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アイデア 発売日・バックナンバー

全116件中 31 〜 45 件を表示
3,112円
特集:髙田唯 形と態度

企画・構成:Allright Graphics,アイデア編集部
デザイン:LABORATORIES(加藤賢策,北岡誠吾,岸田紘之),髙田唯(Allright Graphics)
撮影:後藤洋平(gtP),青柳敏史

本特集ではデザイナー,髙田唯の活動を「形」と「態度」の2部構成で紹介する。前半の「形」では,2006年の設立から10年以上の年月を重ね,印刷物以外のロゴの制作やそれにともなうブランディング,プロデュース的な領域の仕事にまで広がりをみせるAllright Graphicsでの依頼仕事を掲載。後半の「態度」では,前半を通じて現れてきた髙田唯の輪郭を,これまで髙田にデザイン依頼した人々や,展覧会の企画者,彼の活動を周縁から支える人々からの言葉や対話を軸に深掘りしていく。

髙田唯(たかだ・ゆい)
1980年東京都生まれ。株式会社Allright取締役。桑沢デザイン研究所卒業。2006年デザイン事務所「Allright Graphics」設立。2007年活版印刷工房「Allright Printing」設立。2017年音楽レーベル「Allright Music」設立。東京造形大学准教授。

髙田唯の形

[ブラックコメディ/明治五年の二日間/関ヶ原 BOOGIE ★ WOOGIE /リビング★デッド/ REDLINE / THE BANDO-WANDERER / 龍宮物語/ 将門/ 海賊BOOGIE ★ WOOGIE / BURRRN!!復活/ NO ACT NO LIFE /ノンストップ ライアーズ/ THE JOKER /ジョルジョ・モランディ展/岡山芸術交流/小劇場タイニイアリス/ JAGDA 東京 新歓コンパのご案内/ GRAPHIC DESIGN IN JAPAN 2017 / TokyoTDC,Vol.28 / CSP / CSP 記録集 2013-2015 / 夏至・グラフィックアート/ FOR STOCKISTS EXHIBITION / uka red study one /印刷のいろはフェスタ/年鑑 日本のパッケージデザイン2017 /東京造形大学 グラフィックデザイン専攻 ガイドブック/東京造形大学 大学案内 2018 /東京造形大学 彫刻専攻・冊子/遊泳グラフィック・レジ袋/にほんごっ子/アートがあればII / BOX /活版再生展/ロゴマーク/東郷清丸『2 兆円』]

働き方の新しいかたちを体現する
インタビュー:東郷清丸

月曜オールランチの秘密
インタビュー:鈴木有紀子

髙田唯の態度

Allright Graphics のお仕事
[依頼者:infix 制作物:ホテル「THEBOLY OSAKA」ロゴデザイン 回答者:間宮尊, 増田聡/依頼者:有限会社モギ 制作物:「TOYS&GIFT MOMO」,「有限会社トリシカ」ロゴデザイン 回答者:茂木成美/依頼者:してきなしごと 制作物:「してきなしごと」ロゴデザイン 回答者:ウチダゴウ]

銀座:遊泳グラフィック

台中:形形色色

あれもこれもデザイン
対談:髙田唯,アーロン・ニエ(司会:渡部千春,通訳:楊曇硯)

上海:潜水平面設計
潜水展は冒険の場(文:チン・ジャチ,ゴン・ジジュン)
現代グラフィックデザインと美しさのズレ( 文:チャン・レイ)
唯ちゃん(文:Nod Young)
髙田唯を知る(文:チェン・ハオ・ポン)

銀座・台中・上海 髙田唯が描いた夏の大三角
座談会:髙田唯,北條舞,渡部千春,盛哲

連載│アトラス考─生態学的世界観の視覚化
第7回 エミール・シェッソンと『図的統計アルバム』――国民国家のフィードバック機構
文:大田暁雄

連載7回目のテーマは「図的統計アルバム」。ナポレオン一世の執政政府時代から整備され始めた統計事業は,幾度かの政変を経ながらも着実に進められ,社会分析の有効な手段として認識されるようになる。1870年以降に作られた大量の官庁統計出版物の中には,主題地図やダイアグラムを中心とした「図的統計」が収められていた。その多くはエミール・シェッソンの『図的統計アルバム』をフォーマットとして採用し,政府による議論の高速化と大衆化の手段として活用された。

SUPER IMITATION
文:LEE KAN KYO
デザイン:山田和寛(nipponia)

スーパのチラシや日本の雑誌・ポイントカード・バイクなど,印刷物や都市を表象するイメージをテーマに,独特なタッチのドローイング作品を描き出す台湾人アーティスト,LEE KAN KYO。近年は故郷の台湾をはじめ,東アジアの国々にも進出し活躍の幅を広げている。文化的アイデンティティを愉快なグラフィックに落とし込むLEEのアプローチを,代表作を中心に紹介する。

掃描人間
文:室賀清徳

香港「漢字展」 漢字表現と展示をめぐる実践

本展は,「漢字を使った東アジア圏のポスターを集めた展覧会」だ。総勢百名以上のデザイナー,アーティストによる三百点にのぼるポスター作品の数々からは,私たちがひと言に「漢字」と呼んでいるものの多様な側面と,それがつなぐ文化圏の広さと深さを実感させられる。
同展のキュレーションを担当した香港人デザイナー,ベニー・オウと,それぞれトークイベントとワークショップを行なった,味岡伸太郎と大日本タイポ組合の二組による寄稿文を紹介する。

漢字ユニバース
文:ベニー・オウ

香港は熱かった 香港「漢字展」
文:味岡伸太郎

同じ漢字,違う感じ「 認字」ワークショップ
文:大日本タイポ組合

カリグラム 平和と戦争のうた(1913–1916)
ギョーム・アポリネール
文:永原康史

フランスの詩人であり美術評論家のギョーム・アポリネールが没してから,今年でちょうど100年が経つ。本稿はアポリネール最後の作品となった第二詩集『カリグラム 平和と戦争のうた(1913-1916)』に収録されている造形詩を翻訳し,日本語で再構築したものだ。その後のダダやシュルレアリスムに影響を与えた,アポリネールのカリグラムの絵を通して,造形詩の魅力を伝えるタイポグラフィのひとつの試みとして捉えられる。

『カリグラム 平和と戦争のうた(1913–1916)』日本語訳
著者:ギョーム・アポリネール
造形詩訳+テキスト:永原康史
翻訳協力:カリグラム研究会
デザイン:松川祐子
進行:川北奈津
画:パブロ・ピカソ

ブックデザインの現状を検証し新たな可能性へといざなう「書芸問道―呂敬人書籍設計40年展」
上海展併催国際フォーラム・レポート
文:臼田捷治

本誌No. 381(2018年4月号)で紹介した北京での「書芸問道―呂敬人書籍設計40年展」(2017年)が上海市に巡回された。本記事では,今回の展覧併催のイベントとして,現代の旗手である内外のディレクター,デザイナー,アーティストを招いて開催された,メイン・フォーラムを紹介。ブックデザインの来歴と現状および未来像を多角度から検証した,熱いトライアルをレポートする。

[イベントレポート]
境界をなくし,オープンマインドで AGIオープン・メキシコシティ
文:サラ・スナイス

グラフィックアーティストとデザイナーの専門家団体である国際グラフィック連盟(AGI)が,2日間にわたってメキシコシティで開催した学生に向けたデザイン会議「AGIオープン・メキシコシティ」のイベントレポート。世界各国からの登壇者の公演を通して,国際的な状況を幅広く考察する内容となったその様子を紹介する。

[展覧会レポート]
五十嵐威暢の世界
文:室賀清徳

北海道札幌市の札幌芸術の森美術館で「札幌美術展 五十嵐威暢の世界」展が開催された。日本を代表するデザイナーのひとりである五十嵐威暢の原点ともいえる1973年の個展作品から彫刻家としての最新作まで,代表的なポスター,プロダクト,彫刻,約150点が一堂に会し,そのキャリア全体を大規模に提示する初めての展覧会となった。本展の図録に寄稿した筆者が,デザイナーとしての五十嵐の活動の特徴を解説する。

インフォメーション

新刊紹介

別冊付録:ニューカレンダー
昨年発売された,牧寿次郎デザインによる前後の月がわかりやすい3ヶ月カレンダー「ニューカレンダー」の2019年度特別版。
3,112円
特集:YELLOW PAGES
東アジア グラフィックデザインプロジェクトの現在地

企画・構成:後藤哲也
編集協力:Milkxhake(ジェイヴィン・モ,サキ・ホ)
デザイン:Sulki & Min
翻訳:ダンカン・ブラザトン
撮影:Gottingham,吉田亮人,青栁敏史

「YELLOW PAGES」は本誌での同名連載を発端とした一連のプロジェクトだ。連載時には東アジアで活躍する7 組のデザイナーへの現地取材を行い,その実践や思想を紹介。2018年春には京都dddギャラリーで,ソウル・北京・台北の3都市で活躍する3組のデザイナーに焦点をあてた展覧会を行った。本特集では連載~展示というプロジェクトの経過を誌面に引き戻しつつ,3組の仕事とともに各自のプロジェクトにおける協働関係を紹介。デザインを規定する社会的・文化的要因を紐解いていくことで,東アジアのグラフィックデザインプロジェクトの現在地を更新する。

YELLOW PAGES:展示コンセプトとその背景
文:後藤哲也

ソウル:ナ・キム
アートソンジェセンター/ユ・ミョンサン/ザ・ブックソサエティ/カン・ムンシク/プロパガンダ/シン・ドクホ/インデックス/トッププロセス/シンシン

ナ・キムは,韓国発のグラフィックデザイン誌『GRAPHIC』のアートディレクションや展覧会のキュレーションなどの幅広い活動を行うデザイナーだ。本コーナーでは,アートソンジェセンター(美術館)やプロパガンダ(出版社)などのクライアント,トッププロセス(出版社)などのコラボレーターらとの協働を紹介する。さらに,それらの協働者が別のデザイナーを紹介することで,ナ・キムというひとりのデザイナーを軸にして,都市への視点が多層化していく試みを行った。

誌面が空間にかわるとき
文:久慈達也

北京:シャオマグ&チャンズィ
中国建築工業出版社/秋山伸/「書・築」/アートロン

シャオマグ&チャンズィは,本の物質性を際立たせる挑戦的なブックデザインに取り組むデザインデュオ。本コーナーでは,中国最大手の「建築系出版社」である中国建築工業出版社や,日中韓3ヶ国の建築家とグラフィック・デザイナーが共同して本を作った「書・築」という大型プロジェクトや,美術印刷を中心に出版やショップ運営などのアートビジネスを展開する「アートロン」,そしてそこから出版されたアートブックの選書などを行った。

主題としてのオブジェクト(もの)――グラフィックデザインを外側から描写する
文:Milkxhake

台北:アーロン・ニエ
ビッグイシュー台湾/華研国際音楽/O.OO/煒揚印刷/シャウバ・チャン/經緯印藝/ノス・ブックス

アーロン・ニエは,音楽関連のデザインワークや社会的プロジェクトへ積極的に関与するなど,デザイナーの枠に留まらず広い支持を集めているデザイナーだ。本コーナーでは,アーロンが表紙のアートディレクションを担当する『ビッグイシュー台湾』,同じく数多くのデザインワークを提供してきたレコード会社の華研国際音楽,過去にコラボレーションを行ったデザイン事務所のHIM INTERNATIONAL,インディペンデント・パブリッシャーのノス・ブックスなどが紹介される。

CITY TEXT/URE

後藤哲也と萩原俊矢が文字を通して感じる街の肌触りを「CITY TEXT/URE」と名付けて始動したプロジェクト。ラテン語の「Textus(織る)」を語源に持つTextによって,それぞれの都市にある肌触り(Texture)を切り取るべく,「1 時間以内に」「周りにある」「それぞれの都市を感じさせる」「Text をモチーフにした」「写真を送る」ことを,複数人のデザイナーに同じタイミングで指示した。本稿は,それぞれが切り取った7日間のTEXT/URE の記録。

BLUE PAGES

連載「YELLOW PAGES」の最終回には,デザインを担当したSulki & Minのチェ・ソンミンと後藤哲也との対談を行うことで連載を振り返った。本号においても同様に,展覧会終了後に来日したミンと後藤による対談を改めて行い,京都dddギャラリーで行われた展覧会やプロジェクトの今後について話をすすめた。

MINDPARK 2018 REPORT 未来都市とデザイン
文:アイデア編集部
翻訳:奥田由意,熱海綾乃

中国,深圳を舞台に今年5月に開催されたデザインイベント「MINDPARK 2018」のイベントレポート。急速な都市化にともない都市デザインへの関心が高まるなかで開催された同イベントについて,主催者や参加デザイナーに話を聞いた。

インタビュー:エリオット・ホアン
インタビュー:佐藤卓

綴じ込み企画:アイデア×ウォレット
編集:エリス・バイ・オルセン(Wallet)
デザイン:モルデザ・ヴァセギ(Wallet),山田和寛(nipponia)
翻訳:野中モモ

『ウォレット』は,ノルウェー・オスロ在住の編集者であるエリス・バイ・オルセンと,デザイナーのモルデザ・ヴァセギを中心に編集・発行されている,ファッション・エディトリアルをテーマにした雑誌。資本主義的価値の象徴である「ウォレット(財布)」をイメージした判型を採用し,これまでに2号が刊行されている。このほど同誌の取り扱いが日本の一部書店で始まったことをうけ,過去2号を綴じ込みにし,ダイジェスト版として紹介する。

第28回ブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレ 2018
企画・編集:OKOLO×アイデア編集部 
デザイン:OKOLO
翻訳:山本真実
日本語組版:山田和寛(nipponia)

1963年にスタートし,グラフィックデザインの展覧会としてもっとも古い歴史を持つ「ブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレ」。その第28回が2018年5月から8月にかけて開催された。ビエンナーレそのものに自己批判的な態度をとった前回展に対して,新たなキュレーター陣をむかえた今回展ではどのようなアップデートがなされたのだろうか。本稿では,キュレーターを務めたデザインチームOKOLOの協力のもと,国際展の内容を中心にその様子をレポートする。

寄稿:ビエンナーレを振り返って
文:OKOLO

連載│アトラス考─生態学的世界観の視覚化
第6回 シャルル・ジョゼフ・ミナールの流動地図――運河・鉄道時代の空間組織
文:大田暁雄

連載6回目のテーマは「流動地図」。19世紀始めに鉄道が登場することによって,近代国家は国土空間を一大産業体として再組織化していくこととなる。そして,こうした時代を生きたフランスの土木技師,シャルル・ジョゼフ・ミナールの統計地図は,インフラストラクチャーの革新がもたらす社会経済の構造的変化を映し出した鏡でもあった。その地図の最大の特徴は,視覚によって迅速に量的関係が把握できるということにあり,そこには「ものを言う地図」の思想があった。

小宮山博史と明朝体
展覧会レポート 金属活字と明治の横浜――小宮山博史コレクションを中心に
文・解説:佐賀一郎
デザイン:長田年伸

横浜開港資料館で「金属活字と明治の横浜――小宮山博史コレクションを中心に」展が開催された。展覧会タイトルが示すように,書体史研究家・小宮山博史のコレクションを中心に構成された同展は,明朝体の歴史的変遷を,日本のみならず世界的な規模でたどることのできる内容である。本記事では,デザイン史家・グラフィックデザイナーの佐賀一郎が,同展および小宮山コレクションがもつ意義について考察した。

世界を変えた書物 金沢工業大学「工学の曙文庫」
デザイン:長田年伸

金沢工業大学にある「工学の曙文庫」は,エポックメイキングとなった科学的発見や技術的発明の原典を収集したライブラリーである。2018年9月8日から上野の森美術館では「世界を変えた書物」展が開催され,貴重なコレクションに触れる機会を提供している。本記事では,文筆家・山本貴光が同文庫の所蔵する書物への考察を行い,「知を連環させる」装置としてのブックデザイン論を展開する。

知の連環,思考の装置としての本 マルジナリアを読み解く
文:山本貴光

『日本語組版入門』に入門するための5つの補助線
文・デザイン:長田年伸

2018年6月に刊行された向井裕一著『日本語組版入門』(誠文堂新光社)の入門記事。同書では,日本語組版を覚えるための「ルール」から組み立てるための「考え方」へ,その構造と設計のための考え方が図式化して分かりやすく解説されている。「全角ベタ組み」を基本とする日本の組版形成術が,そこに存在するプロトコル(手続き)を詳らかにしていくことによって明らかになっていく。

takeo paper show 2018「precision」レポート
路上にて
文:永原康史
写真:山中慎太郎(Qsyum!)

今年で48回目を数える「takeo paper show」のレポート。「precision(精度)」がテーマとなった今回展では,紙に内在する精密さを呼び覚ますことで,プロダクトや建築,医療などさまざまな分野に対応しうる紙の潜在力が追求されることとなった。さらに,出品者は展示物の制作だけでなく,それを実現するための「新しい紙」の考案も行ったという点で本展はユニークであり,本記事ではその詳細も紹介していく。

「trip to zine ~zineへの旅~」展 レポート
文:高橋創一
デザイン:佐藤豊

宮城県にある多賀城市立図書館3階ギャラリーで「trop to zine ~zineへの旅~」展が開催された。仙台を中心に活動するBook!Book!Sendaiの企画による同展は,2017年に刊行された『日本のZINEについて知ってることすべて』をきっかけに構想されることとなった。会場では,同書が紹介したZINEのほか,東北各地で発行されたマニアックなZINEも数多く展示され,中央/地方に関わらず,ZINEが共通して持つ普遍性が浮き彫りにされることとなった。

東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会 コアグラフィックス発表

helmut schmid 1942 02 01 2018 07 02

JAGDA新人賞2018 受賞者決定

インフォメーション

新刊紹介
3,112円
特集:グラフィズム断章 もうひとつのデザイン史

企画・構成:「グラフィズム断章」展実行委員会,アイデア編集部
デザイン:LABORATORIES(加藤賢策,北岡誠吾,岸田紘之)
協力:クリエイションギャラリーG8
撮影:長谷川健太,那須竜太

2018年初頭にクリエイションギャラリーG8で開催された展覧会「グラフィズム断章:もうひとつのデザイン史」。本特集は,この展覧会の内容を振り返るドキュメントであると同時に,これからのグラフィックデザインを考えるための中間報告でもある。13人のデザイナーが日本のグラフィックデザイン史の再解釈をこころみた「13の断章」のほか,47組のデザイナーによる,これからのグラフィックデザインを考えるための「図書室」などを収録。創刊から半世紀以上にわたって国内外のグラフィックデザインの展開を追いかけてきた弊誌『アイデア』(誠文堂新光社)の歩みを足がかりに,グラフィックデザインの過去・現在・未来の姿が描き出される。

Room A これまでのグラフィックデザインから考える13の断章
クリエイションギャラリーG8で行われた展覧会では,現代日本のグラフィックデザイン界を牽引する13名のグラフィックデザイナーたちによる,20世紀日本のデザイン史をテーマにしたリサーチプロセスの壁面展示を行った。それに対して誌面では,壁面の再構成をそれぞれのデザイナーに依頼し,展覧会以降も継続して更新され続けている13人分のリサーチの「断章」を紹介する。

大西隆介 土着性と根源的グラフィック
大原大次郎 曲の線
加藤賢策 批評としてのグラフィックデザイン
川名潤 ブックデザイン 作法と模倣
菊地敦己 頼まれていなくてもデザインすること
髙田唯 純粋限界グラフィック
田中義久 インターメディアとグラフィックデザイン
田中良治 90年代のデジタルとグラフィックデザイン
千原航 個人と文化と社会とグラフィックデザイン
長嶋りかこ 善と悪のデザイン
中野豪雄 演算か描写か……戦後日本のダイアグラムと現在
橋詰宗 問いをたてる
前田晃伸 Design of the New Frontier

寄稿者略歴

Room B 『アイデア』全アーカイブズ
『アイデア』は,戦前に刊行されていた広告関連唯一の全国誌『廣告界』を継承するかたちで1953年に創刊された。創刊時の編集長は『廣告界』元編集長の宮山峻,アートディレクターは大智浩,ロゴデザインは亀倉雄策。展覧会では,60年以上にわたり国内外のグラフィックデザインの動向を紹介し続けた同誌の全バックナンバーを合本として紹介したが,本誌ではさらに,写真家・Gottinghamが撮影したアーカイブズの展示風景を,写真作品として再構成するかたちで紹介する。

Gottingham

Room C 来たるべきグラフィックデザインのための図書室
近年のグローバル化や技術革新がもたらした社会変革によって,「方法の体系」としてのグラフィックデザインはコンピューティングの世界に回収されつつある。それを現在,いかにしてアップデートし,グラフィックデザインを「人間の問題」として捉え直すべきなのか。展示では,独自の活動で注目される47組のデザイナーに,各々の視点からその手がかりとなる書籍5冊の選出を依頼した。誌面では,その際会場で公開した選書リストと各自のコメントを紹介する。

阿部宏史/有馬トモユキ/飯田将平/色部義昭/上西祐理/岡澤理奈/岡本健/小熊千佳子/尾中俊介/尾原史和/加瀬透/刈谷悠三/川村格夫/木村稔将/木村浩康/熊谷彰博/後藤哲也/近藤聡/佐々木俊/佐藤亜沙美/庄野祐輔/新保慶太・新保美沙子(smbetsmb)/鈴木哲生/須山悠里/惣田紗希/染谷洋平/髙木毬子/田中千絵/田中雄一郎/田部井美奈/近田火日輝/戸塚泰雄/長田年伸/仲村健太郎/ニコール・シュミット/原田祐馬/樋口歩/藤田裕美/牧寿次郎/三澤遥/水戸部功/村上雅士(㎡)/安田昂弘/山田和寛/山野英之/山本晃士ロバート/米山菜津子

論考1|編集後記
文:室賀清徳

関連イベント
グラフィズム断章展では,弊誌元編集長の室賀清徳とデザイナー・編集者の後藤哲也を中心に,デザイナーの大原大次郎,加藤賢策,橋詰宗を加えた5名による実行委員会が発足され,展示の企画・構成・イベント等が開催された。本章では,それぞれのイベントの内容紹介とともに,各企画者や参加者らによるイベントの総括を紹介する。

クリティカル・(グラフィック)デザイン・スクール
文:加藤賢策

Mobile Talk #05 Tokyo
文:Sulki & Min

『何に着目すべきか?』
[寄稿]
もうひとつのデザイン誌からもうひとつのデザイン史を考える 文:橋詰宗
オリンピックにみるもうひとつのデザイン史 文:加藤孝司
カウンター・ステイトメント 文:古賀稔章

グローバル時代のなかの日本のグラフィックデザイン
[寄稿]
良いものと奇妙なもの 文:イエン・ライナム
フラグメント:ひとつのデザイン研究として 文:アレクサンドル・ディモス

ワークショップ『アイデア』のリカバー
文:大原大次郎

論考2|“日本のグラフィックデザイン”を更新する試みとしての展覧会
文:後藤哲也

テキスト英語訳

連載|アトラス考ー生態学的世界観の視覚化
第5回 計算される人文世界――黎明期のダイアグラムとカルトグラム
文:大田暁雄

連載5回目のテーマは「ダイアグラムとカルトグラム」。これらは,18世紀後半から19世紀前半にかけて,広範な人文現象を科学的に把握し統御しようとする動きの中で生み出された視覚的表象である。そもそもが科学的論証の道具として誕生したダイアグラムとカルトグラム(統計地図)が,近代社会の中でどのように機能し,私たちの思考にいかなる影響を与えたのかを分析する。

私の島は何処 吉川静子の人生と作品
文・写真:長田年伸

吉川静子は,スイス・チューリッヒを拠点に活動するアーティストである。1961年の渡欧以降,のちの夫となるヨゼフ・ミューラー=ブロックマンの事務所での仕事からキャリアをスタートさせた吉川は,1970年ごろからスイス構成主義やコンクリートアートの精神を作品に昇華し開花させるようになった。本展では,そんな吉川の半生を振り返りながら,合理的な西洋モダンデザインの領野にいかにして日本的な感性が合流していったのかを探る。

Graphic West 7: YELLOW PAGES レポート
文:室賀清徳

「閲覧」と「鑑賞」のあいだ 「芸術的道具箱としての出版: 1989-2017」展 レポート
文・写真:秋山伸

インフォメーション

新刊紹介
3,112円
特集:越境の遍歴 田中義久のパースペクティブ

企画・構成:田中義久,アイデア編集部
デザイン:LABORATORIES(加藤賢策,北岡誠吾)

本特集ではデザイナー,田中義久の活動を特集する。
1980年生まれの田中は,インディペンデントな出版社やギャラリーの写真集,アートブックのデザインをはじめ,さまざまな企業,イベント,プロジェクトのアートディレクションを行い,そのほとんどに企画構想や運営のレベルからかかわっている。
田中のように受注制作を越えた自主的「生産」を行うデザイナーのあり方は,2000年代以降欧米を中心に見られる世界潮流のひとつであり,出版やアートのような文化領域周辺において顕著だ。
そうした潮流はデザインが専門的職種から人の生そのものを規定する概念へと拡張されていく時代のなかで,人と世界の間をあらためてとりもとうとするデザイナーの精神運動とでもいうべきものだ。
田中はいちはやくそのような考え方を自覚し,日本において独自の実践を展開していったデザイナーのひとりだろう。
特集の構成は個人をテーマとする点で従来のようなデザイナー作品集的な形式をとっているが,その目的はそれぞれの実践の背景にある思想や文脈を通じて現在のデザインの可能性を批評的に捉えることにある。
そこで,先行世代や同世代のデザイナーのコメントや協働する編集者の論考など複合的な視点を通じ,田中義久の実践に潜む構造の一端が明らかになる。
その構造は,今後のデザイナーにとって重要なロールモデルとして参照されていくだろう。

田中義久(たなか・よしひさ)
1980年,静岡県浜松市生まれ。武蔵野美術大学空間演出デザイン科卒業。東京都写真美術館をはじめ,コマーシャルギャラリーのVI計画,「POST」,「The Tokyo Art Book Fair」,「Daiknyama Photo Fair」,「CASE」などのアートディレクションを手がける。また,アーティストの作品集デザインも定期的に継続している。飯田竜太(彫刻家)とのアーティストデュオ「Nerhol」としても活動中。http://nerhol.com/

Nerhol

明日を覚えておく,優れた好奇心に寄せて
文:磯谷博史

会話の中の田中
文:大原大次郎

ブックデザイン

直感的で,繊細で,頑固な
文:原研哉

呼んでいる本
文:須山悠里

ポストデジタル以降の本へ向けて
文:加藤賢策

あるべき姿へ
文:大西隆介

VI・プロジェクト

論考1│写真集の可能性
文:大山光平

「疾駆」Idea Edition
デザイン・人・世界 北川一成 × 田中義久 特別対談
編集:「疾駆/chic」編集部/デザイン:竹廣倫

あり方のデザイン
文:髙田唯

寄稿者略歴

論考2│ポストヒストリカルな日本の私たちのアート
文:古賀稔章

特別収録│アイデアNo.379 鈴木一誌特集 刊行記念トークイベント
編集・デザイン:長田年伸

第一回:ページと文体の力と科学
対談:鈴木一誌 × 山本貴光

第二回:本の最終局面へ:編集=デザインのハードコア
対談:鈴木一誌 × 郡淳一郎 × 長田年伸

弊誌379号特集「ブックデザイナー鈴木一誌の仕事」の刊行を記念して行われたふたつのトークイベントの内容を収録。
第一回では,デザイナーと批評家それぞれの探求から共通の問題系に接近する両者が,書物からスクリーンまで,日常のなかで自明なものとされているテキストとデザインの関係について対話を繰り広げる。
第二回では,『ブックデザイナー鈴木一誌の生活と意見』(誠文堂新光社刊)と『アイデア』379号特集の製作に携わった三名が現代日本語編集=デザインの最前線を語る。

岡本健+Gottingham+萩原俊矢:
東京大学生産技術研究所と実践するビジュアルデザイン  
企画・構成:岡本健,Gottingham,萩原俊矢
編集・執筆:芦部玲奈(Studio Gottingham)
デザイン:岡本健,山中港(岡本健デザイン事務所)
写真:Gottingham
イラスト:沼田摩耶
英訳:ベンジャー桂
協力:東京大学生産技術研究所 価値創造デザイン推進基盤,山中俊治,後藤哲也,大長将之,村松充

リサーチとリファインという手法
対談:岡本健 × Gottingham × 萩原俊矢
聞き手:後藤哲也

デザイン拠点としてのIISー研究とデザインの関係をめぐって
対談:山中俊治,大長将之 × 岡本健,Gottingham,萩原俊矢

2016年にリニューアルされた東京大学生産技術研究所(IIS)のロゴとWebサイトをめぐり,その担い手となった三名のクリエイターを中心に,デザインにおけるリサーチとリファインの可能性を探る。

連載│アトラス考─生態学的世界観の視覚化
第4回 ハインリヒ・ベルグハウスの『自然アトラス』─地球の物理的記述と視覚言語の冒険
文:大田暁雄

連載4回目のテーマは『自然アトラス』。
当時観測可能なあらゆる自然現象のデータを使い,地図上でその分布を視覚的に描写した『自然アトラス』と,その作者であるの地図学者,ハインリヒ・ベルグハウスの活動を振り返る。

呂敬人の活動─①
書芸問道─呂敬人書籍設計40年展
呂敬人は散種する
文:鈴木一誌

呂敬人の活動─②
第9回敬人書籍設計研究班:秋山伸ワークショップ報告
北京ワークショップ参加日記
文:秋山伸

昨年11月に北京の今日美術館で開催された「呂敬人書籍設計40年展」。
現代中国におけるブックデザインの第一人者,呂敬人の70年の人生とブックデザイン活動40年を共に記念し,呂のみならず中国のデザイナーコミュニティにとって大きな意味を持つものとなった同展覧会の様子を紹介する。
ともに杉浦康平事務所のOBであるデザイナーの鈴木一誌による展覧会レビューや,関連ワークショップを担当した秋山伸による参加日記を掲載。

ソウル国際タイポグラフィビエンナーレ タイポジャンチ2017 レポート
文・構成:後藤哲也
デザイン:Ordinary People,後藤哲也

奥村靫正 インタビュー
聞き手:大日本タイポ組合

大日本タイポ組合 インタビュー
聞き手:後藤哲也

アン・ビョンハク インタビュー
聞き手:後藤哲也

2017年の開催で5回目を迎えたソウル国際タイポグラフィビエンナーレ「タイポジャンチ」。
韓国語で「からだ」を意味する「Mohm(モム)」をテーマにおこなわれた国際展の様子を後藤哲也(OOO projects)がレポートする。

日本語書体デザインのオルタナティブ
味岡伸太郎と味明ファミリー
文・デザイン:長田年伸

1984年にデザイナーの味岡伸太郎が発表した仮名書体「小町」「良寛」。
写植の成熟期に登場したこの書体は多くのデザイナーに驚きと称賛をもって迎えられた。
そんな味岡が今年新たにリリースした新書体「味明」。
見出し用のふたつのスタイルの漢字と,10種類の仮名,さらには本文用にも10種類の仮名を備えたファミリー書体の全貌と,その開発背景に迫る。

インフォメーション
3,112円
特集:横尾忠則新作集:2010-

2010年の『横尾忠則全ポスター』展以降に制作された,クライアントワークと自己展覧会ポスターの新作約70点による大特集。
ポスターという明確なフレームに落とし込まれた,平面構成の基本に立ち戻る明快でエネルギッシュな画面の連続が,昨今の電子空間を流れる図像を見慣れた私たちの眼を射貫く。
本特集は現代の新しいデザイナーとしての横尾忠則を提示する。

企画・構成:アイデア編集部
デザイン:LABORATORIES(加藤賢策,北岡誠吾)
写真:レスリー・キー
協力:株式会社ヨコオズ・サーカス(徳永明美,相島大地)

Part 1: クライアントワークス

肖像
文字

横尾忠則インタビュー
聞き手:伊藤亜紗 構成・編集:原田裕規,アイデア編集部

KAWSインタビュー
文:藤森愛実

Part 2: 本人展覧会ポスター

反復
CUT & PASTE
分割/フレーミング
絵画的ポスター

寄稿
横尾忠則にとってのポスターとは
文:安來正博

横尾忠則のポスターにおける●▲■
新近作ポスターを中心に
文:山本淳夫

ヨーロッパにおける横尾忠則の影響
文:ミルコ・イリック

横尾の態度,雰囲気,ブラックユーモア
アイデアの通貨
文:ニック・ローズ

台湾と横尾忠則
文:王志弘

パブリック・コレクション
横尾忠則 略歴

片山利弘について
片山利弘(1928-2013)は,戦後日本のデザイン聡明期にグラフィックデザイナーとして活動を開始した。
同世代のデザイナーと比べ,片山の名前を目にする機会が極端に少ない理由として,彼が早いうちに海外へ仕事の拠点を移したことがあげられる。
本誌は50年以上もの間に幾度も片山の仕事を紹介しているが,ハーバード大学時代の仕事が詳細に語られることはなかった。
そのため本記事は,片山のデザイナーとしての活動を振り返りながら,カーペンターセンターのために制作した一連のポスターを考察することを目的としている。
(文:野見山桜)

イントロダクション
日本からスイスへ,スイスからアメリカへ
アメリカ:60年代から70年代
アメリカ:1980年代,それ以降
片山利弘インタビュー 越境と横断
文:アイデア編集部

オトル・アイヒャーのイズニー
都市のアイデンティティ・デザインをめぐって

2017年9月,ロンドンデザインフェスティバルの一環として開催された「オトル・アイヒャーのイズニー」展。
オトル・アイヒャー(Otl Aicher, 1922-1991)が1970年代に携わったドイツ南部にあるイズニーという小さな町のブランディングプロジェクトと,そこで制作されたピクトグラムを紹介するとともに,展覧会の企画者であるパトリックへのインタビューを行い,アイヒャーのプロジェクトのもつ今日性について考察していく。
( 文:野見山桜)

インタビュー:パトリック・イーリー
今日のイズニーピクトグラム

フィリップ・アペロワ展誌上レビュー
現代フランスを代表するグラフィックデザイナーのひとりであるフィリップ・アペロワ。
ギンザ・グラフィック・ギャラリーでの展覧会の開催前日,アートディレクター葛西薫が会場を訪れ,アペロワ本人によるガイドツアーを経て特別対談が実現した。
ともに文字やタイポグラフィへの関心を共通点としながらも,異なる背景,異なる環境で活動してきた二人。
両者のあいだで交わされた越境的で根源的な対話を,展覧会の内容紹介と合わせて収録する。

特別対談:フィリップ・アペロワ×葛西薫
文:アイデア編集部

水たまりの中を泳ぐ
ポスタルコの本作りとイメージメイキング
2000年にマイク・エーブルソンとエーブルソン友理がニューヨークのブルックリンにて創業し,2001年より日本を拠点に展開しているプロダクトブランド「ポスタルコ」。
橋の構造を活かした軽くて丈夫なブリッジバッグや裏紙に穴を開けてパチンと挟むとメモ帳になるスナップパッドなど,独自の視点でありそうでないものを生み出している。
彼らのユニークなものづくりの発想をとりあげる初めての書籍『水たまりの中を泳ぐ』の刊行を記念したインタビュー。

インタビュー:マイク・エーブルソン,エーブルソン友理
文:アイデア編集部 デザイン:エーブルソン友理

連載│アトラス考─生態学的世界観の視覚化
動植物の分布とその要因を視覚化するという問題を考えるにあたって,その起源のひとつはプロイセン出身の探検科学者アレクサンダー・フォン・フンボルト(Alexandervon Humboldt, 1769-1859)に求められる。
今回は「自然物理画」を中心としてその構成と成立の過程を追い,なぜこうした革新がフンボルトに可能であったのかを,当時の自然科学および地図学の状況を鑑みながら見ていく。

第3回 アレクサンダー・フォン・フンボルトの『自然物理画』と植物地理学の黎明
文:大田暁雄

連載│写真と画像の分水嶺
写真とはなにか?  おそらくほぼ全てのInstagramユーザーが抱くことはないだろうこのあまりに普遍的な問いはしかし,「写真的なイメージ」があまねく浸透した社会でこそ有効であるに違いない。
写真表現と絵画やグラフィックデザインなど他の表現領域の境界が薄れ,作品とそうでないものが並列に現前する今,写真を表現手段として選ぶ者たちが感受するその特性に耳を傾け,改めて分析することで写真の布置を探る。

第4回 Spew─写真とコミュニケーション

文:大山光平

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新刊紹介
3,112円
特集:ブックデザイナー鈴木一誌の仕事

1970年代の杉浦康平との仕事,1980年代からの映画本/写真集/ニュー・アカデミズム周辺のデザイン,1990年代の「ページネーション・マニュアル」や『知恵蔵』裁判などの活動,2000年代のデザイン誌『d/SIGN』編集……。
40年に渡る鈴木一誌の仕事を見通す,初めての特集。
『ブックデザイナー鈴木一誌の生活と意見』もあわせてどうぞ。

企画・構成:郡淳一郎,長田年伸
撮影:薈田純一
デザイン:長田年伸

0 飛行機が好きだった デザインの初志
1 デザインアウトロー 杉浦康平事務所での仕事
2 マッド・レイアウター 独立,ニューアカ,視覚文化論
3 対抗する過剰さ 映画本
4 フォーマット上の格闘 ヴィジュアル現代史
5 建築家兼現場監督 辞書,事典
6 小ささへ綴じる 写真集
7 紙つぶてとしてのメディア 自主制作物
8 許せぬ 自著
9 孤絶と連帯 意見広告
10 公共性のほうへ 共著,インタヴュー,対談

略歴

[連載]アトラス|生態学的世界観の視覚化

第2回 ポール・オトレの『普遍文明アトラス』とアトラス・ミュージアム
文・大田暁雄

位置情報を表す一般地図ではなく,なんらかの情報と地理的関係性を結びつけた「主題地図」を取り上げていく「アトラス=地図帳」考察連載。
第2回はポール・オトレによる『普遍文明アトラス』を取り上げる。
「国際書誌事務所」の創始者,1930年代にすでにインターネットの原型を考案していた忘れられたインターネットの祖先,ル・コルビュジエのムンダネウム(=世界都市)計画の依頼者,オットー・ノイラートとの「新世界図絵」共同計画者。
この謎多き人物の足跡を辿ることで見えてくるアトラスの世界とは。

[連載]場所のない言葉|Language Without Place

第4回 サンプル・ライティング
文:スコット・ジョセフ
訳:山本貴光

[連載]写真と画像の分水嶺

第3回 西野壮平 写真と身体
文:大山光平

「写真的なイメージ」が氾濫する現代に,いまさら誰も問おうとしない「写真とはなにか」を問う連載シリーズ。
第3回は西野壮平による作品「Diorama Map」を取り上げる。
撮影した大量の写真を大きなキャンバスに貼り合わせ複写する,この作品の意図を聞く。

佐藤直樹個展「秘境の東京,そこで生えている」

文:佐藤直樹

デザインにできない領域として個展を開き,ベニヤ板に木炭で植物を描き続ける佐藤直樹。
デザインでもアートでもない,「描く」という身体的行為に向かい続ける心境を語る。

日本酒ラベルのデザイン

文・太田和彦

白地に墨書ばかりの近年の日本酒ラベルに失われ,かつての絵画的で古典的なラベルに感じられた,日本人の情念や美学。
そこに「日本酒への根本的な尊敬」を見出した『居酒屋大全』の著者・太田和彦と,日本酒ラベル印刷の老舗・高桑美術印刷へ話を聞きに行く。
ヴァナキュラー・デザイン探訪,日本編。

高桑美術印刷を訪ねて

文・編集部

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特集:グラフィックの食卓

本特集「グラフィックの食卓」 は,近代グラフィックデザインの文脈にある,食についての,あるいは食を足がかりにした批評的グラフィック作品をアラカルト的に紹介するものだ。
近年,グローバル化とともに(美食ではなく)文化としての食への関心が高まり,料理の世界では工学的に料理を捉える発想が深まっている。
またその一方で,アートやデザインの領域でも,食を概念装置としたプロジェクトやワークショップ,印刷物が興隆している。
これらの同時代的動向はそれぞれ独立した物では無く,高山宏の鮮やかなテーブル近代文化論が示したように「table」 が「板」 から「卓」そして「図表」 となって電子的卓文化(tabletop,desktop,tablet) が生まれていく,近代の精神史でつながっているように思われるのだ。
そして,デザインと食が食卓(テーブル) を媒介にして,互いにアナロジカルに(類比的に) つながっているグラフィックに,その構造を読み解く秘密があるのではないだろうか。
本特集は文化的活動とグラフィックデザインの実践のつながりに深い関心を寄せてきたデザイナー,研究者であるワレン・テイラーとの協働のもとで構想・制作された。
本特集を秩序立てるテーブルは,彼の関心と私の関心,二つの焦点による楕円を描いている。
非西洋圏の事例については機をあらためたいものの,本特集が正円による合理的世界観ではなく,楕円が象徴する動的で相補的な世界へ開く窓となっていれば幸いである。

企画・構成:ワレン・テイラー,アイデア編集部
文:ワレン・テイラー,野見山桜,イェンス・ミューラー,室賀清徳
翻訳:熱海綾乃,奥田由意,テランス・ヤング,中澤理沙
デザイン:加藤賢策,北岡誠吾(LABORATORIES)

【目次】

1 F. T. マリネッティと 『未来派料理の手引き』

2 レス・メイソンと『エピキュリアン』

3 勝井三雄と『奥様手帖』

4 ジャンニ・サッシと『ラ・ゴーラ』

5 ハーマンミラーのピクニック・ポスター

6 イケアの『Homemade is Best』

7 フード・カルチャー・マガジン

8 カール・ゲルストナーと『アヴァンギャルド・キッチン』

9 トラットリアの日々:食べることのソーシャライズ

【寄稿者略歴】

ワレン・テイラー Warren Taylor
ワレン・テイラーはオーストラリア,メルボルンを拠点とするMADA(モナシュ芸術デザイン建築大学)のコミュニケーションデザイン科講師であり,アートとデザインの収斂に関心を向けたキュレーションプロジェクト「The Narrows」の創設者でもある。
2006年から2011年のあいだThe Narrowsでロナルド・クライン,エクスペリメンタル・ジェットセット,ジョン・メリン,ホジェリオ・ドゥアルテ,ピーター・ブロッツマン,レス・メイソン,カレル・マルテンスといった重要なグラフィックデザイナーの展覧会を行った。
ワレンはまた,オーストラリアのアーティストのための印刷物やポスターを数多く手がけている。
現在,モナシュ大学のキュレーション学博士課程に在籍中。

ドミニク・ホフステード Dominic Hofstede
ドミニク・ホフステードはグラフィックデザインの実践,執筆,調査,教育について多彩な活動を行ってきた。
メルボルンを拠点とするそのデザイン事務所ホフステッド・デザイン(2016-2015)はタイポグラフィの知識と技術で高く評価された。
2009年,彼はオーストラリアにおける1960年から1990年までのグラフィックデザイン・アーカイブ「Re:collection」を設立。
また2014年には,モナシュ芸術デザイン建築大学の非常勤シニアリサーチ・フェローに就任した。
現在はメルボルンのMAUDにてデザインディレクターとして活動している。

野見山桜 Sakura Nomiyama
2016年,ニューヨークのパーソンズ・スクール・オブ・デザインにてデザイン史の修士号を取得。
デザインの研究者として展覧会の企画や書籍・雑誌への寄稿を行う。
現在,クーパーヒューイット・スミソニアン・デザインミュージアムの素描・版画・グラフィックデザイン課フェローとして,日本のポスターコレクションの調査研究に従事する。

イェンス・ミューラー Jens Müller
1982年ドイツ,コブレンツに生まれ,グラフィックデザインを学ぶ。
デュッセルドルフのデザイン事務所optikのクリエイティブディレクターとして活動し,ドイツ国内をはじめ国際的なデザイン賞を多数受賞。
グラフィックデザインの研究,調査,執筆も行い,おもな編著にグラフィックデザイン史叢書「A5シリーズ」や『ロゴ・モダニズム』がある。ドルムント応用科学大学デザイン科臨時教授。

CHAMP MAGAZINE特別編集 イサマヤ・フレンチ ビューティ・エグゼクティブ
文・デザイン:ジョアンナ・カウェキー(Champ Creative)
インタビュー:モニカ・カウェキー(Champ Creative)
訳:王夏美

イサマヤ・フレンチは現在数多くのビジュアル誌や世界中のイベントに参加し,アート,メイク,美容の常識を超えた表現によって注目を集めるメイクアップアーティストだ。
そんな彼女は近年「食べられるコスメ」をテーマにした新しいスタイルのパフォーマンス表現に取り組んでいる。
本誌では,特集「グラフィックの食卓」と連動して,メイクアップという身体的なグラフィック表現と食により新たな表現と感覚を生み出すイサマヤの活動を,イギリスと日本を拠点とする雑誌『CHAMP』のクリエイティブチームの協力のもと紹介する。

[新連載]アトラス考─生態学的世界観の視覚化
第1回 オットー・ノイラートと『社会と経済』アトラス
文:大田暁雄

近年,情報整理の一手段としてインフォグラフィックスへの関心が高まるなか,その基盤を作った人として知られるオットー・ノイラートの統計図表が引き合いに出される機会は増した。
しかし,それらは単純に情報を見やすく,わかりやすく伝えるためだけに生まれたものではなく,見る者が自らの社会を把握し,世界観の形成を促すものとして,教育的観点や思想に基づき考案されたものであった。
そして,その発端には,歴史上作られてきた「主題地図」(何らかの情報を地理的関係性に結びつけて図解化するもの)の存在があった。
本連載では主題地図を中心とした「アトラス=地図帳」をもとに,人類の歴史の中でいかに視覚的な表現が人間の世界像を形作ってきたのか,そのためにいかなる視覚化技術が考案され,世界像が描かれたのかに迫る。

[連載]場所のない言葉│Language Without Place
第3回 第二のことが第一に
文:スコット・ジョセフ
訳:山本貴光

[連載]写真と画像の分水嶺
第2回 加納俊輔─写真の写実
文:大山光平

[対談]鈴木一誌×水野祐
ポストインターネット時代の法とデザイン ―知恵蔵裁判からクリエイティブコモンズまで
構成・デザイン:長田年伸

新書体
インフォメーション
ブック
展覧会:「ナルゲ。PaTI」展
3,112円
特集:グラフィックデザインの〈め〉 新世代デザイナー21人の姿勢

本特集「グラフィックデザインのめ」はおもに1980年代後半生まれの日本のグラフィックデザイナーたちの実践と思考に光を当てる。
SNSをはじめとするコミュニケーション環境の変化に加え,国内外の政情不安や経済の混乱,グローバル化,東日本大震災をはじめとする大災害や五輪エンブレム問題など,価値の転換期のなかに自らを確立させようとしているデザイナーたちはなにを考え,今度どこへ向かおうとしているのか,が大きなテーマとなっている。
タイトルの「め」とは,登場するデザイナーのものを見る「眼」であり,各自の運動の中心存在としての「目」であり,地表に顔を出す「芽」でもあり,木目,潮の目といった混沌とした状態のなかに見出される「肌理」であり,ひらがなの「め」が漢字の「女」の草書であるように,漢字文化から西洋文化までそれぞれの時代のグローバル文化に対抗して立ち上がる日本文化の女手=仮名的な属性でもある。
これらの含意はそっくりそのまま,彼ら・彼女らの活動から予感される可能性であるとともに,課題でもある。

企画・構成:アイデア編集部
デザイン:ラボラトリーズ(加藤賢策,北岡誠吾)
企画協力:牧寿次郎
撮影:後藤洋平

【寄稿デザイナー】

赤井佑輔 Yusuke Akai
paragram/大阪

阿部寛文 Hirofumi Abe
ベルリン+札幌

飯田将平 Shohei Iida
ido/東京

植田正 Tadashi Ueda
東京

加瀬透 Toru Kase
東京

小原亘 Wataru Kobara
東京

佐々木俊 Shun Sasaki
AYOND/東京

芝野健太 Kenta Shibano
ライブアートブックス/大阪

杉山峻輔 Shunsuke Sugiyama
東京

鈴木哲生 Tezzo Suzuki
日本

惣田紗希 Saki Souda
栃木

高良真剣 Mahaya Takara
横須賀

仲村健太郎 Kentaro Nakamura
京都

濱祐斗 Yuto Hama
濱祐斗デザイン事務所/東京

平野拓也 Takuya Hirano
平野拓也デザイン事務所/山形

牧寿次郎 Jujiro Maki
東京

三重野龍 Ryu Mieno
京都

三宅瑠人 Ryuto Miyake
東京

安田昂弘 Takahiro Yasuda
世界株式会社/東京

吉田勝信 Katsunobu Yoshida
吉勝制作所/山形

吉松英輝
Hideki Yoshimatsu( hydekick )

【目次】

作品紹介

座談会Part1:インターネットとグラフィックデザイナー
登壇:加瀬透×杉山峻輔×安田昂弘×吉松英輝(hydekick)
司会:ばるぼら

座談会Part2:2010年代のデザイナーの在り方
登壇:飯田将平×小原亘×惣田紗希×濱祐斗×平野拓也
司会:大原大次郎

座談会Part3:日本語と文字デザインのこれから
登壇:佐々木俊×鈴木哲生×牧寿次郎×山田和寛×吉田勝信
司会:大日本タイポ組合,アイデア編集部

「協働・共感」のゆくえ
インタビュー:三重野龍×赤井佑輔×仲村健太郎

寄稿者略歴+アンケート

個人的視点:日本のグラフィックデザインへの親近感
文:ライアン・ハーゲマン 訳:熱海綾乃

掲載作品リスト

※本特集はMonotypeの新書体「たづがね™角ゴシック」を使用しております。

Mobile Talk レポート
文・構成:後藤哲也,Saki Ho
訳:Duncan Brotherton
デザイン:Milkxhake(Javin Mo, Saki Ho)

LCCやAirbnb,そしてネットインフラによって,移動はもはや特別なことではなくなった。
コミュニティもまた,もはや地に根を張るものだけではなく,オンラインのそれを含む流動的なものとなった。
Mobile Talkは,このような移動の時代における流動的なコミュニティを編む試み。
本誌で連載されていた「Yellow Pages」を担当した大阪のクリエイティブ・プラットフォームOOO Projectsと香港のデザイン・スタジオMilkxhakeが協働で企画・運営する,今なおダイナミックに変化し続けるアジアの都市を移動(モバイル)するトークイベントだ。
キックオフとなる2016年は,大阪,香港,台北という東アジアの3都市で開催された。
テーマは「#Independent/#Collective(個と集合体)」。
「個」での活動を軸にしながら,プロジェクトに応じて有機的に「集合体」としての活動を行うデザイナー,アーティスト,キュレーター,編集者などが集い,活動を共有した。
また,会場はそれぞれ,現地のクリエイターが自身で運営するスペースを選択。
一過性のコミュニティではなく,多拠点化する我々のリアルな場づくりも目指した。
本稿では,その3回のMobile Talkを圧縮し,ゲストとその作品を一覧するファイル形式で紹介する。

組版造形[プレビュー] ケーススタディ:ブックフォーマットとグリッドシステム
モダニズムの系譜 恩地孝四郎 杉浦康平 平野敬子
文:白井敬尚 補注:郡淳一郎
組版書誌:内田明 編集:室賀清徳
デザイン:白井敬尚形成事務所(白井敬尚,加藤雄一,江川拓未)

本記事は今秋刊行予定の書籍『組版造形』のパイロット版である。
「組版造形」とは「タイポグラフィにおける視覚造形原理」,つまり「タイポグラフィ」の形がどのような原理で生成し,どのように受け止められるのかを,視覚制御や構造という観点から探ることを意図している。
本記事で取り上げるテーマは「ブックフォーマットの形成」の章の一節「ブックフォーマットからグリッドシステムへ」より選ばれた。
※本記事内のノンブルは前後の記事と連続せず独立しております。乱丁・落丁ではございません。

クルト・ハウエルト:バーゼルスクールの支柱
構成・文:ヘルムート・シュミット
訳:山田清美
デザイン:ヘルムート・シュミット,ニコール・シュミット

50年代,60年代のスイス・バーゼルは,エミール・ルーダーをはじめとした教育者たちを求心力に,各国から集まった若いタイポグラファやグラフィックデザイナーたちの集合地点となっていた。
クルト・ハウエルトはその中心人物であり,グラフィックデザイナーで教育者,そして感性の優れたビジュアルアーティストである。
3月17日よりprint gallary(東京)で開催される「リニエ フォルム クラング 線形響:クルト・ハウエルト」に先立ち,教え子の一人でもあるヘルムート・シュミットがその功績をたどる。

オイゲン・ネアディンガーとリーザ・ベック:グラフィックデザイン史に忘れられたタイプデザイナー/グラフィックデザイナー/デザイン教育者
文・デザイン:イエン・ライナム
訳:大木麻利子
協力:大久保玲奈,大友ひかり,長田年伸

モダニズムを主軸とした近代デザイン史のなかで,ドイツ・デザイン学校史上ほとんど知られることのかった場所がアウグスブルグだ。
グラフィックデザインの有用性が盛んに唱えられる一方で,同校ではそうした潮流に反した,純粋な意味での「グラフィックデザイン」教育が行われてきた。
その中心的な存在となったオイゲン・ネアディンガー(Eugen Nerdinger)とリーザ・ベック(Lisa Beck)という二人のグラフィックデザイナーに光をあてる。

西野洋とその時代:『西野洋 思考と形象』によせて
文:室賀清徳
デザイン:白井敬尚形成事務所

[連載]写真と画像の分水嶺
第1回 小林健太 写真の条件
文:大山光平

[連載]場所のない言葉│Language Without Place
第2回 アルファベットの隙間
文:スコット・ジョセフ 訳:山本貴光

新書体
インフォメーション
ロエベ クラフト プライズ
エシロール・グラフィックアート月間2016「メイド・イン・ジャパン」展
ブック
3,112円
【巻頭特集】
グラフィックデザイナーと展覧会
ブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレと世界の実践

グラフィックデザインにおける展覧会とはなんだろうか?
国内の多くのグラフィックデザイナーにとって,展覧会とは自発的な態度表明や意見発信のための方法ではなく,企業や美術館からのコミッションワークのいち形式にすぎなくなっているようだ。
しかし,その一方,海外の状況を見渡せば,従来のデザイン展というフォーマットを上書きするような意欲的な試みが,デザイナー自身によって行われている。
これらのプロジェクトでは展覧会や芸術展を擬制しつつ従属すべき形式と捉えずに,展覧会というフォーマットそれ自体を生産や流通のためのツールとして用いているのである。
そのような実践はいかにしてデザインされ,その背景にはどのような思想があるのだろうか。
本特集では,1963年にスタートし今年第27回を迎えた,グラフィックデザインの展覧会としてはもっとも古い歴史を持つ「ブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレ」の紹介を軸に,ヨーロッパ,アメリカ,そして韓国でのグラフィックデザインと展覧会の試みを紹介し,グラフィックデザインと展覧会について,今一度考えるきっかけとしたい。

企画・構成:後藤哲也,アイデア編集部
デザイン:加藤賢策,北岡誠吾(LABORATORIES)

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第1部:第27回ブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレ

今回のビエンナーレのテーマとなったのは「現代グラフィックデザインの変容と現状に対応すること(すなわち,多数性と多様性,曖昧性,そして明らかな浅薄性について)」。
全体の構成は,コンペティション入選作品の展示「International Exhibition」を入り口に,「A Body of Work」「Zdeněk Ziegler」「Which Mirror Do You Want to Lick?」という4つの展覧会プログラムと,公募展「OFF Program」,ライブラリースペース「The Study Room」,そして3日間の「Biennial Talks」という計7つのプログラムによって組み立てられた。
第1部では,キュレーターのインタビューと作品解説,そして,本誌のために再構成された「Which Mirror Do You Want to Lick?」の綴じ込み冊子と「The Study Room」のコンプリートリストを通じて,現在のグラフィックデザインの輪郭を捉えるブルノビエンナーレでの試みについて紹介する。

キュレーターインタビュー:Radim Peško, Tomáš Celizna, Adam Macháček

International Exhibition
入選者インタビュー:秋山伸

A Body of Work

Zdeněk Ziegler

Study Room

Which Mirror Do You Want to Lick?
[綴じ込み冊子]Which Mirror Do You Want to Lick? 編集・デザイン : Åbäke

Off Program

デザインのための菌床としての展覧会
文 : 後藤哲也

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第2部:世界のグラフィックデザインと展覧会
ワルシャワ国際ポスター・ビエンナーレ,およびアメリカや韓国の実践

冷戦構造の崩壊とそれに続いたグローバル資本主義のなかで,かつての共産圏や「発展途上国」で継続されてきた国際コンペティションや展覧会はその意義や方針の見直しを迫られてきた。
2000年代以降,有無を言わさぬ状況の変化に背中を押され,各地のコンペティションはそれぞれに転換の道を探り出している。
第2部では,ブルノと創設の時期や開催サイクルをほぼ同じくし,戦後の国際コンペティションの双璧をなしてきたポーランドのワルシャワ国際ポスター・ビエンナーレをはじめ,アメリカやアジアでのデザイナー/キュレーターの実践を紹介する。

アメリカとヨーロッパにおけるグラフィックデザイン展の現在地
インタビュー : Jon Sueda

ワルシャワ国際ポスター・ビエンナーレの実践的探求
インタビュー : David Crowley

ソウル・グラフィックデザイン変革の10年間を展覧会化する試み
インタビュー : Min Choi, Hyungjin Kim

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第3部:日本のグラフィックデザインと展覧会 歴史とコレクション
第3部では,日本のグラフィックデザインにおける展覧会の歴史とコレクションの現状を展望する。
年表から見えてくるのは政府による産業振興政策,百貨店や新聞社による文化事業,デザイナー団体による啓蒙・営業活動,それぞれにおいて展覧会というフォーマットが運用されてきた流れである。
オンラインの情報空間が広がったことにより,物理的な空間としての展覧会は相対的にその特殊性が問われ,20世紀デザインの歴史的成果をコレクション,リサーチ,発表する場としてのスペースも重要になりつつある。デザインの展覧会はどのように歩んできたのか。
そしてデザインのアーカイブやキュレーションにおける現代的課題とはなにか。

日本展覧会年表

展覧会とコレクション デザインと社会の「これから」のために
文 : 久慈達也

A door must be either shut or open?
態度表明としての展覧会~グラフィックデザインが死んだ後に~

デザインの巫術
文 : 後藤哲也

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第4部:Study Room
西洋のモダンデザインの論理が,地域固有のデザイン文化を飲み込みつつある現在,このような状況に対抗するオリタナティブな視座を与えてくれる書物とはなんだろうか?
第27回ブルノビエンナーレで弊誌チームの呼びかけに応えた,文化横断的な実践を積み上げてきたデザイナーたちが提示する38冊のブックリストを紹介する。

タブラ・ラサ : 再接続する世界あるいはデザイン・マニエリスム
文 : 室賀清徳+イエン・ライナム

選書と解説
世界の秩序化/文化間を接続する/空間の配置/身振り/象徴と文化構築/空間とテクスチャ/モダニティの構築/ポイエシス/現代文化の編成/言語を視覚化する/分析

【寄稿者】聶永真/アバケ/キム・キョンソン/ヤーレン・ユー / フォーリン・ポリシー・デザイングループ/松田行正/室賀清徳/毛灼然/レナード・コーレン/フィリップ・エッガー/大原大次郎/キャリン・アオノ/向井周太郎/白井敬尚/立花文穂/広煜/杉浦康平/原研哉/ヘルムート・シュミット/山口信博/羽良多平吉/イェンス・ミュラー/秋山伸/小馬哥+ 橙子/王弘志/後藤哲也/ジョン・ワーウィッカー/s o + b a / アレックス・ソンダーレッガー+スザンナ・ベアー/ピーター・ビラク/ライアン・ハーゲマン/服部一成/ナ・キム/キルティ・トリヴェディ/イエン・ライナム/呂敬人/サンティ・ローワンチャイ/クリス・ロー/ランディ・ナカムラ/スルキ&ミン

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【第2特集】ものをならべる
ものをならべるというシンプルな行為,そしてそこに鑑賞者自身が美や意味を見出すという行為は,さまざまな情報が事前に関連づけられて提示される力学が働いている現代においては,あらためて新鮮に感じられている。
ここでは,「ものをならべる」ということの本質にせまる,近年のデザインやアート,思索上のこころみ三つを紹介する。

服部一成『BETWEEN A AND B』

ウタ・アイゼンライヒ

レナード・コーレン『物をアレンジする』

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[連載]場所のない言葉

第1回 テクノロジーとしての歩行
文 : スコット・ジョセフ 訳 : 山本貴光

[書評]リチャード・マグワイア『HERE ヒア』日本語版
文 : 野中モモ

[書評]『C.E OWNER’S MANUAL』
文 : ばるぼら

[連載]ばるぼら×野中モモ:日本のZINEについて知ってることすべて
最終回 2010年代前半のジン

インタビュー:山川正則(レトロ印刷JAM),伯田早奈恵(レトロ印刷JAM),MON(ZINE DAY OSAKA)
デザイン : 宮越里子

インフォメーション
新書体
ブック
the idea of music [021]

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別冊付録:服部一成『BETWEEN A AND B』(復刻版)
2002年,服部一成がギャラリーでの展覧会用に少部数制作した冊子『BETWEEN A AND B』の限定復刻版。

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表紙デザイン:加藤賢策(LABORATORIES)
表紙:第27回ブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレ
「A Body of Work」会場写真
© 2016 Radim Peško & Tomáš Celizna
3,112円
特集:佐藤晃一の自由研究

企画・構成=大西隆介(direqtion Q)+アイデア編集部
デザイン=大西隆介(direqtion Q)
協力=佐藤晃一デザイン室

本特集は2016年5月に逝去したグラフィックデザイナー,佐藤晃一の代表的なグラフィック作品を独自の編集でまとめたものである。
佐藤は視覚的しじまをまとった箱の連作に代表されるポエジーに溢れたグラフィックを用いた作品で知られ,世界的に高く評価されている。
また多摩美術大学において教育活動にも注力し,その薫陶を受けたデザイナーは数多い。

佐藤晃一がデザイナーとして活動はじめた1970年前後は,60年代末の学生運動,それに続く日宣美解散,大阪万博など戦後デザインの啓蒙期が終焉した節目の時期にあたる。
また,多くの若者は既存の社会体制と新たらしい若者文化の価値観のあいだで悩んでいた。
新しい思想としてのロックミュージックやポップアートの影響のただなかで,佐藤の創作上の大きなテーマとなっていたのが,日本的なポップアートの可能性を探ることであった。
しかも,佐藤の関心は伝統美術ではなく「納豆や豆腐やお茶やご飯」といった日常の世界にあった。

ここでは,横尾忠則の模写や,初個展「アブラアゲからアツアゲまで」など日本的なモチーフをポップアートの手法で描くことに挑戦した初期の作品群にはじまり,箱のモチーフやグラデーションの表現によって独自の境地を開拓した中期,俳句とグラフィックデザインを融合させた「俳グラ」など晩年に至るまでの代表作を約100点にわたり掲載。
そのほか,佐藤が80年代に雑誌「ミュージック・マガジン」に連載したエッセイ『佐藤晃一のYES EYE SEE』抜粋や作品解説など,佐藤自身の言葉を混じえて紹介する。

日本的なるものをめぐって

箱の研究

技術からアイデアを

重力からの解放

琳派の遺伝子

冷奴からメザシまで インタビュー=若尾真一郎

デザインとビジュアルコミュニケーション

佐藤晃一の精神と自然(文=佐藤良明)
佐藤晃一さんが亡くなられた。重たい空洞を感ぜずにはいられない。(文=菊地敦己)
多摩美術大学での佐藤先生(文=田口敦子)
抄録『佐藤晃一のYES EYE SEE 1982-83』

略歴

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ジュリアン・シュロファー 雑食のデザイナー

文・デザイン=エイドリアン・ショーネシー
訳=山本貴光
日本語組版=白井敬尚形成事務所

オランダを代表するグラフィックデザイナーのひとり,ジュリアン・シュロファー(1926-1990年)。
彼は書体デザインから書籍,雑誌,ポスターのデザインなど幅広く活動したデザイナーであるものの,これまでその活躍がオランダ国外で語られる機会は少なかった。
本稿では,2013年秋に刊行された400ページにわたるシュロファーの作品集の一部を紹介し,「デザインの博識家」として知られるシュロファーの姿や,彼のつくりあげたオランダにおけるグラフィック・デザインの神髄(クイントエッセンス)を紐解いていく。

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連載 ばるぼら×野中モモ:日本のZINEについて知ってることすべて

第8回 2000年代パート2 ビトウィーン・ジン・アンド・ブログ
デザイン=杉山峻輔

21世紀の最初の10年,情報技術の革新は人々の行動と日常の風景を少しずつ確実に変えていった。
携帯電話の普及,パソコンの低価格化,インターネットの大容量・高速通信および常時接続。
「いま,ここ」を超えて広がるメディア空間に身を晒す体験は,もはや一部の限られた人だけのものではなくなり,誰もがネットにどう関与するのか,しないのかを問われる状況が生まれた。
選択肢が多様化する時代におけるZINEの有り様を紹介する。

インタビュー:今日マチ子,望月倫彦(文学フリマ事務局代表)

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[書評]王志弘作品集「DESIGN BY WANGZHIHONG.COM A SELECTION OF BOOK DESIGNS, 2001-2016」

文=室賀清徳
デザイン=ラボラトリーズ

現代台湾を代表するブックデザイナー王志弘(ワン・ジーホン)は,まだブックデザインへの関心が薄かった1990年代の台湾においてタイポグラフィの領域に踏み込み,2000年の個人事務所設立以降,タイポグラフィの現代的可能性を追求することで,古典性と現代性が同居する斬新なデザインの世界を構築している。
16年にわたる活動の軌跡をまとめた初の作品集を豊富なビジュアルとともに紹介する。

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[展覧会] 第25回ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ

文=生方アレクサンドラ波利子
デザイン=ラボラトリーズ

今年,開催50周年という節目を迎えたワルシャワ国際ポスタービエンナーレ。
今回の展示では,例年行われる公募形式ではなく,ポスターの現代性を根本から問い直す企画展が開催された。
本展の成果と,そこで巻き起こった議論について,現地在住のデザイナーがレポートする。

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information
3,112円
特集:よりみち~伊丹十三と13の映画作品

構成・編集:Åbäke,アイデア編集部
デザイン:Åbäke
日本語組版:長田年伸
翻訳:松山直希,熱海綾乃
協力:伊丹プロダクション,伊丹十三記念館,山口信博,中村好文

伊丹十三は映画監督としてのみならず,俳優,エッセイ,デザイン,料理など多方面にわたる才能と活動で知られている。
本特集は,そんな伊丹の活動に関心を抱いたイギリスのデザイン集団アバケ(Åbäke)の提案を発端としたものだ。
アバケはアーティストとの協働や,ワークショップ,レーベル運営など,受注仕事ではない自主的なプロジェクトを展開し,その方法は世界中のデザイナーに影響を与えている。
彼らの活動はそれがデザインかアートかという議論を越えて,グラフィックデザインという方法をさまざまな領域に応用,転用,流用することにおいて一貫している。
ひとりの人が一つの専門や職能のもとに生きていくのが常識とは言えなくなった現在,そうした状況への批評的実践を展開するアバケにとって,生前の伊丹十三はまさに彼らの活動の先を行く人であった。
そこで,本特集ではある領域における手法・知識・経験を他の領域に転換する伊丹の「翻訳」的な手法をおうべく,アバケとともに伊丹映画のポスターや関連制作物をすべてデザインしてきた佐村憲一に伊丹十三との協働について聞き,二人の交渉のなかに伊丹のデザイン的思考を捉えることにした。
また「翻訳」のいち実践として,世界各国のデザイナーに伊丹映画のポスターを制作してもらった。
本特集によって伊丹十三ははたしてどう理解,翻訳されるのだろうか。
多言語的な世界において,情報の翻訳し,コミュニケーションの回路として働くデザインのあり方について考えていく。

Åbäke
Åbäke(アバケ)はロンドンを拠点に活動するグラフィックデザイン集団。パトリック・レイシー,ベンジャミン・レイキン,カイサ・ストール,マキ・スズキのメンバー4人は,イギリスのロイヤル・カレッジ・オブ・ア ートを卒業した2000年から活動を共にする。ポスターやCDジャケットのデザインからインスタレーション,イベント主催,音楽レーベルでもあるKitsuné ほか,多岐に渡る活動を行う。

佐村憲一
1948年山口県生まれ。グラフィックデザイナー。田中一光デザイン室を経て,ナンバーワン・デザイン・オフ ィス設立。伊丹十三監督全作品のグラフィックデザイン担当。NAOC長野オリンピック公式写真集アートディレクター,佐賀インターナショナルバルーンフェスタ・アートディレクター。武蔵野美術大学・空間演出デザイン科元非常勤講師。東京アートディレクターズクラブ賞,毎日広告デザイン賞,造本装幀コンクール文部大臣賞,全国映画ポスター賞最優秀賞,日本グラフィック展銀賞,日本印刷産業連合会会長賞,日本BtoB広告賞銀賞他受賞。個展「ステーショナリー展」。共著に『現代版絵入り 般若心経』(ゴマブックス, 1982)『一流ブランド品の科学』(はまの出版,1997)。

インタビュー:佐村憲一  伊丹十三をめぐる佐村憲一との対話
写真:橋詰宗

ポスター作品寄稿(左側:佐村憲一デザインのオリジナル版/右側:本企画のためにデザインされたポスター)

サミュエル・ナイホム/ルネ,マテオ,ジャン = クロード・チアナリ/ファリダ・エル・ガザール/バルディ・ハリティ/ フレイザー・マガリッジ/アレサンドラ・ジェニュアルド/ Pınar & Viola / カール・ナウロット & ナ・キム/ローラ・パッパ/ Yokoland /ラディム・ペスコ

ランス・ワイマンと1968年メキシコ・オリンピック

デザイン:Spin
文:エイドリアン・ショーネシー
訳:大木麻利子
日本語組版:白井敬尚形成事務所

1968年,メキシコ・オリンピックのグラフィックデザインを担当したデザイナー,ランス・ワイマン。
彼の作品にはほぼすべての時期において複数の様式の総合とグラフィック要素の融合という特徴がみられた。
そうした構成要素の予期せぬ融合がなによりもはっきりと現れ出たのが本記事で紹介するメキシコ・オリンピックのための仕事である。
イギリスのUnit Editionsより刊行された『Lance Wyman: The Monograph』の収録内容をもとに,著者のエイドリアン・ショーネシーが解説する。

ストリートの思想とデザイン― 路上を拡張する,ポリティカル・デザインの行方

企画・構成:アイデア編集部,千原航
デザイン:千原航
編集協力:小林野渉

紙を媒体とした広告デザインが勢いを失い,従来の広告的な生産体制そのものが疑問視されるいま,その手法は路上(ストリート)において拡張し,あらたな局面をむかえている。
昨年夏の安保法制反対の抗議デモで知られる学生団体SEALDsのデザイン班へのインタビューほか,2000年代以降国内のデモや政治・社会運動にかかわり,そこにおけるデザインの役割を思考してきたデザイナーたちに話をきいた。

インタビュー:SEALDs デモとグラフィックデザイン最前線

デモという政治文化をデザインする― 開かれる参加民主主義の現在
文:五野井郁夫

座談会:ポスト・ポリティカル・デザイン
石黒景太 × 千原航 × 小辻雅史 × 宮越里子

連載 ばるぼら× 野中モモ:日本のZINEについて知ってることすべて

第7回 2000年代のジン パート1―プリント・イズ・ノット・デッド
デザイン:杉山峻輔

90年代には「新しい遊び場」だったインターネットは,大多数の人々の生活に欠かせないインフラとなり,急速に商業化が進んでゆく。
「ソーシャル」と「パブリック」の意味が問い直され,個と公の力学は刻一刻と変化する。
技術の革新は個人に大きな力をもたらした一方で,情報の飽和と複雑化するルールは人々を翻弄し続けた。
そんな中,ごくシンプルな,個人と個人をつなげるメディアの原点として,ZINEは(再)発見される。

立花文穂 Leaves Fumio Tachibana
デザイン・文:立花文穂

Leavesという作品集をつくった。この20年拾ったモノを集めて一葉一葉、本の頁と頁の間に挟んで閉じて押し潰した。そして、また寝かしておこう。次に開くときは色味が渋く増して、ペッタンコにカリカリになって、ヒラヒラっとこぼれ落ちてくる。

クリティカル・デザイン・スクール[グラフィック篇]
グラフィックデザインの周辺からグラフィックデザインを再定義してみる

構成:長田年伸
デザイン:加藤賢策(LABORATORIES)

3回にわたって開催されたクリティカル・デザイン・スクールでは,加島卓,永井幸輔,吉川浩満,石岡良治ら,社会学,法律,哲学,表象文化論の各領域の最前線で活躍する講師を招き,それぞれの専門からグラフィックデザインという領域に光をあて,再検討・再構築する視点を探ることに挑戦した。
浮かび上がったのは,ネットワーク化とグローバ ル化のなかで,あらゆる事象の全体像をつかむことがいっそう困難になりつつある時代に,グラフィックデザインを批評的に語るための可能性である。
これからのグラフィックデザインを我々自身が考え,語り,定義することへの試み。

第1回 東京五輪2020エンブレム騒動以後のグラフィックデザイン
ゲスト:加島卓(社会学),永井幸輔(弁護士/Arts and Law)
第2回 デザインについて語るとき我々が 語ること
ゲスト:吉川浩満(文筆家)
第3回 視覚デザイン「超」講義
ゲスト:石岡良治(表象文化論)

加島卓(かしま・たかし)
東海大学文学部准教授。専門は社 会学,デザイン史。著書に『〈広告制作者〉の歴史社会学』(せりか書房,日本社会学会奨励賞)。『オリンピックとエンブレム(仮)』(河出ブックス,近刊)。

永井幸輔(ながい・こうすけ)
弁護士/Arts and Law/Creative Commons Japan。美術・デザイン・インターネットなどのクリエイティブに関わるアドバイスを提供。編著に『ファッションは更新できるのか?会議』(フィルムアート社)等。

吉川浩満 (よしかわ・ひろみつ)
文筆家。慶應義塾大学総合政策学部卒業。国書刊行会,ヤフーを経て,現職。著書に『理不尽な進化』『心脳問題』『問題がモンダイなのだ』ほか。関心は哲学/科学/芸術,犬猫鳥,デジタルガジェット,卓球など。

石岡良治(いしおか・よしはる)
1972年生。批評家・表象文化論。青山学院大学ほかで非常勤講師。著書に『視覚文化「超」講義』(フィルムアート社,2014年)『「超」批評 視覚文化×マンガ』(青土社,2015年)。

Erik Kessels / KesselsKramer レクチャー & ワークショップ

混乱も不可能も間違いも―クリエイティビティにとって大事なこと
文:柴田直美
デザイン:橋詰宗

2016年3月,田町にあるSHIBAURA HOUSE(シバウラハウス)で,オランダのクリエイティブエージェーンシーKesselsKramer(ケッセルスクラマー)を主宰するエリック・ケッセルスのレクチャーとワークショップが行われた。
20年前にKesselsKramerを立ち上げ,以来ユーモアに溢れた広告を打ち出し続けている彼は,近年アマチュア写真を媒体とした表現に興味を持ち,写真集の出版や,展覧会を企画することでも知られている。

展覧会:Tomato 結成 25 周年記念展「O」

1991年に結成されて以降、デザインシーンの最前線を走り続けてきたクリエイター集団Tomatoの25周年を記念する展覧会が、渋谷PARCOにおいて開催された。
90年代のグラフィックシーンはこの四半世紀でいかなる変容を遂げたのか。

新刊 『ブループリント・フォー・カウンターエデュケーション』増補復刻版
新刊 『祖父江慎+コズフィッシュ』
寄稿:川名潤「かくしてソビィは著者となる」

information

新書体
2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレム決定
インフォメーション
ブック
the idea of music [019]
3,112円
特集:ポスト・インディペンデント・マガジン 雑誌づくりの現在形

本特集は国内外の18の雑誌に依頼し,4ページを自由に制作してもらい,合綴した。
主張も動機もそれぞれ違うが,インターネットとは違うコミュニケーションを志向する姿勢に同時代性がある。
カスタムTシャツやオリジナルモバイルケースをつくるように画像をアップロードするだけでZINEをつくることも可能な時代,資金を集め,写真や原稿を依頼し,デザインをして,自ら雑誌を創刊する行為は,それ自体が特別な主張である。
(企画・編集:アイデア編集部,デザイン:木村稔将)

01 Agapornis Magazine
02 BLINK
03 疾駆/chic
04 Club Donny
05 Dirty Furniture
06 Gazzazapzi
07 Gratuitous Type
08 MacGuffin
09 MASSAGE
10 NOT TODAY
11 PAN
12 Ponytale
13 Print Isn’t Dead
14 RE-VISION
15 Recens Paper
16 TOO MUCH Magazine
17 ユースカ
18 Works That Work

インタビュー:シャーロット・チータム,シャノン・マイケル・ケイン
寄稿:ミヤギフトシ「僕がみてきたいくつかのインディペンデント・マガジン」
テキスト:各誌冊子内テキストの日本語訳

〈連載〉ばるぼら×野中モモ:日本のZINEについて知ってることすべて
第6回 1960年代と1970年代 Part Two ─ 社会運動とカウンターカルチャー

〈連載〉イエローページ・レヴュー

北山雅和 個展「TYPOGRAFFITI 1 – INVISIBLE -」

タイポジャンチ 2015:レポート

第16回モリサワ文字文化フォーラム「 文字とデザインVol. 6」
展覧会評「ニッポンのニッポン ヘルムート・シュミット」
新書体
インフォメーション&新刊紹介
the idea of music [018]
3,112円
特集:大原大次郎 曲線 Song Lines

大原大次郎は言葉のただしい意味で今もっとも「活動」しているデザイナーだ。
大原の活動はクライアントワークと自主企画の区別なく,グラフィック,イラストレーションやワークショップの領域を越えてつながっていく。
それは「問題解決」と「自己表現」の両極に矮小化されてしまったデザインの領域を,根本からとらえなおす道のりでもある。
さまざまなヴィジュアルやテキストが多彩な造本・印刷のもとに一体となり,グラフィックデザインのいまを浮かび上がらせる待望のプロジェクト。
(企画・構成:大原大次郎,アイデア編集部/デザイン:大原大次郎,宮添浩司,本多伸二)

イントロダクション
もじゅうりょく
Ⅰ:稜線/かたち
Ⅱ:黒板/般若心経二百六十六/文字の乗る/「抄録mozine 平野甲賀×平野太呂」
Ⅲ:描き文字/本
Ⅳ:SAKEROCK_/MUSIC/曲の線/身体になじむ記憶
・TypogRAPy/方法の行方 (文:室賀清徳)
・掲載制作物リスト
・曲線のモビール
・綴じ込み付録「少年くそマガジン」

〈連載〉ばるぼら×野中モモ:
日本のZINEについて知ってることすべて
第5回 1960年代と1970年代 PartOne―オキュパイド・ジャパン以後

〈連載〉イエロー・ページ
第7回 フォーリン・ポリシー・デザイングループ(シンガポール)

ミームデザイン学校2015年度公開シンポジウム
「文体とデザインのはざま」
        
IKKO TANAKA ISSEY MIYAKE 
グラフィックを纏う新プロジェクトの躍動
          
小豆島で「文字に文字展」

タイポジャンチ 2015 第4回ソウル国際タイポグラフィビエンナーレ
――都市表象へのタイポグラフィ的アプローチ

Reviews & Information
新作映画情報
書評
インフォメーション&新刊紹介
新書体
      
デザインと権利と感情 / 民意
3,112円
特集:アイデアのアイデア

デザインされた品々であふれる日常を過ごしながら,私たちがそれらの生産過程や作り手の姿を目にする機会は少ない。
しかし,実際のところデザイナーたちの仕事の大半を占めるのはかたちが生まれる以前のプロセスにあり,そのなかでデザイナーは日々何を感じ考えているのか。
ひとつのかたちに至るまでの着想やアイデアを知ることが,現代デザインを読み解く近道となるだろう。
本特集では,世界各国のグラフィックデザイナーたちに,自らの活動において重視するキーワードの提案を依頼し,関連するイメージの選定と解説文の執筆をお願いした。
デザイナーたちの生きた言葉を集めることで,現在進行形のデザインの百科事典を協働編集し,デザインの生産過程に潜む知の体系を浮かび上がらせてみたい。

グラフィックデザインのABC: 問う人との対話
第1章: テクノロジー
第2章: 道具・方法
第3章: コミュニケーション
第4章: 編集・メディア 
第5章: 環境・社会

綴じ込み冊子:『構造,覚え書き,省察』

〈特別企画〉カセットカルチャーの現在形

〈連載〉イエロー・ページ
第6回 ジャン・グエン(ホーチミン)

〈イベントレポート〉
「日本のグラフィックデザイン史 1990-2014」トークイベント
グラフィックデザイン篇/ブックデザイン・タイポグラフィ篇

〈連載〉ばるぼら×野中モモ:
日本のZINEについて知ってることすべて
第4回 80年代のジン──Life After Punk Rock

Reviews & Information
新書体
the idea of music [017]
インフォメーション&新刊紹介

〈巻末綴じ込み〉Baconカセットラベル
3,112円
特集:思想とデザイン

思想を人に伝えるためには,なんらかの素材や形に定着させなければならない。したがって思想は無形のものとしては存在しえず,インターフェイスとしての書物とそのデザインに大きく規定されてきた。またメディアの広がりとともに,思想は活字ではなく音や図像も含めた空間のなかに展開されるようになってきた。時代と共に移り変わってきた思想とデザインの関係に,気鋭の若手研究者,評論家とともに切り込む特集。
企画とアートディレクションは,現在,美術・建築・人文系をはじめとする幅広い領域で活躍するデザイナー・加藤賢策(ラボラトリーズ)が担当。


マクルーハンのメディアデザイン  
文|門林岳史


1960-|拡張するメディアと思想 
視覚的ペーパーバックの実験|ポケットの中のカウンターカルチャー|絵詞エディトリアル─横尾・粟津の本|杉浦康平の文体─①,杉浦康平の文体─②

実験的ペーパーバックを再解釈する
─インヴェントリー・ブックスの挑戦 
インタビュー|アダム・マイケル(project projects)


1980-|横断と解体 
GS/たのしい知識|ニューアカデミズム|NYの『GS』としての『ZONE』|ポストモダンとテキスト実験

思想するデザイナー  
インタビュー|戸田ツトム

1990-2000年代における批評/建築/情報技術のトライアングル  
文|南後由和

『GS』漂流─1982-1988 
インタビュー|荻原富雄


2000-|ネットワークの彼岸 
ゼロ年代批評同人誌マトリクス(文|入江哲朗+峰尾俊彦)|インターネット以降のリアリティと新しい書き手|ゴシック体の風景

ゼロ年代の思想とデザイン 
文|入江哲朗

批評空間のデザインと実践  
インタビュー|東浩紀


寄稿 
紙と思想の接触面─日本思想誌クロニクル 文|山本貴光
批評/メディア/マテリアル試論 193510 文|大澤聡


*


『Atlas of the Functional City』をめぐって─地図の現代的な役割とは? 
座談会 蓑原敬×中島直人×藤村龍至×刈谷悠三


《連載1》インフォグラフィックスの潮流 第5回 

《連載2》イエローページ 第5回 

《連載3》ばるぼら×野中モモ
日本のZINEについて知ってることすべて 第3回 


エルメスの'発想の実験室'
「p etit h」における服部一成の空間デザイン
インタビュー|服部一成


別冊付録 『球体』6号
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商品情報・内容

  • 出版社:誠文堂新光社
  • 発行間隔:季刊
  • 発売日:3,6,9,12月の10日
  • サイズ:B4

■ グラフィック中心の国際的なデザイン誌

グラフィックメディアを中心に、国際的視点からリアルタイムなデザインムーブメントを紹介するインターナショナルデザインマガジン。1953年の創刊よりつねに世界各国のデザイン事情にアンテナを張り巡らし、時代の先端を切り拓くデザイナーとそのクリエイティブワークを毎号豊富なビィジュアルを通じてグラフィカルに紹介。掲載作品も、ポスターをはじめとするグラフィック全般から映像、そしてマルチメディアデザインまで幅広く網羅、多様化する視覚的価値観に対応しながら、デザインシーンのフロントラインをハイクオリティに伝える。

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