◆特集
第40回 向田邦子賞 受賞
吉田恵里香
ドラマ脚本家に授与される最大の賞、向田邦子賞(向田邦子賞委員会・東京ニュース通信社主催)の第40回受賞者は吉田恵里香氏。対象作品は、今年1月から3月にNHK総合テレビで放送された『恋せぬふたり』(連続8回)。
受賞理由は「『恋せぬふたり』は、他者に対して恋愛感情も性的欲求も持たないアセクシュアルの女性が、同様の男性と同居し、心の安定を得るまでを極めて低い声で、しかも明るいトーンで描いている。セリフも適確で無駄を排している。周囲の人物達との関わりも自然な弾みがあり、この物語に和らかな日常性を与えている。向田賞に価する作品である。」
今号では、授賞対象作『恋せぬふたり』第4回から第8回(最終話)の脚本と、吉田氏に、『恋せぬふたり』の創作、そして脚本家としての歩み
についてお話を伺ったインタビューを掲載。
◆特別企画
脚本家の出発点――コンクール受賞作特集 第5弾
本誌は1979年の創刊から、時代を反映する鏡・テレビドラマの根幹を担う“脚本”、そして脚本を創作する作家を追い続けているが、中でも80年代半ば以降創設された、テレビ局主催の脚本コンクールをきっかけに数多くの脚本家がデビューし、人気作家へと上り詰める姿を注目してきた。
今号では、一昨年7月号、10月号、昨年7月号、今年5月号に続いて、現在第一線で活躍中の脚本家の原点、コンクール受賞作を再掲載する。
《掲載作品》
足立 紳『佐知とマユ』
第38回創作テレビドラマ大賞 受賞作
(2013年12月号掲載)
◆トピックス
脚本開発チーム NHK「WDRプロジェクト」メンバー募集
この度、NHKが、若手制作陣を中心に「世界を席巻するためのドラマを作る」ための取り組みとして、オリジナル脚本開発に特化したチーム『WDRプロジェクト』を発足。参加メンバーを7月末日締切で募集中。
『WDRプロジェクト』代表を務めるNHKディレクター・保坂慶太氏に、本プロジェクトの狙いや期待などお話を伺う。
◆ドラマ評
古崎康成『’22年4月期のテレビドラマ』
2022年4月期に放送されたテレビドラマから脚本が優れていた作品を、テレビドラマ評論家の古崎氏が批評する。
◆新連載
柏田道夫 アカデミー受賞作に学ぶ作劇術(1)
月刊ドラマ別冊『エンターテイメントの書き方①、②、③』の番外編として、近年のアカデミー受賞作をピックアップ。作劇法やおもしろさのポイントを分析。
第1回目の今回は、第92回アカデミー賞作品賞・監督賞・脚本賞・国際長編映画賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』(脚本:ポン・ジュノ ハン・ジヌォン 監督:ポン・ジュノ)
◆連載
根本ノンジ『歯軋りの日々』(9)
脚本家4氏が月替わりで執筆するエッセイ。今号は、テレビドラマ『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』『監察医 朝顔』『フルーツ宅配便』『サ道』『相棒シリーズ』『正直不動産』などを手がける根本ノンジ氏。今回は「ライター図ルームについての私見」。
北阪昌人のRADIO DAYS(40)
ラジオドラマ脚本の第一人者としての日々の雑感など綴るパートと、誌上ラジオドラマ脚本講座「ラジオドラマQ&A」の2部構成で、ラジオドラマを創る楽しさを紹介していく。
こうたきてつや(日大名誉教授)/平成ドラマ史への覚書〈一九八五~二〇一五年〉(40)
「平成」の時代にどんな作家が、どんなドラマを描いてきたのか? 平成ドラマの軌跡を辿る。今回は「3・11、絶望と向かい合うドラマ《二〇一〇~一四年》」。
脚本を残し放送文化を伝えていこう!(3)
「日本脚本アーカイブズ推進コンソーシアム」(略称「脚本アーカイブズ」)の取り組みを毎号紹介していく連載。今回は、「水戸黄門の生みの親・逸見稔プロデューサー』と題し、松下電器産業(現・パナソニック)提供番組のプロデュースなどを手掛けた逸見稔氏と、逸見氏のご遺族から寄贈された番組台本を紹介する。
◆脚本公募情報
(中間審査発表)
第34回 フジテレビヤングシナリオ大賞 一次審査通過作品発表
(募集要項)
脚本開発チーム・NHK「WDRプロジェクト」メンバー募集
BKラジオドラマ脚本賞
「防災ラジオドラマ」シナリオコンテスト
城戸賞
南のシナリオ大賞
◆ライター掲示板
宇山佳佑 岸本鮎佳 高谷信之 ニシオカ・ト・ニール ひかわかよ
◆オーディオドラマコーナー
ドラマの内容
- 出版社:映人社
- 発行間隔:月刊
- 発売日:毎月18日
- サイズ:A5
脚本家や映像クリエーターをめざす人たちは必読。脚本公募情報が充実
1979年7月の創刊以来、脚本家志望者のための創作講座や作家インタビュー、テレビ
ドラマの話題作や芸術祭などの受賞作の脚本を掲載しています。またテレビ各局主催の脚
本コンクールの公式発表誌となっています。フジテレビヤングシナリオ大賞、テレビ朝日
21世紀新人シナリオ大賞、日本テレビシナリオ登龍門(05年で終了)、創作テレビドラマ
大賞(放送作家協会・NHK)、BS-i新人脚本賞など。これらのコンクールの受賞者
の殆どが本誌の読者です。21世紀に入り、インターネットの普及と地上波デジタルによる
多チャンネル化で、映像ドラマの需要が増大しています。映像ドラマの基は脚本です。本
誌の役割はますます重要になっています。
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