判例タイムズ

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記事紹介

◆上告審としての大阪高等裁判所第14民事部の実情(下)/小池一利

◆実務現代刑事法(その2)
創造的判例の検討を中心として(その1)/植村立郎

■量刑に関する諸問題〔大阪刑事実務研究会〕
被害者と量刑(2)/横田信之

■裁判員制度のもとにおける控訴審の在り方3〔大阪高等裁判所陪席会〕
控訴審の訴訟手続(2)/西田時弘


判例紹介

速 報
[刑 法]
1板橋高校事件控訴審判決(東京高裁平20.5.29判決)
都立高校の卒業式で,国歌斉唱時に着席するよう保護者らに呼びかけるなどした行為が,威力業務妨害罪に当たるとした1審判決を肯定した事例

最高裁判例
[憲 法]
1(最高裁第三小法廷平20.5.8決定)
婚姻費用の分担に関する処分の審判に対する抗告審が抗告の相手方に対し抗告状及び抗告理由書の副本を送達せず,反論の機会を与えることなく不利益な判断をしたことと憲法32条

[民 法]
2(最高裁第三小法廷平20.6.10判決)
1 社会の倫理,道徳に反する醜悪な行為に該当する不法行為の被害者が当該醜悪な行為に係る給付を受けて利益を得た場合に,被害者からの損害賠償請求において同利益を損益相殺等の対象として被害者の損害額から控除することの可否
2 いわゆるヤミ金融業者が元利金等の名目で違法に金員を取得する手段として著しく高利の貸付けの形をとって借主に金員を交付し,借主が貸付金に相当する利益を得た場合に,借主からの不法行為に基づく損害賠償請求において同利益を損益相殺等の対象として借主の損害額から控除することは,民法708条の趣旨に反するものとして許されないとされた事例

[刑 法]
3(最高裁第一小法廷平19.12.3決定)
数罪が科刑上一罪の関係にある場合において,その最も重い罪の刑は懲役刑のみであるがその他の罪に罰金刑の任意的併科の定めがあるときに,最も重い罪の懲役刑にその他の罪の罰金刑を併科することの可否

[刑事訴訟法]
4(最高裁第二小法廷平20.6.24決定)
1 訴訟関係人のする刑事確定訴訟記録法に基づく保管記録の閲覧請求が許されない場合
2 訴訟関係人がした閲覧請求が,関係者の名誉又は生活の平穏を害する行為をする目的でされたと認められる相当の理由があり,権利の濫用として許されないとされた事例

行政裁判例
[行政法一般]
1(大阪地裁平19.11.21判決)
ミャンマー旧政権につながる名家出身であることを理由に現政権から迫害を受けるおそれがあるとしてされた難民認定申請につき,そのような係累の存在が確認できないとして却下した処分には事実の誤認があるが,結論においては適法であるとされた事例

2(大阪地裁平19.10.18判決)
登記事項証明書交付の手数料を1000円と定める登記手数料令2条1項が,不動産登記法119条3項による委任の範囲を超えるものとはいえないと判断した事例

[租税法]
3(高松高裁平19.11.20判決)
集合債権譲渡担保契約の対象となった複数の債権を国税滞納処分により差し押さえ,同契約に基づく債権譲渡につき第三者に対する対抗要件を具備した日より前に法定納期限が到来している国税の不納付加算税及び延滞税に充当したことが相当とされた事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
1(福岡高裁平19.10.25判決)
労働者の自殺につき,肉体的・心理的に過重な負担のかかる長時間労働が連日続いたことにより,うつ病に罹患したことが原因であるとして,業務と自殺との間の相当因果関係を肯定して,会社の責任を認めた事例


民・商事裁判例
[民 法]
1(東京地裁平20.2.27判決)
架空取引を行っていた株式会社が,自社の会計監査人であった監査法人に対して,監査手続において当該架空取引を看過したことが監査契約上の善管注意義務に違反するとして提起した損害賠償請求訴訟において,監査法人の善管注意義務違反が否定された事例

2(大阪地裁平19.3.30判決)
1 賃貸人代表者による賃貸目的建物への無断立入りが不法行為ないし債務不履行に当たるとして,賃借人による損害賠償請求が一部認容された事例
2 賃貸人代表者による賃貸目的建物への無断立入りが賃借人に対する債務不履行に当たるものの,賃借人による契約解除はできないとされた事例
3 建物賃貸借契約の終了時に敷金の一部を賃借人に返還しない旨の合意(敷引特約)に消費者契約法10条に反する部分があり,一部無効であるとして,賃借人の賃貸業者に対する敷金返還請求が一部認容された事例

3(名古屋地裁平19.9.21判決)
1 建築請負契約の目的物が工事途中でも瑕疵がある場合には,注文者は,瑕疵の程度や各契約当事者の交渉態度等に鑑み信義則に反すると認められるときを除き,その瑕疵への対応が適切になされるまでは,履行期が到来した報酬についてもその支払を拒むことができ,これについての履行遅滞の責任を負わないとされた事例
2 建築請負契約の目的物の瑕疵の程度,各契約当事者の交渉態度,竣工予定時から5年以上経過しても未完成であることなどから,請負人の工事完成義務が社会通念上履行不能となり,かつ,その履行不能につき請負人に帰責事由がないとはいえないとされた事例

4(仙台地裁平19.9.5判決)
外国為替証拠金取引は,賭博類似の取引として公序良俗に違反する

5(大阪地裁平17.1.12判決)
当該健康食品の宣伝内容の特殊性やその食品自体の特殊性からみて,身体に障害を与えるものではないが,食品衛生法により食品への添加が禁止されている添加物が含まれた当該健康食品の引渡しが債務の本旨に従った履行には当たらないとして,債務不履行に基づく代金相当額の損害賠償請求が認められた事例

6(静岡地裁浜松支部平19.12.3判決)
交通事故による損害賠償請求訴訟において,低髄液圧症候群の発症が主張されたが,認められなかった事例

7(東京地裁平20.2.18判決)
看護師が蓄尿検査に防腐剤として使用するアジ化ナトリウムを誤って糖尿病の患者に投与したために患者が白質脳症となり,高次脳機能障害の後遺障害が残ったことについて患者とその家族が病院に損害賠償を請求する事案において,患者が糖尿病の三大合併症を発症していたこと等を考慮し,統計的資料等を参考にして,平均余命期間よりも短い余命期間を認定して将来の付添看護費用を算定した事例

[知的財産]
8(東京地裁平19.4.18判決)
X製品(増幅器)の意匠が,増幅器付スピーカーに係るYの登録意匠に類似しているとして,Xによる,意匠権侵害に基づく差止請求権の不存在確認請求が棄却された事例

[諸 法]
9(大阪高裁平20.1.25判決)
1 遺失物法(平成18年法律第73号による改正前のもの。以下同じ。)に基づく報労金請求が権利の濫用として許されないとまではいえないとされた事例
2 株券の拾得者からの遺失物法に基づく報労金請求について,遺失物法4条1項所定の「物件ノ価格」を株券の価格の70パーセントとして報労金が算定された事例

[民事訴訟法]
10(京都地裁平19.8.29判決)
1 建物収去土地明渡請求訴訟に対して当該対象建物の所有権が自己に帰属することの確認等を求める独立当事者参加の申出が参加要件を満たさないとされた事例
2 物件明細書の記載にかかわらず,法定地上権の成立が否定され,仮に成立するとしても土地競落人に対抗できないとされた事例

11(東京高裁平19.3.29判決)
国立大学法人の実施した同大学医学部医学科の入学試験に不合格とされた受験者が合否判定権の濫用を理由として入学の許可を求めた場合において,当該請求を同法人との在学契約締結の承諾の意思表示を求める趣旨と解しても,また,入学試験による選抜において合格との判定の意思表示を求める趣旨と解しても,いずれも理由がないとして,これを棄却した事例

刑事裁判例
[刑 法]
1(山形地裁平19.5.23判決)
1 幼少時,被害者から性的暴行を受けた被告人が,その10年以上後,研磨した模造刀で被害者ら3名を突き刺すなどし,うち2名を殺害した事案について,被告人は,犯行当時,PTSD(心的外傷後ストレス障害)に基づく幻覚妄想状態にあり,心神喪失状態などにあったとする弁護人の主張を排斥した事例
2 上記事例において,被告人に対し,無期懲役を言い渡した事例

[刑事訴訟法]
2(東京高裁平19.9.18判決)
1 所持品検査に応じるよう説得するために被疑者を長時間留め置いたことが違法とされた事例
2 公務執行妨害罪における暴行に該当しないとされた事例
3 車両内から発見された大麻等の証拠能力がその発見に至るまでの一連の手続に重大な違法があるとして否定された事例

記事紹介

◆上告審としての大阪高等裁判所第14民事部の実情(上)/小池一利

■現代企業法研究会 企業間提携契約の法的諸問題6
ホテル事業に関する提携契約 /若松 亮

■続・元裁判官の書斎(3)
推理小説の誤訳/倉田卓次

◆既判力と取消権の失権/石川 明

■量刑に関する諸問題〔大阪刑事実務研究会〕
被害者と量刑(1)/横田信之

■裁判員制度のもとにおける控訴審の在り方2〔大阪高等裁判所陪席会〕
控訴審の訴訟手続(1)/植野 聡・今泉裕登・出口博章

◆詐欺罪の現状/林 幹人


判例紹介

◆最高裁判例
[刑 法]
1(最高裁第一小法廷平20.6.25決定)
正当防衛に当たる暴行及びこれと時間的,場所的に連続して行われた暴行について,両暴行を全体的に考察して1個の過剰防衛の成立を認めることはできないとされた事例
2(最高裁第一小法廷平20.6.23決定)
1 労役場留置期間を定めるに当たり,1日に満たない端数を生じる換算率を定めても刑法18条4項所定の同期間を定めない違法があるとはいえない
2 労役場留置期間を定めるに当たり,1日に満たない端数について換算刑の言渡しをしないのは法令違反であるとした高等裁判所の判決は,これに先立つ最高裁判所の判例と相反する判断をしたものであり,刑訴法405条3号の高等裁判所の判例に当たらない

◆行政裁判例
[行政法一般]
1(名古屋地裁平18.11.16判決)
36年間重婚的内縁関係にあった女性に対する遺族厚生年金等を不支給とした決定が無効とはいえないとされた事例
2(名古屋地裁平18.3.29判決)
産業廃棄物処理施設付近に居住する住民が施設設置許可処分の取消訴訟の原告適格を有するとされた事例

[国家補償法]
3(仙台高裁平19.10.31判決)
1 町が,公共工事の指名競争入札について,2年近くの間,入札参加資格を有する建設業者を指名しなかった措置に裁量権を逸脱又は濫用した違法があるとされた事例
2 公共工事の指名競争入札において違法に指名されなかったことにより建設業者が被った損害額の算定例
4(仙台地裁平19.5.8判決)
1 町が発注する公共工事の指名競争入札において継続的に指名を受けていた建設業者に対して全く指名を行わなかった町の措置に裁量権を逸脱又は濫用した違法があるとされた事例
2 町が発注する公共工事の指名競争入札において指名されなかったことにより業者が被った損害額の算定

[地方自治法]
5(神戸地裁平19.5.25判決)
神戸市の永年勤続教職員に対する旅行クーポン券等の支給及び教職員共済会に対する交付金の支出は違法であるとして市長の損害賠償責任が認められた事例

◆労働裁判例
[個別的労働関係]
1(岐阜地裁平20.2.14判決)
同僚労働者の夜食を購入するため外出し,弁当を買って工場に戻る途中に交通事故にあった場合,業務上の災害に当たるとされた事例

2(東京地裁平19.2.23判決)
私立高校の数学科教諭に対する事務職員への配置転換が無効とされた事例

◆民・商事裁判例
[民 法]
1(東京地裁平19.11.30判決)
ホストクラブ等を経営する会社が青色申告承認を取り消されたことにつき税理士に顧問契約の債務不履行による損害賠償責任が認められた事例

2(東京高裁平18.11.30判決)
被保険者の被扶養者で老人医療を受ける者が医療過誤により受傷したため老人保健法に基づき社会保険診療報酬基金に納付すべき医療費拠出金の額が増額したことを理由とする健康保険組合の加害病院に対する債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償請求が棄却された事例

3(札幌高裁平19.1.31判決)
チマメ状動脈瘤のクリッピング術を行う医師には,手術中に破裂した場合に備えて止血準備措置を講ずる義務はないとされた事例

4(大阪高裁平19.1.23判決)
離婚後5年以内に支給される見込みがある将来の退職手当(退職金)の財産分与について,退職時に一定額を支払うよう命じた原判決を変更し,退職手当支給額(手取額)と退職時期を変数とする計算式を定め,これにより定まる金額を退職時に支払うよう命じた事例

[商 法]
5(横浜地裁平19.5.29判決)
1 会社分割において分割会社が行った労働契約承継に関する労働者との協議及び労働者の理解と協力を得るための措置に違法はないとされた事例
2 会社分割における労働契約承継に関する労働者との協議及び労働者の理解と協力を得るための措置が会社分割の無効原因となる場合
3 会社分割において承継営業に主として従事していた労働者の承継拒否権の有無

[知的財産]
6(東京地裁平18.9.8判決)
1 外国の特許を受ける権利の承継に関する合意の成立,効力,対価請求の有無等の法律関係についての準拠法は,法例7条により日本法となるが,外国特許を受ける権利の承継に基づく対価請求権について,特許法35条3項の規定は適用されないとされた事例
2 物質発明について,化合物のスクリーニング(生物活性測定)を担当していた原告は,物質の合成,有用性の発見のいずれにも,発明者としての貢献をしたとまではいえないから,共同発明者と認めることはできないとされた事例

[諸 法]
7(大阪高裁平19.2.28判決)
インターネット上の団体の主催者である弁護士に送られたメールの送信者の実在の有無について,送信者から依頼を受けた弁護士に問い合わせたことが,弁護士法23条の守秘義務等に違反するものではないと判断された事例

[民事保全法]
8(東京地裁平19.8.28決定)
民事保全法12条1項に規定する保全命令事件の管轄裁判所が我が国内にあるときは,原則として,債務者を我が国の裁判権に服させるのが相当であるが,これらが存在しない場合には,特段の事情がない限り,我が国の国際裁判管轄を否定すべきであるとして,民事保全事件について,我が国の国際裁判管轄を否定した事例

[民事執行法]
9(大阪地裁平19.9.20判決)
厚生年金保険法によって差押禁止が定められている債権に対する給付であっても,当該給付が受給者の貯金口座に入金された後に貯金債権の全額を差し押さえることは違法とはいえないとした事例


[倒産処理法]
1(①東京地裁平20.5.15決定)(②東京地裁平20.6.10決定)
1 会社更生手続と民事再生手続が競合する場合において,会社更生手続開始の申立てが棄却された事例
2 会社更生法41条1項2号の「債権者の一般の利益に適合する」か否かについて判断された事例

刑事裁判例
[刑 法]
1日航機ニアミス事件控訴審判決(東京高裁平20.4.11判決)
航空機事故につき航空管制官の過失が肯定された事例


[刑事訴訟法]
2(東京高裁平20.3.26判決)
長男の強制わいせつ被告事件の際,虚偽のアリバイ証言をしたとされる偽証被告事件において,被告人が偽証したと認めるには合理的な疑いが残るとし,事実誤認を理由とする検察官控訴を棄却し,結論において同旨の無罪の原判決が維持された事例




記事紹介

◆東京地裁知財部と日弁連知的財産制度委員会との意見交換会(平成19年度)
◆知財高裁における審決取消訴訟(特許・実用新案)の審理について/石原直樹
◆無効の抗弁(特許法104条の3等)の運用と訂正の主張について/清水 節

■特集・医療ADRの現況
医療ADRの目的と手続/西口 元
医療ADR機関設立の試み――千葉県の場合 /植木 哲
オーストリアにおける医療ADR――医療メディエーションの将来性/田尻泰之
紛争解決と再発防止に資する医療事故調査の課題/出河雅彦
医師紛争解決に向けた医療機関の取組み――透明性の確保と説明責任の遂行/平井愛山

■裁判員制度のもとにおける控訴審の在り方1〔大阪高等裁判所陪席会〕
「裁判員制度のもとにおける控訴審の在り方」を連載するに当たって/小川育央
総 論/小川育央

判例紹介 (全15件)

◆最高裁判例
[民 法]
1(最高裁第一小法廷平20.4.24判決)
1 チーム医療として手術が行われる場合にチーム医療の総責任者が患者やその家族に対してする手術についての説明に関して負う義務
2 チーム医療として手術が行われるに際し,患者やその家族に対してする手術についての説明を主治医にゆだねたチーム医療の総責任者が,当該主治医の説明が不十分なものであっても説明義務違反の不法行為責任を負わない場合


◆行政裁判例
[行政法一般]
1(大阪地裁平20.1.16判決)
実子との面接交渉のため,家庭裁判所における調停申立ての前提として相手方の住所を知ることを目的としてされたその母親(別居中の内妻)に係る児童手当等の受給者情報について,個人情報該当性を理由としてされた非公開決定が適法であるとされた事例

[行政争訟法]
2(大阪地裁平20.3.27判決)
1 都市計画事業の事業地又はその周辺に居住又は勤務する者のうち,同事業が実施されることにより騒音等による健康又は生活環境に著しい被害を直接的に受けるおそれのある者は,都市計画法59条4項に基づいてされた都市計画事業認可の取消訴訟の原告適格を有するとされた事例
2 都市計画事業認可の前提となる都市計画変更決定に裁量権を逸脱又は濫用した違法はないとされた事例

3(大阪地裁平20.3.18判決)
1 道路交通法所定の指定車両移動保管機関の行う負担金の納入通知の処分性
2 行政事件訴訟法3条3項の「裁決」の意義


◆労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京地裁平19.10.15判決)
医療情報担当者(MR)の自殺について業務起因性が認められた事例


◆民・商事裁判例
[民 法]
1(東京地裁平20.2.13判決)
注文者と注文者の工場内において作業に従事していた請負人の従業員との間に実質的使用従属関係があるとして注文者に請負人の従業員に対する安全配慮義務を認め,同義務違反に基づく損害賠償請求が認容された事例

2(東京高裁平19.10.31判決)
中高一貫私立校における論語教育の廃止が生徒の父母の学校選択の自由を侵害するものとして慰謝料請求が認容された事例

3(東京高裁平18.10.18判決)
交差点における91歳の女性歩行者と25歳の女性歩行者の衝突事故につき後者の注意義務違反を否定した事例

4(東京高裁平19.9.20判決)
出産時の産婦の死亡医療過誤事案に係る損害賠償請求事件において,相続人と相続人でない遺族からの慰謝料請求について,その間の配分のあり方等を判示して1審判決を変更した事例

5(京都地裁平20.2.7判決)
死因贈与について民法994条1項は準用されないとされた事例


[知的財産]
6(東京地裁平18.6.8判決)
職務発明及び職務考案について,使用者に特許等を受ける権利等を承継させた場合の相当の対価の額について算定し,Xが相当の対価として受領した額が,特許法35条等に定める相当の対価の額に不足するものと認めることはできないとして,Yの元従業者であるXのYに対する請求が棄却された事例

7(大阪地裁平19.2.1判決)
金属管継手の登録意匠について意匠権侵害が認められず,金属管継手の形態について,不正競争防止法2条1項3号の形態模倣も認められなかった事例

◆刑事裁判例
[刑 法]
1(東京高裁平19.12.11判決)
1 分譲マンションの共用部分が刑法130条前段の「住居」に当たるとされた事例
2 政治ビラの配布を目的とする上記共用部分への立入りにつき刑法130条前段の住居侵入罪が成立するとされた事例

2衆議院議員実家放火事件(山形地裁平19.5.31判決)
右翼団体に所属する被告人が,言論封殺目的で現職の衆議院議員の実家に侵入した上で放火し,これを全焼させた事案について,被告人に対し,懲役8年を言い渡した事例


[特別刑法]
3(札幌高裁平19.9.25判決)
1 衣服の上から女性の臀部等を盗撮した行為が迷惑防止条例違反に当たるとされた事例
2 無罪判決を破棄して被告人を有罪とした事例
記事紹介

◆第2次主張・立証責任について
医療過誤訴訟を中心として/木川統一郎

◆日韓家族法判例の対比/村重慶一

◆民事控訴事件の実務上の留意点
1陪席裁判官からの民事控訴事件を初めて担当する若手裁判官及び若手弁護士へのアドバイス/小池一利

判例紹介 (全16件)

◆特 報
[知的財産]
1コカ・コーラ・ボトル立体商標事件(知財高裁平20.5.29判決)
コーラ飲料の包装容器(瓶)の立体的形状のみからなる商標につき,「使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるもの」に該当するとして,登録出願を拒絶した特許庁の審決を取り消した事例

◆憲法裁判例
[憲 法]
1(佐賀地裁平19.3.9判決)
1 行政書士会の所属会員に対する戸籍謄本・住民票の写し等の職務上請求書の差替拒否につき,会員に対する適正な手続保障を欠くものとして不法行為の成立を認めた事例
2 裁判所は同差替拒否の手続上の問題について審理・判断することは許されるとした事例

◆行政裁判例
[行政法一般]
1(大阪地裁平20.2.21判決)
建築基準法42条2項所定のいわゆる2項道路指定処分存在確認の訴えの利益を肯定した事例

2原爆症認定訴訟(広島地裁平18.8.4判決)
原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づく原爆症認定申請に対する却下処分について,放射線起因性または要医療性の判断を誤った違法があるとして,その取消請求が認容された事例

[行政争訟法]
3(大阪地裁平19.12.27判決)
1 審査請求を前置しない正当な理由がないとされた事例
2 建築確認に係る建築物により通風を阻害される建築物に居住する者が,当該建築確認の取消訴訟の原告適格を有するとした事例
3 隣地高さ制限に代わるものとして規定された天空率の制限への違反はないとされた事例

[国家補償法]
4中国残留婦人国家賠償請求訴訟第1審判決(東京地裁平18.2.15判決)
第2次世界大戦終了後長期間中国に取り残されたいわゆる中国残留婦人からの早期帰国義務違反と自立支援義務違反を理由とする国家賠償請求が棄却された事例

[租税法]
5船舶リース事件(名古屋地裁平17.12.21判決)
原告らがそれぞれ組合員となっている民法上の組合として行った船舶リース事業による収益が不動産所得に当たるとして,これを雑所得として課税した所得税更正処分を取消した事例

[地方自治法]
6(大阪地裁平19.12.27判決)
1 財産区財産に関する住民訴訟について,当該財産区の所在する地方公共団体の住民に原告適格が認められるとした事例
2 財産区所有の土地の不法占有を理由として,当該土地の明渡請求権等の行使を怠っているとして所要の措置をとるように求める住民監査請求について,当該土地について交換契約等が締結された以降の不法占有を理由とする住民監査請求は,当該契約の日から監査請求期間の制限を受けるとされた事例

◆民・商事裁判例
[民 法]
1(大分地裁平19.12.17判決)
民事調停法17条に基づく調停に代わる決定には,民法95条は適用されないと判断した事例

2横田基地騒音公害訴訟控訴審判決(東京高裁平17.11.30判決)
1 米軍機の発する騒音等による被害を理由とする損害賠償請求が認容された事例
2 危険への接近の法理の適用が認められなかった事例
3 航空機騒音による将来の損害の賠償請求が一部認められた事例

3(大阪地裁平20.2.13判決)
痙性斜頚に対する治療として実施された先端的な治療法であるアドリアシン注入術につき,その適応の存在は否定できないが,先端的な治療法であることなどの説明がされていないとして,説明義務違反による慰謝料が認容された事例

[知的財産]
4(東京地裁平19.2.27判決)
学会発表により自己免疫疾患マウスに係る特許を受ける権利及びその研究成果が侵害されたとはいえないとされた事例

[諸 法]
5(名古屋高裁平19.11.19判決)
零細事業者が申込みをしたリース契約につき同契約が事業のためにされたものではないとしてクーリングオフが認められた事例

[民事執行法]
6(横浜地裁平19.12.26決定)
預金債権を差し押えられた債務者に,扶養義務を負う子供たちがあり,年金と長男の援助により生計を立てているとしても,債権者の債権回収の前に預金口座から230万円を引き出していることからすれば,債務者に誠実性や任意履行の意思が欠如しているというべく,差押範囲の変更を認めることはできないとされた事例

◆刑事裁判例
[刑 法]
1(名古屋高裁平19.10.4判決)
他人がクレジットカード名義人になりすましてクレジットカード売上票に名義人の氏名を冒書する行為は,単なる署名偽造にとどまらず,有印私文書偽造罪に該当する

[特別刑法]
2(大阪高裁平19.9.25判決)
狂犬病の予防注射を受けさせなかった犬は,狂犬病予防法5条1項違反罪の犯罪組成物件には当たらない

記事紹介

■家事法研究(2)――財産分与
財産分与と債務/松谷佳樹

離婚の際の財産分与と債務の取り扱い/棚村政行

財産分与における住宅問題/相原佳子

■山形地裁民事実務研究6
分譲マンションの売れ残り分を当初の分譲価格から値引きして販売した業者の既購入者に対する不法行為責任が認められた事例
大阪高判平19.4.13判時1986号45頁(原審・神戸地判平17.11.24)/石川真紀子

◆民事訴訟の運用に関するアンケート結果(2)
「証拠調べ関係」(中間とりまとめ)/藤下 健・矢尾 渉・吉田 徹・首藤晴久・長門久美子・齊藤洋哉・田渕 誠

■大阪民事実務研究
自動車事故と重過失免責
人身傷害補償保険の免責事由「極めて重大な過失」について/高島義行

■量刑に関する諸問題〔大阪刑事実務研究会〕
刑事訴追に必然的に伴う負担と量刑/和田 真

(コメント)和田真「刑事訴追に必然的に伴う負担と量刑」について/松田岳士

■ブック・レビュー
山本克己=山本和彦=瀬戸英雄編『新破産法の理論と実務』/園尾隆司


判例紹介

速 報
[民 法]
1(大阪高裁平20.5.30判決)
1 別除権行使による主たる債務の弁済と開始時現存額主義の適用範囲
2 担保権者である破産債権者が弁済充当合意の存在を主張することができる時期
3 物上保証人財産の任意売却による主たる債務の弁済と開始時現存額主義の適用範囲

最高裁判例
[国家補償法]
1(最高裁第二小法廷平20.4.18判決)
公立小学校3年の児童が,朝自習の時間帯に離席して,ロッカーから落ちていたベストのほこりを払おうとしてこれを頭上で振り回したところ,別の児童の右眼に当たり当該児童が負傷した事故につき,教室内にいた担任教諭に児童の安全確保等についての過失がないとされた事例


[民 法]
2(最高裁第一小法廷平20.4.14判決)
共有の性質を有する入会権の処分につき入会集団の構成員全員の同意を要件としない慣習の効力

3(最高裁第三小法廷平20.3.18判決)
大韓民国の国籍を有するAとその嫡出子として同国の戸籍に記載されているYとの間の実親子関係についてAの子であるXらが不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとした原審の判断に,同国の民法の解釈適用を誤った違法があるとされた事例


行政裁判例
[行政法一般]
1(大阪地裁平19.4.26判決)
1 市教育委員会が,入学式の国歌斉唱時,起立しなかった教職員の氏名及びその理由等の調査を行い,各校ごとにこれを一覧にした文書に記載して当該各個人の個人情報を収集及び保管したことが枚方市個人情報保護条例8条に違反するとされた事例
2 市教育委員会が,市立各小中学校長に対し,入学式の国歌斉唱時に起立することなどの指示を出したことが教育基本法10条,憲法19条等に違反しないとされた事例

[国家補償法]
2(鹿児島地裁平18.9.29判決)
県の援護委託措置により社会福祉法人の設置運営する知的障害者更生施設に通所していた知的障害者が保護訓練中に行方不明となった事件につき,県の国家賠償責任が否定され,同施設長と社会福祉法人の損害賠償責任が認められた事例

[租税法]
3(大阪地裁平19.12.13判決)
1 国税徴収法39条の第二次納税義務と国税通則法42条,民法424条の詐害行為取消制度との関係
2 国税徴収法39条の「滞納者の国税につき滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合」の意義
3 相続税の連帯納付義務者に対し,督促を行う法律上の根拠

[地方自治法]
4(名古屋地裁平19.5.24判決)
1 サマージャンボ宝くじの収益金に対する市町村の共有持分権が否定された事例
2 市町村振興協会が,市町村を会員とした上,これに交付すべきサマージャンボ宝くじの収益金をもって会費とする会員制度を導入したことが違法ではないとされた事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
1(福岡地裁平19.10.5判決)
入社時の誓約及び会社の就業規則に規定する退職後の競業避止条項が公序良俗違反とされた事例

民・商事裁判例
[民 法]
1(大阪地裁平20.1.30判決)
1 呉服販売業者がその従業員に対し呉服等の自社商品を販売した行為が,従業員の支払能力に照らし過大であり,売上目標の達成のために事実上購入することを強要したものであるとして,公序良俗に反して無効であるとされた事例
2 事業者がその従業員に対して行う割賦販売について,割賦購入あっせん業者に対する抗弁を規定する割賦販売法30条の4の適用を除外する同法30条の6,8条5号の適用が否定され,呉服販売業者がその従業員に対して呉服等の自社商品を販売した行為が公序良俗に反して無効であることをもって,その売買代金の立替払債務の履行を請求する信販会社に対して,対抗することができるとされた事例

2(東京地裁平19.12.5判決)
1 新聞記事の名誉毀損性を判断するに当たっては,原則として,見出しのみならず記事本文等,記事全体から受ける印象をもって判断すべきであるとされた事例
2 名誉毀損記事の情報提供者に対する損害賠償及び謝罪広告の請求が棄却された事例

3(東京地裁平19.7.20判決)
日本弁護士連合会事務局への度重なる電話及び訪問による面談強要があったとして,平穏に業務を遂行する権利に基づく直接交渉の強要禁止請求が認められた事例

4(東京高裁平20.4.16判決)
交通事故の被害者が,労災保険法の規定に基づく障害年金給付を受給している場合に,政府保障事業(自賠法72条1項)による損害のてん補において,将来受けるべき障害年金相当額を控除すべきか(消極)

5(名古屋地裁平19.4.25判決)
入院患者が飛び降りて自殺したことにつき,病院側に自殺に対する予見可能性がないとして遺族からの損害賠償請求を棄却した事例

6(大分地裁平19.6.21判決)
保証業者の受ける保証料が貸金業者の受ける利息制限法3条所定のみなし利息に当たるとされた事例

[商 法]
7(大阪高裁平20.3.25決定)
会社法976条22号の過料決定と故意過失の要否

8高千穂電気株主代表訴訟事件(東京地裁平20.1.17判決)
1 株券返還請求は株主代表訴訟の対象とはならないとされた事例
2 提訴請求書にどこまで記載していれば適法かについて判断した事例
3 会社が自己株式を会社代表者に廉価で売却したとはいえないとした事例

9(東京高裁平19.12.26判決)
中小企業共済における被共済者の従業員が仮設桟橋の補強工事中に高波により水死した事故について免責事由としての天災に当たらないとされた事例
10(東京地裁平19.9.14判決)
個人賠償責任共済契約の被共済者が喧嘩によって他人の指を噛み切った場合において,「被共済者の故意」「被共済者による暴行に起因する損害賠償責任」という免責条項に該当し共済金請求ができないとされた事例


[知的財産]
11ELLEGARDEN事件知的財産高裁判決(知財高裁平20.3.19判決)
「ELLE」の文字からなる著名な原告商標とロックバンド名を表示する「ELLE GARDEN」の文字からなる被告標章との類否につき,原告商標及び被告標章の構成,使用態様,本件ロックバンドの著名性等を認定した上,被告標章のうち上記文字を一連に表示した標章については類似性を否定し,「ELLE」と「GARDEN」を2段に表示した標章については類似性を肯定した事例

[倒産処理法]
12(東京地裁平19.3.15判決)
更生管財人が更生会社からその所有する土地を譲り受けた受益者及びその転得者に対してした否認請求を認容した原決定を認可した事例

刑事裁判例
[刑 法]
1(東京高裁平20.3.10判決)
1 事理弁識能力を欠いていた疑いがあることを理由として被告人の殺意が否定された事例
2 心神喪失の疑いがあるとして被告人を無罪とした原判決の判断が維持された事例

[特別刑法]
2(千葉地裁平19.8.22判決)
覚せい剤を手荷物に隠匿して輸入した事案につき,被告人には違法薬物を隠匿所持していることの認識があったとはいえず,故意を認めることはできないとして,無罪を言い渡した事例


記事紹介

■座談会
争点整理をめぐって(下)
――『民事訴訟実務と制度の焦点』を素材として/遠藤賢治・瀬木比呂志・二宮照興・垣内秀介・山本和彦

◆民事訴訟の運用に関するアンケート結果(1)
「主張整理関係」(中間とりまとめ)/菅野雅之・武藤真紀子・藤澤孝彦・吉野俊太郎・小林亜久・本田千鶴

■量刑に関する諸問題〔大阪刑事実務研究会〕
第2 量刑諸要素の検討
Ⅱ 被告人の一般情状に関するもの
14 被告人の反省態度等と量刑/川合昌幸
(コメント)川合昌幸「被告人の反省態度等と量刑」について/松田岳士

■ビジネス・ロー・レポート75・完〔大阪企業法務研究会〕
契約における努力条項の意義について/稲田和也

■会社判例プラザ37・完――服部榮三〔東北大学名誉教授〕監修
新株予約権付社債の発行について,特に有利な条件による発行(有利発行)に該当するものとは認められなかった事例
オートバックスセブン新株予約権付社債発行差止却下決定(東京地決平19.11.12金判1281号52頁)/田邊宏康

■実践 刑事弁護:裁判員にわかりやすい弁護のために9
メディアの論理と弁護士の論理/山口 進

■世界の司法125――その実像を見つめて
アメリカ合衆国マサチューセッツ州の民事訴訟における争点整理
裁判官と弁護士の役割/齊藤暁子


判例紹介(全29数)

◆特 報
[刑事訴訟法]
1(大阪地裁平19.11.14決定)
取調べ状況を録音・録画したDVDが取り調べられた結果,任意性に疑いがあるとして,検察官調書の証拠調べ請求が却下された事例

◆速 報
[個別的労働関係]
1松下プラズマディスプレイ事件控訴審判決(大阪高裁平20.4.25判決)
業務委託契約に基づくテレビ部品製造会社への派遣労働者と製造会社との間に黙示の労働契約の成立を認め,契約更新後の別作業への配置転換命令を権利濫用として無効として別作業の就労義務の不存在を認め,契約期間満了を理由とする解雇又は雇止めを権利濫用として無効とした事例

◆最高裁判例
[憲 法]
1(最高裁第一小法廷平20.3.6判決)
住民基本台帳ネットワークシステムにより行政機関が住民の本人確認情報を収集,管理又は利用する行為と憲法13条

[民 法]
2(最高裁第一小法廷平20.2.28判決)
少年Aが少年B及び少年Cから暴行を受けて死亡したことについて,暴行が行われている現場に居た少年Y1,Y4及びY7がAを救護するための措置を執るべき法的義務を負っていたとはいえないとされた事例

[諸 法]
3(最高裁第三小法廷平20.2.19判決)
被害者の行使する自賠法16条1項に基づく請求権の額と市町村長が老人保健法(平成17年法律第77号による改正前のもの)41条1項により取得し行使する上記請求権の額の合計額が自動車損害賠償責任保険の保険金額を超える場合に,被害者は市町村長に優先して損害賠償額の支払を受けられるか

[刑 法]
4(最高裁第二小法廷平20.3.3決定)
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に汚染された非加熱血液製剤を投与された患者がエイズ(後天性免疫不全症候群)を発症して死亡した薬害事件について,厚生省薬務局生物製剤課長であった者に業務上過失致死罪の成立が認められた事例

[特別刑法]
5(最高裁第三小法廷平20.4.22判決)
薬物犯罪の幇助犯から「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」11条1項,13条1項により没収・追徴できる薬物犯罪収益等の範囲

[刑事訴訟法]
6(最高裁第二小法廷平20.4.15決定)
1 捜査機関が公道上及びパチンコ店内にいる被告人の容ぼう,体型等をビデオ撮影した捜査活動が適法とされた事例
2 捜査機関が公道上のごみ集積所に不要物として排出されたごみを領置することの可否

◆行政裁判例
[行政法一般]
1(東京地裁平19.2.2判決)
1 国籍国政府から直接迫害を受けるおそれはないが同国内の政治団体関係者から迫害を受けるおそれがあり,かつ同国政府から保護を受けられないため,「迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有する」として難民に該当すると判断された事例
2 難民の認定をしない処分が無効であることの確認請求が認容された事例

[行政争訟法]
2(大阪地裁平20.1.31判決)
1 保険医療機関指定取消処分及び保険医登録取消処分の差止めの訴えについて,行政事件訴訟法37条の4第1項にいう「一定の処分又は裁決がされることにより重大な損害を生ずるおそれがある場合」の要件を肯定した事例
2 保険医療機関指定取消処分及び保険医登録取消処分の適法性を肯定した事例

[租税法]
3(大阪地裁平20.2.29判決)
学校法人の設置する高等学校及び中学校の各校長であった当該学校法人の理事長が,同各校長の職を退いて,同学校法人の設置する大学の学長に就任するに当たり,同高等学校の退職金規程等に基づいて同人に支給された退職金名目の金員に係る所得が,所得税法30条1項にいう「退職所得」に該当するとされ,これを同法28条1項にいう「給与所得」に該当するとしてされた納税告知処分及び不納付加算税賦課決定処分が取り消された事例

4(大阪地裁平19.9.21決定)
推計課税の事案において,同業者の青色申告決算書につき,引用文書ではないとして,文書提出命令の申立てが却下された事例

◆民・商事裁判例
[民 法]
1(東京高裁平19.9.12判決)
マンションの建替え決議について,敷地の特定に欠け,敷地利用権の処理が明らかにされていないとし,同決議が無効とされた事例

2(東京地裁平19.7.26判決)
株式譲渡契約によるM&Aにおいて,売主に事実の表明,保証義務違反があったとして,同契約の補償条項に基づく損害補償が認められた事例

3(甲府地裁平18.6.30判決)
誤って被告の預金口座に金銭を振り込んだ原告の不当利得返還請求につき,被告の相殺の抗弁が排斥された事例

4(東京高裁平20.1.31判決)
殺人事件発生の26年後に遺体の身元が確認されて提起された不法行為による損害賠償請求の訴えが除斥期間を経過していないとされた事例

5(東京地裁平20.1.25判決)
建物の設計監理者に,建築された建物の瑕疵について,施主に対する不法行為責任が一部認められた事例

6(東京地裁平19.5.30判決)
医科大学の主任教授の講師に対する研究の価値及び教育活動を一切否定するような発言,大学からの退職を迫られているように受け取られる発言,討論会から排除する発言は,指導としての適切さを欠き,違法であるとして,主任教授の不法行為責任が認められた事例

7(大阪地裁平19.11.14判決)
入院患者がベッドから転落して後遺障害を負った事故につき,転落防止措置等についての病院医師・看護師の過失が否定された事例

8(東京高裁平18.8.7決定)
面接交渉を認めた判決主文の当該条項には,給付条項性が認められず,当該条項に基づき間接強制を求めた債権者の申立てには理由がない

[商 法]
9レックスHD株式取得価格決定事件(東京地裁平19.12.19決定)
全部取得条項付株式の取得価格について判断した事例

10(東京地裁平20.2.21判決)
株式発行会社の有価証券報告書等の虚偽記載により株式上場廃止になったことにより損害を被ったとの株主の請求が棄却された事例

11(仙台高裁平19.8.29判決)
建物及び家財の火災に関する「家財の現在高並に損害見積額明細書」に不実の表示がされた場合,保険会社の約款による免責が認められた事例

[知的財産]
12(知財高裁平18.7.11判決)
訂正審判において,訂正後の請求項1記載の発明(訂正発明1)の進歩性(独立特許要件)を否定し,請求不成立とした審決の取消訴訟において,審決における主たる引用発明と従たる引用発明を入れ替えて進歩性(独立特許要件)の判断をして,審決を維持した事例

13(知財高裁平18.7.11判決)
特許異議の申立てに基づく取消決定に対する取消訴訟において,決定における主たる引用発明と従たる引用発明を入れ替えて進歩性の判断をして,決定を維持した事例

[諸 法]
14(東京高裁平19.11.28判決)
改正後区分所有法の施行前になされた管理規約違反の増築について,同法施行後も,管理規約に基づき,管理組合が区分所有者に対してその義務の履行を求める訴訟を提起し得るとされた事例

[倒産処理法]
15(東京高裁平19.9.21決定)
会社代表者らが銀行からの借入れのため請負代金債権に譲渡担保を設定し,第三債務者の承諾書を偽造した場合であっても,民事再生法25条4号の再生申立棄却事由がないとされた事例

◆刑事裁判例
[刑 法]
1福岡飲酒運転3児死亡事故(福岡地裁平20.1.8判決)
3人を死亡させ,2人を負傷させた危険運転致死傷等の事案について,アルコールの影響により正常な運転が困難な状態ではなかったとして業務上過失致死傷,道路交通法違反(酒気帯び運転)を認定した事例

2(東京高裁平19.9.26判決)
法律上の夫が妻に対して,暴行脅迫を加えて,姦淫をした場合に,強姦罪が成立するとされた事例

記事紹介

◆文書送付嘱託関係のモデル書式について/須藤典明・尾立美子・片田信宏・川原田貴弘・鶴岡俊一・鈴木達也・徳永隆治

■現代企業法研究会 企業間提携契約の法的諸問題5
企業間提携契約と継続的契約
――その特徴と相互関係に関する試論――/内田義厚

■大阪民事実務研究会
保険契約の保険金受取人変更と詐害行為取消権・否認権の行使/岡山忠広

◆物権変動論再考
物権法の日中比較をかねて/加藤雅信

■判例評釈
捜索差押状執行中に搬入された荷物の捜索
最一小決平成19年2月8日刑集61巻1号1頁/松代剛枝

◆医療過誤――ドイツにおける医学的・法的側面に関する論評(Medical malpractice comments on medical and legal aspects in Germany)
Prof. Dr. Wolfgang Eisenmenger ヴォルフガング・アイゼンメンガー教授
Prof. Dr. med. Thomas Gilg トーマス・ギルク教授
/(訳)黒木尚長・寺尾壽幸

■奈良弁護士会と奈良地方・家庭裁判所,奈良簡易裁判所との協議会
調停の運営改善を目指して


判例紹介(全22件)

◆特 報
[憲 法]
1国籍法違憲訴訟最高裁大法廷判決(最高裁大法廷平20.6.4判決)
1 国籍法3条1項が,日本国民である父と日本国民でない母との間に出生した後に父から認知された子につき,父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得した(準正のあった)場合に限り日本国籍の取得を認めていることによって国籍の取得に関する区別を生じさせていることと憲法14条1項
2 日本国民である父と日本国民でない母との間に出生した後に父から認知された子は,父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得したという部分(準正要件)を除いた国籍法3条1項所定の国籍取得の要件が満たされるときは,日本国籍を取得するか

[民 法]
2西武鉄道株式・株主集団訴訟(東京地裁平20.4.24判決)
1 有価証券報告書等の株式数についての虚偽記載が不法行為法上の違法に当たるか(積極)
2 有価証券報告書等に虚偽記載があることが発覚し,上場廃止となった会社の株主の損害賠償集団訴訟において,株式を処分した株主の請求が認容され,株式を保有している株主の請求が棄却された事例


◆最高裁判例
[憲 法]
1(最高裁第三小法廷平20.2.19判決)
1 我が国において既に頒布され,販売されているわいせつ表現物を関税定率法(平成17年法律第22号による改正前のもの)21条1項4号による輸入規制の対象とすることと憲法21条1項
2 輸入しようとした写真集が,関税定率法(平成17年法律第22号による改正前のもの)21条1項4号にいう「風俗を害すべき書籍,図画」等に該当しないとされた事例

[地方自治法]
2(最高裁第一小法廷平20.3.17判決)
県警察本部の県外出張に係る旅費の支出のあった日から1年を経過して住民監査請求がされたことについて地方自治法242条2項ただし書にいう正当な理由があるとされた事例

[個別的労働関係]
3(最高裁第一小法廷平20.3.27判決)
業務上の過重負荷と基礎疾患とが共に原因となって従業員が死亡した場合において,使用者の不法行為を理由とする損害賠償の額を定めるに当たり,使用者による過失相殺の主張が訴訟上の信義則に反するとして民法722条2項の規定を類推適用しなかった原審の判断に違法があるとされた事例

[民 法]
4(最高裁第二小法廷平20.2.29判決)
賃料自動改定特約のある建物賃貸借契約の賃借人からの賃料減額請求の当否等を判断するに当たり,上記特約による改定前に当事者が現実に合意した直近の賃料を基にすることなく,上記特約によって増額された賃料を基にして,増額された日から当該請求の日までの間に限定して経済事情の変動等を考慮した原審の判断に違法があるとされた事例


[商 法]
5(最高裁第二小法廷平20.2.22判決)
1 会社の行為が商行為に該当することの主張立証責任
2 会社の貸付けが当該会社の代表者の情宜に基づいてされたものとみる余地があっても,当該貸付けに係る債権が商行為によって生じた債権に当たるとされた事例

6(最高裁第三小法廷平20.2.26判決)
会社法346条1項に基づき退任後もなお会社の役員としての権利義務を有する者に対する解任の訴えの許否

[諸 法]
7(最高裁第一小法廷平20.3.6決定)
公正取引委員会の排除措置命令に違反した者を独禁法97条の定める過料に処さないこととした原審の判断が是認された事例

[倒産処理法]
8(最高裁第一小法廷平20.3.13決定)
1 民事再生法174条2項3号所定の「再生計画の決議が不正の方法によって成立するに至ったとき」には,再生計画案が信義則に反する行為に基づいて可決された場合が含まれるか
2 民事再生法172条の3第1項1号の趣旨を潜脱し信義則に反する再生債務者らの行為に基づいて再生計画案が可決されたとして,再生計画に同法174条2項3号所定の不認可事由があるとされた事例


◆行政裁判例
[国家補償法]
1(大阪地裁平19.9.28判決)
未決拘禁者が購読し得る新聞紙(通常紙)を拘置所長の選定した2紙のうちの1紙に限る旨の法務大臣訓令等の規定に基づき,拘置所長の選定した2紙以外の通常紙の定期購読を許可されなかったのは違憲,違法であるとしてされた国家賠償請求が棄却された事例

[租税法]
2(大阪地裁平20.2.29判決)
会社の使用人らがその執行役に就任するに当たり,使用人の退職金規程に基づいて支給された退職金名目の金員に係る所得が所得税法30条1項にいう「退職所得」に該当するとされ,これを同法28条1項にいう「給与所得」に該当するとしてされた納税告知処分及び不納付加算税賦課決定処分が取り消された事例

[地方自治法]
3(大阪地裁平19.12.27判決)
一部事務組合が国及び市から公金を受領した行為を財務会計行為として住民監査請求をしても,同組合が施設建設工事・運営費を支出する行為を財務会計行為としてその差止等を求める住民訴訟について監査請求前置を満たさないとした事例

[情報公開]
4(大阪地裁平20.1.31判決)
新司法試験における受験者の答案及び当該答案を採点した考査委員が付した素点の記載された文書が,行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律14条7号柱書の事務支障情報に該当するとされた事例


◆民・商事裁判例
[民 法]
1(大阪高裁平18.11.28判決)
企業が,退職者に対し,退職金の一部を年金原資として拠出を受けた金員に一定割合(年10%ないし7.5%)の利息を付加して年金を支給する旨の私的な独自の年金制度において,企業が,経済情勢もしくは社会保障制度に大幅な変動があったとして,その給付利率を一律2%引下げたことが,その引下げにつき同意しない年金受給者に対しても効力を生じると判断された事例

2(東京地裁平19.9.12判決)
被告組織によるタクシー利用者からの苦情処理や乗務員に対する指導等には,タクシー事業者及び乗務員に対する法律上あるいは事実上の強制力は認められず,受動喫煙の強要には当たらないとされた事例

3(大阪地裁平20.2.27判決)
心臓弁膜置換手術を受けた患者が,術後,出血性貧血による心筋虚血及び心タンポナーデを原因とする心不全を発症し,低酸素脳症による遷延性意識障害に陥った後に死亡したことにつき,担当医に,術後管理に係る注意義務違反があり,これが尽くされていれば死亡の結果を回避できた相当程度の可能性があったとされた事例

4(東京地裁平19.1.25判決)
発熱と痙攣を主訴として入院した当時10か月の幼児について,医師が適時に結核性髄膜炎との鑑別診断をせず,専門医に転医させなかったことについて過失があるとされた事例

[商 法]
5西武鉄道株式・機関投資家事件(東京地裁平20.4.24判決)
有価証券報告書等の虚偽記載により上場廃止となった株式を売却した機関投資家の損害賠償請求が,主張する損害が理由がないとして棄却された事例

[知的財産]
6(知財高裁平19.12.26判決)
「無アルカリガラス,液晶ディスプレイパネル及びガラス板」の発明に係る特許出願につき,同出願に先立つ特許出願を優先権主張の基礎とする特許出願の明細書に記載された発明と同一であるとして,特許法29条の2の規定により登録を拒絶すべきものとした審決が,審決において同条の規定の対象とした発明は優先権主張の基礎とされた先出願の明細書には記載されていないとして,取り消された事例

[諸 法]
7(大阪高裁平20.4.16判決)
1 区分所有建物の管理組合が規約で専ら専有部分に係る事項について定めることの可否
2 規約で専ら専有部分に係る事項について定めることができる特段の事情

◆刑事裁判例
[刑 法]
1(東京地裁平17.2.17判決)
1 外務省国際情報局主任分析官であった被告人が,日本国とロシア連邦等との間の協定に基づき設置された支援委員会(国際機関)のため同協定により日本国政府が行うべき事務を担当していた同省欧亜局ロシア課ロシア支援室所属の課長補佐と共謀の上,前記協定上許容されない同委員会費用の支出をしたとして背任罪の成立を認めた事例
2 同被告人が,同課長補佐及び大手商社の従業員らと共謀の上,国後島におけるディーゼル発電施設設置工事の施工業者選定のための一般競争入札に関し,入札予定価格に関する情報を同社に伝える等の不正な工作をして入札予定価格をわずかに下回る価格で同社に同工事を請け負わせ,同委員会事務局の業務を妨害したとして偽計業務妨害罪の成立を認めた事例

記事紹介

◆共同研究 裁判員等選任手続の在り方について
辞退事由の判断の在り方を中心にして/今崎幸彦

■座談会
争点整理をめぐって(上)
――『民事訴訟実務と制度の焦点』を素材として/遠藤賢治・瀬木比呂志・二宮照興・垣内秀介・山本和彦(司会)

◆労働審判制度に関する協議会

◆千葉県医事関係裁判運営委員会第12回定例会

■現代企業法研究会 企業間提携契約の法的諸問題4
OEM契約の法的整理/日下部真治

■ビジネス・ロー・レポート74〔大阪企業法務研究会〕
商品形態の模倣について/平田政和

◆保険金請求事件における偶然性の主張立証責任に関する最高裁判決の検討/桃崎 剛

■実践 刑事弁護:裁判員にわかりやすい弁護のために8
わかりやすい弁護と構成/大橋鉄雄

■世界の司法123――その実像を見つめて
地域密着型・問題解決型司法/木畑聡子

■世界の司法124
米国の量刑制度とアプレンディ準則/根崎修一

判例紹介(全23数)

◆特 報
[商 法]
1カネボウ株式買取価格決定申立事件(東京地裁平20.3.14決定)
1 旧商法245条ノ2の「公正ナル価格」の算定に当たってDCF法が採用された事例
2 会社提示の買取価格1株162円を上回る1株360円が買取価格として相当であるとされた事例
3 鑑定費用の負担割合について当事者の主張価格と裁判所の決定額との乖離率に応じて決定するのが相当とされた事例

◆最高裁判例
[刑 法]
1(最高裁第一小法廷平20.1.22決定)
準強制わいせつ行為をした者が,わいせつな行為を行う意思を喪失した後に,逃走するため被害者に暴行を加えて傷害を負わせた場合について,強制わいせつ致傷罪が成立するとされた事例

[特別刑法]
2(最高裁第三小法廷平20.3.4判決)
船舶から海上に投下し回収する方法により覚せい剤を輸入しようとした行為につき,覚せい剤取締法41条の輸入罪及び関税法(平成17年法律第22号による改正前のもの)109条1項,3項の禁制品輸入罪の実行の着手があったとはいえないとされた事例

[刑事訴訟法]
3(最高裁第二小法廷平20.3.14判決)
1 旧刑訴法適用事件につき再審が開始された場合,その対象となった判決の確定後に刑の廃止又は大赦があったときは,再審開始後の審判手続において免訴に関する規定の適用を排除して実体判決をすることができるか
2 旧刑訴法適用事件についての再審開始後の審判手続において,被告人は免訴判決に対し無罪を主張して上訴することができるか
3 旧刑訴法適用事件について再審が開始され,第1審判決及び控訴審判決が言い渡されて更に上告に及んだ後に,当該再審の請求人が死亡しても,再審の手続が終了しない場合

4(最高裁第一小法廷平20.3.5決定)
1 殺人に係る被害者特定事項を公開の法廷で明らかにしない旨の決定がされた事例
2 被害者特定事項を公開の法廷で明らかにしない旨の決定をすることと憲法32条,37条1項

◆行政裁判例
[行政法一般]
1(大阪地裁平20.1.24判決)
廃棄物処理法7条5項4号トの「その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」について判断した事例

[国家補償法]
2調停国家賠償訴訟判決(東京地裁平18.3.24判決)
民事調停における裁判官及び調停委員の職務行為の国家賠償法上の違法性が否定された事例

[租税法]
3(東京地裁平17.9.30判決)
外国法人A社がその傘下にある日本国内にある内国法人B社を通じて日本国内において展開する事業に関する収益について日本において課税されることを免れる目的で,A社の傘下にある外国法人C社とB社とが日本の商法に基づき匿名組合を設立し,B社が上記収益を上記匿名組合に関する契約に基づく利益分配金として上記匿名組合におけるC社の地位を承継したオランダ法人である原告に送金した場合に,上記利益分配金は法人税法138条1号に規定する「国内源泉所得」及び所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国政府とオランダ王国政府との間の条約8条1項に規定する「企業の利得」に当たるとしてされた課税処分が違法であるとされた事例

[情報公開]
4(名古屋地裁平18.10.5判決)
行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条2号イに該当するとしてされた行政文書の一部不開示決定が取り消された事例


◆民・商事裁判例
[民 法]
1(東京高裁平20.2.28決定)
抵当権が設定された建物の屋上に建築されたプレハブ式建物に第三者名義の所有権保存登記を経由したことが,抵当権の実行を妨害する目的でされたものであると認定し,抵当権に基づく妨害排除として,同保存登記の抹消登記手続請求権を保全するため,同プレハブ式建物について処分禁止仮処分命令を発した事例

2(札幌地裁平19.11.13判決)
1 温泉の湧出の有無にかかわらず代金を支払う内容となっている温泉掘削工事契約でも,掘削業者は掘削や検層の結果を踏まえ,発注者と適宜協議をしながら,発注者の経営目的を前提として,もっともそれに沿う湧水が得られると思われる深度にストレーナーを設置する義務を含むと解するのが相当である
2 温泉の掘削工事において,ストレーナーの設置位置が適切ではなかったため,結果として発注者の希望に沿う湧水が得られなかったとしても,ストレーナーの設置に関する判断が不合理といえなければ,掘削業者は債務不履行責任を負わない

3(東京地裁平19.9.28判決)
鉄道高架橋下にある土地の賃貸借契約は,建物所有目的の土地の賃貸借契約ではなく,一般の土地の賃貸借契約とは異なった特殊な契約であるとして,借地法は適用されないとした事例

4(東京地裁平19.9.12判決)
1 大学を設置する学校法人について,虚偽の理事選任登記等を得た上,自らが理事に選任されたなどとして大学に乗り込み,その業務を妨害した者に対し,損害賠償請求が認められた事例
2 大学を設置する学校法人について,虚偽の理事選任登記等を得た上,自らが理事に選任されたなどとして大学に乗り込み,その業務を妨害した者について,過失相殺の主張が排斥された事例

5(東京地裁平18.12.26判決)
輸出入等の取引につき優越的状況にあることを利用して著しく不相当に高額な代金を提示して契約を締結したことが不法行為を構成するとされた事例

6(京都地裁平19.10.9判決)
1 いわゆる制裁的慰謝料の請求を認めなかった事例
2 交通事故の被害者の家族がPTSD等の精神疾患に罹患したことによる治療費等の損害につき,交通事故による損害と認めなかった事例
3 過失相殺減額を行うのは相当でないとして,過失相殺減額を行わなかった事例

7(名古屋地裁平19.6.14判決)
患者ががんの告知を受けながら適切な治療を拒否した場合,医師には患者の家族に対しがんの告知をする義務はないとされた事例

8(福岡高裁平19.6.1判決)
先天性心疾患を有する患者が,フォンタン手術を受けた際に心房を裂創され,低酸素脳症を発症して死亡した場合,手術担当の医師に手技上のミスがあったとして,病院側の債務不履行責任が認められた事例

9(大阪高裁平19.3.30判決)
退任取締役に対して退職慰労金を支給しない旨の議案を株主総会に提出した取締役会の措置が退任取締役の人格権的利益を侵害した違法なものでその株式会社の退任取締役に対する不法行為に当たるとされた事例

[知的財産]
10(知財高裁平19.10.31判決)
1 商標の不使用取消審決が維持された事案において,輸出用商品に商標を付する行為は平成18年改正前の商標法の下における「登録商標の使用」(商標法50条1項)に該当しないとされた事例
2 商標の不使用取消審判の「請求の趣旨」における「指定商品の範囲」(特に,「類似する商品」との記載)の明確性について付言のされた事例

11(知財高裁平19.7.23決定)
特許無効審判において,請求項の削除を含む訂正を認めた上で,一部の請求項に係る特許を無効とし,一部の請求項に係る特許について請求不成立とした審決のうち,特許を無効とした部分を特許法181条2項の規定により取り消すに当たり,審決中の訂正を認めるとの部分の形式的確定や同法134条の2第4項の規定によるみなし取下げの範囲等が説示された事例

12(知財高裁平19.6.27判決)
商標不使用取消審判請求を棄却した審決に対する取消訴訟の判決理由中において,審判請求の「請求の趣旨」における「指定商品の範囲」の明確性について付言のされた事例
◆刑事裁判例
[特別刑法]
1(①大阪地裁平19.2.7判決)(②大阪地裁平19.9.13判決)
1 弁護士であり,衆議院議員でもある被告人Aに対する弁護士法違反(名義貸し罪),組織的犯罪処罰法違反(犯罪収益等収受罪)の各公訴事実につき,前者については,被告人Aの違法性の意識について検討を加えた上これを肯定し,被告人Aを有罪としたが,後者については,前提犯罪(非弁行為)の正犯者(共同正犯者)は犯罪収益等収受罪の主体とはならないことを前提に,被告人Aの非弁行為に対する加功の態様について実質的な検討を加え,被告人Aは前提犯罪(非弁行為)に共同正犯的に加功したものと認定して,犯罪収益等収受罪の適用を排斥し,被告人Aを無罪とした事例(①事件)
2 弁護士の資格を有しない被告人Bが,A名義で非弁行為を行ったという弁護士法違反と,それによって得られた犯罪収益である報酬を「A法律事務所A」名義の預金口座に入金して犯罪収益等の取得につき事実を仮装したという組織的犯罪処罰法違反の各公訴事実につき,前者については,当初の一定期間はAの指揮監督下にあったから非弁行為に当たらない旨の弁護人の主張を排斥して,非弁行為に当たるとし,後者については,犯罪収益等の帰属を仮装する行為及び取得の原因を仮装する行為に当たると判断して,被告人Bをいずれも有罪とした事例(②事件)



記事紹介

◆2007年度大阪地方裁判所第21・26民事部と大阪弁護士会知的財産委員会との協議会

◆大阪地裁における最近の知財訴訟について/山田知司

■続・元裁判官の書斎(2)
エンサイクロペディストとしての久米邦武(続)/倉田卓次

◆続・最近の裁判例から見た慰謝料額(下)/後藤 勇

■現代企業法研究会 企業間提携契約の法的諸問題3
サブ・フランチャイズ契約の制度設計,フランチャイズ契約の対第三者関係
――企業提携という観点から見た問題(序論)/奈良輝久

◆ブルドックソース事件最高裁決定と買収防衛策の制度設計に関する実務上の問題点の検討/阪口祐康

判例紹介(全19件)

◆特 報
[行政争訟法]
1(大阪地裁平20.2.14判決)
風俗営業所(ぱちんこ店)の周辺住民に営業所拡張変更承認処分の取消訴訟の原告適格を肯定した事例

◆速 報
[民 法]
1沖縄集団自決出版差止等訴訟第1審判決(大阪地裁平20.3.28判決)
太平洋戦争後期に沖縄の座間味島及び渡嘉敷島で発生した住民の集団自決に関し,自決命令を発したと記載された守備隊長若しくはその親族が,著者と出版社に対して名誉若しくは敬愛追慕の情を侵害されたとして求めた損害賠償請求及び著書の出版等差止めの請求等がいずれも棄却された事例

◆最高裁判例
[商 法]
1(最高裁第一小法廷平20.2.28判決)
保険契約に適用される約款に基づく履行期が合意によって延期されたと認められ,保険金請求権の消滅時効の起算点がその翌日となるとされた事例

[刑 法]
2三島女子短大生焼殺事件(最高裁第二小法廷平20.2.29判決)
被害者1名の殺人等の事案につき死刑の量刑が維持された事例

3(最高裁第一小法廷平20.2.18決定)
家庭裁判所から選任された未成年後見人が未成年被後見人所有の財物を横領した場合と刑法244条1項の準用の有無

[刑事訴訟法]
4(最高裁第一小法廷平20.2.20決定)
被殺者2名の強盗殺人等被告事件につき,多数意見では被告人2名を無期懲役に処した第1審判決を維持した控訴審判決を破棄しなければ著しく正義に反するとは認められないとされたが,1名の被告人について,2裁判官による量刑不当との反対意見が付された事例

◆行政裁判例
[国家補償法]
1(名古屋地裁平18.10.27判決)
1 検察官が,検察庁の庁舎内における被疑者と弁護人との面会接見を検察官執務室で実施した行為,及び,拘置所長が,同面会接見において担当刑務官をして被疑者に腰縄を使用させた行為はいずれも違法でないとした事例
2 検察官が,検察庁の庁舎内における被疑者と弁護人との面会接見に捜査担当検察官及びその立会検察事務官を立ち会わせた行為は違法であるとした事例

[租税法]
2(東京高裁平19.6.28判決)
贈与税につき贈与者の連帯納付義務を定めた相続税法34条4項は憲法29条・84条に違反しない

[地方自治法]
3(大阪高裁平19.10.30判決)
1 地方公共団体が談合を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権の行使を怠る事実が違法であると認定された事例
2 地方公共団体発注のごみ焼却施設建設工事の入札において,入札業者間に談合が存在したと認定された事例
3 談合による損害賠償額が民事訴訟法248条に基づき契約金額の6%と算定された事例

4(東京高裁平19.2.14判決)
知事等の海外出張旅費の支出について,住民が相当の注意力を持って調査を尽くせば,客観的にみて住民監査請求をするに足りる程度に財務会計上の行為の存在及び内容を知ることができたというべきであるとして,そのころから約2年9ヶ月後にされた監査請求が不適法とされた事例

◆民・商事裁判例
[民 法]
1プロ野球選手肖像権訴訟(東京地裁平18.8.1判決)
プロ野球選手と所属球団との間において,プロ野球ゲームソフト及びプロ野球カードにつき,球団が第三者に対して選手らの氏名及び肖像の使用許諾をする権限を有しないことの確認請求が棄却された事例

2(福岡高裁平19.6.19判決)
1 新聞販売店契約の更新拒絶に正当な理由がないとされた事例
2 新聞社の新聞販売店に対する同契約の更新拒絶や同契約の解約の働きかけが不法行為に当たるとして慰謝料等の支払が命じられた事例

3(大阪地裁平19.11.21判決)
クリプトコッカス髄膜炎に起因する視力障害により両眼失明に至った患者につき,診療を担当したメンタルヘルス科及び眼科の各医師が神経内科専門医へ転医させるなどの適切な措置を怠ったため両眼失明という重大な後遺症が残らなかった相当程度の可能性が侵害されたとして,医師の不法行為責任が肯定された事例

4(福岡高裁平19.5.29判決)
手術の際に使用された局所麻酔薬の量が過大であるなどの事情があるのに麻酔高の確認がなされた立証がなく,また,手術後に患者の安静を最重視しなかったことに過失があるとされた事例

5(東京地裁平18.11.22判決)
余命半年程度と予想された大腸癌患者に対し,いわゆるQOLの改善を目的として癌切除術を行ったものの,患者がカテーテル感染症から敗血症に陥り,寝たきりのまま約7か月後に死亡した事案につき,担当医師にカテーテル感染症への対処を怠った過失があり,適切な対処がされていれば,患者が現実の死亡時点になお生存していた高度の蓋然性が認められ,かつ,その間平穏な日常生活に復帰できたとして,慰謝料1200万円等の損害賠償が命じられた事例

[知的財産]
6(知財高裁平20.2.12判決)
1 2以上の請求項を対象とする訂正審判請求における訂正の許否の判断を請求項ごとにすべきものとされた事例
2 訂正審判請求に係る複数の請求項のうちの1つにつき訂正要件及び独立特許要件を認めたにもかかわらず,他の請求項が独立特許要件を欠くことを理由とした審判請求不成立の審決に対する取消訴訟において,訂正要件及び独立特許要件が認められた当該請求項に係る訂正の確定時期について判示した事例

7(知財高裁平19.12.28判決)
2以上の請求項を対象とする訂正審判請求における訂正の許否の判断について説示した事例

◆刑事裁判例
[刑 法]
1(水戸地裁平20.1.17判決)
前方注視義務違反,減速義務違反を過失とする業務上過失致死被告事件で,犯罪の証明がないとして無罪が言い渡された事例

2(静岡地裁平19.8.6判決)
被告人が被害者に対し,木製の鞘がついたままのくり小刀(ただし,被告人は,鞘が外れて刃が出ているものと誤って認識していた)で,その腹部を強く突き,さらに,鞘の外れた同くり小刀で被害者の顔面等を刺すなどしたが,被害者らに取り押さえられたために,その目的を遂げなかったという事例において,争点となった①殺意の有無,程度の争点について未必的殺意を認定し,②鞘付きのくり小刀で突いた行為は,不能犯でなく殺人の実行行為に当たると認定した事例

記事紹介

■研究会「事実認定と立証活動」12・完
民事事実認定の現在と展望/馬橋隆紀・須藤典明・村田 渉・加藤新太郎(司会)

■さいたま民事実務研究会
尋問について(2)/佐藤公美・櫻井 進・青山隆治・横山佳純

◆続・最近の裁判例から見た慰謝料額/後藤 勇

■判例展望民事法37
告知義務違反をめぐる裁判例と問題点/志村由貴

■山形地裁民事実務研究5
債権者代位権の行使と,その被代位債権に対する差押え・転付命令の優劣
大阪高判平18.12.13判時1984号39頁(第一審:京都地判平18.6.2判例集未登載)/南雲大輔

■現代企業法研究会 企業間提携契約の法的諸問題2
パートナリングによる企業間提携
――リスク分配からリスク共有へ/笠井 修

■世界の司法121―その実像を見つめて
イギリスにおける刑事訴訟手続上の過誤を是正する制度について
Criminal Cases Review Commissionの紹介/小川 暁

■世界の司法122
ドイツ刑事裁判における合意の実情/赤松亨太

■ブック・レビュー
木谷明編著『刑事事実認定の基本問題』/小林 充


判例紹介(全19件)

◆最高裁判例
[民 法]
1(最高裁第二小法廷平20.1.18判決)
1 第1の基本契約に基づく継続的な金銭の貸付けに対する利息制限法所定の制限を超える利息の弁済により発生した過払金を,その後に締結された第2の基本契約に基づく継続的な金銭の貸付けに係る債務に充当することの可否
2 第1の基本契約に基づく継続的な金銭の貸付けに対する利息制限法所定の制限を超える利息の弁済により発生した過払金を,その後に締結された第2の基本契約に基づく継続的な金銭の貸付けに係る債務に充当する旨の合意が存在すると解すべき場合

2(最高裁第一小法廷平20.1.24判決)
受遺者から民法1041条1項の規定による価額弁償の意思表示を受けた遺留分権利者が受遺者に対し価額弁償を請求する旨の意思表示をした場合において,当該遺留分権利者が遺贈の目的物について価額弁償請求権を確定的に取得する時期

◆行政裁判例
[行政法一般]
1(東京地裁平18.6.16判決)
市街地再開発組合が定めた権利変換計画により権利変換の効力が生じているとして,組合の組合員に対する土地の明渡請求などが認められた事例

[行政争訟法]
2西大阪延伸線工事施行認可取消訴訟(控訴審)(大阪高裁平19.10.25判決)
軌道新設についての国土交通大臣の鉄道施設工事施行認可に違法な点は認められないとされた事例

[国家補償法]
3(東京高裁平19.2.14判決)
教育委員会の職員が公立中学校の教員に関して作成された文書を都議会議員らに提供した行為により同教員のプライバシーを侵害する不法行為が成立するとされた事例

4(東京地裁平18.2.20判決)
逮捕直後に弁護人となろうとする者から被疑者との初回の接見の申出を受けた司法警察員が接見の日時を翌日に指定したことが国家賠償法1条1項にいう違法な行為に当たるとされた事例

[租税法]
5(東京地裁平19.8.23判決)
親族から土地の持分を買った者に対し,税務署長が,当該購入代金額は相続税法7条の規定する「著しく低い価額」の対価であるから時価との差額に相当する金額は贈与により取得したものとみなされるとして贈与税の課税処分をしたが,当該代金額は相続税評価額と同額で時価の約78%であるから「著しく低い価額」の対価には当たらないとして上記処分が取り消された事例

6(東京地裁平18.10.27判決)
1 入湯税の特別徴収義務者が入湯客から徴収する入湯税相当額と「課税資産の譲渡等の対価の額」(消費税法28条1項本文)
2 入湯税の特別徴収義務者が入湯客から徴収する入湯税相当額について,当事者の合理的意思を考慮すれば,その譲渡に係る当事者間で授受することとした取引価額と入湯税とを区別していたものと認められ「課税資産の譲渡等の対価の額」(消費税法28条1項本文)には含まれないとされた事例

[地方自治法]
7(東京高裁平19.3.28判決)
市職員を土地区画整理組合に派遣し,給与を支出したことが地方公務員法30条,35条,地方自治法204条の2,公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律2条,6条に違反しないとされた事例


[情報公開]
8(東京高裁平19.6.6判決)
学校用地の貸主,PTA活動への出席者及び講演会における講師の各氏名が個人情報に当たるとして非公開決定が維持された事例


◆労働裁判例
[個別的労働関係]
1(名古屋地裁平17.12.16判決)
高校教諭から事務職員への職務変更がなされたとは認められないとして,校務を分掌せずに給与カットしたなどの措置につき,高校教諭の地位にあることの確認と債務不履行に基づく損害賠償が認められた事例


[集団的労働関係]
2(東京高裁平19.10.4判決)
住友重機不当労働行為訴訟控訴審判決
都労働委員会の発した救済命令に対する労働者側の再審査申立てについて中央労働委員会の再審査命令が発された場合において会社側の原救済命令取消しの訴えの利益が失われないとされた事例


◆民・商事裁判例
[民 法]
1(東京高裁平18.5.23判決)
ゴルフ会員権を購入するための銀行融資契約について会員権売買契約がゴルフ場開設の遅延を理由に解除されたことを理由とする抗弁権の接続は認められないが,未払利息等の請求は信義則上許されないとされた事例

2(東京高裁平19.8.28判決)
ウェブサイトに送信した個人情報がホームページの制作・保守業務を受託した者の過失により流出したことについてホームページの開設者に使用者責任があるとされた事例

3(静岡地裁沼津支部平19.3.13判決)
「崩壊したごみリサイクル 御殿場RDF処理の実態」と題する書籍の著作・出版について前御殿場市長の名誉を毀損する不法行為が成立しないとされた事例

4(東京高裁平19.10.18判決)
脳動脈りゅうを有する患者にコイルそく栓術を実施したところ同患者が脳こうそくにより死亡した事故について医師に説明義務違反があるとされた事例

[民事訴訟法]
5(東京地裁平19.1.26判決)
1 本件年金基金は被告の他の財産から分離独立して管理運用され,運営のための組織を有しているとは認められず,権利能力なき財団としての要件を備えているものとは認められない
2 本件改定が行われた当時,被告が本件改定前の本件年金規則に基づく年金債務の履行を続けることが困難であり,あるいは困難な状況にあったとは認められず,受給権者において年金支給額を減額することを承諾していたと解することはできないから,本件改定は,これを承諾していない原告らに対しては効力を有しない

◆刑事裁判例
[刑 法]
1(東京地裁八王子支部平19.3.22判決)
酒気を帯びて運転をしていた被告人が,狭く湾曲したカーブを高速度で走り抜けようとしたところ,自車の制御を失って逸走し,付近を散歩していた夫妻のうち,妻をはねて死亡させたという危険運転致死罪等の事例につき,懲役6年の刑を言い渡した例

[刑事訴訟法]
2(大阪地裁平20.3.26決定)
犯罪捜査規範13条に基づき作成されたいわゆる取調べメモの開示を求めた主張関連証拠開示請求に対し,検察官が警察への照会結果に基づき「該当メモは存在しない」との回答を行ったという事案において,同規範13条に該当する取調べメモが存在するか否かについては特段の事情のない限り捜査官側の判断を尊重すべきであるが,捜査官側がそのような回答を行ったという事実は後日行われるであろう取調警察官の証言の信用性評価において考慮されるべきであるとして,弁護人の証拠開示裁定請求が棄却された事例



記事紹介

■民法判例レビュー 100・完

民法判例レビューの連載を終えるにあたって/野村豊弘

■今期の主な裁判例
契 約/沖野眞已
担 保/下村信江
不 動 産/池田恒男
民事責任/大塚 直

■今期の裁判例
家 族/水野貴浩

■判例評釈
担 保 形式競売と法定地上権の成否
福岡高判平19.3.27判タ1250号335頁/下村信江

不 動 産 地域的公序の端緒としての互有関係
近隣者の共用私道と相隣地をめぐる積年の生活妨害紛争の法的解決手段としての全面的価格賠償方式による共有物分割を認めなかった事例
福岡高判平19.1.25判タ1246号186頁/池田恒男

家 族 相続債務と遺留分の関係
福岡高判平19.6.21金法1815号52頁/本山 敦


判例紹介 全15件

◆行政裁判例
[国家補償法]
1大和都市管財国家賠償請求訴訟第一審判決(大阪地裁平19.6.6判決)
財務局長が抵当証券業の規制等に関する法律8条1項に基づいてした抵当証券業者に対する更新登録が,同法6条所定の登録拒否事由の存在を看過してされたものであり,その更新登録拒否に係る権限の不行使が具体的事情の下で著しく不合理であったとして,国が,当該抵当証券業者から上記更新後に抵当証券を新規資金によって購入し,当該抵当証券業者がその後に営業を停止したことによって損害を被った者に対して,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負うものとされた事例

2(東京高裁平19.1.31判決)
口頭による学校施設使用許可申請に対する校長の文書による回答が裁量権を逸脱した不許可処分であるとして都の損害賠償責任が認められた事例

[地方自治法]
3(大阪高裁平19.9.28判決)
平成14年法律第4号による改正前の地方自治法242条の2第1項4号の訴訟において一部勝訴した住民らが,同法242条の2第7項に基づき,当該地方公共団体に対し,弁護士に支払うべき報酬の支払を求めた事案において,報酬額算定の基礎となる「経済的利益」を「算定不能」として報酬額を認定した事例

[情報公開]
4(東京地裁平19.9.20判決)
国会議員が訪米した際に行われた会食に関する支出証拠等の開示を求める請求に対し,外務大臣が,情報公開法8条に基づき,対象文書の存否を明らかにしないで不開示としたことが違法とされた事例


◆民・商事裁判例
[民 法]
1(大阪高裁平19.9.11判決)
共有会員制リゾートクラブに属する共有制リゾートホテル(36戸の共同住宅からなる1個の区分建物を360分の1の共有持分に分けて分譲し,分譲会社の100%子会社が共有者全員から管理委託を受けて運営するもの)の分譲契約において,分譲を受けた共有者が共有持分を譲渡するには,管理委託契約等に基づく地位と一体で譲渡しなければならず,かつ,事前に分譲会社又は管理会社の書面による承諾を得なければならないと定められている場合に,共有者から持分売却の一般媒介契約を受任し,無償でも契約関係を解消したいとの希望を受けた分譲会社は,これに誠実に対応すべき信義則上の義務を負うとして,その義務を果たさない間に生じた管理費等の支払を管理会社が共有者に請求することが権利の濫用とされた事例

2(東京地裁平19.10.3判決)
マンションの階上の住戸からの子供が廊下を走ったり,跳んだり跳ねたりする音が階下の住戸に居住する住民が社会生活上受忍すべき限度を超えるとして上記住民の上記子供の父親に対する損害賠償請求が認容された事例

3(大阪高裁平19.2.20判決)
1 裁判所の文書送付嘱託に応じて文書を送付することは,個人情報の保護に関する法律23条1項1号の「法令に基づく場合」に当たり,個人データの第三者への提供が同項により制限されることはないとされた事例
2 交通事故の被害者が加害者を相手方として申し立てた民事調停において裁判所が診療録の文書送付嘱託をした場合には,調停の申立人である患者の同意を得ないで医師が診療録を送付しても,正当行為として違法性を阻却され,患者のプライバシーを侵害する不法行為にはならないとされた事例

4(仙台地裁平19.9.26判決)
大学入試センター試験の試験日直前に交通事故に遭った高校3年生について,センター試験の受験機会を逸したことに慰謝料を認めた事例

5(大阪地裁平19.10.31判決)
脳室周囲白質軟化症(PVL)に起因する脳性麻痺による運動障害を発症した新生児につき医師が事前にPVLに罹患していることを認識しながら両親に対し病名等の報告・説明を行わなかった場合において,医師に報告・説明義務違反があるとして慰謝料請求が認められた事例

[知的財産]
6(知財高裁平19.6.20決定)
特許無効審判において,訂正を認めた上で,一部の請求項に係る特許を無効とし,一部の請求項に係る特許について請求不成立とした審決のうち,特許を無効とした部分を特許法181条2項の規定により取り消すに当たり,審決中の訂正を認めるとの部分の確定や同法134条の2第4項の規定によるみなし取下げの範囲等が説示された事例

[諸 法]
7(東京地裁平19.10.1判決)
有価証券報告書に虚偽記載があることが発覚し保有していた株式の株価が下落したことにより損害を被ったとして株式を保有する株主から有価証券報告書を提出した代表取締役に提起された損害賠償請求が棄却された事例

[民事訴訟法]
8(東京地裁平19.7.11判決)
被告が当事者能力の欠缺を理由に訴えの却下を求めている場合において,訴えの取下げについての被告の同意が不要とされた事例

9(福岡高裁平19.4.17判決)
一方当事者への参加の取下げにより片面的独立当事者参加の様相を呈するようになった訴訟において,一方当事者のみが控訴した場合に,控訴しなかった当事者の請求も移審するか(積極)

[民事執行法]
10(京都地裁平19.9.25判決)
刑事事件の被告人の親族が,弁護人に対し,保釈保証金相当額の金員を預託したとの事実を認定し,その預託金返還請求権を差し押さえた差押債権者の取立請求を認容した事例

[倒産処理法]
11(東京高裁平19.7.9決定)
民事再生手続開始の申立てをした債務者会社が,粉飾決算をし,裁判所から求められた資料をすべて提出せず,また,再生手続開始に反対する債権者を債権者名簿に記載しなかったとしても,再生手続の開始を否定する事由があるとはいえないとされた事例


記事紹介

■現代企業法研究会 企業間提携契約の法的諸問題1
大規模小売業者・納入業者間の売上仕入契約
―百貨店の事例を素材として―/岡野純司

◆「進行管理メモ」の活用と実践例
東京地方裁判所民事第50部単独い係における書記官事務の新しい流れ/新部正則・寺澤夏子・菅野雅之

■さいたま民事実務研究会
尋問について(1)/佐藤公美・櫻井 進・青山隆治・横山佳純

◆取調べの適正化;とりわけ電子録音・録画=いわゆる可視化について
犯行・非行の予防と減少の観点を忘れてはならない/渥美東洋

■ブック・レビュー
佐上善和著『家事審判法』/梶村太市

■ブック・レビュー
加藤新太郎=岡田ヒロミ=鳥居喜美子編『賢い消費者になるための法』/四ッ谷有喜

判例紹介(全22件)

◆最高裁判例
[商 法]
1(最高裁第二小法廷平20.1.28判決)
商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間

2(最高裁第二小法廷平20.1.28判決)
A銀行が,B社に対して有する無担保債権につきB社から担保を提供する条件として追加融資を求められ,これを実行した場合において,追加融資を決定した取締役らに忠実義務,善管注意義務違反があるとされた事例

3(最高裁第二小法廷平20.1.28判決)
1 銀行が,第三者割当増資を計画する企業から新株引受先として予定された当該企業の関連会社に対する引受代金相当額の融資を求められ,これを実行した場合において,融資を決定した取締役らに忠実義務,善管注意義務違反があるとされた事例
2 銀行が,積極的な融資の対象であったが大幅な債務超過となって破たんに直面した企業に対し,同企業を数か月延命させる目的で追加融資を実行した場合において,追加融資を決定した取締役らに忠実義務,善管注意義務違反があるとされた事例

[知的財産]
4(最高裁第三小法廷平19.12.18判決)
昭和28年に団体の著作名義をもって公表された独創性を有する映画の著作物の著作権の存続期間

[諸 法]
5(①最高裁第三小法廷平19.12.4決定)(②最高裁第三小法廷平19.12.4決定)
1 賃借権の目的である土地と他の土地とにまたがって建築されている建物について,借地権設定者が,借地借家法20条2項,19条3項に基づき,自ら当該建物及び賃借権の譲渡を受ける旨の申立てをすることの許否(①事件)
2 賃借権の目的である土地と他の土地とにまたがって建築されている建物について,借地権設定者が,借地借家法19条3項に基づき,自ら当該建物及び賃借権の譲渡を受ける旨の申立てをすることの許否(②事件)

◆行政裁判例
[行政法一般]
1(東京地裁平18.11.17判決)
1 ミャンマー人の男性について反政府活動をしていたことを理由に難民に該当するとされた事例
2 難民であることを看過してされた退去強制令書発付処分が無効であるとされた事例

2(東京地裁平18.6.13判決)
1 アフガニスタン国籍を有する原告が難民の地位に関する条約の適用を受ける難民に該当するとして,原告に対する難民の認定をしない処分が取り消された事例
2 アフガニスタン国籍を有する原告に対して法務大臣がした出入国管理及び難民認定法49条1項に基づく異議の申立は理由がない旨の裁決につき,原告が難民の認定をしない処分時に難民に該当しており,難民の認定を受けるべきであったことを考慮しなかったことに裁量の範囲を逸脱する違法があり,これを前提として主任審査官がした退去強制令書発付処分も違法であるとされた事例

3(横浜地裁平18.5.22判決)
1 条例により市立保育所を廃止した措置が裁量権の逸脱,濫用であり違法とされたが,行政事件訴訟法31条1項を適用して廃止の取消請求は棄却された事例
2 民営化を前提とする市立保育所の廃止が違法であるとして,入所児童の保護者らからの国家賠償請求が一部認容された事例

[租税法]
4(福岡地裁平20.1.29判決)
建物譲渡による損失について損益通算を廃止した租税法規の遡及適用を違憲とした事例

[地方自治法]
5(大阪地裁平19.11.22判決)
1 訴えの変更により追加された訴え(住民訴訟)が,当初の訴え提起の時に提起されたものと同視し,出訴期間(地方自治法242条の2第2項2号)の遵守に欠けるところがないと解すべき特段の事情がないため,不適法であるとされた事例
2 公金の支出が給与条例主義,地方公務員法42条等に反して違法であることによって発生する不当利得返還請求権等の不行使をもって怠る事実とする住民監査請求が,いわゆる不真正怠る事実として,監査請求期間の制限(地方自治法242条2項本文)に服するとされた事例
3 監査請求期間の経過に正当な理由(地方自治法242条2項ただし書)があるとされた事例
4 地方公共団体が互助会に厚生制度(地方公務員法42条)の実施を委託し,その費用を支出したことにつき,退会給付の原資とすることを目的とする部分が給与条例主義を潜脱するものとして違法であるが,その余は適切,公正な範囲を超えるものではないから,適法であるとされた事例

[情報公開]
6(大阪地裁平19.6.29判決)
校長が自己の人事評価等のために作成し,学校経営のビジョン,当該年度の学校教育目標等,学校長としての目標及びその達成状況等が記録されている公文書(「自己申告票」)その他の人事管理に係る公文書について,これらの公文書に記録された情報が,大阪市情報公開条例7条5号エに規定する非公開情報(人事管理に係る事務に関する情報であって,公にすることにより,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがある情報)等に該当するとしてされた非公開決定が適法とされた事例

◆労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京地裁平20.1.28判決)
ハンバーガーの販売等を業とし,多数の直営店を展開している株式会社の店長である原告が管理監督者に該当するか否かが争われた事例

◆民・商事裁判例
[民 法]
1高島屋賃料改定訴訟(東京地裁平18.3.24判決)
1 いわゆる「不動産変換ローン方式」の一環として締結された百貨店の店舗用建物の賃貸借に係る契約が,賃貸借契約であるとして,当該契約について借地借家法32条1項の適用が肯定された事例
2 百貨店の店舗用建物の賃貸借契約を締結するに当たり,賃借人から賃貸人に対して敷金とともに保証金が預託されている場合において,当該保証金の運用益は,当該建物の実質賃料に含まれるとされた事例
3 百貨店の店舗用建物の継続賃料について,裁判所の選任した不動産鑑定士による鑑定結果に一部修正を加えて再計算した金額が,適正賃料であるとされた事例

2(横浜地裁平19.6.28判決)
多摩川の堤防の草刈作業に従事していたアルバイト作業員が,他の作業員の刈払機が飛散させた石様の異物が左眼に当たって失明した事故について,派遣先の下請会社及び元請会社の安全配慮義務違反による損害賠償請求が認められた事例

3(東京地裁平19.2.8判決)
被告の経営するエステティックサロンに関するアンケート等の回答に基づき集積され,インターネット上に保管されていた原告らの個人情報が第三者に流出したことにつき,ウェブサイトの制作保守業務を行っていたインターネット業者には個人情報保護のために安全対策を講ずべき注意義務を怠った過失があり,それによって原告らのプライバシーが侵害され,ウェブサイトの制作保守業務を委託した被告は使用者責任を負うとして,原告らの不法行為に基づく損害賠償請求を一部認容した事例

4(大阪地裁平20.1.30判決)
分娩時の低酸素症が認められた女児に脳性麻痺が生じたことについて,その原因は不明であり,担当医師に気管内挿管が遅れた過失は認められないとして,損害賠償請求が棄却された事例

5(大阪地裁平19.9.19判決)
1 医師が末梢血幹細胞移植のドナーになる者に対して同細胞の採取等に関するガイドラインの内容に沿った説明等をしなかった点に説明義務違反があるとされた事例
2 ガイドラインを作成している学会について,医療機関がガイドラインを遵守しているかどうかを監視する義務が否定された事例

6(大阪高裁平18.10.26判決)
日本在住の韓国人が,検察官を相手に,父が死亡したことを知った日から1年経過後,亡父との間に親子関係が存在する旨の確認を求める訴を提起したところ,韓国民法865条2項の規定(親子関係の確認を求める訴については,当事者の一方が死亡したときは,その死亡を知った日から1年内に検察官を相手方として訴を提起することができる旨の規定)にもかかわらず,その訴えは適法であると判断された事例

[商 法]
7(東京地裁平19.6.13判決)
会社法305条1項にいう「議案の要領」とは,株主総会の議題に関し,当該株主が提案する解決案の基本的内容について,会社及び一般株主が理解できる程度の記載をいうとされた事例

[知的財産]
8(東京地裁平18.12.22判決)
Xが有する「LOVEBERRY」の文字からなる登録商標と,Yがその販売するTシャツなどに付した「オシャレ魔女ラブandベリー」,「LOVE&BERRY」,「LOVE★BERRY」などの文字・記号からなるY標章について,その一部の類似性及び商標的使用該当性を認め,その使用差止め及び損害賠償請求を一部認容した事例

◆刑事裁判例
[刑 法]
1(東京高裁平19.5.29判決)
無罪の公訴事実に係る未決勾留日数のうち勾留されていない有罪の公訴事実の本刑に算入し得る日数

記事紹介

◆いわゆる特定C型肝炎被害者救済法の概要
民事法の観点から見た給付金支給制度についての解説/林 史高

◆医療観察法施行後2年の処遇事件の処理状況について/下村義之・吉田大輔・坪井隆人

◆心神喪失者等医療観察法施行後2年の現状と課題について/三好幹夫

◆大阪地方裁判所における「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」(以下「医療観察法」という。)施行後の事件処理状況/並木正男・西田眞基

■研究会「事実認定と立証活動」11
適正な事実認定をするための方策
情報の歪みと是正/馬橋隆紀・須藤典明・村田 渉・加藤新太郎(司会)

◆民事訴訟法10年
その成果と課題/山本和彦

■関西家事事件研究会報告29
特別受益を考える
最二小決平16.10.29の影響/渡邊雅道

■実践 刑事弁護:裁判員にわかりやすい弁護のために7
説得の心理学/藤田政博

■世界の司法119――その実像を見つめて
ドイツにおける公訴参加の実情/財賀理行

■世界の司法120――その実像を見つめて
陪審の役割に対する信念と敬意
カナダにおける「陪審による法の無視」の理論を巡って/南 宏幸

判例紹介(全20件)

◆特 報
[行政法一般]
1いわゆる混合診療事件第一審判決(東京地裁平19.11.7判決)
1 健康保険法63条1項の「療養の給付」の意義
2 公法上の法律関係に関する確認の訴え(行政事件訴訟法4条)として,被保険者は,健康保険法上,保険者に対し,インターフェロン療法(保険診療)に活性化自己リンパ球移入療法(自由診療)を併用する混合診療を受けた場合であっても,上記保険診療については,同法63条1項の「療養の給付」を受ける権利を有することを確認した事例

◆最高裁判例
[行政法一般]
1(最高裁平19.12.13第一小法廷判決)
郵政事務官として採用された者が,禁錮以上の刑に処せられたという失職事由が発生した後も約26年11か月にわたり事実上勤務を継続した場合に,国(旧日本郵政公社,郵便事業株式会社が逐次その地位を承継)において上記の者が国家公務員法76条,38条2号に基づき失職した旨を主張することが,信義則に反し権利の濫用に当たるということはできないとされた事例

[行政争訟法]
2(最高裁平19.12.18第三小法廷決定)
弁護士に対する業務停止3月の懲戒処分によって生ずる社会的信用の低下,業務上の信頼関係の毀損等の損害が,行政事件訴訟法25条2項にいう「重大な損害」に当たるとされた事例

[地方自治法]
3(最高裁平20.1.18第二小法廷判決)
普通地方公共団体が,土地開発公社との間で締結した土地の先行取得の委託契約に基づく義務の履行として,当該土地開発公社が取得した当該土地を買い取る売買契約を締結することが違法となる場合

[個別的労働関係]
4(最高裁平19.12.18第三小法廷判決)
学校法人の理事会が,人事院勧告に準拠して給与規程を改定し,教職員の月例給を引き下げることを決定した上,12月期の期末勤勉手当につき,改定後の給与規程に基づいて算定した額からその年の4月分から11月分までの給与の減額分を控除するなどの調整をしてその支給額を定めた場合において,上記調整をする旨の決定がその効力を否定されることはないとされた事例

[民事訴訟法]
5(最高裁平19.12.12第二小法廷決定)
1 被疑者の勾留請求の資料とされた告訴状及び被害者の供述調書が民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当するとされた事例
2 被疑者の勾留請求の資料とされた告訴状及び被害者の供述調書が民訴法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当するとして文書提出命令が申し立てられた場合に,刑訴法47条に基づきその提出を拒否した上記各文書の所持者である国の判断が,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとされた事例

6(最高裁平19.12.4第三小法廷決定)
訴訟上の救助の決定を受けた者の全部敗訴が確定し,かつ,その者に訴訟費用を全部負担させる旨の裁判が確定した場合において,裁判所が同決定を民訴法84条の規定に従って取り消すことなく同決定を受けた者に対し猶予した費用の支払を命ずることの許否

◆行政裁判例
[行政争訟法]
1(大阪地裁平19.8.10判決)
自動車等の運転に関し道路交通法若しくは同法に基づく命令の規定又は同法の規定に基づく処分に違反する行為で道路交通法施行令別表第二の一の表の上欄に掲げるものに対し,公安委員会が同法施行令別表第二に定めるところにより付した点数(累積点数)が一定以下であることの確認を求める利益が認められないとされた事例

[国家補償法]
2(東京高裁平18.4.26判決)
拘置所収監中に結核性頸部リンパ節炎を発症した刑事被告人に対する治療について医師の注意義務違反が認められた事例

[情報公開]
3(大阪地裁平19.8.30判決)
政治資金規正法改正(平成18年法律第113号)により収支報告書の要旨公表前には収支報告書の開示決定をしないと規定されたことが,原告らの憲法上の「知る権利」を侵害するとはいえないとされた事例

◆労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京地裁平19.5.24判決)
長期にわたる海外出張中にうつ病を発症し,自殺したことにつき業務起因性が認められた事例

◆民・商事裁判例
[民 法]
1(東京地裁平19.5.29判決)
統一協会の信者などによる献金等の勧誘行為について,宗教的行為であっても一定の場合不法行為となりうるとしたうえで,不法行為であると認定されたものについて統一協会に民法715条に基づく不法行為責任を認めた事例

2(名古屋地裁平19.4.26判決)
ヘルペス脳炎を発症していた患者を診察した医師において,十分な問診・鑑別診断をしなかった過失があり,これによりヘルペス脳炎の発見が遅れたため患者に高次脳機能障害の後遺症が残ったとされた事例

3(東京地裁平19.12.3判決)
包括遺贈の遺言執行者等が法定相続人に対して相続財産目録を交付せず,事前に通知をしないまま遺産の不動産を処分したことなどが違法であるとして,法定相続人から遺言執行者等に対する損害賠償請求が認容された事例

[商 法]
4拓銀カブトデコム融資訴訟控訴審判決(札幌高裁平17.3.25判決)
銀行の建設会社に対する融資が回収不能となったことにつき担当取締役らの注意義務違反が一部につき認められ,残部につき否定された事例

5(東京地裁平19.9.26判決)
株式持合いの合意に基づいて,株式を売却した売主が,当該株式について上場廃止原因があることを買主に対して説明しなかったことが,条理上の説明義務に違反し,不法行為に当たるとし,買主の購入代金相当額が損害として認定された事例

6(福岡高裁平19.2.13判決)
1 火災保険金の請求に対して,放火ではないとして保険金の支払を命じた事例
2 火災保険の対象となる損害について個別に判断された事例

[知的財産]
7(知財高裁平19.8.8判決)
米国メージャーリーグベースボール(メジャーリーグ)所属の球団「シカゴ・カブス」のロゴと同一形状の商標(本願商標)と,「UBS」の欧文字をその構成中に含む引用商標とは称呼の点で類似しないとして,本願商標が商標法4条1項11号に該当するとした審決が取り消された事例

◆刑事裁判例
[刑 法]
1(名古屋高裁平19.8.9判決)
不正なロムにすり替える意図でパチスロ遊技機の正規ロムを取り外して持ち去った行為について不法領得の意思が認められないとして,強盗致傷罪(事後強盗)の成立を否定した事例

2(大津地裁平20.1.17判決)
電車内の座席やトイレで乗客の女性を強姦するなど強姦3件,傷害1件の犯行に及んだ被告人に対し,懲役18年の刑が言い渡された事例
■人身賠償・補償研究89
定期金賠償/中園浩一郎

◆医師の説明義務/土井文美

◆司法改革期における少年法に関する若干の考察(その3)
少年抗告事件における「処分の著しい不当」/植村立郎

■実践 刑事弁護:裁判員にわかりやすい弁護のために6
裁判員の目線にたった最終弁論/大河原眞美


判例紹介(全15件)

◆特 報
[刑事訴訟法]
1(最高裁第三小法廷平19.12.25決定)
1 刑訴法316条の26第1項の証拠開示命令の対象となる証拠は,検察官が現に保管している証拠に限られるか
2 取調警察官が犯罪捜査規範13条に基づき作成した備忘録は,刑訴法316条の26第1項の証拠開示命令の対象となり得るか

◆速 報
[行政法一般]
1(千葉地裁平19.8.21判決)
1 産業廃棄物の管理型最終処分場の設置許可の取消訴訟と周辺住民の原告適格
2 産業廃棄物の管理型最終処分場の設置許可における経理的基礎の要件と行訴法10条1項の自己の法律上の利益に関係する違法
3 県知事が事業者に対してした産業廃棄物の管理型最終処分場の設置許可につき周辺住民が提起した取消訴訟において,周辺住民が生命,身体等に係る重大な被害を直接に受けるおそれがある災害等が想定される程度に事業者の経理的基礎を欠く違法があるとして,上記許可が取り消された事例

◆最高裁判例
[民事訴訟法]
1(最高裁第三小法廷平19.12.11決定)
1 金融機関が民事訴訟において訴訟外の第三者として開示を求められた顧客情報について,当該顧客自身が当該民事訴訟の当事者として開示義務を負う場合に,同情報は,民訴法197条1項3号にいう職業の秘密として保護されるか
2 金融機関と顧客との取引履歴が記載された明細表が,民訴法197条1項3号にいう職業の秘密として保護されるべき情報が記載された文書とはいえないとして,同法220条4号ハ所定の文書に該当しないとされた事例

[刑事訴訟法]
2(最高裁第一小法廷平19.12.17決定)
最高裁において訴訟終了宣言がなされた事例

◆行政裁判例
[国家補償法]
1(東京高裁平19.2.27判決)
警察署の接見室で被疑者が自殺したことにつき留置係員の過失,接見室の設置又は管理の瑕疵がいずれもないとされた事例

2愛知県給与抑制条例訴訟第一審判決(名古屋地裁平17.1.26判決)
県職員の給与を抑制する条例を制定したことにつき国家賠償法上の違法性及び無効事由がないとされた事例

[情報公開]
3(大阪地裁平19.6.29判決)
建築基準法77条の30の規定に基づく監督命令に従い指定確認検査機関が国土交通大臣に提出した報告書に記録された情報のうち確認検査員の資格を有しない補助員により建築基準法違反の検査が行われた物件について実施された追加検査の対象物件及び対象外物件等に係る顧客の氏名,物件の名称,住所,補正検査員の氏名,補正の日付及び合否等に関する情報その他一部の情報が行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成15年法律第61号による改正前のもの)5条2号イ,6号柱書にいう不開示情報に該当しないとされた事例

◆労働裁判例
[集団的労働関係]
1(さいたま地裁平19.7.13判決)
市町村合併に際し,自治体間の職員の処遇の均衡のため,従前地方公務員法52条3項ただし書きの「管理職員等」に該当しなかった課長補佐相当職の職員を,「管理職員等」に該当することとした公平委員会規則の制定に,公平委員の過失があるとして,「管理職員等」に該当することになった多数の組合員が原告職員団体の組合員資格を喪失したことにつき,団結権侵害を認めた事例

◆民・商事裁判例
[民 法]
1(新潟地裁平19.9.28判決)
乙の甲に対する債権譲渡が詐害行為に当たるとしてその取消しを求める丙の請求のうち,取消しそれ自体を求める部分は認容したが,甲に対して乙に対する取消し通知を求める部分を棄却したうえ,同訴訟が併合された甲の乙に対する当該債権の履行を求める請求を乙の相殺の抗弁を認めて一部認容した事例

2(東京地裁平19.6.25判決)
週刊誌に掲載された芸能人とその元配偶者の婚姻生活に関する週刊誌の記事,新聞紙上の広告,車内中吊り広告について元配偶者に対する名誉毀損の成立を認め,出版社及びその編集人に対し,損害賠償の支払と謝罪広告の掲載を命じた事例

3(仙台高裁秋田支部平18.5.31判決)
1 職場の健康診断における血液検査のため臨床検査技師が採血した際に前腕内側皮神経及び正中神経が損傷され,RSD(反射性交感神経性ジストロフィー)又はカウザルギーが発症したとして,同技師の手技上の過失が認められた事例
2 RSD又はカウザルギーの症状の悪化・長期化に被害者の個人的要因の寄与が認められ,損害額の3割を減額するのが相当であるとされた事例

4(大阪高裁平19.9.20決定)
後見人が自己の直系卑属である未成年者被後見人を養子とするため民法794条の許可申立てをした場合における裁判所の審査すべき範囲

[商 法]
5(東京地裁平19.9.27判決)
株式移転により完全親会社の株主となった者は,完全子会社の取締役等役員の責任を株主代表訴訟で追及することができないとされた事例

6(東京地裁平18.10.12判決)
トンネル壁面への衝突事故を起こして死亡した自動車運転者の遺族からの自動車保険に係る車内人身傷害補償金及び搭乗者傷害保険金並びに交通事故傷害保険に係る死亡保険金の請求が,運転者の死亡が自殺によるものでないとして,認容された事例

◆刑事裁判例
[特別刑法]
1(東京高裁平19.8.29判決)
いわゆる個室ビデオ店が,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律2条6項3号,同法施行令2条1号の定める「専ら,性的好奇心をそそるため衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる興行の用に供する興行場」に当たるとされた事例
◆東京地裁及び大阪地裁における平成19年改正
DV防止法に基づく保護命令手続の運用/石橋俊一・川畑正文

■特集・M&Aをめぐる紛争と法規制の現状及び課題
[裁判例編]
1 ブルドックソース事件/奈良輝久
2 ニレコ事件/琴浦 諒
3 ニッポン放送事件/奈良輝久・石井 亮
4 夢真ホールディングス対日本技術開発事件/琴浦 諒
5 アルコ事件/若松 亮
6 住友信託 vs. UFJ事件/清水建成
[紛争事例編]
7 村上ファンドによる阪神電鉄買収事件/石井 亮
8 王子製紙対北越製紙/日下部真治
[理論編]
9 有事における買収防衛策の概要と問題点/清水建成
10 公開買付(TOB)規制の改正と今後の課題(案)/奈良輝久
11 MBO(マネージメント・バイアウト)における利益相反性の回避又は軽減措置/十市 崇

■関西家事事件研究会報告28
認知制度は誰のためにあるのか
婚外父子関係発生法理の再検討/二宮周平

■実践 刑事弁護:裁判員にわかりやすい弁護のために5
証人尋問/髙野 隆

■世界の司法117――その実像を見つめて
米国連邦巡回区控訴裁判所
その現状と今後/森川さつき

■世界の司法118――その実像を見つめて
州地方裁判所におけるスケジュール命令の一例/片瀬 亮


判例紹介(全16件)

◆特 報
[特別刑法]
1旧日本道路公団理事の談合等事件東京高裁判決(東京高裁平19.12.7判決)
1 旧日本道路公団の理事が,同公団の発注する鋼橋上部工工事に係る入札談合について,独占禁止法の定める不当な取引制限の罪の身分なき共謀共同正犯の責任を負うとされた事例
2 旧日本道路公団の理事が,当初は一括発注が予定されていた鋼橋上部工工事について,担当者らに同工事を2分割して発注するように指示し,その一部につき工事請負契約を締結させたことが背任罪に当たるとされた事例
3 旧日本道路公団発注の鋼橋上部工工事について,分割後の第2工事が未だ発注されていなくても,第1工事の請負契約が締結された時点における両工事の予定価格の増大分が,一括発注に代えて分割発注をしたことによる背任罪の損害額に当たるとされた事例

◆速 報
[行政争訟法]
1(岡山地裁平19.10.15決定)
地方公共団体の設置する公の施設について,指定管理者に対し,行政事件訴訟法37条の5に基づき,施設の使用の許可を仮に義務付けた事例

◆最高裁判例
[行政法一般]
1(最高裁第二小法廷平19.12.7判決)
1 海岸法37条の4の規定に基づく占用の許可の申請があった場合において,当該占用が一般公共海岸区域の用途又は目的を妨げないときに,占用の許可をしないことの可否
2 採石業等を目的とする会社が,岩石の採取計画の認可を受けた採石場に近接する一般公共海岸区域に岩石搬出用の桟橋を設けるため,海岸法37条の4の規定に基づいて上記一般公共海岸区域の占用の許可の申請をした場合において,上記占用の許可をしない旨の処分が裁量権の範囲を超え又はその濫用があったものとして違法となるとされた事例

[行政争訟法]
2既存医師原告適格事件(最高裁第二小法廷平19.10.19判決)
医療法(平成18年法律第84号による改正前のもの)7条に基づく病院の開設許可の取消訴訟と同病院の開設地の付近において医療施設を開設し医療行為をする医療法人等の原告適格

[刑 法]
3(最高裁第三小法廷平19.11.13決定)
刑法105条の2にいう「威迫」の方法

[刑事訴訟法]
4(最高裁第三小法廷平19.12.13決定)
第1審裁判所で犯罪の証明がないとして無罪判決を受けた被告人を控訴裁判所が勾留する場合と刑訴法60条1項にいう「被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」の有無の判断

◆行政裁判例
[行政法一般]
1(名古屋地裁平18.3.23判決)
1 入管法61条の2第2項の60日ルールは不合理ではなく原告には期間経過についてのやむを得ない事情も認められないとして難民不認定処分の無効確認請求を棄却した事例
2 法務大臣による入管法49条1項の異議申出には理由がない旨の裁決には,難民該当性の判断について裁量権の著しい逸脱又は濫用があり,明白かつ重大な違法性があるとして無効とされた事例

[国家補償法]
2(東京地裁平18.10.25判決)
相続税の物納申請に対する許可が遅延したことにつき,その審査を担当した税務署職員に職務上の法的義務違反が認められた事例

◆労働裁判例
[個別的労働関係]
1(広島高裁平19.9.4判決)
1 時間外手当請求権が労基法115条によって時効消滅した後においても,使用者側の不法行為を理由として未払時間外勤務手当相当損害金の請求が認められた事例
2 使用者が口頭弁論終結時点までに未払時間外勤務手当全額を支払った場合には,裁判所は,労基法114条の付加金の支払を命ずることができない

◆民・商事裁判例
[民 法]
1(東京地裁平18.10.3判決)
宗教法人の信者らによる献金・商品購入の勧誘行為について,当該宗教法人に使用者責任があるとされた事例
2(東京地裁平18.9.20判決)
子宮筋腫核出術を行った際に患者の体内に誤ってガーゼが遺留されたことにより,患者に卵巣嚢腫が発生し卵管閉塞及び子宮外の癒着が生じたため,自然妊娠及び人工授精は不能となり,体外受精も適応のない状態となったにもかかわらず,医師も患者もこれに気付かないまま約3年間にわたり人工授精及び体外受精を多数回行ったとして,ガーゼ摘出の費用に加えて無益な人工授精等に要した費用及びこれに伴う精神的損害等の損害賠償請求が認容された事例

[知的財産]
3(大阪高裁平19.10.25判決)
和菓子の標章に用いられた「元祖」の表示が,品質誤認行為や虚偽事実告知による営業誹謗行為にあたるとしてその使用差止め等を求めた請求が棄却された事例
4(大阪地裁平19.3.22判決)
1 「大阪」「みたらし」が含まれる2つの商標が類似しないとされた事例
2 醤油だれを餅生地で包んだ和菓子(逆バージョンのみたらし団子)について,形態が商品等表示に当たらないとされた事例
3 「元祖」の表示が品質誤認表示行為,営業誹謗行為のいずれにも当たらないとされた事例
5氷見うどん事件控訴審判決(名古屋高裁金沢支部平19.10.24判決)
富山県氷見市において製造されていないうどんについて「氷見うどん」等の表示を付するなどして販売した業者に対し,同販売行為が不正競争防止法2条1項13号所定の原産地誤認惹起行為に当たるとして,損害賠償が命じられたが,その損害額の算定に際して,上記業者の周知性の寄与度が考慮された事例

[民事執行法]
6(福岡高裁平17.6.1判決)
間接強制決定の基礎となった和解条項の債務名義性を否定して同決定に係る執行文付与の請求を棄却した第一審判決が控訴審で取り消された事例

◆刑事裁判例
[特別刑法]
1(東京高裁平19.12.21決定)
1 強盗致傷は,心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律2条2項の対象行為に当たるか
2 対象者が心神喪失の状態に当たる妄想型統合失調症による幻覚妄想状態の中で幻聴,妄想等に基づいて行った行為が対象行為に該当するかどうかを判断する際の対象者の認識や意図の認定方法
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