理科の教育 発売日・バックナンバー

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特集:理科の目標の枠組を超えた 成長が期待できる授業とは
人間形成に迫る理科教育の意義とは

現行の学習指導要領が全面実施されて以降、理科の授業においては、問題解決の活動や探究活動を通して、理科の目標に示された資質・能力の育成が図られています。そのため、単元ごと、あるいは時間ごとに育成すべき資質・能力を明確にした「単元目標」や「本時の目標」を設定し、それらの達成に向けて指導と評価を繰り返しながら、日々の授業が行われていることでしょう。
そのような中で、児童生徒が授業を通して、設定した目標以上の資質・能力を獲得したり、目標とは異なる側面で成長したりする姿に出会うこともあるのではないでしょうか。その内容は理科の学習と密接に関わるものにとどまらず、理科とは直接関係のない、倫理 面や道徳面など、全人的な成長として表れることもあるでしょう。また、他教科と関連させながら、より深い概念を子どもたち自身が形成する場合もあります。それらは、教員が意図して育成を図った結果である場合もあれば、教員の想定を超えた学びとして生じることもあるでしょう。いずれにしても、このような児童生徒の成長した姿に出会えることは教員にとって大きな喜びの一つです。
そもそも教育の目的は、教育基本法に示されているとおり、「人格の完成」を目指すことにあります。その目的を達成するための一時期として学校教育が位置付けられ、その中に教科指導があります。また、2022年12月に改訂された「生徒指導提要」(文部科学省)では、 「授業は全ての児童生徒を対象とした発達支持的生徒指導の場となる」と示されています。さらに、「教科の指導と生徒指導を一体化させた授業づくり」が、自己存在感の感受、共感的な人間関係の育成、自己決定の場の提供、安全・安心な風土の醸成を意識した実践であるとされています。理科授業を実践する教員は、これらの視点をどの程度意識して授業をデザインしているのでしょうか。
理科授業を構想し、実施する際には、教科の目標を明確に設定しつつも、理科の学習を通して実現したい別の目的を併せもつことがあってもよいのではないでしょうか。例えば、地学領域の指導において、知識の習得を主たる目標としながらも、「防災意識を高める」や、「地球規模の環境保全の行動ができる人材を育てる」といったことを期待することはないでしょうか。また、物理分野の実験において、数値が揃いにくい実験結果を基に集団で考察することを通して、規則性や関係性を見いだすと同時に、より妥当な考えを導き出すための「合意形成することのよさや価値」に気付かせたいと願うこともあるでしょう。さらに、中学校での「天体の日周運動と地球の自転」や「金属の電気抵抗」の学習を通して、生徒は小学校段階で学習した「太陽の位置の変化」や「電気を通す物」に関する知識が更新される経験をします。したがって、「視点や視座を変えることで、自然の事物・現象に対する理解は変容することがある」という自然科学の本質に気付かせることを目的とした授業実践も考えられます。
このように、単元目標や本時の目標の先や裏に、児童生徒の人間としてのさらなる成長を期待しながら授業実践を行っている事例はないでしょうか。あるいは、意図的・計画的ではなかったとしても、教員の期待を超えて児童生徒が自らの学習を通して成長したと実感させられた事例はないでしょうか。本特集では、理科の目標達成を目指しながらも、教育の目的である人間形成に迫る実践や事例を共有することを通して、理科教育、ひいては学校教育が果たしている意義を再認識できる機会にしたいと考えています。

(『理科の教育』編集委員会)



理科の教育

令和8年7月号
通巻888号
2026/Vol.75

【特集】
理科の目標の枠組を超えた
成長が期待できる授業とは

■人間形成において理科教育が果たす役割とは
●理科教育の発達支持的生徒指導促進効果-授業における「感動・発見・挑戦・創造体験」の重要性- 八並 光俊5
●教師主導型授業からの転換に関する一考察
-理科における探究的学習と授業形態の視点から- 山口 晃弘9
■理科の目標達成を超えた成長が見られた授業実践(小学校)
●児童自身が創り出していく学びの価値に着目して-実感と納得に心が動き,理科を学ぶ価値を創り出すとき- 葛貫 裕介13
●理科の学習を通して「やさしさ」を育む子どもの姿 松本 拓16
●「生命の誕生の学習における人間形成に迫る理科授業」
―体験と科学的理解を往還する学びを通して― 町井 雄亮19
●理科学習における人間性の育成過程の解明-より妥当な考えをつくりだす力に着目した三つの手立ての機能分析- 北脇 靖子22
●個人の資質・能力を超えた関係性を育む理科授業-自己決定理論を手がかりに,関係性の質を高めた小学校理科授業の試み- 近藤 聖也25
■理科の目標達成を超えた成長が見られた授業実践(中学校)
●「理科での自己決定」概念を基軸とした授業による人間形成の考察
松本 浩幸28
●「見えないイオン」を科学的に探究する学びをデザインする-「化学変化とイオン」の目標を超えて「科学の本質」を学ぶ- 佐野 嘉昭31
●地域の自然を起点とした「自分の問い」と社会への接続
-鳥取砂丘を教材化した理科授業を例として- 前田 大輔34
●生徒の自己効力感を育む学習評価
-「知識・技能」の評価方法の工夫を通して- 君嶋 拓人・松浦 和輝37
●主体的な探究がもたらす実験事実への誠実さによる自発的な視座の変容
-科学を学び続ける知的な礎に基づく全人的な成長- 藤渕 雅代40
■理科の目標達成を超えた成長が見られた授業実践(高等学校)
●物理履修者にどんな成長を期待するのか
-大学附属高等学校の実践- 影森 徹43
●高校生が成長したことを実感できる探究的な学びの実践
-生徒の人間性を育成する理科課題研究を通して- 上村 礼子46

連載講座
●『理科教育学研究』を授業に生かす
抵抗による電力消費の理解を深める授業
―導電性サーモ寒天を用いた概念変容の実践― 露木 隆 50
●教材研究一直線
全自動天体写真儀を使った天体写真② 田中 千尋 52
●概念構築を目指した探究型授業
~季節の変化と地軸の傾きの関係~
地球の公転の学習で身につけた知識・技能を基に 荒尾 真一 54
●理科Manabiコネクション
「だから電池ってなくなるんだね!」 辻 健・佐久間 直也 56
●先生はサイエンスマジシャンNEXT
水と油のただならぬ関係 辻本 昭彦 58

学会通信 59
全国大会案内 60
次号予告 64

Society of Japan Science Teaching
SCIENCE EDUCATION MONTHLY
2026/Vol.75/No.888

What Is the Lesson We Can Expect
the Growth That is Going Beyond
the Framework of Science Objectives?

5 Accelerated Effects of Developmental Student Support on Science Education: The Importance of “The Experience of Impression, Discovery, Challenge and Creation” in Lessons
YATSUNAMI Mitsutoshi, Tokyo University of Science, Tokyo
9 A Study on Transformation from Teacher-driven Instruction: From the Viewpoints of Inquiry-based Learning and Teaching Style in Science
YAMAGUCHI Akihiro, Tokyo University of Agriculture, Tokyo
13 Focusing on the Value of Learning That Is Created by Children Themselves: At the Time When Children Create the Value of Learning Science, Being Touched by the Realization and Satisfaction
KUZUNUKI Yusuke, Fuchu Dai-3 Elementary School, Tokyo
16 “Kind-heartedness” Is Fostered in Children Through Science Lessons
MATSUMOTO Hiromu, Taira Elementary School, Nagasaki
19 Science Lessons Aimed to Be Character-Building by Teaching the Birth of Life: Through the Interactive Learning Between Experience and Scientific Understanding
MACHII Yusuke, Elementary School Attached to Ibaraki University, Ibaraki
22 To Elucidate the Process of How Children Develop in Character in Science Lessons: Functional Analysis of Three Measures, Focusing on the Ability to Come Up With More Reasonable Ideas
KITAWAKI Yasuko, Matsubara Elementary School, Yamagata
25 Science Lessons to Help Children Foster the Relationship Beyond the Individual Qualification and Capability: My Attempt at Improving the Quality of Relationship in Elementary School Science Lessons, With the Theory of Self-Determination As a Clue
KONDO Seiya, Honden Elementary School, Osaka
28 A Study on the Character Building By Lessons That Is Based on the Conception of “Self-Determination in Science”
MATSUMOTO Hiroyuki, Midori Lower Secondary School, Hokkaido
31 To Design the “Learning of Scientifically Exploring” the Invisible “Ions”: To Learn About “the Essence of Science,” Going Beyond the Objective of “Chemical Change and Ions”
SANO Yoshiaki, Shioji Lower Secondary School, Aichi
34 Connection Between Society and “Own Questions,” Starting from the Nature in the Community: Tottori Sand Dune to Be Used for Teaching in Science Lessons
MAEDA Daisuke, Lower Secondary School Attached to Tottori University, Tottori
37 Evaluation Aimed to Help Students Develop Self-Efficacy: Improving the Evaluation Method of “Knowledge and Skill”
KIMIJIMA Takuto & MATSUURA Kazuki, Yokohama Lower Secondary School Attached to Yokohama National University, Kanagawa
40 The Change of Voluntary Viewpoints by Way of Sincerity to the Experimental Facts Posed by Active Learning: Holistic Growth by the Intellectual Foundation to Keep on Studying Science
FUJIBUCHI Masayo, Aojima Lower Secondary School, Shizuoka
43 What Level of Growth Do We Expect Physics Students to Attain?: Practice at the High School Attached to University
KAGEMORI Toru, Waseda University Honjo Senior High School, Saitama
46 Practice of Inquiry-based Learning in Which High Schooler Can Find Satisfaction in their Own Growth: Science Research Project to Develop Students’ Character Building
KAMIMURA Reiko, Suginami Upper Secondary School, Tokyo

50 Bringing “Journal of Research in Science Education” into the Classroom
52 Hot Pursuit of Science Material Development
54 Inquiry-based Lessons Aimed at Constructing Conception
56 Connection Between K-12 Sciences
58 My Teacher Is a Science Magician <NEXT>

目次英訳:柿原聖治
A table of contents is translated into English by KAKIHARA Seiji

〈今月の表紙〉
オグロプレーリードッグ
学名:Cynomys ludovicianus

ネズミ目リス科。
北アメリカの草原に生息するリスの仲間。警戒するときに発する鳴き声が犬に似ているのが名前の由来とされる。

表紙写真:片平久央
表紙・本文デザイン:辻井 知
(SOMEHOW)
特集:夏休みだからこそできる理科の学び
夏休みの効果的な指導や支援とは
 「子どもたちの主体性を育てるために、夏休みの宿題を廃止する」
そのような決断を下した学校が全国的に増えてきています。夏休みに宿題が出ることが当たり前だった世代からは様々な声が噴出し、世間を賑わせているようです。「宿題がないと困る」という声もあれば、「宿題がない分、充実した時間を過ごせた」という声も聞かれます。
夏休みの宿題の是非についてはさておき、「夏休み中の学び」についての課題を認識し、どのように向き合っているのかを語れる理科教師であってほしいと思います。
夏休みの恒例であった「自由研究」は、学校で出される夏休みの宿題であるとともに、文字通り、子どもが自分の興味や関心に基づいて自由に主体性を発揮させながら、探究活動を進めることをねらいとしています。しかしながら実際は、自身が子どもの頃の経験をもつ保護者も参加し、子育て世代の家庭にとっての一大イベントとなっているようです。このような夏休みの理科の学びに対し、理科教師は何をしたらよいのでしょうか。「宿題を出して終わり」となってはいけないはずです。
さて、宿題廃止の理由にも挙げられている「主体性」ですが、「主体性」が勝手に育つことはないでしょう。宿題を出す場合も、その宿題を主体的に行う機会をとったり、夏休み明けには、宿題への取り組みを振り返る形成的な評価の場面を設定したりする必要があるのではないでしょうか。
夏休み中の理科の学びはもちろん「自由研究」だけではありません。子どもたちに付けたい力も「主体性」だけではないでしょう。調べ学習やワークなどを通して、知識の習 得や学習の習慣性・計画性の育成を目指すためには、「指導→支援→評価」の一連の指導計画が不可欠です。しかし、夏休み中は、教師が直接子どもたちを指導する機会は減るため、その指導方法や指導過程には工夫が必要です。コロナ禍を経て、1人1台端末を用 いた情報活用能力の育成も進んできています。夏休み中に限らず、授業外で取り組む宿題に関しても、遠隔教育システムを用いて家庭学習を支援する事例を日常的に目にするようになってきました。そんな学校の変革期において、夏休み中の宿題やその取り組み方、子どもたちを支援する方法も進化すべきなのではないでしょうか。
そこで本特集では、子ども任せ、保護者任せではなく、学校(教師)が力強い指導と評価を行う夏休み中の理科の学習及び子どもへの支援の事例を紹介します。明日から夏休みを迎える子どもたちに向けた学期最後の授業で、理科教師は何を語るべきでしょうか。そ して、休み明けの子どもたちの成長にどのような評価ができるでしょうか。
前述した通り、昨今様々な理由から夏休み中の宿題の減少傾向が見られますが、宿題を出す責任だけでなく、出さない責任ももちろんあります。夏休みだからこそできる「過ごし方」を子どもたちに示すことができれば、夏休みでしか得られない成長した姿を見ることができるでしょう。

(『理科の教育』編集委員会)

(以下、目次)-------------------------------------------------

理科の教育

令和8年6月号
通巻887号
2026/Vol.75

【特集】
夏休みだからこそできる理科の学び

■夏休み中の学びに対する効果的なサポート例(小学校)
●「自然に親しみ」から始まる夏休みの理科の学び
-夏休みの学びの問題点をチャンスに変えて- 舘 英樹5
●自由研究って,こんなに楽しい!-佐賀大学探究お助け隊による「自由研究お助け隊2025」- 後藤 大二郎8
●動物園で目いっぱい楽しんで学ぼう
-遊んでいたら動物博士に!?- 金尾 由恵11
●自由研究を「自由」にしないために
-夏休み中の学びを支える事前指導- 大﨑 雄平14
●児童が主体的に取り組むための自由研究の指導法
-夏休みに小さな科学者になろう- 古川 祐子17
■夏休み中の学びに対する効果的なサポート例(中学校)
●子どもが主体的に学ぶことのできる「自由研究」に取り組ませる意義-「中学校教師の立場」と「小学生の保護者の立場」としての意義- 吉田 はるか20
●自由研究のテーマ設定を支える授業実践
-探究の長期性に着目した課題設定支援- 杉本 覚23
●夏休み課題を通した段階的な探究力の育成
-中学校での実践例を基にした考察- 小坂 那緒子・落丸 武彦26
●スライド5枚で「検証チャレンジ」 芝 直輝29
●生徒が日常生活について自由研究するための指導と支援-これまでの取り組みとGIGA スクール構想下における今後の展望- 窪田 和久32
●家の近くでマイフィールド観察-「学校内の学び」から「日常生活での学び」への転換を目指して- 河野 晃35
■夏休み中の学びに対する効果的なサポート例(高等学校)
●「SSH 地球科学」における探究活動支援と教材研究のサイクル-生徒エージェンシーの特性から考える持続可能な指導の在り方- 齊藤 洋輔38
●主体的な探究活動を支える夏休みの取り組み-研究指導・発表会参加・相互助言で研究を深める実践事例- 矢崎 貴紀41
●探究プログラム「サイエンスツアー」の実践-夏休みを活用して「実物に触れ,調査する」経験として- 相馬 朱里44

連載講座
●『理科教育学研究』を授業に生かす
相互評価活動と定型化指導を取り入れた考察指導-定型化フレームの効果の検討
山内 慎也・郡司 賀透・飯田 寛志・後藤 顕一 48
●教材研究一直線
全自動天体写真儀を使った天体写真① 田中 千尋 50
●概念構築を目指した探究型授業
~季節によって見える星座がなぜ変わるのか~
地球の公転の学習で身に付けた知識・技能を基に 荒尾 真一 52
●先生はサイエンスマジシャンNEXT
だまされるな! 不思議な三角形の面積 辻本 昭彦 54

学会通信 56
全国大会案内 58
次号予告 64
特集:「できた」「わかった」の次を目指せる理科授業
学びを深めようとする循環を生み出すために
 理科教育の目標は、自然の事物・現象についての理解を深めるとともに、問題解決の力や科学的に探究する力、それらを身に付ける態度を育てることにあります。子どもが「できた」「わかった」と見取ることができたならば、教師は「目標を実現し、学習内容の定着や活動の達成ができた」として、その学習を終わらせることも多いでしょう。これでは、子どもが自ら自然事象に対する理解の枠組みを更新し続ける姿にはつながりません。
 子どもが学習内容を理解し、「できた」と実感することは、学びの第一歩です。さらに、観察・実験を通して「わかった」と感じることは、学習意欲を高める重要な契機となります。しかし、本来の理科学習では、そこから新たな問いを生み出し、「もっと知りたい」「こうしたらどうなるだろう」と自然事象の理解の枠組みを更新し続ける過程にこそ価値があります。そのためには、子どもが自分の理解を振り返り、問題や課題を再構築できるような授業構成と教師の的確な支援が求められます。授業の中で「できた」「わかった」という達成感を大切にしつつ、それを次の学びにつなげるための「問い返し」や「再構築」の機会を意図的に設計することなどは有効です。具体的には、実験結果を確認して終わるのではなく、「この条件を変えるとどうなるだろう」「わかったことを踏まえると、 この新たな現象は説明できるだろうか」「他の現象でも同じことが言えるだろうか」といった次の疑問を子ども自身が見いだせるようにするとよいでしょう。また、学習過程の中で互いの考えを共有し、異なる視点に気付く活動を設定することによって、より深い理解と新たな気付きや疑問などが生まれると考えられます。
 例えば、小学校第5学年「振り子の運動」において、1往復の周期に関係するのは「振り子の長さ(紐の長 さ+物体の重心)」であることを、子どもが実験を通して学ぶことが学習指導要領上のねらいです。しかし教師としては、ここで終わりとせず、子どもが新たな気付きや疑問を見いだせるようにしたいものです。具体的には、ブランコの座ったときと立ったときの感覚の違いを体験から認識し、学習内容や追加の実験を通して、その違いについての理解を深めていく新たなシナリオ※も考えられるでしょう。
 理科の魅力は、自然事象を理解する枠組みを作成して終わりではなく、「なぜ」「どうして」と問い続け、その枠組みをさらに更新していこうとする姿勢(態度)を育てる点にあります。このような授業を通して、子どもが「できた」「わかった」で終わらず、そこからさらに学びを深めようとするよい循環を生み出すことができるでしょう。教師にとっても、子どもの思考の変化や新たな気付きを手がかりに、次の授業展開を柔軟に構想する契機となります。
 本特集には、学びを自ら発展させる力を育む授業づくりの実践例が全国から寄せられました。本特集を通して、子どもが自らの学びに主体的に向き合い、自然事象の理解の枠組みを更新し続けられる理科学習の在り方を探っていきましょう。

※新たな時間を設定することが難しい場合は、単元内の気付きや疑問からの「できた」「わかった」の連鎖と捉える。

(『理科の教育』編集委員会)
特集:「科学的」であることが理科の学び
どのように見取り、価値付け、深化・拡張するのか
「科学的」という言葉は、小・中・高等学校の全ての理科の目標に登場し、「科学的」に解決したり「科学的」に探究したりする力を付けることが求められています。この「科学的」という言葉について、小学校学習指導要領(平成29年告示)解説理科編では、「自然の事物・現象についての問題を、実証性、再現性、客観性などといった条件を検討する手続きを重視しながら解決していくということ」としています。中学校、高等学校の理科においては、さらに、発達の段階や内容に即して、より論理的な検討が加味されていくところです。

A児 「低温の方を冷蔵庫に入れるとしたら、常温の方も光なしにしないといけないよね」
B児 「どうして? これは、温度について調べる実験だから、光はあり、なんじゃない?」 A児 「だってさ、冷蔵庫の中に入れたら、暗くなるでしょ。だから、常温の方も光なし、にしないと、低温と常温とで条件がそろわないよね」
B 児 「……あ~そっか。本当だね!! 光なしにしなくちゃいけないね!」

この会話は、小学校第5学年「植物の発芽」の実験計画を立てた場面でのやりとりです。実証性や再現性を満たす実験について、子どもたちが多様な視点で議論する中で、客観性が増していきます。中学校・高等学校においても、常に「事実」と向き合い、そこから何が考えられるのかを議論したり、時にはモデル実験を行い、「事実」と照らし合わせて論理が通っているかを吟味したりしていきます。つまり、理科において多数決は通らないこと、「事実」に裏付けられた論理でなければ「科学的」ではないということを、探究の過程を通して学んでいくのです。
一般的な科学研究においても、実証性や再現性の側面から検証方法やデータの価値が吟味されます。さらには、論文として科学誌に掲載され、多くの人々による様々な議論にさらされた末、客観性を満たすものでなければ認められません。私たちの日々の教室で展開さ れる理科学習では、「科学的」な解決が行われているのか、改めて考えなければならないでしょう。
私たち教師は、子どもたちが「科学的」に解決し始めるその瞬間に立ち会うことができる存在です。では、私たちはこの姿をどのように見取り、価値付け、深化したり拡張したりしようとしているのでしょうか。
そこで本特集では、「『科学的』に考えることが理科の学びをどのように深めるか」について改めて考えたいと思います。子どもが科学的に思考し始めた瞬間の姿を教師がどのように見取り、学習を展開したのか、その結果、子どもたちはどのように学びを深めたのかなど、具体的な実践を共有することにより、「科学的」であることを核に据えた理科学習の不易について、改めて実感する機会にしたいと考えています。


(『理科の教育』編集委員会)
理科の教育

令和8年3月号
通巻884号
2026/Vol.75

【特集】
日常生活とつながる理科授業
-理科室で完結させない学びの在り方-

■理科授業と日常生活とのつながりを考える意義
●理科授業と日常生活との接続の意義と方略に関する論考-Vision Ⅲ・PISA2025の視座に基づくBig Ideas とSSI を核としたデザイン論- 野添 生5
■自然事象を日常生活に当てはめて考える授業実践(小学校)
●理科室での学びが生活につながる授業
-第6学年「水溶液の性質」の実践を通して- 新井 友博9
●栄養教諭が協働する日常生活にある「食」とつなげた理科授業
豊田 花恵12
●日常生活の事象を科学的な視点で捉え直す「問い」の工夫-第5学年「氷をとかせ!大作戦」における協働とAI 活用の実践- 梅下 博道15
●水玉ころころから広がる世界
―第4学年「雨水の行方と地面の様子」- 鴫原 卓18
■自然事象を日常生活に当てはめて考える授業実践(中学校)
●学んだ知識を活用して思考力を育む理科授業-「新たな文脈の課題」に取り組ませることを通じて- 奈良 大21
●「和食のサイエンス」の開発とその試行的実践
-「漬物(特にぬか漬け)」を題材とした探究的な学習- 樋口 洋仁24
●「問題を見いだす過程」と「考察」を構造化させた理科授業のデザイン
-探究の過程を振り返り,その妥当性を検討できる生徒の育成を目指して-
木村 貴博27
●段階的に仮説を設定・検証する活動を通して,思考力・判断力・表現力等を育成する 中川 明宏30
●日常生活の中の事象から生まれた問いを,単元を通して科学的に探究することで,自然事象への捉え方を深めていく理科授業の学び-鏡についた水滴を教材にした光の単元の授業実践を例に- 糟屋 晃久33
●中学校における宇宙の広がりを生活スケールに落とし込む授業実践
-生徒によるモデリングを通して- 伊佐 勇亮36
■自然事象を日常生活に当てはめて考える授業実践(高等学校)
●身近な食品を題材とした探究的実験
-日常的判断を科学的根拠に基づいて評価させる活動の試み- 森野 稔弘39
●資源としての「砂」の探究
-身近な「砂」を起点に地球環境と人間の共生を考える- 杉田 泰一42

連載講座
●『理科教育学研究』を授業に生かす
「体を使った理科の学び」とその学びを考察する-オフラインの身体化認知から-
久保田 善彦 46
●教材研究一直線
美しき厄介者「花粉光環」を撮る③ 田中 千尋 48
●教材の隠し味
どこでも手軽にできる「凸レンズの実験」の工夫 神田 昌彦 50
●概念構築を目指した探究型授業
~太陽の日周運動について実感をもって観測させる試み~
透明半球のどこに自分がいるのか認識させることによって 荒尾 真一 52
●先生はサイエンスマジシャンNEXT
どうする生成AIと理科教育④ 辻本 昭彦 54

学会通信 56
オンライン全国大会 62
次号予告 64

Society of Japan Science Teaching
SCIENCE EDUCATION MONTHLY
2026/Vol.75/No.884

Making Science Lessons Connected to Everyday Life: How Not to Be Completed Only From Within Science Room

5 Study on the Significance and Strategy of Making a Connection Between Science Lessons and Everyday Life: Design Theory by Using Big Ideas and SSI As a Core, Based on the Viewpoint of Vision III and PISA 2025
NOZOE Susumu, University of Miyazaki, Miyazaki
9 Learning Within Science Rooms Can Be Linked to Everyday Life: Through the Practice of “Properties of Aqueous Solutions” in 6th Grade
ARAI Tomohiro, Yougai Elementary School, Hyogo
12 Science Lessons Linked to “Food” in Daily Life, Working Together With Nutrition Teacher
TOYOTA Hanae, Okinawa Education Bureau, Okinawa
15 Improvement of the “Asking Questions” to Reinterpret the Everyday Phenomena From a Scientific Point of View: Practice of AI Use and Collaboration in “Melt the Ice! Challenge” in 5th Grade
UMESHITA Hiromichi, Keiai Elementary School, Fukuoka
18 Beads of Water Rolling Back and Forth: “Change of Rainwater in the Natural World and Puddles on the Ground” in 4th Grade
SHIGIHARA Taku, Meiken Elementary School, Fukushima
21 Science Lessons to Develop the Power of Thinking, by Using Previously Learned Contents: Having Students Tackle a “New Contextual Task”
NARA Dai, Nagoya Lower Secondary School Attached to Aichi University of Education, Aichi
24 Development of the Course “Science of Japanese Food” and Its Pilot Study: Using “Pickles” As the Subject Matter for Inquiry-based Learning
HIGUCHI Hirohito, Secondary School Attached to Hiroshima University, Hiroshima
27 Instructional Design of Science Lessons to Structurize the “Process of Finding Problems” and “Consideration”: Aiming to Develop Students Who can Consider the Validity of Discovery Processes, After Reflecting on Them
KIMURA Takahiro, Lower Secondary School Attached to Gunma University, Gunma
30 To Cultivate the Abilities to Think, Judge, and Express, etc., Through the Activity of Formulating Hypotheses Step-by-step and Verifying Them
NAKAGAWA Akihiro, Tamate Lower Secondary School, Osaka
33 Science Lessons to Help Students Gain a In-depth Understanding of Natural Phenomena, By Inquiring into Questions Derived from Everyday Phenomena Scientifically Throughout the Lesson Unit: Practice of Nature of Light, by Using Beads of Water on the Mirror As Teaching Material
KASUYA Teruhisa, Shizuoka Lower Secondary School Attached to Shizuoka University
36 Educational Practices in Middle School Where Space Dimensions Are Scaled Down to the Normal Length: Having Students Make a Model of the Universe
ISA Yusuke, Minatogawa Lower Secondary School, Okinawa
39 Inquiry-based Experiment on Everyday Foods: An Attempt to Help Students Assess the Daily Judgement, Based on Scientific Evidence
MORINO Toshihiro, Upper Secondary School Attached to Kyoto University of Education, Kyoto
42 Inquiry into “Sand” That Can Be Used for Resources: To Think About Global Environment and Coexistence with Humans, Using “Sand” Around Us As a Starting Point
SUGITA Taiichi, Secondary School Attached to Hiroshima University, Hiroshima

46 Bringing “Journal of Research in Science Education” into the Classroom
48 Hot Pursuit of Science Material Development
50 Tips to Spice up Instructional Materials
52 Inquiry-based Lessons Aimed at Constructing Conception
54 My Teacher Is a Science Magician <NEXT>

目次英訳:柿原聖治
A table of contents is translated into English by KAKIHARA Seiji

〈今月の表紙〉
アトボシハムシ
学名:Paridea angulicollis

甲虫目ハムシ科。
アマチャヅルの葉を探すと見つけやすいハムシの一種。似た種類に,黒紋が4つあるヨツボシハムシもいる。

表紙写真:片平久央
表紙・本文デザイン:辻井 知
(SOMEHOW)
理科の教育

令和8年2月号
通巻883号
2026/Vol.75

【特集】
子どもたちへの問いかけの工夫

■理科の授業での問いかけの工夫(小学校)
●子どもの問いを主役に 学びを活性化するための教師の発問-子どもがもっと
話したくなるような理科授業を目指して- 馬場 智大5
●「明確で具体的な問いかけ」の効果に関する一考察
-子どもの思考を焦点化する発問の在り方- 雨宮 正倫8
●子どもの表現を媒介する対話的な授業の実現
-小学校第6学年「水溶液の性質」の単元を事例に- 佐野 綾音11
●理科授業における「事実と解釈」を視点とした発問-「どうして?」「どうする?」「どうなる?」の使い分け- 棟田 一章14
■理科の授業での問いかけの工夫(中学校)
●「誰にでも,やりやすい」中学校での課題【問題】の見いだし過程を目指して
平澤 傑17
●より科学的に考えさせるための問いかけの工夫
-「科学的とはどういうことか」を掘り下げることを通して- 羽澄 大介20
●探究の過程における発問の再考-生徒の主体的な学びを促す発問とは-
櫻井 康之23
●深い学びを駆動する「グラグラの種」
-資質・能力の育成を目指した気象分野における実践- 松下 佳史26
●理科ならではの問いかけを取り入れた授業-事象から問いかける,気付いて学ぶ活動による実践を通して- 森 泰一30
■理科の授業での問いかけの工夫(高等学校)
●問いかけを設定する指針-目標を意識した問いかけの設定- 枝村 拓磨33
●生徒に “本気で”問いかけよう!-教師が本気で問いかけ,生徒が本気で応える授業を目指して- 勝田 仁之36
●高等学校におけるシーン別・観点別問いかけの種類  一岡 祐生39
●高等学校物理と総合的な探究の時間における教師の「問いかけ」の比較-教師による「質問」と「発問」を通じて,生徒のもつ疑問や生徒の見いだした諸問題から「問い」を抽出していくための問いかけ方の工夫- 石川 真理代42
■理科の授業での問いかけの工夫(特別支援学級(学校))
●特別支援学級における診断的問いを用いた形成的評価
-小学校第4学年「月の位置と変化」の実践を通して- 鍛治 裕之45

連載講座
●『理科教育学研究』を授業に生かす
探究の過程について内省することから,科学の営みを捉える
中込 泰規・加藤 圭司・小倉 康 48
●教材研究一直線
美しき厄介者「花粉光環」を撮る② 田中 千尋 50
●概念構築を目指した探究型授業
~天球の概念について実感をもって獲得させる試み~
地球から見た北斗七星の立体モデルを作ることによって 荒尾 真一 52
●先生はサイエンスマジシャンNEXT
どうする生成AIと理科教育③ 辻本 昭彦 54

研究推進委員会企画
研究キーワードレビュー
56
学会通信 60
オンライン全国大会 68
次号予告 72

Society of Japan Science Teaching
SCIENCE EDUCATION MONTHLY
2026/Vol.75/No.883

How to Ask Children Better Questions

5 Questioning Techniques to Activate Learning, With Children’s Questions As Main Topic for Discussion: Aiming for the Science Class in Which Children Want to Talk Some More
BABA Tomohiro, Honjo Elementary School, Sage
8 A Study on Effects of “Asking Specific, Concrete Questions”: How to Ask Good Questions to Concentrate on the Children’s Thinking
AMEMIYA Masahito, Fuekawa Elementary School, Yamanashi
11 To Realize Interactive Teaching, Using Children’s Expression: As an Example of “Properties of Aqueous Solution” in 6th Grade
SANO Ayane, Mitsuzawa Elementary School, Kanagawa
14 Questioning Techniques, Viewed From the Perspective of “Facts and Interpretation” in Science Lessons: How to Use One of Three Expressions -- “Why?”, “What Would You Do?” and “What Would Happen?”
MUNEDA Kazuaki, Uwatsu Elementary School, Ehime
17 Aiming to Go Through the Process of Finding ASSIGNMENTS That are “Easy and Accessible to Everyone” at Middle School
HIRASAWA Suguru, Miyako Board of Education, Iwate
20 Questioning Techniques to Encourage Children to Think More Scientifically: By Delving into “What It's Like to Be Scientific?”
HAZUMI Daisuke, Jiyugaoka Elementary School, Aichi
23 To Reconsider the Questioning in Discovery Process: Questioning Techniques For Students to Learn On their Own
SAKURAI Yasuyuki, Lower Secondary School Attached to Gunma University, Gunma
26 “Guragura’s Seeds” to Activate Deep Learning: Practice in Meteorology to Develop Qualities and Capabilities
MATSUSHITA Yoshifumi, Kakegawa Municipal Higashi Lower Secondary School, Shizuoka
30 Lessons by Adopting the Questioning Techniques Specific to Science: Practice of Learning Activity for Students to Get the Problems From Phenomena, and Get the Solution by Discovery
MORI Taiichi, Sanmi Elementary and Lower Secondary School, Yamaguchi
33 Guidelines for Good Questioning: To Set Up the Questions, With Objectives in Mind
EDAMURA Takuma, Hamamatsu Kohoku Upper Secondary School, Shizuoka
36 Let’s Ask Questions “in Earnest” to Students!: Aiming for the Lessons in Which a Teacher Ask Earnestly, and Students Respond in Earnest
KATSUDA Hitoshi, Waseda University Senior High School, Tokyo
39 Categorization of Questioning, According to Scenes & Perspectives at High School
ICHIOKA Yuuki, Sapporo Asahigaoka Upper Secondary School, Hokkaido
42 Comparison of Teacher’s “Questioning” in High School Physics and ‘Period for Inquiry-Based Cross-Disciplinary Study’
ISHIKAWA Mariyo, Wakaba-Sogo Upper Secondary School, Tokyo
45 Formative Evaluation by Using Diagnostic Questioning Techniques at the Class for Special Needs Education: Practice of “The Position of the Moon and Its Change” in 4th Grade
KAJI Hiroyuki, Kitamihara Elementary School, Hokkaido

48 Bringing “Journal of Research in Science Education” into the Classroom
50 Hot Pursuit of Science Material Development
52 Inquiry-based Lessons Aimed at Constructing Conception
54 My Teacher Is a Science Magician <NEXT>

目次英訳:柿原聖治
A table of contents is translated into English by KAKIHARA Seiji

〈今月の表紙〉
クサガメ
学名:Mauremys reevesii

カメ目イシガメ科。
幼体はゼニガメの名前で販売されることもあるも。メスはオスよりも大型化する。

表紙写真:片平久央
表紙・本文デザイン:辻井 知
(SOMEHOW)
【特集】
どうする!?
生成AIと理科教育

■生成AIと理科教育についての提言
●理科教育における生成AI活用の可能性と課題 中村 大輝5
●生成AIによる理科教育実践の新展開-VUCA社会の「あいまいさ」が導く新たな教育の可能性- 辻 義人9
●SSH高校生が生成AIの「中身」に迫る!-言語系生成AIの仕組みを体験・観察・記述で学ぶ理科授業の実践- 中野 良一13
■生成AIの利活用に関するガイドラインと理科教育
●生成AIを「出発点」とする理科授業の可能性-防災を題材とした理科授業における生成AI活用の試み- 近野 洋平16
■私が考える「生成AIと理科教育」
●生成AIを活用した理科における活用場面の提案-生成AIを利活用することで,より深い学びへ- 金川 弘希19
■生成AIを利活用するアイデアや授業実践
●学習内容を関連付けた対話的な学びを促進する生成AIの活用-SAMRモデルに基づくより高次の活用段階を目指して- 森川 大地22
●画像生成AIで思考力を育む理科の授業づくり-第5学年「流れる水の働きと土地の変化」の授業実践を通して- 赤塚 広大25
●生成AIと理科教育の現在地
-可能性と課題を捉え,未来の学びを拓く- 野田 佳吾28
●中学校理科への生成AI導入の実際とその検討 諸岡 史哉32
●生成AIを活用した探究的な活動
-中学校1・2年地球領域での実践を通して- 森野 宅麻35
●生成AIを取り入れた光合成の探究的な学び -探究的な実験活動の中で有効な生成AIの使い方とは何か- 齋藤 太嗣38
●生成AIを活用した理科教員業務支援の実践報告
-教材作成から授業改善まで- 石神 克海41
●生成AIを活用した授業改善
-「文字起こし」を分析し,指導力改善を図る- 橋爪 慶太45

連載講座
●『理科教育学研究』を授業に生かす
授業目標と評価方法を一致させる-「評価の三角形」を基にした授業の計画と実践-
渡辺 理文・杉野 さち子 48
●生徒をひきつける観察・実験
水の合成 山口 晃弘 50
●教材研究一直線
ムラサキキャベツの教材性 田中 千尋 52
●教材の隠し味
転がるジャム瓶コンテスト 藤原 僚 54
●概念構築を目指した探究型授業
~北極星側から見て地球の自転方向はどっち?~
小学校3年生の太陽の動きと棒の影の学習から 荒尾 真一 56
●先生はサイエンスマジシャンNEXT
どうする生成AIと理科教育① 辻本 昭彦 58

学会通信 59
全国大会報告 60
オンライン全国大会
(二次案内) .63
総目次 68
次号予告 76
【特集】
深い意味理解を促す理科授業

■「深い意味理解」「概念としての知識の習得」をめぐって
●理解に納得と活用が加わるとき
-概念生態系から考える深い意味理解- 渡辺 理文・葛貫 裕介5
●モデルベース学習による科学概念の形成 雲財 寛9
■子どもが心から納得し,知識を習得する深い学びの授業実践(小学校)
●子どもの多様な興味や疑問に基づく学習による意味理解の促進-「もっと知りたい,わかりたい」という思いから広がる意味理解の世界- 松尾 健一13
●シミュレーションを用いた児童が主体的に探究する授業の実践-シーソーを題材とした小学校第6学年「てこ」の単元を通して- 内野 皓輝16
●子どもが納得し,知識を関連付けていく授業実践
-第4学年の事例を通して- 水野 花恋19
●体験から言葉を紡ぎ,子どもに「納得」をもたらす授業デザイン
-第3学年「太陽と地面の様子」から- 前田 昌志22
■子どもが心から納得し,知識を習得する深い学びの授業実践(小・中学校)
●生活の「なぜ」から始まる深い学びの理科授業
-在外教育施設ジョホール日本人学校での実践- 宮下 健太25
■子どもが心から納得し,知識を習得する深い学びの授業実践(中学校)
●「科学のミライを担う私たち」 教科横断的な理科授業での深い学び-中学校理科と技術・家庭科を組み合わせて「生活に役立つ科学」が実感できる授業-
結解 武宏28
●問いの焦点化が生む納得感のある学び-「静岡県の地形はどのようにできたのか」を追究する授業実践- 大久保 正樹31
■子どもが心から納得し,知識を習得する深い学びの授業実践(中等教育学校)
●舌から肛門までつながっているブタの内臓一式を用いた学習-生徒による教材作成と授業運営を組み込んだ授業実践- 佐野 寛子34
■子どもが心から納得し,知識を習得する深い学びの授業実践(高等学校)
●課題の発見・追究を通して生徒が実験を企画する授業展開
-生徒たちの「腑に落ちた」を引き出す授業の工夫- 古賀 康裕37
●理科の授業で演劇を!?-演劇的手法を用いて深い理解へ導く高校化学の授業- 渡辺 亮真・日髙 翼40
●深い意味理解を促すためのエネルギー概念の習得に向けて-エネルギー概念の確立の歴史と新しい考え方の実践事例を通して- 原口 博之43

連載講座
●『理科教育学研究』を授業に生かす
科学的概念の理解を促す対話活動―酸・アルカリ概念を事例に―
木内 裕佑 46
●生徒をひきつける観察・実験
非接触型IC カードを利用した電磁誘導の学習 吉田 勝彦 48
●教材研究一直線
白衣のメルトダウン 田中 千尋 50
●教材の隠し味
映画『となりのトトロ』を用いた月の学習 髙橋 政宏 52
●概念構築を目指した探究型授業
~太陽系に関する知識をクイズ形式で定着を図る~
PISA 型の読解力のレベルを意識した問いで 荒尾 真一 54
●先生はサイエンスマジシャンNEXT
鳥の言葉がわかる 辻本 昭彦 56

学会通信 57
オンライン全国大会
(一次案内) 60
次号予告 68
【特集】
理科授業でこんなこともできる!-教室を飛び出し,ダイナミックな実践に挑戦しよう-

■ダイナミックな授業実践の工夫と効果
●ダイナミックなものづくり教材「たたら製鉄」
-ダイナミックな連携も視野に入れて- 境 智洋6
■ダイナミックな実践事例(小学校)
●教員が自然を調べることから始める河川学習
-地域の自然とアイヌの人々の文化を通して- 舘 英樹10
●児童が身体の諸感覚を働かせて創り上げる理科学習
-第6学年「水溶液の性質」- 長島 雄介12
●本当に安全なの?学校の地面から始まる防災学習
-エージェンシーを育む理科・総合的な学習- 真田 順平14
●南極に熱中する授業をつくる!
-第63次南極観測隊同行から帰国しての実践- 渡邊 雅浩16
●エジソン電球を作ろう-第3学年「電気の通り道」- 牧 逸馬18
●空気と水のふしぎハンターズ
-四つの目で「見えない世界」を捉える理科探究- 大崎 貢20
■ダイナミックな実践事例(中学校)
●奥出雲のたたら製鉄を題材とした中学生向け授業実践記録
-サイエンスエコツアーの試み- 田中 伸也・大方 祐輔22
●星空を起点に探究と表現がつながる理科学習の実践-小学6年生の導入から高校生の探究へとつながるプラネタリウム活用実践- 樋泉 あき・矢崎 貴紀24
●生分解性プラスチックから考える私たちの未来-企業とつながることで見えてきた理科の先にある社会とのつながり- 里 浩彰26
●自然に目を向ける意識を育む「マイフィールド」の実践
-敷居が低く,誰でも簡単に取り組めるお手軽観察- 河野 晃28
●植物に必要なものは光と水だけじゃない
-高糖度トマトの水耕栽培に挑戦- 菅野 俊幸30
■ダイナミックな実践事例(高等学校)
●理科の授業から発展した高校生のものづくり 大山 光晴32
●化学基礎と総合的な探究の時間で行った「たたら製鉄」の実践
-砂鉄から鉄製の道具を作る- 田中 耕治34
●火山をまるごと調べよう-十勝岳のふもとから- 美土路 建36
●質量と物質量の視点の往還を目指して
-化学実験室で行った体験活動,探究活動を中心に- 松髙 和秀38
●スイスのモルテラッチ氷河から学ぶ地球温暖化
-オンライン授業を活用した探究的な学習プログラム- 浅野 理紗・浅野 裕樹40
●離島研修(小笠原諸島)での自然体験活動を通して
-生物多様性の保全と外来種問題について考える- 矢追 雄一42

連載講座
●『理科教育学研究』を授業に生かす
凸レンズを通る光の道筋を可視化する―装置とシミュレーションを活用して―
鬼木 哲人 44
●生徒をひきつける観察・実験
2力の合成-的当てゲームでイメージ化- 新井 直志 46
●教材研究一直線
驚異の大食漢幼虫 田中 千尋 48
●教材の隠し味
「フィンガーバード」を用いた進化のシミュレーション 髙橋 政宏 50
●概念構築を目指した探究型授業
~太陽系の広がりとスカスカを実感する~
太陽系モデルをグラウンドと地図上に作ることによって 荒尾 真一 52
●先生はサイエンスマジシャンNEXT
惑星の音ってどんな音? 辻本 昭彦 54

オンライン全国大会
(一次案内) 56
学会通信 58
次号予告 64
【特集】
諸感覚を働かせ,豊かな感性を育む理科授業

■感性を豊かに働かせることの重要性
●センス・オブ・ワンダーが生きる理科の授業 露木 和男5
●持続可能な社会の創り手の育成に向けて
-理科教育が担うべき大きな役割- 鳴川 哲也9
■豊かな感性を育む理科授業(小学校)
●生活とつなぐ単元導入と単元終末の工夫
-小学5年生の実践- 丸山 哲也13
●五感を関連付けて考える理科授業
-学校での共通体験を生かして- 津村 純16
●児童の好奇心に寄り添い,共に探究する中で育まれる感性
-小学校第1学年・生活科の実践事例を通して- 梅原 恭平19
●自分と比べながら植物の生きる巧みさを知る
-植物の水の通り道について調べる学習を通して- 江口 活22
●感覚主導学習(Sensory-driven Learning:SeDL)-第3学年「音の性質」,第4学年「水のすがた(水の三態変化)」の実践- 岩本 哲也25
■豊かな感性を育む理科授業(中学校)
●自己決定の基本的欲求理論を活用した授業の推進 松本 浩幸28
●子どもの感性をひらく理科の学び-野尻湖ナウマンゾウ博物館と実現する本物に触れる地層学習- 佐久間 直也31
●発問に対し,実物に触れながら考える活動
-中学校第2学年「電流とその利用」単元において- 髙橋 拓寛34
●生徒の可能性は無限大
-OPPA が可能にする生徒と教師の感動の共有- 山口 真一37
■豊かな感性を育む理科授業(高等学校)
●科学的な法則の直接体験で豊かな感性を育む-気体の状態方程式と静水圧平衡
から算出する建物の高さの測定- 竹田 大樹40

連載講座
●『理科教育学研究』を授業に生かす
合意形成能力の育成を目指した理科授業―合意点を見つける力に焦点を当てて―
古石 卓也・山中 真悟・中山 貴司・木下 博義 44
●生徒をひきつける観察・実験
ネギの葉の観察 新井 直志 46
●教材研究一直線
原生動物を驚かそう 田中 千尋 48
●教材の隠し味
年周運動と公転「太陽と地球の位置関係から季節を推測しよう」
~モデルの作成とICT を活用した主体的な課題解決活動~ 遠藤 大輔 50
●概念構築を目指した探究型授業
~月と太陽の特徴を見いだす知識・技能を惑星に適用~
惑星モデルが再現できる限界を逆に利用して 荒尾 真一 52
●図書紹介
内ノ倉 真吾〔著〕『理科教育におけるアナロジーに基づく教授学習ストラテジー研究』 中山 迅 54
●先生はサイエンスマジシャンNEXT
いけるぜKahoot !授業でクイズ大会 辻本 昭彦 55

オンライン全国大会
(一次案内) 56
学会通信 58
次号予告 68
【特集】
子どもも教師も育つ
授業研究とは

■理科教育が置かれている現状と課題及び授業研究の意味
●理科の授業研究の意味と臨み方 有本 淳5
●探究の過程に沿って資質・能力を育むための授業研究 小倉 康9
■理科の授業研究の進め方(小学校)
●子どもと共に学んでいく授業研究
-第4学年「水の三態変化」の事例を通して- 清水 裕太13
●希望の光を受け継ぐ授業研究-自由と同僚性と志- 境 孝16
●教職員全員が安心して,愉しく授業研究ができる雰囲気づくり
-「共有・協働・共感」し合う校内研修を目指して- 野口 卓也19
●理科の授業研究の進め方-子どもも教師も育つ授業研究- 河西 勇弥23
■理科の授業研究の進め方(中学校)
●「苦しまない授業研究」の実現に向けた環境づくり
-個人,学校,研究会が果たす役割と可能性- 髙橋 政宏26
●小さな「わかる」を対話につなげる
-中学1年「気象とその変化」の実践事例を通して- 横矢 恵里29
●模擬授業を核とした授業研究の再構築
-子どもと授業を軸とした対話を生む研修デザインの工夫- 荒川 拓之32
●日常の中で進める理科授業研究の在り方 大山 朋江35
■理科の授業研究の進め方(高等学校)
●生徒が学びたくなる授業づくりに向けて
-生成AI をよき同僚に,学習者をよき助言者として- 森野 稔弘38
●学校が育成したい生徒像から検討する理科の授業研究
-授業力の向上を目指す校内研修の活用- 上村 礼子41

連載講座
●『理科教育学研究』を授業に生かす
実体顕微鏡を利用した岩石観察の有用性―通常教室でも実施可能な岩石の実体
顕微鏡観察― 飯田 和也 44
●生徒をひきつける観察・実験
月の日周運動が季節によって変化することを地球の地軸の傾きや月の公転と
関連付けてみよう 伊藤 英樹 46
●教材研究一直線
オクラの花粉を観察する 田中 千尋 48
●教材の隠し味
生徒が二つの視点で金星の見え方の特徴を見いだすためのモデル実習
石塚 友貴 50
●概念構築を目指した探究型授業
~電流が作る磁界~小学校で学習した電磁石から中学校の磁界へ
荒尾 真一 52
●図書紹介
小野瀬倫也・佐藤寛之・森本信也〔編著〕『子どもの考えから始める理科授業の
デザイン』 渡辺 理文 54
●先生はサイエンスマジシャンNEXT
フライドチキンはどこの部位 辻本 昭彦 55

学会通信 58
全国大会(最終案内) 60
オンライン全国大会
(一次案内) 62
次号予告 68
【特集】
学習の改善につながる
児童生徒による評価

■児童生徒による評価がもたらす成果
●自己評価の難しさと指導の在り方-自己評価はズレている?-
久坂 哲也11
●学びと評価が一体化する未来-相互評価がもたらす主体的な学習と指導改善を
実現する新たなアプローチ- 後藤 顕一15
●「自己評価」による非認知能力の育成-OPPA論を活用した学習者主体の学び-
中島 雅子19
■児童生徒による評価を生かした授業実践(小学校)
●子どもの「知りたい」「やってみたい」を授業に-子どもの自己評価から授業の
在り方を考える- 永田 理佳23
●子どもが自身の表現を評価し,更新する姿
-小学校第5学年「物の溶け方」の単元を事例に- 佐野 綾音26
●相互評価を取り入れた考察改善の実践-ICTを活用した「より納得する考察へ
高める相互評価活動」を通して- 田中 拓哉29
■児童生徒による評価を生かした授業実践(中学校)
●生徒同士のつながりによって改善しながら進める探究学習-中学校理科第2学年「電流と磁界」におけるワークショップ型理科授業の実践から-
小岩井 爽32
●評価規準を示して自己評価を促すことで「主体的に学習に取り組む態度」に
対する意識を高める実践の紹介-eポートフォリオの活用を通して-
藤田 一克35
●理科の「見方・考え方カード」を活用した自己評価の取り組み-自己評価を共有することで生まれる気付きを生かす試み- 兵地 梓38
●探究の過程を振り返り,その妥当性を検討できる生徒の育成-探究の過程の
各過程を構造化させた理科授業のデザインを通して- 木村 貴博41
■児童生徒による評価を生かした授業実践(高等学校)
●「指導と評価の一体化」を図る高等学校化学基礎の授業-単元「酸化還元反応」における「学習を振り返る活動」を通して- 大方 祐輔44
●評価規準を明示した相互評価による深い学び
-相互評価は探究の過程を振り返り,修正する場面となる- 生田 依子47

連載講座
●『理科教育学研究』を授業に生かす
地層を教室に持ち込んでみた―ボーリングコアを用いた小学校6年生の授業―
高橋 唯 50
●生徒をひきつける観察・実験
ブタの血液の観察 岡田 仁 52
●教材研究一直線
魅力的な鉱物の実験④ 田中 千尋 54
●教材の隠し味
誤差の少ない実験を通して納得を伴った理解を得る,力の合成・分解実験
本田 智 56
●概念構築を目指した探究型授業
~電流と磁界~直流と交流の違いは何? 荒尾 真一 58
●図書紹介
八嶋真理子・辻健〔編著〕『はじめての理科』 森本 信也 60
●先生はサイエンスマジシャンNEXT
予測不可能! まゆ玉ころがし 辻本 昭彦 61

学会通信 63
全国大会(四次案内) 66
入会案内 68
次号予告 72

〈今月の表紙〉
ミヤマクワガタ
学名:Lucanus maculifemoratus
コウチュウ目クワガタムシ科。
雑木林,ブナ林などに生息する。比較的気温の低い山間部に生息していることが多い。
【特集】
知りたい! すぐれた理科の実践2025-各支部の推薦から-

[北海道支部]
●サイエンスコミュニケーションを活用した科学の伝達
-科学イベントへの出展を通して- 鍛治 裕之・出田 光・辻 義人5
●児童が「条件制御」の重要性に気付くための理科授業の工夫
-第5学年「振り子の運動」における授業実践- 佐々木 惇基9
[東北支部]
●ICTを活用した個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を目指して-理数化学を通した批判的思考態度の育成- 豊田 彩子13
[関東支部]
●小学校理科における証拠の把握(grasp of evidence)に基づく
授業デザインに関する研究 奥平 直子17
[北陸支部]
●小学校理科生物分野におけるトレイルカメラを活用した教材開発
-身近にある見れない事象を可視化する- 宇野 秀夫21
[東海支部]
●中学校理科学習の有用性を実感できるカード教材の開発
-キャリア教育の視点を取り入れた授業実践- 中原 一輝25
●エネルギー環境問題を科学する単元設計と実践-自己の在り方・生き方に迫る
単元の問い・文脈・視点の設定- 中澤 祐介29
[近畿支部]
●発達の段階と論理的思考
-Thinking Science Lesson1「変数」- 野ヶ山 康弘33
[中国支部]
●新たな教材・教具や地域人材の活用 松永 武37
[四国支部]
●タブレット端末と学習支援ツールを活用した授業実践
-準備負担の軽減と学習の時間効率化を図る教材の工夫- 森 愛実41
[九州支部]
●「SSIBL モデル」を導入した高等学校化学の授業実践研究
-「水の持続可能性」をテーマにした授業開発及び試行的実践- 山口 諒45
■推薦理由と講評
●優秀実践についての推薦理由と講評49

連載講座
●『理科教育学研究』を授業に生かす
問題づくりの場面における「変数を見いだす力」に着目した指導
―小学校第3学年の実践を通して― 森川 大地・中村 大輝 54
●生徒をひきつける観察・実験
センサー 江崎 士郎 56
●教材研究一直線
魅力的な鉱物の実験③ 田中 千尋 58
●教材の隠し味
太陽系巻物づくり 藤渕 雅代 60
●理科とわたしの仕事
学ぶ意味 理科でつながり 道となり 小幡 哲士 62
●先生はサイエンスマジシャンNEXT
「鯛の鯛」とはなにか 辻本 昭彦 63

全国大会(三次案内) 64
学会通信 66
次号予告 72
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毎号,理科教育界の動向をタイムリーにとらえた特集テーマについての理論と実践を,小・中・高を通じて展開する。さらに,現場に直結した教材研究や実験・観察,指導法の工夫,基礎教養としての入門科学講座など,豊富な話題を提供する。

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