たくさんのふしぎ 発売日・バックナンバー

目次:
焼きそばパンはヘン? 小麦のへんしん
森枝卓士 文・写真

■内容のご紹介
焼きそばパンがふしぎだと感じたことはありませんか? 焼きそばは主食、パンも主食。主食とおかずの組み合わせではなく、主食と主食が合体している! しかも原材料はどちらも小麦なのです。焼きそばパンの謎を探っていくと、粒として食べるのは困難で粉にして使うため、様々に形に変身しやすいという小麦の大きな特徴が見えてきました。

■編集部より
軽食として、おやつとして、日本では当たり前に食べられている焼きそばパン。これが外国の人から見ると驚きの食品で、見ると笑ってしまう人が多いそうです。小麦でできたパンで、小麦でできた麺をはさむとは! と。

前作『はじめちょろちょろ 中ぱっぱ ごはんを炊く』でお米について様々なふしぎを明かしてくれた森枝さんが、今回小麦のふしぎに取り組んだとき、真っ先に浮かんだのが焼きそばパンだったそうです。そして麺やパンのもとになっている小麦を、小麦畑の種まきから取材していくと、粉にしてから使うため、世界じゅうで様々に形を変えて食べられている、小麦の特徴が見えてきました。
コロッケやフライは、具に小麦をつけ、最後はパン粉で包んで揚げてあるし、カレーパンに至っては、カレーも含めて小麦の三重重ねになっています。

この本に登場するワンタン麺、登場しなかったたぬきうどんなど、この世界には実に多くの炭水化物重ね(小麦重ね)の食品が多いことに気づいたのでした。

■作者のことば
小麦粉がいっぱい 森枝卓士

トウモロコシ、小麦、米。

世界三大穀物というのだそうです。生産量もその順番ですが、トウモロコシは家畜のエサやバイオエタノールという燃料にされたりもするので、食糧としては小麦が一番です。水がたっぷりと必要な米に対して、乾燥に強いこともあって、小麦が世界の広い地域で作られ、食べられているということです。

一昨年、『はじめちょろちょろ 中ぱっぱ』と題して、米の炊き方から米の話の本を「たくさんのふしぎ」で作りました。

今度は小麦で……と考えていて気になったのは、やはり、様々な形に姿を変えて食べられているということでした。粉食ゆえだと思いますが、それにしても、いろいろと……あ、焼きそばパン、カレーパン、コロッケパン、どれも小麦粉がいっぱいだ。そこからお話を始めようと思いついたのでした。

正直に言いますと、ちょっとジャンクな食べものだな、と思わないでもありませんでした。でも、その「ふしぎ」を考えていくと、少し納得したりも。それだけ、小麦が様々な用途で活躍するということの証明かもしれません。

ところで、日本にいたら、ほとんどのところで、米、つまり稲が育つ水田は身近であったり、目にすることも多かったのではないでしょうか。でも、小麦はそれほどでもないかもしれない。

ならば、どうせなら、種を植えて育て、収穫してという流れ、あるいはそれが粉になってというところまで、ちゃんと見たい、見せたいと思いました。

探したら、社会福祉法人グリーンという団体が、横浜市で障碍者の皆さんと一緒に、小麦を育てていることを知りました。その名も青葉区と言うとおり、緑豊かな一帯で、様々な野菜や小麦を育てたり、収穫したものなどを販売したりしているのでした。

利用者とスタッフ、そして支援者が一緒になって、働いているところに通って、種まき、麦踏み、収穫などを見せてもらいました。
さらに、その収穫した小麦を地元の飲食店などで使って、食べものにして……という活動をしている、横浜あおば小麦プロジェクトの奥山さんに出会い、収穫のあとも見せてもらったのでした。その小麦を使っている、パン屋さんや麺屋さんも紹介してもらって。

そうして、全体を見渡し、この本ができました。世界中で一番食べられている穀物、小麦のことが少しは分かったかなあ。わたしも、みなさんも。いろいろ食べて考えよう。

■著者情報
森枝卓士
1955年、生まれ育った熊本県水俣市でアメリカの写真家、ユージン・スミスと出会い、報道写真の道を志す。国際基督教大学卒。カンボジアの内戦の取材を経て、食文化を主な取材対象とする。著書に『食べもの記』『手で食べる?』『線と管のない家』(「たくさんのふしぎ」2020年3月号)『はじめちょろちょろ 中ぱっぱ ごはんを炊く』(同2024年4月号)『人間は料理をする生きものだ』(以上福音館書店刊)、『干したから……』(フレーベル館刊)など。大正大学など多くの大学で、食文化、写真(取材、調査法)等を教えている。
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木から生まれたクリカチ
長倉洋海 文・写真

■内容のご紹介
時間がすぎても変わらない大切なこと・・・・・・写真家の長倉洋海さんは、30年にわたり、アマゾンの先住民クリカチの子どもたちを撮り続けてきました。伝統的な踊り好きの少年が医学生になったり、ハンモックで眠っていた少女は看護師になったり、子どもから大人へ成長した彼ら彼女たちの写真が語りかけてくるのは、自然とともに生きることのすばらしさでした。

■編集部より
ブラジルのアマゾンに、森で狩りをして生活する先住民「クリカチ族」がいます。日本人の多くと同じモンゴロイドで、顔つきが似ています。クリカチの人口は1945年頃には15,000人にいたとされています。しかし、あとからやってきたブラジル人のもちこんだ感染症と暴力によって、1990年頃にはたった600人にまで減っていました。

その後、クリカチの人たちの努力によって、自分たちの森を取り戻し、村を増やし、子どもたちを大切に育て、現在では1300人にまで回復しています。写真家の長倉洋海さんは1993年からクリカチを記録しつづけてきました。クリカチを取り巻く社会が変わっても、自然とともに生きるクリカチの人たちのくらしは変わっていないと長倉さんは話します。

この作品では、20年以上前に撮影した子どもたちと、彼ら彼女たちがどんなふうに成長したかにスポットを当てて描いています。「ナガクラ」という名前を与えられ、村の伝統行事を撮るカメラマンになった少年。村の外に置き去りにされていたところをクリカチ族に保護され育てられた少女は、病気を乗り越え、今は家族と幸せにくらしています。

踊りと音楽が好きで、素敵な笑顔の写真に写った少年は、言語のハンディキャップを乗り越え、現在は医学部の学生になりました。登場する子どもたちそれぞれの子ども時代と今を見ることで、時間がすぎても変わらない大切なことが浮かび上がってきます。読者ひとりひとりにとって、その受け方はいろいろだろうと思います。しかし、読んだ後に、あたたかなものが心に残ることは確かです。
登場する子どもたちの写真は『きみが微笑むとき』(2004年刊/福音館書店)にもおさめられています。『木から生まれたクリカチ』は、写真を撮ることを通して、子どもたちの成長を見守り、励ましてきた長倉洋海さんの作家として歩みから生まれた作品なのです。

■著者情報
長倉洋海(ながくらひろみ)
1952年、北海道釧路市生まれ。写真家。同志社大学卒業後、通信社カメラマンを経て、フリーランスとして活動。1980年よりアフリカ、中東、中米、東南アジアなどの世界各地を訪れ、そこに生きる人々を長い時間をかけて撮影してきた。講談社出版文化賞、巌谷小波文芸賞などを受賞。著書は『きみが微笑む時』、『トナカイに生かされて』(「たくさんのふしぎ」通巻428号、以上福音館書店)ほか多数。
ギンリョウソウ 森に咲く銀色の花
末次健司 文・写真 安斉俊 絵

■内容のご紹介

■編集部より
作者の末次健司さんがギンリョウソウと初めて出会ったのは子どものころ。近くの森で遊んでいると、足もとで銀色に光る不思議な姿の植物にひとめで夢中になりました。やがて植物学者となった末次さんは、ある時、赤色の珍しいギンリョウソウを見つけます。もしかしたら新種のギンリョウソウではないか?こうして、この植物の謎を解き明かす調査が始まりました。

花の形や根っこの深さを比べたり、開花時期を調べたり、時には古い標本を手掛かりに違いを探す探偵のような調査まで。本書では、20年にわたる研究から分かった、ギンリョウソウの進化の道のりを丁寧に描いています。ギンリョウソウという小さな植物の紹介を通して、「種ってなに?」「生き物の進化はどうやって起きるの?」といった普遍的な問いにもせまります。

植物の研究は、特別な難しいことをやっているわけではありません。植物をよく観察して、小さな違いに気づくこと。その積み重ねが、新しい発見につながるのです。まだ誰にも知られていない未知の植物は、遠くの山林やジャングルに行かなくても、じつは身近な自然の中にも潜んでいます。この本を読んで、身近な自然の中を歩き生き物を観察する「フィールドワーク」のおもしろさを知ってもらえたら嬉しいです。

■著者情報
末次健司(すえつぐけんじ) 
1987年、奈良県生まれ。2010年、京都大学農学部卒業。2022年より神戸大学大学院理学研究科教授。同大学高等学術研究院卓越教授を兼任。専門は、日本の生物多様性を活かした植物・菌類・昆虫のナチュラルヒストリー研究。主に、光合成をやめた「菌従属栄養植物」の生態を研究し、「キリシマギンリョウソウ」や「妖精のランプ」と呼ばれる「コウベタヌキノショクダイ」など、多くの新種を発見してきた。自然界の不思議を解明することをモットーに、菌従属栄養植物にとどまらず、幅広い動植物やキノコに関する研究も展開。ナナフシが鳥に食べられても子孫を分散できる可能性を示した研究は、大きな驚きをもって迎えられた。著書に『「植物」をやめた植物たち』(たくさんのふしぎ傑作集)、『もっと菌根の世界』(共著・築地書館)などがある。

安斉俊(あんざいしゅん)
埼玉県生まれ。日本大学生物資源科学部卒。絵の仕事をする前は神奈川県水産技術センター内水面試験場で淡水魚の調査や研究をしていた。水辺の生きものから勉強をはじめて、山や草原、砂漠、様々な自然、様々な生きもの、なんでも描く。嫌いな生きものはいない。末次健司さんの研究のプレスリリース用イラストも多数手がけている。
アオバズクの食卓
みぞたひろみ 文・絵

アオバズクという鳥を知っていますか。毎年、春になると日本にやってくるフクロウのなかまです。作者は、木々の下に落ちている彼らの食べ残しをコツコツと拾って分析していくうちに、思いもよらない発見にたどり着きます。アオバズクは、まるでシェフのような鳥だったのです…! 身近な自然を舞台に、「研究すること」のよろこびを伝える作品です。

■編集部より
「誰でも研究者になれるんだよ」と、背中を押してくれるような作品です。

作者の溝田浩美さんは、兵庫県立人と自然の博物館の地域研究員。幼いころからいきものが大好きで、虫や小さないきものを家に連れて帰っては、大切に世話をしてきたそうです。そんな溝田さんが大人になって出会ったのが、毎年春になると日本にやってくるアオバズクでした。彼らの生態が気になり、木々の下に落ちている彼らの食べ残しをコツコツと拾って分析していくうちに、思いもよらない発見にたどり着きます。

その成果をまとめた論文が、2023年に日本鳥学会内田奨学賞を受賞しました。本作はその際の研究内容をもとにしており、絵もご自身が心を込めて描いています。新緑の季節を思わせる透明感のある絵とともに、いきものの生態を解き明かしていくよろこびを味わっていただけたらうれしいです。

■作者のことば
「だれでも研究者になれる」 みぞたひろみ

子どものころから生き物が大好きで、いろいろなものを家に連れて帰っては飼ってきました。そんな私が偶然が重なりはじめることになった鳥の調査ですが、今では鳥に魅せられ、ライフワークのような形で生活の一部になっています。

動物病院の先生にアオバズクがいることを教えてもらったことから、落ちていた昆虫の残骸(残し餌)を集め、餌の内容を調べはじめました。なかなか分からなかった種が判明したときには、パズルの最後のピースがはまったときのように幸せな気持ちになりました。少しずついろいろなものが見えてくる残し餌の回収は、ワクワクドキドキの連続でした。

実は、すでに調べられていると思っていても、世の中に知られていないことは多く、身近なところに新しい発見や、研究の種がたくさんころがっています。人と自然の博物館の大谷剛先生によると、たとえば、昆虫の1個体追跡を続けると、必ず新しい発見があると言っておられました。私のように研究を職業としていないものでも、自分の知らない世界を楽しみながらつきつめていくことで、新しい発見がありました。みなさんもふしぎなことを見つけたら、ぜひ研究にチャレンジしてみてほしいです。

研究の際は、きちっとデータをとることが大事です。もし、思い通りのデータが出なくても、なぜその結果が出たのかを考えると、その中にはまた新たな研究の種が見つかるかもしれません。「データは?をつかない」……私が常々大切にしていることです。

また、調べたことを形にし、発表することも大切です。形にしないと、どれほど素晴らしい発見も、誰もわかってくれませんからね。私は調査結果を、アマチュアの調査結果・活動内容の発表の場などでお話しさせていただき、その際に研究員の先生方からの助言をいただくことができました。みなさんもなにか発見したら、ぜひだれかに話したり、発表したりしてみてください。研究で失敗したことも大切な発表材料になります。きっと新たな世界が見えてくることでしょう。

今回の研究にあたっては、人と自然の博物館の大谷剛先生や、布野隆之先生には大変お世話になりました。困ったときには必ず誰かが手を差し伸べてくれました。あきらめずに続けることで、素敵な出会いに恵まれ、こうして絵本を刊行することができました。ありがとうございました。

■著者情報
みぞたひろみ
1961年、奈良県生まれ。今回が初めての絵本。2006年より兵庫県立人と自然の博物館地域研究員として、アマチュアの調査成果・活動内容の発表の場である「共生のひろば」での発表や、子どもたち対象の講座を行っている。日本鳥学会会員。2020年にアオバズクの論文が日本鳥学会誌に掲載され、その論文で2023年度日本鳥学会内田奨学賞を受賞。
『いきものと熱』きのしたちひろ 文・絵

あたり前のようにある「体温」。私たち人間の体温は36度から37度くらい。

ほかの動物では、スズメの体温はなんと42度。爬虫類や魚はまわりの温度に合わせて体温が変化するものが多くいます。

それぞれのいきものにとって活動するためにちょうどよい体温があります。そんな大切な体温を維持し活用する、いきものたちの体のよくできた仕組みを紹介します。

■編集部より
著者のきのしたちひろさんは、『なぜ君たちはグルグル回るのか』(「たくさんのふしぎ」2022年11月号)をはじめ、2025年のベストセラー『ポケモン生態図鑑』(小学館)や『最新研究で迫る 生き物の生態図鑑』(エクスナレッジ)など、イラストレーターとして多方面で活躍しています。

実は、きのしたさんはもともと東京大学大気海洋研究所でウミガメの研究をし、博士号を取得されています。研究のテーマのひとつがウミガメの潜水行動と体温の関係を探る潜水生理学でした。

『いきものと熱』は、きのしたさんの専門知識をいかして様々ないきものたちの体温の秘密にせまった、ほかに例のない特別な作品です。

いつでも36度から37度くらいに維持されている体温は、多くの人にとって当たり前のようにあるものです。しかし、病気で高くなったり、反対に寒さなどで低くなったり、2~3度変わるだけで体調が明らかに悪くなってしまいます。

それぞれのいきものにとって活動するためにちょうどよい体温があるのです。スズメの体温はなんと42度もあります。爬虫類や魚はまわりの温度に合わせて体温が変化するものが多くいます。マンボウは海面にぷかぷか浮かんで太陽光で体を温めてから、極寒の深海に潜ってエサのクラゲを食べます。

熱帯から北極や南極、深い海の中まで、いきものたちは熱をうまく使って、さまざまな環境に適応してきました。たった1度の差が大きな違いになるほど大切な体温を維持し活用する、いきものたちの体のよくできた仕組みを紹介します。

自分の体があたたかいことのありがたさと素晴らしさがきっとわかります。

■著者情報
きのしたちひろ 文・絵 きのしたちひろ
岡山県出身。博士(農学)。専門はウミガメなどの海洋動物の行動生態学、潜水生理学。東京大学大学院農学生命科学研究科卒業後、日本学術振興会特別研究員を経て、2023年よりイラストレーター。著書に『なぜ君たちはグルグル回るのか』(「たくさんのふしぎ」2022年11月号/福音館書店)、『最新研究で迫る 生き物の生態図鑑』(エクスナレッジ)、『ポケモン生態図鑑』(小学館)などがある。
世界でくらすクルドの人たち

金井真紀 文・絵

春分の日、埼玉県ではクルドの人たちが新年を祝うお祭り「ネウロズ」が開かれます。

クルド人ってどんな人たちなのでしょう?

どんな文化をもっているのでしょう?

日本、イラン、イラク、カナダ、イギリス、ドイツ、世界中にくらすクルドの人たちに会って話を聞いて、ネウロズと美しいクルドのドレスを中心にクルドの文化の魅力を紹介します。

編集部より

春分の日、クルド人の大切なお祭り「ネウロズ」が開催されます。
色とりどりの華やかなドレスに身を包んだ人たちが輪になって踊ります。
「ネウロズ」はクルド語で、「新しい日」を意味し、クルド人たちにとって新年を祝う日です。
日本では毎年、埼玉県でネウロズが開催されています。
同じように、クルド人が多く住むイランやイラクなどの中東や、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、スウェーデンなど欧米各国でも大々的に祝われています。
この本では、ネウロズと美しいドレスを中心に、クルドの文化を紹介します。
日本だけではなく、イランのマリーヴァーン、イラクのスライマーニーヤ、カナダのカルガリー、オーストラリアのブリスベンとアデレード、イギリスのウルヴァーハンプトンとロンドンとリヴァプール、ドイツのミュンヘンとフランクフルト、いろんな場所に住むクルドの人たちを取材して作りました。
あの美しいドレスには、どんな思い入れがあるのか?
ネウロズがどれほど大切にされていて、踊りと音楽がどれほど愛されているか?
また世界各地に住むクルドの人たちが日常生活でどんなことを楽しみにしているか?
美味しそうなクルド料理もたくさん登場します。
そして、どこの国にいても、どんな境遇にあっても、クルドの人たちが私たちと同じように、日々を幸せに生きようとする姿を金井真紀さんがのんびりとあたたかく描いています。
ネット検索ではわからない、世界中の人たちに会って話すことで見えてくる、クルドの文化のすばらしさを感じて頂けるとうれしいです。
文化や人それぞれのくらしを知ることで、世界の人たちへの深い共感が広がることを願ってこの絵本を届けます。

著者情報
1974年千葉県生まれ。文筆家・イラストレーター。任務は「多様性をおもしろがること」。著書に『世界はフムフムで満ちている』(ちくま文庫)、『パリのすてきなおじさん』(柏書房)、『日本に住んでる世界のひと』(大和書房)、『聞き書き 世界のサッカー民』(カンゼン)、『おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った 世界ことわざ紀行』(岩波書店)、『テヘランのすてきな女』(晶文社)など。難民・移民フェス実行委員。

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こころのえほん

齋藤槙 文・絵

いまあなたは、どんなきもちですか。

こころってふしぎ。

目に見えないのに、確かにある。

うれしくなったり、かなしくなったり…目まぐるしく変わるこころの内側のようすを、彩り豊かな絵で表現します。

「わたし」と「あなた」の感情に向き合い始める子どもたちにおくりたい一冊。

付録として、いろいろな気持ちの景色を表現した「かんじょうカード」つき。

巻末連載
「ふしぎ新聞」
連載陣 「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」の素敵な木版画作品でおなじみの宇田川新聞ほか

編集部より

たとえば、しっぱいや挫折をしたとき。
大切なものを失ったとき。生きていると、子どもも大人も、つらい感情に押しつぶされそうになるときがあります。
いっぽうで、何かを成し遂げたときや、仲間とわかりあえたときなど、大きな喜びに包まれる瞬間もあります。
わたしたちは、好むと好まざるにかかわらず、感情とともに生きています。
ときには、そんな感情をやっかいなものだと感じることもあるかもしれません。
そんなとき、感情にカーテンを引いて閉じこめてしまうのではなく、じっと見つめてみることで、少しずつ仲良くなれるかもしれない――。
この絵本は、そんな願いを込めてつくられました。

作者は、『ぺんぎんたいそう』『かめかめたいそう』などでおなじみの、絵本作家の齋藤槙さん。
人の内面をじっくりと観察しつづけ、こころの中の風景をカラフルな色にのせ表現してくださいました。

「たくさんのふしぎ」の対象年齢である9歳・10歳ごろは、感情の世界がぐんと広がっていく時期と考えられています。
快・不快が入り混じった複雑な感情を把握できるようになり、他人の気持ちを行動から汲み取ることができるようになるとも言われています。
そんな「わたし」と「あなた」の感情と向き合い始める子どもたちに贈りたい一冊です。

著者情報

齋藤槙
1981 年、東京都生まれ。武蔵野美術大学造形学部日本画学科卒業。貼り絵、水彩、ステンシルをはじめ多彩な表現を用いる。
絵本に『ほしのおんがくかい』(世界文化社)、『ぺんぎんたいそう』『かめかめたいそう』『にゃんころたいそう』(「こどものとも 0.1.2.」2025 年7月号)『すいぞくかんの おいしゃさん』(以上、福音館書店)など。子どもアーティストのための創作と発表の場「うたのアトリエ」主催。

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土のうの道

木村亮 文 ふしはらのじこ 絵

「自分たちの道は自分で直す!」

道は私たちにとっては当たり前のようにあるものです。

しかし、アフリカでは、学校、病院や市場に行くための大切な道が、雨などによって使えなくなることがよくおこります。

そうした問題を解決するため、日本の土木工学の粋を集めて作られた、お金がかからず、人力だけでできる簡単な技術。

それが「土のう」を使った道直しなのです。

編集部より

「木村君、難しい技術ではなく、簡単な技術でアフリカの人々を幸せにする方法を考えないとだめだよ」と、本作の著者であり、土木工学の研究者、木村亮さんは若い頃に言われ続けていたそうです。
「本物の研究者は難しいこともできるが、簡単なこともできる」と。
研究者になったばかりの頃、木村さんはケニアの大学に赴任します。
そこで見たのは、日本では当たり前のようにある舗装された道がなく、雨が降るとドロドロになって道が使えず、生活がままならなくなる厳しい状況でした。
これを改善したい。
構想5年、検討2年、実行0年。
土木工学の粋を集め、木村さんは素晴らしい方法を生み出します。
それが、お金がかからず(Low cost)、簡単な技術で(Low tech)、地元の人たちが(Local)、人力で(Labour base)で行える「土のうによる道直し」だったのです。
アフリカの国々をはじめ東南アジアなど、31カ国に土のうによるこの方法を広め、230キロにおよぶ道を直してきました。
 現地に何度も運び、道直しを教えてきた木村さんは本文でこうも書かれています。
「私たちはアフリカに行って一方的に彼らになにかを教えているわけではありません。彼らの生活や文化を尊重し、彼らの考え方を勉強し、これからの日本の発展につなげようとしています。お互いに足りないものを補い合っているだけなのです。それが国際協力だと思っています。」
土木工学と国際協力が合わさって、袋に土をつめただけのシンプル素材「土のう」をつかって人の生活を豊かにする、そんな驚きと感動にみちたノンフィクション絵本をどうぞお楽しみください。

著者情報

木村亮
1960年京都府生まれ。ボンドエンジニアリング(株)代表取締役社長。京都大学名誉教授。工学博士。
1985年から母校の京都大学の研究者となる。専門は地盤工学。
構造物を支える基礎やトンネルの静的・動的力学挙動の解明に取組む。
新しい施工法や材料の開発を実施し、国際技術協力分野にも長年力を注ぐ。
土のうを使った簡便な未舗装道路補修方法を提案し、認定NPO法人「道普請人」の理事長として世界を飛び回る。

ふしはらのじこ
京都市生まれ。絵本、装画、挿絵などの絵を描いている。
絵本は『ジンガくんいちばへいく』『ふたごのゴリラ』(ともに福音館書店)など。
「たくさんのふしぎ」では『コーヒーを飲んで学校を建てよう』(通巻339号/現在、実生社刊)がある。
NPO「道普請人」とは20年以上の付き合いがあり、活動を紹介する展覧会や講演会を一緒に開いてきた。京都市在住。

巻末連載
「ふしぎ新聞」
連載陣 「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」の素敵な木版画作品でおなじみの宇田川新聞ほか

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イタリアの丘の町

古山浩一 文・絵

ヨーロッパでも早くから国としてまとまったフランスやドイツとちがい、イタリアは数百年もの間、小さな国々に分かれお互いに争っていました。その歴史から生まれたのが、イタリアの丘の町の数々です。
城壁を周囲にめぐらせて町全体を守っていた町も、現在では美しい観光都市となっています。
細い坂道や石段をたどるのが楽しい町々を、精密な絵でご紹介します。

編集部より

スカンノ、ボマルツォ、マテーラ、ラグーサ……。
この本には、現在では美しい観光都市に生まれ変わった、要塞のような町々が登場します。
こうした丘の町(山岳都市)は、イタリアが小さな国々に分かれていた時代に発展しました。
作者の古山浩一さんは、毎年のようにイタリアを訪ね、町の絵を描いてきました。
ふもとから町の上まで続く坂道の細い路地や、一段一段まで描き込まれた石段は、たどっていくだけで楽しく、実際にその町の中に入ってしまったような臨場感がたっぷりです。
建物も含め、これらの絵は全て万年筆を使って描かれています。
一枚を描くのに、寝る間を惜しんで描いても1ヶ月かかるという力作です。
そんな絵が連続する各場面をお楽しみください。

著者情報

古山浩一
 1955年生まれ。1986,90年、上野の森美術館大賞展佳作賞。1991年日仏現代美術展大賞。
1995年より毎年、銀座オーギャラリー個展。著書に、こどものとも『ありあり まあまあ』『かざみどりのフィットチーネ』(以上「こどものとも年中向き」)、『ねこぶたニョッキのおつかい』(「こどものとも」)、『天才ピカソのひみつ―美術たんけん隊』(以上全て福音館書店刊)などがある。
「たくさんのふしぎ」は『その先どうなるの?』『7つ橋のぎもん』『雪がとけたら』に続いて4冊目。

巻末連載
「ふしぎ新聞」
連載陣 「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」の素敵な木版画作品でおなじみの宇田川新聞ほか

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ニホンカモシカのパール

前川貴行 文・写真

ニホンカモシカは険しい山でくらし、他の動物が通れないような急な崖も、上ったりおりたりすることができます。
著者前川さんは、20年以上にわたって青森県の山に通い、その姿を撮影してきました。
そして出会ったカモシカの子をパールと名づけます。
やがてパールは子を産みますが、暑い夏や雪深い冬を超えて、子育てはうまくいくのでしょうか。

巻末連載
「ふしぎ新聞」
連載陣 「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」のすてきな木版画作品でおなじみの宇田川新聞ほか

編集部より

ふつう、科学絵本やテレビの自然番組で動物の子育てを紹介するとき、途中は危うい目にあったりしても、最後には子どもがきちんと成長していくことがほとんどかと思います。
しかしニホンカモシカの子どもの生存率は3割程度。
10匹のうち生き残れるのは3匹なのです。
自然写真家の前川さんが青森県の山中で出会ったニホンカモシカ・パールも、毎年のように子を産み、育てていくのですが、その結果は残酷です。
読者も前川さんと一緒になって、パールを応援する気持ちで子どもの無事な成長を願うことと思います。
改めて野生動物が自然界で生きていくことの厳しさを思い起こされますが、それだけに、ラストシーンでパールが新しく生まれた子どもとともに歩む姿に、深い感慨をおぼえます。

著者情報

前川貴行
1969年、東京都生まれ。動物写真家。
エンジニアとしてコンピューター関連会社に勤務した後、26歳の頃から独学で写真を始める。
1997年より動物写真家・田中光常氏の助手をつとめ、2000年よりフリーの動物写真家としての活動を開始。
日本、北米、アフリカ、アジア、そして近年は中米、オセアニアにもそのフィールドを広げ、野生動物の生きる姿をテーマに撮影に取り組み、雑誌、写真集、写真展など、多くのメディアでその作品を発表している。




風車と水車

深井 聰男 文 深井 せつ子 絵

皆さんの家の近くに水車はありますか? 
地味に思われがちな水車ですが、実は古くから世界で大活躍してきました。
主な仕事は、穀物を挽いて粉にすること。
風車もまた、同じように粉づくりに活躍してきました。
今のように電気がない時代、自然の力で物を動かせるのは、きっと当時の人々にとって大きな喜びだったことでしょう。
風車と水車の歩みを紹介する絵本です。

編集部より

世界にあった色々な風車と水車を紹介する絵本です。
一口に風車・水車と言っても、様々なかたちのものが存在していました。
初期の風車・水車は、今とちがって軸が垂直で、横方向に回っていたようです。
川に浮かんでいるものや、橋とくっついているもの、建物の屋根にのっているものもありました。
役割は製粉が中心でしたが、他にも色々な仕事をこなしていたようです。
なかには、「そんな力があるの!?」と驚いてしまうような力仕事も。
そんな風車・水車をつくった人たちの根底にあったのはきっと、自然の力をうまく使って、より良い暮らしをしたいという願いだったのでしょう。この本から、人間の知恵やくふうの力を感じとっていただけたらと思います。
風車の中の楽しい暮らしが覗ける一枚絵ポスター付き。

巻末連載
「ふしぎ新聞」
連載陣 「充電旅」のユーモラスな木版画作品でおなじみの宇田川新聞ほか





忍者からみた世界

三橋源一 文 飯野和好 絵

アニメや小説に描かれ、世界的な人気をほこる「忍者」。
ほんものの忍者はどんな人たちだったのでしょう?
著書の三橋源一さんは、学術研究と忍術修行、文武両道から忍者を研究しています。
そして、三重県伊賀市の忍者がくらした村に住み、日々の生活や自然環境から忍者と忍術がどう生まれたかを調べています。
忍者たちの本当の姿を描いたノンフィクション絵本です。

巻末連載
「ふしぎ新聞」
連載陣 「充電旅」のカットでおなじみの宇田川新聞ほか




超深海への旅 蒲生俊敬 文 関口シュン 絵 ある夏、小学生のミウさんとタイヘイさんは、潜水船にのって「超深海」へ向かいます。 超深海とは、水深6000メートルを超える非常に深い領域のこと。 光がまったく届かないその海底では、変わった姿の生き物たちがくらし、見たことのない地形が広がっていました。 「日本海溝」から世界一深い「マリアナ海溝」まで、深い海の世界を探検します。 本文 作者のことば-作者紹介 奥付 ・デジタル版には「ふしぎ新聞」はついておりません
パイナップルに見た夢 西野嘉憲 文・写真 そのまま食べても、お菓子にしても、さわやかに甘くておいしいパイナップル。 どんなふうにできる果物か知っていますか? パイナップルの花を見たことはありますか? パイナップルができるまでを紹介します。 そして、パイナップルの栽培を日本で始めたのは、沖縄県石垣島に移住してきた台湾の人たちでした。 約90年前のことです。パイナップルの歴史も描きます。 本文 作者のことば-作者紹介 奥付 ・デジタル版には「ふしぎ新聞」はついておりません
みなさんは海と聞いて、どんなことを思い浮かべますか? 青い深い怖い、楽しい美しい……。 この本では、世界中の海で潜ってきた写真家が、様々な海を見せてくれます。透き通ったサンゴ礁の海や、 端から端まで見える虹。オニイトマキエイなどの大きな魚や、貝殻で子育てする魚など、生物の姿もたくさん。 地上とは大きく違う、「もう一つの世界」をお楽しみください。 本文 作者の言葉-作者紹介 参考文献 ・デジタル版には「ふしぎ新聞」はついておりません 裏表紙 奥付
広場に集まる

小松義夫 文・写真

世界の多くの国では、町の一番中心には、広場があります。
屋台が集まったり、お祭りが開かれたり、市場がたったりと、広場には楽しいことと、人々の笑顔がいっぱい!
あちらこちらに小さな銅像がかくれている広場や、洗濯物がしかれた広場、春になると消えてしまう広場など、その土地土地の文化と人々の暮らしを、美しい写真で伝えます。
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商品情報・内容

  • 出版社:福音館書店
  • 発行間隔:月刊
  • 発売日:毎月3日~5日頃

■ 子どもはもちろん、おとなも楽しめる不思議の世界へようこそ!身の回りのあらゆる”ふしぎ”にせまります。

宇宙の果てはどうなってるの?風はどこからやってくるの?夢ってなんだろう?草や花、町や家、機械や鉄道、昔のこと、外国のこと・・・・・・この世界にあるたくさんの”ふしぎ”に出会いましょう!日々、新しい世界への好奇心でいっぱいの子どもたちに、自分をとりまく世界がこんなにも”ふしぎ”に満ちていること、生きているって楽しいというメッセージを届けます。

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