■特集:未利用熱エネルギーの革新的活用技術-1
○古くて新しい、省エネルギーのフロンティア“未利用熱エネルギー”/(国研)新エネルギー・産業技術総合開発機構/岩坪哲四郎・小笠原有香・高橋伸幸・太田年彦・亀田治邦・島田 守・永田重陽・小林正典
一次エネルギーから電力・燃料に変換・輸送・貯蔵するフローにおいて、その大半が熱ロスとなっている。環境中に排出される膨大な未利用熱を効果的に削減、または回収してエネルギーとして再利用・変換利用することが、「徹底した省エネルギー」を実現する鍵であり、フロンティアともいえる。本稿では、この未利用熱の利活用のためのNEDOの研究開発事業を中心に紹介する。
○工場における未利用熱の排出・活用状況/(国研)産業技術総合研究所/平野 聡
生産現場の未利用熱の排出・活用状況、今後への期待と課題などについて調査分析した。15業種の工場のエネルギー管理担当者に調査票を配布し、取得したデータを分析することで、温度帯別、業種別、設備別の未利用排ガスの排出傾向等を明らかにした。
○エネルギー化に貢献する高エネルギー効率産業/工業炉の開発/美濃窯業㈱/田中洋介・尾関文仁・藤井実香子/(国研)産業技術総合研究所/福島 学・吉澤友一
(国研)産業技術総合研究所及び美濃窯業㈱では、NEDO統括の国家プロジェクト「未利用熱エネルギーの革新的活用技術研究開発」にて、省エネルギー型産業/工業炉を開発中である。本稿では、産業/工業炉の省エネルギー化を達成するための断熱材や周辺機器の開発状況について紹介する。
○一重効用ダブルリフト吸収冷凍機の導入事例と適用温度の拡大/ジョンソンコントロールズビルディングエフィシェンシージャパン(同)/藤居達郎
一重効用ダブルリフト吸収冷凍機は2017年の発売以来多数のユーザーに検討頂いている。本稿では、その中から実際の導入に至った事例について3件紹介する。本製品はさらに冷熱の低温出力化、高温水駆動への対応を進め、未利用熱の活用範囲を拡大している。
○産業用高温ヒートポンプの開発/㈱前川製作所/町田明登
ボイラ代替となり得る最高加熱温度200℃、COP3.5の産業用高効率高温ヒートポンプの開発を目指し、シミュレーションによる最適ヒートポンプサイクル、冷媒の検討、高温・高圧に対応した圧縮機、熱交換器等の要素技術開発および実規模のヒートポンプ試作機開発を行った。
○ガスコージェネレーション装置のシステム効率向上を可能にする熱電変換技術/㈱日立製作所/早川 純
本稿では、ガスコジェネレーション装置の排熱を活用しシステム効率向上に貢献する中高温熱対応熱電変換モジュールの開発と、100℃未満の排温水から低温熱対応熱電変換モジュール発電によるセンサ無線端末駆動試験ついて紹介する。
○革新的遮熱フィルムの開発/東レ㈱/坂本 純・宇都孝行・青山 滋/(国研)産業技術総合研究所/垣内田洋・山田保誠・吉村和記
省エネ技術の重要度が高まるなか、ナノ積層技術の深化により、ガラス窓の高透明性と世界最高レベルの遮熱性を両立する革新的遮熱フィルムを開発した。年間を通じたエアコン電力負荷低減に有効であり、我が国の消費エネルギー低減に向けた貢献を目指す。
■テクニカルレポート
○有機太陽電池の電圧損失の削減/分子科学研究所/伊澤誠一郎・平本昌宏/静岡大学/藤本圭佑・高橋雅樹
有機太陽電池の変換効率向上のための鍵は、電圧値に関わるエネルギー損失の削減である。本稿では、光電変換が起こる界面の構造を制御し失活過程を抑制することで、電圧損失を高効率無機太陽電池と同等の水準まで抑制した結果などを中心に我々の最近の成果を紹介する。
○パッケージユニット型水素ステーション/㈱キッツ/朴 龍天
クリーンエネルギーの一つとして水素が注目されている中、水素燃料電池自動車と水素ステーションが普及拡大されている。当社は2012年から水素ステーション用バルブを順次ラインアップし、2018年には当社長坂工場に自家用水素ステーションを建設し、約2年間に渡り運営の実証及び技術の蓄積を行ってきた。その成果を踏まえ、2020年4月からパッケージユニット型水素ステーション事業に参入することになった。当社製高信頼性、高品質、短納期のパッケージユニットをステーション市場に提案して行きながら、水素社会実現に貢献したいと考えている。
■エネルギー事情
○新型コロナウイルス危機とLNG産業の対応/LNG経済研究会/大先一正
世界のLNG産業は、2019年に表面化した供給過剰と年明け後の新型コロナウイルスの感染拡大のダブルパンチを受け、苦難の時期を迎えているが、低下したLNG価格を梃にインド等の新興国での需要開発に努め、安定成長路線への早期復帰を達成することが求められている。
■フィールドレポート
○宮古島市来間島の蓄電池シェアリング実証/東芝エネルギーシステムズ㈱/木村功太朗
クリーンエネルギーの内容
- 出版社:日本工業出版
- 発行間隔:月刊
- 発売日:毎月5日
- サイズ:B5判
環境と産業経済の共生を追求する
無限と思われた地球資源と環境に対し、SOSが発せられようとしています。そこで、今まで通りの経済成長を維持し、より豊かな文明生活を支えるためにはその基盤となるエネルギー源、とりわけクリーンなエネルギー源確保のため、エネルギーの開発と有効利用が火急の話題となって参りました。
本誌は、このような情勢のもと、エネルギー問題をなるべく広い視野にたち、経済性・環境保全・技術課題から、システム導入手順・メンテナンス・関連法規の解説に至るまで幅広い内容を編集するよう心がけ、興味ある話題の提供と見やすい、分かりやすい本づくりに邁進致します。
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