月刊糖尿病(DIABETES) 発売日・バックナンバー

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3,960円
特集●インスリン分泌機構とその異常
企画編集/金藤秀明

<特集にあたって>

 膵β細胞は,通常は少量の基礎インスリンを分泌し,食後などで高血糖に曝されると適切な量の追加インスリンを分泌することによって,血糖値を正常化する非常に優れた細胞である.また,食後には小腸からインクレチンが分泌され,膵β細胞に作用して,グルコース応答性インスリンを促す.こうしたインスリンやインクレチンのおかげで,健常者の血糖値は正常範囲に保たれている.糖尿病状態ではインクレチン効果が低下するため,現在では非常に多くのインクレチン関連製剤が実臨床で使用されている.糖尿病の発症から病態進展の経過をみると,インスリン抵抗性が惹起された糖尿病発症時の肥満などによる脂肪毒性が膵β細胞機能障害を引き起こし,その後続く慢性高血糖によるブドウ糖毒性によりインスリン分泌はさらに低下し,高血糖の遷延化や重症化を招く.こうした観点から,食事療法や運動療法にて良好な血糖コントロールが得られない場合は,糖尿病治療薬やインスリン製剤を病態の早期から用いることが望ましい.インスリン分泌機構,さらに糖尿病状態における膵β細胞機能異常に関して,次々と新しいメカニズムが解明されている.本特集ではインスリン分泌機構および糖尿病状態における膵β細胞機能異常に関して,第一人者の先生方から最新の知見をご解説いただいた.
 1型糖尿病においては自己免疫異常などを介した膵β細胞破壊が原因と考えられており,治療としては最初からインスリン療法を行う.発症の速度によって劇症1型糖尿病,急性発症1型糖尿病,緩徐進行型1型糖尿病に分類されている.本特集では1型糖尿病の第一人者の先生方からも最新の知見をご解説いただいた.2型糖尿病においては肝臓,脂肪,骨格筋などのインスリン標的臓器でのインスリン抵抗性と膵β細胞の機能低下が二大特徴である.また,欧米人に比べると日本人の2型糖尿病においてはインスリン分泌不足が原因になっていることが多い.欧米人に比べて日本人の膵β細胞は遺伝的な理由から脆弱であるため,日本人が欧米食を多く摂取すると,比較的容易に膵β細胞機能が低下する.こうしたことから,とくに日本人の糖尿病の発症,進展,予防,治療などを考える際に,膵β細胞は非常に重要である.なんらかの機序で膵β細胞機能が悪化すると高血糖になり,それが長期化すると最終的には,網膜症,腎症,神経障害などの細小血管障害,さらに虚血性心疾患,脳梗塞,下肢の閉塞性動脈硬化症などの大血管障害などにつながる.さらに糖尿病を有していると認知症や悪性腫瘍が増加することも知られている.
 本特集では,膵β細胞研究に携わってこられた第一人者の先生方から最新の知見やお考えをご解説いただいた.糖尿病の診療あるいは研究に携わっておられる多くの先生にお役立ていただければ大変幸いである.


<目次>

1. 膵β細胞からのインスリン分泌/駒津光久
2. インスリン開口放出のメカニズム/高橋倫子
3. 2相性インスリン分泌のメカニズム/青柳共太,今泉美佳
4. 膵β細胞量調整の分子機構/奥山朋子,白川 純,寺内康夫
5. 膵β細胞ブドウ糖毒性の分子機構/金藤秀明
6. 時計遺伝子とインスリン分泌異常について/田口昭彦,谷澤幸生
7. 膵β細胞との臓器間ネットワーク/山本淳平,今井淳太,片桐秀樹
8. グルカゴン分泌異常/北村忠弘
9. 1型糖尿病/馬場谷 成,池上博司
10. 劇症1型糖尿病/佐野寛行,今川彰久
3,960円
特集●全容が解き明かされつつある糖尿病遺伝素因
企画編集/堀川幸男

<特集にあたって>

 糖尿病と診断した場合には,その成因についても必ず検討する必要がある.糖尿病の成因にさまざまな程度でかかわる遺伝素因を正しく把握することは,患者のみならずその家族についても,病態に応じた最適な治療法の選択と予後の改善につながる.糖尿病の原因遺伝子の多くは,糖尿病において最も重要なホルモンであるインスリンの分泌にかかわっている.
 たとえば,若年発症糖尿病(MODY)は,単一遺伝子の変異によって糖尿病を発症する単一遺伝子疾患の糖尿病であり,膵β細胞の機能低下により,若年でインスリン分泌不全型の糖尿病を発症する.欧米では,MODYが疑われる症例の8割に既知MODY遺伝子変異が検出されているが,日本人においては3~4割程度しか検出されず,多くの未知希少MODY遺伝子の存在が推測される.既知MODY蛋白は互いに密接に連携した転写因子ネットワーク「膵島機能ネットワーク」を構成しており,臨床像が類似する未知MODYの原因遺伝子も,同ネットワークに属する転写因子または標的分子をコードすると推定されている.一方,最近の肥満若年層における急激な糖尿病患者の増加は,食生活などの環境変化に対する体質の応答結果であり,肥満,インスリン抵抗性などを惹起する遺伝素因の解明とともに,環境因子の遺伝素因への影響の解明(エピジェネティクス)もまた急務である.
 昨今NGSはじめゲノム解析ツールの進歩は著しく,獲得された膨大なデータを正確かつ迅速に処理できるが,ゲノム上の真の病的変異を決定することは容易ではなく意義不明変異(VUS)が多く認められる.従来の時間と手間を要する細胞・個体レベルの機能解析を回避できることから,良きにせよ悪しきにせよ,in silico解析のみで結論を出す風潮が強い現状では,このVUS解析ツールシステムの開発が今後の遺伝素因解明のキーを握っている.これに関しては,臨床情報,遺伝情報を集積し,スパコン・AIを駆使することによってはじめて現状を打開できると考えている.なお上述の取り組みは,「単一遺伝子異常による糖尿病の成因,診断,治療に関する調査研究委員会」が日本糖尿病学会内に設立されており,現在オールジャパンで進められている.
 MODYなど単一遺伝子異常による糖尿病に関連する遺伝子解析による知見は,今後,遺伝子-遺伝子相互作用を考慮しなければならない少数遺伝子疾患やコモンの多因子型糖尿病(T2DM)の遺伝学的解明の礎になると考えら
れる.新規の糖尿病遺伝子の同定によって,未知のインスリン分泌不全機構が分子レベルで明らかになり,新たな創薬標的が見つかるだけでなく,その知見が大多数を占めるインスリン分泌不全を特徴とするコモンの日本人2型糖尿病(T2DM)の病態解明や治療開発に展開されることも疑いない.


<目次>

1. 1型糖尿病のGWAS/川畑由美子
2. 若年発症糖尿病(MODY)~MODY1-6の病因と病態について~/塩谷真由美,堀川幸男
3. 若年発症糖尿病(MODY)~MODY1-6以外の病因と病態について~/古田浩人
4. 新生児糖尿病の遺伝子異常/依藤 亨
5. ミトコンドリア糖尿病の成因と治療/岩﨑直子
6. ウォルフラム症候群について/椎木幾久子,田部勝也,谷澤幸生
7. インスリン受容体異常症について/山内敏正,細江 隼,庄嶋伸浩,門脇 孝
8. 先天性脂肪萎縮症の遺伝素因/海老原 健
9. その他の単一遺伝子異常による糖尿病から,環境要因の遺伝素因への影響まで/安田和基
10. 2型糖尿病のGWAS/前田士郎
11. 次世代シークエンサー(NGS)による新規糖尿病遺伝子同定のピットフォール~in silico解析による意義不明変異(VUS)の取り扱いについて~/細道一善
12. 2型糖尿病感受性遺伝子多型の同定とポリジェニック・リスク・スコアのプレシジョン・メディスンへの応用/鈴木 顕
13. 糖尿病遺伝素因解明のためのコンソーシアムの設立/田中大祐
3,960円
特集●糖尿病患者の血圧管理
企画編集/田中正巳,伊藤 裕

<特集にあたって>

 糖尿病と高血圧はいずれも代表的な生活習慣病であり,両者の合併は脳心血管病の発症率を著しく高める.そのため糖尿病患者では厳格な降圧が必要であり,日本高血圧学会が策定した『高血圧治療ガイドライン2019』でも日本糖尿病学会が策定した『糖尿病診療ガイドライン2019』でも,糖尿病患者の降圧目標は130/80 mmHg未満に定められている.
 現在我が国には約4,300万人の高血圧患者と約1,000万人の糖尿病患者が存在する.両疾患の合併頻度は高いため,我が国には多くの糖尿病合併高血圧患者が存在することになる.これらの患者の年齢,ライフステージ,血管障害の有無,脂質や体重などの管理状況といった背景は多種多様であるため,血圧,血糖の管理にあたっては個々人の状況を勘案した慎重な対応が必要になってくる.
 糖尿病合併高血圧に関する知見は日々アップデートされている.その一方で,糖尿病・高血圧治療の基本は食事・運動療法であること,治療の目標は患者の生命予後とQOLの改善であることなどは,ガイドラインが改訂されても変わらない.このような今も昔も変わらない重要事項,そして近年アップデートされた情報を整理して,糖尿病患者の血圧管理に役立てることを目的として本特集を企画した.糖尿病患者の血圧を適切に管理するためには,敵を知る,すなわち糖尿病合併高血圧の特徴を理解することが欠かせない.近年優れた糖尿病薬が続々と登場しているが,食事・運動などの非薬物療法が依然として重要であることは言うまでもない.ガイドライン改訂の際に糖尿病患者の降圧目標は変わらなかったが,第一選択薬には変更があった.新規糖尿病薬の中には降圧効果が報告されているものがある.高血圧の治療目標が脳心血管病の抑制であることを考えれば,脳血管障害,冠動脈疾患の予防を考慮した降圧療法は重要である.CKD,肥満・メタボリックシンドローム,脂質異常症は心血管リスクを高めるため,これらを合併した患者への対応策を理解しておく必要もある.また,我が国は未曾有の超高齢化社会を迎えており,認知機能低下やフレイルなどの老年症候群が問題となる高齢者への配慮は欠かせない.近年高齢出産の増加は顕著であり,妊婦の高齢化に伴い高血圧も(妊娠)糖尿病も増加する.したがってこれらの病態に対する理解も重要である.日本人に適したガイドライン作成のためには日本発のエビデンスを構築することが重要であるが,多くの危険因子を包括的に管理することの重要性を証明したJ-DOIT3は世界に誇るべき臨床研究である.内分泌性高血圧は臓器障害進展のリスクが高いため早期診断,早期治療が重要だとわかっていても,つい見逃してしまいがちである.本特集ではこれらの重要事項について,各分野ご専門の先生方からわかりやすく解説していただいた.今回の特集が,糖尿病を合併した高血圧患者の脳心血管病予防とQOL向上に貢献できることを期待する.


<目次>

1. 高血圧を合併した糖尿病の特徴/片山茂裕
2. 高血圧を合併した糖尿病患者の生活習慣修正/土橋卓也
3. 糖尿病合併高血圧患者の降圧目標/舩越駿介,有馬久富
4. 糖尿病合併高血圧患者の薬剤選択:JSH2019改訂における重要ポイント/国村彩子,樋室伸顕,藤吉 朗,瀬川裕佳,大西浩文,斎藤重幸
5. 脳血管障害を合併した糖尿病患者の血圧管理/北川一夫
6. 冠動脈疾患を合併した糖尿病患者の血圧管理/岸 拓弥
7. 糖尿病性腎症患者の血圧管理/馬場園哲也
8. 肥満・メタボリックシンドローム合併糖尿病患者の血圧管理/瀬川利恵,石垣 泰
9. 糖尿病合併高血圧患者の脂質管理/長尾元嗣
10. 高齢糖尿病患者の血圧管理/千葉優子
11. 妊娠糖尿病・糖尿病合併妊娠における血圧管理/三戸麻子
12. 糖尿病治療薬の大規模臨床試験成績と降圧効果/大西由希子
13. J-DOIT3から考える血圧管理/笹子敬洋,植木浩二郎
14. 糖尿病を合併した内分泌性高血圧を見逃さない/田辺晶代,橋本真紀子
3,960円
特集●糖尿病性神経障害の病態解明と治療戦略
企画編集/三五一憲

<特集にあたって>

 糖尿病性神経障害は末梢神経疾患のなかで最も患者数が多く,また糖尿病の慢性合併症のなかで最も発症頻度が高い.運動神経,感覚神経,自律神経のすべてが侵されるが,症状として自覚しやすいのは感覚神経障害であり,疼痛やしびれなどの刺激症状が不眠や抑うつの原因となる場合もある.病期が進行すれば逆に感覚低下をきたし,潰瘍や壊疽などの重篤な足病変を招くこともまれではない.また自律神経障害は心血管系,消化器系,泌尿生殖器系をはじめとする多くの臓器機能に影響を及ぼし,患者のQOLを著しく低下させる.とくに心臓に分布する自律神経が高度に障害されると,重症不整脈や無痛性心筋梗塞などの生命予後にかかわる深刻な事態を引き起こす.糖尿病性神経障害の成因として,末梢神経系を構成するニューロン,シュワン細胞,血管内皮細胞の代謝異常(解糖系側副路代謝亢進,グリケーション,酸化ストレス・小胞体ストレスなど)や神経血流の低下が報告されており,各成因の間に密接なクロストークが存在することも示されている.しかしながら具体的な発症・増悪機構の究明は進んでおらず,アルドース還元酵素阻害薬(本邦のみ)や抗酸化薬α-リポ酸(ドイツのみ)を除いて,成因に基づいた治療薬の臨床応用には至っていない.そのため血糖管理による進行阻止と対症療法に依存せざるをえない状況が続いている.また糖尿病内科医の多くは神経系の診察に及び腰で,多忙な日常診療のなかで振動覚やアキレス腱反射などの簡便な検査ですら実施することが難しい状況である.神経内科医は神経障害の診断や重症度の判定は
できるものの,有効な治療法がない現状では,その後のフォローを糖尿病内科医に委ねるケースがほとんどである.このような診療サイドの問題を改善していくために,糖尿病内科医と神経内科医のより密接な連携が不可欠である.
 「もっと注目してほしい糖尿病性神経障害」という筆者の願いを込めて,本特集を企画した.この分野におけるエキスパートの先生方に,神経障害の疫学,病理,成因,診断,治療のエッセンスや,病態解明と治療法開発に向けた取り組みについて,わかりやすく解説していただいた.「糖尿病性神経障害を考える会」で議論し作成中の鑑別診断,病型分類,治療のフローチャートも,各担当の先生方にその経過報告をお願いした.本誌を手に取ってくださった方は,まずはご自身が興味をお持ちの章に目を通していただき,少しでも役立つ情報源としてご活用いただければ幸いである.


<目次>

1. 糖尿病性神経障害:オーバービュー/三澤園子
2. 糖尿病性神経障害の病理形態学/八木橋操六
3. 糖尿病性神経障害の成因:解糖系側副路代謝/水上浩哉
4. 糖尿病性神経障害の成因:グリケーション/赤嶺友代,西村理明,三五一憲
5. 糖尿病性神経障害の成因:酸化ストレス・小胞体ストレス/加藤宏一
6. 糖尿病性神経障害の成因:血管障害/竹下幸男,神田 隆
7. 糖尿病性神経障害の症候学/鈴木千恵子
8. 有痛性糖尿病性神経障害の病態と対策/真田 充
9. 糖尿病性自律神経障害の病態と対策~心血管自律神経障害を中心に~/麻生好正,加瀬正人
10. 糖尿病性神経障害の鑑別診断/野寺裕之
11. 糖尿病性神経障害の病期・病型分類/出口尚寿,西尾善彦
12. 糖尿病性神経障害の一般的治療/岸本祥平,佐々木秀行
13. 糖尿病性神経障害の新たな診断・治療法/柴田由加,神谷英紀,中村二郎
14. 糖尿病性神経障害に対する再生医療の試み/成瀬桂子
3,960円
特集●糖尿病患者における感染症
企画編集/三鴨廣繁


<特集にあたって>

 糖尿病患者における三大合併症は,糖尿病網膜症,糖尿病性神経障害,糖尿病性腎症である.高血糖状態が長く続くと細小血管が障害を受けて,血管が詰まったり血液が漏出したりするようになる.このため,細小血管から栄養を補給されている末梢神経や細小血管が張り巡らされている組織(網膜や腎臓など)に異常が現れる.細小血管症の発症・進行を抑えるには,できるだけ正常に近い血糖コントロールが重要である.糖尿病のコントロールは前述した三大合併症の可能性を低下させることが最優先であることに異論はないが,古典的には三大合併症以外に,糖尿病患者は感染症に罹患しやすいことが知られている.
 糖尿病のコントロール不良の患者では免疫能が低下し,感染抵抗力も低下している.糖尿病によって血流が停滞し,組織まで血液が十分に到達せず,組織における酸素不足が白血球の殺菌能低下につながり,病原体が増殖しやすい状況を作り出している.また,慢性血流不全の状態が継続すると,感染症の治療のため投与された抗菌薬の感染組織中の濃度が低下し,治療効果も低下することになる.さらに消化管の血流も低下しており,内服抗菌薬の吸収も低下している.
 糖尿病患者では,皮膚の血流が不十分になっていることが多いため,足に潰瘍や壊死がみられることがあり,足壊疽まで進行すると足や下肢の切断が必要になることがある.また,小さな外傷であっても,修復が不十分となり,皮膚潰瘍が生じ皮膚軟部組織感染症をきたす場合もある.したがって,糖尿病患者で各種手術が必要な場合に,血糖コントロールが重要となることはいうまでもない.最近の周術期ガイドラインや敗血症ガイドラインでは,血糖コントロールの重要性が記載されている.
 糖尿病患者では,自律神経にも障害が認められることがあり,排尿時に膀胱神経が適正に機能せず,残尿も多くなるため,残尿中に侵入した病原体が増殖し,膀胱炎や腎盂腎炎といった尿路感染症に罹患しやすくなる.
 糖尿病の患者の口腔内や食道の粘膜では真菌が増殖しやすくなっており,女性の外陰・膣部についても同様である.また,足趾の間や爪には白癬症が発症しやすく,その病変部分から新たな細菌が侵入することもある.
 糖尿病による神経障害が存在すると,なんらかの感染症の症状がみられても,本人は気づかないため,病院受診が遅れる.たとえ受診したとしても,症状が適切に医師に伝わらないと,診断と治療が遅れてしまうこともある.一般的に,なんらかの感染症があると医師は原因となる病原体を推測して経験的治療を開始するが,糖尿病患者においては通常と異なる病原体が原因となっていることもあり,治療が難しい状態であるともいえる.
 本特集を通じて,糖尿病患者における感染症を再考する契機になれば企画者として幸いである.


<目次>

1. 糖尿病と易感染性
 1-1. 糖尿病における感染症リスク上昇のメカニズム/南 陽平,横溝 久,小川佳宏
 1-2. 糖尿病患者における感染症ハイリスク患者群への対応/藤田次郎,砂川智子
2. 疫学
 日本人糖尿病患者の死因と感染症/中村二郎,神谷英紀
3. 合併症と感染症,その治療について
 3-1. 糖尿病と足病変:皮膚/軟部組織感染症/柴田祐一,萩原真生,浅井信博,小泉祐介,山岸由佳,三鴨廣繁
 3-2. 糖尿病と尿路感染症/石川清仁
 3-3. 糖尿病と呼吸器感染症/宮下修行,尾形 誠,福田直樹
 3-4. 糖尿病と歯周病/西田 亙
 3-5. 糖尿病と腸内細菌/中島裕也,入江潤一郎,伊藤 裕
 3-6. 糖尿病治療薬と感染症~SGLT2阻害薬,DPP-4阻害薬を中心に~/海老原文哉,浜田幸宏
4. 抗菌薬・抗真菌薬(経口薬・注射剤)
 糖尿病患者への抗菌薬・抗真菌薬の使用/萩原真生,山岸由佳,三鴨廣繁
5. 特殊病態下における糖尿病患者の感染症コントロール
 5-1. 糖尿病,非糖尿病患者の周術期血糖コントロール/竹末芳生,米田采未
 5-2. シックデイ/江島洋平,神谷英紀,中村二郎
3,960円
特集●糖尿病と睡眠・覚醒障害
企画編集/塩見利明


<特集にあたって>

 睡眠・覚醒障害(sleep-wake disorders)は,WHOの国際疾病分類第11版(ICD-11)で新たに独立した疾患(第7章)に分類された.内科領域で遭遇しやすい睡眠・覚醒障害の二大疾患は,不眠障害と睡眠呼吸障害(sleep disordered breathing;SDB)である.この2つの睡眠・覚醒障害はとても身近な話題のため,習わなかったから気づかなかったでは,もう済まされない時代が到来している.まず,内科医は運動習慣と同様に睡眠習慣の獲得法についても早急に学ぶべきであろう.次に睡眠・覚醒障害とは何かを詳しく「知る」こと,また睡眠・覚醒障害を正しく「診る(診察する)」こと,そして睡眠・覚醒障害を適切に「治す」ことを,系統的に学び直すことから始めるべきである.
 24時間型社会とも呼ばれる現代では,インターネットや多様なメディアの普及,コンビニなど深夜営業の増加などにより,夜の光環境(LED照明など)が急激に変化している.睡眠不足の人や夜型(睡眠相後退型)の人が増え,老若男女を問わず,「現代は誰でも不眠になりうる時代(現代の不眠)」である.
 不眠や睡眠不足はともに夜間交感神経活性を亢進させるため,高血圧や糖尿病などの生活習慣病の一因になる.とくに睡眠不足は,レプチン低下またはグレリン上昇,もしくはオレキシン上昇を生じて肥満から糖尿病になるという学説(Knutson KL, 2008)が注目されている.
 睡眠医療が予防医学に果たす役割も少なくない.SDBのなかでも,とくに閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea;OSA)は肥満に伴う生活習慣病やメタボリックシンドロームと密接に関連し,高血圧,脂質異常,耐糖能異常を高率に合併するため,心血管病,脳卒中,慢性腎臓病を併発しやすいことが明らかとなってきた.夜間に増悪する心不全,不整脈,ならびに狭心症の背後にもSDBの存在が疑われる.糖尿病の背後にも潜むOSAについての正確な知識をできるだけ多くの医療関係者に広める必要がある.
 今回の特集「糖尿病と睡眠・覚醒障害」では,我が国のコホートスタディの代表的な研究からも糖尿病に関連した睡眠・覚醒障害の話題を紹介する.本特集が,日常の糖尿病診療において少しでもお役に立てれば幸いである.


<目次>

〔特集〕
1. 睡眠呼吸障害の診断分類(ICSD-3)/山城義広
2. 肥満と睡眠時無呼吸/篠邉龍二郎,塩見利明
3. 不眠・睡眠不足と糖尿病/小曽根基裕,瀧井 稔,内村直尚
4. 交替勤務と糖尿病/石塚達夫,藤岡 圭,池田貴英
5. 睡眠呼吸障害と循環器疾患/葛西隆敏
6. 腎透析患者の睡眠障害/小池茂文
7. ながはまコホートにおける睡眠障害/松本 健,陳 和夫
8. JEDAS研究における2型糖尿病と睡眠時無呼吸/田中俊一
9. 糖尿病網膜症と睡眠呼吸障害/柴 友明
10. 糖尿病性腎症(DKD)と睡眠障害/庄司繁市,稲葉雅章
3,960円
特集●糖尿病と心不全~病態・治療・予防~
企画編集/桑原宏一郎

<特集にあたって>

 糖尿病は動脈硬化性心血管病(ASCVD)および心不全の重要な危険因子であり,糖尿病管理のゴールは当然血糖マーカーであるHbA1cの低下のみでなく,ASCVDや心不全の発症を抑制し,健康な人と変わらないQOLの維持と寿命を全うすることにある.しかし比較的最近まで厳格な血糖管理による2型糖尿病患者での心血管イベント抑制,心不全発症抑制,死亡抑制を示す明確なエビデンスは得られておらず,具体的にどのような糖尿病治療がこれらのゴールを達成可能とするかは明らかでない点も多かった.加えて心不全に関しては,大血管障害,細小血管障害と比較して糖尿病合併症として強く認識されていたとは言いがたく,糖尿病における心不全の発症機序やその予防法,治療法に関する臨床データは十分であったとは言えない.まさに糖尿病において心不全は「the frequent, forgotten, and often fatal complication」であった.
 このような状況下で,SGLT2阻害薬の登場は,まさにgame changerと呼ぶにふさわしく,その状況を一変させた.SGLT2阻害薬を用いてその糖尿病患者に対する心血管イベントへの効果を検討した大規模臨床研究であるEMPA-REG OUTCOME研究とそれに引き続くCANVAS Program研究,DECLARE-TIMI 58研究では,いずれもプラセボ群に対して実薬群が30 %前後心不全入院を減少させるという驚くべき結果を示した.これらSGLT2阻害薬の2型糖尿病患者における心血管イベント,心不全入院,心血管死の抑制効果を示した研究に加えて,GLP-1受容体作動薬においても心血管イベント,心血管死抑制効果を示す結果が近年報告されている.とくにSGLT2阻害薬の心不全発症抑制効果は,上記大規模臨床研究の結果から,心血管病の二次予防のみならず,一次予防に相当する2型糖尿病患者においても幅広く認められることが明らかとなっている.これら大規模臨床研究の結果は,各国の糖尿病治療ガイドラインにおける2型糖尿病治療推奨アルゴリズムを一変させつつあり,臨床現場での2型糖尿病治療もまた大きく変わりつつある.
 このように臨床現場に大きなインパクトを与えているSGLT2阻害薬を用いた臨床研究の結果は,糖尿病患者における新たな心不全発症・進展抑制アプローチの存在を明らかにしたものであるにとどまらず,糖尿病合併症としての心不全の存在を改めてクローズアップすることにもなった.現在,SGLT2阻害薬の心不全抑制メカニズムについてさまざまな側面から検討が加えられており,また同時に糖尿病における心不全の発症機序の解明にも関心が寄せられている.これらは,糖尿病合併症としての心不全の予防,治療に対する新たな視点を導入することにつながり,糖尿病患者が増加しているとともに,心不全患者も「心不全パンデミック」といわれるように増加し続けている我が国において,重要な課題であることに間違いはない.本特集号ではこのように新たな時代に突入した「糖尿病と心不全」の関係について,そのトピックスも含め,主には循環器医からの視点を中心に基礎的,臨床的見地から現状での理解を深めることを目的としたい.


<目次>

I.病態
 1. 糖尿病合併心不全の疫学/絹川弘一郎
 2. 糖尿病細小血管障害と心不全/佐野元昭
 3. 糖尿病大血管障害と心不全/岸 拓弥
 4. 糖尿病心における構造,機能,および代謝的リモデリング/清水逸平,南野 徹
II.治療
 1. 糖尿病合併心不全における抗心不全療法のエビデンス/元木博彦
 2. 血糖降下薬と心不全①:メトホルミン,SU薬,グリニド,インスリン/三木隆幸,佐藤達也
 3. 血糖降下薬と心不全②:DPP-4阻害薬,GLP-1受容体作動薬/坂東泰子
 4. 血糖降下薬と心不全③:SGLT2阻害薬/田中敦史,野出孝一
III.予防
 1. 糖尿病の心不全予防における血圧管理/大西勝也
 2. 糖尿病の心不全予防における脂質管理/髙橋徳仁,宮内克己
 3. 糖尿病の心不全予防における体重,肥満管理/細田公則
3,960円
特集●SGLT2阻害薬の可能性~これまで,そしてこれから~
企画編集/森 豊

<特集にあたって>

 2014年に我が国で7系統目の2型糖尿病治療薬としてSGLT2阻害薬6剤が上市された.発売当初に発刊された本剤の特集号の大部分は,作用機序や臨床治験の結果が中心で,SGLT2阻害薬の血糖低下に関する有効性とともに,臨床治験段階で観察された尿路感染症,性器感染や低血糖,想定される脱水やケトアシドーシスといった有害事象や安全性,適正使用に関するものが主体であった.それから5年が経過し,実臨床に関するエビデンスが国内外で蓄積されつつある.とくに,本剤の評価を一気に押し上げたのが,2型糖尿病患者を対象に心血管イベントを主要評価項目として行われた大規模臨床試験,EMPA-REG OUTCOMEである.それまでのDPP-4阻害薬による大規模臨床試験の結果から,糖尿病治療薬で心血管イベントを抑えるのは不可能なのではないかという考えが大半を占めるなか,EMPA-REG OUTCOMEはこの考えを一気に打破し,さらにそれに続いたCANVAS Programはその評価を確固たるものにした.両試験では,二次エンドポイントである腎複合エンドポイントにおいても有意な成績が報告され,本年4月には顕性アルブミン尿を伴う2型糖尿病患者を対象に腎関連エンドポイントを主要評価項目としたCREDENCE試験が発表され,SGLT2阻害薬による腎アウトカムの改善が示された.現在,糖尿病非合併の顕性アルブミン尿例,腎機能低例についても検討されているDAPA-CKD試験,EMPA-KIDNEY試験が進行中である.さらに,9月には,左室駆出率が低下した心不全患者を対象に心不全関連エンドポイントを主要評価項目にしたDAPA-HF試験が発表され,SGLT2阻害薬は糖尿病合併の有無を問わず心不全例の転帰を改善する成績が示された.本剤の腎臓・心臓関連に関するエビデンスは,今までの他の糖尿病治療薬によるエビデンスをはるかに上回るものと期待できる.また,今まであまり取り上げられていないテーマとして下肢切断リスク,DECLARE-TIMIの解釈があり,本特集ではこの点についてもご解説いただいた.
 一方,海外では本剤とメトホルミンとの配合剤が主流であるが,本邦では2017年に本剤とDPP-4阻害薬の配合剤が上市され,現在では3つの配合剤が臨床で広く使用されている.さらに,2018年12月にはSGLT2阻害薬として初めてイプラグリフロジンが,続いてダパグリフロジンが1型糖尿病に適応拡大となり,今後さらにエンパグリフロジンがこれに続く予定である.このホットな話題についてもご解説いただいた.
 このように,SGLT2阻害薬に関するエビデンスは,ここにきて爆発的に集積されつつあり,本剤ほど発売当初の評価と現在の評価が一変した薬剤はないのではなかろうか.このような現状を踏まえ,最近の本剤に関するトピックスでありながら他誌ではまだ取り上げられていない魅力的なテーマについて,糖尿病の専門医だけでなく,循環器内科,腎臓内科の専門医の先生方にもご執筆いただいた.
 最後に,大変ご多忙のなかご執筆いただいた先生方に感謝申し上げるとともに,本特集が明日からの臨床に少しでもご活用いただけることを願うものである.


<目次>

1. SGLT2阻害薬とグルカゴン分泌/北村忠弘
2. SGLT2阻害薬による糖毒性解除/高橋 紘,森 豊
3. SGLT2阻害薬と血糖日内変動/鳥本桂一,岡田洋右
4. 1型糖尿病におけるSGLT2阻害薬/二里哲朗,阿比留教生
5. SGLT2阻害薬との併用療法:BG薬/堀川 剛,川浪大治
6. SGLT2阻害薬との併用療法:DPP-4阻害薬/森 豊,大西哲郎
7. SGLT2阻害薬との併用療法:GLP-1受容体作動薬/澤野祥子,森 豊
8. SGLT2阻害薬との併用療法:インスリン/五十嵐弘之,内野 泰,弘世貴久
9. SGLT2阻害薬と交感神経活性/佐野元昭
10. SGLT2阻害薬による心血管イベント抑制/豊田 茂,井上晃男,野出孝一
11. SGLT2阻害薬による糖尿病性腎症の進展抑制/阿部雅紀
12. SGLT2阻害薬による下肢切断のリスク/渥美義仁
3,960円
特集●糖尿病の食事療法を極める
企画編集/石田 均

<特集にあたって>

 糖尿病の日常診療のなかで,良好な血糖コントロールを維持するとともに,さまざまな合併症の発症・進展を防ぐために,食事療法は必ず行うべき治療の基本となる.そして食事からの総摂取エネルギー量の適正化と摂取栄養素の良好なバランス,そして規則正しい食習慣の実践が,臨床において栄養指導の重要なポイントとなる.
 しかしながら,現在の医療現場での状況の実際を顧みると,糖尿病診療に携わる医師や医療スタッフの食事療法に関する知識の習熟度には,必ずしも十分とはいえない側面がある.また,食事療法自身にもその問題点として,①栄養素バランスの目安が,今のところ健常人の平均摂取量に基づいていること,②それぞれの症例の糖尿病合併症のリスクを正確に評価する必要があり,その設定に制約を受けること,③そもそも食事療法の継続そのものに困難を感じる場合が多く,個人の嗜好性や食生活をも十分に踏まえた「治療の個別化」が必要であること,などが挙げられている.そしてこの要因の1つとして,これまでの医学部の卒前ならびに卒後教育における,栄養学に関する相対的な知識不足についても,今一度ここで私達は考慮すべきと思われる.
 これらの現状に鑑みて,今回の特集では「糖尿病の食事療法を極める」とのタイトルのもと,この分野の理論的な裏付けから実際の栄養管理のポイント,さらには栄養療法の近未来について合計で12のテーマを設けて,それぞれのエキスパートの方々に,この機会を活用して思う存分に筆を揮っていただくこととした.
 まず理論的な裏付けとなる糖尿病食事療法に関する科学的なエビデンスを福井道明先生に,そして総エネルギー量と各栄養素の最適バランス設定についての考え方を長澤 幹先生に,また『食品交換表』による栄養指導の科学的な意義と,現状で考えられるその限界を窪田直人先生に解説していただく.
 次に実際の栄養管理のポイントに関して,前半は代表的な栄養素である炭水化物,脂質,蛋白質の三者について,圓山泰史先生,丸山千寿子先生,北田宗弘先生から,これらの過剰や不足がもたらす種々のリスクや問題点と,糖尿病における至適な栄養素割合についての科学的な考え方を,それぞれの視点から述べていただく.そして後半では,その他の成分として食物繊維,食塩に加えてアルコール飲料の摂取量に関して,糖尿病の管理に関する最近の臨床面での動向と基礎的なエビデンスについて,鷹尾 賢先生,土橋卓也先生,川浪大治先生からそれぞれ述べていただくこととした.
 続いて糖尿病の栄養療法の近未来の視点から,和食の食材との共通性が多いと考えられ,糖尿病への効果も指摘されている地中海食について柳川達生先生から,そして日本がまさに直面している高齢化社会における糖尿病食事療法のあり方を荒木 厚先生から,加えて,日本糖尿病学会が新たに発行した『カーボカウントの手びき』の内容を織り込みながら,カーボカウントの正しい指導法や理論を黒田暁生先生からご紹介いただく.
 最後に,今回の企画の内容が,読者の方々にとっての糖尿病食事療法への新たな理解と,その極意の形成に役立つことを,特集の企画者として心から願っている.


<目次>

〔特集〕
1. 糖尿病の食事療法に関するエビデンス/福井道明
2. 糖尿病の食事療法のポイントとその実際/長澤 幹,石垣 泰
3. 『食品交換表』による栄養指導の意義とその限界/窪田直人
4. 炭水化物の摂取量・比率がヒトの健康に及ぼす影響に関するエビデンス/圓山泰史,篁 俊成
5. 脂質の摂取量と糖尿病の管理/丸山千寿子
6. 蛋白質の摂取量と糖尿病の管理/北田宗弘,古家大祐
7. 食物繊維の摂取量と糖尿病の管理/鷹尾 賢,飯塚勝美,矢部大介
8. 食塩の摂取量と糖尿病の管理/土橋卓也
9. アルコール飲料の摂取と糖尿病の管理/川浪大治
10. 地中海食の応用と糖尿病の管理/柳川達生
11. 高齢者糖尿病の食事療法/荒木 厚
12. カーボカウントの理論と実際/黒田暁生,松久宗英
3,960円
特集●糖尿病専門医として知っておきたい歯周炎のこと
企画編集/栗原英見

<特集にあたって>

 歯周炎は糖尿病の第6番目の合併症といわれている.一方で,歯周炎のコントロールは血糖値コントロールにも影響を与え,糖尿病と歯周炎の間には相互作用がある.「歯周病」は「歯肉炎」と「歯周炎」に大別される.「歯肉炎」は歯根面への上皮付着が維持され炎症は歯肉組織に限局し,「歯周炎」は上皮付着が破壊され(アタッチメントロスと歯周ポケットの形成)歯根面への細菌の侵入と付着が生じる.糖尿病に深く関連しているのは「歯周炎」である.歯周炎は細菌の慢性感染とそれに対する慢性炎症である.歯周炎は糖尿病と同じように,強い自覚症状がほとんど出現しないために治療せず放置する人も多い.歯周病原細菌の多くは偏性嫌気性,グラム陰性菌で血液要求性がある.そのなかでもPorphyromonas gingivalisはLPS,gingipain,線毛などさまざまな病原因子を有し歯周炎の発症・進行に深くかかわっている.歯周炎患者ではP. gingivalisに対する血清抗体価は高く,P. gingivalisは血管,肝臓,脳,胎盤などさまざまな臓器から検出されている.また,マウスにP. gingivalisを感染させることによって,肝炎,関節リウマチ,アルツハイマー病などの疾患が再現できる.さらに,近年,P. gingivalisの口腔感染によって腸内細菌叢の乱れが誘導されることが動物モデルで示され注目されている.
 歯周炎の治療の基本は細菌バイオフィルムの除去である.細菌バイオフィルムは歯根面で歯石となり歯石表面には多くの細菌が付着・増殖している.歯肉縁上の細菌バイオフィルム(臨床的には歯垢やデンタルプラークと呼ばれる)の除去は患者自身のブラッシングに委ねられ,歯肉縁下(歯周ポケット内)の細菌バイオフィルムは歯科医師・歯科衛生士が機械的に除去(スケーリング)し,同時に汚染された歯根表面のセメント質も機械的に除去・滑沢化(ルートプレーニング)する.歯周組織の破壊が比較的軽度で狭い形の場合は歯周組織再生治療が適応され,近年,塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)が歯周組織再生治療薬として保険適用になった.歯周炎治療のための指標は多数あり複雑である.日本歯周病学会では患者個々の歯周炎の程度を1つの塊として評価するシンプルな指標を新たに導入し,歯周炎とさまざまな疾患との関係の解析に役立てようとしている.
 歯周ポケット内面は上皮で覆われているが,常に細菌に曝されているため潰瘍を形成した状態である.歯周ポケット内面は易出血性であり常に血流に歯周病原細菌が入り込んでいる(日常的菌血症).歯周炎は慢性的に進行するので,IL-6,TNF-αなどの炎症性サイトカインが長期にわたって産生され血中に移行する.また,歯周炎によってCRPも慢性的に軽度に上昇している.慢性歯周炎の状態が長期間(ときには十数年間)放置されると歯周病原細菌やLPS,炎症性サイトカインが血流を介してさまざまな臓器に移行する.その結果,慢性的な歯周炎の存在と糖尿病,血管障害・高血圧,慢性腎疾患,非アルコール性脂肪性肝炎,アルツハイマー病,骨代謝・骨粗鬆症,早産・低体重児出産と関連していると考えられている.
 本特集では歯周炎の病理を基礎医学の視点から解説したうえで,歯周炎の治療の実際と歯周炎の新しい評価法をまとめた.また,糖尿病だけでなく糖尿病と背景を一にする疾患や関連する疾患と歯周炎とのかかわりについて,最新の知見をまとめている.


<目次>

〔特集〕
1. 歯周病の病理/井上 孝
2. 歯周病の細菌学/松尾美樹,小松澤 均
3. 歯周病進行に伴う歯周組織の免疫応答と歯周組織再生療法/柏木陽一郎,村上伸也
4. 歯周病の分類と歯周炎の基本的な治療法/五味一博,小松 翔
5. 歯周病の新しい捉え方/高柴正悟
6. 歯周病と肥満・糖尿病/佐野朋美,西村英紀
7. 歯周病による腸内細菌を介した代謝性疾患への影響/山崎和久
8. 歯周炎と血管障害・薬物性歯肉増殖症/松田真司
9. 歯周炎と慢性腎疾患(CKD)/成石浩司,湯本浩通
10. 歯周病原細菌P. gingivalis感染と非アルコール性脂肪性肝疾患/宮内睦美,高田 隆
11. 歯周炎と骨代謝・骨粗鬆症/吉成伸夫,宇田川信之,田口 明
12. 歯周炎と妊娠・出産/古市保志,加藤幸紀,長澤敏行
3,520円
特集●糖尿病とがん
企画編集/春日雅人

<特集にあたって>

 日本糖尿病学会「糖尿病の死因に関する委員会」の報告によると,我が国で2001~2010年に死亡した45,000人を超える糖尿病患者の死因第一位はがんで,死因の38.3 %を占め,一般日本人の29.5 %よりも高率であった.実際,我が国におけるコホート研究からも,糖尿病によりがん罹患リスクが上昇することが報告されている.そこで本特集では,実際の臨床においても現在重要な課題となっている「糖尿病とがん」を取り上げた.
 日本糖尿病学会では,日本癌学会と共同で「糖尿病と癌に関する委員会」を立ち上げ,既に2013年と2016年に計2報の報告をしている.本特集では,これらの報告を踏まえ,その後に見出された新知見も含めて,(1)~(3)糖尿病とがん罹患リスク,(4)糖尿病におけるがん罹患リスク上昇のメカニズム,ならびに(5)糖尿病治療薬とがん罹患リスクについて,ご解説いただいた.さらに,委員会報告にはなじまない臨床現場で役立つ糖尿病マネジメントの実際について,すなわち(6)がん化学療法と糖尿病マネジメント,ならびに(7)・(8)周術期における糖尿病マネジメントについては,内科と外科の立場からご解説いただいた.また,糖尿病において罹患リスクが高いがん種として,肝臓がんと膵臓がんが知られている.そこで,(9)・(10)各論としてこの2種のがんを取り上げ,それぞれについて独自の調査に基づく貴重なデータを含めてご解説いただいた.
 超高齢社会に突入している我が国において,加齢とともに増加することが知られている糖尿病とがんは,今後も増加し続けると予想される.したがって両者の合併を予防することは重要な課題である.この点,健康的な食事・運動・体重コントロール・禁煙・節酒が,2型糖尿病のみならずがんの罹患リスクも減少させると考えられていることは重要である.糖尿病患者においても,これらの点をよく理解して,食事療法・運動療法を励行していただきたいと思う.

春日雅人(公益財団法人朝日生命成人病研究所 所長)


<目次>

〔特集〕
1. 日本人糖尿病患者の寿命と死因/中村二郎,神谷英紀
2. 日本人における糖尿病とがん罹患リスク/後藤 温
3. 世界における糖尿病とがん罹患リスク/能登 洋
4. 糖尿病におけるがん罹患リスク上昇のメカニズム/森田靖子,小川 渉
5. 糖尿病治療薬とがん罹患リスク/添田光太郎,植木浩二郎
6. がん化学療法と糖尿病マネジメント/北澤 公,大橋 健
7. がん周術期の糖尿病マネジメント~内科の立場から~/猪狩真理,白川 純,寺内康夫
8. がん周術期の糖尿病マネジメント~外科の立場から~/山田和彦,國土典宏
9. 日本人における糖尿病と肝がん/建石良介
10. 日本人における糖尿病と膵がん/濱田 晋,正宗 淳
3,520円
特集●糖尿病と認知症~その「危険な関係」を知る~
企画編集/羽生春夫

<特集にあたって>

 本邦では現在,認知症の患者数は約500万人と推定され,2025年には700万人に達するであろうと予測されている.とくに高齢のアルツハイマー病患者の増加が著しい.最近の研究から,生活習慣病は血管性認知症ばかりではなく,アルツハイマー病の発症や進行にも影響していることがわかってきた.したがって,まだ根本治療薬が登場していない現在,生活習慣病予防の観点から,アルツハイマー病の発症予防や進行抑制が可能となるのではないかと期待されている.とくに糖尿病とアルツハイマー病との間には「危険な関係」があり,糖尿病という観点から,新たな対応が期待できるかもしれない.
 糖尿病や糖代謝異常がアルツハイマー病の発症リスクとなることは,多くの疫学研究で確認されているが,アルツハイマー病理をどのように促進し,修飾するのかについてはいまだ不明な点が多い.インスリン抵抗性やインスリンシグナル伝達の障害がアミロイドβやタウのリン酸化を含む病理学的変性過程を促進しているであろうことは十分に想像されるが,その他にも血管性病変や血液脳関門の障害,糖毒性に伴う酸化ストレスや終末糖化産物なども深くかかわっている.したがって,糖尿病による認知症の背景病理や病因は多様である.
 臨床的にも,アルツハイマー病で糖尿病を伴う場合と伴わない場合とでは,神経心理所見や脳画像所見などを含む病態に相違がみられる.一方,血管性病変が認められず,アルツハイマー病理の関与も軽度な認知症を呈するサブグループがあり,この多くは糖尿病関連因子の関与が大きいことから「糖尿病性認知症」と呼ばれる.本症はアルツハイマー病とは異なる背景病理が示唆され,治療や経過も異なってくるため,適切な管理やケアのためには正確な診断や鑑別が求められる.
 治療との関連についても,糖尿病治療薬の中にはアルツハイマー病理を修飾しうるものが一部あり,新たな認知症治療薬として期待されている.また,高齢の糖尿病患者はフレイルやサルコペニアを合併することが多く,糖尿病合併症としての認知症やフレイルには老年医学的対応が求められる.
 最近,欧米諸国の一部では認知症患者が減少しているという.この背景には,教育歴の向上や生活習慣,生活習慣病への対策などが功を奏しているものと考えられる.本邦では今後も認知症患者が増加していくことが予想されるが,糖尿病の治療や予防によってアルツハイマー病を含む認知症患者数を減少できる可能性もあり,この視点から健康長寿社会の実現へ向けた対応が期待される.本特集では,糖尿病と認知症の「危険な関係」に焦点をあて,各分野の第一人者に最新の知見を解説していただいた.糖尿病診療に携わる多くの医師の明日からの診療に役立てていただければ幸いと考える.

羽生春夫(東京医科大学 高齢総合医学分野 主任教授)


<目次>

I 疫学
1. 糖尿病と認知症の疫学:久山町研究/二宮利治
II 病因・病態
1. アルツハイマー病理の促進機序/木村展之
2. 耐糖能異常とアミロイドβ産生/木下彩栄
3. インスリンシグナルからみたアルツハイマー病/池内 健
4. 糖尿病における酸化ストレスと中枢神経細胞障害/園田紀之
5. 糖代謝異常における脳血管病変と認知機能障害/鷲田和夫,猪原匡史
III 臨床・画像
1. 高齢者糖尿病における認知機能評価の重要性/荒木 厚
2. 糖尿病に伴う認知機能障害のMRI(脳画像)/田原嘉章
3. 糖尿病性認知症の臨床と病態/竹野下尚仁,羽生春夫
IV 治療・予防・ケア
1. 糖尿病治療薬による認知症治療/鈴木 亮
2. 糖尿病治療と認知症予防/杉本大貴,櫻井 孝
3. 糖尿病とサルコペニア・フレイルの関連/梅垣宏行
3,520円
特集●妊娠糖尿病のクリニカルクエスチョン~GDM完全理解までの12の質問~
企画編集/清水一紀

<特集にあたって>

 糖尿病合併妊娠では児の流産や奇形が発生し,母体もケトアシドーシスや感染,腎合併症,眼合併症が急速に進行することが知られる.妊娠糖尿病においても,巨大児,新生児の黄疸,新生児低血糖,児の心筋肥大,新生児呼吸窮迫症候群などの頻度が高まる.近年,今まで各国で異なっていた妊娠糖尿病の基準を国際統一する目的でHAPO研究が行われ,その結果をもとに,国際糖尿病妊娠学会(IADPSG)が中心となり新たな妊娠糖尿病の診断基準が策定された.新基準においては,今まで妊娠中に発見された耐糖能異常(古い妊娠糖尿病の診断基準)は,軽度の耐糖能異常である妊娠糖尿病と,妊娠期の明らかな糖尿病に分けられた.新基準での妊娠糖尿病は軽度の耐糖能異常であるため,妊娠糖尿病と診断される妊婦は今までより増加している.新基準の妊娠糖尿病は,HAPO研究の解析では臍帯血のCペプチドで決定されたことから,胎児のインスリン分泌過剰な状態を反映する母体血糖値で決定されている.現在,この新基準を適用していない国も多いが,それは軽度の耐糖能異常が本当に問題なのかを見極めている時期だからである.そこでこの特集では,妊娠糖尿病におけるクリニカルクエスチョンを取り上げてみた.
 妊娠糖尿病の臨床上重要な点の1つに,将来の2型糖尿病予備軍であるということがある.言い換えると,肥満やインスリン抵抗性状態に陥いると耐糖能異常が起きやすい個体であることを示している.増え続ける糖尿病に対し,重点的に予防を啓蒙する対象として,妊娠糖尿病の既往を持つものは効率のよい候補である.対象が女性であることも重要で,自らが予防意識を持つことが,児の食育や家族の食習慣の改善につながる期待もできる.一方で社会的な少子化や晩婚晩産化によって,必然的に妊娠糖尿病の頻度は増し,周産期リスクはあっても正常分娩に至るよう介入する必要性も高まっている.
 妊娠糖尿病における母体の問題として,胎盤の異常やグルカゴン異常なども近年報告されている.インスリン抵抗性を合併する糖尿病の多くはheterogenousな集団である.妊娠糖尿病においても同様で,痩せの妊娠糖尿病と肥満妊娠糖尿病はさまざまな点で異なる.まれではあるが,多胎妊娠に伴う妊娠糖尿病や膵島関連自己抗体合併例も存在する.
 高血糖状態の妊娠では膵β細胞のFox01が蛋白分解を受け,膵β細胞はインスリン分泌能を失うとする報告もあり,ヒトにおいても妊娠出産が膵β細胞疲弊の原因になる可能性があるのかということも興味深い.また大きな問題として,妊娠糖尿病のフォローは現実には困難を極める.その結果,糖尿病への移行率なども報告によりさまざまである.ではどのように分娩後のフォローをしていけばよいのかということも大いなる疑問である.本特集では,妊娠糖尿病の持つ臨床上のクエスチョンを,経験豊富なさまざまな先生方にお答えいただいたため,解決に導く道を見出してもらえれば幸いである.

清水一紀(心臓病センター榊原病院 糖尿病内科 部長)


<目次>

〔特集〕
1. 妊娠糖尿病のクリニカルシナリオ/杉山 隆
2. 妊娠糖尿病1点のみ異常は問題か/和栗雅子
3. 妊娠糖尿病と胎盤/有澤正義
4. 妊娠糖尿病と自己免疫/川﨑英二
5. 痩せの妊娠糖尿病の管理/清水一紀
6. 肥満を伴った妊娠糖尿病の管理/増山 寿
7. 妊娠糖尿病のインスリン分泌/中林 靖,中林正雄
8. 妊娠糖尿病のグルカゴン異常/鎌田昭江,堀江一郎,阿比留教生
9. 妊娠糖尿病と多胎妊娠/藤﨑 碧,児玉由紀,鮫島 浩
10. 妊娠糖尿病既往のある妊婦の管理/柳沢慶香
11. 妊娠糖尿病のフォローアップの実際/田中幹二,石原佳奈
12. 妊娠糖尿病既往女性の分娩後フォローアップの現状と課題/安日一郎
3,520円
特集●糖尿病網膜症の検査と最新治療~失明のリスクが高い糖尿病網膜症を予防するには?~
企画編集/小椋祐一郎

<目次>

〔特集〕
1. 糖尿病網膜症の記述疫学/川崎 良
2. 日本における視覚障害の原因疾患としての糖尿病網膜症~本邦発の全都道府県を対象とした視覚障害の実態調査~/森實祐基
3. 糖尿病網膜症の国際分類/西 勝弘,山下英俊
4. 糖尿病黄斑浮腫の病態と診断/本田 茂
5. 広角眼底撮影による糖尿病網膜症の診断/寺崎寛人,園田祥三,坂本泰二
6. OCTAによる糖尿病網膜症の診断/石羽澤明弘
7. 糖尿病網膜症の進展を予測できるか/野崎実穂
8. 抗VEGF薬による糖尿病黄斑浮腫治療/村田敏規
9. ステロイドによる糖尿病黄斑浮腫治療/志村雅彦
10. 糖尿病網膜症の薬物治療の未来/鈴間 潔
11. レーザー治療の進歩/高村佳弘
12. 硝子体手術の進歩/井上 真
3,520円
特集●糖尿病性腎症と糖尿病性腎臓病:最近の進歩
企画編集/南学正臣

<特集にあたって>
 糖尿病性腎症は,網膜症や神経障害とならぶ,糖尿病三大合併症の1つであり,1998年以降一貫して透析導入原疾患の第1位を占め,国民の健康を大きく脅かしている.従来,糖尿病性腎症は,糸球体過剰濾過に始まり,微量アルブミン尿,顕性蛋白尿を経てネフローゼに至り,進行性に腎機能が低下していく病態と考えられてきたが,最近では蛋白尿が目立たない症例も多く,臨床像はより多彩になっている.この変化を反映し,実地臨床の現場からこれまでの糖尿病性腎症diabetic nephropathyの概念で糖尿病患者の腎臓の障害を捉えることが必ずしも適切でなくなってきている,という声があがってきた.
 このことを反映し,欧米ではこれまで使用されていた糖尿病性腎症の代わりに,糖尿病性腎臓病(diabetickidney disease;DKD)の用語が使用されるようになっている.シカゴで行われたアメリカ腎臓学会第50回記念年次集会では,セッションのタイトルではすべてDKDが使用され,メキシコで行われた糖尿病と肥満をメインテーマとした国際腎臓学会総会でもプログラム委員長のKai-Uwe Eckardt によりDKD 対応の重要性が強調された.臨床試験における国際データ標準である CDISC(ClinicalData Interchange Standards Consortium)も,DKDの用語を採用している.
 このように糖尿病患者における腎障害の臨床像が多様化してきた原因は,血糖管理の向上に伴い患者予後が改善し,レニン・アンジオテンシン系阻害薬の使用により一定の腎保護が図られるようになり,逆に腎臓に対する加齢や動脈硬化の影響が強く出るようになったため,患者がDKDとして糖尿病,高血圧,加齢,脂質異常症などさまざまな因子が複雑に関与するheterogeneousな病態を呈するようになったためである.
 糖尿病患者においては初期の血糖管理が合併症の長期予後に大きく影響することが知られており,metabolicmemory,legacy effectなどといわれ,その機序が注目されている.本邦で行われた画期的な臨床研究であるJ-DOIT3により集学的治療による腎臓に対する効果も明確に示された.また,最近使用されるようになったSGLT2阻害薬やDPP-4阻害薬などの血糖降下薬には腎保護効果が認められており,本邦で行われた画期的な臨床研究であるJ-DOIT3により集学的治療による腎臓に対する効果も明確に示された.さらに現在臨床試験が行われているprolyl hydroxylase阻害薬(hypoxia inducible factor刺激薬)やbardoxolone methyl(Nrf2刺激薬)にも注目が集まっており,今後糖尿病性腎臓病患者の治療が各段に向上することが期待される.
 本特集では,急速に進歩しているDKDの臨床と研究に焦点を当て,DKDの概念を整理し,現況をまとめるとともに,今後の新たな治療の方向性について,当該分野のトップリーダーの先生方に概説をお願いした.

南学正臣(東京大学大学院医学系研究科 腎臓・内分泌内科 教授)

<目次>
1. 糖尿病性腎臓病の概念/岡田浩一
2. データベース研究による糖尿病性腎臓病の解明/柏原直樹・長洲 一・神田英一郎
3. 糖尿病性腎臓病の分子メカニズム/山原真子・山原康佑・久米真司
4. 糖尿病患者における腎臓の病理所見/中川詩織・清水美保・和田隆志
5. 糖尿病性腎臓病とゲノム/庄嶋伸浩・山内敏正・南学正臣・門脇 孝
6. Metabolic memory:AGEsとepigenetics/甲斐田裕介・深水 圭
7. 糖尿病性腎臓病患者における血圧管理/今井利美・長田太助
8.DPP-4阻害薬の腎保護効果/金崎啓造
9. SGLT2阻害薬の腎保護効果/宮本 聡・和田 淳
10. 糖尿病性腎臓病に対する集学的治療の効果/植木浩二郎
11. 低酸素をターゲットとした治療:HIF刺激薬/石井太祐・田中哲洋
12. 酸化ストレスをターゲットとした治療:バルドキソロンメチルへの期待/合田朋仁・鈴木祐介
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  • 出版社:医学出版
  • 発行間隔:隔月刊
  • 発売日:毎偶月20日
  • サイズ:A4変型判

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