ファインケミカル 発売日・バックナンバー

全262件中 106 〜 120 件を表示
7,700円
【著者一覧】
高麗寛紀 高麗微生物研究所
杉浦晃治 東亞合成(株)
射本康夫 (一財)日本繊維製品品質技術センター
中山鶴雄 (株)NBC メッシュテック 
石黒 斉 (地独)神奈川県立産業技術総合研究所
大島一史 元(一財)バイオインダストリー協会


-------------------------------------------------------------------------

【特集】抗ウイルス加工剤開発の最前線

-------------------------------------------------------------------------

特集にあたって
Introduction

-------------------------------------------------------------------------

抗菌試験法の国際標準化動向と抗ウイルス加工の目的    
International Standardization Trend of Antimicrobial Test Method and The Purpose of Antiviral Processing

 繊維, 住宅, 自動車までに抗菌加工や抗かび加工が進展する中, 近年, 複数の抗ウイルス試験方法(日本提案のISOとJIS)が発行された。これを契機に, 抗ウイルス剤と抗ウイルス加工製品の開発が活発化した。本稿では抗微生物加工製品のISO, JIS等の試験方法策定の歴史を振り返り, 抗ウイルス加工の将来を展望する。

【目次】
1. はじめに
2. 微生物やウイルスの制御を目的とした高機能製品の試験方法のJIS化とISO化
2.1 抗微生物・抗ウイルス加工製品のJIS評価試験方法
2.2 抗微生物・抗ウイルス加工製品のISO評価試験方法
3. 抗微生物・抗ウイルス加工繊維製品の評価試験方法のJIS化およびISO化の概要
3.1 抗菌性繊維製品のJISおよびISO評価試験方法策定の歴史
3.1.1 JIS L 1902:1990-2015繊維製品の抗菌性試験方法
3.1.2 JIS L 1902:1998繊維製品の抗菌性試験方法
3.1.3 ISO提案
3.1.4 JIS L 1902:2002繊維製品の抗菌性試験方法・抗菌効果
3.1.5 ISO 207432:2007Textiles-Determination of antibacterial activity of antibacterial finished productsの国際規格化
3.1.6 JIS L 1902:2008繊維製品の抗菌性試験方法および抗菌効果
3.2 抗かび試験
3.2.1 JIS L 1921:2015繊維製品の抗かび性試験方法および抗かび効果
4. 硬質表面を有する抗菌製品加工製品の抗菌試験方法のJIS化およびISO化の概要
4.1 硬質表面を持つ抗菌製品の抗菌試験方法
4.1.1 JIS Z 2801:2010抗菌加工製品-抗菌性試験方法・抗菌効果の概要
5. 抗ウイルス加工の目的
6. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

抗ウイルス加工剤の特徴と開発動向
A Characteristic and Development Trend of The Antivirus Processing Agent

 近年, 衛生意識の高い国内を中心に, 抗ウイルス加工製品への関心が高まっている。機能性繊維のマーク認証制度を運用する(社)繊維評価技術協議会では, 2015年から抗ウイルス加工マーク認証をすでに開始している。しかし, 抗ウイルス加工に関する認知度はまだ低く, 有効な抗ウイルス加工剤が少ないなどの課題も残されている。本稿では, 抗ウイルス加工剤とその開発動向について解説する。

【目次】
1. はじめに
2. ウイルスについて
3. 抗ウイルス剤の種類と抗ウイルス加工剤の開発
4. 銀系無機抗菌剤の抗ウイルス加工剤への応用
5. 抗ウイルス加工剤の加工方法と用途
6. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

繊維製品の抗ウイルス性試験について
Antiviral Testing Method of Textile Products

 近年, 快適・清潔な生活を求め, 繊維製品をはじめ, 幅広い分野で抗微生物製品の需要が拡大している。繊維製品を清潔, 衛生的に保つ加工は様々あり, その評価方法もそれぞれ規定されているが, 本稿では衛生加工製品のなかでも抗ウイルス性能に関連する, 繊維製品を対象とした抗ウイルス性試験(JIS L 1922)について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. ウイルスについて
3. 抗ウイルス性試験について
3.1 ウイルスの測定方法
3.2 試験対象ウイルス
3.3 試験手順
3.4 抗ウイルス活性値の算出
4. 今後の展開について

-------------------------------------------------------------------------

抗ウイルス技術「Cufitec(R)」の特長とその製品展開     
Properties of Anti-viral Technology 「Cufitec(R)」 and It’s Product Development

 一価銅化合物がウイルスを短時間で不活化することを見出した。その不活化要因にはフェントン型のOHラジカルの関与が示唆された。この一価銅化合物を用いて抗ウイルス技術「Cufitec(R)」を開発し, 不織布, 高分子材料, 塗料・インキ, アルミニウム陽極酸化被膜などへ応用し, それらの材料を用いて開発した様々な製品とその特長を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 銅化合物の抗ウイルス・抗菌作用
2.1 抗ウイルス作用
2.2 抗菌作用
3. 抗ウイルス技術「Cufitec(R)」
3.1 Cufitec(R)薄膜技術
3.1.1 ウイルスの不活性化効果
3.1.2 様々な細菌に対する抗菌効果
3.2 Cufitec(R)薄膜技術の不織布製品展開
3.3 安全性
4. Cufitec(R)の高分子材料・塗料・インキへの展開
5. アルミニウム陽極酸化皮膜の利用
6. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

光触媒素材の抗ウイルス試験法と性能評価
Antiviral Test Method and Performance Evaluation of Photocatalytic Materials

 これまでに, 光触媒素材を用いた抗ウイルス試験法として, JIS規格の制定が行われており, この試験方法を用いた, 様々な光触媒加工製品の抗ウイルス性能評価とそれに基づく製品開発が進められている。本稿では, JIS規格を中心に光触媒素材を用いた抗ウイルス試験法の概要について解説する。

【目次】
1. はじめに
2. 光触媒素材に対する抗ウイルス試験
3. 特殊な形状を持つ光触媒素材に対する抗ウイルス試験の開発
4. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

抗菌剤の用途分野別動向
Trend of The Use of Antimicrobial Agent

 抗菌技術を利用した抗菌加工製品は, 国内において年間1兆円を超える巨大市場を形成している。病院や介護施設をはじめ, 保育施設, 食品工場, 一般家庭においても抗菌加工製品が多種多様に浸透している。本稿では, 各分野ごとに要求される機能や役割について詳述するとともに, 各メーカーの開発動向をまとめる。

【目次】
1. 繊維製品
1.1 抗菌剤の使用目的
1.1.1 抗菌繊維
1.1.2 抗菌不織布
1.2 使用されている主な薬剤
1.3 主なメーカーと製品
2. プラスチック製品
2.1 抗菌剤の使用目的
2.2 使用されている主な抗菌剤
2.2.1 軟質塩化ビニル用抗菌剤
2.2.2 硬質プラスチック用抗菌剤
2.2.3 抗菌剤の化合物の特徴
2.3 主なメーカーと製品
3. 塗料・接着剤分野
3.1 抗菌剤の使用目的
3.2 使用されている主な抗菌剤
3.3 主なメーカーと製品
4. 食品工業分野
4.1 抗菌剤の使用目的
4.2 使用されている主な抗菌剤
4.3 主なメーカーと製品
5. 医薬・化粧品分野
5.1 抗菌剤使用の目的
5.2 使用されている主な抗菌剤
5.3 主なメーカーと製品
6. 紙・パルプ分野
6.1 抗菌剤使用の目的
6.2 使用されている主な薬剤
6.2.1 スライムコントロール剤
6.2.2 ピッチコントロール剤
6.3 主なメーカーと製品

-------------------------------------------------------------------------

[連載] バイオプラスチックを巡って

第9回:改めて, 何故バイオプラスチックなのか―再資源化性, LCAおよびLCCから見た最適な“End-of-Life”とは―
(LCA:ライフ・サイクル・アセスメント, LCC:ライフ・サイクル・コスト)

 本シリーズ第2回以降より前回まで, バイオプラスチック(BP)の現状を, 第1回および今回はBPのメリットを概観した。特に今回は寿命の短いプラスチック製品として規格袋や食品食材容器包装, さらに耐久性部材の再資源化性をエコプロファイルの観点から石油由来製品との比較で整理し, BPを利活用するメリットを, とりわけCOP21での我が国の公約実現においてBPに期待される役割を考察した。
 BPは, 原料としたバイオマス(BM)由来フィードストック分の二酸化炭素排出量がオフセットされることから, “環境に優しい” 資材とされるが, 筆者は, BM栽培時の育成・採取, 以降のマテリアル化工程すべての資源環境負荷を考慮したらどうなるのか…との質問をきわめて頻繁に受ける。我が国におけるこの種のライフ・サイクル・アセスメント(LCA)評価事例が限られていることが背景にあるように思われることから, ここでは文献を引用しつつ更新する形でBP製品の再資源化特性を通してBPの存在意義を考えたい。

【目次】
1. バイオプラスチックのエコプロファイル評価事例
1.1 温室効果ガス排出原単位
1.2 家庭生ゴミ回収袋のエコプロファイル
1.3 レジ袋の全生涯GHG排出量
1.4 食品食材パッケージの全生涯GHG排出量
1.5 日用品の全生涯GHG排出量
1.6 耐久消耗品の全生涯GHG排出量
1.7 バイオプラスチックの特質を活かせるリサイクルとは
1.7.1 エコプロファイルおよびLCC評価事例から見た結論要旨
1.7.2 国の施策上の扱い
1.7.3 民間の取り組み
1.7.4 バイオプラスチックのリサイクルは可能か―今後への期待

-------------------------------------------------------------------------

[ケミカルプロフィル]
1,4-ナフトキノン(1,4-Naphthoquinone)
ノニルフェノール(Nonyl phenol)

-------------------------------------------------------------------------

[ニュースダイジェスト]
・海外編
・国内編
7,700円
【著者一覧】
谷藤尚貴 米子工業高等専門学校
清水剛志 関西学院大学
吉川浩史 関西学院大学
八尾 勝 国立研究開発法人産業技術総合研究所
関口 章 国立研究開発法人産業技術総合研究所
中野秀之 (株)豊田中央研究所
山吹一大 山口大学
板岡加成恵 山口大学
堤 宏守 山口大学
吉本信子 山口大学
松原 浩 大阪府立大学
野村正宜 (株)リコー
大島一史 元一財バイオインダストリー協会


-------------------------------------------------------------------------

【特集】有機材料が拓くレアメタルフリー二次電池の開発と応用

-------------------------------------------------------------------------

新規有機系二次電池材料の開発と電池性能評価   
Development and Cell Performance Evaluation of New Organic Rechargeable Batteries Materials

 有機系電池材料の中でも, ジスルフィド・ポリスルフィド系は, 成分に含まれる有機基は示す機能によって高容量かつ高耐久性を有する二次電池を創製する可能性を有している。この材料が電池の充放電時の性能を改善する因子として, 化学的に寄与する有機基や, 電解液への溶解性抑制などの物理的に寄与する導電性付与材の効果についてまとめた。

【目次】
1. はじめに
2. 高容量正極材料の設計指針
3. 高容量およびロック挙動を示す正極活物質の設計と合成
4. 有機系二次電池材料の耐久性改善に関する設計指針
5. 高容量およびロック挙動を示す正極活物質の設計と合成
6. 今後の求められる機能と可能性

-------------------------------------------------------------------------

二次電池用活物質としてのキノン系有機材料
Quinone Derivatives as Electrode Active Materials for Use in Rechargeable Batteries

 多電子移動型の酸還元反応を示す有機材料を二次電池の電極材料に用いることで, 電池に使われるレアメタルの使用量を大幅に低減できる上に, 電池の高容量化にも繋がる。本稿では, 電極材料としてキノン類をリチウム二次電池やナトリウム二次電池, さらにはマグネシウム二次電池に適用した研究例を概説し, 加えて今後の課題や展望を述べる。

【目次】
1. はじめに
2. 有機材料の酸化還元を利用したリチウム二次電池
2.1 従来の高分子系電極材料
2.2 低分子性キノンを用いたリチウム二次電池
3. ナトリウム二次電池, マグネシウム二次電池への応用
4. 課題と展望

-------------------------------------------------------------------------

ケイ素材料の二次電池への応用
Application of Silicon Materials to Secondary Batteries

 ケイ素はスーパーな元素である。太陽電池からIT産業, 医療機器, 宇宙産業など, 現代社会のあらゆるところにケイ素製品は使われている。ケイ素元素は発電, 蓄電, ITなどのエネルギー問題と密接に関係しており, その潜在的蓄電容量は4,200mAh g-1とグラファイトの10倍以上の蓄電能力を有している。しかし, 金属ケイ素を負極活物質に用いた場合, 結晶構造の破壊に伴い, サイクル特性が低く, 容量保持率も悪い。本稿では, 筆者らの研究を中心にケイ素負極活物質を用いたケイ素材料の二次電池への応用について述べる。

【目次】
1. はじめに
2. ケイ素負極活物質
3. ケイ素(Si)ラジカル負極材料
4. 高起電力を有する両極有機ラジカル二次電池への展開
5. ポリシリン負極材料
6. 層状ポリシラン負極材料
7. アニオン二次電池
8. まとめ

-------------------------------------------------------------------------

有機硫黄を正極に用いた次世代マグネシウム電池の開発
Development of Next Generation Magnesium Battery Using Organic Sulfur Cathode

 資源豊富なマグネシウムを負極材料に用いることで, 体積エネルギーが高く, 安価な次世代二次電池の開発が可能となる。筆者らは, 正極材料に硫黄を用いることでさらなる高容量化が達成できると考え, 硫黄を有機物で修飾した「有機硫黄」を開発し, そのマグネシウム電池への応用について研究した。

【目次】
1. はじめに
2. マグネシウム電池の開発状況
3. 正極活物質における硫黄の魅力
4. マグネシウム-硫黄二次電池の展開
5. 有機硫黄の合成および物性
6. Mg-S電池の電気化学評価
7. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

ベンゾキノン系有機正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池の開発
Rechargeable Lithium-Ion Batteries Using Benzoquinones as the Cathode Active Materials

 種々のベンゾキノン(BQ)誘導体を正極活物質として用いたリチウムイオン電池を作製し, その性能を評価した。BQ骨格に電子求引性置換基や立体的に大きな置換基を導入すると, それぞれ出力電位が上昇することや, サイクル特性が向上することを見出した。また, BQを二量化したダイマー(BBQ)も優れたサイクル特性を示すことが分かった。

【目次】
1. はじめに
2. 電池性能に及ぼすBQ置換基の電子的効果
3. 電池性能に及ぼすBQ置換基の立体的効果
4. ハロゲンを導入したBQを用いた二次電池の特性
5. ベンゾキノン二量化によるサイクル特性の向上
6. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

水酸基を有する芳香族化合物を正極活物質に用いた有機二次電池
Aromatic Compounds with Hydroxyl Groups for Cathode Materials of Rechargeable Batteries

 二次電池内での酸化反応を利用する新しい手法により, 入手の容易な試薬から二次電池用有機正極活物質を得た。その結果, 1C充放電100サイクル時点で200mAh/g(活物質あたり)以上の比容量を示す化合物を見出したので紹介する。加えて, 1Cおよび10C充放電において比容量がそれぞれ400mAh/g, 200mAh/gを示す活物質についても紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 充放電機構の種類
3. 水酸基を有した芳香族系化合物
4. 電池の作製と充放電試験
5. 充放電試験結果
6. 充放電機構の確認
7. さらなる高容量化, 高出力化
8. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

[連載] バイオプラスチックを巡って

第8回:普及に向けた国の取り組み, および民間側の活動(経緯および現状)-その2

 バイオプラスチック(BP)の開発・普及に取り組む地方自治体, 学会, および民間団体などの活動状況について現状を概観する。自治体の中では独自の取り組みが進んでいる岡山県と八女市(福岡県)を, また民間側の団体として, 日本バイオプラスチック協会(JBPA), 日本有機資源協会(JORA), および日本バイオマス製品推進協議会(JSBI)の活動概要を紹介した。

【目次】
1. 自治体, および民間の取り組み
1.1 自治体の取り組み
1.1.1 岡山県
1.1.2 八女市
1.2 学会における取り組み
1.3 民間団体による取り組み
1.3.1 日本バイオプラスチック協会(JBPA, Japan BioPlastics Association)
1.3.2 日本有機資源協会(JORA,Japan Organic Recycling Association)
1.3.3 日本バイオマス製品推進協議会(JSBI,Japan Society of Biomass Industries)

-------------------------------------------------------------------------

[ケミカルプロフィル]

トリメチルアルミニウム(Trimethyl aluminum)
六フッ化リン酸リチウム(Lithium hexafluorophosphate)

-------------------------------------------------------------------------

[ニュースダイジェスト]

・海外編
・国内編
7,700円
【著者一覧】
矢井田 修 日本不織布協会
水野 稔久 名古屋工業大学
小幡亜希子 名古屋工業大学
吉田裕安材 信州大学
岸本 吉則 廣瀬製紙(株)
牧原 弘子 ダイワボウポリテック(株)
紺野 義広 ユニチカ(株)
大島 一史 元(一財)バイオインダストリー協会


-------------------------------------------------------------------------

【特集】不織布の用途開発と今後の展望

-------------------------------------------------------------------------

不織布の高機能化・生産技術と用途展開
High Function/Manufacturing Technology and Application Development of Nonwovens

 日本の繊維産業の用途別繊維消費量からみた構造的変化の特徴の一つは, 全体の繊維消費量に対する産業資材用繊維の比率が大きくなったことで, 2000年の日本化学繊維協会の統計によれば全繊維消費量の約45%を占めており, この比率は年々増加している。逆に衣料用途の消費量は30%以下になっている。このように, 日本における産業資材用繊維の伸張は著しく, これに伴って産業用途で主として用いられ, 機能性を重要視している不織布の消費量も増大している。
 また, 各種の不織布製造方法が開発・実用化され, 多様性に富む高性能な不織布が製造されるようになった。不織布製造における基本的な工程はウエブの形成工程とウエブの接着(結合)工程であり, それに付加的な仕上げ工程が加わる。
 本稿では, 日本における不織布進展の背景について先ず触れ, そして不織布の技術開発動向, さらに用途開発について述べる。

【目次】
1. はじめに
2. 不織布の定義
3. 不織布の技術開発動向
3.1 不織布の高機能化
3.1.1 後加工による機能性付与
3.1.2 機能性繊維の利用
3.1.3 複合化による機能性付与
3.2 最近の不織布製造技術の動向
4. 不織布の用途開発動向
5. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

生理活性を保持した不織布の開発
Development of Biologically-Active Fibermats

 従来, 生体高分子の材料への固定化といえば, 担体材料の表面に固定化するのが主であったが, 最近我々は担体内部に固定化する手法の検討を進めている。架橋性高分子の電界紡糸により得られる不織布のナノ繊維内部を「生体高分子を内包固定化する場」に選択することで, 材料内部にありながら高い酵素活性を発揮させること, さらに生体高分子を失活させる加水分解酵素などからの保護が可能となることを明らかとした。

【目次】
1. はじめに
2. 不織布作製部材として利用するγ-PGA/GPTMS ハイブリッド
3. タンパク質固定化γ-PGA/GPTMS不織布の作製と機能評価
4. 機能性核酸固定化γ-PGA/GPTMS の作製と機能評価
5. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

アミノ酸からなる超撥水性不織布の開発と応用   
Creation of Superhydrophobic Nonwovens Prepared from Amino Acids

 無機微粒子やフッ化アルキル基, 長鎖アルキル基などを利用した超撥水性材料の開発が長年進められてきたが, 自然界で見られる撥水表面(炭素, 窒素, 水素, 酸素といった単純な元素からなる化学構造に由来するもの)とはほど遠い。近年, 我々は真にバイオインスパイヤードな材料の開発を目指し, アミノ酸のみから新規な超撥水性材料が開発できることを見出したので紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. γ-PGA-Pheの合成
3. γ-PGA-Pheのエレクトロスピニング
4. γ-PGA-Phe不織布の濡れ性
5. γ-PGA-Phe不織布の化学的・生物学的な性質
6. 総括

-------------------------------------------------------------------------

エレクトロバブルスピニング法によるNanofiber Overlaid Nonwoven の開発
Development of Nanofiber Overlaid Nonwoven Made by Electro Bubble Spinning

 エレクトロバブルスピニング法は, ナノファイバーの工業生産を目指して設計された電界紡糸法である。この生産法は, 紡糸液に発生させたバブル表面からナノファイバーを直接生成させる方法であり, 生産性の向上や品質の安定化が可能である。本稿では, エレクトロバブルスピニング法の製法やNanofiber Overlaid Nonwovenの物性について述べる。

【目次】
1. はじめに
2. エレクトロバブルスピニング法
2.1 紡糸法
2.2 複合化法
3. Nanofiber Overlaid Nonwoven
3.1 湿式不織布との比較
3.2 バクテリア捕集効率と圧力損失
3.3 Quality Factorについて
4. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

コスメ用不織布の開発動向
Development Trend of The Nonwoven for Cosmetics

 コスメ用不織布とは, フェイスマスク, ポイントケアマスク, クレンジングシート, フェイシャルシート, ボディシートなど, 化粧品用途に使用されている不織布である。現在幅広く利用されているフェイスマスクやフェイシャルシートは, これまで日本中心に発展してきた。但し近年では, 中国マーケットの拡大, インバウンド需要や, 利用層の低年齢化など, 新たなニーズが出てきている。ここでは, これまでの開発動向, 現状のマーケットを含め, 今後期待されるコスメ用不織布について述べる。

【目次】
1. コスメ用不織布の歴史
2. コスメ用不織布のマーケットと要求特性
2.1 化粧品市場
2.2 オプショナルケアの市場
2.3 フェイスマスクの市場
2.4 要求性能
2.4.1 低中価格帯
2.4.2 高価格帯
2.4.3 中国市場
2.5 制汗シートの市場と要求性能
2.6 クレンジングシートの市場と要求性能
3. 今後の展望
4. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

農業用不織布資材の効果と用途の動向
Effect of The Nonwoven as The Material for Agriculture and Trend of The Use

 本稿では, 不織布の持つ可能性に農業用資材としての半世紀余りの知見, 経験, さらなる用途拡大への期待を持って農業生産物の品質向上, 農業生産者への省力化などに寄与する素材として, 農業用不織布の仕様用途について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 農業用資材としての不織布
2.1 温室ハウス用カーテン資材
2.2 べたがけ資材
2.3 育苗用下敷き資材
2.4 底面給水保水マット
2.5 透水・防根シート
3. 農業用途資材を取り巻く環境とニーズ
4. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

[連載] バイオプラスチックを巡って

第7回:普及に向けた国の取り組み, および民間側の活動(経緯および現状)-その1

 バイオプラスチック(BP)の開発・普及に関わる国の取り組みは, 1990年代後半からのバイオテクノロジーを新産業創出のための中核技術の一つとしてとらえる一連の施策の延長上にあり, “バイオテクノロジー戦略大綱”(BT戦略会議提出;2002年12月6日総理大臣採択/2008年3月改訂:以後, “BT戦略大綱”)と“バイオマス・ニッポン総合戦略”(1府5省提案施策;2002年12月27日閣議決定/2006年3月改訂:以後, “BN 総合戦略”)が基本戦略となった。その後, “バイオマス活用推進基本法”(2010年), “バイオマス活用推進基本計画”(2011年), および“バイオマス事業化戦略”(2012年)で示された様に, 継続的にバイオマス利活用に関わる国の施策が取り組まれてきた。さらに2015年12月開催のCOP21(気候変動枠組み条約第21回締約国会議)において, 我が国は2013年対比で, 2030年までに温室効果ガス(GHG)総排出量を26%削減する公約を掲げ, 公約実現に向けて策定された“地球温暖化対策計画”(2016年5月13日閣議決定)においてBPへの期待・役割が明確に示された。

【目次】
1. 国の取り組み
1.1 バイオテクノロジー戦略大綱
1.2 バイオマス・ニッポン総合戦略
1.3 法上の扱い
1.3.1 容リ法
1.3.2 食リ法
1.3.3 グリーン購入法
2. 普及に向けた社会的な取り組み
2.1 “愛・地球博”会場への導入事業
2.2 BP容器包装再商品化システム検討事業

-------------------------------------------------------------------------

[ケミカルプロフィル]

ジアミノプロパン(Diaminopropane)
N, N-ジエチルアクリルアミド(N, N-Diethylacrylamide)

-------------------------------------------------------------------------

[ニュースダイジェスト]

・海外編
・国内編
7,700円
【著者一覧】
高松 智 昭和大学
小池佑果 昭和大学
森川敏生 近畿大学
北島満里子 千葉大学
永津明人 金城学院大学
和田篤敬 小林製薬株式会社
荒井哲也 小林製薬株式会社
大野高政 松浦薬業株式会社
今井昇治 松浦薬業株式会社
難波達也 第一工業製薬株式会社
大島一史 元(一財)バイオインダストリー協会



-------------------------------------------------------------------------

【特集】生薬・薬用植物研究が明らかにする漢方の実力

-------------------------------------------------------------------------

特集にあたって
Introduction

-------------------------------------------------------------------------

漢方概念に基づいた天然資源からの創薬シーズ探索と研究
Drug Development Seeds Search and Research from Natural Resources Based on Kampo Concept

 食用や薬用として経験的に利用されていた天然物は,科学が発展するにつれて天然物に含まれる有効成分の構造やその作用が明らかとなり,ごく微量の化合物が人体に影響を与える薬となった。本稿では,天然物から抗マラリア薬が開発された経緯と古人が築いた漢方の基本的な概念に触れ,漢方独特の病態である瘀血に関する研究について解説する。

【目次】
1. はじめに
2. 古典より生み出された新薬~artemisinin~
3. 天然物活用法としての漢方
4. 漢方特有の病状「瘀血(おけつ)」に対する研究
5. 瘀血に作用する活性成分を求めて

-------------------------------------------------------------------------

カンカニクジュヨウ(Cistanche tubulosa)の耐糖能改善作用成分           
Acylated Phenylethanoid Glycosides, Echinacoside and Acteoside,from Cistanche tubulosa Improve Glucose Tolerance 

 カンカニクジュヨウの主要フェニルエタノイド配糖体成分であるechinacosideおよびacteosideに,デンプン負荷マウスを用いた血糖上昇抑制作用が認められた。また,echinacosideおよびacteosideをマウスに二週間連続投与後に耐糖能試験を実施したところ,体重増加や摂餌量に影響を与えることなく,有意な耐糖能改善作用が認められた。

【目次】
1. はじめに
2. カンカニクジュヨウの含有成分
3. Echinacosideおよびacteosideの抗糖尿病作用
4. カンカニクジュヨウ含有フェニルエタノイド配糖体のα-グルコシダーゼおよびアルドース還元酵素阻害活性
5. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

薬用資源植物からの生物活性アルカロイドの探索
Search for Novel and Bioactive Alkaloids from Medicinal Plant Resouces

 キョウチクトウ科のKopsia属およびVoacanga属植物より,特異な構造を有する新規モノテルペノイドインドールアルカロイド類を発見した。本稿では,それらの腫瘍細胞毒性作用,カンナビノイドCB1受容体や温度感受性TRPチャネルに対するアンタゴニスト作用を見出したので紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. Kopsia属植物含有アルカロイド
3. Voacanga africana含有アルカロイド
4. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

定量NMR(1H-qNMR)法による生薬成分の分析~生薬キョウニン,トウニン,ウバイに含まれるamygdalinの定量を例に~
Application of a Quantitative 1H-NMR Method for The Determination of Components in Crud Drugs~The Determination of Amygdalin in Persicae Semen, Armeniacae Semen, and Mume Fructus~

 1H-qNMR法を用いた生薬中の成分定量についてamygdalinの定量を例に概説する。認証標準物質を用いて濃度を決定したhexamethyldisilane(HMD)のpyridine-d6溶液に生薬抽出物を溶解し,その1H-qNMRを測定,HMDのメチルシグナルとamygdarlinの2-Hのシグナルの積分値から生薬中の含有率を算出した過程と,1H-qNMR法の利用について述べる。

【目次】
1. はじめに
2. トウニン,キョウニン,ウバイとamygdalin
3. 1H-qNMR法の条件検討~溶媒の検討~
4. 1H-qNMRの測定手順
4.1 仲介物質HMD溶液の濃度決定
4.2 Amygdalin標準品の純度決定と定量可能範囲の確認
4.3 生薬中のamygdalin含有率の確認
5. 測定の結果
6. HPLC測定値との比較
7. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

大柴胡湯の抗肥満作用の検討
Studies of The Anti-Obesity Effects of Daisaikoto

 肥満症は糖尿病を始めとする生活習慣病の危険因子であり,メタボリックシンドロームの普及に伴い治療の必要な病態として広く認知されている。近年,肥満症や脂質代謝異常に対して,漢方薬が利用される機会が増えており,大柴胡湯はその代表処方のひとつである。本稿では,大柴胡湯の抗肥満作用について,筆者らの研究結果を中心に紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 漢方処方「大柴胡湯」
3. 大柴胡湯の肥満に対する臨床効果
4. 大柴胡湯の抗肥満効果に対する構成生薬の関与
5. 大柴胡湯の抗肥満効果の作用機序
6. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

パフィアエキスパウダーの経口美肌素材としての有用性
Beneficial Effect of Pfaffia Extract Powder as Oral Beautiful Skin Agent

 老化を実感する肌などの組織は,コラーゲンの含有率が非常に高い。20歳前後をピークにコラーゲン合成能が低下することから,コラーゲン合成促進作用を有する素材は老化防止に有用であると考えられる。本稿では,パフィアエキスパウダーのコラーゲン合成促進作用,紫外線による光老化に対する改善作用など,パフィアエキスパウダーの美肌分野の研究成果を紹介する。

【目次】
1. はじめに
1.1 皮膚の構造
1.2 皮膚老化とコラーゲン
2. パフィアの加齢による皮膚老化に対する有用性
3. パフィアの紫外線による皮膚老化に対する有用性
4. パフィアエキスパウダーの皮膚線維芽細胞活性化作用
5. モニターアンケート調査
6. パフィアエキスパウダーの安全性
7. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

[研究開発情報:Report of Research & Development]

疎水変性セルロースナノファイバーの開発
Development of Hydrophobic Cellulose Nanofiber

 セルロースは樹木など植物の主要構成成分の1つであり,地球上で最も多量に生産・蓄積されている再生可能なバイオマス資源である。樹木などの植物は先史の時代から木材として,1万年前からは繊維として,2,000年前からは紙として,そして現代ではセルロース誘導体が食品,医薬品,化粧品などに利用されている。
 近年では,セルロースの新たな利用方法としてセルロースナノファイバー(CNF)という素材が注目されている。CNFは植物の細胞壁から取り出したセルロース繊維を微細化したもので,環境負荷が少なく,さらに軽くて丈夫であることから,「夢の新素材」といわれている。

【目次】
1. CNFの疎水変性に向けて
2. 疎水変性CNFの調製と外観
3. 有機溶剤中での疎水変性CNFの機能
3.1 分散安定性
3.2 高粘度化
3.3 擬塑性流動性の付与
3.4 微粒子の分散安定化
4. 樹脂中での疎水変性CNFの機能
4.1 分散安定性
4.2 弾性率の向上
4.3 帯電防止性の付与
4.4 低硬化収縮性の付与
5. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

[連載] バイオプラスチックを巡って

第6回:バイオマス系資材の判定方法とは

 今回は,化学品や化成品,さらにはプラスチックがバイオマス(BM)に由来するのかどうかを,どの様な方法で判定するのかについて,その現状を紹介する。
 基本は遺跡などの年代測定に利用されている炭素年代法(Carbon Dating)と呼ばれている測定法を応用したもので,現代に生成されるBM中にはわずかに含まれ,古代に形成された原油中には消滅している炭素同位体(14C)を加速器質量分析(AMS)法,あるいは液体シンチレーション(LSC)法で測定する。固体として扱われるケースが圧倒的に多いバイオプラスチック系資材の場合はAMS 法が,バイオエタノールの様な液体の場合にはLSC 法が適用されるが,本質的に両者は測定誤差内で一致する。
 我が国でバイオプラスチックの認証制度を運営している民間団体においては,定期的にAMS法によるBM度を算定して,制度の信頼性維持に努めている。

【目次】
1. バイオマス由来度の考え方
2. バイオマス度測定法の現状
2.1 AMS法
2.2 LSC法
2.2.1 直接法(1)
2.2.2 直接法(2)
2.2.3 水抽出法
2.3 バイオマス度の算出方法
2.4 AMS法とLSC法の比較
3. バイオマス度の測定事例
4. バイオプラスチック,およびバイオプラスチックを含む製品への適用

-------------------------------------------------------------------------

[マーケット情報:Market Report]

健康食品・機能性食品工業の市場動向

 2016年の特定保健用食品(トクホ)の市場規模は6,463億円(前年比101.1%)となり,前年を僅かに上回り過去2番目の規模に伸長した。トクホ炭酸飲料ブームが一巡した一方で新たに茶系飲料が伸長したほか,乳酸菌関連が健康機能の認知拡大により市場をけん引した。2015年4月より施行された機能性表示食品は,トクホに比べコスト面・時間面で申請のハードルが低く,また機能性の表現の自由度が高いことが魅力となり,トクホから機能性表示食品を活用する方向に一部シフトする動きが見られた。今後さらにその動きは加速するものと予想される。また,トクホにはない新たな機能をアピールする商品群や,機能性を付与した生鮮食品に市場拡大の動きが見られた。

【目次】
1. 健康食品と機能性食品
2. トクホ市場動向
3. 機能性表示食品の市場動向
4. 健康食品の機能別市場動向
4.1 美容・アンチエイジング関連
4.2 抗肥満・ダイエット関連
4.3 ロコモティブシンドローム・サルコペニア関連
4.4 抗疲労関連
4.5 免疫賦活関連
4.6 脳機能改善関連

-------------------------------------------------------------------------

[ケミカルプロフィル]

カテキン・茶カテキン(Catechin)
キラヤサポニン(Quillaja saponin)
L-シトルリン(L-Citrulline)
ルチン(Rutin)

-------------------------------------------------------------------------

[ニュースダイジェスト]

・海外編
・国内編
7,700円
【著者一覧】
城島輝臣 アグロサイエンス通信
井上拓也 住友化学株式会社
樋口浩司 石原産業株式会社
塚本正満 石原産業株式会社
下松明雄 インターナショナル・プラント・プロテクション・コンサルタント
森田隆介 東京工業大学
鈴森康一 東京工業大学
大島一史 元(一財)バイオインダストリー協会


-------------------------------------------------------------------------

【特集】農薬の動向と研究開発2017

-------------------------------------------------------------------------

国内農薬市場の推移:除草剤を中心にして(続報)
Transition of Domestic Market of Pesticides:Specialized in Herbicides(2)

 2009年の本誌上にて, 国内の除草剤市場について作用機構の面から2005年までの推移を辿った。本稿では, その後の10年間の動向について前報と同じく作用機構の面から考察した。この10年間においては, まったく新しい作用機構を有する除草剤は登場していなかったが, 各グループ間ではいくつかの特徴がみられる。国内除草剤市場は, 10年間で約20%伸長した。適用場面では, 依然として水稲が主要な領域となっている。

【目次】
1. はじめに
2. 農薬全体の出荷金額と出荷量の推移
3. 除草剤の作用機構と出荷金額の推移
3.1 除草剤の分類
3.2 除草剤の作用機構
3.3 除草剤の作用機構別の出荷推移
3.4 各グループで2015年度出荷額が最大の除草剤
4. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

新規殺菌剤エタボキサムの生物活性
Biological Activity of a New Fungicide‘Etaboxam’

 エタボキサムはブドウ, 野菜類のべと病, バレイショなどの疫病に加え, ピシウム性苗立枯病など重要病害に優れた効果を示す住友化学(株)の新規殺菌剤である。エタボキサムは予防的な効果だけではなく, 病斑進展阻止効果や浸透移行性, 浸達性, 耐雨性を有し, 様々な環境条件・発病条件下においても, 安定した防除効果が期待できる。

【目次】
1. はじめに
2. 物理化学性状
3. エトフィンフロアブルの登録内容
4. 抗菌スペクトラム
5. 作用特性
6. 作用機構
7. 圃場における実用性評価
8. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

殺菌剤ピリオフェノンの創製
Discovery of Novel Fungicide, Pyriofenone

 ピリオフェノン(pyriofenone)は石原産業(株)が発明・開発した様々なうどんこ病に優れた効果を示す殺菌剤であり, 2013年にプロパティ(R)フロアブルとして登録認可された。本稿では, 当社が長年着目してきたトリフルオロメチルピリジンを源流とするピリオフェノン創製の経緯と, その特長について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. ピリオフェノン創製の経緯
2.1 リード化合物の発見
2.2 最適化研究
2.3 各種置換基の検討
2.4 代表化合物の選抜
2.5 ピリオフェノンの性状
3. 合成方法
3.1 リード化合物2の合成
3.2 ピリオフェノンの合成
4. 殺菌スペクトラム
5. 作用機構
6. 作用特性
7. 安全性
8. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

新規殺虫剤, メソイオン化合物について
Mesoionic Compounds with Insecticidal Activities

 最近, 米国デュポン社により開発されたトリフルメゾピリム(PyraxaltTM)はメソイオン化合物として最初に登場した殺虫剤である。メソイオン化合物は医薬ではわずかに開発されているが, 農薬としては今までに市販された化合物はない。植物, 動物に対する生理活性物質としても余り知られていない。トリフルメゾピリムの殺虫機構は昆虫の神経伝達に関与するアセチルコリンの受容体の阻害である。現在, 各社で注目を集めている新規殺虫剤であり, 本稿では, デュポン社をはじめ数社のこの化合物に対する研究状況を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. デュポン社のメソイオン殺虫剤
3. デュポン以外の会社の研究
3.1 住友化学の特許
3.2 BASFの特許
3.3 日産化学の特許
3.4 三井化学アグロの特許
3.5 日本化薬の特許
4. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

世界の新農薬

1. dichlobentiazox(殺菌剤)
2. florpyrauxifen(除草剤)
3. lancotrione(除草剤)
4. mefentrifluconazole(殺菌剤)
5. quinofumelin(殺菌剤)

-------------------------------------------------------------------------

[TOPICS]

細径マッキベン型人工筋肉の開発とロボットへの応用        
Development of Thin McKibben Artificial Muscles and Application to Robotics

 筆者らは, これまでの人工筋肉を凌ぐ細さ, 軽さ, しなやかさを持つ「細径マッキベン型人工筋肉」の開発と量産に成功した。この特徴から, しなやかな動作が実現可能な筋骨格ロボットや, 着心地の良いアシストスーツ, 超軽量・超長尺・超シンプルなジャコメッティロボットといった, 従来では難しかったロボットを実現した。

【目次】
1. はじめに
2. 細径マッキベン型人工筋肉の概要
3. 細径マッキベン型人工筋肉のロボット応用
3.1 筋骨格ロボット
3.2 アシストスーツ
3.3 ジャコメッティロボット
4. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

[連載] バイオプラスチックを巡って

第5回:バイオプラスチックとは(分類・種類・市場規模など)-その4

 今回は我が国におけるバイオプラスチック(BP)の市場動向, およびその規模を紹介する。
 我が国のBPは2002年以降, Nature Works 社(米)による商業生産を背景にPLA(ポリ乳酸)が中心となって進んできた。最近は既往プラスチックの原料(の一部)をバイオマスに置き換えたドロップ・イン型BP, 具体的にはポリエチレンとバイオ・エチレングリコール由来ポリエチレンテレフタレートが市場の中核を担っている。市場規模として天然物系BPはおよそ12万トン強(酢酸セルロースを含む), 化学合成系BPはPBSを除いておよそ3.4万トン(PLAが5.2千トン, バイオPETがおよそ1.2万トン, バイオPEがおよそ7.8千トン), およびバイオ合成系BPは数十トンとされ, 総計15.4万トンと見積もられている。

【目次】
1. 市場動向
1.1 スタートはPLA中心
1.2 “ドロップ・イン”型BPの登場
2. 市場規模

-------------------------------------------------------------------------

[ケミカルプロフィル]

3-アミノピリジン(3-Aminopyridine)
イミダゾール類(Imidazole)
クロラール(Chloral)
p-クロロベンジルクロライド(p-Chlorobenzyl chloride)
トリシクラゾール(Tricyclazole)

-------------------------------------------------------------------------

[ニュースダイジェスト]

・海外編
・国内編
7,700円
【著者一覧】
西澤 仁  西澤技術研究所
大越雅之  京都工芸繊維大学
露本伊佐男 金沢工業大学
林 日出夫 出光ライオンコンポジット(株)
植木健博  大八化学工業(株)
山中克浩  帝人(株)
大島一史  元(一財)バイオインダストリー協会


-------------------------------------------------------------------------

【特集】難燃剤開発の動向と今後の展望

-------------------------------------------------------------------------

特集にあたって
Introduction

-------------------------------------------------------------------------

難燃剤の最新動向
Recent Trends of Flame Retardant

 最近の難燃剤には高い難燃効果と環境安全性の両方が要求されており, 新しい難燃剤の開発が難しい状況にある。しかしながら, 最近の研究動向をみると地味ではあるが着実な進歩が窺える。本稿では, 最近の研究動向と特許の提案動向からみた難燃剤の最新動向を探ってみたい。

【目次】
1. はじめに
2. 難燃剤の種類と需要量
3. 難燃剤の課題と最近の研究動向
3.1 最近の国内外の研究動向
3.2 特許提案状況から見た最近の技術動向
4. 難燃剤開発の今後の方向(提案)

-------------------------------------------------------------------------

難燃剤の現状と将来
The Present State and The Future of Fire Retardant

 本稿では, 難燃剤の必要性と開発の意義について紹介する。4大メジャーインパクトから今後難燃材料の需要増加が期待できる分野を示し, その攻め方を「モノからコトへ」という事例とともに述べる。

【目次】
1. はじめに
1.1 人命保護
1.2 財産保護
1.3 難燃化の効能
1.4 難燃化の課題
2. 難燃メカニズム
2.1 ハロゲン単独でもV-2止まり
2.2 単独作用機構のみでは難燃化は困難
3. 難燃性の評価・試験法と規制の現状
3.1 電線ケーブル
3.2 建築材料
3.3 車両材料
3.4 船舶艤装材料
3.5 難燃規格動向
4. 規制の現状
5. 難燃樹脂の課題と将来
5.1 産業構造としての課題
5.2 技術課題
5.2.1 高難燃性
5.2.2 低発煙性
5.2.3 環境安全性
5.2.4 技術を生かすための課題
6. まとめ

-------------------------------------------------------------------------

ホウ酸塩を使った新規難燃技術―紙, 木綿の難燃化から不燃木材の開発まで―
New Flame Retardant Techniques Using Borates-From Fireproofing Wood to Flame Retardant Coatings for Plastics

 ポリホウ酸ナトリウム水溶液は, 従来のホウ酸塩よりも高濃度で造膜性があり, 木材, 木綿, 紙などセルロースを主成分とする材料に高い難燃性能を示す。水溶液の含浸による紙, 木綿, パーティクルボード, 木材の難燃化, 不燃化技術について解説した上で, 製品として実用化された例を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. ポリホウ酸ナトリウムについて
2.1 ポリホウ酸ナトリウム水溶液の性質
2.2 高濃度化と造膜性による高い難燃性能
3. ポリホウ酸ナトリウム水溶液の含浸による難燃化の例
3.1 紙の難燃化
3.2 木綿製品の難燃化
3.3 パーティクルボードの不燃化
3.4 木材, 集成材の不燃化
3.5 木材, 集成材の不燃化技術の実用化例
4. まとめ

-------------------------------------------------------------------------

難燃コンパウンドの現状と課題
Flame Retardant Compounds―Current Situation and Problem―

 難燃コンパウンドは, 樹脂と難燃剤の組合わせにより様々な課題がある。臭素系難燃剤はすべての樹脂で難燃性能が高く低コストであるが, 環境規制に課題がある。ノンハロ難燃剤については, 一部の樹脂を除いて課題が多く, たとえば, 難燃性, 耐熱性, 耐湿熱性, ブリードおよび加工性などの課題がある。これらの課題について, 難燃剤の種類別にまとめて解説する。

【目次】
1. はじめに
2. 各樹脂への難燃剤適応例と課題
2.1 リン酸アミン塩
2.2 耐熱性リン酸アミン塩
2.3 リン酸エステル
2.4 ホスファゼン
2.5 ホスフォン酸エステル
2.6 ホスフィン酸金属塩
2.7 赤燐
2.8 ポリマー型リン系難燃剤
2.9 窒素系難燃剤
2.10 金属水酸化物
2.11 シリコン系難燃剤
2.12 有機スルホン酸金属塩系難燃剤
2.13 臭素系難燃剤
2.14 PE, PPまとめ
2.15 PS[ノリル(PS/PPE), ABS含]まとめ
2.16 PCまとめ
2.17 PET, PBTまとめ
2.18 ナイロンまとめ
3. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

リン酸エステル系難燃剤の難燃性能と開発動向   
Flame-Retardancy and Development Trend of Phosphate Ester Flame-Retardants

 リン酸エステル系難燃剤の技術的な課題としては, 難燃性のほかにも耐熱性, 耐加水分解性, 耐ブリードアウト性などが挙げられる。本稿では, このような要望に対するこれまでの開発の流れについて性能データを交えて振り返るとともに, 最近の開発事例として2種類の難燃剤について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. リン酸エステル系難燃剤の難燃性および性能
3. PX-202
4. DAIGUARD-850
4.1 表皮層の難燃化方法
4.2 表皮材用難燃剤の動向
4.3 DAIGUAD-850の特徴
4.4 DAIGUARD-850の用途展開
5. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

新規リン系難燃剤ファイヤガード(R)FCX-210の開発         
Development of Novel Phosphorus-Based Fire Retardant, FCX-210

 近年, 難燃材料のノンハロゲン化ニーズが高まっている。帝人では, 多くの顧客ニーズに応えるべく, ポリマー燃焼機構に基づく難燃剤分子設計により, 新規リン系難燃剤FCX-210の開発に成功した。FCX-210は多様な樹脂種に対して高度な難燃効果を有し, 樹脂特性を保持することが可能である。本稿ではFCX-210の設計理論と特性に関して報告する。

【目次】
1. はじめに
2. 高分子材料の燃焼機構と難燃機構
3. ファイヤガード(R) FCX-210の特徴
4. ファイヤガード(R) FCX-210の難燃効果
4.1 スチレン系樹脂への適応
4.2 アクリル樹脂への適応
4.3 透明ポリアミド樹脂への適応
4.4 ポリエステル樹脂への適応
4.5 バイオプラスチックへの適応
5. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

[連載] バイオプラスチックを巡って

第4 回:バイオプラスチックとは(分類・種類・市場規模など)-その3

 バイオプラスチックを原料バイオマスの利活用方法によって分類し, その市場展開の状況を概観するにあたり, 今回は前回の続編としてドロップイン型, 具体的にはポリエチレン, およびポリエチレンテレフタレートの現状と今後の見通しについて述べる。さらにバイオ合成系としてポリヒドロキシブチレートの現状を紹介する。また, 今回までに登場したバイオプラスチックの基本特性を一覧表の形で整理した。

【目次】
1. バイオマスを生物化学的手法で利活用したバイオプラスチック(第3回より続き)
1.1 バイオマスの完全構造変換ケース
1.2 “バイオタイヤ”を目指した動き
1.3 バイオ合成系
2. バイオプラスチックの基本特性一覧

-------------------------------------------------------------------------

[ケミカルプロフィル]

スルファミン酸グアニジン(Guanidine sulfamate)
ビニルエステル樹脂(Vinylester resin)
リン酸エステル(Organophosphate)

-------------------------------------------------------------------------

[ニュースダイジェスト]

・海外編
・国内編
7,700円
【著者一覧】
秋山隆彦 学習院大学
川戸勇士 静岡県立大学
濱島義隆 静岡県立大学
矢内 光 東京薬科大学 
近藤 梓 東北大学大学院
寺田眞浩 東北大学大学院
矢島知子 お茶の水女子大学
池本哲哉 住友化学(株) 
金田岳志 第一三共(株)
大島一史 元(一財)バイオインダストリー協会


-------------------------------------------------------------------------

【特集】有機分子触媒がもたらす新しい有機合成の形

-------------------------------------------------------------------------

特集にあたって
Introduction

-------------------------------------------------------------------------

キラルブレンステッド酸触媒を用いた水素移動型還元反応  
Enantioselective Transfer Hydrogenation Reaction by Means of Chiral Brønsted Acid

 本稿では(R)-BINOL由来のキラルリン酸をキラルブレンステッド酸として用いたケトイミンの水素移動型不斉還元反応について紹介する。Hantzschエステルが水素供与体として用いられたが, ベンゾチアゾリンも優れた水素供与能を示し, 対応するアミンが高い光学純度で得られた。

【目次】
1. はじめに
2. Hantzschエステルを水素供与体として用いたイミンの水素移動型不斉還元
3. ベンゾチアゾリンを水素供与体として用いたケトイミンの水素移動型不斉還元
4. インドリンの酸化的速度論的光学分割
5. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

有機分子触媒による不斉ブロモ環化反応の開発
The Development of Organocatalytic Enantioselective Bromocyclization

 アルケンの求電子的ハロゲン化反応は炭素-炭素二重結合に対して二つの官能基を同時に導入できる有用反応である。近年, 不斉ハロゲン官能基導入法として触媒的不斉ハロ環化反応が活発に研究されている。本稿では, 最近筆者らが開発したキラルアミン触媒を用いた非対称化型不斉ブロモラクトン化反応, およびキラルホスフィン触媒を用いた不斉ブロモ環化反応について概説する。

【目次】
1. はじめに
2. キラルアミン触媒を用いた不斉ブロモ環化反応
2.1 シンコナアルカロイドを用いた不斉ブロモラクトン化反応
2.2 免疫抑制活性を有する天然アミノ酸合成研究
3. キラルホスフィン触媒を用いた不斉ブロモ環化反応
3.1 キラルホスフィン化合物の触媒応用
3.2 BINAP触媒を用いたアリルアミドの不斉ブロモ環化反応
3.3 触媒活性種の同定
3.4 対称ジエンアミドの非対称化型ブロモ環化反応への展開
4. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

超強酸性炭素酸の合成と触媒利用
Superacidic Carbon Acids:Synthesis and Catalysis

 解離性水素を炭素原子にもつ炭素酸は, 有機合成における基本的な合成素子として広く利用されているが, 一般に酸触媒として利用できるような強い酸ではない。しかし例外的に, ビス(トリフルオロメチルスルホニル)メタンおよびその置換体が硫酸に匹敵する強酸性化合物であることが知られている。本稿では, この新しい酸構造をもつ強酸性化合物の合成と触媒利用をまとめる。

【目次】
1. はじめに
2. 強酸性炭素酸の合成
3. 強酸性炭素酸の酸性度
4. 炭素酸誘導体の触媒作用
5. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

不斉有機超強塩基触媒が拓く新たなエナンチオ選択的付加反応    
Enantioselective Addition Reactions Realized by Chiral Organosuperbase Catalyst

 不斉有機塩基触媒を用いたエナンチオ選択的付加反応は, 光学活性化合物を簡便かつ効率的に与える方法論として有機合成上きわめて有用である。本稿では, 従来の触媒に比べ強力な塩基性を付与した「不斉有機超強塩基触媒」を用いることで達成された, 新たなエナンチオ選択的付加反応についてまとめる。

【目次】
1. はじめに
2. 不斉有機超強塩基触媒の設計・開発
3. 環状ケトンの不斉α位アミノ化反応
4. 2-アルコキシカルボニル-1,3-ジチアンのイミンへのエナンチオ選択的付加反応
5. 隣り合う二つの第四級不斉中心の構築
6. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

有機分子触媒を用いた光ペルフルオロアルキル化反応の開発
Photoinduced Perfluoroalkylation Using Organocatalyst

 近年, 有機色素を酸化還元触媒とする可視光ペルフルオロアルキル化反応の開発が行われている。この手法は, 低エネルギー, 低コストで金属の混入の心配がない含フッ素化合物の合成法として注目されている。この有機触媒を用いた光ペルフルオロアルキル化反応に関する我々の取り組みについて紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 末端アルケン, アルキンへのペルフルオロアルキル化反応
3. ヨウ化-ペルフルオロアルキル化反応の反応機構の考察
4. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

プロリン誘導体を触媒とする直截的不斉アルドール反応を利用した抗エイズ薬中間体のプロセス開発 
Process Development of a Key Building Block for Anti-AIDS Drugs by Proline-Derivatives Catalyzed Enatioselective Direct Cross Aldol Reaction

 プロリン誘導体を触媒とする不斉アルドール反応を利用した抗エイズ薬中間体のプロセス開発について述べる。プロリンを触媒とする方法においてはジアステレオ選択性に課題があったが, ジアリールプロリノール誘導体を触媒とする不斉アルドール反応を鍵とすることで大きく選択性が改善し, より効率的なプロセス開発を行うことができた。

【目次】
1. はじめに
2. プロセス化学にとっての有機分子触媒の魅力と課題
3. 抗エイズ薬中間体BFOLの製法開発
3.1 ジアステレオ選択的アルキル化法
3.2 DKR不斉水素化法
3.3 プロリン触媒による不斉アルドール反応を鍵とする方法
3.4 ジアリールプロリノール触媒による不斉アルドール反応を鍵とする方法
3.5 新規なジアリールスルフォンアミド型触媒の開発
4. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

不斉有機触媒を用いた二環式ケトンの実用的な速度論的分割法の開発   
Practical Organocatalytic Kinetic Resolution of Bicyclic Ketone at Large Scale

 (-)-3-Ethylbicyclo[3.2.0]hept-3-en-6-one(-)-1は, 3つのsp2炭素を持つ四員環と五員環が縮環したビシクロ[3.2.0]ヘプタン骨格を有する大きく折れ曲がった二環式化合物であり, 光学活性な本化合物の大量合成法の構築は非常に挑戦的な課題であった。今回, 光学活性体の取得法として不斉塩基触媒を用いた実用的な速度論的分割法を開発し, (-)-1をパイロットスケールで高収率かつ高選択的に合成することに成功した。

【目次】
1. はじめに
2. 光学活性な二環式ケトンの特徴とメディシナルルート
3. 安価で効率的なラセミ体合成法の構築
4. 二環式ケトンの光学活性体取得法の構築
4.1 酵素触媒によるケトンの速度論的分割法
4.2 不斉有機触媒を用いたケトンの速度論的分割法
5. 光学活性な二環式ケトンの工業化プロセス

-------------------------------------------------------------------------

[連載] バイオプラスチックを巡って

第3回:バイオプラスチックとは(分類・種類・市場規模など)-その2

 今回は, バイオプラスチックを原料バイオマスの利活用方法によって分類し, その市場展開の状況を概観する。バイオマスを完全構造変換するケースとして, いわゆる化学合成タイプ, 具体的にはポリ乳酸, ポリブチレンサクシネート, ポリトリメチレンテレフタレート, ポリオール, およびポリアミドを紹介する。

【目次】
1. バイオマスを生物化学的手法で利活用したバイオプラスチック(第2回続き)
1.1 バイオマスの完全構造変換ケース

-------------------------------------------------------------------------

[ケミカルプロフィル]

エチレンイミン(Ethyleneimine)
ジ-t-ブチルパーオキサイド(Di-t-Butyl peroxide)
t-ブチルパーオキシ- 2 -エチルヘキサノエート(t-Butylperoxy-2-ethyl hexanoate)

-------------------------------------------------------------------------

[ニュースダイジェスト]

・海外編
・国内編
7,700円
【著者一覧】
赤沼哲史 早稲田大学
浅野竜太郎 東京農工大学
熊谷 泉 東北大学
新井宗仁 東京大学
林 勇樹 東京大学
工藤 恒 東京大学
浅野泰久 富山県立大学
松井大亮 富山県立大学
新井栄揮 国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構
安達基泰 国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構
井之上一平 味の素(株)
安枝 寿 味の素(株)
石原 聡 Amano Enzyme USA Co., Ltd.
谷村直樹 みずほ情報総研(株)
加藤幸一郎 みずほ情報総研(株)
大島一史 元(一財)バイオインダストリー協会


-------------------------------------------------------------------------

【特集】人工改変による機能性タンパク質の開発と応用

-------------------------------------------------------------------------

特集にあたって
Introduction

-------------------------------------------------------------------------

耐熱性酵素の創成と好熱菌酵素の低温高活性化         
Creating Thermostable Enzymes and Enhancing The Low-Temperature Activities of Thermophilic Enzymes

 厳密な基質特異性や触媒効率の良さから, 酵素の工業利用が期待されている。しかし, 天然の酵素は宿主の生育環境に適応しているため, 必ずしもそのまま用いることが適当とは限らない。本稿では, 筆者らの研究室で行われた進化情報を加味した耐熱性酵素の設計と, 反対に, 耐熱性酵素の低温活性を向上させた例を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 従来の耐熱性酵素設計法
3. 進化情報に基づく耐熱性酵素の創成
4. 少数配列から推定した祖先型酵素の耐熱性
5. 祖先型アミノ酸置換による酵素の耐熱化
6. 進化分子工学による耐熱性酵素の低温高活性化
7. 補酵素結合部位のアミノ酸置換による好熱菌IPMDHの低温高活性化
8. 補酵素結合部位のアミノ酸置換による他の好熱菌由来脱水素酵素の低温高活性化
9. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

人工改変を駆使した高機能性次世代がん治療抗体の開発 
Development of Highly Functional Next-Generation Cancer Therapeutic Antibodies by Using Protein Engineering

 抗体医薬の多くは既に何らかの人工改変が施されているが, より効果的ながん治療抗体の開発に向けては, 機能性断片同士, あるいは他の機能性分子との融合等により創出される非天然型の抗体に期待が寄せられている。本稿では, 人工改変による高機能性がん治療抗体の開発の現状を概説した後, 我々の取り組みを紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 抗体の基本構造と機能性断片
3. 抗体の人工改変
4. 低分子二重特異性抗体の開発
5. 低分子二重特異性抗体の高機能化
6. 低分子多量体化抗体の開発
7. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

ラン藻由来アルカン合成関連酵素の高活性化と軽油生産性の向上   
Increasing Productivity of Diesel Oils by Improving Cyanobacterial Enzymes for Alkane Biosynthesis

 ラン藻が生産する軽油相当のバイオ燃料は, 地球温暖化の防止に有効な再生可能エネルギーとして注目されている。しかし, ラン藻が持つアルカン合成関連酵素の活性は低いため, それらの高活性化が必要である。本稿では, ラン藻由来アルカン合成関連酵素の高活性化に向けた取り組みをまとめた。

【目次】
1. はじめに
2. 酵素の高活性化に向けた取り組み
3. (1)異なるラン藻種に由来する酵素AARの比較
4. AARの活性と基質特異性の人工改変
5. (2)網羅的変異解析
6. (3)進化分子工学実験
7. その他の取り組み
8. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

微生物の生育を指標にした選別法によるアミノ酸定量用酵素の開発      
Development of Enzymes to Determine Amino Acids By Growth-Dependent Molecular Selection

 新生児マススクリーニングや様々な疾患を検出するために, アミノ酸定量が注目されており, 筆者らはその目的のために定量用酵素の開発を進めている。本稿では, 進化分子工学における酵素改変, 特に「変異導入で酵素が機能を発揮することで, 微生物の生育が促進されるスクリーニング系(growth-dependent molecular selection)」を利用したランダム変異導入による酵素改変について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. アミノ酸要求株を用いた安定な脱水素酵素の創製
2.1 変異導入によるTrpDHの安定化
2.2 微生物の化合物要求性を用いた酵素のスクリーニング
3. 抗生物質耐性マーカーを用いた酸化酵素の可溶性発現
3.1 ビルトイン型補酵素を有するL-リジンε-酸化酵素
3.2 LodAの可溶性発現
3.3 レポータータンパク質融合による変異型酵素の探索
4. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

人工改変タンパク質を利用したセシウム回収技術の開発   
Development of The Cesium Absorption Technique Using Artificially Modified Protein

 我々は, 好塩性タンパク質表面にセシウムイオン(Cs+)を選択して結合する部位を発見した。また, タンパク質のナトリウムイオン(Na+)結合部位を変異導入によって改変し, Cs+結合部位を人工的に作り上げることに成功した。本稿では, これらの知見や技術を利用したCs+回収バイオ材料の創製の可能性について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 好塩性タンパク質におけるCs+選択的結合部位の発見
3. タンパク質におけるCs+結合部位の人工構築
4. 金属イオン親和性向上のためのタンパク質会合制御技術
5. 実用化に向けた構想

-------------------------------------------------------------------------

多機能性カゴ状タンパク質を利用した酸化チタン被膜型カーボンナノチューブの合成とその色素増感太陽電池用素子への応用
Synthesis of TiO2-Coated Carbon Nanotubes by The Multifunctional Cage-Shaped Proteins and The Application into Dye-Sensitized Solar Cell Devices 

 タンパク質やペプチドなどの生体材料が持つナノサイズの特殊な構造や無機材料への吸着・析出能力を利用することで, 高精度なナノ素材を創製することができる。今回, 2種類のカゴ状タンパク質に機能性ペプチドを付加した人工タンパク質を用いて, 太陽電池素子用の新規なカーボンナノチューブを合成した。このナノ素子はその光電変換効率を向上させることができた。

【目次】
1. はじめに
2. カゴ状タンパク質とその内部での無機ナノ粒子形成
3. ペプチドアプタマーの活用とカーボンナノチューブ(CNT)の合成
4. 色素増感太陽電池用電極材料への新規CNT の活用
5. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

人工改変によるα-グルコシダーゼの基質特異性の改変         
Molecular Modification of Alpha-Glucosidase Results in Altered Substrate Specificity

 α-グルコシダーゼはイソマルトオリゴ糖の工業生産に利用される酵素であり, 糖質加工において重要な酵素である。近年, α-グルコシダーゼの基質特異性において「スイッチ」の役割を担うアミノ酸残基が報告されている。本稿では, α-グルコシダーゼの加水分解と糖転移反応に関する人工改変の研究成果を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. α-グルコシダーゼの基質特異性「スイッチ」
3. タンパク質工学によるα-グルコシダーゼの糖転移反応の改変
4. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

[TOPICS]

材料設計分野におけるシミュレーション解析の利用動向
Usage Trend of Simulation Analysis in Material Design

 材料・化学分野での材料設計に関連したシミュレーション解析の利用動向として, 本稿では, 弊社でサービスを行っている原子・分子レベルのシミュレーションを用いた解析業務の内容を紹介する。解析サービスの利用事例として, 企業からの依頼に基づく解析内容の典型例について述べるとともに, 研究機関からの依頼に基づく先進的な解析事例について述べる。

【目次】
1. はじめに
2. 解析利用の現状
3. 企業による利用事例
3.1 材料の機械的特性
3.2 材料の導電性
3.3 材料の電気伝導特性
3.4 材料の電子状態の時間発展
3.5 分子の立体配座・複合体の立体配座
3.6 高分子の立体配座と特性
3.7 界面への有機分子の吸着構造
4. 研究機関による利用事例
4.1 アパタイトへのペプチド吸着
4.2 ゴム高分子とシリカ
4.3 欠陥グラフェンへの窒素・金属・酸素吸着
5. 解析利用の将来
6. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

[連載] バイオプラスチックを巡って

第2回:バイオプラスチックとは(分類・種類・市場規模など)-その1

 今回以降4回に渡って, バイオプラスチックを原料バイオマスの利活用方法によって分類し, その市場展開の状況を概観する。今回は, バイオマスを物理的に形態制御することで利活用するタイプ(木質系繊維強化型やバイオマス粉体との複合化型等), およびバイオマスを部分的に構造変換したタイプ(セルロースおよびでん粉誘導体系)を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. バイオマスを物理的手法で利活用したバイオプラスチック
2.1 有機繊維とのコンパウンド化(繊維強化BP)
2.1.1 ケナフとの複合化
2.1.2 竹繊維との複合化
2.1.3 セルロース繊維との複合化
2.1.4 セルロース・ナノファイバー(CNF)との複合化
2.2 木粉, 籾殻や古々米との複合化
2.3 貝殻粉末との複合化
3. バイオマスを生物化学的手法で利活用したバイオプラスチック
3.1 バイオマスの部分構造変換, あるいは変性するケース
3.1.1 セルロース誘導体
3.1.2 でん粉, およびでん粉誘導体

-------------------------------------------------------------------------

[ケミカルプロフィル]

グリシン(Glycine)
乳酸-グリコール酸共重合体(poly(lactic-co-glycolic acid), PLGA)

-------------------------------------------------------------------------

[ニュースダイジェスト]

・海外編
・国内編
7,700円
【著者一覧】
本橋光也 東京電機大学
高井 治 関東学院大学
西村宜幸 オーエム産業(株)
前原麻利子 オーエム産業(株)
福田千紗  オーエム産業(株)
藤本亜由美 (株)カネカテクノリサーチ
原 一広 九州大学
井須紀文 (株)LIXIL
鶴田仁志 (株)クラレ
大島一史 元(一財)バイオインダストリー協会


-------------------------------------------------------------------------

【新春特集】メゾスコピック領域研究の産業への展開

-------------------------------------------------------------------------

特集にあたって
Introduction

-------------------------------------------------------------------------

メゾスコピック系フローティングSiワイヤーの作製
Fabrication of Mesoscopic Floating Si Wires

 半導体Siウェーハの表面直下に作製した転位をもつ基板を電気分解することで, 基板から電気的, 光学的に絶縁されたフローティングワイヤーを作製する技術を開発した。ワイヤーの太さと長さは, 転位をつくるために付けた溝の形状やサイズに依存し, その内部の結晶性はウェーハの面指数の違いで制御できることが分かった。本稿では, これらの技術について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. メゾスコピックSiワイヤーの作製方法
3. ワイヤーの構造観察
3.1 面指数(100)のウェーハを用いた場合
3.2 面指数(111)のウェーハを用いた場合
4. ワイヤーの形状および構造の制御とデバイスへの応用
5. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

生物に学ぶメゾスコピック構造制御による透明超はっ水薄膜の形成と応用     
Preparation of Transparent Ultra Water-Repellent Thin Films by Controlling Biomimetic Mesoscopic Structure and Their Applications

 生物の構造は, 分子集合状態の大きさによる階層構造をなしている。生物に学ぶように, 巨視的な領域と微視的な領域との中間に位置づけられるメゾスコピックの領域での構造制御は, 薄膜形成を行う場合にも重要となっている。ハスの葉に学び, 透明性を加えた透明超はっ水薄膜の形成を例に, メゾスコピック構造制御について述べる。

【目次】
1. はじめに
2. 透明超はっ水薄膜のプラズマCVDによる形成
3. 透明超はっ水膜の応用
4. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

メゾスコピック構造をもつ機能性めっき皮膜形成技術
Technics of Formed Functional Plating Films with Mesoscopic Structure

 現在, 電子部品やケーブル類の電気接続部品には主にコネクタが用いられている。高い信頼性が求められるコネクタ端子表面には, ニッケル下地を施した硬質金めっきが多く用いられる。近年資源価格の高騰や環境負荷低減への要求が高まってきているが, 硬質金めっき皮膜の薄膜化には, その製品の機能に合致した新たな皮膜が求められている。本稿では, 硬質金めっき皮膜表面をメゾスコピック領域の微細な凹凸形状に制御した際に, コネクタ端子へ求められる諸特性がどのように変化するのか実験データをもとに解説する。

【目次】
1. はじめに
2. 実験方法
2.1 試料の作製
3. 表面にメゾスコピック構造を有する金めっき皮膜の各種特性
3.1 表面形態が与える摩擦摩耗特性への影響
3.2 表面形態が与える耐食性への影響
3.3 表面形態が与えるはんだ付け性
3.4 凹部にPTFE 粒子を充填させた試料の摩擦摩耗特性
4. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

凍結割断レプリカ法を用いたメゾスコピック構造解析  
Mesoscopic Structure Analysis Using The Freeze Fracture Replica Method

 メゾスコピックな領域の観察には, 電子顕微鏡が広く用いられているが, 電子顕微鏡内は高真空であるため, 液体やゲルなどを直接観察することは不可能である。そのため, 電子顕微鏡の前処理技術の一つである凍結割断レプリカ法を利用し, 液体の微細構造の電子顕微鏡解析を実施した。

【目次】
1. はじめに
2. 凍結技法
3. 凍結割断レプリカ法
4. 観察事例
4.1 ヨーグルト中に含まれる乳酸菌の観察
4.2 水中に含まれるウルトラファインバブル(ナノバブル)の観察
4.3 高分子ラテックスの分散状態観察
4.4 液体中の金属微粒子の分散状態観察
5. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

ナノスケール構造体であるゲルの幾つかの特性と環境・資源問題への利用の試み  
Some Properties of Gels as Nano-Scale Structral Materials and Attempts to Utilize for Solving Environmental and Resorce Issues

 溶媒である水中にナノスケール間隔で網目高分子が存在し, 独特の特性を示すハイドロゲルに関して, 筆者らが研究してきた二つの側面について述べる。一つ目は, その脱水過程, 乾燥物の特性・ナノ構造についてであり, 二つ目は, 稠密に存在する高分子網目を活用した高効率環境浄化・資源回収材料としての利用に関するものである。

【目次】
1. はじめに:ナノスケール構造体としてのゲル
2. ハイドロゲルの脱水媒過程における特性変化, 乾燥物の特性・ナノスケール構造
2.1 乾燥ゲルにおけるナノスケール構造
2.2 重金属吸着ゲル乾燥物のナノスケール構造
3. ゲルの環境浄化材料としての利用の試み
3.1 重金属吸着
3.2 吸脱着の繰り返し利用
4. 終わりに

-------------------------------------------------------------------------

メゾスコピック多孔質構造を利用した機能性セラミックスの開発     
Functional Ceramics with Various Mesoscopic Porous Structure

 2050年にCO2排出量80%削減を目指し, 「つくる」, 「つかう」, 「もどす」の各段階で環境負荷を下げながら商品価値の向上を同時に実現するための研究開発を進めている。電気を使わず自律的に湿度を調整するタイルなど, 土がもつ細孔構造の特徴を学び, 本稿ではメゾスコピック多孔質構造を利用した機能性セラミックスについて紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 土の呼吸メカニズムを利用した自律型調湿タイル
3. ナノ多孔質セラミックス粒子を用いた真空断熱材
3.1 ナノ多孔質セラミックス粒子を用いた真空断熱材
3.2 真空断熱材の実証試験による省エネ効果の検証
4. ナノ親水技術を用いた防汚タイル
5. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

[研究開発情報/Report of Research & Development]

新規光硬化性アクリル系エラストマーの開発
Development of Acrylic Photocurable Elastomer

 柔軟なエラストマー部と光硬化性部をブロック化した構造を有する光硬化性アクリル系エラストマーを開発した。速硬化性, 柔軟性, 透明性, 耐候性などの特徴に加え分子設計の自由度も高く, 光硬化樹脂の一成分である重合性オリゴマーとして使用することで新規な用途への展開が期待される。

【目次】
1. はじめに
2. 「新規光硬化性アクリル系エラストマー」のコンセプト
3. 「新規光硬化性アクリル系エラストマー」の特性と応用展開
3.1 基礎物性
3.2 硬化速度
3.3 各種重合性モノマーとの相溶性
3.4 接着性
3.5 配合物の力学物性
4. まとめ

-------------------------------------------------------------------------

[連載] バイオプラスチックを巡って

連載開始にあたって

第1回:何故バイオマス由来なのか

 プラスチック製品の最終処分で発生する温室効果ガスのうち, バイオマス起源のフィードストック由来分が炭素オフセットされる素材として“バイオプラスチック”への関心が改めて高まっている。その動向と近未来展望などを月に1度掲載するに際して, 今回はその最初となることから, 開発・普及に関わる立場から何故バイオプラスチックが注目されるのか, その背景を紹介する。

【目次】
1. バイオマスとは
2. バイオマス由来資材の特性(“ナショナル・インベントリ”における扱い)

-------------------------------------------------------------------------

[ケミカルプロフィル]

三酸化ビスマス(Bismuth trioxide)
4-ヒドロキシブチルビニルエーテル(4-Hydroxybutylvinylether)

-------------------------------------------------------------------------

[ニュースダイジェスト]

・海外編
・国内編
【著者一覧】
海宝龍夫 ヨウ素学会/(株)合同資源
森本功治 立命館大学
土肥寿文 立命館大学
北 泰行 立命館大学/大阪大学
M. Uyanik 名古屋大学
石原一彰 名古屋大学
今関重明 和光純薬工業(株)
酒井信彦 和光純薬工業(株)
矢倉隆之 富山大学
S. M. Huber ルール大学ボーフム
D. Bulfield ルール大学ボーフム
宮本充彦 (株)合同資源 
後藤 淳 南洋工科大学
石原伸英 (公社)新化学技術推進協会

-------------------------------------------------------------------------

【特集】ヨウ素触媒の開発最前線

-------------------------------------------------------------------------

特集にあたって
Introduction

-------------------------------------------------------------------------

有機ヨウ素触媒酸化的ビアリールカップリング―フェノール類の選択的クロスカップリングへの展開―
Organo Iodine Catalyzed Oxidative Biaryl Coupling―Development for Seletive Cross-Coupling of Phenols―

 筆者らは超原子価ヨウ素反応剤を用いる反応開発研究を精力的に行っており, 世界初のメタル触媒フリーの酸化的カップリング反応を見出し, 目下その展開を図っている。特に最近, ヘテロ原子を有する芳香族化合物の触媒的酸化的クロスカップリングに注目し, 研究を行ってきた。本稿では, フェノール類の選択的クロスカップリングの成功に至った経緯を紹介する。本結果は有機触媒を用いたフェノール類のメタル触媒フリーな初めての例である。

【目次】
1. はじめに
2. フェノール類の触媒的クロスカップリング反応
3. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

キラル第四級アンモニウム次亜ヨウ素酸塩触媒
Chiral Quaternary Ammonium Hypoiodite Catalysis

 過酸化水素あるいはアルコール過酸化物の存在下, キラルヨウ化第四級アンモニウムからin situで調製される次亜ヨウ素酸塩を触媒活性種に用いるエナンチオ選択的酸化的環化反応を開発した。本酸化システムの詳細な触媒機構を解明することで, 高活性な不斉有機酸化触媒システムの構築に成功し, 多くの生物活性物質に含まれる2,3-ジヒドロベンゾフラン, クロマン, テトラヒドロフラン, およびスピロラクトン骨格の新規不斉合成を達成した。

【目次】
1. はじめに
2. β-ヒドロキシフェニルケトンのエナンチオ選択的酸化的エーテル五員環化反応(2-アシル-2,3-ジヒドロベンゾフランの不斉合成)
3. γ-ヒドロキシフェニルケトンのエナンチオ選択的酸化的エーテル六員環化反応(トコフェロール類の不斉合成)
4. δ-ヒドロキシケトンのエナンチオ選択的酸化的エーテル五員環化反応(2-アシルTHF類の不斉合成)
5. 1-ナフトール類のエナンチオ選択的酸化的脱芳香族化反応(スピロラクトンの不斉合成)
6. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

光開始剤としてのジアリールヨードニウム塩
Diaryliodonium Salts as Photo Initiator

 様々な分野で活用されているヨウ素化合物であるが, 超原子価ヨウ素化合物の一つであるジアリールヨードニウム塩は光分解特性を有しており, この性質を活用して光酸発生剤・光カチオン開始剤として多くの分野で用いられている。本稿では, ジアリールヨードニウム塩の合成について述べた後, その光分解と活用分野について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. ジアリールヨードニウム塩の一般的な合成法
3. ジアリールヨードニウム塩の光分解
4. ジアリールヨードニウム塩の光開始剤としての展開
5. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

ハイブリッド型酸化触媒
Hybrid Catalyst for Alcohol Oxidation

 2種類の異なる触媒2,2,6,6-Tetramethylpiperidine-1-oxyl(TEMPO)とヨードアレーンが連結したハイブリッド型触媒をデザイン, 合成した。本触媒はアルコール類から対応するカルボニル化合物への酸化反応に有効で, さらに本酸化反応では環境負荷の少ない過酢酸が使用可能となった。本触媒はただ一つの分子で複数の異なる触媒反応を連続的に進行させることができる新発想の触媒である。

【目次】
1. はじめに
2. アルコール酸化
3. 2,2,6,6-Tetramethylpiperidine-1-oxyl(TEMPO)-ヨードアレーン複合触媒
4. ハイブリッド型触媒
5. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

ハロゲン結合供与体触媒
Halogen Bond Donor Catalysis

 ハロゲン結合は, 求電子的なハロゲン置換基に基づく, 水素結合と類似の非共有結合性の相互作用である。近年ハロゲン結合が活性化剤あるいは有機分子触媒の設計に重要な(鍵)相互作用として導入されている。本稿では, ハロゲン引抜き反応あるいはDiels-Alder反応などに対するハロゲン結合供与体触媒の活用に関して概説する。

【目次】
1. はじめに
2. ハロゲン結合の歴史と定義
3. 水素結合とハロゲン結合の比較
4. 水素結合による有機合成触媒反応
5. ハロゲン結合
6. ハロゲン結合によるハライドの引抜き反応
7. 中性化合物の活性化
8. 結論と展望

-------------------------------------------------------------------------

有機ヨウ素化合物を用いた有機触媒型リビングラジカル重合
Living Radical Polymerization with Organic Catalysts Taking Advantage of Organo-Iodide Compounds

 有機ヨウ素化合物は, 優れた有機ラジカル発生源としてさまざまな合成反応に利用されている。本稿では, 有機ヨウ素触媒ならびに有機ヨウ素開始剤を用いたリビングラジカル重合による高分子の精密合成について概説する。有機ヨウ素開始剤の構造を選択することによってブロックポリマー, 星型ポリマー, 表面ブラシポリマーなど特殊構造のポリマーを作り分けることができる。さらに末端官能化も可能で, 新規素材の開発が期待される。

【目次】
1. はじめに
2. リビングラジカル重合の原理と特長
3. 有機ヨウ素開始剤
4. ブロック共重合体の合成
4.1 トリブロック共重合体
4.2 マルチブロックポリマー
4.3 末端官能基ポリマー
4.4 ポリマーブラシ
5. 用途
5.1 ブロック共重合体の実用例
5.2 リビングラジカル重合と新規共重合体の用途
6. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

[Congress Report]

第5 回JACI/GSC シンポジウム 報告
Report of The 5th JACI/GSC Symposium(2016)

 公社新化学技術推進協会(JACI)が主催する「第5 回JACI/GSCシンポジウム」は, 「新たなグリーン・サステイナブル ケミストリーの幕開け」をテーマに, 昨年度の様々な分野を超えた連携による「GSC 発展の新たな方向」の具現化を目指し, 2016年6月2日と3日の2日間, ANAクラウンプラザホテル神戸において開催されたので報告する。

【目次】
1. はじめに
2. プログラム
2.1 開会の挨拶
2.2 1日目の講演
2.3 GSC賞・STGA表彰式
2.4 2日目の講演
2.5 ポスターセッション
2.6 企業・団体活動紹介
2.7 閉会の挨拶

-------------------------------------------------------------------------

[ケミカルプロフィル]

臭化テトラ-n-ブチルアンモニウム(Tetra-n-butylammonium bromide)
ヨウ化メチル(Methyl iodide)

-------------------------------------------------------------------------

[ニュースダイジェスト]

・海外編
・国内編

-------------------------------------------------------------------------

・月刊ファインケミカル 2016 年総目次(Vol.45 No.1~12)
【著者一覧】
丸山一雄 帝京大学
曽宮正晴 国立がん研究センター研究所
黒田俊一 大阪大学
田原義朗 京都大学
秋吉一成 京都大学
小林 功 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
山中洋平 筑波大学
中嶋光敏 筑波大学
笹井愛子 ホソカワミクロン(株)
辻本広行 ホソカワミクロン(株)
三羽信比古 県立広島大学
山本浩充 愛知学院大学
川島嘉明 岐阜薬科大学
小林克利 ナノキャリア(株)
城戸義幸 ナノキャリア(株)
緒方嘉貴 ナノキャリア(株)
山口葉子 (株)ナノエッグ
毛利善一 (一社)再生医療イノベーションフォーラム 




-------------------------------------------------------------------------

【特集】DDS設計開発の最新研究―薬物送達・化粧品・機能性食品への応用―

-------------------------------------------------------------------------

特集にあたって
Introduction

-------------------------------------------------------------------------

機能性リピッドバブルを用いた超音波セラノスティクス   
Ultrasound Theranositcs with Lipid Bubbles

 超音波とバブル製剤を組み合わせて, 診断と治療を行うセラノスティクスが注目されつつある。本稿では, セラノスティクスに対応するバブル製剤が無いため, 筆者らが開発中のリピッドバブルについての実験成果を紹介し, その可能性について解説する。

【目次】
1.はじめに
2.超音波造影と超音波造影剤
3.超音波応答性リピッドバブル製剤の開発
4.RGD-リピッドバブル(RGD-LB)による血栓に対する超音波セラノスティクス
5.リピッドバブル(LB)による超音波セラノスティクス
5.1 腫瘍新生血管透過性亢進による薬物送達
5.2 リピッドバブル(LB)と超音波によるBBB透過性亢進
6.BBBオープニング・腫瘍新生血管オープニングによる薬物送達―ヒトでの実施例―
7.将来展望
7.1 核酸搭載可能リピッドバブルの開発
7.2 標的指向型超音波造影剤の開発
8.おわりに

-------------------------------------------------------------------------

バイオミミック技術によるDDSナノキャリアの開発:B型肝炎ウイルス感染機構に基づくバイオナノカプセルを中心に
Development of Drug Delivery System Nanocarrier by Biomimicking Technology:Bio-Nanocapsule Based on Hepatitis B Virus Early Infection Machinery 

 生物やウイルスが有する様々な機能に着想を得て, 同構成成分を模倣したドラッグデリバリーシステム(DDS)の開発が進みつつある。本稿では, 筆者らが開発したB型肝炎ウイルス感染機構に基づくDDS用ナノキャリア「バイオナノカプセル」を例にとり, バイオミミック技術による新しいDDS用ナノキャリア開発戦略について紹介する。

【目次】
1.はじめに
2.生物由来ナノキャリアの開発動向
3.バイオナノカプセル(BNC)
4.最後に

-------------------------------------------------------------------------

自己組織化ナノゲルによるDDS開発
Development of Self-Assembled Nanogels for DDS

 自己組織化ナノゲルはDDSにおける重要なナノキャリアとして, がんワクチンや経鼻ワクチン等への応用において成果を上げてきた。近年ではナノゲルを構成単位とするナノゲルテクトニック材料も開発され, 骨再生のための足場材料への応用等もなされている。本稿では自己組織化ナノゲルを基盤としたDDSについて, これまでの研究成果を述べる。

【目次】
1.はじめに
2.自己組織化ナノゲルとは
3.CHPナノゲルによるがんワクチン療法
4.カチオン性ナノゲルによる経鼻ワクチンと核酸デリバリー
5.ナノゲルテクトニック材料の利用
6.おわりに

-------------------------------------------------------------------------

食物繊維を利用した静電積層法による食品用エマルションの高安定化
Stability Improvement of Food-Grade Emulsions by Layer-by-Layer Deposition Using Dietary Fibers

 食品用エマルションの分散安定性は, 電荷の異なる物質を液滴表面に交互に吸着させる静電積層法の適用により向上可能である。複数の食物繊維を利用した静電積層法による単分散O/WエマルションおよびW/O/W エマルションの高安定化に関して, 筆者らの最近の研究で得られた知見について紹介する。

【目次】
1.はじめに
2.マイクロチャネル乳化と静電積層法を併用した単分散O/Wエマルションの高安定化
2.1 マイクロチャネル乳化装置
2.2 マイクロチャネル乳化の基本特性
2.3 単分散O/Wエマルションの作製
2.4 食物繊維を利用した静電積層
3.静電積層法を利用したW/O/Wエマルションの高安定化
3.1 親水性機能性成分を内包したW/O/Wエマルションの作製
3.2 食物繊維を利用した静電積層
4.おわりに

-------------------------------------------------------------------------

PLGAナノ粒子の機能性化粧品への応用
Application of PLGA Nanoparticles for Functional Cosmetics

 近年, スキンケア化粧品の開発では, 有効成分をいかに効率よく標的部位である皮膚深部へと送達し, その効果を高めるかが求められる。その達成に向けてさまざまなナノカプセル技術が応用されているが, ホソカワミクロン(株)では, 「乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)からなる球形固体粒子である“PLGAナノ粒子”」が薬物皮膚浸透性を促進させることを見出し, 上記課題に応えうるナノテク技術として提案している。

【目次】
1.はじめに
2.PLGAナノ粒子の特徴と製法
3.化粧品基材としてのPLGAナノ粒子
3.1 皮膚浸透性と徐放性
3.2 保湿効果とターンオーバー促進効果
4.機能性化粧品への応用
4.1 PLGAナノ粒子の毛穴へのアプローチ
4.2 皮脂分泌抑制能およびニキビ抑制機能からの考察
4.2.1 皮脂分泌抑制効果
4.2.2 ニキビ抑制効果
4.2.3 毛穴の目立ち改善効果
5.おわりに

-------------------------------------------------------------------------

高分子ミセルのDDS開発
Development of Polymeric Micelle DDS

 近年, ナノ粒子を用いたドラックデリバリーシステム(DDS)の研究開発が活発化している。抗がん剤であるシスプラチンを内包する高分子ミセル製剤NC-6004もその一つであり, 副作用を低減したがん治療薬の実現を目指し, 臨床開発が進められている。本稿では, その発見から開発の経緯, および最近の構造解析の結果について紹介する。

【目次】
1.はじめに
2.シスプラチン内包高分子ミセル
3.NC-6004の開発
4.NC-6004の構造解析
5.おわりに

-------------------------------------------------------------------------

経皮吸収のための新しいDDS技術
The New DDS Technologies for Transdermal Absorption

 DDS研究では様々な投与経路が検討されるが, 我々は皮膚からの浸透に関し研究を行っている。本稿では, 2つの経皮吸収(ナノカプセルと浸透促進ジェル)技術を紹介する。これら技術は, 物性値だけでなくヒトでの臨床効果まで研究が進められ, スキンケア化粧品や研究試薬としても使用されている。

【目次】
1.はじめに
2.針を用いないTDSの新概念
2.1  皮膚浸透型ナノカプセルall-transレチノイン酸の場合
2.2 皮膚浸透型ナノカプセルα-リポ酸の場合
2.3 角質内浸透経路の構築
3.おわりに―革新的経皮吸収技術は世界中の子ども達を救う!?―

-------------------------------------------------------------------------

[TOPICS]

再生医療等製品の開発と再生医療イノベーションフォーラム

【目次】
1.はじめに
2.再生医療・細胞治療の臨床研究から企業開発への動向
3.再生医療イノベーションフォーラム

-------------------------------------------------------------------------

[Congress Report]

『カーボンナノチューブの用途開発・実用化最新動向』セミナーへ参加して

【目次】
1.はじめに
2.講演概要
第1部:『単層カーボンナノチューブのデバイス応用に向けた技術開発』
第2部:『VGCF(R)のLiイオン電池への応用』
第3部:『長尺カーボンナノチューブの分散と透明導電膜, 帯電防止膜への応用』

-------------------------------------------------------------------------

[ケミカルプロフィル]

L-プロリン(L-Proline)
ミリスチン酸(Myristic acid)

-------------------------------------------------------------------------

[ニュースダイジェスト]

・海外編
・国内編
【著者一覧】
東海直治 (地独)大阪市立工業研究所
懸橋理枝 (地独)大阪市立工業研究所
橋本雅司 城西大学
中島範行 富山県立大学
濱田昌弘 富山県立大学
青木健一 東京理科大学
佐貫 淳 第一工業製薬(株)
中村志穂 第一工業製薬(株)
高崎幹大 関東化学(株)


-------------------------------------------------------------------------

【特集】高機能ゲル化剤の最前線

-------------------------------------------------------------------------

ジカルボン酸アミド型オイルゲル化剤
Synthesis and Gel Properties of Dicarboxamide Type Oil Gelators

 ジカルボン酸アミド型オイルゲル化剤は, 単純な分子構造で簡単に合成可能であり, 様々な油を低濃度でゲル化できる。これらのゲル化剤は炭化水素鎖長によってゲル化能が変化する。また炭化水素鎖長の異なる2 種のゲル化剤を混合することによって, 2種類の分子が混合した会合体が形成される。

【目次】
1.はじめに
2.ジカルボン酸アミド型オイルゲル化剤の合成とゲル化
3.ジカルボン酸アミド型オイルゲル化剤の分子構造とオイルゲルの温度特性
4.ジカルボン酸アミド型オイルゲル化剤の混合によるゲルの温度特性の効果
5.おわりに

-------------------------------------------------------------------------

ナトリウムアルコキシドとフラノン類からなる2 成分オイルゲル化剤の開発
Investigation of Self-Assembly of Two-Component Organogel System Based on Sodium Alkoxides and Cyclohepta[b]fran-2-one Derivatives

 筆者らは, 8-位にヒドロキシル基をもつシクロヘプタ[b]フラン-2-オン類とナトリウムアルコキシドの組み合わせが, 加熱工程の必要がなく様々な有機溶媒をゲル化できる2成分系のゲル化剤として機能することを見出した。本稿では, そのゲル化機構の解明と2成分系ゲル化剤のゲル化能について述べる。

【目次】
1.はじめに
2.低分子オイルゲル化剤
3.加熱工程を必要としないゲル化剤
4.イオン添加をトリガーとする2成分ゲル化剤
4.1 ゲル化機構の解明
4.2 金属アルコキシドの影響
4.3 2成分ゲル化剤のゲル化能
5.おわりに

-------------------------------------------------------------------------

ポリグリセリン脂肪酸エステルのゲル化剤への応用
Synthesis of Polyglycerol Fatty Acid Esters as Gelatinizing Agent

 ポリグリセリン脂肪酸エステルは, グリセリンを縮合したポリグリセリンと脂肪酸をエステル結合させた食品用乳化剤であり, 食品添加物として, HLBの幅が広いことから他の乳化剤に比べより広い範囲で利用されている。筆者らは, 精密有機合成の手法を用いて, 単一の重合度を持つ高純度な直鎖状および環状ポリグリセリンとその脂肪酸エステルの合成検討を行ってきた。ここでは直鎖状脂肪酸エステルの物性とゲル化剤への応用をまとめて報告する。

【目次】
1.はじめに
2.重合度や立体化学を制御したポリグリセリンおよび各種脂肪酸エステルの合成
3.ポリグリセリン脂肪酸エステルの物性と油脂ゲル化作用
3.1 臨界ミセル濃度と表面張力低下能
3.2 発色現象
3.3 油脂ゲル化剤
3.4 トリグリセリンステアリン酸エステル類の油脂ゲル化能試験
3.5 トリグリセリンジ脂肪酸エステル類の油脂ゲル化能試験
3.6 トリグリセリンジ脂肪酸エステルの植物油凝集挙動の解析
4.トリグリセリンジ脂肪酸エステルの経皮吸収促進作用への検討
5.まとめ

-------------------------------------------------------------------------

光重合性オルガノゲルの特性と展望
Properties and Outlook on Photopolymerizable Organogels

 本稿では, 有機溶媒中で分子集積により物理ゲルを形成し, その後の光照射により重合反応を起こす「光重合性オルガノゲル化剤」について概観する。ジアセチレン系オルガノゲル化剤はその代表例であり, 生じたゲルへの紫外光照射により1,4-付加重合を起こし, ゲル中にπ共役ポリマーであるポリジアセチレンが形成する。ここでは, ジアセチレンゲル化剤に関する研究の歴史的背景から出発し, 筆者らにより近年見出された新しいジアセチレンゲル化剤の特性や応用展開に向けた可能性について述べる。また, メタクリル系光重合性ゲル化剤についても触れ, これらゲル化剤を用いた分子配列状態の固定化や新しいデバイスの構築など, 興味深い事例についても紹介する。

【目次】
1.はじめに
2.ジアセチレン型オルガノゲル化剤
2.1 ジアセチレンの固相光重合
2.2 ジアセチレン系オルガノゲル
2.3 ジアセチレン系オルガノゲルの応用展開例
3.その他の光重合ゲルと応用展開例
4.おわりに

-------------------------------------------------------------------------

セルロース系増粘剤の電池への応用展開
Applied Development to the Battery of the Cellulose-based Thickener

 カルボキシメチルセルロース(CMC)は水溶性のセルロース誘導体であり, その優れた分散増粘特性によりこれまで多くの分野に応用されてきた。近年では, モバイル機器や電気自動車などの普及により市場の成長が著しい, リチウムイオン二次電池(LiB)にも使用されるようになっている。LiBにおけるCMCの役割と性能への寄与についてまとめた。

【目次】
1.CMCの基礎的性質
1.1 CMCの構造
1.2 CMCの粘性と水溶液のレオロジー
2.CMCとLiB
2.1 LiBの市場
2.2 LiBの概略とCMCの役割
3.LiB用CMCに求められる性能
4.電極の作製
4.1 スラリー作製方法
4.2 CMCの性能とスラリー
5.LiB用高粘度CMC の性能
5.1 LiB用高粘度CMC のろ過性評価
5.2 耐溶剤性
5.3 電極評価
5.4 電池の性能評価
6.おわりに

-------------------------------------------------------------------------

イオン性高分子ゲル化剤の開発
Development of Ionic Polymer Gelator

 電気化学デバイスへの応用を目指し, イオン性高分子ゲル化剤を開発した。このゲル化剤はアミノ基を持つ高分子と架橋剤(多価のTFSA化合物, TFSA:(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド))から構成される。両者を溶媒中で混合すると, 高分子と架橋剤が反応し, 架橋部がTFSAを対イオンとするオニウム塩を形成しゲル化する。このゲル化剤で得られる電解液ゲルは, 電解液本来の導電率を維持し, かつ高温時でもゲルを維持可能な特徴を示す。

【目次】
1.はじめに
2.ゲル化剤の設計
2.1 ゲル化剤開発に向けての方針
2.2 高分子架橋型ゲル化剤
2.3 イオン性高分子ゲル化剤
2.4 ゲル化に要する時間と使用量
3.電気化学デバイスへの応用に向けての評価
3.1 電解液のゲル化
3.2 イオン液体のゲル化
3.3 ゲル化時の導電率
3.4 ゲルの電気化学的安定性
3.5 ゲルの耐熱性
3.6 電気化学デバイスに向けて
4.種々の溶媒への適用
5.おわりに

-------------------------------------------------------------------------

市場情報 Market Report

-------------------------------------------------------------------------

電池用材料・ケミカルスの市場 2015

 2015年の一次電池・二次電池の合計出荷数量は, 前年比1.4%増の43億400万個となった。二次電池は, 2010年に民生需要の回復, 車載用リチウムイオン電池の市場の立ち上がりなどから, 高い成長を達成したが, 2011年は東日本大震災の影響により, 前年と比べ生産量が減少した。2012年はエコカー補助金の追い風を受け自動車生産は増加し, 2013年は反動でやや減少した。しかしながら, 環境負荷軽減の要請は高く, 2013年を底に増加に転じた。一次電池についても下げ止まりが見られた。電池用構成材料は, 使用される電池の出荷数量にほぼ比例した推移となっており, 様々な携帯機器に使用されているリチウムイオン電池向けの構成材料やハイブリッド自動車向けの需要拡大に加え, 電気自動車向けの需要に大きな期待が寄せられている。

【目次】
1.電池市場の概要
1.1 一次電池
1.2 二次電池
2.開発動向と構成材料
2.1 一次電池
2.2 二次電池
2.2.1 正極材
2.2.2 負極材
3.二次電池構成材料の市場
3.1 リチウムイオン電池構成材料の市場
3.1.1 正極材
3.1.2 負極材
3.1.3 電解液
3.1.4 セパレータ
3.2 ニッケル水素電池構成材料の市場

-------------------------------------------------------------------------

[ケミカルプロフィル]

・2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(2-Acrylamido-2-methylpropanesulfonic acid)
・アセトニトリル(Acetonitrile)
・パルミチン酸(Palmitic acid)

-------------------------------------------------------------------------

[ニュースダイジェスト]

・海外編
・国内編
7,700円
【著者一覧】
有原圭三 北里大学
小宮佑介 北里大学
小崎一功 名古屋大学
本多裕之 名古屋大学
米倉政実 茨城大学
高橋正和 福井県立大学
楠畑 雅 (株)ニッピ
田畑和彦 協和発酵バイオ(株)


-------------------------------------------------------------------------

【特集】機能性ペプチドの新展開

-------------------------------------------------------------------------

特集にあたって
Introduction

-------------------------------------------------------------------------

食品・ペットフード・化粧品における機能性ペプチドの利用       
Applications of Functional Peptides for Foods, Petfoods and Cosmetics

 アミノ酸とタンパク質の中間的な存在であるペプチドだが, アミノ酸やタンパク質とは似て非なる物質である。様々な作用を有する機能性ペプチドが, 多くの機能性食品(特定保健用食品, 機能性表示食品)などに広く利用されている。本稿では, 主に食品タンパク質の酵素分解により生成する機能性ペプチドの, 食品・ペットフード・化粧品における利用について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 機能性ペプチド
3. 食品タンパク質からのペプチド生成
4. 機能性ペプチドの食品への利用
5. 機能性ペプチドのペットフードへの利用
6. 機能性ペプチドの化粧品への利用
7. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

機能性ペプチドの探索技術
Screening and Design of Short-Chain Functional Peptides

 ペプチドは多様な構造を持つため食品素材, 医薬品原薬として注目され, 新規機能性ペプチドの探索が注目を集めている。本稿では, ペプチドをアレイ状に配置する技術を用いた候補化合物としての短鎖ペプチドの探索例を紹介すると共に, 配列機能解析による機能性ペプチドの特徴を絞り込む工学的なアプローチを紹介する。

【目次】
1. はじめに
1.1 ペプチドの多様性
1.2 ファージディスプレイ法との比較
1.3 受容体ライブラリーによる探索
1.4 ペプチドアレイ細胞機能アッセイ法
1.5 アミノ酸配列の残基置換
2. 配列―機能相関
2.1 コレステロール吸収抑制ペプチドのルール
2.2 細胞接着ペプチドのルール
3. その他の機能性ペプチド探索
3.1 遊離ペプチドライブラリー
3.2 細胞内機能性ペプチドライブラリー
4. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

未利用タンパク質資源からの機能性ペプチドの開発   
Development of Functional Peptides from Unutilized Protein Resources

 豆腐や分離大豆タンパク質の製造の際に排出される大豆オカラやホエイに含まれるタンパク質, ならびにローヤルゼリーを配合したドリンク剤などの製造過程で副生するタンパク質などは, 現在のところ未利用のタンパク質である。本稿では, それら未利用タンパク質を酵素で分解し, 血圧降下作用や抗酸化作用を有する機能性ペプチドとして開発し, 機能性食品や化粧品素材などへ有効利用を図る研究例を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 大豆ホエイタンパク質からの血圧降下ペプチドの開発
3. ローヤルゼリータンパク質からの抗酸化性ペプチドの開発
4. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

微生物プロテアーゼ解析と機能性ペプチド生産への利用
Functional Peptide Production with Chitin-Degrading Bacteria

 一般に機能性ペプチドは, 前駆体タンパク質の一次配列中に不活性な状態で埋込まれて存在しており, 適切な活性ペプチドの生産にはプロテアーゼの選択が重要である。本稿では未利用資源であるカニ甲殻タンパク質からの機能性ペプチド生産に注目し, キチン分解細菌を利用した検討事例を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. キチン分解細菌プロテアーゼの利用
2.1 キチン・キトサン分解細菌について
2.2 プロテアーゼ解析
3. FPU-7株を用いた発酵物の解析
3.1 カニ甲殻含有発酵物の調製とACE 阻害活性の解析
3.2 SHRラット血圧降下試験
3.3 ACE阻害ペプチドの単離
4. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

コラーゲンペプチドの今後の展開
The Next Development of Collagen Peptide

 近年, コラーゲンペプチドの経口摂取による効果の実証や作用メカニズムついての研究が報告されている。これまでコラーゲンペプチドは基原や分子量の違い等が強調される傾向であったが, 現在は作用メカニズムに基づいた, 新しい分解法の開発や応用が進められている。

【目次】
1. コラーゲンペプチド
2. コラーゲンペプチドの分子量
3. 皮膚に対するコラーゲンペプチド経口摂取の作用
4. 作用メカニズム
5. オリゴペプチド含有コラーゲンペプチドの開発
6. コラーゲン分解物の機能についての考察

-------------------------------------------------------------------------

ジペプチドの発酵生産
Fermantative Production of Dipeptides

 ジペプチドの新規製法として, それを構成するアミノ酸を汎用素材として利用できるまでにした革新技術である発酵法の拡張を想定し, その上で新しいジペプチド合成酵素を探索し, 発見した。そしてこの酵素活性を組み合わせることでアミノ酸と等しく安価かつ大量にジペプチドの発酵生産を実現することができた。

【目次】
1. はじめに
2. アミノ酸の発酵法による製法革新
3. アミノ酸を原料としたジペプチドの既存製法と新規製法のアイディア
4. アミノ酸から直接的にジペプチドを合成する酵素の発見
5. ジペプチド発酵製法の開発
6. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

市場情報 Market Report

-------------------------------------------------------------------------

健康食品・機能性食品工業の市場 2015

 2015年度の特定保健用食品(トクホ)市場規模は6,391億円で, 前年度比104.1%と増加した。健康食品市場においては, 依然として美容・アンチエイジング向けや抗肥満・ダイエット向けが市場を牽引しつつも, エナジードリンク市場の急成長により抗疲労向けが存在感をみせている。2015年4月に施行された「機能性表示食品制度」により, 新たな機能をアピールする商品や, 機能性を付与した生鮮食品市場が拡大している。

【目次】
1. 健康食品と機能性食品
2. 機能性表示食品制度
3. トクホ市場動向
4. トクホ以外の健康食品市場動向
4.1 美容・アンチエイジング関連
4.2 抗肥満・ダイエット関連
4.3 ロコモティブシンドローム・サルコペニア関連
4.4 抗疲労関連
4.5 免疫賦活関連
4.6 機能性野菜

-------------------------------------------------------------------------

食品添加物工業の市場2015

 食品添加物は, 人口減少が進むわが国においては成熟した市場となっており, 近年横ばいに推移している。消費者の健康・安全への関心の高まりもあり, 一部の食品添加物に対して忌避傾向がみられる一方, メーカー側では合成系から天然系へのシフトや, 健康関連商品への採用を狙う動きがみられ, 市場を拡大した添加物もあった。厚生労働省が食品添加物の申請から使用までのプロセスの円滑化を目的とした「食品添加物指定等相談センター」を開設したことで, 今後, 食品添加物の指定増加が予想される。

【目次】
1. 概要
2. 需給動向
2.1 甘味料
2.2 着色料
2.3 保存料・殺菌剤(防腐剤)
2.4 酸化防止剤
2.5 酸味料
2.6 調味料
2.7 その他の食品添加物

-------------------------------------------------------------------------

ケミカルプロフィル

・γ-アミノ酪酸(γ-Aminobutyric acid)
・キチン・キトサン(Chitin/Chitosan)

-------------------------------------------------------------------------

ニュースダイジェスト

・海外編
・国内編
7,700円
【著者一覧】
菅沼克昭 大阪大学
荒木圭一 (株)KRI
岡部祐輔 セメダイン(株)
矢田部剛 日立化成(株)
阿部秀則 日立化成(株)
柴田智章 日立化成(株)
天童一良 日立化成(株)
峯岸知典 日立化成(株)
田實佳郎 関西大学
山本智義 帝人(株)
木村 睦 信州大学
金村聖志 首都大学東京


-------------------------------------------------------------------------

【特集】ウェアラブル・フレキシブルデバイスのためのケミカルス

-------------------------------------------------------------------------

ウェアラブル・デバイスのための印刷配線技術
Printed Electronics for Wearable Applications

 IoTの入り口を担うウェアラブルデバイスのための要素技術として, プリンテッド・エレクトロニクスが大きく飛躍しようとしている。ナノインク配線技術とセンサー技術, さらにはエネルギー供給デバイスの実現など, 幅広い開発が進みつつある。本稿では, ウェアラブルデバイスへ向けたプリンテッド・エレクトロニクス技術開発の現状を紹介する。

【目次】
1. IoTとウェアラブル・デバイス
2. ウェアラブルで必要とされる要素技術
3. センサ技術
4. 配線材料
4.1 高分子
4.2 炭素ナノ材料
4.3 金属インクと導電性接着剤
5. 印刷で形成する他のウェアラブル・デバイス
6. これから

-------------------------------------------------------------------------

塗布型フレキシブル熱電変換素子の開発
Development of Printed Flexible Thermoelectric Devices

 近年, エネルギーハーベスティングやウェアラブル機器用の電源として熱電変換技術が脚光を浴びている。新しい用途に合せて, 熱電変換素子の形態に対する要求も, 従来の硬くて丈夫なものから, 柔軟で軽いものに変化していくと予想される。本稿では, この新しい熱電変換素子=フレキシブル熱電変換素子の実現に向けた, 我々の取り組みについて紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. フレキシブル熱電変換素子とは
3. ナノ粒子の合成
4. インク化
5. 薄膜の作製~カレンダ処理
6. π型フレキシブル熱電変換素子の作製
7. ファブリックモジュール
8. まとめと今後の展望

-------------------------------------------------------------------------

低温硬化・フレキシブル導電性接着剤の開発と応用             
Development and Application of Low-Temperature Curable, Flexible Electrical Isotropic Conductive Adhesive

 全てのモノがインターネットに接続されるIoT (Internet of Things) は我々の生活を一変させる可能性を示し, 大きなビジネスチャンスとして注目されている。一方, 全てのモノに電気的機能を付与するとき, 従来の技術では対応できない部分が出てくる。本稿では, 次世代デバイスの接合材に対するニーズを満たすべく開発した導電性接着剤の特性について述べる。

【目次】
1. はじめに
2. エレクトロニクスの現状
3. 設計コンセプト
4. 低温硬化・フレキシブル導電性接着剤の特長
5. 応用例1 (EMIシールド)
6. 応用例2 (印刷による配線形成)
7. 応用例3 (非耐熱性基材への適用)
8. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

ウェアラブルデバイス用伸縮絶縁材料の開発
Development of Stretchable Insulating Material for Wearable Devices

 日立化成㈱では, 衣類型ウェアラブルデバイス (スマートウェア用途) に焦点を当て, 「伸縮性」, 「曲げ性」, 「防水性」, および「洗濯性」などをキーワードに, 高機能な新規材料の開発を進めてきた。本稿では開発中の伸縮絶縁材料について, 各種信頼性試験を実施しながら封止材用途, および基材用途としての適性を検討した結果を述べる。

【目次】
1. はじめに
2. 当社の伸縮絶縁材料の開発経緯
3. 伸縮絶縁材料の評価方法と基準
4. 信頼性試験結果
4.1 曲げ試験
4.2 伸び試験
4.3 防水試験
4.4 洗濯試験
4.5 バイアスHAST試験
4.6 温度サイクル試験
4.7 耐熱試験
5. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

ポリ乳酸を使用した圧電ファブリック
Piezoelectric Polylactic Acid Fabric

 現在wearableセンサは“身に着ける”時代から“着る”時代に移っている。その中でそれを実現するポリ乳酸は圧電センサ材料として注目されてきた。我々はポリ乳酸繊維を用い, 着るセンサ材料として圧電ファブリックを実現した。本稿ではフィルム研究から始まったポリ乳酸の圧電性研究を簡単に概観し, 圧電ファブリックについて述べる。

【目次】
1. はじめに―フィルム型センサの発展―
2. PLLA繊維の圧電性
2.1 曲げ圧電性
2.2 PLLAコイル型センサ
2.3 Wコイル型センサ
3. 圧電ファブリック
3.1 PLLA繊維を用いた圧電デバイス
3.2 圧電ファブリックの構造
3.3 圧電ファブリックからの圧電信号とデバイス
3.4 圧電ファブリックセンサの有用性
3.5 圧電ファブリックに期待される用途
4. おわりに

-------------------------------------------------------------------------

有機導電性繊維を用いたセンサー機能を持つニット素材の開発        
Development of Wearable Sensors Using Organic Conductive Fibers

 衣服やインテリアなどの繊維製品に様々な機能を導入することができれば, 違和感なく色々なサービスを受けられることとなる。繊維自体をデバイス化し編織によって多機能化することで繊維製品のIoT化が可能となる。本稿では, 繊維の導電性化および編構造形成によるセンサー機能に関し概説する。

【目次】
1. はじめに
2. 有機導電性繊維の開発
3. 有機導電性繊維の布帛化
4. 有機導電性繊維を電極とした生体信号センシング
5. まとめ

-------------------------------------------------------------------------

フレキシブルデバイス用小型電源
Small Power Source for Flexible Device

 電池の開発はこれまで長年に渡り行われ, 自動車のエンジン始動用電池, 携帯電話の電源, ノート型携帯コンピューターの電源など幅広い用途に用いられてきた。最近では, ハイブリッド自動車や電気自動車の電源, 太陽光発電や風力発電の電源として使用されている。電池が大型化する一方で, 新しい分野の電池として小型の電池にも興味が持たれている。特に, フレキシブルな電池は応用範囲が広いと考えられ, 期待されている電池である。 ここでは, フレキシブルな電池に関する研究開発の前に必要となるマイクロ電池 (小型電池) に関する研究開発について最初に紹介する。

【目次】
1. 小型電池
2. マイクロ電池
3. フレキシブル電池
3.1 一次電池
3.2 二次電池
4. まとめ

-------------------------------------------------------------------------

市場情報 Market Report

-------------------------------------------------------------------------

フラットパネルディスプレイ用ケミカルスの市場 2015

 フラットパネルディスプレイ市場は, 約90%を占める液晶の動きに大きく左右される。2014年の世界のフラットパネルディスプレイ市場は, パソコン (PC) 市場は低水準であったが, 4Kテレビや大型液晶テレビ, スマートフォンやタブレット向けが伸びて市場を牽引した。大型液晶全体の出荷数量は横ばい, 出荷金額ベースは2%程度の伸びと見込まれている。一方, 中小型液晶では, スマートフォン向けの需要が伸びているが, 単価は下落し出荷金額は若干減少する見込みである。有機ELについては, ウェアラブル端末の市場拡大が期待されるが, 小型で単価が安いことや, スマートフォン向け製品の単価下落によって, 出荷金額では成長の減速が予想される。こうした結果から, フラットパネルディスプレイの世界市場は, 約11兆5,000億円と見込まれている。これは, 2013年の約11兆3,150億円に比べ, 1.6%の伸びである。今後は, その他のフラットパネルディスプレイの開発競争の激化が予想される。また, フラットパネルディスプレイの部材・構成材料の市場では, これまで日本メーカーが優位に立ってきたが, 韓国や台湾, 中国メーカーの部材国産化政策により一部材料では日本メーカーがシェアを落としている。

【目次】
1. フラットパネルディスプレイ市場
2. 液晶ディスプレイ市場
3. プラズマディスプレイパネル市場
4. 有機EL市場
5. 電子ペーパー市場
6. 液晶ディスプレイ構成材料
6.1 概要
6.2 光学フィルム
6.2.1 偏光フィルム
6.2.2 位相差フィルム
6.2.3 視野角拡大フィルム
6.2.4 拡散フィルム
6.2.5 プリズムシート
6.2.6 反射フィルム
6.3 バックライトユニット
6.3.1 バックライトの構成
6.3.2 導光板
6.3.3 LED光源
7. 有機EL構成材料

-------------------------------------------------------------------------

タッチパネル工業の市場 2015

 タッチパネルの需要は, スマートフォン向けを中心に堅調に拡大を続けているが, 2014年はタブレット端末やノートPCの販売不振により, 上げ幅が若干鈍化した。材料では, 非ITO系の透明導電フィルムの開発が進んでいる。インセル型, オンセル型の普及も着実に進んでいる。メーカー間でのシェア争いはますます激しくなっており, タッチパネル業界は依然として市場での生き残りを賭けた競争が続いている。

【目次】
1. 概要
2. 市場動向
3. 材料・開発動向
4. 企業動向

-------------------------------------------------------------------------

ケミカルプロフィル

ビニルスルホン酸ナトリウム(Sodium vinylsulfonate)
メタクリル酸クロライド(Methacryloyl chloride)

-------------------------------------------------------------------------



・海外編
・国内編
7,700円
-------------------------------------------------------------------------

【特集】水銀処理の現状と最新技術 ―いよいよ迫る国際条約,水銀除去,水銀保管の現状と対応―

-------------------------------------------------------------------------

特集にあたって
Introduction

幾島賢治 (IH テクノロジー(株))

-------------------------------------------------------------------------

水銀による環境の汚染の防止に関する法律
The Act on Preventing Environmental Pollution of Mercury

江藤文香 (環境省)

 「水銀に関する水俣条約」(以下「条約」という)を国内で実施するための措置および条
約の規定以上の追加的な措置を講ずる「水銀による環境の汚染の防止に関する法律」(平
成27 年法律第42 号。以下「法」という)が第189 回国会において成立し,平成27 年6
月19 日に公布された。本稿では法の内容について詳述する。

【目次】
1.経緯と背景
2.法律の概要
2.1 水銀等による環境の汚染の防止に関する計画
2.2 水銀の掘採の禁止
2.3 水銀使用製品の製造等に関する措置
2.3.1 特定水銀使用製品の製造に関する規制
2.3.2 特定水銀使用製品の使用の制限
2.3.3 新用途水銀使用製品の製造等に関する規制
2.3.4 水銀使用製品の適正回収のための責務
2.4 特定の製造工程における水銀等の使用の禁止
2.5 水銀等を使用する方法による金の採取の禁止
2.6 水銀等の貯蔵に関する措置
2.7 水銀含有再生資源の管理に関する措置
2.8 報告の徴収および立入検査等
2.9 資料の提出の要求
2.10 施行期日

-------------------------------------------------------------------------

活性炭を利用した水銀処理の開発動向
Recent Progress of Mercury Removal Using Activated Carbon

山浦弘之 (愛媛大学)
八尋秀典 (愛媛大学)

 世界的な水銀汚染防止の観点から,水銀の環境中への人為的放出量を削減する必要があ
る。特に化石燃料由来の微量水銀が問題となっており,安価で簡便な活性炭を用いた吸着
除去が望まれている。本稿では水銀吸着除去用の活性炭の開発動向と気相および液相から
の水銀除去について紹介する。

【目次】
1.はじめに
2.水銀処理の研究開発動向
3.活性炭を用いた気相中の水銀除去
4.活性炭を用いた液相中の水銀除去
5.水銀吸着性能に及ぼすpH の影響
6.おわりに

-------------------------------------------------------------------------

最新の水銀除去技術
Technology of Mercury Removal

幾島嘉浩 (IH テクノロジー(株))
幾島將貴 (IH テクノロジー(株))

【目次】
1.はじめに
2.日本の水銀除去技術
2.1 IH テクノロジー
2.1.1 水銀の吸着剤の評価
2.1.2 水銀除去機構の解析
2.1.3 水銀除去装置の国内外の評価
2.1.4 水銀除去装置の稼動実績
2.2 ダイソーエンジニアリング
2.3 日揮,米国UOP 社
3.海外の水銀除去技術
3.1 ジョンソン・マッセイ社
3.2 アクセンス社

-------------------------------------------------------------------------

水銀含有廃棄物処理と水俣条約対応について
Treatment of Mercury-Containing Waste and Operating Within the Scope of the Minamata Convention

藤原 悌 (野村興産(株))

 発展途上国における金の採掘などによる水銀の自然への人為的排出を抑制し,地球規模
の環境汚染や健康被害を防ぐことを目的として,2013 年10 月に熊本市および水俣市で水
銀に関する水俣条約の外交会議およびその準備会合が開催された。3 月末現在128ヵ国が
署名,25ヵ国が批准しており条約発効時期が近づいてきている。ここでは当社の水銀廃棄
物処理事業や水俣条約担保措置による水銀廃棄物処理への影響について説明する。

【目次】
1.会社概要
2.水銀について
3.水銀廃棄物
4.水銀廃棄物の処理について
5.委託製錬事業
6.水銀販売
7.水俣条約上の水銀廃棄物取扱いについて

-------------------------------------------------------------------------

市場情報 Market Report

-------------------------------------------------------------------------

石油製品添加剤工業の市場動向

 石油製品添加剤の需要は,その用途先となる燃料油や潤滑油などの需要に大きく左右さ
れる。2008 年秋からの世界同時不況の影響で自動車,機械,電気機器などが大幅減産と
なり,その影響で石油製品,石油製品添加剤需要も落ち込みが続いた。2010 年に回復の
兆しが見られたものの,東日本大震災や景気低迷,エネルギー政策の迷走等により,先行
きは不透明なものとなり,需要は横ばい状態にある。

【目次】
1.概要
2.需給動向
2.1 燃料油添加剤
2.2 潤滑油添加剤
3.添加剤メーカーの動向

-------------------------------------------------------------------------

水処理薬品・膜工業の市場動向

 人口増加と生活水準の向上で,世界で取水される水の量が急増している。2025 年には,
2000 年と比べて約3 割増える見通しである。水需要の増加や環境規制の強化とともに水
処理の必要性が高まっている。世界中の企業が水処理の分野で凌ぎを削っている中で,日
本の水処理・水再生の技術はリードしている。その背景には,世界トップ品質の水処理薬
品,最先端の水処理膜の存在がある。水処理薬品の2014 年需給は,生産,出荷ともに微
減となった。生産量は主要無機系凝集剤3 品目で119 万7,226 トン,前年と比べ微減とな
った。水処理膜は海水淡水化や排水再利用などの用途で海外需要が大きい。部材や装置単
体では国内メーカーが高い技術力をもっており,世界市場でも高いシェアを獲得してい
る。ただ,世界で水処理膜事業に新規参入する企業が増加しており,供給過剰気味で価格
競争が激化している。

【目次】
1.概要
1.1 水処理薬品
1.2 水処理膜
2.需要動向
2.1 水処理薬品
2.1.1 硫酸アルミニウム(硫酸バンド)
2.1.2 ポリ塩化アルミニウム(PAC)
2.1.3 活性炭
2.2 水処理膜
2.2.1 逆浸透(RO)膜
2.2.2 ナノろ過(NF)膜
2.2.3 限外ろ過(UF)膜
2.2.4 精密ろ過(MF)膜
2.2.5 膜分離活性汚泥法(MBR)

-------------------------------------------------------------------------



1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(1,4-Bis(diphenylphosphino)butane)
ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)

-------------------------------------------------------------------------



・海外編
・国内編
おすすめの購読プラン

商品情報・内容

■ 調査・資料・報道・抄録ファイン化をめざす化学業界人の必携書

本誌は、ファインケミカル分野で国内唯一の専門情報誌です。シーエムシー出版の豊富な蓄積と情報網をもとに、ファイン関連の動向を深く、広範囲に、正確に捉え、「仕事に直結する」最新情報を提供しています。

無料サンプル

■ 2010年11月号 (2010年10月15日発売)

2010年11月号 (2010年10月15日発売)をまるごと1冊ご覧いただけます

サンプルを見る

この雑誌の読者はこちらの雑誌も買っています!

ファインケミカルの所属カテゴリ一覧

Fujisan.co.jpとは?

株式会社富士山マガジンサービスが運営する、
日本最大級の雑誌オンライン書店です。
一般的な書店と異なり、
定期購読サービスに特化しています。

雑誌、新聞、シリーズ書籍、漫画や
本屋にも無い古い本も見つかる!

法人サービスはこちら >
  • タイトル1万以上

    タイトル1万以上

    豊富なラインナップで
    書店に並ばない本とも出会える

  • 試し読み

    試し読み

    バックナンバー1冊まるごと試し読み
    したり、最新号も試し読みできる

  • タダ読み

    タダ読み

    5,000冊以上の雑誌が
    無料で読み放題

  • 500円OFF

    500円OFF

    普段読んでいる雑誌のレビュー投稿で
    500円割ギフト券をプレゼント

  • 事前予約

    事前予約

    気になる本は
    発売日前から事前予約可能

  • 割引や特典付き

    割引や特典付き

    定期購読なら
    お得に本が読めて
    送料無料の雑誌も!

デジタル雑誌をご利用なら

最新号〜バックナンバーまで7000冊以上の雑誌
(電子書籍)が無料で読み放題!
タダ読みサービスを楽しもう!

総合案内
マイページ
マイライブラリ
アフィリエイト
採用情報
プレスリリース
お問い合わせ
©︎2002 FUJISAN MAGAZINE SERVICE CO., Ltd.