判例地方自治 発売日・バックナンバー

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3,190円
連載・記事
○はんれい最前線
 人口減少地域の町立診療所、指定管理の難しさ
 奥宮京子(弁護士)/高橋哲也(元川崎市)

○自治体法務の風を読む
 第121回 教育現場のトラブル対応における弁護士の役割
 弁護士 清水 敏

〇法律相談
 特定空家等に関する規制権限の不行使
 弁護士 秋山一弘
 契約における著作権等の取扱い
 弁護士 黒田修平

〇訴訟情報
 記事無断共有で通信社が蒲郡市を提訴──東京地裁 ほか



判決紹介

<情  報>
○公文書の違法な消去・廃棄を理由とする損害賠償請求事件・大阪市
市長と市職員の一対一の送受信メール(本件文書)の公開請求に対し、同市長が当該メールは公文書に該当しないとして非公開とした決定が裁判において取り消されたが、同市長が改めて本件文書が実際に存在しないことを理由に非公開決定をしたことについて、原告が公開請求を行ったときには本件文書が存在していたにもかかわらず、市長がこれを調査・保存することなく消去・廃棄したことは国家賠償法上違法であり、これにより原告は精神的苦痛を被ったと主張して、市に対し慰謝料等の支払を求めたことについて、市長や職員が調査保存義務を懈怠したとは認められないとして市の責任が否定された事例
〔大阪地令和7年1月30日判決〕


<公務員労働>
⦿消防職員への懲戒免職処分取消請求事件・糸島市
地方公共団体の消防職員が部下に対する言動等を理由として受けた懲戒免職処分が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法なものであるとした原審の判断に違法があるとされた事例
〔最高裁(3小)令和7年9月2日判決〕


⦿消防職員への停職6月の懲戒処分取消請求事件・糸島市
地方公共団体の消防職員が部下に対する言動を理由として受けた停職6月の懲戒処分が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法なものであるとした原審の判断に違法があるとされた事例
〔最高(3小)令和7年9月2日判決〕


<環境・衛生>
〇騒音・振動の測定データに係る公文書非公開処分の取消請求事件・吉川市
1 Y市の市民生活部環境課の職員が振動・騒音を測定した素データとその測定結果報告書は、測定地において客観的に測定可能な全ての音を測定機器が記録した結果としてのデータにほかならず、何人においても測定可能な、いわば公開された自然界の客観的、科学的な事象(音)を、客観的、機械的に記録したものにすぎないことから、これを公にすることにより、測定地の近傍で建設残土等をトラックで搬出入し、重機(バックホウ)を用いてこれを積み上げて保管を行う事業者の権利、競争上又は事業運営上の地位その他正当な利益を害すると認めるべき事情は認められない(吉川市情報公開条例7条3号の非公開情報に該当しない)。
2 Y市の市民生活部環境課の職員が振動・騒音を測定した素データとその測定結果報告書の内容の客観性等や内容自体の中立性に照らせば、これを公にすることにより、今後、Y市が騒音・振動の測定をする際に事業者の任意の協力を得られなくなる蓋然性があるとは認められず、Y市の検査に係る事務に関して正確な事実の把握が困難になるというべき事情や、その他Y市の事務の適正な遂行に支障を及ぼすと認めるべき事情は見当たらない(吉川市情報公開条例7条6号アの非公開情報に該当しない)。
〔さいたま地令和7年4月9日判決〕


<厚   生>
◎指定管理者候補者選定処分取消等請求控訴事件・渋谷区
1 区長の行った特別養護老人ホーム等の指定管理者の候補者に選定しない旨の通知は抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。
2 区長の行った特別養護老人ホーム等の指定管理者の候補者に選定しない旨の通知に係る審査の手続及び内容、理由提示並びに手続教示に違法はないとされた事例
〔東京高令和8年1月13日判決〕


◎指定管理業務文書返還請求控訴事件・渋谷区
区が設置した特別養護老人ホームの指定管理者をしていた被控訴人に対し、渋谷区が指定管理期間満了後に管理業務のために使用していた文書の返還を請求した訴訟の控訴審において、原審の判断と異なり、区は被控訴人との間の運営に関する基本協定に基づき文書の返還請求権を有すると判断された事例
〔東京高令和8年1月29日判決〕


〇介護報酬返還請求事件・柏市
介護サービスを提供する事業所を運営する事業者が支給を受けた介護報酬に過払があるとして柏市が返還を求めた訴訟において、地方自治法236条1項又は介護保険法200条1項により消滅時効が完成しているとの事業者の主張が認められなかった事例
〔千葉地令和7年3月7日判決〕


<土  地>
◎湯沢町と十日町市との境界確定請求控訴事件・新潟県湯沢町・十日町市
湯沢町と十日町市との間の地方自治法9条9項に基づく境界確定訴訟の控訴審において、明治時代の資料等に基づいて江戸時代の利用状況を推認し、境界が判断された事例
〔東京高令和7年2月6日判決〕


○行政財産目的外使用不許可処分取消請求事件・堺市
市立男女共同参画センター内連絡室の使用を許可されていた地域女性団体である原告が、引き続き行政財産目的外使用許可申請をしたところ、不許可処分を受けたことから、不許可処分の取消しを求めた訴訟において、処分行政庁の判断が裁量権を逸脱又は濫用したものであるとはいえないとして請求が棄却された事例
〔大阪地令和7年3月21日判決〕




判決概要紹介
<契  約>
〇駅エスカレーター火災に係る損害賠償請求事件・名古屋市
〔名古屋地令和7年3月13日判決〕


<環境・衛生>
〇納骨堂経営許可処分取消請求(差戻後一審)事件・大阪市
〔大阪地令和7年4月25日判決〕
3,190円
連載・記事
○はんれい最前線
 私会計の給食食材も公有物品?廃棄直前の食材を窃取した事案に裁判所の判断は?
 藤原孝洋(弁護士)/古田 隆(大阪経済法科大学法学部准教授、元神戸市)

○自治体法務の風を読む
 第120回 自治体契約の「自治体有利」を見直す
 神戸市行財政局法務支援専門官(弁護士) 稲田 優

〇法律相談
 住民対応における方法の制限の可否
 弁護士 小林大祐
 上司、部下及び委託先に対して威圧的言動等を繰り返す職員への対応
 弁護士 大田裕章

〇訴訟情報
 議会が町長の給与減額条例改正を議決したのは裁量権の逸脱──大津地裁判決 ほか



判決紹介

<財  政>
◎庁舎移転新築に係る公金支出返還請求控訴事件・静岡市
静岡市が庁舎移転検討のために締結した業務委託契約に基づく公金支出が違法であると主張して、当時の市長に損害賠償請求をすることを求めた住民訴訟の控訴審において、一部の支出については適法な監査請求の前置を欠いたとして訴えを却下し、一部の支出については違法ではないとして請求を棄却した原審の判断が維持された事例
〔東京高令和6年10月30日判決〕


<契  約>
◎業務委託契約の締結に係る住民訴訟控訴事件・大和市
1 市と企業との間の業務委託契約の締結につき、受注候補者を選定する公募型プロポーザルに参加した事業者らと市の評価委員らとの間で談合が行われ不当に高額な契約金額で契約が締結され市が損害を被ったとして、地方自治法242条の2第1項4号後段に基づき、執行機関である市長に対し、市の評価委員らに対して賠償命令をすることを求める住民訴訟において、市の評価委員らは地方自治法243条の2の2第1項後段の予算執行職員に当たらないとして、訴えが却下された事例
2 市と企業との間の業務委託契約の締結につき、受注候補者を選定する公募型プロポーザルに参加した事業者らと市の評価委員らとの間で談合が行われ不当に高額な契約金額で契約が締結され市が損害を被ったと主張して、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、執行機関である市長に対して、市長及び参加企業に対して損害賠償請求等をすることを求める住民訴訟において、原告の主張に係る談合等の事実は認められないとして、請求が棄却された事例
〔東京高令和6年2月1日判決〕


<税  務>
⦿孔子廟設置許可政教分離訴訟事件・那覇市
市長が市の管理する都市公園内に孔子等を祀る施設を設置することを一般社団法人に許可し、これに基づき市が上記公園内の土地を上記施設の敷地としての利用に供していることが憲法上の政教分離原則及び日本国憲法20条、89条に違反しないとされた事例
〔最高(1小)令和7年3月17日判決〕


<公務員労働>
○市職員の自殺に関する国家賠償請求事件・甲府市
甲府市に勤務していた職員の相続人らが、職員は被告の注意義務違反により、長時間勤務を強いられた結果、精神障害を発症して自殺に至ったなどと主張して、国家賠償法1条に基づき損害賠償を求めた訴訟において、上司の課長が長時間労働に対する適切な措置を講じなかったとして、被告の責任が認められた事例
〔甲府地令和6年10月22日判決〕


<環境・衛生>
⦿廃棄物処分場の漏水防止等工事費用に関する有益費償還請求事件・敦賀市・長野県下諏訪町ほか
市町村から一般廃棄物の処分の委託を受けた者が、当該市町村の区域外において一般廃棄物処理基準に適合しない処分を行い、これに起因して生活環境の保全上支障が生じ又は生ずるおそれがある場合に、上記処分の場所がその区域内に含まれる市町村がその支障の除去又は発生の防止のために必要な措置を講じたときは、当該市町村が上記委託をした市町村の事務の管理をしたものとして、事務管理が成立し得る。
〔最高(1小)令和7年7月14日判決〕


○メガソーラー林地開発許可処分取消請求事件・奈良県
奈良県知事がメガソーラー建設に当たり森林法による林地開発許可をしたことにつき、開発区域の下流域に居住する原告らが林地開発許可処分の取消しを求めた訴訟において、裁量権の範囲の逸脱又は濫用があるとは認められず、許可処分に違法はないとして、請求が棄却された事例
〔奈良地令和7年3月25日判決〕


<厚   生>
○高齢者虐待防止法に基づく調査等に係る損害賠償等請求事件・渋谷区
1 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律24条に基づく調査によりされた特別養護老人ホームの指定管理者に対する改善計画書の作成の指示は、指定管理者に改善計画書の作成提出の法的義務を課すものではなく確認の利益を欠くとして、改善計画書の作成義務がないことの確認を求める訴えが却下された事例
2 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律24条に基づく調査及び措置につき、不適切な方法による調査、不当な高齢者虐待の認定、改善計画書の作成の指示及び事後対応により損害を被ったとする特別養護老人ホームの指定管理者の区に対する国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求について、国家賠償法の適用上違法となる行為があったとは認められないとして、請求が棄却された事例
〔東京地令和8年1月22日判決〕


<土  地>
◎市立中学校の移転を契機とした土地の所有権確認等請求控訴事件・本巣市
1 本件土地範囲について、Xは、昭和56年9月23日から平成13年9月23日までの20年間、所有の意思をもって、平穏かつ公然と占有することにより、時効取得したと認められる。
2 本件土地範囲について、平成30年12月24日当時、Xが所有及び占有していたところ、Y市は、Xの意思に反して、同日から、本件土地範囲のうち本件土地範囲1及びその周辺を除いた部分で、整備工事を行い、本件土地範囲2から5までをY市立中学校のグラウンドとして占有した行為は、Xの明渡対象地の所有権の円満な行使を妨げ、これを侵害するものであるから、国家賠償法1条1項の適用上違法である。
〔名古屋高令和6年4月25日判決〕


◎地方自治体が事業者に売却した土地に係る債務不履行等に基づく損害賠償請求控訴事件・岸和田市
1 売買契約の内容等を踏まえると、同契約の前提となる公募要綱等の内容を踏まえても、同契約の対象となる土地の性状について、杭基礎工事に支障を生じさせる地中障害物が地中に存在しない品質を有する土地を引き渡す旨の合意があったとは認められず、また、同工事の工法として通常選択される工法を踏まえると、同土地が製造業用地としての品質を有しないということもできないとして、債務不履行責任が否定された事例
2 売買契約の対象となる土地が、製造業用地として通常有すべき品質や性能を欠いているということはできないとして、瑕疵担保責任が否定された事例
3 通常有すべき品質や性能を欠くに至らない地中障害物の状況は杭基礎工事を行う者も自ら調査すべき事柄であるから、同状況について地方自治体に信義則上の説明義務があるとはいえないとして、不法行為責任が否定された事例
〔大阪高令和6年9月20日判決〕


<建築・住宅>
○公共工事請負契約解除による損害賠償請求事件・愛知県
愛知県から公共工事を請け負った施工業者が請負契約を解除されたことに関し、施工業者が愛知県に損害賠償を求め(本訴)、愛知県が施工業者に原状回復費用相当額の支払を求めた(反訴)訴訟において、施工業者の施工に瑕疵があり、債務不履行があったとして、本訴が棄却され、反訴が一部認容された事例
〔名古屋地岡崎支令和6年7月19日判決〕




判決概要紹介
<契  約>
◎弁護士に対する調査委託業務に係る住民訴訟控訴事件・山梨県
〔東京高令和6年11月7日判決〕


<道  路>
◎町道廃止等に係る損害賠償請求控訴事件・三重県御浜町・三重県
〔名古屋高令和6年11月13日判決〕
3,190円
連載・記事
○はんれい最前線
 住民からの悪質・執拗な電話、差止めが許容される範囲は?
 海野仁志(弁護士)/窪田絢斗(世田谷区)

○自治体法務の風を読む
 第119回 心肺蘇生を望まない傷病者への対応
 志摩市総務部法務監(弁護士) 石田美奈子

○民事訴訟手続のデジタル化に向けた地方公共団体の備え
 第3回 ウェブ会議方式の利用場面の拡大等
 弁護士(執筆時) 阿多博文

〇法律相談
 就学援助の認定の取消しにおける留意点
 弁護士 中村健人
 教育現場における教員による盗撮等の対応
 弁護士 板谷直樹

〇訴訟情報
 市が新聞社の記事を職員用内部ネットワークで共有し著作権を侵害したと新聞社が市を提訴――東京地裁判決 ほか



判決紹介

<情  報>
◎公文書一部不開示決定取消請求控訴事件・滋賀県
優生保護法に係る滋賀県の公文書を対象とする情報公開請求について、滋賀県知事がした一部非公開決定の取消し等を求めた訴訟の控訴審において、一審原告の主張を一部認め、一部認めなかった原審の判断が概ね維持された事例
〔大阪高令和6年5月9日判決〕


<手  続>
○公文書開示請求に係る裁決の遅延による国家賠償請求事件・田辺市
田辺市長が公文書開示請求に係る決定に対する審査請求の裁決を著しく遅延させたことを理由とする国家賠償請求訴訟において、裁決が通常されるべき相当な期間を超えてされたとして、国家賠償請求が一部認容された事例
〔和歌山地令和6年4月19日判決〕


<税  務>
⦿複合構造家屋に係る固定資産価格審査決定取消等請求事件・大阪市
複数の構造により建築されている非木造家屋について家屋課税台帳に登録すべき価格を決定するに当たり、固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号。平成30年総務省告示第229号による改正前のもの)別表第13の定める経年減点補正率のうち構造別区分を鉄骨鉄筋コンクリート造及び鉄筋コンクリート造とするものを適用したことが、同基準に反しないとされた事例
〔最高(2小)令和7年2月17日判決〕


<公務員労働>
⦿退職手当支給制限処分取消請求事件・京都市
地方公共団体が経営する自動車運送事業のバスの運転手として勤務していた職員が運賃の着服等を理由とする懲戒免職処分に伴って受けた一般の退職手当等の全部を支給しないこととする処分が裁量権の範囲を逸脱した違法なものであるとした原審の判断に違法があるとされた事例
〔最高(1小)令和7年4月17日判決〕


<教育・文化>
◎市立小学校における児童らのいじめに係る損害賠償請求控訴事件・静岡市
1 男子児童のいじめ行為が不法行為に該当し、男子児童の親権者らが損害賠償責任を負うとされた事例
2 前記1のいじめ行為等について、Y市立小学校の対応に違法はなく、Y市、校長及び担任教員は損害賠償責任を負わないとされた事例
〔東京高令和6年7月25日判決〕


<災  害>
○市庁舎の点検業務中の事故に関する損害賠償請求事件・神戸市
神戸市役所庁舎内で設備の点検業務に従事していた原告が点検口からダクトスペースに進入した際に転落する事故が発生したことに関し、点検口には通常有すべき安全性を欠いていたとして、点検口を設置管理する神戸市に国家賠償法2条1項に基づく責任が認められた事例
〔神戸地令和6年5月10日判決〕


<土  地>
◎所有権移転登記抹消反訴請求控訴事件・掛川市
掛川市において土地を買収し、宅地造成をして分譲販売する計画(本件計画)を進めていた原審原告が、掛川市から取得した土地(本件土地)が行政財産であることから、地方自治法の規定により売買契約が無効とされたことにより、営業的に計画を中止せざるを得なくなったことについて、掛川市に対し、国家賠償法1条1項に基づき、主位的に本件計画を中止したことによる逸失利益等の損害の支払を、予備的に本件土地の売買代金、その他の土地の購入費用等の支払を求めたところ、原審が、原審原告の主位的請求を棄却し、予備的請求の一部を認容し、原審被告の反訴請求を棄却したことから、原審原告、原審被告双方が敗訴部分について控訴したことに対し、高裁において原判決を変更し、予備的請求についての原審原告の請求をほぼ認容する判断が示された事例
〔東京高令和5年8月9日判決〕


<警  察>
◎ストーカー行為者に対する警告取消等請求控訴事件・奈良県
ストーカー行為等の規制に関する法律4条1項に基づく警告は、当該警告を受けた者に対し、当該警告に係る同法3条に規定する行為をしないという不作為を求める行政指導にすぎず、これにより新たな義務を課したりその権利を制限する法律上の効果を有するものではないから、抗告訴訟の対象となる行政処分には当たらないとして、警告の取消しを求める訴えが却下された事例
〔大阪高令和6年6月26日判決〕




判決概要紹介
<土  地>
◎町と元副町長との土地売買契約に係る住民訴訟事件・北海道上富良野町
〔札幌高令和6年7月4日判決〕


<道  路>
◎バイク転倒事故に係る損害賠償請求事件・岐阜市
〔岐阜地令和6年7月2日判決〕
3,190円
【判例回顧】
地方自治体をめぐる判例の動き
 ――本誌515号から519号までを回顧して――
  弁護士 内山忠明


【判例解説 全18件】
1 市長による記者会見及び政治倫理審査会の答申内容の公表に係る名誉毀損を理由とする国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求事件(宇陀市)
  名古屋市立大学人文社会学部准教授 渡部朗子

2 市役所本庁舎への立入り拒否措置に関する損害賠償請求控訴事件(福知山市)
  日本大学法学部教授 大杉麻美

3 保有個人情報非開示処分取消請求事件(東京都)
  同志社大学法学部教授 佐伯彰洋

4 議員旅費不当利得返還請求等控訴事件(今治市)
  弁護士 冨永忠祐

5 市議会の戒告に関する損害賠償請求事件(深川市)
  同志社大学法学部教授 黒坂則子

6 当選無効裁決取消請求事件(小山市)
  富山大学経済学部教授 神山智美

7 宮城県美術館業務委託料損害賠償請求控訴事件(宮城県)
  桃山学院大学名誉教授 寺田友子

8 ふるさと納税に伴う返礼品の贈与契約上の引渡債務の不履行に代わる損害賠償請求控訴事件(武雄市)
  茨城大学人文社会科学部准教授 福田智子

9 入札参加資格停止処分に関する損害賠償請求控訴事件(愛媛県)
  國學院大學法学部教授 中曽根玲子

10 県有地競争入札に関する損害賠償請求控訴事件(富山県)
  弁護士 中込一洋

11 特別地方交付税の額の決定取消請求事件(国・泉佐野市)
  京都産業大学法学部准教授 若狭愛子

12 退職手当支給制限処分等取消請求事件(大津市)
  北九州市立大学法学部准教授 近藤卓也

13 市が設置する体育館での事故に関する損害賠償請求事件(福島市)
  神戸学院大学法学部教授 恩地紀代子

14 虐待認定に係る国家賠償請求控訴事件(大田区)
  立命館大学法学部准教授 谷 遼大

15 市所有地の樹木による建物損壊損害賠償請求控訴事件(三木市)
  弁護士 濱 和哲

16 公社住宅の賃料減額等請求事件(神奈川県住宅供給公社)
  弁護士 辻岡 信也

17 太陽光発電施設等の建築不許可処分取消請求事件(四万十市)
  弁護士 針原祥次

18 警察官職務執行法3条1項の保護に関する国家賠償請求事件(福井県)
  龍谷大学法学部准教授 石塚武志


【索引】
● 記事索引
● 項目別索引
● 法条別索引
● 裁判年月日別索引
● 自治体別索引
3,190円
連載・記事
○はんれい最前線
 公営住宅の賃料減額請求訴訟にみる「特別法優先の原理」
 馬橋 隆紀(弁護士)/幸田 宏(さいたま市)

○自治体法務の風を読む
 第118回 情報公開による法人のノウハウ流出を防ぐための審査請求
 長久手総務部行政課 主幹(弁護士) 村手香織

○民事訴訟IT化に向けた地方公共団体の備え
 第2回 ペーパーレス化による影響
 弁護士 阿多博文

〇児童相談所担当弁護士の実務
 第6回 児童相談所における個人情報保護関係
 福岡市こども総合相談センター(弁護士) 久保健二

〇自治体職員に身近な「事実認定」入門
 第10回 EBPMと事実認定
 大府市政策法務推進監(弁護士) 吉永公平

○法律相談
 審査請求に対する裁決が遅延したことによる損害賠償責任の成否
  弁護士 濱 和哲
 濫用的な公益通報への対応
  弁護士 岩元 昭博

○訴訟情報
 泉佐野市の交付税減額違法訴訟差戻し控訴判決――二審も違法――大阪高裁判決 ほか



判決紹介
<議  会>
◎市議会ホームページ会議録発言掲載等請求控訴事件・厚木市
1 市議会議員が市議会において行った発言を市のウェブサイト掲載の会議録に記載することを求める請求及び上記発言を削除した会議録がウェブサイトに掲載されたことにより被った精神的苦痛の賠償を求める国家賠償請求につき、会議録をウェブサイトに掲載する行為の適否は専ら市議会の自主的、自律的解決に委ねられるべき事項であり、当該議員の人格権及び名誉権を違法に侵害するものということはできないとして、各請求が棄却された事例
2 市議会議員が市議会において行った発言について議長が発言取消命令の対象としたことの違法確認を求める訴えにつき、議長による議員の発言取消命令の適否は専ら市議会の自主的、自律的解決に委ねられるべきであり、司法審査の対象にはならないとして、訴えが却下された事例
〔東京高令和7年6月26日判決〕


<契  約>
◎ごみ処理施設建設に関する住民訴訟事件・埼玉県
埼玉県内の市町村により構成され、ごみ処理施設の建設事務等を共同処理する一部事務組合がごみ処理施設に係る業務委託契約を締結したことが違法であると主張して、一部事務組合の管理者に対し損害賠償請求するよう求めた住民訴訟の控訴審において、業務委託契約の締結に違法はないとした原審の判断が維持された事例
〔東京高令和5年3月22日判決〕


<公務員労働>
〇市立小学校の学校給食の調理員が廃棄前の食品を窃取したことを理由とする懲戒免職処分及び退職手当不支給処分の取消請求事件・名古屋市
1 Y市立小学校の学校給食の調理員が、調理場において、勤務中、保存食として冷凍保存されていた油揚げ2袋、クロワッサン1個及びリンゴロールパン1個を自宅に持ち帰って食べることを目的として、自分の鞄に入れたという本件非違行為について、免職を相当とする程度の非難可能性のある行為と評価することはできないことに加えて、過去に懲戒処分歴を有しておらず、本件非違行為の後に謝罪や反省を示していることなどの各事情を総合的に考慮すれば、免職を選択することは重きに失すものといわざるを得ないとして、本件懲戒免職処分は、社会通念上著しく妥当性を欠き、裁量権の範囲を逸脱したものとして、違法であるとされた事例
2 本件懲戒免職処分を前提とする本件退職手当不支給処分も違法であるとされた事例
〔名古屋地令和6年7月22日判決〕


<環境・衛生>
○委託料支払差止請求事件・徳島県藍住町
藍住町が随意契約によりし尿汚泥等の収集運搬業務を委託したことが地方自治法施行令の定める要件に該当せず無効であると主張して、委託料の支出の差止め等を求めた住民訴訟において、地方自治法施行令の定める要件に該当するとして請求が棄却された事例
〔徳島地令和6年9月25日判決〕


<厚  生>
⦿児童扶養手当支給停止処分取消請求事件・京都市
児童扶養手当法(令和2年法律第40号による改正前のもの)13条の2第2項1号の規定及び児童扶養手当法施行令(令和2年政令第318号による改正前のもの)6条の4の規定のうち同号所定の公的年金給付中の受給権者に子があることによって加算された部分以外の部分を対象として児童扶養手当の支給を制限する旨を定める部分は、障害基礎年金との併給調整において憲法25条、14条1項に違反しない。
〔最高(3小)令和7年6月10日判決〕


⦿介護給付費支給申請却下処分取消等請求上告事件・千葉市
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(令和4年法律第76号による改正前のもの)20条1項に基づく介護給付費の支給決定に係る申請を却下する処分が違法であるとした原審の判断に違法があるとされた事例
〔最高(1小)令和7年7月17日判決〕


<河  川>
○太陽光発電施設の建築不許可処分取消請求事件・四万十市
太陽光発電施設等の建築許可申請に係る不許可処分につき、当該施設等の建築につき高知県四万十川の保全及び流域の振興に関する基本条例13条2項各号に定める水害等の災害発生や景観悪化のおそれがないこととの要件に適合しないとした処分行政庁の判断に裁量の逸脱濫用は認められないとして、当該処分の取消請求が棄却された事例
〔高知地令和6年1月23日判決〕


<警  察>
◎運転免許取消処分取消請求控訴事件・奈良県
大型特殊自動車の運転免許を受けていなかった控訴人がショベルカーを運転したことが無免許運転に当たるとして免許取消処分を受けたことについて、控訴人が運転したショベルカーは自動車に当たらないなどと主張して免許取消処分の取消しを求めた訴訟の控訴審において、控訴人の請求を棄却した原審の判断が維持された事例
〔大阪高令和5年4月21日判決〕



判決概要紹介
<公務員労働>
◎新型コロナ在宅勤務欠勤扱い損害賠償等請求控訴事件・大阪市
〔大阪高令和6年1月24日判決〕


<道  路>
◎護岸転落事故損害賠償請求事件・佐世保市
〔長崎地佐世保支令和6年5月15日判決〕
3,190円
連載・記事
○はんれい最前線
  懲戒処分を受けた永年功労者への退職手当全部支給制限処分は違法か?
  榎本洋一(弁護士)/加登屋毅(東京都)/河野貴昭(高浜市)

○自治体法務の風を読む
 第117回 自治体に対するカスタマーハラスメントの「周辺」について
  江戸川区総務部副参事(弁護士) 石田 純

〇特別寄稿
 水道と下水道の法律関係から債権管理の実務を考える
  元芦屋市会計管理者 青田悟朗

〇新連載 民事訴訟手続のデジタル化に向けた地方公共団体の備え
 第1回 民事訴訟手続のデジタル化と自治体における訴訟実務への影響
  弁護士 阿多博文

〇児童相談所担当弁護士の実務
 第5回 子どもの意見表明権の保障
 ―ともに作る援助過程への子どもの参加―
  和歌山県中央児童相談所(弁護士) 土居 聡

〇自治体職員に身近な「事実認定」入門
 第9回 クレーム対応で学ぶ「証拠の作り方」
  大府市政策法務推進監(弁護士) 吉永公平

○法律相談
 分譲マンション敷地の一部買収
  弁護士 針原祥次
 窓口対応のカメラ撮影の可否
  弁護士 高橋 英

○訴訟情報
 敦賀最終処分場環境対策工事費――排出自治体も負担義務――最高裁判決 ほか



判決紹介

<自治一般>
◎住民訴訟被告変更許可申立即時抗告事件・山口県周防大島町
町長を被告とした町立病院の職員等に損害賠償請求をするように求める住民訴訟において、被告を誤ったことにつき、原告らに重大な過失はなかったとして被告変更許可の申立てが認められた事例
 〔広島高令和7年1月9日決定〕

〇市長による記者会見及び政治倫理審査会の答申内容の公表に係る名誉毀損を理由とする国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求事件・宇陀市
1 Y市長による記者会見は、公表の目的及び必要性が認められるが、その内容は「恫喝」「強要」「軟禁」と評価が過剰である等として、Xの社会的評価の低下による不利益が公表による利益よりも大きいことから違法であるとされた事例
2 Y市長による政治倫理審査会の答申内容の公表は、公表の目的が正当で、答申結果をそのままの内容で公表したという手段も相当であり、Xの社会的評価の低下による不利益が公表する利益よりも大きいとはいえないことから適法であるとされた事例
 〔奈良地令和7年1月16日判決〕

◎庁舎立入拒否に関する損害賠償請求控訴事件・福知山市
被控訴人(福知山市)が控訴人に対し市役所本庁舎への立入り拒否措置を執ったことが違法であると主張して、慰謝料の支払を求めた訴訟の控訴審において、立入り拒否措置に違法はないとした原審の判断が維持された事例
 〔大阪高令和5年12月20日判決〕

<議  会>
〇市議会の出席停止の懲罰に関する国家賠償請求事件・古河市
古河市議会議員である原告らに対して市議会がそれぞれ出席停止の懲罰を科したことが、市議会の裁量権を逸脱するものであり違法な公権力の行使であるとして、原告らの市に対する損害賠償請求が一部認容された事例
 〔水戸地下妻支令和6年10月23日判決〕

<財  政>
◎ふるさと納税に伴う返礼品の贈与契約上の引渡債務の不履行に代わる損害賠償請求控訴事件・武雄市
ふるさと納税に伴う返礼品の贈与契約上の引渡債務に基づき債権者である控訴人Xが得られたはずの利益は、債務者である被控訴人Y市が法定割合額の範囲内で調達できる返礼品を受領できる利益にすぎないというべきであり、その経済的価値は法定割合額である3000円と評価するのが相当であるとされた事例
 〔東京高令和5年7月19日判決〕

◎商店街等活性化推進事業に関する補助金返還請求事件・津市
被控訴人に補助金を交付した津市が、被控訴人は真実は実体上存在しない団体を存在すると装って補助金を交付させたと主張して、被控訴人に補助金相当額の損害賠償の支払を求めた訴訟の控訴審において、原審の判断とは異なり、津市の損害賠償請求が認められた事例
 〔名古屋高令和5年3月24日判決〕

<契  約>
◎町立診療所の指定管理者の指定取消しに係る指定管理料等請求控訴事件・北海道古平町
町から診療所の指定管理者の指定を受けていた医療法人が、町が同指定を取り消したことに関し、町に対し、主位的に町と同医療法人の間で締結された基本協定に基づく損害、損失ないし増加費用請求、予備的に委任ないし準委任契約に基づく報酬債権ないし損害賠償請求、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償の支払いを求めたことについて、原告の請求を棄却した原審の判断が維持された事例
 〔仙台高令和5年1月31日判決〕

<公務員労働>
◎条件付採用期間中の職員に係る免職処分取消請求控訴事件・北海道長沼町
条件付きで長沼町に採用されていた控訴人が、半年後に免職処分を受けたことが違法であるとして、免職処分の取消しを求めた訴訟の控訴審において、控訴人は通常の職務遂行能力の水準に達していなかったとして、免職処分に違法はないとした原審の判断が維持された事例
 〔札幌高令和5年9月7日判決〕

<環境・衛生>
◎公金支出返還請求住民訴訟控訴事件・鳥取県
鳥取県が公益財団法人に対して産業廃棄物最終処分場に関する補助金を交付し、公益財団法人が不当に補助金を使用したことが違法であると主張して、公益財団法人に損害賠償請求するよう求めた住民訴訟の控訴審において、補助金の使用に違法はないとした原審の判断が維持された事例
 〔広島高松江支令和6年4月17日判決〕

<厚  生>
◎生活保護廃止処分取消請求控訴事件・熊本県
同居する孫との世帯分離の解除を前提とした生活保護廃止決定処分に違法はないとされた事例
 〔福岡高令和6年3月22日判決〕

◎住民票の写し等不交付に係る損害賠償請求事件・渋谷区
住民基本台帳事務における支援措置が講ぜられている被害者について、当該措置に係る加害者と親子の関係にある者からの、当該被害者の住民票の写し等の交付請求を拒絶した行為等について、国家賠償法上の適用上違法がないとされた事例
 〔東京高令和5年9月14日判決〕

<道  路>
◎サイクリングコース転倒事故損害賠償請求控訴事件・千葉市
公の営造物であるサイクリングコースに生じた溝に自転車の前輪が嵌って運転者が負傷した事故について、サイクリングコースに上記溝があることが国家賠償法2条1項の「瑕疵」に当たるとして、同コースの設置・管理者である地方公共団体の国家賠償法2条1項に基づく損害賠償責任が肯定された事例
 〔東京高令和6年1月24日判決〕



判決概要紹介

<財  政>
◎石垣市住民訴訟損害賠償請求控訴事件・石垣市
 〔福岡高那覇支令和5年5月18日判決〕
3,190円
連載・記事
○はんれい最前線
  寺社の不動産開発をめぐり、揺れる課税用途と非課税用途の判断軸
  楠井嘉行(三重大学学長顧問・弁護士・税理士・博士(医学))
  吉田尚史(三重県総務部税収確保課・博士(会計学))

○自治体法務の風を読む
 第116回 学校と共同親権の行使
  神戸市教育委員会事務局学校法務専門官(弁護士) 片山明子

〇特別寄稿
 国家賠償法の訴訟法的分析
 ―ハラスメント国家賠償訴訟における客観義務の果たし方―
  航空自衛隊(航空総隊司令部副法務官) 阿部竹浩

〇児童相談所担当弁護士の実務
 第4回 児童相談所の面会通信制限に関する近時の裁判の動向について
  名古屋市西部児童相談所(弁護士) 根ケ山裕子

〇自治体職員に身近な「事実認定」入門
 第8回 経験則というルール
  大府市政策法務推進監(弁護士) 吉永公平

○法律相談
 懲戒処分の量定基準―懲戒免職処分、退職金不支給の場合の考慮事項
  弁護士 岩本安昭
 部活動中の落雷事故
  弁護士 小國隆輔

○訴訟情報
 生活保護費減額訴訟――生活扶助の額は従来世帯支出など国民の消費動向を踏まえて決められていたのに今回は物価下落のみが指標とされ判断過程を誤っており、違法――最高裁判決 ほか



判決紹介

<議  会>
〇議場における陳謝の懲罰に関する慰謝料請求事件・宇都宮市
宇都宮市議会議員である原告が、宇都宮市議会が原告に科した公開の議場における陳謝の懲罰について、陳謝文の中に何ら問題がない原告の言動等が記載されていたことが違法であるなどと主張して慰謝料の支払を求めるなどした訴訟において、市議会の懲罰権の行使が裁量権の逸脱濫用であるとは認められないとして、請求が棄却された事例
 〔宇都宮地令和6年3月28日判決〕

<選  挙>
◎当選無効裁決取消請求事件・小山市
小山市議会議員選挙に立候補して選挙会で当選人と決定された原告が、原告の有効票と扱われた投票に他事記載があったとして原告の当選を無効とした栃木県選挙管理委員会の裁決の取消しを求めた訴訟において、感嘆符や縦線が他事記載に該当すると判断された事例
 〔東京高令和6年3月12日判決〕

<契  約>
◎入札参加資格停止処分に関する損害賠償請求控訴事件・愛媛県
愛媛県との間で設計業務等委託契約等及び監理業務委託契約を締結した被控訴人が、入札参加資格停止措置を受けたことは違法である旨主張して、愛媛県に対し、損害賠償を求めた訴訟の控訴審において、入札参加資格停止措置が違法であるとした原審の判断が維持された事例
 〔高松高令和5年8月30日判決〕

◎県有地競争入札に関する損害賠償請求控訴事件・富山県
県有地を一般競争入札により買った控訴人らが、県有地の地中に多量の鉱さいが埋設されているとして、控訴審における訴えの交換的変更により、錯誤による原状回復請求や契約締結上の過失を理由とする損害賠償請求を求めた訴訟において、控訴人らの主張が認められず、請求が棄却された事例
 〔名古屋高金沢支令和6年4月24日判決〕

<税  務>
⦿特別地方交付税の額の決定取消請求事件・国・泉佐野市
地方団体が特別交付税の額の決定の取消しを求める訴えは、裁判所法3条1項にいう法律上の争訟に当たる。
 〔最高(1小)令和7年2月27日判決〕

<公務員労働>
◎退職手当支給制限処分取消請求控訴事件・宇和島市
自治会の自治会費等の預り金を横領したとして市長から免職処分及び退職手当支給制限処分を受けた市の職員が退職手当支給制限処分の取消しを求めた訴訟において、退職手当を全額不支給とする退職手当支給制限処分には裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法があるとして処分取消請求が認容された事例
 〔高松高令和6年4月16日判決〕

<教育・文化>
◎建物(百年記念塔)解体撤去等差止請求控訴事件・北海道
北海道が百年記念塔の解体撤去を決定し、北海道議会がその解体撤去費の一部を含む予算を可決したことから、北海道の住民らが、北海道に対し、行訴法37条の4の規定に基づき、百年記念塔の解体撤去及びそのための費用の支出の差止めを求めたことに対し、百年記念塔の解体撤去及びそのための費用の支出は、抗告訴訟の対象となる「処分」には該当しないから本件訴訟は不適法である、として訴えを却下した原審の判断が維持された事例
 〔札幌高令和5年9月25日判決〕

〇放課後児童クラブの指定管理者に対する損害賠償請求住民訴訟事件・春日部市
放課後児童クラブの指定管理者が一定数以上の常勤支援員を配置すべき債務を負っていたのにその欠員を生じさせたことが債務不履行に当たると主張して、指定管理者に対して損害賠償請求するよう求めた住民訴訟において、指定管理者には債務不履行があったとはいえないとして請求が棄却された事例
 〔さいたま地令和6年5月22日判決〕

<厚  生>
〇介護給付費支給決定義務付等請求事件・吉川市
1 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく重度訪問介護の支給量を1か月当たり413時間とする介護給付費支給変更決定について、当該変更決定には支給量の算定において障害者に必要な支援時間数から控除した家族支援時間数の算定につき裁量権の範囲を逸脱した違法があるとして、当該変更決定の取消請求及びこれを上回る介護給付費支給変更決定をする義務付け請求が各一部認容された事例

2 重度訪問介護の介護給付費支給変更決定について、処分行政庁に職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく処分をした違法があるとして、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求が一部認容された事例
 〔さいたま地令和6年5月8日判決〕

<災  害>
◎損害賠償請求控訴事件・三木市
1 平成30年に発生した台風20号の暴風雨により、Yらの所有地又は管理地に存在する木の枝が建物及びフェンスに接触し、建物の屋根が飛ばされてフェンスが損壊した事実は認められず、Yらは民法717条2項に基づく損害賠償責任を負わないとされた事例

2 平成30年に発生した台風21号の暴風雨により、Y三木市の所有地又は管理地に存在する木が倒れて建物等に損傷を与えることについて予見可能性はなく、Y三木市は民法717条2項に基づく損害賠償責任を負わないとされた事例
 〔大阪高令和6年9月12日判決〕

<まちづくり>
〇公金支出差止等請求事件・静岡市
公園整備・管理運営事業における公募設置等指針及び基本協定書の策定並びにこれらに基づく実施協定の締結について、いずれも違法があるとは認められないとして、実施協定の締結の差止めを求める請求(住民訴訟)を棄却した事例
 〔静岡地令和6年3月28日判決〕

<警  察>
〇警職法3条1項の保護に関する国賠請求事件・福井県
福井警察の警察官らが原告に対して行った警職法3条1項1号の保護が違法であることを理由とする国家賠償請求訴訟において、警職法3条1項1号所定の要件を満たしていなかったとして、請求が一部認容された事例
 〔福井地令和6年3月13日判決〕


判決概要紹介

<環境・衛生>
〇浜茶屋撤去に係る行政代執行の取消請求事件・石川県
 〔金沢地令和6年10月11日判決〕

<厚  生>
◎新市民病院契約解除に係る損害賠償請求住民訴訟控訴事件・野洲市
 〔大阪高令和6年6月28日判決〕
3,190円
連載・記事
〇はんれい最前線
停職処分前に弁明の機会が付与されなかった場合の違法性は?
 佐々木 泉顕(弁護士)/山田 敬之(弁護士)/磯部 吉克(北海道町村会法務支援室)

〇自治体法務の風を読む
 第115回 自治体不祥事における第三者委員会のあり方をめぐる課題
 江戸川区副区長(弁護士)  船崎 まみ

〇特別寄稿
 代表役員不在の宗教法人が所有する特定空家等に対する除却代執行
  鹿児島大学教授 宇那木 正寛

〇児童相談所担当弁護士の実務
 第3回 一時保護の取消訴訟・国家賠償請求訴訟
 川崎市南部児童相談所 東 玲子

〇自治体職員に身近な「事実認定」入門
 第7回 証明責任と証明度
  大府市政策法務推進監(弁護士) 吉永公平

〇法律相談
管理不全空家等への対応
 弁護士 秋山 一弘
報道機関への情報提供を理由とする懲戒処分
 弁護士 黒田 修平

〇訴訟情報
那覇市公園への孔子廟設置に宗教的意義はない――最高裁判決 ほか


判決紹介

<情  報>
〇議会秘密会議事録非公開決定処分取消請求事件・神奈川県湯河原町
湯河原町町税等徴収対策強化特別委員会で開催された秘密会の議事録の非公開決定処分の取消しを求めた訴訟において、非公開情報の全てを非公開とすることはできず、非公開情報に該当する部分を特定することもできないとして、非公開処分全体が取り消された事例
 〔横浜地令和6年3月27日判決〕

<議  会>
◎議員旅費不当利得返還請求等控訴事件・今治市
1 市議会の広報誌に議員の旅費に関する100条委員会の委員長報告及び市議会の議員に対する議員辞職勧告決議に関する記事を掲載し市民に配布したことが当該議員に対する名誉毀損に当たるとしてされた国家賠償請求が棄却された事例
2 旅行命令に基づき支給された議員の申請に係る主たる居住地から市議会までの旅費につき、費用弁償の対象とはならないとして当該旅行命令を変更ないし取り消した上でされた当該議員に対する旅費相当額の不当利得返還請求が認容された事例
 〔高松高令和6年3月21日判決〕

◎市議会の戒告に関する損害賠償請求事件・深川市
深川市議会議員である控訴人が市議会において戒告の懲罰を受けたことが違法であるとして深川市に対して損害賠償を求めた訴訟の控訴審において、戒告の適否は市議会の内部規律の問題にとどまり、違法な行為に当たらないとした原審の判断が維持された事例
〔札幌高令和5年4月14日判決〕

<財  政>
◎宮城県美術館業務委託料損害賠償請求控訴事件・宮城県
地方公共団体の執行機関である知事が、公共施設の整備方針を採用するに当たり、各整備案を比較検討することなどを内容とする業務委託契約を締結したことについて、その判断過程に照らし裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法はないとされた住民訴訟の事例
 〔仙台高令和5年10月11日判決〕

<契  約>
◎委託料請求、不当利得返還反訴請求控訴事件・鴨川市
鴨川市が出資する第三セクターである一審被告が漁港内の施設の維持管理等の業務に係る委託契約を一審原告と締結したことに関し、一審原告が委託料を請求し、一審被告が一審原告の委託契約の債務不履行解除を理由に委託料の返還を求めた訴訟の控訴審において、一審原告の債務不履行を認めなかった原審の判断が維持された事例
 〔東京高令和6年4月24日判決〕

<教育・文化>
◎会議の音声データ開示請求拒否処分取消請求控訴事件・川崎市
市教育委員会に設置された審議会の審議(非公開)を録音した音声データ及び市教育委員会の会議(公開)を録音した音声データの開示請求につき川崎市情報公開条例所定の不開示情報に該当するとしてされた開示拒否処分が違法として取り消された事例
 〔東京高令和6年4月24日判決〕

〇市が設置する体育館での事故に関する損害賠償請求事件・福島市
福島市が設置する体育館において濡れた床に足を滑らせて傷害を負ったと主張して、福島市に国家賠償法2条1項に基づく損害賠償を求めた訴訟において、体育館が通常有すべき安全性を欠いていたとして、請求が一部認容された事例
 〔福島地令和6年4月9日判決〕

<災  害>
〇土砂搬入禁止区域指定処分取消等請求事件・大阪府
土砂搬入禁止区域として指定することができる旨の大阪府条例に基づき土砂搬入禁止区域に指定された区域において土砂埋立てを継続していた原告らが、土砂搬入禁止区域の指定処分の取消等を求めた訴訟において、指定処分が適法であると判断された事例
 〔大阪地令和6年4月18日判決〕


判決概要紹介

<選  挙>
◎住所要件の欠缺を理由とする当該無効の取消請求事件・龍ヶ崎市
 〔東京高令和6年2月26日判決〕

<財  政>
◎不当利得返還履行請求事件(住民訴訟)・日野市
 〔東京高令和5年11月16日判決〕

<契  約>
〇公共工事代金不足分に対する不当利得返還請求・不法行為に基づく損害賠償請求事件・阿南市
 〔徳島地令和6年4月24日判決〕

<厚  生>
〇高齢者専用賃貸住宅をめぐる交付金不正についての損害賠償請求事件・和光市
 〔さいたま地令和6年4月12日判決〕

〇生活保護法76条の2に基づく求償金請求事件・大分市
 〔大分地令和6年5月28日判決〕
3,190円
連載・記事

〇はんれい最前線
民設のスタジアム、優遇策は慎重に
 奥宮 京子(弁護士)/高橋 哲也(元川崎市)

〇自治体法務の風を読む
第114回 公の営造物の瑕疵と不法行為の競合
 町田市総務部法制課(弁護士) 松田 勇貴

〇特別寄稿
辺野古訴訟から見る特定公共施設等利用法
―国家安全保障と地方自治との関係―
 航空自衛隊 阿部竹浩

〇児童相談所担当弁護士の実務
第2回 一時保護の法的性質・司法審査
 江戸川区児童相談所 紅山綾香

〇自治体職員に身近な「事実認定」入門
第6回 主要事実・間接事実・補助事実
 大府市政策法務推進監(弁護士) 吉永公平

〇法律相談
市町村が設置管理する公園内での事故
 弁護士 大田 裕章

議会の議決を得た仮契約の債務不履行
 弁護士 小林 大祐

〇訴訟情報
ふるさと納税による泉佐野市の特別交付税減額違法訴訟差し戻し、実質審理へ――最高裁判決 ほか


判決紹介

<情  報>
〇保有個人情報非開示処分取消請求事件・東京都
介護保険審査会が行った審議等の関連資料に記録されている保有個人情報の開示請求において非開示とされた部分について、審査請求人である開示請求者がその取消しを求めたところ、いずれも東京都個人情報の保護に関する条例に規定する非開示情報に該当するとして請求が棄却された事例
 〔東京地令和5年12月13日判決〕

<税  務>
◎固定資産税賦課処分取消請求控訴事件・滑川市
1 存続期間を「永代」とする地上権が設定された土地につき、地方税法343条1項所定の「百年より永い存続期間の定めのある地上権の目的である土地」に該当するとされた事例

2 土地所有者に対する固定資産税賦課処分を取り消すことにより課税庁に土地の地上権者に対して固定資産税賦課処分を行うなどの事務処理の負担が生じることをもって、行政事件訴訟法31条1項所定の「これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合」に該当しないとされた事例
 〔名古屋高金沢支令和4年11月30日判決〕

<公務員労働>
⦿退職手当支給制限処分等取消請求事件・大津市
飲酒運転等を理由とする懲戒免職処分を受けて地方公共団体の職員を退職した者に対してされた大津市職員退職手当支給条例(昭和37年大津市条例第7号。令和元年大津市条例第25号による改正前のもの)11条1項1号の規定による一般の退職手当の全部を支給しないこととする処分が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法なものであるとした原審の判断に違法があるとされた事例
 〔最高(1小)令和6年6月27日判決〕

〇降任の分限処分取消請求事件・群馬県榛東村
村の課長であった原告が、係長に降任する旨の分限処分について、裁量権の行使を誤った違法があるなどと主張して、分限処分の取消しを求めた訴訟において、分限処分をした村長の判断には裁量権の行使を怠った違法があると判断された事例
 〔前橋地令和4年9月30日判決〕

<教育・文化>
◎久米至聖廟撤去を怠る事実の違法確認等請求控訴事件・那覇市
1 都市公園法5条の設置許可が違憲無効であるとして同許可に基づき設置された施設の収去及び土地明渡しを請求することを怠る事実の違法確認を求める住民訴訟につき、当該怠る事実は財務会計上の財産管理行為に該当するとされた事例

2 市長が、市が管理する都市公園に都市公園法5条に基づき孔子等を祀った施設を設置することを一般社団法人に許可した処分につき、政教分離原則(憲法20条1項後段、同条3項、89条)に違反するものではないとして、同一般社団法人に対して同施設の収去及び土地明渡しを請求することを怠る事実の違法確認請求が棄却された事例

3 市長が一般社団法人に対して行った市が管理する都市公園に設けられた孔子等を祀った施設に係る固定資産税の減免処分につき、地方税法367条、那覇市税条例71条1項2号所定の「公益のために直接専用する固定資産」に該当するとして、同減免処分の無効確認請求(住民訴訟)が棄却された事例
 〔福岡高那覇支令和5年4月13日判決〕

<厚  生>
〇高齢者虐待防止法に基づく保護処分取消請求控訴事件・文京区
養護者からの高齢者に対する虐待に起因してその生命又は身体に重大な危険が生ずるおそれがあるとして、法令に直接の根拠を有しない地方公共団体が制定した要綱に基づき行われた緊急一時保護等が、国家賠償法1条1項の適用上違法とはいえないとされた事例
 〔東京地令和5年11月16日判決〕

◎虐待認定違法確認等請求控訴事件・大田区
1 障害児通所支援事業を行う事業所を運営する控訴人(原告)が、被控訴人(被告)に対し、児童虐待(障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律2条7項3号)及びネグレクト(同項4号)と認定したこと等が違法であることの確認を求める訴えが不適法とされた事例

2 被控訴人による上記認定等が国家賠償法1条1項の適用上違法があるとは認められないとされた事例
 〔東京高令和6年4月18日判決〕

<建築・住宅>
⦿公社住宅の賃料減額等請求事件・神奈川県住宅供給公社
地方住宅供給公社が賃貸する住宅の使用関係については、借地借家法32条1項の適用があるとされた事例
 〔最高(1小)令和6年6月24日判決〕
3,190円
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【判例回顧】
 地方自治体をめぐる判例の動き
 ――本誌505号から513号までを回顧して――
  弁護士 内山忠明
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【判例解説 全19件】
1 給水義務の不履行に基づく損害賠償請求事件(宮古島市)
  弁護士 冨永忠祐

2 公共工事契約締結の議決に係る損害賠償請求控訴事件(青森県南部町)
  東海大学法学部准教授 塩原真理子

3 議員報酬等不当利得返還請求事件(大阪市)
  桃山学院大学名誉教授 寺田友子

4 市議会議員出席停止処分取消請求事件(岩沼市)
  横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授 板垣勝彦

5 契約無効確認等請求控訴事件(武雄市)
  京都産業大学法学部准教授 若狭愛子

6 異動、転任の違法を理由とする国家賠償請求控訴事件(千代田区)
  弁護士 中込一洋

7 部活動に関する損害賠償請求事件(古賀市)
  中央大学法学部教授 冷水登紀代

8 学校事故に関する損害賠償請求控訴事件(加古川市)
  早稲田大学法学部教授 橋本有生

9 県立高校教員の生徒対応をめぐる国家賠償請求控訴事件(静岡県)
  高岡法科大学法学部准教授 渡部朗子

10 指定管理委託契約の債務不履行に基づく損害賠償請求控訴事件(富山市)
  富山大学経済学部教授 神山智美

11 廃棄物処分場の除去工事費用に関する有益費償還請求控訴事件(敦賀市)
  弁護士 針原祥次

12 香川県ネット・ゲーム依存症対策条例に係る損害賠償請求事件(香川県)
  同志社大学法学部教授 黒坂則子

13 コロナ感染者立ち寄り店名公表に係る損害賠償請求控訴事件(徳島県)
  同志社大学法学部教授 佐伯彰洋

14 犯罪被害者等給付金不支給裁定取消請求事件(愛知県)
  神戸学院大学法学部教授 恩地紀代子

15 河川管理の瑕疵による損害賠償請求控訴事件(宇治市)
  茨城大学人文社会科学部准教授 福田智子

16 建物収去土地明渡請求控訴事件(滋賀県)
  弁護士 濱和哲

17 事業計画認可取消請求事件(東京都)
  元関西大学法科大学院教授 由喜門眞治

18 県道の倒木事故に関する損害賠償請求控訴事件(熊本市)
  日本大学法学部教授 大杉麻美

19 市道管理の瑕疵による損害賠償請求事件(広島市)
  青山学院大学コミュニティ人間科学部教授 信澤久美子


【索引】
● 項目別索引
● 法条別索引
● 裁判年月日別索引
● 自治体別索引
3,190円
連載・記事

〇はんれい最前線
公共工事契約締結を否決した議決は違法と訴え、議会の裁量権の限度は
藤原孝洋(弁護士)/古田 隆(神戸市)

〇自治体法務の風を読む  
第113回 自治体における内部統制制度
弁護士(元岐阜市特定任期付職員) 安田和広

〇児童相談所担当弁護士の実務(新連載)  
第1回 児童相談所の役割と権限・常勤弁護士の役割
横浜市中央児童相談所法務担当課長 金子祐子

〇自治体職員に身近な「事実認定」入門
第5回 ストーリーと「動かし難い事実」
春日井市総務部参事(中京大学非常勤講師・弁護士) 吉永公平

〇法律相談
児童生徒性暴力等に関する教育職員への懲戒処分の考え方
弁護士 板谷直樹
下水道設備の管理不全への対応
弁護士 中村健人

〇訴訟情報
安倍元首相演説やじ排除訴訟――賠償確定――最高裁決定 ほか



判決紹介

<議  会>
◎町議会だよりに掲載された記事についての損害賠償請求事件・神奈川県湯河原町
 湯河原町議会議員であった被控訴人が、湯河原町議会が配布した議会だよりに掲載された被控訴人に対する懲罰に関する記事により、名誉を毀損されたと主張して、損害賠償を求めた訴訟の控訴審において、原審の判断とは異なり、記事の掲載には合理性及び必要性があるとして、被控訴人の請求が棄却された事例
 〔東京高令和5年10月12日判決〕

<契  約>
◎有権者に対するアンケート調査住民訴訟控訴事件・奈良県
 県知事が委託して行った有権者に対するアンケート調査が違法であるとは認められないとされた事例
 〔大阪高令和4年6月23日判決〕

◎土地賃貸借契約に係る債務不存在確認等請求控訴事件・山梨県
 控訴人が、被控訴人との間で締結した土地賃貸借契約は、適正な価格によらずに貸し付けたものであるから地方自治法237条2項に違反し無効であると主張したことについて、裁判所が、当該財産が不動産である場合において、適正な価格によらずに貸し付けたものと認められるかは、その価額が客観的な算定方法に基づいた金額(賃料額)を下回るものであること、具体的には不動産鑑定評価基準における不動産の評価方法に即して算定された価格(賃料額)を下回るものであるか否かにより判断すべきものであるとした上で、本件の事実関係によれば、本件賃貸借契約が地方自治法237条2項の「適正な対価」によらずに貸し付けたものと認めることはできないとされた事例
 〔東京高令和5年8月4日判決〕

<公務員労働>
◎市職員の分限休職処分無効確認請求控訴事件・和光市
 和光市の職員である被控訴人(附帯控訴人)が分限休職処分を合計5回にわたって受けたことが違法であるとして、分限休職処分の無効確認等を求めた訴訟の控訴審において、原審が5回目の処分のみを無効としたのに対し、2回目から5回目の処分が無効であると判断された事例
 〔東京高令和4年3月10日判決〕

◎架電等差止請求控訴事件・大阪府
 大阪府が、動物愛護管理行政に関する大阪府の施策及びその実施に関して頻繁に架電した控訴人に対し、架電等の差止めを求めた訴訟の控訴審において、原審の認めた差止めの範囲が一部変更された事例
 〔大阪高令和5年4月27日判決〕

<教育・文化>
〇テニス大会中の事故に関する損害賠償請求事件・東京都
 都立中高一貫校に在籍しテニス部に所属していた原告が、都立高校のテニスコートで開催されたテニス大会の試合中にコンクリート壁に衝突して傷害を負った事故に関し、東京都に損害賠償を求めた訴訟において、東京都の教員らに安全配慮義務違反があったとされた事例
 〔東京地令和4年3月2日判決〕

<環境・衛生>
〇不法投棄された廃棄物や土砂の除去等請求事件・伊豆市
 宗教法人の所有する寺の敷地に廃棄物が混入した土砂が不法投棄され、廃棄物及び土砂が隣接する伊豆市の所有土地に流入したとして、伊豆市が原告となって宗教法人やその役員に対して廃棄物や土砂の撤去を求めた訴訟において、原告の請求が認められた事例
 〔静岡地沼津支令和5年3月3日判決〕

〇土砂埋立てに伴う土壌汚染による財産被害等責任裁定申請事件・稲敷市
 土砂等による土地埋立てについて条例上の許可権限を有する地方自治体が、条例上禁止された廃棄物による埋立てを許可し、さらに無許可地への埋立てに対する規制権限の行使を怠り土壌汚染等が生じたことについて、国家賠償法上の責任が肯定され、土壌中和処理費用及び周辺井戸水監視費用の損害賠償が認められた事例
 〔公調委令和5年10月31日裁定〕

<土  地>
〇行政財産の無断使用に関する住民訴訟事件・石垣市
 市の行政財産を民間企業がゴルフ場として権原なく使用したことに関し、民間企業と市長に対してそれぞれ使用料相当損害金の請求をするよう求めた住民訴訟において、民間企業に請求するよう求めた請求は一部認容され、市長に請求するよう求めた請求は棄却された事例
 〔那覇地令和5年4月21日判決〕

<まちづくり>
〇再開発事業からの撤退に関する損害賠償請求事件・徳島市
 徳島市が市街地再開発事業から撤退したことが市街地再開発組合の組合員である原告らに対する不法行為であると主張して、徳島市に対して損害賠償を求めた訴訟において、個々の組合員である原告らとの関係では不法行為とはならないと判断された事例
 〔徳島地令和4年9月28日判決〕



判決概要紹介

<自治一般>
◎市職員の発言に対する損害賠償請求控訴事件・横浜市
 〔東京高令和3年11月5日判決〕

<教育・文化>
◎いじめ行為に係る損害賠償等請求控訴事件・鳥栖市
 〔福岡高令和3年7月12日判決〕
3,190円
連載・記事

○はんれい最前線
新たに購入した公用車が高額過ぎると住民から訴え
海野仁志(弁護士)/窪田絢斗(世田谷区)
○自治体法務の風を読む  
第112回 地方自治体における内部通報
神戸市行財政局法務支援専門官(弁護士) 稲田 優
〇自治体職員に身近な「事実認定」入門
第4回 人証の信用性の判断方法
春日井市総務部参事(中京大学非常勤講師・弁護士) 吉永公平
○法律相談
自治体におけるドローン利活用時の留意点
弁護士 岩元昭博
措置要求を棄却する旨の判定の取消訴訟と義務付けの訴えへの対処方法
弁護士 濱 和哲
○訴訟情報
コロナ感染者立寄店名公表訴訟――適法確定――最高裁決定 ほか



判決紹介

<情  報>
◎公文書一部非公開決定取消請求控訴事件・鳥栖市
 鳥栖市等が建設を計画している次期ごみ処理施設に関する行政文書の公開請求をしたところ、非公開情報が記載されているとして、その部分を非公開とする旨の部分公開決定を受けたことについて、非公開とした部分の取消しを求めた訴訟の控訴審において、非公開情報に該当しないとした原審の判断が維持された事例
 〔福岡高令和6年3月15日判決〕

<財  政>
〇県有地の減免措置に関する住民訴訟事件・滋賀県
 県がホテル、レストランなどの営業をしている一般財団法人に行政財産の使用を許可し、使用料を減免していることが違法であると主張して、知事に対する損害賠償をするよう求めた住民訴訟において、減免措置は違法であるが知事には過失がないと判断された事例
 〔大津地令和4年9月9日判決〕

<税  務>
◎商業用建物下の参道に係る固定資産税等賦課決定取消請求控訴事件・大阪市
 17階建ての商業用建物のうち中央部の3階までの部分がその奥にある宗教施設への参道とするための空洞となっている場合に、当該建物の敷地は課税用途(商業施設の敷地)と非課税用途(境内地)の2つの用途に供されていることになるから、土地の全部に対し固定資産税及び都市計画税を賦課する決定は、非課税用途に供されている部分に賦課する限度で違法であるとして、同決定の一部が取り消された事例
 〔大阪高令和5年6月29日判決〕

<公務員労働>
◎県立病院看護師の割増賃金請求控訴事件・埼玉県
 県立病院の看護師が提訴した割増賃金請求事件の控訴審において、原審と同様に、看護師が始業時刻前にしていた作業が時間外労働として認められた事例
 〔東京高令和5年1月25日判決〕

〇市立病院の勤務医師の自殺に関する国家賠償請求事件・新潟市
 被告(新潟市)の設置運営する病院において後期研修医として勤務していた医師が自殺により死亡したことについて、医師は病院における長時間労働によりうつ病を発症し、自殺に至ったと認められるとして、被告に損害賠償が命じられた事例
 〔新潟地令和4年3月25日判決〕

<教育・文化>
◎県立高校教員の生徒対応をめぐる国家賠償請求控訴事件・静岡県
 課題研究の一環として予定されていた大学訪問研修を欠席しようとした生徒への県立高校教員の対応が、教員が生徒に対して行うことが許される教育的指導の範囲を逸脱するものであるとされた事例
 〔東京高令和4年12月7日判決〕

◎市の総合運動場への売店出店に関する損害賠償請求控訴事件・高知市
 市の総合運動場における売店出店に関し、市教育委員会教育長が現在許可している団体を優先的に選考したことが違法であると主張して、市に対し損害賠償を求めた国家賠償訴訟の控訴審において、原審の判断とは異なり、教育長の判断は一部裁量を逸脱していると判断された事例
 〔高松高令和5年1月20日判決〕

<環境・衛生>
◎廃棄物処分場の除去工事費用に関する有益費償還請求控訴事件・敦賀市
 敦賀市内に設置された廃棄物の最終処分場の除去工事を行った敦賀市が、処分場を営む民間事業者に廃棄物の処分を委託した一部事務組合らに対し、事務管理に基づく有益費償還請求権の支払を求めた訴訟の控訴審において、原審の判断とは異なり、一部事務組合らは除去のために必要な措置を講ずる義務を負わないとして、原判決が取り消され、敦賀市の請求が棄却された事例
 〔名古屋高金沢支令和4年12月7日判決〕

<厚  生>
◎犯罪被害者等給付金不支給裁定取消請求事件・愛知県
 犯罪被害者と同性の者は、犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律5条1項1号括弧書きにいう「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者」に該当し得ると判断された事例(補足意見及び反対意見がある。)
 〔最高(3小)令和6年3月28日判決〕

<土  地>
◎米軍返還土地の売買に関する損害賠償請求控訴事件・沖縄県北谷町
 米軍から返還された土地を北谷町が売却したところ、買主が土地に地中埋設物が存在することを理由に瑕疵担保責任に基づく損害賠償を求めた訴訟の控訴審において、原審の判断と異なり、地中埋設物が存在すること自体から土地に瑕疵があったと判断された事例
 〔福岡高那覇支令和5年10月31日判決〕



判決概要紹介

<手  続>
◎公文書一部開示決定処分取消請求控訴事件・福島県
 〔仙台高令和4年10月6日判決〕

<公務員労働>
◎兼業に係る減給処分取消請求控訴事件・名古屋市
 〔名古屋高令和5年3月9日判決〕
3,190円
連載・記事

○はんれい最前線
再任用選考で面接官全員が0点評価とした不合格決定、元教職員が違法と訴え
 馬橋隆紀(弁護士)/幸田 宏(さいたま市)
○自治体法務の風を読む
第111回 個人情報を含む公文書を訴訟の証拠として提出する場合の留意点について
 東京都総務局総務部法務課法務担当課長 飯田隼矢
〇自治体職員に身近な「事実認定」入門
第3回 証拠の信用性と証明力
春日井市総務部参事(中京大学非常勤講師・弁護士) 吉永公平
○法律相談
庁舎内での居座りと不退去罪の成否
 弁護士 髙橋 英
公害紛争に対応する手段としての行政指導
 弁護士 針原祥次
○訴訟情報
条件付採用職員の分限免職取消確定――最高裁決定 ほか


判決紹介

<情  報>
〇行政文書非公開決定処分取消請求事件・名古屋市
 名古屋市長及び名古屋市の職員が名古屋城天守閣木造復元事業に関連して文化庁を訪問した際の資料の公開を請求したところ、一部非公開の決定を受けたため、非公開部分の取消しを求めた訴訟において、非公開部分の一部については非公開情報に該当しないとして、非公開決定が一部取り消された事例
 〔名古屋地令和4年3月30日判決〕

<議  会>
〇市議会議員出席停止処分取消請求事件・岩沼市
 市議会議員が議会運営委員会において行った他の議員による公開の議場における陳謝につき中身は事実とは限らないなどの発言が議会の品位を害するものであるとしてされた出席停止23日間の懲罰処分が、違法として取り消された事例
 〔仙台地令和5年3月14日判決〕

〇出席停止処分差止め請求事件・香芝市
 市議会の議員に対する出席停止の懲罰が国家賠償法上違法であるとされた事例
 〔奈良地令和6年1月16日判決〕

<財  政>
◎工場立地助成金返還債務不存在確認請求控訴事件・白山市
 市から工場立地助成金を交付された控訴人が工場を他社に譲渡したことを理由に助成金の返還を求められたことについて、助成金返還債務の不存在確認を求めた訴訟の控訴審において、控訴人には助成金の返還義務があるとした原審の判断が維持された事例
 〔名古屋高金沢支令和5年3月22日判決〕

<契  約>
〇ふるさと納税の業務委託に関する住民訴訟事件・小城市
 小城市の住民が、市がふるさと納税事業に関する業務を随意契約により委託したことが違法であるなどと主張した住民訴訟において、業務委託契約を随意契約とした判断が合理性を欠くとはいえないとされた事例
 〔佐賀地令和4年4月15日判決〕

◎業務委託契約無効確認等請求控訴事件・武雄市
 地方自治法96条1項5号及び8号所定の事件の議決を欠いた場合に、追認議決をすることによってその瑕疵が治癒された事例
 〔福岡高令和5年8月23日判決〕

<税  務>
◎使用料不徴収の違法確認請求控訴事件・栃木市
 市が都市公園の使用料を請求しないことが違法であることの確認を求める住民訴訟の控訴審において、使用料を免除することができる旨の条例の要件を満たさないとして、使用料を請求しないことが違法であることを確認した原審の判断が維持された事例
 〔東京高令和5年10月18日判決〕

<公務員労働>
◎県立病院看護師の割増賃金請求控訴事件・埼玉県
 県立病院の看護師が提訴した割増賃金請求事件の控訴審において、原審と同様に、看護師が始業時刻前にしていた作業が時間外労働として認められた事例
 〔東京高令和5年1月25日判決〕

<教育・文化>
◎学校事故に関する損害賠償請求控訴事件・加古川市
 市立小学校の図画工作の作業中、同級生が使用していたマイナスドライバーが眼に当たって負傷した控訴人(当時小学4年生)が、市に損害賠償を求めた訴訟の控訴審において、原審の判断とは異なり、担当教諭はマイナスドライバーの使用方法に関する説明義務及び指導義務を怠ったと判断され、市が損害賠償を命じられた事例
 〔大阪高令和5年1月12日判決〕

<厚  生>
◎介護給付費支給申請却下処分取消請求控訴事件・千葉市
1 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律による障害福祉サービスの介護給付費を受給していた者が、65歳に達するに際し、同法20条1項による介護給付費の支給申請をした場合において、申請者が介護保険法による要介護認定の申請をしないことを理由として申請を却下した処分は違法であるとされた事例
2 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律20条1項による介護給付費の支給申請却下処分に係る義務付けの訴えにつき、65歳に達する月の末日まで受けていた介護給付費と同内容の支給決定をせよとの請求が認容された事例
 〔東京高令和5年3月24日判決〕



判決概要紹介

<自治一般>
◎住民票の写し等の交付に係る損害賠償請求控訴事件・名古屋市・札幌市
 〔名古屋高令和4年8月9日判決〕

<情  報>
〇文書非開示処分取消及び文書開示処分義務付け請求事件・大田区
 〔東京地令和5年2月16日判決〕
3,190円
連載・記事
○はんれい最前線
納骨堂経営等許可取消しを訴えた周辺住民は原告適格を有するか
榎本洋一(弁護士)/加登屋毅(東京都)/河野貴昭(高浜市)
○自治体法務の風を読む
第110回 行政機関内部における個人情報の利用
町田市総務部法制課(弁護士) 松田勇貴
〇自治体職員に身近な「事実認定」入門
第2回 「物と人」という証拠の種類
春日井市総務部参事(中京大学非常勤講師・弁護士) 吉永公平
○法律相談
納骨堂の設置許可と住民の原告適格
弁護士 岩本安昭
私立学校法改正への対応
弁護士 小國隆輔
○訴訟情報
山梨県有地賃貸借契約関係訴訟の弁護士着手金1億4300万円違法訴訟――原告敗訴――甲府地裁判決(控訴) ほか



判決紹介
<自治一般>
◎給水義務の不履行に基づく損害賠償請求事件・宮古島市
配水池の貯水量を適正に保つという重要な役割を有する装置(ボールタップ)について、耐用年数を相当期間超過して使用を継続したことにより経年劣化して破損したことを原因とする断水は、水道法15条2項(平成30年法律第92号による改正前のもの)の「災害その他正当な理由があってやむを得ない場合」に該当せず、水道事業者である市が給水義務の不履行に基づく損害賠償責任を負うとされた事例
〔福岡高令和5年12月21日判決〕

<情  報>
〇行政文書非公開決定に対する取消請求事件・太宰府市
市体育複合施設新築工事の予定価格算定のため市が作成した見積比較表(見積比較検討書を含む。)の「複数業者の見積額のうち最も低額な見積額」等の情報の公開請求に対し、「見積比較表(見積比較検討書)の製造業者(①メーカー、②ファブリケータ-、③資材業者)の価格」は市情報公開条例が規定する非公開情報に該当するとして、上記各価格のうち最も低額な見積額を公開しないとした一部公開決定のうち、同見積額を非公開とした部分が違法であるとされた事例
〔福岡地令和4年3月30日判決〕

◎行政文書非公開決定処分取消請求控訴事件・神奈川県湯河原町
町議会の議事録の非公開決定処分の取消訴訟において、原審が、理由の提示の要件を欠くから取り消されるべき瑕疵があり、非公開情報に該当するともいえないと判断して処分の取消請求を認めたことから湯河原町が控訴したところ、実体要件に係る原判決の判断に拘束力は及ばず、控訴の利益を欠くとして、控訴が却下された事例
〔東京高令和4年10月31日判決〕

<議  会>
◎普通地方公共団体の議会の議員に対する懲罰等に係る損害賠償請求控訴事件・高知県東洋町
町議会の議員に対する懲罰が町議会の有する裁量の範囲を逸脱するものであるとして国家賠償法1条1項に基づく請求が一部認容された事例
〔高松高令和4年11月16日判決〕

◎議員報酬等不当利得返還請求事件・大阪市
1 公職選挙法251条の規定により遡って大阪市の議会の議員の職を失った当選人は、同市に対し、当該当選人を唯一の所属議員とする会派の行った大阪市会政務活動費の交付に関する条例(平成13年大阪市条例第25号)5条所定の政務活動に関し、不当利得返還請求権を有することはない。
2 公職選挙法251条の規定により遡って大阪市の議会の議員の職を失った当選人は、同市に対し、上記議会の議員として行った活動に関し、不当利得返還請求権を有することはない。
(2につき、補足意見及び反対意見がある。)
〔最高(3小)令和5年12月12日判決〕

<契  約>
〇防犯灯電気料補助金返還請求事件・茅ヶ崎市
原告(茅ヶ崎市)が被告ら(自治会)に対して防犯灯電気料を補助金として交付していたことに関し、補助金は負担付きで被告らに贈与したものであるが、被告らが負担を履行しなかったことから贈与契約を解除したと主張して、補助金の返還を求めた訴訟において、負担付贈与契約とは認められないとして請求が棄却された事例
〔横浜地令和4年4月8日判決〕

◎随意契約締結に係る住民訴訟控訴事件・徳島県美波町
随意契約の方法により鉄道敷地内の雨水管渠新設工事に関する契約を締結したことが地方自治法234条2項などに反する違法があると主張して、当時の町長に対し損害賠償を請求することを求めた住民訴訟の控訴審において、契約締結に違法な点はないとした原審の判断が維持された事例
〔高松高令和4年11月17日判決〕

<公務員労働>
◎異動、転任の違法を理由とする国家賠償請求控訴事件・千代田区
被控訴人が控訴人に対して職場環境に配慮せず不当な動機・目的をもって異動を命じたこと、控訴人の職種と異なる職種に転任させ、又は控訴人の職種と異なる職務を担当させ、長期間留め置いたこと等の一連の行為が違法な公権力の行使又は信義則上の安全配慮義務に違反するものであり、これにより控訴人が財産的、精神的損害を被ったなどと主張して、国家賠償法1条1項又は信義則上の安全配慮義務違反に基づく損害賠償を請求したことについて、被控訴人の控訴人に対する人事上の措置は、控訴人の健康状態を悪化させる恐れが高いものであり、裁量権を逸脱するものであって違法な公権力の行使に当たるとして精神的損害に対する損害賠償請求が認められた事例
〔東京高令和4年5月20日判決〕

◎公立学校教員の時間外勤務手当等請求控訴事件・埼玉県
埼玉県の市立小学校の教員が、労基法による時間外割増賃金の支払を求めた訴訟の控訴審において、公立学校教職員は労基法に基づいて時間外割増賃金を請求することはできないとした原審の判断が維持された事例
〔東京高令和4年8月25日判決〕

<教育・文化>
〇部活動に関する損害賠償請求事件・古賀市
原告が剣道部の部員として合同合宿に参加し、熱中症となったことに関し、原告が所属する剣道部の顧問は、温度を把握し得る環境を整備するなどの義務を怠ったとして、安全配慮義務違反が一部認められた事例
〔福岡地令和4年3月25日判決〕

<厚  生>
〇香川県ネット・ゲーム依存症対策条例に係る損害賠償請求事件・香川県
18歳未満の子どもの1日のゲーム時間の目安等を示した香川県ネット・ゲーム依存症対策条例の立法行為及び同条例の改廃をしないことの立法不作為は国家賠償法1条1項の違法に当たらないと判断された事例
〔高松地令和4年8月30日判決〕

◎コロナ感染者立ち寄り店名公表に係る損害賠償請求控訴事件・徳島県
飲食店を経営する会社が、徳島県知事が同意なく、新型コロナウイルス感染症の感染者の立ち寄り先として、飲食店の店名を公表したことにより、名誉・信用・営業の自由・財産権が侵害されたことを理由とする徳島県に対する国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求が、違法性を欠くとして請求を棄却した原判決が支持され、控訴が棄却された事例
〔高松高令和5年7月13日判決〕



判決概要紹介
<厚  生>
◎指定更新処分義務付け等請求控訴事件・神奈川県
〔東京高令和4年12月22日判決〕

<道  路>
◎道路管理瑕疵に係る賠償請求控訴事件・大阪府
〔大阪高令和4年2月24日判決〕
1,430円

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【判例回顧】

地方自治体をめぐる判例の動き
──本誌492号から504号までを回顧して──
弁護士 内山忠明

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【判例解説 全17件】
1 道路の設計成果に関する行政文書非開示決定処分に対する取消請求控訴事件(岡山県)
同志社大学法学部教授 佐伯彰洋

2 市庁舎前広場使用不許可処分に係る損害賠償請求事件(金沢市) 
富山大学経済学部教授 神山智美

3 市議会議員の不当要求行為に対する警告措置の手続に係る国家賠償請求事件(姫路市)
弁護士 冨永忠祐

4 指名競争入札にかかる損害賠償事件解決を受けた元市長に対する求償金請求控訴事件(坂東市)
弁護士 中込一洋

5 ゴルフ場用地の登録価格の算定に係る国家賠償請求事件(丹波市)
茨城大学人文社会科学部講師 福田智子

6 公立高校教員過重労働事件(大阪府)
元新潟大学教授・法学博士 南 眞二

7 高等学校廃止処分取消請求控訴事件(奈良県)
元関西大学法科大学院教授 由喜門眞治

8 定年後の再任用を希望する公立高校教員の不採用に係る損害賠償事件(大阪府)
桃山学院大学名誉教授 寺田友子

9 市立中学生のいじめ対応に関する損害賠償責任(川口市)
中央大学法学部教授 冷水登紀代

10 市立小学校の臨時講師不任用に対する損害賠償請求事件(草津市)
東海大学法学部准教授 塩原真理子

11 納骨堂経営許可処分取消等請求上告事件(大阪市)
神戸学院大学法学部教授 恩地紀代子

12 ホームレスへの特別定額給付金の支給義務付け等請求事件(国・大阪市)
横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授 板垣勝彦

13 新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく営業時間短縮命令の違法性が争われた国家賠償請求事件(東京都)
京都産業大学法学部准教授 若狭愛子

14 生活保護申請却下決定の通知方法等に関する国家賠償請求控訴事件(西都市)
高岡法科大学法学部准教授 渡部朗子

15 造成工事に対する規制権限不行使の違法性(横浜市)
日本大学法学部教授 大杉麻美

16 農用地利用計画変更決定無効確認請求事件(大和市)
弁護士・法学博士 山村恒年

17 放置違反金納付命令処分取消請求控訴事件(岡山県)
弁護士 針原祥次


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【索引】

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