■テクニカルレポート
○世界トップクラス発電効率をめざして/ヤンマーエネルギーシステム㈱/小田裕輔
当社は、発電量5~ 800kWのガスエンジンコージェネレーションシステム(以下、ガスコージェネ)を提供している。近年、地震や台風による停電時の事業継続計画(BCP)対策の重要性が高まっている中、ガスコージェネは分散型エネルギーシステムとして、ユーザーのレジリエンス向上にも貢献が可能である。今回開発したEP420Gは、同出力クラスでの発電端効率が世界トップクラスである42.6%を実現した。これにより、ユーザーへ高いLCV(ライフサイクルバリュー)を提供することが可能である。
○洋上風力発電の採算性と耐久性の最適設計に資する日本型CAEソフトウェアの開発/九州大学/内田孝紀
我々の研究グループでは、複数の風車群から構成される洋上の大規模ウィンドファームにおいて、非線形な流動現象である風車ウエイクの相互干渉を正確に予測することを最大の目的とし、CFDポーラスディスク・ウエイクモデルを新たに提案した。本稿では、本ウエイクモデルの適用を含め、特に沿岸域の洋上風力開発における課題やそれを解決するための我々の研究グループの取り組み状況を紹介する。
○風力発電装置主軸受の信頼性向上に対する取り組み/NTN㈱/瀨古一将
風力発電装置の主軸受には、高い信頼性が要求される。本稿では、主軸受に使用される自動調心ころ軸受の信頼性向上に向けた取り組みとして、当社が開発した「左右列非対称自動調心ころ軸受」と「DLCコーティング自動調心ころ軸受」について紹介する。
○バイオガスプラントにおけるガス計測/ホダカ㈱/新村賢悟
再生可能エネルギーであるバイオガスの計測を目的としたHT-2700バイオガスモデルについて紹介する。
○室温で世界最高のヒドリドイオン(H-/水素陰イオン)伝導度を実現/(国研)物質・材料研究機構/飯村壮史/山梨大学/福井慧賀/東京工業大学/細野秀雄
水素の陰イオンであるヒドリドイオン(H .)は高い還元力などプロトン(H +)にはない特長を有する。本稿では、最近我々が発見した室温で世界最高のH .伝導度を示す水素リッチ酸水素化ランタン(LaH 3.2xOx、x<0.25)の電気特性と分子動力学シミュレーションからわかった伝導機構について紹介する。
○最も安定な水素イオン排出ポンプの創出/千葉大学/安田賢司・木下正弘・村田武士
統計熱力学に基づいた独自の理論計算を駆使して、変性温度が105℃の最も安定な水素イオン排出ポンプであるサーモフィリックロドプシン変異体を創出した研究成果について紹介する。光センサー等の工業材料への応用が期待される。
○蓄電池による再生可能エネルギー発電の出力平滑化制御/千葉大学/小岩健太・石井智也・残間忠直・劉 康志
再生可能エネルギー発電の変動電力を平滑化する蓄電池の制御技術を紹介する。著者らが開発した蓄電池制御方法は従来の方法に比べ、著しく蓄電池のコストを低減することができるため、今後の再生可能エネルギーの導入拡大を加速することができる。
○革新的連続生産システムの開発/大成建設㈱/佐藤正浩
持続可能な産業構造への転換に向けて、機能性化学品製造分野も生産システムの抜本的な見直し・改革が迫られている。本稿では、異業種8社1機関の連携により開発が進められている革新的な生産システム「iFactory .」について紹介する。
■エネルギー事情
○米国エネルギー情報局(EIA)「米国長期エネルギー展望(AEO)」報告/LNG経済研究会/大先一正
米国エネルギー情報局(EIA)のエネルギー展望は、現在の法的な枠組みや経済・技術開発動向等を前提に計量経済モデルを用いた政策中立的な分析に基づいて行われている。このため、米国のエネルギー関連産業のポテンシャルを示す情報を豊富に含んでおり、わが国のエネルギー関係者にとっても見逃せない資料の一つとなっている。
■フィールドレポート
○食品工場におけるエネルギー地産地消の取り組み/カルビー㈱/田澤克浩/東京ガスエンジニアリングソリューションズ㈱/松永知之
カルビー新宇都宮工場では、排水処理の過程でメタンを主成分としたバイオガスが多く発生している。従来はボイラ燃料としていたものの、十分にバイオガスを活用できていなかった。この度、25kWのバイオガス発電設備を4台導入することでバイオガスを効率よくエネルギーに変えることで、年間約2,000トンの大幅な二酸化炭素削減効果が得られた。また、発電された電力は排水処理設備の動力源とすることで、エネルギーの発生場所と消費場所が同じとなる地産地消のシステムを実現した。本稿では、その取り組みを紹介する。
○金沢工業大学扇が丘キャンパスにおける直流による共同事業の取り組み/NTTアノードエナジー㈱/小長野孝之・鈴木吉則・村尾哲郎・関 洋介
カーボンニュートラルを進める上で必要となる既存交流電力網の負担軽減、再エネの最大限活用、電力レジリエンス強化を目指し、NTTアノードエナジーおよび金沢工業大学による、金沢工業大学扇が丘キャンパスにおける直流による共同事業の取り組みについて紹介する。
○再生可能エネルギーについての一連の取り組み/東急不動産㈱
「令和3年度新エネ大賞」での経済産業大臣賞導入活動部門の受賞内容に関し、当社の再生可能エネルギー(以下、再エネ)事業の取り組みについて紹介する。当社は自社で再エネ発電所を全国展開しており、今後も業界全体での脱炭素に向けた普及促進を推進する。
クリーンエネルギーの内容
- 出版社:日本工業出版
- 発行間隔:月刊
- 発売日:毎月5日
- サイズ:B5判
環境と産業経済の共生を追求する
無限と思われた地球資源と環境に対し、SOSが発せられようとしています。そこで、今まで通りの経済成長を維持し、より豊かな文明生活を支えるためにはその基盤となるエネルギー源、とりわけクリーンなエネルギー源確保のため、エネルギーの開発と有効利用が火急の話題となって参りました。
本誌は、このような情勢のもと、エネルギー問題をなるべく広い視野にたち、経済性・環境保全・技術課題から、システム導入手順・メンテナンス・関連法規の解説に至るまで幅広い内容を編集するよう心がけ、興味ある話題の提供と見やすい、分かりやすい本づくりに邁進致します。
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