- 出版社:日本工業出版
- 発行間隔:月刊
- 発売日:毎月1日
- サイズ:B5判
建設機械 発売日・バックナンバー
○電動式アップ&オーバー型高所作業車/㈱アイチコーポレーション/大山 浩之
現在広く普及している高所作業車は、走行装置としてはトラックマウント式・自走式(ホイール・クローラ)、また、駆動方法としてエンジン式・電動バッテリ式等があり、業界を問わず様々な現場に用途に応じて普及し安全で効率的な作業環境を提供している。本稿では、昨年発売した電動式アップ&オーバー型自走高所作業車について紹介する。
○新型35t吊りラフテレーンクレーン/㈱加藤製作所/山口 泰平
当社より販売開始された新型35t吊りラフテレーンクレーン。本稿では、当社の技術の粋を集め進化した、MR-350RfⅡについて紹介する。
○最新大型風力用タワークレーン/㈱北川鉄工所/野島 昌芳
最新大型クライミングクJCW1800Kの背景、特長、概要、実用例、今後の展望などについて紹介する。
○電動チェーンバランサ/㈱キトー/茅山 裕
安全意識の高まりや作業者の多様化を受けて、さらなる生産性の向上や効率化が求められている昨今、特に日本国内では少子高齢化の影響により人材不足の深刻化が予測され、設備導入による作業人員の削減や、アシスト装置の導入による荷役作業の省力化を推進するケースが増加してきている。このようなニーズに対応し、当社はキトー電動チェーンバランサを開発した。本稿では、製品の特長およびクレーンやつり具との組み合わせの紹介、荷役作業の省力化に向けた展望を紹介する。
○コベルコDNAの進化論/コベルコ建機㈱/山藤 千明
建築建方作業を主に、重量物マテハン作業や簡易的な掘削作業まで幅広く活躍できる、マスターテック7000Gシリーズの思想を継承しながら、全てにおいて“かんたんに・あんしん・あんぜん”を求め、コベルコの新しいクレーン“NEO”が誕生した。本稿では、さまざまなニーズに対応するべく次世代を見据えた新型クレーンについて、そのコンセプトや特長、概要などついて紹介する。
○ビルのリニューアル・機器更新工事の増加に伴って/吉永機械㈱/西野 真史
設備機器の更新のための既存建物への搬入用可搬式ジブクレーン、定格荷重2.5t、作業半径15mでの製品開発について紹介する。
○最新のユニッククレーン/古河ユニック㈱/吉野 亮
2018年2月に移動式クレーン構造規格が改正され、つり上げ荷重が3t未満の移動式クレーンは、過負荷防止装置または過負荷を防止するための装置(安全弁および荷重計を除く)の装備が義務となった。本稿では、本改正に対応したユニッククレーンを拡販していく中で聞こえてきたユーザーの声にいち早く応えるべく、昨年5月にリリースした中型トラック架装用“ユニッククレーン新型G-FORCE”を紹介する。
■技術資料
○既設河川横断工作物を改良した切欠き魚道設置の検討と実践/自然共生研究センター/林田 寿文
既設河川横断工作物の簡易な掘削により、低コスト・高効率な遡上・メンテナンスフリーを可能にする新しい魚道(以下、切欠き魚道)の開発を目的に、工事方法を案出するとともに、切欠き魚道を仙台市広瀬川の支川である竜の口渓谷の堰堤に設置したので紹介する。
○地山物性の空間的な不均質性が山岳トンネル掘削時の天端沈下量に及ぼす影響/松江工業高等専門学校/岡崎 泰幸・大屋 誠/山口大学/林 久資・進士 正人/ドボクリエイト㈱/森本 真吾
山岳トンネルの支保設計で数値解析を用いる場合、地山物性の空間的な不均質性を考慮しないのが一般的である。そのため、解析による予測を大きく超える挙動が現場で生じる場合があるのが現状である。 そこで、本研究では、特に軟岩地山における地山物性の空間的な不均質性が山岳トンネル掘削時のトンネル安定性に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし、地山物性の空間的な不均質性を確率場理論に基づいて考慮した山岳トンネルの掘削解析を実施した。本稿では、特に山岳トンネルの安定性を評価する際の指標となる天端沈下量について調査し、軟岩地山における地山物性の空間的な不均質性が山岳トンネル掘削時の天端沈下量に及ぼす影響について評価した。
○自然と共生する新しい工業団地開発のかたち/大成建設㈱/鈴木菜々子
富士山南陵工業団地の開発コンセプトは「人と自然を結び付ける新しい工業団地開発」を行うことにある。工業団地は自然環境の保全や再生に対する配慮が十分とは言えず、法規制で定められた最小限の緑地を整備するに留まっているケースが多い。工場で働く人々は周辺の自然と切り離され、その恩恵を享受できていない。我々はこの社会的課題を解決するため、徹底した自然環境の保全・再生を実施するとともに、地域のNPOを核として、富士宮市、常葉大学、工業団地進出企業、地域の方々が持続的に自然に関わるための仕組みづくり構築・運用を行った。これにより、自然と人とが繋がり、「自然と共生した開発」が可能となるという点で、従来の開発事業にはない新しい開発のかたちを世の中に提示したと言える。本取り組みは竣工後10年目の調査で、計画通り良質な自然が再生されつつある状況や、様々な環境プログラムが地域や進出企業の自然への関心を高めつつあることが明らかとなり、その有効性が実証された。本稿では、自然と共生した開発について紹介する。
○景観性を向上させる舗装技術/㈱NIPPO/西山 大三
我が国の景観舗装の技術は、土系舗装、インターロッキングブロック(以下、ILB)やコンクリート平板(以下、平板)を使用した舗装が主流であった。しかし、高耐久舗装材料の開発や施工技術の向上により、近年では車道や駐車場等でも景観舗装を適用できるようになった。さらに、環境負荷低減の効果がある景観舗装が導入される等、景観舗装のさらなる技術開発が進んでいる。本稿では、舗装の材料に天然素材を使用する天然素材系景観舗装(土系・木質系舗装、緑化系舗装)、およびアスファルト舗装を母体とした、仕上がりが自然土風、ILB・平板風になる疑似系景観舗装(疑似平板風景観舗装、型押し型景観舗装、塗布式景観舗装)について紹介する。
○超低収縮・低炭素・低発熱・高強度・高流動を副産物で実現した高性能コンクリート/三井住友建設㈱/松田 拓
世界的な脱炭素への潮流の中、2050年のカーボンニュートラルに向け、建設産業はドラスティックとも言える変化が不可避とされている。コンクリート分野においても、ライフサイクルを通したカーボンニュートラル化への施策が喫緊の課題である。サスティンクリートは、ポルトランドセメント(以下、セメント)を使用せずとも製造可能な高強度コンクリートであり、収縮・クリープが極めて小さく高い流動性が得られる。そのため、複雑な形状の造形物や短繊維補強コンクリートとしてせん断補強筋を省略したPC橋梁への適用をはじめ、様々な用途への展開が開始されている。本稿では、サスティンクリートの配(調)合のコンセプトを整理し、副産物を組み合わせることで超低収縮・低炭素・低発熱・高強度・高流動を実現した研究開発の経緯と現状を紹介し、本技術によるライフサイクルを通したカーボンニュートラル化とその持続可能性について展望する。
○環境問題の改善に対応したバッテリ駆動式ミニショベル/コマツ/永嶋 芳明
建設業界でも環境に対する関心が高まってきており,建機の稼働中のCO 2排出量低減が求められている。また、住宅地や屋内で稼働することが主流であるミニショベルのユーザーからは排気ガスや騒音の問題改善を求める声も多い。本稿では、使用中のCO 2排出量の低減を可能とし、排気ガス“ゼロ”や騒音の大幅低減を実現した電動式ミニショベルについて紹介する。
■業界情報
○2021年12月度 建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会
○林内レーザー計測による森林基盤データ取得と利活用/㈱アドイン研究所/塩沢 恵子
森林内3次元計測システムOWLによる立木1本1本の位置・胸高直径・樹高・材積等のデータ取得、およびデータの具体的な利活用について紹介する。
○林業機械の高性能化とICT駆使による伐採システムで「スマート林業」に貢献/日立建機日本㈱/石井 基寛
FL135USL-6テレブーム仕様機は、林内作業車として新たに型式申請を行い市場投入した製品である。労働災害の減少、労働生産性の効率化を改善するためにアタッチメントの高性能化が進み、その性能を100%引き出すため、本体のさらなる高性能化に向けて邁進することで、国内林業ビジネスの活性化に貢献できる1台に仕上がった。本稿では、本機種の特長、概要、実用例などについて幅広い観点から紹介する。
○ウインチアシスト型林業作業機械の日本での普及に向けて/住友林業㈱/大沼 直樹
日本におけるウインチアシスト機械「テザー」について、開発の背景とあわせ機械、構造上の特徴および機械の利用による効果について紹介する。また、今後の展望についても述べる。
○グラップルローダ/古河ユニック㈱/河田 良宣
林業の現場で活躍するグラップルローダは、パワフルで迅速な集材作業を提供し、かつ安全性も兼ね揃えているため、林業界が抱える諸問題を解決する機械として注目されている。当社のグラップルローダUF-35B2Hは、広い作業範囲と俊敏な操作性、本体のしなやかな耐久性、徹底した安全性をバランスよく備えた機種である。本稿では、その特長や構造を紹介する。
○排熱を活用した低コストで汎用性の高い木質チップ乾燥システム/極東開発工業㈱/前川 亘
再生可能エネルギーの一つである木質バイオマスエネルギーの普及を推進するためには、低コストで良質な燃料(乾燥チップ)を製造し運搬する全体システムの構築が不可欠である。当社が開発・販売している木質チップ乾燥システム「Kantainer」は排熱を活用して乾燥を行い、脱着ボデー車と併用することで工程毎の詰め替え作業が不要になり、ロジスティック面の改善が期待できる。本稿では、カーボンニュートラル実現の一助になることを願い、本製品を紹介する。
○日本の林業現場にマッチした機械/㈱南星機械/甲斐 雄輝
プロセッサとは林業の現場において造材作業を効率化するための要である。本稿では、実際に林業の現場を訪問して明らかになった課題を解決するために開発した、新しいコンセプトのストロークプロセッサについて紹介する。
■技術資料
○時速100km走行での覆工コンクリート高解像度変状検出手法/東京大学/早川 智彦/中日本高速道路㈱/東 晋一郎
高速道路といったインフラの老朽化が社会問題となっており、従来の人による点検に加えロボットやセンサを活用したメンテナンスが期待されている。このような背景から、時速100kmで走行中に0.2mmのひび割れを4Kレベルの高解像度で撮像・検出可能なシステムを開発した。さらに、赤外線サーモカメラによる撮像にも有効であるため、浮きや剥離といった内部変状を観察できる。本稿では、回転ミラーによる光軸制御を用いたモーションブラー補償システムと実証実験の結果について紹介する。
○CO2吸着による再生骨材改質とコンクリートへの適用/芝浦工業大学/伊代田岳史
カーボンニュートラルの実現のために、コンクリート業界ができることの一つとして解体コンクリート塊の再生骨材にCO2を吸着させて、骨材改質したコンクリートの提供であると考える。本稿では、その可能性を紹介する。
○桟橋上部工点検用ROVとその支援技術の開発/(国研)海上・港湾・航空技術研究所/田中 敏成
桟橋上部工の目視点検の安全性や効率向上を目的とし、その下面を撮影して劣化度判定に資する画像データを収集する桟橋上部工点検用ROVを開発した。また、撮影で取得する膨大な写真を扱う内業を支援する点検診断支援システムを開発した。
○港湾工事で発生する材料を活用した生物共生干潟の創出/東亜建設工業㈱/西迫 明範
本事業は、阪神港神戸区において港湾工事で発生する建設副産物を再生材料として活用した親水性干潟を創出し、港湾整備事業と環境再生の両立を図るものである。現在行われている港湾整備事業において、重力式防波堤の撤去工事に伴って発生する建設副産物を近隣の水運施設内に構築する親水性護岸の材料として再利用し、生物共生干潟の創出に取り組んだ。本稿では、有識者や、地元漁業協同組合、地域小学児童からのさまざまな要望を取り入れた自然共生生物観察の水辺創出について紹介する。
■話題の工法
○ジャイロプレス工法による災害復旧工事事例/㈱技研製作所/竹村 龍一
2019年10月の台風19号により橋脚の流出被害を受けた箱根登山鉄道「蛇骨橋」の復旧工事をもとに、硬質な地盤に鋼管杭を打ち込み橋梁復旧のための土留め工を構築した施工事例を紹介する。
■製品紹介
○進化し続けるVOLVO建設機械/山﨑マシーナリー㈱/野田 瑞貴
○縦横無尽の活躍が期待されるスパイダーブームリフト/ケーティーマシナリー㈱/海老澤純子
■業界情報
○2021年11月度…建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会
○多方向スラリー揺動撹拌工法/安藤ハザマ/足立 有史・西尾 竜文/青山機工㈱/小林 司/新日本グラウト工業㈱/市坪 天士
近年、豪雨や地震などの自然災害の頻発化・激甚化を背景に国土強靭化の推進が図られ、特にセメント系固化改良による安定化対策のニーズが増えている。一方で河川堤防や大規模な谷埋め盛土等は施工規模が大きくなることに加え、施工ヤードの制約による施工性の低下が懸念されるため、効率的な対策の推進に向け、工期や経済性、環境負荷低減に対応した合理的な地盤改良技術の確立が求められている。このような背景から軟弱地盤強化や液状化対策などで近年多くの実績を有しているWILL工法に新たに上部高圧吐出機能を追加することで、撹拌性能を大幅に向上させた多方向スラリー揺動撹拌工法「WILL-m工法」を開発した。本稿では、同工法の概要と粘性土地盤を対象として実施した試験施工について紹介する。
○大規模地震時の石垣の崩壊を防止する補強材/㈱大林組/川本 卓人
グリグリッドは、石垣補強工事における耐震性の向上と文化財的価値の保全を両立できる技術である。栗石層の伝統的構築手法と共存でき、補強範囲を狭くできる。これにより、文化財的価値の損失を最小限に留めつつ耐震性を向上させることができる。
○コンクリート構造躯体への後付け鉄筋定着工法/大成建設㈱/杉山 智昭
構造性能と施工の信頼性に優れ、主筋(主鉄筋)にも適用可能な後付の鉄筋定着工法(Post-Head-Anchor:ポストヘッドアンカー工法)を紹介する。
○地震後の建物健全性評価システム/戸田建設㈱/山本 健史・保井 美敏
建物の振動をモニタリングして、大地震の後の建物の健全性を自動的に評価し、建物ユーザーに情報提供する地震モニタリングシステム「ユレかんち」を紹介する。同システムは、IoT技術を活用して建物の振動データを監視し、地震が発生した際には、データに基づいて自動的に建物の健全性を判定し、webでその結果を情報提供する。これにより、従来の応急危険度判定では調査完了までに相当の時間が必要だったのに対し、当システムを活用することで、地震後即座に建物の継続使用可否の判断ができ、BCPに役立てられる。
○カーボンニュートラル時代の液状化対策/飛島建設㈱/沼田 淳紀
地震対策と気候変動対策は、喫緊の課題である。持続可能で安全安心な社会を構築していくためには、地震対策と気候変動対策を別々に捉えるのではなく、同時に両者の対策を実施していくことが重要だと考える。これを進める上で、木材を大量かつ長期間利用することが有効である。そこで筆者らは、丸太を使って液状化対策を行い、同時に大気中の二酸化炭素を削減する、丸太打設液状化対策&カーボンストック工法(LP-LiC工法)を開発した。本稿では、来るべきカーボンニュートラル時代へ向けた液状化対策について述べながら、LP-LiC工法を紹介する。
○締固めによる液状化対策工法の変遷とその事例/㈱不動テトラ/村上 太基・梅田 洋彰・竹内 秀克
サンドコンパクションパイルはよく締め固まった砂杭を地中に造成することにより、軟弱地盤を改良する工法である。特に砂質地盤に適用する場合には、液状化対策として広く用いられ、過去の数々の巨大地震においてもその改良効果が確認されている。本稿では、時代のニーズに合わせて進化してきたサンドコンパクションパイル工法の変遷と、その事例について紹介する。
○耐震対策における地盤改良工法/ライト工業㈱/茶圓八十志
2011年に発生した東北地方太平洋沖地震では、未曽有の地盤災害がもたらされ、液状化や造成宅地の被害は広範囲に及んだ。その後の災害復興や耐震強化対策において、地盤改良工法は短時間で効率的に進められる工法が求められた。大口径改良が可能なRMP-MST工法に、狭隘地対応の単軸タイプRMP-JS工法を新たに展開し、耐震対策の需要にRMP工法としてさまざまな施工条件に対応している。本稿では、その概要、特長について紹介する。
■技術資料
○鋼床版上グースアスファルト舗装局部補修方法の検討/(一社)日本建設機械施工協会施工技術総合研究所 宇田 陽亮・佐野 昌伴/本州四国連絡高速道路㈱/吉丸 直明
鋼床版上グースアスファルト舗装局部補修方法の検討について紹介する。
○新阿蘇大橋のコンクリート施工における取り組み/大成建設㈱/長尾 賢二・岡本 修一・梁 俊
新阿蘇大橋は、2016年4月に発生した熊本地震により被災した国道325号阿蘇大橋に代わり、旧橋の約600m下流に新設された全長525mの橋梁である。このうち、黒川を渡河する峡谷に計画されたPC3径間連続ラーメン箱桁橋は、最大橋脚高97.0m、中央支間長165mを有しており、本構造形式としては国内有数の規模となる。本稿では、架橋地点特有の厳しい地形・気象条件を克服し、標準工期に比べ約1年4ヶ月の工期短縮を実現した渡河部橋梁の上下部工事に関して、主に約26,000m 3に及ぶ現場打ちコンクリートの施工における取り組みについて紹介する。
○新しいフレッシュコンクリートの流動性評価方法/大成建設㈱/大友 健・畠山 峻一・渡邉 高也/パナソニックアドバンストテクノロジー㈱/清水 堅
生コンクリートの現場受入れ試験として長年行われてきたスランプ試験を代替えするものとして、アジテータトラックのシュートを流下するコンクリートの画像を解析し、AIによりスランプ値を全数判定する手法の事例と評価を紹介する。
○産業用6軸ロボットを用いた3Dプリンティング技術の実用化/清水建設㈱/山本 伸也・小倉 大季・阿部 寛之・菊地 竜・中西 伶奈
供用される柱用埋設型枠の製造に国内で初めて建設用3Dプリンティング技術を適用し、計24体の自由曲面を有する埋設型枠を不良率0%で製造した。製造後には、3Dスキャナにより複雑な出来形を定量的に評価したほか、現場でのコンクリート打込みに使用できることを確認した。これらのことから適用した3Dプリンティング技術の実用性が示された。
○連続ベルトコンベヤー方式の高度化/㈱安藤・間 副島 幸也
日本の高齢化は急速に進行しており、建設業では就労者数の減少、それに伴う熟練技術の維持継承などが懸念され、生産性向上が緊急の課題となっている。本稿では、山岳トンネル工事の生産性向上を目指す連続ベルトコンベヤー方式の高度化について、その取り組み内容と展開状況を紹介する。
○平板型UFC床版の架設および間詰めの施工/鹿島建設㈱/一宮 利通・齋藤 公生・渡邊 有寿/阪神高速道路㈱/岩里 泰幸・川﨑 雅和
筆者らは、超高強度繊維補強コンクリート(UFC)を用いた軽量かつ耐久性の高い取替え用の床版である平板型UFC床版を開発し、玉出入路橋に適用している。この平板型UFC床版を阪神高速12号守口線の床版取り替えに、本線としては初めて適用した。本稿では、UFC床版の概要とともに、専用架設機を用いた床版の架設、ならびに車載ミキサを用いた間詰めの製造と充填について紹介する。
○小型伸縮ブームクローラクレーン/コベルコ建機㈱/阿久津大惟
伸縮ブームクローラクレーンはクローラ走行体に伸縮ブームを搭載した移動式クレーンである。小型のものは地下鉄工事現場での敷板鉄板設置など狭所での荷役に用いられている。一方、大型のものはクレーン用途に加え基礎工事用途に広く用いられる。本稿では、伸縮ブームクローラクレーンの特徴・用途について述べ、油圧ショベルをベースとした小型伸縮ブームクローラクレーンについて狭所での作業性、クレーン能力といった相反する要求に応えたCK230SRの取り組みを交えて紹介する。
○油圧ショベルの最新アタッチメント/キャタピラージャパン(同)/三富 亮治
チルトローテータは左右のチルトに加え、360°の回転を可能にする油圧ショベルに装着するクイックカプラで、その自由度の高さから土木工事のみならず、あらゆる現場において作業の効率化・作業精度の向上が期待される。本稿では、今般国内に導入したCatチルトローテータの特長について紹介する。
○新型ハーベスタの特徴/イワフジ工業㈱/坂野 勝
本稿では、2020年10月に販売を開始した新型ハーベスタ「GPH-45Aハーベスタ」の特長を紹介する。
○路網作設の効率化による林業生産性の向上/オカダアイヨン㈱/西川 和
本稿では、昨今の林業市場における課題と、機械化による合理・生産性向上の見解、および新開発のOHBハイブリットバケットシリーズについての特長を紹介する。
○廃プラ専用カッター/東空販売㈱/髙橋 順
本稿では、油圧ショベル用アタッチメントとして、ブルーシートや漁網も切断可能な廃プラ専用カッター、ガジラシャーエコと機械式木材・廃プラ専用カッターのガジラオールブレイドを紹介する。
○林業現場にて活躍するウインチ/㈱南星機械/中重 友和
林業の現場において活躍する機械はさまざまであるが、その中でも地引ウインチはあまり目立つことがないが重要な装置である。本稿では、最新の地引ウインチと周辺器具、使用方法について紹介する。
○油圧ショベルの後付け式遠隔操作システム/㈱カナモト/清水 亮
建設業界では深刻な人手不足とインフラの老朽化による対策の必要性、および大規模な自然災害の多発による社会不安が生じ、働き方改革や労働生産性の向上が望まれている。さらに、2020年から新型コロナウイルスの感染拡大により、人との接触を減らすためリモートワークの必要性が高まっている。本稿では、現在当社が取り扱っている通常の油圧ショベルに後付けできる建設機械遠隔操縦システム「KanaRobo」と、その次世代システムの「KanaTouch」を紹介する。
■技術資料
○4K定点カメラ映像による工事進捗管理システムの開発/安藤ハザマ/木付 拓磨・早川健太郎・佐藤 諒
建設現場の進捗管理を効率的に行うための「4K定点カメラ映像による工事進捗管理システム」を開発した。本システムを防潮堤の盛土工事で試行し、効果を検証した。
○アンカー孔の自動削孔装置の開発/㈱奥村組/三澤 孝史・西山 宏一・有川 健・川澄 悠馬
既設コンクリート構造物の補強工事では、あと施工せん断補強工法や増厚工法等が用いられ、あと施工せん断補強鉄筋や、既設と新設コンクリートの一体性を高めるアンカー筋の挿入孔は、通常、削岩機や電動ハンマードリル等を用いて人力で削孔される。工事によっては削孔数が数千以上となり、機械化・自動化による省力化、効率化が期待されている。また、作業中の粉塵飛散により悪化する作業環境の改善も課題である。今回、せん断補強鉄筋およびアンカー筋の挿入孔を削孔する2種類(大径用、小径用)の自動削孔装置を開発し、RC壁試験体を用いた性能確認実験により性能を確認した。本稿では、本装置の概要および性能確認実験結果について紹介する。
○BIMを連携させた建築生産DXとサービスソリューション/大成建設㈱/池上 晃司
建設会社にとってのBIMが、今後どのような位置づけになっていくのだろうか? DXというキーワードが社会に氾濫する中で、BIMのあるべき姿やどのような存在になっていくかを総括する。BIMが導入されてからの15年近い年月で経験したことや学んだことを活かすべく、BIMを新たなステップへ導く。来るべきデジタル時代にこそ必要なコミュニケーションや人材像に加え、業務フローや新たな概念である「xR」「デジタルツイン」「ICT/センサー」「クラウド」「OS」など今後の建設会社に必要な要素を整理し、建物竣工後のサービスソリューションまでをどのように取り入れていくかを検証した。それらが各社の特色となっていき、次世代のモノづくりの魅力が隠れており、いち早く体感できることが望まれる。
○山岳トンネル工事における防水シート自動施工技術/前田建設工業㈱/水谷 和彦・齋藤 幸成・山本 昂輝・三上 尚悟
今回開発した『防水シート自動溶着システム』は、当社が開発した背面平滑型トンネルライニング工法(FILM:Flat InsulatedLining Method)との組み合わせ技術であり、本稿では、FILMにおける「防水シート展張の自動化技術」、および今回開発した「防水シート溶着の自動化技術」について紹介する。
○ICTを活用した曲面形状のコンクリート構造物の改修事例/真柄建設㈱/菊川 雅司
「i-Construction」の施策の一つであるICT活用の新たな取り組みとして、コンクリート構造物改修工事における適用拡大を図り、ICT建機によるコンクート下地形成を行った。対象となる既設固定堰(S字の曲面形状、無筋コンクリート)の施工に3Dマシンコントロール油圧ショベル(3DMC)を導入。本稿では、3次元計測データを活用し、3DMCによる衛星測位システムを用いた自動制御で改修工事の生産性を飛躍的に向上させた事例を紹介する。
○モール・シールドビルダー工法/三井住友建設㈱/山地 宏志・中森純一郎・野澤 是幸
工事期間が限定される水路トンネルの補修には、プレキャスト部材による内面補強工法が効率的である。しかしながら、水路トンネルの大半は、内空断面10m2未満の小断面トンネルであるため、部材の運搬・組み立てに供する大型機器の搬入組み立てが困難で、ほとんどこれが実施されることはなかった。筆者らは、現場での小さな工夫を集め、体系化することで、小断面トンネル内でプレキャスト部材の急速運搬・組み立てを可能とするモール・シールドビルダー工法を開発した。この工法の適用により、内空断面9.7m2の水路トンネルで40 ~ 50m区間の内面補強工を7日間以内に完了することが可能になった。
■業界情報
○2021年9月度 建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会
○傾斜地用シザースリフト/ケーティーマシナリー㈱/海老澤純子
前後左右のレベリングを自動で油圧制御できるクローラーが搭載された傾斜地用シザースリフト。本稿では、これまで難しいと考えられていた場所にアクセスできるため、作業効率が大幅に向上、かつ安全性に優れているALMACRAWLER社製BIBI1090を紹介する。
○無人航空機搭載型レーザースキャナ―を用いた計測技術/㈱キナン/山田 真樹
当社が「Vx20-200」で提供するUAV LiDARソリューションを技術的な側面から紹介する。
○小規模工事でのICT施工バックホウマシンガイダンス地盤改良工事での機械施工のICT化/㈱カナモト 島村 和弥・笹原 久之/㈱岩崎/後藤 紫郁・中村 憲幸
今回、当社は㈱岩崎と業務提携を締結し、岩崎が開発した地盤改良管理システムを導入した。本稿では、今回導入したHemisphere製(㈱UniStrong Japan)がリリースしている3次元マシンガイダンスシステム「Hemisphere製GradeMetrix」と、地盤改良管理システムについて紹介する。
○小規模現場に普段使いのICT建機/㈱トプコンポジショニングアジア/杉本 明
大規模現場のICT施工の導入が進む一方、小規模現場においては3次元設計データ作成まで手が回らないこと、また、ICT建機においても対応する建機自体が比較的大型な重機になること等の理由で遅れている。そこで本稿では、これら課題を解決する機器として、小型ショベルにも搭載可能で現場で簡易な3次元設計データが作成できるマシンガイダンスシステム「杭ナビショベル」を紹介する。
○建設現場におけるICT建機の導入推進/コマツ/高橋 正光/コマツカスタマーサポート㈱/山本 義実
「スマートコンストラクション・レトロフィットキット」は、安価で、メーカー、機種を問わず後付けが可能であり、既存の従来型建機に取り付けることで、3Dマシンガイダンスやペイロード機能などICT建機と同程度のICT機能を利用できるので、建設現場のICT化を推進できると期待する。また、建設機械のライフサイクルにおけるCO 2排出量は、製品稼働中の排出がおよそ90%と大部分を占めている。当社では、製品(建設機械、鉱山機械、林業機械)稼働時に排出する作業量当たりのCO 2を2010年度比で2030年度までに50%削減することを目標としており、燃費、作業効率の向上を計っている。燃費性能に優れた建設機械として国土交通省の「燃費基準達成建設機械」に認定されたブルドーザー D71PXiを市場へ投入した。燃費と作業効率の向上にて更なるCO 2排出量の削減が期待できる。本稿では、これら二つの新製品を紹介する。
○ICT施工の「今と未来」に応える/日立建機㈱/上野 善継
CSPI-EXPO2021で出品展示した製品とそれに紐づくソリューションについて紹介する。当社が推進するICT・IoTソリューションの総称である「Solution Linkage .」は、顧客の課題である「安全性向上」、「生産性向上」、「ライフサイクルコスト低減」を、顧客とともに解決するソリューションとして位置付けている。
○Smart Compaction Tryangleとその取り組み/酒井重工業㈱/眞壁 淳・遠藤 涼平
締固め品質、安全性および生産性向上への取り組みを総じてSmart CompactionTryangleと称し、次世代技術を活用して転圧管理システムCompactionMeister、緊急ブレーキ装置Guardman、および自律走行式ローラを販売、開発中である。
○ITで取り組む建機メーカーの新たなデータ活用/㈱タダノ/庄司 高士
当社の新しいデータ活用の取り組みについてLiftAPI/BIMを通して紹介する。
○都市再開発やインフラ整備等でニーズの高まる解体市場向け多機能型鉄骨カッター/古河ロックドリル㈱/早川 貴康
多機能型鉄骨カッター「Vc5」を開発し、本年3月より販売を開始したので紹介する。多機能型鉄骨カッター「Vc5」は、3~5tonクラスミニショベル搭載用であり、切れ味の鋭いストレート刃を標準装備。切断・破砕・つまみ作業を高次元でバランス。
○あらゆる自然環境下で安定して使用可能な小型3次元LiDAR/日本信号㈱/田村 法人
MEMS光スキャナECO SCANとTOFによる距離計測を融合した、3D計測が可能な3次元LiDAR「FX10s」の原理、方式、仕様を紹介する。
■技術資料
○AIが固定カメラ画像で建機を自動遠隔操縦/知能技術㈱/大津 良司
ビル街、山間部や地中など、GPSが使えない環境で建設機械を自動走行や自動作業するための簡易で高精度のAIを使った自動遠隔操縦システムを開発した。システムは無人化施工でも使う建設現場に設置される固定カメラを使う。現場を俯瞰した画像をAIが見て、建設機械をラジコン操縦する。オペレータも遠隔地からパソコンに映る現場画像にマウスで走行ルートを設定するだけで、建設機械はそのルートを走行できる。
○サスティナビリティを追求したPC橋梁の開発/三井住友建設㈱/篠崎 裕生・松田 拓
CO 2排出削減と維持管理性の向上を狙い、ポルトランドセメントを用いることなく高強度で低収縮を実現したコンクリート(以下、サスティンクリート)と、錆びないアラミドFRPロッドを組み合わせて,環境負荷の小さい長寿命なPC橋梁を実用化した。サスティンクリートは、150MPa以上の高強度と低収縮を達成し、なおかつ短繊維補強が可能である。今回、2次製品工場でアラミドFRPロッドを緊張材とした実大のプレテンション桁製造に目処をつけた。
■話題の工法
○建設業界で求められる非開削工法・機械/岩下産業㈱/岩下 武史
テラ・ジェット工法施工会社ほか10社で構成されるテラ・ジェット協会は、平成8年より活動を開始し、埋設管口径が極小口径のものから最大口径に致るまで幅広く、ライフライン埋設を手がけてきた。今日までの歴史を概観しながら、その特徴と概要、具体的な事例について浮き彫りにする。
○既設構造物に近接した特殊な断面形状の線路下横断工事/鉄建建設㈱/山田 宣彦
汐井牧山海岸線Bv新設他工事は、福岡県北九州市が整備する都市計画道路、汐井町牧山海岸線と鹿児島貨物線との交差部に、線路下を横断するボックスカルバートを、非開削のエレメント推進工法の一つであるJES工法により新設する。当該工事ではボックスカルバートの直下に下水道管渠が敷設されており、縦断方向には切土のり面形状に合わせ、横断方向には下水道管渠との離隔を確保するために鍵型形状の構造物を計画した。本稿では、本工事の計画および施工実績について紹介する。
■業界情報
○2021年8月度 建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会
○アクティブRFICタグを利用した工事現場での重機接近データ分析ツール/北興産業㈱/澤田朋哉
重機作業の安全管理において、ICタグを活用して作業員検知時に音と光で運転手に警報する安全システム+分析ツールである。IoT技術の活用により、作業員の接近履歴データを取得することでき、現状把握とそれに基づく対策により、現場の安全性が向上させることができる。
○安全性向上を実現するヒューマンセンシングAI/㈱LightblueTechnology/川上直人・園田亜斗夢
建設現場の安全性や生産性を向上させるためには、危険性の検知、作業の可視化などが重要である。これらの課題においては、画像解析技術を用いた可視化が有効である。また、事故は人が関係する場所で発生するため人の解析は重要である。本稿では、人にフォーカスした画像解析技術「HumanSensing」を搭載したAI「LightblueSense」を紹介し、安全性と生産性の向上に役立てるための仕組み、提供方法、事例、将来像について紹介する。
○磁界センサを活用した作業員検知警報・停止システム/㈱アクティオ/今関政美・稲葉誠一・安田勇介
事故が発生すれば、現場は事故原因の追究と対策に追われ、一定期間施工を止めざるを得ない。事故を未然に防ぐことが生産性向上への第一歩であると考える。本稿では、過去の重機災害事例から見えた課題に対して、レンタルの観点から重機に後付けできる安全補助装置について紹介する。
■技術資料
○X線CT画像から見えるコンクリートの世界/近畿大学/麓隆行
テレビドラマや科学番組などでより深く現象や要因を明らかにするために、高速ビデオカメラ、MRI、X線CT等の可視化技術を利用する。このとき、見えないものが見えると、わくわくするのではないだろうか。しかも、可視化により得られる情報は「見る」だけにとどまらず、その現象を解明するための多様な情報を有していることは以外と知られていない。著者はこの10年ほど可視化技術の一つであるX線CTに着目し、その多様な活用の可能性から、独自にコンクリート内部からの材料特性の解明や構造物の長寿命化のための情報収集に活用できると考え、多様な計測を試みている。本稿では、撮影原理や建設材料ために製造した装置と共に、コンクリートへの適用事例を紹介する。読者の疑問を解決する一つの手法として、魅力を感じて頂けると幸いである。
○コンクリートの打重ね時間間隔に着目した最適打込み計画シミュレーション手法/大成建設㈱/武田均・渡部孝彦
コンクリートを連続して打ち込む場合には、先に打ち込んだコンクリートに新しいコンクリートを打重ねるまでの「打重ね時間間隔」の管理が重要である。打重ね時間間隔が開くと、打重ね境界面にコールドジョイントが発生し、構造物の品質低下につながることがある。コールドジョイント発生リスクを低減し、施工品質の向上を図るため、打重ね時間間隔が短くなるような打込み順序を自動作成するコンクリートの最適打込み計画支援シミュレーション手法を開発した。本稿では、その手法について紹介する。
○海外現場における地上式LNGタンクの施工/㈱大林組/小西敬・櫻田尚大
台湾政府は、2025年までに脱原発を目指すほかCO 2排出量の多い石炭火力の発電比率を下げ、再生可能エネルギーによる発電を20%、天然ガスを使った火力発電を50%まで引き上げる目標を掲げている。本稿では、その政策の一環である台湾桃園市の容量16万kL地上式LNGタンク2基の施工方法について紹介する。
○JR渋谷駅改良工事第2回線路切換の中央工区施工方法/大成建設㈱/山田広樹/東日本旅客鉄道㈱/図司英明
令和2年5月29日の終電後から6月1日の始発までの54時間で渋谷駅埼京線下り切換工事を行った。中央工区では、与えられた17時間で、この埼京線下り線を最大1.3mこう上・2.6m横移動したことについて紹介する。
○改正ガイドラインに準拠した山岳トンネル用「粉じん濃度測定システム」の開発/東急建設㈱/前村優仁/マック㈱/宮原宏史/㈱東宏/志村大地
「ずい道等建設工事における粉じん対策に関するガイドライン」は、令和3年4月1日より段階的な施行が義務付けられている。本稿では、改正ガイドラインに告示された新たな粉じん濃度測定手法の効率化を目的に開発した山岳トンネル用「粉じん濃度測定システム」に関して、システムの構成、およびその有効性を紹介する。
○NNWを用いた鉄筋コンクリートの劣化予測技術/大成建設㈱/堀口賢一・武田均・丸屋剛
本技術によれば、コンクリート構造物の構造条件や環境条件などを入力条件としたニューラルネットワークにより、コンクリート中の鋼材の腐食程度を定量的に評価できる。これにより、コンクリート構造物の現状での劣化度を評価できるばかりでなく、将来の劣化度を予測することも可能となり、コンクリート構造物の適切な維持管理に資することができる。
○山岳トンネルでの切羽作業の安全性と生産性の向上を目指す/㈱フジタ/野正裕介・浅沼廉樹/古河ロックドリル㈱/能代泰範
山岳トンネルの施工は、①発破(装薬孔穿孔、装薬、発破)、②ズリだし、③支保工(鋼製支保工建て込み、吹付けコンクリート、ロックボルト打設)の繰り返しが基本作業となる。これらの作業の中で、ロックボルト打設の次工程が装薬孔穿孔となり、同一機械のドリルジャンボを使用した連続作業となる。このため、ドリルジャンボの3ブームを有効活用し、これらの作業の効率化を図るためにロックボルト打設と装薬孔穿孔を同時に行えるマルチジャンボの開発を行った。本機械を運用することで作業の効率化とともに、ロックボルト打設時の切羽近傍での人力作業も回避することができ、安全性の向上が可能となった。
○油圧ショベル/㈱加藤製作所/早坂広大・椙山達朗
当機は、当社現行ラインアップの12tクラスの後方小旋回機のHD514MR7をベース機とした、コンパクトなボディーと、20tクラスのアタッチメントの組み合わせを可能にした、当社のショートリーチ解体仕様機である。従来機であるHD513MR-6ショートリーチ解体仕様からデザインを一新し、低燃費化、各種操作性の向上、作業性、メンテナンス性の改善を図っている。本稿では、HD514MR-7ショートリーチ解体仕様の主な特長と、その特長から活躍が期待される現場について紹介する。
○遠隔操作技術による法面作業の災害対策/ライト工業㈱/中田隼
国土交通省では建設現場におけるイノベーションや新技術導入による生産性向上を図る取り組みi-Constructionを推進しており、その利活用が加速化している中、当社では危険性のある人力作業を機械化しリスク軽減を目的とした施工システムを開発し、現場導入してきた。不安定な足元の作業では転落事故等の懸念があり、土砂崩れなど崩落性のある環境ではその危険性がさらに高くなる。当社では、そのような危険性に対して迅速性と安全性を高める対策として、遠隔操作技術を採用した吹付システム「ロボショット」と削孔システム「リモートスカイドリル」を開発し。本稿では、各施工システムについて紹介する。
■話題の工法
○鉄道高架橋柱の耐震補強工法/東急建設㈱/笠倉亮太
鉄道コンクリート高架橋の耐震補強工事は、施工スペースの確保が困難な狭隘部や早期解放が必要とされる店舗利用箇所での施工が増加しており、加えて、生産労働人口の減少に伴う、技能労働者の不足が顕在化し、建設工事の生産性向上が求められている。このため、狭隘部等の施工困難箇所に適用可能かつ、施工箇所の早期解放、施工の省力化・省人化を目標とした耐震補強工法「CBパネル工法」を開発した。本稿では、CBパネル工法の概要および補強効果の確認のために実施した載荷試験について紹介する。
■製品紹介
○進化を続ける大割圧砕機/オカダアイヨン㈱/中野陸
時代のニーズに合わせて改良を行ってきた、TS-Wクラッシャーの特徴および改良点を紹介する。
■業界情報
○2021年7月度建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会
○山岳トンネルにおける盤ぶくれのメカニズムと対策手法東京都立大学/砂金 伸治
山岳トンネルに発生する変状のうち、トンネルの利用そのものに直接的に影響を及ぼしやすい「盤ぶくれ」に着目し、トンネルの変状に関する概要や盤ぶくれの実例、そのメカニズムについて紹介するとともに、これまでに盤ぶくれに対して行われた対策、そしてトンネルの調査や盤ぶくれの発生に伴う変形等の予測手法等に関して紹介する。
○コンクリートの打重ね時間間隔が打重ね面に与える影響東京都市大学/大村 哲矢
建設現場において、トラブル発生などによりコンクリートが連続的に打設されない場合が見受けられる。そのような場合、脱型後に外観を検査し、打重ね面を介して色違いが生じる程度であればよいとし、縁切れが生じた場合は、コンクリート打設の不具合と判断され、補修が必要となる。しかし、著しい色違い、または、色違いと縁切れの中間もしくは混在の状態など、客観的に明確な判断をすることが困難な場合、補修の要否の判断は監理者の主観に委ねられる傾向にある。よって、本稿では、打重ね時間間隔を3時間までとした試験体、およびコア抜き試験片を対象に実験を行い、非破壊試験結果および載荷試験結果の関係について紹介する。
○建設現場におけるダンプトラックの自動運転実証/㈱大林組/小河原暁彦
ダンプトラックの運転手不足への対応として、現在当社は、ダンプトラックの自動運転システムの開発を自動車メーカーと共同で進めている。GNSSやLiDAR等の測位やセンシング技術により基本走行技術を有したダンプトラックの自動運転システムを開発し、実際に建設現場において有人ダンプと混在走行させることで実用化に向けた実証試験を行った。本稿では、その取り組みについて紹介する。
○富沢大橋における充填シミュレーションおよびこわばり低減剤の適用/清水建設㈱/今井 遥平・長谷川高士・浦野 真次・中島 航
富沢大橋(福島)の竣工工事で、実施工開始前に充填シミュレーション・モックアップ試験・こわばり低減剤の検討によって実施検証をすることができた。その結果、過密配筋部の実施工においても、充填不良を防止することができた。さらに、充填シミュレーションにおいては、モックアップ試験との併用により、シミュレーション精度を確かめることができた。今後は充填シミュレーション単体での使用により、過密配筋部での充填検証が容易となることが実証された。本稿を通して、充填性向上に寄与できれば幸いである。
○穿孔作業の集中管理による山岳トンネルの発破技術の高度化/㈱安藤・間/谷口 翔
山岳トンネルの施工は、いまだに多くの部分を熟練作業員の技能に頼っている現状があり、近年は、熟練作業員の減少や新規入職者の不足への対応が喫緊の課題となっている。このような背景のもと、当社は、ICTにより山岳トンネル工事の生産性を飛躍的に高める取り組みとして、「山岳トンネル統合型掘削管理システム」の開発を推進している。その一環として、トンネル坑内に設置した中央制御室に施工データを集約して穿孔作業を集中管理するシステムを構築し、国土交通省中国地方整備局発注の玉島笠岡道路六条院トンネル工事に適用した。本稿では、その技術概要、および現場適用の状況について紹介する。
○MRデバイスを用いた水路トンネルひび割れ展開図作成システムの開発/三井住友建設㈱/大津 愼一
当社では、水路トンネルの維持管理に伴う調査/点検業務の効率化や省力化に対応するために、MRデバイスなどを活用した技術開発を進めている。本稿では、以前より開発を進めるMRデバイスによるナビゲーションを改良し、点検状況を記録したデータをもとにひび割れ等の位置を推定する技術について紹介する。
○RCシェル構造物の性能評価と数値解析手法/名城大学/武藤 厚
RCシェルの概要として、基本事項~構造設計・性能評価に関する事項を紹介する。
○空気注入不飽和化工法による既設小規模建築物の液状化対策/豊田工業高等専門学校/小林 睦
既設の住宅の液状化対策では工法の制約があり、しかも高価であると言われている。そこで、本稿では、狭隘地での施工を考慮した空気注入不飽和化工法の可能性を探るための模型実験例を紹介する。
○ASRを生じたはり部材の耐荷力評価/大阪工業大学/三方 康弘
近年、ASRを生じた構造物において、せん断補強筋の破断が確認されている。しかしながら、ASRを生じたはり部材においてせん断補強筋の破断を再現させた場合や、PC部材のせん断耐力に関する知見が少ないのが現状である。そこで、ASRを生じたPRCはり部材のせん断耐荷特性の評価を試みた。さらに、はり供試体からコア採取を行い、X線CT撮影によりASRによるひび割れ性状について把握した事例を紹介する。
○土木分野におけるRC中の鋼材腐食診断/九州大学/濵田 秀則
コンクリート構造物における“鋼材腐食診断と防食の考え方”が記述されており、既往の数多ある知見を整理してコンパクトにまとめたものである。筆者自らのこれまでの経験も踏まえて、“鋼材腐食診断”についての現状を総括するとともに、筆者が日頃考えていることも含まれている。なお、本稿は筆者が“コンクリート工学”の2021年5月号(日本コンクリート工学会発行)において発表した原稿をコンパクトにまとめたものである。
○コンクリート構造物の予防保全のための環境外力評価/鹿児島大学/山口 明伸
コンクリート構造物の予防保全のためには、構造物に発生している、あるいは発生する可能性のある劣化機構を予め想定したうえで、「潜伏期」や「進展期」などの構造物の変状が顕在化する前や変状の程度が小さい段階で構造物の性能低下の状況を的確に把握し、将来の劣化進行予測や必要な対策を実施することが極めて重要である。具体的には、対象とする構造物に発生し得る劣化機構を選定したうえで、その劣化機構に対する環境外力の「作用力」と、構造物あるいはその部位、部材が有する「抵抗力」をそれぞれ適切に評価し、それら比較検討することで将来の劣化進行予測と対策の要否判断を行うことになる。ただし、作用力には、単に地域や立地条件などのマクロ・メゾ環境レベルの影響だけでなく、部位、部材ごとのミクロ環境の影響も考慮する必要がある。本稿では、塩害を例として、コンクリート構造物の環境外力とその評価手法について紹介する。
■製品紹介
○作動油飛散事故が起きてからの対応ではなく、起きる前の対策を追求/㈱東名アーネスト/林 宏且
■業界情報
○2021年6月度 建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会
○300kmの長距離操縦が可能な遠隔システム/コベルコ建機㈱/上村 佑介・山﨑洋一郎・藤原 裕介/北海道総合通信網㈱
北海道において総延長約2万km超の自社保有光ファイバ網を運用する北海道総合通信網㈱と、過疎化が進みつつある広大な北海道内の産業・就労問題の改善を想定ケースとした重機の遠隔操作を試行したため、その活動内容を紹介する。
○ダム建設現場における各種建設機械の無人運転化への取り組み/㈱大林組/小河原暁彦
ダム建設現場にて実施した各実証試験の取り組みについて紹介する(5G通信技術を活用した各建機の遠隔施工、自動運転ダンプトラック運行、クレーン自律運転システム)。
○ブレない遠隔支援ソリューション/㈱ザクティエンジニアリングサービス/奥 智岐
昨今、活用が広がっている映像を使った遠隔臨場、遠隔立会などの遠隔作業支援システムの導入課題に対し、解決策として当社独自技術搭載のブレない業務用ウェアラブルカメラと、新たに提供を開始したXactiクラウドサービスの組み合わせによるソリューションの導入メリットを紹介する。
○遠隔・自動化のためのシステムプラットフォーム/日立建機㈱/井村 進也
建設機械の多様な遠隔・自動化を実現するために、施工現場でオペレータが作業時に行っている「認識・判断・実行」を機械システムが行えるようにしたシステムプラットフォーム「ZCORE」(ズィーコア)を開発した。ZCOREは多様なセンサやアクチュエータを接続できる構成になっており、容易に機能拡張やカスタマイズを行うことができる。ZCOREを適用したプロトタイプ機を開発し、遠隔操作、マシンコントロール、自律運転を実現できることを確認した。
■技術資料
○次世代レジリエントRC造構造/芝浦工業大学/石川 裕次
2011年Christchurch地震の教訓を経て、これまでの耐震設計の設計概念を超えて、次世代レジリエントRC構造として高強度鋼繊維補強コンクリート(SFRC)構造に関する研究を紹介する。そして、その鋼繊維を収集する画期的な建設機械を合わせて紹介する。
○ダム貯水池における流木の沈木化と堆砂進行に伴う洪水吐の閉塞リスクに関する研究/京都大学/角 哲也・小柴 孝太/(国研)土木研究所/高田 翔也/㈱セア・プラス/村上 桂山
ダム貯水池における沈木は、従来大きな課題ではなかったものの、土砂と沈木が複合的に作用することで、洪水吐きゲートや各種取水設備の障害となりうる。現在、ダム貯水池における流木の沈木化と堆砂進行・ゲート閉塞リスクの発生メカニズムについて研究を進めている。本稿では、貯水池内の沈木の動態を把握するために、堆砂測量に用いられるナローマルチビームソナーを用いた沈木探査手法の開発を行った結果について紹介する。
○山岳トンネル工事における女性の活躍/㈱奥村組/阿部 友美
労働基準法の改正と技術革新による省人化の促進などの影響により、近年は山岳トンネル工事で女性技術者が従事するようになった。課題が散在する現状にあって、施工のさらなる自動化等に期待する部分は少なくない。本稿では、実際に山岳トンネル工事に携わる立場から、山岳トンネル工事における女性の活躍の現状と課題について紹介する。
○小土かぶり帯水未固結地山を全断面掘削早期閉合工法とICT技術で突破/清水建設㈱/白井 隆裕・垣見 康介
新東名高速道路高取山トンネル西工事のトンネル坑口から約230mの小土かぶり帯水未固結地山区間に全断面掘削早期閉合工法を採用することで、早期のトンネル安定化を図るとともに直上の供用市道などへの影響を最小限に抑制した。また、最新ICT技術の活用として、掘削補助工(注入式長尺鋼管先受け工)においてマシンガイダンス機能を搭載したコンピュータジャンボを活用することで、施工の省力化、安全性向上を図った。
○高尾川地下河川築造工事における連続多急曲線シールドの施工/㈱安藤・間/荒東 伸一
高尾川地下河川築造工事は、高尾川の河川直下に延長約1.04km、外径φ6.0mのトンネルを泥土圧シールド工法で構築するものである。本工事は川幅の狭い河川直下を縦断するため、連続する多数の急曲線施工(R=16~60m、27ヶ所)や、硬質地盤(風化花崗岩)の掘進といった非常に厳しい難条件下でのシールド工事であった。
○滑走路直下を横断するシールドの計測管理/清水建設㈱/安井 克豊
羽田空港内の不均質で超軟弱な埋立地盤において、供用中の滑走路などの重要構造物の直下をシールドが通過するため、これらの重要構造物への影響を最小限に抑えることが求められた。本稿では、シールド掘進に伴うA滑走路への影響評価方法と計測管理結果を紹介する。
○コンパクトな車体と機能性・安全性・快適性の向上を追求した8ton吊りクローラクレーン/㈱前田製作所/東福寺 望・中園 豪気・竹内 直樹
最近、欧州や豪州で8ton吊りクローラクレーンの市場要求が増してきたほか、国内でも代替、および新規の需要が見込めるため、当社では最新型エンジンでの開発に着手した。狭所や地下などラフテレーンクレーンや大型クローラクレーンが入れない現場での使用に期待が寄せられている。本稿では、コンパクトな車体を最大のコンセプトに開発を進め、安全性と快適性を追求し、2020年3月発売に至った、当社最大吊り能力となるクローラクレーン「CC1908S-1」を紹介する。
○国道42号尾鷲第4トンネル南部工事における施工事例/前田建設工業㈱/松澤 郷至
国道42号熊野尾鷲道路(Ⅱ期)の尾鷲第4トンネル(全長2,471m)のうち、尾鷲第4トンネル南部工事(延長1,009.6m)は坑口部周辺が採石場跡地で、坑口部約80m区間においては閉山時に盛られたルーズな堆積土砂により構成される。一方で、坑口部以深のトンネル一般部は、非常に硬質な花崗斑岩で構成されるといった、特殊な地形、地質条件であるため、坑口部とトンネル一般部のそれぞれで、多様な対策が必要となった。これらに対して、実施した各種対策や機械化・省人化への取り組みにより、2018年4月の薬液注入の施工開始より620日の期間を要して貫通、852日の期間を要して竣工に至った。本稿では、これらの取り組みについて紹介する。
○狭隘地や上空制限のある現場で活躍するテレスコピックブームクローラクレーン/コベルコ建機㈱/鶴見 俊樹
近年、都市部を中心とした再開発やインフラの更新、橋梁や高架下など作業高さに制限のある現場が増加しており、既存の建造物を避けながら効率的に作業ができるテレスコピックブームクローラクレーンが活躍の場を広げている。制約の多い現場環境での多様な作業ニーズに応えるため、本稿では、55t吊りテレスコピックブームクローラクレーンのショートブーム仕様を紹介する。
○超低空頭場所打ち杭工法による狭隘地・低空頭下工事への適用/鉄建建設㈱/岩川 実郷
大都市圏の既設道路改良工事等における場所打ち杭の施工環境は、近年ますます狭隘となり、工期や工事費増大の一因となっている。諸問題を解決するために、当社では施工環境が狭隘な箇所や空頭に制限のある箇所での場所打ち杭の施工を容易にした超低空頭場所打ち杭工法を開発した。本稿では、空頭制限のある高速道路高架橋下での耐震補強(増し杭)工事において、超低空頭場所打ち杭工法を初めて採用した事例を紹介する。
○先端羽根付き鋼管杭(回転杭工法)の施工機械/旭化成建材㈱/國松 諭
EAZET工法は、様々な施工条件に対応可能な施工機械の開発を進めてきた。特に施工機械を小型化(低空頭化)させることで、上空制限下での対応力も格段に向上している。本稿では、その施工機械の特徴と施工事例を紹介する。
○地中連続壁工法/㈱東亜利根ボーリング/野口 欣宏・荻須 一致
従来の地中連続壁は、施工機自体が大型化されてきた経緯があったが、近年では工事状況・施工環境の縮小化傾向に伴い、大型機械では施工が困難な場所が増えてきている。このような条件化において、従来の地中連続壁工法をそのまま採用するのは困難な現場が増えてきたため、MPD-TMX機を開発した。本稿では、軽量・コンパクトな掘削機を用いたMPD-TMX工法により施工を実施した、小田急線の高架化工事について紹介する。
○空頭制限下での圧入施工に特化した上部障害クリア工法/㈱技研製作所/宮之原朋子
我が国の社会インフラの多くは建設後50年を超える割合が急激に増加している。大規模地震や地球温暖化による気象災害も激甚化・頻発化しており、老朽化した社会インフラの補修・補強や更新が急務となっている。橋梁の補強工事では、桁下空間に十分な作業スペースがないため、工事が困難となることも多い。そういった空頭制限下での杭または矢板の施工に特化した工法に「上部障害クリア工法」がある。本稿では、上部障害クリア工法の概要および施工事例を紹介する。
○上空制限、狭小地で活躍する全回転機/日本車輌製造㈱/近藤 雅也
全回転チュービング装置(RTシリーズ)は場所打ち杭、鋼管杭施工だけでなく、都市部再開発における障害撤去工事でも活躍する。公共土木工事から民間工事まで幅広く採用される中、全16機種を揃える。本稿では、低空頭施工に特化した「L」、「AL」、「SL」シリーズを紹介する。特にRT-120SLは掘削口径φ1,200mmの最小・最軽量機種である。
○コンパクトでパワフルで安全性が高い杭打ち機械/三和機材㈱/田中 敏男
ALEX工法機「STM-40」は、コンパクトな機体でありながらパワフルな施工を可能にしている従来のALEX工法機の特長を踏襲しつつ、更にコンパクト化を図ったことで、新たな施工環境への対応を可能にし、現在まで多様な施工実績を積み重ねてきている。本稿では、同工法機の特徴を紹介する。
■技術資料
○各種前方探査を組み合わせた地山評価による長大トンネルの突破/㈱大林組/小山 武志/(独)鉄道・運輸機構/吉森 佑介
北陸新幹線、新北陸トンネル(奥野々工区)は、福井県南条郡南越前町に延長4,880mのトンネルを掘削する工事である。地質は美濃帯の中・古生代砂岩、粘板岩やチャートを主体としている。最大土かぶりは500m超となり、多くの断層(11 ヶ所)を伴う向斜構造を呈しているため地質が複雑に変化し、亀裂が卓越する区間や多量の湧水を伴う区間があった。このような地質リスクが想定されていたため、全線で中尺・短尺のノンコア削孔検層や坑内弾性波探査などを実施した。本稿では、これらの探査情報を活用して克服した岩相変化に富む長大トンネルの掘削について紹介する。
○トンネル覆工のコンクリート強度と品質を確保/戸田建設㈱/土師 康一・澤村 淳美
山岳トンネルの覆工コンクリートやシールドトンネルの二次覆工コンクリートなど、コンクリートの打ち込みから脱型までの時間が比較的短い工事の場合、脱型に必要な強度発現が工事の施工サイクルに大きな影響を及ぼすことが多い。しかし、環境条件や配合条件によっては必要強度を早期に得ることが困難な場合もあり、配合変更や養生方法の工夫などにより強度発現を促しているのが現状である。こうした背景の下、コンクリートの初期強度向上を目的として、硬化促進剤と早強型膨張材を併用したコンクリートの配合を用いた施工を行った。本稿では、同工法の開発過程で実施した室内試験結果と現場適用事例について紹介する。
○8t限定中型免許枠の最大地上高32m高所作業車/㈱タダノ/山下 輝
スカイボーイAT-320XTGは、新規開発した軽量ブームにより8t限定中型免許枠でクラス最大となる、最大地上高32mを実現した高所作業車である。本稿では、軽量化技術と共に本機種の概要と特長を紹介する。
○建設機械の自動化を実現するAIの開発/㈱アラヤ/松本 慶太
近年、産業界で深層学習技術の研究成果を製品や業務に取り入れようという動きが急速に進んでいる。従来の制御システムと異なり、深層学習技術により画像や複数種類の入力を扱うことができ、これによってロボット内部の信号情報だけでなく、外界の情報を加味したシステムが構築可能になる。建設機械においても、適切なセンサを繋げることでその操作を自動化できると考えられる。本稿では、シミュレータ上で建設機械の操縦タスクを自動化したので、その特徴と成果を紹介する。
○急峻な岩盤斜面へ大口径杭を打設する技術/㈱高知丸高/高野 広茂
急傾斜地の道路拡幅土留杭、地すべり抑止杭、橋梁基礎杭などに大口径鋼管杭が使用されている。崖などの急斜面の岩盤露出位置に鋼管杭を打設するには、杭の先端が横滑りするため打ち込みが困難となる。本稿では、70度の岩盤急斜面へ大口径杭を打設技術、勾配のある岩盤に杭打ち施工が困難な現場で活躍する杭打機械と施工方法について紹介する。
■話題の工法
○小土被り条件下でのボックス推進工法の施工/鉄建建設㈱/高山 真揮
非開削工法の一つに、函体の外周の地盤を切削しながら防護鋼板を引き込み、防護鋼板内部を函体推進する工法がある。この工法には、防護鋼板を必要とし、施工延長に制限があるといった課題がある。そこで、防護鋼板を省略し、刃口に切削ワイヤを内蔵することで、施工延長に制限をなくした工法を開発した。本工法の特徴として、刃口の前方で地盤切削ワイヤを回転させ地盤中の支障物を切断しながら掘削することで、地表面変状を抑制できることが挙げられる。本稿では、本工法の概要、および線路下で土被りが小さい条件下における施工事例について紹介する。
■業界情報
○2021年4月度 建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会
○可能性を広げる新型ホイールローダ/キャタピラージャパン(同)/籠谷 知也
当社新型のCATミニホイールローダは、フォーク・ベールグラブ・プラウといったさまざま種類のCatワークツールアタッチメントが使用可能になり、作業機であるワークツールアタッチメントを交換することで、除雪・畜産・一般土木など車両1台で複数の作業が可能になり、作業効率向上・トータルコスト節約などが可能になった。本稿では、このように革新的な進化を遂げた新型ミニホイールローダを紹介する。
○ミニショベルにおけるICT施工/コベルコ建機㈱/酒井 満
現在、都市部における無電柱化の推進など、人口密集地、狭小道路に対応したよりコンパクトで高効率な工事が求められている。本稿では、当社のミニショベルとの組み合わせにて、小規模工事現場での活躍が期待される二つの技術、「Hemisphere 3Dマシンガイダンス」および「チルトローテータ」の特徴と利便性について紹介する。
○ミニ建機の革新に迫る/㈱日立建機ティエラ/山本 大介・福島 悠太
慢性的な人手不足や安全への対策として、我々は現場の作業効率を高め、さらなる生産性の向上・安全性の向上・ライフサイクルコスト低減をめざした「Solution Linkage」を掲げ、市場のニーズに適合した建設機械の開発に取り組んでいる。本稿では、「現場の生産性向上」と「現場の安全性向上」に対応した製品について紹介する。
○スキッドステアローダのパイオニアとして/㈱ボブキャット/竹田有志朗
作業性・快適性・経済性等で日々進化を続けるBobcatのスキッドステアローダ。本稿では、当社機種の特長と概要を紹介する。
○不整地運搬車/㈱加藤製作所/早坂 広大
当社の現行の不整地運搬車の中から、2014年排ガス基準のエンジンを採用し、低燃費対策、各種操作性の向上、作業性の改善、現場ニーズへの対応を図った機種を紹介する。
■特集:防災・減災害に向けて
○総合的な防災・減災学をめざして/京都大学/矢守 克也
自然科学、人間科学双方の成果を融合した総合的な防災・減災学の構築を目指して、筆者が手がけてきた実践的な取り組みを二つ紹介する。第1は、津波避難訓練支援アプリ「逃げトレ」の開発と社会実装。第2は、アンサンブル予測を活用して「ポテンシャル」な豪雨災害(起こっていたかも知れない災害事例)を同定するための研究である。
○近年の激甚化する豪雨災害の特徴と課題/東京理科大学/二瓶 泰雄
戦後から現在までの水害発生状況の変遷を概観するとともに、近年の豪雨災害の特徴について、令和元年東日本台風と令和2年7月豪雨を例に紹介する。
○道半ばの国土強靭化、今こそ徹底加速せよ/京都大学/藤井 聡
2011年の東日本大震災から10年。かつて200兆円の財源を調達し、10年で国土強靱化を完了させるべしと言われていたにも拘わらず、十分に進捗していないのが現状だ。そうした中、土木学会は今のままでは、南海トラフ地震や首都直下地震が起これば、1,000兆円クラスの被害に見舞われるであろうとの試算を公表している。こうした国難を回避するために、今こそ、国土強靱化を抜本的に加速することが求められている。
○津波・高潮対策施設海底設置型フラップゲート式可動防波堤/東洋建設㈱/水谷 征治/日立造船㈱/山川 善人/五洋建設㈱/佐藤 健彦
海底設置型フラップゲート式可動防波堤は、平常時はゲートが海底に収納されて船舶の航行を阻害せず、非常時にのみ水面上に浮上し、航路を締め切ることで津波や高潮から人命や財産を守る防災施設である。本稿では、同施設の技術概要を紹介するとともに、現地施工方法についても紹介する。
■技術資料
○長時間飛行可能な有線給電ドローンを開発/㈱フジタ 千葉 拓史55
土砂崩落等の災害復旧は、遠隔操縦方式の建設機械や遠隔操縦ロボットを搭載した建設機械で行っている。従来はカメラ台車や建設機械コックピットに搭載したカメラの映像を元に建機の遠隔操縦を行っていた。本研究では有線給電によって長時間飛行可能で、かつ、走行する建設機械と連携して自動追従飛行する機能を有するドローンを開発した。ドローンに搭載したカメラからの映像を遠隔操縦の建設機械オペレータへ提示することで、建設機械の遠隔操縦に対し有用なことを確認したので紹介する。
■話題の工法
○標高2,000mの国立公園特別保護地区内における排水トンネルの施工/飛島建設㈱/日谷 昌保・武下登志之・戸澤 信吾
標高2,000mにおける、甚之助谷地すべりを抑制するための排水トンネル工事で、施工制限の多い環境下での施工記録を紹介する。
○幌延深地層研究計画地下施設の施工/大成建設㈱/押野 善之
原子力発電所からの使用燃料を再処理した際に生じる高レベル放射性廃液は、ガラス原料と混合して一体化してガラス固化体にする。ガラス固化体は地上で数十年程度冷却貯蔵した後、深度300mよりも深い地層中に処分する。幌延深地層研究計画地下施設工事は、高レベル放射性廃棄物の地層処分に係る深地層の調査技術や工学技術の向上を目的とし、3立坑と水平調査坑道で構成される研究施設を施工する工事である。
■製品紹介
○生コン製造の自動化への挑戦/會澤高圧コンクリート㈱/佐々木良滋
当社とアイザワ技術研究所は、AIを用いた生コンクリートの品質判定技術を開発し、2021年4月より本技術を使ったスランプ判定システムを自社のプレキャストコンクリート製品工場に実装し、品質管理の高度化や一部自動化に着手している。今後、大手ハウスメーカーなどと提携し、当技術を使った新たな生コン品質保証モデルの概念実証を併行して進めていく。
○更なる進化を遂げた油圧ショベル用アタッチメント着脱装置/㈱タグチ工業/岡田 康弘
油圧ショベルへ取り付ける「アタッチメント」の交換作業には多くの時間、労力が必要となる他、作業時の不具合、事故、危険が常に伴う。そこでこれらの課題を解決するため、従来機から更なる進化を目指したアタッチメント着脱装置の開発へと至った。
■業界情報
○2021年3月度…建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会
○遠赤外線カメラ使う人物検知システムを開発/戸田建設㈱/本木 章平
筆者はサーマルセンサを用いた遠赤外線カメラに着目し、「遠赤外線カメラとAIを用いた人物検知システムを開発した。当システムは人物の温度を検知するため、光源のない夜間や薄暗い環境下でも高精度に人物検出できること、数10メートル離れた遠距離の人物検出および人物測距が高精度にできることが特長である。また、可視光カメラと比較して粉塵や濃霧および逆光の影響を受けにくい特長も有していることから、トンネル現場などの作業環境下におけるセンシング技術としての有効性が期待できる。本稿では、その特徴と概要を紹介する。
○舗装用施工機械への安全補助装置の導入/大成ロテック㈱/森 康行・佐藤 俊輔
舗装用施工機械への安全補助装置の導入として、舗装用転圧ローラの機体前後に設置したセンサにて走行中の障害物を検知し、ローラを停止させるシステムを開発した。本システムは、緊急停止時の急激な制動を抑制し、舗装平坦性への影響も少ないのが特長である。さらに、アスファルト合材工場にて使用されているホイールローダにも同システムを適用可能とし、緊急停止補助装置としての実用性が実証できたので紹介する。また、狭隘な作業環境下での施工機械周辺の状況監視装置として、トンネル舗装工事におけるスリップペーバ施工機への360度可視化モニタシステムを導入し、その有効性が確認できたので、使用状況について紹介する。
○AI画像識別による2段階人物検知システムの開発/㈱鴻池組/若林 宏彰/ニシオティーアンドエム㈱/福田 優太
山岳トンネル工事では、暗い作業環境下であるため重機オペレータの視認性が悪く、重機と作業員との接触事故が問題となってきた。今回、開発した2段階人物検知システムは、シングルカメラを使用し「警戒域」「危険域」の2段階で侵入した人物をAIで認識して、警報の発令、重機の自動停止を行うものである。本稿では、本システムの開発内容とその優位性について紹介する。
○AIによる人と重機の接触災害防止システム/清水建設㈱/奥田 悠太
建設現場における安全の取り組みは、安全通路や立入禁止エリアの設定や、作業員への安全教育等のソフト面での対応が多く、不注意や意図的にルールを違反する人の安全を守ることは困難であった。そこで、人検知AIを搭載したカメラシステムを開発し、重機オペレータの死角を第三の目として監視することで、人と重機の協調安全の実現を目指した。本稿では、AIアルゴリズムの概要と、検知精度の検証実験について紹介する。
○重機接触災害リスク低減システムで認証取得/清水建設㈱/奥田 悠太
建設業では、将来的には、Safety1.0の完全自動化・遠隔化の実現が望ましいが、現状は人と重機が柔軟に対応しながら協働する必要があり、当社ではSafety2.0に基づいた新たな安全管理システムの開発と現場導入を目指すこととした。本稿では、熊本57号滝室坂トンネル西新設(一期・二期)工事において開発・現場実証を行った「人と重機の接触災害リスク低減システム」ついて紹介する。
○公共工事等における新技術提供システム(NETIS)/西尾レントオール㈱/野瀬 健一
公共工事等における新技術提供システム(NETIS)に登録されている「各種センサ方式に対応した重機緊急停止装置」の概要および各種センサ機器への対応例について紹介する。
○油圧ショベルの接触事故低減に寄与する技術/日立建機㈱/小林 敬弘・奥村 諭・木村 栄治・堀根 英明
当社は建設機械を通じ、国内外の様々な建設現場で安全性向上について、死傷災害の多くを占める建設機械に起因する事故の低減に向けて、これまで重点的に取り組んできた。しかし、近年の日本国内における少子高齢化の加速と建設就労者の大幅減少が、ベテランオペレータの減少にも影響し、オペレータの技量や周辺作業者の経験に頼った従来の機械災害の撲滅は難しい状況となってきた。このような背景から、作業者との接触事故低減に向けた運転支援機能を、油圧ショベルも含めた当社製品群に適用している。本稿では、これら製品群の中から、油圧ショベルにおける接触事故低減に寄与する最新技術について紹介する。
○衝突軽減システム搭載・お知らせ機能付周囲監視装置/住友建機㈱/泉川 岳哉
当社では安全な建設現場実現のため、2011年に3台の車載カメラの画像を俯瞰画像として合成し、後方270度がひと目で確認できる「FVM」を、2017年には、それらの画像を解析して機械周辺の人の形を認識して、人が居ると判断した場合にモニター画面への表示とお知らせアラームでオペレータに注意を促す「FVM2」を市場に投入し、オペレータの安全確認のサポートにいち早く取り組んできた。今回さらに、作業員と機械が接近した場合に、機械を自動で減速・停止することで油圧ショベルの接触事故リスクのさらなる低減に貢献する「FVM2+(フィールドビューモニター2プラス)」をSH200-7用に開発した。本稿では、このシステムについて紹介する。
○ヒューマンエラーによる事故を防止する緊急ブレーキ装置/酒井重工業㈱/遠藤 涼平・森岡 則雄
施工現場に求められている安全性を向上させるために、コンバインドローラ(搭乗型2.5t/4tクラス)に搭載した緊急ブレーキ装置を開発した。システムの要となる検知センサは、大型ローラの緊急ブレーキ装置で搭載している高い検知精度を誇る光学系センサではなく、新たに最先端の79GHz帯ミリ波レーダを搭載した。本稿では、79GHz帯ミリ波レーダを搭載した経緯とその高い検知性能について紹介する。
○重機取り付け型セーフティカメラ+クラウド録画サービス連携/㈱ザクティ/畑中 晴雄
セーフティアラート、バックモニタ、ドラレコ、監視カメラをオールインワンで実現する重機取付型セーフティカメラシステム「ドボレコJK」を企画、開発した。本製品により、従来の安全支援機能を最小限のシステム構成で実現でき、システムコストを大幅に削減できる。また、重機周辺の映像をクラウドに集約することで、遠隔地から現場の安全状況を確認できるとともに、記録映像を安全啓蒙活動に容易に活用することができる。
○建設機械の安全センサ/北陽電機㈱/森 利宏
建設機械の可動範囲にいる作業員の安全を確保する安全センサである。本稿では、2D測域センサ(レーザセンサ)、3D測域センサ(レーザセンサ)、ミリ波センサの3種類のセンサを紹介し、それぞれのセンサの特徴を生かした使い方を紹介する。
○大雨・大雪・濃霧や直射日光も影響を受けない、ハイロバストな小型3次元LiDAR/日本信号㈱/田村 法人
近年、ロボットや建設機械、農業機械において、周辺の安全確認や物体形状認識に対するニーズが増えている。本稿では、当社で開発したMEMS光スキャナと光パルス飛行時間計測法(TOF)を融合した小型3次元LiDAR「FX10s」を紹介する。
○ICT技術を応用した事故防止システムの開発/㈱カナモト 関 八彦・清水 亮・渡部 純
当社では、各種ICT機材を組み合わせ・応用することにより、さまざまな安全確保用機材を開発してきた。本稿では、その各種機材を紹介する。
■技術資料
○深層学習・アンサンブル学習を用いた切羽評価システムの実証実験清水建設㈱/長谷川裕員
山岳トンネル工事では、施工中のトンネル掘削面(トンネル切羽)から地山の状態を把握し、トンネル支保パターンの選定や補助工法の要否などを判定して工事を安全かつ経済的に施工することが求められる。このために、トンネル習熟技術者によるトンネル切羽の目視観察を実施して切羽評価が行われる。筆者らは、この人による切羽評価の作業においてAI技術(機械学習)を適用することで切羽評価を推論するシステムの開発を行っている。本稿では、切羽から得られる情報の中で、「風化状態」、「割れ目状態」、「穿孔エネルギー値」の3要素を用いて切羽評価を行うAIモデルの構築と実証実験について紹介する。
■業界情報
○2021年2月度 建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会
○硬質地盤に適応した大径・低変位の深層混合処理工法/㈱不動テトラ/梅田 洋彰・伊藤 竹史・永石 雅大1
硬質地盤に適応した大径かつ低変位の深層混合処理工法が必要とされる社会的要請により、当社ではCI-CMC工法の貫入能力を超えるCI-CMC-HA工法を開発・実用化してきた。本稿では、より硬質な地盤に対応したCI-CMC-HA工法について、近年開発・実用化したCI-CMC-HG工法と併せて紹介する。
○落石・崖崩れ・雪崩対策の鉛直式防護柵/㈱プロテックエンジニアリング/清野 雄貴
我が国は、国土の約70%が山岳地であり、豪雨や地震による崖崩れ、落石による土砂災害が多く発生している。従来の崖崩れの防護工は、コンクリート製の擁壁工が多く、狭隘な地形や、軟弱地盤での施工に制約を受けることがあり、法枠等の予防工を併用する必要がある。また、積雪寒冷地の雪崩対策、崖崩れ対策、落石対策等の複数の対策では,災害に応じた対策工を計画する必要があり、工期の長期化や施工コストの増加等の課題があった。本稿では、従来工法の課題を改善し、落石、崖崩れ、雪崩の三つの災害に対応できる多機能な鉛直式防護柵「スロープガードフェンス」の開発について紹介する。
■技術資料
○近年の豪雨、地震災害による被害を踏まえた建築物の機能継続・安全性確保のための対策/国土技術政策総合研究所/坂下 雅信
近年の豪雨、地震災害による被害に着目し、建築物の機能継続・安全性を確保するために行われている取り組みについて紹介する。
○自重補償構造と倒壊方向制御構造による鉄道高架橋の危機耐性向上/(公財)鉄道総合技術研究所/豊岡 亮洋・室野 剛隆
将来発生が危惧される大規模地震に対して、仮に設計で想定した以上の地震動で構造物に大きな損傷が生じたとしても、人命損失などの破滅的な被害を防止する「危機耐性」を確保することで、地震による被害やその影響を最小限に留めるレジリエントな鉄道を実現できる。本稿では、この危機耐性の基本的な考え方について解説するとともに、危機耐性を向上させる新しい構造である「自重補償構造」と「倒壊方向制御構造」について、開発コンセプトと機構を紹介する。さらに、大規模振動台試験によりその効果を実証した結果を紹介する。
○巨大地震発生に備えて今後の河川堤防の耐震性能照査のために検討すべき事項/名古屋大学/中井健太郎
東京・大阪・名古屋などの大都市はいずれも、沖積平野の河川流域に立地し、しかも3都市とも広大な海抜ゼロメートル地帯を抱えている。日本全体を見ても、洪水氾濫区域に人口の50%、資産の75%が集中していると言われており、河川堤防の健全性確保は、これら地域での外水氾濫を防ぐ生命線だと言える。本稿では、河川堤防に関する耐震性能照査の概要を紹介したうえで、精緻な河川堤防の耐震性評価のためには、地層不整形性を考慮した縦断面解析と軟弱粘性土の耐震性評価が重要であることを紹介する。
○「地盤の緩み」を評価する/京都大学/渦岡 良介
降雨と地震による地盤の複合災害を理解するには、この「地盤の緩み」の定量的な評価が重要となる。本稿では、地震後の降雨を想定し、盛土や斜面の地震による変状がその後の降雨や高水による浸透挙動に与える影響を遠心模型実験で検討した事例を紹介する。
○鉱山ショベルの掘削効率化に関する研究/早稲田大学/水嶋 済也・山村 真司・佐藤 隆哉・水越 勇一・加藤 史洋・亀﨑 允啓・岩田 浩康
鉱山ショベルでの掘削の効率化を目指した個別要素法シミュレーションによるパラメータ同定システムを構築した。粒子径1~14mmの砂利を用いて反発係数や摩擦係数を同定した。転がり抵抗の付与により砂利の掘削抵抗が再現可能であることが示唆された。
○デジカメ測量技術と準天頂衛星みちびきを活用した舗装出来形管理/㈱NIPPO/其田 直樹・相田 尚
道路舗装修繕工事の切削オーバーレイ工では、工種毎の基準高さによる出来形管理に加え、水糸とメジャーによる厚さや幅の確認と写真管理を実施している。通常、3~4名必要な水糸下がり計測をデジカメ測量技術によって1人で計測可能とした。さらに、準天頂衛星みちびきからの信号を受信できるマルチGNSS受信機を活用することで、計測位置のエビデンスを確保した。なお、当該技術は、令和頑年度国交省「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」で採択され実施した。
○三次元レーザースキャナによる山岳トンネル出来形検測/西日本高速道路㈱/久保田 潤
山岳トンネル出来形測量検測は、設計や施工目標、許容値を閾値とし、施工サイクルの切羽や覆工施工単位の出来形を評価、PC画面に色調表示し、オンサイトでリアルタイムの出来形確認、検査、DB保管ができる。
○プレストレスジョイントを用いた道路橋床版更新技術/阪神高速道路㈱/林 訓裕・田中 将登/清水建設㈱/太田 智久/昭和コンクリート工業㈱/国井 優嗣
道路橋の床版更新工事におけるプレキャスト床版の橋軸方向の継手は、現状は場所打ちの鉄筋コンクリート構造が多く採用されているが、床版厚の増加や現場作業の発生、耐久性の懸念など、設計および施工上の改善の余地があると考えられる。本稿では、急速施工が可能でかつ接合部にプレストレスを導入できるジョイント技術について、これまでに取り組んだ開発の概要について紹介する。
○生産性向上、ワークライフバランス確保に向けたロボット開発と今後の課題/㈱竹中工務店/中川啓太郎
導入・展開を図ってきたコンクリート省人化パッケージ、設備材料の取り付けアシスト機械、次世代高所作業車、清掃ロボット、搬送支援ロボット、各機器の遠隔監視システム、BIMデータと建設ロボットの連携・管理システムについて、最新状況と今後解決すべき課題を紹介する。
○半自動振動ローラ締固めシステムの開発/キャタピラージャパン(同)/田中 誠
振動ローラの転圧プロセスを自動化することにより、高い締固め品質を実現する。車両のGNSS位置情報を利用して設定した転圧エリアにて、オペレータがインプットした転圧パラメータに基づき振動ローラが一貫した転圧作業を行う。
■業界情報
○2021年1月度 建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会
○これからの橋梁のメンテナンスと理想の技術者像/(一財)首都高速道路技術センター/髙木千太郎
現在緊喫の課題であるインフラストラクチャーに関する適切なメンテナンスの実施、特に道路橋を対象にメンテナンスとはどのようなことで何を為すべきか、最新の技術にも触れ、メンテナンスにおける技術者の有り方などメンテナンスのポイントを紹介する。また、メンテナンスを効率的・効果的に実施するために必要な技術者について、技術基準、設計法などの流れを説明するとともに、理想像について提言する。
○ドローンを活用した橋梁点検システム/ルーチェサーチ㈱/渡辺 豊
橋梁の定期点検には高所作業車や橋梁点検車が用いられることが一般的だが、省力化・効率化・安全の観点からロボットの適用が検討されてきた。ドローンも一つの有効な手段となり得ることから、国土交通省の現場検証に参画しながら、開発を進めてきた。ドローンを使用した点検の利点、非GNSS環境でも自律飛行可能なドローンの機能について紹介する。2019年の道路橋点検要領の改定の際、ロボット点検も認められるようになり、当社のドローンも性能カタログに掲載された。
○工事関係者みんなで考える仮設の有効活用/日綜産業㈱/吉川 博之
仮設を用途によって使いこなすことがどれだけ有効か、そして、仮設を知って安心して工事を納めることが建設業界にとってどれだけ重要かということを広く知ってもらいたいと考え、本稿では、進化した吊足場について紹介する。
○高精度を確保する次世代赤外線画像判定支援システム/西日本高速道路エンジニアリング四国㈱/川西 弘一・林 詳悟・橋本 和明
橋梁等のコンクリート構造物の浮き・剥離などを高精度かつ定量的に抽出する赤外線調査システムの概要について解説する。本稿では、画像処理や機械学習による損傷自動判定システムの活用事例を紹介する。
■技術資料
○屋外移動ロボットにおける自己位置推定高精度化のためのマルチセンサ統合化環境の構築/室蘭工業大学/片岡 悠真・水上 雅人
各種センサによる情報を統合化した相対位置推定の高精度化を検討するためのツールとして実験系構築を進めたマルチセンサ統合化環境について紹介する。
○天井ふところ内の目視検査のための小型検査ロボットについて足利大学/仁田 佳宏/戸田建設㈱/稲井 慎介
まず2011年の東日本大震災の際に行った小型検査ロボットによる天井ふところ内の損傷検査の実例を紹介する。次に、紹介した東日本大震災時の適用例を活かして開発している天井ふところ内のための検査ロボットを紹介する。
○地震時の被害把握を目的とした建物の構造ヘルスモニタリング/東京大学/楠 浩一
現行の耐震設計においても、巨大地震に対しては安全に建物に損傷を生じさせ、そのエネルギー吸収により地震のエネルギーを吸収することを想定しており、一定程度の損傷は許容している。そのため、地震発生時には建物の継続使用の可否と被災度を判定する「応急危険度判定」と「被災度区分判定」の精度がある。両者は技術者の目視調査により判定を行うが、近年、建物に設置したセンサーにより自動的に判定する構造ヘルスモニタリング技術の開発が進んでいる。本稿では、構造ヘルスモニタリング技術の現状と、将来の利用方法について紹介する。
○大規模災害緊急復旧工事の建設機械活用事例/大成建設㈱/中村 誠・政氏 信之
令和元年10月12日に台風19号が群馬県嬬恋村付近を走る国道144号線は甚大な被害を被った。国、群馬県、(一社)日本建設業連合会の要請を受け、特定災害復旧等道路工事の施工について当社が選定された。本稿では、大規模災害緊急復旧工事の概要について建設機械・施工を中心に紹介する。
○施工のICT化に基づく生産性向上を目指した転圧管理システム/酒井重工業㈱/後藤 春樹
転圧管理システムは、締固め度の指標となるローラ加速度応答法を標準搭載することで、より高い品質管理と締固め品質向上の実現を目指したICT機器である。ICT機器は締固めにこだわった、より専門的で、より使い勝手の良い製品で、将来はAIの活用を視野に入れ、新たな付加価値の創造を発注者およびユーザーへ提案することを目指している。本稿では、ローラに特化した転圧管理システムを紹介する。特にCCVを用いた管理手法を重点的に解説し、十分な適用性が得られていることを強調した。
○デジタル化が施工管理を進化させる/FARO Technologies,Inc./Yuan Lei
DXが進んでいない業界の一つに挙がることが多い建設業界。プロジェクトの大小に関わらず、企画、設計、施工、管理などの領域やステージごとに異なる会社、専門家が網の目のように交差して完成させなくてはならない。FAROが提供するソリューションでコスト超過を最小化し、遅延を軽減、品質の向上を目指してはどうだろうか。
○山岳トンネルにおけるロックボルト工の自動化を実現戸田建設㈱/山口 洋平・三上 英明/サンドビック㈱SMRTカンパニー/松本 啓志
当社とサンドビックSMRTカンパニーは、高速道路をはじめとする日本の山岳トンネルでの仕様・規格・施工管理基準を満たしたロックボルト自動打設機を開発し、新名神高速道路、宇治田原トンネル東工事に2台導入した。通常のロックボルト作業は、モルタル充填、ロックボルト挿入などの作業はすべて人手に依存しており、切羽付近に立ち入っての作業や重量物を扱う作業が一般的であったが、同システムを使用することで、切羽付近での作業をすべて機械で行えるため、マシン1台当たり1人のオペレーターで施工ができる。本稿では、本システムの特長と実施工で得られた効果について紹介する。
■話題の工法
○老朽化した吹付のり面の補修・補強工法「ニューレスプ工法」および「吹付受圧板工法(FSCパネル)」/日特建設㈱/近藤 保徳
建設から数十年が経過した吹付のり面(モルタル・コンクリート吹付工)には、吹付表面の劣化や吹付背面の地山の風化進行に起因する不安定化が多く見られる。今後、これらの維持・更新の時代に遷移していく中、限られた予算を有効に活用しなければならない。従来、老朽化した吹付工の対策として多く採用されてきた方法は、老朽化吹付工をはつり取り、新たに吹付工を行う更新であるが、はつり取り作業の危険性回避、廃棄物の低減および工期の短縮などの観点から、はつり取らずに老朽化のり面を再構築するニューレスプ工法と吹付受圧板工法(FSCパネル)を紹介する。
■業界情報
○2020年12月度建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会
○港湾・資源リサイクル現場で活躍するラチスブームクローラークレーン/コベルコ建機㈱/脇田 康介
スクラップヤードや港湾岸壁でスクラップ仕分けや積み降ろしに活躍するラチスブームクローラークレーンの中で、リフティングマグネット仕様、ハイキャブ仕様、ハイポスト仕様について紹介する。これらは標準機をベースにカスタマイズ設計を行った特別仕様機であり、標準機と異なる特徴について、使用環境に触れながら紹介する。
○進化し続けるマテリアルハンドリング機のラインアップ/住友建機㈱/河上 孝
作業性、操作性、安全性、快適性のさらなる向上を目指したマテリアルハンドリング機を紹介する。
○金属資源のリサイクルに重要な役割を果たす/日立建機㈱/乘田 雅幸
循環型社会の実現に向けた取り組みとして、さまざまな資源のリサイクルが推進されている。なかでも幅広い用途に用いられる金属資源のリサイクルは重要な役割を果たしている。金属資源のリサイクルに欠かせない存在の一つに、油圧ショベルをベースとしたマグネット仕様機がある。本稿では、ZAXISマグネット仕様機の特徴について紹介する。
○自走式キャリヤ/日本車輌製造㈱/大林 直也・平島 豊樹
キャリヤ(超重量物を搬送するための車両)は製鉄所、港湾地域、原子力発電所、工事現場などで稼働することが多い。運搬する積載物は、製鉄所のインゴットや鋼板コイルなどの半製品、風力発電機の羽根、航空機の翼、使用済み核燃料、大型のものでは架設する道路橋、プラント設備、ロケットの移動発射台までさまざまなものを運搬する。また、一般道は本来走行できない車両だが、仕様の変更や積載物の大きさなどに条件付けをして一般道も走行できるように車検対応した車種もある。本稿では、当社のキャリヤについて紹介する。
○環境に優しいスクラップローダ/㈱南星機械 土佐谷仁志
当社のスクラップローダは、スクラップ処理機への「投入」「取出し」専用の機械である。本稿では、電気を動力源としているため排ガスを出さない、環境にやさしいスクラップローダを紹介する。
■技術資料
○津波災害リスクと共生した交通まちづくり/高知大学/坂本 淳
東日本大震災の教訓を踏まえて津波浸水想定が見直された。全国の海に面した地方都市では、従前からの課題であった人口減少・高齢化に加え、津波災害リスクを踏まえたまちづくりが求められるようになった。本稿では、津波災害リスクを有する地方都市の人口移動と住民の居住地選択意識の事例を紹介し、「行政が津波被害を軽減させる十分な対策を行わなければ、時代に逆行した利便性の低い都市構造になりかねない」と警鐘を鳴らすものである。
○デジタルカメラを用いた鋼材の革新的亀裂検査法の開発/長崎大学/出水 享・松田 浩/佐賀大学/伊藤 幸広
近年、道路橋の鋼製橋脚や鋼床版等の部材に疲労亀裂の発生する事例が増加している。疲労亀裂は発生部位によっては、進展すると脆性破壊を引き起こし、橋梁の安全性に重大な影響を及ばす恐れがあり、早期発見と適切な補修・補強などが重要となる。鋼橋で多く用いられている亀裂の検査手法として磁粉探傷試験(MT)や浸透探傷試験(PT)などの非破壊検査手法が挙げられるが、塗装を除去しなければ検査できないことや、広範囲の検査には時間を要するなどの多くの問題がある。我々は諸問題を解決するために、鋼橋の塗装を除去することなく短時間でかつ広範囲に亀裂を検査可能な技術の開発を行った。本稿では、開発手法の検証実験と実橋梁に適用事例について紹介する。
○超高強度吹付けコンクリートの材料特性と吹付け性状/大成建設㈱/川口 哲生・武田 均/ポゾリスソリューションズ㈱/佐藤 圭
山岳トンネル工事で用いる吹付けコンクリートは、掘削中のトンネル形状を維持するために施工する支保工の一部であり、普通強度として18N/mm 2、高強度として36N/mm 2の吹付けコンクリートが用いられていた。そのため脆弱な地山や高い圧力が作用する地山など、条件が厳しい状況では、施工時の作業効率の低下や安全性の確保が重要な課題であった。そこで,100N/mm 2級の圧縮強度を有する超高強度吹付けコンクリート「T-HPSC R100」を開発した。本稿では、超高強度吹付けコンクリート「T-HPSC R100」の概要と、吹付け性状や圧縮強度等に関する検証結果について紹介する。
○貫入試験によるコンクリートの打ち重ね管理/㈱安藤・間 赤池 考起・白岩 誠史
実現場におけるコンクリートの打重ね管理を許容打ち重ね時間間隔でなく、凝結の程度を直接的に示す貫入量により管理を行えるN式凝結テスターを開発した。N式凝結テスターの基本原理は、N式貫入試験と同一である。試験器を型枠内に投入可能として、レーザー距離計およびスマートフォンを組み合わせることで、リアルタイムに計測値を記録し、グラフ化できる装置である。
○橋梁現場の生産性を向上させる技術開発/鉄建建設㈱/大野 俊平
昨今、生産年齢人口が減少する中、我が国の建設業界において「働き方改革」や「i-construction」など生産性向上を目的とした取り組みに焦点があてられている。橋梁現場においても作業の効率化および省力化が求められ、ICT技術導入などによる業務の省力化が推進されている。本稿では、各種ICT技術導入による橋梁現場の日常管理業務効率化・省力化について紹介する。
○水陸両用建設機械を活用した河川工事事例報告/青木あすなろ建設㈱/飯塚 尚史・小笠原 司・馬欠場真樹
水陸両用建設機械は、作業船や陸上機械では作業が困難な浅水域、河川上流部の急流域、河口部の感潮域、沿岸部の砕波帯等で威力を発揮する。本稿では、近年の豪雨災害等を踏まえた治水対策、災害復旧の一助となりうる水陸両用建設機械を紹介し、これまでに当建設機械を活用した、河道掘削・河川改良・災害復旧等の工事事例を紹介する。
○防潮堤工事の省力化施工について/東亜建設工業㈱/宇佐美克則
東日本大震災による被災した防潮堤の復旧を行うため、延長約1.8kmに及ぶ防潮堤の建設にCF(Compsite FormMethod)工法(以下、CF工法)を採用した。
■業界情報
○2020年11月度 建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会
○建築物のドローン点検/日本システムウエア㈱/石川英嗣
近年、点検技能者の高齢化による離職を伴う労働力減少が懸念されている。このような状況における点検現場の生産性向上および維持管理作業の精度向上は、急務である。本稿では、点検技能者の不足を補い、効率よく、漏れなく、確実に建築物を維持管理することを目的として開発した、ひび割れ検出AIソリューションCrackVisionを紹介する。
○斜め往復撮影ドローンの開発/㈱フジタ/上原広行
UAV空中写真測量は、国土交通省が推進する「iConstruction」において、広範囲を効率的に計測できる手法として広く普及している。しかし、事前に設置する標定点の測量、工事進捗による標定点更新に膨大な労力を要しており、タイムリーかつ有効に活用する上で現場実装の隘路となっていた。本稿では、測位が可能な自己定位型UAVを用いて、標定点を完全に省略して作業の省力化を可能にした上で、鉛直誤差を抑制して計測の高精度化を図ることのできる造成地を対象とした「斜め往復撮影」手法を開発した経緯、および本手法の現場検証の結果について紹介する。
○ドローンを用いた橋梁点検の課題、解決方策/大日本コンサルタント㈱/堀田毅・小林大/川田テクノロジーズ㈱/金平徳之・林篤史/㈱FLIGHTS/長嶋友紀
本稿では、橋梁点検において、新技術としてドローンを利用する場合の手順の説明、点検現場にて実際にドローンを運用した経験から得た知見と課題、点検に必要なドローンとカメラの性能、それらの解決方策として開発した機体「マルコⓇ」の概要を紹介する。
○ドローンから知能飛行ロボット「大脳型ドローン」への進化/(一社)日本ドローンコンソーシアム/野波健蔵
本稿では、知能飛行ロボット「大脳型ドローン」への進化について紹介する。
○土地活用におけるレーザードローンの役割/テラドローン㈱/森田雄志
今、業界内外からレーザードローン測量が大きな期待を寄せられている。レーザードローン測量とは、 ドローンに載せた機器で地上から地表に向けてレーザー光線を連続で照射し、その照射距離から地表の状態を計測する方法だ。従来の測量手法では工数がかかる場所や、危険が伴う場所を、短時間で安全に計測可能であるため、注目を集めている。本稿では、当社のレーザードローン測量のさまざまな活用事例を紹介する。
○陸上・水中レーザードローン測量技術の開発事例/㈱アミューズワンセルフ/冨井隆春
当社は、国土交通省の「革新的河川管理プロジェクト」において、グリーンレーザースキャナを搭載したドローン測量技術を開発した。本稿では、その開発内容と河川管理等への適用例を紹介する。
■技術資料
○令和元年千曲川水害後の現状と今後の課題/信州大学/吉谷純一
令和元年東日本台風(台風19号)により、千曲川で観測史上最大水位となる洪水が発生した。長野市より上流では主に侵食による護岸や橋梁の被災、長野市とその下流では多数の箇所で越水氾濫被害が多発した。筆者は地元専門家として、メディア対応や土木学会水工学委員会「令和元年台風19号豪雨災害調査団」中部・北陸地区団長、各種政府委員会委員を務めたほか、災害を契機に沿川住民自治協議会や企業から数多くの講演依頼を受けた。本稿では、この経験から感じた千曲川水害の課題を紹介する。
○2020インフラ健康診断書の概要/名古屋大学/中村光
(公社)土木学会では、社会インフラの現状を広く国民に理解してもらい、維持管理・更新の重要性や課題を認識してもらうために、2016年度から社会インフラの健康診断を行い、その結果を「インフラ健康診断書」として公表している。本稿では、道路・鉄道・港湾・河川・水道・下水道部門を取り纏めて公表した、2020年版インフラ健康診断書の概要について紹介する。
○山岳トンネルにおける覆工コンクリートの急速打設システムの開発/㈱奥村組/齋藤隆弘・浜田元・張志
山岳トンネルにおいて覆工コンクリートの急速施工を実現するため、通常と同程度の打設時間で、施工スパン長を18m以上に延長する工法の開発に取り組んだ。施工スパンが長くなるため、ひび割れ発生リスクが増加することが懸念されたため、打設前にセントル中央部に金属製の目地板を設置し、打設後のこの板を引き抜くことで目地を形成して、ひび割れ発生リスクの低減を図る方法を採用した。本稿では、この方法の適用性・有効性を確認するため、実大施工実験を行った内容を紹介する。
○覆工コンクリート施工目地部の一体化防止材料の適用効果に関する研究/佐藤工業㈱/森賢宇・宇野洋志城/東邦化学工業㈱/對馬大郎
山岳トンネルを施工する際、隣接する覆工コンクリートが直接打ち継がれることにより、施工目地部分に不規則なひび割れが発生する場合が少なくない。それは、新旧覆工コンクリートの一体化防止措置が不完全なために、施工目地部分が一体化することに起因するものである。それら不具合を解消するために、トンネル覆工コンクリートの施工目地部分の一体化を防止する方法を模索した。試験室レベルでの試験を経て、道路トンネル建設工事に適用し、実構造物レベルでの効果と適用性について検証した。その結果、品質、作業工程、それに要する手間、材料の面で優位性が認められたのは、製紙業界で実績のある塗布型一体化防止材であった。
○3眼カメラ配筋検査システムを用いた遠隔臨場時の現場生産性・安全性評価/清水建設㈱/吉武謙二・藤井彰・中野貴公・谷村浩輔/シャープ㈱/有田真一
配筋検査の精度維持と省人化・省力化という課題解決のため、3眼カメラ配筋システムを開発した。日射や天候、配筋仕様の異なる15現場での30回以上の試行や、二色トンネルでの遠隔臨場との組み合わせによる試行も実施した。また、国土交通省の「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」の試行現場である東根川橋上部工工事では段階確認に初めて適用された。取り組みの結果、平均間隔の規格値を判定するために十分な計測精度を有していること、検査時間を1/3程度に削減できること、高所作業時間削減や省人化効果による新型コロナ感染対策など安全性向上にも貢献できることが明らかになった。
○小断面NATMでの用水路トンネル長距離施工/飛島建設㈱/菅原健・藤本克郎
赤羽根下流工区工事は、東海沖地震を想定した大規模地震対策として、豊川用水の複線化による用水の安定供給を目的に、既設水路に併設する形で計画された全長L=3,429mのパイプライン設置工事である。そのうち、L=3,153mについてはNATM工法でのトンネル区間となっており、内挿管方式の圧力トンネルとなっている。施工場所周辺は葉物の畑に囲まれ、牛舎、豚舎に隣接しており、営農や畜産が盛んな地域となっているため、周辺環境の保全に配慮しつつ、トンネル断面積が約6m2と狭小な長距離トンネルの施工、内挿管挿入およびエアーモルタル充填工事を行うにあたっての技術的な課題・対策・工夫および施工実績について紹介する。
■業界情報
○2020年10月度建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会
建設機械 雑誌の内容
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テクノロジー・科学 雑誌の売上ランキング
ニュートンプレス.
Newton(ニュートン)
2022年04月26日発売
目次:
Newton Special
ゼロからよくわかる
数学教養教室 指数・対数編
監修 小山信也
執筆 山田久美
スマホの「ギガ」,地震の規模をあらわす「マグニチュード」,ウイルスの感染者数の増加曲線など,指数・対数は身近にひそんでいる。指数・対数の基本をゼロからやさしく解説しよう。
Newton Special(2)
防災・減災のための第一歩
天気と気象の科学知識
異常気象や気象災害にそなえるためには,天気や気象のしくみを正しく知ることが重要だ。実際におきた気象現象や災害を通じて,天気と気象のメカニズムをやさしく解説する。
監修 筆保弘徳
執筆 今井明子
FOCUS Plus
工学
「第6の指」がひらく身体拡張の未来
協力 宮脇陽一/ゴウリシャンカー・ガネッシュ
執筆 山本尚恵
Super Vision
世界で最も完全なトリケラトプス
監修 林 昭次
執筆 中作明彦
Topic
灼熱の物理学
300℃から5兆℃まで,私たちを取り巻く高温の世界
監修 鎌田 裕/川岸京子
執筆 中野太郎
Topic
世界の最新ロケット
超大型から小型まで。官民がしのぎをけずる開発競争
監修 森田泰弘
執筆 加藤まどみ
Topic
嫌悪の心理学
私たちの心に消しがたく存在するネガティブな感情の正体とは
監修 岩壁 茂
執筆 前田 武
Topic
最期の閃光─超新星爆発
宇宙の大爆発がもたらす,星々の輪廻転生
監修 戸谷友則
執筆 小熊みどり
Topic
進化をつづける「地図」の科学
人工衛星やデジタル化,地理情報システムによって,地図はここまで進化した
監修 若林芳樹
執筆 北原逸美
Nature View
南アメリカ─動物の楽園
多様性に富んだ生物たちが暮らす大陸
監修 幸島司郎
執筆 薬袋摩耶
驚きと興奮のサイエンスマガジン 『ニュートン』
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2022/03/26
発売号 -
2022/02/26
発売号 -
2022/01/26
発売号 -
2021/12/25
発売号 -
2021/11/26
発売号 -
2021/10/26
発売号
日経サイエンス
日経サイエンス
2022年04月25日発売
目次:
【特集:時空の起源】
創発する時空 量子情報がもたらしたパラダイム
「時空の創発」ってどういうこと? 細谷曉夫氏に聞く
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【特集:コロナで世界はどう変わったか】
データ解説 コロナ禍の社会変化?
ついに始まったmRNA 医薬の時代
変異株を追跡 暴かれたオミクロン株の正体
コロナ後遺症が変えた慢性病のとらえ方
実験室から現場へ 検査を革新したPCR技術
なおも消えないウイルス起源の陰謀論
遠のく脱格差社会
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アンドロメダとの衝突 天の川銀河の最後の姿
トランスジェンダーの人々を守った最初の医師
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★このほかにも魅力的な記事がいっぱいあります。
◇フロントランナー挑む
人間はなぜ攻撃的なのか 愛憎の根源に迫る:黒田公美(理化学研究所)
◇SCOPE:AIフェイクの攻防/木質バイオマス発電への疑問/鉄剣,隕石から低温鍛造
カーボンナノチューブで“ 脱炭素”/スプレーで植物を一時的に改変
◇ADVANCES:極小の虫の飛翔法/過密で加速/温暖化でアホウドリが離婚/
期待高まる超低磁場MRI/圧力かけても流れない/満腹を感じる脳/海洋生物の重さ/
社会性昆虫の社会的距離/ニュース・クリップ/視野の外を見る
◇From Natureダイジェスト
核融合のエネルギー発生量で新記録/CAR-T細胞療法実施から10年
◇グラフィック・サイエンス:ダイナモ機構を探る
◇パズルの国のアリス:拠点巡り
◇BOOK REVIEW
『情報発信者の武器』 鈴木光太郎,
『がんは裏切る細胞である』 丸山 敬,
<連載>森山和道の読書日記 ほか
◇サイエンス考古学
◇今月の科学英語
科学の「先端」「発見の快感」を伝える一般向けの総合科学誌
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2022/03/25
発売号 -
2022/02/25
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2022/01/25
発売号 -
2021/12/25
発売号 -
2021/11/25
発売号 -
2021/10/25
発売号
日経ナショナル ジオグラフィック社
ナショナル ジオグラフィック日本版
2022年04月30日発売
目次:
【特集】
○まるごと一冊 未来に残す 世界の森林
●森林の未来
世界各地で、猛暑と干ばつによって森林の木が次々に枯れている。しかし、世界の国々が力を合わせれば、被害を最小限に抑えることができる。
●火をもって火を制す
オーストラリア先住民の人々が伝統的な火入れを復活させて、増加傾向にある大規模な森林火災を抑えようとしている。
●マルミミゾウの森
ガボンの森林では、夜の気温上昇や降雨量の減少によって果実の量が減り、マルミミゾウが脅かされている可能性がある。
●森林を救う四つの方法
別の土地へ移植するか、植林を進めるか、DNAを改変するか、それとも、何もせずに自然に任せるか?炭素を吸収してくれる森林を助けるには、どの方法がベストだろう?
○特製付録:消える世界の森林/熱帯雨林のバランス
数十年の間に世界の森林がどのように変化してきたかを、詳細なグラフィックと地図で見てみよう。
【コラム】
●PROOF 世界を見る「春を告げる霧幻の森」
山形県の白川ダム湖では、雪解け水が流れ込み、1か月だけ、水の中から木々が生えているかのような幻想的な光景が現れる。写真家の小関一成が記録した。
●EXPLORE 探求するココロ
「伐採されなかった森」「3.6億年前の森は?」「森づくりで豊かな漁場を」「白いセコイアの木」
●読者の声
●テレビでナショジオ
●次号予告
●日本の百年「干潟に立つ大鳥居」
●今月の表紙:デンマークの首都コペンハーゲンの郊外にある森につくられた高さ45メートルのらせん形の通路。新しい視点で森を眺めて、楽しむことができる。
テレビや新聞では報道されない、世界の“いま”を知ることができます。
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2022/03/30
発売号 -
2022/02/28
発売号 -
2022/01/28
発売号 -
2021/12/28
発売号 -
2021/11/30
発売号 -
2021/10/29
発売号
誠文堂新光社
天文ガイド
2022年05月02日発売
目次:
【特集】
〇手軽なシステムで迫力の天体像を観る
自宅ではじめる電視観望/Sam
特集は「自宅で始める電視観望」。最近注目されている新たな観望スタイルが「電視観望」です。市街地の空からでも星雲などの天体を色味のある姿で観察することができ、かつ手軽な機材で始められるため、人気が高まっています。電視観望とはどのようなものかを紹介しながら、まずは自宅で楽しむための具体的な方法をじっくりと紹介します。
〇天体観望が変わる!?
デジタル望遠鏡 eVscope 2/沼澤茂美
ニコンとユニステラ社のコラボレーションによる新時代の望遠鏡「eVscope 2」。ワンタッチで見たい天体を視界に入れることができ、眼視で見にくい天体も明瞭な姿として観望することができる、新時代の望遠鏡です。フィールドでの試用インプレッッションを紹介します。
〇5月27日 昼間の金星食/早水 勉
5月27日の昼間に金星食が起こります。食が見られるのは九州南部~南西諸島で、九州南部の限界線の近くでは金星の一部がかくされます。そのほかの地域でも27日と28日の明け方に月と金星の接近を楽しむことができます。注目の現象を詳しく紹介します。
〇コニカミノルタ プラネタリアYOKOHAMAオープン/塚田 健
3月24日に横浜のみなとみらいエリアにオープンした「コニカミノルタ プラネタリアYOKOHAMA」。昨秋オープンの「コニカミノルタ プラネタリウム満天NAGOYA」と同じく自発光するドームシステムを採用した同社直営の最新型プラネタリウムです。プラタリアYOKOHAMAの目玉は番組投影中にプラネタリウムの空を視聴者がスマホで撮影できること。オープン初日に取材、注目のプラネタリウム館を紹介します。
毎月の天文現象と、新製品のニュースをお伝えします。
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2022/04/05
発売号 -
2022/03/03
発売号 -
2022/02/04
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2022/01/05
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2021/12/03
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2021/11/05
発売号
ネイチャー・ジャパン株式会社
世界No.1総合科学ジャーナル 『Natureで、最先端の科学に出会う!』
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2022/05/12
発売号 -
2022/05/05
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2022/04/28
発売号 -
2022/04/21
発売号 -
2022/04/14
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2022/04/07
発売号
日本ビジネス出版
環境ビジネス
2022年03月15日発売
目次:
トップリーダーに訊く「環境配慮型経営」
第9回
経済合理性と環境が正しく循環する社会を目指して
カルビー株式会社代表取締役社長兼CEO伊藤秀二 氏
特集1
株式市場再編で加速するカーボンニュートラル
2022年4月より、東京証券取引所は「プライム」「スタンダード」「グロース」体制へ
東京証券取引所
TCFD賛同企業No1の日本 環境立国として、世界をリードできるか
一橋大学CFO教育研究センター長 TCFDコンソーシアム会長 伊藤邦雄氏
CO2排出量算定・削減クラウドサービス+ SXコンサル支援の両方を提供
アスエネ
サステナビリティ戦略の強化が企業成長のカギ
みずほリサーチ&テクノロジーズ
積極的な情報開示で脱炭素系技術を投資家にアピール
経済産業省
第24回環境ビジネスフォーラムレポート
脱炭素経営の実践へ
CO2削減とエネルギーの効率化
CO2削減と事業の進化・創出を
ボストンコンサルティンググループ
緩和と適応で多角的な対策を推進
カルビー
カギは手法・削減量・費用の明確化
ソコティック・サーティフィケーション・ジャパン
特集2
環境先進企業が取り組むCO2排出削減量の可視化
カーボンニュートラル社会に向けた企業の長期戦略の重要性
三菱総合研究所
国内外サプライヤーの排出削減意識と調達側企業の意識との間に温度差
ジェトロ
カゴメはサプライヤーの削減努力をスコープ3に反映する算定方法を探る
カゴメ
配合飼料トップメーカーが業界を牽引し、 ESG/SDGsに取り組む
フィード・ワン
温室効果ガス排出量削減につながる可視化から実行まで伴走で支援
NTTデータ
特集3
COP26で注目が集まる市場メカニズムとビジネスチャンス
パリ協定6条運用ルールが合意 世界共通の巨大な COクレジット市場が誕生
環境省
クレジットの質が問われる時代 国内外の状況を見極めた戦略が重要
伊藤忠総研
拡大するカーボン・クレジット市場
需要と供給、守りと攻めのバランスがビジネスのポイント
ボストンコンサルティンググループ
クレジットの本質を見極め正しい価値観でビジネスを行うことが重要
みずほリサーチ&テクノロジーズ
特別企画
洋上風力に課せられる地域固有の産業支援・創生
三菱商事FIT上限の 1/2価格で総落札 洋上風力発電事業の根底を覆す
環境ビジネス編集部
洋上風力発電の入札上限額 29円の不具合 2040年30~45GW達成に早くも赤信号
環境ビジネス編集部
三菱商事は洋上風力の再エネ電力を産業界全体でフル活用する
環境ビジネス編集部
水揚げ日本一銚子漁港の 30年後を見据え 漁業との共生と新産業の創出を探る
銚子市
特別企画
太陽光発電の現状と
2030年稼働目標達成へ“課題と重点施策”
公共建物50%に太陽光発電を導入し公共部門全体で 60GW導入を見込む
環境省
市場が急縮小の中、野心的な目標を掲げる JPEA
太陽光発電協会
2030年に7円/kWhを達成し太陽光発電の自立化を実現するには、
事業者の開発意欲と市場規模の維持が必要
環境ビジネス編集部
巻頭グラビア
未来環境都市 Smart DOTS and Soft MOBS
オーガニック花火 SPARK
水上移動式住居 Floating Habitat
気候原理主義?欧州社会にしっかり根をおろすグレタ世代
スペシャル対談
企業の脱炭素経営と働き方改革をオフィス面からサポート
EPSON×オウルズコンサルティンググループ 羽生田慶介氏
TOPICS
洋上風力発電で「国内・地域サプライチェーン」
環境キャリア
デジタルとグリーンの融合で、新領域を開拓していくコンサル部隊
NTTデータ経営研究所
FOCUS
企業の脱炭素に、“オンリーワン”のソリューション提供
関西電力
自己治癒コンクリートで脱炭素化モデル構築へ
會澤高圧コンクリート
絶縁型双方向DC -DCコンバータ『 EZAシリーズ』
TDKラムダ
高度な制御技術で充放電容量 15%向上、コストも 20%削減
ファーウェイ・ジャパン
独自技術を社会実装し、脱炭素・循環型社会の構築に貢献
放電精密加工研究所
データ入力作業なしで、 CO2排出量を自動算出
e-dash
BUSINESS CASE
百貨店が挑戦する環境配慮型の売り場づくり
COLUMN
日本文明を環境から解き明かす 第19回
「初めての都市のダム」
元国土交通省河川局長竹村公太郎氏
日本文明を環境から解き明かす 第20回
「平和から生まれた国土と共同体-260年間の江戸時代-」
元国土交通省河川局長竹村公太郎氏
Circular Economy リーディングカンパニーの挑戦
SDI
ハダニの薬剤抵抗性が教えてくれた多様性の意義
国立環境研究所五箇公一氏
GREEN ECONOMY
国際協力銀行佐藤勉氏
リーガルチェック!
株式会社タイムマシーンアンダーライターズ稲田行祐氏/シティユーワ法律事務所齋藤崇氏
森田正光の一体何が問題なの!?
気象予報士森田正光氏
洋上風力発電と漁場
農林水産政策研究所上席主任研究官梶脇利彦氏
Offshore Wind
日本気象高祖研一氏
洋上風力発電を成功に導くために
渋谷潜水工業渋谷正信氏
漁業と洋上風力との共存の道を探る
一般社団法人海洋産業研究・振興協会塩原泰氏
再エネ海域利用法と漁業との関係
前水産庁計画課計画官(現加工流通課課長補佐)冨樫真志氏
新刊案内
GREEN CREATIVE TRANSFORMATION
一般社団法人炭素回収技術研究機構( CRRA)代表理事・機構長村木風海氏
2050年脱炭素社会の現場
ジャーナリスト桃田健史氏
GREEN ESSAY
在独ジャーナリスト田口理穂氏
環境推進のための実務誌
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2021/12/15
発売号 -
2021/09/15
発売号 -
2021/06/15
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2021/03/15
発売号 -
2020/12/15
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2020/09/15
発売号
リフォーム産業新聞社
リサイクル通信
2022年05月10日発売
目次:
2022年5月10日号の主な内容
■ニュース
・物価高&円安、漂う期待と不安 リユース業界への影響
・雑貨・食品が半額、全国120店 東亜産業
・パソコン修理「スマホドック24」 PC買取に参入
・個人向けにリユース開業支援 プレジャーリンク
・大須にブランド時計の新店 「ブランドシップ」
・板蔵ファクトリー 一枚板製品のサブスク
・就労移行支援、修了者を雇用 ブックオフFCのメディアパワー
・古着卸、5年で年商8億 山久商会
・スポーツバイク、24H貸出し ZuttoRide Sharing
・大黒屋HD がJTBと提携 査定額110%をトラベルポイントに
・学生服とスケートの中古レンタル リユース業のぎゃくし
・店の混雑状況を見える化 電材買取センター
・関西に初出店、駅ビルで古着 デザートスノー
・企業の余剰在庫、フリマ出品代行 モノテクノロジーズ
・メンズ古着卸を強化 プロジェクトカラーズ
・商業施設で古着回収 ウィファブリック
・真贋・ささげを代行 ルクレール
・ジュエリー時計の一括査定サイト ジュエルネット
・海外バイクの中古品・サブスク チャンピオン76
・体験型ストアで調理家電お試し レンティオ
■トップインタビュー
REGATE 十河 良寿社長
「出張買取、年商70億。古美術取扱いで成長」
俳優・中尾彬さんがTVCMで、「福ちゃんだね」と宣伝する出張買取サービス。これを運営するREGATEが成長している。前期年商は前年から20億円増の70億円。新卒採用も100人規模と組織を拡大中だ。十河良寿社長に戦略を聞いた。
■トピック
「小中高生、PCが身近に“学び舎”でリユース品活躍」
プログラミング教育の必修化や、大学入学共通テストに「情報」が追加されるなど、教育の中身がひと昔前と比べ様変わりしてきている。オンライン授業も浸透し小中高生にとってパソコンが身近なものになる中、「学び舎」でリユースPCが活躍する事例も生まれている。若年層への中古品循環が上手くハマれば、新たなマーケットを作り出せそうだ。
■コーナー
◎市場考察
トレジャー・ファクトリー 野坂 英吾 社長
「物価高でもリユースは強く」
◎STUDYレポ
ATC JAPAN AUCTION
「比向けコンテナ輸出解説」
◎小トピック1
ジャニヤードに聞く
新旧ジャニーズアイドルグッズの価格事情
◎小トピック2
中古ぬいぐるみ事情
「かさばる割に低単価 それでも扱う理由は?」
◎小トピック3
アパレルメーカーのリユース事業参入が増加
リユース事業の考えや取組みを紹介
◎リユース初心者の部屋
査定初心者が使いやすい相場検索ツール
「相場観、鑑定眼を養うには」
◎Z世代
古着屋「リリー・オブ・ザ・バレイ」(茨城県)
現役筑波大生が運営
◎リペア通信
リサルト(サルト・愛知県)
「洋服リフォーム専門店」
◎リユース×テクノロジー
「出品ロボ」 (プライスバンク・東京都)
アパレル製品の出品作業を支援するアプリ
◎注目の取り組み
ぼくの書店(福岡県)
「Z世代によるシェア本棚」
◎VOICE
テーマ「今関心のあること、知りたいこと2」
1.中古の宝石価格や市場全体がどうなっていくのか知りたい/某買取店
2.ヨーロッパでどんな中古品の需要があるのかを知りたい/KRC
■連載
◎古着店が同業者に知られたくない 古着卸店
「テンストライク(埼玉県川口市)編」
ミニマム以上購入で20%オフ、一般購入も可
◎古物商のためのトレカ入門
「トレカ査定時のポイント、見分け方とは?」
ポケカ、「プロモ」マークは高額チャンス
◎繁盛店の店づくり
RIENINAL(リィエニナル、東京)
「サステナブルがテーマWEGOの新レーベル」
◎WEB集客カイゼン講座
「Web集客方法のまとめ回」
潜在層にアプローチできている企業に優位性
◎交友録
色川商事(神奈川県)色川大亮氏→
地新(神奈川県)稲垣良介氏
「20代半ばで店と市場を立ち上げた凄い人」
◎この店で一番高いモノはこれだ!
オールワン(大分県)
「アンティークのキャンドルスタンド 30万円」
中古マーケットに深く切り込み、リサイクルビジネスの世界へ読者をナビゲート。
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2022/04/25
発売号 -
2022/04/10
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2022/03/25
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流通研究社
月刊マテリアルフロー
2022年05月01日発売
目次:
特集//コールドチェーン2022最新事情 ~鮮度維持して届ける輸送・保管・管理
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ある意味で日本物流の“お家芸”的なアドバンテージを有していたコールドチェーンのノウハウはアジアへの幅広い展開を期待できる貴重なアセットと言えるだろう。J-SASとISOの両輪で歩みを進める国交省のロードマップがその1つの指標になることは間違いない。その一方で今月号特集では,複数の取材対象から,コロナ禍,エネルギー問題,勃発した国際紛争等の影響による様々な懸念材料が異口同音に発せられている。安定した低温での管理が大前提のコールドチェーンにとって,その源となるエネルギー供給の不安は深刻な影を落としかねないものだ。本誌では,コールドチェーンの安定的な発展を願って,今後とも注視していく。 (編集部)
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■特集
[国土交通省]
日本式コールドチェーン規格のASEANでの普及進める
◎国土交通省 大臣官房参事官(国際物流) 大坪弘敏氏
[日本冷蔵倉庫協会]
電力コスト上昇が最大の業界課題 T11主導のパレット標準化に異論
◎(一社)日本冷蔵倉庫協会 理事長 土屋知省氏
[ニチレイロジグループ本社]
持続可能な物流の構築に向け2024年問題が最優先課題
◎㈱ニチレイロジグループ本社 取締役執行役員 業務統括部長 葛原雅人氏/業務統括部 業務革新担当 部長 勝亦 充氏
[横浜冷凍]
DXで冷蔵倉庫の働き方改革を 作業品質の追求で自動化に自信
横浜冷凍㈱ 執行役員 冷蔵事業本部長 兼 冷蔵業務品質部長 兼 京浜ブロック長 内山卓爾氏/IT戦略企画部 部長 兼 システム管理部 部長 阿部広康氏
[豊島区/トールエクスプレスジャパン]
超低温のワクチン輸送ラストマイル 3師会協調の豊島方式とは?
◎正確な温度維持管理とフレキシブルな配送を両立
■企画
[MF REPORT]
フィジカルインターネットシンポジウム2022
◎ロードマップも定まり社会実装へ向けた次なる課題に向け激論!
[FOCUS]日立物流南関東×オムニヨシダ×Mujin
重労働から解放し生産性向上を達成するオムニデパレシステム(ODS)
[NEWSスペシャル特別編]
物流博物館展示「平原 直展」いよいよ5/8?で終了
日本の「荷役近代化の父」の足跡に触れるラストチャンス!
[NEWSスペシャル特別編]
パナソニック コネクト発足記者説明会を開催
[展示会REPORT]
JAPAN PACK2022 日本包装産業展/リテールテックJAPAN2022/2022国際ロボット展[iREX2022]
■連載
[チャイナレポート]14
《キーパーソンインタビュー》書物による知識をより身近なものに出版業界の物流スムーズ化をAMRがサポート…雲南出版集団物流有限責任公司 総経理 楊林暉氏/
《物流改善事例》爆買いでも倉庫の機能は安定運用を持続,日本ブランド300社のEC物流を支える耐震スマート物流倉庫ソリューション…APT・GALAXIS/
《ニュースフラッシュ》
[LOGI裏の統計学]13
輸送マッチング業界の実態と拡大への方策は 1兆円の巨大なマッチング市場を狙い,新規参入が次々と
◎合同会社サプライチェーン・ロジスティクス研究所,城西大学非常勤講師/久保田精一
[システムの眼Ⅱ]70
“会社の存在意義”が話題に
◎早稲田大学 名誉教授/高橋輝男
[5分で読める教養講座 92《おススメ書籍》ひとくちガイド]
マッキンゼーが読み解く食と農の未来~業界の壁を壊し、協働を最適化せよ(日本経済新聞社)
老人ホームリアルな暮らし~入ってみなきゃわからない これがホームの「掟」だ!(祥伝社新書)
処世術~自分らしく生きる方法(ちくま文庫)
◎小泉事務所 代表/小泉 豊
物流現場・人とITを結び付け、ロジスティクスを具現化する
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