判例タイムズ

判例タイムズ 発売日・バックナンバー

全1553件中 181 〜 195 件を表示
【論説紹介】

座談会 民事訴訟のプラクティス(上)
/奥宮 京子・始関 正光・清水 知恵子・戸田 久・濱口 博史・三木 素子・福田 剛久…4

専門委員制度の更なる活用のために/高部 眞規子…28

独占禁止法の新たな展開28
協同組合の活動に対する規制/村上 政博…48

ブック・レビュー  高部眞規子著『実務詳説 著作権訴訟』
著作権訴訟実務の結晶/本多 知成…61


【判例紹介】全16件(最高裁判例3件)

最高裁判例
[民  法]
1(最高裁第二小法廷平24.2.24判決[平23(受)1039])…63
 労働契約上の安全配慮義務違反による損害と弁護士費用

[特別刑法]
2(最高裁第三小法廷平24.2.6決定[平22(あ)787])…66
 法務大臣の許可を受けないで,消費者金融会社から不良債権を譲り受けてその管理回収業を営んだ行為が,債権管理回収業に関する特別措置法33条1号,3条に該当するとされた事例

[刑事訴訟法]
3(最高裁第一小法廷平24.2.13判決[平23(あ)757])…69
 1 刑訴法382条にいう事実誤認の意義
 2 刑訴法382条にいう事実誤認の判示方法
 3 覚せい剤を密輸入した事件について,被告人の故意を認めず無罪とした第1審判決に事実誤認があるとした原判決に,刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例

行政裁判例
[行政法一般]
4(宮崎地裁平23.10.3判決[平22(行ウ)2,平23(行ウ)1])…77
 原告が暴力団に所属していることを理由としてされた生活保護申請却下処分及び生活保護廃止処分について,原告が暴力団に所属して資産収入を得ていたとは認められず,生活保護法の解釈適用を誤った違法があるとして,上記各処分が取り消された事例

5(東京高裁平23.7.25判決[平23(行コ)99])…86
 深夜から翌朝まで同僚と飲み明かした者が,同僚から自動車で送るという申出を承諾したことは,同僚が酒気帯び運転をすることを心理的に容易にしたものであり,運転免許の取消事由である「重大違反唆し等をしたとき」に当たるとして県公安委員会がした運転免許取消処分が適法とされた事例

[国家補償法]
6(名古屋地裁平22.5.25判決[平16(ワ)3401,平16(ワ)4774])…90
 1 刑務所職員らが受刑者3名に対して違法な革手錠の施用,保護房収容等をしたために当該受刑者らのうち1名が死亡したほか,その余の者に腸間膜損傷の負傷又は外傷後ストレス障害等の後遺障害を生じさせたとして,国家賠償責任が認められた事例
 2 国家賠償責任を基礎付ける刑務所職員らによる違法な職務執行について,当該刑務所職員らに故意又は重過失があったとして,国の同人らに対する求償権が認められた事例

労働裁判例
[集団的労働関係]
7(東京地裁平23.9.29判決[平22(行ウ)366])…151
 賞与の支給に関する団体交渉が妥結に至り,妥結内容について労働協約が締結されたが,当該団体交渉における会社の説明拒否の対応について労組法7条2号の不当労働行為に該当し,その救済を求めることができるとされた事例

民・商事裁判例
[民  法]
8(東京地裁平24.1.25判決[平21(ワ)32940])…164
 ゴルフ場でのプレー中に,競技者がコース脇にあるふたのないマンホールに落ちて負傷した事故につき,ゴルフ場の占有者の工作物責任が肯定された事例(過失相殺7割)

9(東京高裁平23.11.9判決[平22(ネ)7043])…171
 銀行の従業員が顧客に仕組債の購入勧誘をするに当たり,適合性原則にも説明義務にも違反はなかったとして,銀行に対する損害賠償責任が否定された事例

10(東京地裁平23.5.19判決[平20(ワ)16546])…178
 術前の病理組織診で胃癌・グループV(「癌と確実に診断される病変」を指す分類)と診断されたが,術後に胃癌でないことが判明した場合において,病変の変化の例外的な経過等に鑑み,臨床の担当医師に,術前に病理の担当医師に照会し症例を再検討すべき注意義務を怠った過失があるとされた事例

[知的財産]
11量子井戸半導体レーザ素子事件(東京地裁平22.2.24判決[平20(ワ)8086])…196
 特許権侵害訴訟において,特許権者が行った補正が,願書に添附した明細書又は図面の要旨を変更するものであって,平成5年改正前の特許法40条により,その特許出願は,手続補正書を提出した時にしたものとみなされるとして,当該特許の公開公報に記載された発明により,当該特許発明が新規性を欠くと判断されて,原告の請求が棄却された事例

[諸  法]
12(東京地裁平23.8.31判決[平22(ワ)47271])…228
 財団法人の会長理事選任が無効であると判断された事例

13(東京地裁平23.6.7判決[平22(ワ)35009])…233
 外国人登録原票の国籍欄に「朝鮮」と記載があり,第二次大戦以前から長く日本に居住している者を被相続人とする相続の準拠法(被相続人の本国法)が,大韓民国法であるとされた事例

[民事訴訟法]
14(東京地裁平23.5.26判決[平22(ワ)8245])…238
 株主総会決議無効確認請求が訴権の濫用に当たるとして不適法却下された事例

[民事執行法]
15(東京高裁平23.10.26決定[平23(ラ)1876])…245
 第三債務者である銀行が事前の弁護士会照会に回答しなかった場合において,預金債権の差押えにつき,差押債権をいわゆる預金額最大店舗指定方式により表示したときは,債権の特定を欠くとはいえないとされた事例

刑事裁判例
[刑  法]
16(東京地裁平22.9.6判決[平22特(わ)34,平22特(わ)289,平22合(わ)83])…251
 東京都公安委員会から交付を受けていたビニール製ケース入り駐車禁止除外指定車標章の有効期限欄や発行日欄の数字記載部分に,元の記載と異なる数字が印字された紙片を置いて密着させた上,ビニール製ケースとの間に挟み込むようにして同紙片を固定した行為について,公文書偽造罪の成立を認めた事例
【論説紹介】

民事訴訟の迅速化に関するシンポジウム(下)
/高橋 宏志・三木 浩一・山浦 善樹・本田 能久・菊地 裕太郎・大坪 和敏…4

割増賃金事件の審理に関する弁護士会と裁判所との協議会
/白石 哲・古久保 正人・渡邉 弘・菊池 憲久・西村 康一郎・佐久間 義弘・渡邉 和義・伊良原 恵吾・讃井 健・早田 尚貴・藤井 聖悟・綱島 光義・白井 剣・徳住 堅治・岩出 誠・光前 幸一・十枝内 康仁・浦岡 由美子・軽部 龍太郎・飛田 秀成・安西 愈・石井 妙子・峰 隆之・三上 安雄・関谷 文隆・水口 洋介・茅根 熙和・清水 洋二・伊東 良徳・棗 一郎…29

残業代請求事件の実務(下)/藤井 聖悟…59

大阪民事実務研究
重度後遺障害事案の損害算定における問題点の概観
――遷延性意識障害の事案を中心として/宮﨑 朋紀  71


【判例紹介】全15件(最高裁判例3件)

特   報
[民  法]
1 ピンク・レディー事件判決(最高裁第一小法廷平24.2.2判決[平21(受)2056])…97
 1 人の氏名,肖像等を無断で使用する行為がいわゆるパブリシティ権を侵害するものとして不法行為法上違法となる場合
 2 歌手を被写体とする写真を同人に無断で週刊誌に掲載する行為がいわゆるパブリシティ権を侵害するものではなく不法行為法上違法とはいえないとされた事例

最高裁判例
[知的財産]
2(最高裁第三小法廷平24.1.17判決[平22(受)1884])…109
 旧著作権法(昭和45年法律第48号による改正前のもの)の下において興行された独創性を有する映画の著作物の複製物を輸入し,頒布する行為をした者がその著作権の存続期間が満了したと誤信していたとしても,同行為について同人に少なくとも過失があるとされた事例

[刑  法]
3 北九州連続監禁殺人等事件(最高裁第一小法廷平23.12.12決定[平19(あ)2276])…113
 6名を殺害し,1名を死に致すなどした殺人,傷害致死等被告事件につき,被告人を無期懲役に処した控訴審判決を破棄しなければ著しく正義に反するとまでは認められないとされた事例

行政裁判例
[行政法一般]
4(名古屋地裁平22.12.9判決[平21(行ウ)19])…124
 偽造旅券を使い本邦に入国したペルー人の両親と,両親が本邦に入国後に出生したその子に対して在留特別許可を与えず,退去強制令書を発付した処分等が,入国後の経過等に照らして違法であると判断された事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
5(神戸地裁平23.12.15判決[平21(行ウ)17])…134
 高血圧症の基礎疾患のある地方公務員のくも膜下出血の発症について公務起因性が認められた事例

民・商事裁判例
[不動産法]
6(神戸地裁平23.1.18判決[平19(ワ)1046])…152
 建築した建物に瑕疵がある場合,補修で足りるが,その補修費用としては安価な建替費用と同額とすべきであるとした事例

[契 約 法]
7(大阪地裁平23.7.25判決[平21(ワ)8701])…170
 株式譲渡契約における売主の表明保証違反を理由とする補償金支払義務が否定された事例

[一般不法行為]
8(東京地裁平23.10.27判決[平22(ワ)45181])…182
 宗教的行為に付随して行われた祈願料の勧誘行為及び祈願料の支払につき,宗教的行為であっても一定の場合には不法行為となりうるとした上で,宗教法人及び同法人の代表者につき民法709条による不法行為責任を認めた事例

9(大阪地裁平23.4.28判決[平21(ワ)6104])…192
 1 顧客からの出資金のほかに金融機関からの借入金を加えて投資する不動産投資ファンド(商品名レジデンシャル-ONE)の勧誘に関し,金融機関からの借入れを導入することによるレバレッジリスクについて,証券会社に説明義務違反があるとされた事例
 2 不動産投資ファンドへの出資勧誘に関する説明義務違反の不法行為について,出資金額及び申込手数料の合計額から,税引き後の分配金額及び出資金返還額の合計額を控除した金額を損害額とした上で,過失相殺によって3割を減額することにより,損害額を算定した事例

[医療過誤]
10(東京地裁平23.1.27判決[平21(ワ)44833])…212
 診療契約に伴う付随義務あるいは診療を実施する医師として負担する信義則上の義務である診療経過の説明及びカルテの開示をすべき義務に違反したとして,患者であった者の損害賠償請求が一部認容された事例

[知的財産]
11 ROKI事件(知的財産高裁平22.7.21判決[平21(行ケ)10396])…218
 図形部分と「ROKI」を含む欧文字からなる商標が,引用商標1及び2に類似するとした審決が,取り消された事例

12(知的財産高裁平23.8.9判決[平23(ネ)10030])…231
 テレビ番組のオープニングテーマ用の楽曲の作曲者らによる,同楽曲を使用した放送会社の承継会社に対する,同人らの許諾を得ずに同楽曲を使用したという主張に基づく不当利得返還請求が認められなかった事例

[民事訴訟法]
13(仙台高裁平23.9.22判決[平21(ネ)199])…240
 公海上で発生した外国船籍船舶間の衝突事故において,損害を受けた船舶が最初に到達した地を管轄する裁判所に提起された外国法人間の損害賠償の訴えについて,わが国の国際裁判管轄が否定された事例

[民事執行法]
14(山口地裁下関支部平24.1.10決定[平23(ナ)3])…248
 船舶に対する抵当権及び根抵当権の効力が再編整備等推進支援事業における不要漁船処理対策助成金に係る請求権に及ばないとして,物上代位権の行使が否定された事例

刑事裁判例
[刑事訴訟法]
15(東京高裁平22.11.1判決[平22(う)1544])…251
 捜査機関が,立件を視野に入れて被告人を捜査対象としながら,黙秘権を告げず,参考人として事情聴取して,被告人に不利益な事実の承認を録取した警察官調書を,刑訴法322条1項により証拠として採用して取り調べ,有罪認定の証拠として用いたのを違法とした事例
【論説紹介】

民事訴訟の迅速化に関するシンポジウム(上)
/高橋 宏志・三木 浩一・山浦 善樹・本田 能久・菊地 裕太郎・大坪 和敏…4

残業代請求事件の実務(中)/藤井 聖悟 24

裁判員裁判における法律概念に関する諸問題12[大阪刑事実務研究会]
正当防衛について(下)/和田 真・野口 卓志・増尾 崇…45

ブック・レビュー 佐々木茂美編『民事実務研究Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』,小佐田潔編『民事実務研究Ⅳ』
民事実務研究を読み解く/井上 繁規…60


【判例紹介】全16件(最高裁判例6件)

速   報
[知的財産]
1(大阪地裁平24.2.16判決[平21(ワ)18463])…68
 複数人が制作にかかわった編集著作物について,そのうち1名のみが編集著作者であると認定された事例

最高裁判例
[憲  法]
2(最高裁第二小法廷平24.1.13判決[平22(あ)1299])…81
 裁判員制度による審理裁判を受けるか否かについての選択権と憲法32条,37条

[民  法]
3(最高裁第一小法廷平24.2.20判決[平21(受)1461,平21(受)1462])…83
 1 自動車保険契約の人身傷害条項に基づき保険金を支払った保険会社による損害金元本に対する遅延損害金の支払請求権の代位取得の有無
 2 自動車保険契約の人身傷害条項の被保険者である被害者に過失がある場合において上記条項に基づき保険金を支払った保険会社による損害賠償請求権の代位取得の範囲

[知的財産]
4(最高裁第三小法廷平23.12.20判決[平21(行ヒ)217])…89
 商標法施行規則(平成13年経済産業省令第202号による改正前のもの)別表第35類3に定める「商品の販売に関する情報の提供」の意義

5(最高裁第一小法廷平23.12.8判決[平21(受)602,平21(受)603])…93
 1 我が国について既に効力を生じている文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約に我が国が国家として承認していない国が事後に加入した場合における同国の国民の著作物である映画の著作権法6条3号所定の著作物該当性
 2 著作権法6条3号所定の著作物に該当しない著作物の利用行為と不法行為の成否

[諸  法]
6(最高裁第三小法廷平24.1.17判決[平22(受)2187])…99
 マンションの区分所有者が,業務執行に当たっている管理組合の役員らをひぼう中傷する内容の文書を配布するなどする行為が,建物の区分所有等に関する法律6条1項所定の「区分所有者の共同の利益に反する行為」に当たるとみる余地がある場合

[刑  法]
7 Winny事件(最高裁第三小法廷平23.12.19決定[平21(あ)1900])…103
 適法用途にも著作権侵害用途にも利用できるファイル共有ソフトWinnyをインターネットを通じて不特定多数の者に公開,提供し,正犯者がこれを利用して著作物の公衆送信権を侵害することを幇助したとして,著作権法違反幇助に問われた事案につき,幇助犯の故意が欠けるとされた事例

行政裁判例
[行政法一般]
8(東京地裁平22.3.30判決[平21(行ウ)256])…112
 1 省令の制定行為が行政処分に当たらないとされた事例
 2 薬局開設者又は店舗販売業者による医薬品の販売につき,第一類及び第二類の医薬品の販売及び情報提供は有資格者の対面により行う旨の規定並びに隔地者に対する郵便その他の方法による医薬品の販売を行う場合は上記各類の医薬品の販売を行わない旨の規定を薬事法施行規則に新設した同規則の一部を改正する省令の規定が,薬事法による委任の範囲を超えるものではなく,憲法22条1項に違反せず,適法かつ有効であるとされた事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
9(東京地裁平23.2.9判決[平21(ワ)17965])…177
 1 業務外の傷病に基づいて,労働契約所定の傷病休暇の期間が満了した場合に,当該傷病の病状が回復して,職場復帰が可能であることの立証責任は,労働者側にあると判断した事例
 2 傷病休暇取得前の職務が廃止されている場合に,傷病休暇満了後の復帰すべき職場について,労使間で合意が成立しており,これに違法性はないとした事例
 3 傷病が回復して,職務復帰が可能であることの証明ができていないとして,労働契約所定の手続に基づく解雇が有効であると判断した事例

民・商事裁判例
[担保法]
10(広島高裁平23.4.26判決[平22(ネ)552])…186
 動産に関する無効な登記が存在することは,同動産の所有権の完全性を妨害することになるから,その所有者は,登記名義人に対し,所有権に基づく妨害排除請求権として,当該登記の抹消登記を請求できる

[契約法]
11(横浜地裁平23.7.13判決[平23(レ)135])…190
 1 ケーブルテレビ加入者に放送受信契約の締結義務があるとされた事例
 2 放送受信料債権は,民法169条,同法173条1号,同条2号の規定する各債権のいずれにも当たらないとされた事例

[一般不法行為]
12(大阪地裁平23.3.30判決[平20(ワ)1761])…195
 1 運送事業等を業とする会社の事務職員であり,悪性胸膜中皮腫を発症して死亡した男性について,石綿を原料とする製品の製造等を業とする会社の工場に常駐して作業をし,同作業中に石綿粉じんにばく露する機会があったと認められた事例
 2 従業員の上記石綿粉じんにばく露と,悪性胸膜中皮腫の発症・死亡との間に相当因果関係が認められた事例
 3 従業員と直接の雇用関係がない石綿製品製造会社との間において,雇用関係に準じる社会的接触の関係があったとして,石綿製品製造会社の当該従業員に対する安全配慮義務違反が認められた事例
 4 昭和35年のじん肺法の制定などの法令の整備状況に照らし,遅くとも,従業員が上記工場で作業に従事していた期間(昭和44年7月から昭和46年8月)には,運送事業会社及び石綿製品製造会社には,当該従業員が石綿粉じんにばく露することにより,じん肺その他の健康・生命に重大な損害が生じる危険性があることについて予見可能性があったとされた事例
 5 上記2社について,石綿粉じんの発生防止措置をとる義務等を怠った安全配慮義務違反が認められた事例
 6 運送事業会社における立場や法令の定め等に照らし,従業員も石綿粉じんにばく露する危険を防止又は低減する措置を取るべきであったとして,損害額が減じられた事例

[家族法]
13(東京高裁平23.2.24決定[平22(ラ)2057])…237
 被相続人甲夫及び被相続人乙子の各遺産の範囲内に属する相続財産であると全当事者が合意しても,それら相続財産が各遺産分割審判の対象として適した性質を有する未分割の不動産ではない場合,各遺産分割審判の申立ては審判対象が存しないので不適法であるとして却下された事例

[民事訴訟法]
14(東京地裁平23.10.17決定[平23(モ)2851])…243
 捜査機関の嘱託を受けて医師である鑑定受託者が作成し所持している司法解剖の鑑定書の控え等について,民事訴訟法220条4号ホが定める刑事事件関係書類等に該当しないなどとして,上記文書の提出が命じられた事例 

[倒産処理法]
15(神戸地裁伊丹支部平23.12.21決定[平21(フ)175])…246
 破産者が破産申立て直前に受領した父の死亡による死亡保険金が入金された預金口座の存在を申立代理人に秘匿し,現金について破産管財人に説明することなく所在不明となった場合,免責を許可しないとされた事例

刑事裁判例
[刑事訴訟法]
16(東京地裁平22.8.6判決[平21特(わ)3051])…248
 覚せい剤自己使用の事案において,警察官が職務質問中に被告人運転車両のエンジンを切り,ドアを外から押すなどして被告人を車外に出られないようにした行為などは違法な有形力の行使であり,約5時間35分にわたり被告人を現場に留め置いた行為も違法であるが,それにとどまらず,警察官が留め置きの違法を糊塗するために内容虚偽の疎明資料を作成して強制採尿令状の発付を請求していることに照らし,採尿に至る一連の手続に令状主義の精神を没却する重大な違法があるとして,被告人の尿に関する鑑定書の証拠能力が否定されて,被告人に無罪が言い渡された事例
【論説紹介】

残業代請求事件の実務(上)/藤井 聖悟…4

一民事裁判官の軌跡
書記官との協働を中心として/小野 剛…16

わが国刑事司法の改革とその変容/石井 一正…25

裁判員裁判における法律概念に関する諸問題11[大阪刑事実務研究会]
正当防衛について(上)/和田 真・野口 卓志・増尾 崇…46

ブック・レビュー 滝澤孝臣『民事法の論点Ⅱ――その基本から考える』
基本から考える判例法理と実務のその先にある「何か」/村田 渉…64


【判例紹介】全17件(最高裁判例1件)

最高裁判例
[少年法・矯正保護法]
1(最高裁第一小法廷平23.12.19決定[平22(し)145])…70
1 保護処分決定で認定された日には非行事実の存在が認められないが,これと異なる日に事実の同一性のある範囲内で同一内容の非行事実が認められる場合と少年法27条の2第2項による取消しの要否
 2 保護処分取消し申立て事件において,事実の同一性のある範囲内で保護処分決定と異なる非行事実を認定するに当たり,申立人に対して十分に防御の機会を与えているとされた事例

行政裁判例
[国家補償法]
2(新潟地裁平23.2.25判決[平20(ワ)475])…74
 火災の際,近隣住民が防火水槽に転落して死亡した場合,消火活動に当たっていた町の消防団OBに過失があったとして,町の国家賠償責任が認められた事例

[地方自治法]
3(東京高裁平23.3.23判決[平20(行コ)410])…84
 1 町の発注した公共工事について受注業者の談合があり,町長が談合を幇助していたとして受注業者と町長の損害賠償責任が認められた事例
 2 公共工事の談合により町が被った損害額につき,民事訴訟法248条を適用して合理的な根拠をもって実際に生じた損害額に最も近いと推測できる額を認定すべきであるとして,契約金額の7%が認定された事例

労働裁判例
[集団的労働関係]
4(東京地裁平23.1.26判決[平21(ワ)39554])…107
 労働者供給事業を行う許可を受けた労働組合の組合員に対する統制処分が,権限を濫用したもので無効であるとされた事例

民・商事裁判例
[民  法]
5(静岡地裁浜松支部平23.7.20判決[平22(ワ)565])…113
 暴力団員と風俗店経営会社間の広告掲載契約は公序良俗に反し無効であるとし,支払った広告料の返還請求を認めた事例

6(福岡高裁平23.3.8判決[平22(ネ)996])…119
 マンションの居室の売買契約に際して当該居室が相当長期間にわたって性風俗特殊営業に使用されていた事実が説明されていなかったとして,売主の瑕疵担保責任及び仲介者の債務不履行責任を肯定した上,民事訴訟法248条を適用して買主の損害を算定して,その請求を一部認容した事例

7(①東京地裁平23.1.27判決[平20(ワ)2606],②東京地裁平23.1.20判決[平20(ワ)25857])…124
 1 購入した土地に油分が含まれていたことが瑕疵に当たるとする土地購入者からの損害賠償請求を棄却した事例(①事件)
 2 購入した土地に六価クロム及び鉛が含まれていたことが瑕疵に当たるとする土地購入者からの損害賠償請求を一部認容した事例(②事件)

8(大津地裁平23.5.27判決[平22(ワ)829])…146
 債権の譲受人による包括根保証人の相続人に対する「債権譲り受けのご案内」と題する書面の送付は,相当性を欠くとは認められないとして不法行為の成立を否定した事例

9(東京地裁平23.3.30判決[平20(ワ)3811])…150
 1 元一級建築士による分譲マンションの構造計算書の偽装について不法行為責任が認められた事例
 2 構造計算書の偽装された分譲マンションの設計業務の委託を受けた設計事務所の代表者である元一級建築士がその偽装を看過したことにつき,不法行為責任及び平成17年法律第87号による改正前の商法266条ノ3第1項による責任が認められなかった事例
 3 構造計算書の偽装された分譲マンションの建築確認を実施した指定確認検査機関の確認検査員がその偽装を看過したことにつき,過失があるということはできないとされ,その分譲マンションについて建築確認をする権限を有する建築主事が置かれた地方公共団体の国家賠償責任が認められなかった事例

10(福岡高裁那覇支部平22.7.29判決[平20(ネ)125])…174
 1 国に対しアメリカ合衆国軍隊が使用する航空機の離着陸等の差止めを請求することができないとされた事例
 2 アメリカ合衆国軍隊が管理する飛行場周辺の住民が同飛行場に離着陸する航空機による騒音等により被害を受けたとして請求した過去の損害賠償について,同飛行場にいわゆる民事特別法2条にいう設置又は管理の瑕疵があるとして,その一部が認容された事例
 3 航空機騒音に低周波音が含まれることにより周辺住民の精神的苦痛が増大させられているとされた事例
 4 危険への接近の法理を適用すべきではない特段の事情があるとされた事例
 5 航空機騒音に基づく損害賠償請求に係る慰謝料額が増額された事例
 6 住宅防音工事による慰謝料額の減額の幅が縮小された事例

11(那覇地裁平23.6.21判決[平18(ワ)1358])…214
 胆のう結石を除去するため外科的手術を行ったが結石の除去ができなかった場合,医師に手技上の過失があったとして,病院側の損害賠償責任が認められた事例

12(東京高裁平21.12.21判決[平21(ネ)2050])…223
 1 夫が,妻の不貞相手の子であることを知らずに実子として養育した子につき支出した養育費相当額について,妻に対する不当利得返還請求が認められなかった事例
 2 離婚に伴う慰謝料請求訴訟の判決確定後,婚姻期間中の別個の有責行為を理由として夫が妻に対して提起した慰謝料請求訴訟が,紛争の蒸し返しに当たり,信義則に反して許されないとされた事例
 
[商  法]
13(富山地裁平23.5.27判決[平20(ワ)609,平22(ワ)428])…228
 1 死亡事故を招致した請求者に少なくとも未必的故意があるとして,免責条項による免責を認めた事例
 2 第三者の故意の事故招致行為をもって保険契約者の行為と同視しうるとして,免責条項による免責を認めた事例

[知的財産]
14(知的財産高裁平23.6.28判決[平23(行ケ)10004])…235
 「アイテック阪急阪神株式会社」及び「i-TEC」の文字と図形との組み合わせからなる本願商標(判文参照)について,「アイテック阪急阪神」の部分が要部であり,この部分を中心として対比すると,引用商標(「アイテック株式会社」の文字からなる商標及び「ITEC」の欧文字からなる商標)とは類似しないとした事例

15(知的財産高裁平21.10.8判決[平20(行ケ)10448])…242
 等方性エッチング溶液に浸漬するとの工程を含む太陽電池用半導体ウェハの製造方法の発明が,特許出願時の技術常識を参酌すると,等方性エッチング溶液に浸漬するとの記載のない刊行物に記載された発明に該当し,新規性を欠くとした事例

刑事裁判例
[特別刑法]
16(東京地裁平22.4.28判決[平21特(わ)2340])…251
 同一有価証券市場で約1時間内に接着して行われた変動操作により株価を変動させて株式を売り付けた3回の犯行(相場操縦等の罪の加重類型)につき,その必要的没収・追徴の対象を売り付け額の最大値を示した1回目の犯行の売却代金及びその余の2回の各犯行に係る売買差益分にとどめた事例
【論説紹介】

労働審判事件における審理の実情と課題/深見 敏正…4

判例展望民事法58
民法94条2項の類推適用(下)――その現状と課題/渡辺 諭…23

裁判員裁判における法律概念に関する諸問題⑩[大阪刑事実務研究会]
殺意(下)/中川 博之・真鍋 秀永・末弘 陽一…42

共犯者間の刑の均衡と量刑審査/樋上 慎二…56



【判例紹介】全16件(最高裁判例6件)

最高裁判例
[地方自治法]
1(最高裁第二小法廷平23.12.2判決[平22(行ヒ)175])…66
 市が賃借人として締結した土地賃貸借契約がその締結の経緯及び内容に照らして賃貸人に有利なものである場合であっても,当該契約に基づく市長による賃料の支出が違法ではないとされた事例

[民  法]
2(最高裁第一小法廷平23.12.1判決[平23(受)307])…72
 いわゆるリボルビング方式の貸付けについて,貸金業者が貸金業の規制等に関する法律(平成18年法律第115号による改正前のもの)17条1項に規定する書面として交付する書面に個々の貸付けの時点での残元利金につき最低返済額を毎月の返済期日に返済する場合の返済期間,返済金額等の記載をしない場合,当該貸金業者は,最高裁平成17年(受)第560号同年12月15日第一小法廷判決・民集59巻10号2899頁の言渡し日以前であっても,過払金の取得につき民法704条の「悪意の受益者」であると推定されるか

[倒産処理法]
3(最高裁第一小法廷平23.12.15判決[平22(受)16])…78
 会社から取立委任を受けた約束手形につき商事留置権を有する銀行が,同会社の再生手続開始後の取立てに係る取立金を銀行取引約定に基づき同会社の債務の弁済に充当することの可否 

[刑事訴訟法]
4(最高裁第二小法廷平23.12.9判決[平23(さ)1])…84
 当審において法律上犯罪行為に該当しないことを理由に無罪となった共犯者の事件と法の適用に関し別個に評価され得るような事情がないとして,略式命令に対する非常上告が認められた事例

5(最高裁第二小法廷平23.10.26決定[平23(あ)469])…87
 1 訴訟条件である告発の事実を上告審において認定する方法
 2 訴訟条件である告発の調査を怠った1,2審の法令違反と上告審において告発の事実を認定することができる場合の判決への影響の有無

6(最高裁第一小法廷平23.9.14決定[平21(あ)1125])…90
 1 被害者の証人尋問において,捜査段階で撮影された被害者による被害再現写真を示すことを許可した裁判所の措置に違法がないとされた事例
 2 証人に示した写真を刑訴規則49条に基づいて証人尋問調書に添付する措置について,当事者の同意は必要か
 3 独立した証拠として採用されていない被害再現写真を示して得られた証言を事実認定の用に供することができるか

憲法裁判例
7(1東京高裁平23.1.28判決[平18(行コ)245],2東京高裁平23.3.10判決[平23(行コ)181])…94
 1 都教委の発出した国旗・国歌についての通達及びこれに基づく職務命令は憲法19条等に違反しておらず,適法であるとされた事例(1事件)
 2 上記通達,職務命令に違反した教職員に対する懲戒処分が裁量権を逸脱,濫用しているとして取り消された事例(2事件)

行政裁判例
[国家補償法]
8(東京地裁平22.5.26判決[平20(ワ)11195])…134
 1 離島航路における一般旅客定期航路事業許可処分の審査基準を満たさないことを理由とするサービス改善命令に「速やかに」
 応じなかったとしてされた事業停止命令につき裁量権の逸脱又は濫用が認められないなどとして違法性が否定された事例
 2 海上運送法19条1項所定のサービス改善命令の要件と同法4条6号の許可要件等の審査基準であるサービス基準との関係

民・商事裁判例
[民  法]
9(1福岡高裁平23.4.27判決[平20(ネ)658],2福岡高裁平23.4.27判決[平20(ネ)1045,平21(ネ)540])…158
 金利スワップ契約を締結するに当たって,銀行の担当従業員には説明義務違反があったとして,銀行に対する不法行為に基づく損害賠償請求が認められた事例(過失相殺4割)

[商  法]
10(東京地裁平23.6.2判決[平19(ワ)16273])…200
 架空の循環取引により売上げを仮装していた会社の株式を購入した者が,売主,会社の事実上の役員,会社の顧問税理士及び取引に関与した企業らに対し,損害賠償請求した事案において,顧問税理士及び取引に関与した企業らの責任が否定された事例

11(長野地裁平23.4.20判決[平21(ワ)339])…231
 火災保険の目的物である建物についての火災が,保険契約者の故意により生じたものであることが推認されるとして,保険金支払について免責が肯定された事例

12電磁鋼板事件判決(知財高裁平22.12.6判決[平21(行ケ)10366])…237
 名称を「耐疲労特性に優れた高強度無方向性電磁鋼板とその製造法」とする発明について,シリコン等の含有量を増減して相違点を解消することは当業者が容易になし得た等価成分間の含有量調整であるなどとして進歩性を否定した審決を取り消した事例

[諸  法]
13(名古屋高裁平23.10.13判決[平22(ネ)1198])…248
 飼い犬の散歩に使用されるフレキシリードに欠陥があったとして輸入販売業者の製造物責任が認められた事例

刑事裁判例
[刑事訴訟法]
14(東京高裁平22.11.22判決[平22(う)1537])…253
 原判決が被告人の無免許運転の運転行為の補強証拠としていた,警察官が被告人から事情を聴取して作成した捜査報告書と警察官が被告人から指示説明を受けるなどして作成した実況見分調書は,いずれも補強証拠となり得ないとして,原判決を破棄して差し戻した事例
【論説紹介】

国を当事者とする訴訟における法律問題⑨
談合関係訴訟の現状と今後の課題/坂巻 陽士…4

判例展望民事法57
民法94条2項の類推適用(上)――その課題と課題/渡辺 諭…17

東京地裁破産再生部(民事第20部)における牽連破産事件の処理の実情等について(下)/島岡 大雄…30

民事執行判例・実務フロンティア2012年版/浜 秀樹…214

【判例紹介】

最高裁判例
[民 法]
1(最高裁第二小法廷平23.12.16判決[平22(受)2324])…47
 1 建築基準法等の法令の規定に適合しない建物の建築を目的とする請負契約が公序良俗に反し無効とされた事例
 2 建築基準法等の法令の規定に適合しない建物の建築を目的とする公序良俗違反の請負契約に基づく本工事の施工が開始された後に施工された追加変更工事の施工の合意が公序良俗に反しないとされた事例

行政裁判例
[国家補償法]
2(名古屋高裁平22.10.29判決[平21(ネ)312,平21(ネ)814])…52
 1 耐震壁のモデル化の審査等について,建築確認審査に当たった建築主事の注意義務違反が否定された事例
 2 経営指導契約を締結していた経営コンサルタント業者が信義則上の具体的注意義務に違反して不法行為責任を負うとされた事例

[地方自治法]
3(名古屋地裁平22.11.19決定[平22(行ク)46])…83
 名古屋市議会解散請求のための署名の効力決定に関する審査期間を延長した選挙管理委員会の判断が,適法とされた事例

労働裁判例
[個別的労働]
4(福岡高裁平23.2.16判決[平22(ネ)663,平22(ネ)878])…90
 1 採用内々定によって始期付解約権留保付労働契約が成立したとは認められないとされた事例
 2 採用内定通知書交付予定日の2日前にされた採用内々定の取消しが,労働契約締結過程における信義則に反し,応募者の期待利益を侵害する不法行為を構成するとして,損害賠償請求の一部(慰謝料及び弁護士費用)が認められた事例

民・商事裁判例
[民 法]
5(東京地裁平23.3.3判決[平19(ワ)10530,平19(ワ)17351])…100
 1 住宅用床材の瑕疵の発生後に売主である建材メーカーと買主である住宅メーカーとの間で締結した,建材メーカーが床材を住宅メーカーに納入後10年間その修補費用を負担する旨の保証合意は,保証期間内に顧客から修補工事の申出を受け,住宅メーカーが顧客からの瑕疵の発生の連絡を受けたディーラーから不具合連絡書を受け付けているものをその対象とするとされた事例
 2 住宅用床材を構成する化粧シートにつき製作物供給契約の債務不履行責任が認められた事例
 3 膨大な棟数の建物に使用された住宅用床材の瑕疵に係る個々の修補作業の資料につき相手方に閲覧謄写させ,相手方がこれに基づく主張をしていること等を考慮し,そのすべてが証拠として提出されていないことは損害の認定を妨げないとされた事例

6(東京地裁平22.5.12判決[平21(ワ)23521])…127 
 1 一部上場企業である被告の短期調達金利相当額を上回る金額を下請代金から控除をしたことは,下請代金支払遅延等防止法4条1項3号に違反するものの,控除する旨の合意が同号の趣旨に照らし不当性が強いとまでいうことはできず,無効となるものではないとされた事例
 2 約束手形の原因債権を自働債権とする相殺が,約束手形の交付・呈示をせずにされたところ,債務者をして二重払いをさせる危険があったものとは認められず,特段の事由があるとして,その効力が生ずるとされた事例

7(高松高裁平23.7.29判決[平22(ネ)491])…139
 貸金業を営む企業グループの再編に当たって,業務を廃止する会社の顧客に対し,別のグループ会社が資金を融資するとともに,併せて顧客に対する債務を併存的に引き受ける合意をし,その後,顧客に対して上記合意に基づき融資を行った事案において,顧客から,併存的債務引受を理由に過払金の返還を求められた際に,顧客による受益の意思表示の前に債務引受を撤回した旨を主張することは信義則に反して許されないとした事例

8(東京地裁平23.3.25判決[平21(ワ)15005])…143
 弁護士に対する懲戒請求が不法行為を構成することを理由とする損害賠償請求が棄却された事例

9(東京地裁平23.2.24判決[平18(ワ)21831])…150
 1 ギラン・バレー症候群の疑いで入院し,経口気管挿管による人工呼吸管理の継続中にSpO2が突然低下し始めて,かつ,人工呼吸器の設定を変更してもSpO2が回復しなかった患者について,後方視的には患者が食道挿管になっていたことが肯定されたものの,診療当時の患者の具体的な所見等に照らして,患者が食道挿管になっていることを疑い,患者の人工呼吸器から気管チューブを外して,換気手段をアンビューバッグによる用手換気に変更しなかった過失については否定された事例
 2 いわゆるカンファレンス方式による鑑定が実施された事例

[商 法]
10(横浜地裁平23.8.16判決[平22(ワ)929])…176
 高級車の盗難保険金請求について,盗難は請求者の故意によるものとして,保険会社の免責を認めた事例

[知的財産]
11(知的財産高裁平23.9.14判決[平23(行ケ)10086])…182
 小売等役務を指定役務とする商標(本件商標は「Blue Note」の文字の間に「音符の図形」を有する)の権利の及ぶ範囲について判断を示した事例

12(知的財産高裁平23.5.30判決[平22(行ケ)10363])…191 
特許を受ける権利の共有者らから委任を受けた特許管理人が,共有者らのうちの一部の者のみを請求人として記載した審判請求書を提出して行った拒絶査定不服審判請求が,共有者全員のために行ったものであると認められるとした事例

[諸 法]
13(高松地裁平22.8.18判決[平21(ワ)113])…197
 RV車両に事故の原因というべき製造物責任法3条に該当する「欠陥」が認められなかった事例

[民事執行法]
14(東京高裁平23.1.7決定[平22(ラ)2062])…203
 区分所有法59条1項に基づく競売申立請求事件の認容判決による不動産競売開始決定申立事件において,競売申立請求事件の口頭弁論終結後に区分所有者から当該不動産の持分の一部を譲り受けた者に対する申立ては,競売請求権を認めた確定判決等が提出されていないことなどから,不適法であるとされた事例

刑事裁判例
[刑事訴訟法]
15(大阪高裁平23.5.19判決[平23(う)173])…208
 強姦致傷被告事件について,原審の裁判員裁判では被害者の供述を全面的に争って無罪を主張したが有罪となり控訴し,控訴審では一転して犯罪事実を全面的に認めた上,被害弁償をして示談が成立した事案について,控訴審が刑訴法397条2項により原判決を破棄し,原審の量刑を軽くした事例
【論説紹介】

東京地裁破産再生部(民事第20部)における牽連破産事件の処理の実情等について(上)/島岡大雄…4

判例展望民事法56
会社の解散をめぐる裁判例と問題点/水倉義貴…21

国を当事者とする訴訟における法律問題⑧
国際課税訴訟の現状と課題/神谷 善英…31

裁判員裁判における法律概念に関する諸問題⑨
大阪刑事実務研究会
殺意(上)/中川 博之・真鍋 秀永・末弘 陽一…49


【判例紹介】

特 報
[憲 法]
1(最高裁大法廷平23.11.16判決[平22(あ)1196])…62
 1 刑事裁判における国民の司法参加と憲法
 2 裁判員制度と憲法31条,32条,37条1項,76条1項,80条1項
 3 裁判員制度と憲法76条3項
 4 裁判員制度と憲法76条2項
 5 裁判員の職務等と憲法18条後段が禁ずる「苦役」

最高裁判例
[民事訴訟法]
2(最高裁第三小法廷平23.10.11決定[平23(行ト)42,平23(行フ)2])…68
 弁護士会の綱紀委員会の議事録のうち「重要な発言の要旨」に当たる部分が民訴法220条4号ニ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に該当するとされた事例

行政裁判例
[行政法一般]
3(東京地裁平22.10.1判決[平21(行ウ)132])…73
 1 エチオピアの国籍を有する女性について,エチオピア政府又は与党から弾圧を受けている野党の党員として反政府活動に加わり,2度にわたり逮捕されていることなどを理由に,難民に該当するとされた事例
 2 難民であることを考慮せずにされた在留特別許可をしない旨の処分及び退去強制令書発付処分が無効であるとされた事例

[行政争訟法]
4(東京高裁平23.2.23判決[平21(行ケ)10])…85
 1 貨物船と漁船との衝突事故について,両船の位置関係から海上衝突予防法15条1項の横切り船航法の適用が認められた事例
 2 貨物船と漁船とが衝突し漁船船長が溺死した事故について,貨物船航海士の見張り義務違反の過失と漁船船長の避航措置を講じなかった過失の大きさとを比較のうえ,広島地方海難審判所のした海技士である同航海士に対する業務停止1箇月の裁決が重すぎ相当性を欠くとして取り消された事例

[地方自治法]
5(名古屋地裁平22.7.15判決[平21(行ウ)29])…102
 愛知県の行政委員会の委員に対する月額報酬制による報酬支給の差止請求が棄却された事例

6(大阪高裁平22.4.27判決[平21(行コ)32])…111
 1 地方自治法203条の2第2項ただし書は,同条1項所定の非常勤職員に対する報酬はその勤務日数に応じて支給するとの同条2項本文の原則を堅持しつつ,例外として,各地方公共団体の議会が制定する条例をもって特別な定めをすることができることを認めたものであるところ,地方公共団体の議会は,非常勤職員の職務内容及び勤務態様等の具体的事情を考慮し,月額報酬制等をとるのを相当とするような特別な事情があるかどうかを判断して,裁量により上記特別な定めをするかどうかを決することができる
 2 地方公共団体の非常勤職員とされる労働委員会,収用委員会,選挙管理委員会の各委員(選挙管理委員会の委員長を除く)の報酬を月額で支給する旨の条例につき,各委員の報酬額が勤務量に対応した反対給付と評価することはできず,地方自治法203条の2第2項本文の日額報酬制の原則に矛盾抵触して著しく妥当性を欠く状態になっており,そのような状態が少なくとも平成15年度以降継続し,既に是正のために必要な相当期間が経過しているから,同法203条の2第2項ただし書で許された裁量の範囲を逸脱して違法であるとして,条例に基づく公金の支出の差止めを認めた事例
 3 地方公共団体の非常勤職員とされる選挙管理委員会の委員長の報酬を月額で支給する旨の条例につき,地方自治法203条の2第2項本文の日額報酬制の原則と矛盾抵触して著しく妥当性を欠く状態になっているとは直ちに断じ難いとして,条例に基づく公金支出の差止めを認めなかった事例

民・商事裁判例
[民 法]
7(さいたま地裁平23.1.21判決[平20(ワ)725,平20(ワ)2779])…131
 1 石綿管を製造する被告の工場で働いていた従業員が,就労中石綿粉じんに曝露したことにより,石綿肺等の石綿関連疾患に罹患して死亡したとして,従業員の遺族らが,被告に対し,債務不履行(安全配慮義務違反)による損害賠償請求権に基づき慰謝料等の賠償を求めた事件について,上記請求権の消滅時効は,従業員の死亡の時から進行し,本件では時効期間が経過しているなどとして,原告らの請求を棄却した事例
 2 被告の従業員の家族であり,かつ,被告の工場の近隣に居住していた原告らが,従業員が自宅に持ち帰っていた作業着等を介し,あるいは工場から排出された石綿粉じんに曝露したことにより,石綿を原因とする健康被害(胸膜肥厚斑)を生じたとして,債務不履行(安全配慮義務違反)又は不法行為に基づき慰謝料等の賠償を求めた事件について,被告の義務違反と原告らの健康被害との間に因果関係を認め難い上,現時点で原告らに損害が発生したとは認められないなどとして,原告らの請求を棄却した事例

8(岡山地裁平22.10.25判決[平21(ワ)223])…162
 介護老人保健施設に入所していた老人が職員に気付かれることなく浴室に入り込み浴槽内で死亡したことにつき,施設側に管理義務違反があったとして,その損害賠償責任が認められた事例

9(東京地裁平22.7.28判決[平21(ワ)46933])…168
 原告の写真に基づいて作画された漫画が,原告の名誉感情及び肖像権を侵害するとされた事例

10(東京地裁平23.3.24判決[平20(ワ)22982])…178
 1 腫瘍マーカーの一つであるCEA(がん胎児性抗原)の軽度上昇がみられた後に大腸がん及びこれに起因する多発転移性肝がんと診断されて死亡した患者に対する診断,治療上の過失が否定された事例
 2 RFA(ラジオ波焼灼術)に関する説明義務違反が否定された事例

[商 法]
11(札幌地裁平23.5.13決定[平23(ヒ)6])…203
 金融商品取引法29条に違反して,同法所定の登録を受けずに有価証券の募集又は私募等を業として行っていた相手方会社及びその従業員らに対し,同法192条1項に基づいて,金融商品取引法違反行為の差止めが命じられた事例

[知的財産]
12エコルクス事件(「エコルクス/ECOLUX」事件)(知的財産高裁平22.12.15判決[平22(行ケ)10013])…210
 1 指定商品を包装していない単なる包装紙等に標章を付する行為又は単に標章の電子データを作成若しくは保持する行為は,商標法2条3項1号所定の「商品の包装に標章を付する行為」に当たらない
 2 標章を付した広告等が一般公衆による閲覧可能な状態に置かれていない場合には,商標法2条3項8号所定の標章を付した広告の「頒布」に当たらない

13(知的財産高裁平22.11.17判決[平22(行ケ)10191])…219
 1 出願後に頒布された引用例2に記載された事項を,引用発明1に採用することによって,本願発明を容易に発明することができたと判断した審決には,特許法29条2項の適用を誤った違法がある
 2 審決における刊行物記載の発明と公知技術との組合せにより容易に発明できたという理由を,取消訴訟において,技術常識の名の下に刊行物記載の発明から容易に発明できたという理由に差し替えることは許されない

14(東京地裁平23.3.4判決[平21(ワ)6368,平21(ワ)17073,平21(ワ)41398])…225
 財団法人の寄附行為の解釈によって著作権の帰属を判断した事例

刑事裁判例
[刑事訴訟法]
15(東京高裁平22.10.8決定[平22(く)573])…253
 ファクシミリを利用して送信することによりなされた即時抗告につき,被告人の署名押印のある申立書によりなされたものではなく,刑事訴訟規則60条に違背するもので無効であるとした事例
【論説紹介】

訴訟理論研究会
座談会 民事訴訟手続における裁判実務の動向と検討 第2回
伊藤眞・垣内秀介・春日偉知郎・加藤新太郎・松下淳一・山本和彦・・・4

訴訟理論研究会
宗教法人代表者の代表権限の存否と審判権の限界
大阪高判平22.1.28判タ1334号245頁/垣内秀介・・・35

訴訟理論研究会
上告理由・上告受理申立て理由としての経験則違反
最二小判平22.7.16判タ1333号111頁,判時2094号58頁,金判1354号44頁/加藤新太郎・・・42

訴訟理論研究会
訴え提起が不法行為となる場合
最二小判平22.7.9判タ1332号47頁,判時2091号47頁/松下淳一・・・50

訴訟理論研究会
証拠保全における検証物提示命令申立ての黙示の却下
仙台高決平22.6.23金判1356号23頁/山本和彦・・・56

訴訟理論研究会
国際非訟事件における手続上の諸問題/山本和彦・・・61

国を当事者とする訴訟における法律問題⑦
労災訴訟における業務起因性について/平井直也・永井孝治・・・73


【判例紹介】全19件(最高裁判例11件)

最高裁判例
[民 法]
1(最高裁第二小法廷平23.7.15判決[平22(オ)863,平22(受)1066])・・・89
 1 消費者契約法10条と憲法29条1項
 2 賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料の支払を約する条項の消費者契約法10条にいう「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」該当性

2(最高裁第一小法廷平23.7.14判決[平23(受)332])・・・94
 金銭消費貸借に係る基本契約が順次締結され,これらに基づく金銭の借入れと弁済が繰り返された場合において,各基本契約に当初の契約期間の経過後も当事者からの申出がない限り当該契約を2年間継続し,その後も同様とする旨の定めが置かれていることから,先に締結された基本契約に基づく取引により発生した各過払金をその後に締結された基本契約に基づく取引に係る各借入金債務に充当する旨の合意が存在するとした原審の判断に違法があるとされた事例
  
3(①最高裁第一小法廷平23.7.7判決[平22(受)1784,平22(オ)1473],②最高裁第二小法廷平23.7.8判決[平22(受)1405])・・・98
 貸金業者が貸金債権を一括して他の貸金業者に譲渡する旨の合意をした場合における,借主と上記債権を譲渡した業者との間の金銭消費貸借取引に係る契約上の地位の移転及び上記取引に係る過払金返還債務の承継の有無

4(①最高裁第三小法廷平23.9.13判決[平21(受)1177],②最高裁第三小法廷平23.9.13判決[平22(受)1485])・・・103
 1 有価証券報告書等に虚偽の記載がされている上場株式を取引所市場において取得した投資者が当該虚偽記載がなければこれを取得しなかった場合における,上記投資者に生じた当該虚偽記載と相当因果関係のある損害の額
 2 有価証券報告書等に虚偽の記載がされている上場株式を取引所市場において取得した投資者が当該虚偽記載がなければこれを取得しなかった場合における,当該虚偽記載の公表後のいわゆるろうばい売りによる上場株式の市場価額の下落による損害と当該虚偽記載との相当因果関係

[諸 法]
5(最高裁第一小法廷平23.11.17判決[平22(受)1584])・・・121
 公有地に係る土地信託契約において,受益者に対する費用補償請求権を定めた旧信託法(平成18年法律第109号による改正前のもの)36条2項本文の適用を排除する旨の合意が成立していたとはいえないとされた事例

6(最高裁第三小法廷平23.10.11決定[平23(ク)166,平23(許)8])・・・128
 建物の区分所有等に関する法律59条1項に基づく訴訟の口頭弁論終結後の区分所有権及び敷地利用権の譲受人に対し同訴訟の判決に基づいて競売を申し立てることの可否
  
[倒産処理法]
7(①最高裁第三小法廷平23.11.22判決[平22(受)78],②最高裁第一小法廷平23.11.24判決[平22(受)1587])・・・131
 1 求償権が破産債権である場合において財団債権である原債権を破産手続によらないで行使することの可否(①事件)
 2 求償権が再生債権である場合において共益債権である原債権を再生手続によらないで行使することの可否(②事件)

[刑事訴訟法]
8(最高裁第二小法廷平23.10.5決定[平23(し)376])・・・138
 第1審裁判所が犯罪の証明がないことを理由として無罪の言渡しをした場合と控訴審における勾留

行政裁判例
[国家補償法]
9 イレッサ東京訴訟控訴審判決(東京高裁平23.11.15判決[平23(ネ)3630])・・・142
 1 抗癌剤イレッサにつき,設計上の欠陥及び添付文書の記載における指示・警告上の欠陥等があったとはいえないとして,製薬会社の製造物責任及び不法行為責任が否定された事例
 2 抗癌剤イレッサについての厚生労働大臣の輸入承認及びその後の行政指導に違法な規制権限不行使があったとはいえないとして,国に対する国家賠償請求が棄却された事例
  
労働裁判例
[個別的労働関係]
10(東京地裁平22.3.30判決[平20(ワ)29076])・・・165
 携帯電話の滞納料金回収業務を担当していた嘱託社員が,能率給(インセンティブ)制度の廃止に伴う社員区分の移行を,大幅な賃金減額になるという理由で受け容れず期間満了による雇止めとなったことについて,同制度廃止の手段・経緯に合理性がないことなどから,同雇止めは解雇権濫用法理の類推適用により無効と認められ,雇用契約上の地位確認等の請求が認容された事例

民・商事裁判例
[民 法]
11(東京地裁平23.4.13判決[平21(ワ)12983])・・・176
 大学の研究室を主宰する被告教授等が,同研究室の助手であった原告を共同発表者としない研究発表を行ったことについて,不法行為責任はないとされた事例

12(前橋地裁平22.10.29判決[平20(ワ)376])・・・192
 有料老人ホームの運営会社の財務経理部長がうつ病に罹患して自殺した場合,会社の損害賠償責任が認められた事例

13(大阪地裁平22.10.19判決[平21(ワ)15670])・・・210
 1 ある犯罪事実の容疑者に関する匿名の新聞記事を発表した翌日に,当該人物が特定の人物であることを摘示する新聞記事を発表した場合でも,匿名記事自体から報道対象者の特定が困難な場合には,匿名記事が遡及的に名誉毀損性を有するものになるとはいえない
 2 民事訴訟においても取材源の秘匿が尊重されることは当然であるが,報道機関が名誉毀損を理由とする損害賠償請求に対して真実性又は真実相当性を抗弁として主張する以上,具体的な取材源を明らかにしないまでも,真実性・真実相当性を認められる程度の具体性のある主張立証をする必要がある  
[商 法]
14(東京地裁平23.1.26判決[平21(ワ)5675])・・・218
 1 議長の資格のない者によって採決が行われたとして,株主総会決議不存在確認請求が認められた事例
 2 取締役解任決議が不存在であると確認された場合において,その後,解任決議を追認する決議がされたとき,当該追認に遡及効はあるか(消極)
 3 取締役解任に正当な理由が存在するか(消極)  
[知的財産]
15(知的財産高裁平22.2.17判決[平21(行ケ)10318])・・・237
 新聞や雑誌への掲載により引用商標が商標法4条1項10号所定の周知性を有するとされた事例
  
刑事裁判例
[刑 法]
16(大阪地裁平23.3.22判決[平22(わ)3854])・・・244
 1 殺人未遂,現住建造物等放火未遂の罪につき,中止未遂の成立が否定された事例(裁判員裁判)
 2 裁判員裁判の公判前整理手続において,裁判所と当事者との間で中止未遂の概念・要件に関する裁判員への説明資料について合意がなされ,その内容を踏まえた公判立証・弁論等が行われるとともに,判決においてもこれに沿う形で判断が示された事例
【論説紹介】

名誉毀損訴訟解説・発信者情報開示請求訴訟解説/東京地方裁判所プラクティス委員会第一小委員会
澤野芳夫・三浦隆志・齊藤充洋・横井靖世・櫻庭一威・長嶋義延・矢代陽子・・・4

大阪民事実務研究
退職金請求事件における主張立証責任の考察
 ー精神的疾患のある労働者に対する懲戒解雇の効力が争われた事例を中心として/徳増誠一・・・37

国を当事者とする訴訟における法律問題⑥
公法上の法律関係に関する確認訴訟の動向/西村淑子・・・60

独占禁止法の新たな展開27
再販売価格維持規制のあり方/村上政博・・・68

ブック・レビュー 鹿子木康=島岡大雄編/東京地裁個人再生実務研究会『個人再生の手引』
個人再生手続の心得/園尾隆司・・・79

ブック・レビュー 植村立郎著『少年事件の実務と法理―実務「現代」刑事法』
抗告審の視点から少年事件を紐解く/波床昌則・・・82


【判例紹介】

最高裁判例
[地方自治法]
1(最高裁第一小法廷平23.9.8判決[平21(受)1408])・・・85
 国の補助事業における入札談合によって普通地方公共団体の被った損害の賠償を求める地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第1項4号の規定による住民訴訟において住民が勝訴した場合の同条7項にいう「相当と認められる額」の認定に当たり,当該普通地方公共団体が回収した額を考慮する際にその回収に伴い国に返還されることとなる国庫補助金相当額を控除することの可否

[民 法]
2(最高裁第三小法廷平23.10.25判決[平21(受)1096])・・・88
 個品割賦購入あっせんにおいて,購入者と販売業者との間の売買契約が公序良俗に反し無効であることにより,購入者とあっせん業者との間の立替払契約が無効となるか

93
3(最高裁第三小法廷平23.10.18判決[平22(受)722])・・・93
 無権利者を委託者とする物の販売委託契約が締結された場合における当該物の所有者の追認の効果

4(最高裁第二小法廷平23.7.15判決[平21(受)1905,平21(受)1906])・・・96
 弁護士であるテレビ番組の出演者において特定の刑事事件の弁護団の弁護活動が懲戒事由に当たるとして上記弁護団を構成する弁護士らについて懲戒請求をするよう視聴者に呼び掛けた行為が,不法行為法上違法とはいえないとされた事例

行政裁判例
[地方自治法]
5(東京地裁平22.12.22判決[平21(行ウ)249])・・・105
 1 国立市が,民間企業からの別件損害賠償請求事件において,前市長の当該民間企業に対する営業活動妨害等を理由として損害賠償金等の支払を命じる判決を受け,当該民間企業に対し,当該損害賠償金等を支払ったことから,国立市が前市長に対して求償権(国家賠償法1条2項)を有し,その不行使が怠る事実に該当するとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,前市長に当該損害賠償金等相当額の支払を請求することを現市長に対して求める請求が,認容された事例
 2 上記民間企業が国立市に対してした上記損害賠償金等と同額の一般寄附は,上記損害金等を実質的に填補する趣旨でされたものではないとして,これをもって国立市の前市長に対する上記求償権が消滅したとは認められないとされた事例
 3 国立市が前市長に対して上記求償権を行使することが信義則に反するとはいえないとされた事例

6(大阪高裁平22.8.27判決[平21(行コ)169])・・・127
 派遣職員の人件費に充てるため,市が派遣先外郭団体に対して行った補助金等交付が違法であるとして,市長と団体に対して損害賠償等請求の義務づけ訴訟が,上記損害賠償等請求権は条例により放棄されたため,消滅したとして,棄却された事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
7(東京地裁平22.12.27判決[平21(ワ)18832])・・・137
 1 会社の部長職にあった従業員が取引先の若い女性従業員に対するわいせつ行為を理由に懲戒解雇処分を受けたことについて,解雇事由を認定し懲戒解雇処分を有効とした事例(本訴)
 2 当該従業員がわいせつ行為の存在を否定して会社に対して起こした本訴は濫訴であり不法行為にあたるとして,会社が応訴及び反訴に要した費用の一部につき損害賠償請求を認めた事例(反訴)

民・商事裁判例
[民 法]
8(東京地裁平23.3.15判決[平19(ワ)27074])・・・155
 1 いわゆる環状取引に参加した者が当該環状取引を構築した取引当事者以外の第三者に不法行為に基づく損害賠償を請求する場合における損害
 2 いわゆる環状取引に参加した者が当該環状取引を構築した取引当事者以外の第三者に不法行為に基づく損害賠償を請求する場合における損益相殺ないし損益相殺的な調整
 3 いわゆる環状取引に参加した者が当該環状取引を構築した取引当事者以外の第三者に不法行為に基づく損害賠償を請求する場合における過失相殺と損益相殺ないし損益相殺的な調整の順序

9(熊本地裁人吉支部平22.4.27判決[平21(ワ)32])・・・173
 貸金業者からの過払金の返還について,過払金の返還を受ける債権者の代理人である弁護士が同弁護士の預金口座にその過払金を振り込むよう重ねて指示したにもかかわらず,貸金業者がこれに従わず,あえて債権者本人の預金口座にこれを振り込んだことが義務の履行として信義則に反するとして,不法行為が成立するとされた事例

10(長野地裁上田支部平23.3.4判決[平20(ワ)262])・・・179
 歯科医院において歯の治療を受けていた患者に「非定型歯痛」が発症し悪化したことについて,転院義務違反があったとして,その損害賠償責任が認められた事例

[商 法]
11(東京高裁平23.5.23判決[平22(ネ)7256])・・・197
 自動車の盗難を保険事故とする保険金請求において,盗難の外形的事実である「被保険者以外の第三者が被保険者の占有に係る被保険自動車をその所在場所から持ち去ったこと」につき高度な蓋然性があると認められる程度まで立証できたとはいえないとして,保険金請求が棄却された事例

[知的財産]
12(知的財産高裁平22.9.22判決[平21(ネ)10067])・・・204
 特許出願に際して願書に共同発明者として記載されている者につき,着想を提供した者ではなく,また,その具体化についても協力者・補助者として実験を行うなどして発明の完成を援助したことを超えて重要な貢献を行った者でもないとして,当該発明の発明者ということができないとされた事例

13(知的財産高裁平22.2.3判決[平21(行ケ)10305])・・・213
 衣料品の下げ札や手提げ袋に「PINK BERRY」の表示をしてこれを販売する行為は,指定商品を「洋服」等とする「Pink berry」なる商標の使用に当たる

14(東京地裁平23.4.26判決[平20(ワ)28364])・・・220
 PCプラントの設計図面を作成して第三者に開示した被告の行為は,不正に開示された営業秘密を取得して,第三者に開示したものであり,不正競争防止法2条1項8号の不正競争行為に当たるとした事例

[諸 法]
15(東京地裁平23.2.9判決[平21(ワ)8353])・・・240
 トイレブースに製造物責任法上の欠陥がないとされた事例

刑事裁判例
[刑 法]
16([1事件]神戸地裁尼崎支部平22.4.19判決[平21(わ)5],[2事件]神戸地裁尼崎支部平23.2.28決定[平22(そ)1])・・・246
 1 現住建造物等放火被告事件において,被告人が,犯行時妄想型統合失調症の急性期にあり責任能力を有していたと認めるには合理的な疑いが残るとして無罪が言い渡された事例(1事件)
 2 上記事件の被告人からの刑事補償請求に対し,捜査機関に故意過失がないこと,請求人が逮捕当時無職で収入がなかったこと,その他,刑事補償法4条2項が定める請求人が被った精神的損害などの諸般の事情を総合考慮すると,1日当たり金3000円の割合による補償金を交付するのが相当であるとされた事例(2事件)
【論説紹介】

国を当事者とする訴訟における法律問題⑤
規制権限の不行使をめぐる国家賠償法上の諸問題について―その2/二子石亮・鈴木和孝・・・4

大阪民事実務研究
証券投資信託において受益者に破産手続ないし民事再生手続が開始された場合の債権回収を巡る諸問題
 ―銀行取引約定,商事留置権及び相殺を中心に/坂本寛・・・22

成年後見人の職務についての若干の考察/山本陽一・・・37

スウェーデン,ノルウェー,フィンランドにおける裁判外紛争処理の実情(下)
 ―消費者紛争及び医事紛争に関するADRを中心として/石井芳明・・・53

刑事控訴審における事実誤認の審査方法について/井戸俊一・・・63


【判例紹介】

最高裁判例
[憲 法]
1(1最高裁第一小法廷平23.9.22判決[平21(行ツ)73],2最高裁第二小法廷平23.9.30判決[平21(行ツ)173])・・・75
 長期譲渡所得に係る損益通算を認めないこととした平成16年法律第14号による改正後の租税特別措置法31条の規定をその施行日より前に個人が行う土地等又は建物等の譲渡について適用するものとしている平成16年法律第14号附則27条1項と憲法84条

[地方自治法]
2(最高裁第一小法廷平23.10.27判決[平22(行ツ)463])・・・86
 市の住民が市長に対し損失補償契約に基づく金融機関等への公金の支出の差止めを求める訴えが不適法とされた事例

行政裁判例
[行政法一般]
3(東京地裁平22.1.29判決[平20(行ウ)261,平20(行ウ)273,平20(行ウ)274])・・・93
 1 ミャンマー連邦の国籍を有する夫婦に対してされた難民の認定をしない処分が違法とされ,そのことから退去強制令書発付処分及び出入国管理及び難民認定法61条の2の2第2項による在留特別許可をしない旨の処分が違法又は無効とされた事例
 2 当該外国人が難民であることは,出入国管理及び難民認定法49条に基づく異議の申出には理由がない旨の裁決の違法事由とはならない
 3 難民である外国人の子に対してされた裁決及び退去強制令書発付処分が違法とされた事例
  
[行政争訟法]
4(東京高裁平22.9.15判決[平21(行コ)347])・・・111
 漁港漁場整備法に基づく漁港区域内の公共空地及び水面の一部占用許可申請についてされた不許可処分に裁量権を逸脱又は濫用した違法はないとされた事例

[国家補償法]
5(福岡高裁平22.9.29判決[平22(ネ)91])・・・126
 事前に辞退届出書を提出していた被保護者に対する生活保護の廃止処分について,国家賠償法上の違法性は認められないとして,国家賠償請求を棄却した事例

[租税法]
6(名古屋地裁平21.9.30判決[平19(行ウ)94])・・・137
 商品先物取引に関し商品取引員から不法行為に基づく損害賠償金として受け取った和解金が,平成22年法律第6号による改正前の所得税法9条1項16号,平成22年政令第50号による改正前の所得税法施行令30条2号の非課税所得に当たるとされた事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
7(東京地裁平22.8.24判決[平19(ワ)2740])・・・153
 心臓外科手術に伴う人工心肺中の医療事故について,被告大学が作成した調査報告による名誉毀損と懲戒権の濫用に基づく損害賠償請求が消滅時効等を理由として認められなかった事例
  
[集団的労働関係]
8(東京地裁平22.7.22判決[平21(行ウ)364])・・・166
 1 不当労働行為救済申立てに係る請求期間の徒過の有無について,申立人が請求期間内に申し立てた後,同一の不当労働行為を構成する具体的事実に基づいて請求する救済の内容を追加・変更したとしても,請求期間徒過の問題を生じないとされた事例
 2 会社の組合に対する団体交渉における態度が,組合の要求や主張に対し,単に否定的な結論のみを述べたり,若干の形式的理由を述べるに過ぎないとして,不誠実団交に当たるとされた事例

民・商事裁判例
[民 法]
9(東京地裁平22.9.28判決[平18(ワ)15413])・・・178
 株式の信用取引において顧客が証券会社に預託する委託保証金の率が前引け又は大引けの時点で10%を下回った場合に証券会社が任意に,顧客の計算において,顧客の全建玉を決済することができるとする信用取引契約の効力

10(東京地裁平22.10.29判決[平19(ワ)31252])・・・188
 元横浜市長の地位にあったXについてYがその発行する週刊誌において3号連続で執筆,編集,掲載した各記事が,Xの名誉を毀損するものであるとして,Xに対する損害賠償の支払及び謝罪広告の掲載が認められた事例

[商 法]
11(東京高裁平22.11.25判決[平22(ネ)1247])・・・203
 1 生命保険契約の保険契約者が死亡保険金受取人の承諾を得ないで保険金請求権に質権を設定した場合と被保険者の死亡によって発生した保険金請求権の帰属
 2 生命保険契約の保険契約者が死亡保険金受取人の承諾を得ないで保険金請求権に質権を設定した場合と被保険者の死亡によって発生した保険金を保険金受取人に支払った保険会社の免責

[知的財産]
12(知的財産高裁平22.5.12判決[平21(行ケ)10256])・・・220
 特許無効理由として,刊行物に記載された引用発明に周知技術を適用して容易に得ることができる発明に,別の刊行物に記載された発明を適用することによって,本件発明を容易に想到することができると主張することは,主張自体失当であるとされた事例
  
13(知的財産高裁平22.3.29判決[平21(行ケ)10306])・・・234
 「いなば和幸」の文字から成る商標が「とんかつ和幸」の文字から成る商標と類似しないとした事例

[諸 法]
14(東京地裁平23.6.29判決[平22(ワ)17640])・・・244
 位置指定道路である私道の所有者が,当該私道及び公道と接している土地の所有者に対し,当該土地上の建物に出入りする者の私道通行の禁止を求めたのに対し,自動車通行等のみが禁じられた事例

刑事裁判例
[刑 法]
15(大阪地裁平23.7.22判決[平22(わ)5331])・・・251
 実弟から顔面を手拳で殴打されるなどの暴行を加えられた被告人が,実弟の背後から腕を首に回して締めつけて窒息死させたという傷害致死の事案において,被告人には被害者の首を絞めているという認識がなく,自己の身体を防衛するため相当な行為をするつもりで誤ってその限度を超えたものであり,防衛行為が過剰であることを基礎づける事実の認識に欠けていたとして,誤想防衛の成立が認められ,無罪が言い渡された事例

論説紹介

大阪民事実務研究会
児童生徒のいじめ自殺訴訟の現状
ー因果関係を中心に/横田昌紀・・・4

国を当事者とする訴訟における法律問題④
周辺住民等の原告適格をめぐる諸問題/石垣智子・・・30

スウェーデン,ノルウェー,フィンランドにおける裁判外紛争処理の実情(上)
ー消費者紛争及び医事紛争に関するADRを中心として/石井芳明・・・46

裁判員裁判における法律概念に関する⑧[大阪刑事実務研究会]
共犯(2)裁判員に対する共犯概念の説明の在り方に関する具体的・実践的研究(下)/畑山 靖・渡部市郎・今井輝幸・・・56

ブック・レビュー 瀬木比呂志 著『法曹制度・法曹倫理入門ー法律家の在り方と関連諸制度』
内なる法曹倫理ー良き法律家として生きるために/伊藤 眞・・・71


判例紹介

最高裁判例
[憲 法]
1(最高裁第一小法廷平23.7.7判決)・・・73
 卒業式の開式直前に保護者らに対して大声で呼び掛けを行い,これを制止した教頭らに対して怒号するなどし,卒業式の円滑な遂行を妨げた行為をもって刑法234条の罪に問うことが,憲法21条1項に違反しないとされた事例
[民事訴訟法]
2(最高裁第三小法廷平23.9.30決定)・・・76
 補助参加を許可する旨の原々決定を即時抗告の相手方に不利益なものに変更するに当たり,即時抗告申立書の副本の送達又はその写しの送付をしなかった原審の措置には,抗告審における手続保障の観点から見て配慮に欠けるところがあったものの,その審理手続に裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとはいえないとされた事例
  
[刑事訴訟法]
3(最高裁第二小法廷平23.7.25判決)・・・79
 通行中の女性に対して暴行,脅迫を加えてビルの階段踊り場まで連行し,強いて姦淫したとされる強姦被告事件について,被害者とされた者の供述の信用性を全面的に肯定した第1審判決及び原判決の認定が是認できないとされた事例

4(最高裁大法廷平23.5.31決定)・・・92
 最高裁判所長官として裁判員制度の実施に係る司法行政事務に関与したことが同制度の憲法適合性を争点とする事件についての忌避事由に当たるか

行政裁判例
[行政争訟法]
5(名古屋地裁平22.11.8決定)・・・94
 タクシー業者の運賃据置の認可申請を却下した運輸局長の処分について,違法と判断し,従前の運賃による認可処分の仮の義務付けが認められた事例

[国家補償法]
6(東京地裁平22.1.27判決)・・・101
 いわゆる「宅下げ」に関する検察官の行為について,弁護人の接見交通権を侵害する違法があるとされた事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
7(東京地裁平22.3.15判決)・・・113
 食品メーカーにおいて物流管理等の業務に従事していた従業員が,持病の気管支喘息を悪化させ,その発作から心臓停止に至り死亡した場合について,業務起因性が肯定された事例
  
民・商事裁判例
[民 法]
8(東京地裁平22.2.19判決)・・・130
 1 建物新築工事に関し,予定された工程は一応終了しているとして仕事の完成が認められた事例
 2 建物新築工事の注文者が瑕疵修補に代わる損害賠償債権をもって請負代金債権との同時履行を主張することは信義則に反するとされた事例

9(東京地裁平23.1.26判決)・・・148
 構造計算書の偽装された分譲マンションの建築確認及び完了検査を実施した建築基準法上の指定確認検査機関又はその確認検査員がその偽装を看過したことにつき,過失があるということはできないとされた事例

10(東京地裁平23.1.26判決)・・・159
 漁港内の航路筋に無灯火で錨泊中の台船に,未明に航行中の漁船が衝突した事故につき,台船側に7割の過失があったとして,その損害賠償責任が認められた事例

11(高松地裁平22.3.29判決)・・・165
 キアリー骨盤骨切り術を受けた患者が下肢深部静脈血栓症・肺塞栓症により死亡したことについて,手術と術後管理を担当した整形外科医に予防義務,検査義務(具体的予見義務),治療義務違反の過失がなかったとして,その損害賠償責任が否定された事例
  
[知的財産]
12(知的財産高裁平22.3.24判決)・・・184
 1 引用発明がローカルエリア・ネットワーク内のサーバーに対する「インターネットの至る所」からのクライアントによるアクセスを確立する方法であるのに対し,本件発明はそのようなアクセスを実現するためのフラグシップ・ホストに相当するサーバーの存在及びその機能としての「リダイレクト」を採用するものではないなどとして,本件発明は引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえないとされた事例
 2 特許法100条2項に基づくサーバーの除却請求については,対象となるサーバーがその機能を果たさなくなるようにプログラムを削除したり消去したりすることを含むものとして除却を認容し,データベースの除却請求については,その性質上除却の対象になじまないとして消去を認める限度で認容するのが相当であるとされた事例
 3 特許権者が特許権を侵害する被控訴人方法の実施について無償でこれを許諾することは通常考えられないとして,金銭を受領することなく行われた被控訴人方法の実施によっても,特許権者に損害が発生しているとされた事例
 4 控訴人の損害額を立証するために必要な事実を立証することは,その性質上極めて困難であるとして,特許法105条の3の規定も適用して損害が算定された事例
  
13(知的財産高裁平20.4.17判決)・・・205
 1 被告が製造販売する紙おむつが,原告の特許権の技術的範囲に属し,原告の特許権には特許法104条の3所定の無効理由はないと判断された事例
 2 特許法102条3項に基づいて損害額が算定された事例

[諸 法]
14(東京地裁平23.3.10判決)・・・236
 1 仲裁合意の物的範囲を判断するための準拠法
 2 妨訴抗弁の主張が権利の濫用となるか否かを判断する場合の準拠法
  
[民事訴訟法]
15(東京地裁平22.5.13決定)・・・241
 捜査機関の嘱託を受けて医師である鑑定受託者が作成し所持している司法解剖の鑑定書の控え等について,民事訴訟法220条4号ホが定める刑事事件関係書類等に該当しないなどとして,文書の提出が命じられた事例

[民事執行法]
16(東京高裁平23.2.16決定)・・・244
 裁判所は,転付命令発令の審査に当たって,差押えの競合の有無を審査する必要はないとされた事例

刑事裁判例
[刑 法]
17(大阪高裁平23.2.24判決)・・・248
 被告人を無期懲役に処する旨の強盗殺人事件についての前裁判が確定している場合に,その確定裁判の余罪となる同様の強盗殺人被告事件について,原審が被告人を無期懲役に処し,検察官が死刑を求めて控訴したが,控訴を棄却した事例
●記事紹介

国を当事者とする訴訟における法律問題3
国家賠償請求訴訟における消滅時効と除斥期間
/目黒大輔・・・4

労働審判の経験を踏まえた自庁調停
/和久田斉・・・18

独占禁止法の新たな展開26
平成23年の企業結合審査手続の見直し
/村上政博・・・36

裁判員裁判における法律概念に関する諸問題7[大阪刑事実務研究会]
共犯(2)
裁判員に対する共犯概念の説明の在り方に関する具体的・実践的研究(上)
/畑山靖・渡部市郎・今井輝幸・・・46

ブック・レビュー
現代刑事法の諸問題を紐解く
『植村立郎判事退官記念論文集ー現代刑事法の諸問題』
/石井一正・・・60


●判例紹介

特 報
[民事執行法]
1(最高裁第三小法廷平23.9.20決定)・・・65
1 債権差押命令の申立てにおける差押債権の特定の有無の判断基準
2 大規模な金融機関の全ての店舗又は貯金事務センターを対象として順位付けをする方式による預貯金債権の差押命令の申立ての適否

最高裁判例
[個別的労働関係]
1(最高裁第三小法廷平23.7.12判決)・・・70
市立小学校又は中学校の教諭らが勤務時間外に職務に関連する事務等に従事していた場合において,その上司である各校長に上記教諭らの心身の健康を損なうことがないよう注意すべき義務に違反した過失があるとはいえないとされた事例

[民 法]
2(最高裁第二小法廷平23.9.30判決)・・・76
貸金業者Yとその完全子会社である貸金業者Aの顧客Xとが,金銭消費貸借取引に係る基本契約を締結するに当たり,YがXとの関係において,AのXに対する債権を承継するにとどまらず,AのXに対する債務についても全て引き受ける旨を合意したものと解された事例

3(最高裁第一小法廷平23.7.21判決)・・・81
最高裁平成17年(受)第702号同19年7月6日第二小法廷判決のいう「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵」の意義

[民事訴訟法]
4(最高裁第三小法廷平23.7.27決定)・・・85
家事審判法9条1項乙類に掲げる事項につき他の家庭に関する事項と併せて申し立てられた調停が成立しない場合における審判への移行の有無

行政裁判例
[行政争訟法]
1(さいたま地裁平23.2.2判決)・・・87
知事が,原告の行う広告表示等につき特定商取引に関する法律違反があるとして,業務停止命令に先立って原告から提出された弁明書の内容を考慮せず,広告表示について訂正が行われるか否かを確認することなく業務停止を命じたことには裁量権を濫用した違法があるとして,当該業務停止命令を取り消した事例

[国家補償法]
2(福岡高裁平22.11.26判決)・・・98
医療刑務所に収容されていた受刑者が自殺したことについて,担当医師ら刑務所職員には適切な診療や,自殺防止の措置を怠るなどの過失は認められないとして,国家賠償請求を棄却した事例

[地方自治法]
3(佐賀地裁平23.1.21判決)・・・112
市が随意契約の方式により締結した浄化槽維持管理等の業務委託契約の締結が違法であるとされた事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京地裁平22.6.29判決)・・・127
業界新聞の編集長に対する懲戒解雇無効に基づく地位確認等請求について,雇用主に対し,雇用契約上の地位確認,賃金の支払いだけでなく,謝罪広告の掲載と不当解雇に基づく慰謝料の支払いが命じられた事例

民・商事裁判例
[民 法]
1(東京高裁平23.5.30判決)・・・137
1 市長選挙候補者が市税を滞納している旨の全国紙(県版)の記事につき,現に滞納していることの真実性は認められないが,取材に応じた候補者の回答から誤信したことに相当な理由があるとして名誉毀損の成立が否定された事例
2 市長選挙候補者が市税を滞納している旨の新聞記事を掲載されたことにつき,記者が取材することなく報道したもので妨害記事である旨のビラを日刊各紙に約1万3000部を折り込んで配布したこと等が報道機関に対する名誉毀損に当たるとされた事例
3 弁護士が受任事件に関して記者会見をする場合には,その発言が第三者の名誉毀損に当たるとしても,依頼者は弁護士に対し意図的に虚偽の情報を提供する等して,その判断を誤らせた等の特段の事情がない限り,弁護士の発言について,不法行為責任を負うものではない

2(東京地裁立川支部平23.4.25判決)・・・147
1 弁護士法人との間の債務整理委任契約につき,要素の錯誤が存するとは認められないとされた事例
2 辞任・解除が相当でない特段の事情があり,弁護士法人の帰責事由による委任契約の終了に当たると判断して,依頼者の帰責事由による正当な解除の場合に認められる約定の弁護士報酬に充当したから依頼者に返還すべき預り金は存しないとの弁護士法人の主張を排斥した上,それまでの委任事務の処理状況に照らして,相当と認められる報酬額を控除した預り金残金の返還義務があると判断した事例
3 弁護士法人の代表社員たる弁護士が,元依頼者との間の紛争に関する交渉において,元依頼者側に送付した書面の記載につき,元依頼者の名誉又は名誉感情を損害賠償を認めるに足りるほどの違法性をもって,侵害するものとは認められないとされた事例

3(名古屋高裁平23.4.14判決)・・・158
シンジケートローンにおけるアレンジャーの情報提供義務違反が肯定された事例

4(東京地裁平22.11.25判決)・・・178
1 芸能人等有名人が,広告に出演する場合に,広告主の事業内容・商品等について,常に調査しなければならないという一般的な注意義務を認めることは,過度の負担を強いるものであって相当でない
2 有名人が,広告に出演する場合に,調査義務を負うか否か及びその程度等については,個別具体的に,当該有名人の職業の種類,知名度,経歴,広告主の事業の種類,広告内容などを総合して判断すべきである

[知的財産]
5(知的財産高裁平23.2.8判決)・・・190
名称を「液体収納容器,該容器を備える液体供給システム,前記容器の製造方法,前記容器用回路基板および液体収納カートリッジ」とする発明について,進歩性を欠くとして特許を無効とした審決を取り消した事例

6(知的財産高裁平22.9.22判決)・・・212
1 特許法112条の2第1項所定の「その責めに帰することができない理由」とは,通常の注意力を有する当事者が通常期待される注意を尽くしてもなお避けることができないと認められる事由により追納期間内に納付できなかった場合をいう
2 当事者から委託を受けた者にその責めに帰することができない理由があるといえない場合には,特許法112条の2第1項所定の「その責めに帰することができない理由」には当たらない

7(知的財産高裁平22.3.17判決)・・・219
「berry mobile」の文字から成り,指定役務を「携帯電話による通信」とする商標が「BlackBerry」の文字部分を含む商標と類似するとした事例

8自動装着機事件(知的財産高裁平21.8.20判決)・・・226
「自動装着機の作動方法,自動装着機,自動装着機用の交換可能なコンポーネント,並びに自動装着機と交換可能なコンポーネントとからなるシステム」とする発明に係る特許出願における補正を却下した審決の判断が誤りであるとして,同審決が取り消された事例

刑事裁判例
[刑 法]
1(東京高裁平22.6.22判決)・・・234
幻視等を見るなどしながら行われた殺人,死体損壊,死体遺棄の犯行につき,各犯行当時被告人が短期精神病性障害にり患し,行動制御能力を喪失していたとする鑑定の信用性を否定し,被告人に精神障害はなかったとする鑑定の信用性を肯定し,被告人に完全責任能力を認めた事例

[特別刑法]
2(福岡高裁平23.1.27判決)・・・250
福岡県青少年健全育成条例(いわゆる淫行条例)違反事件につき被害者の供述の信用性判断を誤った事実誤認があるとして控訴審が1審判決を破棄し無罪を言い渡した事例
●記事紹介

国を当事者とする訴訟における法律問題1
国を当事者とする訴訟における法律問題について――特集の目的と概要
/中山孝雄・・・4

国を当事者とする訴訟における法律問題2
規制権限の不行使をめぐる国家賠償法上の諸問題について――その1
/二子石亮・鈴木和孝・・・7

判例展望民事法55
弁済供託をめぐる裁判例と問題点
/新谷貴昭・・・26

企業間取引訴訟の現代的課題8[現代企業法研究会]
不正競争防止法上保護される秘密情報
「秘密管理性」要件と「示された」要件の検討
/石田晃士・・・37

裁判員裁判における法律概念に関する諸問題6[大阪刑事実務研究会]
共犯(1)
共謀共同正犯の成立要件(下)
/杉田宗久・平城文啓・仁藤佳海・・・50


●判例紹介

最高裁判例
[行政法一般]
1(最高裁第一小法廷平23.7.14判決)・・・73
介護保険法上の指定居宅サービス事業者等の指定を府知事から受けた事業者が,不正の手段によって当該指定を受けた場合において,市から受領した居宅介護サービス費等につき介護保険法(平成17年法律第77号による改正前のもの)22条3項に基づく返還義務を負わないとされた事例

[行政争訟法]
2(最高裁第一小法廷平22.11.25決定)・・・78
検察審査会法41条の6第1項所定の検察審査会による起訴をすべき旨の議決の適否につき行政事件訴訟を提起して争い,これを本案とする行政事件訴訟法25条2項の執行停止の申立てをすることができるか

[民 法]
3(1最高裁第一小法廷平23.3.24判決,2最高裁第三小法廷平23.7.12判決)・・・81
1 消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約が消費者契約法10条により無効となる場合(1事件)
2 消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約が消費者契約法10条により無効ということはできないとされた事例(1事件)
3 消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約が消費者契約法10条により無効ということはできないとされた事例(2事件)

[特別刑法]
4(最高裁第一小法廷平23.8.24決定)・・・93
遊客において周旋行為の介在を認識していなかったことと売春防止法6条1項の周旋罪の成否

[刑事訴訟法]
5(最高裁第三小法廷平23.8.31決定)・・・95
弁護人に対し証拠開示することを命じる旨求めた弁護人からの証拠開示命令請求(刑訴法316条の26第1項)の棄却決定に対する即時抗告提起期間の起算日

行政裁判例
[行政法一般]
1(東京地裁平22.7.28判決)・・・98
障害者自立支援法に基づく介護給付費の支給決定処分において身体障害者の申請に係る外出介護の時間数の一部につき支給量として算定しないものとされた場合に,処分行政庁の判断には裁量権の範囲を超えた違法があるとして当該処分の一部の取消請求が認容され,処分行政庁の職員には過失がないとして国家賠償請求が棄却された事例

2(東京地裁平22.2.19判決)・・・146
インドシナ戦争の際にベトナムからタイに逃れた難民の子としてタイで生まれ育った外国人に対してされた退去強制令書発付処分が,当該外国人は入国審査官から国籍国とされたベトナムに送還される旨の説明を受けておらず,希望するタイに送還されるものと誤信していたことから,当該外国人がした口頭審理請求権の放棄の意思表示は無効であるとして,取り消された事例

[国家補償法]
3(東京高裁平23.2.23判決)・・・156
いわゆる耐震強度偽装建物の建築確認を行った建築主事に職務上の注意義務違反がないとされた事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京地裁平22.4.13判決)・・・166
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の趣旨・目的に照らすと,特別嘱託社員についても従業員の希望に応じて有期雇用契約が更新される旨の労使慣行が存在したとする原告らの主張が認められず,同慣行を根拠とする地位確認等請求がいずれも棄却された事例

民・商事裁判例
[民 法]
1(大阪地裁平23.2.7判決)・・・176
競売不動産の元所有者の買受人に対する固定資産税等の日割精算額の不当利得返還請求が否定された事例

2(大阪地裁平22.11.29判決)・・・180
Xに建設用機械を販売し,Xの依頼により継続的にその改修を行っていたYの改修拒絶について,改修に応ずべき信義則上の義務が当該改修拒絶の時点では既に消滅していたとして,Yの違法性が否定された事例

3(東京地裁平22.10.6判決)・・・191
契約締結上の過失に基づく損害賠償請求について,信頼利益侵害の主張・立証がないとして棄却された事例

4(東京地裁平22.3.4判決)・・・200
結節性硬化症に罹患していた患児について,継続的に歩行障害や嘔吐の訴えがなされていた場合,担当医師は,頭部CT検査等を行う義務があり,これを怠った点について過失が認められる

[知的財産]
5(知的財産高裁平23.3.23判決)・・・217
「スーパーオキサイドアニオン分解剤」との発明(用途発明)に係る特許について,引用例の記載と実質的には同一のものであり,新規性を欠くとして,審決が取り消された事例

[諸 法]
6(東京高裁平22.9.29判決)・・・227
1 郵便事業会社が転居届に関わる情報について負う守秘義務と弁護士法23条の2に基づく照会に対する報告義務の優劣関係
2 弁護士法23条の2に基づく照会に対する報告拒絶と不法行為の成否

刑事裁判例
[刑事訴訟法]
1(東京地裁平23.3.30判決)・・・237
1 覚せい剤所持で逮捕された被疑者に対する任意採尿手続に重大な違法があるとして,尿の鑑定書の証拠能力を否定し,覚せい剤自己使用について無罪を言い渡した事例
2 情況証拠から覚せい剤所持の故意を推認した事例
●記事紹介

医療界と法曹界の相互理解のためのシンポジウム 第3回・・・4

すべきことと否定できないこと
「医療界と法曹界の相互理解のためのシンポジウム」誕生へ
/浜 秀樹・・・47

相続預貯金払戻請求訴訟の論点
/安西二郎・・・52

裁判員裁判における法律概念に関する諸問題5[大阪刑事実務研究会]
共犯(1)
共謀共同正犯の成立要件(上)
/杉田宗久・平城文啓・仁藤佳海・・・75


●判例紹介

特 報
[知的財産]
1Yチェア立体商標事件(知的財産高裁平23.6.29判決)・・・106
「肘掛椅子」を指定商品とする立体商標の出願につき,当該商標が商標法3条1項3号に該当し,同条2項に該当しないとして商標登録出願を拒絶すべきものとした審決が,同法3条2項該当性の判断を誤ったものとして取り消された事例

最高裁判例
[憲 法]
1(①最高裁第一小法廷平22.9.27決定,②最高裁第二小法廷平22.9.27決定)・・・120
1 道路整備特別措置法58条,24条3項は実質的には高速道路株式会社に定めを委任していないなどとして,同条項に関する憲法31条,41条,73条6号違反の主張が排斥された事例(①事件)
2 道路整備特別措置法58条,24条3項は実質的には高速道路株式会社に定めを委任していないなどとして,同条項に関する憲法31条,73条6号違反の主張が排斥された事例(②事件)

行政裁判例
[租税法]
1(東京地裁平21.2.27判決)・・・123
遺産分割の合意に基づき相続税の申告をした相続人らが,法定申告期限の経過後,更正請求期間内に,自ら課税負担の錯誤に気付いて遺産分割の変更合意を経てした更正請求において,当初の遺産分割の一部の錯誤無効を更正事由として主張し得るとされた事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京地裁平21.12.21判決)・・・136
出版社の編集担当の契約社員について有期雇用契約の更新合意が成立しており,その地位の継続に対する合理的期待が認められるなどとして,雇用契約上の地位確認と賃金請求が認容された事例

民・商事裁判例
[民 法]
1(大阪地裁平19.1.16判決)・・・143
建物増改築工事の請負契約に関し,多数項目の瑕疵等について判断された事例

2(東京地裁平22.12.17判決)・・・169
刑事事件の弁護を受任した弁護士が被害者との示談交渉をせずその報告もしなかったことが委任契約上の義務に違反するとして,依頼者の損害賠償請求が認められた事例

3(東京地裁平23.4.21判決)・・・174
虚偽の内容の告訴並びに捜査段階及び公判廷での供述をしたことを理由に告訴人兼供述者の当該刑事事件で無罪判決を受けた被告訴人兼被告人に対する不法行為による損害賠償責任が認められた事例

[知的財産]
4モンシュシュ事件(大阪地裁平23.6.30判決)・・・184
1 商品「洋菓子」と役務「洋菓子の小売」の類似性が認められた事例
2 ドメイン名の一部が,商標として使用されていると認められた事例
3 商標法38条3項に基づく使用料相当損害額が算定された事例

5黒糖ドーナツ棒事件(知的財産高裁平23.3.24判決)・・・202
指定商品を「黒糖を使用した棒状形のドーナツ菓子」とする「黒糖ドーナツ棒」との文字を手書き風の文字で2列に縦書きしてなる登録商標(本件商標)につき,本件商標と外観において同一と見られる標章を付した包装が指定商品とされる商品に使用されており,その使用開始時期,使用期間,使用地域,使用態様,当該商品の数量又は売上高等及び当該商品又はこれに類似した商品に関する本件商標に類似した他の標章の存否などの事情を総合考慮するとき,本件商標は,使用をされた結果,登録審決時点において,需要者が商標権者の業務に係る商品であることを認識することができるものになっていたものと認められるとした事例

6(知的財産高裁平22.8.9判決)・・・209
発明の名称を「バッチ配送システムにおけるバッチの最大化方法」とする特許出願に対する拒絶査定不服審判の請求について,同請求は成り立たないとした審決が維持された事例

7(知的財産高裁平22.1.27判決)・・・225
「BOUTIQUE 9」の文字を標準文字で表し,指定商品を第14類「宝飾品,身飾品」,第18類「ハンドバッグ」及び第25類「帽子,その他の被服,履物」等とする商標は,商標法3条1項6号に該当する

[諸 法]
8(東京地裁平23.4.27判決)・・・232
一般社団法人の社員総会において,議長が散会を宣言した後に残留した社員によってされた理事選任決議等が存在しないものとされた事例

[民事執行法]
9(東京高裁平23.6.22決定)・・・243
第三債務者である銀行が事前の弁護士会照会に回答しなかった場合において,複数の店舗の取扱いに係る預金債権の差押えにつき,差押債権をいわゆる支店間支店番号順序方式により表示したときは,債権の特定を欠くとはいえないとされた事例

10(大阪地裁平23.3.25決定)・・・249
中国における仲裁判断に基づく民事執行が許可された事例


刑事裁判例
[特別刑法]
1(東京高裁平22.6.30判決)・・・252
法人税法違反幇助被告事件の量刑にあたって,被告人が脱税に関与したことによって得た報酬額が重要な考慮要素とはなるものの,刑罰は責任に応じたものであることが要請され,幇助犯の懲役刑に併科される罰金刑についても正犯が実現した犯罪行為に幇助犯として加担した行為に対する責任に相応するものでなければならないなどとして,正犯である法人を罰金2200万円,その代表者を懲役1年,3年間執行猶予に処した上,幇助犯である被告人を懲役6月及び罰金2000万円に処し,懲役刑につき3年間執行を猶予した原判決の量刑を相当とし,罰金額を被告人が取得した脱税報酬に相当する4800万円とすべきとする検察官の主張を排斥した事例
●記事紹介

要件事実論講義〔第2講〕
所有権に基づく動産引渡請求訴訟の要件事実(5)
/吉川愼一・・・・・・4

「所有権に基づく動産引渡請求訴訟の要件事実」に対するコメント
/奥田昌道・・・・・・11

企業間取引訴訟の現代的展開7[現代企業法研究会]
M&A取引における説明義務と表明保証責任(中)
/金丸和弘・森田恒平・・・・・・・13

裁判員裁判における法律概念に関する諸問題4[大阪刑事実務研究会]
強盗罪(下)
/長井秀典・田中伸一・安永武央・・・・・・21

ブック・レビュー
石井一正 著『刑事事実認定入門〔第2版〕』
刑事事実認定のお手本
/植村立郎・・・・・・43

ブック・レビュー
井上繁規 著『遺産分割の理論と審理』
遺産分割事件の進行・審理モデルの決定版
/稲田龍樹・・・・・・46



●判例紹介

最高裁判例
[憲 法]
1(①最高裁第二小法廷平23.5.30判決,②最高裁第一小法廷平23.6.6判決,③最高裁第三小法廷平23.6.14判決,④最高裁第三小法廷平23.6.21判決)・・・・・・51
1 公立高等学校の校長が教諭に対し卒業式における国歌斉唱の際に国旗に向かって起立し国歌を斉唱することを命じた職務命令が憲法19条に違反しないとされた事例(①事件)
2 公立高等学校の校長が教職員に対し卒業式等の式典における国歌斉唱の際に国旗に向かって起立し国歌を斉唱することを命じた職務命令が憲法19条に違反しないとされた事例(②事件)
3 公立中学校の校長が教諭に対し卒業式又は入学式において国旗掲揚の下で国歌斉唱の際に起立して斉唱することを命じた職務命令が憲法19条に違反しないとされた事例(③事件)
4 公立高等学校等の校長が教職員に対し卒業式又は入学式において国旗掲揚の下で国歌斉唱の際に起立することを命じた職務命令が憲法19条に違反しないとされた事例(④事件)

[民事訴訟法]
2(最高裁第二小法廷平23.6.3判決)・・・・・・94
土地を時効取得したと主張する者が,当該土地は所有者が不明であるから国庫に帰属していたとして,国に対し当該土地の所有権を有することの確認を求める訴えにつき,確認の利益を欠くとされた事例

行政裁判例
[行政争訟法]
1(東京地裁平22.6.8判決)・・・・・・98
ミャンマー国籍を有する外国人について,出入国管理及び難民認定法2条3号の2並びに難民条約1条及び難民議定書1条にいう難民に該当するとして難民の認定をしない処分等が取り消された事例

[国家補償法]
2(東京地裁平22.8.30判決)・・・・・・112
1 捜査機関が内容を確認せずに電磁的記録媒体の差押えを行ったところ,当該差押えは本件の事情の下では国家賠償法上違法であるとされた事例
2 捜査機関が,捜索差押許可状において捜索場所とされていなかった場所を,捜索場所に該当すると判断し,捜索したことについて,本件の事情の下では当該判断は合理性を欠くとして,国家賠償法上違法であるとされた事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京地裁平22.6.9判決)・・・・・・132
会社の部長職にあった従業員が会社から不正行為の疑いで合計10回の事情聴取を受けた後に自殺したことについて,業務起因性を否定した事例

民・商事裁判例
[民 法]
1(東京地裁平22.6.30判決)・・・・・・158
Xから冷凍食品を購入し,これをAに売却するという介入取引をしていたYについて,同取引に循環取引が含まれることを認識していたとして,循環取引に係る売買代金請求に対する同時履行の抗弁権の主張が排斥された事例

2(東京地裁平22.7.7判決)・・・・・・176
株式会社の取締役が,競業会社に移籍するに当たり,部下である従業員を勧誘し,競業会社に移籍させた場合に,取締役の不法行為責任が肯定され,競業会社の不法行為責任が否定された事例

3(大阪地裁平23.7.25判決)・・・・・・192
出産後に羊水塞栓症を原因とするDICに陥り,転送先で死亡した患者に関し,電話連絡の過誤により輸血の緊急手配が30分程度遅れた病院の措置について,適切な医療行為を受ける期待権を侵害したとして,不法行為と評価し,慰謝料請求を肯定した事例

[知的財産]
4(知的財産高裁平23.2.24判決)・・・・・・210
名称を「球技用ボール」とする特許発明において,発明の目的の相違,阻害事由,周知技術の不可分一体性等により,引用発明に周知技術を適用することができないとして,審決の進歩性の判断に誤りがあったとされた事例


5ピースマーク事件(東京地裁平22.9.30判決)・・・・・・223
被告が販売するTシャツなどに付した「●」(ピースマーク)と類似する図形標章について,被告の登録商標を基調としたキャラクター図形の背景の一部として模様的に描かれており,「ピースマーク」として「平和」を表現するために用いられたものと認識され,商品の出所を想起させるものではないとして,商標的使用該当性を否定した事例

[倒産処理法]
6(名古屋高裁金沢支部平22.12.15判決)・・・・・・242
銀行が顧客から割引依頼を受けて預かった手形を顧客に再生手続が開始された後に取り立て,その取立金を顧客に対する債権の弁済に充当することの可否(積極)

刑事裁判例
[刑事訴訟法]
1(東京高裁平23.3.29判決)・・・・・・250
前科の各証拠のうち犯行に至る契機,犯行の手段方法に関するものが,本件の犯人の同一性を立証するための証拠として関連性があると認められた事例
おすすめの購読プラン

商品情報・内容

■ 判例情報を提供して60余年。最も長い歴史をもつ判例実務誌

「判例タイムズ」は、1948年の創刊以来、我が国を代表する判例紹介誌として、幅広い分野の法律実務家から高い評価を受けています。全国の判例情報から実用性の高いものを迅速的確に紹介しつつ、実務家・研究者と連携して時事問題を取り扱った論文・鼎談等をタイムリーに掲載しており、実務家・研究者に限らず、広く法務に携わるすべての人々必見の書です。

この雑誌の読者はこちらの雑誌も買っています!

判例タイムズの所属カテゴリ一覧

Fujisan.co.jpとは?

株式会社富士山マガジンサービスが運営する、
日本最大級の雑誌オンライン書店です。
一般的な書店と異なり、
定期購読サービスに特化しています。

雑誌、新聞、シリーズ書籍、漫画や
本屋にも無い古い本も見つかる!

法人サービスはこちら >
  • タイトル1万以上

    タイトル1万以上

    豊富なラインナップで
    書店に並ばない本とも出会える

  • 試し読み

    試し読み

    バックナンバー1冊まるごと試し読み
    したり、最新号も試し読みできる

  • タダ読み

    タダ読み

    5,000冊以上の雑誌が
    無料で読み放題

  • 500円OFF

    500円OFF

    普段読んでいる雑誌のレビュー投稿で
    500円割ギフト券をプレゼント

  • 事前予約

    事前予約

    気になる本は
    発売日前から事前予約可能

  • 割引や特典付き

    割引や特典付き

    定期購読なら
    お得に本が読めて
    送料無料の雑誌も!

デジタル雑誌をご利用なら

最新号〜バックナンバーまで7000冊以上の雑誌
(電子書籍)が無料で読み放題!
タダ読みサービスを楽しもう!

総合案内
アフィリエイト
採用情報
プレスリリース
お問い合わせ
©︎2002 FUJISAN MAGAZINE SERVICE CO., Ltd.