■テクニカルレポート
○国際水素サプライチェーンの構築とガスタービン発電での水素利活用/川崎重工業㈱/足利 貢・山口正人・堀川敦史
水素サプライチェーンの実現には、水素を大量に製造・輸送するだけでなく大規模な水素需要の創出も不可欠である。ガスタービン発電は大量の燃料を利用することから、発電分野への水素ガスタービン適用は水素需要拡大への貢献が期待される。本稿では、当社が推進している水素サプライチェーン構築と、水素ガスタービンを実現するための技術開発について紹介する。
○アルミ系廃棄物からクリーンエネルギーの水素を製造する装置の開発/アルハイテック㈱/水木伸明・麻生善之・高坂直樹・松 良幸・角谷哲哉
アルミ系廃棄物からパルパーを利用して、紙パルプとプラスチック・アルミに分離回収し、最適な条件で乾留することで、高純度のアルミを取り出し、独自の反応液と化学反応させて、クリーンな水素を製造する装置を開発した。本稿では、「アルミ水素」の優位性について紹介する。
○空孔欠陥を利用した単結晶熱電材料の開発/東北大学/林 慶
排熱から電気エネルギーを回収できる熱電発電の実現に向けて、高性能の熱電材料の開発が進められている。本稿では、材料価格が低く、価格性能比が高いマグネシウム錫化合物において、単結晶化・空孔欠陥の導入・電子キャリアの増加といった手法を駆使して高性能化を達成した研究成果を簡単に紹介する。
○新規薄膜太陽電池材料SnS/山梨大学/柳 博
次世代薄膜太陽電池材料としてSnSが注目されている。従来のSnSはp型伝導しか示さず、SnS薄膜太陽電池の高効率化にはn型SnSの実現が不可欠であった。筆者らはn型SnSを実現したので、この研究内容を中心にSnSの研究動向を紹介する。
○太陽光事業のデジタル化で脱炭素化に貢献/㈱グッドフェローズ/佐伯淳二
「タイナビ」を運営する当社は、再エネ100%の世界を実現するために、太陽光事業の維持・拡大を目的とし、日本で初めて発電量データをAPIで自動取得し見える化する太陽光発電所一括管理サービス「タイナビ発電所Plus+」を開発した。
○蓄電池を活用した自家消費型太陽光発電の最適化制御/㈱YAMABISHI/後藤晃男
太陽光の自家消費市場が拡大している。より採算性を求めて蓄電池にも注目が集まっている。蓄電池には三つの価値があるが相反する課題があった。新開発のSmartSCは余剰予測に基づいて課題を解決していく。
○有機電子デバイス高機能化に貢献する新技術開発/㈱日本触媒・大阪大学/森井克行/㈱日本触媒/長谷川宗弘
有機電子デバイスにおける電極/有機物界面について紹介する。有機ELにおいて、該界面の精密な化学的制御により新しい電子注入機構を見出したことを紹介し、最後に、逆反応である太陽電池への展開を期待し、該界面の重要性を示す論文を紹介する。
■エネルギー事情
○カーボンニュートラルチャレンジ2050/(一社)日本ガス協会/武市篤憲・高橋拓二・深野行義
ガス業界として2050年のガスのカーボンニュートラル化を目指すことを昨年11月に公表(「カーボンニュートラルチャレンジ2050」)。徹底した天然ガスシフト・天然ガスの高度利用やガス自体の脱炭素化、またCCUSや海外貢献等に取り組んでいく。
○ CO2フリーアンモニアの現状と展望/(元)内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム/塩沢文朗
政府の「グリーン成長戦略」の重要分野の一つとして取り上げられた燃料アンモニアが、カーボンニュートラルの実現の鍵となる電化の推進と水素エネルギーの導入において果たす役割と重要性、その導入に向けた取組みの現状と今後の社会実装に向けた課題を紹介する。
○GHGメタンに係る動向と「EUメタン戦略」/LNG経済研究会/奥田 誠
GHG(温室効果ガス)であるメタンがCO2に次いで排出削減の対象として大きく取り上げられてきた。本稿では、世界のメタン排出状況や排出源の内訳を紹介するとともに、「EUメタン戦略」などのメタン排出量低減に向けた動向を紹介する。
■フィールドレポート
○鳥取市秋里下水終末処理場での消化ガス発電事業/ヤンマーエネルギーシステム㈱/森朝昭典
鳥取市は、国の「地方創生実現プラン」のモデル地域に選定され、エネルギーの地産地消により地方創生に取り組んでいる。その中で鳥取市秋里下水終末処理場内で発生する消化ガスを燃料として発電された電気を地域新電力が地域へ供給している。
○JR駅前の再開発ビルにおける環境保全/環境工学研究所/星山貫一
JR飯田橋駅西口周辺は再開発ブームで活気付いており、警察病院跡地に建設されたオフィス・商業ビル「飯田橋グラン・ブルーム」や超高層マンション「パークコート千代田富士見ザタワー」および「日本基督教団富士見町教会」の3棟が新しく建設されて、近代的市街地「飯田橋サクラパーク」を形成している。本稿では、地上30階・地下2階で高さ150mの飯田橋グラン・ブルームの環境保全状況を紹介する。
クリーンエネルギーの内容
- 出版社:日本工業出版
- 発行間隔:月刊
- 発売日:毎月5日
- サイズ:B5判
環境と産業経済の共生を追求する
無限と思われた地球資源と環境に対し、SOSが発せられようとしています。そこで、今まで通りの経済成長を維持し、より豊かな文明生活を支えるためにはその基盤となるエネルギー源、とりわけクリーンなエネルギー源確保のため、エネルギーの開発と有効利用が火急の話題となって参りました。
本誌は、このような情勢のもと、エネルギー問題をなるべく広い視野にたち、経済性・環境保全・技術課題から、システム導入手順・メンテナンス・関連法規の解説に至るまで幅広い内容を編集するよう心がけ、興味ある話題の提供と見やすい、分かりやすい本づくりに邁進致します。
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