こどものとも年少版 発売日・バックナンバー

目次:
ブルブルさん かわへいく
平山暉彦 作

■内容のご紹介
ブルブルさんが相棒の猫のドミニックといっしょに、いつもの赤い自動車に乗って川へ魚つりに出かけます。自然豊かな田園地帯を走っていると、キツネに追いかけられた野うさぎが車にとび乗ってきたり、羊のむれに出くわしたり……。おそるおそる分け入った木々のトンネルの先には、川への近道がつながっていました。シリーズ3作目となる乗り物絵本です。

■編集部より
ブルブルさんと相棒の猫のドミニックがいつもの赤い愛車で出かけるこのシリーズも3作目。野うさぎに導かれた秘密の近道をとおって、川に到着します。自然豊かな風景を描くにあたっては、ピーターラビットの舞台となったイギリスの湖水地方のイメージがあったと、作者の平山さんはおっしゃいます。

野うさぎやキツネ、牧草地の牛や羊たち、道ばたや川の野鳥など、多くの生き物が登場するのも今作の魅力。軽快なエンジン音を聞きながら、ゆったりとドライブをお楽しみください。

■作者のことば
野うさぎが飛び出した 平山暉彦 
「ブルブルさんのあかいじどうしゃ」シリーズも3作目です。ねこのドミニックも成長して、いまや二足歩行ができて、ブルブルさんの心強い相棒になりました。

この夏ふたりは涼を求めて渓流で釣りを計画、お出かけの車はいつもの1930年代製の英国のMG・ミジェット、840ccのエンジンは20馬力が出ます。最高時速は60マイル(約97km)ですが、ブルブルさんが乗っているのは1馬力高い、当時のレース仕様です。フロントスクリーンはガラスではなく、レース中の飛び石を防ぐため金網張りで可動式。立てると見通しが悪いので、ブルブルさんたちは倒して走ります。そのため埃よけのゴーグルが手放せません。ドミニックはこのスタイルが気に入っているようです。こんな車ですから、流れの速い、また混雑した道路は避けて、マイペースで走れるカントリーロードが大好きなのです。

時には予期せぬ出会いもあります。今回はキツネに追われた野うさぎが飛び出し、予定のコースを変えてしまいました。野うさぎの天敵はキツネのほか、タヌキ、ワシやタカなどたくさんいます。でも逃げ足は速く、発達した後ろ足を使ってジグザグに飛び跳ね、時速50~70km近くで走るそうです。ふだんは草原の茂みや林の中のくぼみにひそみ、単独行動で草や木の芽、樹皮などを食べて生息しています。

英語圏で「野うさぎを飛び出させる/start a hare」という表現があります。議論を脱線させる、余計な問題を起こすという、いささか迷惑な意味に使われるようですが、ブルブルさんたちにとっては、この脱線はよい結果になりました。釣ったイワナでおおいにバーベキューを楽しむことができました。

■著者情報
平山暉彦
1938年、大阪市生まれ。著作に『羊の皮を被った狼たち』『サーキットを駆ける狼たち』(ともに二玄社)『栄光に彩られたスポーツカーたち』『アルファロメオ レーシング ストーリー』(ともに三樹書房)、絵本に『きょうはハロウィン』『のびる じどうしゃ』『どうぶつたちの おひっこし』『リレーする じどうしゃ』(「かがくのとも」2025年10月号)『ブルブルさん やまへいく』(「こどものとも年少版」2020年3月号)『ブルブルさんの あかいじどうしゃ』(「同」2008年11月号、以上福音館書店)などがある。東京都在住。
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せんが いっぽん あったとさ
佐武絵里子 作

■内容のご紹介
まっすぐな一本の線があります。線が、ぽこん! と飛び出したと思ったら、ぎざぎざに……。おや? 草になりました。つづいて穴になり、中からうさぎが出てきました! うさぎは猫と犬に出会い、みんなで遊びはじめますが……。一冊すべて、たった“一本の線”でできている、一筆描きの絵本。線から動物たちが現れる面白さと、線だからこそ起きる展開をお楽しみに。

■編集部より
一本の線がいろいろなものになり、生き生きと動き出す本作。たった一本の線のみでお話が構成されていることに、読者のみなさんも驚き、新鮮な気持ちで楽しんでくださるのではないかと思います。

作者の佐武絵里子さんは、デザイナーとしても活躍されています。「一本の線だけで絵本を作ってみたい」。佐武さんからこの作品のアイデアを聞いた時、編集担当は「そんなことができるんだ!」と、ワクワクしました。そして生まれたお話は、一本の線だけでできているとは思えないほど、豊かで魅力的なものでした。たった一本の線からこんなにも多彩なものが生み出され、物語が動き出すことに、小さな子どもたちは夢中になってくれることでしょう。

絵本を読んだ子どもたちが、線の魅力や楽しさに出会い、想像をふくらませて、線と仲良くあそんでくれたらうれしいです。

■作者のことば
線であそぼう 佐武絵里子

『せんが いっぽん あったとさ』というタイトルは、子どもの時好きだった絵描き歌から着想しました。その歌も、一本の線(棒)から始まります。

私はなぜか、「線」というものに昔からとても魅了されています。街を歩いていても、「あ!」と気になるポスターやイラストは線だけで描かれているものが圧倒的に多い! たくさんの線で構成されている帆船のマスト、電車の架線、あみだくじ、雨の降る様子……。「線」を感じるモノがとても気になるのです。

「線」の何がそんなに面白いのだろう?
「線」は、説明しすぎないのです。「線」だけで描かれた絵は、具象として描かれていてもどこか抽象的です。そして「線」にはどこか知らないところに連れていってくれるような、続いていく道のような感覚もあります。

たった一本の直線も、たどっていくとただの直線ではないかもしれない。くねくねしたり、ギザギザしたり、そのうちいろんなものに見えてくる。何にでもなれる。二次元として描かれているのに、立体的にも見えてくる。だまし絵みたいで不思議。すごく複雑になっても、たどってみるとやっぱり一本の線。何だか人の一生のようでもありますね。

そんな一本の線が、いろいろなものに変身しながらお話が進んでいく絵本を描いてみたい、という思いを十年以上も前から温めていました。なるべくお話をシンプルにし、絵が一本の線だけでできていることが際立って、子どもたちが楽しんでくれる絵本にしようと思いました。読んだ後に、子どもたちが線で新しいお話を作ってくれたら、どんなに楽しいでしょう!

ぜひ、「何に見える?」「この後どうなるの?」と、線をたどって楽しんでください。

■著者情報
佐武絵里子(さたけえりこ)
神奈川県生まれ。東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。花王株式会社作成部(パッケージデザイン担当)在籍後、レンデザインスタジオを設立。グラフィックデザインをはじめ、ウェブデザイン、ブックデザインなど、幅広いデザイン制作に従事。絵本に『カエデの あまい みず ―メープルシロップの はなし―』(「かがくのとも」2025年2月号)『のり』(「同」2023年1月号)『あまい とうもろこしと カタイ トウモロコシ』(「同」2007年11月号/すべて福音館書店)などがある。神奈川県横浜市在住。
むしのアパート
福井さとこ 作

■内容のご紹介
ミツバチが、たくさんつくったはちみつジュースのおすそわけに、同じアパートの虫たちの部屋を訪れます。マツボックリに囲まれた扉を開くと、お昼寝中のテントウムシのぼうやが目を覚まします。ギターを弾いているカブトムシや、お花を飾って優雅に暮らすチョウチョなど、身近な虫たちそれぞれの部屋の様子が楽しい絵本です。

■編集部より
気持ちよくお昼寝できそうなテントウムシの部屋、ロックなカブトムシの部屋……。自分が住むならどの部屋がいいかなと、つい考えてしまいますよね。よく見ると、テントウムシの部屋の入口が水玉模様だったり、チョウチョの部屋の入口のランプが蝶型だったり、虫をこよなく愛する福井さとこさんならではの遊び心がいっぱいです。

絵はシルクスクリーンという版画で、配合して作った色を使い、手刷りで制作されています。虫たちの部屋の色の風合いも、ぜひお楽しみください。

■作者のことば
「虫に魅せられて」 福井さとこ

スロバキアに留学していた頃、友だちが虫のための家をつくって見せてくれました。それを置くと庭が元気になるというのです。ヨーロッパでは庭づくりに、よく「虫の家」をつくるそうで、もともとは誰かが、虫がすめそうなかわいい家をつくって庭に置いていたところ、そこに本当に虫たちが集うようになり、自然と庭がいきいきしてきたのがはじまりだそうです。しかも、いろんな種類の虫たちが、みんなでくらしているのだと聞いて、想像していると頭の中にお話が広がっていきました。

この絵本ではまず、虫たちの居心地の良い家づくりを考えました。ご近所づきあいもあるアパートです。すんでいるのは、身近な虫たち。ミツバチには、竹筒や丸太にあけた穴のある部屋を。テントウムシの部屋にはマツボックリがいっぱい。家族で集まって眠り、遊んだりもできます。

カブトムシの部屋には木のうろのスピーカーがあり、床はふかふかした木くずの絨毯。クモの部屋は、半分に割った素焼きの鉢の奥が扉になっています。チョウチョの部屋は羽をたたんで出入りできる細長い扉。中は花がいっぱいに飾られた、おしゃれな空間に。見晴らしの良い最上階は、みんなのいこいの場となっています。自分たちのお気に入りの部屋で、虫の住民たちは、それぞれ「くらし」を楽しんでいるようです。 

私は、幼い頃から虫が好きで、今でも夏になると、庭のレモンの葉からアゲハチョウの卵をとってきては、育てて羽化すると野に放ちます。知れば知るほど神秘的で奥深く、美しさに感動します。みなさんもぜひ、虫に家をつくってあげて、その様子を見てはいかがでしょう。ときには、
意外な来客があるかもしれません。

■著者情報
福井さとこ(ふくいさとこ)
絵本作家、版画家。京都嵯峨芸術大学デザイン科卒業。スロバキアのブラチスラヴァ美術大学で、版画家ドゥシャン・カーライ氏に師事、同大学版画学科大学院卒業。留学中に、スロバキアの最も美しい絵本賞(学生部門)、国立図書館賞を二度ずつ受賞。著書に『カティとつくりかけの家』(ポプラ社)『リパの庭づくり』『リパとみつばちの庭』『リパのおいしい庭づくり』(以上、のら書店)『スロバキアのともだち・はなとゆろ おるすばんのぼうけん』(JULA出版局)などがある。
なにを つくっているのかな?
花山かずみ 作

ここは、まごころ商店街。いろんなお店からいい匂いがしてきます。

「ジュジュー パチパチ パタパタパタ なにを つくっているのかな?」

ページをめくると、つやつやの焼き鳥が並ぶ焼き鳥屋さんでした。

他にもケーキ屋さんやケバブ屋さんなど、おいしそうな食べ物のお店が登場します。商店街で売られている食べ物と、そのお店で働く人を魅力的に描いた絵本。

■編集部より
焼き鳥屋さんからはこうばしい匂いの煙が上がり、玉子焼き屋さんからは小気味いい金属音が聞こえ、ケーキ屋さんは甘い香りでいっぱい……。そんなおいしそうなお店が立ち並ぶ商店街の中に、すっぽりと入り込んでしまえる本作。

花山かずみさんがさまざまなお店屋さんを取材して、食べ物はおいしそうに、お店の人は個性豊かに、臨場感たっぷりに描いてくださいました。自分たちが普段食べている食べ物の先には、それを心を込めてつくってくれる人がいることを小さい人が感じてくれるといいなあ、という気持ちでこの作品を制作してくださいました。

1ページめのアーケードをくぐれば、そこはもうまごころ商店街。五感をフル稼働して、商店街でのお買い物を楽しんでください。

■作者のことば
「コロッケのむこう」 花山かずみ

小さい頃、祖母の家から歩いてすぐの肉屋さんによくお使いに行きました。

買うのはたいていコロッケ。ショーケースの隙間から奥をのぞいているのが好きでした。いつもおじさんはステンレスの作業台で大きな塊肉を切っていて、揚げ物担当のおばさんが大きな冷蔵庫からパン粉のついたコロッケを取り出し、油の中に入れるとジョワワーという音とふわっとひろがるラードの香ばしい匂い。箸を動かしつつ私にちょっと話しかけてくれて、やがてきつね色に揚がったコロッケが引き上げられる。それを手際よく包んで輪ゴムでとめて渡してくれる。あたたかい包みから漏れてくるコロッケの匂いに鼻をくっつけながら帰る。そのサックサクのコロッケの美味しかったこと。たまにおじさんが揚げてくれるときは、少し「何かがちがうコロッケ」に感じたのはなんだったのでしょう。

今回の絵本は取材が大切! と、品川近くの戸越銀座に築地に秋葉原などなどをまわりました。

「どれが人気ですか?」「お好みたい焼きですねー、二番目があずきです」(たい焼き屋さん)
 「これください」「家で食べるのならこっちのパックがお得ですよ」(玉子焼き屋さん)
 「たくさん作っても売り切れちゃうこともあるのよ、お客さんに申し訳なくて」(肉屋さん)
 「美味しかったです」「また食べにきてね、365日休みないから。貧乏ひまなしよ、ハハハ」(そんなふうには見えないケバブ屋さん)

そういう何気ないやりとりも食べるときの美味しさの一部分になっている気がします。ページを捲りながら、作っているいろいろな音や匂い、登場するお店屋さんとの会話も想像しつつ、味わってもらえると嬉しいです。

■著者情報
花山かずみ(はなやまかずみ)
千葉県生まれ。女子美術大学卒業。建築設計事務所やデザイン事務所などに勤務後、絵本を描きはじめる。絵本に『せっせ せっせ』『しゃっく しゃく』(「こどものとも年少版」2023年8月号)『ママのバッグ』(「同」2016年9月号)『おみずで おえかき』(「ちいさなかがくのとも」2025年4月号/以上、福音館書店)『まくらのマクちゃん』(徳間書店)『ひみつのかんかん』(偕成社)『スタコラサッサ』(こぐま社)などがある。千葉県在住。
『ねぼすけくまさん』
こさかまさみ 文/及川賢治 絵

山のてっぺんで寝ていたねぼすけくまさん。あんまり寝ぞうがわるいので、ごろりと坂を転がった!

ねぼけたままでうさぎの家族やからすたちとやりとりしながら進むくまさんの姿を、ユーモラスに描きます。

リズミカルな文章に導かれて一直線にうれしい結末にたどり着くゆかいなお話を、元気で色鮮やかな絵で描き出した絵本です。

■作者のことば
「ねぼすけ息子」こさかまさみ

自慢ではありませんが、「眠り」とは、うまく付き合っていると思います。いつでもどこでもすぐ眠れ、途中で起きることもほとんどありません。寝起きもばっちり、すぐに活動可能です。

そんな私でしたが、我が子の「眠り」に関しては、多くの先輩方が経験されているように、本当に振り回され悩まされました。

「眠り」は容赦なく息子を襲います。「お願い、今は寝ないで」そんな願いもむなしく、ちょっと目を離し振り返ると、息子はもう寝ています。せっかくお出かけの支度ができたのに、せっかくスーパーの駐輪場に自転車を停められたのに、今トイレに連れて行こうと思っていたのに……。今になって思えば、寝ていても必要とあれば無理やり起こしてしまえばよかっただけなのですが、新米かあさんの私には、そんな手腕は備わっていませんでした。

一方、「もう少し寝ていてほしい」時には、「眠り」は無情にもあっさり去ってしまいます。息子は起き抜けに、かなりグズるタイプだったので、ほうっておくこともできず、その時やっていること全て中断です。

ある日、たまたまテレビで女の子が楽しそうにアニメ映画の主題歌を歌っていました。するとお昼寝していた息子が、突然、無言でむくりと起き上がるやいなやテレビの前に仁王立ち、リズムに合わせ手拍子をして体を揺らし始めたのです。あの起き抜けに弱い息子がです! 楽しいことや好きなものは、あっさりと「眠り」を打ち負かすのだなと、妙に感心しました。

息子の突然の寝落ちと寝起きの悪さは、思春期の今も健在です。しかし、今や「眠り」と闘うのは、私ではなく彼自身。うまく付き合える日が来ることを、母は願ってやみません。

■編集部から
チャーミングなねぼすけのくまさんが主人公の絵本です。山のてっぺんから転がり、生き物たちと出会ってやりとりをしながら、ねぼけたままでどんどん進んで、最後は大好きないちごにたどりつく、シンプルでゆかいなお話です。

文章のこさかまさみさんは、ねぼすけだったお子さんの姿を元に、このお話を発想されました。リズミカルな文章で一直線に進むお話なので、物語に初めて接する子どもにも伝わりやすい構成です。お話にぴったりの元気で楽しい絵を描いてくださったのは、イラストレーター・絵本作家の及川賢治さん。

明るい黄色を基調にした大胆な色面の表現と、くまさんの繊細な「ほわほわ感」の表現が絶妙に組み合わされています。春らしい絵本、どうぞお楽しみください。

■著者情報
こさかまさみ 文
兵庫県生まれ。絵本に『どうぞ どうぞ』『わすれものの かさ』(「こどものとも年少版」2025年6月号)『わっかざり』(「同」2022年4月号)『どろんこ どろっちょ』(「こどものとも年中向き」2025年5月号)など、童話に『オニタロウ』(すべて福音館書店)などがある。

及川賢治 絵
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒。竹内繭子とともに100%ORANGEとしても活動。イラストレーション、デザイン、広告など幅広く活躍中。絵本に『ぶぅさんのブー』『よ・だ・れ』『ちゃぷちゃぷ ぷーん』『ぴったりこ』『バナナのはなし』(以上、福音館書店)『まるさんかくぞう』(文溪堂)など。
ワンピースちゃん

うえのよう さく

物干し竿のハンガーにかけられたワンピースちゃん。

公園に出かけたこんこちゃんとお父さんを見ながら、ふくれっ面をして「わたしも こうえんに いきたーい!」と、おなかをふくらませます。

すると、風が吹いてきて、空に舞い上がりました。

「わたしも こうえんに あそびに いこーっと」。

空飛ぶワンピースちゃんの冒険を、色鮮やかな貼り絵で軽快に描きます。

編集部より

 このお話の主人公のワンピースちゃんは、怒ったり、びっくりしたり、ごきげんで鼻歌をうたったり、とても感情豊かです。
そんな元気なワンピースちゃんの様子を、うえのようさんは色鮮やかな貼り絵で表現されました。
うえのさんは、せなけいこさんや、レオ・レオニさん、降矢ななさんの原画展に足を運んだり、さまざまな貼り絵やコラージュ作品を見たりして、ご自身の貼り絵の表現を模索し、本作では、その時々の気分によって変化するワンピースちゃんの表情や、風に舞って軽やかに飛ぶ様子などを生き生きと描きました。
 うえのさんのお子さんが小さい頃に着ていたワンピースをモデルに、春風の季節にぴったりのお話の絵本をお届けいたします。

著者情報

1982年生まれ。大学卒業後、絵を描き始め、アクリル画、貼り絵、漫画、粘土作品などを制作、発表している。
絵本に『かさのえんそく』(「こどものとも年少版」2019年6月号)『ねぼすけさん』(「こどものとも0.1.2.」2022年6月号/ともに福音館書店)『あみあみあみちゃん』(麻生かづこ作/ポプラ社)、挿絵の仕事に『子どもが教えてくれました ほんとうの本のおもしろさ』(安井素子著/偕成社)など。2006年より季刊フリーペーパー「イモマンガ」のメンバーとしても活動中。東京都在住。

★物語に興味を持ち始めたお子様に「こどものとも年少版」、身の回りのちいさなかがくに触れる「ちいさなかがくのとも」
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まんまるさん

あだちいくみ 作

 まんまるさんたちが、「これから まんまるの おともだちさがしに いってきまーす!」と、友だち探しに出かけていきました。

りんご、おにぎり、クリームパン、毛糸玉……。

まんまるさんたちは、自分とおなじ、まるいものたちを見つけて、一緒に遊びます。 

まんまるさんの視点で、家の中にある、まるい形のものたちに出会って遊ぶ、写真絵本です。

編集部より

 今から8年前、絵本作家の柳生弦一郎さんと柳生まち子さんから「まんまるさん」たちの迫力あふれる写真を見せてもらいました。
まんまるさんは針山のようだけど、なんだかよくわからない。
よくわからないけど、ころんとしてかわいいし、色とりどりのまんまるさんたちが集団でキッチンやら庭やら公園やら、あちこちに出没する写真はとてもユニークでした。
それによく見ると、まんまるさんたちは一つ一つ布も違えば刺繍も違って、それぞれに個性があり、魅力的。まんまるさんの写真を見ているうちに、子どもたちが群れをなして、わいわいがやがや遊んでいるように思えてきました。
読者の子どもたちにも、この絵本のまんまるさんたちのエネルギーが伝わるといいなと思います。
 今回絵本の写真は、月の写真以外はすべて作者のあだちいくみさんのご自宅で撮影されました。
家の中には案外まるいものがたくさんあります。絵本を読んだあと、暮らしのなかで子どもたちが、まるいものを探すという楽しみにも出会ってくれたら、うれしいです。

著者情報

あだちいくみ
短大で陶芸・デザインを専攻。卒業後、スタイリストオフィスに所属したのち、フリーランスになる。主に広告制作の撮影に携わる。
洋服・小物の制作、料理・菓子のテーブルセッティング、化粧品・インテリアの撮影の設定など。
スタイリストとして関わった書籍に『こびとの台所』(上田のりこ著/星の環会)などがある。絵本は今作が初めて。

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さむーい さむい

垂石眞子 さく

寒い雪の中、雪があたらないところを探してペンギンがやってきました。

屋根を見つけてひと息ついたと思ったら、それは雪で固まっていたアザラシでした!

2匹は一緒に歩いていき、また屋根を見つけますが……。

カバ、ゾウと仲間が増え、雪をつもらせながら歩いていると、目の前にもくもくとした湯気が!

寒い冬にぴったりのお話です。『あつい あつい』の姉妹編。

編集部より

さむーいさむい銀世界の中、雪がつもらないところを探すペンギンたちをコミカルに描いた本作。
アザラシやカバ、ゾウが登場するところでは、雪のかたまりから思いがけない格好の動物が出てきて、びっくり、おもしろがってもらえたのではないでしょうか。
そして、さいごに温泉にとっぷんとつかるペンギンたちの気持ちよさそうなこと!
子どもたちは寒い日のお風呂が楽しみになるかもしれませんね。
ぜひ寒い季節にお楽しみいただけたらと思います!
姉妹作の『あつい あつい』と一緒にお楽しみいただけたらうれしいです。

★『あつい あつい』は福音館書店より発売中です。

著者情報

垂石眞子
神奈川県茅ヶ崎市生まれ。多摩美術大学卒業。
絵本に『あつい あつい』『だれかがきたよ』「もりのおくりもの」全3巻『サンタさんからきたてがみ』『わたしのかさは そらのいろ』『しょうぼうじどうしゃの あかい ねじ』『あっくんとデコやしき』『ねこちゃん』(「こどものとも0.1.2.」2023年2月号)『トランプくま』(「こどものとも年中向き」2024年12月号/以上、福音館書店)など、幼年童話に「しばいぬチャイロのおはなし」全3巻(あかね書房)など多数。

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やきやき てっぱん

伊藤秀男 さく

さかなのかたちをした鉄板でなに焼ける?
生地を流し込んで、あんこを入れてふたして焼けば、あつあつのたい焼きのできあがり。
お次はあなぼこのあいた鉄板で、なに焼ける?
焼きあがったのは、たこ焼き。
いろんなかたちの鉄板を使っておいしそうな食べ物が焼きあがる様子を、リズミカルな言葉とユーモラスな絵で描いた食べ物絵本です。

編集部より

 たい焼き、たこ焼き、お好み焼き……鉄板で焼いてできるおいしいものはたくさんありますね。
焼きたてあつあつがなによりの魅力です。
 伊藤秀男さんはモデルとなる調理器具をたくさんアトリエに並べて、この絵本を作ってくださいました。
鉄板の多くにはそれぞれ、その食べ物を作るための独特な形があり、「型」がそのまま食べ物の形になったり、模様が写し取られたりするのがおもしろいところ。
そんなところにも注目しながら、歌うように楽しく読んでもらえたらうれしいです。

著者情報

伊藤秀男
1950年愛知県生まれ。『海の夏』(ほるぷ出版)で小学館絵画賞、『けんかのきもち』(柴田愛子文)で日本絵本大賞、『タケノコごはん』(大島渚文、ともにポプラ社)で日本絵本賞、『うしお』(ビリケン出版)でJBBY賞、IBBYオナーリスト。
その他の絵本に『さばうりどん』(長谷川摂子文、岩波書店)『虔十公園林』(宮沢賢治作、ミキハウス)『たべもの』(中江俊夫ことば)『とうちゃんのちゃんぽんめん』(「こどものとも年少版」2021年7月号・ともに福音館書店)など。名古屋市在住。

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ちいさな しろい こねこちゃん

アンナ・マリア・ロース 作 菱木晃子 訳 伊藤夏紀 絵

足をけがしたこねこちゃんが、暗い森に住む、医者のフクロウ先生をたずねます。
木の中の診療所で、先生は「ふーむ これはだ こねこちゃん」と魔法のような治療をしてくれて……。
スウェーデンの古い詩を元にした、こねこちゃんと先生のユーモラスなやりとりが楽しいお話です。
お医者さんにかかるドキドキ感や、治るうれしさに、小さな子は共感できることでしょう。

編集部より

このお話は、1912年にスウェーデンのアルベルト・ボニエ社から刊行された初等教育読本に所収されていた、“Kissemissen(こねこちゃん)”という詩がもとになっています。
作者のアンナ・マリア・ロースは、スウェーデンで生まれ、教育者、作家、神智学者、作詞家として幅広く活躍しました。
彼女のリズミカルな詩を、北欧の児童書を中心に翻訳を手がける菱木晃子さんが訳してくださいました。
けがをした時の痛みや心細さ、お医者さんにかかる時のドキドキした気持ち、良くなったうれしさ――。
さまざまな心の動きが軽快に描かれていて、小さな子どもたちは、こねこちゃんに心を寄せながら読んでくれることでしょう。
こねこちゃんの足はもともと白いのに、「おやゆびが まっしろだ」と驚いてしまうような、可笑しな医者のフクロウ先生も魅力的です。
絵は伊藤夏紀さん。北欧の森の雰囲気を感じさせる舞台と、物語にぐっと引き込まれる愛らしい登場人物たちにご注目ください。
フクロウ先生の診療所の中はすみずみまで細やかに描かれており、遊び心にあふれた小物の絵も、きっと子どもたちを魅了するはずです。ぜひ何度もお楽しみいただけたらうれしいです。

著者情報

アンナ・マリア・ロース
スウェーデンのストックホルムで生まれる。
高等女子師範学校で学び、教育者、作家、神智学者、作詞家として幅広く活躍した。(1862年~1938年)

菱木晃子
1960年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒。
北欧の児童書を中心に翻訳を手がける。
訳書に『月へミルクをとりにいったねこ』『バレエをおどりたかった馬』『ニルスのふしぎな旅』(以上、福音館書店)『長くつ下のピッピ』(岩波書店)『けがをした日』(ブロンズ新社)など。

伊藤夏紀
東京都生まれ。第3回MOE創作絵本グランプリ佳作を受賞。
絵本に『もぐたさんの あたらしいおへや』(「こどものとも年中向き」2024年6月号)『もぐたさんの たんぽぽさんぽ』(「同」2020年4月号/ともに福音館書店)『ハンカチやさんのチーフさん』(白泉社)『カメレオンたんてい・ドロン としょかんどろぼう』(あかね書房)など多数。

















たねをたべた けもの

淺井裕介 さく

一匹のけものがもりのたねを見つけました。ぱくり! と口に入れると、にょき。けものの背中から芽が出てきました。
しっぽからも耳からもにょきにょきにょきと木や芽や花が生えてきて、けもののからだはみるみるうちに大きな森になりました。
細部まで描き込まれた生命力あふれる画面は見応えたっぷり。
美術の世界で活躍する著者が小さい子に向けてつくった絵本です。

編集部より

 美術作家である淺井裕介さんの絵画作品には、植物や動物などの生き物が描かれます。
たとえば巨大な壁画。
大きな生き物の中にも外にも小さな生き物たちが躍動し、逆にその小さな生き物たちが大きな生き物を成り立たせています。
大と小が循環し、内と外が絡み合ってどこまでも続いていく絵は、生命に満ちたひとつの宇宙をかたちづくっています。
 そんな淺井さんが小さな子どもに向けた絵本をつくってくれました。
一粒の種から生まれるこの不思議な物語、子どもたちがびっくりしてくれますように!





へーん! しーん!

坂井 治 さく

「ぼく、へんしんするよ」。

男の子の顔が徐々に変化していきます。
「へーん!」でちょんちょんとひげが生え、「しーん!」で耳がにょきにょき動いたら、あれ!? ねこになったよ。
次は、頭にちょろんとツルが伸び、顔のしま模様も伸びてきて……。

「次は何になるんだろう?」と想像するのが面白く、変身する過程の絵も楽しい、リズミカルでユニークな絵本。



ジャングルバス

大島英太郎 さく

ジャングルを、動物たちを乗せたバスが走っています。

運転手はマントヒヒさん。
停留所で次々に動物たちが乗ってきますが、キリンは窓から首を出したり、ナマケモノは上のてすりにぶら下がったり……
みんな思い思いの自由な格好です。
バスが走っていくと、大きな木が道に倒れていて……。

動物たちの個性あふれる乗り方が楽しい、クスッと笑えるほのぼのしたお話です。

なんでかな


みずさわ そら さく


ぞうさんの鼻が長いのはなんでかな。
それはね、子ぞうのためのすべり台だから。

いろんな色の花があるのはなんでかな。
それはね、虫たちの信号機だから。

海に浮かぶくじらが潮を吹くのは、猫がお昼寝してるのは、なんでかな。
それはね……。

美しい色彩の絵で、小さな子どもが抱く身のまわりの疑問にユーモラスに答える絵本です。



わすれものの かさ

こさか まさみ 文
丹治 匠 絵


公園に忘れ物の傘がありました。

だれも探しにきてくれないので自分で家まで帰ることにした傘は、
ぱっとからだを広げて、カトコトタタタと転がり出します。

坂があっても、川があっても、だいじょうぶ。

見えたよ見えた、赤い屋根。家につくまで、もう少し――。

リズミカルな言葉にのって進む傘の旅を、躍動感のある絵で描いたお話の絵本です。


かけっこ

にごまりこ 作

ねこやいぬ、はりねずみ、ぞうなど9匹の動物たちが、かけっこをします。
「ようい どーん!」の合図で走り出し、坂道やぬかるみ、森の中などを元気よく楽しそうに走ります。
みんなで一直線に駆ける様が気持ちよく、動物たちの表情や走る姿がおもしろい絵本です。
生き生きと走る動物たちを見て、かけっこをしたくなる子も多いことでしょう!
おすすめの購読プラン

商品情報・内容

  • 出版社:福音館書店
  • 発行間隔:月刊
  • 発売日:3~5日頃

■ 絵本が大好きになる絵本

絵本に興味をもちはじめる2才から4才の子どもに最適の月刊絵本です。子どもの成長と興味にそって、やさしいお話、乗り物、食べ物、生活をテーマにした絵本、ナンセンスなお話など、さまざまな内容を組んでいます。選び抜かれたことばと、質の高い絵は、子どもの心をより広い世界へ連れていきます。

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