WOC Nursing(ウォック ナーシング) 発売日・バックナンバー

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2,750円
特集●関節拘縮の改善・予防のためのケア~尊厳を支えるトータルケアとチームアプローチ~
企画編集/中村元樹


<特集にあたって>

 皆さんは,患者(利用者)の将来をどこまでイメージしているでしょうか?
 なぜ,将来をイメージしてもらうかというと,私が介護老人保健施設で勤めていた当時は,寝たきりの状態で関節拘縮が重度であり,安楽な姿勢をとることが困難な方が,今よりも多くみられました。その方々が亡くなるときには棺に入りますが,手を組むことができない,足が伸びない,体が捻れて姿勢が安定しない,口を閉じることができない,入れるために体を調整する必要がある(想像してみてください)など,亡くなった姿勢をみると棺での姿勢が容易に想像できました。実際に葬儀業者と連携をすると,現在は棺のサイズ調整など体に合わせた対処方法があるようです。しかし,昔はご遺体を家族から見えないところに移し,体の調整をしていたことも実際にあったとの話を聞いたことがあります。それを聞き,私自身,介入するときは,その方が亡くなったときの姿勢まで想像して関わることを常日頃から意識してきました。『終末期介護への提言』の著者である大田仁史先生は,亡くなった方の姿勢は「ケアの通信簿」であると記しており,私自身も,その方の今まで歩んできた生活や,受けてきたケアを表していると考えています。
 関節拘縮に関する原因や病態の理解も進んできており,状態に合わせた支援方法を検討していくことが必要とされています。また,関節拘縮が呼吸障害や褥瘡,介助困難などにつながるため,将来を見据えた視点での予防的介入がとても重要になります。関節拘縮に対する介入は,2010年の『潜在力を引き出す介護』という書籍で,理学療法士の田中義行先生と関わり,現場での実践を重ねてきました。そして,ポジショニングやシーティング,介助などの方法を実践しながら,その具体的な方法を,かながわ福祉サービス振興会が主催するかなふくセミナーや,施設に訪問しての指導など,15年ほどで約1000人以上の介護職や看護職,ソーシャルワーカーやケアマネジャー,療法士や福祉用具専門相談員などに指導してきました。セミナーなどで皆さまから質問される内容でとくに多いものは,関節拘縮の強い場合の支援方法や,関節拘縮について学ぶ場所が少ないとの話でした。そのため,多くの方々へ関節拘縮に対する支援方法を知っていただくために活動を継続してきました。
 今回の特集では,関節拘縮へのアプローチを現場で実践し,知識を普及・啓発されている田中義行先生にもご参加いただき,関節拘縮の概要やアプローチ方法をまとめています。また,実際の現場での介入で工夫している点を,現場での実践を行っている先生方にもテーマごとにまとめていただき,臨床につながる内容を述べていただいています。関節拘縮により生活を困難にしている方やご本人の思いが見えにくくなっている方への支援につながり,ケアや支援を行うスタッフの皆さまの新たな気づきや視点が増え,関わるすべての方が少しでもよりよい方向に進むための一助になれば幸いです。

中村元樹
(愛を繋ぐ訪問看護リハビリステーション リハビリ部門 責任者,作業療法士・福祉用具プランナー)


<目次>

1. 死後まで意識した関節拘縮ケアの重要性と実践/中村元樹
2. 原因に合わせたアプローチ~抗重力筋から考える関節拘縮ケア~/田中義行
3. 関節拘縮ケアのためのポジショニング~考え方と実践ガイド~/中村元樹
4. 関節拘縮に関わるシーティングの考え方と実践/田中義行
5. 関節拘縮がある人のためのケアと介助/山﨑あゆみ
6. 関節拘縮ケアに関わるコミュニケーション機能と摂食嚥下機能~関節拘縮が嚥下やコミュニケーションを妨げる構造的理解とその予防的支援~/山下皓司
7. 皮膚・循環・栄養から支える「関節拘縮になりにくい身体づくり」/重田哲司
8. 関節拘縮ケアのための福祉用具の視点~関節拘縮ケアにおける福祉用具活用の戦略~/沼田一恵
9. 地域で支える関節拘縮ケア~訪問リハビリテーションの実践~/渋江拓郎
10. ケアマネジャーとチームでつくる関節拘縮ケアプラン/泉 和央
2,750円
特集●ストーマ装具の選び方と管理のコツ:基本と実践
企画編集/中村利夫


<特集にあたって>

 ストーマ管理においてストーマ装具の選択は非常に重要であることは言うまでもありません。どのようなストーマにはどんな装具を選ぶべきか,ストーマの種類,形状,皮膚の状態などから基本となる装具選択を行いますが,今日ストーマ装具の種類は増加・多様化しており,さらに患者の身体的,社会的背景などにより装具選択はより複雑となってきています。
 本特集ではまず基本となる標準的なストーマ装具選択について解説します。ストーマ装具は面板とストーマ袋で構成されており,さらに単品系および二品系の2 種類があり,それぞれの利点について解説します。また,面板は装具を皮膚に安定して固定させ,排泄物から皮膚を保護するため,装具選択のなかで最も重要な部分です。用いられる皮膚保護剤の成分には親水性ポリマーと疎水性ポリマーがあり,その役割として吸水性・保水性,緩衝作用,粘着性などの基礎知識をもとに装具選択と管理のコツについても解説します。
 さらに,日常遭遇するストーマのなかには必ずしも標準的な管理が可能なものばかりではなく,離開,陥没,ヘルニアなど外科的合併症を併存した管理困難例も多く見受けられます。また患者背景として,小児や高齢者に対するストーマケアあるいは炎症性腸疾患や抗がん剤治療中の担癌患者など,患者の全身状態や社会背景を考慮しなければならないこともしばしば経験します。
 そうした管理困難例に対しこれまでWOC や看護師の皆さんは個々の経験に基づいたさまざまな工夫で対応されてきたのではないでしょうか。現在,販売されているストーマ装具は多種多様で,メーカーごとに工夫された製品が揃っています。しかし多くの病院では,物品管理上,品数を制限せざるをえないため,使用するストーマ装具はあらかじめ指定されている場合が多く,そのなかでストーマ保有者に提示できる装具にも限りがあります。本特集では臨床で出合う頻度の高いストーマ関連合併症に対する執筆者の面々の知識と経験をもとにしたストーマ装具選択と管理のコツを紹介します。
 本特集が皆さんにとってストーマ装具の選び方と管理の知識習得の一助となり,臨床の現場で実際にお使いいただけるものになればと願っています。

中村利夫
(藤枝市立総合病院 院長/消化器外科)


<目次>

1. ストーマ装具選択の基本~ストーマ装具の基本的機能と密着性を重視した装具選択~/山村千容,山田陽子,三好綾子
2. イレオストミーの装具の選び方と管理のコツ/宮嶋仁美
3. ウロストミーの装具の選び方と管理のコツ/松永 希
4. ストーマ関連合併症と装具選択の実際
 1)陥没と粘膜皮膚接合部離開編/佐奈明彦
 2)傍ストーマヘルニアとストーマ脱出/森岡直子
5. 抗がん剤による皮膚トラブル対処法―ストーマ保有患者への看護実践を中心に―/石丸 啓,秋田 聡,大木悠輔,杉下博基,押切太郎,桑原陽子,小西理恵
6. 小児におけるストーマ装具の選び方と管理のコツ/中山 薫
7. 高齢者におけるストーマ管理の実際/水島史乃
8. 炎症性腸疾患患者におけるストーマ管理の実際/森永美乃,後藤 心
2,750円
特集●超高齢社会で待ったなし! 女性下部尿路症状のケア
企画編集/加藤久美子


<特集にあたって>

 下部尿路症状は性差が大きく,日本排尿機能学会から『女性下部尿路症状診療ガイドライン』という男性とは別のガイドラインが出ています。日本は世界に先駆けて2007年に65歳以上の人口が全人口に対して21%を超える超高齢社会へと突入し,女性下部尿路症状を「おばあちゃんのつまらない病気」といっていられなくなってきました。
 女性尿失禁のサブタイプ,腹圧性,切迫性,混合性のうち,切迫性と混合性は加齢とともに増加します。過活動膀胱・切迫性尿失禁は薬物治療が中心でしたが,ポリファーマシーによる抗コリン薬リスクスケール,口内乾燥,便秘,認知障害といった副作用が問題になり,「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」でβ3作動薬が推奨されるようになりました。行動療法,薬物療法をしても難物の難治性過活動膀胱の対処として,ボトックス膀胱壁注射や仙骨神経刺激療法(SNM)が保険適用となりました。夜間頻尿は生活への影響が男女ともに最も大きく,転倒のもととなります。過活動膀胱,夜間多尿,睡眠障害など複数の要因が関与しているため,支援が大切です。腹圧性尿失禁の問題に絡んで,骨盤底の緩みから腹圧(咳,起立)で誘発される尿意切迫感,咳関連排尿筋過活動(CADO)やstand up urgencyも話題になってきました。骨盤臓器脱は排尿困難,過活動膀胱,腹圧性尿失禁と多彩な症状を伴います。理学療法,ペッサリー自己着脱,サポート下着,高齢者の手術では腟閉鎖術,経腟メッシュ手術(TVM)も使われます。低活動膀胱は膀胱平滑筋の収縮力障害を反映する症状と考えられ,加齢・フレイルで増加します。低活動膀胱は過活動膀胱を伴うことが多く,蓄尿症状だけの訴えでも排尿症状の問診や残尿測定を行い見逃さないことが大切です。泌尿器科医界のエースに健筆をふるっていただきました。
 WOCナースの出番としては,まずは排尿日誌・残尿測定が基本です。排尿自立支援加算の新設でアセスメントの機会が増えました。排尿ケアチームは,看護師,理学療法士,医師などが多職種連携で,「尿道カテーテル」を抜いて自立を促す仕組みになっています。理学療法士の排尿ケアチームにおける役割,ウロギネセンターでの骨盤底筋トレーニングについて記載してもらいました。清潔間欠導尿(CIC)は排尿(尿排出)障害に対する究極の方法です。高齢だからできないと決めつけず,高齢女性に受け入れやすい指導のポイントをつかんでください。パッド・おむつ類は適切な交換頻度を守り,体にしっかりフィットさせて装着すること。失禁関連皮膚炎(IAD)の改善には陰部洗浄や清拭といった皮膚の清潔ケア,保湿保護剤の活用も大切です。そして,災害時のトイレ問題,“命と尊厳を守るために”という副題がついていることからわかるように,災害時は発生直後から切れ目のないトイレ対応が重要で,遅れは健康被害やストレスを招きます。
 WOCの使命はW(wound)=創傷,O(ostomy)=ストーマ(人工肛門,人工膀胱),C(continence)=禁制(尿・便が保持できる)です。点数が低いからといって,大川あさ子先生が言ったようにcだけ小文字にしないでください。

加藤久美子
(名鉄病院 女性泌尿器科付部長,ウロギネセンター 副センター部長)


<目次>

1. 高齢女性の切迫性尿失禁・過活動膀胱~行動療法,薬物療法からボツリヌス療法,仙骨神経刺激療法~/林 篤正
2. 高齢女性の排尿ケアは“待ったなし”:「夜間頻尿」から見える支援のかたち/西井久枝,冨岡禎史,吉田正貴,野宮正範
3. 腹圧性尿失禁と混合性尿失禁,女性特有の発症メカニズム/三輪好生
4. 高齢女性の骨盤臓器脱~どうする? 治療の選択肢~/加藤久美子,市川美代子,渡邊日香里,荒木英盛,成島雅博
5. 高齢女性の尿排出障害~低活動膀胱に関して~/関戸哲利
6. 女性下部尿路症状の評価のための排尿日誌・残尿測定・超音波検査/瀧本まどか,谷口珠実
7. 女性下部尿路症状に対する理学療法士の関わり/渡邊日香里,加藤久美子
8. 高齢女性の清潔間欠導尿/若松ひろ子
9. 高齢女性のパッド・おむつ類とIAD(失禁関連皮膚炎)/梅林真紀
10. 災害時のトイレ問題と対策~命と尊厳を守るために~/加藤 篤,高橋晶子
2,640円
特集●在宅療養者のスキントラブル~アセスメントとケアのポイント~
企画編集/持田智江美


<特集にあたって>

 これまで在宅看護の現場で,幾度となくスキンケアが必要な場面を経験し,アセスメントと予防的ケアの重要性について実感しました。在宅看護の現場では,日々のスキンケアに加え,予防的観点から療養者を多角的にアセスメントする視点が必要となります。そのため,スキンケアは私たちの看護の質が問われる大切なケアであると感じています。
 健やかな皮膚は,日々のスキンケアが基本です。療養者の健やかな皮膚を守り,笑顔で暮らしてもらいたい。その思いをこめて,本特集を企画しました。スキンケアの基本からスキンケア用品の活用について,在宅で多くみられるスキントラブルやアセスメントと具体的なスキンケア方法などについて,在宅ならではの連携と調整などについて,在宅の現場でご活躍されている執筆者の皆さまの豊富な実践知をもとに丁寧に解説していただきます。日々のスキンケアの重要性を再認識し,スキントラブルの発生や再発の防止につながることを願い,編集・執筆しました。
 在宅でのスキンケアは,在宅でのスキントラブルを理解して,皮膚を毎日観察することが大切です。スキントラブルの予防・改善のほかにも,感染症予防や四肢の拘縮・廃用症候群の予防,気分転換・意欲向上などのリラクゼーション効果があります。さらに,訪問看護の現場である在宅では,病院とは異なり限られた物品でケアを行います。スキンケア用品を選ぶ際には,使用感や価格,購入手段など,さまざまな側面を考慮します。スキンケアは継続することがなにより大切ですから,無理なく続けられる方法を本人や家族と一緒に考えることが重要です。
 スキンケアは,病院でも在宅でも,小児から高齢者まですべての人を対象に,毎日継続して行うことによって,スキントラブルを予防することができます。日々のスキンケアによって療養者が健やかな皮膚を維持し,家族とともに笑顔で安心して生活してもらえることは,私たち訪問看護師の醍醐味のひとつではないかと感じています。
 この特集企画では,訪問看護で求められる在宅療養者のスキンケアの基本に触れ,具体的なスキンケアの方法,さらに在宅スキンケアに必要なことについて,在宅療養者のスキントラブルのケアを現場で行っている認定看護師の皆さまから,実際の活動を通した実践的な内容を具体的なアドバイスを交えて,わかりやすくご教示いただきます。より多くの看護師の皆さまが,多種多様な在宅の現場でご活躍されている認定看護師の活動を理解することで,在宅現場に目を向け,積極的に日々のスキンケアを実践する一助になれば幸甚です。

持田智江美
(公益社団法人 埼玉県看護協会 鳩ケ谷訪問看護ステーション 主任,皮膚・排泄ケア特定認定看護師)


<目次>

1. おさえておきたい!在宅療養者のスキンケアの基本/持田智江美
2. 在宅でのスキンケア用品の活用について/持田智江美
3. 知っておきたい!在宅での保湿剤の使い分け/持田智江美
4. 在宅療養者にスキントラブルを発見した際,どのようにアセスメントを進めていくか/清野美砂
5. 在宅療養者にみられるスキン-テアの予防とケア/後藤茂美
6. 失禁関連皮膚炎(IAD)とおしりまわりのスキンケア/渡邊真紀
7. 在宅でできる自壊創,瘻孔ケア/難波朱美
8. 終末期の在宅療養者に必要なスキンケア~リンパ浮腫療法士の視点から~/新泉真砂子
9. 在宅ストーマ保有者のスキンケアを行っていくうえでの連携と調整~販売店WOCNの視点から~/廣川友紀
10. 在宅療養する高齢者のスキンケアで注意すべきポイント/持田智江美
2,640円
特集●WOCナースが知っておきたい皮膚・軟部組織感染症
企画編集/浅田秀夫


<特集にあたって>

 皮膚・軟部組織感染症は,創傷ケアやストーマ・スキンケアに携わるWOCナースが日常の臨床で頻繁に直面する,きわめて重要な疾患群です。とくに高齢者や免疫力の低下した患者では,わずかな皮膚病変が急速に悪化し,ときに生命を脅かすこともあります。したがって,早期に変化を捉え,適切に対応できる観察力と判断力が,WOCナースには求められます。
 皮膚・軟部組織感染症の管理は,単なる創部処置にとどまらず,患者の生活の質(QOL)にも深くかかわります。感染リスクをどのように評価し,どの段階で医師や他職種に連携を図るのか。さらに,抗菌薬の処方意図を理解し,その効果や副作用を見きわめるために患者の状態を的確に観察・報告することも重要です。こうした視点は,感染管理における多職種連携のなかでWOCナースの専門性を最も発揮できる領域です。加えて,耐性菌の出現が大きな課題となる現代医療において,抗菌薬の適正使用を理解し実践することは,すべての医療従事者に求められる姿勢といえるでしょう。
 ここで忘れてはならないのが,感染予防対策の基本です。手指衛生や手袋の正しい使用は,最も基本的でありながら,感染拡大を防ぐうえで最も確実な方法です。さらに,器材や環境管理では「洗浄を基本」とし,状況に応じて適切な消毒薬を選択できる判断が欠かせません。創傷の丁寧なアセスメントも感染対策の出発点であり,ナース自身の観察眼が感染制御の一翼を担っています。そして,これらを個人の努力にとどめず,医師・薬剤師・感染管理認定看護師などと連携し,チーム全体で情報を共有しながら実践することこそ,患者を守る最大の力となります。
 こうした実践を踏まえつつ感染症の理解をさらに深めるために,本特集では,伝染性膿痂疹や蜂窩織炎,壊死性筋膜炎といった代表的な細菌感染症をはじめ,白癬,カンジダ症,マラセチア感染症などの真菌感染症,帯状疱疹や単純ヘルペス,尋常性疣贅といったウイルス感染症まで幅広く取り上げています。さらに,院内や高齢者施設での集団発生が問題となる疥癬についても解説し,感染経路の理解と実践的な対応策を紹介しました。いずれもWOCナースが臨床で遭遇する可能性が高く,日々の観察やケアに直結する内容です。各疾患の解説では,代表的な臨床写真を提示しつつ,特徴的な症状,診断のポイント,治療や管理の実際について,各分野の専門家に最新の知見をわかりやすくまとめていただきました。また,抗菌薬の分類や作用機序,耐性菌の動向に加え,感染管理のエッセンスも整理されており,日常業務のなかで直面する疑問に応えられる構成となっています。
 本特集が,WOCナースの感染症に対する理解を一層深め,日々の臨床判断やケアの質向上に役立つことを願っています。そして,患者に寄り添い,より安全で質の高いケアを提供するための手がかりとして,多くの皆さまにご活用いただければ幸いです。

浅田秀夫
(奈良県立医科大学 名誉教授)


<目次>

【細菌感染症】
1. 伝染性膿痂疹/山﨑 修
2. 毛包炎・せつ・よう/新原寛之
3. 丹毒・蜂窩織炎/磯部里香子,村瀬千晶
4. 壊死性筋膜炎/沢田泰之
5. 潰瘍・創面などの二次感染/角 総一郎
6. 抗菌薬の使い方/山岸由佳

【真菌感染症】
7. 白癬,カンジダ症,マラセチア感染症/竹中 基

【ウイルス感染症】
8. 帯状疱疹と単純ヘルペス/浅田秀夫
9. 尋常性疣贅,尖圭コンジローマ,伝染性軟属腫/渡辺大輔

【節足動物による感染症】
10. 疥癬/宮岡直美,碁盤沙弥佳,和田康夫,加藤文太

【感染予防対策の基本】
11. 「なぜ?」から始める感染対策~WOCナースに知ってほしい実践の根拠~/笠原 敬
2,640円
特集●精神疾患と褥瘡
企画編集/定岡摩利

<特集にあたって>

 精神科病院では,精神症状と関連して,低栄養になったり,治療に患者の協力が得られなかったりする場合があります。また,ときに必要となる身体拘束や,ほとんどの患者に投与されている向精神薬の影響など,一般病院とは異なる視点での褥瘡対策が必要となります。日本褥瘡学会の現状調査では,国公立の精神科病院が調査対象となっており,褥瘡発生率は一般病院と比較して低い結果となっていますが,精神科病院の約9割を占める民間施設の現状が反映されているわけではありません。また,日本精神科看護協会が作成している「精神科病院における障害者虐待防止の手引き」のなかには,放棄・放置(ネグレクト)の例として褥瘡が挙げられており,精神科病院の抱える大きな問題として取り上げられていることからも,精神科病院での褥瘡対策の特徴を把握し,ポイントを整理する必要があると思います。
 実際の臨床現場では,最も患者と接している看護師の視点が重要であり,患者個々の精神症状や日常動作の特徴を踏まえた介入が望まれます。向精神薬は薬剤関連褥瘡として,薬剤を起因として発生する褥瘡につながり,令和2(2020)年の診療報酬改定では薬学的管理を行うこととなりましたが,精神科病院においては必要とされる患者に投与されるものであり,適正使用の視点から薬剤師の介入が重要です。また,身体拘束などの行動制限は患者の動きを抑制することから褥瘡発生の要因となる場合があり,マットレスの使用が困難となる場合もあります。これら身体機能への働きかけとして理学療法士や作業療法士の視点が重要となり,これらすべての職種の介入において精神科治療が中心であることが重要です。
 精神科病院では,その歴史的背景から「精神科特例」として,医師は他の病床の3分の1,看護師は3分の2という配置基準の規定がありました。平成13(2001)年に廃止されたものの,多くの精神科病院での基準は変わることなく,少ない医療従事者で,医療安全,院内感染,褥瘡対策などそれぞれの分野で一般病院と同様の施設基準が求められている現状があり,患者1人にかかわることのできる医療従事者の数が少なく,時に相反する精神科治療と褥瘡ケアを両立するためにも,より多職種による専門的な介入や連携は不可欠です。また厚生労働省は,精神障害の有無や程度にかかわらず,誰もが安心して自分らしく暮らすことができるよう,医療,障害福祉・介護,住まい,社会参加(就労など),地域の助け合い,普及啓発(教育など)が包括的に確保された「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築を進めており,今後は精神疾患患者においても医療機関と在宅での褥瘡ケアの連携が,より一層重要になります。
 本特集では「精神疾患と褥瘡」をテーマに精神疾患に対する理解を深め,精神科治療や精神症状を踏まえ,多職種の視点での褥瘡予防・治療,さらには医療機関と在宅医療での褥瘡ケアの連携など,それぞれの現状と課題を多くの先生方にご執筆いただきました。精神疾患患者の褥瘡ケアの一助になれば幸いです。

定岡摩利
(特定医療法人生仁会 須田病院 薬剤部 課長)


<目次>

Part1 精神疾患の病態と向精神薬
 1. 精神疾患の病態と精神症状を理解する/加藤友理子
 2. 精神疾患と痛み~精神科患者は痛みを感じないの?~/大澤匡弘
 3. 精神疾患と向精神薬/定岡邦夫

Part2 精神科病院における褥瘡対策
 1. 精神科病院での褥瘡対策の特徴と現状/定岡摩利
 2. 看護師としての視点/宮前奈央
 3. 薬剤師としての視点/生島繁樹
 4. 理学療法士としての視点/脇 郁実
 5. 作業療法士としての視点/小林れい子

Part3 医療機関と在宅褥瘡ケアの連携
 1. 在宅現場での褥瘡予防~理学療法士の視点から~/神野俊介
 2. 在宅での褥瘡症例:薬剤師編~まさかだらけの在宅の褥瘡~/坂井美千子
2,640円
特集●内臓病変の皮膚表現,デルマドロームを知り,活かす
企画編集/上出良一

<特集にあたって>

 本号のテーマである「デルマドローム」をご存じの看護師がどれくらいいるか不明ですが,知る人ぞ知るという類の医学用語でしょう。簡単にいえば皮膚をしっかり観察することで,内臓疾患の発見につながるということですが,“内臓病変の皮膚表現”ということを表す簡潔な言葉が必要ということで,1947年にKurt Wienerがその著書のタイトルとして使ったことが始まりです。その後,欧米の論文では“内臓病変の皮膚への発現”という言い回しが使われ,デルマドロームはほとんど使われることなく,なぜか日本だけでいまだに頻回に使用される不思議な概念となっています。一種のガラパゴス状態でしょうか? その理由として,20世紀半ばに,ちょうどそれまで性病を軸に皮膚科と泌尿器科がくっついていたものが,皮膚科は内科系,泌尿器科は外科系に分離した時期にこの概念が輸入され,皮膚科のidentityとして,デルマドロームの概念が注目されるようになったのではないかと推察しています。
 看護師がみつけたデルマドロームとしてつとに知られているのは,Sister Josephの結節です。St. Mary病院の主任看護婦であったMary Josephは,臍部に腫瘤をもつ患者は開腹手術で悪性腫瘍が見いだされる,ということを経験的に知り,外科医のWilliam J. Mayoがこのことを学会で報告し,看護師Josephを讃える意味で1949年にBaileyが命名しました。この結節は内臓がんの臍転移であり,がん末期の症状で,残念ながら時すでに遅く予後は1年未満と不良です。単に“へそのしこり”として放置せず,本症の可能性を考えることが大切です。
 皮膚をしっかり観察することで,その奥に潜んでいる内臓疾患を,まるで占いのように当てる? のは皮膚科医としての醍醐味でもあります。本特集では,全身を臓器やシステム,あるいは症候別に,皮膚への表現にどのようなものがあるかを,経験豊かな臨床医の方々に写真,図なども豊富に入れてやさしく解説していただきました。
 看護師の専門性のなかで最も皮膚を看ることが多いと思われるWOCナースの方々に,皮膚表面のアセスメントのみならず,その奥にある変化を見抜く力をつけていただくために,この特集がお役に立てば望外の喜びです。

上出良一
(ひふのクリニック人形町 院長)


<目次>

1. 消化器と皮膚/樋口哲也
2. 腎臓と皮膚/端本宇志
3. 膠原病と皮膚/新井 達
4. がんと皮膚/山﨑直也
5. 抗がん剤による皮膚障害/袋 幸平,渡邉裕子,山口由衣
6. ワクチンと皮膚/栁原茂人,大塚篤司
7. 糖尿病と皮膚/末木博彦
8. 内分泌系(糖尿病以外)と皮膚~妊娠を含む~/谷川瑛子
9. 精神と皮膚/羽白 誠
10. 全身疾患とかゆみ/石氏陽三
11. 栄養と皮膚/川村龍吉
12. 全身疾患と爪,毛髪/伊藤泰介
2,640円
特集●褥瘡患者の多職種連携栄養管理~コミュニケーションをどう取ったらいいの?~
企画編集/髙﨑美幸


<特集にあたって>

 褥瘡の治癒において,栄養管理はきわめて重要な役割を果たします。適切な栄養状態なくして褥瘡の回復は望めず,効果的な栄養介入こそが早期治癒の鍵となります。近年では,在院日数の短縮化や医療の高度化に伴い,より効率的かつ迅速な褥瘡管理が求められるなかで,栄養ケアの重要性は一層高まっています。
 しかしながら,栄養ケアは管理栄養士だけで完結するものではありません。医師,看護師,管理栄養士,薬剤師,リハビリテーション専門職など,さまざまな専門職による包括的なアプローチによってこそ,患者の状態を多面的にとらえ,最適な介入が可能となります。多職種が連携することで,より的確で持続的な評価とケアの実現が期待されるのです。
 とはいえ,現場において「連携」が思うように進まないケースも少なくありません。「うまく連携できない」「情報が共有されない」「職種ごとの視点の違いから意見がまとまらない」といった声もよく耳にします。多忙な日常業務のなかでは,職種間のコミュニケーション不足や情報共有の困難さ,時間的制約など,さまざまな課題が浮き彫りになります。
 今回,管理栄養士としてこの特集を企画するにあたり,褥瘡に対する栄養介入について,管理栄養士の視点からの情報発信が期待されていると感じました。それと同時に,現場では「どう連携を築くか」「どう情報を共有し合うか」といった,より実践的な悩みが多いのではないかとも感じています。
 本特集では,そうした現場の声に寄り添いながら,多職種連携による栄養管理のあり方や,円滑なコミュニケーションを促進するヒントを,実践的な視点から紹介していきます。
 まずは,多職種連携の意義を改めて確認し,それぞれの専門職が担う役割や視点の違いをどのように理解するかという「考え方の整理」を行います。また,連携を深めるうえで欠かせない「コミュニケーション」に焦点を当て,日常業務に取り入れやすいカンファレンスの進め方や,IT を活用した情報共有の工夫など,明日から実践できるヒントも紹介します。さらに,栄養スクリーニングから評価,プランニングに至る一連の流れにおける役割分担や合意形成のコツ,現場でしばしば直面する「職種間の壁」や「時間的制約」といった課題への対応,さらには在宅・施設といった場を超えた継続的なケアの実現方法についても,リアルな現場に即したトピックを網羅的に取り上げました。
 執筆者は,いずれも現場で日々奮闘している第一線の専門職ばかりです。だからこそ,理論だけでなく,「どうすれば実際にうまくいくのか」といった,現場で本当に役立つ知恵が詰まった内容となっています。巻末では,多職種連携がうまく機能している実際の取り組み事例も紹介しています。
 この特集が,多職種それぞれの強みを活かしたチーム医療の推進に寄与し,褥瘡患者にとって,よりよい栄養ケアの実現につながる一助となることを願っています。

髙﨑美幸
東葛クリニック認定栄養ケア・ステーション松戸(機能強化型) 課長,管理栄養士


<目次>

1. なぜ今,褥瘡管理に多職種連携が必要か/袋 秀平
2. 多職種連携における各職種の役割と視点実践編:職種間コミュニケーション/溝神文博
3. 褥瘡ケアにおけるリハビリと栄養の協働~カンファレンスの効果的な進め方~/北出貴則
4. ITの活用/浦田克美
5. 栄養スクリーニングから栄養アセスメントまで~誰が何をする?~/岡田有司
6. 栄養プランニングにおける合意形成のポイント/高橋拓也,真壁 昇
7. 職種間の「壁」をどう乗り越えるか/塩野﨑淳子
8. 時間制約下での効率的な連携方法/田村佳奈美
9. 在宅・施設間での継続的な栄養管理/矢野目英樹
10. 在宅における理想的な多職種連携に向けて:事例紹介/塚田邦夫
2,640円
特集●WOCナースが知っておきたいリンパ浮腫の知識
企画編集/小川佳宏


<特集にあたって>

 リンパ浮腫は,リンパ管の異常によりリンパ輸送が障害され,皮膚・皮下組織内の組織間液量を正常に保てず過剰となり発症します。
 乳がん手術後は上肢に,婦人科がん手術後は下肢に発症する可能性がある続発性リンパ浮腫は,がんの治療を乗り越えた患者にとって肉体的にも精神的にも苦痛を伴います。また,リンパ管を損傷するような明らかな原因がなく発症する原発性リンパ浮腫は,生まれつきや思春期ごろなど若年で発症することが多く,患者・家族ともに浮腫に悩まされます。
 続発性・原発性ともに,いったん発症すると完治させることは難しく,とくに重症化すると改善させることも難しくなるため,発症早期からケアを開始して悪化させないことが重要です。しかし,リンパ浮腫指導管理料が保険収載され複合的治療を保険診療で受けられる現在でも,発症早期からケアできる医療機関数は患者側のニーズに合うほどはなく,症状の悪化したリンパ浮腫に悩む患者は少なくありません。その原因としては,医師・看護師が学生時代にリンパ浮腫の基礎知識について学ぶ機会が少なく,就業してから必要に迫られ特別に時間を割いて講習を受ける現状に問題があるかもしれません。
 現在「リンパ浮腫複合的治療料」を算定できる医療機関の施設基準には,「リンパ浮腫研修」で行われている33時間の座学を修了した医師とともに,座学に加えてリンパ浮腫研修運営委員会が認定した協力教育団体で67時間の実技講習を受けて修了試験に合格した医師,看護師,理学療法士もしくは作業療法士が治療にあたる必要があります。日常業務に加えて講習を受ける時間を確保することは非常に難しいため,複合的治療料を算定できる医療機関数はあまり増加していないのが現状です。
 ただ,重症化したリンパ浮腫患者には積極的な複合的治療が必要ですが,発症早期の軽症患者では患肢の状態を維持できる日常生活指導や適切な弾性着衣の着用を指導できるだけでも重症化予防につながります。すなわち専門的な研修を受けていなくても,リンパ浮腫に関する基礎知識をもった医療従事者が増えることは,リンパ浮腫の発症早期からケアを開始できる患者が増えることにつながるはずです。
 リンパ浮腫は,まず皮膚・皮下組織に初期症状が現れ,進行するとリンパ小疱やリンパ漏・象皮症などの皮膚合併症がみられるという特徴があるため,皮膚関連のトラブルにかかわることが多いWOCナースには,リンパ浮腫に関連した基礎知識を学んでいただき,軽症患者の早期発見や皮膚合併症に対するケアに携わっていただくことを期待します。また,リンパ浮腫のケアのうち圧迫療法や運動療法は,その他の原因による慢性浮腫のケアにも応用できるため,ぜひとも理解してください。
 そこで今回の特集は,リンパ浮腫に関する知識が少ない方でもわかりやすいように,リンパ浮腫診療の第一線で活躍されている先生方に執筆していただきました。明日からの臨床に役立てていただければ幸いです。

小川佳宏
医療法人 リムズ徳島クリニック 理事長


<目次>

1. リンパ浮腫 概論/小林範子
2. リンパ浮腫の症状と病態,診断/齊藤幸裕
3. リンパ浮腫以外の慢性浮腫/末廣晃太郎,濱野公一
4. リンパ浮腫治療の基礎を学ぶ/德川奉樹,中川吉恵,斉原千夏
5. リンパ浮腫の指導管理とスキンケア/増島麻里子,江幡智栄
6. 用手的リンパドレナージの実際/佐藤佳代子
7. リンパ浮腫の圧迫療法~圧迫療法の基礎知識と病期に応じた圧迫療法の実際~/高西裕子
8. 運動療法の実際/山本優一
9. リンパ浮腫の手術治療/秋田新介
10. リンパ浮腫の合併症とその治療/原 尚子,三原 誠
2,640円
特集●WOCナースの同行訪問~もっと地域で活用されるための実践と課題~
企画編集/加藤裕子

<特集にあたって>

 2012年の診療報酬改定により,医療機関または訪問看護ステーションに所属する専門看護師・認定看護師(がん看護専門看護師・緩和ケア認定看護師,皮膚・排泄ケア認定看護師)などの「専門性の高い看護師」と地域の訪問看護師が一緒に患者宅へ訪問することで算定できる「在宅患者訪問看護・指導料3」および「訪問看護基本療養費(I)(II)のハ」(いずれも医療保険で12,850円)が新設されました。これにより緩和ケアと褥瘡ケアの分野において,他の医療機関に所属する訪問看護師との「同行訪問」が可能となりました。「真皮を越える褥瘡の状態にある利用者」と2018年の改定では「人工肛門・人工膀胱周囲の皮膚にびらんなどの皮膚障害が継続・反復している利用者や人工肛門・人工膀胱の合併症がある利用者」にも適用が広がりました。褥瘡に関しては2022年の改定で特定行為研修修了看護師が同行訪問を行うことも可能となっています。
 医療機関からの退院後,在宅では訪問看護師が継続したケアを行いますが,すべての訪問看護師が専門的な知識・技術に長けているわけではありません。同行訪問は,より専門的な知識をもつ専門看護師・認定看護師と訪問看護師が一緒に利用者の自宅へ伺うことで,アセスメント・指導された内容をその後のケアに活かし,質の高いケアが提供できることを目的としています。
 しかし,創傷・オストミー・失禁管理学会による2022年度の実態調査で,在宅患者訪問看護・指導料3の算定状況は22.1%に留まっており,診療報酬の新設から10年経過してもあまり伸びていないのが現状です。その理由として,施設内での業務が多忙であること以外に,「訪問看護師とどのような連携をとればよいかわからない」「コストの算定方法がわからない」などの意見が聞かれています。
 働く場所を在宅へと移行する認定看護師も徐々に増えていますが,皮膚・排泄ケア分野で訪問看護ステーションに在籍している人は全体の2.6%(2022年度の実態調査より)とまだまだ少なく,在宅におけるケアの質の向上のために同行訪問の必要性は高いことがわかります。
 この特集企画では,同行訪問を実際に行っている方々から実際の活動をご教示いただき,より多くの認定看護師が積極的に同行訪問を行えるように,また訪問看護師がその活動について理解することで,認定看護師と連携していくことができるように,それぞれの分野でご活躍されている皆さまに解説していただきたいと思います。

加藤裕子
株式会社 MNN つながる訪問看護ステーション 管理者,皮膚・排泄ケア特定認定看護師


<目次>

1. WOCナースの同行訪問と関連する診療報酬などのポイント整理/高水 勝
2. 「専門性の高い看護師による同行訪問」を開始するまでの準備と手続き/加藤裕子
3. 訪問看護ステーションと病院WOCナースはどのように連携するか?~地域でのネットワークづくり~/大山 瞳
4. 褥瘡ケアにおける同行訪問の実際~地域クリニックWOCナースの立場から~/中西由香
5. 褥瘡ケアにおける同行訪問の実際~同行依頼する訪問看護師の立場から:地域でさらに同行訪問を広げるために~/尾池真理
6. ストーマ管理困難症例における同行訪問の実際~病院WOCナースの立場から~/安藤嘉子
7. ストーマ管理困難症例における同行訪問の実際~同行依頼する訪問看護師の立場から~/平山司樹
8. 訪問看護ステーション間における同行訪問の実際/濵元佳江
9. 地域におけるWOCナースの活用について~同行訪問を依頼する医師の立場から~/伊藤 守
10. 同行訪問における特定行為の実践~実践時に留意すべきポイントとケアの実際~/加藤裕子
2,640円
特集●坐骨部褥瘡の予防とケアのための車椅子シーティングのテクニック
企画編集/久德茂雄


<特集にあたって>

 筆者が,今の職場に赴任して半年くらい経ったころ,近訪問診療クリニックから,何年も治らない床ずれを診てほしいと依頼を受けました。70代後半の女性は,車椅子生活者で,大きなポケットを有する坐骨結節に至る褥瘡には感染もあり,すぐに根治術ができる状態ではなく,早速,治療計画カンファレンスを行いました。まず,積極的な頻回洗浄と軟膏塗布による保存治療を始めてもらい,術前3週間の局所陰圧閉鎖療法後,大腿後部の筋皮弁にて再建しました。術後2週間は腹臥位で創部の免荷をして入院後2か月半で自宅に帰ることができました。この患者がきっかけでもあり,当院に関西初のシーティング外来を8年前に再設,月1度の術後フォローの外来受診時に合わせて,フットサポートや,座椅子のクッションの調整などを,自宅での生活の様子などを訊きつつ行っていきました。術後10年目の現在,褥瘡の再発はありません。
 もう一人,本号の8章「急性期病院にシーティングが必要な理由」のページに登場する外科治療を行った若者についても紹介します。20年以上前,前任の病院で,まだ赤ん坊だった彼は二分脊椎により,腰のあたりに突出した椎骨の変形があり,その部分の潰瘍治療をしていました。その後,脊椎の形成術を行い,仰臥位で寝ることができるようになりました。何年も経って,彼が大きな坐骨部褥瘡を作ってきたのは高校生のときでした。2つの病院の褥瘡対策チームの周術期連携により,手術も問題なく行いえて,退院後,修学旅行にも参加,好きだった水泳も再開できたようです。退院時には,いざり歩行からプッシュアップ歩行の訓練をし,もう,3年再発なく経過しています。終診時のシーティング外来で「もう,卒業やなぁ」とは言っても,生涯,再発のない車椅子生活のケアの必要性から,患者-医療者の関係は切れないことはお互い理解しあってのことです。
 15年以上前に日本褥瘡学会で褥瘡治療ガイドライン委員会が発足され,手術適応の基準化と周術期管理の統一について討議が始まっていたころ,坐骨が,仙骨や大転子より先に取り上げられ,不思議に思った筆者は,ワーキンググループのシンポジウムの司会者に,「なぜ最も治りにくいかもしれない(車椅子使用者にできる)褥瘡を真っ先に取り上げるのか?」と質問したことがありましたが,回答は,最も頻度が高いから,ということでした。再発防止の検討項目として車椅子シーティングなどのケアに関するCQもなく,手術によりいったん治癒した坐骨部に褥瘡の再発をみて,患者とともにがっかりしたことが少なからずあった筆者には,術後ケアの不十分に疑問をもつのみでした。シーティング外来を今,こうして行いえていること,当時は想像もできなかったと隔世の感を禁じえません。
 この特集号では,坐骨部褥瘡が車椅子患者にはきわめて深刻な疾患であり,他の褥瘡と違い,日常生活に戻れば,容易に再発してしまうリスクを知り,なぜシーティング外来が褥瘡対策に必要であるか,について,各執筆者が,それぞれの専門分野において熱く語ってくださっています。本号をリレー論文のようにトータルに読んで,坐骨部褥瘡の予防とケアに欠かせない車椅子シーティングについて理解いただき,日々の臨床に役立てることができれば幸いです。

久德茂雄
市立奈良病院 再建形成外科


<目次>

1. 在宅での坐骨部褥瘡の車椅子シーティング/岩谷清一
2. 在宅褥瘡の管理の実際/木下幹雄
3. 椅子・車椅子のシーティングとは? ~シーティング技術により寝かせきりを予防する~/木之瀬 隆
4. 坐骨部褥瘡発生の力学的要因─圧力とずれ力─/小原謙一
5. 車椅子座面におけるせん断力の定量的計測の試み/白銀 暁
6. 車椅子アスリート支援/杉山真理
7. 坐骨部褥瘡の車椅子の調整の実際/土中伸樹
8. 急性期病院にシーティングが必要な理由─作業療法士のかかわり─/溝井昌子
9. 脊髄損傷者の坐骨に発生する褥瘡予防のための空気室構造クッションの使い方/森田智之
10. 車椅子のメカニズムが与える座位姿勢への影響/青木匡志
11. 褥瘡の予防的ケア/日髙正巳
2,640円
特集●在宅・高齢者施設で行うフットケア
企画編集/今井亜希子


<特集にあたって>

 2024年現在,わが国では要介護状態である高齢者数は700万人を超え,在宅医療の需要はますます高まっています。自宅や介護施設で療養している高齢者の多くは,内科的な基礎疾患に加えて,サルコペニアや廃用症候群,認知機能の低下などを含むさまざまな老年症候群を抱えています。そして,その大多数がなんらかの足病変を有することがわかっています。訪問診療や訪問看護に関わっている方ならば,肥厚した足の爪を切ってほしいと頼まれたり,糖尿病性足潰瘍の治療・ケアに難渋したりという経験が少なからずあると思います。
 在宅療養高齢者に行うフットケアの主な目的には,①糖尿病や重症下肢虚血による重症足病変の発生を予防または治療すること,②足を健康に保ち,日常生活動作・運動機能を維持することの2つがあり,両者ともが欠かせない視点です。
 在宅医療の現場において虚血性足潰瘍や壊疽などの重症足病変の患者,その予備軍ともいえる患者が増加していますが,病院で行う治療とはさまざまな面で異なっています。訪問診療医はそのほとんどが内科医であり,皮膚科医や形成外科医が往診するケースはまだ少ないのが現状です。また各家庭,各施設によって介護力や用意できる物品に差があるため,個別に対応する必要があります。在宅でどこまで診るべきか,誰が何をするべきかという判断もケースバイケースといえます。②の「予防的フットケア」を進めるうえでは,家族や介護従事者の理解と協力を得ることが欠かせません。さまざまな職種が参入している在宅現場においては適切なケア方法を誰にでもわかりやすく伝えることが大切になります。このように,在宅で行う足病診療・フットケアには解決すべき課題がたいへん多く,まだまだ発展途上の段階といえます。
 これからの在宅医療では,各地域での指導的な役割,在宅と病院間を連携する役割など,WOCNの皆さまの活躍が期待される場がますます増えることは間違いありません。フットケアに限らず,在宅で適切な提案や助言を行うためには,医療だけでなく介護領域のサービスに関する知識ももっている必要があります。本特集「在宅・高齢者施設で行うフットケア」は,日本フットケア・足病医学会の在宅医療委員を中心とした執筆陣に記事を書いていただきました。それぞれ在宅現場での経験がとても豊富な先生方で,足病の基本的な知識から,在宅・施設での具体的なケア方法,さらに地域連携を強化するためのポイントまで,実践的で医療・看護・介護の領域を幅広くカバーした内容になったと自負しています。この特集を通じて,在宅や高齢者施設で行うフットケアについて広く知っていただき,読者の方がそれぞれの現場で役立てていただければ幸いです。

今井亜希子
ひかり在宅クリニック 皮膚科


<目次>

Ⅰ 在宅高齢者の足になぜフットケアが必要か
 1. 在宅におけるフットケアの重要性/袋 秀平
 2. 高齢者に多い脚から足の皮膚病変/岡田克之
 3. 高齢者に多い足の爪病変/高山かおる

Ⅱ 訪問看護師・施設看護師に行ってほしいフットケア
 1. 訪問看護で行うフットケア/小笠原祐子,平尾由美子
 2. 高齢者施設で行うフットケア/池永恵子
 3. 認知症高齢者に行うフットケアのコツ/間宮直子
 
Ⅲ 在宅で診る重症足病変と病診連携
 1. 在宅における重症足病変─実際の症例・対応─/登坂 淳
 2. 在宅における重症足病変─地域連携のコツ─/木下幹雄

Ⅳ 介護現場に広めたい基本的フットケア
 1. 介護予防におけるフットケア/奥田晶子
 2. 地域でもっと在宅フットケアを広めるには/大場広美
2,640円
特集●がん患者の皮膚を守る!~滲出液によるトラブルを防ぐための全人的スキンケア~
企画編集/高木良重(福岡大学 医学部 看護学科,がん看護専門看護師/皮膚・排泄ケア認定看護師)

<特集にあたって>

 がんに対する代表的な治療として「手術療法・化学療法・放射線療法」があり,治療技術は年々向上しています。治療に伴う副作用や合併症といった身体症状を避けることができないことも多く,がんサバイバーと呼ばれる人たちはこうした治療にまつわるさまざまな変化を体験しながら,生活を送っています。
 再発や転移に対する不安や恐怖を抱えていたり,他者との関わりや経済的負担なども気がかりとなることもあり,私たちはがんサバイバーの身体的,心理的,社会的な側面に着目しながら全人的な視点で援助していく必要があります。
 今回はがん患者の皮膚を守ることをテーマに挙げ,がんサバイバーとして療養生活を継続するための看護について考える機会にしたいと思います。
 皮膚は身体を覆っており,最大の臓器といわれています。通常は,皮膚のバリア機能として外部からの刺激を遮断し,内部組織の恒常性を保っていますが,がん治療によりバリア機能が破綻すると皮膚トラブル発生につながります。また手術の結果として創傷管理が必要となったり,病状の進行に伴い創傷が認められたりすると,創傷からの滲出液が皮膚トラブルの原因になります。このような皮膚トラブルのことをmoisture associated skin damage(MASD)と呼び,滲出液や排泄物といった皮膚にとっての刺激物が長時間皮膚にさらされることで,皮膚損傷をもたらします。また,創傷や滲出液に伴う外観の変化やにおいはQOLの低下にもつながることから,生活環境を整えるうえでは医療者だけではなく家族などの重要他者の関わりも重要となります。
 本特集では,スキンケアを皮膚トラブル予防という局所だけではなく,がんサバイバーの生活を支えるという幅広い視点で捉えて,「全人的スキンケア」としました。がん患者の自壊創や瘻孔からの滲出液によるスキントラブルを防ぐためのケアの実際や療養生活を送るうえでの支援について,臨床実践を通して紹介します。

高木良重
福岡大学 医学部 看護学科,がん看護専門看護師/皮膚・排泄ケア認定看護師


<目次>

1. がん患者に対するスキンケアの基本/直海倫子
2. スキントラブルに伴うアピアランス(ボディイメージ)に考慮した関わり/野口玉枝
3. 自壊創ケア ~創傷ケアに向けての臨床判断~/政田美喜
4. 瘻孔ケア ~チームで関わるための教育的視点~/高橋 純
5. 放射線皮膚炎のケア ~治療継続に向けた予防と管理の重要性~/宮前奈央
6. スキンケア実践に必要となるセルフケア能力 ~がん患者のセルフケア能力をアセスメントし実践に活かす~/江上雅代
7. 褥瘡・創傷のある患者を支える家族の支援/浅野悠佳
8. 在宅ケアを行っていくうえでの連携と調整/梶田志帆,廣渡真奈美
9. がん患者に活用できるスキンケア用品 ~自壊創のスキンケア・創傷ケアを中心に~/江口 忍
10. 自壊創のにおいを軽減するためのケア/松原康美
2,640円
特集●ストーマ周囲皮膚障害の予防と治療的スキンケアに強くなる
企画編集/工藤礼子(国立研究開発法人 国立がん研究センター中央病院 看護部,皮膚・排泄ケア認定看護師)

<特集にあたって>

 ストーマ造設は,疾患に対する根治的治療または,生活の質向上のために,最良の方法として行われます。そのことを患者が受け入れて手術に臨み,セルフケアを習得し,退院後はできるだけもとの生活に近いあるいは,それぞれが望む生活に戻れることが理想です。
 そのなかでもとくに大事な要素は,安定したストーマ管理ができていることです。安定したストーマ管理とは,定期的な装具交換ができ,漏れる心配が少ないことが必須条件です。そのためには予防的スキンケアを行い,皮膚ができるだけ健常に保たれていることが大切です。
 私が以前勤務していた施設で,ストーマ外来を始めたばかりのころ,他の施設で腹会陰式直腸切断術を受けて,適切な装具選択ができていなかったようで,激しいストーマ周囲皮膚障害に悩んでいる人が来られました。とてもつらそうな表情で,「こんなに,痛くて,つらい思いをするならば手術をしなければよかった。」と言われ,着替えが一式入った大きな手荷物を持っていました。皮膚障害の原因をアセスメントし,治療的スキンケアを施すと皮膚障害が改善し,安定した装具装着期間が得られました。するとみるみる表情が明るくなり,手荷物は小さくておしゃれなバッグに変わっていきました。ある日ビースの指輪をしてこられ,「こういう趣味がまたできるようになりました。」と笑顔で教えてくださいました。
 このときの経験により,適切なストーマケアを行うことがいかに重要かを肝に銘じ,また,それを広めていく必要があるという使命感を抱きました。
 諸先輩方の貢献により,2012年には術前処置加算が保険収載され,現在ではストーマ術前マーキングが当たり前のように行われ,理想的なストーマ造設法が標準化され,ストーマ装具は開発・改良を重ねて発展し,種類が豊富になり,ストーマケアに難渋することは以前よりは減っているように思います。しかし,ストーマは皮膚と排泄物が接触しやすい環境にあるため,皮膚障害は避けがたく,また,診断と治療の発展に伴い,幅広い年齢や背景の患者にストーマ造設が行われ,抗がん剤治療を長期に行うことが増え,それゆえのストーマケアに難渋することは増えているのではないでしょうか。
 本特集では,臨床で出合うことの多いストーマ皮膚障害に対する治療的スキンケアに加え,押さえておいてほしい特殊例へのスキンケアを提示します。そのノウハウはとても興味深く感じていただけることと思いますが,まずは,それを支える皮膚障害を起こさないための予防的なスキンケアに関する知識が必ず必要です。
 一人でも多くの方がこの特集を手にとられ,ストーマ周囲皮膚障害の予防と治療的スキンケア方法を習得されて,ストーマ保有者に貢献していただけることを願っています。

工藤礼子
国立研究開発法人 国立がん研究センター中央病院 看護部,皮膚・排泄ケア認定看護師


<目次>

1. ストーマケアに必要な皮膚の解剖・生理/鶴田成二
2. ストーマ周囲の皮膚の特徴/中野祥江
3. ストーマ周囲皮膚に対する基本的スキンケア/斎藤容子
4. 皮膚保護剤の種類と特徴/細井早霧
5. ストーマ周囲皮膚のアセスメント/石黒幸子
6. 化学的刺激を原因としたストーマ周囲皮膚障害と対応/古川純子
7. 物理的刺激を原因としたストーマ周囲皮膚障害と対応/平山千登勢
8. 炎症性腸疾患患者に起きやすいストーマ周囲皮膚障害と対応/積 美保子
9. 抗がん剤治療中に起きやすいストーマ周囲皮膚障害と対応/工藤礼子
10. 高齢者に起きやすいストーマ周囲皮膚障害と対応/持田裕子
11. 小児に起きやすいストーマ周囲皮膚障害と対応/保刈伸代
2,640円
特集●「気持ちよく出す」ことを叶える排便ケア
企画編集/榊原千秋(合同会社プラスぽぽぽ うんこ文化センターおまかせうんチッチ 代表)

<特集にあたって>

 「気持ちよく出すことを叶える排泄ケアをしよう」。そうした思いから,排便ケアを基軸としたチームケア,コミュニティケアの実践者を育成するための「POOマスター養成研修会」,「排尿のコンチネンスケア」を行ってきました。病院,施設,訪問看護・介護などのさまざまな現場で,一つひとつの実践の質を高めるだけでなく,組織内のケア体制の更新や地域包括的排便ケアにかかわるPOOマスターも誕生しています。
 その一方で,医療・介護の現場の排泄ケアは,いまだ十分なものであるとはいえません。「排泄管理」「排泄コントロール」という言葉が当たり前に通用する事実から明らかなように,ケア提供者側の都合が優先されたケアが行われているのが実態です。ケア提供者は,ケアを受ける本人がどのような状態になりたいかをセルフマネジメントし,セルフケアする方法を,ともに明らかにしていくことを助けるパートナー的役割を果たす存在でありたいと思います。訪問看護であれば「便出し日」という言葉が使われていたり,施設・病院であれば「3日間便が出ていなければ下剤を使用する」というルールがあったり,利用者・患者を浣腸・座薬・摘便して回ることを指す「便まわり」という用語が存在していたりと,「ケア提供者中心の排泄ケア」が横行しています。介護現場では,下剤投与によって生じた泥状便や水様便がおむつからベッドへとあふれ出ることを「爆発」といい「その後始末に心が折れる」「おねしょシーツで腰から下を簀巻きにすれば,そこしか汚れなくていいんですよ」と,当たり前のように語られる様子に驚きました。ケア提供者都合のケアから生まれた利用者への負担が,さらに別のケア提供者都合のケアによって強化されるというケアの悪循環がうまれています。
 「気持ちよく出す」ためには,適切なアセスメントを行い,適切な排泄ケア方法が選択でき,ケアを継続的に組み立てることができる知識や技術が求められます。排便ケアの焦点は,「便が出せるか出せないか」ではなく,「便を気持ちよく出せているかどうか」です。便性状や1回の便量,排便周期といった排便状況を排便チェック表に,排尿・排便のアセスメントシートの全体像から持っている力を観察し,本人にとって気持ちよい排便とはどのような状態かを考えていきます。今,目の前で行われている排泄ケアが,将来の私たちに行われる排泄ケアです。皆さん,現在の排便ケアが最善のものだとお思いですか。排泄ケアは,「出せればいい」ではなく,人間の生理機能を理解し,適切なアセスメントのもとに尊厳を重視して“自立を促すケア”へと転換をはかることで,「気持ちよく出す」ことを叶えられるものであってほしいと願いこの活動を続けています。生物学的な意味で病や障がいは完治しないかもしれませんが,「気持ちよく出す」ことを叶えるケアは,人が生きるという実存的な意味で自分の生活や人生を取り戻すこともできるリカバリーケアであることを,日々の実践から学ばせていただいています。
 本特集が,「出ていればいい排便ケア」から「気持ちよく出す排便ケア」へのパラダイムシフトの一助となれば幸いです。

榊原千秋
合同会社プラスぽぽぽ うんこ文化センターおまかせうんチッチ 代表


<目次>

1. おまかせうんチッチの「気持ちよく出す」ことを叶える排便ケアのポイントと地域包括的コンネンスケアシステム/榊原千秋
2. 排便のメカニズムと病態/藤森正彦
3. 排便に影響する薬と下剤/奥田衣理
4. 排便ケアのアセスメント,排便チェック表の読み方・つけ方/秦 実千代
5. 排便しやすい姿勢とトイレ環境~対象者と介助者にとって負担の少ない介助で気持ちよく排便~/中川朋子
6. 気持ちよく出すための食事と腸活/池上幸子
7. 排便のアセスメントシートと排便チェック表から導き出す排便ケア/馬場美代子
8. 病院で取り組む 気持ちよく出す排便ケア/岩川和秀,有木眞由美,世良春菜,山口 泉
9. 職員目線ではなく,本人目線で気持ちよくスッキリ出る排泄ケア~障害者施設における多職種で行う薬に頼らない排泄ケアの仕組みづくり~/野家晃子
10. 訪問看護で取り組む 気持ちよく出す排便ケア/星野智穂弥
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  • 出版社:医学出版
  • 発行間隔:月刊
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