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レジデント(Resident) 発売日・バックナンバー

全140件中 1 〜 15 件を表示
2,500円
特集●達人から学ぶ循環器病診察の極意~視て・触れて・聴いて~
企画編集/水野 篤

<特集にあたって>

 今回は循環器病の診察についての特集です.循環器領域の身体診察を愛する先生方に熱い原稿をいただきました.本書で基本的な循環器の身体診察を復習することに加えて,各エキスパートの先生方独自の熱いTIPS & TRICKSを紹介していただきたいと考えています.
 循環器の身体診察の基本は視て・触れて・聴いてという3点が基本であり,その基本を押さえつつ,いろいろな先生の独自の方法を御覧になって,より自分に馴染むものを次々に試しているうちに自分流の身体診察方法が開発されていくのだと思います.紙面で伝える限界もありますが,本書はカラーというメリットを用いて,先生方の身体診察
の秘伝の技を惜しみなくご指導いただきます.
 今回はさらにプライマリケア・総合診療の観点からの循環器フィジカルを日本のフィジカル教育リーダーの平島先生に記載していただき,呼吸音という循環器内科医がむしろ少々苦手な範囲を呼吸器内科,なおかつ循環器にも総合診療のマインドを持つ皿谷先生にお願いしております.是非お愉しみください.
 最後に今回の原稿執筆者は日本の循環器Physical examination 講習会というきわめて熱い会を開催している先生方に多く参加していただいています.まだまだ実は熱いメンバーがいらっしゃいます.そのため,今回全員を紹介できずそこは残念ですが,是非年1回の循環器Physical examination 講習会にも顔を出してみてください.一緒に熱い循環器の身体診察を学び,研究してゆきましょう!


<目次>

1.流れるように行う,循環器病診察~一連の流れ~/室生 卓
2.内科医・循環器内科医がどのようにして身体診察能力を向上させ,いかに臨床応用するか/山本正治
3.見た目でわかる,視診の極意~頸静脈以外~/中岡洋子
4.頸静脈を診察したい!~結局熱い,収縮性心膜炎~/林田晃寛
5.触診の極意~心尖拍動と動脈触知~/齊藤 輝,水野 篤
6.聴診の極意~心音の基本と,過剰心音をなんとか聴き分けたい~/柴田 敦
7.聴診の極意~心雑音をなんとか聴き分けたい~/山崎直仁
8.心エコー図との対比で学ぶ心臓診察/阿部幸雄
9.心臓フィジカルの学び方~デジタルコンテンツの活用~/川﨑達也
10.ジェネラリストとスペシャリストの心臓診察の違い・コントラスト~それぞれの役割~/平島 修
11.呼吸器内科からみる循環器疾患~呼吸音も勉強しよう~/皿谷 健
2,500円
特集●レジデントが知っておくべき 敗血症診療のポイント&ピットフォール
企画編集/小倉裕司

<特集にあたって>

 敗血症はあらゆる年齢層が罹患する重篤な疾患であり,今なお世界で年間5000万人近くが発症し,うち1000万人以上が死亡しています.発症早期からの迅速かつ適切な全身管理を必要とし,生存者も長期的にPost-Intensive CareSyndrome(PICS)などの後遺症にしばしば悩まされます.
 救急外来において,レジデントを含む若手医師も感染源の異なるさまざまな敗血症に遭遇するため,それぞれの患者に適切に対応する能力が求められます.なかには,一見軽症そうにみえて致死的になる敗血症やショックからの離脱に難渋する重症例もあり,診断・治療に至る適正なプロセスが重要視されます.同時に,集中治療に移す必要性なども短時間で判断する能力が求められます.
 実際の敗血症患者を目の前にしてどう対応すべきか?どのような優先順位で治療を進めるべきか?治療と並行して評価すべき項目は?治療の最終ゴールは?後遺症をどうしたら減らせるか?患者・家族への対応は?など,経験を積みながら,日頃から知識の整理(シミュレーション)を行うことが大切です.とくに,近年は高齢者の増加に伴い,併存疾患やその治療薬もまちまちであり,敗血症診療を進めるうえで柔軟な対応が求められるケースも増えています.
 2021年,『日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG)2020』,国際版の“Surviving Sepsis Campaign Guideline(SSCG)2021”が相次いで出版されました.J-SSCG2020は,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ国内外で通用する質の高いガイドラインを目指しており,急性期管理をバランスよく取り上げた診療バンドルも公開されました.一方,SSCG2021 ではlong term outcomes and goals of care などが大きく取り上げられ,患者・家族に対する長期にわたる医学的・社会的サポートの重要性などが強調されています.
 本特集では,J-SSCG2020およびSSCG2021の内容も含め,敗血症診断,感染源コントロール,抗菌薬治療,初期循環管理・ステロイド療法,呼吸管理,栄養管理,血液浄化療法DIC診療,PICS診療・リハビリ,患者・家族ケア,さらにJ-SSCG2022診療バンドルのポイントなどをいずれも各領域の第一人者の先生方に取り上げていただきました.執筆にあたり,各領域において若手医師が知っておくべき敗血症診療のポイントとピットフォール,実際の症例における診療のコツや工夫,最新トピックスなどをご紹介いただきます.
 レジデントを含む若手医師にとって敗血症の臨床現場で応用できる多くの「ポイント」が散りばめられています.本特集の内容が,敗血症診療を多面的にサポートし,より適切な診断・治療や効果的な多職種チーム医療につながることを心から願っています.


<目次>

1.敗血症診断のポイント:qSOFAをどう扱うか?/松田直之
2.感染源の診断とコントロールのポイント:効果的なドレナージ術は?/飛世知宏,大網毅彦,中田孝明
3.抗菌治療のポイント:適正使用とは?/石井潤貴,志馬伸朗
4.初期循環管理のポイント:ショックを迅速離脱/廣瀬智也
5.ステロイド・IVIG治療のポイント:補助療法としての効果は?/山元 良,藤島清太郎
6.呼吸管理のポイント:肺保護戦略とは?/安田英人
7.栄養療法のポイント/矢田部智昭
8.急性腎障害と血液浄化療法のポイント/井上悠太郎,土井研人
9.DIC診療のポイント:抗凝固薬の種類とタイミングは?/梅村 穣
10.Post Intensive Care Syndrome(PICS)診療・リハビリのポイント:長期予後の改善/對東俊介
11.Patient- and Family-centered care のポイント:患者・家族への視点/河合佑亮
12.『日本版敗血症診療ガイドライン2022 初期治療とケアバンドル(J-SSCG2022 バンドル)』:急性期治療を束ねて/江木盛時
2,500円
特集●日常臨床に役立つ アレルギー疾患の診断と治療
企画編集/多賀谷悦子

<特集にあたって>

 アレルギー疾患の患者数は急速に増加しており,全人口の約2人に1人がなんらかのアレルギー疾患に罹患しているといわれている.アレルギーは就学や就労への障害,また生命の危険を脅かすショック症状を引き起こすことから,社会的問題にもなっており,医療関係者のみならず,国民の関心は高まる一方である.
 アレルギー疾患は多岐にわたるため,内科,小児科,皮膚科,耳鼻咽喉科,眼科の各分野が連携して診療に当たることになるが,1人の患者を包括的に診療することが重要である.どの科においても,アレルギーに関する問診,幼少期からのアレルギー疾患,病状を把握することが必須である.アレルギーで苦しんでいる患者や家族は,日常生活にも支障をきたし,エビデンスのない民間療法に飛びつき,病状が悪化することがしばしば起こっている.そういう状況で,医療人として,学生や研修医の皆さんが,正しい,そして最新の知識を習得し,適切な対応を身につけてほしい.
 今回,アレルギー診療の基本であるアレルゲン検査について,そして,通常診療でよく遭遇する,花粉症,通年性アレルギー性鼻炎,アトピー性皮膚炎,食物アレルギー,気管支喘息(小児・成人)や鎮痛剤によるNSAIDs過敏喘息,死亡に至ることがあるアナフィラキシーや,最近,話題になっている口腔アレルギー症候群について,スペシャリストの先生がわかりやすく解説している.
 アレルギーの分野は飛躍的に進歩している.アレルギーの診断に最も重要なIgE抗体は,1966年に石坂公成,照子夫妻により発見され,世界中で測定されている.アレルギーの分野では日本人がたくさん活躍しており,トランスレーショナルリサーチが行われ,分子標的薬が開発され,疾患の予後が改善している.基本病態が解明され,20~30年で治療も変化している.以前の常識が非常識になり,各疾患のガイドラインが次々にバージョンアップされ,喘息では小児の死亡率は0となり,成人でも,この15年で3分の1に減少している.
 2014年6月にアレルギー疾患対策基本法が制定された.気管支喘息,アトピー性皮膚炎,アレルギー性鼻炎,アレルギー性結膜炎,花粉症,食物アレルギーなどのアレルギー疾患の患者が多数存在しており,生活環境でのさまざまな要因で発生,重症化するために,国としてもアレルギー疾患に取り組んでいる.アレルギーの分野に関する知識,需要は高まるばかりでなく,出産,子育てを経験する女性のみならず若手の医師には,いかにアレルギーを予防していくか,また適切な対応や治療を知ることは有用である.また,この特集を読んで,アレルギーの疫学研究・基礎研究・臨床研究に興味を持ち,皆さんの進む道に,新たな展開をきたすかもしれない.
 アレルギーは,私たちの生活のなかで最も身近に起こる現象であり,生活の質が著しく損なわれることで,生活に多大な影響を及ぼす可能性もある.この特集では最低限の知識,最新の知見,そして実践に役立つ内容を記載した.

多賀谷悦子(東京女子医科大学 内科学講座 呼吸器内科学分野 教授・基幹分野長)


<目次>

〔特集〕
1.アレルゲン検査/伊藤 潤
2.花粉症/櫻井大樹
3.通年性アレルギー性鼻炎/太田伸男
4.アトピー性皮膚炎/井川 健
5.食物アレルギー/佐藤さくら
6.気管支喘息(小児)/滝沢琢己
7.気管支喘息(成人)/岩永賢司
8.NSAIDs過敏喘息/上出庸介
9.アナフィラキシー/廣川尚慶,平田博国
10.口腔アレルギー症候群/矢上晶子
2,500円
特集●レジデントが知っておくべき 救急領域の外傷診療のポイント&ピットフォール
企画編集/小倉裕司

<特集にあたって>

 外傷は日常的にどこでも発生する頻度の高い救急疾患であり,その受傷機転も多彩である.令和3年の救急車の全国出動件数の内訳を見ても交通事故が約37万件,一般負傷が約95万件あり,合わせると全体の約22%を占めている.救急外来において,レジデントを含む若手医師も重症度の異なるさまざまな外傷に遭遇する機会は多く,それぞれの患者に適切に対応する能力が求められる.なかには,一見軽症そうに見えて命取りになる外傷や見落としが重大な合併症や後遺症につながる外傷もあり,診断・治療に至る適正なプロセスが重要視される.
 実際の外傷患者を目の前にしてどう対応すべきか?どんな優先順位で治療すべきか?治療と並行して評価すべき項目は?治療の最終ゴールは?など,経験と知識に基づき,日頃から頭の整理(シミュレーション)を行っておくこと が大切である.とくに,近年は高齢者の増加に伴い,併存疾患に対する抗凝固薬の服用や内因性疾患の合併など,外傷診療を進めるうえでより柔軟な対応が求められるケースも増えている.
 日本では2002 年以降,救急現場での初期診療の標準である『外傷初期診療ガイドラインJATECTM』が改訂を重ね,外傷診療の羅針盤となるだけでなく,off-the-job training のテキストとしても使用されてきた.診療面では病院前救護との連携,救急外来の準備,診療の組み立て(Primary Survey & Secondary Survey),各職種による協働,病院間搬送など外傷診療に不可欠なシステム化が本ガイドラインを基盤として徐々に確立されつつある.外傷診療に興味を持つ若手医師の方々は,参照されたい.
 本特集では,JATEC 内容なども含め,総論として外傷患者の初期診療,画像診断,輸液・輸血療法,チームアプローチのポイント,各論として頭部・顔面,胸部,腹部・骨盤,脊椎,四肢各領域の外傷および多発外傷の診療におけるポイント,さらに重症外傷に対する緊急interventional radiology (IVR),damage control surgery(DCS)のポイントなどをいずれも各領域の第一人者の先生方に取り上げていただいた.執筆にあたり,軽症・重症を問わず,各領域において若手医師が知っておくべき外傷診療のポイントとピットフォール,実際の症例における診療のコツや工夫,最新トピックスなどをご紹介いただく.
 レジデントを含む若手医師にとって外傷の臨床現場で応用できる多くの「パール」が散りばめられている.本特集 の内容が,外傷診療を多面的にサポートし,より適切な診断・治療や効果的なチーム医療につながることを祈念する.

小倉裕司(大阪大学医学部附属病院 高度救命救急センター)


<目次>

〔特集〕
1.外傷初期診療のポイント/井上貴昭
2.外傷患者における画像診断のポイント/平木咲子,一ノ瀬嘉明
3.外傷患者に対する輸液・輸血療法のポイント/勝田 賢,久志本成樹
4.頭部外傷の診療ポイント/横堀將司
5.胸部外傷の診療ポイント/中尾彰太
6.腹部骨盤外傷の診療ポイント/内田健一郎,溝端康光
7.脊椎外傷の診療ポイント/武川竜久,石井桂輔,渡部欣忍,河野博隆
8.四肢外傷の診療ポイント/南 和伸,中川雄公
9.多発外傷の診療ポイント/冨岡譲二
10.外傷患者に対する緊急IVRのポイント/船曵知弘
11.外傷患者に対するdamage control surgery/蛯原 健,島崎淳也
12.外傷診療におけるチームアプローチのポイント/下条芳秀,渡部広明
2,500円
特集●研修医が知っておくべき災害医療の知識
企画編集/本間正人

<特集にあたって>

 天災は忘れた頃来る」は物理学者,随筆家の寺田寅彦が残した名言といわれている.阪神・淡路大震災,東日本 大震災,熊本地震,木曽御嶽山噴火をはじめとする地震, 津波,火山噴火などに加え,近年の温暖化の影響を受け豪 雨災害,浸水・土砂災害も頻発している.天災が忘れる前 に来る状況である.くわえて,我が国では福島原発事故や 地下鉄サリン事件のCBRNE 災害も経験している.国際会議やオリンピックなどのイベントが行われ,また本原稿を 執筆している今,ロシアとウクライナが戦闘状況にあり, 北朝鮮の大陸間弾道ミサイル発射や核実験が危惧されているさなかに韓国では新しい大統領が就任し,バイデン大統領が来日する.「日本の国土全体が一つのつり橋の上にかかっているようなもので,しかも,そのつり橋の鋼索があすにも断たれるかもしれないというかなりな可能性を前に 控えている」(寺田寅彦)状況は現在でも変わらない.
 災害対応は連鎖を引っ張るようなもので,最も弱い鎖が 切れ,その切れた鎖を強くするとつぎの鎖が切れる.さらにその鎖を強くするとまた別の鎖が切れる.阪神・淡路大震災では,初期医療体制の欠如で鎖はすぐに切れた.多く の基幹病院が被災し,災害拠点病院が整備された.中越地震では医療チームの参集が十分でなく,DMATや広域医療搬送が整備された.東日本大震災では避難所での対応が遅 れ,中長期における医療提供が課題となった.多くの医療 機関が機能を失い,BCPの整備が喫緊の課題とされた.熊本地震では車中泊をする被災者も多く,いわゆるエコノミー 症候群による死亡が多発し避難所での環境整備や医療介入が課題となった.福島原発事故や最近の災害では災害と放 射線災害や新型コロナ感染症と複合災害対応が求められた.
 9.11同時多発テロのあと世界医師会は「災害対策と医療の対応に関するモンテビデオ宣言」を採択し専門分野にか かわらず「標準能力」を推進することが強調された.米国医師会は,心肺蘇生と災害対応の知識能力はすべての医師 が持つべき能力とし,専門領域にかかわらず災害医療につ いて一定の研修を受ける必要性を強調しADLS(Advanced Disaster Life Support),BDLS(Basic Disaster Life Support),CDLS(Core Disaster Life Support)の3つのプログラムを用意した.
 『医師臨床研修指導ガイドライン─2020年度版─』において,研修医の到達目標として「社会における医療の実践 災害や感染症パンデミックなどの非日常的な医療需要が起 こりうることを理解する/備える/対応する」が記載されている.
 本特集では,災害対応の第一線で取り組んでいる方々を筆者として,最近の知見やレジデントが知るべき最低限の 知識・技術の観点から執筆を依頼した.さらに,各個人の 関心度に応じて生涯研修ができるように災害研修会の情報を執筆いただいた.1 人でも多くの医師が,我が国の災害に対する蓋然性を理解し,災害対応に対する興味を示し, 多くの命が救われることを祈願する.

本間正人(鳥取大学 医学部 救急災害医学分野 教授/ 同附属病院 高度救命救急センター長)


<目次>

〔特集〕
1.総論─レジデントに求められる災害医療の知識─/大友康裕
2.災害医療の基礎知識─MIMMSから─/森村尚登
3.DMAT隊員になるためには/小井土雄一
4.CBRNE災害/阿南英明
5.災害時のトリアージと診療─理論と実践─/森野一真
6.ロジスティクス・EMISを理解しよう/富永 綾,眞瀬智彦
7.自衛隊との連携,広域医療搬送と艦船の医療/小森健史
8.がれきの下の医療─その理論と実践─/井上潤一
9.健康危機管理で求められる能力とは─日本の災害医療の変遷から紐解く─/近藤久禎,赤星昂己
10.病院災害計画と訓練─BCPを極めよう─/堀内義仁
11.被ばく医療─レジデントが知るべき最低限の知識─/長谷川有史
2,500円
特集●眼科医を目指そう! よく遭遇する眼疾患~主訴と全身疾患も考えて診断しよう~
企画編集/相原 一

<特集にあたって>

 レジデントは多くの科を回ると思うが,眼科は診断機器が特殊であり,独立していることはご存じであろう.そのため,その専門的な機器を用いないと眼科疾患はわからないと考えがちである.しかし決してそうではなく,どの診療科,どのような診療形態でも,多くの眼疾患を抱えた患者は目の前にいるし,患者の声に耳を傾ければ,さまざまな全身疾患に関係した眼疾患や,重篤な眼疾患を見いだすことが可能である.視機能低下は,視力が衰えれば主訴として患者から積極的に受診をするが,視野欠損は意外と気がつかないまま過ごして進行して初めて訴えが出ることが多い.視野のスクリーニングは普及していないため,また,とくに緑内障はほとんど末期まで自覚がなく受診する機会がないため,残念ながら失明原因第1 位,40 歳以上有病率5%である.白内障は加齢によるものがほとんどで手術により回復もするので日本では問題ではないが,白内障の主訴である視力低下や霧視については他の疾患の可能性も高い.また,視機能低下は,ロコモ,フレイルといった状態に結びつきやすく,認知症を進行させることにもなり,介護に至る状況を作り出す.レジデント生活での診療において,ちょっとした知識で患者を正しい診断治療に結びつけ,視機能低下の進行抑制,ひいては患者のQOLの低下抑制,回復が可能になるのである.
 本特集ではレジデントが外来でよく耳にする主訴に対して鑑別診断を含めて重要な疾患を解説する.充血,霧視,複視,流涙,眼痛といったいずれもよく耳にする訴えにいろいろな疾患が隠れているのだ.また直接眼を診なくても救急や全身疾患から予想できる眼疾患もぜひマスターしてほしいと考え,頻度の高い緑内障の二大病型,ヘルペスの感染症,ステロイド内服や塗布による疾患,糖尿病網膜症,さらに加齢黄斑変性症と全身疾患との関連も多いぶどう膜炎についても解説する.緑内障と糖尿病網膜症,加齢黄斑変性症は日本の中途失明原因の第1,2,4位を占める.緑内障など診断機器がないとわかりにくいが,急性緑内障発作はよく救急外来で遭遇するし,薬物投与時に注意すべき緑内障病型もある.まず全身疾患も含めて患者を広い視点でみることが基本であり,それに役立つ眼疾患の知識を身につけよう.本特集が,先生方の明日からの診療の役に立てるよう,大いに期待している.

相原 一(東京大学 医学部 眼科学教室 教授)


<目次>

〔特集〕
1.目が赤い!/佐々木香る
2.だんだん霞んできた!/喜田照代
3.急にものが2つに見える!/澤村裕正
4.涙が出る,眼が痛い!/内野裕一
5.開放隅角緑内障/齋藤 瞳
6.閉塞隅角緑内障/笠原正行
7.ヘルペスウイルスによる眼感染症/鈴木 崇
8.ステロイド関連眼疾患/亀田隆範
9.糖尿病網膜症/高村佳弘
10.加齢黄斑変性/森隆三郎
11.全身症状を伴う代表的なぶどう膜炎疾患/田中理恵
2,500円
特集●血液浄化療法でどのような治療ができるか?
企画編集/猪阪善隆

<特集にあたって>

 血液浄化療法と聞くと,多くの先生は血液透析を思い浮かべることであろう.実際,我が国で慢性維持透析療法を受けている患者は,2020年末で34万8千人余りに及ぶ.世界で初めて人体に対して透析治療が実施されたのは1926年であるが,何例か試みられたものの生存者はいなかった.透析療法により急性腎不全患者を救命できたのは1945年のことになる.当初急性腎不全患者に対して行われていた透析療法は,その後急速な進歩を遂げた.腎機能が廃絶した慢性腎不全患者の生命予後を改善させ,血液透析療法により40年以上も生存した患者もいる.近年の高齢化に伴い,末期腎不全の予備群となる慢性腎臓病患者は大変多い.また,薬剤などによる急性腎障害により透析を必要とすることも少なくない.血液透析について習熟しておくことは重要である.しかし,血液浄化療法は血液透析だけではない.
 血液浄化療法は血液から老廃物,あるいは有毒な物質を除去する治療方法であり,透析・濾過・吸着・分離などのさまざまな方法がある.敗血症患者に用いられていたエンドトキシン吸着カラムを用いた血液吸着療法が,最近では重症COVID-19感染患者の治療にも使用されている.薬物治療に抵抗性の心不全・肺水腫の患者に対して,身体の過剰な水分だけを除去する目的で行われる限外濾過(ECUM)が行われることもある.その他に肝不全や血栓性血小板減少性紫斑病,ステロイドや免疫抑制剤などの薬剤抵抗性の膠原病などの患者に対して,血液を血漿成分と細胞成分に分離し,血漿成分を破棄して新鮮な血漿を補うという血漿交換療法や,血球と血漿に分離した後に,その血漿を二次分離膜に通すことにより,自己抗体など特別なサイズの物質だけを取り除くことができる二重濾過血漿交換が行われることもある.また,潰瘍性大腸炎やクローン病という炎症性腸疾患の患者に対して,白血球や顆粒球の除去療法などもある.このように血液浄化療法とは,血液中に存在する病因物質を体外循環により除去し,場合によっては不足しているものを補う治療法を意味しており,適応疾患も幅広い.血液型不適合腎移植は血漿交換により,移植腎と反応する血液型抗体を除去することにより可能となった.
 ステロイドなどの薬物治療に抵抗性で,立ち上がることもできなかった患者が,血漿交換を用いて自己抗体を除去することにより,歩いて退院することができるようになる.あるいは利尿薬抵抗性の患者の循環動態を改善させることが可能となる.血液浄化療法は確かに侵襲的な治療法では あるが,薬物療法に抵抗性の病態を劇的に改善させることも可能であり,血液浄化療法でどのような治療が可能かを知ることは非常に意義がある.

猪阪善隆
(大阪大学大学院 医学系研究科 腎臓内科学 教授)


<目次>

〔特集〕
1.末期腎不全における維持透析療法/関 桃子,土谷 健
2.急性腎障害に対する血液浄化療法/小丸陽平,土井研人
3.循環動態が不安定な患者に対する血液浄化療法/服部憲幸
4.オンラインHDF/廣瀬賢人,小川智也
5.在宅血液透析/政金生人
6.限外濾過(ECUM)/常喜信彦,日髙 舞
7.血漿交換/松浦朋彦
8.DFPP(二重濾過血漿分離交換法)/花房規男
9.血液吸着療法/山下千鶴,西田 修,森山和広
10.血漿吸着療法/塚本達雄
11.白血球・顆粒球除去療法/鈴木洋行,小林修三
2,500円
特集●必修!レジデントが知っておくべき電解質異常・酸塩基平衡異常
企画編集/志水英明

<特集にあたって>

 電解質異常は研修医や後期研修医にとって救急診療や一般診療でも接する機会の多い領域でありますが,苦手な先生も多いと思います.しかし,一度理解が進むと大変興味のある分野にもなります.
 本特集は,筆者らが行っている「電解質セミナー」をもとにした内容となっています.2014年に聖マリアンナ医科大学・柴垣有吾先生の声かけで「スポンサーなし」「有志のボランティア」での若手向けのセミナーとして,慶應大学・門川俊明先生,聖路加国際病院・長浜正彦先生,中部ろうさい病院・藤田芳郎先生と筆者で始めたものです.以後,毎年1回開催となりました.当初は夏に開催していましたが,最近は冬開催のため「電解質ウインターセミナー」の名称になっています.毎年,日本全国から約100名の参加者が集まる人気のセミナーとなりました.2019年には6回目の開催となり,有名講師・新進気鋭の若手医師のレクチャーとケースカンファレンスは,臨床で役立つポイントが多数ありとても白熱した2日間のリアルでの勉強会となりました.
 この素晴らしい内容を,全国の電解質異常に興味のある先生方に共有したく,会場で実際あったQ&Aも含めて特集としてまとめました.臨床的な観点と,最近のトピックスも含まれる内容となっております.

志水英明(社会医療法人宏潤会 大同病院 腎臓内科 部長)


<目次>

〔特集〕
1. 低ナトリウム血症物語/藤田芳郎
2. 低ナトリウム血症の治療/龍華章裕
3. 高ナトリウム血症/緒方聖友,谷澤雅彦
4. 高ナトリウム血症の輸液と血清ナトリウム変化の予測/河田恭吾
5. 低カリウム血症/長浜正彦,嶋田啓基,浜田隆行
6. 高カリウム血症/廣瀬知人
7. カリウム異常―ケース・カンファレンス―/中村嘉宏
8. 酸塩基平衡の基本/小波津香織
9. 代謝性アシドーシス―Advanced―/宮内隆政
10. 代謝性アルカローシス/小板橋賢一郎
11. 酸塩基平衡異常―ケース・カンファレンス―/寺下真帆
12. 輸液製剤の基本/門川俊明
13. 電解質・酸塩基平衡異常で覚えておきたい10のこと/志水英明
14. カルシウム・リン代謝/濱野高行
2,500円
特集●インスリンの使い方をマスターする
企画編集/弘世貴久

<特集にあたって>

 インスリン治療はもうすぐ100年の歴史を迎えます.多くの1型糖尿病患者にとっては命を守る治療法であるのはご存じの通りですが,2型糖尿病にとってもなくてはならない治療です.しかし,現在においてもまだまだインスリン治療は専門医の道具という側面が強いことは否めません.それを覆すために私はライフワークとしてより簡便なインスリン導入のハウツーを検討・紹介してきました.そのなかでも基礎インスリンを用いたBOT(basal-supported oral therapy)の普及により,以前に比べるとかなり多くの医師により,日常臨床,とくに外来診療でインスリンを使用してもらえるようになったと感じています.しかし,そこまでが限界.ステップアップや多剤の併用などが必要なレベルになってもなかなかBOTレベルを脱却できないのが現状でしょう.
 入院のインスリン治療に目を移してみてもさまざまな問題点があります.たとえばスライディングスケールの使い方.せっかく決め打ちでうまくいっている患者が他科へ入院の際,さらッとスライディングスケールに変更されてコントロールがボロボロになっているのに落胆させられることがしばしばあります.スライディングスケールを間違って使われないように我々専門医がもっと発信しないといけないのでしょう.
 さらに糖尿病科への他科からの併診依頼で多いのが,ステロイド治療中に悪化した血糖のコントロールです.BOT慣れした医師にはかえって難しいようですが,ぜひともマスターしてほしいインスリン治療です.私が研修医の頃はインスリンを始めたら経口薬は止めると習いました.現在そんなことを考えてる医師はほとんどいません.インスリン単独よりも経口薬をうまく併用することで注射回数,用量など調整することが可能です.低血糖さえ減らすことができる場合があります.
 最後はコメディカルとの協力です.インスリン治療に限りませんが,糖尿病の治療にチーム医療は欠くことができません.自分ひとりでできる思ったら大間違いです.ぜひその道の大家の考えに触れてみてください.
 以上のように,本書の内容はエビデンスというより実臨床でどのようにインスリンを使いこなすかということを具体的に指導いただけるようにこの道のプロの先生方にお願いしました.外来で,入院ですぐに役に立つこと受けあいと思います!

弘世貴久
(東邦大学 医学部 内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌学分野 教授)


<目次>
〔特集〕
1. インスリン製剤,ペンの現状/竹内 淳
2-1. 初回治療で,入院で/吉川芙久美,弘世貴久
2-2. どうしても入院できないもうインスリンしかない外来患者/紅林昌吾
2-3. そんなとき,やめてほしいスライディングスケール/村田和也
2-4. ステロイド治療中の患者のインスリン療法/佐藤淳子
2-5. 1型糖尿病のインスリン療法,2型と何が違う?/黒田暁生,松久宗英
3-1. インスリン療法のステップアップ―BOTからの進化系―/野見山 崇
3-2. 4 回インスリン療法のステップダウン/澤木秀明
4-1. 経口血糖降下薬―BOTを中心に―/渡辺伸明
4-2. GLP-1受容体作動薬―配合剤も含めて―/渕上彩子,弘世貴久
5. チーム医療の重要性/松本一成
2,500円
特集●その輸血,大丈夫ですか?
企画編集/長谷川雄一

<特集にあたって>

 輸血医療は,17世紀の頃の異種(ヒツジからヒト,イヌからヒト)輸血に始まり,暗黒の時代を含めると長い歴史のある治療法です.しかし,安全な治療としての輸血は,1900~1902年のABO式血液型の発見,1915年の輸血用抗凝固剤クエン酸Naの開発,そして第一次世界大戦(1914~1918)での使用を経て,初めて世界に広がっていきました.
 現代は輸血なくして安全な医療を提供できない,とするのが多くの医療者の認識だと思います.一方で輸血はあまりにも普通に行われ,ただ単に不足した血液を補充する治療法,と思われている方も多いと思われます.しかし,現代の輸血はたかだか100年の歴史しかない医療技術です.この間には,輸血後肝炎の抑制,HIVウイルスの検出と回避,移植片対宿主病の予防など,原因がわかりそれを抑え込むことに成功した(あるいは成功しつつある)問題もありますが,解決していない臨床疑問(clinical question:CQ)もたくさん残っています.
 しかし,私達は現時点でのベストな解答を知って,治療に向かう必要があります.輸血を開始する閾値(トリガー値)は,たくさんの臨床研究の中から導かれてきました.感覚による輸血開始も一面で正解を出すこともありますが,それだけでは医療者として患者の回復に貢献できないことも多いと思われます.本書が,皆さんのスキルアップと医師としての貢献につながることを期待しています.
 また,日本は急速な人口構成の高齢化をきたしています.輸血医療はまだ健康なヒトからの献血を拠り所としています.高齢化社会は,血液使用者の比率が有病率の高い高齢者に多くなることから,人口当たり血液使用量が増加することが予測されています.一方で,若年比率の低下と若年者の献血率の低下は顕著であり,輸血医療は不安定な需給バランスの上に存在していることも忘れてはなりません.私達は,正しい医療を行うことで献血者の善意に応える必要があります.血液製剤を無駄にすることはできません.
 ちょうどこの文書を書いている現在,新型コロナウイルスによる活動自粛要請もあり,献血者は減り血液供給は逼迫しています.医療者が適正輸血をすることで,必要な患者には適切に血液製剤が供給され,不必要な方には輸血を避ける知識を持ち,献血から輸血までの体制が維持されることを希望しています.

長谷川雄一
(茨城県立中央病院内 筑波大学 茨城県地域臨床教育センター 教授)


<目次>

〔特集〕
1.赤血球輸血:適正使用のための基本事項/長井一浩
2.血小板輸血のメリット,デメリット/藤原慎一郎
3.新鮮凍結血漿使用のメリット,デメリット/長谷川雄一
4.クリオプレシピテートの利用/藤田 浩
5.アルブミンの使用:メリットとデメリット/安村 敏
6.小児に対する輸血の注意点/北澤淳一
7.大量出血患者への輸血戦略/宮田茂樹
8.やりっぱなしにしない輸血/加藤栄史
9.輸血を行う際の留意点/西村滋子
10.不適合輸血,どう対応するべきか/竹下明裕,山田千亜希,小幡由佳子
11.自己血輸血/横濱章彦
2,500円
特集●熱のある患者を診療するときのポイント
企画編集/尾本篤志

<特集にあたって>

 患者さんはどんな症状があれば,病院を受診することが多いと思いますか? 最も多い訴えは痛み(頭痛,胸痛,腹痛,腰痛など)であり,その次は発熱だと思います.
 小児領域では発熱は最もありふれた主訴であり,全体でみると,救急外来を受診する患者の主訴の第3位が発熱といわれています.それほど発熱はポピュラーな主訴です.
 体温はバイタルサインのうちの1つであり,生体の状態を反映する重要なパラメータで,バイタルサインの異常では最も頻度が多く,「熱のある患者さん」に対する病歴聴取,理学所見,およびそれを踏まえたアセスメントは,すべての診療科の医師にとっても必要なスキルです.
 体温が上昇している患者さんをみると,我々はすぐに発熱していると判断してしまいますが,発熱以外にも体温上昇をきたすことがあります.熱産生や熱放散の異常で高体温は生じます.また,体温の適切な評価方法を知らないと,適切なアセスメントに結びつかない可能性があります.熱の割には頻脈がみられない,朝になると平熱になっているなどは,診断のうえで重要になります.
 発熱をきたす疾患で最も多いのはウイルスをはじめとする感染症です.ほとんどの急性熱性疾患は,適切な病歴聴取,検査,臨床検査によってすみやかに診断できることができ,自然に寛解するものが多いです.感染症に対しては,feverwork upである胸部X線,尿検査,血液培養の結果を踏まえ診断を行います.
 熱のある患者さんのなかには,緊急性を要する疾患や,致死性の疾患の方もいらっしゃいます.意識障害を伴うもの,悪寒戦慄を伴うもの,血圧低下を伴うものは重篤である可能性が高く,迅速な判断,対応が求められます.また,患者さん自身の背景によって,想起すべき疾患が異なる場合もあります.
 体温上昇の原因特定で最も有用な要素は,随伴症状です.病歴聴取と随伴症状の把握で,ほとんど鑑別診断は絞れます.その答え合わせとして,各種検査を行い,診断を行います.
 現在は診断学の進歩,および各種モダリティーの精度向上により,発熱の原因特定に至らないケースは減少してきましたが,それでもまだ不明熱患者の相談は,総合内科に舞い込みます.以前は不明熱の原因は感染症,膠原病,悪性疾患でしたが,最近では感染症の頻度は減少し,他の原因が増加しています.不明熱の診断においても,やはり重要となるのは詳細な病歴聴取,丁寧な理学所見であることは変わりません.それでもわからないときには「tissue is aissue」であり,病理所見が重要となってきます.それは側頭動脈生検であったり,ランダム皮膚生検であったりします.
 今回の特集では,読者の皆さんが臨床の現場で熱のある患者さんを診るときに,より効率的に,より確実に,患者さんのアウトカムを向上させることができるよう構成しております.読み終えたころには,熱のある患者さんを診ることに,苦手意識はすっかりなくなっていることを期待します.
 最後に,現在発熱患者の診療は,新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより,多大な制限とストレスの中で行われています.診療に携わるすべての医療従事者に敬意を表するとともに,一日も早いパンデミックの終息を祈念いたします.

尾本篤志
(京都第一赤十字病院 総合内科部長)


<目次>

1.体温が上昇するメカニズム/鈴木祥太郎,清田雅智
2.発熱の評価をどのように行うか?/佐田竜一
3.熱のある患者に対する臨床推論―問診,OPQRST,ROS,身体診察について―/長野広之,上田剛士
4.随伴症状から進める発熱の臨床推論/牧尾成二郎,多胡雅毅
5.発熱患者の検査をどう見るか?/井上 祐,二村 俊,川島篤志
6.背景から読み解く発熱/井上 祐,二村 俊,川島篤志
7.不明熱診療―感染症の観点から―/弓場達也
8.不明熱診療―リウマチ性疾患の観点から―/山本恭資,六反田 諒
9.不明熱診療―悪性疾患(悪性腫瘍)の観点から―/鈴木富雄
10.それでもわからない不明熱/横江正道
2,500円
特集●スポーツ傷害の画像診断
企画編集/帖佐悦男

<特集にあたって>

 スポーツは,競技スポーツのみでなく生涯スポーツもあり,子どもから高齢者まで幅広い年代で運動とともに実施されており,スポーツ傷害(外傷・障害)は,どの診療科にいても遭遇することがあります.同様にレジデントや医学生も,自身のスポーツ傷害を含め本傷害を経験することは多いため,本企画が立案されたと考えます.
 また,日本ではラグビーワールドカップ2019日本大会(RWC2019),2020東京オリンピック・パラリンピック,ワールドマスターズゲームズ2021 関西といった世界規模の大会が3年連続で開催される「奇跡の3年」を迎えており,スポーツ熱が高まっています.COVID-19の影響で,TOKYO2020の開催は2021 年に延期されました.ここで,COVID-19で被害に遭われました方々にお見舞い申し上げます.
 スポーツ傷害(損傷)で,スポーツ活動中,1回の急激な大きな外力で発生するケガを「外傷」と呼び,スポーツ動作の繰り返しによって身体の特定部位に負荷が加わり起こる故障を「障害」と呼んでいます.スポーツ障害は,overuse sports injury:オーバーユース(障害)や使いすぎ症候群と呼ばれています.野球肘(上腕骨小頭離断性骨軟骨炎)などのスポーツ障害は,定期的な検診や指導により予防が可能であり,外傷や障害も早期診断し,早期治療することで元のスポーツ活動に復帰させることが可能です.
 その早期診断に医療面接や身体診察が大切なことに疑う余地はありませんが,医療面接などでは早期に確定診断に至らないこともあり,とくにトップアスリートの場合は早期スポーツ復帰が望まれますので,スポーツ傷害の場合画像診断が大いに役立ちます.運動器(整形外科的)疾患の画像診断の基本は単純X線検査であり,撮影法を駆使することで僅かな病変を見逃さないことも可能です.MRI(magnetic resonance imaging:磁気共鳴画像診断装置)の登場で,放射線被曝せずに組織の質的診断に加え,不顕性骨折など単純X線検査では評価できない時期から診断が可能になり,超音波診断装置の進歩で,運動器疾患の質的・動的把握や治癒過程の評価を簡便に行えるようになりました.
 本誌はレジデントや医学生が対象ですので,スポーツ傷害の画像診断の中でも,基本的な事項と画像診断における注意点を総論としてまずとりあげました.次に各論では,重要な疾患として肉離れ,疲労骨折と捻挫について概説していただき,最後に日常診療上よく遭遇するスポーツ外傷と障害の代表的疾患や,スポーツ傷害の中でもレジデントが遭遇した際にとくに見逃しやすい疾患をとりあげました.
 大変なご多忙のなか,本誌にご執筆いただいた先生方にあらためまして深謝するとともに,本誌が診療や勉学の傍らにおかれ,読者の皆様方の臨床に役立つことを祈念し,序文の挨拶といたします.

帖佐悦男(宮崎大学医学部 整形外科 教授)


<目次>

特集●スポーツ傷害の画像診断
1. スポーツ傷害における画像診断のエッセンス/帖佐悦男
2. スポーツ傷害における画像診断のピットフォール/田島卓也,帖佐悦男
3. 筋損傷の画像診断/奥脇 透
4. 疲労骨折の画像診断と鑑別疾患/石橋恭之
5. 捻挫(靱帯損傷)の画像診断と鑑別診断/内尾祐司
6. 舟状骨骨折の画像診断と鑑別疾患/富田一誠,川崎恵吉,稲垣克記
7. 肩関節・周囲のスポーツ障害の画像診断と鑑別診断/田崎 篤
8. 野球肘(内側・外側障害)の画像診断/佐藤和毅,岩本 航
9. 腰椎分離症の画像診断と鑑別疾患/森本雅俊,酒井紀典
10. 膝伸展機構のスポーツ障害の画像診断と鑑別疾患/中瀬順介,土屋弘行
11. 膝内障(十字靱帯,側副靱帯,半月板損傷)の画像診断/長井寛斗,黒田良祐
12. 足関節捻挫の画像診断と鑑別診断/屋比久博己,熊井 司
2,500円
特集●熱傷初期診療のエッセンスとエビデンス
企画編集/織田 順

<特集にあたって>

 熱傷(やけど)はとても日常的な外傷で,とくに火を使うようになって以来の人類には常につきまとってきた問題である.高温熱源,高温物質は生活向上,あるいは産業の発達に不可欠で,ある時代までは熱傷患者数が増加してきていたに違いない.これを食い止めるべく高温熱源・物質のコントロールや安全管理,あるいはそれらの啓発が強力に押し進められてきたことにより熱傷患者,とくに重症熱傷患者の発生数は日本を含む先進国では年々減少しており,大変喜ばしいことである.
 熱傷患者が減少したことは素晴らしいことである.一方異なる視点からは熱傷治療の経験減少とも解釈される.経験減少が治療成績を下げてしまうことのないようにしなければならない.そのためには熱傷治療のエッセンスをわかりやすい,実用可能な形で理解しておく必要があるだろう.軽微なやけどは,治療経過は長くないため初期評価や処置が大事である.広範囲熱傷では診療経過が格段に異なり,蘇生から利尿期に至る超急性期,手術,その後の感染管理,栄養,リハビリから,家族や社会的サポートを考慮しつつ社会にお返しするところまで広く拡充される.
 本号では「熱傷初期診療のエッセンス・エビデンス」として,専門家に引き渡す前の,初療段階での診療について,第一線の医師により各項のエッセンスを,エビデンスを交えつつわかりやすく書き下ろしていただいている.熱傷初期診療の要点は,生理学的な危機に対する少しだけ高度な対症療法と,熱傷診療におけるDo/Don’t,コンサルトや根本治療への橋渡し,に集約される.エッセンスはAirway,Breathing,Circulation の安定化で,初期対応が予後に重大な影響を及ぼす.局所療法,あるいは特殊熱傷に対しても,本号をきっかけにぜひとも実践していただきたいと思う.熱傷診療は,体の内部で何が起こっているのか,想像力を最大に高めながら戦ううちに侵襲学が身についてくることも魅力である.テクノロジーの進化とともに安全性が高まっていることとは別に,世界的に自然災害,人為的災害による熱傷は相変わらず散見される.コンサートやスポーツ観戦などいわゆるマスギャザリングについても東京オリンピック・パラリンピック大会で規模は桁違いとなる.多数熱傷患者の発生に対する体制整備も進める必要があるだろう.そしてなにより,やや使い古された感はあるが,重症熱傷診療ほど診療チームの総合力が試されるものはない.チーム医療と病院準備についても解説していただく.
 本号が読者のみなさまの熱傷診療の一助となり,また診療チームの総合力を上げていただけるものとなれば大変幸甚である.

織田 順
(東京医科大学 救急・災害医学分野 主任教授)


<目次>

特集●熱傷初期診療のエッセンスとエビデンス
1. 「熱傷初期診療の標準化」国内外の状況/織田 順
2. 「軽くやけどした」どう評価してどう処置すればよいか?/佐藤俊昭
3. 「煙をすったようだ」気道呼吸管理・気道損傷/卯津羅雅彦
4. 「熱傷では循環管理が大変というけれど」熱傷侵襲と循環管理/上尾光弘
5. 「熱傷創処置をどう考えればよいのか」外用剤と創傷被覆材/黒柳美里
6. 「熱傷の減張切開」コンパートメント症候群のリスク/春成伸之
7. 「小児熱傷」成人とどう違う?/黒木雄一
8. 「感電した,雷が落ちた」電撃傷でとくに気をつけることは?/武田多一
9. 「薬品がかかった」化学損傷診療の要点/池野屋慎太郎
10. 「多数の熱傷患者が発生した模様」多数熱傷患者の受け入れ,安定化,二次トリアージ,分散搬送は?/土井賢治・田熊清継
11. 「重症熱傷診療はチーム診療の総合力が試される」施設における準備・チーム医療の実践/井上貴昭
2,500円
特集●実践に役立つ! 胸部単純X線・胸部CTの読影テクニック
企画編集/角 勇樹

<特集にあたって>

 2020年,COVID-19により社会が大きく変わった.医療においても最初にCOVID-19感染症があるかどうかを鑑別するのが重要になった.COVID-19では胸膜直下のすりガラス陰影が典型像で,浸潤影や小葉間隔壁の肥厚,気管支周囲の分布や気管支拡張を伴う症例もあり,下肺野優位の傾向がある特徴的な陰影である.ダイヤモンド・プリンセス号の検討では,無症状感染者でも54%,有症状者では79%の方に肺野病変があり,胸部CT検査の重要性が増してきた.本特集はCOVID-19出現前に執筆が行われたが,読影の手法は同様である.
 胸部単純X線は,入院時一式でも行われる一般的検査であるが,苦手とする医師は多いと思われる.実際に周りを見回しても,呼吸器内科,放射線科以外には一定レベル以上の読影ができる医師はほとんどいない.私たちが,胸部単純X線を正常か異常かを判断するのはほんの数秒である.異常影があれば自然に目に飛び込んでくる.AIのdeeplearning回路のような配線が脳の中にできあがっているのだと思う.しかし正常と異常との判断に迷うような陰影,また異常陰影がある場合の鑑別診断の際には基本に立ち戻り検討する.つまり胸部単純X線読影力を身につけるためには理論と症例蓄積の両方が必要で,相当量の修練が必要である.
 胸部CTは単純X線に比べて情報量がはるかに多く,病変の位置と大きさ,形態の把握が容易であるが,より大きな被ばくがある.胸部CT所見を正しく記載し,その所見および臨床データから鑑別診断を行う能力を身につけるためには単純X線読影に勝るとも劣らない修練が必要である.
 本企画においては実践に役立つことを最重要視し構成した.学生および研修医の皆さんが胸部単純X線,胸部CTを体系的理論的に読影できるように最初の2章を設けた.次の3章は肺がんの読影である.肺がんを見逃さないことは将来何科に進んでも必要とされ,胸部画像読影で最も重要なことの1つである.さらにcommon diseaseである急性感染症すなわち肺炎について,また特徴的な画像所見を呈し鑑別が比較的容易であるにも関わらず見逃されやすい結核/非結核性抗酸菌症について記載を依頼した.
 それに続く章は他書物にはほとんど見つけられないが,臨床現場で重要と思われるトピックについて記載を依頼した.慢性間質性肺炎の多くは特発性肺線維症(IPF)と診断されてそのまま思考停止される場合が多いと思われる.その他の原因として考えられる慢性過敏性肺炎(CHP),膠原病性間質性肺炎(CVD-IP)との鑑別を画像的に迫りたいと思う.また,実は肺炎の原因として最も多いと考えられる誤嚥性肺炎,レジデントが立ち向かう救急外来での胸部画像についての記載も依頼した.

角 勇樹
(東京医科歯科大学 呼吸器・神経系解析学 教授)


<目次>

特集●実践に役立つ! 胸部単純X線・胸部CTの読影テクニック……企画編集/角 勇樹

特集にあたって/角 勇樹
1. 胸部単純X線読影法/角 勇樹
2. 肺小葉構造から読み解くHRCT/徳田 均
3. 肺野型肺がん/加耒佐和子・渡辺裕一・楠本昌彦
4. 肺門部肺がん/渡辺裕一・加耒佐和子・楠本昌彦
5. 胸部X線で見落としやすい肺がん/楠本昌彦・加耒佐和子・渡辺裕一
6. 市中肺炎/氏田万寿夫
7. 結核・非結核性抗酸菌症/徳田 均
8. 間質性肺炎―とくに特発性肺線維症(IPF),慢性過敏性肺炎(CHP),膠原病性間質性肺炎(CVD-IP)の鑑別について/山田大輔・栗原泰之
9. 誤嚥性肺炎/武田直也
10. 救急外来での胸部画像/矢澤克昭・磯貝 進
2,500円
特集●レジデントのための救急外来で出会う精神症状とその対処
企画編集/日野耕介


<特集にあたって>

 救急外来で診療を行っていると,精神症状を伴う症例に対応する機会が多いことに気づくと思う.「からだ」の救急状態に「こころ」の症状が伴っていることもあれば,その逆の場合もある.あるいは,救急外来ではそれらが明確に分けられない場合も少なくない.よく考えてみれば,身体の調子が悪いときは気分もイマイチに感じるし,気分が乗らないときには身体も重く感じる……なんてことは誰もが経験することだ.実際には「こころ」と「からだ」は密接に関連していると言えるだろう.
 筆者は大学病院で,医学生や初期臨床研修医の教育に関わってきたが,「精神科医にならない人ほど,早いうちに最低限の精神症状への対応スキルを身に着けておいたほうがよい」と伝えてきた.将来皆さんが特定の専門科領域に進んだあとに,精神症状への対応に難渋し,専門性を発揮できないことはとてももったいないことだと思うし,何よりも患者さんにとってデメリットが大きいからだ.
 本特集も「精神科医にならなくても身に着けておいてほしいこと」を中心に学んでもらえればと考えている.そのため,精神科病棟や精神科外来で出会う場面というよりは,救急外来や一般病棟で出会う場面を想定して,企画を作成してみた.執筆者の多くは,精神科医療と救急・災害医療,両方のフィールドの経験を持つ,もしくは現在もその最前線で活躍されている先生方である.それに加えて,特定のテーマに関しては,その分野の専門家や研究者に執筆をお願いした.救急外来を受診した精神症状を伴う症例に対し,どのように評価や鑑別を行い,どのように対応するのが望ましいのかを解説してもらう.また,今回の特集では,「適切に精神科へコンサルテーションができること」も大きな目標のひとつとした.そのため,各項で呈示した症例を精神科に紹介する際の,具体的なプレゼンテーション例も掲載しているため,ぜひ日々の診療の参考としてほしい.
 さらに今回は,救急医療領域で活躍してきた,救急救命士,リエゾンナース,臨床心理士,精神保健福祉士にコラムを執筆してもらった.現在医療の様々な領域で多職種連携やチーム医療の重要性が強調されているが,救急領域における精神症状対応もまさにその領域にあたる.救急救命士がどんなことを考えながら傷病者を病院まで搬送し,私たちにバトンを渡しているのか.精神科領域を専門とする医療スタッフがどんなスキルを持っていて,どんなときに頼れるのか.これらのことを知り,適切な多職種連携を実践していくことは,私たち医師の負担軽減にもなるし,何よりも患者さんにとって大いに役立つことだろう.
 「こころ」と「からだ」がひとつのものであることを意識して,チーム医療を実践する.将来,皆さんがそんな医師として活躍されることを大いに期待する.

日野耕介(横浜市立大学附属 市民総合医療センター 精神医療センター 助教)


<目次>
〔特集〕レジデントのための救急外来で出会う精神症状とその対処
1. 救急外来で不眠を訴える症例/五明佐也香
2. 薬物過量内服やリストカットを繰り返す症例/川原庸子
3. がん患者の院内自殺企図予防/井上佳祐
4. 興奮状態を呈している症例/橋本 聡・山下建昭
5. 食事がとれず,危機的な状態となり来院した症例/新井久稔
6. 意識障害を呈しているようにみえる症例/兼久雅之
7. 身体症状を訴えるが器質的な原因が特定できない症例/井上朋子
8. 健康状態に影響しているにも関わらず飲酒習慣を続けている症例/黒澤文貴
9. 急に物忘れがひどくなったと家族が訴える症例/近藤大三
10. 災害医療における精神症状への対応/河嶌 讓・池田美樹

コラム1. 病院前における精神症状を有する傷病者の対応/牧瀬わか奈
コラム2. 救急医療におけるリエゾンナース/奥野史子
コラム3. 救急医療における公認心理師/伊藤 翼
コラム4. 救急医療におけるソーシャルワーカー/佐々木由里香

〔連載〕
◆慶應循環器内科カンファレンス
・第76回 ST上昇型急性心筋梗塞治療後に至適薬物療法で狭心症状が緩和されないコントロール不良な症例の残存病変に対する経皮的冠動脈インターベンションを施行した一例/湯浅慎介・監修●福田恵一

レジデント(Resident)の内容

忙しい毎日を送るレジデントの先生だからこそ、 “すぐに役立つ”雑誌を
レジデントやレジデントを目指す医学生が、重要な基本的知識や技術を学ぶとともに、研修施設選択など将来設計に役立つ情報が得られる「レジデント総合情報誌」です。全頁カラー印刷によるAB判の大型サイズの採用と、多数のイラストによるビジュアル化により視覚的に分かり易い誌面構成となっています。特集においては、レジデント教育に力を注いでいる第一線の著名な医師や大学教授陣による執筆で、教科書では学べない実践的な診断と治療を主要テーマとした記事を掲載。医師・臨床研修医の他、看護師やコメディカルにも役立つ幅広い内容を目指しています。

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