超音波テクノ 発売日・バックナンバー

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■特集:超音波洗浄に役立つ技術
○超音波を用いた流水式洗浄による汚れの除去/日本大学/三浦 光
数十kHzの比較的低い周波数を用いた流水式超音波洗浄による汚れの除去について、振動面と洗浄物間の距離を変化させた場合の洗浄効果および水の流量を変化させた場合の洗浄効果について紹介する。また、熱溶解積層法のサポート材として用いられているPVAに対する洗浄効果を紹介する。

○超音波ホーン下に生じた音響キャビテーション気泡の振動/岐阜工業高等専門学校/黒山 喬允
超音波ホーン下に生じたCone-like bubble structure(CBS)と呼ばれる音響キャビテーション構造中の気泡一つ一つが、どのように振動しているかを調べた。本稿では、レーザ散乱を用いる気泡振動計測手法による計測結果を紹介する。

○音響キャビテーション気泡から生じる音響信号を用いた超音波洗浄機の洗浄能力評価の基礎検討/(国研)産業技術総合研究所/内田 武吉
我々の研究グループでは、音響キャビテーションの計測制御のために、気泡から生じる音響信号の計測技術を開発している。今回は、気泡から生じる音響信号を超音波洗浄機の洗浄能力の定量評価へ応用するために、従来法である洗浄インジケータとの比較を行った。本稿では、その詳細について紹介する。

○キャビテーション気泡の成長過程における有機化合物添加の影響/関西大学/乾 綾華・中村 悠人・山本 健
超音波を照射した際に発生するキャビテーション気泡の初期成長過程を、ソノルミネッセンス強度および液体体積変化を観測することにより、気泡の成長速度およびサイズに対する有機化合物添加の影響を検討した。

■特集:医療で拡がりをみせる超音波技術1
○2型糖尿病患者におけるWall Shear Stressの検証/東北大学病院/成田 心・三木 俊
近年、血流速度ベクトル表示により血管内の壁面せん断応力(Wall Shear Stress)の測定が可能となった。2型糖尿病患者における総頸動脈のWSSと各種検査のパラメータとの関係性について検討したので、その結果について紹介する。

○経皮経肝的血管治療前後で肝硬度を評価することができた3症例の検討/東邦大学医療センター大橋病院/塩澤 一恵・松井 貴史・村上 貴寛・渡邉 学・前谷 容
Budd-Chiari症候群に対する経カテーテル的血管拡張術、直腸癌多発肝転移症例に対する肝部分切除術前の経皮経肝的門脈塞栓術および胆管癌門脈本幹浸潤症例に対する門脈ステント留置術といった、経皮経肝的血管治療前後における肝硬度の変化について検討した。

○潜在性左室心筋障害の発症リスク因子としてのCKDの重要性/トヨタ記念病院/村山 博紀・高岸 智・土澤 尚美・中西 司・大嶋 慎也・堀田 結衣・余語 保則・三宅 裕史・岩瀬 三紀
左室収縮能が保持されたCKD患者であっても左室潜在性心筋障害は進行しており、特に高血圧の合併による左室壁厚増加と心筋線維化がさらなるGLSの低下を招く。GLSの活用により微細な収縮障害を早期に発見でき、心不全の発症予防効果が期待できる。

○IPMN由来膵癌と通常型膵癌の鑑別における造影超音波内視鏡検査の有用性/名古屋大学/八鹿 潤・大野栄三郎・川嶋 啓揮・石川 卓哉・藤城 光弘
IPMN由来浸潤癌とIPMN近傍に発生した通常型膵癌の鑑別は難しい。本研究では、両者の浸潤癌領域における造影EUS増強パターンが異なり、多相造影評価法が造影増強パターンを簡便に評価する方法であることを明らかにした。

○超音波内視鏡による膵腫瘍および膵実質の微細血流評価/藤田医科大学/橋本 千樹・廣岡 芳樹
低流速の血流を描出するイメージング技術が開発され、当初は、経腹壁超音波でのみで使用可能であったが、現在は一部の超音波内視鏡スコープでも使用可能となった。本稿では、膵臓領域でこのイメージング技術の有用性について紹介する。

○心臓超音波検査により化学療法前後の心臓形態変化を観察できた心臓悪性リンパ腫の一例/藤田医科大学病院/河田 祐佳
近年、循環器領域において心臓腫瘍を目にすることは少なくない。心臓腫瘍は心臓のあらゆる部位に発生し、弁または流入路・流出路の閉塞、血栓塞栓症、不整脈、心膜疾患、心不全などの原因となりうるので、決して見逃してはならない疾患である。心臓超音波検査は、早期診断において非常に有用である。本稿では、その要点を紹介する。

○C型肝炎ウイルス排除後の門脈圧亢進症に対する肝弾性度測定の臨床的有用性/大阪市立大学/打田 佐和子・武藤 芳美・河田 則文
C型肝炎ウイルス排除後の門脈圧と肝弾性度には正の相関があった。C型肝炎ウイルス排除後の肝弾性度は静脈瘤を有する群で高値である。C型肝炎ウイルス排除後に門脈圧が上昇した症例は、肝弾性度高値持続例であった。

○超音波エラストグラフィでの食道静脈瘤診断/兵庫医科大学/西村 純子・西村 貴士・飯島 尋子
Baveno Ⅵ criteriaは肝硬度と血小板数により食道静脈瘤破裂リスクの低い患者の絞込みに用いられる。本稿では、ハイリスク食道静脈瘤診断能について脾硬度を組み合わせた検討を紹介する。

○胸痛を契機に発見された褐色細胞腫の一例/兵庫県立姫路循環器病センター 秦 佑輔・大西 哲存
褐色細胞腫は、副腎偶発腫瘍として発見されることが多く、早期診断は困難である。本稿では、心臓超音波検査により心機能障害を評価し得た、褐色細胞腫によるカテコラミン心筋症を呈した一例を紹介する。

○慢性腎臓病における腎エラストグラフィーと組織学的変化の検討/鳥取大学医学部附属病院/井山 拓治・高田 知朗・磯本 一
慢性腎臓病における組織所見とせん断波速度(SWV)との関連を調査するために、腎生検を受ける患者を対象とし、Acoustic Radiation ForceImpulse(ARFI)を用い、腎SWVを測定した。結果は、SWVは糸球体体積および尿細管面積と負の相関があった。SWVはネフロン肥大と相関しており、腎SWVの測定はCKDの早期発見に役立つ可能性がある。

○顕微Brillouin光散乱法を用いた新生骨と成熟骨の縦波音速評価/同志社大学/矢能 啓太・松川 真美
インプラント手術の成功を判断するには、インプラント周辺の骨組織の検査が必要である。そこでμmスケールで音速評価が可能である顕微Brillouin散乱法を用いて、成熟骨とインプラント界面に形成された新生骨の弾性評価を行った。

■解説
〔圧電・超音波材料〕
○(Sr, Ca)2NaNb5O15圧電セラミックスの縦振動モードにおけるハイパワー特性/足利大学/土信田 豊
角柱試料の電気的にコンタクトする電極パターンを改良し、連続駆動法と過渡応答法を組み合わせて圧電体の縦振動モードのハイパワー特性を評価する方法を用いた、(Sr,Ca) 2NaNb5O15セラミックスの縦振動モードのハイパワー特性をハードPZTと比較して調べた研究について紹介する。

〔物性・評価〕
○光熱変換分光法による超格子太陽電池におけるキャリア緩和過程におよぼす歪緩和層挿入効果の実証/宮崎大学/古川 諒・渡部 愛理・碇 哲雄・福山 敦彦/東京大学/杉山 正和
InGaAs/GaAsP超格子太陽電池に挿入したGaAs歪緩和層の影響を圧電素子光熱変換法により評価した。光熱信号の温度変化に対して全ての緩和過程を考慮した解析を行った結果、歪緩和層挿入によりキャリア回収効率が向上することを実験的に明らかにした。

○EMSシステムによるインライン連続粘性測定/東京電機大学/細田 真妃子/㈱トリプル・アイ 山川 義和/東京大学/酒井 啓司
電磁式球回転式(Electro-MagneticallySpinning:EMS)粘度計の「粘性の遠隔測定」という利点を活かし、混合・攪拌・熟成・保存といった実際の工業プロセスにおいて、長時間にわたって常に生成物の粘性を監視し続けることが可能な「インライン型」粘度測定システムについて紹介する。
■特集:超音波等を適用したプラントの保守検査2
○超音波アレイ探触子の移送によるシームレスな広域イメージング/愛媛大学/中畑 和之・牧田 陽行/三菱重工業㈱/林 恭平・上林 正和
一つのアレイ探触子を移送させながら複数地点で波形取得を行い、映像をつなぎ合わせることで広範囲の映像化を行う。地点間で重なった部分だけ指示値を重ね合わせていくと、欠陥の存在に起因しない映像の不均一性が生じるため、これを補正するための波形処理を導入する。これは画像フィルタのように作用することができるのが特徴である。

○CFRP製スキン・ストリンガー構造における衝撃損傷検知のためのラム波伝播シミュレーション/東京大学/齋藤 理・劉 夢一・岡部 洋二
CFRP製スキン・ストリンガー構造を対象とする構造ヘルスモニタリングシステムの開発において、超音波送受信素子の最適配置を効率的に検討するために、衝撃損傷によるラム波の伝播挙動変化を再現するシミュレーション手法を構築した。

○SHクリーピングウエーブ探触子の近距離音場とその指向性に関するシミュレーション/FUT研究所/福原 熙明
クリーピングウエーブ(匍匐波)探触子の固体媒質内での音場および指向性について、固体2媒質境界でのSH弾性円筒面波の反射・屈折通過率理論と位相遅延(フェズドアレイ)を加えた音響システムを考え、近距離から無限遠距離まで連続波およびパルス波の両方で計算可能な重ね合わせ法による数値シミュレーションを行い、SH波のステアリング遅延角度に対応して連続波、パルス波の指向性が計算でき、指向性のピーク角(探触子の屈折角)は、90度ではなく、76~80度で、それは近距離ほど高い値を示すことを明らかにした。

○非線形超音波法によるASME Grade 91耐熱鋼溶接継手部のクリープ損傷評価/湘南工科大学/大谷 俊博
高Crフェライト系耐熱鋼は、蒸気温度が600 ℃の超々臨界圧火力発電用ボイラの主要構造材として使われている。この材料の溶接継手のクリープ寿命の低下は、高温長時間使用中に溶接熱影響部に生じるType-IV損傷に起因する。本研究では、電磁超音波共鳴法(EMAR)を用いて高Crフェライト系耐熱鋼ASME Grade 91鋼の溶接継手部のクリープ損傷中の二つの非線形音響特性:非線形超音波スペクトロスコピー(NRUS)法による共鳴周波数の移動から評価と非線形3波相互作用法により発生した第3の波の振幅から評価し、その二つの非線形音響特性の相関関係とクリープ損傷中の微細組織の変化との関係を紹介する。

○塑性ひずみエネルギーによる疲労限度の推定/㈱荏原製作所/早房 敬祐
疲労限度は設計を行う上で極めて重要なデータであるが、取得には多大な時間と労力を要する。本研究では塑性ひずみエネルギーによる疲労限度推定に対し、評価に用いるデータの荷重履歴と推定精度の関係について検討し、その挙動を明らかにした。

○高透磁率コアを基本構造としたラム波用電磁超音波センサの検討/福岡工業大学/村山 理一
ラム波用電磁超音波探触子を構成する電磁誘導コイルを強磁性体コアに導線を巻き付ける構造に変更し、かつ直流磁化および交流磁化用磁極を分離することで熱・機械的ダメージに強く、従来型と同等の検出感度を実現した。

■特集:産業界に貢献する超音波洗浄2
○低VOC洗浄剤・洗浄システム/化研テック㈱/家邉 悠希子
高い洗浄品質が要求されるエレクトロニクス実装業界の洗浄工程において、洗浄剤を用いる湿式洗浄は有効な手段とされている。近年、洗浄剤を構成する化学物質に対し、安全・環境側面から法規制が進み、対応が迫られている。本稿では、法規制を満足するだけでなく、低VOCかつ超音波洗浄による物理作用をより効率的に得られるメタルマスク洗浄剤およびフラックス洗浄剤と、その洗浄システムについて紹介する。

○超音波霧化を利用した冷却と音響化学発光/(国研)産業技術総合研究所/辻内 亨
超音波霧化による冷却の速度と音響化学発光強度それぞれの振動子投入電力依存性が、連続波照射とパルス波照射で異なることを明らかにする。

○液体金属への超音波照射による金属サブミクロン粒子アトマイズとその応用/東北大学/林 大和・高野 裕希/パナソニック㈱/古澤 彰男
金属粒子合成において、サブミクロンサイズの粒子合成は、今後の産業において重要であり高スループットな合成法が求められている。本稿では、液体金属を超音波の物理的作用によってアトマイズするプロセスと化学的作用によって、室温で酸化物を合成するプロセスを紹介する。

■解説
〔圧電・超音波材料〕
○ LiNbO3/Bi4Ti3O12超音波トランスデューサの700 ℃での超音波特性に関する研究/熊本大学/小林 牧子・前田 大地
カプラントおよびバッキング不要なゾルゲル複合体よる超音波トランスデューサは700 ℃における高温超音波測定において有望であるが、PZTゾルゲル相を組み合わせたゾルゲル複合体はPZTキュリー温度をはるかに超える温度では感度が低下する恐れがある。そこでニオブ酸リチウム(LN)粉体相ならびにチタン酸ビスマス(BiT)ゾルゲル相を組み合わせたLN/BiT膜を自動スプレー装置により厚さ3 mmのインコネル基板上に作製し、LN/PZTと比較を行った。その結果、700 ℃においてLN/PZTより高い感度を示し、熱サイクル試験および7日間の長期試験においても優れた安定性を示した。

〔超音波センサ〕
○矩形音源による反射点位置探索/鳥羽商船高等専門学校/増山 裕之
矩形音源を用いた反射点位置探索に関して、矩形環状に配置された少数要素の音源を用いる手法を検討する。単一要素の矩形音源を使用する方法と比較して、反射点探索結果が改善されることを、数値計算によって確認する。

〔非破壊検査〕
○UAVからの音波照射加振を用いたタイル外壁の非接触音響検査/桐蔭横浜大学/杉本 恒美・杉本 和子
飛行中のUAVからの音波照射加振を用いたタイル外壁検査が可能であること、および非接触音響探査法の問題点である環境騒音や角度依存性といった問題も解決できる他、高速計測も可能であることを明らかにした。

〔物性・評価〕
○共焦点ピコ秒超音波による微小材料内を伝ぱする超音波の可視化/大阪大学/中村 暢伴・荻 博次
マイクロ・ナノ構造物内を伝ぱする超音波を可視化することを目的として、著者らは共焦点レーザー顕微鏡とピコ秒超音波を組み合わせた共焦点ピコ秒超音波法を開発した。本稿では、その概要について紹介する。

〔医用超音波〕
○低侵襲的がん治療法としての5-アミノレブリン酸を用いた超音波力学療法/鳥取大学/大崎 智弘/徳島大学/宇都 義浩
ポルフィリンは、抗がん剤とは異なり光や超音波を照射しない限り毒性を発揮しないので、腫瘍集積性があり、単独では毒性を示さないことから、超音波増感剤として期待されている。ヘマトポルフィリンやフォトフリンⅡ以外にも、PpⅨも超音波を照射することにより細胞傷害性と抗腫瘍効果を発揮することが報告されている。本稿では、その詳細について紹介する。

○タブレットエコーによる連続せん断波映像システム/群馬大学/山越 芳樹
リハビリテーションやスポーツ医学の分野では、筋や腱の弾性を定量的に計測して運動器の機能を評価したいという要求がある。本稿では、せん断波による組織弾性映像を、小型のタブレットエコーで得る新たな装置を紹介する。

○汎用超音波診断装置による後方散乱係数評価の可能性/千葉大学/山口 匡・大栗 拓真
臨床用の超音波診断装置の送受信条件が生体組織の後方散乱係数(BSC)評価に与える影響についての基礎検討を行った。均質ファントムでの検討の結果、ターゲットとリファレンスを観察する際の送受信条件が一致している場合においては高い精度でBSC評価が可能であり、点広がり関数(PSF)が広い場合においても極端な精度低下が生じないことを確認した。

■製品紹介
○多様な原理の研究用ホモジナイザー/㈱セントラル科学貿易/鍋谷 治
○ホモジナイザー・超音波とメカニカル/家田貿易㈱/亀井 範雄
■特集:産業界に貢献する超音波洗浄1
○超音波洗浄機による洗浄状態の評価方法/長野県工業技術総合センター/下里 直子/本多電子㈱/渋谷 信長
低周波数域、中周波数域の超音波による洗浄状態の定量的評価方法について検討した結果、汚れ除去時間・除去率と出力、変調周波数の関係、汚れの除去過程とエロージョン進行過程が明らかになった。

○フローパレット洗浄/荒川化学工業㈱/善福 和貴
フローパレット洗浄の特徴について、一般的な基板のフラックス洗浄との相違点を洗浄難易度に着目し、紹介する。また、フローパレット用洗浄剤の要求事項や、水系パレット洗浄剤パインアルファST-350Uを紹介する。

○超音波洗浄槽内のキャビテーション評価/㈱カイジョー/鈴木 一成
超音波洗浄槽内のキャビテーション作用を粒子除去評価とIEC TS 63101で策定されたキャビテーション評価法により検証した。本稿では、水温上昇に伴う気泡量の増加が、粒子除去領域の偏りと基本波音圧の低下に反映されることを紹介する。

○超音波洗浄槽の音圧分布に及ぼす振動子配置間隔と液深の影響/長野県工業技術総合センター/佐藤 真・江口 穫正/本多電子㈱/渋谷 信長
洗浄能力の向上を目的として、振動子配置間隔や液深が洗浄槽内の音圧分布に及ぼす影響を調査したので紹介する。また、設計への適用を図るためFEM解析を行い、測定結果との比較より妥当性があることを確認した。

○超音波線材洗浄装置/新科産業㈲/中原 理暉
金属線材を製造する際に、伸線後の線材表面に残留した金属粉、潤滑剤等を除去するため、線材の表面を洗浄する洗浄槽式の超音波線材洗浄装置および管式の超音波線材洗浄装置を紹介する。

○超音波を使用したバリ取り装置/オタリ㈱/橋本 芳樹
この度、当社では、当社史上最強の超音波洗浄機「W-Wasp」を用いて、「超音波バリ取り装置」を開発し販売した。本稿では、その技術的内容と、実際にバリ取りした結果を紹介する。

○多様な用途(溶着、ソノケミ、ホモジナイザー)に対応する超音波発振器/㈱カイジョー/副島 潤一郎
従来の超音波発振器は溶着用、洗浄用、攪拌用、アクチュエーター用など用途別に種類があった。溶着機用途に開発を進めていたが、多用途でも使えるように、発振モードの切り替えができるようになっている。また、動インピーダンスも測定が可能で、振動子の共振周波数、位相などがわかる。

■特集:超音波等を適用したプラントの保守検査1
○トポロジー最適化理論に基づく打撃検査援用のための空洞形状の同定解析/長岡技術科学大学/倉橋 貴彦
構造物の打撃検査を支援するためのツールとして、トポロジー最適化解析の理論に基づいた空洞形状の同定解析について紹介する。本稿では、解析内の仮想時間刻みを変えた場合の空洞形状の同定結果を紹介する。

○ウォーターカップリング磁歪センサによるコンクリートの伝搬速度の測定/富山県立大学/内田 慎哉
開発したプロトタイプの概要を紹介した上で、改良(軽量化)した装置の概略、既存手法である衝撃弾性波法と超音波法と比較した結果について、それぞれ紹介する。

○橋梁遊間部を対象とする打音点検システム/東北大学/高橋 知也/長岡工業高等専門学校/池田 富士雄・林 充輝・村上 祐貴・外山 茂浩/東京都立大学/志田 爲御/長岡技術科学大学/倉橋 貴彦
近年、高度経済成長期に建設されたコンクリート構造物の老朽化が進んでいる。本稿では、点検者が立ち入ることのできない橋梁遊間部にて打音点検できる打撃装置の開発、および測定部の改良による点検精度の向上について紹介する。

■特集:超音波応用加工技術2
○超音波斜角探傷を利用した金属プレス成形のしわの評価/都城工業高等専門学校/瀬川 裕二
金属プレス成形の製品検査は検査治具や目視による検査が主流となっており、センサーを利用した全数検査技術の確立が求められている。本稿では、金属プレス成形のしわ欠陥の評価に超音波斜角探傷を適用した事例について紹介する。

○超音波計測を利用した成形金型内の加工状態の評価/熊本大学/丸茂 康男/西日本工業大学/坂田 豊/野中3D研究所/野中 智博
超音波計測は、成形金型内の状況を知る上で有効な方法である。本稿では、成形金型内の加工状態として、板材プレス成形におけるしわの発生、鍛造加工における摩擦接触状態、樹脂成形における凝固・離型状態を超音波計測を利用して評価した事例を紹介する。

■特集:空中超音波の革新に迫る2
○レーザープローブ法を用いた固体欠陥試料の超音波振動速度イメージング/秋田大学/今野 耀士・今野 和彦
物質中での超音波の位相をレーザープローブ法で検出し、その位相情報とCTアルゴリズムとを適用して、物質を透過したレーザ光の位相情報から信号の振幅像からは得られない物質内部の構造(穴)のイメージングを行った。

○空中超音波励起による弾性表面波の伝搬速度を利用した非接触火害診断/日本大学/伊藤 洋一・大隅 歩
火災にあったコンクリート壁の火害状況を非接触で診断する手段として、強力空中超音波の照射によりコンクリートに発生させた弾性表面波の伝搬特性を利用した新たな検査手法について、その計測原理と計測のための装置および計測例を紹介する。

○空中強力定在波音場による水を含んだ布の乾燥/日本大学/三浦 光
縞モードたわみ振動板を用いた超音波音源によって、空気中に強力な定在波音場を形成し、その音場内に水を含んだ布を設置して布の乾燥を行った場合の乾量基準含水率や乾燥時間などの検討から、音波によって大きな乾燥効果が得られたことについて紹介する。

○パラメトリックスピーカアレーを用いた放射方位制御に基づく3D音像ホログラムの構築/立命館大学/西浦 敬信
パラメトリックスピーカアレーを用いた音像ホログラムの構築において、仮想音源構築位置の制御手法を紹介する。特に、直線状のパラメトリックスピーカアレーを形成することで仮想音源の構築可能範囲を広げ、より容易に任意の位置での音像ホログラムの構築を可とした。

○空中超音波を用いた衣服着用時の腕に対する非接触形状計測/和歌山大学/村田 頼信・屋木 悠佑
空中超音波センサを半円状に複数配置した半円アレイセンサを構成し、圧縮センシングを適用した開口合成によって、非接触による衣服を着用した人体マネキンの腕の形状計測を試みた結果について紹介する。

■解説
〔海洋・水中音響〕
○音響キャビテーションの発生を伴う音場の測定を目的とした堅牢ハイドロホンについての検討/桐蔭横浜大学/貝瀬 不二丸・森下 武志・竹内 真一/日本医療科学大学/椎葉 倫久/本多電子㈱/岡田 長也/東京工業大学/黒澤 実
前面板の形状が異なる2種類の堅牢ハイドロホンを、高強度超音波に50時間曝露しても受波感度が低下しなかった。また、前面板の形状によって音響キャビテーションから受ける影響を軽減できることを確認した。

〔非破壊検査〕
○超音波画像の鋭敏色可視化法および有限要素法による光学的積分効果の検討/秋田大学/今野 和彦
前面板の形状が異なる2種類の堅牢ハイドロホンラス板中のLamb波を鋭敏色法で観測した。また、三次元FEM解析から応力分布が断面で異なり、Lamb波のモードも異っていた。全断面の応力分布の加算結果が鋭敏色法の結果が一致し、光学的可視化画像に光学積分効果が存在することが明らかとなった。
■特集:超音波応用加工技術1
○CFRPの溝研削加工における超音波振動援用の効果/慶應義塾大学/山崎 剛史・閻 紀旺
CFRPは比強度や比剛性に優れた材料であり、近年航空機や自動車において利用が拡大しているが、その切削加工においては層間剥離や工具摩耗などが問題となっている。本研究では、超音波振動援用研削によるCFRPの溝加工を提案した。研削工具に超音波振動を付加することにより切りくずの排出性が向上し、工具表面の目づまり現象が抑制され、研削抵抗や加工点温度の上昇も抑えられた。その結果、溝エッジに発生する層間剥離を著しく低減することができた。

○超音波振動援用バニシングによる金属積層造形面の高品質化/慶應義塾大学/寺町 亮則・閻 紀旺
アルミニウム合金AlSi10Mgの金属積層造形面に超音波振動援用バニシングを行った。その結果、表面の凹凸や空洞がなくなり、表面粗さの大幅な低減が確認された。また、深さ方向における充填率の変化を測定したところ、超音波振動援用により試料表層の緻密化が進むことが確認された。さらに、ビッカース硬さも処理前と比較して顕著に向上した。以上の結果より、金属積層造形面の高品質化に対して超音波振動援用バニシングが有用であることを明らかにした。

○FDTD法による金型内の超音波伝播の可視化/近畿大学工業高等専門学校/萩野 直人
プレス加工中の金型と製品の接触状態を超音波で計測するために、有限差分時間領域法(FDTD法)を用いた伝播シミュレーションを開発し、金型内の超音波伝播を可視化した。

○超音波ニードルパンチ処理によるCFRTPの面外特性の向上/同志社大学/小武内 清貴/岡山県立大学/福田 忠生・尾崎 公一
現在、熱可塑性樹脂を炭素繊維で強化したCFRTPは、その軽量性や高強度、高生産性といった利点から、様々な分野への応用が期待されている。本稿では、CFRTPの面外強度特性の向上を目的とした超音波ニードルパンチ処理について、その効果および面外特性向上メカニズムについて紹介する。

○超音波振動によるCFRP板の打ち抜き穴あけ加工/三重大学/田中 佑樹・中西 栄徳・高橋 裕
CFRP板の高品位の穴あけ加工を目的として、超音波振動する円筒形状工具による打ち抜き穴あけ加工法を検討した。本稿では、樹脂が熱硬化性の場合と熱可塑性の場合の加工過程の違いについて紹介する。

○超音波振動切削法による炭素繊維強化プラスチックの高品質ドリル加工/(元)帝京大学/古澤 利明
CFRP単体、CFRPとアルミニウムの重ね穴あけ時の穴内面損傷を改善し、高品質なドリル加工を達成するため超音波振動切削法を適用する。超音波振動の切削抵抗・温度の低減、切りくず折断の効果により、損傷のCFRPのむしれと切りくずの擦過痕が改善された。

○超音波鋳造における溶質移動の影響/㈱UACJ/蓬田 翔平・久保 貴司/㈱UAC/鋳鍛 宮野 学
超音波鋳造時のマクロ的な溶質元素の移動に伴う液相線温度の変化がマクロ的な結晶粒サイズ分布に影響を与えることを紹介する。これは、超音波照射のタイミングを決定するための重要な指針を示すものである。

○Al-Cu合金における凝固組織に及ぼす音響流の影響/大阪大学/柳樂 知也
Al-Cu合金を対象として、放射光の高輝度X線イメージングを利用した超音波振動下での凝固過程のその場観察により、超音波振動によって誘起される音響流の影響や微細化機構について紹介する。

■特集:計測データの標準フォーマット化の動き
○海洋音響学会全周ソナーの標準データフォーマット研究部会に関して/(国研)水産研究・教育機構/澤田 浩一
出力データフォーマットはソナーメーカー独自のものが多く問題があったが、最近全周ソナーの共通フォーマットを定めようとする機運が高まった。本稿では、全周ソナーのデータフォーマットの標準化に関する経緯と活動内容を紹介する。

○全周ソナーの国際標準データフォーマット/古野電気㈱/白木 里香
漁労全周ソナー用の国際標準データフォーマット(SONARnetCDF-4)が出版された。本稿では、 SONAR-netCDF-4で採用されたnetCDFフォーマットの特徴と実際のデータフォーマットの構成について紹介する。

○ソナーの計量的利用への取り組み/東京海洋大学/古澤 昌彦
漁業用ソナーを水産資源調査に利用しようと、多くの取り組みが行われている。これは、鉛直下方を探査する計量魚群探知機では、海表面近くが調査不能になるためである。本稿では、ソナーの計量的利用への取り組みを紹介する。

■特集:医療における超音波の貢献2
○絞扼性腸閉塞における腹部超音波検査の有用性/大阪掖済会病院/前山 美誠・村橋 邦康・野島 大亮・國場 里奈・坂元 誠・城月 順子・池谷 哲郎・澤田 鉄二
急性腹症に対して、腹部超音波検査にてclosed loopobstructionを指摘し、腸間膜や腸管の状態を適確に評価することが絞扼性腸閉塞の早期診断に有用であると考えられる。

○音響導波路と凹面型振動子を用いたハイドロホン校正用高強度音源システムの開発/職業能力開発総合大学校/五十嵐 茂/桐蔭横浜大学/森下 武志・竹内 真一
ハイドロホンを校正するための円筒型音響導波路と、凹面型振動子を用いた高強度音源システムを開発している。この音源は、超音波振動子の直径を拡大することで送波感度の増強が可能で、それを評価実験によって確認した。

○音響インピーダンス位相差カラーコントラスト画像法/東京都立産業技術高等専門学校/吉澤 昌純・篠田 航平
超音波干渉法を用いた位相差画像法での干渉縞に代わり、複数の異なる計測断面での取得画像を色付けして重ね合わせて音響インピーダンスの位相差を画像化する手法を提案し、粘性試料によりその有効性を検証した。

○超音波検査が有用であった壊疽性胆嚢炎の2例/(地独)東京都健康長寿医療センター/清水 優・藤田 昭寿
急性胆嚢炎は重症化すると壊疽性胆嚢炎へと進行し、合併症として胆嚢穿孔、胆嚢周囲膿瘍、胆汁性腹膜炎などを生じる。本稿では、腹部超音波検査が、手術適応を判断する上で有用であった2症例を紹介する。

○腹部超音波検査の撮影断面数増加が初発肝細胞癌の発見を改善する/鳥取大学医学部附属病院/高森 稔弘・杉原 誉明・野上 智・福田 哲也・磯本 一/姫路聖マリア病院/的野 智光
肝細胞癌の腹部超音波検査によるサーベイランスの推奨撮影断面数が提唱された。今回、初発肝細胞癌30例の推奨断面数撮影率を検証し、推奨撮影断面数撮影の増加が、早期肝細胞癌の発見を改善する可能性が示唆された。

■特集:空中超音波の革新に迫る1
○空中超音波粗さ計測機によるコンクリート面の粗さ計測/三重大学/岡島 賢治/丸栄コンクリート工業㈱/渡部 健
空中超音波の反射波の最大振れ幅からコンクリート面の粗さを計測する、接触型のコンクリート面の粗さ計測機である試作機SODOTOR2000が開発された。SODOTOR2000により、コンクリート面の粗さを短時間に簡便に、多点で計測することができるようになった。

○表面弾性波の非線形振動現象を利用した新しい空中超音波制御/超音波システム研究所/斉木 和幸
空中超音波の伝搬状態を、対象空間への非線形超音波伝搬現象として検討し、空間超音波の評価パラメータを開発・応用した、「非線形発振制御による空中超音波のコントロールシステム」が実現した。本稿では、この技術について紹介する。

○空中超音波振動子とパラボラ反射鏡を用いた餅の非接触粘弾性計測/東京工業大学/田原 麻梨江
空中超音波を用いて非接触で餅の粘弾性特性を計測する手法について紹介する。温度制御機構付きの粘弾性計測システムの構築を行い、フォークトモデルに基づいて粘弾性特性の推定を行った。
■特集:圧電材料の研究と応用
○二層構造厚み滑り振動子の動作メカニズム/東北大学/大橋 雄二・大和田 悠介・横田 有為・吉川 彰/㈱XMAT/面 政也
耐環境温度変化に優れた振動子設計を目指して二層構造厚み滑り振動子を提案した。二層構造振動子ではモードの次数によって共振周波数の温度特性が変動する単層基板振動子では観測されない特異な現象が発生するためその動作メカニズムを検討した。

○異種材料接合による弾性表面波素子の高性能化/山梨大学/垣尾 省司
異種材料接合技術を用いて1波長以下の厚みをもつ圧電薄板と水晶支持基板を接合すると、リーキー弾性表面波や縦型リーキー漏洩弾性表面波に対して、粒子変位の集中度が高く、漏洩成分が極めて少ない基板構造が得られ、広帯域、高Q、高安定な共振特性を示すことを理論的、実験的に明らかにした。

○固相結晶成長法による(K0.Na0.)NbO3単結晶の作製と圧電特性評価/山梨大学/藤井 一郎・上野 慎太郎・和田 智志
固相結晶成長法では溶かさずに結晶育成を行うので、分解溶融する化合物についても均一な組成の単結晶を作製できる。我々は本方法を用いて(K0.5Na0.5)NbO3単結晶を作製し、圧電特性を評価したので、これらの結果を紹介する。

○低圧スパッタ法により増大する負イオン照射がScAlN薄膜の結晶性と圧電性に及ぼす影響/同志社大学/冨永 卓海・髙柳 真司/早稲田大学/柳谷 隆彦
弾性波デバイスへの応用が期待されるScAlN薄膜であるが、スパッタ法による高品質な薄膜作製に未だ課題がある。本稿では、ScAlN薄膜の品質劣化の原因として考えられている負イオン照射について論じるとともに、低圧環境下では負イオン照射が増大し、ScAlN薄膜の結晶性や圧電性の劣化に繋がることを紹介する。

○濃縮器を備えたボールSAWガスクロマトグラフによるppbvレベルの香気成分の分析/ボールウェーブ㈱/岩谷 隆光・赤尾 慎吾・岡野 達広・竹田 宣生・辻 俊宏・大泉 透・福士 秀幸・菅原 真希・塚原 祐輔・山中 一司
本稿では、多種類ガスのオンサイト分析を目的に開発している可搬型ボールSAWガスクロマトグラフに濃縮器を加えることで、食品に含まれるppbvレベルの香気成分分析を実証した研究結果について紹介する。

○(K, Na)NbO3系無鉛圧電材料の超音波センサへの適用/日本特殊陶業㈱/辻井 明日香・笠島 崇・山崎 正人・沖村 康之
当社開発材である(K,Na)NbO3系無鉛圧電材料を用いた超音波センサを作製し、有鉛圧電材料を用いたセンサと特性を比較した。送受信特性において無鉛材は十分な性能を発揮し、特に送信時の最大音圧はソフト系有鉛材を使用したセンサと同等であった。

○エピタキシャル強誘電体薄膜の歪みとドメイン構造がその電気光学特性に及ぼす影響/名古屋大学/近藤 真矢・山田 智明・吉野 正人・長崎 正雅.5
本稿では、シングルドメイン(Ba,Sr)TiO3薄膜を例に強誘電体薄膜の歪みが電気光学(EO)特性に及ぼす影響の理論予測とその実験的検証の内容を紹介する。また、EO効果の測定手法やドメイン構造がEO特性に及ぼす影響についても紹介する。

○ HfO2およびZrO2基強誘電体膜の厚膜化と室温合成/東京工業大学/三村 和仙・志村 礼司郎・舟窪 浩/(国研)物質・材料研究機構/清水 荘雄
HfO2やZrO2基材料は強誘電性が発見され、圧電体応用が期待できる。しかし強誘電相の100 nmを超える厚膜化は困難で、圧電応用は難しいと考えられていた。本稿では、Y置換したHfO2について強誘電相の厚膜化に成功するとともに、室温での作成が可能であることを見出したので紹介する。

■特集:非線形超音波技術の最新動向②
○気泡を含む水中における圧力波の弱非線形理論とバルクの粘性と熱伝導性に関する考察/筑波大学/亀井 陸史・金川 哲也
多数の気泡を含む水中において非線形性の弱い圧力波(音波)の中でも、低周波数の長波、高周波数の短波のそれぞれを記述する方程式を導いた。その結果、バルクの粘性と熱伝導性が波に及ぼす影響を理論的に解明した。

○気泡流中を伝播する圧力波は衝撃波とソリトンのどちらに発展するのか/筑波大学/鮎貝 崇広・金川 哲也
本稿では、気泡を含む水中における非線形性の弱い圧力波の伝播を記述するKdV-Burgers方程式を数値的に解き、圧力波が(音響的な)ソリトンという安定な波へと発展する様子を紹介する。

○強力集束超音波治療における非線形現象の新展開/東北大学/吉澤 晋
本稿では、非侵襲にがんなどを治療できる強力集束超音波(HIFU)を用いた治療における、非線形現象の新しい展開について紹介する。

○液面の形状変化計測を用いた集束超音波の音響放射圧・音圧推定法/電気通信大学/野村 英之・下村 諒哉
音波が水中から水-空気境界へ入射すると、音響放射圧により液面の形状変化が生じる。この液面変位を計測することで、音響放射圧や音圧を評価する方法を検討した。定量的評価には改善が必要であるが、評価法の一手法としての可能性が示された。

■特集:医療における超音波の貢献①
○NASH診断における超音波検査を用いた仮想SAF/FLIP systemの有用性/山口大学/佐伯 一成・西川 寛子・松尾 亜矢・日髙 勲・岡本 健志・高見 太郎・山﨑 隆弘・坂井田 功
非アルコール性脂肪性肝疾患人口が世界的に増加して社会的に大きな問題となってきたのと合わせて、新たな発癌要因としてNASHが注目されている。本稿では、NASH診断における超音波検査を用いた仮想SAF/FLIP systemの有用性について紹介する。

○健診腹部超音波検査を契機に発見された無症候性肝外門脈瘤の1例/福井県済生会病院 坪内 啓正・前野 孝治・山城 正司
門脈瘤は門脈が限局的に囊状もしくは紡錘状に拡張した稀な疾患である。画像診断法の進歩に伴い、門脈病変の発見機会が増えてきた。本稿では、今回、健診の腹部超音波検査が発見契機となった無症候性肝外門脈瘤の1例を紹介する。

○光超音波リンパ管イメージング/慶應義塾大学/梶田 大樹・鈴木 悠史・今西 宣晶・高詰 佳史・浦野 萌美・岡部 圭介・陣崎 雅弘・相磯 貞和・貴志 和生/㈱Luxonus/関口 博之・浅尾 恭史・八木 隆行
光超音波イメージングとは、光を照射された色素から生じる超音波を利用して、体内の脈管等の画像を得る技術である。本稿では、我々の光超音波3Dイメージング装置の概要と、ヒトのリンパ管や静脈の画像を紹介する。

○加齢変化に伴う水晶体の音速と弾性計測/ジャパンプローブ㈱/田中 雄介/慶應義塾大学/長島 隼人・佐々木 信成/慶應義塾大学/㈱坪田ラボ/橋 英長・早野 元詞・坪田 一男
老視は超高齢社会で社会問題であり、評価、治療が望まれている。老視の進行度は水晶体硬度が関係し、水晶体硬度を音速とヤング率で評価した。ラット、マウスの音速を超音波で、ヤング率を弾性計測機で評価し、音速と硬度に相関性が認められた。

○胃癌に対する体外式超音波検査/鳥取大学/佐藤 研吾/鳥取県立中央病院/廣岡 保明
体外式超音波検査による胃癌の壁深達度診断において、進行癌の多くは第3層(粘膜下組織)の断裂が特徴的であるが、スキルス胃癌では第3層への癌細胞浸潤による繊維増生のため高輝度のまま肥厚することが多く、急性胃粘膜病変との鑑別に注意を要する。

○超音波検査とmagnetic resonance imaging(MRI)による肝の粘弾性および脂肪含有の比較/大垣市民病院/小川 定信/岐阜協立大学/熊田 卓/信州大学/山田 哲
超音波検査とMRIによる肝硬度や粘性の測定結果と比較し、その有用性や関与する因子について検討した。超音波検査による肝硬度評価は有用であるが、粘性評価は検討が必要である。

■研究室紹介
○インフラ先端技術産学共同講座/京都大学/塩谷 智基
■特集:非線形超音波技術の最新動向-1
○非線形超音波法による材料内異質部の可視化/㈲超音波材料診断研究所/川嶋 紘一郎
非線形超音波(高調波)法を用いて、従来超音波法により検出が困難である金属材料内の異質部を可視化する手法とそれを用いた拡散接合部偏析、局部塑性域、加工変質層などの可視化例を紹介する。

○熱音響システムにおける衝撃波の発生と抑制/福井工業大学/清水 大/関西大学/杉本 信正
空隙率や温度分布が一様でない熱音響システムにおいて、複数のヘルムホルツ共鳴器を用いる手法が、衝撃波の発生を抑制するだけでなく、熱音響孤立波の発生および自励振動の増幅をも可能にすることを紹介する。

○超音波による自走式液中推進システムの試み/東京工業大学/孔 徳卿・西尾 一輝・宮岡 洋平・黒澤 実
非線形超音波技術を活用し、単純な構造、高パワー密度かつ小型化を満たす自走式液中推進システムを検討する。弾性表面波振動子と厚み振動モード振動子によるスイマーアクチュエータを紹介する。

○超音波による非接触搬送技術/同志社大学/小山 大介
超音波の放射力によって物体を浮揚させることができる。本稿では、これまでに著者らのグループが開発した超音波による非接触搬送技術を紹介する。また、本技術の医用やバイオテクノロジー分野への展開についても紹介する。

○熱音響エンジンにおける濡れたスタックの役割/(国研)産業技術総合研究所/安井 久一
熱から音への変換をする熱音響エンジンにおいて、濡れたスタックを用いると音波が強くなる。その理由を、数値シミュレーションによって考える。

○アレイの特徴を活かした基本波振幅差分の非線形超音波フェーズドアレイ/東北大学/小原 良和
非線形超音波フェーズドアレイ映像法は各種開発が進んでいるが、本稿では、アレイの特徴を活かした固定電圧の基本波振幅差分( 固定電圧FAD)について、基本原理と閉じた疲労き裂への適用例について紹介する。

○超音波の非線形伝搬に伴う音圧の飽和現象/電気通信大学/鎌倉 友男
周波数40 kHzの空中超音波を対象に、音源近傍の音圧と離れた位置での音圧の比例関係が崩れて頭打ち、いわゆる音圧の飽和について、今までに提案されてきた飽和音圧に関する予測式と実験データを紹介する。

○有限要素解析によるクント管内音響流の縞間隔に対する依存性/神戸大学/和田 有司/成蹊大学/弓削 康平
コルク粉などを散布した音響管内に定在波を励起すると、粉体が縞模様として整列する現象が知られている。このメカニズムの解明のために、有限要素法を用いて人為的な屈曲をもつ管内の音響流を算出し、縞間隔のパラメータ依存性を検討する。

■特集:超音波等を適用したプラントの保守検査-2
○摩擦攪拌接合部微小欠陥の非線形超音波を用いた非破壊評価/名古屋工業大学/小野 友輔・伊藤 智啓
非線形超音波法を用いたFSW部のキッシングボンドの検出の可能性を紹介する。その目的で、キッシングボンドで発生する高調波成分を検出する手法と、キッシングボンドの存在の判定基準を提案する。

○EMATの高温対象物への適用について/㈱神戸製鋼所/福井 利英・江﨑 雄太
高温対象物へのEMATの適用を目的に、EMATの性能向上に向けて、磁石配列の工夫とセンサコイルの適正化、信号処理について紹介する。ラボ評価において、EMAT筐体を水冷することで、ホットプレートで加熱した内部温度800度の鋼材に対して、リフトオフ3mmで透過波をS/N=10で検出できることが検証できた。

■解説
〔強力超音波の応用〕
○Tiインサート金属を用いたハイブリッド固相接合/ソノヤラボ㈱/園家 啓嗣
開発したハイブリッド固相接合装置を用いた場合に、接合面にインサート金属を挿入した状態で、アルミニウムを大気中で短時間で接合させることが可能かどうかを検証した。

〔超音波計測〕
○超音波変位ベクトルドプラ観測と時空間多次元スペクトル解析を用いたずり波伝搬の高精度な詳細観測および分離と合成/上智大学/炭 親良
加振器を用いてファントムを加振して動的な変形を扱って観測された結果を提示する。具体的にはベクトルドプラ観をずり波の観測に応用してその高精度な観測を行うとともに、ずり波の詳細観測を行い、定在波を含む干渉波を分離したり、新たにずり波を合成することを行った結果を紹介する。

〔非破壊検査〕
○空中超音波波源走査による金属平板減肉部のイメージング/日本大学/伊藤 洋一・大隅 歩
空中超音波を利用した波源走査法による薄板内欠陥の検出手法について紹介する。高強度超音波を点状に照射させて生じる波源を用いて金属板にLamb波を発生させ、その波動伝搬特性とそれを用いた疑似減肉欠陥のイメージング事例を紹介する。

〔医用超音波〕
○特異値分解フィルタを用いた頸動脈における内腔領域抽出に関する検討/富山大学/長岡 亮・長谷川 英之
特異値分解フィルタを用いて血管内腔領域を抽出する手法を紹介する。本提案手法では、血管内腔における速度分布と血管壁における速度分布とで時空間的な特徴量が異なる点に着目し、速度データに対して特異値分解フィルタを適用することで、血管内腔領域の抽出を行った。

■研究室紹介
○金沢工業大学 工学部 電気電子工学科・會澤研究室/金沢工業大学/會澤 康治
○北海道大学 大学院理学研究院 生物科学部門 システム神経生物学研究室/北海道大学/小川 宏人

■特集:超音波等を適用したプラントの保守検査①
○鋼溶接部の超音波探傷試験条件の最適化へのシミュレーション解析の活用/(一財)発電設備技術検査協会/古川 敬・上山 芳教
UTにおいて探傷条件を検討する際に、超音波ビームの作図が重要であるが、フェーズドアレイ法やTOFD法では、多数の作図やビーム幅の考慮も重要となる。本稿では、作図ツールとしてのシミュレーションの活用を紹介する。

○局部共振高調波法によるCFRP板接着部不均一性の可視化/㈲超音波材料診断研究所/川嶋 紘一郎/インサイト㈱/藤田 文雄
周波数掃引スペクトロスコピーユニットと局部共振高調波法を組み合わせ、CFRP板接着部の弱強度域を明瞭に画像化できた。周波数スペクトルのディップ(谷部)周波数を入射することで、非共振領域を明確に表示できる。

○レーザー超音波法による波動可視化検査の特徴/愛媛大学/中畑 和之・天野 裕維/(一財)電力中央研究所/永井 政貴・林 山
近年、レーザー光を用いた波動伝搬可視化が非破壊検査に用いられている。光音響計測法とレーザードップラー計測法の二つが提案されているが、本稿では、これらを同じ供試体に適用して超音波の可視化を行う。両手法の直接比較を行い、各々の特徴について紹介する。

○底面エコー波形の非線形挙動に及ぼす媒質中の微視組織変化の影響に関する周波数応答解析/FUT研究所/福原 煕明
固体材料の微視組織変化の超音波伝搬波形に及ぼす影響を検討するにあたり、ここでは微視組織変化として粒状化黒鉛鋳鉄の黒鉛の球状化率を考えた。球状化率を変化させた鋳鉄板材試料からの底面エコーパルス波形は、球状化率の低下により大きく後方へのずれ、大きさも低下するなど大きな変化を示した。またパルス波形にも僅かながら変化も認められた。その変化の原因は、弾性係数の非線形性によるものと仮定し、波動関数における周波数のKe乗の非線形指数によって説明できるかどうかを、線形・非線形波動伝播の問題として周波数応答解析を試みた。本稿では、その結果を紹介する。

○AE技術によるIoT/AIの活用と留意点/㈱IHI検査計測/中村 英之
非破壊検査の現場では、さまざまな課題を解決する方策の一つとしてAI/IoTの活用が進むことが予想され、AE技術がそのセンシング技術の一つとして応用の範囲が広がる見通しである。AE技術のIoTへの活用においては、ノイズと有意信号の分別や計測環境の変化に応じた計測条件の適正化など実機適用上の課題があることを認識したうえで、それらの解決策が講じられ信頼性の高い試験技術として普及が進むことが期待される。本稿では、その概要を紹介する。

○AEセンサを用いたレーザー励起弾性波のコンクリート中の伝搬評価/京都大学/橋本 勝文・塩谷 智基
コンクリート構造物の弾性波法に基づく非破壊試験および遠隔検査技術の構築を目的として、本稿では、コンクリート表面へのレーザーパルスの照射による励起弾性波の評価結果と実構造物への適用事例について紹介する。

○環境振動MEMS発電素子とIoT無線センサ応用/東京大学/年吉 洋・遠山 幸也・本間 浩章/㈱鷺宮製作所/三屋 裕幸/静岡大学/橋口 原
半導体シリコンマイクロマシニング技術によりMEMS型振動発電素子を開発した。櫛歯型電極表面に高密度のエレクトレットを帯電し、環境振動から静電誘導電流によって回収した電力1.3 mWで無線センサを駆動した。

○位相速度ベクトル場のダイバージェンスに基づく等方性板材の非破壊検査/佐賀大学/寺本 顕武・石橋 春香
等方性板材中に発生した欠損の検出を目的として、位相速度ベクトル場のダイバージェンスに基づく欠損のシルエットの可視化手法を提案している。査対象に平面波が照射された場合、微小な欠損が存在すると、欠損を中心として散乱波が伝搬する。その結果、欠損近傍で位相速度ベクトル場のダイバージェンスが高い値を示し欠損の存在を明示する。本稿では、数理的な解析と実験により、提案手法の有効性を評価している。

■解説
〔非破壊検査〕
○超音波伝搬に対する深層学習の試み/群馬大学/蓑輪 里歩・斎藤 隆泰
本稿では、レーザー超音波可視化法で得られる超音波伝搬画像と同等の画像を、数値解析で作成し、深層学習させた試みを紹介する。深層学習結果より、画像化結果から機械が欠陥の有無を自動判定できる可能性があることを示す。

○電気的負荷によるサイディングされた圧電振動子の振動特性均一化の一方法/秋田大学/今野 和彦
圧電振動子の音響放射面の振動特性改善のために“サイディング”のある部分電極型圧電振動子の駆動電源インピーダンスを変化させ、駆動した。振動速度測定及び水中でのシュリーレン音場観測の結果、電源インピーダンスの大小によって、振動速度分布が大きく変化し、電源インピーダンスの選択によって均一な振動速度をもつ厚み振動が得られる可能性を明らかにした。

○環境雑音を利用した建造物の診断モニタリング/工学院大学/高橋 義典
環境雑音によって生じる建造物の僅かな振動を利用した、試験信号を必要としない、建造物の診断モニタリング手法について述べる。実験では、相対誤差2%未満で共振周波数が推定できることが確認された。

○空中超音波法による難燃処理木材中の薬剤量分布の推定手法/九州大学/長谷川 益己/福岡県工業技術センター/岡村 博幸・竹内 和敏
空中超音波を利用した防火木材の防火性能の新しい非破壊評価法の開発を目指している。本稿では、難燃薬剤処理した木材中の薬剤量と超音波伝搬速度の関係を検討し、薬剤量分布の推定を試みた内容について紹介する。

〔医用超音波〕
○超音波カラードプラを用いた気泡キャビテーション信号観測法/群馬大学/江田 廉・山越 芳樹
超音波DDS実現に向け開発した超音波映像装置を用いた気泡キャビテーション観測法において、従来法で観測していた信号の振幅情報に替わり信号の周波数情報を可視化する方法を提案した。

○軟骨組織における音速と他の物理量との比較/(国研)産業技術総合研究所/新田 尚隆
本研究では、生体音速の解釈のための一検討として、軟骨組織を対象としたマルチモーダル測定を行い、生体内組織の音速と他の物理量との相関性を調査した。

○2次元血流速度ベクトルイメージングのための 2段階スペックルトラッキング法/富山大学/長岡 亮・茂澄 倫也・長谷川 英之
相関関数に基づいた2段階スペックルトラッキング法を提案し、Field Ⅱプログラムを用いたシミュレーション実験によって推定精度の検証を行った。また、提案手法した2段階スペックルトラッキング法をヒト頸動脈のデータに適用し、その2次元血流速度ベクトルを算出した。

○表皮ブドウ球菌が産生するバイオフィルムの超音波照射による破壊効果/自治医科大学/鯉渕 晴美
超音波照射には難治性感染症の原因となるバイオフィルムを破壊する効果があることがわかり、バイオフィルム感染症の治療の一助になる可能性があることが示唆された。

■製品紹介
○世界が認める超音波バリ取り洗浄装置/㈱ブルー・スターR&D/柴野 佳英

■研究室紹介
○豊田工業大学/機械創成研究室/豊田工業大学/古谷 克司
○神奈川工科大学 工学部 機械工学科 精密加工研究室/神奈川工科大学/今井 健一郎

■特集:超音波を使用した計測技術
○画像処理を用いたパルス性雑音の発音数評価法/海上保安大学校/倉本 和興
本稿では、テッポウエビ類が発したパルス性雑音の発音数(単位時間当たりのパルス数)を評価する一手法として、取得した音響データを画像データに変換し、その後画像処理を用いてパルス数を推定する手法について紹介する。加えて、本校のこじま桟橋において水中音響信号を5日間定点観測し、本手法によりパルス数を推定したのでその結果について紹介する。

○高精度な三次元高速デジタルフーリエビームフォーミングを用いた超音波イメージング/上智大学/炭 親良
本稿では、基礎ビームフォーミングのもとに、我々が開発している三次元変位ベクトルドプラ観測を疑似的に行った結果を紹介する。

○CWレーダーによる海洋波浪情報計測/神戸大学/河口 信義
海洋波浪情報を車載用CWレーダーによる計測を試み、本稿では、海洋波浪特性および計測方法を具体的に述べ、沿岸付近海域における実験結果からCWレーダーを用いて洋上波浪計測が可能であることを紹介する。

○非接触音響探査法のための空間スペクトルエントロピーを用いた内部欠陥検出/桐蔭横浜大学/杉本 和子・杉本 恒美
本稿では、非接触音響探査法において、振動速度分布を用いた空間スペクトルエントロピーを考案し、コンクリート内部欠陥とレーザドップラ振動計の共振周波数の自動識別、および明瞭な欠陥映像を得ることができることを紹介する。

○間伐材と自律計測システムを用いた落石・土砂災害等の予測技術に関する試み/秋田県立大学/下井 信浩・クアドラ カルロス・間所/洋和
間伐材を有効利用した計測柵を製作し、ピエゾセンサを用いた落石やがけ崩れ等の土砂災害に関する発生を予知する自律型計測システムを考案した。実装試験における耐荷重や落下試験により計測システムの有効性を検証した。

○音響整合材料による圧電高分子トランスデューサの効率改善/山形大学/高橋 貞幸
本稿では、有機質の圧電材料であるP(VDF/TrFE)(75/25 mol%)を用いて、動作中心周波数3MHz圧電振動子を製作し、その表面側にポリマー系の音響整合層を積層した。この結果を、実測値と理論値で検証を行った。この結果、音響整合層を積層したP(VDF/TrFE)トランスデューサ(2 MHz)は、同じ圧電性能をもつP(VDF/TrFE)トランスデューサと比較して、約10 dB感度を上昇することができた。

○高分解能(広帯域)魚群探知機の新技術古野電気㈱/御園生 哲史
近年、魚群探知機の広帯域技術の進歩により、パルス圧縮技術を用いた「高分解能(広帯域)魚群探知機」と呼ばれる新しいタイプの魚群探知機の普及が進んでいる。水産資源調査で使用される計量魚群探知機において、高分解能と探知距離向上の両立を目的に、計量魚群探知機の主要な周波数である38kHzを中心周波数として使用可能な「低周波広帯域計量魚群探知機」を開発したので、本稿にて紹介する。

○カロリメトリ法における水の溶存酸素濃度の影響/(国研)産業技術総合研究所/内田 武吉
カロリメトリ法による超音波パワー測定で使用している飽和水と脱気水が超音波パワーの測定値に与える影響について検討した結果、両者の測定値に有意差があることを確認した。

■特集 海洋音響のさまざまな技術②
○離岸流トモグラフィーにおけるマルチパスの特性海洋音響研究所/中埜 岩男神戸大学/石田 廣史大阪大学/出口 一郎
音響反射体による反射波の主ピークに付随する遅延ピークではマルチパスの形成は見られず、主ピークとは別に遊動するピーク群や波浪の砂の巻上げ等によるピーク群が度々発生し、一種のマルチパスの形成が見られた。

○位相共役通信とマルチチャンネルDFEの移動体水中音響水平方向通信における比較/(国研)海洋研究開発機構/樹田 行弘
伝搬路が時間変動する環境として、送信音源が移動する場合の移動体通信におけるPTR通信の性能を20 kHz帯の信号を利用し、移動体通信シミュレーションデータに適用して検討した。また、既存のアレイ通信処理手法として、Multi-channel decisionfeedback equalizerによる処理を行い、結果の比較を紹介する。

○音響多重通信測位装置を用いた複数のAUVの同時運用/(国研)海洋研究開発機構/渡邊 佳孝・目黒 浩二・志村 拓也
効率的な深海調査を行うためのAUVの複数機同時運用において、ASV 1 機を用いて3 機までのAUVとの通信・測位をしつつ監視するための音響多重通信測位装置の開発を行った。本稿では、本装置の仕様および実海域で実施した運用実証について紹介する。

○音響による水生植物のバイオマス推定精度の検証/東京大学/水野 勝紀
近年、MHz帯域の超音波を利用する高分解能音響ビデオカメラが浅瀬水域の植生調査に応用され始めている。本稿では、音響ビデオカメラを用いた水生植物のバイオマス推定方法とその精度検証結果について紹介する。

○パラメトリックアレースピーカを用いた3D音像ホログラムの構築/立命館大学/西浦 敬信
円弧状に配置したパラメトリックアレースピーカを用いて、空間上の任意位置から音波が放射されるような放射特性を形成することで三次元的な仮想音源を構築し、その仮想音源と残響を受聴することで、被験者に三次元音像を知覚させる音像ホログラムを紹介する。

■解説
〔非破壊検査〕
○鋭敏色法を用いたガラス板中の Lamb波の厚さ方向の分布に関する実験的検討/秋田大学/今野 和彦
検出できないモードの存在を明らかにするために、可視化画像を全ての場所で離散フーリエ変換を行うことでモードの判別を行った。結果、可視化画像の暗い部分および境界部分に検出できなかったモードを含めた多くのモードが同時に存在し、厚さ方向にモードが分布していることが明らかとなった。また、Lamb波の分布は板内部で一様でなく、三次元的に分布している可能性が高いことが示唆された。

○探触子の受信指向性と空中超音波探傷における虚像の解析/ジャパンプローブ㈱/田中 雄介
空中超音波探傷で画像化した際に虚像が発生することがある。空中超音波探傷は送受信で凹面振動子を用いることがあるが、受信面が大きいと試験体内部で広がった超音波を受信し、虚像が発生する。この現象について受信指向性や探触子の受信信号、シミュレーションによる超音波伝搬で分析し、虚像の原因を調べた。受信面を小さくすることや試験体と受信探触子の距離を適切に設定することで虚像を低減できた。

〔医用超音波〕
○三次元音響インピーダンスマッピングによる皮膚内部構造観察/豊橋技術科学大学/穂積 直裕/本多電子㈱/小林 和人
本稿では、超音波顕微鏡を使用し、いわゆるBモードエコー画像のもとになる反射波形から、TimedomainReflectometryを参考とした簡単なアルゴリズムにより、生体組織の深さ方向の音響インピーダンス分布を推定する手法を紹介する。皮膚組織を対象とした観測実験で三次元音響インピーダンス分布を得ている。

■研究室紹介
○東北大学大学院医工学研究科・工学研究科 松浦研究室/東北大学/松浦 祐司
○大阪大学大学院工学研究科 加工物理学領域研究室/大阪大学/浅井 知
■特集:海洋音響のさまざまな技術1
○浅海音波伝搬シミュレーションにおける音速プロファイラの影響調査/東京海洋大学/土屋 利雄・平井 由季乃・清水 悦郎
我々は小笠原周辺浅海域で船舶放射雑音が鯨に与える影響調査のためにPE法による音波伝搬シミュレーションを実施している。本稿では、計算結果に大きな影響を与える音速プロファイルについて現地での取得データにより詳細に検討した。

○直交周波数分割多重を用いる水中音響通信システム/筑波大学/海老原 格・水谷 孝一・若槻 尚斗/防衛大学校/小笠原 英子
水中音響通信は、海洋の調査・観測を支える通信インフラの一つである。その選択肢の一つとして提唱されてきた通信方式「直交信号分割多重」の性能を、駿河湾沿岸域において評価した。

○受動的音響観察によるエゾメバルの生息密度とサイズ組成の推定/北海道大学/安間 洋樹・藤森 康澄/国際水産資源研究所/松原 直人/紋別市総務部/片倉 靖次/中央水産研究所/赤松 友成
エゾメバルを対象に、鳴音の受動的音響観察により生息密度やサイズ組成を推定するために必要な基礎情報を得た。水槽実験では本種特有のパルス特性が確認された他、体成長に伴うピーク周波数の低下が見られた。野外実験では受信パルス数と目視観察個体数の間に相関関係が見られた。

○サンゴ礁における鳴音を用いた生物分布観測とサウンドスケープの季節変化/中央水産研究所/赤松 友成/(国研)海洋研究開発機構/Tzu-Hao Lin/琉球大学/波利井 佐紀・Frederic Sinniger
サンゴ礁には多様な発音生物が生息している。移動型水中マイクロホンによる音声受信で発音魚の分布を明らかにした。また生物の活動周期の指標として、水中のサウンドスケープが有用性であると示唆された。

○GNSS-Aで見るスロースリップと海洋場の微小構造/東京大学/横田 裕輔/海上保安庁/石川 直史・渡邉 俊一
GNSS-Aは精度向上により、微小な海中音速度傾斜構造の検出を可能とするとともに南海トラフ域の浅部スロースリップの検出を実現した。本稿では、海洋場に対する新しい観測能力と地震学的に重要視される浅部プレート境界の観測能力について紹介する。

○部分アレイ間位相差と時間シフト差分を用いた目標方位推定/日本電気㈱/斯波 尚志
ソーナーにおいて、高精度に目標方位を推定する方法として、部分アレイ間の受信信号の位相差による方法がよく利用されている。しかしながら、部分アレイ間の距離によって、推定できる方位範囲に制限がかかる。本稿では、部分アレイを構成する素子をオーバーラップさせることで、部分アレイ間のビーム間隔を狭めてこの制限を回避する方法と、周波数変調波に対して時間シフト差分を用いることで、この制限を解除する新しい方法という二つのアプローチについて紹介する。

■特集:産業界に貢献する超音波洗浄
○超音波キャビテーション核(ウルトラファインバブル)の最新動向/(国研)産業技術総合研究所/安井 久一
ウルトラファインバブル(UFB)はその表面の半分以上が、疎水性不純物で覆われている。UFBは水面にトラップされ、液膜の破れを促進し、リング法で測ると、表面張力が下がったように見える。布の洗浄では、繊維の細かな穴に洗浄液が入り易くなる。

○新型超音波洗浄機PHNIX+/㈱カイジョー 長谷川 浩史
本稿では、管理機能の強化や操作性を大幅に向上させた新型低周波超音波洗浄機「PHENIX+」を紹介する。

○超音波やマイクロ波を利用した安全で安価な金属ナノ材料の合成法/東北大学/林 大和
超音波やマイクロ波は特殊なエネルギーでありながら、家電などで誰にでも使用できる装置である。本稿では、これらのエネルギーを利用した安全で安価に誰にでも製造可能な新しい金属ナノ材料合成プロセスについて紹介する。

○最強の超音波洗浄機/オタリ㈱/橋本 芳樹
当社史上最強の超音波洗浄機Double-Wasp(ファブルワスプ)を紹介する。一つの投込振動子から異なる二つの周波数を同時に発振させ、均一で強力な超音波洗浄機を提供する装置である。本稿では、詳しくその特徴を紹介する。

○超音波洗浄槽内の音場特性評価/㈱カイジョー/鈴木 一成
超音波洗浄槽内では振動素子配列に起因する音場の落ち込みが生じ、半導体ウェーハ表面上の微粒子除去に影響を与える。本稿では、シュリーレン映像法による超音波洗浄槽内音場の可視化より、進行波型、定在波型といった音場構造が微粒子除去と関連することを紹介する。

○プラント設備洗浄に適した超音波洗浄機/新科産業㈲/中原 理暉
本稿では、タンク、管材等の内面洗浄に適した棒状超音波機、及びインラインで配管洗浄に適したClamp-on式配管洗浄用超音波洗浄機を紹介する。生産ラインに簡単に取り付けることができ、タンク状容器、配管の洗浄又は付着防止に利用できる。

○超音波洗浄に適した水系フラックス洗浄剤/荒川化学工業㈱/大西 裕一
洗浄の基礎について解説する。続いて、本稿では、「高洗浄力、金属腐食抑制」という特長を有し、超音波洗浄方式に最適な水希釈型フラックス洗浄剤「パインアルファST-240KKA」を紹介する。

○一液フラックス洗浄システム/化研テック㈱/家邉 悠希子
5G通信への移行に伴い、ハイエンド製品の信頼性を確保する上で電子部品や回路基板の精密洗浄は益々重要となっている。本稿では、超音波精密洗浄に適した洗浄剤マイクロクリンECO-3002/WDとその洗浄プロセス設計について紹介する。

■解説
〔医用超音波〕
○超音波速度変化法による不安定血管プラークの検出における心拍の影響の除去法/大阪府立大学/和田 健司/TU技術研究所/松中 敏行
不安定プラークを非侵襲に検出するために、Mモード波形を用いて超音波速度変化(UVC)データを取得することにより、心拍の擬似環境下での頸動脈ファントムの脂肪領域を高い成功率で短時間に識別することに成功した。

〔非破壊検査〕
○サイディングによる圧電振動子の振動特性の改善の一方法/秋田大学/今野 和彦
圧電振動子の側面に音響負荷を付与するサイディングにより面内振動を抑制し、振動子の放射面上の振動速度分布の平坦化を試みた。部分電極振動子の振動面の振動分布をレーザドップラ振動計で測定し、サイディングの有無による振動特性を明らかにしている。また本稿では、同条件で水中に超音波を放射し、平面波の音圧が均一になることや、不要輻射の抑制効果について紹介する。

■研究室紹介
○東京海洋大学 海洋資源環境学部 応用情報システム工学研究室/東京海洋大学/宮本 佳則

○群馬大学大学院理工学府 環境創生部門 社会基盤・防災コース 構造工学研究室/群馬大学/斎藤 隆泰

○東京都立産業技術高等専門学校 機械システム工学コース 青木研究室/東京都立産業技術高等専門学校/青木 繁

■特集:超音波振動切削の最近の応用技術
○機械加工における超音波振動の応用例と今後の展望/芝浦工業大学/酒井 康徳/東京都立産業技術高等専門学校/青木 繁/東京工業大学/田中 智久
著者らは、これまでに超音波を利用した機械加工技術に関する研究を推進してきた。本稿では、超音波を複合した金属材料の溶接、複合材料のドリル穴加工、塑性加工に関する研究とその将来展望について紹介する。

○超音波振動によるキャビテーションの効果を含むクーラントの研削・研磨への適用/長岡技術科学大学/磯部 浩已
研削液流中に超音波振動エフェクタにクーラントを接触させることで、簡便に超音波振動エネルギを重畳する装置を開発した。本稿では、研削や研磨加工に本装置を適用したので、その機能や特徴について紹介する。

○サファイアウエハの振動援用インフィード研削/神奈川大学/由井 明紀
磁気アクチュエータを用いて砥石スピンドルをアキシャル方に振動させるシステムを開発し、サファイアウエハの振動援用インフィードロータリ平面研削を試み、加工時間の短縮と研削比の向上が実現できた。

○機能性インターフェース創成を可能とする超音波振動援用プラズマ放電研削加工システムの開発/ミクロン精密㈱/小林 敏・立花 亨/東北大学/嶋田 慶太・水谷 正義・厨川 常元
本稿では、固定砥粒を用いた研削加工と電気加工とのハイブリット加工を可能にした超音波振動の様々な役割、さらに、そのハイブリット加工がもたらした新たな加工コンセプトである機能性インターフェース創成について紹介する。

○機能性発現のための超音波援用切削による微細テクスチャリング/東北大学/嶋田 慶太・水谷 正義・厨川 常元
超音波援用切削で得られる振動由来の特徴的なツールマークを工具・工作物の並進、回転、超音波周波数と組み合わせ、ミクロン~サブミクロンレベルの微細構造を比較的容易かつ高速に創成することができる。本稿では、とくに濡れ性に焦点を絞り、濡れ異方性と単方向濡れについて紹介する。

○超音波振動ホーニングの加工特性に及ぼす砥石粒度の影響/中部大学/水谷 秀行・渡邊 友貴
本稿では、砥石半径方向の超音波振動を切込み運動として利用したホーニング加工の概要について述べるとともに、その寸法生成過程および仕上げ面性状に及ぼす砥石粒度の影響について検討した結果を紹介する。

○アルミナセラミックスの延性モード研削における超音波振動援用の効果/神奈川工科大学/今井 健一郎・西川 将史
アルミナセラミックスは代表的な硬脆性材料の一つである。この材料を延性モードで加工することは難しい。本稿では、超音波振動の援用が延性モード加工にどのように関係するかを、加工結果を示しながら紹介する。

○超音波を援用した単粒研削による小径内面の研削溝形成機構/青山学院大学/藤本 正和/黒田精工㈱/福山 修・山下 富雄
ダイヤモンド砥粒一つを小径の超硬軸に固着した単粒砥石を用いた超音波援用研削により、小径内面に研削溝を形成するときの加工機構について検討している。本稿では、主に加工溝の深さや形状から、超音波を援用することの効果について紹介する。

○超音波振動切削面の表面特性と耐疲労性に関する研究/中部大学/水谷 秀行・渡邉 幸一
切削による表面特性向上技術について述べるとともに、超音波振動切削によって生成された高圧縮残留応力面が部材の耐疲労性の向上に大きく寄与することを疲労試験の結果をもとに実証する。

■特集:いま、ソノケミストリーが面白い2
○キャビテーション気泡ダイナミクスで見たソノケミストリーの反応場とナノ粒子の合成/電気通信大学/畑中 信一
ソノケミストリーの反応源であるキャビテーション気泡ダイナミクスの観察結果を示しながら、ソノケミストリーの反応場について解説する。また、反応場の視点から、いくつかのナノ粒子の合成例について紹介する。

○超音波と光の同時照射による化学反応系の構築/明星大学大学院/原田 久志/明星大学/田中 寿/中央学院大学/尻無 清明
超音波光触媒反応は近年、環境改善技術として注目され活発に研究されている。しかし、著者らは、自然界の営みを模した系の構築を目指している。具体的には光合成系と同様な二段階反応を、この複合反応系に担わせようというものである。これまでにCO2を還元・固定化し有機化合物の生成および炭素数の変更について報告してきた。今後もCO2の再資源化の可能性を追求してゆく。

○超音波反応場におけるスーパーオキシドアニオンラジカルの生成と検出/信州大学/金 継業
本稿では、アルコール類や脂肪族アミン類化合物を共反応物としたときに超音波反応場におけるスーパーオキシドアニオンラジカルの生成反応と検出手法を紹介する。スーパーオキシドアニオンラジカルは超音波反応場で生じた種々還元性ラジカルにより2次的に生成されることを明らかにした。

○溶液中セルロースの超音波分解/名古屋大学/小島 義弘・高安 美也子・Maricella Toma・香田 忍
NaOHおよびNaOH/Urea水溶液中のセルロースの超音波分解に関する実験的検討を行った。本稿では、超音波照射時の溶液粘度の経時変化、水溶性成分の収率およびそのSEC分析結果を中心に紹介する。

○微粒子生成の「場」としての水・エタノール溶液と超音波振動による溶液構造制御の試み/有明工業高等専門学校/榎本 尚也
本稿では、「水とエタノールは(分子レベルで)混ざりにくい」という仮説に立ち、セラミック微粒子合成に用いる出発溶液が「ウィスキーの超音波熟成」のようにエイジングされることで微粒子の生成挙動に及ぼす実験的検証を紹介する。

○多様性に対応する超音波反応装置/㈱カイジョー/副島 潤一郎
本稿では 研究者のニーズに合わせてカスタマイズした振動子の一例とその振動子を動かしているQUAVA mini Reactorに関して紹介する。

○ソノプロセス装置/新科産業㈲/中原 理暉
本稿では、棒状超音波放射体を用い、工業化大量処理に最も適した内部照射方式を採用したバッチ式超音波反応装置SRシリーズ及び流通管式超音波反応装置SRTシリーズを紹介する。ソノプロセス装置のスケールアップが容易にできる。

■解説
〔非破壊検査〕
○複数モードサブハーモニック超音波フェーズドアレイによる枝分かれ応力腐食割れの映像化/東北大学/小原 良和
本稿では、閉じたき裂への大振幅縦波入射で発生する縦波サブハーモニック波だけでなく、非線形モード変換により発生する横波のサブハーモニック波も利用する複数モードSPACEについて、枝分かれ応力腐食割れへの適用結果と併せて紹介する。

○インフラ検査のための音波照射加振による高速非接触音響探査法/桐蔭横浜大学/杉本 恒美
遠距離音波照射加振による非接触音響探査法の検討を行っている。本手法はコンクリート構造物の表層付近に存在する内部欠陥を長距離から検出可能であり、原理的にたわみ共振を利用しているために叩き点検の代替手法として期待されている。しかし、さまざまな問題があり、1回の音波放射に複数の周波数を用いることで高速測定が可能なマルチトーンバースト波を考案した。本稿では、この波形のコンクリート供試体および実際のコンクリート構造物(高架橋)への適用例を紹介する。

〔強力超音波の応用〕
○多相空気流や超音波浮揚による薄板の非接触搬送/豊田工業大学/古谷 克司
本稿では、薄板の非接触搬送法として、超音波浮揚を用いた方法と多相空気流を用いた方法を紹介する。前者は、近接場音響粘性流による進行波で二次元に搬送できる。後者では、薄板をわずかに傾けることにより駆動力を発生する。

〔医用超音波〕
○日常生活空間に中赤外分光法を導入する超音波アシスト分光イメージング/香川大学/石丸 伊知郎
我々は、中赤外分光法の日常生活空間(スマートトイレ、非侵襲血糖値センサー)への展開を目指している。本稿では、超音波定在波(粗密波)による試料内部への屈折率境界面創成による、簡便な薄膜試料作成技術について紹介する。

■研究室紹介
○石巻専修大学/理工学部 情報電子工学科 計算機制御研究室/石巻専修大学/佐々木 慶文

■特集:生物音響:基礎から応用へ
○コオロギの聴覚刺激による生得的行動の修飾とその神経基盤/北海道大学/小川 宏人・福富 又三郎・染谷 真琴
昆虫の聴覚器官は、同種の呼び歌や捕食者の探索音のような特定の音響刺激を検出するための特徴抽出器であると考えられてきた。しかし、最近我々は、コオロギが音響情報を行動のトリガーだけでなく、状況を判断し、生得的行動を変化させるためにも用いていることを示唆する研究結果を得たので紹介する。

○爬虫類の聴覚の多様性とその生態学的意義/琉球大学/城野 哲平
爬虫類は系統的にヘビやトカゲ、ワニと鳥類、カメの3グループに大別され、鼓膜を備えた中耳はそのそれぞれで独立に進化したと考えられる。本稿では、多様な爬虫類の聴覚について現在までに明らかになってきたことを紹介する。

○FMコウモリをモデルとする物体の位置・材質の認識センサ/東京大学/伊福部 達・藪 謙一郎
本稿では、FMコウモリの「反響定位」をモデルとした小型で安価な超音波センサを開発し、浴室内などのプライベート空間における見守りセンサとして有用であることを示し、本課題は生物音響学としても有意義であることを紹介する。

○外有毛細胞共鳴に基づく聴覚のメカニズム/関西大学/洪 文甲・玉木 愛莉・北村 敏明・堀井 康史
可聴周波数20 ~ 20,000 Hz、ダイナミックレンジ120 dB、周波数弁別能0.5%の人の聴覚はまさに究極の音響スペクトラム検出機構。従来説では説明がつかない聴覚メカニズムを、新説「外有毛細胞共鳴説」で解釈する。

○鳴音からマッコウクジラの体長を推定する/(国研)海洋研究開発機構/岩瀬 良一
相模湾初島沖の深海底において、20年以上の長期間にわたる水中音響観測により得られたデータ中に検出されたマッコウクジラの鳴音(クリック)中のパルス構成を解析することにより、鳴音を発した個体の体長を推定した。

■特集:いま、ソノケミストリーが面白い①
○超音波併用酸化処理によるオイルサンドからのビチューメンの低温分離と脱硫/秋田大学/大川 浩一
オイルサンドからのビチューメンの低温分離と、その過程におけるビチューメン中の硫黄の脱離を同時に行うことを検討した。超音波と酸化脱硫を組み合わせることで良好な結果が得られた。溶媒として選択したテトラヒドロフランはオイルサンドを溶液中に分散するだけではなくビチューメンの粘度を下げることから、超音波による分離処理および酸化処理を促進させることがわかった。

○超音波を利用したナノワイヤー前駆体合成による新しいフレキシブル・曲面対応透明導電膜合成プロセス/東北大学/林 大和
超音波を利用して低温・短時間・廃棄物レスで針状カルボン酸銀を合成し、ウェアラブルデバイス用フレキシブル透明導電膜、曲面などの高度な意匠性が求められるディスプレイ用の新しい透明導電膜合成プロセスを開発した。

○超音波を用いた低分散度感温性コポリマーの合成/東北大学/久保 正樹
液相系におけるポリマーの合成には、塊状重合、溶液重合、乳化重合などがある。乳化重合に関しては、1990年代、2000年代に多くの研究がなされているので、本稿では、塊状重合、溶液重合に焦点をあてる。

○粘性液体のソノルミネセンスと気泡運動/明治大学/崔 博坤・坂 宗法
音響キャビテーションでは、気泡内で高温・高圧状態が生じ、水分子が分解されてOHラジカルが作られたり、発光したりする。また、気泡が膨張するときには周囲に強い圧力波を放射する。粘性率の大きいグリセリン水溶液ではソノルミネセンスはどう変化するのか、それはどのような気泡運動によるのか、等について調べた。本稿では、NaClを混ぜたときに観測された特異なNa発光についても紹介する。

○強力超音波音場におけるキャビテーションバブルの挙動観察/本多電子㈱/岡田 長也/日本医療科学大学/椎葉 倫久/桐蔭横浜大学/山内 忍・佐藤 敏夫・竹内 真一
強力超音波音場に直径3.5 mmの堅牢ハイドロホンを挿入したとき生じる音響バブルの挙動を観察した。ピンの装着で形状を変化させ先端に生じるバブル生成を緩和できたが、低周波数では側面にバブルが形成し影響を避けることは困難だった。

○超音波キャビテーションによるラジカル生成におけるマイクロバブルの影響/長岡工業高等専門学校/村上 能規
マイクロバブルが存在する水溶液においてある特定の超音波を照射するとOHラジカルが増加し、アゾ色素の超音波分解の速度も加速する現象を発見した。本稿では、その結果について紹介するとともに、その理由について考察する。

○L-アスパラギン酸の冷却晶析における結晶形状に及ぼす超音波照射の影響/(元)富山大学/山本 辰美
結晶形の制御が重要な晶析操作において、L-アスパラギン酸の冷却晶析では、超音波照射を併用することにより後処理が簡便になる柱状の結晶粒子が得られることがわかり、晶析行程を簡略化できる可能性が示された。

○超音波霧化濃縮における液滴中のアルコール濃度/名古屋大学/安田 啓司
超音波霧化によって、各種アルコール水溶液を濃縮した。液面からの蒸発の影響を考慮し、液滴中のアルコール濃度を見積もった。液滴中のアルコール濃度はアルキル基が長いほど高くなり、試料濃度が50 mol%以上では100 mol%となった。

○ソノルミネッセンスに対する添加アルコールと分解生成ガスの影響/関西大学/芝 航汰・山本 健/東北大学/水越 克彰
アルキル鎖長の異なるアルコールを添加し、超音波分解によって発生したガスの組成とソノルミネッセンス(SL)の変化を調べた。本稿では、照射時間の経過に伴うアルコールの超音波分解とSLスペクトル変化の相関について紹介する。

○ファインバブルを用いた洗浄技術/高知工業高等専門学校/秦 隆志・西内 悠祐/㈱坂本技研 坂本 正興
近年、100μm以下で定義されるファインバブルの産業利用が始まっている。本稿では、産業利用の中でも先進的に進んでいる洗浄分野への利用について、固体粒子を衝突させるといった手法では得られないファインバブル(気体粒子)の洗浄効果について紹介する。

○超音波によるタンパク質凝集加速反応の周波数依存性/大阪大学/中島 吉太郎・荻 博次
超音波照射によりタンパク質の凝集反応が加速されるが、この反応機構は未解明である。そこで我々は、超音波の周波数と凝集反応の関係を調査し、キャビテーションがその凝集加速機構に関連することを明らかにした。

○超音波によるウルトラファインバブルの生成と消滅/本多電子㈱/朝倉 義幸
水に超音波照射するとウルトラファインバブル(UFB) の生成および消滅が同時に生じ、UFB数密度は平衡値に漸近する。平衡値は周波数が低いほど高くなり、超音波パワーには依存しないことが明らかとなった。

○ソノリアクターの評価方法/本多電子㈱/朝倉 義幸・岡田 長也
超音波反応器であるソノリアクターや反応セル内の溶液に超音波が照射される場合、溶液内に投入される超音波のエネルギーや溶液内の音圧を知ることは、ソノケミストリーの学術・発展において非常に重要な要素である。ソノリアクター内の評価として、本稿では、天秤法、ハイドロホン法、カロリメトリーについて実験した結果を含め紹介する。

■特集:超音波等を適用したプラントの保守検査2
○高温超伝導SQUIDと超音波ガイド波を組み合わせた配管の全周検査技術の開発/近畿大学/廿日出 好・東 雄貴
本稿では、通常の環境で動作する高温超伝導SQUIDグラジオメータ(勾配計)と磁歪式超音波ガイド波送受信技術を組み合わせ、アルミサンプル配管の全周検査を行った。欠陥信号分布について超音波シミュレータによる解析も行い、上記新技術の評価を行った。

○ウェッジ波を用いた液面レベルセンシング/長岡技術科学大学/森 雅之・小川 曜史・本間 雄大・井原 郁夫/東京電機大学/松谷 巌
ウェッジ波の特徴を活かした超音波センシングの展開が期待されている。本稿では、水中と空気中でのウェッジ波の伝搬挙動を調べるとともに、その結果に基づいて、ウェッジ波を用いた液面レベル計測について検討した結果を紹介する。

■研究室紹介
○早稲田大学/先進理工学部 電気・情報生命工学科 柳谷研究室/早稲田大学/木下 紗里那・柳谷 隆彦
■特集:超音波等を適用したプラントの保守検査1
○電磁超音波センサとねじり波を使った配管の減肉検査/大阪大学/中村 暢伴
本稿では、配管内からねじり波を送受信することのできる電磁超音波センサと、ねじり波のモード変換にともなう音速変化を利用した、配管の減肉検査法について紹介する。

○局部共振高調波法による材料劣化・損傷部の可視化/㈲超音波材料診断研究所/川嶋 紘一郎
本校では、一定厚さの板状部材の厚さ方向共振周波数を持つ大振幅正弦波バースト波を入射し、材料内異質部、劣化・損傷部などを揺り動かした際に発生する波形のゆがみをFFTにより高次高調波振幅として定量化する局部共振高調波画像化法とその適用例を紹介する。

○AEの基礎とデータ処理方法/㈱IHI検査計測/中村 英之
本稿では、AE試験の導入を考える入門者を対象として、AE試験とはどのようなものかイメージできるよう、AE試験の基礎的な知識としてAE試験の概要と計測システムの構成、AEパラメータデータの意味合い、AEデータ取得のアルゴリズムとデータ採取条件の設定、データ解析の概要を紹介する。

○コンクリートAE計測法のISO規格の制定/京都大学/大津 政康
コンクリート構造物の維持管理のための保守検査の重要性は緊急の課題となっている。そのためには検査法の標準化が不可欠である。これに関連しコンクリートのAE計測に関する3件のISO規格が世界で初めて制定された。本稿では、その経緯と規格の内容を紹介する。

○AEによる設備診断技術とIoT活用技術/藤村クレスト㈱/西本 重人
従来、設備診断技術として、振動法や温度や歪などが評価されてきた。しかし、これらの技術では、IoTの目的である設備状況の「見える化」には限界がある。これに対し、最近、AE法がセンシング技術として注目を集めるようになってきた。AE法の基本原理である亀裂や摩耗をリアルタイムに検出できる特徴が設備の健全性のセンシング技術として非常に有効で、さまざまな分野のさまざまな工程へ導入が進んでいる。本稿では、軸受や歯車、メカニカルシールなど、AE法の設備診断への活用例について紹介する。

○セクタスキャンが可能なアニュラアレイ探触子の開発/㈱IHI検査計測/福本 伸太郎
アニュラアレイ探触子の素子をリング状に分割し、さらに平行な直線で分割することで、セクタスキャンが可能な探触子を設計した。探傷時間を増大させることなく測定精度の改善を図ることができる。

○FDTD法を用いたAE波形シミュレーション手法の開発とAE波形パターン認識への応用/明治大学/松尾 卓摩
シミュレーションによって作成した波形を用いてAE信号のパターン認識を行う手法を開発した。様々な破壊形態よって発生するAEをシミュレーションし、教師信号とすることで、精度良くAE信号を分類できた。

○異なった結晶粒度を有する鋼板の底面エコー波形の非線形性に関する周波数応答解析/FUT研究所/福原 熙明
異なった結晶粒度を有するオーステナイト鋼板の底面エコー波形の周波数応答解析では、結晶粒散乱減衰のシステム関数を得ることができた。その際、音速変化は殆ど存在せず、減衰のみが存在し、波形の振幅低下による伝搬エネルギー損失変化を起こした。それによる結晶粒度の評価は可能であった。しかし、結晶粒度の変化に従ってエコー波形には僅かな変化が有ることから、その変化の原因は、弾性係数の非線形性によるものと仮定し、波動関数における周波数のKe乗の非線形指数によって説明できるかどうかを、線形・非線形波動伝播の問題として周波数応答解析を試みた、その結果を紹介したい。

○フェーズドアレイ超音波探傷法を用いた高減衰鋼片探傷技術の開発/大同特殊鋼㈱/樹神 啓司・伊藤 光宏
超音波の散乱減衰が大きい鋼片(高減衰鋼片)を対象とした、フェーズドアレイ超音波探傷技術の開発事例を紹介する。特に、SNR向上に向けた対策、運用上の課題と対策について述べる。

○さまざまなCFRP内部の三次元超音波伝搬シミュレーション/群馬大学/前原 佑・斎藤 隆泰
音響異方性を示すCFRPは、形状・積層構造の違いにより、超音波伝搬挙動が異なることが知られている。本稿では、様々なCFRPを対象に三次元有限要素法シミュレーションを行い、各CFRP中の超音波伝搬挙動を紹介する。

■解説
〔強力超音波の応用〕
○高周波誘導加熱と超音振動を用いた大気中での軟鋼パイプ固相接合技術/ソノヤラボ㈱/園家 啓嗣
開発したハイブリッド固相接合装置を使って、大気中で軟鋼パイプを超音波接合した。そして、接合部の強度に及ぼす超音波接合条件(接合温度、加圧力)の影響を調査した。

■連載
○超音波接合の基礎とその応用 第6回(最終回)
ハイブリッド固相接合法による肉厚アルミニウムの接合/ソノヤラボ㈱/園家 啓嗣

■特集:超音波を使用した医療のあり方を探る2
○正常軟骨の音速とMRI特性を同時に再現する軟骨ファントムの作製/(国研)産業技術総合研究所/新田 尚隆
本研究では、超音波装置とMRI装置の両方の検証と校正に使用できる軟骨ファントムについて検討した。その結果、正常な軟骨の物性値として、MRIにおける横緩和時間及び見かけの拡散係数、超音波の音速を再現するファントムの作製が可能であった。

○超音波およびMRIを用いた非侵襲的肝線維化診断/旭川医科大学/中嶋 駿介・澤田 康司
近年非侵襲的肝線維化診断ツールとして超音波およびMRIによるエラストグラフィが使用可能となった。本稿では、これらの機器を用いて、肝病理組織学的所見と対比し得た症例を検討し、特徴について紹介する。

○位相偏移を用いた三次元変位推定法の検討/富山大学/布目 宗一郎・長岡 亮・長谷川 英之
本稿では、超音波信号の位相偏移を用いた生体組織の変位推定法の三次元化について紹介する。シミュレーション実験において、撮像断面外への速度が70mm/sのとき、ラテラル方向速度の推定値は、二次元推定法に比べ偏り誤差は4%、標準偏差は10%低減した。

○パーキンソン病における迷走神経超音波検査/(公財)天理よろづ相談所病院/月田 和人・田中 寛大・田口 智朗・月田 春日・末長 敏彦
我々は、迷走神経超音波で、パーキンソン病では迷走神経が縮小することを世界に先駆けて示した。本稿では、パーキンソン病のBraakの脳幹上行仮説・プリオン仮説・dual-hit仮説などの背景とともに、本研究について紹介する。

○超音波診断の有用性を探る/昭和大学/奥山 亜由美・瀬尾 晃平・土肥 聡・市原 三義・市塚 清健・長塚 正晃
近年、超音波技術の進歩に伴い、より精度の高い画像評価が可能となってきている。卵巣腫瘍は術前評価が重要となるが、本邦では超音波検査は卵巣腫瘍の存在診断にとどまり、良・悪性の鑑別にはMRI画像検査を施行するのが実情である。今回我々は、MRI画像評価で良性腫瘍、超音波画像評価で境界悪性腫瘍以上と診断の乖離があり、超音波画像検査の有用性を再認識した一例を経験したので紹介する。

○健康診断における心臓超音波検査の有用性と課題/(国研)国立循環器病研究センター/長谷川 拓也
健康診断では心疾患のスクリーニングとして診察(聴診など)、心電図、胸部レントゲン検査を行い、2次検査として心臓超音波検査を行う。本稿では、健康診断における心臓超音波検査の意義、課題について紹介する。

○頭頸部手術における術中経口超音波検査の有用性/鳥取大学/福原 隆宏
超小型で分解能の高い超音波探触子の開発により、狭い咽頭・喉頭腔で超音波診断が可能となった。術中の経口的超音波検査によって、頭頸部癌に対する低侵襲な経口的切除手術が、安全で確実に施行できる。

○当院に緊急入院した腹部救急疾患の検討/千葉西総合病院/若杉 聡
当院に緊急入院した消化器疾患(消化管出血を除く)において超音波検査(US)とCT検査(CT)のどちらが有効に使用されているか検討した。USはCTより有効に使用されている症例が少なく、今後は救急外来でのUS研修のシステム化が重要である。
■特集:未来につなげる超音波技術2
○医用超音波分野における30年の進歩/桐蔭横浜大学/竹内 真一
1990年以降、超音波診断装置の技は、フルデジタル超音波診断装置、3Dおよび4D超音波診断装置、ハーモニックイメージング、超音波エラストグラフィ、超音波内視鏡、血管内超音波画像診断装置、超音波顕微鏡と発展し続けた。また、診断装置以外に高密集束超音波を始めとする超音波治療技術も実用化されるなど、従来困難だった温存療法、脳腫瘍や膵臓癌の治療に光明が見えるようになった。この30年間は、医用超音波工学の大いなる飛躍の時代であった。本稿では、超音波診断、超音波治療に分けて、それぞれの技術の発展の様子を整理して紹介する。

○これからの超音波応用加工技術/日本工業大学/神 雅彦
超音波振動を利用した材料加工技術の原理および現状について解説し、それらを踏まえて今後の技術を展望した。技術内容は、切削・研削技術、塑性加工技術、摩擦制御技術および接合技術に関してである。

■特集:強力超音波による金属の結晶組織の制御2
○固液系低周波強力超音波を利用した金属ナノ材料の合成/東北大学/林 大和・藤田 恭輔・滝澤 博胤
40kHz程度の低周波領域の超音波は、洗浄機などで非常に身近に使用されている。低周波超音波キャビテーションは、強い物理的作用を有している。本稿では、固体と液体の界面における低周波超音波の物理的作用を利用した新しい金属ナノ材料合成プロセスについて紹介する。

■特集:超音波を使用した医療のあり方を探る1
○ポロキサマー分子の吸着が超音波照射によるマイクロバブルの振動特性およびライフタイムに与える影響/同志社大学/田畑 拓・小山 大介・松川 真美/千葉大学/吉田 憲司/University of Strasbourg/Marie Pierre Krafft
超音波診断で造影剤として用いられるマイクロバブルは、将来的に新たな診断・治療技術への応用が期待されている。それらの技術に応用するため、膜材質が超音波照射によるマイクロバブルの振動とライフタイムに与える影響ついて検討した。

○波動逆伝播を用いた気泡キャビテーションの新たな観測法/群馬大学/江田 廉・山越 芳樹
超音波DDS実現に向け開発した気泡キャビテーションの新たな観測法において、従来法では得ることができない信号の空間分布の時間発展を可視化することができ、機序解明に有効であることが期待される。

○柔軟性超音波探触子の開発と曲面からの画像化/ジャパンプローブ㈱/田中 雄介
柔軟性超音波探触子を用いて曲面から超音波計測をした。単一振動子、リニアアレイ、マトリクスアレイの各探触子を用いて曲面から計測した。単一振動子はAモード、リニアアレイはBモード画像、マトリクスアレイはさらにCモード画像を取得した。本稿では、医用超音波への応用として歯肉や水晶体の計測、乳腺ファントム、手首ファントムの画像化について紹介する。

○細胞培養容器が音場に及ぼす影響/桐蔭横浜大学/浅岡 直樹・岩城 咲乃・竹内 真一
本稿では、付着細胞に超音波を照射するのに適した付着細胞培養容器を開発するために有限要素法によるシミュレーションを紹介する。結果として、超音波照射用の培養容器は、底部の厚さが薄く、液面上部には吸音材を装着した構造が望ましいことを明らかにできた。

○大腸癌術後の転移性肝癌に対する超音波ガイド下ラジオ波焼灼療法/愛媛県立中央病院 /平岡 淳・村上 大晟・越智 麻理絵・泉本 裕文・・植木 秀太朗・鶴田 美帆・吉野 武晃・・相引 利彦・奥平 知成・大野 篤志・山子 泰加・岩崎 竜一朗・須賀 義文・森 健一郎・宮田 英樹・壷内 英治・二宮 朋之・吉山 広嗣・道堯 浩二郎
超音波診断装置の進歩は著しく、超音波ガイド下ラジオ波治療(RFA)は原発性肝癌治療において低侵襲な根治的治療として重要な役割を果たしている。切除困難な大腸癌の転移性肝癌の中にRFAが有効な症例も存在している。

○高周波プローブを用いた体外式腹部超音波での早期慢性膵炎所見の拾い上げの試み/日本大学/松本 直樹・小川 眞広・今津 博雄・森山 光彦/鶯谷健診センター/片山 和弥
早期慢性膵炎の診断は超音波内視鏡所見により行うが、今回体外式超音波の高周波プローブで所見の有無を評価した。18.4%でMajor 1項目を含む2項目以上陽性で、腹痛・背部痛を訴えた1例に超音波内視鏡を行ったが膵実質に異常所見は見られなかった。

○前置血管の診断と管理/聖マリアンナ医科大学/佐々木 貴充・長谷川 潤一・鈴木 直
前置血管は、胎盤や臍帯に支持されない卵膜血管が胎児先進部以下の内子宮口を横切って走行する異常であるため、超音波診断されていないと極めて児の予後が悪い。本稿では、前置血管の超音波スクリーニングが、いかに重要であるかを示した2例を提示し紹介する。

○甲状腺専門病院における超音波検査の役割/やました甲状腺病院 進藤 久和・山下 弘幸
甲状腺診療において超音波検査は重要な検査である。甲状腺専門病院である当院では、超音波検査報告書を手術記録や病理組織検査に活用している。検査者のフィードバックに繋がり、診断能の向上にも寄与している。

○前立腺膿瘍治療における超音波検査の役割/昭和大学/押野見 和彦・冨士 幸蔵・小川 良雄
前立腺膿瘍治療における経直腸超音波は低侵襲で簡便のため、ドレナージの際も用いられる。しかし、治療に関するガイドラインは存在しない。我々は膿瘍の形状を分類し、当施設における症例の臨床的検討を行った。

○超音波ドプラ法を用いた腎うっ血の経過観察/大垣市民病院/坪井 英之
心不全とは、ADL低下を主に規定する労作時息切れの主因たる肺におけるうっ血と生命予後に関連する腎臓をはじめとした主要臓器のうっ血が生じた病態である。今回われわれは、TLV投与による腎うっ血の改善を腎ドプラエコーにより観察したのでこれを紹介する。

○光超音波トモグラフィにおける光超音波信号の初期位相の補正による深さ分解能の改善に関する研究/富山大学/長岡 亮/東北大学/吉澤 晋・梅村 晋一郎・西條 芳文
我々が提案した光超音波信号の特性に基づいたWienerフィルタと閾値処理とを組み合わせた三次元再構築手法において、初期位相を補正することで、深さ方向に生じるタイムサイドローブの抑制が可能となる。本稿では、深さ方向の空間分解能の改善に関して紹介する。

○神経筋超音波検査の実際/徳島大学病院/野寺 裕之・高松 直子
超音波機器性能の向上により、末梢神経や骨格筋が高解像度で描出可能となっている。MRIやCTと比べて検査禁忌が少なくベッドサイドで検査可能なエコー検査は、小児、寝たきり患者、人工呼吸器装着患者などに容易に施行可能である。本稿では、最近の知見を紹介する。

○心房細動に対するカテーテルアブレーション後に発症した脳梗塞例の心臓超音波検査所見/日本医科大学/下山 隆・松本 典子・西村 拓哉・武井 悠香子・西山 康裕・木村 和美
心房細動患者に洞調律維持を目的として高周波カテーテルアブレーション(RFCA)が普及しているが、RFCA後に発症した脳梗塞症例の臨床的特徴や心臓超音波所見に関する検討はない。本稿では、RFCA後の心臓音波所見及び塞栓症発症リスクに関して紹介する。

■解説
〔強力超音波の応用〕
○ハイブリッド固相接合法による厚肉アルミニウムの接合(第2報)/ソノヤラボ㈱/園家 啓嗣
ハイブリッド固相接合装置を開発し、厚肉丸棒形状やパイプ形状のアルミニウム及びその合金を大気中で短時間に少ない変形量で接合させることができるようになった。本稿では、Znインサート材を接合面に挿入して超音波接合することによって接合強度を向上させることを検討したので紹介する。

〔非破壊検査〕
○レーザプロービング法による強化ガラス表面のRayleigh波位相と残留応力の関係/秋田大学/今野 和彦
レーザ光を超音波のプローブとして用いた方法を応用するべく、強化ガラス表層の残留応力領域を伝搬する表面波であるRayleigh波超音波を、レーザ光の反射法によるプロービングにより測定し、表層残留応力と伝搬超音波の位相の関係について検討した。本稿では、新しい非破壊検査法としての本方法の可能性について紹介する。

■連載
○超音波接合の基礎とその応用 第5回
アルミ異種金属の超音波接合/ソノヤラボ㈱/園家 啓嗣

■研究室紹介
○首都大学東京 システムデザイン学部 電子情報システム工学科 五箇研究室/首都大学東京/五箇 繁善

■特集:未来につなげる超音波技術1
○音超音波モータの30年とこれから/東京工業大学/中村 健太郎
現在実用化されている超音波モータの研究開発は1980年前後に始められた。その後、カメラの自動焦点合わせを中心に、顕微鏡ステージや半導体製造装置、ロールカーテンなどへの応用が進められ、さまざまな方式が開発された。今後はロボットやパワースーツ、医用機器などがターゲットとなるが、課題も残されている。超音波モータの30年の歩みと今後の展望について述べる。

○これからの超音波洗浄/㈱カイジョー/長谷川 浩史
現在、幅広い分野で活用されている超音波洗浄であるが、本稿では、その特徴と現状の課題、及び今後の超音波洗浄について紹介する。

○超音波探傷検査(非破壊検査)の発展の経緯・現状と展望/(元)出光エンジニアリング㈱/四辻 美年
現在、超音波探傷検査は、石油精製、石油化学プラント、原子力および電力等のあらゆる分野で適用されており、装置産業において、設備の信頼性の確保に不可欠な非破壊検査技術である。そこで、その超音波の発見から、発展の経緯、現状および今後の展望についてまとめている。

■特集:強力超音波による金属の結晶組織の制御1
○超音波援用マイクロ塑性加工における素材変形促進/首都大学東京/楊 明
本稿では、超音波振動子などの振動を利用して高密度エネルギーを付加することにより、素材の金型と接触する表面局部に限定した材料変形を誘起し、これを適用した低荷重かつ高精度なマイクロ鍛造および高い精度の表面矯正を実現した超音波援用マイクロ塑性加工プロセスを紹介する。

○超音波濡れ性改善効果を利用するセラミックス強化材の複合化/豊田工業大学/恒川 好樹
超音波による濡れ性改善は、強制濡れと接触角のヒステリシスに起因する。強化材の金属溶湯との複合化に超音波を利用すると、無加圧でも未溶浸欠陥なしの複合化が、また、短時間の溶湯撹拌でガス欠陥を含まない複合化を実現できる。

○過共晶Al-Si合金へのソノ凝固によるヘテロ組織創成/豊田工業大学/恒川 好樹
過共晶Al-Si合金のソノ凝固を液相線温度直上から行い、共晶温度域まで続けると、液相線温度付近で初晶Siの異質核が多数発生し、共晶温度域で粒状の非平衡α-Al相が晶出する。硬い微細初晶Si粒と延性α-Al相から成るヘテロ組織は、強度と延性を両立させる。

○アルミニウム系鋳造合金の凝固結晶組織を制御する方法/(国研)物質・材料研究機構/大澤 嘉昭
Al系鋳造合金溶湯に超音波振動を付加すると、凝固結晶粒を微細化できる。これは、凝固時の振動付加で初晶の核生成が促進されるためと思われる。大きな鋳塊を創製するためAl系鋳造合金の超音波振動付加連続鋳造法を試みた。

■解説
〔物性・評価〕
○顕微ブリルアン散乱法による薬剤の液体、非晶質、結晶多形についての音波物性の研究/筑波大学/小島 誠治
抗炎症薬のインドメタシンについて、その液体、ガラス状態、結晶多形に関連する音速や弾性定数を広い温度範囲で調べた。測定には、非接触・非破壊で微小試料の弾性的な性質がわかる顕微ブリルアン散乱法を用いた。

〔非破壊検査〕
○水浸高調波法を用いた溶射皮膜の厚さ測定と内部散乱波源の可視化/㈲超音波材料診断研究所/川嶋 紘一郎/富士岐工産㈱/坂田 一則・細川 勝彦・田籠 康児・石原 智行
従来のスパイク波入射に代え,大振幅正弦波バースト波を入射しアナログハイパスフィルタを使用し入射周波数の整数倍の高調波を抽出する高調波画像化法を用いて、Ni基自溶合金溶射皮膜の厚さを測定するとともに再熱処理前後の皮膜内散乱源の分布を可視化した。局部共振周波数は皮膜厚さとともに線形に変化することが確認された。

○Bi4Ti3O12/絶縁体による非鉛ゾルゲル複合体超音波トランスデューサ/熊本大学/小林 牧子・野澤 勝平・岡田 一希
カプラントおよびバッキング不要なゾルゲル複合体よる超音波トランスデューサは高温超音波測定応用において有望であるが、PZTゾルゲル相を組み合わせたゾルゲル複合体はゾルゲル相の鉛成分が問題となる可能性がある。そこでBiT圧電粉体と非鉛高温絶縁材料である酸化チタンゾルゲル相ならびに酸化アルミニウムゾルゲル相を組み合わせたBiT/TiO2ならびにBiT/Al2O3による超音波トランスデューサを作製したところ、室温でも効率的に分極が行われ、高温特性にも悪影響を及ぼしていなことが確認され、この組み合わせも有効であることが確認された。
〔医用超音波〕


○散乱特性解析による生体構造評価におけるアニュラアレイの適用/千葉大学/山口 匡
高周波超音波を用いた生体イメージングに高い効果を発揮するアニュラアレイを組織性状診断に適用することを試みた。ファントムおよびラット肝臓について、媒質の散乱特性を評価可能な振幅包絡統計解析と後方散乱係数解析を行った結果、アニュラアレイのフォーカシング効果によって解析精度が向上することを確認した。

○赤血球凝集度の超音波推定時における種々のパラメータの影響/首都大学東京/佐藤 隆幸・花田 洋輔・渡邊 祥
当研究では、ヒト赤血球と直径および凝集性において近いブタ赤血球の凝集度の制御にデキストランを用い、5種類のヘマトクリットと2種類の温度という条件を与え、我々がこれまで赤血球凝集度を推定するための指標として検討を重ねてきた反射スペクトルのピーク周波数を調査した。本稿では、これらの結果と以前確認した光学顕微鏡による測定した結果との関連について調査した結果を紹介する。

○ベイズ推論に基づく超音波エコーからの生体組織散乱体分布の復元/首都大学東京/田川 憲男・祝 婧
超音波による生体画像には、組織内の細かな散乱体からの反射波が干渉して生成されるスペックルが頻繁に観察される。本稿では、組織性状の新たな指標の獲得を目指し、スペックルから微小散乱体の分布情報を復元する手法を紹介する。

○超音波画像を用いた大腸内部に貯留する便の評価/熊本大学/田邉 将之・冨原 香菜子/福井大学/四谷 淳子
便秘や下痢などの排便障害に対するケアへの応用を目的として、超音波診断装置を用いて下行結腸部の超音波画像を取得し、貯留する便の硬さおよびガスの有無の判別を試みた。本稿では、その一部を紹介する。

〔ソノケミストリー〕
○水中プラズマ反応場を用いた化学反応/東北大学/水越 克彰
水中の局所的な高エネルギー反応場という点で、水中のプラズマと高出力超音波の照射で発生する超音波反応場は共通している。本稿では、筆者らの実験結果を例示し、両反応場の類似点と相違点について紹介する。

〔強力超音波の応用〕
○ハイブリッド固相接合法による厚肉アルミニウムの接合(第1報)/ソノヤラボ㈱/園家 啓嗣
ハイブリッド固相接合装置を開発し、厚肉丸棒形状やパイプ形状のアルミニウム及びその合金を大気中で短時間に少ない変形量で接合させることができるようになった。本稿では、接合面の表面処理の違いによっては接合強度が変わる場合があるので、接合面状態の接合強度への影響を調べたので紹介する。

■連載
○超音波接合の基礎とその応用 第4回
超音波接合技術/ソノヤラボ㈱/園家 啓嗣

■製品紹介
○シングアラウンド式音速測定装置 UVM-2/超音波工業㈱/三枝 福徳

■研究室紹介
○筑波大学 音響システム研究室/筑波大学/水谷 孝一・若槻 尚斗・海老原 格・前田 祐佳・善甫 啓一
○創価大学 理工学部 伊与田研究室/創価大学/伊与田 健敏
■特集:水産業にみる超音波等の活用
○音響光学生物観測システムの誕生とその活用(国研)水産研究・教育機構/澤田 浩一
一尾あたりの魚の反射強度(TS)は、魚の現存量推定に必要な音響パラメータである。自然状態の魚のTSを精確に測定するため、ステレオビデオビデオと計量魚探機を装備した音響光学観測システムが開発された。本稿では、システム誕生から現在の活用状況について紹介する。

○高解像度音響ビデオカメラと魚の3Dモデルシミュレータを用いた魚類分類手法の開発/東京大学/水野 勝紀・張 宇・浅田  昭
我々の研究グループでは、高解像度音響ビデオカメラによって取得される音響画像を用いて魚類を分類するための新しい手法を開発している。本稿では特に、現在試行している「魚の3Dモデルを基に構築した疑似的な魚の音響画像を利用する分類手法」について紹介する。

○超音波バイオテレメトリーシステムを用いた与那国島周辺海域浮魚礁におけるカツオの行動調査/東京海洋大学/浅井 咲樹・内田 圭一・宮本 佳則/北海道大学/宮下 和士・白川 北斗/京都大学/荒井 修亮・三田村 啓理/東京大学/北川 貴士/㈱アクアサウンド/笹倉 豊喜
高度回遊魚であるカツオの行動モニタリングを、与那国島周辺海域で超音波テレメトリーシステムを用いて行った。その結果、カツオがパヤオ周辺に一定期間滞留しながら日周行動をしている様子を捉えることに成功した。

○積層圧電アクチュエータの水産音響用広帯域送受波器への応用/東京海洋大学/甘糟 和男
デジタルカメラの手ぶれ補正などに使用されている積層圧電アクチュエータを使った水産音響用の広帯域送受波器について紹介する。二つのプロトタイプを製作し、海上実験および水槽実験を行い、さらに南大洋での観測に使用し、本送受波器の有効性を確認した。

■特集:産業界に貢献する超音波洗浄
○環境を配慮した超音波洗浄の最新展開/㈱カイジョー/石川 義則
当社は幅の広い周波数の超音波洗浄機をラインナップ化しており、ユーザー立ち会いを含む洗浄実験から最適な超音波洗浄機を提案している。本稿では、豊富な洗浄実験から環境を配慮した超音波洗浄の最新展開について紹介する。

○超音波キャビテーション由来のエロージョンに対する溶存ガス濃度の影響/慶應義塾大学/安藤 景太・山下 達也
アルミ箔を用いた水中超音波エロージョンに関する簡易試験から、溶存ガスの過飽和下では超音波キャビテーション由来のエロージョンが低減することを示す。

○脱気が完了すると運転を停止する・自動運転機能付き「循環脱気装置」/オタリ㈱/橋本 芳樹
当社では、脱気することで超音波の洗浄力を格段と向上させる循環脱気装置を販売している。今回、脱気完了を判断して作動、停止、再作動を自動的に行う「自動運転機能付き循環脱気装置」をリリースしたので、その原理と装置を紹介する。

○将来のIoT化を見据えた超音波洗浄機/㈱カイジョー/長谷川 浩史
当社は管理機能や操作性を大幅に向上させた超音波洗浄機「PHENIX+」を発売した。製造工程に求められる品質管理は年々厳しくなっており、超音波洗浄に関しても従来よりも厳密な管理が求められている。本稿では、これらの要望に応えるべく開発されたPHENIX+を紹介する。

○狭隙間実装基板への洗浄技術開発/荒川化学工業㈱/久保 夏希
近年電子基板の実装において水での洗浄が可能という観点から、「水溶性フラックス」を用いた実装が注目されている。本稿では、狭隙間に存在する水溶性フラックスの残渣に対して良好な洗浄性を有し、かつ低環境負荷型である洗浄剤パインアルファST-231に関して紹介する。

○超音波洗浄に適した低VOC・一液洗浄剤/化研テック㈱/石原 慧太
高い洗浄品質が要求されるエレクトロニクス実装業界の洗浄工程において、超音波による物理的作用の付与は有効な手段であるが、最適な洗浄剤の選定が重要となる。本稿では、超音波洗浄に特に有効であり、環境にも配慮したメタルマスク洗浄剤、フラックス洗浄剤とその洗浄システムについて紹介する。

■解説
〔超音波デバイス〕
○弾性表面波デバイスを利用したデジタル式マイクロ流体システム/静岡大学/近藤 淳
弾性表面波(SAW)を用いたデジタル式マイクロ流体システム(DMFS)について紹介する。最初に液滴搬送についての実験的検討について述べる。その後、128YX-LiNbO 3またはカバーガラス/水/128YX-LiNbO 3からなるDMFSを用いた結果について述べる。最後に、液体中の微粒子操作についても言及した。

○密度変化を組み込んだ三次元CE-FDTD法/同志社大学/土屋 隆生
FDTD法の高精度版であるCE-FDTD法に媒質変化の組み入れを行っている。密度が陽に現れる基礎支配方程式から出発して密度変化を組み入れた結果、媒質変化があっても高精度計算が可能であることが示された。

〔超音波センサ〕
○水晶振動子バイオセンサシステム小型化へのアプローチ/日本工業大学/押田 直也・増本 憲泰・加藤 史仁
PDMS-QCMバイオセンサチップと磁気駆動小型ポンプの集積化による分析システムの小型化を提案し、センサチップを用いたタンパク質の捕捉実験の実施および小型ポンプの構造について解析を用いた基礎的検討を行った。

〔海洋・水中音響〕
○高周波超音波による内生二枚貝の音響可視化/コマツ/菅沼 大輝/東京大学/水野 勝紀・浅田  昭
山大学/茂澄 倫也・長岡  亮・長谷川 英之
堆積層内に生息するアサリを高周波集束超音波によって検出するための基礎的な検討としてガラスビーズを堆積層に見立てて音響画像を取得した。本稿では、その際、堆積層粒子によって音響画像上に生じるスペックルを低減する手法としてウェーブレット縮退法を用いた例を紹介する。

〔医用超音波〕
○冷却による超音波速度変化イメージングを用いた不安定血管プラークの検出法/大阪府立大学/和田 健司・堀中 博道/TU技術研究所/松中 敏行
ヒトへの安全性の観点から、冷却を利用した超音波速度変化イメージング法を不安定血管プラークの検出に適用するために、生体ファントムを用いた実験を行い、温度差0.2℃の条件で検出可能であることを見積もった。

○高距離分解能イメージング手法における伝搬に伴う超音波波形変化に関する検討/富受信信号から散乱体強度分布を推定する距離分解能向上手法に使用する参照信号を、画像化対象から推定する手法について紹介する。ファントム実験の結果、半値幅は従来法の0.444mmから0.150 mmに向上した。

〔強力超音波の応用〕
○音響キャビテーションノイズの粘度依存性/岐阜工業高等専門学校/黒山 喬允
音響キャビテーションの気泡ダイナミクスそのものに着目し、液体物性値を計測する手法の検討を行った。本稿では、音響キャビテーションノイズと粘度の関係について紹介する。

○遺伝子導入に用いる非集束単一衝撃波/金沢工業大学/會澤 康治
細胞への物理的遺伝子導入において、細胞膜の物質透過性に影響を与えるとされる圧力勾配および圧力インパルスなどに着目して、水中火花放電で誘起した非集束単一衝撃波について、これらを実験的に調べた。

■連載
○超音波接合の基礎とその応用 第3回
超音波の発生、測定方法および振動系の設計(後編)/ソノヤラボ㈱/園家 啓嗣

■研究室紹介
○崇城大学 情報学部 計測情報学研究室/崇城大学/杉浦 忠男
○豊橋技術科学大学 真下研究室/豊橋技術科学大学/真下 智昭
○立命館大学 情報理工学部 情報理工学科 音情報処理研究室/立命館大学/西浦 敬信

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  • 発行間隔:隔月刊
  • 発売日:毎偶月1日
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