かがくのとも 発売日・バックナンバー

目次:
うえと したと ヒューストン
森川智喜 文/杉山真依子 絵

■内容のご紹介
マナブくんは、写真の向きが分からなくて困っているロボット、ヒューストンを助けてあげることになりました。ヒューストンが次から次へと持ってくる写真は、さて、どっちが上でどっちが下でしょうか? 当たり前過ぎてふだん意識しない上下の向きや重力について、絵本を回して、絵の角度を変えて考える驚きの一作。上下の固定観念をもひっくり返す絵本です。

■編集部より
今月号の文の著者は、ミステリー作家の森川智喜さん。森川さんは『アチャチャを つかまえろ!』(2022年7月号/品切)でSFミステリー×絵探しという絵本を考案してくださりましたが、今回の絵本も、読者が絵本それ自体を回転させて上下について考えるという画期的なものとなりました。

絵の著者は、豊かな色彩的センスを持ち、輪郭線を極力省いて面で描く人気イラストレーター、杉山真依子さん。絵本は初挑戦ですが、甘いもの好き(私もそうです)なかたは、スイーツブランド Now on Cheese♪ のイラストでご存知かもしれません。

そんな二人の著者による今月号、当たり前過ぎてふだん意識しない上下の向きや重力について、ひいては、地球と宇宙について、考えるきっかけになれば幸いです。

●作者のことば
くるくると回す絵本の刊行に際して 森川智喜

本書『うえと したと ヒューストン』には、絵本ごとくるくると回そうという旨のページがいくつもあります。そうやって、主人公らといっしょに鉛直方向を見抜こうという絵本です。同様に以前自分が携わった絵本『アチャチャを つかまえろ! ‐ねつの はたらき‐』がそうであったように、読むだけではなく〈取り組む〉ことのできる一冊。といっても算数も鉛筆も要りません。〈物理現象に対する定性的なイメージ〉で充分です。つまり数式をこねこねして何がどうなると考えるのではなく、頭の中でイメージした世界が勝手に動くことで何がどうなると考える、そんなアプローチです。

物理学にはさまざまな方程式が登場しますが、それらをあれやこれやと学んだあとでも、数式に頼らない定性的なイメージが役立ちます。数式をこねこねしていてうっかり計算ミスをしてしまったときなど、〈妙だな。イメージした世界ではこんなことにならないんだけど……〉と、定性的なイメージとのズレによってそれに気づける場合があるからです。そもそも、方程式の理解そのものも定性的なイメージと無縁ではありません。たしかに逆にイメージのほうを修正しなければならない場合もありますが、しっかりと修正すれば、やはりのちのち式計算の場面でも役立つはずです。

また、定性的なイメージを洗練しようという姿勢には、学校の勉強という枠にとどまらず、もっと野生的な、何かを想像する能力の源としての役割も期待できないでしょうか。

物体にはたらく力の向きを捉えることは力学の基本であり、鉛直方向は重力の向きです。だから、鉛直方向を見抜こうという本書主人公らの作業は力学の基本に通じます。児童読者のみならず大人読者にとっても、身近な物理についてあらためて考えるきっかけになればと思います。

■著者情報
森川智喜
作家。京都大学大学院理学研究科修士課程修了。専攻は物理学。京都大学推理小説研究会出身。『スノーホワイト 名探偵三途川理と少女の鏡は千の目を持つ』で本格ミステリ大賞受賞。絵本は『アチャチャを つかまえろ!‐ねつの はたらき‐』(「かがくのとも」2022年7月号)に続き2作目。

杉山真依子
イラストレーター。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒。パレットクラブイラストコース卒。代表的な仕事に菓子ブランドNow on Cheese♪のビジュアルなど。主に百貨店のイベントビジュアル、商品パッケージ、書籍、雑誌などの媒体で活動。絵本は本作が初めて。
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さかなの くち
大片忠明 作

■内容のご紹介
いろいろな魚の口や歯に注目した絵本です。口や歯の形は、何をどう食べているのかと深く関わっていて、魚によって様々。この絵本では大きく口をあけた魚の正面顔が、何種類も描かれています。マグロ、マンボウ、ホホジロザメやジンベエザメなど、滅多に見られない様々な魚の口をじっくりご覧ください!

■編集部より
この絵本の作者は、2026年度大学入学共通テストに取り上げられた『イワシ』(かがくのとも絵本)をはじめ、さまざまな海の生物を活き活きと描くことに定評がある大片忠明さんです。

魚が獲物を食べようと口を大きく開けているのを見られる機会は、そう滅多にないですよね。でも、この絵本では、さまざまな魚の捕食時の正面顔が描かれています。

その正面顔のシーンで、試みに絵本をだんだん顔に近づけてみたのですが、なんだか自分がその魚の獲物になったような気がして少し怖くなるほどの迫力でした! ぜひお試しください(お子さんにやってみる前に、まずはご自身で体験してみてくださいね)。

■作者のことば
魚の口は面白い
大片 忠明

私は百科事典や図鑑の挿絵を描く仕事を長年やってきました。その中で最も多く描いたのが魚の絵です。
仕事で依頼されて描く魚の絵のほとんどは横から見た絵でした。多くの人にとって、それが一番、魚の全体像が解り易いからでしょう。

魚の生活スタイルはとても変化に富んでいます。そして、その体の形は、生活スタイルにあったものになっています。例えば、速く泳いで獲物を捕らえるマグロは、泳ぐときに水の抵抗が最小限になるような流線型の体を持っていますし、海の底で獲物を待ち伏せするヒラメは水流を受け流して一か所にとどまりやすいような平たい体を持っています。

さらには、体の全体の形がそうであるように、体の一部である口の形も、それぞれの生活スタイルにあったものになっています。今回はその面白さを伝えたくて、いろんな魚の口の特徴が伝わるものを描いてみたくなりました。そして、口を開けた魚が正面から迫ってくるような様子を見せられたら子どもたちが面白がってくれるぞ! と考えました。

ただ、いざ描こうとすると、魚が口を開けた様子を正面からとらえているような資料は、ほとんど見つからず、なかなか大変でした。何度も水族館に通ったり、買える魚は買って口を開けてみたりして描き上げました。
そのようにして出来上がったのが今回の『さかなの くち』です。皆さんに「へぇー、この魚の口って、こうなってるんだ!」と思って頂けたら幸いです。

■著者情報
大片忠明(おおかたただあき)
武蔵野美術大学実技専修科卒。国立科学博物館の武田正倫研究室に5年間通い、標本画を学ぶ。『広辞苑』(岩波書店)等、事典や図鑑の挿絵や絵本を手がけている。「かがくのとも」に『イワシ』、『シロナガスクジラ』、『マグロ』、『マッコウクジラ』がある。
やぶがらし
野坂勇作 作

■内容のご紹介
ヤブガラシは植え込みに紛れ込み、伸びていくことができる「雑草」です。繁殖力が強く、いちど定着するとなかなか駆除は出来ません。

嫌われることの多いヤブガラシですが、可憐な花をいくつも咲かせて、その蜜で多くの昆虫を養います。

駆除しようとしても、地中に根が残っている限りまた伸びます。ヤブガラシは、嫌われても強く生きる人生のお手本のような植物です。

■編集部より
ヤブガラシは植え込みの中をすっくと伸びていき、植え込みを突き抜けて花を咲かせていく雑草です。繁殖力が強く、いちど定着するとなかなか駆除出来ません。他の草を枯らしたり、庭が貧相に見えたりと、嫌がられがちなヤブガラシですが、可憐な花を咲かせて、多くの昆虫を養います。最初は小さな昆虫がやってきて、徐々に大きな昆虫がやってくる様子を見ていると、ヤブガラシが小さくて弱いものを優先する慈母のようにも思えてきます。

道ばたや植え込みをよく見ると、どこにでも咲いているヤブガラシは、人間に切られても切られてもまた伸びてきます。嫌われても強く生きる人生のお手本のような植物です。園の行き帰りに植え込みがあったら、ヤブガラシもいないか見てみましょう。

■作者のことば
「藪を枯らすもの」 野坂勇作

2020年4月9日と日付の入っているスケッチ。ぼくが暮らす小さな団地の一角にある公園から持ち帰って描いた、やぶがらしのスケッチです。ちなみに「やぶがらし」という名は、藪(雑木が繁っているところ)を枯らしてしまうほどの勢いがあるというところから、付いたようです。

この作品は2026年の6月号として出版されましたから、初スケッチから6年余りがたったことになります。では、あえてこれほどまでの年月をかけて作ったのかと問われれば、そうではなく。それならば、かかってしまったのかと尋ねられると、そういうわけでもありません。どうやら作品というものには、その作品ごとに、世に出るまでに定められた『時』というものがあるようです。

ただ一方で、年月をかけることに意味のあることも事実です。6年余り、毎日手を動かしていたわけではありません。やぶがらしの枯れる冬場には手を休めることも多く、この間は一度作品を手放し、他人事としているので、その結果再び手を動かす時には、客観的に俯瞰して見直すことができるのです。また別の言い方をすると、この間はいわば「寝かせている」状態にもなるわけですから、そこでは静かに熟成、発酵が進んで、作品に深みや味わいがでてくるのです。

この「寝かせては起こし」をくりかえす作品の作り方、仕方は、やぶがらしの生命力のリズムに似ています。あれほど繁茂していても、秋の深まりとともに訪れる霜の朝には、すっかりしなびて、まもなく地上から姿を消してしまいます。けれども地下の根はしっかり栄養を蓄え、太り、縦横に伸ばして、前の年よりも多くの春芽を準備して『時』を待つのです。

そうそう、言い忘れてはなりません。この作品の中に登場した花の特徴について、知っておいていただきたいことがあります。植物の専門的な言葉では、本文中の「はなの ふさ」と表現したところは「花序」といいます。

雑草とひとくくりに呼ばれているどの植物にも、じっくり目をこらして見つめると、地球上の生命全体のサイクルの中で、それぞれがしっかりその役割を果たしていることに気づかされます。これらのものを厄介者だと遠ざけている人間のほうが、案外このサイクルから、はみ出しているのかもしれませんね。

■著者情報
1953年、島根県松江市生まれ。広島で育つ。多摩美術大学工業デザイン科を卒業直前に中退。その後、佐渡ヶ島で農業に従事するかたわら、ミニコミ誌「まいぺーす」を創刊。地域雑誌にもかかわらず全国から購読者が現れる。絵本『ちいさいおうち』(岩波書店)に再会することで絵本を描きはじめる。主な作品に『にゅうどうぐも』『しもばしら』『あしたのてんきは はれ? くもり? あめ?』『どろだんご』、「かがくのとも」に『うきくさ』(2020年10月号)『もやし』(2018年5月号)、「たくさんのふしぎ」に『津津浦浦』(2023年3月号)、「こどものとも年少版」に『ちいさなショベルローダ』(2025年1月号)『みずうみおばけ』(2022年9月号)などがある。鳥取県在住。

とかげ
竹中践 文/石森愛彦 絵

■内容のご紹介
とかげは、都会の道端や公園などでも見ることのできる、身近な爬虫類の代表です。

巣穴を掘って暮らしていたり、母とかげが卵の世話をしたり、大人と子どもで身体の色や模様が全く異なっていたりと、その生態は驚きに満ちています。

私たちの暮らしのすぐそばで懸命に生きている小さな生き物の、知られざる奮闘ぶりを描いた絵本です。

■編集部より
春、公園に行くと、石垣や縁石の上で、とかげが気持ちよさそうにひなたぼっこをしているのをよく目にします。姿が見えなくても、不意に草むらで「カサカサッ!」という音がしたとき、音の出どころをじっくり観察すると、とかげがひょこっと顔を出すことがあります。とかげは、かなへびと並んで、子どもたちに最も身近な爬虫類と言えます。

しかし公園で子どもたちを観察していると、とかげを見て「あ! かなへびだ!」と言う子がいたり、逆に、かなへびを見て「とかげがいるよ!」と言う子がいたりして、とかげとかなへびは、非常に混同されやすい生き物なのだとも感じます。

この絵本では、子どもたちにとって身近な存在なのに意外と知られていない、とかげの暮らしぶりに迫りました。一見似ているかもしれませんが、とかげとかなへびはその生態が全く異なります。どこが違うのか、ぜひ『かなへび』(かがくのとも絵本)と見比べて感じてみてください。

そしてぜひ、絵本を読んだあとは、お近くの公園で、とかげやかなへびを探してみてください。特にとかげは非常に警戒心が強くすばしっこいので、身体がまだ温まりきっていない午前中の観察がおすすめですよ。

■作者のことば
「身近な生き物の代表」竹中践

トカゲを見かける場所はだんだん減ってきています。それでもトカゲは、身近な生き物の代表と言えるでしょう。それは、そっと近づいて、ゆっくり観察できるからです。私が子供の頃からトカゲを観察している場所は、東京都庁が見える緑地公園ですが、石垣に出てきてじっとしているトカゲを今でも観察できます。

現れたトカゲを観察する場面は、日光浴を行っていることが多いと思います。は虫類は、草むらでとぐろを巻いているヘビや、池のふちの石の上で「こうら干し」をしているカメなど、日光浴をしているところをよく見かけます。日光浴は体温を上げるためで、あたたまるとすばやく動いて、獲物をつかまえ、天敵から逃げるといった暮らしをしています。夜に出てくるヤモリはどうなの、と思うかもしれません。ヤモリも昼間、日が当たっているところに出てくることがありますが、夜は、さすがに体温が低くなります。は虫類は体温を上げることもあるけど、体温が低いままでもだいじょうぶという動物なのです。トカゲも体温が下がる巣穴の中で生活して、産んだ卵の世話をすることもあります。

ところで、「トカゲ」と呼んでいる種類には、ニホントカゲ、ヒガシニホントカゲ、オカダトカゲの3種類がいます。また、奄美大島や沖縄島などにはオオシマトカゲやオキナワトカゲなどがいます。これらの「トカゲ」(トカゲ属)の生態や習性はよく似ていますので、この本の「トカゲ」はお住まいのある所の「トカゲ」と考えていただいてよいでしょう。ちなみに北海道はヒガシニホントカゲ、四国と九州はニホントカゲです。

トカゲの幼体はしっぽが青いことがよく知られています。光沢のある青いしっぽが切れてばたばた動くとヘビなどの天敵の目を引くのは確かですが、「それなら、なぜ目立つ色なの、目立たないほうがねらわれないのに」と言った声が聞こえてきそうです。実はこの目立つしっぽの色の理由は研究者のあいだでも意見がいろいろあります。尾が容易く切れることを自切と言いますが、青い尾が自切する場面など、トカゲが成長して生活していくときに何がおきるか、トカゲの身になって考えてみるとおもしろいかもしれません。

トカゲのメスは産卵後に、そのまま巣穴にとどまって卵の世話をします。卵の発生が進んでいくためには適度な湿度が必要で、巣の中の適度な湿り気の場所に運びます。また、カビがつかないようになめて世話をすると言われています。

トカゲのオスは、他のオスと出会うと咬みあってたたかいます。お互いに頭を突き出して噛みつかせて、離れていったほうが負けとなります。大人のオスはあごから喉にかけてオレンジ色になりますが、堂々とオレンジ色を見せているオストカゲの姿は、まるでその場所の支配者のようです。

■著者情報
竹中践(たけなかせん)
1950年、東京都生まれ。筑波大学大学院生物科学研究科修了、理学博士。東海大学名誉教授。カナヘビ類など爬虫類の繁殖生態を研究してきて、トカゲ類の飼育方法や野外での観察方法などに精通している。著書に『はっけん! カナヘビ』(編著/緑書房)、『かなへび』(絵・石森愛彦/福音館書店)などがある。

石森愛彦(いしもりよしひこ)
桑沢デザイン研究所卒。猫と虫と音楽が大好き。もちろんトカゲも大好き。著書に『うちの近所のいきものたち』『昆虫って、どんなの?』(ともにハッピーオウル社)、『はさみむし』、絵を担当したものに『かなへび』『まぼろし色のモンシロチョウ』『かなへびのきょうだい』(以上、福音館書店)、『素数ゼミの謎』『言葉はなぜ生まれたのか』(ともに文藝春秋)『ちいさないきものずかん』シリーズ(童心社)などがある。
しもんの ぎもん
齋藤槙 作

人は誰もが指先に持っている自分だけのふしぎな模様、指紋。あなたの指紋はどんな模様でしょうか――

「指紋って何かの役に立っているの?」

「人間のほかにも指紋を持っている生きものっている?」

「指紋はずっと変わらないって本当?」

「指先にけがをしてしまったら指紋はどうなるの?」

――そんな指紋の疑問にお答えします!

作者のことば
「指先にも自然の模様」齋藤槙
幼い頃から、気付いたらじっと指紋を見つめていた……ということがあります。

その模様は木目のように精巧で魅力的。この絵本では、指先に大いなる自然の風景を見るような気持ちで描きました。

みんなそれぞれにちがう指紋のふしぎを感じてもらえたら嬉しいです。

著者情報
齋藤槙(さいとうまき)
1981年、東京都生まれ。武蔵野美術大学造形学部日本画学科卒業。貼り絵、水彩、ステンシルをはじめ多彩な表現を用いる。絵本に『ぺんぎんたいそう』『かめかめたいそう』『にゃんころたいそう』『おしりじまん』『ながーい はなで なにするの?』『たいぼく』『すいぞくかんの おいしゃさん』『ほっぺ ほっぺ』(以上、福音館書店)などがある。

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なにが はいっているのかな?

山本久美子 さく

町を歩いていたり、電車に乗っていたりするとき、大きな荷物を持っている人を見かけて「いったい何が入っているのかな?」と思ったことはありませんか? 

この絵本ではそんな謎の荷物を持った人が次々に登場します。

どんなものが入っているのか、そして、その中身を組み立てると何になるのか。

子どもたちの想像力を刺激してやまない絵本です。

編集部より

 今回の絵本に登場するものは持ち運べて便利なものばかりです。
肩にかけていた大きな荷物は、あけると車輪が出てきて、組み立てると自転車に。長くて重たそうな荷物からは筒状のものが出てきて、組み立てると望遠鏡に……。
こんなものまで持ち運べるんだ! と感心するものばかりで、「あれもこれも持ち運びたい」という欲求を見事に実現してきた人間の知恵と工夫に驚くことでしょう。
 絵本に登場するものはすべて著者の山本さんと一緒に現物を取材したのですが、取材のたびにやりたいことや欲しいものが増えてしまいました。
 荷物にどんなものが入っているのか、その中身を組み立てると何になるのか想像力を刺激するだけでなく、この春、卒園する子どもたちに「大きくなったら自分もこんなことしてみたい!」と憧れや希望も抱いてもらえる作品です。

著者情報

多摩美術大学デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。2003年、2005年ボローニャ国際絵本原画展入選。
文と絵を手掛けた絵本に『マルをさがして』『きんぎょ』(ともにひだまり舎)。絵を手掛けた絵本に『どっさり おやさい』『すうる すうる ぴたん』(ともに福音館書店)『じてんしゃ がしゃがしゃ』(絵本塾出版)『ぼくはまっくろ』(リーブル)など。神奈川県在住。

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きりん

齋藤美保 ぶん 菊谷詩子 え

動物園の人気者、きりん。

野生でどのように暮らしているか知っていますか?

長い首や脚の使い方、きりん柄に隠れた秘密、子育ての仕方や身の守り方、意外な眠り方……。

アフリカを舞台に、野生きりんの驚きに満ちた暮らしぶりを、緻密なタッチとダイナミックな構図で描いた絵本です。

読めばきっと、あなたもきりんをもっと好きになるはず。

編集部より

 この絵本に登場するキリンは、キリン研究者の齋藤美保さんがタンザニアで観察しているマサイキリンで、どれも実在する個体をモデルに描いています。
 マサイキリンとは、アフリカ東部に生息しているキリンで、日本国内の動物園でよく見かけるアミメキリンとは別の種です。名前の通りに網目状の模様をもつアミメキリンに対し、マサイキリンは、まだらで細かい模様が特徴です。
 キリンには、一頭一頭、色や模様に個性があるのですが、それを画家の菊谷詩子さんが丁寧に描き分けました。絵をじっくり見ると、親子で色や模様が似ていることに気づくでしょうか……?
 みなさんがこの絵本を手に取っている今、この瞬間も、絵本に描かれているキリンやその子どもたちが、遠くアフリカの草原で、林のなかで、ゆったりと歩いたり、木の上の葉っぱを食べたりしていることでしょう。

著者情報

齋藤美保
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科助教。博士(理学)。
幼少期のケニア在住経験からキリンの行動生態に関心を持ち、タンザニアで研究を行っている。
著書に『キリンの保育園』(京都大学学術出版会)他。

菊谷詩子
幼少期をケニアとタンザニアで過ごしたことをきっかけに、野生動物に興味を抱くようになる。
科学雑誌、図鑑、教科書、博物館の展示などのイラストを制作している。
絵本に『となりにすんでるクマのこと』(福音館書店)など。

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あかい みと とり

多田多恵子 ぶん 江口あけみ え

ノイバラ、ナナカマドなど、冬に赤い実をつける植物がたくさんあります。
植物は鳥に種を運んでもらいたくて、鳥の目にめだつ赤い色で鳥を誘っているのです。
鳥がのみこみやすいように、丸くてつるんとした小さな実をつけますが、おいしいとは限りません。
毒のあるものもあります。
なぜでしょう?「食べてもらいたい。でも、ちょっとだけ」植物の作戦を考察します。


編集部より

多田多恵子さんとの絵本作りは毎回取材がとても楽しいです。
ノイバラの実を食べるジョウビタキを見ていたときのこと、近くの木の枝に飛び移って口をあけたと思ったら、ぺっとタネをはきだしました。
「わあ!」と心のなかで歓声をあげ、ジョウビタキが飛び去ったあと、画家の江口あけみさんと3人で鳥のいた枝の下をはいつくばり……はきだされた小さなタネをゲット!
まぎれもなくノイバラのタネで、3人で感激しました。
ヒヨドリのフンもたくさん拾いました。
江口さんはヒヨドリのフンに入っていたノイバラのタネを持ち帰り、ご自宅でまいて育てて観察、それを絵にしてくださいました。P.10の絵です。
冬の取材のときに拾わずに残しておいたヒヨドリのフンを春にもういちど見に行くと、ノイバラが何本もかたまって芽生えていました。
こうやってふえていくのだなあと実感。
今頃はどのくらい大きく育っているかしら?

著者情報

多田多恵子

東京都生まれ。東京大学大学院博士課程修了。理学博士。専門は植物生態学。
著書に『旅するタネの図鑑』(文一総合出版)、『旅するタネたち』『美しき小さな雑草の花図鑑』(山と溪谷社)、『したたかな植物たち 春夏篇・秋冬篇』(ちくま文庫)、『びっくりまつぼっくり』『ハートの はっぱ かたばみ』(福音館書店)など多数。

江口あけみ

長野県生まれ。趣味は散歩と自然観察。水彩画、アクリル画、銅版画を国内外で発表。
主な挿絵の仕事に『こども博物誌 植物とくらす』(多摩川大学出版部)『旅するタネたち』(山と溪谷社)他。日本豆本協会会員。

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つくってあそぼう!つりぼり

きうちかつ 作・絵 ときわまさと 写真

磁石などをつかった魚釣り遊びは古くからありますが、簡単過ぎると飽きてしまいます。
年長さんになれば、発見する喜び、工夫する楽しさが、もっとあっても良いでしょう。
本書ではウナギやアンコウなど、様々な形状の魚をトイレットペーパーの芯で工作して、さらに釣り具も作ります。
魚釣り遊びのトライ&エラーを通して、工夫する楽しさを味わいましょう。

編集部より

魚釣りの工作遊びは古くからありますが、クリップで引っかける、マグネットでくっつけるなど、簡単過ぎるものはすぐに飽きてしまいます。
それは発見する喜び、工夫する楽しさがないからです。
本書ではトイレットペーパーの芯を使って、タコやウナギなど、様々な形状の魚を紙工作して、さらに釣り具も作ります。
釣り方は本物と同じで魚の口や身体に釣り針を引っかけますが、釣り針の形や大きさは、それぞれ釣り上げる魚に合わせて工夫する必要があります。
易しいものも難しいものもあります。
自分自身にちょうど良いくらいの難易度を模索して、魚釣り遊びをしてみましょう。
紙工作の面白さと釣り上げる愉快さの詰まった一冊です。
工作の材料は手に入れやすいように少なく絞りました。
そのためすべての魚をトイレットペーパーの芯で作っています。
材料の制約がありながらもそれらしい形状になるようにデザインされています。
また、魚の写真には色違いのものが含まれますが、それはトイレットペーパーの芯に茶色いものと白いものがあるためです。
折込付録に掲載されているQRコードから、オマケの作り方とメイキングの動画にアクセスできます。ぜひご覧ください。

著者情報

きうちかつ
1957年東京生まれ。工作絵本の第一人者として活躍している。
著書に『工作図鑑』、絵本に『やさいのおなか』『みんなでつくる ふゆのかざりもの』(福音館書店)など。
「かがくのとも」では『つくってあそぼう! かえるや』(2021年6月号)、『こども おこのみしょくどう』(2023年9月号)などがある。

ときわまさと
1957年東京生まれ。写真家。CMフォトを中心に活躍している。
写真を担当した絵本に『みんなでつくる ふゆのかざりもの』(福音館書店)。
写真集に「AFRICAN and AFRIKANER」(アイビーシー)などがある。

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よる

くら ささら ぶん 嶽まいこ え

子どもたちにとって最も身近な未知の世界、「夜」を描いた絵本です。
誰もいない公園、真っ暗な路地、点滅を繰り返す夜間信号、工事中の大通り……。
やがて夜明けがやってきて、世界は少しずつ色と形を取り戻していきます。
子どもたちがぐっすり眠っている間の知られざる夜の世界を、精緻な言葉と美しい絵で描きます。

編集部より

 5~6歳にもなると「自分が眠っている間、外の世界はどうなっているんだろう?」
と疑問を持ったことのある子も、少なからずいるのではないかと思います。
編集担当もそんな子のひとりでした。
夜中に布団からこっそり抜け出して、窓から家の外の通りを眺めてみたこともありました。
「あの車はどこに行くのだろう?」「夜中の幼稚園には何かがいたりするのかな?」などと、空想していたものです。
子どもにとって「夜」とは、最も身近な未知の世界と言えるかもしれません。
 本作は、普段なかなか見られないような、いろいろな場所の夜を垣間見る絵本です。
絵をじっくり見ると、思わぬ発見もあることでしょう。
どうぞ、絵本のなかの夜の探検を心ゆくまでお楽しみいただけたらと思います。
 そして、夜眠るときに「近所のあの場所は今ごろどうなっているのかな?」などと、それぞれに想像してもらえたら嬉しいです。

著者情報

くら ささら
1968年、神奈川県生まれ。青山学院大学文学部英米文学科卒業。
『神様の住所』(朝日出版社)にてBunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。
絵本に『ステッドのホテル』『クックククック レストラン』(ともに福音館書店)など。

嶽まいこ
1985年、石川県生まれ。金沢美術工芸大学視覚デザイン専攻卒業。
書籍、広告などのイラストレーションを手がけるほか、『すきなこと にがてなこと』(くもん出版)、『ペンギンのトビオ』(偕成社)など児童書の仕事も多数。









リレーする じどうしゃ

平山暉彦 さく

2階建ての住宅のように巨大な車から、小回りのきく車まで、様々な建設機械が長所を活かしながら、平らな地面をつくっていきます。
土を受け渡しながら進む様子は、まるでバトンリレーのようです。
全体の仕事の流れのなかで、それぞれの働く車がどんな作業を担っているのかを見てみましょう。
掘る、積む、運ぶ、削る、固める、それぞれの車の活躍する様子を描きます。

編集部より

でこぼこの土地が平らで頑丈な地面になるまでには、大型の油圧ショベルが土砂を採り、ホイールローダーに渡し、ダンプトラックに積み替えて、ブルドーザーで敷き詰めて、ロードローラーで踏み固めます。
色々な自動車がそれぞれの得意分野を活かして、土砂をまるでバトンのように受け渡すリレーをしながら、チームワークでひとつのものを作り上げていく様子を描きます。
大型の建設機械はカッコ良く力強い形をしていますが、それぞれがどんな役割を分担しているのか、図鑑を見るだけではよくわかりません。
全体の仕事の流れのなかで、それぞれの働く車がどんな作業を担っているのか、この絵本を通じて始まりから完成までを追うことで、初めて判ってくるでしょう。
掘る、積む、運ぶ、削る、固める、それぞれの自動車の活躍する様子を描きます。


さかなのおそうじやさん

大村文乃 ぶん・え

小さな魚が営む、海の中のお掃除やさん―海の中には「クリーニングステーション」と呼ばれるふしぎな場所があります。
そこではホンソメワケベラという小さな魚が、他の魚の体をきれいにしています。
色とりどりの魚や大きなマンタが、お客さんとしてやってきますよ。
海洋生物研究者が描く、種をこえた共生の科学絵本。命のつながりと、海のふしぎに出会える一冊です。



みずたまりと いきもの

槐真史 ぶん
福井利佐 え

夏、林の中に大きな水たまりができました。
すると、鳥がやってきて水浴びをします。

日が沈むと、タヌキやイノシシなども入れかわり立ちかわりやってきて、
水浴びしたり水を飲んだりしました。

ある雨上がり、町の中に小さな水たまりができました。
さて、何かやってくるのでしょうか?

――大きな水たまりも小さな水たまりも、じつは多様な生命を支えているのです。





くらべてみよう いろいろな かみ


谷内つねお さく
ときわまさと しゃしん


折紙、画用紙、ティッシュ、段ボール。
身近な紙の得意なことと苦手なことは?

折ったり破いたりぬらしたりして、4種類の身近な紙のそれぞれの特性をくらべてみます。

絵を描くときはどの紙がいいかな?
飛行機を折るときはどの紙がいいかな?

紙の変化を見て、自分で考えてみましょう。
それぞれの用途や好みに合わせて紙を選ぶ目を養う絵本です。


オオコウモリの にぎやかな よる

伊澤雅子 ぶん
おおたぐろ まり え

沖縄には、昼間高い木の枝にぶらさがって寝ているオオコウモリがいます。
日が暮れると、ねぐらを飛び立ったオオコウモリが、実をたくさんつけたガジュマルの木につぎつぎと集まってきました。
オオコウモリどうしが近づきすぎるとキーキー声をだして争いになることも……。
ごちそうをたくさんつけたガジュマルの木を舞台に、オオコウモリの一夜のようすを描きます。


あまがえる

澤口たまみ 文
羽尻利門 絵

田植えの季節、夜の田んぼはアマガエルたちの鳴き声でいっぱいになり、やがてたくさんのオタマジャクシが生まれます。
この絵本では、オタマジャクシたちの1年間の成長を見つめます。
田んぼのなかで、どのようにして大人のカエルに成長するのか。やがて田んぼを離れて、どんなところで生きていくのか。
身近なカエル、アマガエルの生きざまを描いた絵本です。
おすすめの購読プラン

商品情報・内容

  • 出版社:福音館書店
  • 発行間隔:月刊
  • 発売日:3~5日頃

■ 子どもの強い好奇心=子どもの科学の芽を大きく伸ばす絵本

1969年、世界ではじめて創刊された、月刊科学絵本です。動物、植物、宇宙、数学、身体、衣食住をはじめ、子どもをとりまく自然や社会のさまざまな事柄を題材にしています。第1回「日本科学読物賞」をはじめ数々の賞を受賞しました。また、海外でも20言語、149タイトルの<かがくのとも>が翻訳出版されています。

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