HODINKEE Japan Edition(ホディンキー ジャパン エディション) 発売日・バックナンバー

全12件中 1 〜 12 件を表示
3,300円
■誕生50年の軌跡、そして熱狂を越えて目指すノーチラスの次章
パテック フィリップのノーチラスが、1976年の誕生から50周年を迎えた。舷窓に着想を得たケース、一体型ブレスレット、そして水平エンボスダイヤルという独自のデザイン文法は、半世紀を経たいまも変わらない。だが、ファーストモデルから新作となる2026年の記念モデルに至るまで、ノーチラスは時代の空気を反映し、少しずつ姿を変えてきた。ノーチラスは、いかにしてラグジュアリースポーツウォッチを象徴する存在となっていったのか? そして50年を経てどこに向かうのだろうか?

■時計とジュエリーが映し出す、曇天の下の静かな光
時計は装身具のなかでも、日常に近いプロダクトのひとつだ。袖口に控えめに収まり、日々のリズムに寄り添う。一方でジュエリーは、非日常の気配を明確に添える。光を受けたときの反射、肌の上での量感、素材そのものが持つつや。双方を同じ手元に置くことで、機能と装飾、実用と高揚が互いを引き立て合う。腕時計をそれひとつで完結させず、ジュエリーとともに身に着ける。その選択によって時計はより立体的に見え、ジュエリーは日常の所作のなかで自然な存在感を放つようになる。

それは、燦々とした陽光の下に限らない。晴れた日の明快な光が煌めきを際立たせる一方、曇天の拡散した光はケースの面やブレスレットの稜線、リングやバングルの陰影を穏やかに浮かび上がらせる。時刻を確かめる、傘を持つ、カップに手を伸ばす。そうした何気ない所作のなかで時計は端正な輝きを保ち、ジュエリーは細やかに光を返す。強い光に頼らずとも、素材の色、仕上げの差、光沢の強弱が静かに立ち上がり、手元の完成度をより明確に主張するのである。

■完全防水ケースの内側にあった、ロレックスの思想
十分な実用性を持った腕時計用の完全防水ケースとして、ロレックスが「オイスターケース」を完成させてから、2026年で100年の時が過ぎた。同社がスイスのラ・ショー・ド・フォンで「Oyster」の商標を登録したのは1926年7月29日のことである。

創業者のハンス・ウイルスドルフが「ウイルスドルフ&デイビス」をロンドンに興したのは1905年。その前年にはパリの宝石商カルティエが、飛行家アルベルト・サントス-デュモンのためにプロトタイプの腕時計を製作するなど、急激に移り変わる20世紀初頭の風俗のなかで、黎明期の腕時計が示した先進性にウイルスドルフは強く惹き付けられていた。しかし当時の腕時計はまだ信頼性も低く、精度の面でも懐中時計に遠く及ばなかった。ウイルスドルフは創業初期から腕時計の性能向上に注力し、高精度な小型ムーブメントの実用化に取り組む。1907年にはラ・ショー・ド・フォンに技術部門を設立。そして1910年3月22日には、ビエンヌの時計歩度公認検定局(B.O.)の前身となるビエンヌ時計学校が、ロレックスの腕時計に第1級検査証明書を発行。これは腕時計における、世界初の精度認定といわれている。

続く1914年7月15日にイギリスのキュー天文台がA級検査証明書を、さらに1930年代にはフランスのブザンソン天文台が高精度認定証を発行。この時点でロレックスは、当時すべての検定機関(ジュネーブ検定局、ビエンヌ時計学校、キュー天文台、ブザンソン天文台)から、高精度を認められたことになる。1920〜30年代にかけて、ロレックスは各種精度検定において圧倒的な数の認定証を獲得しており、多くのA級認定ムーブメントを実際に製造していたのが、ビエンヌのレ・フィス・ドゥ・ジャン・エグラー(後にロレックスに統合)だった。

腕時計の黎明期から可能性をみいだし、その精度向上に取り組んだロレックス。しかし当時のウォッチケースは防水、防滴、防塵といった面ではるかに脆弱であり、また腕上という使用環境が、新たな弊害をもたらしつつあった。ポケットから解放された高精度ムーブメントには、その性能を維持するための、まったく新しい防水ケースが必要だったのだ。

■時を計ることは、生きることでもある
砂漠、山、水中。日常の時間感覚が遠のくような驚異的な環境で、時計は装身具である前に、仕事を進めるための道具であり、記録であり、気持ちを整える拠り所にもなる。古代エジプトの時間を読み解く考古学者、極地を歩くアルピニスト、沈没船を追う水中考古学者。3人がフィールドへ踏み出す理由をたどると、環境に耐えるために生まれたツールウォッチの奥行きが見えてくる。

■究極のラグジュアリーを体現するアストンマーティンとボンドカー
ジェームズ・ボンドといえば、腕時計はオメガのシーマスター。たしなむのはステアのウオッカ・マティーニかシャンパーニュならボランジェ、ノンアルコールなら紅茶でなくコーヒー。そしてクルマはアストンマーティンである。彼は劇中で数々のクルマを操る。ボンドがステアリングを握れば一般的には“ボンドカー”となるが、厳密にはボンドカーとは、MI6の技術開発部門、Q課の長である“Q”が、ボンドのために特別装備ごと仕立てた任務車両のことを指す。その栄誉は、アストンマーティン以外ではロータスとBMWにしか与えられていない。なぜ、ボンドは常にファーストチョイスとしてアストンマーティンを駆るのか? 歴代最高のボンドカーとは? 青山のヴァルカナイズ・ロンドンことザ・プレイハウスに集った、3人のツウたちが語る。そして現代のボンドカーである希少なカジノ・ロワイヤル仕様のDBS V12とともに、アストンマーティンの魅力に迫る。

■デムナが更新する、ブランドのコード
1921年の創設以来、イタリアを代表するラグジュアリーブランドとしての地位を築いてきたグッチが、いま新たな局面を迎えている。その舵を取るのは、アーティスティック・ディレクターのデムナだ。2025年7月に同職へ就任した彼は、2026年5月にニューヨークで発表された2027年クルーズ コレクションまで、1年足らずのあいだにブランドのアイコンを巧みに織り込みながら、グッチのDNAを現代へと更新してきた。一方で、これまでの経歴でもそうだったように、彼のクリエイションは常に賛否を呼び、モードシーンに新たな新陳代謝をもたらしているのもまた事実だ。鬼才デムナとは何者なのか。そしてグッチは、これからどこへ向かうのか。現在進行形のコレクションとブランドの歴史を手がかりに、彼が現在行っていることを推察する。
3,300円
COVER MODEL:ブレゲ クラシック 7235(通常版)
■時を超えてよみがえるジャンピングアワー

ダイヤルに設けたギシェ(小窓)に現れる数字が毎正時に切り替わり、時刻を示す。19世紀に端を発するジャンピングアワー機構が、にわかに注目を浴びている。それはデジタル社会である時代性にマッチしているからなのか、それとも一般的な針式に飽き足らなくなった時計ファンが新たな表現を求めた結果なのだろうか。いずれにしろ近年は、ジャンピングアワーを搭載したモデルがかつてないほど登場しており、特に今年はカルティエの「タンク ア ギシェ」の復刻がひとつの大きなトピックとなった。一時期時計市場から姿を消し、忘れ去られた機構が再評価されつつある現在、各社がジャンピングアワーの開発を続け、プロダクトに落とし込んでいる理由はどこにあるのだろう。

■伝統と革新の接点で_再び動き出すブレゲの名作たち

1775年にアブラアン-ルイ・ブレゲがパリのシテ島のケ・ド・ロルロージュに工房を開いたことに端を発するブレゲの歴史は2025年、250年を数えるに至った。新たにメゾンのCEOとなったグレゴリー・キスリング氏は来日時、「250周年記念モデルは、ブレゲの偉大な遺産と現代、そして未来をつなぐタイムピースになる」と語った。その言葉どおり、パリ・ヴァンドーム広場での発表を皮切りに各国で順次お披露目された250周年記念モデルは、初代ブレゲの発明のみならず、メゾンの歴史を彩った名作を再構築している。さらに、この節目に合わせて独自の18K「ブレゲゴールド」を新開発。ケースだけでなくムーブメントの地板やブリッジにも用いることで、いっそう高い審美性を実現してみせた。断続的に発表された一連の記念モデル6作を俯瞰してみると、メゾンの史実が浮かび上がってくる。

■WHY I COLLECT

なぜ時計を収集するのか。古着やバイクなど昭和男子のような趣味で知られるNumber_iのメンバー、神宮寺勇太さん。歯切れのよいラップや個性豊かなダンスパフォーマンスで多くのファンを魅了し、唯一無二の音楽を追求する情熱は、多彩な趣味の世界にも注がれる。そこに通底するのは、普遍性への憧れとともに自分らしくあり続けたいという思いだ。実は熱心に収集するヴィンテージロレックスコレクションから、初公開となる所有品も見せてくれた。
その他のコンテンツ
・THE ZENITH “CALIBRE 135”墓場で眠るキャリバーをよみがえらせる秘訣とは?
・古典と発明の交差点で見る現代ウォッチメイキング
・心預けるカバンとコートがあれば、冬空の下をどこまでもゆける
・1枚のカーペットがその後の運命を変えた“欲張りなクルマ”、初代レンジローバーの誕生
・250年の時をつなぐ、ブレゲ パーペチュアルカレンダーの系譜
・グランドセイコー ファーストにみる日進月歩の進化
・ヴィンテージ パテックの名品から知る、時代を陰で支えたケースメーカーたち
・シャネル、スタイルと技術を重ねて
・一瞬を追いながら、繰り返し訪れる_風景の中にある時間を見つめて
・直径19㎜のコンパクトキャリバーが描く次のセルペンティ
3,300円
1
●複雑機構に情熱を注ぎ続けるジュウ渓谷の名門
 オーデマ ピゲはロイヤル オークでのちのラグジュアリースポーツウォッチの道を開き、CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲのような過去に類例がない独創的な新アイコンでその名が知られる。しかし忘れてはならない。1875年に設立された時から、複雑機構の優れた担い手であり続けたことを。さらにジュウ渓谷における時計製造の歴史を遡れば、1875年以前にオーデマ家とピゲ家の名前が見付けられる。例えば1760年にこの地における最初期の時計マイスターとなったイサク=アブラハム・ピゲであり、パーペチュアルカレンダーを1830年にいち早くものにしたシャルル=アンリ・オーデマである。そうした優秀な時計一族の血脈にあり、才能にも恵まれた二人の創業者、ジュール=ルイ・オーデマとエドワール=オーギュスト・ピゲが、複雑機構に情熱を傾けるのは必然であった。そのDNAは、彼らの子孫によって受け継がれ、ジュウ渓谷の伝統に則った製作技術で複雑機構を革新してきた。

2
●百花繚乱のパーペチュアルカレンダー
 月の大小の月末を時計が自動で判別し、4年に1度しか訪れない2月29日も正確に表示するパーペチュアルカレンダーは、実用性に秀でた複雑機構である。フランス語ではQuantième Perpétuel。ゆえに“QP”と称される。腕時計に初搭載されたのは、1925年。そしてクォーツショックさなかの1970年代後半から80年代、新コンセプトのQPが登場したことで、機械式時計が再評価されるひとつのきっかけとなり、今では多くのブランドが同機構で個性を競い合う。QPリストウォッチ100年間の進化の歴史を追う。

3
●諦められた革新を、ただ一社のプライドが形にした
 1964年10月、東京・晴海。第11回東京モーターショーに展示されたマツダ コスモスポーツの試作車は、観る者の目にクルマの未来を運んで来たかのように映った。本稿では現存する希少なコスモスポーツの試作車に焦点を当てた。そこには、日本の自動車人が世界に追いつき追い越そうと邁進する姿が見て取れるからである。

4
●登頂よりも帰還を尊ぶ者たちがひっそりと選び続けた ロレックス エクスプローラー IIの物語
 ロレックスに傍流があるとすれば、このモデルだ。サイケデリックが隆盛を極めた1970年代に発表されてから50年、そして最近のアップデートまで、世界一高い山頂に立つ運命にある、変わり種の“ケイブ(洞窟)ドゥエラー”を再評価しよう。

5
●ハイエンド・アナログキーボードというジャンルを確立した男の物語
 ライアン・ノルバウアー氏は起業家にして工業デザイナーだ。懐古未来主義者でもある。さらにはワーカホリックときている。そんな彼が立ち上げたNorbauer & Co.は、日常的な道具に徹底した美意識と哲学を注ぎ込む、ラグジュアリーキーボードのアトリエである。スタートレックに影響を受けた審美眼と、クラフトマンシップへの深い敬意、そして非合理性さえ肯定する精神が交錯するそのガレージには、現代における新しい“ものづくり”の姿が映し出されている。


6
●天文複雑機構の粋を極めた、編集部厳選ムーンフェイズウォッチ10選
 時計の複雑機構のなかでも最も伝統的で、じつにロマンチックなムーンフェイズは、日々の実用性に縛られることなく、アニメーションによって楽しさと好奇心を与えてくれる機構である。これは、時間を地球上で、あるいは月面で測定するためのものではなく、空に浮かぶ月のさまざまな姿との視覚的関係を、ミニチュアとして表現するための複雑機構なのだ。伝統的な遺産であるにもかかわらず、ムーンフェイズは現在でも、多くの新旧ブランドが天文学的要素を強調し、楽しみを加える手段として用いている。かつてはシンプルでミニマルなドレスウォッチに対して、空想的な装飾を加える要素としての役割が大きかったが、いまでは機械的要素と芸術性を融合させた多様な表現が見られ、なかには毎日満ち欠けする“自分だけの月”を腕元に備えるようなモデルさえ登場している。今回の10選では、ウォッチメイキングにおいて最も古くから存在する複雑機構のひとつであるムーンフェイズが、多くのブランドによっていかに独自に取り入れられ、洗練されているかを示すため、編集部のお気に入りモデルを10本集めた。

7
●オークションの舞台を仕切る指揮者、オーレル・バックス
 オーレル・バックスは世界で最も重要な時計オークショニアであり、人類史上最高額のヴィンテージウォッチを含め、数億ドルの売り上げを誇る名ショーマンである。それはすべて称賛すべき事実だ。しかしこんな素朴な疑問には答えてくれない。彼はいったいどんな人物なのか?
3,300円
通常版表紙:グランドセイコー 服部金太郎生誕160周年記念限定モデル SBGZ005と
初代グランドセイコープラチナケースモデル

※通常版とポルシェ特別版の違いは表紙のみです。

1
●オメガ スピードマスターの歴代人気モデル10選
スピーディについて“影響力がある”と言うのは、アメリカの伝説上の巨人ポール・バニヤンを“巨大だ”と言うようなものだ。HODINKEEは、文字通り月へ行き、さらに飛躍し続けるこのクロノグラフ抜きでは存在しなかったであろう。過去半世紀にわたり、数多くのバリエーションが登場してきたが、そのなかでも私たちが最も愛するモデルを10本紹介しよう。

2
●世界が注目する“静かなる情熱”を秘めたグランドセイコー
“真面目”や“誠実”という文脈で、その魅力を語られることが多いグランドセイコー。かつての魅力の中心にあったのは、確かにそうした側面であったかもしれない。だが、この時計の魅力とは、果たしてそれだけだろうか? 今、世界でグランドセイコーの存在感がかつてないほどに増している。本稿ではコレクティブル(Collectible)、すなわち収集価値という視点から国産最高峰ウォッチが持つ本当の魅力にスポットを当てる。

3
●インディペンデントブランドに押し寄せる新しい波
私たちが考えている以上に、海外の人々から見て日本というのはエキゾチックかつミステリアスな国に写る。スイスの機械式時計にクォーツの実用化と普及によって多大な打撃を被らせたのは日本のメーカーであり、いち早く機械式の魅力とレガシーとしての文脈をみいだし、歴史から産地の背景、その仕組みまで、あらゆることを知りたがったのもほかならぬ日本の時計愛好家だった。
バブル期以前から令和まで長らく続く日本の機械式時計カルチャーの帰結のひとつとして、今、日本の独立時計ブランドの勃興と成熟が挙げられる。機械式時計のブームを端緒から見守った賢人たち、そしてジャパニーズインディペンデントブランドのリアルプレーヤーたちは何を思うのか?21世紀最初の四半世紀が終わりかけようとしている現在、率直に語ってもらった。

4
●ブランパン コンプリートカレンダーの美学
クォーツ革命による危機的状況を乗り越え、1980年代に見事な復活を果たしたスイスの機械式時計。その牽引役のひとつが、ブランパンのコンプリートカレンダーだった。
ブランパンの復興はスイスの伝統的な時計作りを象徴する技術や仕上げを取り入れたシックス マスターピースの発表がその第一歩だった。1983年から1989年にかけて製作されたこのシリーズには、ウルトラスリム、パーペチュアルカレンダー、ミニッツリピーター、スプリットセコンドクロノグラフ、フライングトゥールビヨンという機構があった。そして1983年のファーストモデルとして発表されたのが、月、曜日、日付にムーンフェイズを加えたコンプリートカレンダーである。
Cal.6395を搭載した当時のコンプリートカレンダーは、小さなケース径のなかに端正な美しさや知的好奇心を刺激するメカニズムといったスイス時計の伝統的な魅力が凝縮されていた。それが多くの愛好家を引きつけ、機械式時計への興味を再び呼び覚ましたのだ。

5
●ショパールというメゾンを貫く、表裏一体な価値への矜持
ショパールは、ジュエリーコレクションであるアイスキューブにフォーカスした“スカルプテッド・バイ・ライト(Sculpted by Light)”キャンペーンを発表した。そしてそのテーマに“光ゆえの影、影ゆえの光”を掲げた。そこには彫刻的かつ幾何学的なキューブのきらめきを表現するという背景があるが、それはジュエリーにとどまらず、タイムピースやショパールというメゾンそのものを象徴するにふさわしい。
光が強ければ影もまた濃い。両者は相反するようであるが、光なくして影はなく、その逆もしかり。共に存在して互いを際立たせる、一対で成り立つ表裏の関係である。そしてそのコントラストはアルパイン イーグル 41 XP TTでも巧みに表現されている。
2019年の誕生からわずか5年で多彩なバリエーションを発表し、アルパイン イーグルはいまやブランドを代表するコレクションを構築するに至った。そこに新たに加わった個性がスケルトン文字盤だ。手に取ればまずその軽量性に驚嘆するだろう。それは8㎜厚という薄型ケースと、ブレスレットを含めたチタン素材によるものだが、それにも増して軽やかさを演出するのが、スケルテックと名付けられたコンテンポラリーなオープンワークである。
サンドブラストで仕上げたガンメタリックカラーの地板は、同心円上に広がる円のパターンでカットアウトされ、インダストリアルなイメージを漂わせる。一方、奥にはゴールドカラーをあしらったCal.L.U.C 96.17-Sをのぞかせ、さながらスチームパンクを思わせる。光を透過し、陰影が表情を作り出す。そこに伝統と革新、クラシックとモダンが表裏一体のものとして表現されている。
ヘアライン仕上げのケースやブレスレットではポリッシュで面取りされたファセットがきらめき、アイスキューブのリングの輝きとも美しく呼応する。このキューブのモチーフは1999年に腕時計で初めて採用されたこともあり、もともと時計との親和性は高い。そしてそれこそが、ジュエラーでありウォッチメーカーでもあるという二面性が一体になったショパールならではのクリエイティビティにほかならない。“光ゆえの影、影ゆえの光”。改めてその深遠なテーマがここに立ち昇ってくるのだ。

6
●日本とポルシェの70年
日本にポルシェが姿を現してから70年以上になる。1953年に総代理店によって正規輸入されたわずか4台の356から、日本のポルシェの歴史は始まった。ポルシェと日本はいかにして出合ったのか?
現存する1953年に正規輸入された1台を主役に、日本のモータースポーツ黎明期を語るうえで重要なもう1台の356にもスポットを当てながら、“日本とポルシェのはじめて物語”を読み解いていく。

7
●日常のひとときに、旅の情緒を宿すタイムピース
2023年、ルイ・ヴィトンファンだけではなく、すべての時計ファンに向けての主力コレクションであるタンブールは、スポーティなブレスレットウォッチとして生まれ変わった。しかも高級ムーブメント会社ル・セルクル・デ・オルロジェ社と協業した、初の量産型自社製ムーブメントを搭載して、である。そのマイクロローター式の薄型自動巻きCal.LFT023は、高精度かつ手仕上げが行き渡る高級機として高く評価すべき出来栄えであり、外装の優れたクリエイションとも相まって、新生タンブールはリリース早々にして時計ファンにアピールすることに奏功してみせた。
それに続いてルイ・ヴィトンは今年、2014年に誕生したエスカル コレクションに大胆にメスを入れた。タンブールがそうであったように、トランクの補強金具をラグにかたどったケースデザインを継承しながら、クラシカルかつドレッシーなタイムオンリーウォッチに生まれ変わらせたのだ。ケースはRGとプラチナをラインナップし、SSをメインとするスポーティなタンブールを補完するスタイルでメゾンのウォッチコレクションの幅を広げた。搭載するのは、同じくCal.LFT023。しかしタンブールがスモールセコンドであったのに対し、新生エスカルではセンターセコンドに改良されている。結果エスカルは、ややモダンでスポーティな印象も併せ持つこととなった。ダイヤル装飾はアイコニックであるが決して過剰ではなく、シックさに専念している。
3,300円
※通常版とイームズ特別版の違いは表紙のみです。

REFERENCE POINTS:
A.LANGE & SÖHNE LANGE 1
誕生30周年を間近に控えた、モダンなアイコンに迫る

BEHIND THE ICONS
時を超えて人々に受け入れられる
アイコニックなウォッチデザインの裏側

SMALLER BUT STILL THE BEST
ブランパン フィフティ ファゾムスの変わらない本質

SEEK THE ATTITUDE
オーデマ ピゲ流のヘリテージ解釈は常にモダンさが共存する

CLEAN, BEAUTIFUL AND STRONG
人間と、社会と向き合うことで生まれる世界を変えるデザインの力

THE MAESTRO
マエストロ、ローマン・ゴティエが紡ぐ
精密工学と伝統の調和

A DREAM COME TRUE
理想を求めて辿り着いた
ローラン・フェリエ夢のカタチ

SPEND TIME, IN NATURE
とらわれない時間のなかで

STICK TO THE NECK
一枚の生地を羽織っているかの様な感覚を
哲学として追求し続けるリングヂャケット

DNA OF THE IMPERIAL HOTEL
4人の建築家が具現化してきた
時代に合わせて変化を続ける帝国ホテルの造形

CALL ME OBTUSE, BUT WE NEED
MORE ASYMMETRICAL WATCHES
私を鈍感と言うがいい
だけどもっとアシンメトリーな時計を見るべきなんだ

SNUCK IN TO SPACE
宇宙飛行士ジェリー・カーの息女の手にあるという
行方がわからなかったモバードが
今時計史を塗り替える

WHERE THE MAGIC HAPPENS
高い評価を得る時計師、ロジャー・W・スミスが
今も手作業が支配する昔ながらの工房内を案内してくれた

THE SKEPTIC’S GUIDE TO PVD
懐疑論者のためのPVD施工ガイド

GOLDEN HOUR
ウォッチメイキングの暗黒時代のただ中
いわば一筋の光明だった英国人ジュエリーデザイナーの物語

A CITY THAT BREATHES
ニューヨークを拠点とするフォトグラファーが
2カ⽉間の⽇本滞在で感じたもの

3,300円
●アイコンの頂点に君臨するキング・オブ・クロノグラフ
 時計史のなかで最も有名なモデルのひとつであるにもかかわらず、ロレックス デイトナはいまだにかたくなまでに誤解されている。この時計は、ツールウォッチ史の後期に登場した。その後、紆余曲折を経てスーパースターダムにのし上がり、ほかにどう言っていいかわからないが、著名人の影響力によって頂点に立った。何十年ものあいだ、二次流通価格は高騰し、そして(2022年初めには)崖から転げ落ちるような極端な市場変動を経験してきた。デイトナは、オークションで最も高い落札価格を記録した一方で、時計愛好家から過剰に注目され過大評価されていると非難を浴びやすいロレックスでもある。本稿ではロレックスが誇るキング・オブ・クロノグラフについて知っておくべきすべてのことを説明しよう。

●コスモグラフ“ル・マン”が“デイトナ”になった理由と成功への道のり
 ヴィンテージロレックスの頂点に立つ手巻きデイトナ。なかでもコスモグラフ Ref.6239のファーストモデルである“ル・マン”は、謎の多いモデルとして知られている。ル・マンとは、どのようなモデルだったのか。そしてロレックスはなぜ“デイトナ”へと舵を切ったのか。コレクターや有力なヴィンテージウォッチディーラーの力を借り、さまざまな角度から考察することで、その理由が浮かび上がってきた。

●ライカの原点こそモダンカメラのスタンダード
 ライカの原点とは、すなわち私たちが現在手にするスチルカメラの原点でもある。それは1911年にドイツ・ウェッツラー(Wetzlar)のエルンスト・ライツ社(現ライカカメラ社)へ入社したオスカー・バルナックのスケッチから始まった。映画用の35mmロールフィルムを切ってカートリッジに詰め、映画の2コマ分を使った24×36mmのフォーマットは“ライカ判”として広まり、フィルムの規格から解放されたデジタルカメラの世界でも「35mm判フルサイズ」と呼ばれるデファクトスタンダードとなった。

●旅も服も、心の向くままに
 ドレスアップして旅に出よう。スーツやジャケットはフォーマルな場で着るものだ、なんて考えはビジネスとカジュアルの境目が曖昧になった現在ではもう過去のものだし、その由来をたどればワーカーたちの外出着だ。もっと気の向くまま、自由に楽しめばいい。何より、少しかしこまったクラシックな(そしてそこに、自分らしいアレンジを加えた)スタイルで深い歴史と由緒を持つ土地をひとり行くのは、単純に気分が上がる。そんな旅の手元には、格式あるジュエラー&ファッションブランドが手がける耽美な時計がしっくりとなじむ。夕景の似合う、旧市街を歩いてみよう。初めて来たはずなのになぜか懐かしく、まるで昔からこの場所を知っているような、不思議な高揚感がそこにはある。

●ポルシェの名を世界的に高めたデイトナ、ル・マン、そしてカレラ
 2023年、ポルシェがスポーツカー生産75周年を迎えた。そのあいだ、ポルシェはモータースポーツを自社製品の開発技術を高める場として活用し、そこでの勝利を顧客にアピールすることで、ステイタスを高めてきた。その姿勢は現在までまったく揺らいではいない。そうしたポルシェが貫くクルマづくりの心情は、創業と同時に開始したいくつかの重要なレースに注目することで浮かび上がってくる。1950年代から1970年代初頭までのル・マンとデイトナの各24時間レース、そして1950年代に短期間だけ開催されたカレラこと、ラ・カレラ・パナメリカーナ・メヒコでの勝利である。

●時計収集の楽しみを呼び起こす ヴィンテージデイトジャストの世界
 デイトジャストは1945年に機構が発明されて以来、ロレックスのスタンダードとなった。ロレックス、いや機械式時計としていちばん初めに手に取られることも多いこのコレクションだが、意外にも研究が進んでいない分野で製造・販売された時期も曖昧な謎の多い時計でもある。今回は、最も数が多く市場でも手に取りやすい1960年代に登場した4桁番台(16xx)のデイトジャストについて、ディテールの整理を試みたいと思う。
3,300円
●ミニマリズムの傑作から過激な意欲作まで、レーシングウォッチの典型となった時計
一般にアイコニックな時計とは、その生涯においてあまり変化がないものである。1960年代のデイトナと2020年のデイトナが似て見えるのと同じだ。ロイヤル オーク、タンク、カラトラバのような時計にも同じことがいえる。しかし、タグ・ホイヤー カレラは違う。これほど長く愛されているのは、見た目よりも、その背後にあるアイデアが原動力となっているのだ。

ジャック・ホイヤーがカレラを発表した1963年当時、市場にはごちゃごちゃしたダイヤルと伝統的なケース形状を備えた過度に複雑なクロノグラフがあふれていた。カレラはそのシンプルさと現代性において衝撃的な存在となった。何よりも視認性と機能性を優先させたが、決してスタイルがなかったわけではない。カレラは、その時代の文化をクロノグラフに凝縮した時計だったのだ。このようなアプローチで、カレラは現代に受け継がれている。そして、最初のモデルがスイスのビエンヌから出荷されて60年近くたった今も、この時計の勢いはとどまるところを知らない。

●愛する人たちとともに世界へ羽ばたくゴローさんの魂と唯一無二のアイコン
髙橋吾郎その人が原宿・表参道にオープンさせたゴローズは、日本発のレザークラフト&インディアンジュエリーショップとして、その作品に心酔するファンから世界中で熱狂的なまでの注目を浴びている。ゴローズとともに青春を過ごし、ゴローさんを間近に見たクリエイターや、ゴローさんの意思を継ぐ現スタッフはブランドをどうとらえているのか。さまざまな人たちの心に宿るゴローズとは?

●スイス製米海軍仕様 ダイバーズウォッチの、数奇な運命
この世には重厚なストーリーを背景に持つ、傑作とうたわれる時計が存在する。そのなかでもトルネク-レイヴィルのブランパン フィフティ ファゾムスは、存在を知るも実物を目にしたことがある人はそうそういないだろう。要求の高すぎる海軍の入札仕様書に沿って生み出された、当時のフィフティ ファゾムスが1000本にも満たないからだ。そしてとある著名コレクターの協力によって、そのうちの1本が編集部に持ち込まれることになる。ようこそ、世界で最も希少とされるダイバーズウォッチのストーリーへ。

●カルチャーは国をまたいで育まれ、時代を経る
僕ら日本人は良い意味で舶来文化が好きだ。なかでもアメリカ由来のものは何度となくブームを巻き起こしてきた。当初はコスプレのように鵜呑みにしていたアメカジも、今では日本流に洗練されてそれはそれでひとつのカルチャーとなっている。いま、アメリカでは機械式時計が記録的ブームだけれど、これまでも時計ブランドは世界最大の市場・アメリカを目指してきたし、そのたびに生まれたり姿を変えたりしてききた時計があるのだ。

●シド・マッシュバーンによる あり得ない時計のスタイリング
腕時計を見て、こう思ったことはないだろうか? “すごい! けれど、どうやってつけこなすんだろう?”と。我々はある。本当によくあることなのだ。そこで、HODINKEE.comで“How To Wear It”シリーズを担当するコラムニストにお願いして、その解決法を教えてもらった。

●知る人ぞ知る名品、ロンジンのストップセコンド
1936年、ロンジンはヴィンテージウォッチ市場において愛好家垂涎の的であるフライバッククロノグラフCal.13 ZNを世に送り出した。そしてその2年後、まったく系統が異なる機構を持ったCal.12.68 Z STOPを生み出している。それを搭載した時計の名は、ストップセコンド。あまりに名高く偉大なCal.13 ZNの陰に隠れているように思われがちだが、ストップセコンドは軍や航空会社にも納品されたプロ用計器の名作である。もっと評価されるべき、その思いで筆を取った。

●ミッドセンチュリーのイタリアンオートバイは、それらにふさわしい人の手に渡れば、真の現代アートになる
MVアグスタ、ドゥカティ、モト・グッツィ、ランチア、アルファ ロメオ・・・オートバイやスポーツカー好きの方たちはこの名前を聞いただけで気持ちが高ぶってくるだろう。映画プロデューサーであるスチュアート・パーは生粋のイタリアンオートバイマニアであり、彼の所有するクラシックバイクの数は膨大で、バイクの収集家としても名をはせている。パーの素晴らしいコレクションを一部紹介すると同時に彼の生い立ちにも迫り、そしてすてきな自宅のクリアハウスも少しだけ公開しよう。
3,300円
1
●史上最薄に挑戦し続けてきたブルガリのアイコン
1世紀以上にわたり、ブルガリはイタリアらしいきらびやかなジュエラーとしてその名をとどろかせてきた。それがここにきて、一気に時計業界の重鎮の仲間入りを果たした。これは、すべてを一変させた時計の物語である。7つの最薄記録を持つ(※2022年12月現在では8つ)驚異の技術力を核として、オクト フィニッシモはモダンクラシックへの階段を駆け上る。

2
●リバイバルとノスタルジーのはざまで
久しぶりに訪れたなじみの温泉街で、昔と変わらない格好の古い友人に偶然出会う。急激なノスタルジーに襲われるような旅は、自分にしかわからない感動と郷愁があり、どこか物悲しさも漂う。景色も変わり、そこで見られるものも変化するが、わずかでもかつての趣を見つけると心が安らいでいく。90年代に僕らを熱狂させた時計たちもまた、クラシックとモダンのあいだで揺れ動きリバイバルするが変わらない部分もある。わずかなノスタルジーだけを心にしまい、旅の時間に身をまかせる。

3
●日本のヴィンテージウォッチ市場を陰で支え、時計を愛したあるディーラーの物語
1990年代に日本を席巻したヴィンテージウォッチブーム。それを陰から支え、世界に誇る日本のヴィンテージウォッチ市場の礎を築くのに貢献したひとりの偉大な時計ディーラーがいたことをご存じだろうか。名を益井俊雄という。ヴィンテージウォッチの世界では知る人ぞ知る人物だが、時計愛好家といえども彼を知る人はそう多くない。そんな彼が2022年2月、人知れずこの世を去った。本稿は彼の知られざる時計ディーラーとしての足跡をどたる回顧録であり、時計愛にあふれたひとりの愛好家を偲ぶ回想録でもある。

4
●史上最高のスーパーカー、マクラーレンF1を理解する
このクルマの隣に立つと、その小柄な体躯に驚かされる。車高が低く、ボディは引き締まっていて、ストイックさを感じさせるような優美さがにじみ出ているからだ。僕は自動車雑誌にマクラーレンF1が取り上げられれば、手に取って何ページも飽きることなく読んでいられるほど、このクルマを愛してきた。ボタンを押すとちょうどいい重量のドアが跳ね上がり、F1独特のキャビンが開かれる。左側の助手席のレザーとカーボンコンポジット素材のサイドシルのあいだをすり抜けると、中央の珍しいドライバーズシートに腰を下ろす。F1が僕を包み込むような心地である。足はマグネシウム合金のホイールのあいだに入り、腰と肩は深いシートでしっかりとホールドされる。両手は定位置に収まる。ギアがニュートラルに入っていることを確認して、クラッチペダルを踏む──予想より好感の持てる軽さである──そしてキーを回し、赤いスターターボタンの保護カバーを開ける。深呼吸をしてボタンを押すと、スロットルの軽い振動を通じてF1が咆哮を上げて目覚めるのがわかる。

5
●HODINKEE MAGAZINE Japan Edition Vol.5 別冊付録 CARTIER Edition THE WATCHMAKER OF SHAPE





1
●大空の時を刻み続ける パイロットウォッチという矜持
時計はツールである以上、目的に沿った機能や仕様を備える。ドライビングにおけるクロノグラフ、水圧に耐えるダイバーズウォッチもそう。翻ってパイロットウォッチを見れば、本来の機能の恩恵に浴する持ち主はけっして多くはないだろう。だがそれでも人気は尽きない。別々の時代に異なる人々に愛され必要とされてきたパイロットウォッチ。このジャンルを形成し、発展させてきた5つのモデルを取り上げる。

2
●REFERENCE POINTS:THE AUDEMARS PIGUET ROYAL OAK MIGHTY AS AN OAK
八角形、誕生50年──オーデマ ピゲの永く奇妙な旅の軌跡を追う
1972年は現代史の分水嶺の年であった。ニクソン大統領が電撃訪中を果たし、パイオニア10号が地球を出発し、太陽系を離脱するのに十分な速度を出した最初の宇宙探査機となった。映画『ゴッドファーザー』が公開され、ウォーターゲート事件が発覚した。人類が月面を歩いた最後の年でもある。アタリ社よりテレビゲーム『Pong』が発売、アラン・コンフォートが『The Joy Of Sex』を出版。時計業界では、当時登場から2~3年しかたっていないクォーツ技術が、本来保守的でリスクを嫌うスイス時計業界を不安にさせるほど、大きく発展していた頃である。

3
●それまでの有り様を変えてしまうようなものの存在 それが時計でも体験でも、次代につながる架け橋になる
腕時計を男性が身につけるようになったのは、かのアルベルト・サントス=デュモンが盟友ルイ・カルティエにオーダーしたサントスに端を発するというのは有名な話。1904年から100年以上を経たいま、腕時計は時間を見るという実用性を失いながら、つけ手の内面を写す道具としての存在感を強めている。ドレスウォッチやスポーツウォッチ、ラウンドにスクエア、防水性やスポーツ計時など単純なカテゴリや性能、形だけが意味を持った時代は終わり、時計はときにサステナブルやジェンダーレスの象徴であり、現代アートのカンバスにさえなり得る。古典を芯に据えながら、価値観を改めつつある時計たちがいま、京都で華やぐ。

4
●フレデリック・ピゲが導いたエクストラフラットという美学
スポーツウォッチが市場を牽引するなか、クラシカルなエクストラフラットはニッチな存在……かと思われたが、さにあらず。2021年には薄型手巻きの新キャリバーが各社から登場し、けっして時代遅れでないことが証明された。その始祖こそが、1925年にフレデリック・ピゲが開発したCal.21である。にわかに注目を集め始めたCal.21搭載モデルは現在市場から枯渇しつつあるが、江口時計店のオーナーである江口大介氏の協力を得て、興味深いアイテムの数々を撮影することができた。時代を切り開き、極薄ムーブメントを牽引した名機の軌跡を追う。

5
●ヤン・テーゲルセンのバング&オルフセン真空管ラジオコレクション
ヤン・テーゲルセン氏とバング&オルフセンとの出合いは、父親から譲り受けたBeolit39。18歳当時の彼は父親の「いずれ価値有るものになる」という言葉に懐疑的だった。しかしながら、ひとつのラジオから始まったコレクションが彼の人生にとって大きな意味と、偉大な仕事の両方をもたらすことになる。
●専業メーカーとは異なる感覚で仕上げられた審美性のかたまりたち
●現代の感性が与えられて誕生した腕時計を携えて、週末の小旅行に身をゆだねた
●再び未来へ。受け継がれる本物の価値とピエール・ジャンヌレのレガシー
●地球の裏側から70年をへて、ある男のロレックスが知られざる歴史を語る
●新進気鋭のネオ・ヴィンテージ(ほぼヴィンテージを含む)ウォッチを紹介する




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TABLE OF CONTENTS
WATCHES of THE ISSUE
LETTER FROM THE EDITOR
90周年を迎えたアール・デコのアイコンがたどった数奇なる奇跡のストーリーをキャリバーで振り返る
専業メーカーとは異なる感覚で仕上げられた審美性のかたまりたち
過去の名作にルーツを持ち、現代の感性が与えられて誕生した腕時計を携えて、週末の小旅行に身をゆだねた
日常生活でもダイビングでも使えるオールラウンダーとして誕生し、今もなお進化し続けるフィフティ ファゾムス バチスカーフ
1965年式ポルシェ911
高級時計の概念としての仕上げを昇華し続けるオーデマ ピゲ
再び未来へ。受け継がれる本物の価値とピエール・ジャンヌレのレガシー
希少さを示す数字から解き明かすアート化するリシャール・ミル
ミュージシャンである彼がなぜ多くの家具作品に引かれるのか。すべては音楽と人とのつながりに対する一貫した思いにあった
クリュッグアンバサダー・加山賢太シェフが見いだすクリュッグとオニオンのマリアージュ
求められる要素は時代とともに変わるが、その本質は今も昔も変わることはない
地球の裏側から70年をへて、ある男のロレックスが知られざる歴史を語る
クラシックな印象を一新するスケルトンウォッチ
8人の専門家やコレクターが今、注目すべき新進気鋭のネオ・ヴィンテージ(ほぼヴィンテージを含む)ウォッチを紹介する
最高峰のブレスレット一体型永久カレンダー3本で味わう別世界の風格
時計愛好家のあいだでは過去の自動巻きムーブメントが美化されがちだが、現行最高峰の自動巻きムーブメントには多くの利点がある
機械式時計とともに人生を歩んだ男
時を示す腕時計、瞬間を切り取るカメラ 写真家のレンズを通して見える世界
定期購読のご案内
HODINKEE Watch Care
1.REFERENCE POINTS カルティエ タンク
カルティエ タンクは今ではおなじみの時計のひとつと言っていいだろう。
1917年にデザインとプロトタイプの製作が始まり、1919年に最初の1本が発表されたが、
当時カルティエにはすでにサントス・デュモンやトノーがラインナップされていた。
しかし、タンクは小規模ながらも進化し続ける腕時計デザインの仲間入りを果たしたのである。
「模倣は最も誠実なお世辞である」とはよく使われる格言だが、
タンクは時計製造史のなかで最も賛辞に満ちたデザインのひとつと言えるだろう。
また、模倣するのは簡単でもインスピレーションを得るのは難しいということを証明する時計でもある。
しかし、ルイ・カルティエの独創的なビジョンは100年以上ものあいだ、ほとんど変わることなく受け継がれ、
20世紀、そして21世紀を代表する真の普遍的デザインとして君臨するに至った。


2.BENEATH THE WAVES ダイバーズウォッチ・ヒストリー
“海。いったんその魔法にかかると、その素晴らしい世界に永遠に心を奪われ、探求し続けることになる”(ジャック=イヴ・クストー)
コマーシャルダイビングの発展、そしてレクリエーションダイビングの勃興とともに進化を遂げてきたダイバーズウォッチ。
かつては安全装置としての役割も果たしたツールウォッチだが、今や本来の目的で使用する人間は極めて少ない。
だが、長い冒険の歴史とともに磨かれたその顔とスタイルは、今なお多くの人々の心を掴んで離さない。


3.AD ASTRA オメガ、スピードマスター、そして宇宙飛行の歴史
オメガ スピードマスター プロフェッショナルの物語は初代モデルの設計者が想像すらしなかったような独自の道を歩んでいる。
何世代にもわたる当モデルの時計愛好家には、スピードマスター プロフェッショナルは単にムーンウォッチと呼ばれる。
アポロの宇宙飛行士を宇宙へ、そして最終的には月面へと導いた時計である。
しかし、有人宇宙飛行におけるスピードマスターの歴史は時計愛好家が一般に認識しているよりもはるかに長い。
アポロ計画はスピードマスターにとって決定的なものだった。
人類が初めて月に行けるのは一度だけであり、スピードマスターが個人的な装身具としてではなく、
必要不可欠な装備品として携行されたことで、スピードマスターは人類の探検の歴史のなかで重要な位置を占めるに至った。
しかし、スピードマスターはアポロ計画が終了した時点で宇宙へ行くことをやめたわけではない。
月へのミッションは長くて最も興味深い物語の始まりにすぎなかったのだ。


4.RED DEVIL ベルトーネのアストンマーティン DB2/4
アストンマーティンとベルトーネ。あるアメリカ人のサクセスストーリーが、
息をのむような絶世の車を生み出すきっかけを与えた理由とは。
人の好みはさまざまだという。しかし、客観的に見て美しいものがあるとすれば、それはこの車かもしれない。
この車がアストンマーティンであることは、自動車愛好家には驚くに値しないだろう。
具体的な名を挙げるとすれば、ベルトーネ製の車体と伝説のイタリア人カーデザイナー、
ジョバンニ・ミケロッティのデザインを採用したアストンマーティンDB2/4のことだ。


5.THE RISING VALUE オークションハウスが牽引するアートと時計の価値
オークション市場ではここ数年で著しく腕時計がその価値を向上させ、存在感を増している。
時計自体や持ち主のストーリーが付加されて、単純にものの希少性にとどまらない価値が認められるようになってきたのだ。
時計はさながらアート化しており、そうなればこれから世紀を超えるような存在になりうる。一方で、アートの世界ではコ
ンテンポラリーアートが脚光を浴びており、新たに手にする人も増え続けているという。
時計もアートも、好事家たちはどのように、どんなものに注目しているのだろうか。
時代を超えるようなアートと時計に迫るべくオークションハウスの賢人たちを尋ねた。


6.ALL HAIL HANDMADE 真の職人的時計を求め歩んできた長く険しい道のり
時計収集の世界がかつてないほど熱を帯び始めている。
特定のスティールウォッチが市場で異常なまでの高騰を示す無味乾燥な世界が広がるかたわら、
熱心な時計愛好家たちは時計職人の適切な仕事から生み出される美しい腕時計に熱い視線を注いでいる。
何が彼、彼女らを夢中にさせるのか。いざ、素晴らしいハンドメイドウォッチの世界へ。



7.A NEW FORM インディペンデントブランドの台頭が示した時計ブランドのあるべき姿
ラグジュアリーコングロマリットが展開するグローバルブランドとは異なり、
小規模ながらも独自のこだわりを反映した時計作りを貫くインディペンデントブランドが、市場で存在感を強めている。
彼らを支持するのは、目の肥えた時計愛好家たちだ。
インディペンデントブランドは古くから存在しており、決して珍しいものではない。
では、なぜ今彼らが注目を集めるのか。人々の心に響く時計とは何かということ、そして、時計ブンドの未来が見えてきた。


8.WHY I COLLECT ヴィンテージウォッチに愛を注ぐコノサーたち
腕時計の価値は時代を振り返ってあとからついてくるものだ。
あのノーチラスもロイヤルオークも、デイトナでさえも発売当時は見向きもされなかった。
多くの名作時計たちは、革新的な製品を恐れずに作るメーカーと、新しい価値観を信じ抜く買い手とのあいだで育まれてきたわけである。
今回の二名は独自の感性で異なったジャンルのヴィンテージウォッチに熱視線を送る。

時計への情熱を共有する場としてベンジャミン・クライマーがNYでローンチしたウェブメディア『HODINKEE』。
その卓越した編集力を結集した『HODINKEE Magazine』のDNAを受け継ぐ初の海外展開として、このたび日本版が創刊。
ラグジュアリー腕時計に関する詳細なレビュー、ヴィンテージアイテムの歴史的な背景、最新ニュースなどをお届けし、
時計はもとよりライフスタイル全般の多様なコンテンツを、美しいビジュアルとともに発信します。



CONTENTS
テイストメーカーが誇る、5つの腕時計を詳しく見ていこう
クロノグラフが、無名の道具から20 世紀最もポピュラーな複雑機構へと変化した軌跡を追う
コレクター界で最も重要とされるドレスウォッチの細部にわたる検証
いま、旅の時間で再発見する日本の原風景と腕時計の関係
ラグジュアリーウォッチの地平を切り拓くオーデマ ピゲの異端的新コレクション
アイコンであるヴィルレとフィフティ ファゾムスからたどるブランパンの歴史
2年間の沈黙を破りフォルティスは、新作のフリーガーシリーズをリリース
過去からのインスピレーションをフルに生かしたタグ・ホイヤーの160周年を彩るカレラたち
不運だったが、同時に今では最も愛されているBMW製ミッドシップスーパーカーの起源
賞金は誰の手に?
B&B ItaliaのシステムソファB&B Atollからコンテンポラリーを理解する
キッド・フロム・クイーンズ、キングジェームス、そしてスニーカー・ロイヤルティ
ものづくりの現場から見えたグランドセイコー躍進の原動力
紙一重の世界 オーデマ ピゲ13リーニュの腕時計に迫る
WHY I COLLECT Mark Cho
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商品情報・内容

■ NY発の全く新しい時計ライフスタイルマガジン『HODINKEE Japan Edition』

2008年、時計への情熱を共有する場としてベンジャミン・クライマーがNYでローンチしたウェブメディア『HODINKEE』。その卓越した編集力を結集した『HODINKEE Magazine』のDNAを受け継ぐ初の海外展開として、日本版が創刊されました。ラグジュアリー腕時計に関する詳細なレビュー、ヴィンテージアイテムの歴史的な背景、最新ニュースなどをお届けし、時計はもとよりライフスタイル全般の多様なコンテンツを美しいビジュアルとともに発信します。

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