【初級①】 小学生・親子で――英語学習の入り口に
- 「Cover」―上の例のように、新聞の「顔」である表紙には、話題の人やニュースを中心に大きい写真で紹介しています。話題をシンプルに伝えるkickerと呼ばれる見出しには、英語の言葉遊びが入っていることも。「なぜその人が取り上げられたのか?」「見出しの意味は?」親子で少しの時間だけでも話し合うことで、お子さまの質問する力や発想する力につながるきっかけが生まれます。「Behind the Cover」では、表紙について日本語で解説されています。
- 「PEANUTS」―人気キャラクターのスヌーピーやチャーリー・ブラウンが活躍するAWだけで読める漫画です。英語と日本語の対訳で、楽しく学べます。漫画だけを見て、内容を想像してみましょう。その後、右側の日本語訳を見て、お子さんに読み聞かせてあげてください。
- 「しつもん!ドラえもん」―朝日新聞で好評連載中のクイズの英語版です。人気キャラクターが毎回登場するQuestionとAnswerのイラストだけでなく、音声も楽しむこともできます。

【初級②】 英検3~2級程度、TOEIC400~550点目指す人向け
- 「News at a Glance」「News in 100 Words(100語で読むニュース)」―コンパクトにまとめられた英語ニュースで、AWの中でも人気が高いコンテンツです。ただし、英単語はかなり難しいものもたくさん出ています。英文の中に、わからない単語や表現があっても、まずは記事の内容の概略をつかんでみましょう。難しい単語や表現には、日本語のヒントや文法的な解説がついているので、確認しながら読み進めるのもいいでしょう。わかる単語や表現が増えてくれば、それらをつなぎ合わせて文章の大意が見えてきて、上達が実感できるはずです。初めての方は、1日1記事を5分程度で読み始めるのもおすすめです。
- 「やさしい単語で寸劇! THE GREENVILLE STORY」―米国の高校生たちがやさしい単語で実際に使える会話を繰り広げます。①右側の和訳を読んで英文を読む、②下の単語リストで意味を確認してから英文を読む、③いきなり英文を読むといったように、レベルに合わせて読み進め方を変える方法もあります。
- 「Listen & Repeat」―AWのウェブサイトから音声を聴いて、聴こえたとおりに英語を言ってみる訓練ができます。英語を意味のかたまりごとに頭から理解することで、リーディング力はもちろん、リスニング力も向上します。慣れてきたら紙面を見ずに耳だけのチャレンジにもつなげられます。
【中級】 英検2~準1級程度、TOEIC550~700点目指す人向け
- 「ON THE KEYBOARD」―3カ月ごとに筆者が変わる外国人による対訳付きのリレーエッセーです。一人称の視点で書かれていて、さまざまなフレーズに触れられるので、スピーキングなど表現の幅が広がるきっかけになります。
- 「Phrase It Right」―慣用表現が会話を使ったクイズ形式で出題されます。だれでも知っているようなシンプルな単語の組み合わせで、意外な意味や用法が取り上げられています。解説では類例などにも触れており、学校の教科書とはひと味違う、ワンランク上の英語が学べます。
- 「Weekly Pop Quiz」―語群から適切な単語を選ぶ形式ですが、さまざまな表現を学べます。
- 「Travel」「World View」―世界各地をめぐる旅行記やさまざまな事柄、ユニークな出来事が多くの写真付きで紹介されます。国名や地名などの固有名詞もたくさん出てきて、その国の事情を知ることができます。日本語の解説をよく読んで、読み進めるのがポイントです。
- 「Novel」―AW向けの書き下ろし作品を中心とした小説です。1節がちょうどよい長さになっていて、ふだん日本語でも小説を読まないという方でもおすすめです。
- ほかにも―英語の歴史に沿って語源を探りながら英単語を解説する「シミケンの知って得する語源のはなし」、米国生まれのフォトグラファーが日本各地の魅力を独自の視点で紹介する「Lisa’s Things, Places and Events(リサのニッポン)」、通訳ガイドの発信力レッスン「英語で紹介してみよう」など、英語力アップにつながるコンテンツが掲載されています。
【上級】 英検準1~1級程度、TOEIC700~800点以上目指す人向け
- 「News」「Weekly Picks」―外国通信社が配信した時事ニュースや、日本の新聞ではあまり紹介されない世界の話題の深掘り解説などを掲載します。読み応えのある上級向けで、国際情勢をつかむのにも最適です。
- 「Movies」―話題の劇場公開作品や人気の動画配信サービス「ネットフリックス」の話題作を中心に、脚本を基にして英語表現を学びます。
- 「Dear Annie」―米国人の日常生活が垣間見える人生相談です。
- 「英訳・天声人語/社説で英文読解」―河合塾講師による大学入試対策用の英文読解問題で、朝日新聞の「天声人語」「社説」の英訳を素材にしています。紙面の下にある「正解と解説」が見えないように、中央の点線部分で折り曲げてから20~30分を目安として、問題にチャレンジしてみてください。AWの記事は、大学入試など試験問題にも毎年出題されていますので、毎週読むことが受験勉強になります。
- ほかにも―アグネス・チャンさんが国際問題から子育て、家族の話題などを論じる「地球うおっちんぐ」、課題を英訳する投稿を通じて、訳のどこが良くてどこを改善したらいいのかを解説した「英文ライティング道場」など、人気のコラムや企画などがあります。
【ほかにも】
- 「CROSSWORD」―隠れた人気コンテンツ。粘り強くチャレンジして、編集部に毎回答えを応募される方もいらっしゃいます。
- 「LETTERS」―読者のみなさまによる投稿欄。AWをどう活用するかのヒントにつながることも。

さらに学習効果を高めるなら
スマホやタブレットなどで英文記事を閲覧できる「朝日ウイークリーデジタル」は、過去の記事が検索できたり、朝日新聞の「天声人語」「社説」の日本語の原文付き英訳が掲載されたりしています。音声コンテンツについては、連続再生機能やAIが記事を対話形式に作成した「DJラウンジトーク」など、紙面よりも充実しています。通勤・通学中などの移動時間やちょっとしたスキマ時間などに気軽に利用して、学習効果を高めることができます。
さらに上をめざすなら
The New York Times International Weekly(ニューヨーク・タイムズ・インターナショナル・ウイークリー)
NYT紙面から選りすぐった、国際、経済、科学、テクノロジー、生活・文化、アート&デザインなどのニュース記事を全8ページに満載。日本語の解説はありませんので、上級者向きです。英語で国際情報を求める読者に人気の週刊英字新聞です。
読者の活用術
小中学生
- 父に、読んでほしい記事を私の部屋に貼ってもらっています。そうすると自然に読みたくなります。単語の解説が分かりやすいのがうれしいです。(9歳)
- 「やさしい単語で寸劇!」が読みやすくて好きです。学校で習った文法を教科書以外で活用できるのがうれしいです。外国の文化も学べるのもすごく良いです。(14歳)
受験・英検対策に
- 高校受験が迫っていると感じてからは辞書をひきながら、毎日少しずつ読んでいます。AWの中で好きなページはNovelです。意外とやさしい英語で書かれているので、いつも楽しんで読んでいます。(15歳)
- 英検2級合格を目標に定期購読しています。未知の単語も解説付きで書かれているのであきらめずに読めます。興味深い記事が多いので楽しんで読めています!(15歳)
- 英検1級合格に向けて勉強中です。リスニング分野が苦手なこともあり、最近は音声機能をよく活用するようになりました。(20代)
仕事に
- 購読して四半世紀にもなります。AWの記事で一番のお気に入りは世界のニュースです。AWでしか出会えない興味深い記事が毎週あります。英語教師として、面白いニュース記事を生徒に解説することもあります。(40代)
家族と一緒に
- 子どもが高校生になったのを機に、久しぶりに読み始めました。大学受験に役立ってほしいです。これからも読み続けます。(40代)
- 中3の娘と一緒に読んでいます。時事問題をまとめて確認することができ、社会のテスト対策にもなっているようです。中1の娘にもスヌーピーや興味のありそうな記事を見せたりしています。(50代)
音声も
- News in 100 Wordsを音声で聞くのが週末の楽しみです。ヒント下の解説(Check Point)も文法がよくわかり助かります。音声もとても聴きやすいです。(60代)
- 訪日の外国人と接することが多く、相手の言っていることをできる限り聞き取ろうと神経を使っています。AWの多くの記事に音声がついており、リスニングの訓練で大変活用させてもらっています。(70代)
AW編集部員の活用術
習った知識を固める場に (編集長・庄司直樹)
私は、みなさんが教室や語学参考書で習った文法や語法などの知識を血肉とするために、AWのニュース記事を活用してもらいたいと思います。
AWで配信している時事ニュースの大半は、もともと海外の通信社が英語を母国語とする読者向けに書いた記事。教科書や参考書に載っている多くの英文を、学習者のレベルを考慮した「温室栽培用」とするならば、ネイティブ向けは、街中で飛び交っている手加減のない英語です。時事ニュースを初めて目にすると、知らない単語ばかりに目がいって、「自分には難しすぎる」と尻込みしてしまうかもしれません。でも、みなさんが日本語の新聞を読んでいても、すべての記事をすらすらと読めるわけではないと思います。英文でも一字一句すべて理解できる境地に達するのは困難なので、気にしすぎる必要はありません。それに、AWでは、読者が難しいと感じるであろう単語には訳のヒントをつけていますので、途中で引っかかる頻度は減るはずです。
そうした時事ニュースの英文に、みなさんが学校でならった知識を照らし合わせて、理解できるか確かめるとともに、実際の使われ方を体得するのです。例えば、現在完了進行形やwouldなどの助動詞はどんな時に使われるのか、過去への予想の意味のある「could have+過去分詞」の使用場面など、いろいろな発見があると思います。接続詞を使わず文を軽く補足するときに使われる「分詞構文」も頻出します。
将来、外国の英字新聞を読んだりハリウッド映画を原語で楽しんだりしたいと願ったら、自分の現在の実力よりも少し上のレベルに挑戦し続けなければなりません。適度な負荷をかける素材として、AWはお役に立てると思います。
簡単な英語で会話力強化 (金漢一)
時折、「やさしい単語で寸劇! THE GREENVILLE STORY」は簡単すぎるのではないか、とのご指摘を読者からいただくことがあります。タイトルにもあるとおり「やさしい単語」で書かれていますので、AWのコンテンツの中でも「簡単」の部類に入るのは間違いありません。
なぜ「簡単なのか」。それは「THE GREENVILLE STORY」が主にアウトプットを目的としたコーナーだからです。「読める英語」と「話す英語」が同等のレベルの人はほとんどいません。「書ける漢字」よりも「読める漢字」が多いのと同じような理屈です。
メインの登場人物を高校生とその家族に設定しているので、学校生活や日常生活に使われる口語表現が多数登場します。同じようなシチュエーションや、単語を入れ替えれば実際に使える表現があるはずです。英会話といったアウトプット力を鍛えたい方は繰り返し音読してみてください。毎週、2、3の表現が口に出るようになるだけで、会話の幅はぐっと広がります。そして、このような口語表現は親しい友人へのメールやSNSでも使えるシチュエーションが出てくるはずです。
発信力の強化に生かそう! (和田明郎)
AWは多種多様な記事が自慢ですが、基本はニュースです。「勉強」という意識を捨てて、まずは「情報収集」という視点で読んでみることをお勧めします。英語を読む際に大切なのは、translate せずに understand すること。日本語訳にとらわれて後戻りするのではなく、単語を並んでいる順序に読んで内容を把握するのが understandです。構文を過度に気にせず、意味のかたまり(chunk)で理解する思考パターンを身につけてください。この習慣がつけば、訳読する労力と時間を節約でき、リスニングにも効果があります。
とはいえ、英語を読むことは受け身であってはなりません。読んで学んだことをコミュニケーションに生かすことが英語力を伸ばす大きな原動力になります。読んでわかったというだけで満足せず、気に入った表現、新しい表現に出合ったら、それらを書きとっておいて何かの機会に使ってみる習慣をつけましょう。
AWは新聞なので新鮮さがウリです。世間にはさまざまな英語教材がありますが、英字新聞は最も新鮮な教科書です。政治、経済、スポーツ、サイエンスからゴシップまで、人間生活のあらゆる分野に関連する記事が盛られています。教材向けに加工されているものは少なく、英語の母語話者が読む「本物の英語」の宝庫です。
読んで得た情報をインプットしたら、機会を見つけて、アウトプットすることを心がけましょう。発音はあまり気にする必要はありません。しっかりした話の内容があれば、日本語なまりの英語は悪い評価につながりません。ただし、文法を間違えると教育を受けていないなと思われてしまうので要注意です。
時間に余裕があれば、気に入った記事にある英文を何度も紙に書いてみてください。英語力の有無は、書くことで歴然とわかります。冠詞一つ落としただけでも、間違いは間違いです。書いてみると今まで気づかなかった弱点が明確になります。
こうした発信力を強化する上で不可欠なのが次の3点です。1)一つでも多くの単語を覚える、2)文法の規則を正確に覚える、3)気の利いた熟語・イディオムを覚える。語学の上達は、結局のところ暗記がモノを言います。
時事用語は慣れが必要 (抦﨑太郎)
英語は難しい。私は12歳までカナダで育ちましたが、「帰国子女」や「ネイティブ」と呼ばれる人種にとっても実は難しいのです。日本の学校の授業で習った英語や、母国語として英語を使っていた人が自国で使っていた言葉は、必ずしも今話されている言葉と合致しないこともあります。
AWの編集作業を通して常日頃感じることは、言葉は生き物で日々変わっていることです。とみに最近「DOGE」(Department of Government Efficiency =政府効率化省の略、トランプ政権下の政府大改革全般を指す言葉としても使われる )や 「DEI」(Diversity Equity and Inclusion =多様性、公平性と包括性)といった略語ばかり目立ち、記事を読む目が、なかなか先に進めません。
そんなときには、とにかく寄り道するつもりで調べていけばいいのです。繰り返し調べている内に覚えます。AWでは、そんな言葉を訳とともに、参考になりそうな情報を加え解説します。AWの記事は用語解説や和訳などで手助け(helping hand)をさしのべます。
さあ、一緒にニュースを使って今の英語に触れてみませんか。