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OZmagazine (オズマガジン) の編集長インタビュー

編集長プロフィール

スターツ出版
「OZ magazine」編集長 古川誠さん

ふるかわまこと 1998年スターツ出版に入社。2008年「OZマガジン」編集長就任。
趣味はビーチコーミングとスニーカー収集。

編集長写真

第31回 OZ magazine(オズマガジン) 編集長 古川誠さん

日常を丁寧に掬い、情報から物語を匂わせたい

―「OZマガジン」って「女性を対象とした通常の情報誌」とはちょっと違ったつくりになっていますね。何に近いんでしょうか。

そうですね、「Hanako」(マガジンハウス)と比較されることはありますが、やはり違うと思っています。「OZマガジン」は、いわゆる情報誌には違いないのですが、その枠からは出ることを意識しています。

―そうなんですか。ではライフスタイル・マガジンの方向ですか。

毎日持ち歩いてるノートにはアイデアがいっぱい
毎日持ち歩いてるノートにはアイデアがいっぱい

ええ、そうありたいと思っています。一般の情報誌では情報が消費されやすく、またその鮮度においてはネットにかないません。われわれがこの紙媒体でやるべきことは、情報を扱っても、それが単なる情報であってはいけないと思っているのです。
むしろ、その「情報」の背景にはどんな物語があったかを重視しています。物語がそこに浮かんでくると情報の受け取り方が変わってくるんです。
たとえば、カフェを取材して紹介する場合でも、われわれは、そのカフェのオーナーさんが、どういう気持ちでその店を出すに至ったかといった思いを大切にします。そこを紹介することで、情報に深みが増してきます。
「日常を丁寧に」というのがこの雑誌の編集方針なんです。情報のスピードにあわせるとどうしても見落としてしまう世界がある。それよりも、そこで行われる人の営みを丁寧に掬って伝えることで、そこに共感する人は必ずいるはずなんです。
その意味ではこの媒体はマス媒体ではありません。

―表紙にも物語性を感じます。

表紙は毎回何種類も用意する
表紙は毎回何種類も用意する

ありがとうございます。モデルのKIKIさんと毎号ご一緒しています。多才な人で自ら写真も撮れる人です。編集部では彼女のいる風景からどれだけ物語が匂うかといったことに気を遣って撮影・構成しているつもりです。このへんはまだ紙でなきゃ伝えられない世界かなと思っています。
表紙はもっと言葉を入れて、といった意見もありますが、僕はあまりプッシュ型の情報を伝えるのではなく、雰囲気で語りたいと思うんです。丁寧な日常のなかの手段としてカフェや買い物といったものがあるということをそっと伝えたい。

―中心となる読者は首都圏の女性OLですよね。

はい。中心は20代、30代の女性OLです。だいたい300万人いるといわれています。われわれは、そのうち30人に1人が読んでくれて、共感してくれたらいいなと思って編集しています。
マスに訴求するのではなく、あくまでこの世界観に共感してくれる人たちに対して、記事を提供できたらと思っています。

―営業的にはどうですか。

お蔭様でうまくいってます。部数も順調に伸びています。広告では純広告を獲得するのは厳しくなってきてはいますが、タイアップが伸びています。企業の商品をこの雑誌の世界観のなかでどう見せるか、ということを、編集と広告で一緒に考えることが多いです。
営業もクライアントに直に仕掛けることが多くなっています。いずれにせよ、編集と広告の部署間の垣根が低いので、効率よくつくられていると思います。
ちょっと前までは広告6割:販売4割といったビジネスモデルでしたが、いまではそれが半々くらい。最終的には広告4割:販売6割といった形くらいが理想かなと思っています。

―webサイト「OZモール」(http://www.ozmall.co.jp/)の評判もいいですね。会員数が100万人を突破したと。OZモールとの連動はいかがですか。

OZMallの会員数は100万人を突破
OZMallの会員数は100万人を突破

これも組織のスケールメリットを最大限生かすように協力しあっています。誌面では「OZ Premium Reservation(OZのプレミアム予約)」を掲載していますし、広告タイアップでも連動することが多いですね。たとえば、カメラのタイアップでは、表紙モデルのKIKIさんが写真を撮る企画を誌面で見せながら、写真のバリエーションをOZモールで展開する、といったようなこと積極的にやっています。
紙の内容をwebやモバイルで、そのまま表現するのは難しいですよね。やはりそれぞれの特徴に応じた表現があるのだと思っています。次なるメディア展開は常々考えていますが、まだ確固たるものはありません。むしろ教えていただきたいです(笑)。

―テクノロジーの進化とともにメディアは変わっていきますよね。それに応じて表現も変わります。共有できる世界観があれば、あとはその見せ方というかあり方を読者とともに考えていくような形が望ましいですね。20代、30代の女性を知るために何かやっておられることはありますか。

できるだけたくさんの雑誌や本を読むようにしています。書店では立ち止まって、あの女性はどんな本を買うのだろうかと陰に隠れて見てる。星飛雄馬のお姉さんみたいに(笑)。
皆さんじっくり立ち読みしてから本を選んでいるのですけど、人気グループの表紙だったら中身見ないで買うんですよね。平積みされてる雑誌の上から3番目を抜いて(笑)。

―もともとどういう経緯で出版された雑誌だったのですか。

編集部は7人構成。うち女性が5人
編集部は7人構成。うち女性が5人

最初はペンションに置いてある情報誌だったんです。それが雑誌コードを取って月刊化し、一時また隔週になり、また月刊化しています。僕はこの会社に12年前に新卒で入って、最初は販売部だったのですが、編集者になりたいといい続けて4年後にこの編集部に配属されました。
情報誌からの転換を考え始めたのは僕が副編集長になった3年くらい前からです。そのときクリエイティブも含めて権限もらって、いまの形につながっていくビジョンを考えました。

―もともと編集希望だったわけですね。

ええ。本や雑誌が好きで、編集者にあこがれました。小説家にもあこがれています。本というのはその世界観で個と個がつながり、コミュニケーションするメディア。そしてそのコミュニケーションの究極が文学なのかなぁと思っています。

―でサーファーでもあると。

Twitterを始めたばかり。1日1回はつぶやくようにしている
Twitterを始めたばかり。1日1回はつぶやくようにしている

いや、実は辻堂に住み始めたらあまりやらなくなっちゃったんです。ビーチで石拾いはするのですが(笑)。忙しいせいかもしれませんが、それより休日は引き篭もって読書することのほうが多くなった気がします。
あ、Twitterも始めました。まだまだつぶやくのが難しいのですが、よろしければフォローしてみてください。(@ozmagazine1)

編集長の愛読誌

(2010年3月)

取材後記
東京・日本橋。老舗企業が立ち並ぶエリアに「OZマガジン」の版元スターツ出版があります。一見出版社らしからぬビルのなかにフロアを広く使った編集部がありました。
若い人や女性の姿が多いような感じます。何か新しい試みをやろうとする勢いのようなものを感じさせる職場です。
編集長の古川さんは新卒でここに入社されて、ひたすら編集のことを考えてこられたようです。販売から編集に移動した人は前例がなかったといいます。どうしても自分がやらねば、といった思いが人一倍強かったのかもしれません。
インタビュー中何度も古川さんは「日常を丁寧に」という言葉を口にしています。「大切に」ではなく「丁寧に」です。日々情報の洪水のなかで暮らしているわれわれにとって、この気持ちはとても「大切」だと思いました。普段あたりまえのようにやり過ごす情報や物事ですが、そこにはひとつひとつにちゃんとした物語がある。存在理由がある。そのことに気づけば、われわれの気持ちも、生活自体も、なんだか豊かになるような気がしました。
残念なのはサーファーなのに波に乗れないことですね。でも、情報を「丁寧に」扱いながら時流にうまく乗ればいいと思いますよ。

インタビュアー:小西克博

大学卒業後に渡欧し編集と広告を学ぶ。共同通信社を経て中央公論社で「GQ」日本版の創刊に参画。 「リクウ」、「カイラス」創刊編集長などを歴任し、富士山マガジンサービス顧問・編集長。著書に「遊覧の極地」など。

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