロード・ドビュッシー(1862~1918)は陶器店を営む庶民の家に生まれた。しかし、伯母のおかげでピアノを習い、パリ・コミューンの蜂起に加わった父が捕らえられ、牢獄で名ピアノ教師の息子と知り合ったことで、その母親にピアノを師事。才能を発揮し、パリ国立高等音楽院に入学した。1884年にはローマ賞を受賞する。
代表作品の一つ、「牧神の午後への前奏曲」(1892年)は象徴派の詩人マラルメの詩にもとづく作品。「ドビュッシーは、まったく自然に移ろいゆく変化の相としてこの詩を音楽化した。奔放かつ緻密な和声法を駆使し、色彩的で感覚的な美しさを前面に出し、すべてが夢かうつつか分からない状態を作り上げたのだ」と音楽評論家の鈴木淳史氏。
モーリス・ラヴェル(1875~1937)の父親はピアニストを目指したこともある技師。母親はバスク地方の生まれ。ラヴェルは生後3カ月でパリに移ったが、生涯バスク地方への思いを寄せている。14歳でパリ国立高等音楽院に入学。在学中に「亡き王女のためのパヴァーヌ」などを発表、注目された。
ラヴェルとドビュッシーの作風は全く違う。「ラヴェルの音楽にはつねに『現在』という立ち位置が刻印されている」と鈴木氏。「ラ・ヴァルス」については「リズムがどんどん崩れ始め、頻繁な転調の中でテンポも乱れてくる。最後はワルツらしき怪物は暴走を始め、断ち切られるように終わる。現在のグロテスクな姿を強調することで、美しかった過去を偲ぶ」と解説する。項目はほかに◎ベルリオーズ、フランス・ロマン主義の精神そのもの◎フランス6人組◎サティ、異端の音楽家なのか◎エンマ・バルダックをめぐるフォーレ、ドビュッシー、ラヴェル◎ディアギレフとパリ、など。表紙は、ヴェルサイユ宮殿です。
◎宮本文昭の気軽に話そう 福川伸陽 ホルン
NHK交響楽団のホルン首席奏者を務め、現在はフリーで活躍する福川伸陽(のぶあき)。ヴァイオリニスト、宮本笑里のデビュー15周年のアルバムでホルストの「木星」の収録に参加。古楽器のアンサンブル「レ・ヴァン・ロマンティーク・トウキョウ」のメンバーでモーツァルトやベートーヴェンの木管八重奏曲が入ったCDも今月リリース。10月にはヘンデルの「王宮の花火」を当時の楽器と編成で演奏する。「来年以降は、隅田川に船を浮かべて、『水上の音楽』ができたらいいなとみなで話しています」と福川は話している。
◎BIGが語る サー・サイモン・ラトル 指揮
サイモン・ラトルが音楽監督を務めるロンドン交響楽団と9月から10月にかけて日本ツアーを行う。ラトルは来シーズンからバイエルン放送交響楽団の首席指揮者になるため、ロンドン響の音楽監督としては最後の来日。東京や札幌、川崎など8都市の公演で5つのプログラムを持ってくる。「今回は非常に幅のあるプログラムを持っていくことができてうれしく思っています。ツアーを行うときのプログラムつくりというのは本当にパズルのようなものです」とラトルは話す。東京公演では10月5日にブルックナーの交響曲第7番などを、6日にはシベリウスの交響曲第7番などを演奏する。
このほか
◎青島広志の「押しもしないが押されてばかり」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして70年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎中丸美繪「鍵盤の血脈 井口基成」
など、おもしろい連載、記事が満載です。
クラッシック音楽の楽しさを、より立体的に、より多角的に伝える新しいスタイルのナビゲーション・マガジンです。MOSTLY CLASSIC(モーストリークラシック)は過去の巨匠達の偉業だけでなく、小澤征爾氏やアルド・チッコリーニ氏など、世界的アーティストの最新情報ををお届け。ソリスト達の生の意見が聞ける楽器や作曲者の特集も濃密な内容。クラシックに対する知識と聞く楽しみを教えてくれる初心者にもやさしい専門誌です。
目次1
目次2
【連載】音楽に寄せて
【特集】フランス音楽の魅力
パリはなぜ「花の都」になったのか
新しい響きを見出したドビュッシー
ドビュッシーの音楽の独自性とは?
精巧で大胆な音響世界を編み出したラヴェル
ラヴェルのスタイリッシュな音楽づくりはどこから?
ラヴェル事件再考
ベルリオーズ─フランス・ロマン主義の精神そのもの
サン=サーンス─フランス音楽界の巨人
国民音楽協会の旗揚げ
フランク─オルガンの名器との運命的出会い
フォーレ─「フランス風スケルツォ」の父
エンマ・バルダックをめぐるフォーレ、ドビュッシー、ラヴェル
サティ─異端の音楽家なのか
「フランキスト」たち─ワーグナーの音楽からの脱却
デュカス─伝統形式と古典、近代的な響きを結び付ける
フランス6人組
フランス6人組 プーランク
フランス6人組 オネゲル
フランス・バロックとは
リュリ─フランス独自のオペラ伝統を確立
クープラン─鍵盤音楽のフランス的伝統の旗手
ラモー─フランス音楽界の異端児
栄光のグラントペラ様式
19世紀に花開いたフランス歌曲のブーケ
フランスのオルガニスト=作曲家の伝統
フランス音楽とロシア音楽
ディアギレフとパリ
フランスのピアニズム 起源・歴史・現在
残酷の町、パリ
フランス音楽 コンサート・ガイド
MC Information
【連載】小山実稚恵のピアノと私
【連載】押しはしないが押されてばかり
【連載】ヴィルフリート・和樹・ヘーデンボルクのウィーン・フィル便り
【連載】宮本文昭の気軽に話そう
【連載】行きたい街角、聴きたい音楽
【特別企画】飯森範親=PPTでたどるドイツ・ロマン派の系譜 池田卓夫
BIGが語る サイモン・ラトル
Stage 荘村清志
Stage 日下紗矢子
Stage 中村恵理
Stage 河村尚子
Stage 松田華音&牛田智大
【特別企画】庄司紗矢香 インタビュー
WMS ベルリン
WMS ライプツィヒ
WMS ロンドン
WMS ミラノ
WMS パリ
WMS ニューヨーク
東西南北
【連載】コンサートマスター名鑑
オーケストラ新聞
【連載】外山雄三の「オーケストラと暮らして70年」
【連載】マンスリー・ベルリン・フィル
【連載】音楽プロデューサー 中野雄の音楽人間模様
【連載】巨匠「名盤」列伝
【連載】鍵盤の血脈 井口基成
【連載】許光俊の「名曲のツボ」
【連載】いけたく本舗─私が出会った演奏家たち
【連載】音楽から見たロシア
【連載】東条碩夫の「音楽巡礼記」
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2022-23シーズンは、大編成の交響曲の競演が話題です。ラトル=ロンドン響のブルックナー第7番、ネルソンス=ボストン響のマーラー第6番…。
ネルソンスはサイトウ・キネン・オーケストラを指揮しマーラー第9番も演奏します 。
迎える日本のオーケストラもショスタコーヴィチ第10番、アルプス交響曲など大編成の企画が並びます。大シンフォニーを聴く楽しみを掘り下げます。
Other Contents
●堤剛、ドミトリー・シトコヴェツキー、ボリス・ベルキン
商品情報・内容
- 出版社:神戸クルーザー
- 発行間隔:月刊
- 発売日:毎月20日
- サイズ:A4
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「MOSTLY CLASSIC」(モーストリー・クラシック)は毎月20日発売の月刊音楽情報誌です。バッハやモーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスなど作曲家の魅力をはじめ、交響曲や協奏曲、ピアノ曲など音楽のジャンル、また世界各地のオーケストラやホール、ヴァイオリンやピアノなどバラエティーに富んだテーマを毎号特集しています。またピアニスト、小山実稚恵さんや小菅優さんの連載など読み物もたくさん。ソリストの活動やオーケストラ事情など毎月新鮮な情報を掲載しています。知識が少し増えるとクラシックを聴く楽しみが倍加します。コアなファンからクラシックは少し敷居が高いと思われている初心者まで誰でも楽しめる雑誌です。
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