我が国の国家的凋落は今やもう、尋常でない水準に達している。そしてその凋落を導いていると言われるデフレや少子高齢化等の諸問題のさらに背景に存在しているのが、社会、経済を支える下部構造「インフラストラクチャー」、すなわち「インフラ」に対する国民的無関心だ。
我々の社会・経済活動は、全て交通、防災、資源、食料に関する各種インフラの「上」で展開されるものである以上、その下部のインフラが劣化すれば必然的に劣化する。それ故、弱肉強食の競争に晒されている世界各国は可能な限りのインフラ投資に勤しんでいる。ところが現在我が国においてだけはインフラ投資が著しく滞り、その必然的帰結として衰退の一途を辿るようになってしまった。
それにも拘わらず、日本の学界や政界、言論空間の「インフラ」に対する無関心は常軌を逸した水準に達している。かくしてこのインフラに対する国民的無関心こそが、日本国家の激しい凋落の元凶なのだ。
ついては本誌では、総合的な状況認識に基づく大局的かつ個別具体的なインフラ論を基軸とした地域再生、国家再生プロジェクトを探求する実学的思想を巡る特集「日本を救うインフラ論」を企画する。
表現者クライテリオン編集長 藤井 聡
〔特集〕
日本を救うインフラ論――今、真に必要な思想
【特集座談会】
・「インフラ論」なくして政治は語れず/脇 雅史×西田昌司×藤井 聡
・インフラ論で日本は「明るく」なる/白水靖郎×藤井 聡×浜崎洋介
【特集インタビュー】
・「水道老朽化」と「水不足」に危機感を持て/橋本淳司
【特集論考】
・国土計画と産業政策――戦後体制の最良の部分を蘇らせよ/柴山桂太
・緊縮財政論がインフラを蝕む――貧困化の道を突き進む日本/大石久和
・流域共同体の誕生、崩壊そして再生――分散社会へのインフラ投資/竹村公太郎
・理念・理想なきインフラ政策が導く未来/佐々木邦明
・インフラを語ることは、将来の日本と社会のあり方そのものを語ることである/小池淳司
・阪急沿線開発事業にみられる小林一三の思想――真に豊かな国家とは/星山京子
・宮本常一のインフラ論――地方の孤立を救う道路啓開論/中尾聡史
・土木バッシング世論の「黒幕」/田中皓介
・「毒」のある意志――日本人の苦手なインフラ思考/川端祐一郎
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