月刊糖尿病(DIABETES) 発売日・バックナンバー

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2,970円
【特集】糖尿病のチーム医療からトータルケアへ
企画編集/内潟安子
(東京女子医科大学 糖尿病センター長)

〈特集にあたって〉
 糖尿病診療にはチーム医療が欠かせない.これは,今日の医療に熟知している医療者なら,だれもが知っていることであろう.2000年から日本糖尿病療養指導士認定機構が発足して,多くの看護師,栄養士,臨床検査技師,薬剤師,理学療法士の糖尿病療養指導士が誕生した.最低限度の糖尿病療養に必要な知識をどの職種のメディカルスタッフも一様に持つことができるようになり,日々の糖尿病患者の診療の効率化が図られ,多くの患者の診療が可能となった.
 糖尿病患者は他科受診することも多く,多彩な診療を必要とする.そのため,上記の5職種以上の職種を巻き込んだチーム医療にも発展していく.医師一人で糖尿病診療のすべてを完璧にこなし,そして日々継続することは,いまや困難であるといえるだろう.そういう意味で,糖尿病のトータルケアにおいても,たとえどんな小さなチームであっても,チーム医療は必須のこととなった.
 さて,あなたはそのチーム医療に満足しているだろうか.何か,おかしいなと感じることはないだろうか.なんだか,ストレスを感じていないだろうか.患者のことを中心に考えて,皆で患者の良いように療養業務ができているだろうか.
 何がおかしいのか.チーム医療に慣れてきた我々の盲点ともいうものをこの機会に,考えてみたいと思う.どこに落とし穴があるのか,どこに不自由さがあるのか.本来のチーム医療は? そのために,どうしていくのがいいか.対策をたて,ロードマップを作成し,皆さんの施設のチーム医療をブラッシュアップしていきたい.
内潟安子
(東京女子医科大学 糖尿病センター長)

〈目次〉
1. チーム医療を成功に導くためのTeamSTEPPS
2. 自科の医師とメディカルスタッフのチーム医療を成功させるには
3. 糖尿病内科と眼科のチーム医療のコツ
4. 糖尿病透析患者におけるチーム医療のコツ
5. 消化器外科とのチーム医療
6. 産科と糖尿病内科とのチーム医療をうまくするには -産婦人科医の立場から
7. 医師とのチーム医療をうまくするには -栄養指導を行う立場から
8. 糖尿病患者の療養支援におけるチーム医療の推進
9. 医師とのチーム医療をうまくするには -薬剤師の立場から
10. フットケアでのチーム医療 -ナースの立場から

















2,970円
【特集】糖尿病腎症の診断と治療 Up To Date

〈特集にあたって〉
 糖尿病腎症は慢性腎臓病の最大の原疾患であり,依然として新規透析導入の第1位を占めている.さらに,日本透析医学会からの2013年末の慢性透析患者に関する基礎集計において,莫大な医療費を要する慢性透析療法を受けている患者も糖尿病腎症が第1位となった.このような現状を踏まえると,糖尿病腎症の発症および進行阻止が,われわれ医療従事者が解決すべき急務の課題である.
 そこで,「糖尿病腎症の診断と治療 Up To Date」として,新たな糖尿病性腎症病期分類の改訂に至った経緯とともに診断と治療の実践を専門のエキスパートの先生方に解説して頂く.特に,血糖管理に関しては新たな血糖降下薬として登場したインクレチン関連薬とSGLT2阻害薬は,それぞれ単独投与では低血糖の懸念が少なく,かつ,腎保護効果も期待できる成績も報告され注目されている.また,糖尿病腎症治療に欠かせないチーム医療の実践による糖尿病透析予防指導管理の実態も解説して頂く.最後に,抜本的な糖尿病腎症に対する治療薬がない現状において,糖尿病腎症克服への挑戦を取り上げる.インクレチン関連薬とSGLT2阻害薬への期待と将来に新規糖尿病腎症治療薬となり得る展望とともに,個々の糖尿病腎症患者に応じたテーラーメード医療の可能性を腎症感受性遺伝子に基づいて解説して頂く.

〈目次〉
Ⅰ. 診断と病期分類2014
Ⅱ. 診断の新たなバイオマーカー
Ⅲ. 治療の実践
Ⅲ-1.生活習慣の修正
Ⅲ-2.EBMを基盤とした血糖の管理目標と薬物療法
Ⅲ-3.血圧管理とそのコツ
Ⅲ-4.脂質異常管理の腎保護効果
Ⅲ-5.チーム医療の実践とその効果
Ⅲ-6.糖尿病透析予防指導管理の実態
Ⅳ. 糖尿病腎症克服に残された課題へ挑戦
Ⅳ-1.インクレチン関連薬への期待
Ⅳ-2.SGLT2阻害薬への期待
Ⅳ-3.発症メカニズムに立脚した治療の将来展望
Ⅳ-4.腎症感受性遺伝子研究と個別化医療








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【特集】
そこが知りたい!がん患者の糖尿病マネジメント
~糖尿病とがんの「危険な関係」~

〈特集にあたって〉
 日本人の2人に1人ががんになる時代である.高齢社会の進行および糖尿病患者数の増加と相まって,糖尿病とがんを併発する患者は今後増え続けるに違いない.実際,我が国の糖尿病患者の死因の第1位(34.1 %)はすでに1990年代から「悪性新生物」であり,第2位(26.8 %)の「血管障害」(腎障害・虚血性心疾患・脳血管障害)を上回っている.一人一人の糖尿病患者にとっては,合併症によって失明や透析に至る確率よりも,がんを併発して手術や抗がん剤治療を受けることになる確率の方がはるかに高く,より現実的な問題といえる.さらに近年の疫学調査により,糖尿病とがんの合併は単なる偶然や共通のリスク因子(加齢や肥満,過食,運動不足,喫煙など)によるだけでなく,糖尿病自体がさまざまな部位のがん罹患リスクを増加させることがわかってきた.加えて,一部の糖尿病治療薬によってがんのリスクが増減する可能性も示唆されている.
 一方,がん患者が糖尿病を合併している場合,手術や化学療法などがん治療のさまざまな局面で糖尿病に対する特別な配慮が必要となる.しかも,糖尿病を合併したがん患者は,糖尿病がない場合に比べ長期予後が劣ることが知られている.糖尿病治療の最終的な目標が「健康な人と変わらない日常生活の質(QOL)の維持」,そして「健康な人と変わらない寿命の確保」であるならば,糖尿病患者のがんにどう対処するか,特に,がん治療中の糖尿病管理をどうするかは,糖尿病診療においても重要な課題である.
 糖尿病患者が,糖尿病がない人と同等に有効かつ安全ながん治療を受けられるようにするために,我々には何ができるだろうか.本特集では,がん治療に際しての糖尿病や高血糖のマネジメントについて各分野の専門家に解説していただいた.また,糖尿病と特に関係の深い膵癌と肝臓癌については,それぞれの最新の話題について紹介していただいた.今回の特集によって,がんを合併した糖尿病患者の診療に自信をもって取り組めるようになることを願ってやまない.

〈目次〉
1.がん周術期の糖尿病マネジメント ~内科の立場から~
2.がん周術期の糖尿病マネジメント ~外科の立場から~
3.がん化学療法と糖尿病マネジメント
4.血液悪性腫瘍の治療と血糖マネジメント
5.胃・食道切除後の糖尿病マネジメント
6.膵切除・膵全摘後の糖尿病マネジメント
7.終末期がん患者の糖尿病マネジメント
8.糖尿病患者のがんを見逃さないコツ
9.膵癌と糖尿病 ~最近の話題~
10.肝臓癌・NASHと糖尿病 ~最近の話題~
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【特集】糖尿病網膜症の診断と治療

〈特集にあたって〉
 わが国における糖尿病患者の総数は950万人と推定され(2012年の厚生労働省,国民健康栄養調査),罹病期間が長いと,高率に3大合併症(網膜症,腎症,神経障害)が生じてくる.糖尿病網膜症は緑内障と並んで成人の主要な失明原因疾患であり,現在は成人の視覚障害の原因疾患の中で第2位に位置している(第1位は緑内障).本邦では年間に約2500~3000人の失明者がいると推定されている.糖尿病網膜症は病期により,単純糖尿病網膜症,増殖前糖尿病網膜症,増殖糖尿病網膜症の3段階に分類される.この他に特殊な病型として,糖尿病黄斑浮腫,増殖糖尿病網膜症に続発する血管新生緑内障がある.
 糖尿病網膜症に対する治療方針を決定するうえで,その病態を正確に把握することは極めて重要である.糖尿病網膜症の診断の基本は眼底検査とフルオレセイン蛍光眼底造影検査であるが,最近では光干渉断層計(optical coherence tomography;OCT)が非常に有用なツールとなっている.
 糖尿病網膜症の治療は,薬物療法,レーザー光凝固,硝子体手術に大別される.薬物療法としては近年抗VEGF療法が普及し,糖尿病黄斑浮腫の治療成績が向上している.レーザー光凝固は従来の機種に加えてパターンスキャンレーザー光凝固装置が開発され注目されている.硝子体手術は従来の20Gシステムに代わって25Gや27Gなどのmicro-incision vitrectomy surgery(MIVS)が広く普及し,より低侵襲の手術が可能となってきている.
 本特集では,糖尿病網膜症の診断と治療の近年の進歩について,各々の領域を代表するエキスパートの先生方に執筆をお願いした.本特集により,糖尿病網膜症の最新の知識を吸収して頂ければ幸いである.

〈目次〉
1.糖尿病網膜症の疫学
2.糖尿病網膜症と基礎研究
3.糖尿病網膜症の病期分類
4.糖尿病網膜症と眼循環
5.糖尿病網膜症の画像診断
6.糖尿病の全身状態と網膜症
7.眼科と内科の診療連携
8.糖尿病網膜症に対するレーザー光凝固
9.糖尿病網膜症に対する薬物療法
10.糖尿病網膜症に対する硝子体手術
11.血管新生緑内障の診断と治療
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【特集】糖尿病の食事療法 up to date

〈特集にあたって〉
 本号の特集では「糖尿病の食事療法up to date」のテーマで糖尿病の食事療法に詳しい12名の先生方にご執筆頂いた.先ず和食の良さが再評価され2013年12月にはユネスコの無形文化遺産に登録された.この事は日本人にとってとても誇らしいことである.和食は,①多様で新鮮な食材と素材の味わいを活用し,②バランスがよく,健康的な食生活で日本人の長寿,肥満防止に役立ち,③季節に合った調度品や器を利用し,季節の花や葉などを料理にあしらって自然の美しさを表現する等と特徴が述べられている.この素晴らしい和食を糖尿病の食事療法にも活用して頂きたいとの思いでテーマとした.
 次いで糖尿病増加の背景を探るために日系米人医学調査をもとにした食生活の欧米化と糖尿病についてまとめて頂いた.世代が変わり50年続いた食品交換表の意義が薄れてきているように思われるので,食品交換表の歴史と基本的な考え方および食品交換表を用いた食事療法指導のあり方を永年指導に携わってこられた先生方に述べて頂いた.昨今話題になっている低炭水化物食についても正しい知識が必要と考え取り上げた.また,合併症の予防,中でも糖尿病腎症の食事療法で透析予防を目的にした場合,透析の場合と分けて述べて頂いた.
 糖尿病妊婦や授乳期そして子供や思春期の糖尿病は大人の食事療法とは異なっているので,テーマとした.高齢化社会にあっての高齢者の糖尿病患者は著しく増加しており,サルコペニア予防も重要なことから取り上げた.胃切除者の糖尿病食事療法の指導は難しいことからベテランの先生に指導のあり方についてご自分の指導経験を通して述べて頂いた.最近では食材から食事を作ることよりも食料品売り場でお惣菜を活用することが多くなっている.この中食(弁当・惣菜)をどのように活用すれば糖尿病の食事療法が可能になるかをまとめて頂いた.
 本号は各分野の専門の先生方にご執筆頂いたので,この1冊があれば,食事療法のノウハウが理解できるとともに臨床や研究にも十分対応できると自信を持っている.糖尿病専門医はもとより,管理栄養士の方,療養指導士の方の実践に即役立つと思う.十分ご活用して頂きたい.

〈目次〉
1.日本の食生活の変遷と糖尿病
2.在米日系人医学調査からみえてくる,食習慣の欧米化と肥満・糖尿病
3.食品交換表の歴史と意義
4.食品交換表を用いた食事療法の指導
5.低炭水化物食と糖尿病およびその合併症
6.糖尿病の合併症予防の食事療法(大血管障害)
7.糖尿病腎症の食事療法(透析予防・透析期)
8.糖尿病妊婦の妊娠時および授乳期の食事療法
9.小児・思春期糖尿病(1型糖尿病,肥満2型糖尿病)の食事療法
10.高齢者糖尿病におけるサルコぺニア予防の食事療法
11.胃切除症例の糖尿病食事療法の指導
12.糖尿病食事療法における中食(弁当・惣菜)の活用
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【特集】
糖尿病・CKD合併高血圧の降圧目標と第一選択薬~古くて新しい問題をどう考えるか~

〈特集にあたって〉
 CKD(慢性腎臓病)は2002年に米国から提唱された概念で,①GFR<60 ml/min/1.73 m2または(かつ)②尿蛋白(アルブミン)陽性が3ヵ月以上持続する病態,ということでのみ定義されている.したがって,CKDは慢性に経過する全ての腎臓病を包括する概念である.CKDは末期腎不全のみならず脳卒中や心筋梗塞といった心血管疾患の高危険群であることが分かっているため,早期に発見して対策をたてなければならない.その頻度は,全国で13 %,1330万人と言われている.しかし,神奈川県慢性腎臓病対策協議会の調査では,かかりつけ医に何らかの慢性疾患で通院中の非糖尿病患者の実に43 %がCKDであった.しかも,腎臓病と認識されている患者は3 %弱であった.CKDは思った以上にありふれた病態であるが,その多くは見逃されているという実態を示す数字である.
 CKDには慢性糸球体腎炎などの狭義の腎臓疾患や腎毒性物質への暴露による腎障害が含まれるが,加齢,高血圧,糖尿病,メタボリックシンドローム,肥満,脂質異常などの「加齢や生活習慣病」を背景としたCKDが増加していることが指摘されている.CKDにおける危険因子のうち,高血圧と糖尿病は特に重要である.両者とも血管障害の重大な危険因子であり,腎臓は血管の塊といっても良いほど血管に富む臓器だからである.
 本特集は「糖尿病・CKD合併高血圧の降圧目標と第一選択薬~古くて新しい問題をどう考えるか~」というテーマで企画した.高血圧はCKDの原因となりまた既存のCKDを悪化させる.CKDは高血圧の原因となりまた既存の高血圧を悪化させる.したがって,CKDと高血圧の間には悪循環が形成される.CKDと高血圧が併存すると両者は急速に悪化して,坂を転げ落ちるように末期腎不全に向かい,その過程で心血管疾患を発症してくる.また,これに糖尿病が合併するとさらに予後が悪化する.したがって,CKDにおける高血圧は厳格に管理しなければならない,と言われてきた.しかし,どのような薬剤を使用して,どこまで血圧を下げたら良いのか,血圧値の下限はあるか,などここ何十年と議論されてきた.Ca拮抗薬が降圧薬として使えるようになるまでは,腎障害があれば,あまり血圧は下げない方が良い,と言われていた.しかし,ACE阻害薬やARBなどRA系阻害薬が使えるようになると,これらの薬剤は輸出細動脈を選択的に拡張して糸球体内圧を下げるので,腎保護的に働くということが主張され,血圧も130/80 mmHg未満を目指すべきということが言われるようになった.中にはRA系阻害薬は降圧薬というより腎疾患薬であるから,血圧ではなく尿蛋白を指標に使用し大量に使うべきであるという議論までなされた.同時に,Ca拮抗薬は輸入細動脈を拡張するので,腎保護の観点からは使用しない方が良いとの主張もあった.さらに,ACE阻害薬とARBの併用はどうか,第二選択薬はCa拮抗薬か利尿薬か,などの議論もされた.その間,多くのエビデンスが集積されてきたので,それらを網羅的に精査して「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013」(日本腎臓学会編)が出版された.このガイドラインでは従来の治療方針をエビデンスに基づいて見直した.本特集では,そのあたりの事情とCKDにおける降圧療法のあり方を各分野のエキスパートの先生方に解説して頂いた.読者の皆様の日常診療に役立つものと期待している.

〈目次〉
1.CKDの定義と病態
2.CKDにおける高血圧のインパクト
3.糖尿病非合併CKDの高血圧
 3-1.降圧目標
 3-2.第一選択薬
 3-3.推奨される併用療法
 3-4.高齢者における留意点
4.糖尿病合併CKDの高血圧
 4-1.降圧目標
 4-2.第一選択薬
 4-3.推奨される併用療法
5.小児糖尿病・CKDにおける高血圧治療
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【特集】SGLT2阻害薬の新時代~機序から臨床まで

〈特集にあたって〉
 2014年春以降,わが国では6種類の選択的SGLT(sodium/glucose co-transporter)2阻害薬,すなわちイプラグリフロジン,ダパグリフロジン,トホグリフロジン,ルセオグリフロジン,カナグリフロジン,エンパグリフロジンが相次いで臨床の場に登場した.うちダパグリフロジンとエンパグリフロジンを除く4製剤は国産品である.本薬は,創薬の段階からわが国が,世界を終始リードしてきたものであり,まさにわが国が生んだ新規経口糖尿病薬といってよい.本製剤の特徴は,血糖低下作用が尿糖排泄促進に基づくという既存薬とは一線を画すものである.糖毒性状態の解除や内臓脂肪の減少から,様々な代謝異常改善が示唆されており,血糖コントロールの改善のみならず病態進行抑制,そして合併症予防が期待される.一方で,浸透圧利尿亢進による脱水,尿路・性器感染症,インスリンとの併用時の低血糖,痩せの助長,あるいは皮膚症状等といった,多くは作用機序に基づくと思われる安全性への懸念も指摘されている.
 欧米諸国における本薬への期待は極めて高く,その背景には持続性のある血糖低下効果に加えて,肥満防止と心血管病危険因子の改善作用が高く評価されているようである.しかし,わが国におけるSGLT2阻害薬の使用現状は諸外国とはかなりかけ離れており,新規処方は進んでおらず,限定的な使用にとどまっている.恐らく過剰と思える程の安全性への懸念が背景にあると思われる.
 糖尿病の管理目標達成に薬物療法が果たす役割は大きいが,そこには十分な安全性と有効性が求められるのは言うまでもない.既存薬にはないユニークな特徴を持つ本薬の有用性を科学的に検証することは,今後の糖尿病薬物治療における重要な課題である.ベネフィット・リスク比でもみた本製剤の有用性を一日でも早く確立することこそ,われわれ,医療者に課せられた責務であろう.そのためにもまずは適正使用が求められる.
 SGLT2阻害薬の基礎的特徴から経口糖尿病治療薬としての位置づけ,投与すべき症例と避けるべき症例,また長期投与により期待される効果などを網羅した本特集が,これからのSGLT2阻害薬の適正使用の一助になることを願うものである.
 最後に,本特集の企画に賛同いただき,貴重な原稿をご寄稿いただいた著者の皆様に心から感謝を申し上げる.

〈目次〉
1.Na共役型グルコース輸送体(SGLT)とは~発見の歴史と生理機能
2.SGLTを標的とした薬剤開発の経緯
3.SGLT2阻害薬の作用機序と薬理作用
4.SGLT2阻害が病態生理におよぼす作用
5.SGLT2阻害薬に期待される臨床効果
6.SGLT2阻害薬の安全性について
7.SGLT2阻害薬と皮膚症状~皮膚疾患は増えるのか
8.SGLT2阻害薬と腎機能の相互関係について
9.SGLT2阻害薬の適正使用と注意点について
10.SGLT2阻害薬のポジショニング~適する患者像とは
11.SGLT2阻害薬の可能性を考える~病態進行阻止の観点から
12.SGLT2阻害薬の可能性を考える~心血管疾患防止の観点から
13.SGLT2阻害薬の登場によって薬物療法はかわるのか
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【特集】2型糖尿病の新しい治療戦略:新規糖尿病治療薬をどう活用する?

〈特集にあたって〉
 近年,2型糖尿病治療薬が次々と登場し,治療戦略は急速に変化しつつある.Na+/グルコース共役輸送担体(SGLT)2阻害薬は新しい作用機序による経口糖尿病治療薬であり,2014年4月から日本でも使用可能となった.また,2011年以降日本でも使用可能となったGLP-1受容体作動薬は,その有効性は理解されていても,実際日本ではそれほど使われていない.2014年の米国糖尿病学会,欧州糖尿病学会では,これら2つの薬剤に関するセッションが盛りだくさんであった.そこで本号では,新規糖尿病治療薬の活用について最新の知見を紹介したい.
 これまでの2型糖尿病治療では,血糖を正常化させる機構として,主にインスリンおよびその標的臓器に焦点があてられてきたが,SGLT2阻害薬はグルコース恒常性の一端を担う腎臓に注目し,余剰な血糖を尿糖として体外に排出させるという新たな発想に基づくものである.本号では,有効性,注意すべき有害事象,適した患者像,適さない患者像,治療の組み立てについて考えたい.
 インクレチン関連薬であるDPP-4阻害薬は日本の糖尿病臨床において広く使われ,その長期的な有効性や安全性に対する期待が集まっている一方,GLP-1受容体作動薬の糖尿病治療における戦略的位置づけは今ひとつ定まっていない.最近,リラグルチドの効能・効果が「2型糖尿病」となり,併用の幅が広がった.また,臨床試験中の週1回製剤も複数存在する.本号では,SGLT2阻害薬と同様,有効性,注意すべき有害事象,適した患者像,適さない患者像,治療の組み立てについて考えたい.
 本号で特集を組む2つの薬剤は,適した患者のストライクゾーンが広いわけではないが,そのゾーンに入っている患者に対しては,従来の治療薬では達成できなかったことを期待することもできる.益々糖尿病治療が奥深いものになっていく.

〈目次〉
Ⅰ.SGLT2阻害薬の糖尿病治療における戦略的位置づけ
1.有効性
2.注意すべき有害事象
3.適した患者像,適さない患者像
4.治療の組み立て:経口血糖降下薬との併用
5.治療の組み立て:インスリン製剤との併用

Ⅱ.GLP-1受容体作動薬の糖尿病治療における戦略的位置づけ
1.有効性
2.注意すべき有害事象
3.適した患者像,適さない患者像
4.治療の組み立て:経口血糖降下薬との併用
5.治療の組み立て:基礎インスリン製剤との併用
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【特集】1型糖尿病の成因と病態

〈特集にあたって〉
 1型糖尿病の成因に関しては,1960年代より主としてウイルス感染症,双生児を対象とした疫学的手法により研究がされてきた.たとえば英国におけるPykeらの双生児研究がそのよい例であろう.双生児の糖尿病の発症率の違いから1型糖尿病と2型糖尿病が異なった遺伝的背景を有することが明らかになった.1974年Bottazzoらの膵島細胞抗体(ICA)の発見,NerupらのHLAとの関連の発見からは1型糖尿病の成因には自己免疫とこれに関連した遺伝子が関係するという概念も取り入れられ,この分野の研究は著しく進歩した.新しい自己抗体(マーカー)が発見されると,新しい疾患が発見されるのを常とするが,ICAもそのよい例であろう.我々も緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM)を報告することができた.1980年代よりはNODマウスをはじめとするモデル動物での1型糖尿病の成因が研究されてきた.1990年代以降はヒトの1型糖尿病にも緩徐進行1型糖尿病,急性発症1型糖尿病,劇症1型糖尿病などのサブタイプに注目が集まり,ヒトの1型糖尿病研究も盛んとなった.Notkinsらの1型糖尿病患者でのコクサッキーB4ウイルスの同定など,ヒトウイルスの感染症に注目が集まってきた.さらに延長線上の研究としてのvon HerrathらのLCMVウイルスと1型糖尿病発症の知見も病因研究の新しい展開に示唆を与えている.
 このような歴史を踏まえ,ヒトウイルス感染と1型糖尿病EMCウイルスモデル,LCMVウイルスモデルなどにつき永淵正法先生,栗崎宏憲先生,勝田 仁先生に寄稿いただいた.また,NODマウスの成因につき,日々新しい業績をあげている阿比留教生先生にNODマウス研究の現状をご紹介いただくこととした.ヒト1型糖尿病,特に劇症1型糖尿病,急性発症1型糖尿病ではエンテロウイルスと発症の関係が注目されており,会田 薫先生に成績をご紹介いただいた.さらにウイルス感染症に引き続きおこるケモカイン,サイトカイン,ネットワークも最近の1型糖尿病の成因のトピックスであり,田中昌一郎先生にお願いした.
 Drug induced hypersensitivity syndrome(DIHS)と1型糖尿病の関係をはじめて発見された牧野英一先生,大沼 裕先生,大澤春彦先生にその最新の知見をおよせいただいた.
 1型糖尿病のメカニズムで内因性の因子としてはNK cell,樹状細胞,T cell,マクロファージなどが,それぞれのステージではたらいている.この面をわかりやすく安田尚史先生,永田正男先生,島田 朗先生に解説いただいた.また,1型糖尿病のマーカーとして有用な膵島関連自己抗体につき川﨑英二先生にご紹介いただいた.さらに,新たな遺伝子が発見され,進歩が著しい分野のわかりやすい紹介を粟田卓也先生,馬場谷 成先生,池上博司先生にお願いした.小児分野では,牛乳をはじめとした食物因子と1型糖尿病の関連が報告されており,最近,次々と報告されている介入試験について浦上達彦先生にご紹介いただいた.さらに1型糖尿病の膵島病変の研究を行い,ユニークな成績を発表してこられた今川彰久先生,宇野 彩先生,花房俊昭先生にその新しい知見のご紹介をお願いした.
 以上,今回の特集では現在明らかになりつつある1型糖尿病の最新の知見についてご紹介する.1型糖尿病治療に向けより具体的な疾患のアップデートなイメージが得られれば,幸いである.

〈目次〉
1.ウイルス糖尿病の発症機構とその制御-糖尿病誘発性ウイルス同定の重要性
2.NODマウスモデルにおける1型糖尿病の成因:定説と最近の知見
3.1型糖尿病発症とウイルス感染症,自然免疫
4.1型糖尿病の成因:サイトカイン,ケモカインネットワーク
5.1型糖尿病発症と薬剤:DIHSと1型糖尿病
6.1型糖尿病発症における樹状細胞,マクロファージ,NK細胞,NKT細胞,好中球の役割
7.1型糖尿病発症におけるT細胞の役割
8.1型糖尿病における膵島関連自己抗体とその診断的価値
9.1型糖尿病に関連した遺伝子研究の歴史と最近の流れ
10.1型糖尿病発症と関係する遺伝子(GWASその他により同定された遺伝子)
11.小児1型糖尿病発症に関係する食物因子と発症予防試験
12.1型糖尿病の膵島病変
2,970円
【特集】糖尿病診療のスキルアップ

〈特集にあたって〉
 糖尿病の治療管理の道のりは,一見平坦な道に思えますが,実際は,昏睡や周術期など緊張を強いられる場面も多く,山あり谷ありの骨の折れる道ではないでしょうか.
 限られた時間で多数の患者さんの治療管理を担当する糖尿病外来では,糖尿病関連の検査指標の説明や見通し・治療の成否と変更・糖尿病特有の合併症の評価などが主になりがちですが,長期管理の中では,必ず診断や治療に関して重要かつ大きな決断を強いられる場面に至り,その分岐点で,慎重に適切な方向を選択し,かつスムーズに事を運ぶには多少の経験が必要のように思います.糖尿病治療管理の成否には,患者さんの理解と協力が最も重要ですが,糖尿病管理スタッフの協力は言うまでもなく,他科との協力・連携が大きな要因で,連携がスムーズかつ緊密であるかは非常に重要です.危機ともいえる場面を乗り越えるためには,普段から関連情報を収集しておき,その対応を気に留めておくのも糖尿病患者管理を担当する者の責務と思います.
 今号では,「糖尿病診療のスキルアップ」というタイトルで,糖尿病診療において留意すべきポイント,コツとも言うべきポイントを専門家にご教示頂くことにいたします.内容は,第52回日本糖尿病学会総会のシンポジウム「糖尿病診療のスキルアップ」(共同司会;東京医大小田原正人教授と筆者)で取り上げた話題を中心にし,時間の関係でシンポジウムに含めることができなかった課題を追加して構成しています.読者の皆様方の日常診療に参考にしていただければ幸いです.

〈目次〉
1.糖尿病治療法へのアドヒアランスを高めるには-臨床心理学的アプローチ「パク君モデル」
2.肥満糖尿病の管理・治療
3.血糖と体重のコントロールのために(とくにグラフ化体重日記について)
4.糖尿病腎症(腎不全期まで)の治療管理について
5.透析期の糖尿病管理ガイドライン
6.癌治療に際しての治療と管理
7.糖尿病足病変のフットケア(人材育成で求められる多職種連携の視点)
8.高齢者における血糖管理と生活指導
9.膵臓移植
10.SGLT2阻害薬時代のDPP-4阻害薬の使用について
2,970円
【特集】糖尿病領域における再生医療の現状と展望
企画編集/川口義弥(京都大学iPS細胞研究所 教授)

〈特集にあたって〉
 糖尿病は腎・網膜疾患など微細血管障害による病態の主因となるだけでなく,心疾患や脳血管障害などの大血管障害にも関与することが明らかになってきたことから,糖尿病患者の管理はますます重要な意味を持つ.ES細胞やiPS細胞の開発以来,糖尿病に対する再生医療実現の期待には大きなものがあるが,これまで世界中の多くの研究者の努力にも関わらずいまだ実現されていない.
 糖尿病に限らず,多能性幹細胞から目的の細胞を作り出して再生医療に役立てようという技術開発は,「発生現象を培養皿上で再現する」という根本理念に基づいている.つまり,受精卵から臓器が形成される機構を可能な限り丸ごと(あるいは一部のみを)再現してヒトES/iPS細胞から臓器を作るという戦略である.ヒト膵発生の詳細を知ることはきわめて困難であるが,遺伝子改変マウスに代表される発生学的実験手法によって明らかになってきたマウス膵発生機構はヒト膵発生と類似していると推察される.したがって,マウス発生学の理解はヒト多能性幹細胞からの機能的細胞作製にきわめて重要である.
 基礎研究による機能的膵細胞作製方法の確立に加えて,実際の臨床応用に堪える細胞数の確保すなわち量産技術の開発なくして再生医療は実現しない.ヒト臨床膵島移植は世界中広く行われている確立された医療技術であり,その適応と治療目標,長期成績を俯瞰することは,糖尿病に対する再生医療が目指すべき到達点/医療としての定着に要求されているポイントの指標となりうる.臨床膵島移植における門脈内移植方法は安全性と有効性が確立したものであるが,多能性幹細胞から作製した細胞の移植方法に関しては,最終産物の安全性とのバランスから最終的に移植方法を決定することが望ましい.また,移植後の拒絶反応については,自己の細胞から樹立したiPS細胞を用いれば問題が解決するように思われがちだが,iPS細胞の樹立そのもののコスト,さらには同一細胞をもとに同一シャーレで形成される複数のiPS細胞コロニー間においてでさえ分化能力/腫瘍形成リスクが異なることを鑑みれば,現時点では現実的な方策とは考えにくい.
 このように糖尿病に対する再生医療実現の前に立ちはだかるさまざまな問題点を想定すると気が遠くなるが,私はこのような“もの作り”を目指した研究開発においては,「現状の知見/既存技術を最大限駆使してより良いものを作り出そう」という姿勢では不十分であり,ゴールの達成は覚束ないと考える.「どのようなものが求められているか?~最初にゴールの設定を明確にし,それに向けて全力で立ち向かう姿勢~」がきわめて重要である.個々の問題の解決にむけて,それぞれの研究者のオリジナリティー溢れるアイディアと血の滲むような努力を結集して邁進するしかない.まさにオールジャパンの体制で暗黒大陸を切り拓くべきである.本特集では糖尿病領域における再生医療研究の現状と展望に関し,我が国のトップランナーである先生方に最新の知見を含めて執筆をお願いした.また,膵島機能の獲得や機能維持には細胞単位ではなく,組織構築の獲得が重要であるという観点から,多能性幹細胞を用いた肝臓や腎臓の立体的組織作製技術に関する知見も盛り込んだ.

川口義弥
(京都大学iPS細胞研究所 教授)

〈目次〉
1.膵発生の分子機構
2.多能性幹細胞からの膵島組織作製
3.ケミカルバイオロジーを応用した機能的β細胞作製
4.iPS細胞を活用したヒト臓器の創出
5.多能性幹細胞からの立体的腎臓組織の作製
6.脱細胞化技術を用いた臓器再生
7.再生医療製品の大量生産技術開発
8.臨床膵島移植の現状
9.免疫拒絶を回避しうる新たな膵島移植方法
10.マイクロ・ナノデバイス技術の糖尿病医療への応用
2,970円
【特集】糖尿病治療の経口薬up to date
企画編集/河盛隆造(順天堂大学大学院 スポートロジーセンター センター長)

〈特集にあたって〉
 2型糖尿病に対する経口薬として,作用の異なる,ターゲット臓器が異なるものが種々用いられている.“切り札を温存しているうちにゲームオーバーになった”のではすまされない.食事療法の効果を高める薬剤,まめな身体活動の効果をさらに高める薬剤もある.
 第一選択薬として何を用いるべきであろうか.その根拠はあるのか.さらに1剤で血糖コントロールが不十分である場合には,効果不十分な薬剤だと判明したのだから中止して他剤に変更すべきではないのか? では次の一手はどうするのか,一方では他剤を追加するなら,なぜ併用するのか,何に期待するのか? 1+1が3となる相乗効果があるのか? などについて多くの先生方から説得力あるご意見をおうかがいする.
 読者の皆様には,これほど多く使用しうる薬剤の特徴と,使い分けを詳細に理解していただける特集になるものと期待している.

河盛隆造
(順天堂大学大学院 スポートロジーセンター センター長)

〈目次〉
Ⅰ:第一選択薬は:なぜこの薬剤から開始する?
1.α-グルコシダーゼ阻害薬
2.メトホルミン
3.ピオグリタゾン
4.DPP-4阻害薬
5.SGLT2阻害薬
6.グリニド
7.SU薬

Ⅱ:これらの薬剤のみで不十分な際に,相乗効果を期待して加える薬剤は,その理由は?
1.α-グルコシダーゼ阻害薬
2.メトホルミン
3.ピオグリタゾン
4.DPP-4 阻害薬
5.SGLT2 阻害薬
6.グリニド
7.SU薬
2,970円
【特集】
臓器からみた糖尿病の病態と治療
企画編集/石原寿光(日本大学 医学部 内科学系 糖尿病代謝内科学分野 教授)

〈特集にあたって〉
 糖尿病,とりわけ2型糖尿病では,インスリン分泌の障害とインスリン抵抗性が病態の形成・進展の主要な要因であり,個々の症例によって,さまざまな程度に両者が複雑に絡み合っている.インスリン分泌の障害を惹起,あるいは進行させる要因は,β細胞自体の遺伝的欠陥に基づくものも一因であるが,さまざまな臓器からもたらされる刺激も重要であることが,明らかにされつつある.一方,インスリン抵抗性は,理論的には,インスリン効果組織のすべてで認められるが,その組織自体の加齢による変化とともに,他の臓器との連関のなかで生じるさまざまな入力が影響し,発症・進展する.糖尿病が全身疾患であるといわれる理由は,全身の血糖値が上昇して,全身の血管や組織を障害するということだけでなく,その発症・進展に,全身の臓器・組織が関与しているということも指している.
 このように考えると,糖尿病の病態を考察し,治療戦略を立てていく際に,全身のさまざまな臓器・組織が,インスリン分泌やインスリン感受性に対して及ぼす影響を知り,現行の薬剤がそれらにどのように影響しているかを考えることは重要である.それらによって,運動療法・食事療法・薬物療法のバランスを患者個々に提案し,また患者の病態に合わせた薬剤の選択や,併用薬の選択が可能となる.
 そこで,本号では,それぞれのエキスパートの先生方に,さまざまな臓器の糖尿病発症・進展への関与から,それらに基づいた治療の考え方を解説していただいた.

石原寿光
(日本大学 医学部 内科学系 糖尿病代謝内科学分野 教授)

〈目次〉
1.脂肪細胞からみた糖尿病の病態と治療
2.肝臓からみた糖尿病の病態と治療
3.骨からみた糖尿病の病態と治療
4.脾臓・リンパ組織からみた糖尿病の病態と治療
5.消化管運動,消化管内分泌細胞からみた糖尿病の病態と治療
6.消化管細菌からみた糖尿病の病態と治療
7.甲状腺からみた糖尿病の病態と治療
8.血管からみた糖尿病の病態と治療
9.歯(歯周病)からみた糖尿病の病態と治療
10.脳・自律神経からみた糖尿病の病態と治療
11.骨格筋からみた糖尿病の病態と治療
12.腎臓からみた糖尿病の病態と治療
2,750円
【特集】
老年医学の視点から見た高齢者糖尿病
企画編集/横野浩一(北播磨総合医療センター 病院長)

〈特集にあたって〉
 2011年に発刊された『月刊糖尿病』Vol.3 No.8において特集「高齢者の糖尿病管理」の企画編集を担当させていただいた.その特集では,高齢者糖尿病の病態特性から始まり,その臨床的特徴,食事・運動療法,薬物療法,糖尿病合併症,療養指導など,比較的,教科書的な内容を主体に網羅したものであった.それから約3年が経過し,再度,高齢者糖尿病の管理と治療に関する特集の編集企画の依頼があった.
 この間,わが国では超少子高齢社会が進行し,昨年には65歳以上の高齢者は全人口の25 %を超え,一方小児人口はその半分の13 %にまで減少した.平成9年以降,5年ごとに報告される厚生労働省の「国民・栄養調査」によると,平成14年,19年と増加の一途をたどっていた糖尿病の疑いおよび可能性の症例数は24年度調査においてはようやく減少に転じた.しかし,その年齢別割合を見てみると,30歳代から50歳代が大幅に減少する一方,60歳代は減少が軽度であり,70歳代以上の女性ではむしろ上昇傾向が持続している.高齢者の平均寿命や健康寿命の延長が期待されるとともに,高齢者のキーパーソンの不在化により老老介護が加速し,糖尿病のような自己管理が重要な慢性疾患の発症の増加や病状の増悪が懸念される時代ともなっている.
 このような状況下,今回は高齢者医療を支える老年医学の観点からの,高齢者糖尿病の治療や管理に関する特集を企画させていただいた.とくに,高齢者医療において近年とみに注目されている,疾患の発症や病態特性に大きな影響を与えるサルコペニアやフレイルあるいは老年症候群と糖尿病との関連は本誌の読者にとって大変興味深い対象となるであろう.高齢者の薬物療法には青壮年者と比較してより多くの注意が肝要であるが,とくにインスリンに加えインクレチン製剤やSGLT2阻害薬の使用上の留意点に関する記載は,実臨床上,きわめて有用なものと考えられる.また,糖尿病の管理や治療に多大な悪影響を与える認知症,骨粗鬆症,がん,歯周病などの合併症が,糖尿病の存在により特異な発症機構や病態特性を示す可能性も提示されると思う.最後に,わが国で世界に先駆けて行われた高齢者糖尿病に対する前向き大規模介入試験(J-EDIT)研究からのエビデンス,これからもさらに重要となる高齢者慢性疾患に対する包括的機能評価法(CGA)の有用性,そしてあらゆる疾患におけるチーム医療の規範たる糖尿病療養指導のあり方についての項目は,必ずや多くの読者の高齢者糖尿病における診療に役立つものと確信している.

横野浩一
(北播磨総合医療センター 病院長)

〈目次〉
特集にあたって/横野浩一
1.超少子高齢社会と糖尿病診療
2.高齢者糖尿病とサルコペニア・フレイル
3.老年医学と老年症候群
4.高齢者糖尿病の薬物療法-とくにインクレチン製剤とSGLT2阻害薬-
5.高齢者糖尿病から見たインスリン療法
6.高齢者糖尿病と認知症
7.高齢者糖尿病と骨粗鬆症
8.高齢者糖尿病と癌
9.高齢者糖尿病と歯周病
10.高齢者糖尿病のトータルマネージメント-J-EDIT 研究から-
11.高齢者糖尿病における包括的高齢者機能評価の有用性
12.高齢者糖尿病における糖尿病療養指導のあり方
2,750円
【特集】肝臓に焦点を当てた糖尿病治療
企画編集/安西慶三

〈特集にあたって〉
 本年度より糖尿病学会と肝臓病学会の合同研究会として「第1回肝臓と糖尿病・代謝研究会」が開催され,糖尿病専門医と肝臓専門医が一同に会して糖尿病治療における代謝臓器としての肝臓の機能および糖尿病と関連してC型肝炎や非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)から肝硬変・肝癌へ進展するメカニズムについて活発な討議が行われ,新しい糖尿病と肝臓のネットワークの幕開けの年となった.
 代謝に関してはメトホルミンの肝臓における糖新生の抑制機序が解明され,インスリンだけでなく肝臓における糖放出量の抑制を目的とした治療薬の選択が可能となってきた.一方で肝硬変合併糖尿病患者に用いられるインスリンにより肝癌の再発リスクが増加するとの報告があり,肝疾患合併糖尿病患者においてはインスリンの糖代謝経路の抑制効果と細胞増殖経路の促進効果を考慮することが必要であると共に,血糖コントロールの目標をどこに置くのかが問われている.
 また私たちの日常診療で脂肪肝を合併した糖尿病患者は数多く診ているが,その中に非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に進展した症例が隠れており,肝硬変や肝癌に進行して見つかることもある.NASHの診断には生検が必要であるが,それ以外の簡便な診断方法が求められている.
 この特集では,糖代謝における肝臓の役割を解説したうえで,糖尿病内科医が経験するウイルス肝炎およびNAFLDを合併した糖尿病患者の治療戦略を,糖尿病内科医と肝臓内科医の立場からご執筆いただいた.糖尿病も肝疾患も,専門医だけでなく日常診療で診られている疾患であり,本特集が専門医だけでなく幅広く医療従事者の方の疑問にお応えできれば幸いである.

安西慶三
(佐賀大学医学部 肝臓・糖尿病・内分泌内科 教授)

〈目次〉
【特集】
1.肝臓の糖代謝
2.糖代謝と肝臓の臓器連関
3.肝臓を標的臓器とした糖尿病治療
4.ウイルス肝炎とインスリン抵抗性
5.NAFLDの基礎
6.NAFLD/NASHの臨床
7.肝疾患合併糖尿病患者の治療戦略
(1)ウイルス肝炎合併糖尿病
①糖尿病内科の立場から
②肝臓内科の立場から
(2)NAFLD合併糖尿病
①糖尿病内科の立場から
②肝臓内科の立場から
8.肝疾患合併および非合併糖尿病患者の食事療法の違い
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商品情報・内容

  • 出版社:医学出版
  • 発行間隔:隔月刊
  • 発売日:毎偶月20日
  • サイズ:A4変型判

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糖尿病は研究や臨床面での進歩も著しい。 糖尿病の重要な遺伝子が同定され、 糖尿病や合併症の発症の分子機構の解明も大きく進み、 iPS細胞を中心とした糖尿病や合併症の再生医療への展望も切り開かれつつある。 糖尿病治療薬についても期待される新薬の臨床使用・開発が続々と進んでいる。 そこで、糖尿病の質の高い診療を行なうためには、 日進月歩で集積される膨大な数の新しい知見やエビデンスをその重要度に従って、 評価・選別し、その内容の深さをそこなうことなく、 わかりやすく解説する場が必要となってくる。 『月刊糖尿病』は、まさにこのような切実なニーズに応えることを意図したものである。

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