判例タイムズ

判例タイムズ 発売日・バックナンバー

全1553件中 271 〜 285 件を表示
記事紹介

◆裁判員が関与する公判審理の在り方/東京地方裁判所公判審理手続検討委員会
同裁判員模擬裁判企画委員会

■裁判員制度のもとにおける控訴審の在り方7・完〔大阪高等裁判所陪席会〕
控訴審の判決/小島正夫・細谷泰暢

「裁判員制度のもとにおける控訴審の在り方」の連載終了に当たって/石井一正

■山形地裁民事実務研究会8
自動車による通行を前提とする民法210条1項に基づく公道に至るための
他の土地の通行権が,一団の土地のうち,一部の土地所有者については
認められ,その余の土地所有者については否定された事例
東京高判平19.9.13判タ1258号228頁/三宅康弘

◆不貞慰謝料請求事件に関する実務上の諸問題/安西二郎

■ブック・レビュー
クリストファー・W・ムーア著(レビン小林久子訳・編)
『調停のプロセス』(原題:The Mediation Process -3ed.)/上原裕之

判例紹介

行政裁判例
[行政法一般]
1(東京地裁平19.8.31判決)
難民不認定処分並びに出入国管理及び難民認定法61条の2の2第2項の在留特別不許可処分を受けた在留資格未取得外国人がした同法49条1項の異議の申出に対する法務大臣の裁決において,当該外国人の難民該当性を看過したことが裁決の違法事由となるか(積極)

[行政争訟法]
2(大阪地裁平19.3.28決定)
1 住民基本台帳法8条に基づく住民票の消除の行政処分性
2 住民基本台帳法8条に基づく住民票の消除の差止めの訴えを本案とする行政事件訴訟法37条の5第2項に基づく仮の差止めの申立てが,本案の訴えに係る処分がされることにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要はあるが,本案について理由があるとみえるときには当たらないとして却下された事例

3六ヶ所低レベル放射性廃棄物訴訟判決(青森地裁平18.6.16判決)
1 低レベル放射性廃棄物埋設事業の許可処分取消訴訟における周辺住民の原告適格
2 低レベル放射性廃棄物埋設事業の許可について,㈰原子力安全委員会若しくは核燃料安全専門審査会の調査審議において用いられた具体的審査基準について不合理な点があるということはできないし,㈪廃棄物埋設施設が上記具体的審査基準に適合するとした調査審議及び判断の過程に看過し難い過誤,欠落があるということはできないから,事業許可処分が違法であるとはいえないとされた事例

[租税法]
4(東京高裁平20.2.28判決)
国内に住所を有しているとしてされた株式譲渡に係る所得税の課税処分が,被処分者が譲渡当時国内に住所を有しておらず,かつ,引き続いて1年以上居所を有しているともいえないから,所得税法2条1項3号の「居住者」に当たらないとして,取り消された事例

[地方自治法]
5(奈良地裁平19.2.28判決)
1 自治会が権利能力なき社団としての実体を備えているとされた事例
2 自治会決議の瑕疵について自治会会員による黙示の追認があったものとされた事例
3 町有財産の無償譲渡について,地方自治法237条2項,96条1項6号の議会の議決の有効性に加え,無償譲渡の合理性等をも踏まえた上で,違法であるということはできないとされた事例
4 町有財産の無償譲渡及び補助金の交付が,補助金交付要綱を濳脱する違法な行為であるということはできないとされた事例
5 町有財産の自治会に対する無償譲渡が,他の自治会との関係で平等原則に違反し違法であるということはできないとされた事例

[情報公開]
6(東京地裁平19.12.26判決)
行政機関の保有する情報の公開に関する法律に基づいてされた開示請求に対し外務大臣が開示決定等をしない不作為が違法であると判断された事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京地裁平19.12.13判決)
くも膜下出血の既往歴を有する地方公務員が学校式典の司会中にくも膜下出血を発症して死亡した場合につき死亡と公務との間に相当因果関係はないとされた事例

[民 法]
1(福岡高裁平19.7.24判決)
1 店舗のいわゆる「建て貸し契約」において,賃借人の賃貸人に対する修繕義務違反を原因とする解除が認められなかった事例
2 相当の理由があるとして,同契約の中途解約が認められ,それにより賃貸人が被る損害の填補金額が判断された事例

2(東京地裁平20.3.17判決)
弁護士に対し懲戒相当の議決をした弁護士会の綱紀委員会委員に対する損害賠償請求及び議決の無効確認を求める訴えがいずれも法律上の争訟性がないとして不適法であるとされた事例

3(東京地裁平19.8.28判決)
有価証券報告書に虚偽の記載をしていた株式発行会社の株式が上場廃止されたことによる損害は認められないとして,上場廃止前に株式を取得した株主から,株式発行会社,その代表取締役らに対する損害賠償請求が認められなかった事例

4(東京地裁平19.4.20判決)老人保健施設に入所していた高齢者が施設内で下肢を骨折し,褥瘡を生じたことにつき,施設の運営者に過失があったとされたものの,上記骨折及び褥瘡とその両下肢機能障害及び死亡との間の因果関係は否定された事例

5(仙台高裁平20.5.29判決)
工事用車両通路兼農道をトラクターを運転して走行していた者が,道路から転落し,用水路の側溝とトラクターとの間に挟まれて死亡した事故につき,上記道路の設置又は管理に瑕疵があったと認められないとして,国家賠償請求が認められなかった事例

6(広島高裁平20.6.26判決)
柔道整復師の五十肩の患者に対する治療について,治療上の過誤,転医助言義務の懈怠があったとしてその損害賠償責任が認められた事例

7(名古屋高裁金沢支部平19.10.17判決)
入院患者が絞扼性イレウスによる多臓器不全により死亡した場合,担当医師が絞扼性イレウスの発症を疑うべき根拠があった段階で直ちに開腹手術を決定し,その実施(実施準備)に着手しなかった過失があるとして,病院と医師の不法行為責任が認められた事例

8(東京高裁平20.2.27判決)
子の親権者を母として受理された離婚届書に関し,認定した事実関係の下では,離婚については届書の記載時点で夫にいずれが親権者であっても離婚するとの意思は認められないものの追認により有効であるが,親権者の指定については協議がなく無効とされた事例

[知的財産]
9 抗血栓薬職務発明対価請求訴訟知財高裁判決(知的財産高裁平20.5.14判決)
抗血栓薬などの医薬成分として有用なアルガトロバンの製造方法に係る職務発明の対価を請求する訴訟において請求を認容した事例

[民事訴訟法]
10(横浜地裁平19.9.21決定)
元海上自衛隊員の自殺事件の原因究明・再発防止を目的として作成された文書,人事管理や訓育のために作成された文書など,海上自衛隊内で作成された文書に対して文書提出命令が申し立てられた事案につき,申立文書のうち一部について,民訴法220条4号ロの要件に該当しないとして文書提出命令が認められた事例

[民事執行法]
11(大阪高裁平20.2.28判決)
1 控訴に伴う執行停止の担保により担保される損害賠償請求権の性質
2 控訴に伴う執行停止の申立てにおいて相手方が被る損害について未必的な故意があるとされた事例
3 控訴に伴う執行停止が不法行為となる場合において執行停止決定の後民事再生手続開始決定がされたときの損害の算定

[倒産処理法]
12(大阪地裁平20.8.27判決)
利息制限法を超過する過払金の返還請求につき,旧会社更生法241条により失権したとの主張が信義則に反するとして一部認められなかった事例

刑事裁判例
[刑 法]
1(大阪地裁平19.2.28判決)
見ず知らずの通行人5名に対する殺人,殺人未遂被告事件において,被告人が犯行当時統合失調症に基づく高度の幻覚妄想状態にあって,幻聴に直接支配され,その圧倒的な影響を受けていたから,心神喪失状態であったとの合理的な疑いが残るとして無罪が言い渡された事例
記事紹介

◆小泉総理大臣の靖国神社参拝訴訟に関する判決の
「判決理由の構成」に対する民事訴訟法上の疑問/木川統一郎

◆文書提出義務をめぐる判例法理の形成と展開/伊藤 眞

◆逮捕・勾留・起訴をめぐる国家賠償事件の検討/村重慶一

判例紹介

特 報
[刑 法]
1(東京地裁平20.2.29判決)
インターネットを用いた名誉毀損行為は,摘示された事実が公共の利害に関する事実に係るもので,主として公益を図る目的でなされたものである場合,発信者がインターネットの個人利用者として要求される水準を満たす調査を行った上,摘示した事実が真実であると誤信して発信したと認められるときには,被害者がインターネットを利用できる環境と能力があり,かつ,被害者に反論を要求しても不当とはいえない状況がある限り,発信者に名誉毀損の罪責を問うことはできない

行政裁判例
[行政法一般]
1(東京地裁平20.4.17判決)
労働保険の保険料の徴収等に関する法律8条1項の「厚生労働省令で定める事業が数次の請負によって行なわれる場合には,……その事業を一の事業とみなし,元請負人のみを当該事業の事業主とする。」の解釈適用の誤りを理由として,労働保険料の認定決定処分が取り消された事例

2(東京高裁平19.11.5判決)
出生届が不受理となった場合において職権で住民票を作成する義務はないとして当該子の住民票の記載をしない旨の処分の取消請求を棄却し,住民票作成の義務付けの訴えを却下した事例

3(東京地裁平19.10.19判決)
1 確定給付企業年金の規約変更の要件について定める確定給付企業年金法施行規則5条2号及び3号の規定が,確定給付企業年金法5条1項5号,同法施行令4条2号による委任の趣旨に反するものではなく,無効とはいえないとした事例
2 確定給付企業年金の規約変更の申請が,確定給付企業年金法施行令4条2号,規則5条ただし書,規則6条1項2号の「給付の額を減額する」場合に該当するとされた事例
3 確定給付企業年金の規約変更の申請が,規約の変更が「給付の額を減額する」ことを内容とする場合に必要な規則5条2号の要件を満たさないとされた事例
4 確定給付企業年金の規約変更の申請が,規約の変更が「給付の額を減額する」ことを内容とする場合に必要な規則5条3号の要件を満たさないとされた事例

[行政争訟法]
4(東京高裁平19.5.31判決)
1 退職年金を受給していた元地方公務員の夫とその退職前から既に14年間にわたって別居していた妻が夫の失踪宣告による擬制死亡後に地方公務員共済組合に対してした遺族共済年金の決定請求を棄却する旨の処分を受けた場合において,当該妻は地方公務員等共済組合法にいう「遺族」に該当するとして,当該処分の取消しを求めたその妻の請求が認容された事例
2 退職年金を受給していた夫の失踪宣告による擬制死亡後に共済組合に対して遺族共済年金の決定請求をした妻が当該組合の職員の行政手続法に違反する行為が不法行為を構成するとして当該組合に対して慰謝料の支払を求めた国家賠償請求が認容された事例

[国家補償法]
5(東京地裁平19.11.27判決)
保育ママの保育児童に対する虐待について,東京都世田谷区の国家賠償責任が認められた事例

[租税法]
6(大阪地裁平20.2.15判決)
1 親会社である外国法人からいわゆるストックアワード(当該外国法人の株式を無償で取得することができる権利)を付与された当該外国法人の子会社である日本法人の従業員に対し当該ストックアワードの「vest」時に当該株式の時価相当額の経済的利益を取得し当該経済的利益は給与所得に該当するとしてされた所得税の更正処分が適法とされた事例
2 納税者が所得税の確定申告において勤務先の日本法人の親会社である外国法人から付与されたいわゆるストックアワード(当該外国法人の株式を無償で取得することができる権利)に係る株式の売却代金等を給与所得ないし一時所得として申告したことにつき国税通則法65条4項にいう「正当な理由」がないとされた事例

7(東京地裁平19.9.14判決)
1 所得税法2条1項3号の「住所」とは,各人の生活の本拠をいい,生活の本拠がいずれの土地にあると認めるべきかは,住居,職業,生計を一にする配偶者その他の親族の居所及び資産の所在等の客観的な事実に基づき判定するのが相当であるとされた事例
2 株式の譲渡所得があるとしてされた所得税の決定処分及び無申告加算税賦課決定処分が,被処分者は譲渡日に日本に住所を有していなかったので納税義務を負わないとして取り消された事例

8(東京地裁平19.8.23判決)
政令に定める会社分割によって自益信託の委託者兼受益者の地位を承継した会社が,受託者から信託財産の移転を受けた場合は,不動産取得税の非課税に関する平成19年3月30日改正前の地方税法73条の7第4号に該当するとされた事例

[地方自治法]
9(名古屋高裁金沢支部平20.2.20判決)
1 県が,特定の期間のすべての県職員の旅費の支出について1件ごとに調査を行い,公務出張の事実がないのにされた旅費(以下「架空の旅費」という)の支出を事務処理上不適切な支出として,その合計額を公表したという事実関係の下において,上記調査において事務処理上不適切な支出とされたものが違法な公金の支出であるとして,その支出負担行為及び支出命令につき本来的な権限を有する県知事に対して,受任者又は専決者に対する指揮監督上の義務違反を理由に損害賠償を求める住民訴訟の請求は,個々の旅費の支出ごとに日時,支出金額,支出先,支出目的等が特定されていなくても,その対象の特定に欠けるところはない
2 県知事は,旅費に係る支出負担行為及び支出命令に関する事務を補助職員に委任又は専決させていたところ,架空の旅費に係る支出負担行為又は支出命令が行われた場合において,同県では,㈰市民オンブズマンから職員の出張につき質問書の送付があったのみでカラ出張の具体的な指摘がなく,㈪これまで食料費等の支出が違法であるとの監査請求が理由がないものとされており,㈫自治事務次官からなされた旅費,食料費等に関する通知も一般的な助言,勧告の性質を持つにすぎないものであり,㈬総務部長が,知事の命を受けて,旅費等の適正な予算の執行に務めるよう通知しているなどの事実関係の下では,受任者又は専決者が財務会計上の違法行為をすることを阻止すべき指揮監督上の義務の懈怠は認められないから,架空の旅費支出により県が被った損害について賠償義務を負わない

10(福岡地裁平19.3.1判決)
1 市長による資源循環型社会形成事業に対する公金支出の差止めを求める訴えにつき,既に支出した部分及び相当程度の確実性をもって予測されない将来部分に係る訴えが不適法とされた事例
2 市長による資源循環型社会形成事業に対する公金支出の差止めを求める訴えにつき,同事業に公共性及び公益性があるとして請求が棄却された事例

11(東京地裁平18.11.24判決)
1 公社発注の土木工事について実施された指名競争入札において,指名業者らの間で談合が行われた結果,市が損害を被ったと認められた事例
2 談合が行われて発生した市の損害について,民訴法248条に基づき,工事請負契約における契約金額の5パーセントに相当する金額が損害と認定された事例
3 公社発注の土木工事について実施された指名競争入札において,指名業者らの間で談合が行われた結果,市が損害を被ったとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,市に代位して,工事請負契約の相手方業者に対してされた不法行為に基づく損害賠償請求につき,上記談合に関連する課徴金納付命令に係る審判請求に対する公正取引委員会の審決が確定する前の時期であっても,認められるとされた事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
1(長野地裁平19.12.4判決)
トラック運転手の腰痛の発症,腰椎間板ヘルニア,腰部脊柱管狭窄の後遺障害の残存について,使用者に安全配慮義務違反があったとして損害賠償責任が認められた事例

民・商事裁判例
[民 法]
1(東京地裁平19.7.25判決)
更新の予定されていたビル管理契約の更新打ち切りにつき,独占禁止法違反等を理由とする不法行為責任が否定された事例

2(福岡地裁平19.6.26判決)
入院中の高齢の患者がおにぎりを誤嚥して死亡した場合,看護師に看護上の過失があったとして,病院側の損害賠償責任が認められた事例

3(金沢地裁平18.3.24判決)
電気事業者である被告に対し,発電用原子炉施設に被告が設計に当たって想定した地震動を超える地震動が作用して安全保護設備が所期の機能を発揮できず,同施設から約700キロメートル以内に居住する原告ら全員が許容限度を超える放射線を被ばくする具体的危険があるとして,同施設の運転の差止めを命じた事例

4(那覇地裁平19.11.28判決)
自宅で意識を失い救急車で搬送された患者が,入院中に脳梗塞を発症して重篤な後遺障害が残った場合において,病院の医師に治療上の過失はなく,看護師にも看護上の過失はなかったとして,病院側の損害賠償責任が認められなかった事例

5(名古屋地裁平19.1.31判決)
頸部手術後の経過観察中に生じた反回神経麻痺に起因する呼吸困難に対する医師の対応に過失があるとして原告らの請求が一部認められた事例

6(高松高裁平18.6.16判決)
共同相続人間において相続財産である可分債権につき遺産分割の対象でないことの確認を求める訴えの適否

[知的財産]
7(東京地裁平18.12.26判決)
米国における部分継続出願を基礎としたパリ条約の優先権主張について,当該部分継続出願は,パリ条約4条の「最初の出願」に該当しないとして優先権主張を無効とし,その結果,当該部分継続出願の原出願に対応する日本出願の出願公開公報が,本件特許の出願前に頒布された刊行物に該当することとなり,本件特許は特許法29条1項3号違反の無効理由を有するとして,原告の請求を棄却した事例

[民事訴訟法]
8(東京高裁平19.9.26判決)
控訴人の代表者の経営する別会社の従業員が同代表者に対する個人的怨恨から第1審裁判所が控訴人に送達した訴状,期日呼出状等の書類を隠匿・廃棄したため控訴人において控訴期間を経過した後に第1審判決の送達された事実を知ったことを理由とする控訴の追完が認められなかった事例

[民事執行法]
9(横浜地裁川崎支部平20.2.26判決)
競売不動産の買受人は,留置権の被担保債権の支払義務まで負わないとして,留置権者の被担保債権の支払請求が棄却された事例



記事紹介

◆明治期における民事執行・倒産手続(下)
何が今に承継され,何が承継されていないか/園尾隆司

■名古屋民事実務研究会1
他人が無断で作出した外観につき本人がその外観作出を
承認等もしていないケースにおいて民法94条2項,110条の
類推適用を認めた一事例についての検討
最一小判平18.2.23民集60巻2号546頁/近藤昌昭・影山智彦

■現代民事法研究会
書証のスキルとマインド
書証の成立の問題を中心として/川添利賢

■裁判員制度のもとにおける控訴審の在り方6〔大阪高等裁判所陪席会〕
事実認定の審査/遠藤和正・冨田敦史


判例紹介

行政裁判例
[国家補償法]
1(東京地裁平18.10.31判決)
1 逃亡犯罪人引渡手続における逃亡犯罪人を引き渡すことができない場合に該当するとの決定と審査請求命令及び拘禁の違法性
2 逃亡犯罪人引渡手続における法務大臣による法令の解釈の違法性

2東海豪雨野並水害訴訟(名古屋地裁平18.1.31判決)
1 準用河川である藤川及び普通河川である郷下川の溢水につき,河川管理の瑕疵がないとされた事例
2 下水道施設であるポンプにつき,設置・管理の瑕疵がないとされた事例

[租税法]
3(大阪地裁平20.3.14判決)
1 破産管財人が破産債権の配当に係る源泉所得税の徴収納付をしなかったことにつき国税通則法67条1項ただし書にいう「正当な理由」があるとされた事例
2 破産管財人が破産管財人個人に対する報酬の支払に係る源泉所得税の徴収納付をしなかったことにつき国税通則法67条1項ただし書にいう「正当な理由」がないとされた事例

[地方自治法]
4(大阪地裁平19.8.10判決)
市町村職員を組合員とする健康保険組合に対し市が組合規約に基づく保険料の事業主の負担金として保険料額の2分の1を超える負担金を支出したことが違法な公金の支出に当たらないとされた事例

[情報公開]
5(東京地裁平18.7.28判決)
警視庁本部少年事件課の捜査報償費(都費)の支出に関する財務会計帳票及び支出証拠書類中の警視庁の非管理職職員の「氏名」及び「印影」,法人又はその代表者若しくは職員の「印影」並びに法人職員個人に付与された「番号」をすべて非開示とし,捜査費の受入れ及び支出等に係る「情報」並びに警視庁の管理職職員の「氏名」,「印影」及び「職名」又は「階級」の一部を非開示としその余を開示する旨の一部非開示決定のうち,非管理職職員の「氏名」及び「印影」,法人又はその代表者の「印影」並びに捜査費の受入れ及び支出等に係る「情報」を非開示とした部分の一部が違法であるとして取り消された事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
1(高松地裁平20.2.14判決)
造船工場における造船作業中の若年労働者が壁板と定盤に挟まれて圧死した事故につき,雇用会社と元請会社の安全配慮義務違反による損害賠償責任が認められた事例

[集団的労働関係]
2(東京高裁平19.7.31判決)
使用者が新規採用者の初任給を引き下げたことが労働組合との間の義務的団交事項に当たるとされた事例

民・商事裁判例
[民 法]
1(東京高裁平20.6.25判決)
元本確定前の根抵当権の譲渡は,元本確定前に登記しなければ,その効力を主張することができない

2(大阪高裁平20.4.25判決)
終身定期金契約が医療法54条,民法90条,91条等に違反して無効であるとの主張が排斥された事例

3(東京地裁平19.4.5判決)
建設会社の支援を巡り,当事者間で交付された金銭について,業務委託契約に基づいて提供された業務委託費用であるという主張が排斥され,金銭消費貸借契約に基づく貸付金であるとされた事例

4(東京地裁平20.1.31判決)
マンションの建築によって近隣マンション住民らの法的保護に値すべき眺望権が違法に侵害されたとはいえないとされた事例

[商 法]
5監査法人トーマツに対するナナボシ粉飾決算事件判決(大阪地裁平20.4.18判決)
1 再生会社の管財人が,粉飾決算を行った再生会社が有する監査人に対する監査契約の債務不履行に基づく損害賠償請求権を行使することが,クリーンハンズの原則に反するものではないとされた事例
2 商法特例法及び証券取引法上の法定監査を担当する監査人が,被監査会社が組織ぐるみで行った架空工事代金を売上として計上するなどの粉飾決算を発見できなかったことにつき,通常実施すべき監査手続を実施しなかったとして監査人の過失が認められた事例

6(名古屋地裁平19.10.25判決)
会社の代表取締役が,在任中に会社の営業の部類に属する取引を行うための競業会社を設立して取引を行ったことについて,競業避止義務違反が認められ,その取引によって代表取締役が得た利益として,本人の競業会社の役員報酬に加え,同居親族の競業会社の役員報酬の6割が認められて,会社の損害額と推定され,損害賠償が認められた事例

[知的財産]
7(東京地裁平19.9.13判決)
1 漫画単行本を画像ファイル化し,特定のウェブサイトを通じてインターネットにより公衆送信して漫画の著作者の著作権(公衆送信権)を侵害した場合において,侵害行為者にインターネット・ブロードバンド回線を提供し,又はサーバーを提供した会社がそれぞれ侵害行為の幇助者として共同不法行為責任を負うとされた事例
2 前記侵害行為により原告らが被った損害の額(著作物の使用料相当額)について詳細に判示した事例

[諸 法]
8(東京地裁平20.3.28判決)
ホテル等で行われた展示会での和装品の売買につきクーリングオフが認められた事例

[民事訴訟法]
9(東京地裁平20.4.11判決)
日本法人が外国法人に対して債務不履行又は共同不法行為に基づく損害賠償の請求をした訴訟について,国際的専属的裁判管轄の合意は有効であり,主観的併合請求による国際裁判管轄を認めるべき特段の事情は認められないとして,我が国の国際裁判管轄が否定された事例

[民事執行法]
10(大阪高裁平19.6.7決定)
子との面接交渉を定めた調停調書に基づく間接強制の申立てが認容された事例

刑事裁判例
[刑 法]
1(長崎地裁平19.11.20判決)
被告人の暴行に対し正当防衛の成立を認め,無罪を言い渡した事例



記事紹介

◆明治期における民事執行・倒産手続(上)
何が今に承継され,何が承継されていないか/園尾隆司

■現代民事法研究会
書証のスキルとマインド
争点整理・集中証拠調べにおける機能を中心として/川添利賢

■現代企業法研究会 企業間提携契約の法的諸問題8
共同開発契約
ー成果の帰属と利用を中心にー/元芳哲郎

◆不動産関連SPC債の投資勧誘と説明義務/清水俊彦

■量刑に関する諸問題〔大阪刑事実務研究会〕
被害者と量刑(4)/横田信之

(コメント) 横田信之「被害者と量刑」について/小池信太郎

■裁判員制度のもとにおける控訴審の在り方5〔大阪高等裁判所陪席会〕
量刑の審査/中桐圭一

■世界の司法126ーその実像を見つめて
メディアと法廷
カナダにおける報道規制/三重野真人


判例紹介

最高裁判例
[民 法]
1(最高裁第三小法廷平20.6.24判決)
Yが投資資金名下にXから金員を騙取した場合に,Xからの不法行為に基づく損害賠償請求においてYが詐欺の手段として配当金名下にXに交付した金員の額を損益相殺等の対象としてXの損害額から控除することは,民法708条の趣旨に反するものとして許されないとされた事例

[商 法]
2(最高裁第三小法廷平20.6.10判決)
会社分割に伴いゴルフ場の事業を承継した会社が預託金会員制のゴルフクラブの名称を引き続き使用している場合における上記会社の預託金返還義務の有無

[刑事訴訟法]
3(最高裁第三小法廷平20.6.25決定)
1 犯罪捜査に当たった警察官が犯罪捜査規範13条に基づき当該捜査状況等を記録した備忘録は,刑訴法316条の26第1項の証拠開示命令の対象となり得るか
2 警察官が捜査の過程で作成し保管するメモが証拠開示命令の対象となるものか否かの判断を行うために,裁判所が検察官に対し同メモの提示を命ずることの可否


行政裁判例
[行政法一般]
1(東京地裁平18.9.6判決)
1 日本道路公団総裁の解任処分について,「その他役員たるに適しないと認めるとき」に該当する処分理由が存在し,適法であるとされた事例
2 日本道路公団総裁の解任処分に係る聴聞の手続に違法性はなく,解任処分の理由も特定して提示されたものと認められた事例

[国家補償法]
2(東京地裁平19.10.16判決)
警察官の現行犯逮捕について,逮捕の必要性のない違法なものであるとされた事例

[租税法]
3(東京高裁平19.6.28判決)
匿名組合契約に基づくオランダ法人に対する利益分配金について日本に課税権がないとされた事例

[地方自治法]
4(名古屋地裁平17.5.26判決)
ホテル等建築の適正化に関する町の条例が風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律や旅館業法に抵触しないとされた事例


労働裁判例
[個別的労働関係]
1(大阪高裁平20.3.27判決)
麻酔科医が急性心機能不全により死亡した事案につき,病院開設者に安全配慮義務違反による債務不履行責任を認めた一審判決を維持したが,業務起因性等につき詳細に判示し,かつ,同医師の過失割合を拡大して認定した事例

2豊田労基署長事件(名古屋地裁平19.11.30判決)
自動車製造会社の品質検査業務に従事していた労働者の心停止の発症及びこれに続く死亡が業務に起因するものであるとして,労働者災害補償保険法に基づく療養補償給付,遺族補償年金及び葬祭料を不支給とした労働基準監督署長の各処分が取り消された事例


民・商事裁判例
[民 法]
1(東京地裁平19.11.29判決)
借地借家法38条2項により交付すべき「書面」は,常に,賃貸借契約書と別個独立の書面を要すると解することはできないとされた事例

2(東京高裁平19.12.19判決)
過払金返還請求訴訟の弁護士費用が民法704条後段の損害に当たらないとされた事例

3(松山地裁平20.2.18判決)
特別養護老人ホームにおける入所者の誤嚥死亡事故について,ホームを設置した社会福祉法人の不法行為責任が認められた事例

4(東京地裁平19.5.29判決)
1 被告らが主張する,一般人の感覚からは公表を好まない事実も含めて積極的に公表していた人物と婚姻し,さらに当該人物が原告との婚姻の経緯や婚姻生活などのプライバシーを詳細に公表していたなどという事実を前提としても,名誉毀損の被害者と主張する者において,不貞行為を行ったという摘示事実についてまで公開を容認したことにはならないとされた事例
2 ある人物の社会的評価を低下させる記事について,被告らが主張する取材経緯に照らして,その内容が真実であるとか,真実であると信じるにつき相当の理由があったとはいえないとされた事例

5江戸川区受動喫煙訴訟判決(東京地裁平16.7.12判決)
区が区役所の執務室内において区職員の生命及び健康を受動喫煙の危険性から保護するよう配慮すべき義務に違反したとされた事例

[商 法]
6(東京高裁平18.11.29判決)
平成9年9月期及び平成10年3月期における銀行の関連ノンバンクに対する貸出金の償却・引当に関する会計処理をするに当たり,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)32条2項所定の公正なる会計慣行と認められる資産査定通達等により補充される改正後の決算経理基準によることなく,それまで公正なる会計慣行とされていた税法基準により補充される改正前の決算経理基準によった場合であっても,前者の基準が当時における唯一の公正なる会計慣行とはいえず後者の基準もなお当時における公正なる会計慣行であったとして,同基準に従い配当可能利益があるとしてした配当手続に違法はないとされた事例

[知的財産]
7(東京地裁平18.12.27判決)
1 著作権法2条1項10号の映画製作者についての認定がされた事例
2 著作権の譲渡契約において,翻案権についての61条2項の「特掲」がされていたとはいえず,さらに,翻案権が譲渡人に留保されていたとの推定を覆すに足る事実も認められないと判断された事例
3 映画の著作物について,複製権侵害が認められなかった事例

[諸 法]
8(東京地裁平19.6.27判決)
個人情報の保護に関する法律25条1項に基づき個人情報の開示を裁判手続により請求することの可否(消極)

[民事訴訟法]
9(東京地裁平20.4.28判決)
1 マンションを販売した不動産業者に,当該マンションで飛び降り自殺があったことを告知,説明すべき義務があるとされた事例
2 上記義務違反によって原告が被った損害は,性質上,損害額を立証することが極めて困難であると認められるとして,民事訴訟法248条の趣旨を援用して,慰謝料名目の損害賠償を命じた事例

[民事執行法]
10(東京高裁平20.3.19決定)
債権差押命令申立書における差し押さえるべき債権(貸金返還請求権)の特定が不十分であるとされた事例


刑事裁判例
[刑事訴訟法]
1(名古屋高裁金沢支部平20.6.5判決)
刑訴法316条の32第1項の「やむを得ない事由」について,同法328条による弾劾証拠の取調請求には,「やむを得ない事由」があるとした上,原審裁判所が,弁護人のした同条による請求をすべて却下したことが違法であると判断した事例



記事紹介

■現代企業法研究会 企業間提携契約の法的諸問題7
合弁契約における株式譲渡を伴う終了条件に関する考察
――先買権条項・売渡強制条項・買取強制条項を中心に――/清水建成

■続・元裁判官の書斎(4)
老法曹の思い出話/倉田卓次

◆民事抗告審の実務と考察/小池一利

■山形地裁民事実務研究7
確定した間接強制決定の基礎となった和解条項の債務名義性に疑義があることを理由として同決定の効力を否定することの許否(消極)
福岡高判平17.6.1判タ1259号336頁
(原審・福岡地判平16.10.26判タ1259号341頁)/西田祥平

◆裁判員裁判と「当事者主義の重視」/神山啓史・岡 慎一

■量刑に関する諸問題〔大阪刑事実務研究会〕
被害者と量刑(3)/横田信之

■裁判員制度のもとにおける控訴審の在り方4〔大阪高等裁判所陪席会〕
訴訟手続の審査/芦髙 源・飯畑正一郎・中田幹人


判例紹介

最高裁判例
[刑 法]
1(最高裁第二小法廷平20.4.25判決)
1 責任能力判断の前提となる精神障害の有無及び程度並びにこれが心理学的要素に与えた影響の有無及び程度について,精神医学者の鑑定意見等が証拠となっている場合における,裁判所の判断の在り方
2 統合失調症による幻覚妄想の強い影響下で行われた行為について,正常な判断能力を備えていたとうかがわせる事情があるからといって,そのことのみによって被告人が心神耗弱にとどまっていたと認めるのは困難とされた事例

2KSD事件(最高裁第三小法廷平20.3.27決定)
参議院議員が,本会議における代表質問においてある施策の実現のため有利な取り計らいを求める質問をされたい旨の請託を受け,さらに,他の参議院議員を含む国会議員に対し国会審議の場において同旨の質疑等を行うよう勧誘説得されたい旨の請託を受けて金員を受領したことが,その職務に関し賄賂を収受したものとされた事例

行政裁判例
[行政法一般]
1(大阪地裁平20.1.30判決)
1 都市緑地法52条1項にいう「土地所有者等」の意義
2 市長がした緑地協定廃止認可処分が,同協定区域内の土地所有者等の過半数の合意(都市緑地法52条1項)を欠いてされたものであり違法であるとして,取り消された事例
3 緑地協定廃止認可処分が違法である旨の判断をするに当たり,同処分の取消しにより公の利益に著しい障害を生ずるものとは認められず,行政事件訴訟法31条1項を適用して請求を棄却(いわゆる事情判決)すべき場合に当たらないとして,同処分が取り消された事例

2(東京地裁平18.3.24判決)
1 市町村が都道府県に対して住民基本台帳法30条の5第1項所定の本人確認情報を住民基本台帳ネットワークシステムを通じて送信する場合に,都道府県がこれを受信する義務を有することの確認を求める訴えの,裁判所法3条1項にいう「法律上の争訟」該当性(消極)
2 市町村が,都道府県に対して,当該情報を都道府県に通知することを受諾した住民のみに係る本人確認情報を送信しようとする場合に,都道府県がこのような本人確認情報を受信すべき義務の存否(消極)

[行政争訟法]
3(東京地裁平20.4.25判決)
都市再開発法に基づく第1種市街地再開発事業の施行地区の隣接地域に居住し,土地及び建物を所有している者が,同法11条1項に基づく市街地再開発組合の設立認可の取消しを求める訴えの原告適格を有しないとされた事例

[国家補償法]
4(東京地裁平19.9.21判決)
民事訴訟の当事者たる死刑確定者の口頭弁論期日への出頭申請を拒否した拘置所長の措置に裁量権の範囲を逸脱した違法があるとはいえないとされた事例

5(東京高裁平18.6.21判決)
1 教員の転任処分取消しの訴えの利益が再転任を理由に存在しないとされた事例
2 教員の転任処分に裁量権の範囲の逸脱ないし濫用がないとされた事例

[租税法]
6(福岡高裁平18.10.24判決)
法人税法68条の所得税額の控除を選択した法人の確定申告の誤りと国税通則法23条の更正の請求の可否

労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京高裁平19.11.28判決)
1 地方公務員法3条3項3号所定の職に属する非常勤職員で任用期間の定めのあるものの勤務関係
2 地方公務員法3条3項3号所定の職に属する非常勤職員で任用期間の定めのあるものに任用された者の再任用拒否と解雇権濫用法理の類推
3 地方公共団体が地方公務員法3条3項3号所定の職に属する非常勤職員で任用期間の定めのあるものに任用された者を再任用しなかったことが国家賠償法上違法であるとされた事例

民・商事裁判例
[民 法]
1(千葉地裁平20.3.27判決)
幼稚園の園児が同幼稚園の敷地脇の用水路に転落して溺死した事故について,園長,教頭,教諭に過失があったとして,その園長らと設置者の不法行為責任が認められた事例

2(東京地裁平19.10.25判決)
反訴被告が反訴原告から賃借していた工場敷地部分の土壌汚染につき,反訴被告の工場の使用による汚染であると認め,土壌調査費用及び土壌汚染対策工事費用相当額の損害賠償を認容した事例

3(東京地裁平19.1.26判決)
元従業員が,在職中,その業務として収集した顧客情報を持ち出し,転職後,同情報に基づいて転職先会社から顧客に対して勧誘文言を含むメールを送信した行為について,元従業員については元勤務先会社に対する不法行為が,元従業員の転職先会社については使用者責任が成立するとされた事例

4(大阪地裁平19.12.10判決)
被害者(被保険者)にも過失がある事故に関して,被害者が人身傷害補償保険契約に基づく保険金の支払を受けた後に加害者に対する損害賠償請求訴訟を提起した場合において,保険金を支払った保険会社が代位取得する被害者の加害者に対する損害賠償請求権の範囲

5(札幌地裁平19.11.21判決)
気管支拡張剤の投与を受けた気管支喘息の患者に不整脈等の心臓疾患が増悪した場合,医師の薬剤処方について不適切な点はないとしたが,薬剤の副作用についての説明義務違反があったとして,病院側の債務不履行責任が認められた事例

[商 法]
6(福岡地裁平20.3.13判決)
簡易生命保険の還付金請求権及び入院保険金請求権について,その相続人の一人は,その相続分に応じ,支払を求めることができるとされた事例

7(東京高裁平19.9.27判決)
車両盗難及び車両損壊による車両保険金等請求事件について,車両盗難の外形的事実(被保険者以外の者による車両持ち去りの事実)が認められないとし,車両損壊の事実は認められるが,保険契約者の故意によるとして,保険金請求が否定された事例

[知的財産]
8「ライブドア裁判傍聴記」著作権侵害訴訟控訴審判決(知的財産高裁平20.7.17判決)
裁判傍聴に関する記述の著作物性が否定された事例

9(東京地裁平18.3.31判決)
1 教科書掲載著作物を国語テストに複製したことが,著作権法36条に当たらず,複製権侵害及び氏名表示権侵害に当たるとされた事例
2 原著作物にはない文言の追加や削除は同一性保持権の侵害に当たるが,挿絵や写真を付加して国語テストに複製したことや,著作物に傍線・波線や番号を付加したことは同一性保持権侵害に当たらないとされた事例
3 教材会社から著作権者に対し著作物のある年度の使用状況を記載した文書が送付された場合に,当該著作権者において長期間にわたる無断掲載の事実を知っていたときは,それ以前の損害賠償請求権についても,一体として時効により消滅するとされた事例

[諸 法]
10(大阪高裁平19.10.11判決)
本件各協力金の設定は,その適用を受ける不在区分所有者に不利益を及ぼすものであるが,その必要性及び合理性が認められ,かつ,設定された協力金が当該区分所有関係において社会通念上相当な額であると認められる場合には,当該区分所有者はこれを受忍すべきであり,協力金に関する規約の設定,変更等はその権利に特別の影響を及ぼすものではない

刑事裁判例
[刑 法]
1(東京高裁平20.3.19判決)
強制わいせつ目的で,被害者の両手を後ろ手に縛るなどの暴行を加えた後に被害者の財物を奪取する意図を生じ被害者に気付かれないままこれを奪取した場合に,被告人においてその緊縛状態を解消しない限り,強盗罪が成立するとした事例

2(大阪地裁平19.10.15判決)
囲繞地の周囲の塀は建造物侵入罪(刑法130条前段)の「建造物」に該当せず,警察署の塀によじ上った行為は建造物侵入罪に該当しないとされた事例



記事紹介

◆上告審としての大阪高等裁判所第14民事部の実情(下)/小池一利

◆実務現代刑事法(その2)
創造的判例の検討を中心として(その1)/植村立郎

■量刑に関する諸問題〔大阪刑事実務研究会〕
被害者と量刑(2)/横田信之

■裁判員制度のもとにおける控訴審の在り方3〔大阪高等裁判所陪席会〕
控訴審の訴訟手続(2)/西田時弘


判例紹介

速 報
[刑 法]
1板橋高校事件控訴審判決(東京高裁平20.5.29判決)
都立高校の卒業式で,国歌斉唱時に着席するよう保護者らに呼びかけるなどした行為が,威力業務妨害罪に当たるとした1審判決を肯定した事例

最高裁判例
[憲 法]
1(最高裁第三小法廷平20.5.8決定)
婚姻費用の分担に関する処分の審判に対する抗告審が抗告の相手方に対し抗告状及び抗告理由書の副本を送達せず,反論の機会を与えることなく不利益な判断をしたことと憲法32条

[民 法]
2(最高裁第三小法廷平20.6.10判決)
1 社会の倫理,道徳に反する醜悪な行為に該当する不法行為の被害者が当該醜悪な行為に係る給付を受けて利益を得た場合に,被害者からの損害賠償請求において同利益を損益相殺等の対象として被害者の損害額から控除することの可否
2 いわゆるヤミ金融業者が元利金等の名目で違法に金員を取得する手段として著しく高利の貸付けの形をとって借主に金員を交付し,借主が貸付金に相当する利益を得た場合に,借主からの不法行為に基づく損害賠償請求において同利益を損益相殺等の対象として借主の損害額から控除することは,民法708条の趣旨に反するものとして許されないとされた事例

[刑 法]
3(最高裁第一小法廷平19.12.3決定)
数罪が科刑上一罪の関係にある場合において,その最も重い罪の刑は懲役刑のみであるがその他の罪に罰金刑の任意的併科の定めがあるときに,最も重い罪の懲役刑にその他の罪の罰金刑を併科することの可否

[刑事訴訟法]
4(最高裁第二小法廷平20.6.24決定)
1 訴訟関係人のする刑事確定訴訟記録法に基づく保管記録の閲覧請求が許されない場合
2 訴訟関係人がした閲覧請求が,関係者の名誉又は生活の平穏を害する行為をする目的でされたと認められる相当の理由があり,権利の濫用として許されないとされた事例

行政裁判例
[行政法一般]
1(大阪地裁平19.11.21判決)
ミャンマー旧政権につながる名家出身であることを理由に現政権から迫害を受けるおそれがあるとしてされた難民認定申請につき,そのような係累の存在が確認できないとして却下した処分には事実の誤認があるが,結論においては適法であるとされた事例

2(大阪地裁平19.10.18判決)
登記事項証明書交付の手数料を1000円と定める登記手数料令2条1項が,不動産登記法119条3項による委任の範囲を超えるものとはいえないと判断した事例

[租税法]
3(高松高裁平19.11.20判決)
集合債権譲渡担保契約の対象となった複数の債権を国税滞納処分により差し押さえ,同契約に基づく債権譲渡につき第三者に対する対抗要件を具備した日より前に法定納期限が到来している国税の不納付加算税及び延滞税に充当したことが相当とされた事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
1(福岡高裁平19.10.25判決)
労働者の自殺につき,肉体的・心理的に過重な負担のかかる長時間労働が連日続いたことにより,うつ病に罹患したことが原因であるとして,業務と自殺との間の相当因果関係を肯定して,会社の責任を認めた事例


民・商事裁判例
[民 法]
1(東京地裁平20.2.27判決)
架空取引を行っていた株式会社が,自社の会計監査人であった監査法人に対して,監査手続において当該架空取引を看過したことが監査契約上の善管注意義務に違反するとして提起した損害賠償請求訴訟において,監査法人の善管注意義務違反が否定された事例

2(大阪地裁平19.3.30判決)
1 賃貸人代表者による賃貸目的建物への無断立入りが不法行為ないし債務不履行に当たるとして,賃借人による損害賠償請求が一部認容された事例
2 賃貸人代表者による賃貸目的建物への無断立入りが賃借人に対する債務不履行に当たるものの,賃借人による契約解除はできないとされた事例
3 建物賃貸借契約の終了時に敷金の一部を賃借人に返還しない旨の合意(敷引特約)に消費者契約法10条に反する部分があり,一部無効であるとして,賃借人の賃貸業者に対する敷金返還請求が一部認容された事例

3(名古屋地裁平19.9.21判決)
1 建築請負契約の目的物が工事途中でも瑕疵がある場合には,注文者は,瑕疵の程度や各契約当事者の交渉態度等に鑑み信義則に反すると認められるときを除き,その瑕疵への対応が適切になされるまでは,履行期が到来した報酬についてもその支払を拒むことができ,これについての履行遅滞の責任を負わないとされた事例
2 建築請負契約の目的物の瑕疵の程度,各契約当事者の交渉態度,竣工予定時から5年以上経過しても未完成であることなどから,請負人の工事完成義務が社会通念上履行不能となり,かつ,その履行不能につき請負人に帰責事由がないとはいえないとされた事例

4(仙台地裁平19.9.5判決)
外国為替証拠金取引は,賭博類似の取引として公序良俗に違反する

5(大阪地裁平17.1.12判決)
当該健康食品の宣伝内容の特殊性やその食品自体の特殊性からみて,身体に障害を与えるものではないが,食品衛生法により食品への添加が禁止されている添加物が含まれた当該健康食品の引渡しが債務の本旨に従った履行には当たらないとして,債務不履行に基づく代金相当額の損害賠償請求が認められた事例

6(静岡地裁浜松支部平19.12.3判決)
交通事故による損害賠償請求訴訟において,低髄液圧症候群の発症が主張されたが,認められなかった事例

7(東京地裁平20.2.18判決)
看護師が蓄尿検査に防腐剤として使用するアジ化ナトリウムを誤って糖尿病の患者に投与したために患者が白質脳症となり,高次脳機能障害の後遺障害が残ったことについて患者とその家族が病院に損害賠償を請求する事案において,患者が糖尿病の三大合併症を発症していたこと等を考慮し,統計的資料等を参考にして,平均余命期間よりも短い余命期間を認定して将来の付添看護費用を算定した事例

[知的財産]
8(東京地裁平19.4.18判決)
X製品(増幅器)の意匠が,増幅器付スピーカーに係るYの登録意匠に類似しているとして,Xによる,意匠権侵害に基づく差止請求権の不存在確認請求が棄却された事例

[諸 法]
9(大阪高裁平20.1.25判決)
1 遺失物法(平成18年法律第73号による改正前のもの。以下同じ。)に基づく報労金請求が権利の濫用として許されないとまではいえないとされた事例
2 株券の拾得者からの遺失物法に基づく報労金請求について,遺失物法4条1項所定の「物件ノ価格」を株券の価格の70パーセントとして報労金が算定された事例

[民事訴訟法]
10(京都地裁平19.8.29判決)
1 建物収去土地明渡請求訴訟に対して当該対象建物の所有権が自己に帰属することの確認等を求める独立当事者参加の申出が参加要件を満たさないとされた事例
2 物件明細書の記載にかかわらず,法定地上権の成立が否定され,仮に成立するとしても土地競落人に対抗できないとされた事例

11(東京高裁平19.3.29判決)
国立大学法人の実施した同大学医学部医学科の入学試験に不合格とされた受験者が合否判定権の濫用を理由として入学の許可を求めた場合において,当該請求を同法人との在学契約締結の承諾の意思表示を求める趣旨と解しても,また,入学試験による選抜において合格との判定の意思表示を求める趣旨と解しても,いずれも理由がないとして,これを棄却した事例

刑事裁判例
[刑 法]
1(山形地裁平19.5.23判決)
1 幼少時,被害者から性的暴行を受けた被告人が,その10年以上後,研磨した模造刀で被害者ら3名を突き刺すなどし,うち2名を殺害した事案について,被告人は,犯行当時,PTSD(心的外傷後ストレス障害)に基づく幻覚妄想状態にあり,心神喪失状態などにあったとする弁護人の主張を排斥した事例
2 上記事例において,被告人に対し,無期懲役を言い渡した事例

[刑事訴訟法]
2(東京高裁平19.9.18判決)
1 所持品検査に応じるよう説得するために被疑者を長時間留め置いたことが違法とされた事例
2 公務執行妨害罪における暴行に該当しないとされた事例
3 車両内から発見された大麻等の証拠能力がその発見に至るまでの一連の手続に重大な違法があるとして否定された事例

記事紹介

◆上告審としての大阪高等裁判所第14民事部の実情(上)/小池一利

■現代企業法研究会 企業間提携契約の法的諸問題6
ホテル事業に関する提携契約 /若松 亮

■続・元裁判官の書斎(3)
推理小説の誤訳/倉田卓次

◆既判力と取消権の失権/石川 明

■量刑に関する諸問題〔大阪刑事実務研究会〕
被害者と量刑(1)/横田信之

■裁判員制度のもとにおける控訴審の在り方2〔大阪高等裁判所陪席会〕
控訴審の訴訟手続(1)/植野 聡・今泉裕登・出口博章

◆詐欺罪の現状/林 幹人


判例紹介

◆最高裁判例
[刑 法]
1(最高裁第一小法廷平20.6.25決定)
正当防衛に当たる暴行及びこれと時間的,場所的に連続して行われた暴行について,両暴行を全体的に考察して1個の過剰防衛の成立を認めることはできないとされた事例
2(最高裁第一小法廷平20.6.23決定)
1 労役場留置期間を定めるに当たり,1日に満たない端数を生じる換算率を定めても刑法18条4項所定の同期間を定めない違法があるとはいえない
2 労役場留置期間を定めるに当たり,1日に満たない端数について換算刑の言渡しをしないのは法令違反であるとした高等裁判所の判決は,これに先立つ最高裁判所の判例と相反する判断をしたものであり,刑訴法405条3号の高等裁判所の判例に当たらない

◆行政裁判例
[行政法一般]
1(名古屋地裁平18.11.16判決)
36年間重婚的内縁関係にあった女性に対する遺族厚生年金等を不支給とした決定が無効とはいえないとされた事例
2(名古屋地裁平18.3.29判決)
産業廃棄物処理施設付近に居住する住民が施設設置許可処分の取消訴訟の原告適格を有するとされた事例

[国家補償法]
3(仙台高裁平19.10.31判決)
1 町が,公共工事の指名競争入札について,2年近くの間,入札参加資格を有する建設業者を指名しなかった措置に裁量権を逸脱又は濫用した違法があるとされた事例
2 公共工事の指名競争入札において違法に指名されなかったことにより建設業者が被った損害額の算定例
4(仙台地裁平19.5.8判決)
1 町が発注する公共工事の指名競争入札において継続的に指名を受けていた建設業者に対して全く指名を行わなかった町の措置に裁量権を逸脱又は濫用した違法があるとされた事例
2 町が発注する公共工事の指名競争入札において指名されなかったことにより業者が被った損害額の算定

[地方自治法]
5(神戸地裁平19.5.25判決)
神戸市の永年勤続教職員に対する旅行クーポン券等の支給及び教職員共済会に対する交付金の支出は違法であるとして市長の損害賠償責任が認められた事例

◆労働裁判例
[個別的労働関係]
1(岐阜地裁平20.2.14判決)
同僚労働者の夜食を購入するため外出し,弁当を買って工場に戻る途中に交通事故にあった場合,業務上の災害に当たるとされた事例

2(東京地裁平19.2.23判決)
私立高校の数学科教諭に対する事務職員への配置転換が無効とされた事例

◆民・商事裁判例
[民 法]
1(東京地裁平19.11.30判決)
ホストクラブ等を経営する会社が青色申告承認を取り消されたことにつき税理士に顧問契約の債務不履行による損害賠償責任が認められた事例

2(東京高裁平18.11.30判決)
被保険者の被扶養者で老人医療を受ける者が医療過誤により受傷したため老人保健法に基づき社会保険診療報酬基金に納付すべき医療費拠出金の額が増額したことを理由とする健康保険組合の加害病院に対する債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償請求が棄却された事例

3(札幌高裁平19.1.31判決)
チマメ状動脈瘤のクリッピング術を行う医師には,手術中に破裂した場合に備えて止血準備措置を講ずる義務はないとされた事例

4(大阪高裁平19.1.23判決)
離婚後5年以内に支給される見込みがある将来の退職手当(退職金)の財産分与について,退職時に一定額を支払うよう命じた原判決を変更し,退職手当支給額(手取額)と退職時期を変数とする計算式を定め,これにより定まる金額を退職時に支払うよう命じた事例

[商 法]
5(横浜地裁平19.5.29判決)
1 会社分割において分割会社が行った労働契約承継に関する労働者との協議及び労働者の理解と協力を得るための措置に違法はないとされた事例
2 会社分割における労働契約承継に関する労働者との協議及び労働者の理解と協力を得るための措置が会社分割の無効原因となる場合
3 会社分割において承継営業に主として従事していた労働者の承継拒否権の有無

[知的財産]
6(東京地裁平18.9.8判決)
1 外国の特許を受ける権利の承継に関する合意の成立,効力,対価請求の有無等の法律関係についての準拠法は,法例7条により日本法となるが,外国特許を受ける権利の承継に基づく対価請求権について,特許法35条3項の規定は適用されないとされた事例
2 物質発明について,化合物のスクリーニング(生物活性測定)を担当していた原告は,物質の合成,有用性の発見のいずれにも,発明者としての貢献をしたとまではいえないから,共同発明者と認めることはできないとされた事例

[諸 法]
7(大阪高裁平19.2.28判決)
インターネット上の団体の主催者である弁護士に送られたメールの送信者の実在の有無について,送信者から依頼を受けた弁護士に問い合わせたことが,弁護士法23条の守秘義務等に違反するものではないと判断された事例

[民事保全法]
8(東京地裁平19.8.28決定)
民事保全法12条1項に規定する保全命令事件の管轄裁判所が我が国内にあるときは,原則として,債務者を我が国の裁判権に服させるのが相当であるが,これらが存在しない場合には,特段の事情がない限り,我が国の国際裁判管轄を否定すべきであるとして,民事保全事件について,我が国の国際裁判管轄を否定した事例

[民事執行法]
9(大阪地裁平19.9.20判決)
厚生年金保険法によって差押禁止が定められている債権に対する給付であっても,当該給付が受給者の貯金口座に入金された後に貯金債権の全額を差し押さえることは違法とはいえないとした事例


[倒産処理法]
1(①東京地裁平20.5.15決定)(②東京地裁平20.6.10決定)
1 会社更生手続と民事再生手続が競合する場合において,会社更生手続開始の申立てが棄却された事例
2 会社更生法41条1項2号の「債権者の一般の利益に適合する」か否かについて判断された事例

刑事裁判例
[刑 法]
1日航機ニアミス事件控訴審判決(東京高裁平20.4.11判決)
航空機事故につき航空管制官の過失が肯定された事例


[刑事訴訟法]
2(東京高裁平20.3.26判決)
長男の強制わいせつ被告事件の際,虚偽のアリバイ証言をしたとされる偽証被告事件において,被告人が偽証したと認めるには合理的な疑いが残るとし,事実誤認を理由とする検察官控訴を棄却し,結論において同旨の無罪の原判決が維持された事例




記事紹介

◆東京地裁知財部と日弁連知的財産制度委員会との意見交換会(平成19年度)
◆知財高裁における審決取消訴訟(特許・実用新案)の審理について/石原直樹
◆無効の抗弁(特許法104条の3等)の運用と訂正の主張について/清水 節

■特集・医療ADRの現況
医療ADRの目的と手続/西口 元
医療ADR機関設立の試み――千葉県の場合 /植木 哲
オーストリアにおける医療ADR――医療メディエーションの将来性/田尻泰之
紛争解決と再発防止に資する医療事故調査の課題/出河雅彦
医師紛争解決に向けた医療機関の取組み――透明性の確保と説明責任の遂行/平井愛山

■裁判員制度のもとにおける控訴審の在り方1〔大阪高等裁判所陪席会〕
「裁判員制度のもとにおける控訴審の在り方」を連載するに当たって/小川育央
総 論/小川育央

判例紹介 (全15件)

◆最高裁判例
[民 法]
1(最高裁第一小法廷平20.4.24判決)
1 チーム医療として手術が行われる場合にチーム医療の総責任者が患者やその家族に対してする手術についての説明に関して負う義務
2 チーム医療として手術が行われるに際し,患者やその家族に対してする手術についての説明を主治医にゆだねたチーム医療の総責任者が,当該主治医の説明が不十分なものであっても説明義務違反の不法行為責任を負わない場合


◆行政裁判例
[行政法一般]
1(大阪地裁平20.1.16判決)
実子との面接交渉のため,家庭裁判所における調停申立ての前提として相手方の住所を知ることを目的としてされたその母親(別居中の内妻)に係る児童手当等の受給者情報について,個人情報該当性を理由としてされた非公開決定が適法であるとされた事例

[行政争訟法]
2(大阪地裁平20.3.27判決)
1 都市計画事業の事業地又はその周辺に居住又は勤務する者のうち,同事業が実施されることにより騒音等による健康又は生活環境に著しい被害を直接的に受けるおそれのある者は,都市計画法59条4項に基づいてされた都市計画事業認可の取消訴訟の原告適格を有するとされた事例
2 都市計画事業認可の前提となる都市計画変更決定に裁量権を逸脱又は濫用した違法はないとされた事例

3(大阪地裁平20.3.18判決)
1 道路交通法所定の指定車両移動保管機関の行う負担金の納入通知の処分性
2 行政事件訴訟法3条3項の「裁決」の意義


◆労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京地裁平19.10.15判決)
医療情報担当者(MR)の自殺について業務起因性が認められた事例


◆民・商事裁判例
[民 法]
1(東京地裁平20.2.13判決)
注文者と注文者の工場内において作業に従事していた請負人の従業員との間に実質的使用従属関係があるとして注文者に請負人の従業員に対する安全配慮義務を認め,同義務違反に基づく損害賠償請求が認容された事例

2(東京高裁平19.10.31判決)
中高一貫私立校における論語教育の廃止が生徒の父母の学校選択の自由を侵害するものとして慰謝料請求が認容された事例

3(東京高裁平18.10.18判決)
交差点における91歳の女性歩行者と25歳の女性歩行者の衝突事故につき後者の注意義務違反を否定した事例

4(東京高裁平19.9.20判決)
出産時の産婦の死亡医療過誤事案に係る損害賠償請求事件において,相続人と相続人でない遺族からの慰謝料請求について,その間の配分のあり方等を判示して1審判決を変更した事例

5(京都地裁平20.2.7判決)
死因贈与について民法994条1項は準用されないとされた事例


[知的財産]
6(東京地裁平18.6.8判決)
職務発明及び職務考案について,使用者に特許等を受ける権利等を承継させた場合の相当の対価の額について算定し,Xが相当の対価として受領した額が,特許法35条等に定める相当の対価の額に不足するものと認めることはできないとして,Yの元従業者であるXのYに対する請求が棄却された事例

7(大阪地裁平19.2.1判決)
金属管継手の登録意匠について意匠権侵害が認められず,金属管継手の形態について,不正競争防止法2条1項3号の形態模倣も認められなかった事例

◆刑事裁判例
[刑 法]
1(東京高裁平19.12.11判決)
1 分譲マンションの共用部分が刑法130条前段の「住居」に当たるとされた事例
2 政治ビラの配布を目的とする上記共用部分への立入りにつき刑法130条前段の住居侵入罪が成立するとされた事例

2衆議院議員実家放火事件(山形地裁平19.5.31判決)
右翼団体に所属する被告人が,言論封殺目的で現職の衆議院議員の実家に侵入した上で放火し,これを全焼させた事案について,被告人に対し,懲役8年を言い渡した事例


[特別刑法]
3(札幌高裁平19.9.25判決)
1 衣服の上から女性の臀部等を盗撮した行為が迷惑防止条例違反に当たるとされた事例
2 無罪判決を破棄して被告人を有罪とした事例
記事紹介

◆第2次主張・立証責任について
医療過誤訴訟を中心として/木川統一郎

◆日韓家族法判例の対比/村重慶一

◆民事控訴事件の実務上の留意点
1陪席裁判官からの民事控訴事件を初めて担当する若手裁判官及び若手弁護士へのアドバイス/小池一利

判例紹介 (全16件)

◆特 報
[知的財産]
1コカ・コーラ・ボトル立体商標事件(知財高裁平20.5.29判決)
コーラ飲料の包装容器(瓶)の立体的形状のみからなる商標につき,「使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるもの」に該当するとして,登録出願を拒絶した特許庁の審決を取り消した事例

◆憲法裁判例
[憲 法]
1(佐賀地裁平19.3.9判決)
1 行政書士会の所属会員に対する戸籍謄本・住民票の写し等の職務上請求書の差替拒否につき,会員に対する適正な手続保障を欠くものとして不法行為の成立を認めた事例
2 裁判所は同差替拒否の手続上の問題について審理・判断することは許されるとした事例

◆行政裁判例
[行政法一般]
1(大阪地裁平20.2.21判決)
建築基準法42条2項所定のいわゆる2項道路指定処分存在確認の訴えの利益を肯定した事例

2原爆症認定訴訟(広島地裁平18.8.4判決)
原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づく原爆症認定申請に対する却下処分について,放射線起因性または要医療性の判断を誤った違法があるとして,その取消請求が認容された事例

[行政争訟法]
3(大阪地裁平19.12.27判決)
1 審査請求を前置しない正当な理由がないとされた事例
2 建築確認に係る建築物により通風を阻害される建築物に居住する者が,当該建築確認の取消訴訟の原告適格を有するとした事例
3 隣地高さ制限に代わるものとして規定された天空率の制限への違反はないとされた事例

[国家補償法]
4中国残留婦人国家賠償請求訴訟第1審判決(東京地裁平18.2.15判決)
第2次世界大戦終了後長期間中国に取り残されたいわゆる中国残留婦人からの早期帰国義務違反と自立支援義務違反を理由とする国家賠償請求が棄却された事例

[租税法]
5船舶リース事件(名古屋地裁平17.12.21判決)
原告らがそれぞれ組合員となっている民法上の組合として行った船舶リース事業による収益が不動産所得に当たるとして,これを雑所得として課税した所得税更正処分を取消した事例

[地方自治法]
6(大阪地裁平19.12.27判決)
1 財産区財産に関する住民訴訟について,当該財産区の所在する地方公共団体の住民に原告適格が認められるとした事例
2 財産区所有の土地の不法占有を理由として,当該土地の明渡請求権等の行使を怠っているとして所要の措置をとるように求める住民監査請求について,当該土地について交換契約等が締結された以降の不法占有を理由とする住民監査請求は,当該契約の日から監査請求期間の制限を受けるとされた事例

◆民・商事裁判例
[民 法]
1(大分地裁平19.12.17判決)
民事調停法17条に基づく調停に代わる決定には,民法95条は適用されないと判断した事例

2横田基地騒音公害訴訟控訴審判決(東京高裁平17.11.30判決)
1 米軍機の発する騒音等による被害を理由とする損害賠償請求が認容された事例
2 危険への接近の法理の適用が認められなかった事例
3 航空機騒音による将来の損害の賠償請求が一部認められた事例

3(大阪地裁平20.2.13判決)
痙性斜頚に対する治療として実施された先端的な治療法であるアドリアシン注入術につき,その適応の存在は否定できないが,先端的な治療法であることなどの説明がされていないとして,説明義務違反による慰謝料が認容された事例

[知的財産]
4(東京地裁平19.2.27判決)
学会発表により自己免疫疾患マウスに係る特許を受ける権利及びその研究成果が侵害されたとはいえないとされた事例

[諸 法]
5(名古屋高裁平19.11.19判決)
零細事業者が申込みをしたリース契約につき同契約が事業のためにされたものではないとしてクーリングオフが認められた事例

[民事執行法]
6(横浜地裁平19.12.26決定)
預金債権を差し押えられた債務者に,扶養義務を負う子供たちがあり,年金と長男の援助により生計を立てているとしても,債権者の債権回収の前に預金口座から230万円を引き出していることからすれば,債務者に誠実性や任意履行の意思が欠如しているというべく,差押範囲の変更を認めることはできないとされた事例

◆刑事裁判例
[刑 法]
1(名古屋高裁平19.10.4判決)
他人がクレジットカード名義人になりすましてクレジットカード売上票に名義人の氏名を冒書する行為は,単なる署名偽造にとどまらず,有印私文書偽造罪に該当する

[特別刑法]
2(大阪高裁平19.9.25判決)
狂犬病の予防注射を受けさせなかった犬は,狂犬病予防法5条1項違反罪の犯罪組成物件には当たらない

記事紹介

■家事法研究(2)――財産分与
財産分与と債務/松谷佳樹

離婚の際の財産分与と債務の取り扱い/棚村政行

財産分与における住宅問題/相原佳子

■山形地裁民事実務研究6
分譲マンションの売れ残り分を当初の分譲価格から値引きして販売した業者の既購入者に対する不法行為責任が認められた事例
大阪高判平19.4.13判時1986号45頁(原審・神戸地判平17.11.24)/石川真紀子

◆民事訴訟の運用に関するアンケート結果(2)
「証拠調べ関係」(中間とりまとめ)/藤下 健・矢尾 渉・吉田 徹・首藤晴久・長門久美子・齊藤洋哉・田渕 誠

■大阪民事実務研究
自動車事故と重過失免責
人身傷害補償保険の免責事由「極めて重大な過失」について/高島義行

■量刑に関する諸問題〔大阪刑事実務研究会〕
刑事訴追に必然的に伴う負担と量刑/和田 真

(コメント)和田真「刑事訴追に必然的に伴う負担と量刑」について/松田岳士

■ブック・レビュー
山本克己=山本和彦=瀬戸英雄編『新破産法の理論と実務』/園尾隆司


判例紹介

速 報
[民 法]
1(大阪高裁平20.5.30判決)
1 別除権行使による主たる債務の弁済と開始時現存額主義の適用範囲
2 担保権者である破産債権者が弁済充当合意の存在を主張することができる時期
3 物上保証人財産の任意売却による主たる債務の弁済と開始時現存額主義の適用範囲

最高裁判例
[国家補償法]
1(最高裁第二小法廷平20.4.18判決)
公立小学校3年の児童が,朝自習の時間帯に離席して,ロッカーから落ちていたベストのほこりを払おうとしてこれを頭上で振り回したところ,別の児童の右眼に当たり当該児童が負傷した事故につき,教室内にいた担任教諭に児童の安全確保等についての過失がないとされた事例


[民 法]
2(最高裁第一小法廷平20.4.14判決)
共有の性質を有する入会権の処分につき入会集団の構成員全員の同意を要件としない慣習の効力

3(最高裁第三小法廷平20.3.18判決)
大韓民国の国籍を有するAとその嫡出子として同国の戸籍に記載されているYとの間の実親子関係についてAの子であるXらが不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとした原審の判断に,同国の民法の解釈適用を誤った違法があるとされた事例


行政裁判例
[行政法一般]
1(大阪地裁平19.4.26判決)
1 市教育委員会が,入学式の国歌斉唱時,起立しなかった教職員の氏名及びその理由等の調査を行い,各校ごとにこれを一覧にした文書に記載して当該各個人の個人情報を収集及び保管したことが枚方市個人情報保護条例8条に違反するとされた事例
2 市教育委員会が,市立各小中学校長に対し,入学式の国歌斉唱時に起立することなどの指示を出したことが教育基本法10条,憲法19条等に違反しないとされた事例

[国家補償法]
2(鹿児島地裁平18.9.29判決)
県の援護委託措置により社会福祉法人の設置運営する知的障害者更生施設に通所していた知的障害者が保護訓練中に行方不明となった事件につき,県の国家賠償責任が否定され,同施設長と社会福祉法人の損害賠償責任が認められた事例

[租税法]
3(大阪地裁平19.12.13判決)
1 国税徴収法39条の第二次納税義務と国税通則法42条,民法424条の詐害行為取消制度との関係
2 国税徴収法39条の「滞納者の国税につき滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合」の意義
3 相続税の連帯納付義務者に対し,督促を行う法律上の根拠

[地方自治法]
4(名古屋地裁平19.5.24判決)
1 サマージャンボ宝くじの収益金に対する市町村の共有持分権が否定された事例
2 市町村振興協会が,市町村を会員とした上,これに交付すべきサマージャンボ宝くじの収益金をもって会費とする会員制度を導入したことが違法ではないとされた事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
1(福岡地裁平19.10.5判決)
入社時の誓約及び会社の就業規則に規定する退職後の競業避止条項が公序良俗違反とされた事例

民・商事裁判例
[民 法]
1(大阪地裁平20.1.30判決)
1 呉服販売業者がその従業員に対し呉服等の自社商品を販売した行為が,従業員の支払能力に照らし過大であり,売上目標の達成のために事実上購入することを強要したものであるとして,公序良俗に反して無効であるとされた事例
2 事業者がその従業員に対して行う割賦販売について,割賦購入あっせん業者に対する抗弁を規定する割賦販売法30条の4の適用を除外する同法30条の6,8条5号の適用が否定され,呉服販売業者がその従業員に対して呉服等の自社商品を販売した行為が公序良俗に反して無効であることをもって,その売買代金の立替払債務の履行を請求する信販会社に対して,対抗することができるとされた事例

2(東京地裁平19.12.5判決)
1 新聞記事の名誉毀損性を判断するに当たっては,原則として,見出しのみならず記事本文等,記事全体から受ける印象をもって判断すべきであるとされた事例
2 名誉毀損記事の情報提供者に対する損害賠償及び謝罪広告の請求が棄却された事例

3(東京地裁平19.7.20判決)
日本弁護士連合会事務局への度重なる電話及び訪問による面談強要があったとして,平穏に業務を遂行する権利に基づく直接交渉の強要禁止請求が認められた事例

4(東京高裁平20.4.16判決)
交通事故の被害者が,労災保険法の規定に基づく障害年金給付を受給している場合に,政府保障事業(自賠法72条1項)による損害のてん補において,将来受けるべき障害年金相当額を控除すべきか(消極)

5(名古屋地裁平19.4.25判決)
入院患者が飛び降りて自殺したことにつき,病院側に自殺に対する予見可能性がないとして遺族からの損害賠償請求を棄却した事例

6(大分地裁平19.6.21判決)
保証業者の受ける保証料が貸金業者の受ける利息制限法3条所定のみなし利息に当たるとされた事例

[商 法]
7(大阪高裁平20.3.25決定)
会社法976条22号の過料決定と故意過失の要否

8高千穂電気株主代表訴訟事件(東京地裁平20.1.17判決)
1 株券返還請求は株主代表訴訟の対象とはならないとされた事例
2 提訴請求書にどこまで記載していれば適法かについて判断した事例
3 会社が自己株式を会社代表者に廉価で売却したとはいえないとした事例

9(東京高裁平19.12.26判決)
中小企業共済における被共済者の従業員が仮設桟橋の補強工事中に高波により水死した事故について免責事由としての天災に当たらないとされた事例
10(東京地裁平19.9.14判決)
個人賠償責任共済契約の被共済者が喧嘩によって他人の指を噛み切った場合において,「被共済者の故意」「被共済者による暴行に起因する損害賠償責任」という免責条項に該当し共済金請求ができないとされた事例


[知的財産]
11ELLEGARDEN事件知的財産高裁判決(知財高裁平20.3.19判決)
「ELLE」の文字からなる著名な原告商標とロックバンド名を表示する「ELLE GARDEN」の文字からなる被告標章との類否につき,原告商標及び被告標章の構成,使用態様,本件ロックバンドの著名性等を認定した上,被告標章のうち上記文字を一連に表示した標章については類似性を否定し,「ELLE」と「GARDEN」を2段に表示した標章については類似性を肯定した事例

[倒産処理法]
12(東京地裁平19.3.15判決)
更生管財人が更生会社からその所有する土地を譲り受けた受益者及びその転得者に対してした否認請求を認容した原決定を認可した事例

刑事裁判例
[刑 法]
1(東京高裁平20.3.10判決)
1 事理弁識能力を欠いていた疑いがあることを理由として被告人の殺意が否定された事例
2 心神喪失の疑いがあるとして被告人を無罪とした原判決の判断が維持された事例

[特別刑法]
2(千葉地裁平19.8.22判決)
覚せい剤を手荷物に隠匿して輸入した事案につき,被告人には違法薬物を隠匿所持していることの認識があったとはいえず,故意を認めることはできないとして,無罪を言い渡した事例


記事紹介

■座談会
争点整理をめぐって(下)
――『民事訴訟実務と制度の焦点』を素材として/遠藤賢治・瀬木比呂志・二宮照興・垣内秀介・山本和彦

◆民事訴訟の運用に関するアンケート結果(1)
「主張整理関係」(中間とりまとめ)/菅野雅之・武藤真紀子・藤澤孝彦・吉野俊太郎・小林亜久・本田千鶴

■量刑に関する諸問題〔大阪刑事実務研究会〕
第2 量刑諸要素の検討
Ⅱ 被告人の一般情状に関するもの
14 被告人の反省態度等と量刑/川合昌幸
(コメント)川合昌幸「被告人の反省態度等と量刑」について/松田岳士

■ビジネス・ロー・レポート75・完〔大阪企業法務研究会〕
契約における努力条項の意義について/稲田和也

■会社判例プラザ37・完――服部榮三〔東北大学名誉教授〕監修
新株予約権付社債の発行について,特に有利な条件による発行(有利発行)に該当するものとは認められなかった事例
オートバックスセブン新株予約権付社債発行差止却下決定(東京地決平19.11.12金判1281号52頁)/田邊宏康

■実践 刑事弁護:裁判員にわかりやすい弁護のために9
メディアの論理と弁護士の論理/山口 進

■世界の司法125――その実像を見つめて
アメリカ合衆国マサチューセッツ州の民事訴訟における争点整理
裁判官と弁護士の役割/齊藤暁子


判例紹介(全29数)

◆特 報
[刑事訴訟法]
1(大阪地裁平19.11.14決定)
取調べ状況を録音・録画したDVDが取り調べられた結果,任意性に疑いがあるとして,検察官調書の証拠調べ請求が却下された事例

◆速 報
[個別的労働関係]
1松下プラズマディスプレイ事件控訴審判決(大阪高裁平20.4.25判決)
業務委託契約に基づくテレビ部品製造会社への派遣労働者と製造会社との間に黙示の労働契約の成立を認め,契約更新後の別作業への配置転換命令を権利濫用として無効として別作業の就労義務の不存在を認め,契約期間満了を理由とする解雇又は雇止めを権利濫用として無効とした事例

◆最高裁判例
[憲 法]
1(最高裁第一小法廷平20.3.6判決)
住民基本台帳ネットワークシステムにより行政機関が住民の本人確認情報を収集,管理又は利用する行為と憲法13条

[民 法]
2(最高裁第一小法廷平20.2.28判決)
少年Aが少年B及び少年Cから暴行を受けて死亡したことについて,暴行が行われている現場に居た少年Y1,Y4及びY7がAを救護するための措置を執るべき法的義務を負っていたとはいえないとされた事例

[諸 法]
3(最高裁第三小法廷平20.2.19判決)
被害者の行使する自賠法16条1項に基づく請求権の額と市町村長が老人保健法(平成17年法律第77号による改正前のもの)41条1項により取得し行使する上記請求権の額の合計額が自動車損害賠償責任保険の保険金額を超える場合に,被害者は市町村長に優先して損害賠償額の支払を受けられるか

[刑 法]
4(最高裁第二小法廷平20.3.3決定)
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に汚染された非加熱血液製剤を投与された患者がエイズ(後天性免疫不全症候群)を発症して死亡した薬害事件について,厚生省薬務局生物製剤課長であった者に業務上過失致死罪の成立が認められた事例

[特別刑法]
5(最高裁第三小法廷平20.4.22判決)
薬物犯罪の幇助犯から「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」11条1項,13条1項により没収・追徴できる薬物犯罪収益等の範囲

[刑事訴訟法]
6(最高裁第二小法廷平20.4.15決定)
1 捜査機関が公道上及びパチンコ店内にいる被告人の容ぼう,体型等をビデオ撮影した捜査活動が適法とされた事例
2 捜査機関が公道上のごみ集積所に不要物として排出されたごみを領置することの可否

◆行政裁判例
[行政法一般]
1(東京地裁平19.2.2判決)
1 国籍国政府から直接迫害を受けるおそれはないが同国内の政治団体関係者から迫害を受けるおそれがあり,かつ同国政府から保護を受けられないため,「迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有する」として難民に該当すると判断された事例
2 難民の認定をしない処分が無効であることの確認請求が認容された事例

[行政争訟法]
2(大阪地裁平20.1.31判決)
1 保険医療機関指定取消処分及び保険医登録取消処分の差止めの訴えについて,行政事件訴訟法37条の4第1項にいう「一定の処分又は裁決がされることにより重大な損害を生ずるおそれがある場合」の要件を肯定した事例
2 保険医療機関指定取消処分及び保険医登録取消処分の適法性を肯定した事例

[租税法]
3(大阪地裁平20.2.29判決)
学校法人の設置する高等学校及び中学校の各校長であった当該学校法人の理事長が,同各校長の職を退いて,同学校法人の設置する大学の学長に就任するに当たり,同高等学校の退職金規程等に基づいて同人に支給された退職金名目の金員に係る所得が,所得税法30条1項にいう「退職所得」に該当するとされ,これを同法28条1項にいう「給与所得」に該当するとしてされた納税告知処分及び不納付加算税賦課決定処分が取り消された事例

4(大阪地裁平19.9.21決定)
推計課税の事案において,同業者の青色申告決算書につき,引用文書ではないとして,文書提出命令の申立てが却下された事例

◆民・商事裁判例
[民 法]
1(東京高裁平19.9.12判決)
マンションの建替え決議について,敷地の特定に欠け,敷地利用権の処理が明らかにされていないとし,同決議が無効とされた事例

2(東京地裁平19.7.26判決)
株式譲渡契約によるM&Aにおいて,売主に事実の表明,保証義務違反があったとして,同契約の補償条項に基づく損害補償が認められた事例

3(甲府地裁平18.6.30判決)
誤って被告の預金口座に金銭を振り込んだ原告の不当利得返還請求につき,被告の相殺の抗弁が排斥された事例

4(東京高裁平20.1.31判決)
殺人事件発生の26年後に遺体の身元が確認されて提起された不法行為による損害賠償請求の訴えが除斥期間を経過していないとされた事例

5(東京地裁平20.1.25判決)
建物の設計監理者に,建築された建物の瑕疵について,施主に対する不法行為責任が一部認められた事例

6(東京地裁平19.5.30判決)
医科大学の主任教授の講師に対する研究の価値及び教育活動を一切否定するような発言,大学からの退職を迫られているように受け取られる発言,討論会から排除する発言は,指導としての適切さを欠き,違法であるとして,主任教授の不法行為責任が認められた事例

7(大阪地裁平19.11.14判決)
入院患者がベッドから転落して後遺障害を負った事故につき,転落防止措置等についての病院医師・看護師の過失が否定された事例

8(東京高裁平18.8.7決定)
面接交渉を認めた判決主文の当該条項には,給付条項性が認められず,当該条項に基づき間接強制を求めた債権者の申立てには理由がない

[商 法]
9レックスHD株式取得価格決定事件(東京地裁平19.12.19決定)
全部取得条項付株式の取得価格について判断した事例

10(東京地裁平20.2.21判決)
株式発行会社の有価証券報告書等の虚偽記載により株式上場廃止になったことにより損害を被ったとの株主の請求が棄却された事例

11(仙台高裁平19.8.29判決)
建物及び家財の火災に関する「家財の現在高並に損害見積額明細書」に不実の表示がされた場合,保険会社の約款による免責が認められた事例

[知的財産]
12(知財高裁平18.7.11判決)
訂正審判において,訂正後の請求項1記載の発明(訂正発明1)の進歩性(独立特許要件)を否定し,請求不成立とした審決の取消訴訟において,審決における主たる引用発明と従たる引用発明を入れ替えて進歩性(独立特許要件)の判断をして,審決を維持した事例

13(知財高裁平18.7.11判決)
特許異議の申立てに基づく取消決定に対する取消訴訟において,決定における主たる引用発明と従たる引用発明を入れ替えて進歩性の判断をして,決定を維持した事例

[諸 法]
14(東京高裁平19.11.28判決)
改正後区分所有法の施行前になされた管理規約違反の増築について,同法施行後も,管理規約に基づき,管理組合が区分所有者に対してその義務の履行を求める訴訟を提起し得るとされた事例

[倒産処理法]
15(東京高裁平19.9.21決定)
会社代表者らが銀行からの借入れのため請負代金債権に譲渡担保を設定し,第三債務者の承諾書を偽造した場合であっても,民事再生法25条4号の再生申立棄却事由がないとされた事例

◆刑事裁判例
[刑 法]
1福岡飲酒運転3児死亡事故(福岡地裁平20.1.8判決)
3人を死亡させ,2人を負傷させた危険運転致死傷等の事案について,アルコールの影響により正常な運転が困難な状態ではなかったとして業務上過失致死傷,道路交通法違反(酒気帯び運転)を認定した事例

2(東京高裁平19.9.26判決)
法律上の夫が妻に対して,暴行脅迫を加えて,姦淫をした場合に,強姦罪が成立するとされた事例

記事紹介

◆文書送付嘱託関係のモデル書式について/須藤典明・尾立美子・片田信宏・川原田貴弘・鶴岡俊一・鈴木達也・徳永隆治

■現代企業法研究会 企業間提携契約の法的諸問題5
企業間提携契約と継続的契約
――その特徴と相互関係に関する試論――/内田義厚

■大阪民事実務研究会
保険契約の保険金受取人変更と詐害行為取消権・否認権の行使/岡山忠広

◆物権変動論再考
物権法の日中比較をかねて/加藤雅信

■判例評釈
捜索差押状執行中に搬入された荷物の捜索
最一小決平成19年2月8日刑集61巻1号1頁/松代剛枝

◆医療過誤――ドイツにおける医学的・法的側面に関する論評(Medical malpractice comments on medical and legal aspects in Germany)
Prof. Dr. Wolfgang Eisenmenger ヴォルフガング・アイゼンメンガー教授
Prof. Dr. med. Thomas Gilg トーマス・ギルク教授
/(訳)黒木尚長・寺尾壽幸

■奈良弁護士会と奈良地方・家庭裁判所,奈良簡易裁判所との協議会
調停の運営改善を目指して


判例紹介(全22件)

◆特 報
[憲 法]
1国籍法違憲訴訟最高裁大法廷判決(最高裁大法廷平20.6.4判決)
1 国籍法3条1項が,日本国民である父と日本国民でない母との間に出生した後に父から認知された子につき,父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得した(準正のあった)場合に限り日本国籍の取得を認めていることによって国籍の取得に関する区別を生じさせていることと憲法14条1項
2 日本国民である父と日本国民でない母との間に出生した後に父から認知された子は,父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得したという部分(準正要件)を除いた国籍法3条1項所定の国籍取得の要件が満たされるときは,日本国籍を取得するか

[民 法]
2西武鉄道株式・株主集団訴訟(東京地裁平20.4.24判決)
1 有価証券報告書等の株式数についての虚偽記載が不法行為法上の違法に当たるか(積極)
2 有価証券報告書等に虚偽記載があることが発覚し,上場廃止となった会社の株主の損害賠償集団訴訟において,株式を処分した株主の請求が認容され,株式を保有している株主の請求が棄却された事例


◆最高裁判例
[憲 法]
1(最高裁第三小法廷平20.2.19判決)
1 我が国において既に頒布され,販売されているわいせつ表現物を関税定率法(平成17年法律第22号による改正前のもの)21条1項4号による輸入規制の対象とすることと憲法21条1項
2 輸入しようとした写真集が,関税定率法(平成17年法律第22号による改正前のもの)21条1項4号にいう「風俗を害すべき書籍,図画」等に該当しないとされた事例

[地方自治法]
2(最高裁第一小法廷平20.3.17判決)
県警察本部の県外出張に係る旅費の支出のあった日から1年を経過して住民監査請求がされたことについて地方自治法242条2項ただし書にいう正当な理由があるとされた事例

[個別的労働関係]
3(最高裁第一小法廷平20.3.27判決)
業務上の過重負荷と基礎疾患とが共に原因となって従業員が死亡した場合において,使用者の不法行為を理由とする損害賠償の額を定めるに当たり,使用者による過失相殺の主張が訴訟上の信義則に反するとして民法722条2項の規定を類推適用しなかった原審の判断に違法があるとされた事例

[民 法]
4(最高裁第二小法廷平20.2.29判決)
賃料自動改定特約のある建物賃貸借契約の賃借人からの賃料減額請求の当否等を判断するに当たり,上記特約による改定前に当事者が現実に合意した直近の賃料を基にすることなく,上記特約によって増額された賃料を基にして,増額された日から当該請求の日までの間に限定して経済事情の変動等を考慮した原審の判断に違法があるとされた事例


[商 法]
5(最高裁第二小法廷平20.2.22判決)
1 会社の行為が商行為に該当することの主張立証責任
2 会社の貸付けが当該会社の代表者の情宜に基づいてされたものとみる余地があっても,当該貸付けに係る債権が商行為によって生じた債権に当たるとされた事例

6(最高裁第三小法廷平20.2.26判決)
会社法346条1項に基づき退任後もなお会社の役員としての権利義務を有する者に対する解任の訴えの許否

[諸 法]
7(最高裁第一小法廷平20.3.6決定)
公正取引委員会の排除措置命令に違反した者を独禁法97条の定める過料に処さないこととした原審の判断が是認された事例

[倒産処理法]
8(最高裁第一小法廷平20.3.13決定)
1 民事再生法174条2項3号所定の「再生計画の決議が不正の方法によって成立するに至ったとき」には,再生計画案が信義則に反する行為に基づいて可決された場合が含まれるか
2 民事再生法172条の3第1項1号の趣旨を潜脱し信義則に反する再生債務者らの行為に基づいて再生計画案が可決されたとして,再生計画に同法174条2項3号所定の不認可事由があるとされた事例


◆行政裁判例
[国家補償法]
1(大阪地裁平19.9.28判決)
未決拘禁者が購読し得る新聞紙(通常紙)を拘置所長の選定した2紙のうちの1紙に限る旨の法務大臣訓令等の規定に基づき,拘置所長の選定した2紙以外の通常紙の定期購読を許可されなかったのは違憲,違法であるとしてされた国家賠償請求が棄却された事例

[租税法]
2(大阪地裁平20.2.29判決)
会社の使用人らがその執行役に就任するに当たり,使用人の退職金規程に基づいて支給された退職金名目の金員に係る所得が所得税法30条1項にいう「退職所得」に該当するとされ,これを同法28条1項にいう「給与所得」に該当するとしてされた納税告知処分及び不納付加算税賦課決定処分が取り消された事例

[地方自治法]
3(大阪地裁平19.12.27判決)
一部事務組合が国及び市から公金を受領した行為を財務会計行為として住民監査請求をしても,同組合が施設建設工事・運営費を支出する行為を財務会計行為としてその差止等を求める住民訴訟について監査請求前置を満たさないとした事例

[情報公開]
4(大阪地裁平20.1.31判決)
新司法試験における受験者の答案及び当該答案を採点した考査委員が付した素点の記載された文書が,行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律14条7号柱書の事務支障情報に該当するとされた事例


◆民・商事裁判例
[民 法]
1(大阪高裁平18.11.28判決)
企業が,退職者に対し,退職金の一部を年金原資として拠出を受けた金員に一定割合(年10%ないし7.5%)の利息を付加して年金を支給する旨の私的な独自の年金制度において,企業が,経済情勢もしくは社会保障制度に大幅な変動があったとして,その給付利率を一律2%引下げたことが,その引下げにつき同意しない年金受給者に対しても効力を生じると判断された事例

2(東京地裁平19.9.12判決)
被告組織によるタクシー利用者からの苦情処理や乗務員に対する指導等には,タクシー事業者及び乗務員に対する法律上あるいは事実上の強制力は認められず,受動喫煙の強要には当たらないとされた事例

3(大阪地裁平20.2.27判決)
心臓弁膜置換手術を受けた患者が,術後,出血性貧血による心筋虚血及び心タンポナーデを原因とする心不全を発症し,低酸素脳症による遷延性意識障害に陥った後に死亡したことにつき,担当医に,術後管理に係る注意義務違反があり,これが尽くされていれば死亡の結果を回避できた相当程度の可能性があったとされた事例

4(東京地裁平19.1.25判決)
発熱と痙攣を主訴として入院した当時10か月の幼児について,医師が適時に結核性髄膜炎との鑑別診断をせず,専門医に転医させなかったことについて過失があるとされた事例

[商 法]
5西武鉄道株式・機関投資家事件(東京地裁平20.4.24判決)
有価証券報告書等の虚偽記載により上場廃止となった株式を売却した機関投資家の損害賠償請求が,主張する損害が理由がないとして棄却された事例

[知的財産]
6(知財高裁平19.12.26判決)
「無アルカリガラス,液晶ディスプレイパネル及びガラス板」の発明に係る特許出願につき,同出願に先立つ特許出願を優先権主張の基礎とする特許出願の明細書に記載された発明と同一であるとして,特許法29条の2の規定により登録を拒絶すべきものとした審決が,審決において同条の規定の対象とした発明は優先権主張の基礎とされた先出願の明細書には記載されていないとして,取り消された事例

[諸 法]
7(大阪高裁平20.4.16判決)
1 区分所有建物の管理組合が規約で専ら専有部分に係る事項について定めることの可否
2 規約で専ら専有部分に係る事項について定めることができる特段の事情

◆刑事裁判例
[刑 法]
1(東京地裁平17.2.17判決)
1 外務省国際情報局主任分析官であった被告人が,日本国とロシア連邦等との間の協定に基づき設置された支援委員会(国際機関)のため同協定により日本国政府が行うべき事務を担当していた同省欧亜局ロシア課ロシア支援室所属の課長補佐と共謀の上,前記協定上許容されない同委員会費用の支出をしたとして背任罪の成立を認めた事例
2 同被告人が,同課長補佐及び大手商社の従業員らと共謀の上,国後島におけるディーゼル発電施設設置工事の施工業者選定のための一般競争入札に関し,入札予定価格に関する情報を同社に伝える等の不正な工作をして入札予定価格をわずかに下回る価格で同社に同工事を請け負わせ,同委員会事務局の業務を妨害したとして偽計業務妨害罪の成立を認めた事例

記事紹介

◆共同研究 裁判員等選任手続の在り方について
辞退事由の判断の在り方を中心にして/今崎幸彦

■座談会
争点整理をめぐって(上)
――『民事訴訟実務と制度の焦点』を素材として/遠藤賢治・瀬木比呂志・二宮照興・垣内秀介・山本和彦(司会)

◆労働審判制度に関する協議会

◆千葉県医事関係裁判運営委員会第12回定例会

■現代企業法研究会 企業間提携契約の法的諸問題4
OEM契約の法的整理/日下部真治

■ビジネス・ロー・レポート74〔大阪企業法務研究会〕
商品形態の模倣について/平田政和

◆保険金請求事件における偶然性の主張立証責任に関する最高裁判決の検討/桃崎 剛

■実践 刑事弁護:裁判員にわかりやすい弁護のために8
わかりやすい弁護と構成/大橋鉄雄

■世界の司法123――その実像を見つめて
地域密着型・問題解決型司法/木畑聡子

■世界の司法124
米国の量刑制度とアプレンディ準則/根崎修一

判例紹介(全23数)

◆特 報
[商 法]
1カネボウ株式買取価格決定申立事件(東京地裁平20.3.14決定)
1 旧商法245条ノ2の「公正ナル価格」の算定に当たってDCF法が採用された事例
2 会社提示の買取価格1株162円を上回る1株360円が買取価格として相当であるとされた事例
3 鑑定費用の負担割合について当事者の主張価格と裁判所の決定額との乖離率に応じて決定するのが相当とされた事例

◆最高裁判例
[刑 法]
1(最高裁第一小法廷平20.1.22決定)
準強制わいせつ行為をした者が,わいせつな行為を行う意思を喪失した後に,逃走するため被害者に暴行を加えて傷害を負わせた場合について,強制わいせつ致傷罪が成立するとされた事例

[特別刑法]
2(最高裁第三小法廷平20.3.4判決)
船舶から海上に投下し回収する方法により覚せい剤を輸入しようとした行為につき,覚せい剤取締法41条の輸入罪及び関税法(平成17年法律第22号による改正前のもの)109条1項,3項の禁制品輸入罪の実行の着手があったとはいえないとされた事例

[刑事訴訟法]
3(最高裁第二小法廷平20.3.14判決)
1 旧刑訴法適用事件につき再審が開始された場合,その対象となった判決の確定後に刑の廃止又は大赦があったときは,再審開始後の審判手続において免訴に関する規定の適用を排除して実体判決をすることができるか
2 旧刑訴法適用事件についての再審開始後の審判手続において,被告人は免訴判決に対し無罪を主張して上訴することができるか
3 旧刑訴法適用事件について再審が開始され,第1審判決及び控訴審判決が言い渡されて更に上告に及んだ後に,当該再審の請求人が死亡しても,再審の手続が終了しない場合

4(最高裁第一小法廷平20.3.5決定)
1 殺人に係る被害者特定事項を公開の法廷で明らかにしない旨の決定がされた事例
2 被害者特定事項を公開の法廷で明らかにしない旨の決定をすることと憲法32条,37条1項

◆行政裁判例
[行政法一般]
1(大阪地裁平20.1.24判決)
廃棄物処理法7条5項4号トの「その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」について判断した事例

[国家補償法]
2調停国家賠償訴訟判決(東京地裁平18.3.24判決)
民事調停における裁判官及び調停委員の職務行為の国家賠償法上の違法性が否定された事例

[租税法]
3(東京地裁平17.9.30判決)
外国法人A社がその傘下にある日本国内にある内国法人B社を通じて日本国内において展開する事業に関する収益について日本において課税されることを免れる目的で,A社の傘下にある外国法人C社とB社とが日本の商法に基づき匿名組合を設立し,B社が上記収益を上記匿名組合に関する契約に基づく利益分配金として上記匿名組合におけるC社の地位を承継したオランダ法人である原告に送金した場合に,上記利益分配金は法人税法138条1号に規定する「国内源泉所得」及び所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国政府とオランダ王国政府との間の条約8条1項に規定する「企業の利得」に当たるとしてされた課税処分が違法であるとされた事例

[情報公開]
4(名古屋地裁平18.10.5判決)
行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条2号イに該当するとしてされた行政文書の一部不開示決定が取り消された事例


◆民・商事裁判例
[民 法]
1(東京高裁平20.2.28決定)
抵当権が設定された建物の屋上に建築されたプレハブ式建物に第三者名義の所有権保存登記を経由したことが,抵当権の実行を妨害する目的でされたものであると認定し,抵当権に基づく妨害排除として,同保存登記の抹消登記手続請求権を保全するため,同プレハブ式建物について処分禁止仮処分命令を発した事例

2(札幌地裁平19.11.13判決)
1 温泉の湧出の有無にかかわらず代金を支払う内容となっている温泉掘削工事契約でも,掘削業者は掘削や検層の結果を踏まえ,発注者と適宜協議をしながら,発注者の経営目的を前提として,もっともそれに沿う湧水が得られると思われる深度にストレーナーを設置する義務を含むと解するのが相当である
2 温泉の掘削工事において,ストレーナーの設置位置が適切ではなかったため,結果として発注者の希望に沿う湧水が得られなかったとしても,ストレーナーの設置に関する判断が不合理といえなければ,掘削業者は債務不履行責任を負わない

3(東京地裁平19.9.28判決)
鉄道高架橋下にある土地の賃貸借契約は,建物所有目的の土地の賃貸借契約ではなく,一般の土地の賃貸借契約とは異なった特殊な契約であるとして,借地法は適用されないとした事例

4(東京地裁平19.9.12判決)
1 大学を設置する学校法人について,虚偽の理事選任登記等を得た上,自らが理事に選任されたなどとして大学に乗り込み,その業務を妨害した者に対し,損害賠償請求が認められた事例
2 大学を設置する学校法人について,虚偽の理事選任登記等を得た上,自らが理事に選任されたなどとして大学に乗り込み,その業務を妨害した者について,過失相殺の主張が排斥された事例

5(東京地裁平18.12.26判決)
輸出入等の取引につき優越的状況にあることを利用して著しく不相当に高額な代金を提示して契約を締結したことが不法行為を構成するとされた事例

6(京都地裁平19.10.9判決)
1 いわゆる制裁的慰謝料の請求を認めなかった事例
2 交通事故の被害者の家族がPTSD等の精神疾患に罹患したことによる治療費等の損害につき,交通事故による損害と認めなかった事例
3 過失相殺減額を行うのは相当でないとして,過失相殺減額を行わなかった事例

7(名古屋地裁平19.6.14判決)
患者ががんの告知を受けながら適切な治療を拒否した場合,医師には患者の家族に対しがんの告知をする義務はないとされた事例

8(福岡高裁平19.6.1判決)
先天性心疾患を有する患者が,フォンタン手術を受けた際に心房を裂創され,低酸素脳症を発症して死亡した場合,手術担当の医師に手技上のミスがあったとして,病院側の債務不履行責任が認められた事例

9(大阪高裁平19.3.30判決)
退任取締役に対して退職慰労金を支給しない旨の議案を株主総会に提出した取締役会の措置が退任取締役の人格権的利益を侵害した違法なものでその株式会社の退任取締役に対する不法行為に当たるとされた事例

[知的財産]
10(知財高裁平19.10.31判決)
1 商標の不使用取消審決が維持された事案において,輸出用商品に商標を付する行為は平成18年改正前の商標法の下における「登録商標の使用」(商標法50条1項)に該当しないとされた事例
2 商標の不使用取消審判の「請求の趣旨」における「指定商品の範囲」(特に,「類似する商品」との記載)の明確性について付言のされた事例

11(知財高裁平19.7.23決定)
特許無効審判において,請求項の削除を含む訂正を認めた上で,一部の請求項に係る特許を無効とし,一部の請求項に係る特許について請求不成立とした審決のうち,特許を無効とした部分を特許法181条2項の規定により取り消すに当たり,審決中の訂正を認めるとの部分の形式的確定や同法134条の2第4項の規定によるみなし取下げの範囲等が説示された事例

12(知財高裁平19.6.27判決)
商標不使用取消審判請求を棄却した審決に対する取消訴訟の判決理由中において,審判請求の「請求の趣旨」における「指定商品の範囲」の明確性について付言のされた事例
◆刑事裁判例
[特別刑法]
1(①大阪地裁平19.2.7判決)(②大阪地裁平19.9.13判決)
1 弁護士であり,衆議院議員でもある被告人Aに対する弁護士法違反(名義貸し罪),組織的犯罪処罰法違反(犯罪収益等収受罪)の各公訴事実につき,前者については,被告人Aの違法性の意識について検討を加えた上これを肯定し,被告人Aを有罪としたが,後者については,前提犯罪(非弁行為)の正犯者(共同正犯者)は犯罪収益等収受罪の主体とはならないことを前提に,被告人Aの非弁行為に対する加功の態様について実質的な検討を加え,被告人Aは前提犯罪(非弁行為)に共同正犯的に加功したものと認定して,犯罪収益等収受罪の適用を排斥し,被告人Aを無罪とした事例(①事件)
2 弁護士の資格を有しない被告人Bが,A名義で非弁行為を行ったという弁護士法違反と,それによって得られた犯罪収益である報酬を「A法律事務所A」名義の預金口座に入金して犯罪収益等の取得につき事実を仮装したという組織的犯罪処罰法違反の各公訴事実につき,前者については,当初の一定期間はAの指揮監督下にあったから非弁行為に当たらない旨の弁護人の主張を排斥して,非弁行為に当たるとし,後者については,犯罪収益等の帰属を仮装する行為及び取得の原因を仮装する行為に当たると判断して,被告人Bをいずれも有罪とした事例(②事件)



記事紹介

◆2007年度大阪地方裁判所第21・26民事部と大阪弁護士会知的財産委員会との協議会

◆大阪地裁における最近の知財訴訟について/山田知司

■続・元裁判官の書斎(2)
エンサイクロペディストとしての久米邦武(続)/倉田卓次

◆続・最近の裁判例から見た慰謝料額(下)/後藤 勇

■現代企業法研究会 企業間提携契約の法的諸問題3
サブ・フランチャイズ契約の制度設計,フランチャイズ契約の対第三者関係
――企業提携という観点から見た問題(序論)/奈良輝久

◆ブルドックソース事件最高裁決定と買収防衛策の制度設計に関する実務上の問題点の検討/阪口祐康

判例紹介(全19件)

◆特 報
[行政争訟法]
1(大阪地裁平20.2.14判決)
風俗営業所(ぱちんこ店)の周辺住民に営業所拡張変更承認処分の取消訴訟の原告適格を肯定した事例

◆速 報
[民 法]
1沖縄集団自決出版差止等訴訟第1審判決(大阪地裁平20.3.28判決)
太平洋戦争後期に沖縄の座間味島及び渡嘉敷島で発生した住民の集団自決に関し,自決命令を発したと記載された守備隊長若しくはその親族が,著者と出版社に対して名誉若しくは敬愛追慕の情を侵害されたとして求めた損害賠償請求及び著書の出版等差止めの請求等がいずれも棄却された事例

◆最高裁判例
[商 法]
1(最高裁第一小法廷平20.2.28判決)
保険契約に適用される約款に基づく履行期が合意によって延期されたと認められ,保険金請求権の消滅時効の起算点がその翌日となるとされた事例

[刑 法]
2三島女子短大生焼殺事件(最高裁第二小法廷平20.2.29判決)
被害者1名の殺人等の事案につき死刑の量刑が維持された事例

3(最高裁第一小法廷平20.2.18決定)
家庭裁判所から選任された未成年後見人が未成年被後見人所有の財物を横領した場合と刑法244条1項の準用の有無

[刑事訴訟法]
4(最高裁第一小法廷平20.2.20決定)
被殺者2名の強盗殺人等被告事件につき,多数意見では被告人2名を無期懲役に処した第1審判決を維持した控訴審判決を破棄しなければ著しく正義に反するとは認められないとされたが,1名の被告人について,2裁判官による量刑不当との反対意見が付された事例

◆行政裁判例
[国家補償法]
1(名古屋地裁平18.10.27判決)
1 検察官が,検察庁の庁舎内における被疑者と弁護人との面会接見を検察官執務室で実施した行為,及び,拘置所長が,同面会接見において担当刑務官をして被疑者に腰縄を使用させた行為はいずれも違法でないとした事例
2 検察官が,検察庁の庁舎内における被疑者と弁護人との面会接見に捜査担当検察官及びその立会検察事務官を立ち会わせた行為は違法であるとした事例

[租税法]
2(東京高裁平19.6.28判決)
贈与税につき贈与者の連帯納付義務を定めた相続税法34条4項は憲法29条・84条に違反しない

[地方自治法]
3(大阪高裁平19.10.30判決)
1 地方公共団体が談合を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権の行使を怠る事実が違法であると認定された事例
2 地方公共団体発注のごみ焼却施設建設工事の入札において,入札業者間に談合が存在したと認定された事例
3 談合による損害賠償額が民事訴訟法248条に基づき契約金額の6%と算定された事例

4(東京高裁平19.2.14判決)
知事等の海外出張旅費の支出について,住民が相当の注意力を持って調査を尽くせば,客観的にみて住民監査請求をするに足りる程度に財務会計上の行為の存在及び内容を知ることができたというべきであるとして,そのころから約2年9ヶ月後にされた監査請求が不適法とされた事例

◆民・商事裁判例
[民 法]
1プロ野球選手肖像権訴訟(東京地裁平18.8.1判決)
プロ野球選手と所属球団との間において,プロ野球ゲームソフト及びプロ野球カードにつき,球団が第三者に対して選手らの氏名及び肖像の使用許諾をする権限を有しないことの確認請求が棄却された事例

2(福岡高裁平19.6.19判決)
1 新聞販売店契約の更新拒絶に正当な理由がないとされた事例
2 新聞社の新聞販売店に対する同契約の更新拒絶や同契約の解約の働きかけが不法行為に当たるとして慰謝料等の支払が命じられた事例

3(大阪地裁平19.11.21判決)
クリプトコッカス髄膜炎に起因する視力障害により両眼失明に至った患者につき,診療を担当したメンタルヘルス科及び眼科の各医師が神経内科専門医へ転医させるなどの適切な措置を怠ったため両眼失明という重大な後遺症が残らなかった相当程度の可能性が侵害されたとして,医師の不法行為責任が肯定された事例

4(福岡高裁平19.5.29判決)
手術の際に使用された局所麻酔薬の量が過大であるなどの事情があるのに麻酔高の確認がなされた立証がなく,また,手術後に患者の安静を最重視しなかったことに過失があるとされた事例

5(東京地裁平18.11.22判決)
余命半年程度と予想された大腸癌患者に対し,いわゆるQOLの改善を目的として癌切除術を行ったものの,患者がカテーテル感染症から敗血症に陥り,寝たきりのまま約7か月後に死亡した事案につき,担当医師にカテーテル感染症への対処を怠った過失があり,適切な対処がされていれば,患者が現実の死亡時点になお生存していた高度の蓋然性が認められ,かつ,その間平穏な日常生活に復帰できたとして,慰謝料1200万円等の損害賠償が命じられた事例

[知的財産]
6(知財高裁平20.2.12判決)
1 2以上の請求項を対象とする訂正審判請求における訂正の許否の判断を請求項ごとにすべきものとされた事例
2 訂正審判請求に係る複数の請求項のうちの1つにつき訂正要件及び独立特許要件を認めたにもかかわらず,他の請求項が独立特許要件を欠くことを理由とした審判請求不成立の審決に対する取消訴訟において,訂正要件及び独立特許要件が認められた当該請求項に係る訂正の確定時期について判示した事例

7(知財高裁平19.12.28判決)
2以上の請求項を対象とする訂正審判請求における訂正の許否の判断について説示した事例

◆刑事裁判例
[刑 法]
1(水戸地裁平20.1.17判決)
前方注視義務違反,減速義務違反を過失とする業務上過失致死被告事件で,犯罪の証明がないとして無罪が言い渡された事例

2(静岡地裁平19.8.6判決)
被告人が被害者に対し,木製の鞘がついたままのくり小刀(ただし,被告人は,鞘が外れて刃が出ているものと誤って認識していた)で,その腹部を強く突き,さらに,鞘の外れた同くり小刀で被害者の顔面等を刺すなどしたが,被害者らに取り押さえられたために,その目的を遂げなかったという事例において,争点となった①殺意の有無,程度の争点について未必的殺意を認定し,②鞘付きのくり小刀で突いた行為は,不能犯でなく殺人の実行行為に当たると認定した事例

記事紹介

■研究会「事実認定と立証活動」12・完
民事事実認定の現在と展望/馬橋隆紀・須藤典明・村田 渉・加藤新太郎(司会)

■さいたま民事実務研究会
尋問について(2)/佐藤公美・櫻井 進・青山隆治・横山佳純

◆続・最近の裁判例から見た慰謝料額/後藤 勇

■判例展望民事法37
告知義務違反をめぐる裁判例と問題点/志村由貴

■山形地裁民事実務研究5
債権者代位権の行使と,その被代位債権に対する差押え・転付命令の優劣
大阪高判平18.12.13判時1984号39頁(第一審:京都地判平18.6.2判例集未登載)/南雲大輔

■現代企業法研究会 企業間提携契約の法的諸問題2
パートナリングによる企業間提携
――リスク分配からリスク共有へ/笠井 修

■世界の司法121―その実像を見つめて
イギリスにおける刑事訴訟手続上の過誤を是正する制度について
Criminal Cases Review Commissionの紹介/小川 暁

■世界の司法122
ドイツ刑事裁判における合意の実情/赤松亨太

■ブック・レビュー
木谷明編著『刑事事実認定の基本問題』/小林 充


判例紹介(全19件)

◆最高裁判例
[民 法]
1(最高裁第二小法廷平20.1.18判決)
1 第1の基本契約に基づく継続的な金銭の貸付けに対する利息制限法所定の制限を超える利息の弁済により発生した過払金を,その後に締結された第2の基本契約に基づく継続的な金銭の貸付けに係る債務に充当することの可否
2 第1の基本契約に基づく継続的な金銭の貸付けに対する利息制限法所定の制限を超える利息の弁済により発生した過払金を,その後に締結された第2の基本契約に基づく継続的な金銭の貸付けに係る債務に充当する旨の合意が存在すると解すべき場合

2(最高裁第一小法廷平20.1.24判決)
受遺者から民法1041条1項の規定による価額弁償の意思表示を受けた遺留分権利者が受遺者に対し価額弁償を請求する旨の意思表示をした場合において,当該遺留分権利者が遺贈の目的物について価額弁償請求権を確定的に取得する時期

◆行政裁判例
[行政法一般]
1(東京地裁平18.6.16判決)
市街地再開発組合が定めた権利変換計画により権利変換の効力が生じているとして,組合の組合員に対する土地の明渡請求などが認められた事例

[行政争訟法]
2西大阪延伸線工事施行認可取消訴訟(控訴審)(大阪高裁平19.10.25判決)
軌道新設についての国土交通大臣の鉄道施設工事施行認可に違法な点は認められないとされた事例

[国家補償法]
3(東京高裁平19.2.14判決)
教育委員会の職員が公立中学校の教員に関して作成された文書を都議会議員らに提供した行為により同教員のプライバシーを侵害する不法行為が成立するとされた事例

4(東京地裁平18.2.20判決)
逮捕直後に弁護人となろうとする者から被疑者との初回の接見の申出を受けた司法警察員が接見の日時を翌日に指定したことが国家賠償法1条1項にいう違法な行為に当たるとされた事例

[租税法]
5(東京地裁平19.8.23判決)
親族から土地の持分を買った者に対し,税務署長が,当該購入代金額は相続税法7条の規定する「著しく低い価額」の対価であるから時価との差額に相当する金額は贈与により取得したものとみなされるとして贈与税の課税処分をしたが,当該代金額は相続税評価額と同額で時価の約78%であるから「著しく低い価額」の対価には当たらないとして上記処分が取り消された事例

6(東京地裁平18.10.27判決)
1 入湯税の特別徴収義務者が入湯客から徴収する入湯税相当額と「課税資産の譲渡等の対価の額」(消費税法28条1項本文)
2 入湯税の特別徴収義務者が入湯客から徴収する入湯税相当額について,当事者の合理的意思を考慮すれば,その譲渡に係る当事者間で授受することとした取引価額と入湯税とを区別していたものと認められ「課税資産の譲渡等の対価の額」(消費税法28条1項本文)には含まれないとされた事例

[地方自治法]
7(東京高裁平19.3.28判決)
市職員を土地区画整理組合に派遣し,給与を支出したことが地方公務員法30条,35条,地方自治法204条の2,公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律2条,6条に違反しないとされた事例


[情報公開]
8(東京高裁平19.6.6判決)
学校用地の貸主,PTA活動への出席者及び講演会における講師の各氏名が個人情報に当たるとして非公開決定が維持された事例


◆労働裁判例
[個別的労働関係]
1(名古屋地裁平17.12.16判決)
高校教諭から事務職員への職務変更がなされたとは認められないとして,校務を分掌せずに給与カットしたなどの措置につき,高校教諭の地位にあることの確認と債務不履行に基づく損害賠償が認められた事例


[集団的労働関係]
2(東京高裁平19.10.4判決)
住友重機不当労働行為訴訟控訴審判決
都労働委員会の発した救済命令に対する労働者側の再審査申立てについて中央労働委員会の再審査命令が発された場合において会社側の原救済命令取消しの訴えの利益が失われないとされた事例


◆民・商事裁判例
[民 法]
1(東京高裁平18.5.23判決)
ゴルフ会員権を購入するための銀行融資契約について会員権売買契約がゴルフ場開設の遅延を理由に解除されたことを理由とする抗弁権の接続は認められないが,未払利息等の請求は信義則上許されないとされた事例

2(東京高裁平19.8.28判決)
ウェブサイトに送信した個人情報がホームページの制作・保守業務を受託した者の過失により流出したことについてホームページの開設者に使用者責任があるとされた事例

3(静岡地裁沼津支部平19.3.13判決)
「崩壊したごみリサイクル 御殿場RDF処理の実態」と題する書籍の著作・出版について前御殿場市長の名誉を毀損する不法行為が成立しないとされた事例

4(東京高裁平19.10.18判決)
脳動脈りゅうを有する患者にコイルそく栓術を実施したところ同患者が脳こうそくにより死亡した事故について医師に説明義務違反があるとされた事例

[民事訴訟法]
5(東京地裁平19.1.26判決)
1 本件年金基金は被告の他の財産から分離独立して管理運用され,運営のための組織を有しているとは認められず,権利能力なき財団としての要件を備えているものとは認められない
2 本件改定が行われた当時,被告が本件改定前の本件年金規則に基づく年金債務の履行を続けることが困難であり,あるいは困難な状況にあったとは認められず,受給権者において年金支給額を減額することを承諾していたと解することはできないから,本件改定は,これを承諾していない原告らに対しては効力を有しない

◆刑事裁判例
[刑 法]
1(東京地裁八王子支部平19.3.22判決)
酒気を帯びて運転をしていた被告人が,狭く湾曲したカーブを高速度で走り抜けようとしたところ,自車の制御を失って逸走し,付近を散歩していた夫妻のうち,妻をはねて死亡させたという危険運転致死罪等の事例につき,懲役6年の刑を言い渡した例

[刑事訴訟法]
2(大阪地裁平20.3.26決定)
犯罪捜査規範13条に基づき作成されたいわゆる取調べメモの開示を求めた主張関連証拠開示請求に対し,検察官が警察への照会結果に基づき「該当メモは存在しない」との回答を行ったという事案において,同規範13条に該当する取調べメモが存在するか否かについては特段の事情のない限り捜査官側の判断を尊重すべきであるが,捜査官側がそのような回答を行ったという事実は後日行われるであろう取調警察官の証言の信用性評価において考慮されるべきであるとして,弁護人の証拠開示裁定請求が棄却された事例



おすすめの購読プラン

商品情報・内容

■ 判例情報を提供して60余年。最も長い歴史をもつ判例実務誌

「判例タイムズ」は、1948年の創刊以来、我が国を代表する判例紹介誌として、幅広い分野の法律実務家から高い評価を受けています。全国の判例情報から実用性の高いものを迅速的確に紹介しつつ、実務家・研究者と連携して時事問題を取り扱った論文・鼎談等をタイムリーに掲載しており、実務家・研究者に限らず、広く法務に携わるすべての人々必見の書です。

この雑誌の読者はこちらの雑誌も買っています!

判例タイムズの所属カテゴリ一覧

Fujisan.co.jpとは?

株式会社富士山マガジンサービスが運営する、
日本最大級の雑誌オンライン書店です。
一般的な書店と異なり、
定期購読サービスに特化しています。

雑誌、新聞、シリーズ書籍、漫画や
本屋にも無い古い本も見つかる!

法人サービスはこちら >
  • タイトル1万以上

    タイトル1万以上

    豊富なラインナップで
    書店に並ばない本とも出会える

  • 試し読み

    試し読み

    バックナンバー1冊まるごと試し読み
    したり、最新号も試し読みできる

  • タダ読み

    タダ読み

    5,000冊以上の雑誌が
    無料で読み放題

  • 500円OFF

    500円OFF

    普段読んでいる雑誌のレビュー投稿で
    500円割ギフト券をプレゼント

  • 事前予約

    事前予約

    気になる本は
    発売日前から事前予約可能

  • 割引や特典付き

    割引や特典付き

    定期購読なら
    お得に本が読めて
    送料無料の雑誌も!

デジタル雑誌をご利用なら

最新号〜バックナンバーまで7000冊以上の雑誌
(電子書籍)が無料で読み放題!
タダ読みサービスを楽しもう!

総合案内
アフィリエイト
採用情報
プレスリリース
お問い合わせ
©︎2002 FUJISAN MAGAZINE SERVICE CO., Ltd.