こどものとも 発売日・バックナンバー

目次:
はいたつやのスピック
くらささら 文/嶽まいこ 絵

■内容のご紹介
チーターのスピックは配達屋さんです。自慢の俊足を生かして、なんでもどこでもスピーディに荷物をお届けします。お客様に確実に荷物を届けるために、時には友だちの助けも借りながら真摯に働く姿は、読者を魅了するでしょう。「こどものとも」2024年5月号『ステッドのホテル』と地つづきの世界をお楽しみください。

■編集部より
どんなものでもどこへでも、びゅんびゅん走って配達してくれるスピックのお仕事ぶり、いかがでしたか。地上最速といわれるスピードと高い身体能力をいかすだけでなく、時には友だちの助けも借りながら、お客様のもとへと駆けていく姿が印象的です。

お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は絵のなかに『ステッドのホテル』(「こどものとも」2024年5月号)のなかまたちが登場しています。くらささらさんと嶽まいこさんによる動物お仕事シリーズをぜひ2冊とも楽しんでいただけたらうれしいです。

●作者のことば
クリスマスイブのサンタクロース
くら ささら

大学生の時、放送研究部に入っていた。同じ1年の部員に、K君という人がいた。彼はある島から大学入学を機に出てきて、一人暮らしをしている法学部の学生だったのだが、そんな彼が、冬になってピザの配達のアルバイトを始めることになった。「島には信号がなかったから、いちいち信号で止まらなくちゃいけないのにまだ慣れないよ」と言うK君に、部員たちは「そんなんで、バイクで配達できるのか!?」と心配した。

その冬のクリスマスイブの夜。私とN君は、一人暮らしのY子のアパートへ行き、3人でK君がいる店にピザを頼むことにした。Y子が電話で注文して、「今から30分くらいかかるみたい」と言うと、「30分過ぎたらタダになるぞ!」とN君。3人で時計を見つめていると、20分ほどでインターホンが鳴った。

Y子がドアを開けると、サンタクロース姿のK君がいた。「早すぎるよ!」とN君。K君は、部屋の中に部員の3人がいることに驚き、Y子に「電話を取ったの僕だったけど、まさかY子だとは気づかなかったよ。ここに住んでるんだね」と言った。K君が帰り、3人でピザを食べ始めると、それは舌がやけどしそうな熱さだった。「Kは、できたてを信号無視とスピード違反して運んできたのかもしれないな」とN君。「K君は法学部の優等生だから、ルールは守る」「店、実はここから近いから」と私とY子が言うと、「2人ともKのファン?」とN君が笑い、私とY子も笑った。 

そんなことを思い出しながら書きました。スピックのお仕事姿を、どうぞ見守ってあげてください。

■著者情報
くらささら
1968年、神奈川県生まれ。青山学院大学文学部英米文学科卒業。『神様の住所』(朝日出版社)にてBunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。絵本に『ジッタとゼンスケ はなみにいく』(「こどものとも」2026年3月号)『よる』(「かがくのとも」2025年11月号/嶽 まいこ絵/ともに福音館書店)など。

嶽まいこ(だけまいこ)
1985年、石川県生まれ。金沢美術工芸大学視覚デザイン専攻卒業。書籍、広告などのイラストレーションを手がけるほか、児童書に『ペンギンのトビオ』(偕成社)『ちいさなクリスマスツリー』(岩波書店)など。絵本に『クックククックレストラン』(「こどものとも年中向き」2024年2月号/くら ささら文/福音館書店)など。
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われら はたらく うんてんしゅ
くりはらたかし 作

■内容のご紹介
変わった形の乗り物が、轟音を立てて青空を飛んでゆきます。どうやら、それは巨大なフォークやハサミのようです。よく見るとコックピットがあって、中で運転手が操縦しています。それとも、フォークやハサミは普通の大きさで、運転手たちが小さいのでしょうか? 考えても謎は深まるばかり。不思議な世界に迷い込んだような気分を味わえる、新感覚の絵本です。す。

■編集部より
くりはらたかしさんの作品は、しばしば私たちの固定観念を揺さぶり、新しい「ものの見方」を与えてくれます。本作でも、読めばたちまち身の回りのものが、カッコイイ乗り物に見えてきます。惜しくも絵本に登場しなかったアイディアでは、洞窟を探索する懐中電灯や、トンネル工事をするスコップの姿もありました。

ところで、くりはらさんの小さい頃の夢は、働く乗り物の運転手だったそうです。この絵本はそんな子ども時代の夢と、アニメや特撮番組に登場する巨大メカへの憧れが合わさって生まれたようです。また、親になってからお子さんたちと楽しんだ「ごっこ遊び」も、制作のヒントになっているのだとか。読み終えた後は、身近な何かで「こちら○○、応答せよ!」なんて遊んでみるのも楽しいかもしれませんね。

■作者のことば
大きくて小さくて大きいもの くりはらたかし 
特撮の巨大な乗り物(メカ)が大好きな子どもでした。そして何よりその乗り物のミニチュア玩具が大好きでした。自分より遥かに大きなものが手の平にある静かな興奮。そんな喜びを共有できたらいいなと思ってお話を考えました。この本に出てくるような「はたらく乗り物」はまだまだ身の回りにあるはずなので探してみてくださいね。

■著者情報
くりはらたかし
1977、東京都生まれ。漫画、絵本、イラストなどを制作。1999年、漫画「アナホルヒトビト」でアフタヌーン四季大賞を受賞しデビュー。主な著書に【漫画】『冬のUFO・夏の怪獣【新版】』(ナナロク社)『余談と怪談』(ヒーローズ)、【漫画絵本】『きょうのコロンペク』『日曜日のはじめちゃん』(ともに福音館書店)『ゲナポッポ』(白泉社)、【絵本】『ぱたぱた するする がしーん』(福音館書店)『これなんなん?』(くもん出版)『ミスター・ソフティークリーミー まちをゆく』(佼成出版社)などがある。
題名

アニカのペンキぬり
アニカ・ヒュエット 案・絵
いまいずみさちこ 文

■内容のご紹介
スウェーデンに住む女の子・アニカは、夏休みの間すごす「なつのいえ」にやってきました。今年がいつもと違うのは、自分だけの部屋を作ること! ところがそこは今はまだ物置部屋。アニカはちょっとがっかりしますが、お父さんとお母さんと荷物を運び、壁を大好きな黄色にペンキぬりをして、少しずつ、自分だけの部屋をつくっていくのです。

■編集部より
日本でDIYという言葉が広まり、約30年がたつそうです。いちど、家族や友人と壁をペンキぬりしたことがありますが、お世辞にもきれいとはいえない結果に。それでも、塗りムラやはみだしたペンキを見ると、その日の景色がよみがえる、思い出ぶかい壁になりました。

自分たちの手で壁を塗り、好きな絵を描く。それは「作業」と呼ぶにはもったいない、贅沢なあそびの時間ではないでしょうか。この絵本を通して、そんな自由なワクワクを、お子さんと一緒にお楽しみください。

■作者のことば
日本でDIYという言葉が広まり、約30年がたつそうです。いちど、家族や友人と壁をペンキぬりしたことがありますが、お世辞にもきれいとはいえない結果に。それでも、塗りムラやはみだしたペンキを見ると、その日の景色がよみがえる、思い出ぶかい壁になりました。

自分たちの手で壁を塗り、好きな絵を描く。それは「作業」と呼ぶにはもったいない、贅沢なあそびの時間ではないでしょうか。この絵本を通して、そんな自由なワクワクを、お子さんと一緒にお楽しみください。

■著者情報
アニカ・ヒュエット
小さい頃から絵を描くのが好きで、高校卒業後ベリス・スクール・オブ・コミュニケーションでイラストとデザインを学んだあと、さらにベックマンズ・スクール・オブ・デザインで勉強。以来、イラストレーターとして活躍。独特な色使いのシンプルなテイストに定評があり、商品やパッケージ、広告や出版関係など、数多くの仕事をスウェーデン国内外でこなしている。また、母の子ども時代の実話をもとに1930年代の暮らしを描いた絵本「農場の七人きょうだい」「ギッタの日記」(Raben & Sjogren)で絵本作家デビュー。スウェーデン・ストックホルム在住。

いまいずみさちこ
兵庫県生まれ。上智大学文学部卒業。子どもの本の出版社に勤務した後、2010年に北欧ビジネスに特化した会社を設立。スウェーデンの人気イラストレーター、スティーナ・ヴィルセンのダイバーシティをテーマにした絵本「リトルピンクとブロキガ」シリーズのコーディネートを行い、2012年春には、恵比寿ガーデンプレイスでの体験型子どもイベント「FUN WITH COLOURS」をプロデュースした。大人向けの北欧デザインの仕事が多く、さまざまなブランドやデザイナーと連携しながら、商品、出版、展覧会など、北欧と日本をつなぐ役割を担っている。東京都在住。
まどのむこうの はな なあに?
荒井真紀 作

■内容のご紹介
1つのものを見る楽しみを描いた『まどのむこうの くだもの なあに?』(こどものとも絵本)『まどのむこうの やさいは なあに?』につづく3作目。

本作では花をモチーフに、植物の宇宙を描きます。登場する花はタンポポ、チューリップ、ヒマワリ、ユリ、バラ、アサガオ、ナノハナ、サクラの8種。細部まで描かれた自然の花の美しさを、どうぞお楽しみください。

■編集部より
本作は『まどのむこうの くだもの なあに?』(こどものとも絵本)『まどのむこうの やさいは なあに?』(「こどものとも年中向き」2022年7月号)につづく3作目です。1作目では果物、2作目では野菜と、子どもたちの身のまわりのものをじっくり見つめてきました。今回のテーマは花。普段、こんなに近くに花を見ることはないですよね。

荒井さんは、1枚の絵を3週間から1ヶ月ほどかけて描かれます。まず描くものを丁寧にスケッチし、トレースをして、鉛筆線を消しながら、極細の筆先で形をとります。そして、極細の面相筆で色を薄く塗り重ねて、絵を完成させていきます。花びら一枚一枚の形の違い、葉の葉脈の繊細さなど、細部まで描かれた自然の花の美しさを、ぜひお楽しみください。

■作者のことば
「子孫を残すため…」荒井真紀

今回「まどのむこう」に見えるのは花です。花の形や色には、たくさんの種類があります。

アサガオは、花びらが1つにつながっていて漏斗のような形をしています。アサガオの開花は、夜明け前4時ごろ。その瞬間を見たければ、かなり早起きしないといけません。

タンポポやヒマワリは、1つの花に見えますが、たくさんの花が集まってできています。タンポポは、その小さな花一つ一つが、わた毛をつけた種になります。ヒマワリは、外側の花びらに見える大きな花と内側のつぶつぶの小さな花が集まってできています。つぶつぶの小さな花が種になります。

花びらが十字形に並んだナノハナは、平面状にびっしりと花をつけるため、たくさんの虫がその上を歩き回って受粉してくれます。

チューリップとユリは、花びらが6枚に見えますが、花びらは3枚、あとの3枚はがくです。チューリップは昼間は開き、夕方には閉じます。雨の日も閉じています。ユリは一度開花するとずっと開いたままで、甘い香りを出して虫を誘い込んでいます。

サクラの花は、幾重にも花が重なって咲くため立体的に見えます。木に咲く花のため、野鳥も訪れ、受粉をしてくれます。

バラの花びらは、中心から外側に向かってらせん状に重なり合うように並んでいます。中央にある雌しべと雄しべを守りながら、その美しい形で虫を惹きつけているのです。

花には子孫を残すために種をつくるという大切な役目があります。花びらやがくは、受粉のために虫を呼び込んだり、雌しべと雄しべを守る役割も果たしているのです。

花のつくりや仕組みがわかると、よりその植物に興味がわいてくると思います。ぜひ実物を観察してみて下さいね。

■著者情報
荒井真紀(あらいまき)
1965年、東京都生まれ。16歳より故・熊田千佳慕氏に師事。絵本に『あずき』『まどのむこうの くだもの なあに?』『まどのむこうの やさいは なあに?』(「こどものとも年中向き」2022年7月号)『そのなかには……?』(「ちいさなかがくのとも」2025年1月号)(以上、福音館書店)、『あさがお』『ひまわり』『たんぽぽ』(以上、金の星社)、『トマト』(小学館)など多数。2017年、『たんぽぽ』でブラティスラヴァ世界絵本原画展・金のりんご賞受賞。千葉県在住。
めんどうくさがりやの きつね
植垣歩子

めんどうくさがりやのきつねは草むしりが大きらい。ある日、迷子のこひつじ5頭を引き取って、庭の草むしりをさせようと企てました。

ところが、こひつじたちはいくら草を与えても、たちまちぺろりとたいらげて、きつねにおかわりを要求するのです。

食べ盛りのこひつじたちに翻弄されるきつねをユーモアたっぷりに描きます。

■編集部より
本作は「母の友」2015年9月号「読んであげるお話のページ」に掲載された同名のお話をもとに、加筆修正したものです。「母の友」に掲載された当時、編集担当はこのお話を読んで「このゆかいなお話を絵本で読めたらいいな」と思っていました。11年の時を経て、本当に絵本として届けられることをうれしく思います。

めんどうくさがりでだらしのないきつねさん。きつねさんに呆れながらもあたたかく見守るご近所さんたち。そして食べ盛りで元気いっぱいのこひつじたち。きつねさんを取りまく環境はあたたかくおだやかです。植垣さんは絵本にするにあたり、登場する動物たちを遊び心たっぷりに生き生きと描いてくださいました。どうぞ絵のすみずみまでお楽しみください。

■作者のことば
「きつねさん 今日も いそがしそうです」 植垣歩子

学生時代の春休み、私はプランターで野菜を育てることにしました。小松菜やラディッシュ、リーフレタスの苗を植えて喜んでいると、いつの間にかアブラムシが葉っぱにびっしり。手で取ってもきりがなく、牛乳を吹き掛ければ良いと聞いてやってみましたが、アブラムシはどんどん増えるばかり。野菜たちも迷惑そうです。

そこで私は、テントウムシを数匹捕まえてきて、プランターに放しました。予想通り、テントウムシはアブラムシをよく食べたのですが、事態は思いもよらぬ方向に。テントウムシが卵を産み、孵化した幼虫もアブラムシを食べるので、今度はアブラムシが足りなくなってきたのです。その日からテントウムシのために、アブラムシのついた草を取りに行くことが日課になりました。

春休み中、ダラダラしていた私が頻繁に外に出ていくので、家族は不思議そうでしたが、私自身は楽しく充実した日々を過ごしていました。やがて、幼虫は蛹になり、立派なナナホシテントウになって飛んで行きました。
2015年「母の友」に掲載するお話を依頼された時、なぜか鮮やかに思い出されたのがこの出来事でした。私は当時、子育て真っ最中。必死に子どもを育てる自分と、かつてテントウムシにせっせとアブラムシを運んでいた学生時代の自分が重なってきたのでした。

お話にするにあたって、登場人物を「きつね」と「こひつじ」にしました。それからさらに10年余りが経ち、今度はこのお話を絵本にする機会に恵まれました。

今日もきつねさんは、こひつじたちに草を取ってきたり、野菜を収穫したりして忙しそうですが、楽しい毎日を過ごしていることでしょう。

■著者情報
植垣歩子(うえがきあゆこ)
1978年、神奈川県生まれ。絵本に、『にんじん だいこん ごぼう』『どろん ばあ』(小野寺悦子・文)『あずきの あんちゃん ずんちゃん きんちゃん』(とみながまい・文)『ことばのずかん こうえん いこう』(以上、福音館書店)、『うたこさん』(佼成出版社)、『アリゲール デパートではたらく』(ブロンズ新社)、『かめのカメリさん おうちをなおす』(理論社)、『ようかいおふろ』(ほるぷ出版)、『おもちのおふろ 新装版』(苅田澄子・文、Gakken)などがある。神奈川県在住。
まゆとてんぐ
ーやまんばのむすめ まゆのおはなし
富安陽子 文/降矢なな 絵

いつも元気で力持ちのまゆが活躍する人気シリーズ第8作。まゆは天狗学校の募集のお知らせを知り、通うことにしました。先生は、真っ赤な顔に長い鼻の大天狗。天狗のきょうだい、テンテン坊とネンネン坊といっしょに天狗術を学びます。学ぶのは木渡りの術、雲渡りの術、風起こしの術の3つ。さて、まゆの実力やいかに?

■作者のことば
「まゆが生まれて40年」富安陽子
やまんばのむすめ まゆ”の新しい物語が楽しい絵本になりました。

シリーズ8冊目の絵本です。今回も画面狭しととびまわる、元気いっぱいのまゆを描いてくださった降矢奈々さんに、感謝、感謝です。

実はこの、まゆシリーズの絵本は『やまんば山のモッコたち』という長篇童話から生まれました。その童話の中に初めて、背い高のっぽの山姥と、山姥の娘のまゆという女の子が登場したのです。福音館書店の「子どもの館」という月刊誌にのっていた童話を一冊の単行本にしようという時、挿絵をお願いしたのが降矢奈々さんでした。

作家としてのデビュー作となった『やまんば山のモッコたち』が出版されて、ちょうど40年。40年目のその年が、「こどものとも」70周年と重なりました。こんなメモリアルな年に降矢さんと一緒にまた新しい絵本を作れるなんて夢のようです。

今回どうして、まゆと天狗の話を書こうと思い立ったのかというと、その答えは、シリーズ7作目の『まゆと そらとぶくも』の中にあります。絵本のラストシーン、雲に乗るまゆの眼下に広がる山の風景の中に、天狗の姿が小さく描かれているのです。「あ、天狗だ!」と思った時、次は、まゆと天狗のお話を書こうというプランが心の中に浮かびました。

まゆが生まれて40年。今まで、まゆとお友達になって下さったみなさん、本当にありがとうございました。そしてこれからも、たくさんの子どもたちが、まゆとお友達になって下さいますように!!

■編集部より
「やまんばのむすめ まゆのおはなし」8作目となる今作は、まゆが天狗の学校へ行きます。大天狗先生、そして天狗のきょうだいといっしょに天狗術の修行に励む、生き生きとしたまゆが魅力です。読者の心をつかんではなさない元気いっぱいなまゆの物語を、大迫力かつ細部まで遊び心たっぷりの絵とともにどうぞ隅々までお楽しみください。

富安陽子さんが書いてくださっているように、月刊「こどものとも」も今年は節目の年、創刊70周年を迎えました。これまで支えてくださった読者のみなさま、作品を寄せてくださった著者のみなさまに、この場を借りてお礼申し上げます。これからの「こどものとも」も、どうぞよろしくお願いいたします。

■著者情報
富安陽子(とみやすようこ)
1959年、東京都生まれ。高校在学中より童話を書きはじめた。おもな作品に『やまんば山のモッコたち』『タヌキの土居くん』「菜の子先生」シリーズ(以上福音館書店)、『クヌギ林のザワザワ荘』(あかね書房)、『盆まねき』『絵物語古事記』(以上偕成社)、「ムジナ探偵局」シリーズ(童心社)、「シノダ!」シリーズ(偕成社)、「やまんばあさん」シリーズ・「妖怪一家九十九さん」シリーズ(以上理論社)など。絵本の文の仕事に「オニのサラリーマン」シリーズ(大島妙子 絵/福音館書店)、『さくらの谷』(松成真理子 絵/偕成社)など。

降矢なな(ふりやなな)
1961年、東京都生まれ。スロヴァキア共和国ブラチスラヴァ美術大学にて石版画を学ぶ。絵本に『めっきらもっきら どおんどん』『きょだいな きょだいな』『ちょろりんと とっけー』『たあんき ぽおんき たんころりん』『あいうえおうた』『ねえ どっちがすき?』『ずんずんばたばたおるすばん』『えんどうまめばあさんと そらまめじいさんの いそがしい毎日』『クリスマスマーケット―ちいさなクロのおはなし』で講談社絵本賞を受賞。(以上、福音館書店)、「おれたち、ともだち!」シリーズ(偕成社)など多数。スロヴァキア共和国在住。
ジッタとゼンスケ はなみにいく

くら ささら 文 くりはら たかし 絵

オオカミの兄弟、ジッタとゼンスケは花見をするために、山から町へやってきました。

茶店でひとやすみしていると、ねこの女の子がかけこんできて、迷子の弟を探しているといいます。

ジッタとゼンスケは迷わず迷子探しを引き受けることに。

果たして、迷子のねこの男の子は見つかるのでしょうか?

新感覚時代劇絵本第2弾。

編集部より

 オオカミのきょうだい、ジッタとゼンスケの珍道中は『ジッタとゼンスケ ふたりたび』に続き2作目です。
困っている人を見ると放ってはおけないふたりに触発されて、町の動物たちが次々と集まってくる様子は、人情味あふれる時代劇のようです。
 この絵本のお話を手がけたのは、くら ささらさん。
十返舎一九『東海道中膝栗毛』の弥次さんと喜多さんが繰り広げるドタバタ旅行劇が、ジッタとゼンスケのお話のヒントになったのだとか。
 江戸を思わせるにぎやかな町並みや、個性豊かな動物たちの生き生きとした暮らしぶりも魅力的です。
絵を手がけたくりはらたかしさんは、浮世絵のタッチや構図を大胆に取り入れながら、この世界を描き上げてくださいました。
 新感覚時代劇絵本をどうぞお楽しみください。

著者情報

くら ささら
1968年、神奈川県生まれ。青山学院大学文学部英米文学科卒業。
『神様の住所』(朝日出版社)にてBunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。絵本に『ピッテラトッコ キャンプにいく』(「こどものとも年中向き」2025年9月号)『よる』(「かがくのとも」2025年11月号/ともに福音館書店)など。

くりはら たかし
1977年、東京都生まれ。マンガ家、絵本作家。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。
マンガに『冬のUFO・夏の怪獣【新版】』(ナナロク社)、『余談と怪談』(ヒーローズ)など、絵本に『ジッタとゼンスケ ふたりたび』(「こどものとも」2023年7月号)(福音館書店)など。

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ゆきの はたけの おてつだい

なかの ゆき 文  すけの あずさ 絵

雪の畑に、お父さんのお手伝いに来たこうたとはるき。

一見まっしろで何もないように見える畑ですが、雪を払うと、みずみずしいキャベツが顔を出しました。

ふたりはキャベツを掘り出したり運んだり、体をいっぱいにつかって、遊ぶようにお仕事をします。

雪国ならではの“お手伝い”の様子がいきいきと描かれます。

編集部より

 南国生まれの担当編集者にとって、雪はいつまでも憧れの存在です。
絵本『てぶくろ』の雪景色には何度心躍らされたか知りません。
いっぽう雪国に暮らすうえで、単に美しいだけのものでないこともまた事実。
とはいえ、そこに暮らす人ならではの雪との付き合い方、子どもの楽しみ方には、やはり他にないものがあると感じます。
 なかのゆきさんが本作の原稿をはじめて見せてくださったのは、2020年の1月でした。
その後改稿されたところもありますが、お手伝いに精を出す兄弟の、のびのびと遊ぶように働く姿は、はじめからとても魅力的でした。
雪をじっくり描くのははじめてだというすけのあずささんも、取材を経て、美しい雪景色とみずみずしいキャベツを描かれました。
著者二人がしっかりした実感をもとに力を注ぎ、豊かな作品が実りました。
寒い土地の方も、あたたかい地方の方も、雪の畑をどうぞたっぷりお楽しみください。

著者情報

なかの ゆき
兵庫県生まれ。絵本・童話・料理研究・宮澤賢治をテーマに、食べて・作って・考えている。
新美南吉童話賞優秀賞、神戸新聞文芸児童文学部門年間賞を受賞。
絵本に『いいおてんき』(「こどものとも年中向き」2017年8月号)『しずかに しずかに』(「同」2022年5月号)がある。兵庫県在住。

すけの あずさ
大阪府生まれ。京都精華大学芸術学部卒業。2011年より約2年間の世界一周ハネムーンへ。
2020年、第21回ピンポイント絵本コンペ最優秀賞を受賞。
絵本に『うみのハナ』『やぎのタミエはおかあさん』『みずうみ色のウィピル』(以上、BL出版)がある。和歌山県在住。

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きょうはおしょうがつ

西村繁男 さく

ひろくんとゆうちゃんが目を覚ますと、おじいちゃんが「あけましておめでとう」と言ってくれました。
今日はお正月。
おせちに書き初め、初詣と、楽しいことがいっぱいです。
家族のあたたかさと新年の喜びに満ちた、『もうすぐおしょうがつ』36年ぶりの続編。

編集部より

 前作『もうすぐおしょうがつ』は「こどものとも」1989年12月号として刊行されました。
刊行時1989年の年末を描いた作品で、除夜の鐘をついた帰り道でおはなしは終わります。
36年ぶりの続編、前作とあわせてお楽しみください。
 それにしても。
この絵本は見ているだけでなんだか心なごみ、うれしい気分がしてきませんか。
それは、西村繁男さんの細部まであたたかみある絵の魅力ももちろんのこと、家族みんな元気でお正月を過ごす幸せが伝わってくるからかもしれません。
みなさんにとっても、新しい年がよい一年でありますように。

前作、除夜の鐘をついた帰り道までを描いた『もうすぐおしょがつ』は福音館書店より発売中です。

著者情報

西村繁男
1947年、高知県生まれ。中央大学商学部在学中より、セツモードセミナーに通う。
卒業後、「ベトナムの子どもを支援する会」に入り、野外展に出品。
自作の絵本に『やこうれっしゃ』『おふろやさん』『もうすぐおしょうがつ』『絵で見る 日本の歴史』(以上、福音館書店)『にちよういち』(童心社)など、共著の絵本に『絵で読む 広島の原爆』(那須正幹・文、福音館書店)『がたごと がたごと』『おばけでんしゃ』(内田鱗太郎・文、ともに童心社)『じごくのラーメンや』(苅田澄子・文、教育画劇)など多数。神奈川県在住。

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せんにんのいし

たむらしげる 作

ある日、ボノさんの家の前に、大きな石が落ちていました。
森に捨てても、海の底に投げ込んでも、何度でもボノさんの家に戻ってくる、ちょっと不気味でへんてこな石。
実はその石には小さな仙人が住んでいて、ボノさんと友達になるためにやって来たのでした。
仙人に招かれて、ボノさんは石の世界の中へ。
不思議な生き物や美しい光景に出会う、心躍る冒険の始まりです。

編集部より

 作者のたむらしげるさんは、水晶などの鉱物を題材にした作品をこれまでにいくつも発表してきました。
今作は東洋の伝統文化である水石や中国の昔話から着想を得つつ、独自の不思議な生き物たちも登場させて、たむらさんならではの箱庭的世界を描いています。
 ちなみに主人公のボノさんは、薬草などの調合を生業としている設定です(家の中には天秤や薬研のような仕事道具が、さりげなく描かれています)。
ボノさん特製の甘酒は体調回復に効果覿面な上、ノンアルコールですからお風呂で飲んでも安心。
仙人ほどの術は使えませんが、ボノさんもちょっとした魔法使いみたいですね。

※この作品は「ずんがずんが」(椎名誠旅する文学館)第2号に掲載された「食客石」を大幅に改稿し絵本化したものです。

著者情報

たむらしげる
1949年、東京都生まれ。絵本に『ロボットのくにSOS』『ねじまきバス』『おばけのコンサート』『かたつむりタクシー』『ごろんご ゆきだるま』『たべたのだーれだ?』(以上、福音館書店)など多数。
漫画に『結晶星』(青林工藝舎)など、画集に『たむらしげる作品集』(玄光社)がある。
画文集『メタフィジカル・ナイツ』(架空社)で小学館絵画賞、絵本『よるのおと』(偕成社)で産経児童出版文化大賞、映像作品『銀河の魚』(SME・ビジュアルワークス)で毎日映画コンクール大藤信郎賞、『クジラの跳躍』(バンダイナムコフィルムワークス)で文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞などを受賞。

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つちくれたちの どろかれー

尾崎玄一郎 尾崎由紀奈 作

公園の砂場の下に、ひみつの喫茶店、きっさ すなどーひーはあります。
土のかたまりの不思議な生き物、つちくれたちの憩いの場です。
最近、店では新作メニューどろかれーが大人気。
なかよし3人組のつちくれたちがどろかれーを注文すると残念ながら売り切れでした。
どうしてもどろかれーを食べたい3人が奮闘する物語です。

編集部より

 子どもたちにとって身近な公園。
そこには、土のかたまりの不思議な生き物、つちくれたちが住んでいます。
そんなつちくれたちにはひみつの憩いの場所があります。
それは、公園の砂場の下にある喫茶店『きっさ すなどーひー』。
つちくれたちは『きっさ すなどーひー』で名物の飲み物すなどーひーを飲むのが大好き。
最近では、新作メニュー「どろかれー」が大人気です。そんな「どろかれー」をめぐって、なかよし3人組のつちくれたちが大活躍する物語です。
 今作は「こどものとも」2019年8月号『きっさ すなどーひー』(名物のすなどーひーを飲むため大勢のつちくれが力を合わせる物語)の姉妹編。
 「よく行く公園にも、つちくれたちがいるかも」。
お子さんとそんな想像をふくらませて、どろかれー作りを楽しんでいただけたらうれしいです。

著者情報

尾崎玄一郎
東京都生まれ。東京藝術大学美術研究科修士課程油画修了。絵画教室OZ代表。
尾崎由紀奈との共著の絵本に『おしいれじいさん』『きっさ すなどーひー』(「こどものとも」2019年8月号)『だいくの まっさん』(「こどものとも年少版」2024年12月号/すべて福音館書店)『おなおしやのミケばあちゃん』(偕成社)『こまいぬ ぼしゅうちゅう』『かくれんぼ』『おばけかいだん』(すべてひさかたチャイルド)など多数。

尾崎由紀奈
神奈川県生まれ。東京藝術大学美術研究科修士課程日本画修了。
尾崎玄一郎との共著の絵本に『おしいれじいさん』『きっさ すなどーひー』(「こどものとも」2019年8月号)『だいくの まっさん』(「こどものとも年少版」2024年12月号/すべて福音館書店)『おなおしやのミケばあちゃん』(偕成社)『こまいぬ ぼしゅうちゅう』『かくれんぼ』『おばけかいだん』(すべてひさかたチャイルド)など多数。










くまちゃんのでばんです

林原玉枝 文  あいざわ ふみ 絵

くまちゃんは、ときちゃんが赤ちゃんの頃から一緒にいるぬいぐるみです。
ある日、ときちゃんが飛ばした紙飛行機が林の奥へと飛んでいき、見えなくなってしまいました。
泣きべそをかくときちゃんを見て、くまちゃんは「こんなときこそ ぼくのでばん!」と紙飛行機さがしへ出かけていきます。
大好きな人のためにがんばる、ぬいぐるみのお話です。

編集部より

 子どもはごく自然にぬいぐるみとおしゃべりをし、いっしょに遊び、同じ時間を過ごして家族や友だちのような関係性を構築します。
この物語は、ときちゃんという子に大切にされてきた、くまのぬいぐるみの物語です。
 ぬいぐるみが言葉を話し、動き回って活躍する、魔法のかかった物語の絵を手がけたのは、あいざわ ふみさん。
イタリア・ボローニャ国際絵本原画展に2021年、2022年と連続入選し、やわらかな色彩とユーモアあふれる人物造形が魅力の画家です。
そんなあいざわさんが、表情豊かでとってもチャーミングなくまちゃんを描いてくださいました。
 大好きなときちゃんのため、一生懸命に紙飛行機を探すくまちゃん。
ひたむきなくまちゃんが、なんだか我が子に重なって見えたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「ぼくのでばん!」とはりきるくまちゃんのがんばりをどうぞ応援してあげてください。

すうじむらのおみせ

みずはら ゆうか ぶん
fancomi え

数字村に住む数字たちは、それぞれ自分の姿に似たものを売るお店を開きます。
1のいっちゃんのお店には、お箸、色鉛筆など、まっすぐなものが並びます。
2のにこちゃんのお店には、アヒルの置物や電気スタンドなど。
でも、4のよんちゃんは、どうしても自分に似たものを思いつきません。
数字とものの形を関連づけて、1から10の数字を楽しめる絵本です。






かぐやひめ
竹取物語より

中脇初枝 再話
中井智子 絵


竹取りのおじいさんが、竹の中で見つけた小さな女の子をおばあさんといっしょに可愛がって育てると、瞬く間に美しく成長します。
かぐや姫と名づけられた娘に結婚を申し込む男性が次々現れますが、無理難題を言い、結局誰とも結婚しません。
そんなある日、かぐや姫は月に帰らなければならないと言い出します。

日本最古の創作文学の絵本版です。



かなへびのきょうだい

石森愛彦 さく


かなへびの兄弟は、野原に咲くたんぽぽのそばで、えさの虫とりを始めました。

兄は、花へやってくる虫を交互につかまえて食べようと提案しますが、
兄の番にかぎって飛んでくるのは小さな虫ばかり。

弟の番には大きな虫が飛んでくるのです。

たまらず兄は、大きな虫は自分が、小さな虫は弟が食べることを提案します。

すると、こんどは小さな虫ばかりが飛んできて……


そうじきに まちがえられた そうじきこうじょうの こうじょうちょう

へんみ あやか 作

ここは、とある掃除機工場。
工場長は小さな象です。
仕事をさぼって眠ってしまった工場長。
その姿は、なんだか工場で作っている掃除機そっくりです。
そこへやってきたのは新入りの作業員さんたち。
寝ている工場長を掃除機だと思い込んで、ベルトコンベヤーに乗せてしまいます。
出荷された工場長の運命やいかに……? 
とぼけたユーモアに思わず笑ってしまう一冊。



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  • 出版社:福音館書店
  • 発行間隔:月刊
  • 発売日:3~5日頃

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