美容皮膚医学 BEAUTY 発売日・バックナンバー

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4,400円
特集●腸と脳と皮膚
企画編集/山田秀和

<特集にあたって>

 日々さまざまな論文に目を通していると,まったく別の領域といきなりつながる研究が増えてきているように感じます.脳と腸と皮膚の関係もその1つといえます.脳腸皮膚相関の概念を理解していただくと,養生や薬剤治療の考え方が広がるでしょう.
 神経免疫学の発達で,十分理解できていなかった交感神経や副交感神経と免疫・代謝がつながり,さらには,バリア機能の異常と免疫(フラグリン,IL-4/IL-13,AHR)や腸炎,免疫とうつなど,驚くような展開が急速にわかってきました.本特集を企画したものとしては,重症アトピー性皮膚炎の患者さんからの訴えを聞いていて,その関係が納得できる研究結果が次々と報告されて,驚く毎日を送っています.今回のテーマからは,時間軸は十分表せませんでしたが(発達,老化との関係),運動・食事・精神(脳・睡眠)・環境がいかに重要であるかが,おわかりいただけるかと思います.
 今後は,その基盤となるepigenetics の研究がますます進み,疾患治療の実戦に役立つようになることを望んでいます.

山田秀和
(近畿大学アンチエイジングセンター 副センター長,近畿大学奈良病院 皮膚科 教授)


<目次>

〔特集〕
1.皮膚常在菌と老化との関係/須谷尚史
2.腸から他臓器:酪酸産生菌・酪酸に注目して/内藤裕二
3.腸から皮膚/佐藤健司,淺井智子
4.皮膚から脳:かゆみ,神経線維/中嶋千紗,大塚篤司
5.皮膚から腸:壊疽性膿皮症/樋口哲也
6.脳と腸:機能性消化管障害と皮膚疾患/福土 審
7.腸内細菌叢と肥満関連疾患/大谷直子
8.脳・腸相関(消化管ホルモン)がつなぐ運動と食欲・ダイエット/吉川貴仁
9.腸脳皮膚相関の現状/山田秀和

〔連載〕
弁護医師の法律ケミカルピーリング/田邉 昇
 第22回 ウェブでの悪口
4,400円
特集1●PRPの現在と未来
企画編集/久保田潤一郎

<特集にあたって>

 近年,PRPおよびPRP療法がメディアなどに取り上げられ,脚光を浴びている.火付け役となったのは美容分野におけるシワ,たるみ,ニキビ跡などへのPRP注射であった.いわゆるメソセラピーとしてPRPを皮内および皮下の浅層に注射する方法である.自己血液から作製されるPRPは安全性が高く,その注射法は効果があると認識している.最近は整形外科分野で爆発的にPRP療法が普及してきており,筋・腱・靭帯の損傷や変形性関節症に応用が試みられている.米国では手術療法の前の第一選択治療としてPRP療法が試みられているようである.
 一方,PRP療法は2014年11月25日に施行された再生医療等安全性確保法の第3 種再生医療等の認可が必要(関節内注射等は第2種再生医療等の認可が必要)となり,特定細胞加工施設届と再生医療等提供計画を提出し,厚生労働省に受理される必要がある.
 この度,PRP療法の現状を把握し,今後の展開について検討する機会を得たので,本件を企画編集することとした.

久保田潤一郎
(久保田潤一郎クリニック 院長)

<特集1 目次>
1.血小板,PRP(多血小板血漿)とは/久保田潤一郎
2.PRP療法の対象疾患とその効果/大城貴史,佐々木克己,大城俊夫
3.PRP注入による美肌効果,新規PRP作製キットとPRP治療の未来/松田秀則
4.育毛とPRP療法/杉野宏子
5.PRPの特別な使い方:林式PRPF法と未来/林 寛子
6.整形外科領域におけるPRP療法/小林洋平

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特集2●高齢者の美容医療
企画編集/植木理恵

<特集にあたって>

 16年前に順天堂東京江東高齢者医療センターで勤務を始めたときに,髪が豊かな82歳の女性が最近抜け毛が増えたと受診されたり,老人斑を加齢現象と説明すると,ものすごく落胆する患者さんや,「まだ高齢者ではないけれど受診できますか」と70歳の女性に尋ねられたり,いったい何歳から高齢者で,加齢変化を受け入れられるのかと驚きました.最近は,多くの高齢者を診察した経験や,自分も高齢者に近づいてきていることから,いくつになってもそれなりに美しくいたいものだと理解できます.
 日本人の総人口(推計1億2596万人)のうち,65歳以上の高齢者は3598万6千人(総人口比 約28.6%)で,総人口は前年に比べ減少していますが,65歳以上の人口は増加しています.また,女性では更年期となり体の変化を実感し,社会的にはアクティブに行動している50~64歳の人口は推計2338万人で,50歳以上が日本人の総人口の約47.1%を占めています.そして45~49歳が最も人口の多い年代となり,44歳以下は減少していきます.さらに令和元年に内閣府が作成した高齢社会白書によりますと,平均寿命は男性80.98歳,女性87.14歳,健康寿命は男性72.14歳,女性74.79歳と報告され,健康寿命も長くなっています.
 これらの数字から,今後30年は自立して行動できる健康な高齢者が増加し,社会参加も継続していくと考えられます.そうなると,健康に長生きするとともに,若々しく,美しくいたいと考える人々が増加するでしょう.今後,世界に先駆けて高齢化社会を迎えている日本において,美しく,歳を重ねていくことの手助けの一端を皮膚科医は担うものと期待します.そこで,私が女性のびまん性脱毛症の診察において,「全身の健康維持が美しい皮膚・頭髪をつくる」というコンセプトを重要に考えていることから,高齢者の美容医療においても,高齢女性の体の変化の特徴を理解し,健康を保つ抗加齢の最新食事情報や,高齢者に生じやすい化粧品や染毛剤のトラブル,積極的な美容医療の1つであるレーザー治療の注意点をそれぞれの専門の先生方にご執筆をお願いいたしました.全身管理も考えた高齢者への美容医療の参考にしていただければ幸いです.

植木理恵
(順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター 皮膚科 教授)


<特集2 目次>

1.高齢者が化粧品や染毛剤を選ぶときに気をつけること/関東裕美
2.高齢者に対するレーザー・光治療の注意点/尾見徳弥
3.加齢による女性の頭髪の変化と,エイジングヘアのケア/長瀬 忍
4.更年期以降の女性のヘルスケア/小川真里子,髙松 潔
5.アンチエイジングと食品/山田秀和


〔連載〕
弁護医師の法律ケミカルピーリング/田邉 昇
 第21回 安楽死・尊厳死
4,400円
特集●クマ治療
企画編集/加藤聖子

<特集にあたって>

 このたび「クマ治療」というテーマでの特集を組ませていただいた.
 「目の下のクマ」はその成因,分類,治療法においてじつに奥が深く興味深い分野である.三次元的に彫りが深くもともとが眼窩周囲に影の多い欧米人に比べ,平坦な顔立ちのアジア人にとって目の下に影があるのは目につく,非常に忌み嫌われる状態であり,目の下のクマの治療をしない日はないといってよいほどニーズの高い治療である.また同時にこの複雑で繊細な部位を完璧にスムースな表面に仕上げるためには美容外科医,美容皮膚科医に非常に高い技術が要求されるといえる.
 本誌は基本的には皮膚科医を対象としたものであるが,あえて眼窩形成外科医,形成外科医など他分野の医師にも執筆を依頼した.というのはどこまでが皮膚科的治療で改善できるものか,外科的治療で何ができるのかを知識として知っておくことは必須と考えたためである.
 また眼窩周囲は非常に複雑な構造から成り立っており,この解剖学的な知識なしには治療は成り立たない.下眼瞼の解剖についてはまだ統一見解のない部分もあるが,必要最低限の解剖学的知識はおさえておく必要があると考える.
 「目の下のクマ」の治療法は大きく以下の4種に分類される.
1)皮膚科的治療(生活指導,内服〔漢方薬を含む〕,塗布薬など)
2)レーザー,IPL,HIFU などによる機器を用いた保存的治療
3)ヒアルロン酸などによる注入治療
4)外科的治療
 上記いずれを選択するかは医者による診断だけでなく,患者からの要望との兼ね合いで決まる.外科的治療が必須と思われる症例でもこれを拒む例は多く,では1~3の治療法でどこまで改善できるのか,治療の限界を知って患者に伝えられるようにすることも必要である.
 しかしながらレーザー機器の進化,皮膚科と外科の狭間ともいえる注入治療技術の進歩により,従来は手術でなければ治療できなかった例も低侵襲の治療によってかなり改善が期待できるようになった.結果として上記1~4の治療法による結果は以前よりオーバーラップしてきた印象がある.今後それぞれの分野がさらに発展を遂げると,このオーバーラップはますます大きくなるものと期待される.
 目の下のクマについては,分類法もさることながら,解剖に関する解釈も執筆された医師によりさまざまであることがこの特集からおわかりいただけると思う.統一見解がないというのもこの部分の大きな特徴であると同時に,まだまだ発展途上の分野である印象がある.
 この号に紹介する治療法は現行での最新であることには間違いないと確信しているが,数年後にはまた違った治療法が提唱されていることも十分考えられる.これを治療法の進化と考え楽しみに待つこの頃である.

加藤聖子
(麻布ビューティクリニック)


<目次>

〔特集〕
1.皮膚科医の観点からみたクマの治療/堀内祐紀
2.皮膚科医の観点からみたクマの分類と治療~生活上の注意点などについて~/曽山聖子
3.フォトフェイシャルを用いたクマの治療/宗雪正美
4.機器を用いたクマの治療/黄 聖琥
5.クマの治療に必要な解剖の知識/鹿嶋友敬
6.ハムラ法+α・経結膜下脱脂術・P-PRP~私が行うクマの治療~/前多一彦
7.ヒアルロン酸注入によるクマの治療/井上詠子
8.目の下エリアのベビーコラーゲンブースター治療/入谷英里
9.注入によるクマの治療/加藤聖子

〔連載〕
弁護医師の法律ケミカルピーリング/田邉 昇
 第20回 診療中のセクハラ・わいせつ行為と言われないために
4,400円
特集●美容皮膚科医が知っておきたいメイクアップの知識
企画編集/山本晴代


<特集にあたって>

 皮膚科疾患はその症状が自己とともに相手からも「見える」という特徴があり,これが患者のQOLを低下させる大きな要因となっています.とくにざ瘡,アトピー性皮膚炎,血管腫,母斑や白斑などの色素性病変は,顔面に症状が認められる疾患でありQOLの低下は著しいです.
 近年,メイクアップの有用性の検討が多くなされており,メイクアップなどの化粧指導が治療の妨げにならず,むしろ患者QOLの向上に寄与することが確認されています.実際に美容皮膚科外来では,患者から普段のメイクアップやきれいに隠すためのメイクアップについて質問されることが多いです.医師の指導下にメイクアップの指導ができれば患者に安心感を与え,QOLの向上にも有効であると思います.
 本特集号ではメイクアップ化粧品の基本的な知識から,肌質や年齢,各疾患に応じたメイクアップについて,また接触皮膚炎などの副作用や最新知見についても解説をお願いしました.今後は医師も,化粧品業界と情報を共有しながら積極的にメイクアップ化粧品の知識や指導を行う技術を有する必要があると思っています.
 しかし,指導には時間がかかり診察と並行して行うことは困難な場合も多いです.よってメイクアップの指導箋やビデオ,専用Webサイトなどを活用したり,定期的な教室を開催したりするなどの工夫も必要と思われます.
 また,メイクアップ指導に対応していただける紹介先と連携しておくのも日常診療に役立つと思われます.
 本特集号が美容皮膚科に携わる先生方のお役に立てることを期待しております.

山本晴代(近畿大学病院 皮膚科)


<目次>

〔特集〕
1.化粧・メイクアップとは?その目的・意味/鈴森正幸
2.メイクアップ化粧品の種類と使用方法/村上有美
3.肌質と悩みに応じたメイクアップ/世喜利彦
4.加齢による皮膚の形状や色の変化とメイクアップ/沖山夏子,井上弥生
5.メディカルメイク1:色素異常症(母斑,血管腫,日光黒子,肝斑,白斑など)/山本晴代
6.メディカルメイク2:白斑/村井明美
7.ざ瘡のメイクアップ/白髭由恵
8.アトピー性皮膚炎のメイクアップ/小林美和
9.メイクアップ化粧品と肌トラブル/関東裕美
10.メイクアップ化粧品の最新知見/栃木匡人,篠田知明,東 竜太

〔連載〕
弁護医師の法律ケミカルピーリング/田邉 昇
 第19回 セクハラ!パワハラ! 院内のトラブル編
4,400円
特集●爪の治療・ケア
企画編集/関東裕美

<特集にあたって>

 爪の役割は普段あまり気がつかないものですが,最大の役割は手足作業時の補助として働くことでしょう.爪があるから力が入り,バランスを保ち立つことができる,物をつかむことができ,力を入れていろいろな作業ができるのです.爪は健康の指標でもあり,体の栄養状態,血流状態で爪の色や伸び方,形状が変化してきます.
 爪は,表皮が特殊に分化して作られたもので,髪の毛と同じ「ケラチン」と呼ばれる硬タンパク質から成り,炭素,酸素,窒素,水素,脂質,ミネラルなどさまざまな成分によって構成されています.爪は一般的な成人の場合,1日に0.1mm,1か月で3mmほど伸びるといわれています.爪の伸び方は季節や年齢によっても変化し,若ければ若いほど,夏に近いほど早く伸びるようです.内因性指標のみでなく,心因性反応が爪にみられることもあります.顔のみでなく手指爪は案外他人から見られているものであり,生活状況を反映するものでもあります.専門医の爪観察により皮膚疾患との関連や薬剤,化学物質との関与が見いだされることがあります.あるいはコントロール不良の糖尿病足では爪の感染をきっかけに足を失うこともあり,爪の色素病変からがんが見つかることもあるのです.
 近年ネイル美容はサロンで施術してもらうのみでなく,専用製品が市販されており幅広い年齢層で流行しています.付け爪の多くはアクリル樹脂製のネイルチップで,チップを付けるために自爪を長く伸ばしていると,自爪とジェルの間にできた隙間に水分が溜まり容易に感染を引き起こしてしまいます.人間が立位作業をするのに必要不可欠な爪が陥入して炎症を起こすと患者の生活の質が落ちてしまいますので適切な対処が望まれます.積極的がん治療で生命予後はよくなってきましたが,がん治療に伴う手足爪病変は患者に苦痛を与えます.ネイル美容による感染やアレルギーリスクに注意をしてネイルケアを行えば,難治性爪疾患の整容面や機能面改善にケアが役立つこともあります.日常診療でネイルケア指導に本書を有効活用していただけましたら幸いです.

関東裕美
(東邦大学医療センター大森病院 スキンヘルスセンター 臨床教授)


<目次>

〔特集〕
1.乾癬患者の爪病変とそのケア/橋本由起
2.歯科矯正器具の除去で軽快した小児爪扁平苔癬/岸部麻里,山本明美
3.爪の色素病変~爪甲下血腫,メラノーマの鑑別について~/岩澤うつぎ
4.爪の臨床からわかる健康状態/福田知雄
5.爪白癬とその治療~ネイルによる障害と関与について~/野村有子
6.グリーンネイルについて/小林寅喆
7.爪かみに対する心身治療/橋爪 誠
8.シアノアクリレート樹脂による接触皮膚炎/峠岡理沙
9.抗がん剤による爪障害へのネイルケア/原木久美
10.がん治療による爪囲炎・爪障害のケア/丸田章子
11.巻き爪・陥入爪とその治療/菊池 守
12.爪外傷とその治療/山本直人
13.糖尿病患者のフットケア,爪病変/岩渕千雅子
14.靴の選び方/吉本錠司
15.美容従事者が行うネイル技術とその実際/萩原直見

〔連載〕
弁護医師の法律ケミカルピーリング/田邉 昇
 第18回 Fire! 火事になるのはどっち?~労働問題・雇用関係編~
4,400円
特集●美容皮膚科と漢方
企画編集/野本真由美

<特集にあたって>

 美容皮膚科は,外側から皮膚を美しくすることが主な仕事である.スキンケア・メイクの指導,外用療法,レーザー・光治療などによる治療を行い,主に顔面における疾患および肌質の改善,シワやたるみといった容貌の改善を得意とする.西洋医学は原因を特定し,それを取り除いて解決することが得意であり,この方法で悩みを解決できるのが最も早い解決方法であるのは事実である.しかし,ざ瘡,酒さ,アトピー性皮膚炎など,慢性炎症性疾患に伴う顔面の赤みや,体質や年齢が関与した赤ら顔の解決策は,西洋医学的アプローチだけでは難しいことも多い.このようなとき,日本の伝統医学である漢方医学を併用するという方法がある.
 漢方医学は,個人の体質を考えながら,気・血・水や五臓といった漢方医学ならではのものさしを用いて心と体のバランスを中庸へ導く.実臨床では,美容皮膚科治療が奏功しやすいように「生体側を整えておく」という考え方で併用するとよい.「どんな皮膚の状態に治療をしているか」を常に考えながらレーザー・光治療を行えば,治療効果はより安定し,副作用のリスクが減少する.
 本誌では,漢方医学では皮膚をどう捉えるのか,アンチエイジング医学にどう寄与できるのか,ざ瘡や瘢痕,ケロイド,酒さ,アトピー性皮膚炎という慢性炎症性疾患に漢方薬をどう使うのか,冷え性から起こる美容面のトラブルに漢方薬をどう使うのか,体型のコントロールに漢方薬をどう使うのか,各々プロフェッショナルの先生からご執筆いただけることになり,感謝の気持ちでいっぱいである.医学雑誌でこのような特集が組まれることはおそらく初めてであるため,本誌をたくさんの方に読んでいただければと思う.西洋医学と漢方医学の併用療法は,「日本独自の考え方」を医療に生かしたものであり,「生体側を整えてから治療を行う」ことが今後日本だけでなく世界に伝わることを,心から願う.

野本真由美
(野本真由美スキンケアクリニック 総院長,野本真由美クリニック銀座 院長)


<目次>

〔特集〕
1.美容皮膚科と漢方/野本真由美
2.統合医療としての漢方医学の形/安井廣迪
3.アンチエイジングと漢方/山田秀和
4.尋常性ざ瘡と漢方/許 郁江
5.難治性ざ瘡関連疾患と漢方/黒川一郎
6.瘢痕/ケロイドと漢方/池野由佳
7.酒さの治療~漢方とスキンケアを中心に~/吉木伸子
8.アトピー性皮膚炎と漢方/三澤 恵
9.冷え症(性)と漢方/岡村麻子
10.ダイエットと漢方/青山重雄


〔連載〕
弁護医師の法律ケミカルピーリング/田邉 昇
 第17回 新しい落とし穴~再生医療法・臨床研究法~
4,400円
特集●美肌と栄養~美容皮膚科医が知っておきたい栄養素の必要量・生理機能と食品機能性成分~
企画編集/柴田克己


<特集にあたって>

 この特集は,栄養学者が,美容皮膚科医に知っておいてほしい栄養学の知識をまとめたものである.皮膚は常に外界との接触で痛めつけられており,修復するために,また正常に皮膚細胞を再生するための基本材料となる栄養素が必要である.栄養素とは,人が正常に生育するために必要な化学物質である.我々は,通常,「生き物」を栽培・加工・調理することで「食べ物」に変えたのち「食べること」で,栄養素を摂っている.栄養素は大きく分けると,エネルギーの共通通貨と称されるATPを産生する原料となる糖質・脂肪・タンパク質と呼ばれる主要栄養素と,これら主要栄養素を代謝するために必要な触媒として機能する微量栄養素と呼ばれるビタミン・ミネラルがある.きれいな肌を維持する極意は,刻々と変わる近部外部環境と体内環境を常に至適条件に維持することにある.簡単な文章にすれば,「栄養素をバランスよく摂取する」ことである.
 具体的に「栄養素をバランスよく摂取する」ためにはどのような知識が必要であるのか? 一言でいえば,厚生労働省が策定している『日本人の食事摂取基準』に記載された栄養素を摂取することである.『日本人の食事摂取基準』には,食事(食べ物を食
べること)による栄養素摂取基準が,ライフステージごと,男女別ごとに1日当たりの値として記載されている.『日本人の食事摂取基準』にかかわった研究者が,美肌というキーワードでまとめたのが本特集である.これら5つの栄養素には属していないが,栄養素の消化・吸収,体内分配,細胞内での代謝,そして体外排出の過程に影響をおよぼす化学物質がある.食物繊維,抗酸化成分,腸内細菌叢改善成分などである.これらは食品機能性成分と呼ばれている.肌をきれいに維持するには,栄養素と栄養素の「体内運命(消化・吸収,体内配分,代謝,排泄の過程を意味する)」に影響をおよぼす化学物質を適正に摂り続けることが大切である.本特集を読めば,きれいな肌を保つ基本となる栄養学を知ることができる.

柴田克己
(甲南女子大学 医療栄養学部 医療栄養学科 教授)


<目次>

〔特集〕
1.生涯にわたって健康を維持するための栄養素必要量/柴田克己
2.健やかな肌を維持するためのタンパク質・アミノ酸のはたらき/木戸康博,小川亜紀
3.皮膚を健全に保つための脂質の生理機能/菅原達也
4.美肌に関係する炭水化物の生理機能/早川享志
5.美肌に関係する脂溶性ビタミンの生理機能/津川尚子
6.美肌に関係する水溶性ビタミンの生理機能/福渡 努
7.多量ミネラルと皮膚/上西一弘
8.美肌と微量ミネラル/吉田宗弘
9.美肌に関係する食品機能性成分の生理機能1~食品抗酸化物質「カロテノイド」は皮膚の光老化を抑える~/寺尾純二
10.美肌に関係する食品機能性成分の生理機能2~ポリフェノール~/川畑球一
11.美肌と機能性糖質/吉岡泰淳
12.美肌と核酸/西本幸子
13.栄養素とシミ予防/伊美友紀子


〔連載〕
弁護医師の法律ケミカルピーリング/田邉 昇
 第16回 広告宣伝バーゲンセールにパッケージ~景表法と特商法~
4,400円
特集●統合医療における美容医療~サプリ・漢方・化粧品・プラセンタ・美容鍼・ドラッグデリバリー~
企画編集/尾見徳弥

<特集にあたって>

 美容皮膚科領域の治療は,1990年代に新たなレーザー治療の開発によって大きな効果を上げられることで大きな発展を示した.現在ではレーザーのみならずIPLと総称されるブロードバンドの波長の装置や高周波(RF),超音波などを用いた装置の開発で美顔や痩身に対して大きな効果を上げるに至っており,厚生労働省による医療機器としての美容を目的とした機種の認可もすすんでいる.また,シワ治療に用いるボツリヌス菌毒素や注入療法に用いられるヒアルロン酸なども医薬品として認可されてきている.
 一方で,ここ数年,「アンチエイジング」や「美白」を目指すスキンケア化粧品のヒットが相次ぎ,エイジングケアや美白効果を特徴とする機能性化粧品市場が伸びている.こうした市場環境を背景に,大手化粧品メーカーに加え,異業種からのアンチエイジング市場への参入も目立ち,いわゆる「機能性化粧品」という表現がマスコミなどでも取り上げられるようになり消費者にも一般的になってきた.しかしいわゆる,化粧品といわれるものは,薬事法では「化粧品」と「医薬部外品」が規定されており,「機能性化粧品」という分類はない.
 「化粧品」は肌の保湿や,清浄など,製品全体としてその効果が期待され,「医薬部外品」は「薬用化粧品」とも通称されるが,化粧品としての期待効果に加えて,肌あれ・ニキビを防ぐ,美白,デオドラントなどの効果を持つといった「有効成分」が配合され,化粧品と医薬品の間に位置づけられている.いわば「医薬品」と比べてその作用が穏やかなものである.
 この点からみると機能性化粧品は,医薬部外品に分類されるように思われるが,法律的にはあいまいである.たとえば美白成分が含まれている場合,医薬部外品ならば,メラニンの生成を抑え,シミ・そばかすを防ぐといった表現をすることが認められている.しかし,化粧品では美白表現である「美白効果」「ホワイトニング効果」を表現することはできず,メーキャップ効果により肌を白くみせる旨の表現のみで,具体的には「塗ればお肌がほんのり白く見える美白ファンデーションです」や「シミ,ソバカスをきれいに隠し,お肌を白くみせてくれます」といった表現しかできない.ところが,ハイドロキノンといった美白効果のある成分を含んだ製品が「化粧品」として大手化粧品会社からも販売されている.
 海外でも個々の国によって法律は異なるが,この機能性化粧品はCosmoceuticalsとして認知され,米国ではFood, Drug and Cosmetic(FDC)Actによって規定され,またEUでもデータの提出を求められ,やや医薬品としての効果に近いものとなっている.
 今回は,これら機能性化粧品について実際に開発に携わっている方々を主に執筆者として成分,エビデンス,有効性,安全性に関する原稿を依頼した.
 また,併せて,近年,サプリメントに対する需要も高まっており,ビタミン剤含有にとどまらず,さまざまなエキス成分の配合もなされ,従来の美顔効果や痩身効果だけでなく,いわゆる「痩せるチョコレート」「飲む日焼け止め」といった商品も開発され大きな市場を形成している.さらに漢方薬,プラセンタ,美容鍼,ドラッグデリバリーを用いた治療についてもその道で経験の深い第一人者に執筆を依頼した.
 これにより,大規模臨床試験やプラセボ対象試験があまり実施されておらず,医学的なエビデンスがあまり高いとされない施術や治療に対する理解と実践の一助になれば幸いである.

尾見徳弥
(クイーンズスクエアメディカルセンター 皮膚科 部長,日本医科大学 皮膚科 客員教授)


<目次>

〔特集〕
1.サプリメントの法的位置づけと現状/尾見徳弥
2.美容関連の健康食品やサプリメント/黒野昌洋
3.経口摂取型日焼け止めの効果と注意点/久米利明,髙鳥悠記
4.漢方を用いた美容医療/福田枝里子,馬場正樹,矢久保修嗣
5.バスケットウィーブ角層の発達に着目した化粧品/多田明弘
6.化粧品開発における皮膚計測法について/樋口美雪
7.化粧品開発における安全性/伊藤正俊
8.化粧品の乾燥によるシワを目立たなくする効果,部外品のシワ改善/濵田和人
9.化粧品,医薬部外品による美白/船坂陽子
10.頭皮の測定,育毛剤/濵田和人
11.プラセンタ療法による美容医療/渡邊千春
12.美容鍼総論~市場・種類・作用機序・安全性・美容医療との併用~/岡本真理,折橋梢恵,光永裕之,川畑充弘
13.シリンダーチップおよびフラクショナルマイクロニードルRFを使用したPLLA(ポリ-L-乳酸)ドラッグデリバリーによる萎縮性瘢痕治療の臨床経験/Dr. Seok Bae Seo


〔連載〕
弁護医師の法律ケミカルピーリング/田邉 昇
 第15回 医師法17条~その施術,先生がしなくて大丈夫?~
4,400円
特集●22の症例でみる注入治療
企画編集/征矢野進一

<特集にあたって>

 注入治療は1900年以前も存在していたが,安全性などに問題があり,広く浸透する治療ではなかった.1977年に米国でウシ由来コラーゲン製剤が臨床応用に使われ始めて,それ以降1986年からは日本でも厚生省の承認を受けた.私は1984年の治験から携わっているが,当時はこれほど世界に広がるとは思っていなかった.この製剤は吸収されるために安全性が高く,アレルギー反応を起こす確率は3%くらいであったので,事前の皮内テストにより安全に施術できる患者を選択できた.欠点としては多くの患者では半年程度の効果であったため,長期の治療効果はなかった.
 ボツリヌストキシンやヒアルロン酸製剤がその次に市場で販売されるようになった.表情筋への効果がみられるボツリヌストキシンや,皮内テストが不要のヒアルロン酸製剤により一気に臨床応用が広がっていった.ヒアルロン酸製剤も架橋の程度によりさまざまな種類の製剤が存在する.1か月程度で吸収されるものから,数年程度持続するものまである.
 自分の血液から採取した血小板を高濃度で利用する方法や脂肪注入は古くからも使われていたが,美容医療に応用され始めたのも上記の治療とほぼ同じ時期であった.最近ではポリカプロラクトン製剤やアガロースを成分とする注入剤も販売されている.
 日本で入手できる注入材料を適切に使用して,美容医療に使うために,それぞれの特徴を知って適応を選んで用いることが,大切であると思っている.
 上記注入材料に詳しい専門家に依頼して,その特徴や使い方,注意点などを解説していただくことが本書の特集の目的である.これから注入治療を始める先生方や,すでに治療を行っているが,もっと知りたいことがあると思われる先生方にとって参考になれば幸いである.

征矢野進一
(神田美容外科形成外科医院 院長)


<目次>

〔特集〕
1.コラーゲンによる顔のシワや陥凹の治療/征矢野進一
2.ヒアルロン酸:深部注入/岩城佳津美
3.ヒアルロン酸:真皮内微細注入/一瀬晃洋
4.ベビーコラーゲンブースター療法/池田欣生
5.長期持続型ヒアルロン酸の使い分け/望月香奈
6.ボツリヌストキシン:眉間・目尻などのシワ治療/古山登隆,井上 香
7.ボツリヌストキシン:エラ・顎の治療/岡田 雅,衣笠哲雄
8.PRPF/亀井康二,瀬戸彩乃,木村哲治
9.アガロース/清水祐紀
10.吸収性高分子ポリマー注入製剤 ポリカプロラクトン/宮田成章
11.脂肪注入療法/市田正成

〔連載〕
弁護医師の法律ケミカルピーリング/田邉 昇
 第14回 クリニックのガバナンスを考えてみよう 医療法人制度
4,400円
特集●レーザー治療の実践~エキスパートにコツを学ぶ~
企画編集/長濱通子

<特集にあたって>

 レーザーとは? この質問に即答できる人は案外少ないかもしれません.
 レーザーというと一般には機器の名称と誤認されていますが,レーザーはLight Amplification by Stimulated Emission of Radiation の頭文字を取って作られており,誘導輻射によって増幅した光を指す造語です.1960 年にドイツ人Maimanによってルビーレーザーが開発されましたが,レーザーが皮膚科形成外科領域で有効な医療として用いられるようになるまでには長い時間がかかりました.1984年にRox Anderson らによってselective photothermolysisというレーザー光を用いた治療に関する概念が提唱され,90年代以降この概念に基づいたレーザー機器が開発され進化をとげてきました.今ではいろいろなレーザーが種々の疾患の治療に利用されています.一口にレーザーといっても,波長やパルス幅などの違いによってさまざまなレーザー機器が存在しています.レーザー治療を始めてみようと思っても一体何から始めたらいいのか,どんなレーザーをどのように使用したらいいのか,レーザー治療は皮膚に対する侵襲を伴うため成書の知識だけでは物足りないと感じることも多いと思われます.
 たしかにレーザー治療に関する本や雑誌も増え,レーザーメーカーやレーザー機器が雑多となる一方,実際のレーザー治療を学ぶ,治療のコツを知るという機会はあまりなく,自身の経験値を糧に日々の診療を行われている先生方も多いのではないでしょうか?
 今回の特集号では,成書にはなかなか記載されていないレーザー治療のポイントをつかんでいただくために,レーザー治療が行われている9つの題目(1.太田母斑・異所性蒙古斑,2.乳児血管腫・毛細血管奇形,3.扁平母斑,4.シミ:老人性色素斑・肝斑,5.爪白癬・尋常性疣贅,6.ざ瘡・ざ瘡性瘢痕,7.赤ら顔:酒さ,8.ほくろ・脂漏性角化症,9.刺青)について,それぞれのエキスパートの先生にレーザーを用いた実際の治療法について,また治療を行う際のコツについての解説をお願いいたしました.治療経験豊富な先生方の解説が診療における疑問点解決の糸口になることを願っております.
 最後になりましたが,今回の特集号によってレーザー治療を正しく理解していただき,お手にとられました先生方の診療のグレードアップにつながれば幸いです.

長濱通子
(神戸百年記念病院 皮膚科・美容皮膚科 部長)


<目次>

〔特集〕
1.太田母斑・異所性蒙古斑に対するレーザー治療/長濱通子
2.乳児血管腫・毛細血管奇形(単純性血管腫)に対するレーザー治療/岸 晶子
3.扁平母斑に対するレーザー治療/遠藤英樹
4.シミ:老人性色素斑・肝斑・光老化に対するレーザー治療/船坂陽子
5.爪白癬・尋常性疣贅に対するレーザー治療/木村有太子
6.ざ瘡・ざ瘡性瘢痕に対するレーザー治療/大城貴史,佐々木克己,崎尾怜子,大城俊夫
7.赤ら顔:酒さに対するレーザー治療/上中智香子
8.スキャナー搭載炭酸ガスレーザーによる脂漏性角化症・色素性母斑の治療/乗杉 理
9.刺青に対するレーザー治療/宮田成章

〔連載〕
弁護医師の法律ケミカルピーリング/田邉 昇
 第13回 乳房をめぐる裁判例
4,400円
特集●痩身治療の「今」を知る!
企画編集/宮田成章

<特集にあたって>

 近年,美容医療は興隆を極め,多くの医療機関がさまざまな治療を行っている.わが国においては主として顔面の美容治療がほとんどを占めているが,欧米においては顔面以外の治療により高い関心が向けられている.とくに痩身治療は,BMIの高い欧米ではアジア各国と比較して切実な悩みとなっている.脂肪吸引手術は統計的にもより多数の施術が行われている.そして当然ながら非外科的・非侵襲的な痩身治療にも関心が高い.機器や注射剤などである.
 とくに機器による治療はレーザー,高周波,超音波,冷却など実にさまざまなアプローチが行われている.販売台数も非常に多く,美容医療の新しい分野として大きなウェイトを占めている.先日は某社の痩身機器において米国の有名女優がアンバサダーに就任したという話も聞いている.
 一方でわが国においては,患者の多くは部分痩身とダイエットつまり体重減少を混同し,時にその効果を正当に評価できていないようである.エステティックサロンやトレーニングジムで行われる痩身は体重減少とともにボディラインを作ることを主眼とするが,我々美容医療領域で行う痩身治療は基本的に部分痩身,局所の皮下脂肪減少である.食事制限や運動が伴わないかぎり体重減少に関しては大きな期待を持ってはいけないのが痩身治療の難しいところである.
 さて,医療者側は正しく理解しているだろうか.私自身,この数年間アジア各国で部分痩身の総論も含めた講演をしてきたが,アジア各国の医師は部分痩身への関心が薄く,理解に乏しい.BMIの低いアジアではきれいなボディラインよりも「痩せる」ことに関心が高く,スタイルよりも体重減少に重きを置いている印象がある.
 患者に対する説明が正しく行われないかぎり,患者満足度は上がらない.しかし,痩身に関してまとまった内容の書籍は非常に少ないのが現状である.理解したくてもそれを学ぶ手段がない.今回の特集においては,脂肪組織の基礎的な話にはじまり,部分痩身とは何なのか,現在行われている主だった治療法に関してそれぞれの著者に執筆いただき,さらには外科的手法である脂肪吸引に対する知識や,本来の正しい痩身である運動と食事についても触れることによって,痩身・部分痩身を総合的に理解するための一助となるよう編集を心がけた.

宮田成章
(みやた形成外科・皮ふ科クリニック 院長)


<目次>

〔特集〕
1.脂肪細胞の増殖と分化/杉原 甫
2.痩身治療 総論/宮田成章
3.冷却機器による痩身/野本真由美
4.レーザー機器による痩身/奥 謙太郎
5.HIFU 機器による痩身/西川雄希
6.高周波+超音波機器による痩身/河村優子
7.高密度焦点式電磁機器による痩身/荒尾直樹
8.注射剤による痩身/谷 祐子
9.脂肪吸引による痩身/酒井直彦
10.食事,運動による痩身/青木 晃,森本義朗,江口康二

〔連載〕
弁護医師の法律ケミカルピーリング/田邉 昇
 第12回 包茎手術・男性の美容関連医療の事件
4,400円
特集●毛髪医療 Up to date
企画編集/武田 啓

<特集にあたって>

 さまざまな生物学的な機能を持つ毛髪ですが,現代人にとっては自己表現の1つでもあります.このため,脱毛は見た目の問題としても時に深刻な悩みとなります.こういった背景から医療者のみならず患者にとって,また美容的な観点からも毛髪医療は関心の高い分野です.一方で,医学的に効果のないと考えられる育毛法も存在しており,皮膚科医や形成外科医だけでなく医療にかかわる多くの方々に毛髪医療の現状を理解していただくことは重要です.
 毛は毛周期という発生段階と同じような現象を持つ特殊な器官でもあります.浅い熱傷の表皮は再生しますが,その細胞は毛包を含む皮膚付属器から供給されます.そして,毛包には心筋や神経などに分化する多分化能を有する細胞も存在しており,これらのことから再生医療分野の研究対象としても注目されてきました.
 臨床では2010年に日本皮膚科学会により「男性型脱毛症」と「円形脱毛症」に関するガイドラインが作成されました.ガイドラインは医療者と患者の双方に標準的な治療を提示することで治療の水準を上げることに貢献してきたといえます.そして2017年には新しい概念や治療などについても追加されこれらの改定が行われました.我々はガイドラインについて改定された内容も含め知っておかなければなりません.
 今回の企画では円形脱毛症,男性型脱毛症,その他の脱毛症に関する基本的知識を整理し,日常診療にも役立つ最新の情報をコンパクトにまとめることを目的としています.すべてを網羅することは困難ですが,それぞれの脱毛症の病態,ガイドラインに基づく治療や新規の治療の解説を中心に構成されています.進行した例や病態によっては内科的な治療にも当然限界があります.自毛植毛の手術も毛髪の植え替えであり数を増やすことはできません.医学的な限界が効果のない育毛法が存在する理由にもつながってしまいます.このようなことから次なる治療の1つとして再生医療が期待されています.この分野の最新の研究動向についてもご解説いただきました.

武田 啓
(北里大学医学部 形成外科・美容外科学 主任教授)


<目次>
〔特集〕
I.円形脱毛症
 1.病態/伊藤泰介
 2.治療/原田和俊
II.男性型脱毛症
 1.病態/福山雅大,大山 学
 2.内科的治療/齊藤典充
 3.外科的治療/長井正寿
 4.その他の治療法~LEDとウィッグ~/乾 重樹
III.その他の脱毛症/内山真樹
IV.毛包再生医療の現況/佐藤明男

〔連載〕
弁護医師の法律ケミカルピーリング/田邉 昇
 第11回 重瞼をめぐる裁判例
3,960円
特集●アトピー性皮膚炎~基礎から最新知見まで~
企画編集/本田哲也,椛島健治

<特集にあたって>

 アトピー性皮膚炎は,皮膚科領域で最も頻度の高い慢性炎症性皮膚疾患です.患者さんの皮膚は乾燥し,強いかゆみを伴う紅斑が全身に広がります.発症は小児期から成人まで幅広く,学業,就労,日常生活など,あらゆる面で患者QOLは著しく障害され,その適切なコントロールはきわめて重要な課題となっています.
 “アトピー”という名前は,もともと「奇妙な」「特定されていない」というギリシャ語の「アトポス」をもとにしているとされています.その名のとおり,アトピー性皮膚炎の病態は長らく不明であり,治療もステロイド外用薬をはじめとした,非特異的な免疫抑制剤が中心となってきました.それら免疫抑制剤は,たしかに一定の治療効果を発揮し,現在でも治療の中心的存在ではありますが,反面,長期使用による皮膚萎縮など,さまざまな副作用が問題となっており,病態生理に基づいた新しい治療薬の開発が,患者・医療者双方から,長年強く期待されていました.
 従来,アトピー性皮膚炎の病態は不明ながらも,喘息や食物アレルギーなどアレルギー疾患の合併が多いことから,アレルギーの観点から多くの研究が進められてきました.また,アトピー性皮膚炎患者さんは乾燥肌を多く認めることから,皮膚のバリア機能の異常の観点からも研究が展開されてきました.そしてアトピー性皮膚炎の病態は,「皮膚バリア機能の異常」と「免疫学的な異常」が相互に影響し合うことで形成されると考えられてきました.しかし,それら異常の本質が何であるかは,不明なままでしたさらに,アトピー性皮膚炎のかゆみは,抗ヒスタミン薬などの通常の止痒薬ではコントロールが困難な難治なかゆみであり,患者QOL障害の大きな要因でありましたが,その本態は不明なままでした.
 しかし近年,これらアトピー性皮膚炎の病態理解は,新規細胞サブセットの発見,新規動物モデルの開発,臨床サンプルを用いた大規模解析などにより,大きく変革・進歩してきました.さらには,デュピルマブ(抗IL-4Ra抗体)を代表とする新薬の登場により,その本質的病態がますますクリアになり,アトピー性皮膚炎病態の理解は現在,加速度的に進歩しています.
 本特集では,それら進歩するアトピー性皮膚炎の最新の臨床,基礎的病態について,それぞれの分野において第一線でご活躍されている先生に執筆を依頼しました.本特集が,先生方のアトピー性皮膚炎の病態理解と臨床現場での一助となれば,幸いです.

本田哲也
(京都大学大学院 医学研究科 皮膚科学 講師)
椛島健治
(京都大学大学院 医学研究科 皮膚科学 教授)


<目次>

〔特集〕
1.アトピー性皮膚炎 総論~臨床と病態~/本田哲也
2.アトピー性皮膚炎の診断と検査/谷崎英昭
3.アトピー性皮膚炎の外用治療/益田浩司
4.アトピー性皮膚炎と皮膚バリア機能/福島彩乃,川崎 洋
5.アトピー性皮膚炎のかゆみの本態/中原真希子
6.アトピー性皮膚炎の免疫学的病態/今井康友
7.小児アトピー性皮膚炎の特徴/堀向健太
8.アトピー性皮膚炎の新薬と今後の展望/本田哲也


〔連載〕
弁護医師の法律ケミカルピーリング/田邉 昇
 第10回 損害論 ~その傷いくら?~
3,960円
特集●季節に応じたスキンケア〔夏編〕~夏に美しい肌~
企画編集/上田由紀子

<特集にあたって>

 四季のある日本では,季節によって必要なスキンケアが変化します.今回の特集は,「夏に美しい肌」というテーマで各専門家の方に教えていただきました.洗顔,保湿,紫外線予防といった基本的なスキンケアは年間を通して必要ですが,やはり暑くて汗をたくさんかく季節に,休暇や旅行で違った環境に出かける機会もあると思うので,夏にふさわしい話題を集めてみました.
 スキンケアについて皮膚科医がエビデンスに基づいて解説するのはあたりまえの時代になりましたが,美しい肌を保つためにもっと幅広い分野の専門家が日々研究されていることを女性誌などで知る機会があります.どのような化粧品を使用すればよいのか?洗顔やマッサージの正しいテクニックなどはもちろん,適度な運動によって肌の調子が整うこと,栄養のバランスも肌のコンディショニングとして大切であること,大腸を整えると肌がきれいになること,夏に相談の増える皮膚トラブルの対処法など,さまざまな研究が進められています.
 皮膚科専門医として,こういった知識をきちんと知っておくことは,患者さんに対して説明するときにも役に立つと思います.日々,少しでもより美しい肌を求めて努力している人々に対して,幅広い分野からアドヴァイスができれば,私たち皮膚科医の診療もより楽しくてハッピーなものになると思います.
 私たち皮膚科医の努力もあって,スキンケアは,今の時代,老若男女を問わず,関心の高い分野だと思います.肌のトラブルを診断,治療することはもちろんですが,よりきれいに治す,次のトラブルを生じないように肌のコンディショニングを指導する,さらに,生活環境についてアドヴァイスできれば,皮膚トラブルだけでなく,その方の健康状態全般をサポートできる,と思うのです.私事ですが,20年ほど前からトップアスリートたちの皮膚トラブルやスキンケアについて国立スポーツ科学センターで相談にのっておりますが,彼らもスキンケアには関心が高く,「肌のコンディションがよければ,競技のパフォーマンスもよい」との意見をたくさんいただいています.今回の特集が少しでも皆様の日常診療のお役に立ち,先生を信頼して訪ねていらっしゃる患者さんたちの人生のパフォーマンスを高めることができれば,幸いです.

上田由紀子
(ニュー上田クリニック 院長)


<目次>

〔特集〕
1.夏休みにお勧めの美容医療~夏の美肌を手に入れる~/星野雄一郎,畑 三恵子
2.スポーツ時のサンスクリーン剤の活用/村上有美
3.腋臭症(わきが)治療/松川 中
4.髪の手入れ/植木理恵
5.夏に多い接触皮膚炎/関東裕美
6.ムダ毛処理の正しい方法/船坂陽子
7.夏を美しく乗り切るためのインナーケア/森 東沙
8.大腸を整えると美肌になる?/雪下岳彦,小林弘幸
9.化粧水の選び方,使い方/河合江理子
コラム:カメラワークはスキンケアの仕上げ/上田由紀子

〔連載〕
弁護医師の法律ケミカルピーリング/田邉 昇
 第9回 因果関係論~風が吹けば弁護士儲かる~
3,960円
特集●美容皮膚科医が知っておくべき化粧品の知識
企画編集/菊地克子

<特集にあたって>

 美容皮膚科を受診する患者のなかには,我々皮膚科医が圧倒されるほどに化粧品に関する知識を豊富に持つ女性がいます.自身が化粧品フリークであったり,美容家という肩書きを持つ人々の記事やオピニオンを参考に化粧品の知識を得ているものと思われます.このような受診者に対して,我々皮膚科医,とくに美容皮膚科の診療を行っている皮膚科医は,化粧品に対する確かな知識を持ちながら,ある程度の化粧品のトレンドも知っている必要性を感じています.
 化粧品とは,体を清潔にしたり,見た目を美しくしたりする目的で,皮膚などに塗布などするもので,作用の緩和なものをいいます.いわゆる基礎化粧品,メイクアップ化粧品,シャンプーや洗浄剤,その他デオドランド剤などが含まれます.このように,化粧品は日々のスキンケアから魅力的に魅せるためのメイクアップまで幅広く用いられています.
 皮膚科医が考える基本のスキンケアは,皮膚を清潔に保つ適切な洗浄,皮膚に潤いを与える保湿,紫外線障害から皮膚を守る紫外線防御ですが,美容皮膚科領域となると,美白化粧品や抗シワ化粧品などの機能性化粧品による積極的な美肌のスキンケアも含まれるでしょう.最近の抗老化の機能性化粧品の進歩はめざましいものがあり,シミ・シワ治療希望の患者には,美容皮膚科での治療の一助として,美白化粧品や抗シワ化粧品などの機能性化粧品が用いられています.男女問わず尋常性ざ瘡や若いなりの肌悩みを持つ患者の診療にあたっては,ざ瘡をよくするために,あるいは皮脂分泌や毛穴の開きを目立たなくするためにどのようなスキンケアがよいのかなどと頻繁に問われます.
 美容皮膚科の診療を行ううえで,患者には,適切な洗浄,保湿,紫外線防御をしていただくことが必要です.本号では,これらのスキンケアを行うために欠くことができない,洗浄剤,保湿剤,サンスクリーン剤についての正しい知識を持つための項を設けました.洗浄剤と保湿剤については,それぞれに詳しい先生方に解説をお願いし,サンスクリーン剤については,現在日本香粧品学会でサンスクリーン効能表現改訂検討委員の一員である菊地が担当いたしました.
 近年は,きれいになりたい男性も増えてきました.ひげ剃りなどの日常整容に用いる化粧品だけでなく,脂性肌やにおいを気にして専用の化粧品を使用している男性も少なくありません.女性の皮膚科医は男性の日常整容行為や男性の肌悩みに疎い面がありますので,男性化粧品についても解説をお願いしました.
 最後に,皮膚科医としては,化粧品の効果だけでなくその副作用や有害事象を知る必要があります.旧茶のしずく石鹸や美白剤ロドデンドロール(ロドデノール)による皮膚障害は社会的に大きな問題になりました.化粧品による接触皮膚炎など,化粧品で生じる皮膚障害について解説をお願いしました.
 本特集号が美容皮膚科に携わる先生方のお役に立てることを期待しております.

菊地克子
(廣仁会 仙台たいはく皮膚科クリニック 院長,東北大学医学部 非常勤講師)


<目次>

〔特集〕
1.化粧品・香粧品とは/片桐千華
2.洗浄剤/山下裕司,坂本一民
3.保湿剤/平尾哲二
4.制汗デオドラント剤/長嶋慎一
5.男性用化粧品/岡島孝雄
6.ニキビや毛穴の開きが気になるひとへの化粧品/小林美和
7.サンスクリーン剤/菊地克子
8.シワが気になるひとへの化粧品/礒田隆宏,斉藤優子
9.シミが気になるひとへの化粧品/佐藤 潔
10.化粧品障害/矢上晶子

〔連載〕
弁護医師の法律ケミカルピーリング/田邉 昇
 第8回 説明義務違反~さまざまな裁判例~
おすすめの購読プラン

商品情報・内容

  • 出版社:医学出版
  • 発行間隔:隔月刊
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■ エビデンスに基づく知識から最新トピックスまで!美容皮膚科領域のニーズに応える専門誌

近年、美容皮膚科領域の治療は大きく発展し、その重要性は増しつつある。社会的にも広く受け入れられてきているが、一方で健康被害などの問題も生じている。今こそ、美容皮膚科領域の進歩と問題点に向き合う、新たな雑誌が必要とされている。本誌はそのようなニーズに応える雑誌を目指し、毎号さまざまなテーマを大ボリュームの特集形式で取り上げ、深く切り込んでいく。また、フルカラーの豊富な図版・写真で、ビジュアル的にもわかりやすく情報を伝えていく。

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