レジデント(Resident) 発売日・バックナンバー

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2,500円
特集●サルコペニア対策の最前線
企画編集/山田 実


<特集にあたって>

 サルコペニアとは,加齢に伴う骨格筋量減少および筋力低下を示し,2016年に国際疾病分類に傷病登録がなされた疾病である.2010 年にヨーロッパ(European Working Group on Sarcopenia in Older People: EWGSOP)の,2014年にはアジアのワーキンググループ(Asian Working Group for Sarcopenia: AWGS)によってそれぞれサルコペニアの判定基準が報告され,とくに高齢者診療場面においては重要な評価と位置付けられるようになった.さらに,2017年にはサルコペニアの診療ガイドラインが発刊,2019年にはAWGSによるサルコペニア判定の改訂版(AWGS2019)が公表されるなど,国内外でサルコペニアに対する関心度は高まっている.しかし,現時点ではサルコペニアの診断・治療には診療報酬が適用されず,今日の医療現場においてサルコペニアの位置付けは必ずしも高いとはいえない.
 このような中で,サルコペニアに関する研究は着実に進歩し,Rosenbergによってサルコペニアの概念が紹介された約30年前と比較すると,さまざまなことが明確になってきた.まず,サルコペニアの有病率は地域在住高齢者の15%程度と高く,加齢や疾病の影響によりその有病率は高まるということ.とくに,慢性疾患との関わりが深く,心不全や腎不全,糖尿病等の高齢内科疾患患者ではサルコペニアの存在が治療成績や予後に大きな影響を及ぼすこと.さらに,対策としては運動や栄養が重要であり,適切な介入によって筋力や骨格筋量の改善効果が期待できることなどである.このように,サルコペニアは有病率が高く,その存在が治療成績や予後に大きな影響を及ぼすこと,そして対応の可能性があることなどから,高齢者診療場面においては十分に留意しなければならない疾病である. 本特集では,サルコペニア診療に必要となる基本的な情報を整理した.まず,サルコペニアのオーバービューとして判定方法や一般的な介入の考えなどを整理し,身体機能や身体活動,認知機能,口腔機能等との関連性を総論的にまとめた.これらの情報により,サルコペニアの全体像を概ね把握することが可能である.次に,サルコペニアとの係わりが深い代表的な疾患(骨関節疾患,腎不全,心不全,糖尿病)を例に挙げ,それぞれのサルコペニアの特徴などを概説した.各疾患においてサルコペニアの特徴は少しずつ異なり,それぞれの違いを把握しておくことでより適切な介入へとつながる.さらに,各セッティング(急性期,回復期,維持期)におけるサルコペニアの現状・対策について整理した.セッティングごとで,サルコペニアの意義,影響度合い,対策方法などが異なることから,それぞれの特徴を把握しておくことが重要である.これらの情報が,高齢者診療場面において,少しでも役に立てば幸いである.

山田 実(筑波大学 人間系 教授)


<目次>

〔特集〕
1. サルコペニア・オーバービュー/山田 実
2. サルコペニアと身体機能/永井宏達
3. サルコペニアと認知機能/土井剛彦
4. サルコペニアと摂食嚥下障害/鈴木瑞恵
5. サルコペニアと身体活動/上村一貴
6. 骨関節疾患とサルコペニア/栗田宜明・和田 治
7. 慢性腎臓病とサルコペニア/音部雄平・平木幸治・柴垣有吾
8. 心不全とサルコペニア/石山大介
9. 糖尿病とサルコペニア/山田 悟
10. 急性期におけるサルコペニア/三栖翔吾・井上達朗
11. 回復期におけるサルコペニア/吉村芳弘
12. 地域におけるサルコペニア/渡邊裕也

〔連載〕
◆患者さんとの接し方
・第120話(最終回) 自己紹介,笑顔,そしてユーモア-患者さんとのよい接し方を求めて/星野達夫
2,500円
特集●日常診療でよくみる皮膚疾患の診断と治療
企画編集/佐藤伸一

<特集にあたって>

 近年,各診療科の専門化が進むなか,診療の現場においてはさまざまな診療科の知識を必要とすることも多い.とくに,皮膚については患者自身が皮疹をみることができるため,レジデントにとっても診察中に皮膚の異常について相談を受けることも多いと思われる.この際,ある程度適切に対応できれば,医師と患者との信頼関係は一層強まるであろう.このような観点から,皮膚科の知識をある程度もっておくことはレジデントにとっても重要である.
 しかし,皮膚の異常についての訴えを解決する以外にも,皮膚科の知識が診断上有用な場合もしばしばある.たとえば,スウィート病は高熱とともに皮疹をきたす疾患であるが,皮疹がわずかしか現れない場合には不明熱と処理されていることもある.しかし,不明熱の原因検索時に,スウィート病も念頭におき,皮疹を探し出せばその診断は容易である.
 このように皮膚科の基本的知識はさまざまな臨床の現場で役立つものと考える.したがって,レジデントにとって,皮膚科診療の知識のエッセンスをできるだけ短時間で身に
つけられるような企画が求められている.本特集はこのような観点に立って,レジデントが,必要とされる皮膚科の知識をできるだけ短時間で身につけられるように工夫して編集した.つまり,レジデントがおさえておくべき,日常診療でよく遭遇する皮膚疾患について,最低限これだけは知っておいてほしいものをリストアップした.
 炎症性皮膚疾患として,アトピー性皮膚炎,湿疹・皮膚炎群,乾癬,蕁麻疹を取り上げた.これらの疾患で日常よく遭遇する炎症性皮膚疾患の多くをカバーできると思われる.薬疹については,重症薬疹の診断についても触れた.スティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症などの重症薬疹の頻度は多くはないもののレジデントも診察する機会があり,かつ正しく診断する必要があるためである.その他,感染症として,単純性疱疹,帯状疱疹,尋常性疣贅などの皮膚ウイルス感染症,白癬,カンジダ症などの皮膚真菌感染症,伝染性膿痂疹,丹毒,蜂窩織炎などの皮膚細菌性感染症についても取り上げ,皮膚感染症について一通り重要な知識が得られるようにした.皮膚細菌感染症については,頻度は少ないものの,緊急手術が必要となり,レジデントであっても見落としてはならない壊死性筋膜炎にも言及した.その他,老人性疣贅,日光角化症,ボーエン病などの腫瘍性疾患や尋常性ざ瘡,円形脱毛症も取り上げ,日常診療でよくみる皮膚疾患については,かなりの部分を網羅しえたと考えている.
 本特集が日常診療の場で,お役に立てば幸いである.

佐藤伸一(東京大学医学部 皮膚科 教授)


<目次>

■特集:日常診療でよくみる皮膚疾患の診断と治療……企画編集/佐藤伸一
特集にあたって/佐藤伸一
1. アトピー性皮膚炎/菅谷 誠
2. 湿疹,皮膚炎/管 析
3. 乾癬/簗場広一
4. 蕁麻疹/鎌田昌洋
5. 薬疹/吉崎 歩
6. 老人性疣贅,日光角化症,ボーエン病/門野岳史
7. 尋常性ざ瘡,酒さ/山﨑研志
8. 円形脱毛症/大山 学
9. 単純疱疹,帯状疱疹/渡辺大輔
10. 尋常性疣贅,青年性扁平疣贅/住田隼一
11. 白癬とカンジダ症/常深祐一郎
12. 伝染性膿痂疹,丹毒,蜂窩織炎,壊死性筋膜炎/岩田洋平


■連載
◆患者さんとの接し方
・第119話 声をかけたドクター-医師が患者家族になったとき……星野達夫
2,500円
特集●学ぼう根拠と使い分け 不整脈の薬物療法
企画編集/小和瀬晋弥

<特集にあたって>

 不整脈の治療の花形といえばカテーテルアブレーション治療.近年の医療技術の進歩はめざましく,使用するカテーテルや3次元マッピングなどの画像技術も日々改良されている.発作性上室性頻拍や心房粗動などに対しては第一選択の治療としてカテーテルアブレーションの地位は揺らがない.また心房細動でさえ高い確率でコントロール可能になっているし,心室頻拍・心室細動と言った致死性不整脈や,植込み型除細動器しか治療がなかったBrugada症候群でさえカテーテル治療での治療が考慮される時代になってきている.
 一方,不整脈の薬物療法は地味な印象が否めない.筆者が医者になった当時にニフェカラントが使用可能となって大いに期待を持った記憶と,アミオダロンが使用可能となったときに大きな話題になったが,そのほか大きな話題となった記憶があまりない.しかしながらカテーテルアブレーションはすべてに実施できるわけではなく,どの場所,どの医師でも使用が可能である抗不整脈薬は不整脈治療の1つの選択肢としての重要性が薄れることはなく,今後も抗不整脈薬の知識を身につけ使用できるように努力することは必要不可欠であろうと考えられる.
 抗不整脈薬は催不整脈作用,しかも重大な不整脈(torsade de pointesや高度な徐脈など)を引き起こす可能性があるため,慣れていない医師にとっては怖いイメージが先行しがちだろうと思う.また作用機序が複雑で,どの薬を使用したらよいのかが理解しにくい薬でもあり,これによって抗不整脈薬使用に対する一歩が踏み出せない先生方も多いことだろう.
 本特集は,このような先生方に自信を持って抗不整脈薬を使えるようになっていただくために企画した.まず不整脈はどのように起こるのかを考え,不整脈の全体像がつかめるような解説をお願いしている.そして,抗不整脈薬が実際にどのように作用するのかを理解できるようにした.また,抗不整脈薬の特徴の理解を助けるために,抗不整脈薬の分類についても解説をいただいた. しかし,実際の臨床では理論を理解しただけでは不十分であり,実際に使用できなければならない.これができるようになるために実際の臨床での使用法について日常診療で出会う不整脈ごとにまとめてある.
 抗不整脈薬は副作用があるため使用しにくいイメージがある.それを払拭するには副作用を知り,その対処法を知るのが近道と考え,最後に抗不整脈薬を使用するに当たっての注意点についても解説をお願いした.
 本企画の執筆には不整脈治療の先駆者というべき先生方にその豊富な経験を踏まえての執筆をお願いしており,本書を読むことによって実際の症例を経験したのと同様の知識が得られると確信している.本書がこれから抗不整脈薬を使用してみようとする先生方や,再度知識を整理したい先生方の臨床の手助けになれば幸いである.

小和瀬晋弥(横浜労災病院 不整脈科部長)


<目次>

■特集:学ぼう根拠と使い分け 不整脈の薬物療法……企画編集/小和瀬晋弥
特集にあたって/小和瀬晋弥
〔基礎編〕
1. 不整脈の機序と抗不整脈薬/古川哲史
2. Ⅰ群薬/鈴木 誠
3. Ⅱ群薬/大槻 総・野田 崇
4. Ⅲ群薬/篠田康俊・野上昭彦
5. Ⅳ群薬,その他の抗不整脈薬/松本直樹
〔実践編〕
6. 期外収縮を見つけたら/金井美和・江島浩一郎
7. 心房細動に対処してみよう/樋口晃司
8. narrow QRS tachycardia に出会ったら/荻ノ沢泰司
9. wide QRS tachycardia の対処法/小松雄樹
10. 静注β遮断薬の使い方/石原嗣郎
11. 抗不整脈薬の引き起こす心電図異常/小竹康仁・栗田隆志
〔番外編〕
12. 徐脈に出会ったら/中井俊子

■連載
◆患者さんとの接し方
 ・第118話 コンピューター時代の医師-TAVIを勧められた患者さん-……星野達夫
◆ヨルレジ……編集/森 信好
 ・第20回 頭痛の見方………福井 翔
◆慶應循環器内科カンファレンス……監修/福田恵一
 ・第75回 再発を繰り返す若年性脳梗塞患者に対して経カテーテル的卵円孔開存閉鎖術を施行した一例……金澤英明
特集●救急外来で役に立つ皮膚診療の極意
企画編集/出光俊郎

<特集にあたって>

 救急の現場では,第一印象,経験,勘,すなわち視覚で判断することが少なくない.一般に救急現場における些細な皮膚の変化は原疾患の治療で軽快・消失するために注目されず,また,重症で死亡するような疾患に付随する皮膚症状も救命処置優先と見逃されて認識されない.しかし,注意してみていくと皮膚や粘膜症状には救急現場においてさえも診断や治療へのヒントが隠されていることも少なくない.たとえば,発熱,体幹の紅斑,丘疹,多臓器障害の場合,腋窩や下腹部に刺し口が発見されればそれでツツガムシ病の診断が可能となり,適切な治療を選択しうる.
 視診は思ったよりも難しい.網膜に投影されてもほとんど意識しないと見えないといったほうがいいだろう.見えない人には見えない…….見ようとしない人には見えないのである.救急患者が搬送されて「酸素!ルート確保!モニター!」とめまぐるしく初療が進むなか,皮膚をしっかり見ている暇はないと思いがちである.しかし,一瞬でも皮膚をしっかりと見る習慣がついていると多くの情報が得られる.まさにここで,臨床の眼力,実力の差が出るのである.結節性紅斑から腹痛・下血の原因が炎症性腸疾患であるとか,脳梗塞の原因が血管炎であるとか,また,意識障害の原因がペラグラに伴うWernicke 脳症であることなどが皮膚の診察からも可能になる.ふと考えると,あるいは振り返って考えるとその原因を推測できる皮膚症状にあたることも少なくない.
 また,口腔粘膜症状も見落としやすい重要な部位である.とくに歯肉出血や口腔内血腫は凝固異常や白血病など出血傾向を示唆するために緊急度が高い.出血壊死を伴う口唇びらんはStevens-Johnson 症候群の診断上重要な徴候である.重症な口腔カンジダ症があればエイズや糖尿病,ステロイド内服などによる免疫不全を考える.口腔アフタと下血があればベーチェット病や炎症性腸疾患の可能性がある.また,クローン病の腸管外病変も口腔にみられることもある.このように皮膚ばかりではなく,口腔粘膜にも診断のヒントが詰まっているので見落とさないようにしたい.
 皮膚のみかたでは,基本的に紅斑,紫斑,水疱,潰瘍を覚えておくと危険な皮膚のサインを読み取ることができる.さらに,他の医療スタッフが注目しないところにも目を配るとよい.たとえば意識障害の搬送患者で背部に真っ黒い壊死がみられ,ガス壊疽とわかることもある.したがって,意識障害のある患者では見逃しやすい背部~臀部や下肢後面もおっくうがらずに見ておく必要がある.さらに注意深く診て考えれば,不可解な皮膚病変や家族の態度から虐待を発見できるかもしれない.
 このように臨床医としてのスキルを磨くためにも細かな皮膚の変化にも気を配る姿勢が必要である.救急では患者からの情報量が少ないために,みためで診断することになるが,思いのほか,皮膚は雄弁に語っているのである.

出光俊郎(自治医科大学附属さいたま医療センター 皮膚科)


<目次>

特集●救急外来で役に立つ皮膚診療の極意……企画編集/出光俊郎
特集にあたって/出光俊郎
1. これだけは見逃せない危険な薬疹の徴候/平原和久
2. アトピー性皮膚炎患者の悪化で鑑別すべきこと/宮野恭平
3. 救急に来る水疱の鑑別疾患はたくさんあって難しい/宮川 史
4. 顔面の腫脹には緊急度が高い疾患がある/寺木祐一
5. 壊死性軟部組織感染症の早期診断と治療について/盛山吉弘
6. 救急で役立つ糖尿病患者の皮膚所見のみかた/中西健史
7. 救急でみる膠原病・血管炎/小寺雅也
8. 口腔所見から考える救急疾患/神部芳則・中村知寿
9. 蕁麻疹・血管性浮腫・アナフィラキシーショックまで/森脇昌哉・田中暁生
10. 自宅で動けなくなって搬送される高齢救急患者の皮膚障害のみかた/三井 広
11. 救急受診の消化器疾患を見抜く皮膚のサイン/大塚幹夫・山本俊幸
12. 抗凝固薬投与中の高齢者でみられる皮膚症状/梅本尚可

連載
◆患者さんとの接し方
 ・第117話 decide on the kindest level―患者さんには親切に……星野達夫
◆ヨルレジ……編集/森 信好
 ・第19回 夜間に出会うアレルギー……池田行彦
◆慶應循環器内科カンファレンス……監修/福田恵一
 ・第74回 大動脈基部に限局した大動脈解離再発の1例……荒井隆秀
【特集】研修医が知っておきたい 神経疾患の診断と治療
企画編集/藤岡俊樹

〈特集にあたって〉
 神経系の疾患は血管障害をはじめとして新生物,炎症,代謝異常など,きわめて多岐にわたる.このうち血管障害は,日本の国民病といわれるほど有病率が高く,診療科にかかわらずすべての医師が遭遇するのではないだろうか.
 しかし血管障害以外の神経疾患も,たとえば認知症性疾患やパーキンソン病などの変性疾患患者は人口の高齢化に伴って増加している.同時に,これらの神経疾患をすでに罹患している患者が,その神経疾患以外の疾患の治療や手術などを目的として入院する場合は,神経疾患を専門として診療していない医師でも,ある程度は疾患のことを理解しつつかかわる必要性があると思われる.さらに,がん治療や脳血管疾患の積極的治療が進歩し,これらの疾患が原因で寝たきり状態や在宅介護を受ける状態に陥る方が減ったため,相対的に神経疾患患者が占める比重が増してきている.
 従来,神経疾患イコール難病であるとか難治性疾患と考えられたことが多いと思う.また神経診察の面倒さなどから神経病を敬遠してしまう医学生諸君や研修医諸君も多いかと思う(失礼があったらごめんなさい).しかし,近年は,既知の神経疾患でも治療法の面で数々の進歩がみられ,今まで未知の神経疾患であっても新しいテクノロジーの導入で診断が可能となり特異的治療が可能になったものもあるため,適切な時期に専門家にゆだねる機会を逸してはならない.また,不幸にしていまだに新規治療が開発されていない疾患であっても,予後や見通しを的確にアドバイスできることは,プライマリケア医にとっても大変重要な役割である.このためにも,各疾患の概略はつねにアップデートしておく必要があるだろう.
 血管障害については,最近,特集が組まれたところであるため,今号では血管障害以外の神経疾患の診断や治療の現状について各方面の専門家の先生に解説をお願いした.本特集を読んで,神経疾患の魅力に皆さんが開眼し,関連分野の専攻生となってくださると執筆者一同,大変幸せである.また,たとえそうでなくとも,神経疾患の存在を正しくかぎ分けられ,評価できるようになって,皆さんの研修医としての評価が今以上に高まることを期待している.

藤岡俊樹
(東邦大学 医学部 内科学講座(大橋)神経内科学分野 教授)

〈目次〉
1. 骨格筋疾患
2. 神経筋接合部疾患
3. 末梢神経疾患
4. 運動ニューロン疾患
5. 神経感染症
6. 非感染性脳炎・脳症
7. 脱髄性疾患
8. Movement disorders(パーキンソン病,PSP,MSA,SDS,CBDなど)
9. 運動失調症の診断と治療
10. 認知症関連疾患
11. 機能性疾患(頭痛・てんかん)
12. 脳脊髄の腫瘍性疾患

【連載】
◆患者さんとの接し方
 ・第116話 第一発見者の義務-待つ身のつらさ
◆ヨルレジ
 ・第18回 輸液
◆慶應循環器内科カンファレンス
 ・第73回 著明な左室拡大に起因した機能性僧帽弁閉鎖不全症に対して弁下部組織修復術が奏功した症例
2,200円
【特集】
必ず身につけたい頭痛診療のスキル
企画編集/古和久典

〈特集にあたって〉
 頭痛は,日常診療の中でしばしば遭遇するありふれた訴えの1つである.感冒や寝不足,二日酔いなどが原因で頭痛が生ずることは誰もが一度は経験していることであり,一生の間に一度も頭痛を感じたことがない人はまれであると思われる.一方で最初の訴えは「頭が痛い!」だけで歩いて来院したのに,一歩間違えば危なかったとのエピソードも先輩医師から聞いたことがある.このような頭痛にいざ対応しようと考えると,その原因の多種多様さの前にたじろいでしまい,鎮痛薬を処方する以外に何をしてよいのか,何をしておかないといけないのか戸惑うことも少なくない.
 日常の頭痛診療において留意しておくべきポイントは,
 1)二次性頭痛を見逃さないこと
 2)片頭痛を正しく診断すること
 3)適切な診断に基づいた治療や対応によって,頭痛の慢性化を避けること
の3点に集約できる.
 他に頭痛をきたす原因を有している場合に二次性頭痛といい,受診患者の10%程度を占めることが示されている.その中でも,先送りができない緊急性の高い疾患や進行性の疾患による二次性頭痛を見逃すわけにはいかない.どのような頭痛や症状があるときに何を考えておかないといけないのか,どこまで検査をするとよいのか,検査で異常がないときにどのように考えて患者指導するとよいか,そのスキルについて解説をしていただいた.
 頭痛そのものが疾患である場合に一次性頭痛といい,その代表が片頭痛と緊張型頭痛で,日本で実施された疫学調査では840万人,2200万人の患者が罹患している.一方で,実際に医療機関を受診している頭痛患者の多くが片頭痛であること,最初から片頭痛と診断された患者は多くないことも明らかとなっている.どのようにすれば,片頭痛を正しく診断し,患者にわかりやすく説明して,適切な治療を提供できるのだろうか.片頭痛を中心に一次性頭痛の対処法について解説をしていただいた.
 3か月を超えて月15日以上にわたり頭痛を呈している状態を慢性頭痛と表現し,そうなることを慢性化という.その多くには,慢性片頭痛および薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)が含まれていると考えられている.慢性化の機序はどのように考えられているのか,危険因子は何がいわれているのか,それらを理解することが,回避する手立てとしても重要となっている.身につけておいてほしいポイントについて紹介していただいた.
 最後に今後登場が期待されている治療薬や治療デバイスと,今年2018年1月に改訂された頭痛診断のルールブックにあたる『国際頭痛分類第3版』についても解説していただいた.
 本特集によって,実際に受診した患者の頭痛診療の一助となり,1人でも多くの患者が満足していただけるようになることを応援している.

古和久典
(松江医療センター 神経内科 診療部長)

〈目次〉
1. 二次性頭痛を見逃さない頭痛診療
2. 雷鳴頭痛の患者さんが来院したら
3. Walk-in SAH(くも膜下出血)を見逃さないスキル
4. 片頭痛を見逃さない極意;一次性頭痛の鑑別法
5. 片頭痛の病態機序と診断・治療のスキル
6. 緊張型頭痛,TACs,「その他の一次性頭痛疾患」
7. こどもの頭痛の診かたと治しかた
8. 女性のライフスタイルと頭痛
9. 一次性頭痛に対する新たな治療の選択肢
10. 頭痛の慢性化と薬物乱用頭痛;その病態と対処法
11. 頭痛診療ルールブック「国際頭痛分類第3版」の改訂

■連載
◆患者さんとの接し方
 ・第115話 患者さんの質問
◆ヨルレジ
 ・第17回 徐脈
◆慶應循環器内科カンファレンス
 ・第72回 ステロイド抵抗性心臓サルコイドーシスの1例
2,200円
【特集】
Choosing Wiselyで考える感染症診療~検査編~
企画編集/忽那賢志

〈特集にあたって〉
 Choosing Wiselyという言葉をご存知でしょうか.これは「ポリファーマシー(薬剤の多剤併用)」や「過剰診断」が世界的な問題になりつつあるなか,医療者が専門職としての原点に立ち返り,“賢い選択”を実現するための国際的なキャンペーン活動です.米国では,70以上の臨床系の専門学会が,医療者,患者双方が考え直すべき“5つのリスト”というものを作成しています.日本でも,総合診療指導医コンソーシアムが,以下に挙げる“5つのリスト”を発表しました(GenMed. 2015; 16: 3-4.).
1.健康で無症状の人々に対してPET-CT検査によるがん検診プログラムを推奨しない.
2.健康で無症状の人々に対して血清CEAなどの腫瘍マーカー検査によるがん検診を推奨しない.
3.健康で無症状の人々に対してMRI 検査による脳ドック検査を推奨しない.
4.自然軽快するような非特異的な腹痛でのルーチンの腹部CT検査を推奨しない.
5.臨床的に適用のないル-チンの尿道バルーンカテーテルの留置を推奨しない.
 こうしたムダな検査をなくそう,患者さんにメリットよりもデメリットが多い検査は控えよう,というのがChoosing Wiselyの主眼です.さて,感染症診療の世界も検査に溢れています.我々はそれらのたくさんの検査を使いこなせているでしょうか? どのような場合にこれら感染症に関する検査をすべきか十分に理解していますか? 極端な例を挙げれば,肺炎がないのにレジオネラ尿中抗原を測定していたり,熱があって咳をしている患者全員に胸部レントゲンを撮影していたりするのを見かけることがあります.
 本特集では感染症診療に関する検査をもう一度見直し,どのようなときに検査を実施すべきか(そしてすべきでないか),どのような結果であったらプラクティスをどう変えるのか,について改めて考えたいと思い企画しました.各検査についてご記載いただく先生方には「○○しない!(たとえば「発症から12時間以内のインフルエンザが疑われる患者に迅速検査をしない」)というリストを1つずつご作成いただきました.本特集の「感染症検査のChoosing Wisely」のリストを読者の皆さんの診療に活かしていただけましたら幸いです.

忽那賢志
(国立国際医療研究センター 国際感染症センター 国際感染症対策室 医長)

〈目次〉
1. Choosing Wisely とは
2. むだな検査を出していませんか?~「とりあえずクリック症候群」に罹患しないために~
3. インフルエンザ迅速診断キットのChoosing Wisely
4. 胸部X線写真のChoosing Wisely
5. 肺炎球菌尿中抗原・レジオネラ尿中抗原
6. 溶連菌迅速検査
7. CRP
8. 血液培養検査
9. 監視培養のChoosing Wisely
10. 抗酸菌検査
11. CDトキシン~GDHとトキシンのそれぞれの解釈は?~
12. β-D-グルカン検査の意義

【連載】
◆患者さんとの接し方
 ・第114話 患者さんの質問
◆ヨルレジ
 ・第16回 不眠・不穏
◆慶應循環器内科カンファレンス
 ・第71回 腎機能障害を有するCTEPHに対するBPA
2,200円
【特集】
消化器治療薬の使い分け
企画編集/糸井隆夫

〈特集にあたって〉
 消化器領域には食道から直腸までの消化管,肝臓,そして膵胆道(膵臓・胆道)と多くの臓器が含まれる.良悪性を含めた消化器疾患の数は他の領域と比較して圧倒的に多く,当然日常臨床で遭遇する機会も多い.したがって,消化器診療においては比較的遭遇する疾患を中心に診断とあわせてその治療薬の知識を整理しておく必要がある.しかし他科も学ばなければならない若い医師がその膨大な情報量を習得する時間は限られている.そこで本特集は効率よく若い医師が消化器疾患の治療薬を学べることを目的として企画された.
 消化器疾患のなかでも日常診療で最も多く遭遇するのは上部消化管に起因する症状であろう.そのなかで酸分泌抑制薬は最もよく用いられる治療薬であり,その使い方に関しては精通する必要がある.また世界でも有数の胃癌大国である日本においては上部消化管疾患とヘリコバクター・ピロリ菌感染との関係を避けては通れない.最近,ピロリ菌感染胃炎(慢性胃炎)に対しても保険適用が拡大されており,本特集ではこれらも含めて解説していただいた.興味深いことに,近年日本では食生活の欧米化と除菌によるピロリ菌感染率の低下に伴う胃酸分泌の増加により,胃食道逆流症(GERD)が増加している.2015 年の診療ガイドラインでは初期治療としてプロトンポンプ阻害薬(PPI)治療が推奨されていたが,PPI 抵抗性GERD が問題となっていることは最近のトピックスである.また,日常臨床では便秘や下痢やそれによる腹痛は下部消化管に起因するものも多く,その治療薬の使い方にぜひ習熟してもらいたい.炎症性腸疾患に初診時に遭遇することはまれであるが,紹介や転院により治療継続例を受け持つことはあるかもしれない.この領域も生物学的製剤が開発とともに急速に進歩しており,受け持った際に慌てないように新しい知識を備えてほしい.また,しばしば上下部消化管,まれに胆膵疾患に起因する疼痛に対しては鎮痙薬が必要となることが多く,その使い方を知っておきたい.
 肝疾患においては分岐鎖アミノ酸薬の使い方はもとより,近年注目されているNAFLDやNASHに関してその病態と治療薬の使い方を知っておく必要があろう.また,急速に進歩しているB 型肝炎およびC 型肝炎に対する治療に関するアップデートな情報を知っておきたい.膵疾患は消化器疾患のなかでも遭遇することはまれであるが,腹痛,とくに上腹部痛のなかには急性膵炎や慢性膵炎(もちろん膵癌も)が含まれることを忘れてはならない.最終的に膵炎と診断された場合には蛋白酵素阻害薬や消化酵素薬をどのように使うかを知っておく必要がある.
 本特集は,日本における豊富な経験を持つ各領域のエキスパートにより解説された,エッセンスの詰まった解説書である.数多くの消化器疾患において日常臨床で必要な知識がこの1 冊でほぼ網羅できる,まさに“All in One”の内容となっている.さらに,明日の診療からすぐに使えるように実際の処方例とその解説を盛り込んである.本特集が消化器診療に携わるすべての若い医師にとってお役に立てれば幸いである.

糸井隆夫
(東京医科大学 消化器内科学分野 主任教授)

〈目次〉
特集にあたって
1. 消化管運動機能改善薬
2. 酸分泌抑制薬
3. 整腸剤(下痢・便秘薬)
4. 炎症性腸疾患治療薬
5. 鎮痙薬
6. 分岐鎖アミノ酸製剤の使い方
7. NAFLD/NASHの病態と治療薬
8. 抗ウイルス薬~B型肝炎~
9. 抗ウイルス薬~C型肝炎~
10. 蛋白分解酵素阻害薬
12. 小児外科・消化器疾患

【連載】
◆患者さんとの接し方
 ・第113話 のどの違和感と喉頭鏡-検査をする医師が心がけること
◆ヨルレジ
 ・第15回 ステロイドの使い方
◆慶應循環器内科カンファレンス
 ・第70回 肺動脈性肺高血圧症に対する肺動脈除神経療法
2,200円
【特集】
小児疾患:診断の基礎とポイント
企画編集/呉 東進

〈特集にあたって〉
日本では近年少子高齢化が急速に進行して,総合病院から小児科がなくなる,病院内では小児科病棟が外科系を含めた小児病棟や他科との混合病棟になる,といったことがごくあたりまえにみられるようになってきた.一方で,核家族化などを反映して夜間や休日に救急病院・休日診療所などが子どもの患者でいっぱいになるなど,日本の小児医療環境は大きく変動しており,小児医療に対してネガティブな印象をもっている医学生や研修医は少なくないのではないか.学習意欲がわいてこないということもあるかもしれない.しかし,世界に目をむけてみると,子どもの人口は決して少ないわけではなく,15歳未満の子どもは世界の総人口のおよそ4分の1を占めており,これからも引き続き子どもの病気や健康状態に対する医療的ニーズは高いと予想される.大きな視野をもって小児医療の学習に取り組んでもらいたいと願っている.
 子どもの一番大きな特徴は成長・発達するということで,解剖学的・生理学的に成人とはまったく異なっており,同じ子どものなかでも年齢によってかなり違ってくることも珍しくない.また,病態の変化が早く,ゆっくり待っていると手遅れになることもある.近年の遺伝子医療の急激な進歩のおかげで,以前は治療の可能性がなかったような疾患にも治療法が開発され,きちんと早期に診断・鑑別して治療への道筋をつけることが大切になったものも出てきた.一方で,核家族化や少子化などの影響によって,子育て経験の少ない両親や保護者が多くなり,ごくありふれたことでも医師に質問してくることが増え,小児を診療する医師に求められる医学的知識は非常に幅広くなっている.
 以上のようなことから,本特集では,疾患の軽重にかかわらず,小児病棟やプライマリケアの現場で初期研修医・後期研修医・ポリクリの医学生などが実際に経験する可能性の高い小児の疾患や状態について,その見方,診断や鑑別上の重要なポイントなどを,なぜそうなのかが理解しやすいように,基礎的な解剖・病態生理の観点からなるべく簡潔に解説するようにしている.研修をしながら本書を読み再び研修に臨むという相互フィードバックを行って,小児疾患や病態の診断のポイントをつかみ理解を深めてほしい.ついでながら,小児医療を理解することで,同じような病態が高齢者でもみられることに気がつくことがあると思う.人は年をとると子どもに戻っていくといわれることもあるが,人の医療の基本は子どもにあり,小児医療の学習は対象の年齢を超えると筆者は考えている. 薬や免疫チェックポイント治療薬ニボルマブの登場で劇的に治療法と予後が変化した腎がんも解説していただきます.
 本特集が読者の皆様の診療の少しでもお役に立てば,望外の喜びです.またこれをきっかけに一人でも泌尿器科に興味をもってくださる若い先生方が生まれることを期待しています.

呉 東進
(京都大学大学院 医学研究科 教授)

〈目次〉
1. 子どもの体の特徴
2.脳神経疾患~急性脳症の診療について~
3. 先天性心疾患
4. 呼吸器疾患
5. 感染性疾患
6. 免疫・アレルギー疾患
7. 内分泌・代謝疾患
8. 先天異常・遺伝性疾患
9. 新生児・低出生体重児疾患
10. 腎臓・尿路疾患
11. 小児血液・悪性疾患
12. 小児外科・消化器疾患

【連載】
◆患者さんとの接し方
 ・第112話 視力障害のある患者さんとの接し方?臨床医の「センス」と「資質」
◆慶應循環器内科カンファレンス
 ・第69回 高齢の徐脈性心房細動
 ・完全房室ブロックに対してリードレスペースメーカ植込みを行った1例
2,200円
【特集】
レジデントが知っておくべき脳神経外科手術
企画編集/吉村紳一

〈特集にあたって〉
 脳神経外科においては,脳血管障害や頭部外傷に加え,脳腫瘍や脊髄脊椎疾患,水頭症の手術も行われています.本特集のねらいは,各手術法の対象疾患と適応,使用機器やその実際について理解することです.
 まず脳血管障害に対しては,開頭手術だけでなく,カテーテル治療(脳血管内手術)もよく行われます.患者の状態や動脈瘤の形状,部位などによって治療が選択されることが多いので,それぞれの適応と利点・欠点についての理解が必要です.開頭による脳動脈瘤頚部クリッピング術の場合には,典型的なアプローチ法の体位や解剖,さらには術中モニタリングについて知っておかなければなりません.一方,血管内手術としてはバルーンやステントを併用したコイル塞栓術が多いのですが,最近ではフローダイバーター留置術も行われており,抗血小板薬の内服などを含む周術期管理にとくに注意が必要です.このように外科手術と血管内手術では,同じ疾患を対象としていても適応や注意すべきポイントが異なるため,しっかりと理解してください.
 さて,近年増加している脳虚血性疾患においては,頚動脈内膜剥離術やステント留置術,バイパス術などが行われます.治療手技によってアプローチ法が大きく違うため,それぞれの手術の適応や方法,管理法を予習しておく必要があります.最近,急性期脳梗塞に対して行われるようになった血栓回収療法はその有効性が確立し,ガイドラインで強く推奨されたことから大きな注目を浴びています.緊急治療となるため,その適応と準備についてあらかじめ十分な理解が必要です.  頭部外傷についても緊急手術となることが多く,場合によっては救急外来で穿頭処置が行われることさえあります.したがって手術に踏み切るタイミングを理解すること,術後のドレーンや頭蓋内圧センサーなどの管理を知ることが重要です.
 一方,脳腫瘍においては悪性度や腫瘍型によって治療法はさまざまですが,今回は髄膜腫などの良性疾患と,グリオーマに対する開頭手術について学んでください.また,脳神経領域でも内視鏡手術が増えてきました.とくに下垂体腫瘍に対してはこの方法が主流となってきていますが,脳室内腫瘍や脳内血腫などにも適応が広がっています.今後さらに成長する可能性の高い治療法ですので,機器の使用法を含めて理解してください.
 脊椎手術も増加の一途をたどっています.その対象はとても幅広く,手術法も多岐にわたりますが,ここでは頚椎症に対する典型的な前方・後方アプローチについて学んでください.
 水頭症手術,穿頭術はレジデントが直接担当することの多い手術です.これらは脳神経外科手術の入門編ともいえるものですが,安全で有効な治療を行うためにはいくつかの重要ポイントがあります.今回は若手の先生に執筆を担当してもらいましたので,「ここだけは外してはいけない」キーポイントを確認してください.  本特集によって皆さんの脳神経外科手術の理解が深まり,治療の実践に役立つことを期待しています. 薬や免疫チェックポイント治療薬ニボルマブの登場で劇的に治療法と予後が変化した腎がんも解説していただきます.
 本特集が読者の皆様の診療の少しでもお役に立てば,望外の喜びです.またこれをきっかけに一人でも泌尿器科に興味をもってくださる若い先生方が生まれることを期待しています.

髙吉村紳一
(兵庫医科大学 脳神経外科学講座 主任教授)

〈目次〉
1. 脳動脈瘤開頭ネッククリッピング術
2. 脳動脈瘤に対する血管内治療(coil & FD)
3. 脳腫瘍手術
4. 頚動脈内膜剥離術
5. 頚動脈ステント留置術
6. 脳血管バイパス術
7. 血栓回収療法
8. 頭部外傷(開頭血腫除去・減圧開頭術)
9. 脊椎手術(前方,後方固定術)
10. 内視鏡手術(下垂体腫瘍,血腫除去)
11. 水頭症手術(シャント,第三脳室底開窓術)
12. 穿頭術(CSDH,脳室ドレナージ,定位生検)

【連載】
◆患者さんとの接し方
 ・第111話 難聴の人との接し方
◆ヨルレジ
 ・第14回 腎機能障害
2,200円
【特集】
一から学ぶ老年泌尿器科
企画編集/髙橋 悟

〈特集にあたって〉
 日本は,世界に類をみないスピードで超高齢社会に突入しつつあります.ご存知のように,男女を問わず高齢者は過活動膀胱,夜間頻尿などの排尿のトラブルや尿路感染の機会が増加します.また男性では前立腺肥大症やED(erectile dysfunction)/LOH(late-onset hypogonadism)症候群といった「男の悩み」に加えて,前立腺がんや膀胱がんなどの悪性腫瘍の罹患も増えることが知られています.一方女性では,尿失禁や骨盤臓器脱などの骨盤底機能障害の疾患が多いのが特徴です.きっと読者の皆様も日常臨床の現場で,これらの疾患をもつ患者さんを担当して,どうしたらよいか戸惑われた経験をお持ちのことと思います.
 そこで本特集では「一から学ぶ老年泌尿器科」と題して,エキスパートの先生方に実臨床で頻度が高く重要な12疾患について,その定義,病態,診断(検査),治療をわかりやすく解説していただくことにしました.過活動膀胱は,2002年に定義された尿意切迫感を必須症状として頻尿,切迫性尿失禁を伴う症状症候群であること,女性に多い尿失禁には,切迫性尿失禁の他に腹圧性尿失禁,溢流性尿失禁があること,また認知症やADLの低下したフレイル高齢者では機能性尿失禁を認めやすいことをご紹介します.さらに高齢者に非常に多い夜間頻尿の背景には,夜間多尿と睡眠障害があること,骨粗鬆症による腰部脊柱管狭窄では排尿障害を主体とする神経因性膀胱が多いこと,尿路結石に伴う重症尿路感染症や敗血症の救急高齢患者が最近増加していることもご紹介します.また高齢者がんの代表である前立腺がんをはじめ,泌尿器科領域には加齢とともに増加するがんが少なくありませんが,今回は罹患率の高い前立腺がん,尿路上皮がん,腎がんを取り上げます.前立腺がんに内分泌療法が著効することはご存知かと思いますが,多くの症例がやがて去勢抵抗性前立腺がんに移行すること,それらにも効果がある新しい内分泌療法薬が登場したこと,また早期からドセタキセルなどの化学療法を行う有用性が示されてきたことなどをご紹介します.喫煙者に多く,膀胱内に再発しやすい尿路上皮がん,分子標的薬や免疫チェックポイント治療薬ニボルマブの登場で劇的に治療法と予後が変化した腎がんも解説していただきます.
 本特集が読者の皆様の診療の少しでもお役に立てば,望外の喜びです.またこれをきっかけに一人でも泌尿器科に興味をもってくださる若い先生方が生まれることを期待しています.

髙橋 悟
(日本大学医学部 泌尿器科学系 主任教授)

〈目次〉
1. 過活動膀胱
2. 尿失禁
3. 夜間頻尿
4. 神経因性膀胱(神経因性下部尿路機能障害)
5. 前立腺肥大症
6. 尿路結石症
7. 高齢者における尿路感染症
8. 腎がん
9. 尿路上皮がん(膀胱がん・腎盂尿管がん)
10. 前立腺がん
11. 勃起障害(ED)/加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)
12. 骨盤臓器脱

【連載】
◆ヨルレジ
 ・第13回 腹痛
◆患者さんとの接し方
 ・第110話 遠隔画像診断サービス?メリットとデメリット
◆慶應循環器内科カンファレンス
 ・第68回 重症心不全患者の治療を考える~弁置換か?移植か?アブレーションか?~
2,200円
【特集】
脊椎脊髄外科~首から腰までの背骨の病気の診断と治療
企画編集/大川 淳

〈特集にあたって〉
 整形外科の外来患者のうち,約半数が背骨の病気であることが知られている.整形外科では,四肢外傷とともに手足の痛みやしびれ,麻痺も扱う.首や腰などの局所の痛みの訴えもかなり多い.整形外科専門医となる過程で,これらの症状に対する診断・治療法を学ぶが,その時期は同時に基本的な手術整形外科手技の習得に時間が費やされるのが一般である.最も多いのは大腿骨頸部骨折であるが,橈骨遠位端骨折や足関節,下肢骨折の整復固定術を通じて,整形外科手術の基本手技であるスクリューやプレート,髄内釘などの扱い方を習得する.こうした一般整形外科の手術ができるようになったあとで,人工関節,内視鏡とともに,脊椎手術など進んだ手術手技を学ぶことになる.スポーツ整形外科の人気も高いが,脊椎脊髄外科のニーズは高齢者の増加とともにますます大きくなると思われる.
 脊椎脊髄外科は,かつて交通外傷や転落による脊椎の脱臼骨折や脊髄損傷が中心であった.ところが近年,高齢者の健康寿命の重要性が高まるにつれて手術の対象が大きく変化し,さらに技術的な進歩によって手技も多様化した.すなわち,従来の神経除圧と局所的な固定術に加えて,内視鏡手術や長範囲インストゥルメンテーションによる姿勢制御などが可能になったのである.ただ,手術治療において最も重要なのは術前の神経診断学であり,症状の由来を正確に評価することが手術を成功に導く鍵といえる.とくに脊椎脊髄外科では背骨の痛みという非特異的な症状が多く,手術のターゲットを決定するにも一定の知識や経験を有する.当然,神経学的診察をマスターすることや,MRI・CT検査などの神経放射線診断学の知識も不可欠である.一方,すべての頸部痛や腰痛が手術で治せるわけでなく,手術後に残った痛みを薬や理学療法でコントロールして,運動機能を維持するという保存治療の素養も求められる.この部分には医師患者関係を良好に保つ能力が重要で,画像上の異常があるから切除し,それがなければ通院は不要というような切除外科の考え方とは大きく異なる.痛みを減らしてQOLを向上させるという,機能外科としての側面を最も求められているのが脊椎脊髄外科といえる.
 本特集は,こうした脊椎脊髄外科の診断,治療のエッセンスを示すことを目的に編集した.12の傷病について,問診から始まり,診察,画像検査,診断に至るまでの過程を示す.治療については保存治療と手術治療について概説し,また,専門医への紹介のポイントに触れた.本特集の読者が到達できるのは診断過程までとは思われるが,神経障害はときに進行性であり,専門医への紹介のタイミングが遅れると思いの他重い後遺障害を残すことを忘れてはならない.脊椎脊髄外科の領域は,生命予後は左右しないとしても,障害が残れば患者のその後の人生に大きく影響することは間違いがない.

大川 淳
(東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 整形外科学分野 教授/
東京医科歯科大学医学部附属病院 病院長)

〈目次〉
1. 頸部痛・腰痛と保存治療
2. 頸椎後縦靭帯骨化症
3. 頸椎椎間板ヘルニア
4. 胸髄腫瘍
5. 思春期側弯症
6. 若年者腰椎分離症
7. 腰椎椎間板ヘルニア
8. 腰部脊柱管狭窄症(すべり症)
9. 成人脊柱変形/大谷和之
10. 骨粗鬆症性椎体骨折と骨粗鬆症治療
11. 透析脊椎症
12. 化膿性脊椎炎

【連載】
◆ヨルレジ
 ・第12回 カリウム異常
◆患者さんとの接し方
 ・第109話 看取り医療における患者さんの家族との接し方
◆慶應循環器内科カンファレンス
 ・第67回 房室ブロックから心室細動を起こした心サルコイドーシスの一例
2,200円
特集●ドクターコール!急変初動30分,まずこう動く!
企画編集/志水太郎

〈特集にあたって〉
 初期研修医終了までに必要な事の1つに,急変対応があります.私は院内外で研修医教育に当たる時,研修医の先生に「皆さんが2年間の研修を終えるまでに獲得すべき具体的な到達目標のひとつに“1時間くらいでバイタルを含めた全身状態を単独で安定させることができるようになる”というのがあります.」と言っています.自分も思い出しますが,研修医にとって最も緊張するのが夜間の病棟当直や救急外来だと思います.先ほど,初期研修で最も学ばなければならないことの一つに急性期対応で動けることといいましたが,それはなぜなら,何か異変があったときにパッと動けるようになっておかないとそもそも患者さんを助けられないし,また学年が上がってからそれを学ぼうと思っても,初動は自分より若い学年の人が対応することになり,いよいよそれを指導しなければならない立場になったときに動けないままというのは,指導はもちろん,現場でリーダーシップも発揮できないからです.慢性的な,または時間的に「待てる」ケアや対処は,もしわからなくても,少なくともその場や医局に帰って本やネットなどを開く時間があるので,医者になってからできるだけ早く習得しなければならない内容としては,やや優先順位が低いのではないかと思います.それよりも,まずは脊髄反射のように「こうきたらこう」「ああきたらこう」という感じでコモンで緊急な状態は迅速に対応できるよう,その部分にフォーカスを当てて学ぶのがよいかなと思います.そこがクリアできれば,いざというときは大丈夫という自信につながり,余裕をもって夜の当番や救急外来に立つことができるようになります.
 というわけで,今回の特集では今を時めく大学の若手総合診療・救急の指導医たちにご執筆をお願いし,12項目の“必須”のクリアすべき状況を読者の研修医の皆さんと共有したいと思います.多くは病棟でナースからコールされた時の状況を意識した出だしで,症例ベースにしているので読みやすい内容と思います.また,書面の工夫からオールカラーになっているのもよいことと思います.この紙面を通して,明日からどのように急変時に戦うことができるかの学びのロードマップを描くことができれば,皆さんの研修はグッと見通しのよいものになると思いますし,そうなれば企画編集者の志水としてはとてもハッピーです.あなたの明日からの研修がよりよく充実することを心より願っています.応援していますよ!!

志水太郎
(獨協医科大学病院 総合診療科 診療部長)

〈目次〉
1.「先生,呼吸が止まっています」
2.「先生,サチュレーションが下がっています」
3.「先生,脈が触れません」
4.「先生,血圧が下がってます!」
5.「先生,脈が140で速いです」
6.「先生,(意識)レベルが下がってます!」
7.「先生,患者さん胸を苦しがっています」
8.「先生,患者さんが暴れてます」~せん妄~
9.「先生,患者さんがけいれんしています!」
10.「先生,下血しています」
11.「先生,ひどく嘔吐しています」
12.「先生,患者さんがお腹をすごく痛がっています」

■連載
◆ヨルレジ
 ・第11回 意識障害
◆患者さんとの接し方
 ・第108話 終末期高齢者の患者説明
-相手の気持ちに寄り添うことが大切
◆慶應循環器内科カンファレンス
 ・第66回 強心薬依存の重症心不全;補助人工心臓の適応か否か
2,200円
【特集】便秘をきわめる!
企画編集/中島 淳

〈特集にあたって〉
 便秘はレジデントとしてどの診療科に行っても遭遇するcommon disease である.しかしながら医学部の学部教育で教わることもなく,もちろん内科の教科書にはほとんど記載がないし初期研修などでとくに学ぶこともない.小児科,婦人科,外科などと各疾患特異的な問題も多く,忘れ去られた疾患の一つであり,なかなか人に聞けない問題でもある.また詳しく知っている人も非常に少ない.一方患者側からしたら切実な問題である,ひとたび慢性便秘になると完治はなかなか望めないので薬物治療でコントロールすることをかなり長期にわたって行わなければならない.したがって,便秘は初療でしっかり治すことが肝心である.
 ごくありふれた疾患である便秘をスマートに治すことは信頼される医師への第一歩でもある,しかもそれはあらゆる診療科においてである.便秘患者といっても各診療科ごとに状況が異なりなかなか大変であることもある.精神科では非常に多くの患者が便秘を合併していることに驚かされるし,パーキンソン病やレビー小体認知症など神経内科領域ではこれも高頻度に便秘を合併する.薬剤性の便秘も近年多く,その代表格が緩和領域でのオピオイド誘発性便秘である.このような状況で近年この分野が大きく変貌しつつある.その理由は新薬の登場である.先ほどのオピオイド誘発性便秘に対する末梢型オピオイド受容体拮抗薬の発売が本年のトピックスの一つである.
 今回はまずは便秘治療の基本をこの際学んでいただくために便秘診療の基礎を解説いただき,また診療科横断的に便秘診療の極意を解説いただいた.便秘イコール便秘薬を出すだけから診断や鑑別に精通してスマートに治して患者満足度を上げれるようになることを目指して執筆いただいた.今回の特集がどの診療科のレジデントであっても必ず役に立つものと確信するのでどうかご活用いただきたい.

中島 淳
(横浜市立大学 医学研究科 肝胆膵消化器病学教室 主任教授)

〈目次〉
Ⅰ. 基礎編
1. 便秘の病態・診断の基本
2. 便秘の治療の基本
3. 便秘における漢方薬の使い方
Ⅱ. 個別診療科における便秘診療編
1. 産婦人科:産科婦人科における便秘治療の基本
2. 緩和診療:緩和診療における便秘治療
3. 循環器:循環器患者の便秘治療の基本
4. 腎臓内科:腎機能低下・透析患者の便秘治療の基本

【連載】
◆ヨルレジ
 ・第10 回 悪心・嘔吐
◆患者さんとの接し方
 ・第107 話 初対面の患者さんとの接し方
-「礼儀」と「共感」が要
◆慶應循環器内科カンファレンス
 ・第65 回 繰り返す心不全に対しPDA 閉鎖術
が奏功した超高齢女性の1 例
【特集】循環器治療薬
企画編集/木原康樹・西楽顕典

〈特集にあたって〉
 わずか20年ほど前まではβ遮断薬は心不全患者には禁忌であった.しかし,それは今や心不全治療になくてはならない治療薬となった.低用量アスピリンが本邦で虚血性心疾患の治療に用いられるようなったのは,つい17年前のことである.このbreakthroughにより多くの命が救われた.Direct oral anticoagulantがワーファリンにとってかわろうとしている昨今であるが,経口抗凝固薬療法中の患者が納豆を食べることができる時代を10年前に誰が想像したであろうか? このように,過去20年にわたる循環器領域の治療薬の発展には目を見張るものがある.しかしながら,高齢者人口の急増に伴い,循環器疾患を持つ患者人口は増加の一途である.さらに,このことも手伝って,心疾患は依然として日本の死亡原因の第2位である.したがって,すべての臨床医が循環器疾患の基本的な薬物療法についての知識を備え,またそれをup to dateすることが望まれる.
 循環器疾患の特徴の1つは,病態がダイナミックに変化することである.起坐呼吸で会話もままならない心不全患者が,わずか2週間の治療の後に独歩で退院していく姿をみるのは循環器診療の醍醐味である.その一方で,治療の方法やタイミングを誤れば,患者が短時間に不幸な転機をとることもまれではない.このことから,経験に乏しい若い医師にとっては,循環器領域は最も尻込みさせられる診療分野の1つであるかもしれない.このような医師の要望に応えるために,本特集は企画された.
 循環器領域の主要な9種の薬剤について,各分野のエキスパートの先生方にご執筆頂いた.
 各章において,図表を豊富に用いて,わかりやすく作用機序を解説した.Landmarkとなる大規模臨床試験やガイドラインの紹介により,evidence based medicineに対応した.これらにより,成書にも引けをとらない内容となっていると自負している.本特集の最大の特徴として,実際の処方例とその解説を加えた.ベッドサイドに本書を持参することで,明日からの循環器診療の即戦力となりうるであろう.各章はエキスパートの先生方の豊富な経験にもとづいたtip&trickで締めくくられている.かつては上級医から口頭で伝えられてきた宝珠の知識がそこにあるかもしれない.読みものとしても面白い内容となっている.本特集が希望に燃える若い医師にとって,循環器臨床の一助となれば編者として幸いである.

木原康樹
(広島大学大学院 医歯薬保健学科研究科 循環器内科学 教授)
西楽顕典
(広島大学大学院 医歯薬保健学科研究科 循環器内科学 助教)

〈目次〉
1. レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系阻害薬
2. β遮断薬
3. 利尿薬
4. 脂質異常症治療薬
5. 抗不整脈薬
6. 抗血小板剤
7. 抗凝固薬
8. 冠拡張薬
9. 循環器救急薬剤

【連載】
◆ヨルレジ
 ・第9回 頻拍
◆患者さんとの接し方
 ・第106話 あなたの得意分野は? -「今日は休診日ですよ」
◆慶應循環器内科カンファレンス
 ・第64回 青壮年男性の心原性失神の一例

レジデント(Resident)の内容

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レジデントやレジデントを目指す医学生が、重要な基本的知識や技術を学ぶとともに、研修施設選択など将来設計に役立つ情報が得られる「レジデント総合情報誌」です。全頁カラー印刷によるAB判の大型サイズの採用と、多数のイラストによるビジュアル化により視覚的に分かり易い誌面構成となっています。特集においては、レジデント教育に力を注いでいる第一線の著名な医師や大学教授陣による執筆で、教科書では学べない実践的な診断と治療を主要テーマとした記事を掲載。医師・臨床研修医の他、看護師やコメディカルにも役立つ幅広い内容を目指しています。

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