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全1548件中 181 〜 195 件を表示
【論説紹介】

国を当事者とする訴訟における法律問題⑨
談合関係訴訟の現状と今後の課題/坂巻 陽士…4

判例展望民事法57
民法94条2項の類推適用(上)――その課題と課題/渡辺 諭…17

東京地裁破産再生部(民事第20部)における牽連破産事件の処理の実情等について(下)/島岡 大雄…30

民事執行判例・実務フロンティア2012年版/浜 秀樹…214

【判例紹介】

最高裁判例
[民 法]
1(最高裁第二小法廷平23.12.16判決[平22(受)2324])…47
 1 建築基準法等の法令の規定に適合しない建物の建築を目的とする請負契約が公序良俗に反し無効とされた事例
 2 建築基準法等の法令の規定に適合しない建物の建築を目的とする公序良俗違反の請負契約に基づく本工事の施工が開始された後に施工された追加変更工事の施工の合意が公序良俗に反しないとされた事例

行政裁判例
[国家補償法]
2(名古屋高裁平22.10.29判決[平21(ネ)312,平21(ネ)814])…52
 1 耐震壁のモデル化の審査等について,建築確認審査に当たった建築主事の注意義務違反が否定された事例
 2 経営指導契約を締結していた経営コンサルタント業者が信義則上の具体的注意義務に違反して不法行為責任を負うとされた事例

[地方自治法]
3(名古屋地裁平22.11.19決定[平22(行ク)46])…83
 名古屋市議会解散請求のための署名の効力決定に関する審査期間を延長した選挙管理委員会の判断が,適法とされた事例

労働裁判例
[個別的労働]
4(福岡高裁平23.2.16判決[平22(ネ)663,平22(ネ)878])…90
 1 採用内々定によって始期付解約権留保付労働契約が成立したとは認められないとされた事例
 2 採用内定通知書交付予定日の2日前にされた採用内々定の取消しが,労働契約締結過程における信義則に反し,応募者の期待利益を侵害する不法行為を構成するとして,損害賠償請求の一部(慰謝料及び弁護士費用)が認められた事例

民・商事裁判例
[民 法]
5(東京地裁平23.3.3判決[平19(ワ)10530,平19(ワ)17351])…100
 1 住宅用床材の瑕疵の発生後に売主である建材メーカーと買主である住宅メーカーとの間で締結した,建材メーカーが床材を住宅メーカーに納入後10年間その修補費用を負担する旨の保証合意は,保証期間内に顧客から修補工事の申出を受け,住宅メーカーが顧客からの瑕疵の発生の連絡を受けたディーラーから不具合連絡書を受け付けているものをその対象とするとされた事例
 2 住宅用床材を構成する化粧シートにつき製作物供給契約の債務不履行責任が認められた事例
 3 膨大な棟数の建物に使用された住宅用床材の瑕疵に係る個々の修補作業の資料につき相手方に閲覧謄写させ,相手方がこれに基づく主張をしていること等を考慮し,そのすべてが証拠として提出されていないことは損害の認定を妨げないとされた事例

6(東京地裁平22.5.12判決[平21(ワ)23521])…127 
 1 一部上場企業である被告の短期調達金利相当額を上回る金額を下請代金から控除をしたことは,下請代金支払遅延等防止法4条1項3号に違反するものの,控除する旨の合意が同号の趣旨に照らし不当性が強いとまでいうことはできず,無効となるものではないとされた事例
 2 約束手形の原因債権を自働債権とする相殺が,約束手形の交付・呈示をせずにされたところ,債務者をして二重払いをさせる危険があったものとは認められず,特段の事由があるとして,その効力が生ずるとされた事例

7(高松高裁平23.7.29判決[平22(ネ)491])…139
 貸金業を営む企業グループの再編に当たって,業務を廃止する会社の顧客に対し,別のグループ会社が資金を融資するとともに,併せて顧客に対する債務を併存的に引き受ける合意をし,その後,顧客に対して上記合意に基づき融資を行った事案において,顧客から,併存的債務引受を理由に過払金の返還を求められた際に,顧客による受益の意思表示の前に債務引受を撤回した旨を主張することは信義則に反して許されないとした事例

8(東京地裁平23.3.25判決[平21(ワ)15005])…143
 弁護士に対する懲戒請求が不法行為を構成することを理由とする損害賠償請求が棄却された事例

9(東京地裁平23.2.24判決[平18(ワ)21831])…150
 1 ギラン・バレー症候群の疑いで入院し,経口気管挿管による人工呼吸管理の継続中にSpO2が突然低下し始めて,かつ,人工呼吸器の設定を変更してもSpO2が回復しなかった患者について,後方視的には患者が食道挿管になっていたことが肯定されたものの,診療当時の患者の具体的な所見等に照らして,患者が食道挿管になっていることを疑い,患者の人工呼吸器から気管チューブを外して,換気手段をアンビューバッグによる用手換気に変更しなかった過失については否定された事例
 2 いわゆるカンファレンス方式による鑑定が実施された事例

[商 法]
10(横浜地裁平23.8.16判決[平22(ワ)929])…176
 高級車の盗難保険金請求について,盗難は請求者の故意によるものとして,保険会社の免責を認めた事例

[知的財産]
11(知的財産高裁平23.9.14判決[平23(行ケ)10086])…182
 小売等役務を指定役務とする商標(本件商標は「Blue Note」の文字の間に「音符の図形」を有する)の権利の及ぶ範囲について判断を示した事例

12(知的財産高裁平23.5.30判決[平22(行ケ)10363])…191 
特許を受ける権利の共有者らから委任を受けた特許管理人が,共有者らのうちの一部の者のみを請求人として記載した審判請求書を提出して行った拒絶査定不服審判請求が,共有者全員のために行ったものであると認められるとした事例

[諸 法]
13(高松地裁平22.8.18判決[平21(ワ)113])…197
 RV車両に事故の原因というべき製造物責任法3条に該当する「欠陥」が認められなかった事例

[民事執行法]
14(東京高裁平23.1.7決定[平22(ラ)2062])…203
 区分所有法59条1項に基づく競売申立請求事件の認容判決による不動産競売開始決定申立事件において,競売申立請求事件の口頭弁論終結後に区分所有者から当該不動産の持分の一部を譲り受けた者に対する申立ては,競売請求権を認めた確定判決等が提出されていないことなどから,不適法であるとされた事例

刑事裁判例
[刑事訴訟法]
15(大阪高裁平23.5.19判決[平23(う)173])…208
 強姦致傷被告事件について,原審の裁判員裁判では被害者の供述を全面的に争って無罪を主張したが有罪となり控訴し,控訴審では一転して犯罪事実を全面的に認めた上,被害弁償をして示談が成立した事案について,控訴審が刑訴法397条2項により原判決を破棄し,原審の量刑を軽くした事例
【論説紹介】

東京地裁破産再生部(民事第20部)における牽連破産事件の処理の実情等について(上)/島岡大雄…4

判例展望民事法56
会社の解散をめぐる裁判例と問題点/水倉義貴…21

国を当事者とする訴訟における法律問題⑧
国際課税訴訟の現状と課題/神谷 善英…31

裁判員裁判における法律概念に関する諸問題⑨
大阪刑事実務研究会
殺意(上)/中川 博之・真鍋 秀永・末弘 陽一…49


【判例紹介】

特 報
[憲 法]
1(最高裁大法廷平23.11.16判決[平22(あ)1196])…62
 1 刑事裁判における国民の司法参加と憲法
 2 裁判員制度と憲法31条,32条,37条1項,76条1項,80条1項
 3 裁判員制度と憲法76条3項
 4 裁判員制度と憲法76条2項
 5 裁判員の職務等と憲法18条後段が禁ずる「苦役」

最高裁判例
[民事訴訟法]
2(最高裁第三小法廷平23.10.11決定[平23(行ト)42,平23(行フ)2])…68
 弁護士会の綱紀委員会の議事録のうち「重要な発言の要旨」に当たる部分が民訴法220条4号ニ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に該当するとされた事例

行政裁判例
[行政法一般]
3(東京地裁平22.10.1判決[平21(行ウ)132])…73
 1 エチオピアの国籍を有する女性について,エチオピア政府又は与党から弾圧を受けている野党の党員として反政府活動に加わり,2度にわたり逮捕されていることなどを理由に,難民に該当するとされた事例
 2 難民であることを考慮せずにされた在留特別許可をしない旨の処分及び退去強制令書発付処分が無効であるとされた事例

[行政争訟法]
4(東京高裁平23.2.23判決[平21(行ケ)10])…85
 1 貨物船と漁船との衝突事故について,両船の位置関係から海上衝突予防法15条1項の横切り船航法の適用が認められた事例
 2 貨物船と漁船とが衝突し漁船船長が溺死した事故について,貨物船航海士の見張り義務違反の過失と漁船船長の避航措置を講じなかった過失の大きさとを比較のうえ,広島地方海難審判所のした海技士である同航海士に対する業務停止1箇月の裁決が重すぎ相当性を欠くとして取り消された事例

[地方自治法]
5(名古屋地裁平22.7.15判決[平21(行ウ)29])…102
 愛知県の行政委員会の委員に対する月額報酬制による報酬支給の差止請求が棄却された事例

6(大阪高裁平22.4.27判決[平21(行コ)32])…111
 1 地方自治法203条の2第2項ただし書は,同条1項所定の非常勤職員に対する報酬はその勤務日数に応じて支給するとの同条2項本文の原則を堅持しつつ,例外として,各地方公共団体の議会が制定する条例をもって特別な定めをすることができることを認めたものであるところ,地方公共団体の議会は,非常勤職員の職務内容及び勤務態様等の具体的事情を考慮し,月額報酬制等をとるのを相当とするような特別な事情があるかどうかを判断して,裁量により上記特別な定めをするかどうかを決することができる
 2 地方公共団体の非常勤職員とされる労働委員会,収用委員会,選挙管理委員会の各委員(選挙管理委員会の委員長を除く)の報酬を月額で支給する旨の条例につき,各委員の報酬額が勤務量に対応した反対給付と評価することはできず,地方自治法203条の2第2項本文の日額報酬制の原則に矛盾抵触して著しく妥当性を欠く状態になっており,そのような状態が少なくとも平成15年度以降継続し,既に是正のために必要な相当期間が経過しているから,同法203条の2第2項ただし書で許された裁量の範囲を逸脱して違法であるとして,条例に基づく公金の支出の差止めを認めた事例
 3 地方公共団体の非常勤職員とされる選挙管理委員会の委員長の報酬を月額で支給する旨の条例につき,地方自治法203条の2第2項本文の日額報酬制の原則と矛盾抵触して著しく妥当性を欠く状態になっているとは直ちに断じ難いとして,条例に基づく公金支出の差止めを認めなかった事例

民・商事裁判例
[民 法]
7(さいたま地裁平23.1.21判決[平20(ワ)725,平20(ワ)2779])…131
 1 石綿管を製造する被告の工場で働いていた従業員が,就労中石綿粉じんに曝露したことにより,石綿肺等の石綿関連疾患に罹患して死亡したとして,従業員の遺族らが,被告に対し,債務不履行(安全配慮義務違反)による損害賠償請求権に基づき慰謝料等の賠償を求めた事件について,上記請求権の消滅時効は,従業員の死亡の時から進行し,本件では時効期間が経過しているなどとして,原告らの請求を棄却した事例
 2 被告の従業員の家族であり,かつ,被告の工場の近隣に居住していた原告らが,従業員が自宅に持ち帰っていた作業着等を介し,あるいは工場から排出された石綿粉じんに曝露したことにより,石綿を原因とする健康被害(胸膜肥厚斑)を生じたとして,債務不履行(安全配慮義務違反)又は不法行為に基づき慰謝料等の賠償を求めた事件について,被告の義務違反と原告らの健康被害との間に因果関係を認め難い上,現時点で原告らに損害が発生したとは認められないなどとして,原告らの請求を棄却した事例

8(岡山地裁平22.10.25判決[平21(ワ)223])…162
 介護老人保健施設に入所していた老人が職員に気付かれることなく浴室に入り込み浴槽内で死亡したことにつき,施設側に管理義務違反があったとして,その損害賠償責任が認められた事例

9(東京地裁平22.7.28判決[平21(ワ)46933])…168
 原告の写真に基づいて作画された漫画が,原告の名誉感情及び肖像権を侵害するとされた事例

10(東京地裁平23.3.24判決[平20(ワ)22982])…178
 1 腫瘍マーカーの一つであるCEA(がん胎児性抗原)の軽度上昇がみられた後に大腸がん及びこれに起因する多発転移性肝がんと診断されて死亡した患者に対する診断,治療上の過失が否定された事例
 2 RFA(ラジオ波焼灼術)に関する説明義務違反が否定された事例

[商 法]
11(札幌地裁平23.5.13決定[平23(ヒ)6])…203
 金融商品取引法29条に違反して,同法所定の登録を受けずに有価証券の募集又は私募等を業として行っていた相手方会社及びその従業員らに対し,同法192条1項に基づいて,金融商品取引法違反行為の差止めが命じられた事例

[知的財産]
12エコルクス事件(「エコルクス/ECOLUX」事件)(知的財産高裁平22.12.15判決[平22(行ケ)10013])…210
 1 指定商品を包装していない単なる包装紙等に標章を付する行為又は単に標章の電子データを作成若しくは保持する行為は,商標法2条3項1号所定の「商品の包装に標章を付する行為」に当たらない
 2 標章を付した広告等が一般公衆による閲覧可能な状態に置かれていない場合には,商標法2条3項8号所定の標章を付した広告の「頒布」に当たらない

13(知的財産高裁平22.11.17判決[平22(行ケ)10191])…219
 1 出願後に頒布された引用例2に記載された事項を,引用発明1に採用することによって,本願発明を容易に発明することができたと判断した審決には,特許法29条2項の適用を誤った違法がある
 2 審決における刊行物記載の発明と公知技術との組合せにより容易に発明できたという理由を,取消訴訟において,技術常識の名の下に刊行物記載の発明から容易に発明できたという理由に差し替えることは許されない

14(東京地裁平23.3.4判決[平21(ワ)6368,平21(ワ)17073,平21(ワ)41398])…225
 財団法人の寄附行為の解釈によって著作権の帰属を判断した事例

刑事裁判例
[刑事訴訟法]
15(東京高裁平22.10.8決定[平22(く)573])…253
 ファクシミリを利用して送信することによりなされた即時抗告につき,被告人の署名押印のある申立書によりなされたものではなく,刑事訴訟規則60条に違背するもので無効であるとした事例
【論説紹介】

訴訟理論研究会
座談会 民事訴訟手続における裁判実務の動向と検討 第2回
伊藤眞・垣内秀介・春日偉知郎・加藤新太郎・松下淳一・山本和彦・・・4

訴訟理論研究会
宗教法人代表者の代表権限の存否と審判権の限界
大阪高判平22.1.28判タ1334号245頁/垣内秀介・・・35

訴訟理論研究会
上告理由・上告受理申立て理由としての経験則違反
最二小判平22.7.16判タ1333号111頁,判時2094号58頁,金判1354号44頁/加藤新太郎・・・42

訴訟理論研究会
訴え提起が不法行為となる場合
最二小判平22.7.9判タ1332号47頁,判時2091号47頁/松下淳一・・・50

訴訟理論研究会
証拠保全における検証物提示命令申立ての黙示の却下
仙台高決平22.6.23金判1356号23頁/山本和彦・・・56

訴訟理論研究会
国際非訟事件における手続上の諸問題/山本和彦・・・61

国を当事者とする訴訟における法律問題⑦
労災訴訟における業務起因性について/平井直也・永井孝治・・・73


【判例紹介】全19件(最高裁判例11件)

最高裁判例
[民 法]
1(最高裁第二小法廷平23.7.15判決[平22(オ)863,平22(受)1066])・・・89
 1 消費者契約法10条と憲法29条1項
 2 賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料の支払を約する条項の消費者契約法10条にいう「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」該当性

2(最高裁第一小法廷平23.7.14判決[平23(受)332])・・・94
 金銭消費貸借に係る基本契約が順次締結され,これらに基づく金銭の借入れと弁済が繰り返された場合において,各基本契約に当初の契約期間の経過後も当事者からの申出がない限り当該契約を2年間継続し,その後も同様とする旨の定めが置かれていることから,先に締結された基本契約に基づく取引により発生した各過払金をその後に締結された基本契約に基づく取引に係る各借入金債務に充当する旨の合意が存在するとした原審の判断に違法があるとされた事例
  
3(①最高裁第一小法廷平23.7.7判決[平22(受)1784,平22(オ)1473],②最高裁第二小法廷平23.7.8判決[平22(受)1405])・・・98
 貸金業者が貸金債権を一括して他の貸金業者に譲渡する旨の合意をした場合における,借主と上記債権を譲渡した業者との間の金銭消費貸借取引に係る契約上の地位の移転及び上記取引に係る過払金返還債務の承継の有無

4(①最高裁第三小法廷平23.9.13判決[平21(受)1177],②最高裁第三小法廷平23.9.13判決[平22(受)1485])・・・103
 1 有価証券報告書等に虚偽の記載がされている上場株式を取引所市場において取得した投資者が当該虚偽記載がなければこれを取得しなかった場合における,上記投資者に生じた当該虚偽記載と相当因果関係のある損害の額
 2 有価証券報告書等に虚偽の記載がされている上場株式を取引所市場において取得した投資者が当該虚偽記載がなければこれを取得しなかった場合における,当該虚偽記載の公表後のいわゆるろうばい売りによる上場株式の市場価額の下落による損害と当該虚偽記載との相当因果関係

[諸 法]
5(最高裁第一小法廷平23.11.17判決[平22(受)1584])・・・121
 公有地に係る土地信託契約において,受益者に対する費用補償請求権を定めた旧信託法(平成18年法律第109号による改正前のもの)36条2項本文の適用を排除する旨の合意が成立していたとはいえないとされた事例

6(最高裁第三小法廷平23.10.11決定[平23(ク)166,平23(許)8])・・・128
 建物の区分所有等に関する法律59条1項に基づく訴訟の口頭弁論終結後の区分所有権及び敷地利用権の譲受人に対し同訴訟の判決に基づいて競売を申し立てることの可否
  
[倒産処理法]
7(①最高裁第三小法廷平23.11.22判決[平22(受)78],②最高裁第一小法廷平23.11.24判決[平22(受)1587])・・・131
 1 求償権が破産債権である場合において財団債権である原債権を破産手続によらないで行使することの可否(①事件)
 2 求償権が再生債権である場合において共益債権である原債権を再生手続によらないで行使することの可否(②事件)

[刑事訴訟法]
8(最高裁第二小法廷平23.10.5決定[平23(し)376])・・・138
 第1審裁判所が犯罪の証明がないことを理由として無罪の言渡しをした場合と控訴審における勾留

行政裁判例
[国家補償法]
9 イレッサ東京訴訟控訴審判決(東京高裁平23.11.15判決[平23(ネ)3630])・・・142
 1 抗癌剤イレッサにつき,設計上の欠陥及び添付文書の記載における指示・警告上の欠陥等があったとはいえないとして,製薬会社の製造物責任及び不法行為責任が否定された事例
 2 抗癌剤イレッサについての厚生労働大臣の輸入承認及びその後の行政指導に違法な規制権限不行使があったとはいえないとして,国に対する国家賠償請求が棄却された事例
  
労働裁判例
[個別的労働関係]
10(東京地裁平22.3.30判決[平20(ワ)29076])・・・165
 携帯電話の滞納料金回収業務を担当していた嘱託社員が,能率給(インセンティブ)制度の廃止に伴う社員区分の移行を,大幅な賃金減額になるという理由で受け容れず期間満了による雇止めとなったことについて,同制度廃止の手段・経緯に合理性がないことなどから,同雇止めは解雇権濫用法理の類推適用により無効と認められ,雇用契約上の地位確認等の請求が認容された事例

民・商事裁判例
[民 法]
11(東京地裁平23.4.13判決[平21(ワ)12983])・・・176
 大学の研究室を主宰する被告教授等が,同研究室の助手であった原告を共同発表者としない研究発表を行ったことについて,不法行為責任はないとされた事例

12(前橋地裁平22.10.29判決[平20(ワ)376])・・・192
 有料老人ホームの運営会社の財務経理部長がうつ病に罹患して自殺した場合,会社の損害賠償責任が認められた事例

13(大阪地裁平22.10.19判決[平21(ワ)15670])・・・210
 1 ある犯罪事実の容疑者に関する匿名の新聞記事を発表した翌日に,当該人物が特定の人物であることを摘示する新聞記事を発表した場合でも,匿名記事自体から報道対象者の特定が困難な場合には,匿名記事が遡及的に名誉毀損性を有するものになるとはいえない
 2 民事訴訟においても取材源の秘匿が尊重されることは当然であるが,報道機関が名誉毀損を理由とする損害賠償請求に対して真実性又は真実相当性を抗弁として主張する以上,具体的な取材源を明らかにしないまでも,真実性・真実相当性を認められる程度の具体性のある主張立証をする必要がある  
[商 法]
14(東京地裁平23.1.26判決[平21(ワ)5675])・・・218
 1 議長の資格のない者によって採決が行われたとして,株主総会決議不存在確認請求が認められた事例
 2 取締役解任決議が不存在であると確認された場合において,その後,解任決議を追認する決議がされたとき,当該追認に遡及効はあるか(消極)
 3 取締役解任に正当な理由が存在するか(消極)  
[知的財産]
15(知的財産高裁平22.2.17判決[平21(行ケ)10318])・・・237
 新聞や雑誌への掲載により引用商標が商標法4条1項10号所定の周知性を有するとされた事例
  
刑事裁判例
[刑 法]
16(大阪地裁平23.3.22判決[平22(わ)3854])・・・244
 1 殺人未遂,現住建造物等放火未遂の罪につき,中止未遂の成立が否定された事例(裁判員裁判)
 2 裁判員裁判の公判前整理手続において,裁判所と当事者との間で中止未遂の概念・要件に関する裁判員への説明資料について合意がなされ,その内容を踏まえた公判立証・弁論等が行われるとともに,判決においてもこれに沿う形で判断が示された事例
【論説紹介】

名誉毀損訴訟解説・発信者情報開示請求訴訟解説/東京地方裁判所プラクティス委員会第一小委員会
澤野芳夫・三浦隆志・齊藤充洋・横井靖世・櫻庭一威・長嶋義延・矢代陽子・・・4

大阪民事実務研究
退職金請求事件における主張立証責任の考察
 ー精神的疾患のある労働者に対する懲戒解雇の効力が争われた事例を中心として/徳増誠一・・・37

国を当事者とする訴訟における法律問題⑥
公法上の法律関係に関する確認訴訟の動向/西村淑子・・・60

独占禁止法の新たな展開27
再販売価格維持規制のあり方/村上政博・・・68

ブック・レビュー 鹿子木康=島岡大雄編/東京地裁個人再生実務研究会『個人再生の手引』
個人再生手続の心得/園尾隆司・・・79

ブック・レビュー 植村立郎著『少年事件の実務と法理―実務「現代」刑事法』
抗告審の視点から少年事件を紐解く/波床昌則・・・82


【判例紹介】

最高裁判例
[地方自治法]
1(最高裁第一小法廷平23.9.8判決[平21(受)1408])・・・85
 国の補助事業における入札談合によって普通地方公共団体の被った損害の賠償を求める地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第1項4号の規定による住民訴訟において住民が勝訴した場合の同条7項にいう「相当と認められる額」の認定に当たり,当該普通地方公共団体が回収した額を考慮する際にその回収に伴い国に返還されることとなる国庫補助金相当額を控除することの可否

[民 法]
2(最高裁第三小法廷平23.10.25判決[平21(受)1096])・・・88
 個品割賦購入あっせんにおいて,購入者と販売業者との間の売買契約が公序良俗に反し無効であることにより,購入者とあっせん業者との間の立替払契約が無効となるか

93
3(最高裁第三小法廷平23.10.18判決[平22(受)722])・・・93
 無権利者を委託者とする物の販売委託契約が締結された場合における当該物の所有者の追認の効果

4(最高裁第二小法廷平23.7.15判決[平21(受)1905,平21(受)1906])・・・96
 弁護士であるテレビ番組の出演者において特定の刑事事件の弁護団の弁護活動が懲戒事由に当たるとして上記弁護団を構成する弁護士らについて懲戒請求をするよう視聴者に呼び掛けた行為が,不法行為法上違法とはいえないとされた事例

行政裁判例
[地方自治法]
5(東京地裁平22.12.22判決[平21(行ウ)249])・・・105
 1 国立市が,民間企業からの別件損害賠償請求事件において,前市長の当該民間企業に対する営業活動妨害等を理由として損害賠償金等の支払を命じる判決を受け,当該民間企業に対し,当該損害賠償金等を支払ったことから,国立市が前市長に対して求償権(国家賠償法1条2項)を有し,その不行使が怠る事実に該当するとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,前市長に当該損害賠償金等相当額の支払を請求することを現市長に対して求める請求が,認容された事例
 2 上記民間企業が国立市に対してした上記損害賠償金等と同額の一般寄附は,上記損害金等を実質的に填補する趣旨でされたものではないとして,これをもって国立市の前市長に対する上記求償権が消滅したとは認められないとされた事例
 3 国立市が前市長に対して上記求償権を行使することが信義則に反するとはいえないとされた事例

6(大阪高裁平22.8.27判決[平21(行コ)169])・・・127
 派遣職員の人件費に充てるため,市が派遣先外郭団体に対して行った補助金等交付が違法であるとして,市長と団体に対して損害賠償等請求の義務づけ訴訟が,上記損害賠償等請求権は条例により放棄されたため,消滅したとして,棄却された事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
7(東京地裁平22.12.27判決[平21(ワ)18832])・・・137
 1 会社の部長職にあった従業員が取引先の若い女性従業員に対するわいせつ行為を理由に懲戒解雇処分を受けたことについて,解雇事由を認定し懲戒解雇処分を有効とした事例(本訴)
 2 当該従業員がわいせつ行為の存在を否定して会社に対して起こした本訴は濫訴であり不法行為にあたるとして,会社が応訴及び反訴に要した費用の一部につき損害賠償請求を認めた事例(反訴)

民・商事裁判例
[民 法]
8(東京地裁平23.3.15判決[平19(ワ)27074])・・・155
 1 いわゆる環状取引に参加した者が当該環状取引を構築した取引当事者以外の第三者に不法行為に基づく損害賠償を請求する場合における損害
 2 いわゆる環状取引に参加した者が当該環状取引を構築した取引当事者以外の第三者に不法行為に基づく損害賠償を請求する場合における損益相殺ないし損益相殺的な調整
 3 いわゆる環状取引に参加した者が当該環状取引を構築した取引当事者以外の第三者に不法行為に基づく損害賠償を請求する場合における過失相殺と損益相殺ないし損益相殺的な調整の順序

9(熊本地裁人吉支部平22.4.27判決[平21(ワ)32])・・・173
 貸金業者からの過払金の返還について,過払金の返還を受ける債権者の代理人である弁護士が同弁護士の預金口座にその過払金を振り込むよう重ねて指示したにもかかわらず,貸金業者がこれに従わず,あえて債権者本人の預金口座にこれを振り込んだことが義務の履行として信義則に反するとして,不法行為が成立するとされた事例

10(長野地裁上田支部平23.3.4判決[平20(ワ)262])・・・179
 歯科医院において歯の治療を受けていた患者に「非定型歯痛」が発症し悪化したことについて,転院義務違反があったとして,その損害賠償責任が認められた事例

[商 法]
11(東京高裁平23.5.23判決[平22(ネ)7256])・・・197
 自動車の盗難を保険事故とする保険金請求において,盗難の外形的事実である「被保険者以外の第三者が被保険者の占有に係る被保険自動車をその所在場所から持ち去ったこと」につき高度な蓋然性があると認められる程度まで立証できたとはいえないとして,保険金請求が棄却された事例

[知的財産]
12(知的財産高裁平22.9.22判決[平21(ネ)10067])・・・204
 特許出願に際して願書に共同発明者として記載されている者につき,着想を提供した者ではなく,また,その具体化についても協力者・補助者として実験を行うなどして発明の完成を援助したことを超えて重要な貢献を行った者でもないとして,当該発明の発明者ということができないとされた事例

13(知的財産高裁平22.2.3判決[平21(行ケ)10305])・・・213
 衣料品の下げ札や手提げ袋に「PINK BERRY」の表示をしてこれを販売する行為は,指定商品を「洋服」等とする「Pink berry」なる商標の使用に当たる

14(東京地裁平23.4.26判決[平20(ワ)28364])・・・220
 PCプラントの設計図面を作成して第三者に開示した被告の行為は,不正に開示された営業秘密を取得して,第三者に開示したものであり,不正競争防止法2条1項8号の不正競争行為に当たるとした事例

[諸 法]
15(東京地裁平23.2.9判決[平21(ワ)8353])・・・240
 トイレブースに製造物責任法上の欠陥がないとされた事例

刑事裁判例
[刑 法]
16([1事件]神戸地裁尼崎支部平22.4.19判決[平21(わ)5],[2事件]神戸地裁尼崎支部平23.2.28決定[平22(そ)1])・・・246
 1 現住建造物等放火被告事件において,被告人が,犯行時妄想型統合失調症の急性期にあり責任能力を有していたと認めるには合理的な疑いが残るとして無罪が言い渡された事例(1事件)
 2 上記事件の被告人からの刑事補償請求に対し,捜査機関に故意過失がないこと,請求人が逮捕当時無職で収入がなかったこと,その他,刑事補償法4条2項が定める請求人が被った精神的損害などの諸般の事情を総合考慮すると,1日当たり金3000円の割合による補償金を交付するのが相当であるとされた事例(2事件)
【論説紹介】

国を当事者とする訴訟における法律問題⑤
規制権限の不行使をめぐる国家賠償法上の諸問題について―その2/二子石亮・鈴木和孝・・・4

大阪民事実務研究
証券投資信託において受益者に破産手続ないし民事再生手続が開始された場合の債権回収を巡る諸問題
 ―銀行取引約定,商事留置権及び相殺を中心に/坂本寛・・・22

成年後見人の職務についての若干の考察/山本陽一・・・37

スウェーデン,ノルウェー,フィンランドにおける裁判外紛争処理の実情(下)
 ―消費者紛争及び医事紛争に関するADRを中心として/石井芳明・・・53

刑事控訴審における事実誤認の審査方法について/井戸俊一・・・63


【判例紹介】

最高裁判例
[憲 法]
1(1最高裁第一小法廷平23.9.22判決[平21(行ツ)73],2最高裁第二小法廷平23.9.30判決[平21(行ツ)173])・・・75
 長期譲渡所得に係る損益通算を認めないこととした平成16年法律第14号による改正後の租税特別措置法31条の規定をその施行日より前に個人が行う土地等又は建物等の譲渡について適用するものとしている平成16年法律第14号附則27条1項と憲法84条

[地方自治法]
2(最高裁第一小法廷平23.10.27判決[平22(行ツ)463])・・・86
 市の住民が市長に対し損失補償契約に基づく金融機関等への公金の支出の差止めを求める訴えが不適法とされた事例

行政裁判例
[行政法一般]
3(東京地裁平22.1.29判決[平20(行ウ)261,平20(行ウ)273,平20(行ウ)274])・・・93
 1 ミャンマー連邦の国籍を有する夫婦に対してされた難民の認定をしない処分が違法とされ,そのことから退去強制令書発付処分及び出入国管理及び難民認定法61条の2の2第2項による在留特別許可をしない旨の処分が違法又は無効とされた事例
 2 当該外国人が難民であることは,出入国管理及び難民認定法49条に基づく異議の申出には理由がない旨の裁決の違法事由とはならない
 3 難民である外国人の子に対してされた裁決及び退去強制令書発付処分が違法とされた事例
  
[行政争訟法]
4(東京高裁平22.9.15判決[平21(行コ)347])・・・111
 漁港漁場整備法に基づく漁港区域内の公共空地及び水面の一部占用許可申請についてされた不許可処分に裁量権を逸脱又は濫用した違法はないとされた事例

[国家補償法]
5(福岡高裁平22.9.29判決[平22(ネ)91])・・・126
 事前に辞退届出書を提出していた被保護者に対する生活保護の廃止処分について,国家賠償法上の違法性は認められないとして,国家賠償請求を棄却した事例

[租税法]
6(名古屋地裁平21.9.30判決[平19(行ウ)94])・・・137
 商品先物取引に関し商品取引員から不法行為に基づく損害賠償金として受け取った和解金が,平成22年法律第6号による改正前の所得税法9条1項16号,平成22年政令第50号による改正前の所得税法施行令30条2号の非課税所得に当たるとされた事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
7(東京地裁平22.8.24判決[平19(ワ)2740])・・・153
 心臓外科手術に伴う人工心肺中の医療事故について,被告大学が作成した調査報告による名誉毀損と懲戒権の濫用に基づく損害賠償請求が消滅時効等を理由として認められなかった事例
  
[集団的労働関係]
8(東京地裁平22.7.22判決[平21(行ウ)364])・・・166
 1 不当労働行為救済申立てに係る請求期間の徒過の有無について,申立人が請求期間内に申し立てた後,同一の不当労働行為を構成する具体的事実に基づいて請求する救済の内容を追加・変更したとしても,請求期間徒過の問題を生じないとされた事例
 2 会社の組合に対する団体交渉における態度が,組合の要求や主張に対し,単に否定的な結論のみを述べたり,若干の形式的理由を述べるに過ぎないとして,不誠実団交に当たるとされた事例

民・商事裁判例
[民 法]
9(東京地裁平22.9.28判決[平18(ワ)15413])・・・178
 株式の信用取引において顧客が証券会社に預託する委託保証金の率が前引け又は大引けの時点で10%を下回った場合に証券会社が任意に,顧客の計算において,顧客の全建玉を決済することができるとする信用取引契約の効力

10(東京地裁平22.10.29判決[平19(ワ)31252])・・・188
 元横浜市長の地位にあったXについてYがその発行する週刊誌において3号連続で執筆,編集,掲載した各記事が,Xの名誉を毀損するものであるとして,Xに対する損害賠償の支払及び謝罪広告の掲載が認められた事例

[商 法]
11(東京高裁平22.11.25判決[平22(ネ)1247])・・・203
 1 生命保険契約の保険契約者が死亡保険金受取人の承諾を得ないで保険金請求権に質権を設定した場合と被保険者の死亡によって発生した保険金請求権の帰属
 2 生命保険契約の保険契約者が死亡保険金受取人の承諾を得ないで保険金請求権に質権を設定した場合と被保険者の死亡によって発生した保険金を保険金受取人に支払った保険会社の免責

[知的財産]
12(知的財産高裁平22.5.12判決[平21(行ケ)10256])・・・220
 特許無効理由として,刊行物に記載された引用発明に周知技術を適用して容易に得ることができる発明に,別の刊行物に記載された発明を適用することによって,本件発明を容易に想到することができると主張することは,主張自体失当であるとされた事例
  
13(知的財産高裁平22.3.29判決[平21(行ケ)10306])・・・234
 「いなば和幸」の文字から成る商標が「とんかつ和幸」の文字から成る商標と類似しないとした事例

[諸 法]
14(東京地裁平23.6.29判決[平22(ワ)17640])・・・244
 位置指定道路である私道の所有者が,当該私道及び公道と接している土地の所有者に対し,当該土地上の建物に出入りする者の私道通行の禁止を求めたのに対し,自動車通行等のみが禁じられた事例

刑事裁判例
[刑 法]
15(大阪地裁平23.7.22判決[平22(わ)5331])・・・251
 実弟から顔面を手拳で殴打されるなどの暴行を加えられた被告人が,実弟の背後から腕を首に回して締めつけて窒息死させたという傷害致死の事案において,被告人には被害者の首を絞めているという認識がなく,自己の身体を防衛するため相当な行為をするつもりで誤ってその限度を超えたものであり,防衛行為が過剰であることを基礎づける事実の認識に欠けていたとして,誤想防衛の成立が認められ,無罪が言い渡された事例

論説紹介

大阪民事実務研究会
児童生徒のいじめ自殺訴訟の現状
ー因果関係を中心に/横田昌紀・・・4

国を当事者とする訴訟における法律問題④
周辺住民等の原告適格をめぐる諸問題/石垣智子・・・30

スウェーデン,ノルウェー,フィンランドにおける裁判外紛争処理の実情(上)
ー消費者紛争及び医事紛争に関するADRを中心として/石井芳明・・・46

裁判員裁判における法律概念に関する⑧[大阪刑事実務研究会]
共犯(2)裁判員に対する共犯概念の説明の在り方に関する具体的・実践的研究(下)/畑山 靖・渡部市郎・今井輝幸・・・56

ブック・レビュー 瀬木比呂志 著『法曹制度・法曹倫理入門ー法律家の在り方と関連諸制度』
内なる法曹倫理ー良き法律家として生きるために/伊藤 眞・・・71


判例紹介

最高裁判例
[憲 法]
1(最高裁第一小法廷平23.7.7判決)・・・73
 卒業式の開式直前に保護者らに対して大声で呼び掛けを行い,これを制止した教頭らに対して怒号するなどし,卒業式の円滑な遂行を妨げた行為をもって刑法234条の罪に問うことが,憲法21条1項に違反しないとされた事例
[民事訴訟法]
2(最高裁第三小法廷平23.9.30決定)・・・76
 補助参加を許可する旨の原々決定を即時抗告の相手方に不利益なものに変更するに当たり,即時抗告申立書の副本の送達又はその写しの送付をしなかった原審の措置には,抗告審における手続保障の観点から見て配慮に欠けるところがあったものの,その審理手続に裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとはいえないとされた事例
  
[刑事訴訟法]
3(最高裁第二小法廷平23.7.25判決)・・・79
 通行中の女性に対して暴行,脅迫を加えてビルの階段踊り場まで連行し,強いて姦淫したとされる強姦被告事件について,被害者とされた者の供述の信用性を全面的に肯定した第1審判決及び原判決の認定が是認できないとされた事例

4(最高裁大法廷平23.5.31決定)・・・92
 最高裁判所長官として裁判員制度の実施に係る司法行政事務に関与したことが同制度の憲法適合性を争点とする事件についての忌避事由に当たるか

行政裁判例
[行政争訟法]
5(名古屋地裁平22.11.8決定)・・・94
 タクシー業者の運賃据置の認可申請を却下した運輸局長の処分について,違法と判断し,従前の運賃による認可処分の仮の義務付けが認められた事例

[国家補償法]
6(東京地裁平22.1.27判決)・・・101
 いわゆる「宅下げ」に関する検察官の行為について,弁護人の接見交通権を侵害する違法があるとされた事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
7(東京地裁平22.3.15判決)・・・113
 食品メーカーにおいて物流管理等の業務に従事していた従業員が,持病の気管支喘息を悪化させ,その発作から心臓停止に至り死亡した場合について,業務起因性が肯定された事例
  
民・商事裁判例
[民 法]
8(東京地裁平22.2.19判決)・・・130
 1 建物新築工事に関し,予定された工程は一応終了しているとして仕事の完成が認められた事例
 2 建物新築工事の注文者が瑕疵修補に代わる損害賠償債権をもって請負代金債権との同時履行を主張することは信義則に反するとされた事例

9(東京地裁平23.1.26判決)・・・148
 構造計算書の偽装された分譲マンションの建築確認及び完了検査を実施した建築基準法上の指定確認検査機関又はその確認検査員がその偽装を看過したことにつき,過失があるということはできないとされた事例

10(東京地裁平23.1.26判決)・・・159
 漁港内の航路筋に無灯火で錨泊中の台船に,未明に航行中の漁船が衝突した事故につき,台船側に7割の過失があったとして,その損害賠償責任が認められた事例

11(高松地裁平22.3.29判決)・・・165
 キアリー骨盤骨切り術を受けた患者が下肢深部静脈血栓症・肺塞栓症により死亡したことについて,手術と術後管理を担当した整形外科医に予防義務,検査義務(具体的予見義務),治療義務違反の過失がなかったとして,その損害賠償責任が否定された事例
  
[知的財産]
12(知的財産高裁平22.3.24判決)・・・184
 1 引用発明がローカルエリア・ネットワーク内のサーバーに対する「インターネットの至る所」からのクライアントによるアクセスを確立する方法であるのに対し,本件発明はそのようなアクセスを実現するためのフラグシップ・ホストに相当するサーバーの存在及びその機能としての「リダイレクト」を採用するものではないなどとして,本件発明は引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえないとされた事例
 2 特許法100条2項に基づくサーバーの除却請求については,対象となるサーバーがその機能を果たさなくなるようにプログラムを削除したり消去したりすることを含むものとして除却を認容し,データベースの除却請求については,その性質上除却の対象になじまないとして消去を認める限度で認容するのが相当であるとされた事例
 3 特許権者が特許権を侵害する被控訴人方法の実施について無償でこれを許諾することは通常考えられないとして,金銭を受領することなく行われた被控訴人方法の実施によっても,特許権者に損害が発生しているとされた事例
 4 控訴人の損害額を立証するために必要な事実を立証することは,その性質上極めて困難であるとして,特許法105条の3の規定も適用して損害が算定された事例
  
13(知的財産高裁平20.4.17判決)・・・205
 1 被告が製造販売する紙おむつが,原告の特許権の技術的範囲に属し,原告の特許権には特許法104条の3所定の無効理由はないと判断された事例
 2 特許法102条3項に基づいて損害額が算定された事例

[諸 法]
14(東京地裁平23.3.10判決)・・・236
 1 仲裁合意の物的範囲を判断するための準拠法
 2 妨訴抗弁の主張が権利の濫用となるか否かを判断する場合の準拠法
  
[民事訴訟法]
15(東京地裁平22.5.13決定)・・・241
 捜査機関の嘱託を受けて医師である鑑定受託者が作成し所持している司法解剖の鑑定書の控え等について,民事訴訟法220条4号ホが定める刑事事件関係書類等に該当しないなどとして,文書の提出が命じられた事例

[民事執行法]
16(東京高裁平23.2.16決定)・・・244
 裁判所は,転付命令発令の審査に当たって,差押えの競合の有無を審査する必要はないとされた事例

刑事裁判例
[刑 法]
17(大阪高裁平23.2.24判決)・・・248
 被告人を無期懲役に処する旨の強盗殺人事件についての前裁判が確定している場合に,その確定裁判の余罪となる同様の強盗殺人被告事件について,原審が被告人を無期懲役に処し,検察官が死刑を求めて控訴したが,控訴を棄却した事例
●記事紹介

国を当事者とする訴訟における法律問題3
国家賠償請求訴訟における消滅時効と除斥期間
/目黒大輔・・・4

労働審判の経験を踏まえた自庁調停
/和久田斉・・・18

独占禁止法の新たな展開26
平成23年の企業結合審査手続の見直し
/村上政博・・・36

裁判員裁判における法律概念に関する諸問題7[大阪刑事実務研究会]
共犯(2)
裁判員に対する共犯概念の説明の在り方に関する具体的・実践的研究(上)
/畑山靖・渡部市郎・今井輝幸・・・46

ブック・レビュー
現代刑事法の諸問題を紐解く
『植村立郎判事退官記念論文集ー現代刑事法の諸問題』
/石井一正・・・60


●判例紹介

特 報
[民事執行法]
1(最高裁第三小法廷平23.9.20決定)・・・65
1 債権差押命令の申立てにおける差押債権の特定の有無の判断基準
2 大規模な金融機関の全ての店舗又は貯金事務センターを対象として順位付けをする方式による預貯金債権の差押命令の申立ての適否

最高裁判例
[個別的労働関係]
1(最高裁第三小法廷平23.7.12判決)・・・70
市立小学校又は中学校の教諭らが勤務時間外に職務に関連する事務等に従事していた場合において,その上司である各校長に上記教諭らの心身の健康を損なうことがないよう注意すべき義務に違反した過失があるとはいえないとされた事例

[民 法]
2(最高裁第二小法廷平23.9.30判決)・・・76
貸金業者Yとその完全子会社である貸金業者Aの顧客Xとが,金銭消費貸借取引に係る基本契約を締結するに当たり,YがXとの関係において,AのXに対する債権を承継するにとどまらず,AのXに対する債務についても全て引き受ける旨を合意したものと解された事例

3(最高裁第一小法廷平23.7.21判決)・・・81
最高裁平成17年(受)第702号同19年7月6日第二小法廷判決のいう「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵」の意義

[民事訴訟法]
4(最高裁第三小法廷平23.7.27決定)・・・85
家事審判法9条1項乙類に掲げる事項につき他の家庭に関する事項と併せて申し立てられた調停が成立しない場合における審判への移行の有無

行政裁判例
[行政争訟法]
1(さいたま地裁平23.2.2判決)・・・87
知事が,原告の行う広告表示等につき特定商取引に関する法律違反があるとして,業務停止命令に先立って原告から提出された弁明書の内容を考慮せず,広告表示について訂正が行われるか否かを確認することなく業務停止を命じたことには裁量権を濫用した違法があるとして,当該業務停止命令を取り消した事例

[国家補償法]
2(福岡高裁平22.11.26判決)・・・98
医療刑務所に収容されていた受刑者が自殺したことについて,担当医師ら刑務所職員には適切な診療や,自殺防止の措置を怠るなどの過失は認められないとして,国家賠償請求を棄却した事例

[地方自治法]
3(佐賀地裁平23.1.21判決)・・・112
市が随意契約の方式により締結した浄化槽維持管理等の業務委託契約の締結が違法であるとされた事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京地裁平22.6.29判決)・・・127
業界新聞の編集長に対する懲戒解雇無効に基づく地位確認等請求について,雇用主に対し,雇用契約上の地位確認,賃金の支払いだけでなく,謝罪広告の掲載と不当解雇に基づく慰謝料の支払いが命じられた事例

民・商事裁判例
[民 法]
1(東京高裁平23.5.30判決)・・・137
1 市長選挙候補者が市税を滞納している旨の全国紙(県版)の記事につき,現に滞納していることの真実性は認められないが,取材に応じた候補者の回答から誤信したことに相当な理由があるとして名誉毀損の成立が否定された事例
2 市長選挙候補者が市税を滞納している旨の新聞記事を掲載されたことにつき,記者が取材することなく報道したもので妨害記事である旨のビラを日刊各紙に約1万3000部を折り込んで配布したこと等が報道機関に対する名誉毀損に当たるとされた事例
3 弁護士が受任事件に関して記者会見をする場合には,その発言が第三者の名誉毀損に当たるとしても,依頼者は弁護士に対し意図的に虚偽の情報を提供する等して,その判断を誤らせた等の特段の事情がない限り,弁護士の発言について,不法行為責任を負うものではない

2(東京地裁立川支部平23.4.25判決)・・・147
1 弁護士法人との間の債務整理委任契約につき,要素の錯誤が存するとは認められないとされた事例
2 辞任・解除が相当でない特段の事情があり,弁護士法人の帰責事由による委任契約の終了に当たると判断して,依頼者の帰責事由による正当な解除の場合に認められる約定の弁護士報酬に充当したから依頼者に返還すべき預り金は存しないとの弁護士法人の主張を排斥した上,それまでの委任事務の処理状況に照らして,相当と認められる報酬額を控除した預り金残金の返還義務があると判断した事例
3 弁護士法人の代表社員たる弁護士が,元依頼者との間の紛争に関する交渉において,元依頼者側に送付した書面の記載につき,元依頼者の名誉又は名誉感情を損害賠償を認めるに足りるほどの違法性をもって,侵害するものとは認められないとされた事例

3(名古屋高裁平23.4.14判決)・・・158
シンジケートローンにおけるアレンジャーの情報提供義務違反が肯定された事例

4(東京地裁平22.11.25判決)・・・178
1 芸能人等有名人が,広告に出演する場合に,広告主の事業内容・商品等について,常に調査しなければならないという一般的な注意義務を認めることは,過度の負担を強いるものであって相当でない
2 有名人が,広告に出演する場合に,調査義務を負うか否か及びその程度等については,個別具体的に,当該有名人の職業の種類,知名度,経歴,広告主の事業の種類,広告内容などを総合して判断すべきである

[知的財産]
5(知的財産高裁平23.2.8判決)・・・190
名称を「液体収納容器,該容器を備える液体供給システム,前記容器の製造方法,前記容器用回路基板および液体収納カートリッジ」とする発明について,進歩性を欠くとして特許を無効とした審決を取り消した事例

6(知的財産高裁平22.9.22判決)・・・212
1 特許法112条の2第1項所定の「その責めに帰することができない理由」とは,通常の注意力を有する当事者が通常期待される注意を尽くしてもなお避けることができないと認められる事由により追納期間内に納付できなかった場合をいう
2 当事者から委託を受けた者にその責めに帰することができない理由があるといえない場合には,特許法112条の2第1項所定の「その責めに帰することができない理由」には当たらない

7(知的財産高裁平22.3.17判決)・・・219
「berry mobile」の文字から成り,指定役務を「携帯電話による通信」とする商標が「BlackBerry」の文字部分を含む商標と類似するとした事例

8自動装着機事件(知的財産高裁平21.8.20判決)・・・226
「自動装着機の作動方法,自動装着機,自動装着機用の交換可能なコンポーネント,並びに自動装着機と交換可能なコンポーネントとからなるシステム」とする発明に係る特許出願における補正を却下した審決の判断が誤りであるとして,同審決が取り消された事例

刑事裁判例
[刑 法]
1(東京高裁平22.6.22判決)・・・234
幻視等を見るなどしながら行われた殺人,死体損壊,死体遺棄の犯行につき,各犯行当時被告人が短期精神病性障害にり患し,行動制御能力を喪失していたとする鑑定の信用性を否定し,被告人に精神障害はなかったとする鑑定の信用性を肯定し,被告人に完全責任能力を認めた事例

[特別刑法]
2(福岡高裁平23.1.27判決)・・・250
福岡県青少年健全育成条例(いわゆる淫行条例)違反事件につき被害者の供述の信用性判断を誤った事実誤認があるとして控訴審が1審判決を破棄し無罪を言い渡した事例
●記事紹介

国を当事者とする訴訟における法律問題1
国を当事者とする訴訟における法律問題について――特集の目的と概要
/中山孝雄・・・4

国を当事者とする訴訟における法律問題2
規制権限の不行使をめぐる国家賠償法上の諸問題について――その1
/二子石亮・鈴木和孝・・・7

判例展望民事法55
弁済供託をめぐる裁判例と問題点
/新谷貴昭・・・26

企業間取引訴訟の現代的課題8[現代企業法研究会]
不正競争防止法上保護される秘密情報
「秘密管理性」要件と「示された」要件の検討
/石田晃士・・・37

裁判員裁判における法律概念に関する諸問題6[大阪刑事実務研究会]
共犯(1)
共謀共同正犯の成立要件(下)
/杉田宗久・平城文啓・仁藤佳海・・・50


●判例紹介

最高裁判例
[行政法一般]
1(最高裁第一小法廷平23.7.14判決)・・・73
介護保険法上の指定居宅サービス事業者等の指定を府知事から受けた事業者が,不正の手段によって当該指定を受けた場合において,市から受領した居宅介護サービス費等につき介護保険法(平成17年法律第77号による改正前のもの)22条3項に基づく返還義務を負わないとされた事例

[行政争訟法]
2(最高裁第一小法廷平22.11.25決定)・・・78
検察審査会法41条の6第1項所定の検察審査会による起訴をすべき旨の議決の適否につき行政事件訴訟を提起して争い,これを本案とする行政事件訴訟法25条2項の執行停止の申立てをすることができるか

[民 法]
3(1最高裁第一小法廷平23.3.24判決,2最高裁第三小法廷平23.7.12判決)・・・81
1 消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約が消費者契約法10条により無効となる場合(1事件)
2 消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約が消費者契約法10条により無効ということはできないとされた事例(1事件)
3 消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約が消費者契約法10条により無効ということはできないとされた事例(2事件)

[特別刑法]
4(最高裁第一小法廷平23.8.24決定)・・・93
遊客において周旋行為の介在を認識していなかったことと売春防止法6条1項の周旋罪の成否

[刑事訴訟法]
5(最高裁第三小法廷平23.8.31決定)・・・95
弁護人に対し証拠開示することを命じる旨求めた弁護人からの証拠開示命令請求(刑訴法316条の26第1項)の棄却決定に対する即時抗告提起期間の起算日

行政裁判例
[行政法一般]
1(東京地裁平22.7.28判決)・・・98
障害者自立支援法に基づく介護給付費の支給決定処分において身体障害者の申請に係る外出介護の時間数の一部につき支給量として算定しないものとされた場合に,処分行政庁の判断には裁量権の範囲を超えた違法があるとして当該処分の一部の取消請求が認容され,処分行政庁の職員には過失がないとして国家賠償請求が棄却された事例

2(東京地裁平22.2.19判決)・・・146
インドシナ戦争の際にベトナムからタイに逃れた難民の子としてタイで生まれ育った外国人に対してされた退去強制令書発付処分が,当該外国人は入国審査官から国籍国とされたベトナムに送還される旨の説明を受けておらず,希望するタイに送還されるものと誤信していたことから,当該外国人がした口頭審理請求権の放棄の意思表示は無効であるとして,取り消された事例

[国家補償法]
3(東京高裁平23.2.23判決)・・・156
いわゆる耐震強度偽装建物の建築確認を行った建築主事に職務上の注意義務違反がないとされた事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京地裁平22.4.13判決)・・・166
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の趣旨・目的に照らすと,特別嘱託社員についても従業員の希望に応じて有期雇用契約が更新される旨の労使慣行が存在したとする原告らの主張が認められず,同慣行を根拠とする地位確認等請求がいずれも棄却された事例

民・商事裁判例
[民 法]
1(大阪地裁平23.2.7判決)・・・176
競売不動産の元所有者の買受人に対する固定資産税等の日割精算額の不当利得返還請求が否定された事例

2(大阪地裁平22.11.29判決)・・・180
Xに建設用機械を販売し,Xの依頼により継続的にその改修を行っていたYの改修拒絶について,改修に応ずべき信義則上の義務が当該改修拒絶の時点では既に消滅していたとして,Yの違法性が否定された事例

3(東京地裁平22.10.6判決)・・・191
契約締結上の過失に基づく損害賠償請求について,信頼利益侵害の主張・立証がないとして棄却された事例

4(東京地裁平22.3.4判決)・・・200
結節性硬化症に罹患していた患児について,継続的に歩行障害や嘔吐の訴えがなされていた場合,担当医師は,頭部CT検査等を行う義務があり,これを怠った点について過失が認められる

[知的財産]
5(知的財産高裁平23.3.23判決)・・・217
「スーパーオキサイドアニオン分解剤」との発明(用途発明)に係る特許について,引用例の記載と実質的には同一のものであり,新規性を欠くとして,審決が取り消された事例

[諸 法]
6(東京高裁平22.9.29判決)・・・227
1 郵便事業会社が転居届に関わる情報について負う守秘義務と弁護士法23条の2に基づく照会に対する報告義務の優劣関係
2 弁護士法23条の2に基づく照会に対する報告拒絶と不法行為の成否

刑事裁判例
[刑事訴訟法]
1(東京地裁平23.3.30判決)・・・237
1 覚せい剤所持で逮捕された被疑者に対する任意採尿手続に重大な違法があるとして,尿の鑑定書の証拠能力を否定し,覚せい剤自己使用について無罪を言い渡した事例
2 情況証拠から覚せい剤所持の故意を推認した事例
●記事紹介

医療界と法曹界の相互理解のためのシンポジウム 第3回・・・4

すべきことと否定できないこと
「医療界と法曹界の相互理解のためのシンポジウム」誕生へ
/浜 秀樹・・・47

相続預貯金払戻請求訴訟の論点
/安西二郎・・・52

裁判員裁判における法律概念に関する諸問題5[大阪刑事実務研究会]
共犯(1)
共謀共同正犯の成立要件(上)
/杉田宗久・平城文啓・仁藤佳海・・・75


●判例紹介

特 報
[知的財産]
1Yチェア立体商標事件(知的財産高裁平23.6.29判決)・・・106
「肘掛椅子」を指定商品とする立体商標の出願につき,当該商標が商標法3条1項3号に該当し,同条2項に該当しないとして商標登録出願を拒絶すべきものとした審決が,同法3条2項該当性の判断を誤ったものとして取り消された事例

最高裁判例
[憲 法]
1(①最高裁第一小法廷平22.9.27決定,②最高裁第二小法廷平22.9.27決定)・・・120
1 道路整備特別措置法58条,24条3項は実質的には高速道路株式会社に定めを委任していないなどとして,同条項に関する憲法31条,41条,73条6号違反の主張が排斥された事例(①事件)
2 道路整備特別措置法58条,24条3項は実質的には高速道路株式会社に定めを委任していないなどとして,同条項に関する憲法31条,73条6号違反の主張が排斥された事例(②事件)

行政裁判例
[租税法]
1(東京地裁平21.2.27判決)・・・123
遺産分割の合意に基づき相続税の申告をした相続人らが,法定申告期限の経過後,更正請求期間内に,自ら課税負担の錯誤に気付いて遺産分割の変更合意を経てした更正請求において,当初の遺産分割の一部の錯誤無効を更正事由として主張し得るとされた事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京地裁平21.12.21判決)・・・136
出版社の編集担当の契約社員について有期雇用契約の更新合意が成立しており,その地位の継続に対する合理的期待が認められるなどとして,雇用契約上の地位確認と賃金請求が認容された事例

民・商事裁判例
[民 法]
1(大阪地裁平19.1.16判決)・・・143
建物増改築工事の請負契約に関し,多数項目の瑕疵等について判断された事例

2(東京地裁平22.12.17判決)・・・169
刑事事件の弁護を受任した弁護士が被害者との示談交渉をせずその報告もしなかったことが委任契約上の義務に違反するとして,依頼者の損害賠償請求が認められた事例

3(東京地裁平23.4.21判決)・・・174
虚偽の内容の告訴並びに捜査段階及び公判廷での供述をしたことを理由に告訴人兼供述者の当該刑事事件で無罪判決を受けた被告訴人兼被告人に対する不法行為による損害賠償責任が認められた事例

[知的財産]
4モンシュシュ事件(大阪地裁平23.6.30判決)・・・184
1 商品「洋菓子」と役務「洋菓子の小売」の類似性が認められた事例
2 ドメイン名の一部が,商標として使用されていると認められた事例
3 商標法38条3項に基づく使用料相当損害額が算定された事例

5黒糖ドーナツ棒事件(知的財産高裁平23.3.24判決)・・・202
指定商品を「黒糖を使用した棒状形のドーナツ菓子」とする「黒糖ドーナツ棒」との文字を手書き風の文字で2列に縦書きしてなる登録商標(本件商標)につき,本件商標と外観において同一と見られる標章を付した包装が指定商品とされる商品に使用されており,その使用開始時期,使用期間,使用地域,使用態様,当該商品の数量又は売上高等及び当該商品又はこれに類似した商品に関する本件商標に類似した他の標章の存否などの事情を総合考慮するとき,本件商標は,使用をされた結果,登録審決時点において,需要者が商標権者の業務に係る商品であることを認識することができるものになっていたものと認められるとした事例

6(知的財産高裁平22.8.9判決)・・・209
発明の名称を「バッチ配送システムにおけるバッチの最大化方法」とする特許出願に対する拒絶査定不服審判の請求について,同請求は成り立たないとした審決が維持された事例

7(知的財産高裁平22.1.27判決)・・・225
「BOUTIQUE 9」の文字を標準文字で表し,指定商品を第14類「宝飾品,身飾品」,第18類「ハンドバッグ」及び第25類「帽子,その他の被服,履物」等とする商標は,商標法3条1項6号に該当する

[諸 法]
8(東京地裁平23.4.27判決)・・・232
一般社団法人の社員総会において,議長が散会を宣言した後に残留した社員によってされた理事選任決議等が存在しないものとされた事例

[民事執行法]
9(東京高裁平23.6.22決定)・・・243
第三債務者である銀行が事前の弁護士会照会に回答しなかった場合において,複数の店舗の取扱いに係る預金債権の差押えにつき,差押債権をいわゆる支店間支店番号順序方式により表示したときは,債権の特定を欠くとはいえないとされた事例

10(大阪地裁平23.3.25決定)・・・249
中国における仲裁判断に基づく民事執行が許可された事例


刑事裁判例
[特別刑法]
1(東京高裁平22.6.30判決)・・・252
法人税法違反幇助被告事件の量刑にあたって,被告人が脱税に関与したことによって得た報酬額が重要な考慮要素とはなるものの,刑罰は責任に応じたものであることが要請され,幇助犯の懲役刑に併科される罰金刑についても正犯が実現した犯罪行為に幇助犯として加担した行為に対する責任に相応するものでなければならないなどとして,正犯である法人を罰金2200万円,その代表者を懲役1年,3年間執行猶予に処した上,幇助犯である被告人を懲役6月及び罰金2000万円に処し,懲役刑につき3年間執行を猶予した原判決の量刑を相当とし,罰金額を被告人が取得した脱税報酬に相当する4800万円とすべきとする検察官の主張を排斥した事例
●記事紹介

要件事実論講義〔第2講〕
所有権に基づく動産引渡請求訴訟の要件事実(5)
/吉川愼一・・・・・・4

「所有権に基づく動産引渡請求訴訟の要件事実」に対するコメント
/奥田昌道・・・・・・11

企業間取引訴訟の現代的展開7[現代企業法研究会]
M&A取引における説明義務と表明保証責任(中)
/金丸和弘・森田恒平・・・・・・・13

裁判員裁判における法律概念に関する諸問題4[大阪刑事実務研究会]
強盗罪(下)
/長井秀典・田中伸一・安永武央・・・・・・21

ブック・レビュー
石井一正 著『刑事事実認定入門〔第2版〕』
刑事事実認定のお手本
/植村立郎・・・・・・43

ブック・レビュー
井上繁規 著『遺産分割の理論と審理』
遺産分割事件の進行・審理モデルの決定版
/稲田龍樹・・・・・・46



●判例紹介

最高裁判例
[憲 法]
1(①最高裁第二小法廷平23.5.30判決,②最高裁第一小法廷平23.6.6判決,③最高裁第三小法廷平23.6.14判決,④最高裁第三小法廷平23.6.21判決)・・・・・・51
1 公立高等学校の校長が教諭に対し卒業式における国歌斉唱の際に国旗に向かって起立し国歌を斉唱することを命じた職務命令が憲法19条に違反しないとされた事例(①事件)
2 公立高等学校の校長が教職員に対し卒業式等の式典における国歌斉唱の際に国旗に向かって起立し国歌を斉唱することを命じた職務命令が憲法19条に違反しないとされた事例(②事件)
3 公立中学校の校長が教諭に対し卒業式又は入学式において国旗掲揚の下で国歌斉唱の際に起立して斉唱することを命じた職務命令が憲法19条に違反しないとされた事例(③事件)
4 公立高等学校等の校長が教職員に対し卒業式又は入学式において国旗掲揚の下で国歌斉唱の際に起立することを命じた職務命令が憲法19条に違反しないとされた事例(④事件)

[民事訴訟法]
2(最高裁第二小法廷平23.6.3判決)・・・・・・94
土地を時効取得したと主張する者が,当該土地は所有者が不明であるから国庫に帰属していたとして,国に対し当該土地の所有権を有することの確認を求める訴えにつき,確認の利益を欠くとされた事例

行政裁判例
[行政争訟法]
1(東京地裁平22.6.8判決)・・・・・・98
ミャンマー国籍を有する外国人について,出入国管理及び難民認定法2条3号の2並びに難民条約1条及び難民議定書1条にいう難民に該当するとして難民の認定をしない処分等が取り消された事例

[国家補償法]
2(東京地裁平22.8.30判決)・・・・・・112
1 捜査機関が内容を確認せずに電磁的記録媒体の差押えを行ったところ,当該差押えは本件の事情の下では国家賠償法上違法であるとされた事例
2 捜査機関が,捜索差押許可状において捜索場所とされていなかった場所を,捜索場所に該当すると判断し,捜索したことについて,本件の事情の下では当該判断は合理性を欠くとして,国家賠償法上違法であるとされた事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京地裁平22.6.9判決)・・・・・・132
会社の部長職にあった従業員が会社から不正行為の疑いで合計10回の事情聴取を受けた後に自殺したことについて,業務起因性を否定した事例

民・商事裁判例
[民 法]
1(東京地裁平22.6.30判決)・・・・・・158
Xから冷凍食品を購入し,これをAに売却するという介入取引をしていたYについて,同取引に循環取引が含まれることを認識していたとして,循環取引に係る売買代金請求に対する同時履行の抗弁権の主張が排斥された事例

2(東京地裁平22.7.7判決)・・・・・・176
株式会社の取締役が,競業会社に移籍するに当たり,部下である従業員を勧誘し,競業会社に移籍させた場合に,取締役の不法行為責任が肯定され,競業会社の不法行為責任が否定された事例

3(大阪地裁平23.7.25判決)・・・・・・192
出産後に羊水塞栓症を原因とするDICに陥り,転送先で死亡した患者に関し,電話連絡の過誤により輸血の緊急手配が30分程度遅れた病院の措置について,適切な医療行為を受ける期待権を侵害したとして,不法行為と評価し,慰謝料請求を肯定した事例

[知的財産]
4(知的財産高裁平23.2.24判決)・・・・・・210
名称を「球技用ボール」とする特許発明において,発明の目的の相違,阻害事由,周知技術の不可分一体性等により,引用発明に周知技術を適用することができないとして,審決の進歩性の判断に誤りがあったとされた事例


5ピースマーク事件(東京地裁平22.9.30判決)・・・・・・223
被告が販売するTシャツなどに付した「●」(ピースマーク)と類似する図形標章について,被告の登録商標を基調としたキャラクター図形の背景の一部として模様的に描かれており,「ピースマーク」として「平和」を表現するために用いられたものと認識され,商品の出所を想起させるものではないとして,商標的使用該当性を否定した事例

[倒産処理法]
6(名古屋高裁金沢支部平22.12.15判決)・・・・・・242
銀行が顧客から割引依頼を受けて預かった手形を顧客に再生手続が開始された後に取り立て,その取立金を顧客に対する債権の弁済に充当することの可否(積極)

刑事裁判例
[刑事訴訟法]
1(東京高裁平23.3.29判決)・・・・・・250
前科の各証拠のうち犯行に至る契機,犯行の手段方法に関するものが,本件の犯人の同一性を立証するための証拠として関連性があると認められた事例
●記事紹介

裁判員制度の円滑な運用に向けて
―法曹三者の協力(名古屋からの報告)
/名古屋法曹三者小委員会
伊藤納・河瀬由美子・岩井羊一……4

より円滑迅速な証拠開示の運用のために
/名古屋法曹三者問題別研究チーム(証拠開示)
伊藤 納・天野登喜治・金子達也・鈴木朋子・天野太郎・稲垣高志・鈴木典子……7

要通訳事件チェックリストについての解説
/名古屋法曹三者問題別研究チーム(要通訳事件)
岩井羊一・金井正成・稲垣高志・古崎孝司・石井宏・天野登喜治・平手一男……32

障害者が裁判員に選任された場合に法曹関係者として配慮すべきこと
/名古屋法曹三者問題別研究チーム(障害者裁判員への配慮)
芦澤政治・堀内満・寺澤真由美・河原誉子・江口昌英・齋智人・高森裕司・田中伸明・金岡繁裕……35

少年の裁判員裁判について
/手崎政人……42

福岡地方裁判所における民事訴訟の運用改善に向けた取組
―福岡方式の改訂(新福岡プラクティス)と迅速トラックの実施
/菊池浩也・藤田正人……52

要件事実論講義〔第2講〕
所有権に基づく動産引渡請求訴訟の要件事実(4)
/吉川愼一……76


●判例紹介

最高裁判例
[特別刑法]
1(最高裁第一小法廷平23.6.6決定)……92
証券取引法(平成18年法律第65号による改正前のもの)167条2項にいう「公開買付け等を行うことについての決定」の意義

行政裁判例
[行政法一般]
1(東京地裁平22.1.22判決)……96
本邦に不法入国したペルー共和国の国籍を有する夫婦及び本邦で出生した同夫婦の未成年の子らのうち,裁決時14歳であり,その後脳腫瘍が発見された長男についてされた在留特別許可をしないという判断は裁量権の範囲を逸脱したものであるとして,長男に対する裁決及び退去強制令書発付処分が取り消された事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
1 (東京地裁平21.12.24判決)……111
弁護士が会社との間で締結した当該会社の法律業務を包括的に処理することを内容とする契約が労働契約に当たるとされた事例

民・商事裁判例
[民 法]
1(東京地裁平22.10.20判決)……124
債権証書につき,民法94条2項類推適用が認められた事例

2(東京地裁平22.3.8判決)……138
ごみ処理施設の請負工事業者について,当該請負契約上の教育指導義務違反を理由に債務不履行による損害賠償責任が認められた事例

3(盛岡地裁平23.3.4判決)……158
1 ホテルの大浴場の階段部分について,滑りによる転倒防止の安全対策が不十分であるとして債務不履行責任が認められた事例
2 債務不存在確認の訴えで責任の有無が争われている場合において,責任があると判断されたときに,どのような主文にすべきか(請求棄却判決をすることの当否)

4(千葉地裁平21.10.21判決)……167
商品先物取引を勧誘,受託するに当たって,商品取引員の従業員が,断定的判断の提供,説明・助言義務違反,新規委託者保護育成義務違反,違法な両建ての勧誘をしていたとして,商品取引員,従業員に対する不法行為に基づく損害賠償請求が認められた事例(過失相殺4割)

5(広島高裁岡山支部平23.3.18判決)……185
産婦人科の開業医から総合病院に転送された妊婦が出生した新生児に低酸素性虚血性脳症等が生じて後遺障害が残り,その約4年後に同児が死亡したことにつき,上記開業医の転送決定の時期が遅れたなどの過失が否定された事例

6(大津地裁平23.1.13判決)……195
分娩誘発剤投与後に胎児心音が急激に低下し帝王切開により娩出された新生児が重度の虚血性低酸素性脳症に罹患し約2年4か月後に死亡した事案において,病院側には分娩誘発剤の投与に際し分娩監視装置を連続的に装着して分娩監視を行う義務があったのにこれを怠った過失等があるとする新生児の父母からの損害賠償請求について,病院側の過失を否定した事例

[商 法]
7(神戸地裁平22.10.6判決)……210
韓国に輸出中の機械が,航海中に,輸出代行業者が委託した運送業者の船積み方法が不適切であったために損傷した場合に,輸出代行業者の委託契約に基づく債務不履行責任及び運送業者の不法行為責任を認めた事例

8(東京地裁平23.2.7判決)……219
1 CB(転換社債型新株予約権付社債)に関する臨時報告書に,当該CBの払込金をスワップ契約の支払に充てることなどが記載されていなかったことが,金融商品取引法21条の2第1項所定の虚偽記載等に当たるとされた事例
2 同第2項による損害額の推定を認めた上で,虚偽記載等による値下がり以外の事情により生じた損害として,同第5項に基づき推定損害額の一部(7割)を減額した事例
3 再生裁判所の再生債権の査定が,異議裁判所で減額して変更された事例

[知的財産]
9(知的財産高裁平23.3.3判決)……231
工業所有権に関する手続の代理又は鑑定等を指定役務とし,「みずほ」を平仮名書きした登録商標は,密接な関連性を有する役務について「MIZUHO」「みずほ」なる著名な引用商標を使用している被告及び被告グループの業務に係る役務と,広義の混同を生ずるおそれがある商標である

10(知的財産高裁平22.4.28判決)……237
指定商品を「医療用腕環」等とする「ATHLETE LABEL」なる商標と,指定商品を「医療用機械器具」とする「ΛTHLETE」なる登録商標との類否(積極)

[倒産処理法]
11(東京地裁平23.2.8判決)……244
1 再生手続開始前に委託を受けた弁護士の報酬請求権及び費用償還請求権は民事再生法119条1号に該当しない
2 再生手続開始前に委託を受けた弁護士の報酬請求権は民事再生法119条2号に該当しない
3 再生手続開始前に委託を受けた弁護士の費用償還請求権のうち再生手続開始前に発生したものは民事再生法119条2号に該当しないが,再生手続開始後に発生したものは同号に該当する
4 双方未履行双務契約である委任契約について履行の請求が行われたと認められなかった事例

刑事裁判例
[刑 法]
1(東京高裁平22.6.9判決)……252
駅前ロータリー内における衝突事故について,被害車両の同乗者に対する心的外傷後のストレス障害(PTSD)による自動車運転過失傷害罪の成立が否定された事例
●記事紹介

第4回裁判の迅速化に係る検証結果(平成23年7月公表)について
/吉岡大地・西尾洋介・亀村恵子・・・・・・4

要件事実論講義〔第2講〕
所有権に基づく動産引渡請求訴訟の要件事実(3)
/吉川愼一・・・・・・76

判例展望民事法54
財産分与を巡る裁判例と問題点
/近藤幸康・・・・・・86

裁判員裁判における法律概念に関する諸問題3[大阪刑事実務研究会]
強盗罪(中)
/長井秀典・田中伸一・安永武央・・・・・・96


●判例紹介

最高裁判例
[行政法一般]
1(最高裁第三小法廷平23.6.7判決)・・・・・・123
公にされている処分基準の適用関係を示さずにされた建築士法(平成18年法律第92号による改正前のもの)10条1項2号及び3号に基づく一級建築士免許取消処分が,行政手続法14条1項本文の定める理由提示の要件を欠き,違法であるとされた事例

[商 法]
2(最高裁第三小法廷平23.4.26決定)・・・・・・135
吸収合併等によりシナジーその他の企業価値の増加が生じない場合に消滅株式会社等の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」の意義

3(最高裁第三小法廷平23.4.19決定)・・・・・・140
1 吸収合併等によりシナジーその他の企業価値の増加が生じない場合に消滅株式会社等の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」の意義
2 株式買取請求がされた日における吸収合併契約等を承認する旨の株主総会の決議がされることがなければその株式が有したであろう価格を算定するに当たって参照すべき市場株価として,同日における市場株価やこれに近接する一定期間の市場株価の平均値を用いることが,裁判所の裁量の範囲内にあるとされる場合

[民事訴訟法]
4(①最高裁第二小法廷平23.5.18決定,②最高裁第二小法廷平23.5.30決定)・・・・・・152
民訴法38条後段の要件を満たす共同訴訟につき同法7条ただし書により同法9条の適用が排除されるか

5(最高裁第二小法廷平23.4.13決定)・・・・・・155
即時抗告申立書の写しを即時抗告の相手方に送付するなどして相手方に攻撃防御の機会を与えることなく,相手方の申立てに係る文書提出命令を取り消し,同申立てを却下した抗告裁判所の審理手続に違法があるとして職権により破棄された事例

6(最高裁第一小法廷平23.2.17決定)・・・・・・159
1 数人の提起する養子縁組無効の訴えにおいて共同訴訟人の一人が上告を提起した後にされた他の共同訴訟人による上告の適否
2 数人の提起する養子縁組無効の訴えにおいて共同訴訟人の一人が上告受理の申立てをした後にされた他の共同訴訟人による上告受理の申立ての適否

行政裁判例
[地方自治法]
1(高松高裁平23.5.10判決)・・・・・・163
地方公務員(高知県職員)に対する酒酔い運転を理由とする懲戒免職処分を有効と判断して,これを無効とした原判決を取り消し,原告の請求を棄却した事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
1(大阪高裁平22.6.29判決)・・・・・・173
非定型精神病に罹患していた労働者が,懲戒解雇処分を受けたため,同懲戒解雇処分は無効である旨主張して退職金を請求したところ,同懲戒解雇処分は権利濫用に当たらず,退職金の不支給も権利濫用に当たらないとされた事例

民・商事裁判例
[民 法]
1(神戸地裁尼崎支部平22.11.12判決)・・・・・・186
賃貸借契約後10年未満で契約が終了した場合に敷金から40%を差し引くと定める敷引特約が,消費者契約法10条に反し無効とはいえないとされた事例

2(仙台高裁平23.2.10判決)・・・・・・192
県が発注した工事の騒音等により付近の牛舎において発生した牛の死傷等の被害について,騒音等がその程度及び継続期間において受忍限度を超えるとされ,県及び工事業者に対する損害賠償請求が一部認容された事例

3(東京地裁立川支部平22.11.29判決)・・・・・・205
第二次大戦時に建設した地下壕の崩落により地上の建物が傾斜するなどの被害が発生した場合,同地下壕の保存に瑕疵があるとして,国の民法717条1項の責任が認められた事例

[商 法]
4(東京地裁平22.11.29判決)・・・・・・215
会社分割により分割会社の有する金銭債権が承継会社・設立会社に承継された場合において,当該債権の債務者が,民法468条2項の類推適用により,当該債権を受働債権とし,自己が分割会社に対して有する反対債権を自働債権としてする相殺をもって,承継会社・設立会社に対抗することができるとした事例

[知的財産]
5合成樹脂製窓材事件(知的財産高裁平22.8.9判決)・・・・・・222
リサイクル樹脂による内層及び未使用の樹脂による外層により構成される合成樹脂製窓材(窓枠)に関する発明について,窓枠の内側,外側及び側面の「少なくとも1つ」において内層と外層が特定の比率を充たすことを特徴とする旨の特許請求の範囲の記載が,技術常識によれば明確であり,発明の詳細な説明も,当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されているとされた事例

6(知的財産高裁平22.7.7判決)・・・・・・229
意匠法3条1項3号所定の意匠の類否判断にあたり,願書に添付した図面に記載され又は願書に添付した写真,ひな形若しくは見本により現された事項及びここから認識できる事項以外の事項を考慮して意匠を認定し得るとすることは,相当でない

[民事訴訟法]
7(名古屋高裁平23.2.17判決)・・・・・・235
プロ野球12球団及び社団法人日本野球機構から試合観戦契約約款に基づき入場券の販売拒否対象者として指定された者が当該指定に係る意思表示の無効確認を求める訴えと確認の利益(消極)

[倒産処理法]
8(東京地裁平23.4.12判決)・・・・・・245
1 民事再生法127条の3第1項に規定する「担保の供与又は債務の消滅に関する行為」の意義
2 再生債務者が債権者である金融機関に開設し,当該金融機関に対する債務の弁済のために使用していた普通預金口座に再生手続開始の申立ての直前に振込みをし,その後当該金融機関が再生債務者に対する債権を自働債権として相殺をした場合において,当該振込み又は当該振込み及び相殺を一体と見た行為がいずれも否認の対象とならないとされた事例

刑事裁判例
[刑 法]
1(東京高裁平22.9.28判決)・・・・・・252
危険運転致死傷罪にいう「進行を制御することが困難な高速度」に当たるとされた事例
●記事紹介

専門委員の関与のあり方
――理論的考察と関与モデルの紹介
/林 圭介……4

期間の定めのある雇用契約における雇止めをめぐる裁判例と実務
/多見谷寿郎……30

解雇予告手当・時間外手当・退職金請求・付加金をめぐる裁判例と実務
/本多幸嗣……38

管理監督者性をめぐる裁判例と実務
/福島政幸……45

「相当量の循環取引が含まれることの認識・容認」というフレームワーク(下)
――循環取引に関する法的争点を接合する統一的な判断枠組み
/遠藤元一……61

訴訟上の和解をめぐる若干の疑問
/石川 明……72

裁判員裁判における法律概念に関する諸問題2[大阪刑事実務研究会]
強盗罪(上)
/長井秀典・田中伸一・安永武央……76


●判例紹介

特 報
[民 法]
1(東京高裁平23.5.20判決)……98
1 反対同盟が所有する成田空港内の建物を収去してその敷地の明渡しを求める訴えが,現在の給付を求める訴えとして訴えの利益があり,適法であるとされた事例
2 上記建物の敷地の占有権原の抗弁について,無償又は有償の地上権の設定,賃貸借契約の締結及び地上権又は賃借権の時効取得がいずれも否定された事例
3 検証申出の不採用,ビデオリンク方式による証人尋問の実施及びその後の同一証人の尋問申出の不採用等に関する第1審の手続に違法はないとされた事例
4 原告の附帯控訴による仮執行宣言の申立てに基づき,建物収去土地明渡請求を認容した第1審判決主文について,控訴審判決において仮執行宣言を付した事例

憲法裁判例
[憲 法]
1(東京高裁平22.5.13判決)……123
1 国家公務員法102条1項,人事院規則14―7・6項7号による政党の機関紙の配布の禁止と憲法21条
2 国家公務員法102条1項,人事院規則14―7・6項7号の禁止に違反する機関紙の配布に国家公務員法(平成19年法律第108号による改正前のもの)110条1項19号の罰則を適用することが憲法21条,31条に違反しないとされた事例

行政裁判例
[租税法]
1(東京地裁平22.9.29判決)……133
1 出訴期間内に訴え提起があったものと同視できるか,少なくとも出訴期間を遵守することができなかったことにつき「正当な理由」があるとされた事例
2 家屋に設置された昇降機設備が,当該家屋と一体のものではないことを理由として固定資産課税台帳に登録された当該家屋の価格の減額を求める審査の申出を固定資産評価審査委員会に対してすることが,できるとされた事例

[地方自治法]
2(津地裁平22.12.24判決)……141
元町長が同町に存した不正経理問題に関し適切な是正措置を執らなかったことを原因として同町の住民が提起した住民訴訟ないし行政訴訟に係る訴えが適法な監査請求を経た訴えであるとはいえないとして,また,行政訴訟としての訴えの適格性に欠けるとして,いずれも却下された事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
1(大阪地裁平22.12.22判決)……149
1 JR西日本福知山線脱線事故により精神症状に罹患したことを契機として休職中であった被告従業員による車掌として就労させる義務等職場復帰措置義務の確認を求める訴えが不適法であるとして却下された事例
2 鉄道事業者が利用者に対して負担する運送契約上の注意義務の態様・程度と,従業員に対して労働契約上負担する安全配慮義務の態様・程度とは,異なることを踏まえて,被告には,原告主張に係る各種義務違反の事実がなく,民法415条(安全配慮義務違反)及び同法709条に基づく請求を否定するとともに,同法715条に基づく損害賠償請求権は時効により消滅しているとされた事例

民・商事裁判例
[民 法]
1(東京高裁平22.12.24判決)……162
1 権利能力のない社団に対する債権者は,当該社団の所有(総有)に属する不動産が第三者の名義で登記されている場合には,当該社団及び当該第三者との間において,当該不動産が当該社団の所有に属する旨を確認する判決を求めることができる
2 権利能力のない社団に対する債権者は,当該社団の所有(総有)に属する不動産が第三者の名義で登記されている場合には,当該社団に代位して,当該第三者に対して,当該不動産の登記名義を当該社団の代表者に変更する旨の所有権移転登記手続を求めることができる

2(大阪地裁平23.3.23判決)……181
いわゆるドロップシッピングサービスが特定商取引に関する法律上の業務提供誘引販売取引に該当するとして,クーリング・オフによる契約解除が認められた事例

3奄美ひまわり基金法律事務所弁護過誤訴訟控訴審判決(福岡高裁宮崎支部平22.12.22判決)……192
債務整理事件を受任した公設事務所の弁護士の説明義務違反及び委任事務処理義務違反を理由とする元依頼者からの損害賠償請求が棄却された事例

4(札幌地裁平23.2.25判決)……201
会社社長の詐欺容疑逮捕に関するテレビジョンの報道番組について,社長に対する名誉毀損の不法行為の成立が認められた事例

5(東京高裁平22.5.20決定)……207
相続人甲が寄与相続人であるとともに特別受益相続人でもある事案において,同人が持戻しを命じられた特別受益の全体額が具体的相続分を超過する場合,その超過した特別受益の部分を審判により認定された寄与分から更に差し引くべきではないとして原審の遺産分割及び寄与分の審判を変更した事例

[商 法]
6(東京高裁平22.11.24判決)……217
金融商品取引法所定の関係書類の虚偽記載等を原因とする株価の下落を理由とする株主の損害賠償請求権を再生債権として査定するに当たり金融商品取引法21条の2第4項,第5項所定の「当該書類の虚偽記載等によって生ずべき当該有価証券の値下り以外の事情により生じたこと」の証明がない場合と同第5項所定の「相当な額の認定」の可否(消極)

[知的財産]
7(知的財産高裁平22.11.30判決)……227
「ハーブヨーグルトン」等の複数の文字及び双葉模様や豚のシルエット等の複数の図形からなる本件商標が,「ヨーグルトン」の片仮名を標準文字で表記した引用商標に類似するとした審決が維持された事例

8(知的財産高裁平21.11.26判決)……235
小売業者が「elle et elles/エルエエル」等の表示の下に婦人用下着を陳列販売し,婦人用下着の広告について上記表示をしたことは,「被服,布製身回品,寝具類」を指定商品とする「elle et elles」の本件商標の使用に当たる

[民事訴訟法]
9(東京地裁平23.3.28判決)……241
1 アメリカ合衆国カリフォルニア州の裁判所が言い渡した判決について,その内容及び訴訟手続が日本における公の秩序又は善良の風俗に反しないとされた事例
2 確定した執行判決のない外国裁判所の判決に対する請求異議の訴えが不適法とされた事例

刑事裁判例
[特別刑法]
1(東京高裁平21.10.20判決)……249
1 店舗に回胴式遊技機を設置し従業員十数名を用いて常習賭博を行っていた経営者の行為につき組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律3条1項1号が適用された事例
2 財産上不正な利益を得る目的で行う回胴式遊技機による常習賭博においてあらかじめ賭客から取得した賭金を全額没収・追徴することの可否
●記事紹介

要件事実論講義〔第2講〕
所有権に基づく動産引渡請求訴訟の要件事実(2)/吉川愼一・・・・・・4

判例展望民事法53
「訴権の濫用」をめぐる裁判例と問題点/西田昌吾・・・・・・12

企業間取引訴訟の現代的展開6[現代企業法研究会]
M&A取引における説明義務と表明保証責任(上)/金丸和弘・森田恒平・・・・・・26

独占禁止法の新たな展開25
課徴金額の算定実務と裁量型課徴金の創設/村上政博・・・・・・34

裁判員裁判における法律概念に関する諸問題1[大阪刑事実務研究会]
覚せい剤輸入罪における故意/岩倉広修・小松本卓・三村三緒・・・・・・47

ブック・レビュー
兼子一原著/松浦馨・新堂幸司・竹下守夫・高橋宏志・加藤新太郎・上原敏夫・高田裕成
『条解民事訴訟法〔第2版〕』/山本和彦・・・・・・80


●判例紹介

特 報
[民 法]
1信楽高原鐵道列車事故求償金請求訴訟(大阪地裁平23.4.27判決)・・・・・・87
1 第三セクター社の営業路線内で,同路線に乗り入れていたJR西日本の列車が第三セクター社の列車と正面衝突して多数の死傷者が発生した事故に関し,JR西日本が,第三セクター社並びに同社に出資,支援をする県及び市(事故当時は町)に対し,事故の被害者らに支払った補償金や事故後の対応に要した費用等を,事故後にこれら四者で締結した協定等に基づき求償請求した事案において,事故当事者の責任割合を,第三セクター社7割,JR西日本3割であると認定した事例
2 県及び市が,事故後の協定等において,JR西日本に対し,第三セクター社の支払不能によってJR西日本が負う損失を担保する旨の損失補償契約(損害担保契約)をしたとは認められないなどとして,JR西日本の県・市に対する請求を棄却した事例
3 1を前提として,事故におけるJR西日本の損害を算出した事例
4 求償債権成立時点に関する判断事例

最高裁判例
[集団的労働関係]
1(最高裁第三小法廷平23.4.12判決)・・・・・・165
住宅設備機器の修理補修等を業とする会社と業務委託契約を締結してその修理補修等の業務に従事する受託者が,上記会社との関係において労働組合法上の労働者に当たるとされた事例

[民 法]
2(最高裁第三小法廷平23.3.22判決)・・・・・・172
貸金業者が貸金債権を一括して他の貸金業者に譲渡する旨の合意をした場合における,借主と上記債権を譲渡した業者との間の金銭消費貸借取引に係る契約上の地位の移転の有無

行政裁判例
[国家補償法]
1(東京地裁平22.10.22判決)・・・・・・176
渋谷区情報公開条例(平成元年渋谷区条例第39号)に基づく公文書公開請求に対する非開示決定が違法であるとして,国家賠償請求が一部認容された事例

[租税法]
2(東京高裁平22.7.15判決)・・・・・・181
同一建物に居住しその敷地を共有する者の間で,建物と敷地を分割することに合意し,一方が分割取得した建物部分を取り壊し,その敷地部分を第三者に譲渡した場合において,租税特別措置法35条1項(平成18年法律10号による改正前のもの)の適用が認められた事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京地裁平23.2.15判決)・・・・・・189
1 原告を雇用したのはB事件被告であるからA事件被告に対する解雇無効に基づく賃金請求等は理由がないとしてこれを棄却した事例(A事件)
2 原告とB事件被告との米国ジョージア州における仲裁合意による妨訴抗弁を有効と認めて訴えを却下した事例(B事件)

民・商事裁判例
[民 法]
1(東京地裁平23.1.20判決)・・・・・・195
基本売買契約の当事者である原告(売主)が,被告に対し,連帯保証人である旨主張して売買代金相当額の支払を求めたが,作成された契約書は民法446条2項所定の書面に当たらないとして,原告の請求を棄却した事例

2(東京地裁平21.10.16判決)・・・・・・199
売主が売買契約の目的となった不動産について引渡時までに担保権や賃借権を抹消しておく特約のある不動産売買契約において,売主が民法557条1項所定の「契約の履行に着手する」とは,目的物の引渡や登記の移転に限られず,目的物に係る賃貸借契約を解除して賃借人の賃借権を消滅させることも売主の売買契約の履行の着手といえるとした事例

3(大阪地裁平22.10.21判決)・・・・・・205
土地売買契約の売主から契約交渉の委任を受けていた弁護士について,土地の地中杭を撤去するように依頼者に助言すべき注意義務があったとは認められないとした事例

[商 法]
4(東京地裁平22.11.29判決)・・・・・・212
1 濫用的会社分割について会社法22条1項の類推適用が認められた事例
2 夫婦間の不動産贈与契約が詐害行為に当たるとされた事例

[諸 法]
5(大阪地裁平22.12.2判決)・・・・・・217
1 連鎖販売契約において契約締結時に交付された書面が特定商取引に関する法律37条2項の書面に該当しないとされた事例
2 連鎖販売契約締結時に連鎖販売業に係る商品の販売のあっせんを店舗によらないで行う個人であったとしても,解除の時点においては連鎖販売業に係る商品の販売のあっせんを店舗によらないで行う個人とはいえない場合には,特定商取引に関する法律40条1項に基づく解除はできないとした事例

6(福岡高裁那覇支部平22.11.25判決)・・・・・・235
漁業協同組合に加入申込みをした者は,引受出資額全額の履行をしないときは,組合員たる地位は認められないとした事例

[民事訴訟法]
7(東京地裁平22.12.1判決)・・・・・・240
1 学生スキー競技連盟がその会員に対して行った競技大会への出場を停止する処分等の無効確認請求に係る訴えが,団体の内部問題であるとして不適法とされた事例
2 出場者の参加区分が上位から下位に分かれている競技大会における参加区分の確認請求に係る訴えが,法律上の争訟に当たらず不適法とされた事例

[倒産処理法]
8(東京地裁平22.9.8判決)・・・・・・246
売主に所有権を留保する旨の特約が付された動産売買の買主が民事再生手続開始決定を受けた場合に,民事再生手続開始決定時までに第三者対抗要件を具備していない売主による留保所有権に基づく当該動産の引渡請求等が棄却された事例

刑事裁判例
[刑事訴訟法]
1(東京高裁平22.10.29決定)・・・・・・252
営業上の秘密に当たる資料等に対する提出命令が違法とされた事例
●記事紹介

ソフトウェア開発関係訴訟の手引/東京地方裁判所プラクティス委員会第二小委員会:畠山稔・遠藤東路・宮島文邦・草野克也・行川雄一郎・澤村美洋・高仲元子・今村健太郎・・・・・・4

要件事実論講義〔第2講〕
所有権に基づく動産引渡請求訴訟の要件事実(1)/吉川愼一・・・・・・28

いわゆる過労死及び過労自殺における使用者の損害賠償責任(下)/大島眞一・戸取謙治・・・・・・38

企業間取引訴訟の現代的展開5[現代企業法研究会]
企業間取引契約における責任制限条項をめぐる裁判例/日下部真治・工藤奏子・・・・・・53

「相当量の循環取引が含まれることの認識・認容」というフレームワーク(上)―循環取引に関する法的争点を接合する統一的な判断枠組み/遠藤元一・・・・・・69


●判例紹介

行政裁判例
[国家補償法]
1(東京地裁平23.1.31判決)・・・・・・80
1 不動産競売事件における評価人は国家賠償法1条1項にいう「公権力の行使に当る公務員」に該当しないとした事例
2 不動産競売により売却された土地に,現況調査報告書及び物件明細書に記載のない土壌汚染が存在することが判明したとしても,執行官及び裁判所書記官に過失は認められないとした事例

2(東京地裁平22.4.28判決)・・・・・・87
価格カルテルの共同が不当な取引制限の違反行為に当たるとして排除勧告を受けた各事業者のうち,違反行為の有無及び課徴金の額を争わず審判手続を経ないで課徴金納付命令に応じて課徴金を納付した事業者が,違反行為の有無又は課徴金の額を審判手続で争った各事業者に対して後にされた課徴金の納付命令及び納付審決において,課徴金の算定の基礎となる違反行為の実行期間の終期が,自己に対する課徴金納付命令よりも有利に認定されている等として,国に対し,主位的に国家賠償又は不当利得として課徴金の計算上の差額等の支払を求め,予備的に当該課徴金納付命令の一部取消しの義務付けを求めた事案において,主位的請求が棄却され,予備的請求に係る訴えが却下された事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
1(大阪地裁平22.12.27判決)・・・・・・118
派遣先会社で派遣社員として就労していた原告が,①労働者派遣法違反等を理由として,同会社との間で労働契約が成立していると主張して,同社に対し,労働契約上の権利を有する地位にあることの確認及び賃金支払を求めるとともに,②派遣元会社に対して同社が派遣先会社から取得した金員が原告との関係で不当利得に該当すると主張して,同利得の返還を求め,また,予備的に,③両社に対し,不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において,原告の請求がいずれも棄却された事例

民・商事裁判例
[民 法]
1(東京地裁平22.9.21判決)・・・・・・136
1 企業におけるコンピューターシステムに関するコンサルティング契約及びシステム開発契約について,注文者(委任者)が主張する請負人(受任者)の債務不履行による契約の解除を認めて,注文者(委任者)に対する未払代金の請求を棄却し,請負人(受任者)に対する既払代金についての原状回復請求を認容した事例
2 請負人の債務不履行により契約が解除された場合,仕事の完成義務を前提とする改修費用は,請負人が賠償する責任を負うべき損害に当たらないとして請負人に対する損害賠償請求を棄却した事例

2(東京地裁平22.12.2判決)・・・・・・150
債権譲渡の譲受人が当該譲渡に係る債務者の代理人となった弁護士に対してその対応が不当であるとして提起した損害賠償請求が棄却された事例

3(大阪地裁平22.10.28判決)・・・・・・157
1 顧客からの出資金のほかに金融機関からの借入金を加えて投資する不動産投資ファンド(商品名レジデンシャル─ONE)の勧誘に関し,借入を導入することによるレバレッジリスク(「てこの原理」による損失拡大のリスク)について,証券会社に説明義務違反があるとされた事例
2 不動産投資ファンドへの出資勧誘に関する説明義務違反の不法行為について,過失相殺により出資金額(投資総額から手数料分を除いた額)の7割を賠償すべき損害額とした上で,過失相殺後の損害額から税引き前の分配金と出資金の償還額との合計額を損益相殺して,賠償額を算定した事例

4(札幌高裁平22.11.5判決)・・・・・・170
受信者の妻による夫名義の放送受信契約の締結が民法761条の日常家事行為に含まれるとした事例

[商 法]
5(福岡地裁平23.2.17判決)・・・・・・177
会社分割が濫用であるとして法人格否認の法理が認められた事例

[知的財産]
6(①知的財産高裁平23.4.21判決,②知的財産高裁平23.4.21判決)・・・・・・187
JEAN PAUL GAULTIER“CLASSIQUE”立体商標事件
1 商品の用途,性質等に基づく制約の下で,同種の商品等について,機能又は美感に資することを目的とする形状の選択であると予測し得る範囲のものであれば,当該形状が特徴を有していたとしても,商標法3条1項3号に該当する(①事件)
2 立体的形状からなる商標について,当該商標の形状が,他に見当たらない特異性を有し,需要者に強い印象を与えるものであって,15年以上にわたって香水の容器に使用をされてきたことに照らし,当該形状が独立して自他商品識別力を獲得するに至っており,香水について自他商品識別力を有するに至った結果,これと極めて密接な関係にある化粧品等の本願指定商品に,本願商標が使用された場合にも,自他商品識別力を有するとして,商標法3条2項の要件を充足するとされた事例(①事件)
JEAN PAUL GAULTIER“Le Male”立体商標事件
香水等を指定商品とする立体商標について,その立体的形状が,香水の容器において機能又は美感に資することを目的として採用されたもので,香水の容器の形状として,需要者において,機能又は美感に資することを目的とする形状と予測し得る範囲のものであり,商品等の形状を普通に用いられる方法で使用する標章のみからなる商標として,商標法3条1項3号に該当するとされた事例(②事件)

7“L’EAU D’ ISSEY”立体商標事件(知的財産高裁平23.4.21判決)・・・・・・203
立体商標に係る容器の香水が,一定期間一定程度売り上げられ,雑誌等に掲載されたとしても,その立体的形状がシンプルで,特異性が見いだせず,類似の形状の香水も複数存在し,酷似する形状の香水すら存在することに照らすと,本願商標の立体的形状が,独立して自他商品識別力を獲得するに至っているとまではいえず,しかも,本願商標が,香水とは必ずしも取引者や需要者が一致するとはいえない「洗濯用漂白剤その他の洗濯用剤,清浄剤,つや出し剤,擦り磨き剤及び研磨剤」等の指定商品に使用された場合,原告の販売に係る商品であることを認識することができるとはいえず,商標法3条2項の要件を充足するとはいえないとされた事例

8ヤクルト立体商標事件(知的財産高裁平22.11.16判決)・・・・・・212
乳酸菌飲料「ヤクルト」の包装容器の立体的形状のみからなる商標につき,本願商標は「使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるもの」(商標法3条2項)に該当するとして,商標登録出願を認めなかった特許庁の審決が取り消された事例

[諸 法]
9(東京地裁平22.6.25判決)・・・・・・225
有価証券報告書等の重要事項について虚偽記載をして提出した株式会社が,当該虚偽記載の公表後に民事再生手続が開始されて上場廃止となった場合において,当該株式会社の株主に対する金融商品取引法21条の2第1項に基づく損害賠償責任に関し,同条第2項所定の推定規定により当該損害額を算定し,同条第4項及び同条第5項による減額を認めなかった事例

[民事保全法]
10(東京高裁平22.11.12決定)・・・・・・236
争点が共通し相互に対抗的関係にある二つの仮処分申立ての一方が認容され他方が却下された場合の却下決定に対する即時抗告の取扱い

[民事執行法]
11(大分地裁平20.12.25判決)・・・・・・239
不動産競売手続において,目的物件である建物に白蟻被害が生じていたケースにつき,現況調査を担当した執行官及び評価を担当した評価人には白蟻被害を看過したことにつき注意義務違反があるとの買受人の主張を排斥した事例

[倒産処理法]
12(東京地裁平22.9.13判決)・・・・・・247
金融機関に対する債務の担保のために定期預金の預入れによって行われた担保の供与について,破産管財人による否認の請求が棄却された事例

刑事裁判例
[刑事訴訟法]
1(東京高裁平22.8.17判決)・・・・・・252
殺人被告事件において犯行に使われた手袋及び犯人が伝って降りた排水管の付着物のDNA鑑定等により被告人が犯人であると認定した原審(裁判員裁判)の判断が是認された事例
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