美容皮膚医学 BEAUTY 発売日・バックナンバー

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4,400円
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特集●男性型・女性型脱毛症の治療とケア―現状と未来―
企画編集/乾 重樹

<特集にあたって>

 1996年から2年間,米国のウィスコンシン大学,ロチェスター大学に留学しておりました.ボスはアンドロゲン受容体をクローニングした先生で,わたしの研究は前立腺と皮膚における核内レセプターについてでした.米国ではプロスカーという名称で前立腺肥大の治療薬フィナステリド5mg 錠がすでに発売されていました.留学中の1997年に低容量の1mg錠を男性型脱毛症の治療薬としてFDAが承認しました.研究室でもそれはしばしば話題となり,基礎研究者であったボスからも「フィナステライ(英語ではそんな感じの発音になります)は効くのか? 副作用はないのか?」としつこく聞かれたことを懐かしく思い出します.臨床医だから知っているだろうと思われたのだと思いますが,いかんせん留学に出発した1996年の日本では,男性型脱毛症は皮膚科の臨床においては治療の対象ではなかったのです.したがって,そんな質問には答えようがありません.留学から帰国して数年,2005 年に日本でもフィナステリドが上市され,男性型脱毛症は皮膚科で治療する疾患になりました.その後種々治療法が加わり,2010年,2017年には日本皮膚科学会より診療ガイドラインが発表されました.エビデンスの乏しい施術が横行していた状態がEBMという基準のもとに整理され,「何が標準で,何が規格外か」を明確に示したその役割はきわめて大きなものでありました.しかし,ガイドラインの表現はやや堅苦しく,新しく生じたすき間的な疑問や興味に必ずしも答えてはくれません.
 そこで本特集は,男性型脱毛症・女性型脱毛症をメインに,病態,治療法,ケアの現状を新しい切り口で解説し,さらに毛髪再生という未来の問題についても議論することをねらいとしています.各々の論点につき,日本を代表し,さらに世界的にも有力なエキスパートの先生方にわかりやすく解説を書き下ろしていただきました.執筆陣の熱意ある筆致と息吹を感じ取っていただければと思います.コロナ終息となった学会場で,読者と執筆者の皆様が本特集をネタに楽しい議論ができることを心より願っています.

乾 重樹(大阪大学大学院 医学系研究科 皮膚・毛髪再生医学(アデランス)寄附講座 特任教授,心斎橋いぬい皮フ科 院長)


<目次>

〔特集〕

I.男性型脱毛症
 1.5α-還元酵素阻害薬のAGA長期成績と安全性/栁澤正之,佐藤明男
 2.植毛up to date/長井正壽
 3.赤色LEDによる脱毛症の治療/乾 重樹
 4.フィナステリドとデュタステリドの使い分け/乾 重樹

II.女性型脱毛症
 1.女性型脱毛症の病態メカニズム解析/大山 学
 2.女性型脱毛症の診断と治療/植木理恵
 3.新しい女性型脱毛症の分類法/金子章子
 4.毛髪の加齢変化とヘアケア/長瀬 忍

III.再生医療
 1.毛球部毛根鞘細胞を用いた壮年性脱毛症に対する臨床研究/尾郷正志
 2.細胞外小胞:新しい毛包再生ツール/中川孝俊,乾 重樹
 3.周期的な毛包を再生させる幹細胞の増幅と特定/武尾 真,辻 孝
4,400円
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特集●美容診療の未来―“これから”を考える―
企画編集/川田 暁

<特集にあたって>

 美容皮膚科や美容外科などの美容医療が関わる分野は近年ますます拡大・発展し,きわめて多岐にわたっています.そのようななかで未来の美容医療がどうなっていくのかを考えることはとても興味深いことです.そこで,「美容診療の未来―“これから”を考える―」というテーマで本号を編集することになりました.
 本特集の構成として大きく5つのテーマに分けました.
 (1)「新たなコンセプトの美容診療」として,従来の枠を超えた美容診療への試みを取り上げました.まず女性のライフステージに応じた美容診療という観点から,形成外科と婦人科の先生に解説していただきました.さらに男性を対象とした新たな美容診療の現状と将来像を解説していただきました.
 (2)「診療形態からみた美容診療の未来」として,診療形態によるアプローチの違いを取り上げました.大学病院からは美容医療の基礎的・臨床的研究におけるエビデンス創出をテーマに,市中病院からはより高度な美容診療をテーマに,クリニックからは美容診療における患者さんの隠れているニーズ(unmetneeds)をテーマに,それぞれ解説していただきました.
 (3)「新たな技術の発展への期待」として,今後さらに開発される技術や機器について取り上げました.ピコレーザーなどのレーザー機器やその他の新技術,ICON>Rを中心として複合機器の今後の展開,Halo>TMを中心として複合機器の未来を,それぞれ解説していただきました.
 (4)「美容診療における再生医療」として,再生医療の今後の未来像について取り上げました.まず医療サイドから美容診療における再生医療の現状と今後の展開について,そして化粧品サイドから再生医療技術を応用した化粧品の美容診療における役割について,それぞれ解説していただきました.
 (5)最後に「今後の展望」として,レーザー・光治療の新機軸をテーマに解説していただきました.著者の先生方はそれぞれの分野の第一線で活躍されている方々です.現在美容診療に携わっている方々にとっては,現在の自分の立ち位置や将来の方向性を考える機会に本書が役立つことを願っています.またこれから美容医療に従事されようとする方々にとって,本書を読むことが第一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです.

川田 暁(近畿大学 名誉教授)


<目次>

〔特集〕
I.新たなコンセプトの美容診療
 1.美容診療から女性医療へ/足立真由美
 2.注目のトピック!最新の膣美容レーザー治療/宮崎綾子,足立真由美,依田キクエ
 3.男性美容診療のこれから/樋口彩子,安田吉宏
II.診療形態からみた美容診療の未来
 1.大学病院から―エビデンス創出をめざして―/中嶋千紗
 2.市中病院から―より高度な診療をめざして―/堀川永子
 3.クリニックから―unmet needs を掘り起こして:とくにニキビ治療にフォーカスして―/乃木田俊辰
III.新たな技術の発展への期待
 1.ピコ秒レーザー/河野太郎
 2.複合機器―ICON>Rを中心に―/三宅早苗
 3.複合機器―Halo>TMを中心に―/山本晴代
IV.美容診療における再生医療
 1.医療サイドから/市橋正光
 2.化粧品サイドから―美容皮膚科領域における再生医療技術の展開可能性について―/稲井瑞穗
V.今後の展望
 1.レーザー・光治療の新機軸/須賀 康
4,400円
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特集●美容とサプリメント
企画編集/市橋正光

<特集にあたって>

 健康の基本は,食,運動,睡眠と仲間との楽しい交流である.少子化が進み世界一の高齢社会の日本では,国民一人ひとりが健康長寿を維持し,加齢に伴う病気の発症を遅らせ,一日でも長く社会の一員として活動し,生活を楽しむことが期待されている.なかでも食は人類が長い歴史のなかで学び習得した知恵の結晶であり,サイエンスで食物に含まれる成分が健康維持に役立つことが証明されてきている.サプリメントは食材料から得られる機能性成分である.つまり,サプリメントは食に含まれる健康促進成分を単体あるいは複合体として,より効率的に摂取できるように加工された優れた食品である.わが国では,2015年には機能性表示食品が第3の保健機能食品として認可され,多数の食品が健康促進に役立つ環境が整ってきた.
 私が皮膚の老化,とくに光老化に注目し研究会を立ち上げてからすでに20数年が経った.そのころから老化の原因に関する理論に興味を持ち,また,老化原因諸説に基づいて皮膚の老化を遅らせる,さらには老化に打ち勝って皮膚を若返らせるにはいかなる方法があるかを他の研究者から学び,理解する傍ら,私自身も基礎・臨床研究をささやかながら続けてきた.
 現在,老化理論として,遺伝子の不安定性,テロメアの短縮,エピジェネティックな変化,異常タンパク質の蓄積,ミトコンドリアにおける酸化障害,細胞間の情報交換の異常,幹細胞の減少やセネセンスに陥った老化細胞自身が組織や個体の老化を促進することなどが提示されている.
 この特集号では,サプリメントが美容,つまり健康的な皮膚の若さにどれほど関わっているかを,サプリメントの作用機序に加え,実際の美容効果をそれぞれ,基礎研究の専門家と美容医療の実践医師に執筆いただいた.
 本特集は,読者自身の美容のためになるサプリメント情報を満載した.まだ実践されていない方には,サイエンスが支持するサプリメントに挑戦いただき,また,患者さんにも美容は全身の健康に役立つことを説明いただき,美と関連する食を支えるサプリメントの摂取を勧めていただきたい.若さ溢れる超高齢社会実現にサプリメントで貢献したいものである.

市橋正光(BTRアーツ銀座クリニック 院長)


<目次>

〔特集〕
1.食と健康とサプリメント/阿部康二
2.腸内環境と健康―腸があなたの若さを支配―/内藤裕二
3.発酵乳摂取と皮膚の健康/森藤雅史
4.飲み物と健康―コーヒーとお茶が美容に与える効果―/福島洋一
5.エネルギー代謝関連サプリメントと美容―基礎から臨床まで―/長濱 徹,柳 茂
6.ビタミンとアンチエイジング―基礎編―/石神昭人
7.ビタミンと美容―臨床編―/船坂陽子
8.アスタキサンチンの光老化防止に結び付く細胞生物学的メカニズム/芋川玄爾
9.高機能カロテノイド・アスタキサンチンの美容皮膚医学に関する話題―最近の臨床トピック―/西田康宏
10.レスベラトロール摂取と皮膚の若返り/若命浩二
11.カシスの美容効果/川上宏智
12.コエンザイムQ10の美容効果/藤井健志
13.ペプチドのサプリメントと美容/佐藤健司
14.抗糖化サプリメントと美容/米井嘉一
4,400円
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特集●皮膚とこころ
企画編集/檜垣祐子

<特集にあたって>

 心身医学的アプローチは,疾患を身体・心理・社会的に捉えて対応していくものであり,身体疾患の経過によりよい影響を及ぼすのみならず,治療者と患者が治療に取り組んでいく過程で,患者の自己実現に結びつく可能性もあります.
 皮膚疾患のなかには,心理社会的要因として,ストレスがその発症や経過に密接に影響する,皮膚心身症と捉えられるケースが少なくありません.また,多くの皮膚疾患では外見の変化を伴うことから,患者の社会生活に否定的な影響を及ぼし,QOLの低下を招きます.さらに,慢性に経過する炎症性皮膚疾患においては,その経過や見通しに不安を抱えている患者が多くみられます.
 このように皮膚の問題がこころの状態と関係することはわかっていても,実際の診療現場で,どのようにアプローチしたらよいのかわからない,もう一歩踏み出せない,と悩む場面はないでしょうか.
 本特集は「皮膚とこころ」というテーマで,皮膚疾患の心身医学的側面に焦点をあて,それぞれのエキスパートに解説していただくよう企画しました.
 Part1では,日常的に経験する皮膚疾患のバーチャルケースを,身体・心理・社会的に捉えてご提示いただき,その対応についてわかりやすく解説していただきます.症例を通して理解することで,診療の場での対応がよりイメージしやすくなるものと思います.
 Part2では,さまざまな心身医学的治療法(精神療法・心理療法・薬物療法)について,その基本的な理論や皮膚科診療で活用できる実践方法を解説していただきます.すべての治療法を習得する必要はありません.心身医学の実践においては,「得意な治療法を持つ」,ということがとても大切です.本特集を参考に,取り組みやすい方法から始めてみる,あるいは,各々の治療法のエッセンスを日常の診療に加えてみる,というように,とにかく試してみるのが近道です.
 本特集を通して,皮膚心身医学への道がひらけ,心身医学的アプローチを皮膚科診療に活用していただくことにつながれば幸いです.

檜垣祐子(若松町こころとひふのクリニック 院長)


<目次>

〔特集〕
Part1:バーチャル症例で学ぶ皮膚の心身医学
1.アトピー性皮膚炎/堀 仁子
2.ニキビ/野村有子
3.赤ら顔・酒さ様皮膚炎/檜垣祐子
4.乾癬/幸野 健
5.脱毛症/植木理恵
6.多汗症/藤本智子

Part2:心身医学的治療の実際
1.精神療法/細谷律子
2.認知行動療法/小林美咲
3.交流分析/山北高志,芦原 陸
4.チームで取り組む皮膚科心身医学療法/清水貴子,清水良輔
5.薬物療法/羽白 誠
6.漢方薬/黒川晃夫
4,400円
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特集●美しい口唇
企画編集/古山登隆

<特集にあたって>

 顔の美しさにおいて,口唇の存在は大変重要である.
 口唇の形態は人種差もあれば性差もあり,骨格や歯牙,さらには血行や加齢による影響も受ける,大変,変化しやすいパーツといえる.また口唇は,自然に気持ちや意識を表現したり,形を随意的に自由に変えられるという特徴も持つ.形態,色,ボリュームを含めて,顔のなかである意味,表情を最も表す一番特徴的なパーツである.そのため,口唇の美しさを考える場合,単なる静的な美しさだけではなく,表情による動的な美しさも重要であり,当然,静的,動的,両方向から口唇全体の美しさを考える必要がある.また,静的な口唇の形態的な美しさを考える場合も,口唇自体の美しさと,顔を構成するパーツの1つとしての口唇の美しさと,双方向から考える必要がある.
 表面的な形態,前後における形態,色調,ボリューム,顔のなかでの位置,大きさ,幅など,魅力的な口唇はさまざまな方面からの検討が必要である.さらに,顔の美しさを検討するうえで重要な,顔全体のなかでのハーモニーという点においても,微妙な口唇の動きや形態は顔の魅力を左右する.
 この号では,顔の魅力のなかで重要なポイントである口唇の美しさをつくるために,基本的な口唇の美しさについて,また,口唇の加齢変化とその解剖,さらに口唇の美しさを引き出す手法について,手術による外科的な手法から,ボトックス,ヒアルロン酸,スレッドリフトといったデバイスなどを用いた非手術的手法,さらにはメイクアップからの視点も網羅した.表情を含めた動きに関しても,さまざまな方面から,その分野のスペシャリストに執筆をお願いした.
 本特集が,魅力的な口唇の治療の参考になれば光栄である.

古山登隆(自由が丘クリニック 理事長)


<目次>

〔特集〕
1.口唇の美しさとは/古山登隆
2.口唇の老化/大慈弥裕之
3.口唇の美容治療のために必要な解剖/井上詠子
4.ボトックス/今泉明子
5.美しく笑うためのボツリヌストキシン治療/西田美穂,西田 真
6.ヒアルロン酸/加藤聖子
7.ヒアルロン酸+コンビネーション/佐藤英明
8.口唇に対するスレッド治療とアートメイクの有用性/當山拓也
9.手術:赤唇部・白唇部/兵頭徹也,中北信昭
10.メイクと美容医療/海野由利子
4,400円
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特集●ニキビ治療における患者指導のポイント
企画編集/野村有子

<特集にあたって>

 ニキビ治療は,アダパレンと過酸化ベンゾイルが発売になってから飛躍的に進歩した.しかしながら,外用薬が増えたからこそ患者指導が難しくなった現実がある.そこで,ニキビ治療における患者指導について,その考え方やポイント,注意点などをとことん解説する特集を組んだ.
 まず,ニキビはありふれた疾患であり,患者はインターネットやテレビ,雑誌,友人などからさまざまな情報を得て来院することが多々ある.ニキビという疾患について,患者に正しい知識を持ってもらうためのポイントや,わかりやすく説明する方法について解説いただいた.そのうえで,アダパレンと過酸化ベンゾイルについて,副作用を最小限に抑えて継続使用してもらうための患者指導のポイントや注意点などを解説いただいた.また,患者指導にはスタッフの協力も欠かせない.患者指導についての知識をスタッフに習得してもらうために,指導内容や学習方法などスタッフ育成のノウハウについても説明いただいた.
 また,年齢層によって指導するポイントが異なる.小中学生,高校生~お年頃,大人それぞれの患者指導のポイントをまとめていただいた.さらに,重症ニキビ患者の指導,背中ニキビの指導についても触れた.
 ニキビ患者の指導には,スキンケア指導も欠かせない.洗顔指導,メイクアップ指導について具体的に説明いただいた.最後に,食事指導のポイントについて,ニキビ世代である若い人の嗜好も考慮したメニューの提案をいただいた.
 この一冊で,ニキビ指導のノウハウが手に取るようにわかり,明日からの診療に役立つこと間違いないと思われる.このように充実した内容になったのは,ニキビ指導の第一人者の先生方のご尽力の賜物である.この場を借りて,心より感謝申し上げる.

野村有子(野村皮膚科医院 院長)


<目次>

〔特集〕
1.「ニキビ」という疾患について知ってもらう/乃木田俊辰
2.続けてもらう外用薬指導のポイント/渡辺雅子
3.患者指導を行うスタッフの育成ノウハウ/許 郁江
4.小中学生ニキビ患者の指導のポイント/島田辰彦
5.高校生~お年頃ニキビ患者の指導のポイント/角田美英
6.治りにくい大人ニキビ患者の指導のポイント/野村有子
7.重症ニキビ患者の指導のポイント/黒川一郎
8.背中ニキビにおける患者指導のポイント/小林美和
9.ニキビ患者の洗顔指導のポイント/須藤千恵,野村有子
10.ニキビ患者のメイクアップ指導のポイント/山本晴代
11.ニキビ患者の食事指導のポイント/望月理恵子
4,400円
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特集●敏感肌を診る
企画編集/関東裕美

<特集にあたって>

 敏感肌という単語は化粧品業界で生まれた言葉のようであるが,一般社会にすっかり定着した感がある.明確な定義はないが,少しの刺激でピリピリしたり,赤みが出たり,使用する化粧品がないと訴えて皮膚科医を受診したりする患者は少なくない.心身を含めた病的皮膚,治療を必要とする疾患皮膚について,日常診療で先生方はどのように対処されているのであろうか.
 老化は疾患ととらえるようになってきた現代医療では,エイジングケアが適切に行われないと治療が必要な疾患皮膚になってしまう.日常のスキントラブルでは通常,近医皮膚科医を受診をして対症加療がなされる.私自身は大学病院勤務であり,皮膚科医の先生方から,軽快しないので原因検索,化粧品のパッチテストをしてほしいと紹介される時間を過ごしてきた.本特集では勤務先状況により専門医の先生方がどのように敏感肌の診断治療をして問題解決をされているのかをご教授いただいた.また,男性医師と女性医師の敏感肌のとらえ方,考え方の違いについて常日頃から知りたいと思っていたので,本特集号では同じ質問を同じ立場の先生方に向けてご執筆いただき,各自のご意見を伺うことができた.
 いまだに私たちの生活に影響を及ぼしているコロナ禍中ではあるが,人の目に触れる機会が少ない今こそ美容治療に好都合と考える人は多い.実際,美容施術患者は増加しているようであるが,敏感肌患者達への配慮を欠くと多くの問題を抱えてしまう.皮膚科専門医として敏感肌患者の治療に当たりながら美容治療も積極的に取り組まれておられる先生方にもご執筆をいただいたので,日常診療に取り入れていきたい.一方,在宅勤務やマスク生活で化粧意欲がなくなった人々が化粧をおろそかにすることで生じる皮膚老化が心配される.敏感肌化粧品を開発する企業研究員の考えも男性・女性研究員のご意見を比較することができたのは興味深い.
 敏感肌こそ日常のスキンケアが重要なので,皮膚科医として疾患皮膚にならない秘訣を指導する必要があろう.本書が患者指導時の参考になれば幸いである.

関東裕美(東邦大学 医学部 皮膚科学講座 客員教授)


<目次>

〔特集〕
1.大学病院での敏感肌診断・治療と化粧指導:男性医師として/伊藤泰介
2.大学病院での敏感肌診断・治療と化粧指導:女性医師として/峠岡理沙
3.市中病院での敏感肌診断・治療と化粧指導/松倉節子
4.開業医としての敏感肌診断・治療と化粧指導:女性医師として/服部尚子
5.開業医としての敏感肌診断・治療と化粧指導:男性医師として/豊田雅彦
6.敏感肌の美容治療―敏感皮膚への安全な美容施術について―/畑 三恵子,星野雄一郎
7.敏感肌へのレーザー治療/木下三和子
8.敏感肌への化粧品:男性研究員の立場から/大島 宏
9.敏感肌への化粧品:女性研究員の立場から/松永由紀子
4,400円
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特集●とことん,毛穴
企画編集/小林美和

<特集にあたって>

 「毛穴が気になる」という患者からの訴えは少なくないでしょう.そもそも,毛穴が目立つとはどういう状態であり,なぜそのような変化を起こすのか,を知らなければ治療や対策はできません.そこで,まずは毛穴,毛包と脂腺について基本的な知識をアップデートします.第1章では毛包構造の組織学的な視点から毛穴を理解し,第2章で生化学,生理学的な視点で皮脂と皮脂腺について最新の話題を含めて知見を得ましょう.第3章では,注目されている常在微生物叢について学び,疾患の理解に役立てましょう.第4章では毛包で生じる炎症および免疫反応にフォーカスして毛包の特殊な環境を解説していただきます.
 第5章から第9章は,臨床での毛穴治療とケアについて,美容皮膚科・レーザー指導専門医に執筆いただきました.毛穴が気になる患者の臨床例,毛穴に対するケミカルピーリング,その他ダウンタイムがないものから侵襲性のある美容治療まで,理論立てて紹介していただいています.なかでも第9章では,経過観察と称して放置されがちな毛孔性苔癬について,あらためて向き合う機会をいただきました.
 最後に,患者へのスキンケア指導に役立つ知識,アイデアを紹介していただきました.第10章では研究開発の視点から化粧品での毛穴ケアの現状と今後を,第11章では,化粧による毛穴カバーのテクニックについてプロのメイクアップアーティストに教えていただきます.
 大変お忙しいなかでご執筆いただき,知識やノウハウを惜しみなく披露してくださった諸先生に感謝申し上げます.毛穴を消すのは難しい,と言う前に,あらためて毛穴について考え,学び直す機会になりますように.

小林美和(こばやし皮膚科クリニック 副院長)


<目次>

〔特集〕
1.毛包の構造/山田七子
2.皮脂,皮脂腺/佐藤 隆
3.毛包の微生物環境/出来尾 格
4.毛包の免疫環境/伊藤泰介
5.毛穴が気になる患者/小林美和
6.ケミカルピーリングによる毛穴目立ちへのアプローチ/船坂陽子
7.わたしの毛穴目立ちへのアプローチ1/鼻岡佳子
8.わたしの毛穴目立ちへのアプローチ2/竹井賢二郎
9.毛孔性苔癬へのアプローチ/上田厚登
10.化粧品による毛穴対策/飯田年以,松永由紀子
11.毛穴を目立たせないメイクアップ/ウシマルトモミ
4,400円
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特集●ケロイドを知る,診る
企画編集/小川 令

<特集にあたって>

 傷あとで悩んでいる患者さんはわれわれが想像する以上に多いものです.レーザー,フィラーやスレッドリフトなどちょっとした手技によっても傷あとはできます.ほとんど目立たない傷になると説明されたのに,傷あとが炎症を持ち続け赤く隆起したケロイドができたときには,患者さんはたいへんな不安を感じます.その結果,患者さんは期待とは裏腹に鬱々とした日々を送ることになってしまいます.
 傷あとの研究は近年飛躍的に進みました.いわゆる「ケロイド体質」と漠然と表現されてきたケロイドの悪化因子や原因の一部がわかってきたことにより,今まで難しかった治療ができるようになりました.傷あとにかかる張力が傷あとで炎症を遷延・増強させること,女性ホルモンや高血圧などの全身的因子も傷あとの炎症を悪化させることがはっきりとわかってきました.美容皮膚科における侵襲的手技の前に,これらの体質を理解することで,リスクを明確にすることができます.その患者さんの過去の傷あとを見せてもらうことも大切な判断材料になります.
 治療においては,とくにデプロドンプロピオン酸エステルのテープ剤の効果は大変高く,ケロイド・肥厚性瘢痕の発症しはじめに使用すれば悪化を防ぐことが可能となります.発症後時間がたっても,ケロイドの本体は真皮網状層で持続する炎症であるため,副腎皮質ステロイドのテープ剤で,時間はかかりますがかなりのものが治療できます.さらに重症例では手術や放射線治療,副腎皮質ステロイド薬を複合的に組み合わせることでケロイドを完治させることができるようになりました.
 長い間,医療は「命を助ける」ことが目的となってきました.がん治療もその1つです.しかし昨今のめざましい医療技術の発達のおかげで,日本では平均寿命が男女ともに80歳を超えています.このような時代にこそ重要性を増してきたことは,いかにQOLを高められるか,という命題です.美容皮膚科はその一端を担っていますが,その手技によってケロイドが生じ悪化してしまうと逆にQOLを下げることになってしまいます.傷あとのケアは心のケアなのです.
 本特集号をお読みいただくと,昔は難しかった傷あとの治療がここまで進んだのか,ということをご理解いただけると思います.患者さんのQOLを高めるために読者の皆さまとともに頑張っていければと願っております.最後に,本特集号の企画から出版までご尽力いただいた株式会社医学出版の皆さんに心より御礼申し上げたいと思います.

小川 令(日本医科大学 形成外科学教室 教授)


<目次>

〔特集〕
1.ケロイドとは?―ケロイドが発症するリスク因子を理解する―/小川 令
2.ケロイドの病理組織学的所見/西本あか奈,安齋眞一
3.ケロイドの分子遺伝学的所見/土佐眞美子
4.本邦でのケロイド・肥厚性瘢痕の診断・治療指針/清水史明
5.ケロイドの予防/荒牧典子
6.ケロイドの治療:内服薬/岡部圭介
7.ケロイドの治療:圧迫・固定/土佐泰祥
8.ケロイドの治療:副腎皮質ホルモン剤/村尾尚規
9.成熟瘢痕・肥厚性瘢痕・ケロイドに対するレーザー治療/河野太郎
10.ケロイドの治療:手術および術後放射線治療/土肥輝之
11.ケロイドの治療:メイクアップセラピー/朝日林太郎,かづきれいこ,小川 令
4,400円
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特集●機器によるたるみ治療
企画編集/田中亜希子

<特集にあたって>

 二十数年前に私が美容外科医になった頃は,たるみ治療といえば切る手術があたりまえだったが,現在では切るフェイスリフト手術は激減しており,スレッドリフトやフィラー注入,機器によるたるみ治療が主流となってきている.とくにたるみ治療を機器で行う件数は飛躍的に伸びている.その理由は,患者側にも医師側にもあると思われる.患者側の理由は,ダウンタイムを長くとらずに済むように,より低侵襲なものを好む傾向と,心理的な抵抗感が少ないことであろう.医師側の理由は,たるみ治療器の種類が増えて効果的なものが開発されたことと,外科医ではない医師でも施術の習得が容易になったことによると思われる.さまざまな機械が開発されたが,そのなかでもHIFUの登場はたるみ治療に大きな影響を及ぼしたといえるであろう.HIFUは最初に登場したときには非常に高価な機器しかなかったが,今ではさまざまなタイプがあり,安価で優れたものもあるため,気軽に診療メニューに取り入れやすくなった.外科手術と比べて施術の習得が容易になったとはいえ,同じ機械を使用してもよい結果が出せない場合や,施術の副作用が出てしまうこともある.
 この特集では,たるみ治療を機器で行っている経験が豊富な13人の先生方に,それぞれの先生が使用している機器の特徴について詳しく解説していただき,それぞれの先生方が施術の際に行っている工夫についても詳しく教えていただいた.13人の先生方がそれぞれ違う機械を使用して,違う工夫を行い,異なった結果を出しているところが興味深い.その工夫を活かした症例写真をお示しいただき,どの機器をどのように使用するとどのような効果が得られるのかを見比べることができる.読者の方々には新たな機械選びの参考となるであろう.また,現在の治療器で今ひとつ納得のいく結果が出せていない方にとっては,13人の先生方の工夫を参考にして,診療に活かしていただければ幸いである.

田中亜希子(あきこクリニック 院長)


<目次>

〔特集〕
I.たるみ治療におけるHIFU治療の位置づけ/黄 聖琥,朝日律子
II.HIFU治療
 1.HIFUによるたるみ治療1/前多一彦
 2.HIFUによるたるみ治療2/朝日律子,黄 聖琥
III.コンビネーション治療
 1.HIFUとRFのコンビネーション治療/杉野宏子
 2.HIFUと他のたるみ治療器とのコンビネーション治療1/塚原孝浩
 3.HIFUと他のたるみ治療器とのコンビネーション治療2/荒尾直樹
 4.ULTRAcelQ+LinearFirm>Rを併用したスレッドリフト(G-Lift)/池田欣生
 5.HIFUと口腔内照射の組み合わせ/居原田 麗
 6.加齢に伴う顔貌変化に合わせたコンビネーション治療/菅原 順
IV.4世代のサーマクールによる顔貌たるみ治療とその変遷/藤本幸弘
V.Er:YAGレーザー口腔内照射および非蒸散型スキャナーによるたるみ治療/宮田成章
VI.フェイスタイトによるたるみ治療/吉澤秀和
VII.ダーマペン・マイクロニードリングセラピーによるスキンタイトニング/篠原秀勝
4,400円
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特集●とことん,肝斑
企画編集/船坂陽子

<特集にあたって>

 肝斑は顔面の色素斑で,メラニン含有細胞を破壊するような高いフルエンスでのQスイッチルビーレーザーやQスイッチアレキサンドライトレーザー治療が奏功せず,また根治させることが困難な疾患です.紫外線や女性ホルモンの関与は以前より指摘されてきましたが,近年,慢性の紫外線曝露で生じる光老化のために変化した表皮,真皮の構成細胞がメラニン生成刺激に関わっていることが明らかにされています.すなわち韓国の研究グループの病変皮膚を用いた解析により,病態の解明が進んできています.光老化によるため,角層のバリア機能が破綻しやすいこと,表皮基底膜がダメージを受けていること,そのためにメラノサイトの細胞死が生じやすいこと,そして真皮に血管増生,マスト細胞の浸潤などによる炎症が生じていること,これらが複合して肝斑の病態形成に関わっているために,1つずつ対処することにより,肝斑の病態改善につながることが期待されています.
 それでも,まだまだわからないことが多く,治療に難渋するのが肝斑です.QOL(quality of life)を高めるための美容治療を求める人が増えてきており,我々の使命としては,肝斑であると正しく診断し,その病態について説明できることが挙げられます.また肝斑以外に老人性色素斑などを合併していることも多く,それぞれについて診断をくだし治療をしていく必要があります.
 現在,美容皮膚科領域でシミに対してしばしば行われている治療にはトラネキサム酸やビタミンCなどの内服療法,美白剤(化粧品や医薬部外品)の外用療法,遮光剤の工夫,ケミカルピーリング,レーザー治療が挙げられます.適切な治療を提供するためには,これら治療法の作用機序と特性,利点と注意点などを熟知したうえで,治療に当たる必要があります.
 本特集では肝斑の病態について新しくわかってきた事柄を解説するとともに,治療が難しい肝斑に対して各エキスパートの先生に,肝斑に対しての内服療法のエビデンス,美白剤やケミカルピーリングのエビデンス,そして現在先生方が行っている治療方針についてわかりやすくご執筆いただきました.日々の診療において,本稿が少しでも皆様の役に立つことを願っております.

船坂陽子(日本医科大学 皮膚科 教授)


<目次>

〔特集〕
1.肝斑の病態―up date―/船坂陽子
2.肝斑に対する内服治療のエビデンスを踏まえて/木村有太子
3.肝斑に対する美白剤・ケミカルピーリングのエビデンスを踏まえて/長濱通子
4.肝斑に対するレーザー治療のエビデンスを踏まえて/船坂陽子
5.肝斑に対する私の治療方針1/小林美和
6.肝斑に対する私の治療方針2/秋田浩孝
7.肝斑に対する私の治療方針3/宮田成章
8.肝斑に対する私の治療方針4/葛西健一郎
4,400円
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特集●とことん,美白―美白治療を考える―
企画編集/山本晴代,川田 暁

<特集にあたって>

 「色の白いは七難隠す」ということわざがあるように,日本人には古くより美白信仰があり世界のなかでも美白ニーズが高い国だと思われます.臨床の場でも,患者の美白への関心は高く,白い肌が美しさと若さの象徴となっています.最近の特徴として,SNSやインターネットの普及により若年層が美容や美白に関心を持ち,サンスクリーン剤や美白化粧品の市場も拡大しています.また,美容外科・美容皮膚における治療の低コスト化も影響し,気軽に施術が可能な状態となっています.
 美白治療にはさまざまな複合的なアプローチがあります.本特集号では,美白の代表的な治療である,美白外用薬や内服治療,レーザー・IPL治療やケミカルピーリング,導入治療などの解説をお願いしました.
 また,最近では健康志向も強くなり,屋外スポーツを行いながら美白を維持したいとの希望により,遮光グッズの着用やサンスクリーン剤の使用,またサプリメントの内服を積極的に行う傾向にあります.よって,サンスクリーン剤の正しい使用方法や美白効果があるサプリメント・食品についてもご解説をお願いしました.
 現在,美白治療に関してSNS などで簡単に情報が手に入りますが,間違った情報も多く,われわれ医療者が正しい診断をし,副作用についての説明や患者に合った適切な治療を提示することが重要であると思われます.
 本特集号が美容医療に携わる先生方のお役に立てることを期待しております.

山本晴代(近畿大学病院 皮膚科)
川田 暁(寺田萬寿病院 皮膚科)


<目次>

〔特集〕
1.ハイドロキノンの再評価/川田 暁
2.美白化粧品/村上有美
3.トラネキサム酸による美白治療:肝斑について/山本晴代
4.美白効果があるサプリメント・食品について/市橋正光,安藤秀哉,江口琴音,福島洋一,森藤雅史
5.ケミカルピーリングによる美白治療/上中智香子
6.導入治療による美白効果/坪内利江子
7.Qスイッチレーザーによるシミ治療/乃木田俊辰
8.レーザートーニングによる美白治療/中野俊二
9.ピコ秒レーザーによる美白治療/花房崇明
10.IPLによる美白治療/山本晴代
11.美白に役立つサンスクリーン剤の使用方法/菊地克子
4,400円
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特集●アトピー性皮膚炎のスキンケア
企画編集/塩原哲夫

<特集にあたって>

 これまで多くの皮膚科医にはある種の偏見があった.皮膚科医の仕事はあくまで皮膚をもとの形にすることであり,皮膚の美しさまで追求するのは本来の仕事ではないという偏見である.かくいう筆者にもその偏見がなかったとはいえない.しかし,汗の研究をするうち,汗と肌理の密接な関係に気づくようになり,皮膚の美しさを決める肌理と潤いは相互に深く関係することがわかってきた.
 しかも,肉眼的に治ったと思ってきた皮疹部もさらに細かく顕微鏡でその微細構造を観察すると,じつはまったく治っていなかったことも明らかになったのである.アトピー性皮膚炎(AD)の皮疹部は肉眼的にもその表面構造は大幅に乱れているが,適切な治療をすることによりその構造はかなり回復すると思ってきた.肉眼的にほぼ正常に戻ったと判断した病変部の微細構造を見たときは腰を抜かすほどの衝撃(これについては本書のp.65を参照のこと)であった.我々が治ったと判断してきた病変部は微細構造上治っていなかったのである.そのような微細構造を正常化するためには抗炎症剤だけではなく,保湿剤の大量外用が必要であったという事実は,我々にはまだまだ治療に関して追求すべき多くの余地が残されていることを示している.
 ADの治療は近年大きな変貌を遂げた.これまで対応に苦慮してきた難治例に対して,デュピルマブという切札が著効を示すことがわかったからである.しかし,この切札を用いてもこの微細構造の正常化までは遠い道程である.つまりこの微細構造の正常化を目指すものこそ究極のスキンケアと捉えれば,我々皮膚科医はこれからなお一層の究極のスキンケアを目指さねばならないと考えている.
 本特集号ではスキンケアという言い古された言葉の奥に潜む多くの知識を再確認しつつ,AD新時代にふさわしいスキンケアの今を提供することで,ADのスキンケアとは何かをもう一度考えていただく機会にしたいと考えている.ご執筆いただいた諸先生は今の日本のベストの布陣であると確信している.

塩原哲夫(杏林大学 医学部 皮膚科学教室 名誉教授)


<目次>

〔特集〕
1.皮膚の美しさを決めるのは?/菊地克子
2.アトピー性皮膚炎患者が皮膚の美しさを保つには?/戸倉新樹
3.アトピー性皮膚炎患者の皮膚の紋理と発汗/水川良子
4.アトピー性皮膚炎ではどうして汗が減っているのか?/室田浩之
5.アトピー性皮膚炎では汗の減少と感染症はどのように関連しているのか?/沼田智史,高萩俊輔,秀 道広
6.アトピー性皮膚炎患者に対する治療の現況と未来の展望/佐伯秀久
7.Biologics はアトピー性皮膚炎患者の皮膚の美しさを改善するか?/多田弥生
8.外用剤はアトピー性皮膚炎の皮膚の美しさを改善するか?/塩原哲夫
9.アトピー性皮膚炎患者の現在の治療の問題点は?/野村尚史,椛島健治
10.アトピー性皮膚炎患者に対する指導の注意点は?/上出良一
4,400円
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特集●脱毛を極める
企画編集/尾見徳弥

<特集にあたって>

 脱毛は,女性において日本のみならず欧米でも大きな需要があり,男性において脱毛を希望する患者も少なくない.とくに近年では高齢者の外陰部周囲の毛の存在が介護の衛生環境の維持に望ましくないことから,手技の簡便なレーザー・ホワイトライトによって脱毛を行うことが介護関係者から勧められている.
 脱毛の方法としては,毛抜き,shaving,wax脱毛などの物理的な脱毛,電気脱毛などが従来から知られているが,1990 年代より大きな市場を形成している方法として,レーザー・ホワイトライト(IPLtype)脱毛がある.
 レーザー・ホワイトライト脱毛は,手技が簡単で,侵襲が少なく,痛みも少ない一方で大きな効果が得られるとされ,欧米においては医療機関における脱毛で最も高いシェアを占めている.現在,欧米での永久脱毛はほとんどすべてレーザー・ホワイトライトによる脱毛法である.
 一方,安易に導入されたため,手技が容易であり,術者が原理や副作用に関して習熟していないこともある.実際,エステティックサロン向けの機種で熱傷や瘢痕などの副作用を生じた結果の刑事事件例も報道されている.また家庭用のレーザー・ホワイトライト脱毛器も発売されており,安全性の面が問題となっている.
 本特集では,脱毛の社会的背景を含め,脱毛法の種類,レーザー・ホワイトライト脱毛の原理,施術法,安全性などについてその分野の第一人者の先生方に執筆を依頼した.この特集によって,脱毛に関しての理解とともに,実際の臨床上の知識も十分というレベルにまで至れれば幸いである.

尾見徳弥(クイーンズスクエアメディカルセンター 皮膚科 部長,日本医科大学 皮膚科 客員教授)


<目次>
〔特集〕
1.脱毛の医学的意義/青木 律
2.従来行われてきた脱毛法:毛抜き,shaving,wax 脱毛,電気脱毛/尾見徳弥
3.レーザー・ホワイトライト(IPL)脱毛(光脱毛)の原理/木村有太子
4.具体的な光脱毛:アレキサンドライトレーザー/乃木田俊辰
5.具体的な光脱毛:ダイオードレーザー/石川浩一
6.具体的な光脱毛:IPL/根岸 圭
7.蓄熱式脱毛/有川公三
8.皮膚疾患や色素性病変などを伴った患者における脱毛の注意点/河野太郎
9.介護脱毛/山田秀和
10.エステティックサロンや家庭用の装置/尾見徳弥
11.開業医療機関における脱毛の位置づけ/塚原孝浩
12.脱毛におけるマーケティング戦略/上野美律
4,400円
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特集●ニキビ痕の予防と治療
企画編集/黒川一郎

<特集にあたって>

 ニキビ痕はざ瘡,ざ瘡関連疾患における最も難治性の合併症です.ニキビは『尋常性ざ瘡治療ガイドライン』に基づいた治療が基本でありますが,ニキビ痕の治療については推奨度の高い治療はあまりないのが現状であります.
 今回のテーマは「ニキビ痕の予防と治療」として,ニキビ痕を焦点にして皮膚科,形成外科のそれぞれの分野の第一線のエキスパートに原稿を依頼いたしました.特集のねらいは「ニキビ痕」とはどのような症状で,どのようにしてできるか,また,どのようにして最小限に形成を予防できるか,また,できてしまったニキビ痕はどのような治療で改善するかをわかりやすく理解していただくことです.その意味でニキビ痕の集大成の一冊になったと考えております.
 第1章~第3章ではニキビ痕の臨床症状,発症機序,病態,病理組織所見について,visualな臨床写真を多く取り入れ,updateな知見を加え,わかりやすくまとめていただきました.
 第4章では炎症後色素沈着の発症機序について,第5章ではニキビ痕をいかに最小限に予防できるかについて,その重要性を基礎的なデータを含め,解説していただきました.
 第6章ではニキビ痕の治療総論を理解しやすい図表でコンパクトにまとめていただきました.第7章では形成外科の視点から,重症のとくにケロイドのニキビ痕の外科的治療を述べていただきました.第8章ではニキビ痕の漢方治療,とくに柴苓湯による治療を中心に述べていただきました.第9章ではニキビ痕,とくに炎症後色素沈着に対する治療に関する自費診療を含めた治療を述べています.
 第10章ではニキビ痕のレーザー治療についてわかりやすく解説していただきました.第11章ではニキビ痕のスキンケアに関してニキビ痕をできるだけ作らないためのスキンケア,できてしまってからのスキンケアについて解説していただきました.第12章ではニキビ痕に対する今後の新規治療の展望として急性炎症期の積極的治療とできてしまったニキビ痕の治療について述べました.
 以上のようにニキビ痕の形成にはさまざまな因子が複雑にからみあっていることが近年,明らかにされつつあります.そのため,ニキビ痕の治療についても多様な側面からの重層的治療が今後,展開されると考えております.
 今回の特集号は読者にとってニキビ痕に関する最新の知見を織り込んだ大変魅惑的で斬新な内容の特集になったと自負しております.
 最後に大変ご多忙のところ,ニキビ痕に関する貴重なupdateな情報を取り入れ,すばらしい玉稿を執筆いただいた各先生方に深謝いたします.

黒川一郎
(明和病院 皮膚科 部長/にきびセンター長)


<目次>
〔特集〕
1.ニキビ痕とは?/黒川一郎
2.ニキビ痕の発症機序,病態/山﨑研志
3.ニキビ痕の病態と病理組織所見/小川 令
4.ニキビ痕の炎症後色素沈着(PIH)の発症機序/山本晴代,大磯直毅,川田 暁
5.ニキビ痕(ざ瘡瘢痕)を予防するには/谷岡未樹
6.ニキビ痕の治療:総論/上中智香子
7.ニキビ痕の外科手術/小川 令
8.ニキビ痕の漢方治療/許 郁江
9.ニキビ痕:PIHの治療,その他の保存的治療/黒川一郎
10.ニキビ痕のレーザー治療:総論/鶴町宗大
11.ニキビ痕のスキンケア/野村有子
12.ニキビ痕に対する今後の新規治療の展望/黒川一郎
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商品情報・内容

  • 出版社:医学出版
  • 発行間隔:隔月刊
  • 発売日:奇数月25日前後発売

■ エビデンスに基づく知識から最新トピックスまで!美容皮膚科領域のニーズに応える専門誌

近年、美容皮膚科領域の治療は大きく発展し、その重要性は増しつつある。社会的にも広く受け入れられてきているが、一方で健康被害などの問題も生じている。今こそ、美容皮膚科領域の進歩と問題点に向き合う、新たな雑誌が必要とされている。本誌はそのようなニーズに応える雑誌を目指し、毎号さまざまなテーマを大ボリュームの特集形式で取り上げ、深く切り込んでいく。また、フルカラーの豊富な図版・写真で、ビジュアル的にもわかりやすく情報を伝えていく。

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