イタリア好き 発売日・バックナンバー

全31件中 16 〜 30 件を表示
GRAZIE PER IL 50° NUMERO!

2010年の創刊から12年、ほんとうに多くの友人に支えられ、応援していただいたお陰で50号を発行することができました。ありがとうございました。
これから先も「らしさ」を大切にして、号を重ねていきたいと考えています。
まずは100号まで、よろしくお願いします。

〈特集〉
マルガの暮らし

マルガとは、山にある家(牛や羊飼いの拠点となる建物)と牧草地のことで、そこで働く人をマルガーリと呼ぶ。トレンティーノには稼働しているマルガが300軒ほどあり、今回はその中の一つ「Malga Stabio di Saone」(マルガ・スタービオ・サオーネ)に暮らすエンリコさん一家と数日を共にして、その暮らし振りを間近で感じてきて。

認可証・山道・授乳
マルガのあるゾーンに入るには、マルガの許可をもらい役所で認可証を得てからでないと車の進入はできない。ただし、それは紙切れだけの話だ。未舗装の山道は普通車での進入を拒んでいるように厳しい。そして、ラウラさんは産後1カ月の赤ちゃんに授乳をしながら迎えてくれた。

搾乳・ヌテッラ・抱っこ紐
朝は山羊の搾乳から始まる。約100頭の山羊から1頭1日1.5L程度を搾り、チーズやヨーグルトを造る。ラウラさんは抱っこ紐で赤ちゃんを抱えながらスパーダを手に作業を続ける。

<index>
ありがとう50号
イタリアの友人、日本の友人に感謝 50冊の表紙
50号記念オリジナルアイテム発表
RACCONTI ITALIAZNI イタリアのほんの小さな出来事(最終回) 長本和子
RACCONTI ITALIAZNI special box発売
マンマのレシピ
マルガの暮らし
L’occhio discreto di MANDA カメラマン萬田のプライベートアイズ
ワインソムリエ矢野航の今日は何をオススメしましょうか?
イタリア好き通信 リグーリア州
池田匡克のイタリア美食日記 アブルッツォワイン(最終回)
地方のイタリア語~方言と同義語~
イタリア野菜好き
フォト通信 イタリア人の暮らしの風景
新連載紹介
50号記念 フォト&エピソード募集
Interview / Information
Back Number/編集後記
イタリアズッキーニパートナーズ(配布店)リスト
イタリア散歩 篠利幸(最終回)

世の中はさまざまな問題を抱えている今、自分たちの暮らしを見つめなおすときかもしれない? 昔から大切にされてきたこと、社会の中での取り組み、未来へ残し受け継がれていくものなどから、今、私たちにできること、豊かな暮らし、生き方のヒントを大好きなイタリアから。大切なことを見失わないように。 〇ミラノ、アンティーク散歩 〇ナヴィリオ・グランデ骨董市 〇家の中のアンティーク、お気に入りの品々と暮らす 〇オーナーのセンスが光るアンティークショップをチェック! 〇モンテファルコを紡ぐ糸 ―ビアンケリアとイタリア人 〇知恵とうま味が詰まった 保存食でフルコース 〇消えゆく食の小さな物語 〇マンマのレシピ

BARやTABACCHIのある風景
イタリアのほんの小さな出来事 長本和子
マンマのレシピ フリウリ-ヴェネツィア・ジューリア州
ゆっくり、長く、豊かな暮らし
ミラノアンティーク散歩 
ナヴィリオ・グランデ骨董市
家の中のアンティーク お気に入りの品々と暮らす
コラム 年を重ねても着続けられる仕立て服の魅力
オーナーのセンスが光る アンティークショップをチェック
モンテファルコを紡ぐ糸 ービアンケリアとイタリア人
保存食でフルコース
消えゆく食の小さな物語 ー物語性としてのクチーナ・ポーヴェラ
Ninoさんが伝える「本当に大切なもの」
イタリアワインソムリエ矢野航の 今日は何をおススメしましょうか? ランブルスコ「ソルバーラ」
イタリア好き通信 現地コーディネイターが最旬レポート カラブリア州
池田匡克のイタリア美食日記 3回目接種を終えたイタリア人の日常
地方のイタリア語 愛しの豚を何と呼ぶ?
イタリア野菜好き ファーヴェ
フォト通信 イタリアで買った思い出の品
Information 姉妹都市の活動 大川市とポルデノーネ
Back Number/編集後記
イタリアズッキーニパートナーズ(配布店)リスト
イタリア散歩 篠利幸
ピエモンテ州、トスカーナ州、バジリカータ州の市場やスーパー、個店で買い物をする地元の人たちを取材。 取材をしながら、現地のスタッフや友人、知人に会い、久しぶりの店を訪れ、そしてマンマに会えば、うれしさと同時に、生きている実感と好奇心が湧き上がり、気持ちは昂り、心が満たされるのだ。イタリアはそういう国だ。だからイタリアが好きなんだ。そう実感した。 〇編集長マッシモのイタリア取材旅 ピエモンテ、トスカーナ、バジリカータ、それぞれの土地で愛される店、そこに暮らす人たちの日々の買い物をのぞいてみた。 イタリアに暮らした気分で、一緒にイメージトリップ。 〇今日何買った?何食べる? 出会って、食べて、飲んで、ありがとうイタリア!

BARやTABACCHIのある風景
イタリアのほんの小さな出来事 長本和子
マンマのレシピ バジリカータ州 マテーラ
出会って、食べて、飲んで、ありがとうイタリア! マッシモのイタリア取材旅
イタリア人の暮らし 今日何買った? 何食べる? ピエモンテ州ビエッラ
イタリア人の暮らし 今日何買った? 何食べる? トスカーナ州フィレンツェ
イタリアワインソムリエ矢野航の今日は何をオススメしましょうか? 地獄の谷の極上ワイン
池田匡克のイタリア美食日記 ヴィーニ・ディタリア2022
コラム ムジェッロ地区にある貴族の館で熟成するチーズ
イタリア人の暮らし 今日何買った? 何食べる? バジリカータ州マテーラ
マンマのレシピ番外編 パパのパパのレシピ マテーラに伝わる豆のパスタ
イタリア人の暮らし 今日何買った? 何食べる? バジリカータ州マテーラ
コラム すべてはヤギが幸せでいることから ヤギチーズの生産者を訪ねて
イタリア好き通信 現地コーディネイターが最旬レポート カンパーニア州
地方のイタリア語 イタリアのおやつメランダ(meranda)
イタリア野菜好き カーヴォロ・ヴェルサ
フォト通信 イタリアで買った思い出の品
Information
Back Number/編集後記
イタリア散歩 篠利幸
イタリアワインは、愛する人や家族、よき友人と食卓を囲んで飲んでこそ真価を発揮すると、内藤さんもジョバンニさんも言っている。僕もイタリアを巡るなかで実感してきた。 店に置かれた樽からコップに注がれるワインだったり、家庭では、ワイナリーで直接買ってきた大きな瓶から注いだワインをソーダ水で割ったり、魚介だって当たり前のように赤を飲んだり、もちろん銘醸ワインも身近にある。イタリアワインは自由であり、土地ならではの料理と飲み方を楽しみながら、そこにはいつだって弾む会話と笑顔が溢れているのだ。 そしてその力をいちばん発揮するのは、マンマの料理と共にオヤジが自慢気に持ってくる自家製のワインかもしれない。 飲んで、食べて、おしゃべりして、最強! イタリアワイン。 ◆イタリアワイン概論 ◆ヴェネトとカラブリアの地元ワインと郷土の味 ◆アオスタの小さなワイナリーを訪ねて ◆故・内藤和雄さんの「イタリアワインズキ」を読み解く

Godersi la vita!
イタリアのほんの小さな出来事 長本和子
マンマのレシピ ピエモンテ州 ビエッラ
最強! イタリアワイン
イタリアワイン概論
ヴェネトの地元ワインと郷土の味
カラブリアの地元ワインと郷土の味
コラム 古代遺跡の上に実るブドウ
あってないほどの積み重ねが彼らのワイン アオスタの小さなワイナリー
池田匡克のイタリア美食日記
イタリアワインソムリエ矢野航の今日は何をオススメしましょうか?
イタリア好き通信 現地コーディネイターが最旬レポート 
地方のイタリア語
イタリア野菜好きーフィーコ・ディンディア
フォト通信 イタリアワインとの出会い
Information
Back Number/編集後記
イタリアズッキーニパートナーズ(配布店)リスト
イタリア散歩 篠利幸
かれこれ46冊目になる本誌。取材も数を重ねてきたので、各地でいろいろなパスタを食べてきた。 そんな各地の「らしさ」を感じるパスタの特集だ。 代々引き継がれてきた麺打ち台を使って、見事な手さばきで作られるマンマのパスタや、その土地ならではの伝統的なパスタ、旬の食材を使ったパスタなどさまざまなパスタがイタリア各地にはあり、もしかして僕たち日本人は、現地のイタリア人よりも詳しく、おいしく、それらを日本で口にしているのではないだろうか。 ◆「らしさ」を感じる郷土パスタ 人々の暮らしの中から知恵を絞って生まれたさまざまな形状のパスタと、その土地ならではの食材を掛け合わせ、イタリアのパスタ料理はバリエーション豊かに育ち、「らしさ」の光る郷土の味として受け継がれてきた。そんな数々の郷土食あふれるパスタたち。 ◆パスタ文化が花咲く街の伝統と挑戦 そしてアモーレ 小麦の一大産地でもあり、数多の卵入りパスタが伝統として残るエミリア地方モデナ。 その伝統を守りながらも、新しい挑戦をする親子。 そこにはマンマたちが残してきた技と家族への愛が脈々と引き継がれてきた。

BAR・TABACCHIのある風景
イタリアのほんの小さな出来事 長本和子
マンマのレシピ シチリア州 パレルモ
さあ、パスタ食べよう!
「らしさ」を感じる郷土パスタ
アマルフィの風とレモンに誘われて
パスタプレゼント
イタリア好き通信 地方のパスタ編
池田匡克のイタリア美食日記
ワインソムリエ矢野航の今日は何をオススメしましょうか?
地方のイタリア語?方言と同義語?
イタリア野菜好きーカーボロ・ラーパ( コールラビ)
フォト通信 思い出に残る一皿編
姉妹都市の活動ー鹿児島市×ナポリ市
Interview / Information
Back Number/編集後記
イタリアズッキーニパートナーズ(配布店)リスト
イタリア散歩 篠利幸
イスラムからの長い道のりを経て、11世紀から13世紀のシチリアルートと、14世紀から15世紀にスペインマヨルカ島を経たトスカーナルートの二つが、イタリアへの流入とされるマヨリカ焼き。 その後、貴族文化と共に開花し、それぞれの土地のもつ風習、風土によって個性豊かな陶器文化が彩られていく。 今回はそんなマヨルカ焼きの聖地とも言える、エミリア・ロマーニャのファエンツァで活躍する3人のマエストロのインタヴューを中心に、イタリアマヨルカ焼きの魅力の一片を感じられる特集。 〇マヨリカ焼きを訪ねて 〇おいしいイタリア 郷土の味を旅しよう!~南イタリア、島編~ 〇I CARI ITALIANI 愛すべきイタリアーニ~あの時のあの人は今どうしてる~

BARやTABACCHIのある風景
風に吹かれて
イタリアのほんの小さな出来事 長本和子
マンマのレシピ マルケ州 ペーザロ
マヨリカ焼きを訪ねて
Facciamo un viaggio Italia
池田匡克のイタリア美食日記
おいしいイタリア 郷土の味を旅しよう!
あの時のあの人は今どうしてる
地方のイタリア語?方言と同義語?
ワインソムリエ矢野航の今日は何をオススメしましょうか?
イタリア好き通信
イタリア野菜好き
フォト通信 思い出に残る一皿編
Information/Invitaion
Back Number/編集後記
イタリアズッキーニパートナーズ(配布店)リスト
イタリア散歩 篠利幸
変わらないイタリアの景色 昨年2月29日にイタリアから帰国して早一年が経とうとしている。この間、新型コロナウイルスは想像以上に拡大し、今もなお我々の生活に重い空気を漂わせている。 そして新しい生活様式により、できるだけ人と接せず、密にならず暮らすという、人が人として生きる価値を奪われてしまうような生活を余儀なくされている。 西村さんはインタヴューの中で、「イタリアには人々の思いが詰まったものがいつまでも変わらずにあり、それが魅力の一つでもある」とも話されている。 なるほど、今この変化の中において、これから先もずっと愛していける、変わらずに守っていけるのは何か(それは極めて主観的であっていい)を見極める機会を与えられたと考えれば、それは幸いであり、とても前向きなのである。 進もう。 そんな思いでポンテヴェッキオの写真を眺め、次にまた同じ風景が見られることを望むのであった。 ◆新しい希望と伝統 変化の時代を強かに、しなやかに生きる ◆I CARI ITALIANI 愛すべきイタリアーニ ◆おいしいイタリア郷土の味を旅しよう! ◆スペシャルインタヴュー 元祖イタリア好き 西村暢夫さん

BARとTABACCHIのある風景
変わらないイタリアの景色
イタリアのほんの小さな出来事 長本和子
マンマのレシピ トスカーナ州フィレンツェ
新しい希望と伝統、変化の時代を、しなやかに生きる
あの時のあの人は今どうしてる
Facciamo un viaggio Italia
おいしいイタリア 郷土の味を旅しよう!
Facciamo un viaggio Italia
スペシャルインタヴュー 元祖イタリア好き 西村暢夫さん
地方のイタリア語?方言と同義語?
ワインソムリエ矢野航の今日は何をオススメしましょうか?
イタリア好き通信
イタリア野菜好き フィノッキオ
池田匡克のイタリア美食日記
フォト通信 イタリアのクリスマス編
Information/Present
Back Number/編集後記
イタリアズッキーニパートナーズ(配布店)リスト
イタリア散歩 篠利幸
イタリアが好きだ。 これといってあまり深い理由もないけれど、あの国に行くと生きているという実感が湧いてくる。理屈でなく、そう、肌で感じるのだ。行くたびに湧き上がる好奇心と解放される心は、どこからともなくやって来る。 時間はゆったりと流れることを許されるいっぽうで、速さに熱狂する人や、できないと言わない自信満々の人や、自己愛の強い人。研究熱心な人や、おしゃべりな人。難しいことは分からないけれど、そんなイタリア人に会うと、自分の生き方を問われ、知らずしらずのうちにリセットされていたのかもしれない。が、今はそれがしばらくされないままだ。 今号は過去の取材からセレクトした写真と、今ならではのリモートインタヴューやメッセージで構成したので、足りなくなったイタリアを少しでも補完して、読者の皆さんもぜひリセットしてもらいたい。 また行きたい場所、また食べたい料理、また聴きたい歌、また登りたい坂、また飲みたいワイン、また会いたい人。 イタリア万歳! 編集発行人 マッシモ松本

I CARI ITALIANI
マンマのレシピ
I CARI ITALIANI
イタリア散歩
イタリア好き通信
イタリア野菜好き
ワインソムリエ矢野航の今日は何をオススメしましょうか?
方言と同義語 地方のイタリア語
池田匡克のイタリア美食日記
イタリア好きSHOPPING
フォト通信 再訪したいイタリアのとっておきスポット編
Evevt Report・プレゼント
Back Number 編集後記
イタリアズッキーニパートナーズ(配布店)リスト
イタリアのほんの小さな出来事
どことなく田舎臭くて、素朴な包みが僕は好きだ。

深夜にB&Bに到着して部屋に入ると、ベッド数が足らない。よくあることだが、ダブルで二人分とカウントされている。メッセージしてあったのに~。仕方がないその夜は一人が椅子を並べて寝ることになった。翌朝、フランチェスカさん(P7)が近くに住む親戚からベッドを借りてきてくれた。これで煩わしい部屋探しをしなくて済んだ。その後、日曜日の家族とのランチを一緒にした。

食事の準備ができるまで、アーチレアーレの海岸を一望できる屋上に案内されて、街のこと、家族のこと、いろいろと話してくれた。「暖かくなったらここで食事するからその時もぜひ」と、笑顔のフランチェスカさん。部屋に戻ると、ワイン片手にニコニコ顔で現れたお父さんに導かれ、ご自慢のアンティーク家具の見学会が始まった。たった数時間で心地よい家族の風に包まれていた。

そういえば、早朝に取材した「ドルチェリーア・ベッラ」のアンジェラさん。白髪にヴィオラ色のニットと艶やかな口紅が美しい。彼女が店に入ってくるとたちまち晴れやかな空気に包まれ、大袈裟じゃなく幸せのシャワーを浴びた感じがした(P12)。「いつも笑顔で自分の舞台を演じるのよ」という母親の教えどおり、彼女の楽しむ姿が周りの人たちも楽しませているのだ。

サルヴァトーレさん(P14)は、常連客に囲まれてゆったりマイペースでサービスをする。そのおおらかさで店内はまったりとした空気に包まれている。笑顔でいるからこそ得られる豊かさがあると、人生を謳歌している。

ところで「包」の字源は、人が子供を身ごもっているさまを象ったもの。大切なものを「つつむ」ことを源とする言葉だ。だからだろう、何かの「包み」には、包んだ人の気持ちも一緒に包まれているように感じることがある。

B&Bの椅子で夜を過ごしたときにはどうなることかと思ったが、取材を終えてみれば、明るくて社交的で、ホスピタリティにあふれているアチェージ(アーチレアーレの人)の、質素でピュアなもてなしに包まれた、いい時間だった。

発行編集人 マッシモ松本
もう何十年も前の話。本誌連載中のカメラマン、篠さんと一緒に朝市の撮影をしにホテルを出た。するとそこにいた警官が、篠さんのたすき掛けをしている2台のカメラを指差して、「それはよくない気をつけろ」と言って注意してきた。篠さんはイタリアのベテラン。「その辺りは心得ている」と、うまく話して先に進んだ。

しばらく行くと、今度はサラリーマン風の紳士が「カメラはしまったほうがいい」と親切に声をかけてくれた。篠さんも「ありがとう」と答え、一度はカメラをしまうが、それでは撮影にならないと、また取り出し同じようにたすき掛けにして歩いていた。すると、スクーターに乗って一度は通り過ぎたおばちゃんがわざわざ大声で呼び止めながら戻ってきて、「ダメ、ダメ、ダメ! カメラはしまいなさい」と言うのだ。しかもおばちゃんはしまうまでそこを立ち去る様子もなく、滔々となぜ危ないかを話し始める。さすがの篠さんも、この短時間の間に同じことを3人に言われたら、しまわないわけにはいかない。そこは大人しくカメラをしまいメルカートへ向かった。そして十分に注意をしながら撮影を始め、無事になんのトラブルもなく、一見陽気なナポレターノたちの写真を収めることができた。

この話、ナポリが危険な街だと言いたいのではない、ナポリは誇りと自信に満ち、郷土愛に溢れた地元民に支えられている魅力的な街ということだ。

美しい海岸線と地理的優位性から、独立と被支配を繰り返してきた歴史の中で、文化が交差して積みあげられてきたナポリ。雑然とした街並みや、けたたましい車の騒音、荒々しく飛び交う人々の声、貧困と富裕、数多ある教会、エスプレツソ、ピッツア、王宮……そういう混沌の中で、生きる活気がみなぎるのがナポリであり、来る人を惹きつけてやまない。

最近では、カメラ片手に歩く観光客も増え、タクシーもほぼぼったくられることはほとんどなくなり、ずいぶんセーフティな街になったようだ。むしろ昔のようなハラハラ、ドキドキのナポリを懐かしむ人も少なくないのかもしれない。
 
それでもナポリは、ナポリである。
 
発行編集人 マッシモ松本
2020年が始まった。日本ではオリンピックイヤーとなり、開会までの準備を整えるために世の中は忙しい。

いっぽうで、新年早々米国のイランへの攻撃や、イギリスのEU撤退、地球温暖化による気候変動によるさまざまな影響など。経済を中心にこれまで人類がしてきたことが、今少しずつずれて、崩れてきている、そんなことさえ思える最近の出来事が多い。

ビジネス、ファッョン、モード、デザインなどイタリアの産業、経済の中心地のミラノ。スターバックスやユニクロもオープンし連日賑わいを見せている。どこに行ってもある店は、安心感の代わりに、その街の個性を失わせてしまうように思う。僕はどこかでイタリアはそうなって欲しくないと願っている。町の小さなバールや、肉屋や魚屋、八百屋や食料品店など魅力的な店をたくさん見てきた。それらもだんだんと数を減らしている様子とはいえ、そのスピードは日本よりずっと遅く感じる。そう、引き継がれてきた伝統を誇りに、無理をせず、客のニーズに合わせて緩やかに変化させることはあっても骨格は失わず、安心と信頼を得ている店。そんな店がここミラノにも数多くあった。

出発直前のトラブルからほぼ白紙の状態でのミラノ入りだった。もともと〝暮らし〟をテーマにしたかった取材。前々日入りした僕が、滞在先のホテル周辺の少しの情報を元にリサーチに回り、地元の人たちが溜まっている、立ち寄っている店を巡り、取材先を決めていった。そこからは飛び込み取材を敢行。どの店も思いのほかあたたかく迎えてくれて、とてもいい取材ができた。滞在中何度も通った店も少なくない。

それらの店に共通していたことは実にシンプル。誠実さと謙虚さだった。そして老舗でも、新店でも、そういう店には必ず客が並んでいる。客もまた店をきちんと守ろうとする。当たり前に聞こえるが、これが意外にそうでもないのは皆さんもよくご存知であろう。

ビートルズは「all you need is love」と唄い、清志郎はある歌の中で、「愛が欲しいなんてただの口癖」と皮肉って唄っていたけど、やっぱりイタリア、根底には「アモーレ」が溢れているのだ。

目先に囚われずに、本質を見据え、根っこをしっかり踏みしめることこそ今の我々にとっては大切なのではないかと、オリンピック後のニッポンを憂慮しながらパニーノをほおばっていた。

発行人編集長 マッシモ松本
サルデーニャ、ここは不思議な魅力を持った島である。島独特の文化、風習が今もなお色濃く残り、それを誇りに思い、守っていこうとする力を特に強く感じるのだ。それは島であることと、被支配の歴史によることに少なからず影響しているだろう。 特に祭りの風俗や習慣、民族衣装どれを取っても興味深い。季節になれば、島のあちらこちらで大小さまざまな祭りが催され、住民が集い、聖人を祀り、祈り、そこに伝わる料理を食べ、ワインを飲むのである。 日本には「ハレ」(晴)と「ケ」(褻)という考え方がある。「ハレ」とは祭礼や節句、正月や、冠婚葬祭の非日常的な行事を言い、「ケ」は日常の生活を言う。双方の生活のリズムが、季節の変化とともに古くから日本人の意識に根付いていた。「ハレ」の日には「晴れ着」を着て、日常とは違う料理を食べ、その区別をしっかりつけることによって、心と体のエネルギーを充填し「ケ」の日常も滞りなく過ごせるというのである。 祭りを通して地域での絆を確かなものにし、さまざまな支配や影響から自身を守る術の一つなのかもしれない。だから「ケ」の日常でも、質素な暮らしも大切にしているのだと感じられた。

BAR TABACCHIのある風景
SARDEGNA MAP
連載 RACCONTI ITALIANI
マンマのレシピ
特集 誇りとホスピタリティの島サルデーニャ
フォトグラファーの視線
連載 イタリアワインズキ
連載 イタリア野菜好きーメローネ
方言と同義語 地方のイタリア語
連載 池田匡克のイタリアから
フォト通信 サルデーニャ州編
追悼 ロック魂、孤高のイタリアワインンソムリエ 内藤和雄さん逝く
定期購読・バックナンバー案内 編集後記
イタリアズッキーニパートナーズ(配布店)リスト
連載 イタリア散歩
ヒーロー

 〝強くて、優しい〟いつもそうありたいと思っている。映画やテレビ、漫画の中のヒーローはいつだってそうだ。でも口で言うほど簡単ではない。
 「アブルッツェーゼのキャラクターは?」と問うと、だいたいの相手は少し照れくさそうに「forte e gentile(強くて、優しい)」と返してきた。1882年にアブルッツオを巡ったイタリア人ジャーナリスト、プリモ・レヴィが感じたこととして彼の旅行エッセイに記され、タイトルとしても使われているフレーズだ。アブルッツォでは永きにわたり、自分たちを現す言葉として誇りと共に親しまれてきたようだ。
 
 取材班はキエティ県ファーラ・フィリオールム・ペトリという丘の村の知人宅で、1週間お世話になった。近くにマイエッラ山塊を望む静かなところだ。夕食のワインはいつもチェラスオーロ。箱の中のラミネートに入ったいかにも地元っぽいワインをガラス瓶に移し、冷蔵庫で冷やしておく。それを炭酸水で割って飲むのが主人エンニオさんのお気に入りだ。真似て飲む。暮らすように旅をするのがいちばん楽しい。
 毎日取材から帰ると、いつも彼が食事を用意していてくれた。旬のものから取材先の友人たちの食材を使ったものまで実に多彩な食卓となり、本当にお世話になった。そんな彼は毎朝5時半には庭に出て、自家菜園や草花の手入れ、猟犬3頭に、鶏、鶉、猫とうさぎ、動物たちの世話をしている。
 
 パオロさん(P12)は農業を始めて10年。決して楽ではなかったけれど選んだ道に間違いはなかった、と熱く静かに語り、「パッショーネだけで10年だね」と笑う。ジャンピエトロさん(P18)の急な方向転換に仰天した奥さんのラウラさんだったが、今ではしっかり家族で歩んでいる。ロベルトさん(P31)は、大きな体でいかにも力強そうな風貌ながら、「人と繋がっていることがとても大切なんだ」と語るその言葉一つひとつが繊細な心と愛を感じさせる……。
 身体的な〝強さ〟以上に、精神的なほうがよほど〝強い〟のだと、今号の取材を通して改めて感じたのだ。その〝強さ〟は誇示するものではなく、〝優しさ〟の中にある芯のようなものではないか。ここアブルッツォに限って言えば、取材先で感じた彼らの心の大きさは、アペニン山脈とマイエッラ山塊、その雄大な自然に包まれて芽生え、共存し、育まれてきたのだと。
 
 そして朝、部屋の窓からエンニオさんの姿を眺めながら、本当の〝強さ〟は大きな〝優しさ〟の中に存在する心なのだと、しみじみと思うのだ。
 
 自分の中のヒーローが目覚める日は来るのだろうか。
 アブルッツォ、もっと深入りしたい。

発行編集人 マッシモ松本
「品質を保つこと、それは手抜きをしないことだ。それがいちばん大切なんだ」 「ここが田舎でも都会でも関係ない。その土地の歴史を知り、そこにある価値に気付き、見出すこと。そしてその価値に自信を持って発信することだ」 「この島が好き、この仕事が好き、それ以外のことは何も知らないよ、生まれ育ったこの場所が僕の生きるところ。僕はその運命に従うだけさ」 「地域起こしは役所の中ではできない。僕ら生産者自身が自ら動き、取り組むことが、その伝統を守り、継なげていくことのできる唯一の方法さ」 「農業とそこに暮らす人を大切にすることだ」 「土地を否定することは、そこでの暮らしを否定することだ」 農民はアーティストだった。畑をキャンバスにして、思い描く作物 (作品)を作り、販売(発信)する。その作物は時に国境を超え、海を渡る。 時代の変化を捉え、その先を見つめつつも、決して浮足立つことはない。これから先の不安定な時代を予感するかのように、肥沃な土にしっかり根を生やしている……。 掘り起こした土、 乾いた北風、 芽吹いた草木、 春の力、若い力、 次の時代へ。

BAR TABACCHIのある風景
RACCONTI ITALIANI
マンマのレシピ
La Vitalita del VENETO(特集)
フォトグラファーの視線
地図
イタリアワインズキ
イタリア野菜好きーラディッキオ・ロッソ
方言と同義語 地方のイタリア語
イタリア好きフォト通信
イタリア好き通信
Event Reportーマンマの料理フェスタ2019@代官山
マッシモツアー プレゼント
イベントカレンダー 編集後記
イタリアズッキーニパートナーズ(配布店)リスト
イタリア散歩
匂いと、香りの記憶

父親が材木問屋だった。
子供の頃に父親の仕事場に行くと、独特の木の香りに包まれた。作業場では大工が仕事をしていた。僕はその香りと音、空気感が嫌いではなかった。モデナの樽工房の木材を眺めながら脳の奥に眠っていた記憶が香りと共に蘇ってきた。

モデナの人(モデネーゼ)にとってアチェートバルサミコ(バルサミコ酢)は切っても切れない関係であり、それを造るための樽は重要な要素の一つだ。その樽工房を訪ねた時に重い引き戸を開けると、大きな機械音と共にアチェートバルサミコと木、そして油の匂いに包まれた。その作業場の奥には、乾燥させたさまざまな種類の木材が保管されている。新しいものもあれば、古い樽を分解したものもある。

年月を経た樽の軌跡は、何年、何十年と経て完成するアチェートバルサミコの軌跡と同じだ。そしてそれは香りの記憶と共に歩んできたモデネーゼの家族の歴史でもある。価値はその歴史にある。

子供のために残すアチェートバルサミコの12年後、25年後の味は、モストコットと樽と家族のハーモニーによって醸される。そしてそれは、匂いと香りの記憶と共に、引き継がれていく。
アチェートバルサミコ、小さな瓶の中の長い歴史。

発行編集人 マッシモ松本


<INDEX>
表紙
RACCONTI ITALIANI
マンマのレシピ
Lo scorrere del tempo a MODENA(特集)
イタリアワインズキ
イタリア野菜好き
方言と同義語 地方のイタリア語
イタリア好きフォト通信
イタリア好き通信
Tour Report
イベントカレンダー 編集後記
イタリア散歩
おすすめの購読プラン

商品情報・内容

■ “イタリア好き”にオススメ! 観光情報誌とは違う、イタリア人の日常、素顔を感じられる雑誌。

人が好き、旅が好き、出会いが好き、楽しいことが好き、食べることが好き、愛することが好き、そして何よりイタリアが好き。食、芸術、デザイン、建築、ファッション、 エンターテインメント、歴史遺産、スポーツ、どんなジャンルをとっても「粋・誇り・愛嬌」が感じられ、知らぬ間に、ぐっと惹きつけられてしまう。それがイタリア。 そして何より、その土地を愛し、家族を愛し、誇りに思い生活するイタリア人、その人に魅力を感じてしまう。毎号、各州や一つのテーマにフォーカスし、そこに暮らす人々と食を通して、知られざる魅力を紹介していきます。おいしさの中から見えてくるのは、人生を楽しく生きる姿かもしれません。

無料サンプル

■ Vol.31 (2017年11月01日発売)

Vol.31 (2017年11月01日発売)をまるごと1冊ご覧いただけます

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