月刊糖尿病(DIABETES) 発売日・バックナンバー

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4,400円
特集●糖尿病とサルコペニア・フレイル
企画編集/梅垣宏行


<特集にあたって>

 人口の高齢化の進行とともに高齢の糖尿病患者が増加している.糖尿病には,サルコペニア・フレイルが合併しやすく,高齢糖尿病患者において重要な健康課題であるといえる.サルコペニア・フレイルは,単なる老化現象ではなく,糖尿病の病態とも深く関連しており,要介護状態や死亡リスクの増加にもつながるため,早期からの介入が求められている.
 糖尿病におけるサルコペニア・フレイルの発症には,インスリン抵抗性や慢性炎症,栄養不良なども関連する.サルコペニアの進行は基礎代謝の低下を招き,エネルギー消費量の減少により血糖コントロールを困難にする.また,筋力低下による転倒リスクの増加は骨折や寝たきり状態を引き起こし,生活の質(QOL)を著しく低下させる.こうした問題を防ぐためには,サルコペニア・フレイルの適切な評価と診断が不可欠である.早期にこれらの状態を把握し,適切な介入を行うことによって,健康寿命の延伸につながることが期待される.サルコペニア・フレイルの発症・進行予防のためには,運動療法,栄養療法が重要であり,多職種連携などが重要となる.また,薬物療法における薬剤の選択にも配慮が必要である.
 高齢糖尿病患者では,社会的フレイルやオーラルフレイル(口腔機能低下)も重要な課題である.孤独や社会的孤立はフレイルの進行を加速させるため,地域コミュニティとのつながりを強化することが求められる.また,歯周病や咀嚼機能の低下が食事摂取に影響を及ぼし,栄養状態の悪化を招くため,口腔ケアの重要性も見逃せない.
 さらに,サルコペニア・フレイル対策は,個別の医療機関における対応だけでなく,地域医療との連携が不可欠である.医師,糖尿病療養指導士,看護師,管理栄養士,理学療法士,薬剤師など多職種が協力し,包括的なフレイル対策を講じることで,糖尿病患者の健康寿命を延ばし,QOLを向上させることが期待される.
 以上のように,糖尿病におけるサルコペニア・フレイルの問題を取り上げることは,単に血糖コントロールを超えて,患者の健康寿命を延ばし,自立した生活を維持するためにきわめて重要である.今後,より多くの研究と臨床的アプローチが求められるとともに,医療従事者や患者が一体となってこの問題に取り組む必要がある.

梅垣宏行(名古屋大学大学院 医学系研究科 地域在宅医療学・老年科学(老年内科)科長・教授)


<目次>

1. 糖尿病とサルコペニア・フレイル:臨床的影響/田村嘉章
2. 糖尿病患者におけるサルコペニアの疫学とリスク因子/赤坂 憲
3. 診断・評価法:サルコペニアとフレイルのスクリーニングおよび評価法と診断/佐竹昭介
4. 高齢糖尿病患者の社会的フレイル,孤独・孤立/井田 諭
5. 高齢糖尿病患者におけるオーラルフレイルとオーラルヘルス/宮原周三
6. 運動療法とリハビリテーションの役割/森 優太
7. 栄養療法:たんぱく質摂取と栄養管理/濵口真英,福井道明
8. 薬物療法:サルコペニア・フレイルを合併した糖尿病患者の治療戦略と注意点/杉本 研
9. マルチモビディティを伴うフレイル糖尿病患者の診方/新村 健
10. 糖尿病患者のサルコペニア・フレイルの予防介入研究の最前線から考える実地医家におけるサルコペニア・フレイル予防/杉本大貴,大村卓也
11. 多職種連携と地域医療におけるフレイル対策/川島秀明,鈴木 亮
4,400円
特集●糖尿病一次予防のエビデンスと実践
企画編集/曽根博仁


<特集にあたって>

 糖尿病の「治療」に毎日忙殺されている糖尿病専門医やメディカルスタッフが,つい忘れがちな視点が糖尿病の「予防」である.
 糖尿病はたとえば,わが国で年間約1万4000人の腎透析導入の原因疾患になっている.もしも糖尿病にならなければ,これらの方々は透析にならなかったはずである.私たちは,膨大な数の発症後の糖尿病患者さんたちの合併症を予防するために,毎日奮闘しているわけであるが,もしも糖尿病そのものの発症を予防できれば,合併症は起きえない.その意味で糖尿病一次予防は,最も確実かつ効率的な合併症防止策であり,「究極の糖尿病対策」ともいえる.
 糖尿病に限らず生活習慣病を予防するためには,詳細な発症リスク因子の解明とそのコントロールが不可欠である.遺伝背景や生活習慣・環境の影響を強く受ける糖尿病の予防には,それらが大きく異なる人種・国ごとにリスク因子を解明し,エビデンスとして確立していくことが求められる.
 糖尿病発症のリスク因子は従来,主に一般住民対象のコホート研究において検討され,基本的なリスク因子(あるいは予測因子)は,かなり解明された.しかし,たとえば最も基本的な因子のひとつである肥満についてさえ,何歳ごろからのどの程度の体重増加が糖尿病発症リスクをどの程度上昇させるか,などの詳細な解析は,従来型コホートでは人数や追跡期間が不足することが多い.さらに,開始時に調査された項目以外から,未知のリスク因子を探索することも困難である.近年のリアルワールドビッグデータ解析は,そのような従来型研究の限界を乗り越える大きな可能性を有する.たとえば,多数の項目を毎年繰り返し測定している健康診断や人間ドックのデータを,専門医の視点から解析すれば,より現場に活用しやすい新たな糖尿病予防エビデンスを産み出すことができる.
 とくに2型糖尿病の発症においては,前記のように遺伝因子が強く影響するため,糖尿病のなりやすさにはもともと大きな個人差があり,さらに食事,運動をはじめとする生活習慣や生活環境因子も色濃く影響する.したがって,遺伝的リスクに応じ,さまざまな修飾可能(modifiable)な手法を組み合わせることにより,発症リスクの低下あるいは発症時期の遅延が可能になる.さらには,いったん発症後も「寛解」させることが可能になれば,患者さんだけでなく,多忙を極めるわれわれ糖尿病専門家にとってもきわめてメリットが大きい.
 本号では,2型糖尿病のみならず1型,小児,妊娠糖尿病なども含め,リスク因子に始まり,それらを活用した介入による予防エビデンスまで,広く糖尿病「予防」をテーマとした.多くの患者さんと接し,境界型を含む糖尿病の病態や患者さんの生活習慣・環境を肌で理解している糖尿病専門医や療養指導士は,治療のみならずその予防についてもエキスパートになれるはずである.本特集が予防という「究極の糖尿病対策」について考える機会になれば幸甚である.

曽根博仁
(新潟大学大学院 医歯学総合研究科 血液・内分泌・代謝内科学分野 教授)


<目次>

1. 遺伝情報による糖尿病発症予測とそれを活かした一次予防/安田和基
2. 健診とその指導による糖尿病予防のエビデンスと実践/津下一代
3. 健診・人間ドックのビッグデータによる糖尿病の一次予防エビデンス/曽根博仁
4. 食事パターン・栄養素・食品群摂取に関する2型糖尿病発症予防エビデンス/堀川千嘉
5. 機能性食品による糖尿病のヒトでの発症抑制エビデンス/鈴木浩史
6. 運動身体活動による糖尿病予防エビデンス/細井雅之
7. ICTやスマートフォンアプリを活用した糖尿病予防のエビデンス/北澤 勝
8. 薬物による糖尿病予防エビデンス/松林泰弘,曽根博仁
9. 妊娠糖尿病の予防エビデンス/谷内洋子
10. 妊娠糖尿病既往女性における将来の2型糖尿病予防エビデンス/荒田尚子,川﨑麻紀
11. 小児・思春期2型糖尿病の予防エビデンスと現場実践/菊池 透
12. 1型糖尿病の予防エビデンス/戎野朋子,今川彰久
13. 減量・代謝改善手術による糖尿病予防エビデンス/小田知靖,石垣 泰
14. 糖尿病「寛解」のエビデンス/藤原和哉
4,400円
特集●糖尿病・ゲノム・遺伝子
企画編集/前田士郎


<特集にあたって>

 疾患の発症には遺伝要因と環境要因が関与しており,その関与の割合が疾患により異なっている.ミトコンドリア病あるいはメンデル遺伝形式を示す単一遺伝子疾患では,遺伝要因の関与は大きく,原因となるバリアントが同定されれば最適の治療法選択につながる可能性がある.一方,1型・2型糖尿病のようなcommon diseaseは多くの遺伝要因が関与する多因子疾患であり,寄与する遺伝要因(ゲノム領域)の数は当初の予想をはるかに上回っている.どの遺伝要因が,どの程度疾患発症に寄与しているかは個人,あるいは曝露されている(された)環境によりさまざまであり,遺伝情報をもとに治療法の選択を行うことは現時点では困難と考えられる.
 ヒトゲノムプロジェクト完了を契機に,ヒトゲノム研究はめざましい進歩を遂げている.30~32億塩基対に及ぶヒトゲノム配列は,2003年のヒトゲノムプロジェクト完了宣言当時には10%程度のギャップが存在していたが,ロングリードタイプの第3世代次世代シーケンサーによる胞状奇胎のゲノム解析が行われ,そのギャップもほぼ解消されている.このようなシーケンス技術の進歩は,未知の単一遺伝子疾患の原因バリアント同定にエキソーム解析,全ゲノムシーケンス解析を応用することを可能にしている.一方,ヒトゲノム上に存在する個人差(バリアント)の情報整備,解析技術の飛躍的進歩により導入されたゲノムワイド関連解析(genome-wide association study;GWAS)により,common diseaseの感受性遺伝子研究は画期的な進歩を遂げた.GWASは欧米人を中心に大規模に行われており,身長に関しては500万人を超える規模のGWASメタ解析により,欧米人では身長に寄与する遺伝率(heritability)のほぼすべてが解明されたと報告された(Yengo L et al., Nature. 2022; 610(7933): 704-12).2型糖尿病に関しても100万人以上のGWASメタ解析が行われているが,大規模GWASの結果をもとに算出されるpolygenicrisk score(PRS)が発症リスクを精確に予測しうると報告され,予防医学の分野で応用されようとしている.
 本特集では,まず前述のNature論文の責任著者の1人であり,わが国におけるゲノム研究をリードしている岡田随象先生にゲノム解析の現状を,環境要因としてのエピゲノム研究について,糖尿病分野でのエピゲノム研究を牽引している酒井寿郎先生に解説していただく.また,単一遺伝子病として若年発症成人型糖尿病(MODY),インスリン受容体異常症,ミトコンドリア糖尿病,ウォルフラム症候群,新生児糖尿病,common diseaseとしての1型糖尿病,2型糖尿病,糖尿病合併症に関して,わが国のゲノム研究の第一人者に,ご自身の研究成果も含めて最新の情報をご紹介いただく.最後に,ゲノム情報の臨床応用について,肥満治療における試みを浅原哲子先生に,PRSの概要と現状,今後の期待などを田宮 元先生にご解説いただく.個人に最適の治療(precision medicine:精密医療)の実現にはゲノム研究のさらなる進歩が必須であり,本特集により,読者にその重要性について理解が深まることを期待したい.

前田士郎(琉球大学大学院 医学研究科 先進ゲノム検査医学講座 教授)


<目次>

1. 疾患感受性遺伝子解析法の進歩~単一遺伝子病からcommon disease~/小嶋崇史,岡田随象
2. 糖尿病エピゲノム研究の進歩/松村欣宏,荒井 誠,伊藤 亮,高橋宙大,稲垣 毅,米代武司,酒井寿郎
3. 若年発症成人型糖尿病(maturity-onset diabetes of the young;MODY)/田中 慧,岩﨑直子
4. インスリン受容体異常症・ミトコンドリア糖尿病/庄嶋伸浩,山内敏正
5. ウォルフラム症候群/永尾優子,田部勝也,谷澤幸生
6. KATPチャネル変異と新生児糖尿病/下村健寿
7. 1型糖尿病における感受性ゲノム領域研究の現状/能宗伸輔,池上博司
8. 2型糖尿病感受性ゲノム領域研究の現状/安田和基
9. レジスチン・アディポネクチンと2型糖尿病/川村良一,大澤春彦
10. 糖尿病合併症感受性ゲノム領域研究の現状/今村美菜子
11. 肥満および肥満治療抵抗性に関与するゲノム研究の現状/加藤さやか,浅原哲子
12. ポリジェニックリスクスコアの概要と臨床応用に向けて/三宅顕光,田宮 元
4,400円
特集●糖尿病患者の救急医療・急性期医療
企画編集/亀井 望

<特集にあたって>

 糖尿病患者数は増加を続けており,急性期病院の救急外来を受診する患者のなかに占める糖尿病患者の割合も同様に増えていると考えられる.意識障害や全身状態の悪化などで救急搬送される患者は,まず救急医や総合診療医,当直医などが診療することが多い.糖尿病を有していない救急患者とは異なり,糖尿病患者の救急診療においては特有の鑑別診断や初期治療があり,血糖管理にも注意を要する.糖尿病専門医のみならず,急性期医療にあたるすべての医師と医療従事者にこれらの注意すべきポイントについて知っていただきたいと考え,今回の特集を企画した.
 糖尿病に特徴的な急性合併症や急性期病態として,高浸透圧高血糖状態(HHS),糖尿病性ケトアシドーシス(DKA),乳酸アシドーシスなどがある.高齢患者は感染や脱水などを契機として容易にHHSとなるため,適切に診断を行い早期に治療を開始する必要がある.また,SGLT2阻害薬による臓器保護作用にはケトン体の関与も考えられているが,一方でsick dayなどに適切な休薬がなされないと正常血糖ケトアシドーシス(euglycemic DKA)を引き起こすことがあり,救急の現場で診療する機会が増えている.euDKAは,これまでの1型糖尿病でみられたDKAとはやや異なる病態を示し,治療においても早期からブドウ糖投与を開始する必要があるなどのポイントがあり,知識をUpdateしたい.
 2型糖尿病治療の中心が低血糖を起こしにくい薬剤へと変わりつつあること,1型糖尿病でも血糖モニタリング機器やインスリン製剤が進歩していることから,低血糖で救急搬送される患者数は今後減少していくことが期待される.しかし現時点では,低血糖による救急受診はまだまだ非常に多く,その対策と適切な治療は重要である.救急の現場では,低血糖はブドウ糖の静脈注射で容易に改善するものの,帰宅後に再度意識障害を起こすなどの事例もあり,注意を要する.
 糖尿病に特有の病態ではないが,その経過に糖尿病と血糖管理が大きく影響する疾患もあり,糖尿病専門医による治療介入が重要である.心血管疾患・心不全は糖尿病患者において特徴的な病態を示し,また近年の治療の進歩も目覚ましい領域である.同様に急性腎障害や慢性腎障害患者の病態悪化にも対応できる臨床力が求められる.
 糖尿病患者には易感染性があることが知られており,感染症は糖尿病で非常に多い急性併存症である.糖尿病に特有の感染症もあり,診断が困難であることも多い.治療においても糖尿病患者における抗菌薬使用の方法を十分理解しておきたい.また,COVID-19 感染症は血糖コントロール不良の糖尿病患者において予後が悪いことが示され,糖尿病専門医が積極的に治療に関与すべき病態である.
 急性期病院の糖尿病専門医は,外傷や周術期および悪性腫瘍治療に関する血糖管理に多くの時間を割いている.外科手術において血糖管理が不十分であると創部感染などの術後感染症のリスクが高まり,予後の悪化や入院日数の延長につながる.悪性腫瘍の治療においてもステロイドによる高血糖や免疫チェックポイント阻害薬による1型糖尿病発症リスクなど,糖尿病専門医がいないと高度な医療ができない時代になっている.しかし,これらの病態に対する専門的な血糖管理には現時点で加算がない.これは非常に大きな問題であり,保健医療制度のなかできちんと評価されるべきであると考える.日本糖尿病学会は,糖尿病専門医による適切な急性期の全身管理は術後合併症などを減らし医療費の抑制につながることを厚生労働省に訴えており,重症度や医療・看護必要度の項目に糖尿病専門医によるインスリン管理を加えることを要望している.
 本特集では,慢性の管理や合併症・併存症が注目されることの多い糖尿病診療において,救急や急性期医療の重要性にスポットライトを当てた.エキスパートの先生方に最新の知見をわかりやすく解説いただいており,実践的な内容になっているため,明日からの診療にすぐに役立つことと思う.本特集が日本における糖尿病患者の救急・急性期医療のレベルアップにつながり,多くの糖尿病患者の生命予後が改善することを願っている.

亀井 望(広島赤十字・原爆病院 内分泌・代謝内科 部長)


<目次>

1. 意識障害・救急搬送/岩岡秀明
2. 1型糖尿病/山本あかね,齋藤修一郎,廣田勇士
3. 高浸透圧高血糖状態/角谷佳則,森岡与明
4. 糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)/佐藤大介,久米真司
5. 乳酸アシドーシス/牟田芳実,川浪大治
6. 低血糖/志熊淳平,鈴木 亮
7. 心血管疾患・心不全/佐藤達也,古橋眞人
8. 腎障害/山尾有加,金﨑啓造
9. 感染症/山本たける,細川直登
10. COVID-19/大杉 満
11. 外傷・周術期/細井雅之,藥師寺洋介
12. 悪性腫瘍/北澤 公
4,400円
特集●食(食事,食品,食欲,食生活習慣)と糖尿病・糖代謝,肥満との関係
企画編集/保坂利男

<特集にあたって>

 日常診療において最近までは食事療法を「食事制限」と感じ我慢できないと訴える糖尿病患者は多く,栄養に関わる私などは,「制限」でなく,今までが多すぎて「適正量」に戻すだけであると説明し,なんとかご理解いただいていた.近年の詳細な分析から,健常人と糖尿病患者でのエネルギー必要量は同程度であり,現体重あたり35 kcal前後のエネルギー必要量であることが報告され,今までの標準体重あたり30 kcal前後のエネルギー必要量の指導は,まさしく「食事制限」であったと悔悟している.「日本人の食事摂取基準(2015年版)」から,それぞれの年齢における推定エネルギー必要量は参考表とされ,エネルギーの摂取量および消費量のバランス(エネルギー収支バランス)の維持を示す指標としてBMIが用いられている.成人における観察疫学研究において報告された総死亡率が最も低かったBMIの範囲と日本人のBMIの実態などを総合的に検証し,目標とするBMIの範囲が提示されている.糖尿病患者に対して摂取エネルギーを決定後,それを目標値として指導することに対して,私自身も疑わなかった.日々の生活は,まったく同じでないのであれば,普通に考えると毎日目標値に近いエネルギーを摂取させることができないことは感じていても,一辺倒の指導を繰り返しており,BMIでエネルギー収支バランスを判断していく必要性を感じている.
 それらを踏まえて,2019年の糖尿病診療ガイドラインの改訂で新しく舵をきったのが食事療法である.総エネルギー摂取量の目標値が削除され目安となり,目安となる総エネルギー摂取量の算出時の体重は,標準体重から目標体重となった.食事の摂り方に関しては,「個々人の食事パターン(eating pattern)を考慮しながら,包括的に適正な食材の選択を促す.規則的に3食を摂ることが糖尿病の予防に有効である.」と個別化を図っての食事指導を行う必要がある.食事の摂り方の解説のなかには「野菜など食物繊維に富んだ食材を主食より先に食べ,よく噛んで咀嚼することによって食後の高血糖の是正が期待できる.就寝前に摂る夜食は肥満の助長,血糖コントロールの不良の原因となり,併発症をきたすリスクが高くなる.朝食を抜く食習慣が2型糖尿病のリスクになることが示されておりシフトワーカーでは2型糖尿病の発症リスクが増す.肥満症例には,総エネルギーの適正化のみならず,欠食あるいは就寝前の間食の摂取など,食事摂取行動への介入が望まれる.」と述べられている.
 糖尿病患者の食事療法は,血糖コントロールのためではなく,血糖悪化防止と目標体重を目安に肥満,やせを是正して,より生理的な血糖の変動の食生活に近づけるものとなるのであろう.それらから,私たち糖尿病診療,生活習慣病予防に関わる医療従事者は,食事療法だけでなく,食事の質,食生活としての食習慣や食欲についても知っておかなければならない.
 本特集においては,「食(食事,食品,食欲,食生活習慣)と糖尿病・糖代謝,肥満との関係」という特集タイトルで,第1章から第4章では,咀嚼,欠食,睡眠不足などの食生活習慣および時間栄養学と糖尿病・糖代謝,肥満の関係について,第5章から第7章では,栄養素,栄養成分について,最新の臨床,疫学,基礎的研究それぞれの面からご執筆いただいた.第8章から第12章では,実践と絡めて栄養指導や薬剤と食事との関係についてご執筆いただいた.

保坂利男(静岡県立大学 食品栄養科学部 栄養生命科学科 臨床栄養学教室 教授)


<目次>

1. 咀嚼と血糖コントロール~食欲との関係~/福田正博
2. 食習慣と血糖コントロール/今井佐恵子,梶山靜夫
3. 睡眠と食欲,血糖コントロールの関係/塩見亮人,三宅映己,古川慎哉
4. 時間栄養学からみた食と糖代謝/柴田重信
5. 絶食・糖尿病状態におけるエネルギー産生栄養素代謝のダイナミズム/谷田亮太,篁 俊成
6. 発酵食品と血糖コントロール,糖代謝,肥満との関係/橋本善隆,福井道明
7. 食品成分と血糖コントロール,糖代謝,肥満との関係/齋藤従道
8. 目標体重,個別指導となった栄養指導の現状/原 純也
9. 糖尿病における加齢性筋障害と生活習慣/松久宗英
10. 情報通信技術を活用した食事指導~オンライン指導とアプリケーションの利用~/榛葉有希
11. SGLT2阻害薬使用中の食事・栄養サポート/土屋恭一郎
12. インクレチン関連薬と食事の関係/山口裕子,桑田仁司
4,400円
特集●糖尿病性腎臓病・腎硬化症の病態と診療
企画編集/和田隆志


<特集にあたって>

 日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況」によると,透析患者数は近年患者数の伸びが鈍化しているものの,2020年は前年比3,031人増であった.新規透析導入患者の原疾患の第1位は糖尿病性腎臓病(糖尿病性腎症)で40.7 %であった.慢性透析患者数の増加は,70歳以上の患者数の増加によるものであると記載されている.関連して,2019 年に慢性糸球体腎炎に代わり腎硬化症が第2位となり,2020年では17.5 %をしめている.
 このような背景のもと,糖尿病性腎臓病,腎硬化症の病態の理解とその診療は日常臨床においても重要な課題である.超高齢社会,治療薬の進歩,統合的多因子介入を背景に,糖尿病に伴う腎病変の臨床病態は多様化している.そのため,糖尿病(性)腎症に加えて,糖尿病性腎臓病(diabetic kidney disease;DKD)という概念が用いられるようになってきた.超高齢社会においては高血圧症などによる腎硬化症の要素も加わる.糖尿病性腎臓病は典型的な糖尿病(性)腎症を含む,糖尿病の病態が関与するCKD全般を包括した概念である.正常アルブミン尿かつ腎機能低下している糖尿病例の増加が国内外で示され,腎硬化症による病態の修飾が推測されている.この超高齢社会における糖尿病性腎臓病や腎硬化症の病態の理解とそれに立脚する診療は,日常臨床においても重要な課題である.糖尿病治療薬など薬のエビデンスが蓄積され,新規の薬の臨床試験も国内外で展開されている.また,最近になり慢性腎臓病,2型糖尿病合併CKDなどに対して,SGLT2阻害薬やミネラルコルチコイド受容体拮抗薬など日常診療に用いることができるようになった薬も増えてきた.加えて,糖尿病性腎臓病に対する統合的多因子介入もJ-DOIT3に代表されるようにその有効性が示されている.今後も糖尿病性腎臓病,腎硬化症のさらなる病態解明,さらに,治療が進歩することが期待される.包括的対策による糖尿病性腎臓病,腎硬化症,さらに,関連が深い全身臓器障害の予防,予後改善,克服など福音につながることを願っている.
 本特集では,糖尿病性腎臓病,腎硬化症の臨床と研究に焦点をあて,現時点での概念や考え方とそれに深く関連するエビデンスをまとめることを主眼とした.バイオマーカー,治療の進歩や今後の方向性も含めて,当代のトップリーダーの皆様に解説をお願いした.この場をお借りして執筆を担当いただいた皆様に厚く御礼を申し上げる.


<目次>

1.糖尿病性腎臓病と糖尿病性腎症の病態と変遷/古市賢吾
2.リアルワールドデータからみた糖尿病性腎臓病/柏原直樹,岸 誠司,山内 佑,山本稔也
3.超高齢社会における糖尿病とCKDの現状と課題/馬場園哲也
4.糖尿病性腎臓病のゲノム解析とバイオバンク/平川陽亮
5.腎硬化症の病態と分子機序/小豆島健護,田村功一
6.腎生検からみた糖尿病性腎臓病・腎硬化症の共通点と相違点/清水美保
7.糖尿病性腎臓病の分子機序/久米真司
8.糖尿病性腎臓病・腎硬化症のバイオマーカー/大西康博,和田 淳
9.糖尿病性腎臓病と腎硬化症の血圧管理/増田貴博,長田太助
10.糖尿病性腎臓病の治療の進歩/川浪大治
11.(糖尿病性腎臓病・腎硬化症を含む)CKD診療におけるevidence-practice gap/岡田浩一
12.糖尿病性腎臓病の新規治療の展望と可能性/菅原真衣,南學正臣
4,400円
特集●認知症予防を考慮した糖尿病の治療
企画編集/荒木 厚

<特集にあたって>

 糖尿病の治療では合併症の予防のみならず,糖尿病で多い併存疾患の対策を講じることが重要となってきている.認知症は疫学研究によって近年増加していることが明らかになった糖尿病の併存症の1つである.また,軽度認知障害の段階の認知機能障害も高齢者糖尿病できたしやすい老年症候群の1つである.これらには糖尿病の病態であるインスリン分泌不全・抵抗性,高血糖,低血糖などが関与するとされている.
 こうした糖尿病における認知症・認知機能障害をどのようにスクリーニングし,MRIなどの画像も含めて診断し,また,どのように予防・治療していくかは高齢者糖尿病の診療において必要なスキルとなりつつある.さらに,糖尿病における認知症を防ぐためにはどのような食事療法,運動療法,薬物療法をすべきか,これらの多因子介入は有効かなどについて活発に議論や研究の対象となっている.
 糖尿病に認知症や認知機能障害が合併すると,糖尿病のセルフケアである食事・運動,服薬,注射が困難になり,社会サポートを確保する必要がある.そのためには治療を単純化し,サポートを受けやすいような環境作りが大切となる.
 研究においても動物モデルによる認知症発症機序や新しい治療薬の開発が試みられている.
 本特集では,この領域の診療や研究において我が国の最前線にいる先生方にご執筆いただき,「糖尿病と認知症」における集大成としてまとめることができた.この分野における知識を深め,臨床に活かしていただけば幸いである.


<目次>

Ⅰ-1.糖尿病と認知症の疫学:久山町研究/三野原敏文,小原知之,二宮利治
Ⅰ-2.糖尿病と認知症/梅垣宏行
Ⅰ-3.糖尿病における認知症の危険因子/田村嘉章
Ⅰ-4.糖尿病における認知機能障害のスクリーニング/赤坂 憲
Ⅰ-5.糖尿病網膜症と認知機能障害,認知症/勝俣 悠,千葉優子,池上靖子,荒木 厚
Ⅰ-6.糖尿病における認知機能障害の画像:PET/石井賢二
Ⅱ-1.食事療法と糖尿病/府川則子,荒木 厚
Ⅱ-2.多因子介入による認知症予防:社会サポートも含めて/杉本大貴,櫻井 孝
Ⅱ-3.多職種連携による在宅糖尿病患者のケア/齋藤 透,野村和至
Ⅱ-4.未来の治療薬開発/大八木保政
4,400円
特集●妊娠糖尿病・糖尿病合併妊娠の管理
企画編集/杉山 隆

<特集にあたって>

 糖代謝異常合併妊娠は妊娠中の合併症のなかでは最も頻度が高い疾患です.インスリン分泌が低い我が国ゆえの背景や晩産化に加え,近年の生活習慣も糖代謝異常の増加の一因となっていると考えられています.
 妊娠糖尿病の診断基準が変更され,すでに10年以上が経過しました.ただし,我が国で現在使用している診断基準は,国際糖尿病・妊娠学会(IADPSG)が推奨する妊娠糖尿病の診断基準とは異なっています.その理由は,我が国の2000年ごろは妊娠糖尿病のスクリーニングが徹底されておらず,妊娠初期に未診断糖尿病や糖尿病に至っていないような糖代謝異常を見つける体制が整っておらず,あえて妊娠全期間,同じ診断基準を用いてきた経緯があります.現在,妊娠初期・中期において公費負担による耐糖能スクリーニングは徹底されるようになり,今後の管理の方向性について再考する必要があります.妊娠前半期における糖尿病に至っていない耐糖能異常の取り扱いについては,いまだ世界的にもはっきりしておらず,このような視点より,妊娠糖尿病に対する最新の知見を特集として組んだ次第です.
 一方,糖尿病合併妊娠もその管理においては依然悩ましい点があります.たとえば,2型糖尿病女性の計画妊娠がしっかりなされていない点や肥満が多いことにより,肥満そのものの妊娠への悪影響も大きいことがあげられます.1型糖尿病女性のBMI上昇傾向に加え,晩産化も妊娠高血圧症候群のリスクを上げる原因となります.一方,血糖コントロールのための各種ディバイスの開発の進歩により管理法のオプションも増え,ICTの進歩,食事療法や看護的支援,エンパワーメント,さらにはレコンセプションケアも糖尿病女性のみならず妊娠糖尿病女性に対する有効性が期待されます.
 また,子宮内環境が高血糖という一種の過栄養環境は出生後の児の長期的に悪影響を及ぼす可能性も疫学研究で明らかになっています.動物実験では,とくに子宮内環境の是正が有効であることを示唆する報告がある一方,出生後の継続的な生活習慣も重要であることも示唆されています.子宮内環境の児へのエピジェネティックな影響があることは確実ですが,管理法については依然不明です.このような背景下,今後,糖代謝異常合併妊娠の管理に関し,母体のみならず次世代の健康も見据えた妊娠前からのプレコンセプションケアは重要であり,今後さらに進む少子超高齢化時代に向けた成育医療の原点にも通じる重要な領域であると考えます.
 本特集では,本領域に造詣の深い先生方に原稿をお願いしています.読者の皆さんにとって本書が臨床現場で役に立てば望外の幸せです.


<目次>

1.妊娠糖尿病に関する周産期予後と管理のエビデンスについて/岩間憲之,齋藤昌利,杉山 隆
2.妊娠初期に診断される妊娠糖尿病の妊娠予後/中西沙由理
3.妊娠糖尿病:管理のポイントと課題/宮越 敬
4.妊娠糖尿病のフォローアップ/川﨑麻紀,荒田尚子
5.我が国における1型糖尿病と2型糖尿病の疫学/藤川 慧
6.糖尿病合併妊娠に対する食事療法とインスリン療法/黒田暁生,松久宗英
7.糖尿病治療におけるICT/IoTを用いた支援/萩原郁哉,脇 嘉代
8.糖代謝異常合併妊娠に対する看護支援/田中佳代
9.糖尿病女性,妊娠糖尿病既往女性に対するプレコンセプションケア/荒田尚子,川﨑麻紀
10.エピジェネティクスの視点からみた糖代謝異常女性に対する管理:今後の展望/春日義史
4,400円
特集●SGLT2阻害薬を極める~なぜ1stチョイスとしてSGLT2阻害薬が考慮されるのか?~
企画編集/柴田 玲

<特集にあたって>

 新型コロナウイルス感染症のパンデミックは,感染症に負けない身体づくりの大切さを,社会に強く意識させました.とくに,肥満や糖尿病,高血圧などの生活習慣病,心不全や慢性腎臓病などの心腎疾患は,新型コロナウイルス感染症の重症化因子であることから,Withコロナ時代は,ますます生活習慣病や心腎疾患の管理が重要であると考えられるようになりました.そしてその管理のための最も有効なツールの1つがSGLT2阻害薬ではないかと思われます.
 2014年に糖尿病治療薬として上市されたSGLT2阻害薬は,単に血糖を下げるのみならず,非常に多面的な作用を有しています.血糖低下に加え,体重や血圧,心,腎によい影響を与えることが,さまざまな大規模試験の結果から示されました.その結果,2020年には,慢性心不全治療薬として,2021年からは,慢性腎臓病の治療薬として,一部のSGLT2阻害薬が承認され,現在では,SGLT2阻害薬は「糖尿病/心腎治療薬」に変化を遂げました.
 これまで,SGLT2阻害薬は,安全性などの観点から,若くて肥満を伴う糖尿病患者に対して,つまり,どちらかというと限定的な患者像での使用にとどまっていた傾向がありました.しかし,心血管イベントを抑える,腎アウトカムを改善させるといった大規模試験の結果,高齢者での安全性データなどが示されたこと,そして,糖尿病/心腎治療薬と用途拡大したことから,幅広い患者層へ,早期からSGLT2阻害薬が使用されるケースが増えてきました.
 人口の高齢化や医学の進歩とともに,糖尿病患者の寿命も着実に延びています.そのため,我々が糖尿病診療を行ううえでは,常にその方の10年20年先を見据えた治療を行う必要があります.目の前の血糖値を低下させることに加え,将来の合併症予防を常に見据えなければなりません.将来の心血管イベントを抑える,腎アウトカムを改善させるため,SGLT2阻害薬を早期に使用する,第一選択薬として選択する,このような攻めの治療が,今後増えてくると確信しています.
 そこで今回は,「SGLT2阻害薬を極める─なぜ1stチョイスとしてSGLT2阻害薬が考慮されるのか?」をテーマとし,「エビデンス」と「機序」と「診療」の3つの観点から,糖尿病,循環器内科,腎臓内科の専門医の先生方にご執筆いただきました.本誌を一読すれば,SGLT2阻害薬を極めることができる内容となっています.大変ご多忙のなか,ご執筆いただいた先生方に感謝申し上げるとともに,本特集が今後の診療に少しでもご活用いただければと祈念しています.


<目次>

I.SGLT阻害薬の歴史
 1.SGLT 阻害薬の歴史 The SGLT2 inhibitor;its history and future perspective/金井好克

Ⅱ.大規模臨床試験から学ぶSGLT2阻害薬
 1.大規模臨床試験から学ぶSGLT2阻害薬の血糖低下効果/的場圭一郎,西村理明
 2.大規模臨床試験から学ぶSGLT2阻害薬の心血管イベント抑制効果/井手友美
 3.大規模臨床試験から学ぶSGLT2阻害薬の腎イベント抑制効果/小田原 幹,菅原真衣,南學正臣

Ⅲ.SGLT2阻害薬の作用機序を考える
 1.SGLT2阻害薬の膵β細胞保護効果/伏見佳朗,金藤秀明
 2.SGLT2阻害薬の心保護効果/佐野元昭
 3.SGLT2阻害薬の腎保護効果/中野大介
 4.SGLT2阻害薬の肝保護効果/角田圭雄,木本 慧,坂本和賢,中出幸臣,伊藤清顕,米田政志

Ⅳ.積極的にSGLT2阻害薬を使用すべき患者像を考える
 1.糖尿病治療の側面から/森下啓明,神谷英紀
 2.心不全治療の側面から/城島昂太,田中敦史,野出孝一
 3.CKD治療の側面から/平田英生,深水 圭
 4.高齢糖尿病患者に1stチョイスとしてSGLT2阻害薬が考慮されるのか?/神原貴博,柴田 玲,室原豊明
 5.使用不適な患者像を考える/三好秀明
4,400円
特集●肥満・糖尿病・歯周病
企画編集/西村英紀

<特集にあたって>

 肥満や糖尿病は歯周病の増悪因子となることから歯周病は糖尿病の6番目の合併症と位置付けられ,その上流には高血糖や肥満に伴う高サイトカイン(アディポカイン)血症が存在すると考えられてきました.また,こうして重症化した歯周病が,軽微な慢性炎症としてインスリン抵抗性の進行促進要因となりえることも明らかになっています.
 近年,これらに加えインスリン抵抗性そのものが歯周病の増悪因子として作用する可能性が指摘されています.いうまでもなくインスリン抵抗性の最大の危険因子は肥満です.これらから,肥満・糖尿病やその合併症である歯周病の我が国における頻度を整理し,さらに肥満・糖尿病と歯周病の相互作用を分子レベルで正確に把握する必要があります.重症化した歯周病は菌血症や腸内細菌叢のかく乱,あるいは循環免疫細胞の活性化を介して,NASHやエネルギー代謝にも影響を与えると考えられています.これらから重症化した歯周病が遠隔臓器障害や腸内細菌叢へ与える影響,ひいては脂質代謝や肥満そのものに及ぼす影響についても理解しておく必要があります.これらを把握したうえで,分子基盤に基づいた分子標的療法の確立が望まれます.また,基本的な食事・運動療法を徹底するうえでも,分子基盤の理解はモチベーションの向上に資するのみでなく,治療効果をも左右することから必須の要件です.一方近年では,高齢者糖尿病が増加しつつあるものの,高齢者糖尿病と口腔の健康の関連性についてはほとんどわかっていません.超高齢社会をむかえる今日,この関連性を整理しておくことは非常に重要です.さらにこれらの関連性を理解したうえで,地域において医科歯科双方のかかりつけ医ならびにパラスタッフを交えたチームによる情報の共有は,肥満・糖尿病の管理の一環として必須です.厚生労働省による糖尿病性腎症重症化予防プログラムのなかでも,効果的な医科歯科連携システムの構築は,かかりつけ医と専門医の連携と並んで重要な評価対象の1つになっています.
 以上から,本特集では肥満・糖尿病と歯周病の最新の疫学,歯周病細菌や炎症の他臓器や組織への波及と遠隔臓器障害への影響,およびそれらを結び付ける分子間相互作用,治療標的の可能性のある薬剤,高齢者糖尿病と口腔の健康,そして医科歯科連携の実際と実践について,特集としてまとめてみました.すべての項目を網羅していることから,特集を通して読むことで,肥満・糖尿病と歯周病の関連性の理解が一層深まるものと確信しております.


<目次>

〔特集〕
1.大規模データに基づく糖尿病と歯周病/森野勝太郎,宮澤伊都子,前川聡
2.肥満と歯周病の分子疫学/竹下 徹,山下喜久
3.歯周病細菌由来菌血症による遠隔臓器への影響/今井千尋,大杉勇人,片桐さやか
4.歯周病感染による腸内細菌巣の攪乱と全身への影響/山崎和久,山崎恭子
5.歯周病局所におけるインスリン抵抗性~インスリン抵抗性の新たな展開/水谷幸嗣,中川佳太,竹村 修,小湊広美
6.インスリン抵抗性と歯周炎~新たな分子基盤/新城尊徳
7.CCL19/CCR7シグナルによる微細炎症とエネルギー代謝/岩下未咲
8.歯周炎とNAFLD/NASH/倉治竜太郎,沼部幸博
9.インクレチン制御薬による歯周病への影響/中村信久,成瀬桂子
10.高齢者糖尿病と口腔の健康/四釜洋介,松下健二
11.歯周病と糖尿病の医科歯科連携/赤司朋之
4,400円
特集●最新!糖尿病網膜症
企画編集/鈴間 潔

<特集にあたって>

 日本眼科学会から『糖尿病網膜症診療ガイドライン』が公開され糖尿病網膜症治療はますます注目されています.しかし糖尿病網膜症の治療において光凝固,手術,薬物の3つが三本柱であることは現在でも変わりません.
 光凝固はパターンスキャン方式による汎網膜光凝固が主流となり,疼痛の軽減,施行時間の短縮,通院回数の減少などの恩恵がもたらされました.ナビゲーション付きのレーザー装置も普及してきており安全で正確な治療ができるようになりました.
 硝子体手術は広角観察システムと極小切開により低侵襲で術後早期の社会復帰が可能となりました.またトリアムシノロンやブリリアントブルー Gなどのアジュバントや硝子体カッターなどの手術機器の進歩により昔は治療が難しかった重症の増殖糖尿病網膜症でも確実に視機能を温存できるようになりました.薬物治療抵抗性の糖尿病黄斑浮腫に対する網膜下灌流液注入術や,OCT付の手術顕微鏡などが最近の話題となっています.
 全身的な薬物治療としてはやはりまず血糖コントロールが重要ですが,高血圧,高脂血症に対する治療も網膜症の進行を抑制することを示す大規模臨床試験の結果も近年明らかとなりました.
 眼局所の黄斑浮腫に対する薬物治療ではVEGFに対する分子標的治療薬が複数のなかから選択可能となっています.分子生物学の進歩によりさまざまな増殖因子が糖尿病網膜症の血管病変に関係していると報告されてきましたが,これらの増殖因子のなかでもVEGFが最も重要であると考えられています.現在糖尿病黄斑浮腫に対して抗VEGF治療が主流ですが,繰り返し投与が必要であることが問題となっています.治療戦略のポイントとしてはレーザー治療と硝子体手術は術前術後の血糖コントロールが視力予後を左右するのに対し,抗VEGF薬は血糖コントロールの影響をほとんど受けないことが報告されています.すなわち血糖の高い人に糖尿病黄斑症がある場合はまず抗VEGF治療を優先して行い,血糖が落ち着いてからレーザー治療や硝子体手術に移行するといった治療戦略が考えられるようになりました.本特集ではこのような最近の糖尿病網膜症についての最新情報をお届けいたします.


<目次>

〔特集〕
1. 糖尿病網膜症の予防とスクリーニングにおける人工知能の活用への期待/川崎 良
2. 分子メカニズム Molecular Mechanisms/野田航介
3. 糖尿病網膜症・黄斑浮腫における眼循環動態/長岡泰司
4. OCTとOCTAにより進歩した糖尿病網膜症診療/村上智昭
5. 内服治療の可能性/兼子裕規
6. レーザー/野崎実穂
7. 硝子体手術/的場 亮,森實祐基
8. 抗VEGF治療のエビデンス/吉田茂生
9. リアルワールドの抗VEGF治療/杉本昌彦
10. 眼科と内科の連携/津田祐希,中尾新太郎
11. 糖尿病網膜症診療ガイドライン(第一版)2020の解説/村田敏規
4,400円
特集●糖尿病治療 次の一手を考える
企画編集/下野 大

<特集にあたって>

 「次の一手を考える」.日々の糖尿病診療のなかで,患者のおかれている状況を少しでもよくするために,新たなストラテジーを考える必要性に迫られることはよくあるのではないだろうか.たとえば,目の前の患者について血糖コントロールをよくするためにどうしたらよいだろうか,何か続けやすい食事の工夫や運動はないだろうか,きちんとコミュニケーションをはかれているだろうか,使用している薬剤は適切だろうか,患者のQOLを向上するために何か工夫ができないだろうか,私たちは日ごろからたびたび自問している.そしてその際に,次の一手が遅れてしまうClinical Inertiaを避ける努力も必要である.
 昨今,新型コロナウイルス感染症対策のため,生活をとりまく環境は大きく変化した.これまでの食事療法や運動療法が継続できなくなったり,生活における糖尿病治療のプライオリティ(優先順位)や心理的背景が変わってしまったりしている場合も多く見受けられる.このような変化をとらえるためには,診療のなかでしっかりと傾聴すること,対話をすることが大事である.生活環境が変わったとしても,その状況にあった治療法を提案できるかもしれない.本特集では,継続できる食事療法や運動療法,そして患者とのコミュニケーションにおいて大事なコーチングについてエクスパートの先生方に解説いただいている.
 また,糖尿病の薬物療法(薬剤の種類やデバイスなど)が進歩したことによって,目標とする血糖コントロールを達成することは以前よりやりやすくなったと考えられる.しかし,薬物療法をうまく活用するためには,適切なタイミングで適切な治療を行うことも重要である.薬物療法のなかでも比較的新しい知見が得られている,または薬剤や投与方法に工夫がなされ臨床的有用性が期待される,DPP-4阻害薬,SGLT2阻害薬,GLP-1受容体作動薬,そしてインスリン治療について詳しく解説いただいた.これから薬物療法を選択する際,ぜひ参考にしていただきたい.
 『糖尿病治療ガイド2022-2023』(日本糖尿病学会編著)において,糖尿病治療の目標は「糖尿病のない人と変わらない寿命とQOL」の達成であるとされている.この目標を達成するためには,高齢化などで増加する併存症の予防・管理を行い,社会的不利益がないような取り組みを行うことも重要である.
 本特集では糖尿病診療における地域医療やアドボカシー活動について経験豊かな先生方に解説いただいている.診察室や一医療機関を超え,糖尿病治療の目標を達成するための活動につなげていただければと思う.
 本特集を日常の糖尿病診療における「次の一手を考える」際の一助にしていただけると幸いである.


<目次>

〔特集〕
1. 糖尿病治療におけるClinical inertiaとReverse Clinical Inertiaを考える/佐藤秀一
2. コロナが生活を変えた.管理栄養士が今すべきこと,とはなにか/小園亜由美
3. 実践できる,継続できる,運動療法/松田拓朗
4. コーチングで目標を達成する/松本一成
5. 広がった,糖尿病薬物療法の選択肢/下野 大
6. DPP-4阻害薬の臨床的有用性/寺脇悠一
7. SGLT2阻害薬の臨床的有用性/髙橋佳大,藤澤太郎,矢部大介
8. GLP-1受容体作動薬の臨床的有用性/窪田紗希,丸山貴子,山田浩司,矢部大介
9. インスリン治療の進歩/澤木秀明
10. 次の一手としての病診連携/赤司朋之
4,400円
特集●糖尿病患者に忍び寄る骨折リスクとその対応
企画編集/今西康雄

<特集にあたって>

 各種併存疾患の合併により骨折リスクが増大することが知られている.とくに2型糖尿病や慢性腎臓病,慢性閉塞性肺疾患などの生活習慣病においては,骨密度とは独立した骨折リスクである骨質の低下が示唆されている.骨質とは,骨密度以外の骨脆弱性に関連した事象の総和とも言い換えることができ,骨微細構造・骨代謝回転・微小骨折・石灰化状態といった,骨密度で評価できない骨強度の指標である.2000年のNIHコンセンサス会議においては,骨粗鬆症が再定義され,「骨粗鬆症とは,骨強度の低下を特徴とし,骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患,A skeletal disorder characterized by compromised bone strength predisposing to an increased risk of fracture」と謳われた.さらに「骨強度は骨密度と骨質の2要因からなり,骨密度は骨強度の70 %を,骨質は30 %に影響する.」とも説明されている.
 骨質の1つの要素として,骨コラーゲン架橋の異常が報告されている.生理的な環境で作られる善玉架橋と,病的環境下で合成される悪玉架橋の両者で,骨脆弱性が規定される.海綿骨スコア(TBS)は,二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)の画像を用いた指標で,各画素の濃度変動(ばらつき)を用いて骨微細構造を解析し,骨強度を評価する.HR-pQCT(高解像度末梢骨用定量的CT)は,非侵襲的に生体の骨微細構造を解析することで,皮質骨多孔性などの評価が可能である.
 糖尿病の合併症として,糖尿病性腎症や糖尿病性網膜症,糖尿病性神経障害が生じる.糖尿病性腎症による腎機能低下により骨質がさらに劣化し,糖尿病性網膜症,糖尿病性神経障害により転倒リスクが増大する.また,フレイル・サルコペニアも重大な合併症であると,近年認識されるようになった.このような状態になると,転倒リスクを正しく評価し,転倒防止対策を講じることで,骨折リスクの減少に努める必要が生じる.
 糖尿病も骨粗鬆症も食事療法の重要性が高いが,糖尿病性骨症における食事療法や指導法についても,実地的な視点からみた指導が重要である.さらに糖尿病性骨症の薬物治療であるが,糖代謝と骨代謝両面から考えておく必要がある.また,糖尿病性骨症の診療は,医師のみで完結するものではない.骨粗鬆症マネージャーや糖尿病療養指導士が,どのように患者とかかわるべきか,重要な課題である.
 本号においては,これらのトピックスを最前線で診療・研究に当たられている先生方からご解説いただく.本号が日常臨床のレベルアップに寄与することを,切に希望したい.


<目次>

〔特集〕
1. 糖尿病性骨症の疫学/笹子敬洋,植木浩二郎,門脇 孝
2. 糖尿病性骨症におけるDXA評価/山本昌弘
3. 糖尿病性骨症における骨質劣化機序/斎藤 充
4. 糖尿病性骨症における皮質骨劣化機序/千葉 恒,尾崎 誠
5. 糖尿病性腎症におけるビタミンD代謝異常/山形雅代
6. 糖尿病性腎症における骨脆弱性とその対策/中川洋佑,駒場大峰
7. フレイル・サルコペニアと糖尿病性骨症/元山宏華
8. 糖尿病性神経障害と転倒リスク評価/細井雅之,元山宏華
9. 糖尿病患者における転倒防止対策/櫻井真由美,大野良晃
10. 糖尿病性骨症における栄養指導/中川公恵
11. 糖尿病性骨症の治療/井上玲子,井上大輔
12. 骨粗鬆症マネージャーと糖尿病療養指導士の役割/鈴木敦詞
4,400円
特集●糖尿病患者の心・腎・肝を診る11のポイント
企画編集/土屋恭一郎

<特集にあたって>

 糖尿病治療の目標は,合併症の阻止および抑制により,糖尿病患者に健康な人と変わらないQOL(生活の質)と生命予後を確保することである.心血管疾患と糖尿病性腎臓病の予防は,この目標を達成するうえで極めて重要な中間目標であることはいうまでもない.さらに近年は,2型糖尿病において非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の罹患率は最大70 %に達し,2型糖尿病は非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に進展する強力な危険因子であることも明らかとなっている.肝疾患も糖尿病の合併症の1つとして認識されつつある昨今,糖尿病患者のQOLと生命予後を見据えたトータルケアを実践するためには,血糖値や各種危険因子の管理のみならず,「心・腎・肝」も診るスキルが必要とされている.加えて,腎機能の低下が心血管疾患のリスクとなり,心血管疾患もまた腎機能低下を促進することや,NAFLDが心血管疾患ならびに慢性腎臓病のリスクを上昇させることも示されており,糖尿病診療において,臓器連関の理解に立脚した複眼的・俯瞰的な視点はますます求められているといえる.
 実診療においては,心・腎・肝疾患の進展に応じて,適切な時期に循環器内科,腎臓内科,肝臓内科の専門診療と連携することが重要である.しかし一方で,続々と明らかになっている糖尿病治療薬の「心・腎・肝」における興味深くインパクトのあるエビデンスを鑑みると,今や「心・腎・肝」の診療は糖尿病診療の重要かつ主要な一部分となりつつある.したがって,糖尿病診療においてこれらの臓器を診る力の必要性が高まっていることに加えて,循環器内科,腎臓内科,肝臓内科との連携についても,改めて考えるべき時期といえるかもしれない.
 本特集では,このような糖尿病診療を取り巻く変化を踏まえて,糖尿病患者の「心・腎・肝」を診るポイントについて,11のトピックをエキスパートの先生方にご執筆いただいた.臓器連関に関する詳細なご解説を皮切りに,糖尿病診療において頻繁に遭遇する「心・腎・肝」に関するトピックを選定し,できるだけ実践的な内容を意識したつもりである.また,診療科間の連携のあり方を改めて整理するために,ご執筆の先生方には,「どこまで診て,どこからコンサルトするか」についても各学会の指針を含めてご解説いただいた.本企画が明日からの糖尿病診療における有益な情報源となり,質の高いトータルケアの実現により糖尿病患者のQOLと生命予後の向上に少しでもつながることを願っている.

土屋恭一郎
(山梨大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌内科 病院准教授)


<目次>

〔特集〕
1. 糖尿病における心・腎・肝連関/宮地康高,小川佳宏
2. 糖尿病外来における心不全の診断・フォロー法と専門医紹介のタイミング/坂東泰子
3. 糖尿病外来における動脈硬化の診断・フォロー法と専門医に紹介すべきケース/多田隼人
4. 糖尿病外来における不整脈の診断・フォロー法と専門医に紹介すべきケース/大西勝也
5. 糖尿病外来におけるCKD/DKDのフォローのポイント/久米真司
6. DKDの生活・食事指導/斎藤知栄,山縣邦弘
7. 糖尿病外来での腎性貧血の診療ポイント/中川輝政,柿添 豊
8. 糖尿病に合併する肝機能障害の鑑別/井上 瑛,安西慶三,高橋宏和
9. 非肥満の脂肪肝へのアプローチ/正田純一,矢部義人,押田夏海
10. 糖尿病外来での脂肪肝のフォロー法と専門医紹介のタイミング/鈴木雄一朗,榎本信幸
11. NAFLD合併2型糖尿病における抗糖尿病薬の使い分け/河合俊英
4,400円
特集●これからのWithコロナ時代の糖尿病診療
企画編集/山﨑真裕

<特集にあたって>

 2019年末に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者が世界で初めて報告され,我が国においても2020年1月に初めての患者の報告後,世界でのパンデミック,我が国の社会における感染予防対策,新しい生活様式,医療における対応など,われわれは大きな影響を受けた.新しい生活様式は,人流を減らし,三密(密集,密接,密閉)の回避を求められ,生活と密接にかかわる糖尿病療養は大きな影響を受けることとなった.生活行動の変化は活動量の変化,食行動の変化につながり個々の血糖コントロールに影響を及ぼした.COVID-19の重症化因子として肥満や糖尿病などの持病がいわれ,日々流れる不安をあおるようなテレビやネット経由の情報は患者の不安を高め,それだけでなく仕事や人間関係の変化は生活していくことそのものにも不安を感じることもあり,精神的ストレスの増大は不眠などの生活リズムへの影響や,直接的に血糖コントロールにも影響したと考えられる.また私たちが行ってきた糖尿病診療,療養指導,療養支援は患者-医療者関係といわれる人と人との人間関係を基本としており,対面で行う診察,フットケアを含めた療養相談,栄養指導,集団糖尿病教室,患者会活動といった診療そのものが制限されるなかで治療を行うことがどのような結果をもたらすのか不安を感じながら,新しい診療様式を模索してきた.
 一時はある一定期間を耐え忍べば,もとの生活様式に戻ることができるという思いで,この新しい生活様式に合わせた特別対応として工夫をしながら診療を行ってきたが,ワクチン接種が進み,根本的な治療薬の出現を待つ状況がすでに2年になる.今までとは違う様式が続くことはストレスとなるが,違うことを試すことで見えてくることもあった.Afterコロナを目指していた困難を感じる時期は過ぎ,Withコロナの新しい様式を日常にして発展させていく未来に目を向ける時期である.
 今回の特集では,まず現時点で分かっているCOVID-19の最新の情報,知識の整理を行ったうえで,糖尿病との関連,COVID-19治療における血糖コントロールの現場の状況を取り上げる.そしてコロナ禍において制限された療養支援の工夫を病院,診療所においてどのように行っているのかの共有をし,参考にしたい.また糖尿病療養の基本となる運動療法,食事療法のコロナ禍における注意点の学びから今行っている治療をよりよいものとし,さらにはすでに現在行われている「withコロナ時代」に活用するべき診療方式の未来を知る機会としたい.
 もちろん糖尿病診療において,患者-医療者関係の基礎となる人間関係の重要性は変わることはない.しかしコロナ禍を経験したことで未来にもっていくべきもの,削ぎ落すべきもの,形を変えなければいけないものなどが見えてきた.「これからのWithコロナ時代の糖尿病診療」をそれぞれがそれぞれの場所で行っていく未来に思いを馳せる機会にしていただければ幸せである.


<目次>

〔特集〕
1.新型コロナウイルス感染症の最前線/大曲貴夫
2.新型コロナウイルスと糖尿病の関係/牛込恵美,福井道明
3.入院新型コロナ感染症患者の血糖コントロール/濵口真英
4.病院における糖尿病療養支援の工夫/久松 香
5.診療所における糖尿病療養支援の工夫/水野美華
6.新型コロナ禍での運動指導/石井美穂
7.新型コロナ禍における食事療法の注意点/松岡幸代
8.Withコロナにおける薬局での対策/岡田 浩
9.Withコロナにおける診療所での糖尿病診療対策/原島伸一,鳥飼和美,板橋莉佳,原島知恵,西村亜希子
10.Withコロナだからこそのチーム医療/井上 瑛,安西慶三
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