判例タイムズ

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全1548件中 286 〜 300 件を表示
■研究会「事実認定と立証活動」10
契約類型に即応した事実認定
消費貸借契約・請負契約・代理権授与/瀧澤 泉(ゲスト)・馬橋隆紀・須藤典明・村田 渉・加藤新太郎(司会)

■さいたま民事実務研究
陳述書の活用について/近藤壽邦・岩坪朗彦

■続・元裁判官の書斎(1)
エンサイクロペディストとしての久米邦武/倉田卓次

■独占禁止法審判決研究6・完
最近の不公正な取引方法事件排除措置命令の検討
不公正な取引方法規制の擁護/平林英勝

■会社判例プラザ36――服部榮三〔東北大学名誉教授〕監修
議決権代理行使の勧誘に際して,必要事項を記載した参考書類が交付されず,また,委任状用紙に議案ごとの賛否欄が設けられていない,いわゆる勧誘規則違反の場合に株主総会決議の方法に法令定款違反または著しい不公正があるといえるか
東京地裁平成17年7月7日判決,判時1915号150頁/新山雄三

■ブック・レビュー
大阪地裁民事交通訴訟研究会編著
『大阪地裁における交通損害賠償の算定基準』/窪田充見


判例紹介(全18件)

◆特 報
[知的財産]
1(最高裁第一小法廷平19.11.8判決)
1 特許権者又は特許権者から許諾を受けた実施権者が我が国において特許製品を譲渡した場合に,特許権者が当該特許製品につき特許権を行使することの可否
2 特許権者又は特許権者から許諾を受けた実施権者が我が国において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされた場合に,特許権者が当該加工等がされた製品につき特許権を行使することの可否
3 特許権者又は特許権者から許諾を受けた実施権者が我が国において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされた場合に,当該加工等が特許製品の新たな製造に当たるとしてその特許製品につき特許権の行使が許されるといえるかどうかの判断基準
4 我が国の特許権者又はこれと同視し得る者が国外において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされた場合に,特許権者が当該加工等がされた製品につき我が国において特許権を行使することの可否
5 我が国の特許権者又はこれと同視し得る者が国外において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされた場合に,当該加工等が特許製品の新たな製造に当たるとしてその特許製品につき我が国において特許権の行使が許されるといえるかどうかの判断基準
6 インクジェットプリンタ用インクタンクに関する特許の特許権者により我が国及び国外で譲渡された特許製品の使用済みインクタンク本体を,第三者が利用しこれに加工するなどして製品化したインクタンクについて,特許権者による権利行使が認められた事例

◆速 報
[商 法]
1モリテックス株主総会決議取消請求訴訟(東京地裁平19.12.6判決)
1 役員選任議案の決議要件たる「出席議決権数の過半数」を算出するに際し,株主提出の委任状に係る議決権数を会社提案の「出席議決権数」に含めない方法により行われた決議について,決議方法の法令違反があるとして決議が取り消された事例
2 会社が議決権行使を条件として株主1名につきQuoカード1枚(500円分)の提供をしたことが会社法120条1項の禁止する利益供与に該当し,かかる利益供与を受けてされた決議について,決議方法の法令違反があるとして決議が取り消された事例

[特別刑法]
2(東京高裁平19.12.10判決)
1 世田谷区清掃・リサイクル条例31条の2,79条1号の規定は,廃棄物の処理及び清掃に関する法律7条1項ただし書に違反しない
2 世田谷区清掃・リサイクル条例31条の2,79条1号の規定に,犯罪構成要件としてあいまい・不明確な点はない

◆最高裁判例
[個別的労働関係]
1(最高裁第二小法廷平19.11.16判決)
会社の執行役員を退任した者が会社に対し退職慰労金の支払を請求することができないとされた事例
[民事訴訟法]
2(最高裁第二小法廷平19.11.30決定)
銀行が法令により義務付けられた資産査定の前提として債務者区分を行うために作成し,保存している資料は,民訴法220条4号ニ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たるか

◆憲法裁判例
[憲 法]
1(東京地裁平18.7.26判決)
住民基本台帳ネットワークシステムにより,プライバシー権等が侵害されたとして原告らが求めた住基ネットの運用の差止め及び国家賠償請求等が棄却された事例

◆行政裁判例
[国家補償法]
1(横浜地裁平18.4.25判決)
1 県警察官の救護義務違反によって,被害者の延命可能性が侵害されたとして,県に対する損害賠償請求が一部認容された事例
2 上記被害者の解剖を担当した監察医が解剖を行わずに虚偽の死体検案書を作成したとは認められないとして,監察医らに対する損害賠償請求が棄却された事例

[情報公開]
2(大阪地裁平19.6.29判決)
建築基準法77条の31第1項の規定に基づく国土交通大臣の指定確認検査機関に対する立入検査に関して作成された立入検査報告書に記録された情報のうち確認検査員の資格を有しない補助員により建築基準法違反の検査が行われた物件の名称,担当した補助員の氏名,検査の日付に関する情報が行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成15年法律第61号による改正前のもの)5条6号イ,同号柱書にいう不開示情報に該当しないとされた事例

◆労働裁判例
[個別的労働関係]
1(福岡高裁平19.5.7判決)
出向社員の自殺が業務に起因するものと認められた事例

◆民・商事裁判例
[民 法]
1(東京高裁平19.9.13判決)
自動車通行を前提とする囲繞地通行権が認められた事例
2(福岡高裁平19.9.27判決)
3回にわたり締結された手形貸付取引約定に基づく継続的な貸付が1個の基本契約に基づく一連一体の取引であるとして過払金の充当計算がされた事例
3女性国際戦犯法廷テレビ報道訴訟控訴審判決(東京高裁平19.1.29判決)
テレビ番組の報道内容が取材対象者に対してその期待と信頼に反し,説明義務を怠ったものであるとして放送事業者及び番組制作会社の不法行為責任が認められた事例
4(仙台地裁平19.10.31判決)
飲酒運転による交通事故について,同乗者に民法719条2項に基づく損害賠償責任が認められた事例
5(福岡地裁平19.2.1判決)
ギラン・バレー症候群で入院中の患者を千葉の病院から福岡の病院へ航空機を利用して転送したことについて,患者を転送したことと転送時の呼吸管理に過失があったとして,病院側の損害賠償責任が認められた事例

[商 法]
6(青森地裁八戸支部平18.6.26判決)
1 傷害保険契約約款に基づく死亡保険金の支払請求における「偶然な」事故の立証責任が保険金請求者側にあることを前提としつつも,その立証の困難性に鑑み,保険金請求者において保険事故を推認させる程度の一応の外形的事実を立証すれば,保険者において自殺を真に疑わせる事情を立証しない限り,事故の偶然性を認定することができるとの見解の下に,事故の客観的状況に照らして,本件事故は外形的に偶然に起こりうる事故であるから不慮の事故であることが事実上推定され,その他の事情を総合検討しても,本件事故が自殺等の故意による自傷行為であることを真に疑わせる事情の立証がないとして,保険金請求を認容した事例
2 重複保険の告知義務違反を理由とする契約解除は,約款に定められた者において重複保険の不告知が契約解除事由となることを認識した上で,又は重過失によりこの点を認識せずに,重複保険の存在を事前に告知しなかった場合に限り,解除することができ,さらに,事案の全体を眺めて,不告知を理由とする保険契約の解除が保険会社による解除権の濫用とならない場合に限り,その効力が認められるとの見解の下に,保険契約者兼被保険者が,重複保険の不告知が契約解除事由となることを認識し,あるいは重過失によりこれを認識せずに重複保険の存在を告知しなかったとは認められず,かつ,不告知を理由とする契約解除が解除権濫用にならないと認めるに足りる証拠もないとして,保険会社による保険契約の解除を認めなかった事例

[知的財産]
7(大阪高裁平19.10.2判決)
著作権保護期間が満了した絵本の絵柄の一部を利用したタオル製品の販売を企画した製造業者が,絵本の著作権管理会社がライセンシーに著作権が未だ存続しているかのように誤認させる表示を使用させているとして,不競法2条1項13号の品質誤認表示に該当するとしてその使用の差止め等を求めた請求が棄却された事例

◆刑事裁判例
[刑 法]
1偽有栖川詐欺事件(東京地裁平18.9.11判決)
旧皇族の関係者であるように装って結婚披露宴を開催し,多数の出席者から祝い金名下に金員等を詐取したという詐欺の事案について,一部の出席者の関係で詐欺罪の成立が否定された事例

[刑事訴訟法]
2(東京高裁平19.9.5決定)
第一審裁判所が犯罪の証明がないことを理由として無罪の判決を言い渡した場合における第一審裁判所による再勾留の可否及びその要件
◆年金分割事件の概況について/岡 健太郎

◆電子カルテを対象とする証拠保全手続における留意点について
京都地方裁判所民事訴訟法運用委員会医事関係小委員会電子カルテ検討プロジェクトチーム/森里紀之・向 健志・波多野紀夫・木戸康貴・山下 寛・和久田 斉・土井文美

◆労働審判の実務/山口 均

■大阪民事実務研究
居住用建物賃貸借契約における敷引特約に対する消費者契約法の適用について/鳥飼晃嗣

■山形地裁民事実務研究4
不当提訴並びに提訴に関する新聞記事の掲載及び弁護士による記者会見と名誉毀損,プライバシー侵害の成否が問題となった事例
東京高判平18.8.31判タ1246号227頁/鈴木和典

◆調停再論
高野耕一著「調停再考」論文を読んで/石川 明

■世界の司法115―その実像を見つめて
ワシントン州の新任裁判官研修(Judicial College)に参加して/石田憲一

■世界の司法116―その実像を見つめて
世界知的所有権機関(WIPO)による知的財産権の執行制度の整備に関する支援/西田昌吾


判例紹介(全21件)

◆最高裁判例
[租税法]
1(最高裁第二小法廷平19.9.28判決)
内国法人の所得の計算に当たり,当該内国法人に係る租税特別措置法(平成10年法律第23号による改正前のもの)66条の6第1項所定の特定外国子会社等に生じた欠損の金額を損金の額に算入することの可否

◆行政裁判例
[行政法一般]
1(東京高裁平19.9.5判決)
相続人のうちの1名から委任され,他の相続人の一部の者に発した通知の内容が弁護士としての「品位を失うべき非行」に当たるとされ,当該懲戒手続の除斥期間の起算点は受任した業務をすべて完了した時点であるとされた事例

[行政争訟法]
2(大阪地裁平19.3.14判決)
自転車競技法4条2項に基づく場外車券発売施設の設置許可処分の取消訴訟と周辺住民等の原告適格

[国家補償法]
3(福岡高裁平18.11.30判決)
1 無蓋水路の一部に後刻ふたが設置されたことにより有蓋部分とそれと接続する無蓋部分の間に生じた高低差によって転落事故の危険が現出した場合に,その危険が水路そのものの有する危険であるとされた事例
2 上記危険な状態を解消すべき具体的な措置について,水路を管理する地方公共団体単独での実施可能性を含めて検討を加えた事例
3 水路を管理する地方公共団体において,上記措置を単独で採ることが不可能ではなかったとして,それにも関わらず上記措置を何ら講じなかったことが当該水路の管理上の瑕疵に当たるとされた事例

[地方自治法]
4(大阪地裁平19.9.6判決)
1 公金の支出から1年以上が経過し,かつ,当該公金の支出が全国紙で報道されてから約3か月が経過した後にされた住民監査請求が,監査請求期間の経過につき正当な理由(地方自治法242条2項ただし書)がないとされた事例
2 職員に対して損害賠償等の請求をするよう求める訴え(地方自治法242条の2第1項4号本文)から,職員に対して賠償命令を求める訴え(同号ただし書)とすることは訴えの変更に該当する
3 訴えの変更により交換的に追加された訴え(住民訴訟)が,当初の訴え提起の時に提起されたものと同視し,提訴期間(地方自治法242条の2第2項2号)の遵守に欠けるところがないと解すべき特段の事情があるとされた事例
4 勤務評定を伴わない特別昇給が違法であるとされた事例

◆労働裁判例
[集団的労働関係]
1昭和シェル石油昇給・昇格差別訴訟(東京地裁平19.5.28判決)
会社の組合員に対する昇給・昇格に合理的理由が欠けているとまではいえないとして,不当労働行為を否定した事例

◆民・商事裁判例
[民 法]
1(東京地裁平19.6.18判決)
債権回収会社が低額で譲り受けた多数の債権について,債権額をもって訴求すること自体は特段の事情のない限り権利濫用に当たらないとした事例

2(東京高裁平18.10.25判決)
私的年金契約について,制度運営者には,加入者に年金受給権の給付方法を選択させるに当たり,制度破綻の可能性,これにより加入者が被る年金不支給等の不利益について具体的に説明すべき年金契約上の付随的義務違反等があり,債務不履行が認められるとした原審の判断が変更され,制度運営者に義務違反はないとされた事例

3(福岡高裁平18.8.9判決)
診療報酬明細書の傷病名を「抑うつ,不眠症」等と記載した患者に対する漢方製剤(香蘇散エキス顆粒)の投薬治療につき,同製剤をその添付文書に記載された効能又は効果に従い施用・処方したことが同明細書の記載上認められないことを理由に診療報酬請求権が否定された事例

4(東京高裁平19.2.27判決)
火災保険に関する調査報告書が民事訴訟において証拠として提出されたことにつき一定の広がりを有する対象に開示されたといえないとして名誉毀損による損害賠償請求が棄却された事例

5(東京地裁平19.8.10判決)
政治資金管理団体の代表者である国会議員の名義で多数のマンションが登記されている事実等を前提として,個人資産との区別が不明確である旨批判した週刊誌記事につき,意見ないし論評の表明であるとして,いわゆる「公正な論評」の法理により,違法性を欠くとされた事例

6(東京地裁平18.5.23判決)
週刊誌に掲載された元AV女優の記事のうち,元交際相手が語る過去の私生活,「裏ビデオ」映像を文章で詳細に描写したもの,女優活動中に撮影された写真及びAVのコマ撮りが,本人の承諾の範囲を超え,現在一般市民として生活する女性のプライバシー等を侵害したとして,出版社に220万円の損害賠償が命じられた事例

7(東京地裁平18.9.1判決)
肝硬変の患者の経済的負担を軽減するために保険病名を慢性肝炎として診療を継続していた医師が,正しい病名を失念した結果,適時に適切な検査をすることを怠り,肝細胞癌の発症を看過したとした上,適時に検査を行い検査結果に基づいて適切な治療が行われれば,患者はその時点から5年間生存した高度の蓋然性が認められるとして,患者の遺族の損害賠償請求を認容した事案

8(神戸地裁姫路支部平18.7.10判決)
私立高校の生徒であり同高校の設置する寮で生活していた原告が,他の寮生(上級生)から寮内において集団暴行を受けた結果,後遺障害を負ったとして,同高校及び寮の設置者である被告に対してなした損害賠償請求につき,被告の安全配慮義務違反による債務不履行責任を肯定し,請求の一部を認容した事例

9(東京高裁平19.7.25判決)
詐欺による養子縁組の取消権は養親又は養子だけが有することを理由に養親の実子からの縁組取消しの訴えが却下された事例

[商 法]
10拓銀ミヤシタルート控訴審判決(札幌高裁平18.3.2判決)
貸付金が回収不能となったことにつき銀行の取締役に善管注意義務違反があるとされた事例

[知的財産]
11誘導電力分配システム事件(東京地裁平17.5.31判決)
1 非接触車両誘導システムに関する特許発明につき,特許明細書の記載及び補正の経過等を参酌してその技術的範囲を解釈した事例
2 独占的通常実施権者のする損害賠償請求につき特許法102条3項が類推適用された事例
3 訂正の有無にかかわらず特許発明の技術的範囲に属し,権利濫用とはならない「特段の事情」があるとされた事例

[諸 法]
12(東京高裁平18.11.30判決)
賃貸借当事者間の特殊事情の変更を理由として借地借家法32条1項に基づく建物賃料増額請求がされた場合の相当賃料額について判断した事例

13(東京地裁平19.2.1判決)
マンション管理組合の総会決議について,係争区分所有者に書面による招集通知が送付されなかったことなどが決議の無効事由にならないとされた事例

◆刑事裁判例
[刑 法]
1(札幌地裁平19.1.12判決)
1 海底地震計等につき,被告人の所有権取得を否定し詐欺罪の成立を認めた事例
2 詐欺罪における財産的損害,錯誤を認めた事例

2(奈良地裁平18.9.26判決)
幼女1名を誘拐し,わいせつ行為をした上,殺害したというわいせつ誘拐,強制わいせつ致死,殺人等の罪に問われた被告人に死刑が言い渡された事例
民法判例レビュー 99

■今期の主な裁判例
契 約/野村豊弘
担 保/田高寛貴
不動産/原田純孝

■今期の裁判例
家 族/床谷文雄

■判例評釈
不動産 特殊な賃料の仕組みを有する百貨店店舗用建物賃貸借と借地借家法32条1項の適用
横浜地判平19.3.30金判1273号44頁/原田純孝

民事責任 不当な弁護士懲戒請求と不法行為
最三小判平19.4.24民集61巻3号1102頁,判タ1242号107頁,判時1971号119頁/加藤新太郎

家族1 代理出産による親子関係の成立と外国裁判の承認
最二小決平19.3.23民集61巻2号619頁,家月59巻7号72頁,裁時1432号4頁,判タ1239号120頁,判時1967号36頁/林 貴美

家族2 任意後見契約と意思能力
東京地判平18.7.6判時1965号75頁/神野礼斉

判例紹介 全21件


◆行政裁判例

[行政法一般]
1(東京地裁平19.7.25判決)
1 国債が供託所に供託されていることは,当該国債の消滅時効の進行を妨げる事情とはならないとされた事例
2 供託官は,宅地建物取引業の営業保証金として供託された有価証券の時効を管理する義務を負わないとされた事例
3 東京都知事は,宅地建物取引業の営業保証金として供託された有価証券の時効を管理する義務を負わないとされた事例

[行政争訟法]
2(東京高裁平19.7.30判決)
鉱業等に係る土地利用の調整手続等に関する法律1条2号に列挙されたイ,ロ,リを除く各項目所定の法条に基づく処分に関して,公害等調整委員会における不服裁定の対象となる「不服の理由が鉱業,採石業又は砂利採取業との調整に関するもの」の意義

3(大阪地裁平19.3.30決定)
退去強制令書発付処分の送還部分及び収容部分の両方について,その執行が停止された事例

[国家補償法]
4(静岡地裁浜松支部平19.8.27判決)
児童相談所が里子の一時保護決定及び里親委託措置の解除決定を行ったことにつき,里親及び里子の県に対する慰謝料請求が棄却された例

5(東京地裁平19.3.29判決)
1 ナイジェリア連邦共和国について国家賠償法6条の相互保証を認めた事例
2 逮捕・取調警察官の不法行為を主張してされた国家賠償請求につき不法行為が認められないとして棄却された事例

[租税法]
6(名古屋地裁平17.9.29判決)
原告が,シンガポールの関連会社に対して,原告の保有するノウハウ等を譲渡する旨の契約(以下「本件譲渡契約」という)を締結し,その代金を収益に計上するなどしていたところ,被告がノウハウ等は原告ではなくその親会社である一条工務店に帰属しており,本件譲渡契約は架空取引であり,代金相当額は無償による資産の譲受けに係る収益に当たるとしてなした法人税の更正処分等を,取り消した事例

[地方自治法]
7(仙台高裁平19.8.7決定)
市民会館の使用許可取消処分の執行停止が認められた事例


◆民・商事裁判例

[民 法]
1(東京地裁平19.6.18判決)
「サービスバルコニー」が民法235条1項所定の「縁側」に該当するとして同条に基づく目隠しの設置請求が一部認容された事例

2(福岡地裁平19.4.26判決)
建て貸しの事案において中途解約制限条項を入れなかったことが,宅地建物取引主任者の説明義務違反とされた事例

3(東京地裁平19.3.15判決)
紛失キャッシュカードにより暗証番号を入力してATMから預金の払戻し等がされたことについて銀行に過失がないとされた事例

4(福岡地裁平19.3.1判決)
本人が違法に入手した可能性のある文書を漫然と書証として提出した行為が弁護過誤と認められた事例

5(東京地裁平19.7.24判決)
労働組合の情宣ビラにおいて他の労働組合の委員長を揶揄するようなイラストを掲載した行為につき名誉毀損が成立するとして1万円の損害賠償の支払を命じた事例

6(東京地裁平18.2.27判決)
在宅ワークの斡旋等を勧誘文言とする商品販売について,詐欺商法であるとは認められないが,旧訪問販売法又は特定商取引法に違反し,不法行為に当たるとされた事例

7(福岡高裁平18.9.12判決)
急性白血病で死亡した患者の専門医療機関への転送の時期が,同機関の休診日との関係で遅れたことが担当医の過失とされたが,その病気の治療の困難性や予後が悪いことが考慮されて,その請求の一部のみが認容された事例

8(東京高裁平19.5.30判決)
父が無償で子に財産を遺贈する場合,遺言でその財産について母の管理権を奪い,管理人を指定することができるとされた事例

9(東京高裁平18.6.29判決)
「相続させる」旨の遺言により遺産を取得するとされた者が被相続人より先に死亡した場合,その者の子に代襲相続させるとする規定が適用ないし準用されるとした事例

[商 法]
10(東京地裁平17.3.3判決)
1 株式会社が清算段階にある関連会社に対し整理支援金を支出した点について,その支出の決定又は実行に関与した当該株式会社の取締役には,善管注意義務違反又は忠実義務違反があったとはいえないと判断された事例
2 整理支援金の支出が株主に対する違法な利益供与に当たらないと判断された事例
3 整理支援金の支出に関して,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律又は出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律のいずれにも違反する点はないと判断された事例

11(盛岡地裁平19.6.5判決)
病院の勤務医師の過誤により死亡した患者の相続人との間の示談により病院が3000万円の示談金を支払った場合,病院は医師賠償責任保険契約を締結している保険会社に対して3000万円の保険金を請求することができるとされた事例

[知的財産]
12 キヤノン職務発明事件(東京地裁平19.1.30判決)
いわゆる職務発明の相当対価請求において,当該職務発明に係る特許が包括クロスライセンス契約の対象である場合に,包括クロスライセンス契約における当該特許の寄与度を認定判断して相当の対価を算定した事例

[諸 法]
13 長銀事件(大阪地裁平19.4.13判決)
平成9年9月の中間決算期において,その当時会計慣行とされていたのは,いわゆる税法基準であり,銀行が,半期報告書の財務諸表欄の貸倒引当金の繰入を税法基準に基づいて行っていたことから,虚偽の記載があったとは認められないとして,株主らの損害賠償請求を棄却した事例

14(東京地裁平18.8.31判決)
マンションの区分所有者がバルコニーに敷設した大理石の撤去等の原状回復請求等が認容されたが,信義則違反を理由に外壁部分のクーラー室外機の設置等についての原状回復請求が棄却された事例
記事紹介

◆配偶者暴力に関する保護命令手続規則の一部を正する規則の概要/松本展幸

◆裁判員裁判における審理及び制度運営上の課題
司法研修所における裁判官共同研究の概要/今崎幸彦

■研究会「事実認定と立証活動」9
契約類型に即応した事実認定
保証契約・売買契約/瀧澤 泉(ゲスト)・馬橋隆紀・須藤典明・村田 渉・加藤新太郎(司会)

■大阪民事実務研究
使用者責任の研究
取引的不法行為における使用者への責任帰属の問題/森田 亮・松浪聖一・森永亜湖・矢野紀夫・森 千春・烏田真人・高橋祐喜・中村修輔・玉田雅義・船所寛生・尾形美佐子・齊藤恒久・中村海山

判例紹介(全22件)

◆特 報
[刑事訴訟法]
1(東京地裁平19.10.10判決)
被告人の取調べ状況を撮影したDVDにつき,任意性を肯定する取調警察官の証言を補強する資料にはなるが,任意性を立証する有用な証拠として過大視することはできないとされた事例


◆最高裁判例
[個別的労働関係]
1(最高裁第二小法廷平19.10.19判決)
1 マンションの住み込み管理員が所定労働時間の前後の一定の時間に断続的な業務に従事していた場合において,上記一定の時間が,管理員室の隣の居室に居て実作業に従事していない時間を含めて労働基準法上の労働時間に当たるとされた事例
2 マンションの住み込み管理員である夫婦が雇用契約上の休日である土曜日も管理員としての業務に従事していた場合において,土曜日については,夫婦のうち1人のみが業務に従事したものとして労働時間を算定するのが相当であるとされた事例
3 マンションの住み込み管理員が土曜日を除く雇用契約上の休日に断続的な業務に従事していた場合において,使用者が明示又は黙示に上記休日に行うことを指示したと認められる業務に現実に従事した時間のみが労働基準法上の労働時間に当たるとされた事例

[集団的労働関係]
2東芝組合二重加入事件(最高裁第二小法廷平19.2.2判決)
従業員と使用者との間でされた従業員に対し特定の労働組合から脱退する権利を行使しないことを義務付ける合意と公序良俗違反

[商 法]
3(最高裁第二小法廷平19.10.19判決)
自動車総合保険契約の人身傷害補償特約が,「自動車の運行に起因する事故等に該当する急激かつ偶然な外来の事故により被保険者が身体に傷害を被ること」を保険金支払事由と定め,被保険者の疾病によって生じた損害に対しては保険金を支払わない旨の規定を置いていない場合に,保険金の支払を請求する者が主張,立証すべき事項

4(最高裁第三小法廷平19.5.29判決)
夜間高速道路において自動車を運転中に自損事故を起こし車外に避難した運転者が後続車にれき過されて死亡したことが自家用自動車保険契約普通保険約款の搭乗者傷害条項における死亡保険金の支払事由に該当するとされた事例

[刑 法]
5(最高裁第三小法廷平19.11.14決定)
廃棄物の処理を委託した者が未必の故意による不法投棄罪の共謀共同正犯の責任を負うとされた事例


◆行政裁判例
[行政法一般]
1(東京地裁平17.11.21判決)
エキスパンションジョイントで接合された部分があることの一事をもって当該建築物が建築基準法施行令1条1号の「一の建築物」に該当しないということはできないとされた事例

[行政争訟法]
2(福岡地裁平19.3.13判決)
主務大臣が作成した配当計画に基づき,商品取引員が商品取引所に預託した受託業務保証金の払渡しが終了した後においては,配当計画の取消しを求める訴えの利益は存しない

[国家補償法]
3(宇都宮地裁平19.5.24判決)
隣家同士のトラブルが険悪化する中,隣家の夫が隣家の主婦を猟銃(散弾銃)で狙撃して,同女を殺害した上,その義妹にも重傷を負わせた事件に関し,栃木県公安委員会が発砲加害者に銃所持を許可したのは違法であるとして,亡き主婦の夫らの栃木県に対する慰謝料請求を認めた事案

[地方自治法]
4(福岡高裁平19.2.19判決)
テーマパーク事業を目的として設立された第三セクターに対する市の補助金交付及び金融機関との間の損失補償契約に基づく補償についての,住民訴訟における損害賠償請求及び将来の補償の差止請求につき,その請求の一部が住民監査請求の期間を経過したとして却下され,その余の請求が公益上の必要があり裁量権を逸脱する違法があるとはいえないとして棄却された事例


◆民・商事裁判例
[民 法]
1(福岡高裁平18.11.9判決)
会社の金を横領した従業員の親族がした損害賠償債務の連帯保証契約が,公序良俗に反しないとされたものの,その請求金額が身元保証法5条の趣旨により大幅に減額された事例

2(大阪高裁平19.8.9決定)
1 転借地権者所有のいわゆる跨り建物について借地借家法19条3項の借地権設定者による優先買受申立てを認容した事例
2 借地借家法19条3項の借地権設定者による優先買受申立てを認容しつつ,代価の支払期限を定め,期限内に代価が支払われない場合は,譲渡命令に代えて同法19条1項の借地人による借地権譲渡許可の申立てを認容するとされた事例

3(福岡高裁平18.12.20判決)
借入金の利息を過払したことによる不当利得債権に対する民法704条前段の利息の利率は年5分であり,利得日の翌日から起算されるとした事例

4(東京高裁平19.6.6判決)
信用金庫からその会員会社に対する電子内容証明による除名予告通知が他の除名予定者にも送付されたことが出資契約上の債務不履行及び不法行為に当たるとされた事例

5(東京地裁平18.12.8判決)
左耳介後部の有棘細胞癌に対する局所動脈内選択的注入療法のための動注ポート留置術実施後に脳梗塞が発症し,最終的に患者が死亡した事案において,同留置術を受けさせるために患者を転院させた医師及び現に同療法を実施した転院先の医師の双方に事前の説明義務違反があったとし,同義務違反と死亡との因果関係は否定したものの,自己決定権侵害に対する慰謝料として200万円の支払を命じた事例

6(東京家裁平19.9.11判決)
1 外国裁判所の離婚判決が我が国において効力を有しないことを理由とする離婚の無効確認を求める訴えが許容された事例
2 オーストラリアの離婚判決が民訴法118条1号及び3号の要件を欠き,我が国において効力がないとされた事例

7(東京地裁平18.12.26判決)
他人の添え手による補助を受けた自筆証書遺言が無効とされた事例

[商 法]
8ライブドアオート・表明保証責任訴訟(東京地裁平19.9.27判決)
企業買収(M&A)において買収者側の表明保証責任等が否定された事例

9(福岡高裁平19.3.23判決)
建物の火災が火災共済契約者の放火により生じたと推認し,共済金支払の免責を認めた事例

[知的財産]
10(東京地裁平19.5.30判決)
1 写真をデジタルデータ化して別の記憶媒体に保存することが当該写真に係る複製権を侵害するとされた事例
2 雑誌掲載用に撮影され,雑誌発行者に納品された写真のポジフィルムの所有権は写真家に帰属するとされた事例

[民事訴訟法]
11(福岡地裁平18.7.18判決)
1 カードキャッシングによる多数回の貸付けを一個の貸付けと認定した事例
2 貸付けの個数と自白の拘束力(弁論主義)


◆刑事裁判例
[特別刑法]
1(福岡高裁平18.1.27決定)
医療観察法42条1項1号による医療を受けさせる旨決定した原審の判断に解釈・適用の誤りはないとされた事例

記事紹介

◆証拠開示に関する裁判例等について/田野尻 猛

■少年法の理論と実務6
非行少年(4)
触法少年(3)/廣瀬健二

■大阪民事実務研究
医事関係訴訟における鑑定等の証拠評価について
原審の過失判断に違法があるとして原判決を破棄した最近の最高裁判決を参考に/西岡繁靖

◆私人の名誉は公人の名誉より軽いか(5・完)
名誉・プライバシー侵害訴訟再考の視点/京野哲也

◆職務発明における属地主義と労働法との交錯
最三小判平18.10.17民集60巻8号2853頁,判タ1225号190頁/布井要太郎

■会社判例プラザ35――服部榮三〔東北大学名誉教授〕監修
株式会社の業績悪化による保有株式の無価値化と株主の取締役に対する損害賠償請求の可否
東京高裁平成17年1月18日判決,金判1209号10頁/南保勝美

■実践 刑事弁護:裁判員にわかりやすい弁護のために4
冒頭陳述/四宮 啓

■世界の司法113――その実像を見つめて
ワシントン州キング郡少年裁判所Dependency部門の取り組み
Family Treatment Courtの取り組みを中心に/竹田 聡

■世界の司法114――その実像を見つめて
少年刑事裁判への被害者関与
カナダ,ブリティッシュ・コロンビア州のカンファレンス/児玉禎治

判例紹介(全19件)
◆速 報
[商 法]
1日経新聞株式譲渡ルール第一審判決(東京地裁平19.10.25判決)
新聞社と従業員との間で,新聞社の株式を取得する際,株式を譲渡するときは,譲渡先は新聞社の役員及び従業員で構成された団体,譲渡価格は1株100円とする合意が成立していると認められた事例


◆行政裁判例
[国家補償法]
1(東京地裁平18.6.28判決)
1 工業所有権に関する手続等の特例に関する法律3条の特定手続について,適法な予納がなかったとされた事例
2 工業所有権に関する手続等の特例に関する法律5条の特定通知等について,適法な送達があったとされた事例
3 工業所有権に関する手続等の特例に関する法律2条の電子情報処理組織を利用するためのソフトウェアが,国家賠償法2条1項の公の営造物に当たらないとされた事例
4 弁理士にソフトウェアのバージョンアップ版を提供しなかったことと当該弁理士が顧客の特許権等を消滅させてしまったこととの間に相当因果関係を認めた事例
5 弁理士が特定の顧客を喪失した場合につき,当該顧客に対する平均売上額の7年分の逸失利益を認めた事例
6 弁理士にソフトウェアのバージョンアップ版を提供しなかったため,当該弁理士が顧客の特許権等を消滅させてしまった場合につき,弁理士に4割の過失相殺を認めた事例

[地方自治法]
2(大阪地裁平19.3.22判決)
逮捕,勾留中の市長に対する給料の支給が違法とはいえないとした事例

3(福岡高裁平18.10.31判決)
1 「補助金交付決定の取消権」は地方自治法242条1項の「財産」に当るか
2 いわゆる「不真正怠る事実」について監査請求期間の制限が認められた事例

[情報公開]
4(大阪高裁平18.12.22判決)
1 体罰に係る情報の兵庫県情報公開条例(平成12年3月28日兵庫県条例第6号)6条1号前段該当性
2 同条例6条1号前段にいう「特定の個人を識別することができるもの」の意義
3 同条例と部分公開の可否

5兵庫県体罰情報公開訴訟第一審判決(神戸地裁平18.2.16判決)
学校での体罰に関する情報のうち加害教員の氏名等は個人情報に当たらないとされた事例


◆労働裁判例
[個別的労働関係]
1(大阪地裁平19.5.28判決)
被告病院に勤務していた女性医師が自殺したことにつき,被告病院での過重な業務が原因であるとして,被告病院の損害賠償責任が認められた事例


◆民・商事裁判例
[民 法]
1(本庄簡裁平19.6.14判決)
貸金業者が取引履歴を開示しなかったことについて民事訴訟法224条3項を適用して過払金の返還請求を認めた事例

2(福岡高裁平18.11.14判決)
国立大学医学部漕艇部の新入生歓迎コンパにおいて,飲酒後死亡した新入生の両親が,同コンパに参加した同部の部長(教授)や上級生らに対して起した損害賠償請求が一部認容された事例

3(横浜地裁平18.6.15判決)
1 獣医師が,免疫異常を原因とする疾患に罹患したペット犬に対し,適正量のステロイド剤を投与する義務,高次医療機関に転医させる義務に違反したとして,不法行為の成立が認められた事例
2 ペット犬の入院が長期化し,瀕死の状態になったこと等につき,飼主の慰謝料として20万円が認められた事例

4(横浜地裁平18.7.27判決)
被告会社の工場からダイオキシン類を含む排水が7年以上にわたって河川に排出され続け,この事実がテレビ等によって報道されたことにより,同河川の河口付近で漁業を営む原告らが風評被害による営業損害を被ったことにつき,原告らの被告会社に対する損害賠償請求が一部認容された事例

5(大阪地裁平17.7.6判決)
経皮的冠動脈血管形成術を受けた患者が冠動脈壁の破裂により死亡した場合,担当医師に術式選択,手技上の過誤,止血遅延等の過失は認められないとして,病院側の損害賠償責任が認められなかった事例

[商 法]
6カネボウ(免責的債務引受等)株主代表訴訟第一審判決(東京地裁平19.9.27判決)
営業譲渡代金債権を譲渡先の関連会社が免責的債務引受けをし,これを支払う旨の承認をした営業譲渡をした会社の取締役に善管注意義務違反・忠実義務違反が存在するか(消極)

7(東京高裁平19.5.30判決)
生命保険契約に基づく高度障害保険金請求権の包括受遺者の請求が認容された事例

[知的財産]
8(知財高裁平19.5.30判決)
インクジェット記録装置用インクタンクに関する特許権侵害訴訟において,特許出願が不適法な分割出願であるため,出願日が原出願の時まで遡及せず,特許発明が新規性を欠き,特許権者の権利行使が制限されると判断された事例

[諸 法]
9(東京地裁平18.8.31判決)
保険者の保険医療機関に対する診療報酬の支払期限を定めた国民健康保険法施行規則31条所定審査と,同施行規則30条,41条所定の診療報酬再審査部会のする再度の考案による審査

[民事訴訟法]
10(東京高裁平18.3.30決定)
1 法務省が外務省を通じて外国公機関に照会を行った際に同省に交付した依頼文書の控えにつき民訴法223条4項1号の「他国との信頼関係が損なわれるおそれ」があり同法220条4号ロ所定の文書に該当する旨の監督官庁の意見に相当の理由があると認めるに足りないとされた事例
2 外務省が外国公機関に交付した照会文書の控え及び同機関が同省に交付した回答文書につき民訴法223条4項1号の「他国との信頼関係が損なわれるおそれ」があり同法220条4号ロ所定の文書に該当する旨の監督官庁の意見に相当の理由があると認められた事例

[民事執行法]
11(大阪高裁平19.9.19決定)
銀行に対する預金債権を「複数の店舗に預金債権があるときは,本店,次いで別紙記載の支店の順位による」と指定する債権差押命令の申立てについて差押債権の特定がないとはいえないとして認容された事例


◆刑事裁判例
[刑 法]
1明石砂浜陥没事故第一審判決(神戸地裁平18.7.7判決)
人工砂浜の陥没により生き埋めになった女児が死亡した事案において,海岸管理の担当者であった国と市の職員4名につき事故発生の予見可能性を否定して,業務上過失致死罪の成立を否定した事例



記事紹介

■座談会〔訴訟理論研究会〕
伊藤民事手続法学と判例・実務
/伊藤 眞・松下淳一・山本和彦・垣内秀介・加藤新太郎

■労働審判制度の1年半――その評価と他の「民事紛争解決制度」に及ぼす影響
労働審判制度の1年半――構想時の基本的論点に照らして/菅野和夫
労働審判制度にみる「民事紛争解決制度」の将来/定塚 誠

■大阪民事実務研究
労働基準法41条2号の管理監督者の範囲について/細川二朗

■関西家事事件研究会報告27
成年後見制度の活用に向けて/孕石孟則

◆私人の名誉は公人の名誉より軽いか(4)
名誉・プライバシー侵害訴訟再考の視点/京野哲也



判例紹介(全20件)

◆速報
[商 法]
1(東京地裁平19.9.20判決)
楽天対TBS会計帳簿等内覧等請求事件
会社法433条2項3号所定の「請求者が当該株式会社の業務と実質的に競争関係にある事業」の意義について判示した事例

2(さいたま地裁平19.6.22決定)
日本精密新株発行差止仮処分事件
新株発行が著しく不公正な方法によるものであるとして,その発行の差止めを求める仮処分の申立てが認容された事例


◆最高裁判例
[民 法]
1(最高裁第一小法廷平19.7.5判決)
信用保証協会を債権者とし被担保債権の範囲を保証委託取引により生ずる債権として設定された根抵当権の被担保債権に,信用保証協会の根抵当債務者に対する保証債権は含まれるか

[刑事訴訟法]
2(最高裁第一小法廷平19.10.16決定)
1 有罪認定に必要とされる立証の程度としての「合理的な疑いを差し挟む余地がない」の意義
2 有罪認定に必要とされる立証の程度としての「合理的な疑いを差し挟む余地がない」の意義は,直接証拠によって事実認定をすべき場合と情況証拠によって事実認定をすべき場合とで異なるか


◆行政裁判例
[行政法一般]
1(大阪地裁平19.2.13判決)
1 処分期間経過後の処分の取消しを求める訴えの利益が肯定された事例
2 行政手続法12条の処分基準が公にされている場合の理由提示の程度として,処分基準の提示まで必要とした事例

[行政争訟法]
2(大阪地裁平19.2.15判決)
都市計画法81条1項に基づく違反是正命令の発令を求めた非申請型義務付け訴訟が,「一定の処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれ」が認められないとして却下された事例

[国家補償法]
3(福岡高裁平18.7.14判決)
1 町(その後市となる)発注の公共工事の入札において,特定の業者を入札業者の指名からはずした町長の行為に裁量権の逸脱,濫用の違法があるとして,業者からの請求を棄却した一審判決が取り消され,損害賠償の請求の一部が認容された事例
2 町発注の公共工事の入札において指名業者からはずされたことによる当該業者の損害額の算定

[地方自治法]
4(大阪地裁平19.7.12判決)
1 公金の支出が給与条例主義に反して違法であることによって生ずる損害賠償請求権又は不当利得返還請求権の不行使をもって怠る事実とする住民監査請求が,いわゆる不真正怠る事実として,監査請求期間の制限(地方自治法242条2項本文)に服するとされた事例
2 住民監査請求は,監査を求める当該行為又は怠る事実を他から区別できる程度まで特定できれば,その具体的な行為者等が判明していなくとも,監査請求をすることができるから,その時点から相当な期間内に監査請求をした場合に限って,監査請求期間経過について正当理由(地方自治法242条2項ただし書)があるとされた事例
3 公金の支出から1年以上が経過し,かつ,当該公金の支出が全国紙で報道されてから約3か月が経過した後にされた住民監査請求が,監査請求期間の経過につき正当な理由(地方自治法242条2項ただし書)がないとされた事例
4 訴えの変更により追加された訴え(住民訴訟)が,当初の訴え提起の時に提起されたものと同視し,提訴期間(地方自治法242条の2第2項2号)の遵守に欠けるところがないと解すべき特段の事情がないため,不適法であるとされた事例

5(東京高裁平17.2.9判決)
昆虫の森負担区分事件
村が県に対してした施設用地取得費の寄附が地方財政法28条の2に違反しないとされた事例

◆労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京高裁平19.5.16判決)
劇場施設を管理運営する財団法人との間で期間を1年とする出演基本契約を締結・更新していたオペラ歌手が労働者に当たらないとされた事例


◆民・商事裁判例
[民 法]
1(名古屋高裁金沢支部平19.7.4判決)
1 土地の売買代金債権が差し押さえられた場合において,第三債務者(買主)が差押え前に債務者(売主)に対して売買の目的土地に付着した仮差押登記の抹消登記請求権を有しており,上記差押え後にこの抹消登記請求権が転化した損害賠償請求権を取得したとしても,同土地に仮差押登記が経由されたのは,上記差押え後であり,差押え当時には,第三債務者は債務者に対して本件土地の完全な所有権の取得・行使を妨げる負担についての抽象的な抹消登記請求権を有していたにすぎない場合は,第三債務者は,上記損害賠償債権と上記代金債権の相殺をもって差押債権者に対抗することはできない
2 土地の売買契約において,売主は引渡期限までに同土地に質権等が設定されているときはこれを消滅させてその登記を抹消させる,買主は同土地の引渡しを受けて所有権移転登記を経由したときは残代金を支払う旨の約定がある場合でも,その代金債権は,売主が上記義務を完全に履行した場合に請求し得べき条件付き債権ということはできず,第三債務者たる買主が土地の引渡し及び所有権移転登記を受けているときは,第三債務者は,売主の上記義務の不履行を理由に差押債権者に対して代金の支払を拒むことはできない

2(東京高裁平19.8.22判決)
心房中隔欠損症等の手術に携わった人工心肺医が患者が死亡したことについて業務上過失致死罪で逮捕されたことを報道するテレビ番組が医師の肖像権を侵害せず,報道内容が真実であると信じたことに相当の理由があったとされた事例

3(東京地裁平18.11.29判決)
マラリアの危険性を告知する義務及びツアー後の注意喚起義務を怠ったとして,旅行会社に対してツアー参加者の遺族らが求めた損害賠償請求が棄却された事例

4(鹿児島地裁平18.2.3判決)
1 周辺住民らによる人格権に基づく管理型最終処分場の建設差止請求について,受忍限度を超える健康被害の発生の蓋然性が認められるとして請求を認容した事例
2 周辺住民らの実力行使により,上記処分場の建設工事を妨害されたとして,上記処分場の設置会社が上記住民らに対して行った共同不法行為に基づく損害賠償請求について,上記住民らの行為は,社会通念上,違法とまではいえないとして請求を棄却した事例

5(東京地裁平18.7.28判決)
黄斑部網膜上膜形成症に対する黄斑上膜手術等の後に患者の視力が低下したことにつき,担当医師の術中の過失に基づくものと認めた上,患者の社会的地位を考慮して術後の治療の際の個室費用を損害と認め,鍼灸治療等のための費用も2年間の限度で損害と認めたものの,術後の収入の低下がないとして逸失利益の算定を大幅に減額した事例

6(東京高裁平19.2.27判決)
別居9年以上(同居約14年)の夫婦間の長男は,四肢麻痺の重い障害を有するため,日常生活全般にわたり介護を必要とする状況にあり,成人に達していても未成熟の子とみるべく,その子の世話をする相手方配偶者は,その年齢(54歳)からしても就業して収入を得ることが困難な状態にあり,また,住居明け渡しの問題もあり,離婚により直ちに経済的困窮に陥ることが十分予想されるとして,離婚請求が棄却された事例

[知的財産]
7(東京地裁平19.2.27判決)
1 特許法104条の3第1項の「当該特許が無効審判により無効とされるべきもの」の解釈について,特許について訂正審判請求あるいは訂正請求がなされている場合には,将来その訂正が認められ,訂正の効力が確定したときにおいても当該特許が無効審判により無効とされるべきものと認められるかどうかにより判断すべきであると判示し,①;訂正請求が訂正要件を満たすか,②;当該訂正により無効理由が解消されるか,③;被告製品は訂正後の請求項の技術的範囲に属するかについて検討し,いずれも肯定されることを理由に特許法104条の3第1項の抗弁の主張を否定した事例
2 特許法101条1号の「生産」は日本国内における生産を意味するものであると判示して未完成品を海外に輸出して海外で完成品を組み立てる場合の,国内における未完成品の製造及びその輸出行為について間接侵害が成立しないとした事例

8(知財高裁平19.7.25判決)
人形作品の写真集の制作・出版に関して出版社から金銭を受け取った者に対する人形作品の制作者による不法行為に基づく損害賠償請求が認められなかった事例

[倒産処理法]
9(名古屋高裁平16.11.30決定)
破産財団から放棄された不動産に係る別除権放棄の意思表示を破産会社の破産手続開始当時の取締役(旧取締役)に対してした場合に当該意思表示を有効と認め得る特段の事情がないとされた事例


◆刑事裁判例
[刑 法]
1(京都地裁平18.5.12判決)
1 死体なき強盗殺人事件等について,間接事実の積み重ねにより有罪とされた事例
2 預金の引き出しのためキャッシュカードを現金自動支払機に挿入し残高を照会した段階で窃盗に対する実行の着手を認め,暗証番号不一致により照会も預金引出行為もできなかった事例について窃盗未遂罪を認めた事例
3 被告人が犯人であるかどうかを判断するために,被告人の姿を公道等でビデオ撮影したその映像証拠が違法収集証拠でなく証拠能力があると判断された事例
記事紹介

■量刑に関する諸問題〔大阪刑事実務研究会〕
被告人が自己の犯罪により自ら多大の不利益を被ったことと量刑/畑山 靖
(コメント)畑山靖「被告人が自己の犯罪により自ら多大の不利益を被ったことと量刑」について/堀江慎司

■実践 刑事弁護:裁判員にわかりやすい弁護のために3
アメリカ弁護人の経験に基づく裁判員選任手続での提案/福来 寛

◆遺留分減殺請求訴訟を巡る諸問題(下)/山下 寛・土井文美・衣斐瑞穂・脇村真治

■山形地裁民事実務研究3
私的年金制度への加入又は年金の受給方法の選択に先立って制度設営者が制度の破たんの可能性について説明する義務の有無が問題となった事例
東京高判平18.10.25判時1962号72頁/光岡弘志

◆私人の名誉は公人の名誉より軽いか3
名誉・プライバシー侵害訴訟再考の視点/京野哲也

◆法科大学院と新司法試験/大島眞一

■世界の司法111 その実像を見つめて
CREDIT/Bail Support Program
オーストラリア・ビクトリア州の保釈支援制度/川尻恵理子

■世界の司法112 その実像を見つめて
ニューサウスウェールズ州最高裁判所及びオーストラリア連邦裁判所における専門家証人制度の改革/増尾 崇

判例紹介(全27件)

◆特 報
[憲 法]
1(最高裁第三小法廷平19.9.18判決)広島市暴走族追放条例(平成14年広島市条例第39号)16条1項1号,17条,19条の規定を限定解釈により憲法21条1項,31条に違反しないとした事例

[民 法]
2(1最高裁第二小法廷平19.7.13判決)(2最高裁第二小法廷平19.7.13判決)(3最高裁第三小法廷平19.7.17判決)
1 貸金業者が利息制限法1条1項所定の制限を超える利息を受領したことにつき貸金業の規制等に関する法律43条1項の適用が認められない場合と民法704条の「悪意の受益者」
2 各回の返済金額について一定額の元利金の記載と共に別紙償還表記載のとおりとの記載のある借用証書の写しが借主に交付された場合において,当該償還表の交付がなければ貸金業の規制等に関する法律17条1項に規定する書面の交付があったとはいえないとされた事例(1事件)
3 利息制限法1条1項所定の制限を超える利息を受領した貸金業者が,判例の正しい理解に反して貸金業の規制等に関する法律18条1項に規定する書面の交付がなくても同法43条1項の適用があるとの認識を有していたとしても,民法704条の「悪意の受益者」であるとする推定を覆す特段の事情があるとはいえないとされた事例(2事件)

3(最高裁第二小法廷平19.7.6判決)
建物の設計者,施工者又は工事監理者が,建築された建物の瑕疵により生命,身体又は財産を侵害された者に対し不法行為責任を負う場合

[商 法]
4(最高裁第二小法廷平19.8.7決定)
1 株主平等の原則の趣旨は株主に対して新株予約権の無償割当てをする場合に及ぶか 2 株主に対する差別的取扱いが株主平等の原則の趣旨に反しない場合
3 特定の株主による経営支配権の取得に伴い,株式会社の企業価値がき損され,株主の共同の利益が害されることになるか否かについての審理判断の方法
4 株式会社が特定の株主による株式の公開買付けに対抗して当該株主の持株比率を低下させるためにする新株予約権の無償割当てが,株主平等の原則の趣旨に反せず,会社法247条1号所定の「法令又は定款に違反する場合」に該当しないとされた事例
5 株式会社が特定の株主による株式の公開買付けに対抗して当該株主の持株比率を低下させるためにする新株予約権の無償割当てが,会社法247条2号所定の「著しく不公正な方法により行われる場合」に該当しないとされた事例

[知的財産]
5マグライト立体商標事件(知財高裁平19.6.27判決)
「懐中電灯」を指定商品とする立体商標の出願につき,当該商標が商標法3条1項3号に該当し,同条2項に該当しないとして商標登録出願を拒絶すべきものとした審決が,商標法3条2項該当性の判断を誤ったものとして取り消された事例

[特別刑法]
6(最高裁第二小法廷平19.7.25決定)
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律33条1項の申立てがあった場合に,医療の必要があり,対象行為を行った際の精神障害の改善に伴って同様の行為を行うことなく社会に復帰できるようにすることが必要な対象者について,措置入院等の医療で足りるとして同法による医療を行わない旨の決定をすることの可否

◆最高裁判例
[個別的労働関係]
1(最高裁第一小法廷平19.1.18判決)
1 商品取引所の会員に対して取引を委託した者が当該会員に対して有する債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償債権は,商品取引所法(平成16年法律第43号による改正前のもの)97条の3第1項所定の「委託により生じた債権」に含まれるか
2 商品取引所法(平成16年法律第43号による改正前のもの)97条の2第3項所定の指定弁済機関と同項所定の弁済契約を締結している商品取引員が取引を委託した者に対して負担する債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償債務は,同法97条の11第3項所定の「受託に係る債務」に含まれるか

[諸 法]
2(最高裁第一小法廷平19.7.19判決)
1 商品取引所の会員に対して取引を委託した者が当該会員に対して有する債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償債権は,商品取引所法(平成16年法律第43号による改正前のもの)97条の3第1項所定の「委託により生じた債権」に含まれるか
2 商品取引所法(平成16年法律第43号による改正前のもの)97条の2第3項所定の指定弁済機関と同項所定の弁済契約を締結している商品取引員が取引を委託した者に対して負担する債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償債務は,同法97条の11第3項所定の「受託に係る債務」に含まれるか

[民事訴訟法]
3(最高裁第二小法廷平19.8.23決定)
介護サービス事業者が介護給付費等の請求のために審査支払機関に伝送する情報を利用者の個人情報を除いて一覧表にまとめた文書が,民訴法220条4号ニ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たらないとされた事例

[刑 法]
4(最高裁第三小法廷平19.7.17決定)
預金通帳等を第三者に譲渡する意図を秘して銀行の行員に自己名義の預金口座の開設等を申し込み預金通帳等の交付を受ける行為は,刑法246条1項の詐欺罪に当たるか

5(最高裁第一小法廷平19.7.2決定)
1 現金自動預払機利用客のカードの暗証番号等を盗撮する目的でした営業中の銀行支店出張所への立入りと建造物侵入罪の成否
2 現金自動預払機利用客のカードの暗証番号等を盗撮するためのビデオカメラを設置した現金自動預払機の隣にある現金自動預払機を,一般の利用客を装い相当時間にわたって占拠し続けた行為が,偽計業務妨害罪に当たるとされた事例

[特別刑法]
4(最高裁第三小法廷平19.7.17決定)
預金通帳等を第三者に譲渡する意図を秘して銀行の行員に自己名義の預金口座の開設等を申し込み預金通帳等の交付を受ける行為は,刑法246条1項の詐欺罪に当たるか

6(最高裁第二小法廷平19.8.8決定)
不正アクセス行為の禁止等に関する法律8条1号の罪と私電磁的記録不正作出罪との罪数関係

[刑事訴訟法]
7(最高裁第三小法廷平19.7.10判決)
1 最高裁判所から高等裁判所判事の職務を代行させる旨の人事措置が発令されていない判事補が構成に加わった高等裁判所により宣告された原判決が,刑訴法411条1号により破棄された事例
2 上告裁判所が原判決を破棄するに当たり,口頭弁論を経ることを要しないとされた事例

◆行政裁判例
[行政法一般]
1(東京地裁平19.5.31判決)
出生届出が不受理の場合において,例外的に職権で,当該子の住民票を作成する義務があるとして,当該子の住民票の記載をしない処分を取り消し,住民票を作成するよう命じた事例

[行政争訟法]
2(大阪地裁平19.3.14判決)
1 初乗運賃を480円などとする一般旅客自動車運送事業に係る旅客の運賃及び料金の変更認可申請が道路運送法9条の3第2項3号にいう「他の一般旅客自動車運送事業者との間に不当な競争を引き起こすこととなるおそれがないものであること」の基準に適合しないとして同申請を却下した地方運輸局長の処分にその裁量権を逸脱し又はこれを濫用した違法があるとされた事例
2 行政事件訴訟法37条の3第6項前段に基づき義務付けの訴えに併合して提起された処分の取消しの訴えについてのみ終局判決がされた事例

◆労働裁判例
[個別的労働関係]
1(大阪地裁堺支部平18.5.31判決)
会社の解散を理由に解雇された子会社の従業員につき,法人格否認の法理を適用して,親会社の指示に基づいて解散会社と同一の事業を営む別会社に労働契約上の責任を認めた事例

◆民・商事裁判例
[民 法]
1(東京高裁平19.1.30判決)
約定に基づく増担保請求権は形成権でないとして抵当権設定仮登記仮処分に基づく本登記請求を認めなかった事例

2(大阪地裁平19.5.25判決)
届出印鑑による銀行預金の払戻しについて銀行担当者に過失がなかったとして銀行の債権の準占有者に対する弁済の主張が認められた事例

3 新生児取り違え事件控訴審判決(東京高裁平18.10.12判決)
私立大学の入学試験の合格者が,学納金を納付後に入学を辞退し,学納金の返還を求めた事案について,入学金の返還は認められないが,授業料等の返還は認められた事例

4(東京地裁平17.7.8判決)
一審の途中から控訴の場合を含めて訴訟事件を受任した弁護士の成功報酬につき,算定方法につき特段の合意があったとする弁護士の主張と成功報酬は請求しないとの合意があったとする依頼者の主張をいずれも退けた上,相当報酬額を算定した事例

5(福岡高裁平19.4.27判決)
クリーニング業者が,その業務内容に関する週刊誌の記事によって,名誉を毀損されたとして,発行者,情報提供をした元従業員に対する損害賠償請求などが認められなかった事例

6(東京地裁平19.3.26判決)
弁護士が調査会社に依頼して原告の人物調査を行わせた行為及びその結果作成された原告に関する情報・評判等が記載された調査報告書を第三者に開示した行為について,前者は不法行為責任が認められなかったが,後者についてはプライバシー侵害による不法行為責任が認められた事例

7(横浜地裁平19.3.22判決)
心機能障害を有し,真珠腫性中耳炎に罹患した患者に対する説明義務違反及び経過観察義務違反を認めた上で,同義務違反と死亡との間の因果関係を肯定した事例

[知的財産]
8 商標「本生」事件(知財高裁平19.3.28判決)
白塗りの袋文字で表した「本生」の文字に影を付けて表示してなり,指定商品を第32類「ビール風味の麦芽発泡酒」とする商標登録出願を拒絶すべきものとした特許庁の審決について,商標法4条1項16号に該当するとした認定判断に誤りがあるが,同法3条1項3号に該当するとした認定判断及び同法3条2項に該当しないとした認定判断に誤りはなく,結論に影響しないとして,審決が維持された事例(MYUTA事件)

◆刑事裁判例
[特別刑法]
1(広島高裁平19.5.29判決)
鉄道営業法25条違反により有罪とした原判決を事実誤認を理由に破棄し,無罪を言い渡した事例
記事紹介

■鼎談・民法学の新潮流と民事実務[第17回・完]
 時効の過去・現在・未来を語る/金山直樹・加藤雅信・加藤新太郎

■座談会
 グローバル化時代における裁判官の職業倫理
  日仏比較を中心として/森際康友・長谷部恭男・松本恒雄・加藤新太郎

■人身賠償・補償研究88
 飲酒運転による交通事故の関係者の損害賠償責任について/湯川浩昭

■大阪民事実務研究
 非訟事件手続における民事訴訟法等の規定の類推適用について
  労働審判手続を念頭に/川畑正文

◆私人の名誉は公人の名誉より軽いか(2)
 名誉・プライバシー侵害訴訟再考の視点/京野哲也

◆自由財産による破産債権に対する任意弁済/石川 明

■ブック・レビュー
 伊藤眞=加藤新太郎=山本和彦著
 『民事訴訟法の論争』/松田典浩

■ブック・レビュー
 小山稔=西口元編集代表・塩谷國昭=鈴木利廣=山下洋一郎編
 『専門訴訟大系1 医療訴訟』/植木 哲


判例紹介 (全23件)

◆速  報
[諸  法]
1(東京地裁平19.7.26判決)
政府保障事業による損害てん補と他の社会保険給付との調整(自動車損害賠償保障法73条1項)に関し,将来受けるべき労災障害年金相当額は,てん補額から控除されるべきか(消極) 
[刑  法]
2(東京地裁平19.8.10判決)
建設会社の代表取締役であった被告人が,施工した物件の構造計算書が改ざんされていることを知るに至りながら,従業員が施主に対し請負残代金を請求するに任せ,何らの措置も講じなかったことが不作為による欺罔行為に当たるとして詐欺罪の成立が認められた事例 
 
◆最高裁判例
[個別的労働関係]
1(最高裁第二小法廷平19.7.13判決)
1 学校法人がその設置,運営する大学に勤務する教授に対し同教授の地元新聞紙上における発言等を理由としてした戒告処分が無効とされた事例
2 学校法人がその設置,運営する大学に勤務する教授に対し教授会への出席その他の教育諸活動をやめるよう求めた要請が業務命令に当たるとして,その無効確認を求める訴えが適法とされた事例
3 学校法人がその設置,運営する大学に勤務する教授に対し教授会への出席その他の教育諸活動をやめるよう求めた要請が業務命令として無効とされた事例 

[民  法]
2(最高裁第二小法廷平19.7.6判決)
土地を目的とする先順位の甲抵当権が消滅した後に後順位の乙抵当権が実行された場合において,土地と地上建物が甲抵当権の設定時には同一の所有者に属していなかったが乙抵当権の設定時には同一の所有者に属していたときの法定地上権の成否 
3(最高裁第一小法廷平19.7.19判決)
同一の貸主と借主の間で基本契約を締結せずに切替え及び貸増しとしてされた多数回の貸付けに係る金銭消費貸借契約が,利息制限法所定の制限を超える利息の弁済により発生した過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含むものと解された事例 
 
[商  法]
4(最高裁第二小法廷平19.7.6判決)
災害補償共済規約が「被共済者が急激かつ偶然の外来の事故で身体に傷害を受けたこと」を補償費の支払事由と定めている場合,補償費の支払を請求する者は,被共済者の傷害が同人の疾病を原因として生じたものではないことの主張立証責任を負うか 

[刑  法]
5(最高裁第一小法廷平19.10.10決定)
強盗強姦罪の成否に関する事実認定が争われた事例 
 
6(最高裁第二小法廷平19.7.10決定)
公共工事の請負者が,地方公共団体から使途を限定して請負者名義の預金口座に振り込まれた前払金につき,上記使途に沿った支払と偽って,払出しに係る金員を領得したことが詐欺罪に当たるとされた事例 
 
7(最高裁第二小法廷平19.4.13決定)
1 専らメダルの不正取得を目的として体感器と称する電子機器を身体に装着してパチスロ機で遊戯する行為の窃盗罪該当性
2 専らメダルの不正取得を目的として体感器と称する電子機器を身体に装着してパチスロ機で遊戯し取得したメダルについて窃盗罪が成立する範囲 

◆行政裁判例
[行政法一般]
1(東京地裁平18.2.24判決)
抗がん剤の過剰投与により患者を死亡させた医療事故に関して,厚生労働大臣が「罰金以上の刑に処せられたため。」及び「医事に関し不正の行為のあったため。」を理由として当時の主治医に対してした,3年6か月間の医業停止の処分が,適法であるとして,処分の取消請求が棄却された事例 

[租税法]
2(大阪高裁平19.3.27判決)
阪神・淡路大震災によって建物が損壊し更地となった小規模住宅用地につき,住宅用地として使用することができない場合に該当しないとして,地方税法上定められた固定資産税等の減額特例の適用が否定された事例  

[地方自治法]
3(福岡高裁平18.11.9判決)
1 地方公務員たる教員について他の職種の公務員よりも重い懲戒処分の指針を定めることに合理的な理由がないとはいえないとされた事例
2 教員が複数の非違行為を犯した場合に各非違行為ごとの標準処分例よりも更に重い処分(加重処分)をすることは,それができる旨指針に定められていることからして許されるとされた事例
3 各非違行為ごとの標準処分例が最も重いものでも「停職」に過ぎない場合に,加重処分として「免職」を選択するについては,当該職員をめぐるあらゆる事情を総合考慮した上で,なお同人をその地位にとどめ置くわけにはいかないという場合に,初めてその相当性が肯定されるとされた事例
4 しかし,酒気帯び運転(2回)及び生徒の氏名等が保存されていた光磁気ディスク紛失の各非違行為が認められる教員につき,各非違行為の行状に加え,非違行為の発覚後の振る舞い,教師としての資質・能力・勤務態度等の諸事情を総合すると,加重処分として「免職」を選択することは,上記3の判断基準に照らして重きに失するとして,懲戒免職処分が取り消された事例 

◆労働裁判例
[個別的労働関係]
1(札幌地裁平19.3.14判決)
銀行従業員がうつ病を発症して退職したことにつき,業務起因性が否定された事例 

◆民・商事裁判例
[民  法]
1(福岡高裁平19.3.20判決)
賃貸アパートの2階の窓から転落して死亡した事故につき,約73センチメートルの腰高は瑕疵とはいえないが,その窓から身を乗り出して洗濯物を干すことが予定されていたとして工作物責任を認めた事例(過失相殺9割) 

2(青森地裁平18.2.28判決)
青森県住宅供給公社事件判決
原告住宅供給公社の職員が起こした巨額横領事件において,同公社の役職員らのうち一部の者についてのみ善管注意義務違反等の責任を認めた上で,横領をした職員の有責性のほか,被告とされなかった多数の者らの落ち度を指摘して,過失相殺規定の類推適用により,被告らの責任額を減額した事例 

3(東京地裁平18.6.27判決)
私立大学の入学試験の合格者が,学納金を納付後に入学を辞退し,学納金の返還を求めた事案について,入学金の返還は認められないが,授業料等の返還は認められた事例 

4(大阪地裁平19.5.9判決)
7歳の女児が自転車で歩道上を走行中,車道上に転倒して貨物自動車に轢過されて死亡した事故につき,事故の原因は歩道上に張り出していた生け垣にもあるとして,生け垣の所有者に対する損害賠償請求が認められた事例 

5(水戸地裁平17.3.29判決)
尿管結石,腎結石の患者が入院中に急性腎不全に基づく急性心不全により死亡した場合,担当医師は腎機能の推移を慎重かつ的確に把握すべき注意義務等に違反したとして,病院側の診療契約上の債務不履行責任が認められた事例 

6(大阪高裁平19.5.15判決)
1 有責配偶者からの離婚請求事件の控訴審において,子の監護についての離婚した場合の影響の有無につき,家庭裁判所調査官による事実の調査がされた事例
2 有責配偶者である夫からの離婚請求につき,別居調停後約13年経過し,18歳と16歳の2人の未成熟の子がいる場合において,慰謝料150万円と二男の大学進学費用150万円を支払う旨の訴訟上の和解をした上で,原判決を取り消し請求を認容した事例 

[知的財産]
7(東京地裁平19.5.25判決)
CD等の楽曲を自己の携帯電話で聴くことのできる「MYUTA」という名称のサービスの提供が,音楽著作物の著作権者の複製権及び自動公衆送信権を侵害するとされた事例(MYUTA事件) 

[諸  法]
8(名古屋高裁金沢支部平19.7.18判決)
1 木製サッシの製造販売を業とする事業者が業務に使用した焼却炉に「指示・警告上の欠陥」があるとして,同焼却炉の燃焼中に灰出し口を開いたため発生したバックファイヤーの結果生じた火災による損害について,同焼却炉の製造業者の製造物責任が認められた事例
2 焼却炉の燃焼中に灰出し口を開いた製造物の使用者の使用方法にも過失があるとして,製造物責任に過失相殺が認められた事例 
 
9(大阪地裁平19.2.21判決)
協議離婚した当事者間で親権を有する一方が監護権を有しない他方に対し人身保護法により子の引渡しを求めた請求が棄却された事例 
 

◆刑事裁判例
[特別刑法]
1(東京高裁平19.4.25決定)
法廷等の秩序維持に関する法律に基づき地方裁判所がした制裁を科する裁判に対する本人を補佐する弁護士の抗告申立権
◆最高裁判所に対する民事上訴制度の運用/福田剛久・佐藤裕義・溝上 真

◆過払金返還請求訴訟における一連計算の可否をめぐる問題点について
最近の最高裁判例を踏まえて/近藤昌昭・影山智彦

◆遺留分減殺請求訴訟を巡る諸問題(上)/山下 寛・土井文美・衣斐瑞穂・脇村真治

◆私人の名誉は公人の名誉より軽いか(1)
  名誉・プライバシー侵害訴訟再考の視点/京野哲也

◆私の法律学研究(2)
 「不当利得」研究ー不当利得の類型論から法体系投影理論へ/加藤雅信

■実践 刑事弁護:裁判員にわかりやすい弁護のために2
 刑事訴訟における弁護人の面接技術論の意義とあり方/岡田悦典

■世界の司法109ーその実像を見つめて
 イギリスにおける行政裁量の行使に対する司法審査のあり方/貝阿彌亮

■世界の司法110ーその実像を見つめて
 パリ労働裁判所の実情/村田一広

判例紹介 全21件  細目次は本号冒頭頁
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◆最高裁判例
[個別的労働関係]
1(最高裁第一小法廷平19.6.28判決)
作業場を持たずに1人で工務店の大工仕事に従事する形態で稼働していた大工が労働基準法及び労働者災害補償保険法上の労働者に当たらないとされた事例

[民  法]
2(最高裁第二小法廷平19.6.11判決)
コンビニエンス・ストアのフランチャイズ契約に加盟店は運営者に対し加盟店経営に関する対価として売上高から売上商品原価を控除した金額に一定の率を乗じた額を支払う旨の条項がある場合において消費期限間近などの理由により廃棄された商品の原価等は売上高から控除されないとされた事例

[特別刑法]
3(最高裁第一小法廷平19.7.12決定)
1 出来高に関し他人に誤解を生じさせる目的は,価格操作ないし相場操縦の目的を伴わない場合でも,証券取引法(平成12年法律第96号による改正前のもの)159条1項柱書きにいう「取引が繁盛に行われていると誤解させる等これらの取引の状況に関し他人に誤解を生じさせる目的」に当たるか
2 いわゆる自己両建ての有価証券オプション取引(判文参照)は,証券取引法(平成12年法律第96号による改正前のもの)159条1項3号にいう「オプションの付与又は取得を目的としない仮装の有価証券オプション取引」に当たるか

[刑事訴訟法]
4(最高裁第一小法廷平19.2.8決定)
被疑者方居室に対する捜索差押許可状により同居室を捜索中に被疑者あてに配達され同人が受領した荷物について同許可状に基づき捜索することの可否
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◆憲法裁判例
[憲  法]
1(大阪地裁平19.2.16判決)
1 市議会委員会の会議を原則として非公開としその傍聴の許否を委員長の裁量的判断にゆだねている大阪市会委員会条例(昭和31年大阪市条例第28号)12条1項の規定と憲法21条1項
2 原則として市政記者クラブ所属の記者に対してのみ市議会委員会の傍聴を許可する委員長の傍聴許否の運用と憲法21条1項,14条1項
3 大阪市議会財政総務委員会委員長が大阪市政記者クラブに所属しないフリージャーナリストに対してした同委員会の傍聴を許可しない旨の処分に憲法21条1項,14条1項違反及び裁量権の逸脱又その濫用の違法はないとされた事例
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◆行政裁判例
[行政法一般]
1(名古屋地裁平17.8.31判決)
1 イラン国籍を有する夫,同国籍とともにコロンビア国籍を有する妻及び両名の間の息子について,出入国管理及び難民認定法(ただし,平成16年法律第73号による改正前のもの)50条1項に基づく在留特別許可を与えず,同法49条1項に基づく異議の申出は理由がないとする旨の裁決について,法務大臣の裁量権の範囲の逸脱又は濫用があるとはいえないとされた事例
2 同法53条に基づいて,2つの国籍国を有する息子及び妻について,息子についてはイランを,妻についてはコロンビアを送還先に指定した退去強制令書の発付処分について,主任審査官の裁量の逸脱又は濫用があるとはいえないとされた事例 

[行政争訟法]
2(大阪地裁平19.4.19判決)
出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令の留学及び就学の在留資格に係る基準の規定に基づき日本語教育機関等を定める件の一部を改正する告示に処分性はない

[租税法]
3(東京高裁平18.10.31判決)
不動産取得税の特例による減額還付について減額決定を経る必要がないとして決定の期限制限を理由とする減額還付をしない旨の処分を取り消した事例

[地方自治法]
4(福岡高裁平19.1.22判決)
原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律,原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づく健康管理手当受給権について,支給義務者である都道府県等が,政府の通達に基づいて,長期間にわたり在外被爆者に同手当を支給しない取扱いをしていたことから,在外被爆者の権利主張が事実上困難であったとしても,都道府県等が地方自治法236条所定の消滅時効を主張することが信義則違反ないし権利濫用にあたるものではないとされた事例
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◆労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京地裁平18.10.25判決)
1 差額賃金請求に加え,降級前の給与等級の地位にあることの確認請求が適法とされた事例
2 管理職から非管理職の降級処分が無効とされた事例

[集団的労働関係]
2(宇都宮地裁平19.2.1判決)
1 労働条件変更の同意について,契約書を提出しなければ働くことができないと誤信した点に動機の錯誤があり,動機は黙示に表示されていたとして,錯誤無効を認めた例
2 退職届を提出していない労働者に対する「職を解く」旨の辞令の交付が解雇に該当するとし,辞令交付後の賃金請求を認めた事例
3 退職に至る経緯に使用者の債務不履行を認めた例
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◆民・商事裁判例
[民  法]
1(千葉地裁平18.6.28判決)
成田一坪共有地分割請求訴訟 共有物について,いわゆる全面的価格賠償の方式による共有物分割は許されない等の主張を排斥して,原告の単独所有とし,被告らに賠償金を取得させる旨の分割をした事例

2(東京地裁平18.9.28判決)
匿名ながら殺人事件の真犯人であるなどとする週刊誌の記事につき,名誉毀損に当たるとされた事例

3(東京地裁平18.2.20判決)
電力会社と交渉して電気料金を低額な契約種別とする業務は,非弁行為にあたる疑いがあり,弁護士会に対する非弁調査申立は社会的相当性を逸脱する違法なものではないとされた事例

4(東京高裁平19.3.27判決)
出産直後の妊産婦が出血性ショックにより死亡した場合について,担当医師に輸液不適切,全身状態の管理・観察の懈怠,高次医療機関への搬送遅延の過失があったとして,病院側の不法行為責任が認められた事例

5(札幌高裁平19.3.9判決)
地方競馬の競走馬が手術を受けた際に,獣医師が縫合針等を残置するなどしたため,安楽死せざるを得なくなった競走馬の損害賠償事件につき,獣医師の過失を認め,さらに縫合糸の残置と競走馬の死亡に因果関係を認めた事例

[知的財産]
6(東京地裁平18.9.15決定)
後発医薬品の輸入承認申請書に添付した資料につき,秘密保持命令が発令された事例

7(東京地裁平18.5.29判決)
1 特許法(平成16年法律第79号による改正前のもの)35条に基づく職務発明の相当の対価の請求は,勤務規則等において,特許権の存続期間中,一定の期間ごとに特許発明の実施の実績に応じた額を使用者等から従業者等に支払う旨の定めがされている場合においては,各期間の特許発明の実施の実績に応じた額の支払時期が,相当の対価の支払を受ける権利のうち,各期間における特許発明の実施に対応する分の消滅時効の起算点となるとして,訴え提起の時点において,支払時期から民法所定の10年を経過していた部分については,消滅時効が完成しているとされた事例
2 公的機関における25年以上の勤務を経て,その公的機関の保有技術の技術移転等を目的とするYに再就職し,Yの他社への技術協力に際して発明をした場合において,入社の経緯,知識・技能の養成についての公的機関の寄与,公的機関とYとの関係,発明へのYの関与の程度等を総合的に考慮して,相当の対価の額が算定された事例

[諸  法]
8(大阪地裁平18.5.30判決)
特定目的会社の取締役の第三者に対する責任に関し,取締役が資産流動化計画の作成に関与しなかったことについて任務懈怠がないとされた事例

[民事執行法]
9(福岡高裁平19.3.27判決)
形式競売で買い受けた土地の所有権に基づき,同土地上の建物の収去を求めた訴訟において,建物所有者の民法388条による法定地上権の成立の主張が認められなかった事例
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◆刑事裁判例
[刑事訴訟法]
1(大阪地裁平18.9.13判決)
嫌疑の程度や真相解明の必要性,実施方法等を検討した上で,本件において,捜査機関が特定の荷物を宅配便業者から借り出してエックス線検査を行ったことは任意捜査として許されるとして,上記捜査に基づく証拠に証拠能力を認めた事例
民法判例レビュー 98

■今期の主な裁判例
 契  約/石田  剛
 担  保/新美 育文
 不 動 産/山野目章夫
 民事責任/前田 陽一

■今期の裁判例
 家  族/林  貴美

■判例評釈
 担  保 国税の法定納期限等以前に将来発生すべき債権を含む集合債権譲渡担保契約が締結され,第三者に対する対抗要件が具備されていた場合における国税徴収法24条6項の適用最一小判平19.2.15判タ1237号140頁,判時1963号57頁,金法1803号85頁,金判1266号22頁/新美育文・シェルマトフウルグベック

 不 動 産 包括遺贈と登記
大阪高判平18.8.29判タ1228号257頁,判時1963号77頁/山野目章夫

 民事責任 いわゆる弁護士会照会・調査嘱託に対する報告義務と不法行為責任
大阪高判平19.1.30判時1962号78頁/前田陽一

 家 族 1 未成年者への医療行為と親権者による同意の拒否
名古屋家審平18.7.25家月59巻4号127頁/神谷 遊

 家 族 2 高齢者と遺言
(1)東京地判平18.7.25判時1958号109頁
(2)横浜地判平18.9.15判タ1236号301頁/中川忠晃

判例紹介 全18件
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◆行政裁判例
[行政争訟法]
1(青森地裁平19.2.23判決)
1 暴力団対策法2条6号の「暴力団員」の判断基準
2 法人の役員が暴力団員であったことを理由とする当該法人に対する産業廃棄物収集運搬業の許可の取消処分が適法とされた事例

[地方自治法]
2(京都地裁平19.3.28判決)
住民訴訟で勝訴した原告らが弁護士に支払うべき報酬につき,地方公共団体に対して900万円の支払が命じられた事例
3(千葉地裁平18.8.4判決)
大学の附属医療センターの誘致に関して市と大学との間で締結された協定に基づき市長が大学に対して補助金を支出することに市長の裁量権の範囲の逸脱又は濫用がないとされた事例
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◆労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京地裁平18.11.29判決)
整理解雇が無効,違法とされ,地位確認請求,賃金・賞与支払請求のみならず慰謝料請求も認容された事例
2(岐阜地裁平17.4.21判決)
単身赴任者が就労日前日に自家用車で帰省先住居から赴任先住居に向かう途中で交通事故により死亡したことが,労働者災害補償保険法7条1項2号の通勤災害にあたるとされた事例
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◆民・商事裁判例
[民  法]
1(東京地裁平18.6.7判決)
1 仮名預金について,実質的な出捐者を預金者と認めた事例
2 法人税ほ脱の目的ないしほ脱した金銭の確保を動機としてされた預金契約について,原資である簿外勘定との具体的関係が明らかでないなどの事情の下では,公序良俗に反するとはいえないとされた事例

2(札幌地裁平19.3.2判決)
ホテルを経営する会社に勤務し,ホテルの機械室,ボイラー室等において設備係の従業員として業務に従事していた者が悪性胸膜中皮腫によって死亡した場合,会社側に安全配慮義務違反が認められないとされた事例

3(大阪地裁平18.12.8判決)
1 勤務弁護士について,依頼者との間の委任契約の成立が認められた事例
2 勤務弁護士について,独立して当該事件について訴訟活動を行わなくなった後であっても,相代理人の訴訟活動を監視等すべき義務を負うとされた事例
3 弁護士の義務違反は認められるが,損害との因果関係が認められないとして,請求が棄却された事例

4(東京地裁平18.11.17判決)
1 アセチレンガス切断機を用いた作業に起因する火災について,作業員に重過失があったとして,類焼家屋の所有者ないし居住者からの不法行為に基づく損害賠償請求が認められた事例
2 家財道具の焼失による損害額の算定につき,民事訴訟法248条が適用された事例

5(東京地裁平18.11.7判決)
団体の不正経理問題等及びその代表者の発言等に関する雑誌記事につき,その内容とともに掲載された写真,小見出しの内容等を考慮すれば,両名に対する名誉毀損に当たるものであり,これが真実であり又は真実と信じるに足りる相当の理由があったとも認められないとして,不法行為の成立を認めた事例

6(東京地裁平18.5.12判決)
1 大学助教授が元教え子である非常勤講師に対して,大学講師職のあっせんと引換えに行った性交渉及び交際要求等が,非常勤講師の性的自由ないし人格権を侵害するものであり,不法行為を構成するとされた事案
2 元教え子である非常勤講師に対するセクシュアル・ハラスメント問題で虚偽の告発を雑誌に掲載され,名誉を毀損されたとして元大学助教授が提起した慰謝料等請求事件において,その掲載内容は主要な部分において真実であるとされた事案

7(東京地裁平17.12.14判決)
区分所有建物の区分所有者である賃貸人は,その賃借人とともに,他の居住者に迷惑をかけないよう専有部分を使用する義務を負っているとして,自己の専有部分の賃借人の違法な使用状況(騒音振動等の発生)を放置したために他の専有部分の賃借人に損害が発生したときは,その不作為が不法行為となるとされた事例

8(横浜地裁平17.9.14判決)
肺がんの疑いで入通院していた患者が,肝がんを発症し食道静脈瘤破裂により死亡した場合において,病院側に転医勧告義務違反による債務不履行責任が認められた事例

[知的財産]
9(東京地裁平18.3.22判決)
1 生理活性タンパク質の製造法に関する特許発明に関して,優先権主張日前から当該特許発明に係る方法と同一の方法を使用して生理活性タンパク質を精製し,厚生大臣に対して当該生理活性タンパク質から製造した治験薬を用いて臨床試験を行う旨の治験計画届書を提出するなどしていたYについて,先使用に基づく通常実施権の成立が認められた事例
2 生理活性タンパク質の製造法に関する発明が進歩性を欠き,当該発明に係る特許は特許法29条2項に違反してされたものであって特許無効審判により無効にされるべきものであるとして,特許権者が,同法104条の3第1項の規定により,特許権を行使することができないとされた事例

10(大阪地裁平18.11.16判決)
リュックにつき,不正競争防止法2条1項3号の商品形態模倣行為が否定された事例

[民事訴訟法]
11(大阪地裁平19.1.30判決)
司法書士会が所属の会員に対してした注意勧告が司法審査の対象となるとされた事例

12(東京地裁平18.10.12判決)
宗教法人の代表役員等の地位にあることの確認を求める訴えにおいて,その地位にかかる懲戒処分は,当該処分が全く事実上の根拠に基づかない場合,当該処分の手続が著しく正義に反する場合,処分内容が社会通念上著しく妥当性を欠き,裁量権の範囲を逸脱したと認められる場合にのみ無効と判断すべきであり,当該訴えにおいてこれらの無効事由は認められないとされた事例
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◆公害等調整委員会
[公害等調整委員会]
1(公害等調整委員会平19.3.28裁定)
1 漁業被害に関する損害賠償請求訴訟の受訴裁判所から公害等調整委員会に対して当該訴訟の因果関係に係る争点につき原因裁定の嘱託がなされた事例
2 排砂式ダムにおける排砂と河口海域でのワカメ養殖の収穫不振との間の因果関係が認められた事例
3 排砂式ダムにおける排砂と河口海域での刺し網漁業の漁獲量変動との間の因果関係が認められなかった事例
■研究会「事実認定と立証活動」8
 証拠・データ収集の方法と事実認定
  山浦善樹(ゲスト)・馬橋隆紀・須藤典明・村田 渉・加藤新太郎(司会)

■判例展望民事法36
 取引開示義務をめぐる裁判例と問題点   吉野内謙志

■さいたま民事実務研究
 当事者の特定と表示について
 近藤壽邦・小野寺健太・廣瀬洋子  (コメント/長田 淳)

■判例研究
 保険金請求事件における故意等の立証責任に関する最高裁判例の系譜
 車両盗難に関する最高裁平成19年4月17日判決及び同4月23日判決の位置づけについて  豊浦伸隆

■判例評釈
 類型証拠としての取調べ状況等報告書の開示
 最三小決平成18年11月14日判タ1222号102頁,判時1947号167頁  松代剛枝

■会社判例プラザ34――服部榮三〔東北大学名誉教授〕監修
 盗難株券の善意取得の可否とその売却の取次を受託した証券会社の不法行為責任の有無
 名古屋高裁平成16年11月1日判決,判例タイムズ1191号326頁  田邊宏康

◆私の法律学研究1
 「所有・契約・社会」研究と「不当利得」研究を中心に  加藤雅信

判例紹介 全21件
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◆最高裁判例
[情報公開]
1(最高裁第三小法廷平19.5.29判決)
県警察本部の支出した捜査費等に係る個人名義の領収書のうち実名とは異なる名義で作成されたものに記載された当該名義人の氏名,住所等に関する情報が滋賀県情報公開条例(平成12年滋賀県条例第113号。平成16年滋賀県条例第30号による改正前のもの)6条3号所定の非公開情報に当たるとされた事例

[民  法]
2(1最高裁第三小法廷平19.4.24判決)(2最高裁第一小法廷平19.6.7判決)
いわゆる自動継続特約付きの定期預金契約における預金払戻請求権の消滅時効の起算点

3(最高裁第一小法廷平19.6.7判決)
カードの利用による継続的な金銭の貸付けを予定した基本契約が同契約に基づく借入金債務につき利息制限法所定の制限を超える利息の弁済により過払金が発生した場合には弁済当時他の借入金債務が存在しなければこれをその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含むものと解された事例

4(最高裁第三小法廷平19.5.29判決)
将来の給付の訴えを提起することのできる請求権としての適格を有しないものとされた事例

[刑事訴訟法]
5(最高裁第二小法廷平19.6.19決定)
1 検察官の出席がないまま判決を宣告した後退廷した被告人を呼び戻して検察官出席の上再度行った判決の宣告が法的な効果を有しないとされた事例
2 検察官の出席がないまま行われた第1審の判決宣告手続の違法と判決に対する影響の有無
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◆憲法裁判例
[憲  法]
1 学生無年金訴訟控訴審判決(仙台高裁平19.2.26判決)
1 国民年金法では「疾病にかかり,又は負傷し,その初診日において20歳未満であった者」(20歳前初診日)を障害基礎年金の支給対象者としているが(同法30条の4),20歳後になって初めて受診し統合失調症の診断を受けた者であっても,一定の要件が存在する場合には「20歳前初診日」の要件を充足したものと同視できるとした上,本件事案においては同視できる事情が存在するとして,これとは異なる理由をもって不支給処分を取り消した一審判決を結果的に維持した事例
2 社会保険庁長官が「20歳前初診日」の要件を形式的に解釈運用した結果,控訴人が早期に障害基礎年金を受給できなかったとして国家賠償を求めたのに対し,支給要件等については,一義的・公権的な解釈として定まっておらず,行政庁としては,法律規定の文言を忠実に解釈し,大量的な認定事務処理を統一的,公平的に運用するよう目指したもので,かかる解釈態度を違法であるとみることはできないと判断した事例
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◆行政裁判例
[行政法一般]
1 アフガニスタン人難民不認定処分等取消請求事件第一審判決(名古屋地裁平16.3.18判決)
1 難民の地位に関する条約及び難民の地位に関する議定書(難民条約等)にいう「迫害を受けるおそれ」の意義
2 いわゆる対テロ戦争によるタリバーン政権崩壊後のカルザイ政権下のアフガニスタンにおいて,一般的な治安上の不安定要因は存在するとした上で,アフガニスタン国籍の原告に対する政府による「人種」「宗教」等を理由とする迫害のおそれがあるものではないとして,自らがハザラ人であり難民に当たるとする原告の主張を排斥して,法務大臣のした難民不認定処分等を適法とした事例

[租税法]
2(東京地裁平18.12.8判決)
確定申告において,いわゆる積上計算方式を選択していたにもかかわらず,いわゆる総額計算方式によったかのように表示した誤りがある場合,納税申告書に記載した課税標準等又は税額等の「計算に誤りがあったこと」(国税通則法23条1項1号)に該当する

[地方自治法]
3(大阪地裁平18.7.19判決)
市議会の会派に交付された政務調査費の一部が議員の調査研究に資するため必要な経費に充てられたものと認めることができず違法とされた事例

[情報公開]
4(新潟地裁平18.11.17判決)
新潟県情報公開条例に基づき「凶悪重大犯罪等に係る出所情報の活用」と題する文書の開示を求めた開示請求について,一部不開示とする処分の一部が取り消された事例
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◆労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京地裁平17.11.22判決)
1 懲戒解雇無効確認の利益
2 解雇理由の有無及び解雇権の濫用
3 退職金請求権の有無,退職金請求権とインセンティブ返還請求権の相殺の可否
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◆民・商事裁判例
[民  法]
1(東京地裁平18.9.29判決)
1 アニメーションテレビ番組の「放送枠」を売り渡す旨の売買契約が成立したことを前提として,売買代金等の支払を求めた主位的請求が,棄却された事例
2 上記売買契約の締結交渉に当たり,契約締結上の過失(債務不履行)があったとして,損害賠償を求めた予備的請求が,一部認容された事例
3 上記契約締結上の過失に基づく損害賠償について,5割の過失相殺がされた事例

2(東京地裁平18.9.5判決)
1 土壌汚染が生じている土地の売買において,買主の錯誤無効の主張が否定された事例(民法95条)
2 商人間の土地の売買において,検査通知義務違反による免責が認められた事例(商法526条)
3 土壌汚染が生じている土地の売買において,売主の説明義務違反が肯定された事例(民法415条)

3(東京地裁平18.12.8判決)
買主において花火大会の花火を観覧できる利益を重視してマンションの一室を購入したことを知っていた分譲業者が,自ら花火の観望を妨げる建築物を建築したという事案において上記分譲業者の不法行為を肯定した事例

4(名古屋地裁平18.12.7判決)
いわゆる引きこもりの子供の教育施設における指導方法の違法性及び不法行為に基づく損害賠償請求が消滅時効により認められないとされた事例

5(東京地裁平18.10.27判決)
国際的テロ組織アル・カイーダと関連があるとみられる組織の幹部の活動を支援し,その資金を調達している疑いがあることや,国際電話用の偽造プリペイドカードを密売して億単位の利益を上げていることなどを内容とするテレビ番組における報道について,名誉及び信用毀損に基づく損害賠償請求が一部認められた事例

6(広島地裁平19.5.24判決)
1 中学校生徒らのいじめ行為を不法行為に当たると判示し,かつ,一部の保護者について監督義務違反及び担任教師の保護義務違反を肯定した事例
2 いじめ行為と統合失調症との相当因果関係を認めた事例

[知的財産]
7(東京地裁平19.3.13判決)
当事者双方から提出された追試結果によっても,引用例に当業者において容易に実施し得る程度に特許発明に係る化学物質の新規結晶の製造方法が開示されているとは認めがたいとして,当該特許の新規性を肯定した事例

[民事訴訟法]
8(大阪地裁平18.7.7判決)
本訴請求債権を自働債権とし反訴請求債権を受働債権とする相殺の抗弁の許否
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◆刑事裁判例
[刑  法]
1(佐賀地裁平19.5.8判決)
走行中の被害車両の進路直前に自車を進入させて著しく接近したことにより,被害車両を転把させ歩道上の案内板支柱に衝突させ,同車に乗車していた被害者らを死傷させた事案において,危険運転致死傷罪の成立が認められた事例
■研究会「事実認定と立証活動」7
 効果的立証・検証・鑑定と事実認定
 /山浦善樹(ゲスト)・馬橋隆紀・須藤典明・村田 渉・加藤新太郎(司会)

■特集・まちづくりと住民自治
 1まちの成り立ち
  歴史的概観からまちづくりの法的構成要素を探る/田中修一
 2建築協定とまちづくり/小賀野晶一
 3まちづくりと地域コミュニティ
  社会のありようの変遷と市民協働による「まちづくり」/坂上 稔
 4住民自治とコンプライアンス/西口 元

■判例展望民事法35
 裁判実務における錯誤論
 その現状と課題―同時存在の原則を中心として/松本光一郎

◆千葉県医事関係裁判運営委員会第11回定例会

◆宇都宮地方裁判所における倒産事件の運用/手塚富穂

◆後継ぎ遺贈型受益者連続信託の法と経済分析/福井秀夫

■実践 刑事弁護:裁判員にわかりやすい弁護のために1
 刑事弁護
 わかりやすさの路標/早野貴文

■世界の司法107――その実像を見つめて
 イングランド刑法におけるネセシティの理論について
 謀殺罪との関係を中心に/上原恵美子

■世界の司法108――その実像を見つめて
 アメリカ民事訴訟における電子化の状況について/吉岡大地

判例紹介 全22件  細目次は本号冒頭頁
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◆特   報
[憲  法]
1(最高裁大法廷平19.6.13判決)
1 衆議院議員選挙区画定審議会設置法3条のいわゆる1人別枠方式を含む衆議院小選挙区選出議員の選挙区割りの基準を定める規定及び公職選挙法13条1項,別表第1の上記区割りを定める規定の合憲性
2 衆議院小選挙区選出議員の選挙において候補者届出政党に選挙運動を認める公職選挙法の規定の合憲性
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◆最高裁判例
[刑事訴訟法]
1(最高裁第三小法廷平19.6.19決定)
判決が確定した後,その基礎となった被告事件係属中の勾留について取消しを求める趣旨の書面が裁判所に提出されても,裁判所は,これに対し何ら判断を示す必要はない
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◆行政裁判例
[行政法一般]
1(東京地裁平19.1.31判決)
1 ミャンマー人の男性について反政府活動をしていたことを理由に難民に該当するとされた事例
2 難民であることを看過してされた出入国管理及び難民認定法49条1項に基づく異議の申出には理由がない旨の裁決及び退去強制令書発付処分が取り消された事例

[地方自治法]
2(大阪地裁平18.12.20判決)
1 宅地に係る固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号)別表第3「画地計算法」上のいわゆる1筆1宅地評価原則の趣旨
2 1筆の宅地が賃貸マンション敷地と商業用駐車場とに分かれて利用されている場合において,画地計算法上,両者をそれぞれ別画地として区分して評価すべきものとされた事例
3 商業用駐車場が所有者を異にする2筆の土地にまたがって存在する場合において,画地計算法上,これらを1筆ごとにそれぞれ1画地として評価すべきものとされた事例

3(大阪地裁平18.8.23判決)
市長が20年以上勤続して退職した職員について職員の給与に関する条例(昭和31年大阪市条例第29号。平成17年大阪市条例第20号による改正前のもの)5条6項の「市長が特に必要と認めた場合」に該当するものとして特別昇給をさせたことが地方公務員法40条の規定の趣旨に反せず同条例5条6項の規定により市長に付与された裁量権の範囲を逸脱するものではないとされた事例

4(大阪地裁平18.7.7判決)
1 住民監査請求を受けた監査委員について地方自治法199条の2の除斥事由が存することを理由に当該監査請求が不受理とされた場合における住民訴訟の出訴期間
2 条例で非常勤の監査委員に対する報酬を月額支給と定めた場合において監査委員の職務の遂行の実績が全くない月が存したとしてもこれを理由に当該月について直ちに条例により定められた月額報酬を支給しないものとしたりこれを減額支給したりすることはできないとされた事例
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◆労働裁判例
[個別的労働関係]
1(名古屋簡裁平18.12.13判決)
退職当時の退職年金規定に規定の改廃権が留保されており,それに基づく改廃の内容が合理的なものであるときは,退職年金を受給している退職者にも改廃の効果が及び,有期年金を打ち切って一括支給したことを適法とした事例

[集団的労働関係]
2(東京地裁平19.3.16判決)
1 いわゆる一般労働組合である原告組合が,航空会社である被告会社に対し,整備士の組合員が雇止めを通告されたこと等に関して団体交渉を申し入れたにもかかわらず,被告会社がこれに応じなかったことが原告組合の団結権,団体交渉権を侵害する不法行為に当たるとして損害賠償請求が認められた事例(甲事件)
2 原告組合が被告会社による上記雇止め及び団交拒否等を批判してその本社前で行ったビラ配布等の宣伝行動等について,被告会社の信用等を毀損する行為であるが,労働組合の活動として相当性が認められるとして,不法行為責任が否定された事例(乙事件)
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◆民・商事裁判例
[民  法]
1(福岡高裁平19.1.25判決)
1 本件事故は,控訴人が主張するような態様ではなかったのであるから,被控訴人は控訴人主張の不法行為責任(使用者責任)を負わない
2 被控訴人の履行補助者である介護職員を含め被控訴人老人ホームの職員に注意義務違反があったとまでいうことはできないので,被控訴人に,控訴人主張に係る安全配慮義務違反を認めることはできないから,被控訴人は債務不履行責任を負うものではない

2(東京地裁平18.9.14判決)
1 墓地を建設した宗教法人と周辺住民との間で成立した裁判上の和解につき,宗教法人の債務不履行による損害賠償義務が認められた事例
2 周辺住民の設置した看板が,宗教法人に対する名誉毀損に当たらないとされた事例

3(福岡高裁平19.3.23判決)
女性事務員が男性経営者からセクハラ行為をされたこと等を理由とする損害賠償請求につき,女性事務員が作成した日記的なノートの記載や供述等の信用性が高いとは言えないとして請求が棄却された事例

4(新潟地裁新発田支部平19.2.27判決)
1 集落構成員らの構成員らに対するごみ収集箱や集落内の施設の使用を禁止する行為,村の広報紙等を配布しない行為等について,人格権を侵害するものとして差止め及び慰謝料請求が認容された事例
2 民事訴訟における準備書面の記載,本人尋問における供述等について,訴訟において許容される範囲内にあるとして不法行為は成立しないとされた事例

5(東京地裁平19.1.24判決)
民事再生手続の申立代理人弁護士が,再生債務者から営業譲渡を受ける予定で設立された会社に対し説明義務違反等の責任を負わないとされた事例

6(東京地裁平19.1.17判決)
民主党所属の国会議員である原告が郵政民営化法案の衆議院通過直後に同法案賛成派議員と同法案通過の打ち上げに参加していた旨などを摘示した週刊誌の記事につき,原告の社会的評価を低下させるものと認定し,真実性・相当性の抗弁が成立せず,重要な前提事実を記載しないまま評価的な記載をしている点で公正な言論活動と評価し難いとして,慰謝料500万円の支払と全国紙上への謝罪広告の掲載を命じた事例

7(名古屋地裁平18.9.29判決)
職場内での暴行事件の被害者についてPTSDを否定し,妄想性障害を認定した事例

8(富山地裁平19.1.19判決)
親不知の抜歯を行った歯科医師が,下顎骨を骨折させたとし,無理な外力を加えて抜歯をした過失があるとして,その不法行為に基づく損害賠償責任が認められた事例

9(山口地裁岩国支部平19.1.12判決)
末期癌で死亡した患者に対して「磁石診断」「貼薬治療」等を行った医師に,不法行為及び診療契約上の債務不履行があったとして,その損害賠償責任が認められた事例

[商  法]
10(福岡高裁平19.2.22判決)
1 取立委任裏書の裏書人と被裏書人間において後刻当該手形につき譲渡担保契約が締結され,それに伴って取立委任文言が抹消された場合に,同契約の締結経緯に照らし,同裏書の当事者間においては,手形債権は同契約の時点で譲渡担保として裏書人に移転したものというべきであるとされた事例
2 上記契約締結からそれに伴う取立委任文言の抹消行為までの間に当該裏書人につき民事再生法に基づく保全命令・監督命令が発令された場合において,被裏書人が当該手形金を取り立ててこれを被担保債権の弁済に充当したとしても,それが裏書人に対する関係で不当利得に当たるとはいえないとされた事例

[知的財産]
11(東京地裁平18.10.26判決)
「金色の六角形の中に『一枚甲』という文字を縦書きした」シール(被告標章)を三味線バチの才尻に貼付して三味線バチを販売する行為が,「バチ」を指定商品とする「一枚甲」なる原告の商標権を侵害するとしてなされた損害賠償請求について,被告標章の使用には,商標法26条1項2号により,原告の商標権の効力が及ばないとして,原告の請求を棄却した事例

[民事訴訟法]
12(福岡高裁平18.12.28決定)
文書提出命令の必要性の要件について判断した事例

13(水戸地裁平18.10.24判決)
当事者間に不起訴の合意があったとして,訴えが却下された事例
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◆刑事裁判例
[刑  法]
1(名古屋高裁平19.2.16判決)
1 被告人が被害者に自動車を衝突させ,転倒させて動きを止めた上,刃物で刺し殺すとの計画を立てていた場合につき,自動車を被害者に衝突させた時点で殺人罪の実行の着手があるとされた事例
2 被害者に自動車を衝突させて傷害を負わせた後,刃物で刺すことを断念した被告人に殺人の中止未遂が成立するとされた事例
3 事実誤認を理由とする検察官の控訴を容れ,被告人を懲役2年10月の実刑に処した原判決を破棄して自判するに当たり,執行猶予付きの懲役刑を言い渡した事例
◆さいたま医療訴訟パネルディスカッション2007
佐藤公美・志村由貴・鄭 廣模・村山 晃・岩本憲武・
齋喜 要・大澤一司・蔭山好信・井原徹太… 5
◆大阪地方裁判所の破産事件における過払金処理に関する新たな運用について
日景 聡・島田正人… 24
◆ブランドライセンス契約とその問題  加藤雅信… 28
■判例展望民事法34
 補助参加をめぐる裁判例と問題点  小濱浩庸… 46
■関西家事事件研究会報告26
 遺産分割事件における不合理とその是正
 ―実務体験からの感想と意見―  森野俊彦… 67
■独占禁止法審判決研究5
 NTT東日本によるFTTHサービスの私的独占事件審決の検討
 ―固有の独禁法を適用するか事業法を考慮するか―  平林英勝… 78
■独占禁止法審決・判例の分析5
 日之出水道機器許諾数量制限事件  西村暢史… 87

判例紹介 全23件  細目次は本号冒頭頁
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◆特   報
[諸  法]
1(最高裁第三小法廷平19.4.3判決)
外国語会話教室の受講契約の解除に伴う受講料の清算について定める約定が特定商取引に関する法律49条2項1号に定める額を超える額の金銭の支払を求めるものとして無効であるとされた事例
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◆行政裁判例
[行政法一般]
1(津地裁平19.4.26判決)
酒を飲んで自動車を運転して追突事故を起こした公立高校の教諭に対する懲戒免職処分について,裁量権の逸脱・濫用の違法はないとして,同処分の取消請求が棄却された事例

[国家補償法]
2(東京高裁平19.1.17判決)
奥入瀬渓流の遊歩道において観光客がブナの枯れ枝の落下により負傷した事故について,国と県の損害賠償責任が認められた事例(控訴審)

[地方自治法]
3(大阪地裁平19.2.9判決)
非常勤の嘱託員の報酬につき「月額27万円又は日額1万2700円の範囲内で任命権者の定める月額又は日額」と定めている茨木市報酬及び費用弁償条例(昭和40年茨木市条例第17号。平成15年茨木市条例第36号による改正前のもの)の規定が給与条例主義に違反し違法とされた事例

4(名古屋地裁平16.1.29判決)
1 地方自治法2条14項のいわゆる最少経費最大効果原則の解釈の方法
2 地方公共団体が,合併処理浄化槽方式によらず,農業集落排水施設方式による下水処理方式を採用したことが最少経費最大効果原則に違反しないとされた事例
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◆労働裁判例
[個別的労働関係]
1(札幌高裁平19.1.19判決)
土地改良区の費用で設けられた酒席等において,総務部長兼出納責任者の地位にあった者が,監事及び理事に対し,暴言を発したことを理由とする管理職からの降職処分が有効であるとされた事例

[集団的労働関係]
2(東京地裁平18.12.18判決)
使用者が新規採用者の初任給を引き下げたことが,労働組合との間の義務的団交事項に該当するか(消極)
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◆民・商事裁判例
[民  法]
1(福岡高裁平19.1.25判決)
1 共有物分割請求の対象土地が,共有者らの所有に係る隣接地から公道へ至るための共用通路というべき場合,そのような性格や効用が失われたといえるような特段の事情が認められない限り,同請求は権利の濫用として許されないとされた事例
2 共有物分割請求の対象土地につき,その形状,同土地と隣接地相互の位置関係,隣接地の公道への接面状況,対象土地が共有となった経緯等を吟味した上,対象土地が共有者ら所有に係る隣接地から公道へ至るための共用通路というべきであるとされた事例
3 その上で,共有物分割請求の対象土地につき,上記1の「特段の事情」が未だ認められないとして,同請求が権利の濫用に当たるとされた事例

2(福岡高裁平19.3.15判決)
不動産を目的とする1個の根抵当権が元本の確定後において数個の債権を担保しそのうちの1個の債権のみについての保証人が当該債権に係る残債務全額につき代位弁済した場合において当該担保不動産の換価による売却代金が被担保債権のすべてを消滅させるに足りないときの上記売却代金からの弁済受領額

3(名古屋高裁平18.12.20判決)
保証人に対する根保証契約に基づく履行請求が信義則に反して認められないとされた事例

4(大阪高裁平18.12.19判決)
土地の売買について,土地上にかつて存在した建物内で殺人事件があったことが,隠れた瑕疵に当たるとされた事例

5(甲府地裁平18.6.30判決)
私人間の過払金返還請求訴訟において,領収書等の存在しない弁済の事実が当事者間の会話内容等から認定された事例

6(東京地裁平18.11.21判決)
1 弁護士の預り金からの支出及び清算が正当なものとされ,不法行為責任及び同預り金を返還しないことについての債務不履行責任がいずれも否定された事例
2 弁護士が預り金の返還に応じなかった行為について不法行為の成立が肯定された事例
3 上記不法行為の損害の算定の過程で,弁護士報酬について具体的な合意がない場合でも相当報酬額を算定し,これを預り金から差し引くことを認めた事例

7(東京高裁平18.8.31判決)
1 敗訴判決が確定した患者の医師に対するセクシャル・ハラスメント等を理由とする損害賠償等請求訴訟の提起が不当提訴に当たらないとされた事例
2 上記訴訟で患者を代理した弁護士が訴状の写しを司法記者クラブに配布し記者会見をしたことが医師に対する名誉毀損やプライバシー侵害に当たらないとされた事例
3 上記訴訟の提起を医師の実名により報道した記事を新聞に掲載したことが医師に対する名誉毀損やプライバシー侵害に当たらないとされた事例

8(神戸地裁平18.5.12判決)
商品先物取引会社の外務員が違法な勧誘をしたなどとして損害賠償請求が認められたが,過失相殺が認められなかった事例
9(前橋地裁平19.1.24判決)
1 交差点内における歩行者と四輪車との間の交通事故につき,被告が殺意をもって被害者(歩行者)を轢過したと認めるに足りる証拠はないとした事例
2 逸失利益の算定について,被害者は,被害者の父である原告が代表者を務める会社において,50歳までには社長に就任することが見込まれ,それに伴った昇給が見込まれるとする原告らの主張を認めず,賃金センサスの産業計,全労働者,全年齢平均の年収額に基づき逸失利益を算定した事例

10(東京地裁平18.6.23判決)
術前の細胞診においてクラス・の乳癌と診断され乳房切除術が行われたが,術後の組織及び細胞診において良性腫瘍であったことが判明した場合において,術前の細胞診を行った医師に,細胞診の診断を誤った過失が認められ,後遺症による損害や乳房再建術の費用等の賠償が命じられた事例

[商  法]
11(東京地裁平18.12.21判決)
信用組合の理事が融資を承認するにあたって,善管注意義務違反及び忠実義務違反があるとして損害賠償が認められた事例

[知的財産]
12(東京地裁平17.12.21判決)
雑誌に付された標章の一部が,「本当にあったH(エッチ)な話」の語を配置した図形商標と類似するとして,商標権侵害に基づく差止請求等が一部認容された事例

13(東京地裁平18.4.26判決)
商品を自ら開発・商品化したものではないとして,不正競争防止法2条1項3号の不正競争行為を理由とする損害賠償の請求が認められなかった事例

[諸  法]
14(東京地裁平19.1.25判決)
国民健康保険組合の理事長等の地位にあった者を解任し,反対派の理事を理事長等に選任した理事会決議について,その招集手続に瑕疵があるとして,同決議の無効及び理事長等の地位の確認が認められた事例

[倒産処理法]
15(東京高裁平19.3.14判決)
1 民事再生手続開始申立てがあったときを解除原因とするファイナンスリース契約の特約は民事再生法の趣旨,目的を害するもので無効であるとされた事例
2 民事再生手続開始後にファイナンスリース契約が解除され,目的物が返還されなかったことによる不法行為に基づく損害賠償債権は共益債権に当たるとされた事例
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◆刑事裁判例
[刑事訴訟法]
1(さいたま地裁川越支部平18.10.12決定)
自閉症により非常に多岐にわたるコミュニケーション障害を有する上,中等度精神遅滞の領域にある被告人について,訴訟能力がないとして公判手続が停止された事例
平成18年度 主要民事判例解説   倉田卓次 後藤 勇/編

判例収録範囲
民法・商法・知的財産法・民事訴訟法・渉外・行政法・労働法

掲載判例件数
最高裁判例 63件/高裁判例 45件/地裁判例 38件/家裁判例 3件/計149件

掲載判例期限
平成18年12月末までに公刊分

判例収録範囲・詳細
[民法]民法総則/物権・担保物権/債権総論/契約・事務管理・不当利得/不法行為/親族・相続
[商事法]商事法一般/会社法
[知的財産法]特許/商標/種苗/著作権[民事訴訟法]判決手続/民事執行/民事保全/倒産手続
[渉外]
[行政・労働法]租税/地方自治/行政作用/行政争訟/行政組織/団体労働関係
※平成18年度主要民事判例解説審級別言渡年月日順索引付

項目は■判旨■、■参照条文■、■事案の概要■、と分け、更に解説として●問題の所在●、●判例・学説の動向●、●本判決の位置づけ●、●参考文献●、と小項目に分けている。
◆裁判員の参加する刑事裁判に関する規則の概要/吉田智宏

■判例展望民事法33
訴訟活動と不法行為の成否―その現状と課題 /室橋秀紀

■鼎談■民法学の新潮流と民事実務[第16回]
履行請求権と契約責任を語る /森田 修(ゲスト)・加藤雅信=加藤新太郎(ホスト)

■大阪民事実務研究
建築士の法的責任とその範囲/谷村武則

■山形地裁民事実務研究2
転リース契約への民法613条1項前段の適用又は類推適用の可否
―東京高判平18.3.8金判1256号38頁
(原審:東京地判平17.5.27金判1256号46頁)/松村一成

◆ある刑事控訴審弁護人の反省―量刑不当を巡って/萩原昌三郎

■世界の司法105―その実像を見つめて
米国ミシガン州ウエイン郡におけるダイバージョンによる少年非行事件の処理 /出口博章

■世界の司法106―その実像を見つめて
イングランドにおける専門家証人協会の活動/三宅知三郎

判例紹介 全18件  細目次は本号冒頭頁
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◆特  報
[商  法]
1 住基ネット差止等請求事件(東京地裁平18.4.7判決) 住民基本台帳ネットワークシステムにより,プライバシー権等が侵害されたとして原告が求めた本人確認情報の削除等及び損害賠償請求が棄却された事例
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◆特  報
[商  法]
1 住基ネット差止等請求事件(東京地裁平18.4.7判決)
住民基本台帳ネットワークシステムにより,プライバシー権等が侵害されたとして原告が求めた本人確認情報の削除等及び損害賠償請求が棄却された事例
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◆行政裁判例
[行政法一般]
1 (名古屋地裁平18.6.29判決)
1 入管局長の判断に事実誤認があるとして,裁決及び退去強制令書発付処分が取消された事例
2 人証調べ後に提出された証拠につき,民訴法157条1項の適用が否定された事例

[国家補償法]
2 (高松高裁平18.9.15判決)
集中豪雨の際に生じた山腹崩壊による土砂災害で山間部の谷間の居宅が崩壊する等の事故が発生したことにつき,山腹斜面に開設された町道の設置,管理の瑕疵に起因するとは認められないとして,居住者らの町に対する営造物責任に基づく損害賠償請求が棄却された事例

3 (名古屋地裁平18.4.28判決)
散弾銃の誤射による死亡事故に関し,奈良県公安委員会委員若しくはその補助者が,特段の事情なくして,同散弾銃について,所持許可が失効してから7か月以上が経過した事故当時まで,銃砲刀剣類所持等取締法に基づく提出命令及び仮領置の措置を執らなかったことは違法であるが,これと事故の発生ないし同散弾銃の所持許可が失効していたことによる保険金等の不支給との間には因果関係がないとされた事例

4  大日岳訴訟第1審判決(富山地裁平18.4.26判決)
文部科学省登山研修所主催の冬山研修会に参加した研修生が雪庇の崩落により発生した雪崩に巻き込まれて死亡した事故につき,講師らに過失があったとして国家賠償請求が認められた事例

[地方自治法]
5 (青森地裁平18.10.20判決)
市議会議員個人に交付された政務調査費の一部について,市が定める使途基準に合致せず違法であるとされた事例
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◆労働裁判例
[集団的労働関係]
1 JR東海ビラ撤去救済命令取消訴訟(東京地裁平18.5.15判決)
1 不当労働行為(支配介入)の主張立証責任の所在
2 使用者によるビラ撤去行為の一部が不当労働行為に当たり,一部が当たらないとされた事例
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◆民・商事裁判例
[民  法]
1 (東京地裁平18.4.26判決)
1 大学のサークルの権利能力なき社団性が否定され,その構成員がサークルボックスの占有主体であるとされた事例
2 私立大学からのサークル構成員に対するサークルボックスの使用禁止処分に違法がないとして,その明渡請求が認容された事例

2 (福岡地裁久留米支部平18.9.22判決)
継続的契約である新聞販売店契約につき,発行元による契約の更新拒絶を無効としつつ,更新拒絶につき販売店に対する不法行為の成立を認めなかった事例

3 (東京地裁平18.3.27判決)
店舗で発生した火災により同店舗従業員が焼死したのは,同店舗の営業に関して危険な商品陳列方法が採用されていた上,防災教育が懈怠され,十分な防災設備が備えられていなかったためであるとの雑誌記事の一部につき名誉毀損が成立するとされた事例

4 (東京地裁平18.3.20判決)
準備書面及び陳述書により相手方当事者の名誉を毀損したとする損害賠償請求が,訴訟上の主張立証に名を借りた個人攻撃であって違法性阻却事由があるとはいえないものとして認容された事例

5 (青森地裁八戸支部平18.10.2判決)
左膝窩部を負傷して病院に入院した患者がガス壊疽を発症しそのため左大腿切断術を受けることになった場合について,担当医に注意義務違反行為はあったが,当該義務違反行為と左大腿切断術施行との間に因果関係は認められないとした上で,病院に対するいわゆる期待権侵害を理由とする損害賠償請求を認容した事例

6 (東京地裁平18.5.31判決)
絞扼性イレウスの疑いが強いものと判断して,直ちに開腹手術を実施すべき注意義務を怠った過失があるとされた事例

7 (和歌山地裁平18.3.7判決)
脳動脈瘤のクリッピング手術を受けた患者に左半身麻痺等の重篤な後遺障害が残った場合,病院側の診療契約上の債務不履行責任が認められないとされた事例

8 (東京地裁平17.11.30判決)
1 医師がC型肝炎患者にインターフェロン療法をしなかったことについて過失が認められたが,これと患者の死亡の間の因果関係が否定された事例
2 医師がC型肝炎患者に対し肝細胞癌の早期発見のためになすべき検査を怠った過失が認められ,患者の死亡との因果関係も肯定された事例

[商  法]
9 (福岡高裁平19.2.2判決)
火災保険につき,火災の発生原因が放火であり,保険金請求者の関与が認められるとして,保険金請求が棄却された事例
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◆刑事裁判例
[刑  法]
1 (横浜地裁平18.11.14判決)
1 差し戻し審において,控訴審が特信性ありとした証人の検察官調書を採用したものの,なお同証人の供述は核心的部分において信用性に欠ける等として無罪を言い渡した事例
2 一次的媒介物の近くで二次的媒介物に着火したが,現住建造物等放火罪の実行の着手を否定した事例
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◆公害等調整委員会
[公害等調整委員会]
1 鹿児島県川辺郡笠沙町地内の岩石採取計画不認可処分に対する取消裁定 申請事件裁定(公害等調整委員会平19.5.8裁定)
1 鹿児島県の南西海上沖に位置する無人島の一部を区域とする採石法33条に基づく岩石採取計画を不認可とした処分が取り消された事例
2 採石に伴う騒音,振動,水質汚濁等によって,漁業被害を生ずることが高度の蓋然性をもって予測されるとは認められないとされた事例
3 地域の判断に基づく自然環境保護の必要性等の事情を採石法33条の4所定の「公共の福祉に反すると認めるとき」の判断において斟酌することはできず,不認可事由には当たらないとされた事例
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