建設機械 発売日・バックナンバー

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2,200円
■特集:国土交通省 新技術活用システム(NETIS)の最新の登録技術の紹介
○硬質地盤に適応した大径・低変位の深層混合処理工法/㈱不動テトラ/梅田 洋彰・伊藤 竹史・永石 雅大1
硬質地盤に適応した大径かつ低変位の深層混合処理工法が必要とされる社会的要請により、当社ではCI-CMC工法の貫入能力を超えるCI-CMC-HA工法を開発・実用化してきた。本稿では、より硬質な地盤に対応したCI-CMC-HA工法について、近年開発・実用化したCI-CMC-HG工法と併せて紹介する。

○落石・崖崩れ・雪崩対策の鉛直式防護柵/㈱プロテックエンジニアリング/清野 雄貴
我が国は、国土の約70%が山岳地であり、豪雨や地震による崖崩れ、落石による土砂災害が多く発生している。従来の崖崩れの防護工は、コンクリート製の擁壁工が多く、狭隘な地形や、軟弱地盤での施工に制約を受けることがあり、法枠等の予防工を併用する必要がある。また、積雪寒冷地の雪崩対策、崖崩れ対策、落石対策等の複数の対策では,災害に応じた対策工を計画する必要があり、工期の長期化や施工コストの増加等の課題があった。本稿では、従来工法の課題を改善し、落石、崖崩れ、雪崩の三つの災害に対応できる多機能な鉛直式防護柵「スロープガードフェンス」の開発について紹介する。

■技術資料
○近年の豪雨、地震災害による被害を踏まえた建築物の機能継続・安全性確保のための対策/国土技術政策総合研究所/坂下 雅信
近年の豪雨、地震災害による被害に着目し、建築物の機能継続・安全性を確保するために行われている取り組みについて紹介する。

○自重補償構造と倒壊方向制御構造による鉄道高架橋の危機耐性向上/(公財)鉄道総合技術研究所/豊岡 亮洋・室野 剛隆
将来発生が危惧される大規模地震に対して、仮に設計で想定した以上の地震動で構造物に大きな損傷が生じたとしても、人命損失などの破滅的な被害を防止する「危機耐性」を確保することで、地震による被害やその影響を最小限に留めるレジリエントな鉄道を実現できる。本稿では、この危機耐性の基本的な考え方について解説するとともに、危機耐性を向上させる新しい構造である「自重補償構造」と「倒壊方向制御構造」について、開発コンセプトと機構を紹介する。さらに、大規模振動台試験によりその効果を実証した結果を紹介する。

○巨大地震発生に備えて今後の河川堤防の耐震性能照査のために検討すべき事項/名古屋大学/中井健太郎
東京・大阪・名古屋などの大都市はいずれも、沖積平野の河川流域に立地し、しかも3都市とも広大な海抜ゼロメートル地帯を抱えている。日本全体を見ても、洪水氾濫区域に人口の50%、資産の75%が集中していると言われており、河川堤防の健全性確保は、これら地域での外水氾濫を防ぐ生命線だと言える。本稿では、河川堤防に関する耐震性能照査の概要を紹介したうえで、精緻な河川堤防の耐震性評価のためには、地層不整形性を考慮した縦断面解析と軟弱粘性土の耐震性評価が重要であることを紹介する。

○「地盤の緩み」を評価する/京都大学/渦岡 良介
降雨と地震による地盤の複合災害を理解するには、この「地盤の緩み」の定量的な評価が重要となる。本稿では、地震後の降雨を想定し、盛土や斜面の地震による変状がその後の降雨や高水による浸透挙動に与える影響を遠心模型実験で検討した事例を紹介する。

○鉱山ショベルの掘削効率化に関する研究/早稲田大学/水嶋 済也・山村 真司・佐藤 隆哉・水越 勇一・加藤 史洋・亀﨑 允啓・岩田 浩康
鉱山ショベルでの掘削の効率化を目指した個別要素法シミュレーションによるパラメータ同定システムを構築した。粒子径1~14mmの砂利を用いて反発係数や摩擦係数を同定した。転がり抵抗の付与により砂利の掘削抵抗が再現可能であることが示唆された。

○デジカメ測量技術と準天頂衛星みちびきを活用した舗装出来形管理/㈱NIPPO/其田 直樹・相田 尚
道路舗装修繕工事の切削オーバーレイ工では、工種毎の基準高さによる出来形管理に加え、水糸とメジャーによる厚さや幅の確認と写真管理を実施している。通常、3~4名必要な水糸下がり計測をデジカメ測量技術によって1人で計測可能とした。さらに、準天頂衛星みちびきからの信号を受信できるマルチGNSS受信機を活用することで、計測位置のエビデンスを確保した。なお、当該技術は、令和頑年度国交省「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」で採択され実施した。

○三次元レーザースキャナによる山岳トンネル出来形検測/西日本高速道路㈱/久保田 潤
山岳トンネル出来形測量検測は、設計や施工目標、許容値を閾値とし、施工サイクルの切羽や覆工施工単位の出来形を評価、PC画面に色調表示し、オンサイトでリアルタイムの出来形確認、検査、DB保管ができる。

○プレストレスジョイントを用いた道路橋床版更新技術/阪神高速道路㈱/林 訓裕・田中 将登/清水建設㈱/太田 智久/昭和コンクリート工業㈱/国井 優嗣
道路橋の床版更新工事におけるプレキャスト床版の橋軸方向の継手は、現状は場所打ちの鉄筋コンクリート構造が多く採用されているが、床版厚の増加や現場作業の発生、耐久性の懸念など、設計および施工上の改善の余地があると考えられる。本稿では、急速施工が可能でかつ接合部にプレストレスを導入できるジョイント技術について、これまでに取り組んだ開発の概要について紹介する。

○生産性向上、ワークライフバランス確保に向けたロボット開発と今後の課題/㈱竹中工務店/中川啓太郎
導入・展開を図ってきたコンクリート省人化パッケージ、設備材料の取り付けアシスト機械、次世代高所作業車、清掃ロボット、搬送支援ロボット、各機器の遠隔監視システム、BIMデータと建設ロボットの連携・管理システムについて、最新状況と今後解決すべき課題を紹介する。

○半自動振動ローラ締固めシステムの開発/キャタピラージャパン(同)/田中 誠
振動ローラの転圧プロセスを自動化することにより、高い締固め品質を実現する。車両のGNSS位置情報を利用して設定した転圧エリアにて、オペレータがインプットした転圧パラメータに基づき振動ローラが一貫した転圧作業を行う。

■業界情報
○2021年1月度 建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会
2,200円
■特集:橋梁維持管理技術の検証と評価
○これからの橋梁のメンテナンスと理想の技術者像/(一財)首都高速道路技術センター/髙木千太郎
現在緊喫の課題であるインフラストラクチャーに関する適切なメンテナンスの実施、特に道路橋を対象にメンテナンスとはどのようなことで何を為すべきか、最新の技術にも触れ、メンテナンスにおける技術者の有り方などメンテナンスのポイントを紹介する。また、メンテナンスを効率的・効果的に実施するために必要な技術者について、技術基準、設計法などの流れを説明するとともに、理想像について提言する。

○ドローンを活用した橋梁点検システム/ルーチェサーチ㈱/渡辺 豊
橋梁の定期点検には高所作業車や橋梁点検車が用いられることが一般的だが、省力化・効率化・安全の観点からロボットの適用が検討されてきた。ドローンも一つの有効な手段となり得ることから、国土交通省の現場検証に参画しながら、開発を進めてきた。ドローンを使用した点検の利点、非GNSS環境でも自律飛行可能なドローンの機能について紹介する。2019年の道路橋点検要領の改定の際、ロボット点検も認められるようになり、当社のドローンも性能カタログに掲載された。

○工事関係者みんなで考える仮設の有効活用/日綜産業㈱/吉川 博之
仮設を用途によって使いこなすことがどれだけ有効か、そして、仮設を知って安心して工事を納めることが建設業界にとってどれだけ重要かということを広く知ってもらいたいと考え、本稿では、進化した吊足場について紹介する。

○高精度を確保する次世代赤外線画像判定支援システム/西日本高速道路エンジニアリング四国㈱/川西 弘一・林 詳悟・橋本 和明
橋梁等のコンクリート構造物の浮き・剥離などを高精度かつ定量的に抽出する赤外線調査システムの概要について解説する。本稿では、画像処理や機械学習による損傷自動判定システムの活用事例を紹介する。

■技術資料
○屋外移動ロボットにおける自己位置推定高精度化のためのマルチセンサ統合化環境の構築/室蘭工業大学/片岡 悠真・水上 雅人
各種センサによる情報を統合化した相対位置推定の高精度化を検討するためのツールとして実験系構築を進めたマルチセンサ統合化環境について紹介する。

○天井ふところ内の目視検査のための小型検査ロボットについて足利大学/仁田 佳宏/戸田建設㈱/稲井 慎介
まず2011年の東日本大震災の際に行った小型検査ロボットによる天井ふところ内の損傷検査の実例を紹介する。次に、紹介した東日本大震災時の適用例を活かして開発している天井ふところ内のための検査ロボットを紹介する。

○地震時の被害把握を目的とした建物の構造ヘルスモニタリング/東京大学/楠 浩一
現行の耐震設計においても、巨大地震に対しては安全に建物に損傷を生じさせ、そのエネルギー吸収により地震のエネルギーを吸収することを想定しており、一定程度の損傷は許容している。そのため、地震発生時には建物の継続使用の可否と被災度を判定する「応急危険度判定」と「被災度区分判定」の精度がある。両者は技術者の目視調査により判定を行うが、近年、建物に設置したセンサーにより自動的に判定する構造ヘルスモニタリング技術の開発が進んでいる。本稿では、構造ヘルスモニタリング技術の現状と、将来の利用方法について紹介する。

○大規模災害緊急復旧工事の建設機械活用事例/大成建設㈱/中村 誠・政氏 信之
令和元年10月12日に台風19号が群馬県嬬恋村付近を走る国道144号線は甚大な被害を被った。国、群馬県、(一社)日本建設業連合会の要請を受け、特定災害復旧等道路工事の施工について当社が選定された。本稿では、大規模災害緊急復旧工事の概要について建設機械・施工を中心に紹介する。

○施工のICT化に基づく生産性向上を目指した転圧管理システム/酒井重工業㈱/後藤 春樹
転圧管理システムは、締固め度の指標となるローラ加速度応答法を標準搭載することで、より高い品質管理と締固め品質向上の実現を目指したICT機器である。ICT機器は締固めにこだわった、より専門的で、より使い勝手の良い製品で、将来はAIの活用を視野に入れ、新たな付加価値の創造を発注者およびユーザーへ提案することを目指している。本稿では、ローラに特化した転圧管理システムを紹介する。特にCCVを用いた管理手法を重点的に解説し、十分な適用性が得られていることを強調した。

○デジタル化が施工管理を進化させる/FARO Technologies,Inc./Yuan Lei
DXが進んでいない業界の一つに挙がることが多い建設業界。プロジェクトの大小に関わらず、企画、設計、施工、管理などの領域やステージごとに異なる会社、専門家が網の目のように交差して完成させなくてはならない。FAROが提供するソリューションでコスト超過を最小化し、遅延を軽減、品質の向上を目指してはどうだろうか。

○山岳トンネルにおけるロックボルト工の自動化を実現戸田建設㈱/山口 洋平・三上 英明/サンドビック㈱SMRTカンパニー/松本 啓志
当社とサンドビックSMRTカンパニーは、高速道路をはじめとする日本の山岳トンネルでの仕様・規格・施工管理基準を満たしたロックボルト自動打設機を開発し、新名神高速道路、宇治田原トンネル東工事に2台導入した。通常のロックボルト作業は、モルタル充填、ロックボルト挿入などの作業はすべて人手に依存しており、切羽付近に立ち入っての作業や重量物を扱う作業が一般的であったが、同システムを使用することで、切羽付近での作業をすべて機械で行えるため、マシン1台当たり1人のオペレーターで施工ができる。本稿では、本システムの特長と実施工で得られた効果について紹介する。

■話題の工法
○老朽化した吹付のり面の補修・補強工法「ニューレスプ工法」および「吹付受圧板工法(FSCパネル)」/日特建設㈱/近藤 保徳
建設から数十年が経過した吹付のり面(モルタル・コンクリート吹付工)には、吹付表面の劣化や吹付背面の地山の風化進行に起因する不安定化が多く見られる。今後、これらの維持・更新の時代に遷移していく中、限られた予算を有効に活用しなければならない。従来、老朽化した吹付工の対策として多く採用されてきた方法は、老朽化吹付工をはつり取り、新たに吹付工を行う更新であるが、はつり取り作業の危険性回避、廃棄物の低減および工期の短縮などの観点から、はつり取らずに老朽化のり面を再構築するニューレスプ工法と吹付受圧板工法(FSCパネル)を紹介する。

■業界情報
○2020年12月度建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会

2,178円
■特集:工場・プラントや港湾等で働く建設・物流機械
○港湾・資源リサイクル現場で活躍するラチスブームクローラークレーン/コベルコ建機㈱/脇田 康介
スクラップヤードや港湾岸壁でスクラップ仕分けや積み降ろしに活躍するラチスブームクローラークレーンの中で、リフティングマグネット仕様、ハイキャブ仕様、ハイポスト仕様について紹介する。これらは標準機をベースにカスタマイズ設計を行った特別仕様機であり、標準機と異なる特徴について、使用環境に触れながら紹介する。

○進化し続けるマテリアルハンドリング機のラインアップ/住友建機㈱/河上 孝
作業性、操作性、安全性、快適性のさらなる向上を目指したマテリアルハンドリング機を紹介する。

○金属資源のリサイクルに重要な役割を果たす/日立建機㈱/乘田 雅幸
循環型社会の実現に向けた取り組みとして、さまざまな資源のリサイクルが推進されている。なかでも幅広い用途に用いられる金属資源のリサイクルは重要な役割を果たしている。金属資源のリサイクルに欠かせない存在の一つに、油圧ショベルをベースとしたマグネット仕様機がある。本稿では、ZAXISマグネット仕様機の特徴について紹介する。

○自走式キャリヤ/日本車輌製造㈱/大林 直也・平島 豊樹
キャリヤ(超重量物を搬送するための車両)は製鉄所、港湾地域、原子力発電所、工事現場などで稼働することが多い。運搬する積載物は、製鉄所のインゴットや鋼板コイルなどの半製品、風力発電機の羽根、航空機の翼、使用済み核燃料、大型のものでは架設する道路橋、プラント設備、ロケットの移動発射台までさまざまなものを運搬する。また、一般道は本来走行できない車両だが、仕様の変更や積載物の大きさなどに条件付けをして一般道も走行できるように車検対応した車種もある。本稿では、当社のキャリヤについて紹介する。

○環境に優しいスクラップローダ/㈱南星機械 土佐谷仁志
当社のスクラップローダは、スクラップ処理機への「投入」「取出し」専用の機械である。本稿では、電気を動力源としているため排ガスを出さない、環境にやさしいスクラップローダを紹介する。

■技術資料
○津波災害リスクと共生した交通まちづくり/高知大学/坂本 淳
東日本大震災の教訓を踏まえて津波浸水想定が見直された。全国の海に面した地方都市では、従前からの課題であった人口減少・高齢化に加え、津波災害リスクを踏まえたまちづくりが求められるようになった。本稿では、津波災害リスクを有する地方都市の人口移動と住民の居住地選択意識の事例を紹介し、「行政が津波被害を軽減させる十分な対策を行わなければ、時代に逆行した利便性の低い都市構造になりかねない」と警鐘を鳴らすものである。

○デジタルカメラを用いた鋼材の革新的亀裂検査法の開発/長崎大学/出水 享・松田 浩/佐賀大学/伊藤 幸広
近年、道路橋の鋼製橋脚や鋼床版等の部材に疲労亀裂の発生する事例が増加している。疲労亀裂は発生部位によっては、進展すると脆性破壊を引き起こし、橋梁の安全性に重大な影響を及ばす恐れがあり、早期発見と適切な補修・補強などが重要となる。鋼橋で多く用いられている亀裂の検査手法として磁粉探傷試験(MT)や浸透探傷試験(PT)などの非破壊検査手法が挙げられるが、塗装を除去しなければ検査できないことや、広範囲の検査には時間を要するなどの多くの問題がある。我々は諸問題を解決するために、鋼橋の塗装を除去することなく短時間でかつ広範囲に亀裂を検査可能な技術の開発を行った。本稿では、開発手法の検証実験と実橋梁に適用事例について紹介する。

○超高強度吹付けコンクリートの材料特性と吹付け性状/大成建設㈱/川口 哲生・武田 均/ポゾリスソリューションズ㈱/佐藤 圭
山岳トンネル工事で用いる吹付けコンクリートは、掘削中のトンネル形状を維持するために施工する支保工の一部であり、普通強度として18N/mm 2、高強度として36N/mm 2の吹付けコンクリートが用いられていた。そのため脆弱な地山や高い圧力が作用する地山など、条件が厳しい状況では、施工時の作業効率の低下や安全性の確保が重要な課題であった。そこで,100N/mm 2級の圧縮強度を有する超高強度吹付けコンクリート「T-HPSC R100」を開発した。本稿では、超高強度吹付けコンクリート「T-HPSC R100」の概要と、吹付け性状や圧縮強度等に関する検証結果について紹介する。

○貫入試験によるコンクリートの打ち重ね管理/㈱安藤・間 赤池 考起・白岩 誠史
実現場におけるコンクリートの打重ね管理を許容打ち重ね時間間隔でなく、凝結の程度を直接的に示す貫入量により管理を行えるN式凝結テスターを開発した。N式凝結テスターの基本原理は、N式貫入試験と同一である。試験器を型枠内に投入可能として、レーザー距離計およびスマートフォンを組み合わせることで、リアルタイムに計測値を記録し、グラフ化できる装置である。

○橋梁現場の生産性を向上させる技術開発/鉄建建設㈱/大野 俊平
昨今、生産年齢人口が減少する中、我が国の建設業界において「働き方改革」や「i-construction」など生産性向上を目的とした取り組みに焦点があてられている。橋梁現場においても作業の効率化および省力化が求められ、ICT技術導入などによる業務の省力化が推進されている。本稿では、各種ICT技術導入による橋梁現場の日常管理業務効率化・省力化について紹介する。

○水陸両用建設機械を活用した河川工事事例報告/青木あすなろ建設㈱/飯塚 尚史・小笠原 司・馬欠場真樹
水陸両用建設機械は、作業船や陸上機械では作業が困難な浅水域、河川上流部の急流域、河口部の感潮域、沿岸部の砕波帯等で威力を発揮する。本稿では、近年の豪雨災害等を踏まえた治水対策、災害復旧の一助となりうる水陸両用建設機械を紹介し、これまでに当建設機械を活用した、河道掘削・河川改良・災害復旧等の工事事例を紹介する。

○防潮堤工事の省力化施工について/東亜建設工業㈱/宇佐美克則
東日本大震災による被災した防潮堤の復旧を行うため、延長約1.8kmに及ぶ防潮堤の建設にCF(Compsite FormMethod)工法(以下、CF工法)を採用した。

■業界情報
○2020年11月度 建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会
2,178円
■特集:建設現場におけるドローンの活用
○建築物のドローン点検/日本システムウエア㈱/石川英嗣
近年、点検技能者の高齢化による離職を伴う労働力減少が懸念されている。このような状況における点検現場の生産性向上および維持管理作業の精度向上は、急務である。本稿では、点検技能者の不足を補い、効率よく、漏れなく、確実に建築物を維持管理することを目的として開発した、ひび割れ検出AIソリューションCrackVisionを紹介する。

○斜め往復撮影ドローンの開発/㈱フジタ/上原広行
UAV空中写真測量は、国土交通省が推進する「iConstruction」において、広範囲を効率的に計測できる手法として広く普及している。しかし、事前に設置する標定点の測量、工事進捗による標定点更新に膨大な労力を要しており、タイムリーかつ有効に活用する上で現場実装の隘路となっていた。本稿では、測位が可能な自己定位型UAVを用いて、標定点を完全に省略して作業の省力化を可能にした上で、鉛直誤差を抑制して計測の高精度化を図ることのできる造成地を対象とした「斜め往復撮影」手法を開発した経緯、および本手法の現場検証の結果について紹介する。

○ドローンを用いた橋梁点検の課題、解決方策/大日本コンサルタント㈱/堀田毅・小林大/川田テクノロジーズ㈱/金平徳之・林篤史/㈱FLIGHTS/長嶋友紀
本稿では、橋梁点検において、新技術としてドローンを利用する場合の手順の説明、点検現場にて実際にドローンを運用した経験から得た知見と課題、点検に必要なドローンとカメラの性能、それらの解決方策として開発した機体「マルコⓇ」の概要を紹介する。

○ドローンから知能飛行ロボット「大脳型ドローン」への進化/(一社)日本ドローンコンソーシアム/野波健蔵
本稿では、知能飛行ロボット「大脳型ドローン」への進化について紹介する。

○土地活用におけるレーザードローンの役割/テラドローン㈱/森田雄志
今、業界内外からレーザードローン測量が大きな期待を寄せられている。レーザードローン測量とは、 ドローンに載せた機器で地上から地表に向けてレーザー光線を連続で照射し、その照射距離から地表の状態を計測する方法だ。従来の測量手法では工数がかかる場所や、危険が伴う場所を、短時間で安全に計測可能であるため、注目を集めている。本稿では、当社のレーザードローン測量のさまざまな活用事例を紹介する。

○陸上・水中レーザードローン測量技術の開発事例/㈱アミューズワンセルフ/冨井隆春
当社は、国土交通省の「革新的河川管理プロジェクト」において、グリーンレーザースキャナを搭載したドローン測量技術を開発した。本稿では、その開発内容と河川管理等への適用例を紹介する。

■技術資料
○令和元年千曲川水害後の現状と今後の課題/信州大学/吉谷純一
令和元年東日本台風(台風19号)により、千曲川で観測史上最大水位となる洪水が発生した。長野市より上流では主に侵食による護岸や橋梁の被災、長野市とその下流では多数の箇所で越水氾濫被害が多発した。筆者は地元専門家として、メディア対応や土木学会水工学委員会「令和元年台風19号豪雨災害調査団」中部・北陸地区団長、各種政府委員会委員を務めたほか、災害を契機に沿川住民自治協議会や企業から数多くの講演依頼を受けた。本稿では、この経験から感じた千曲川水害の課題を紹介する。

○2020インフラ健康診断書の概要/名古屋大学/中村光
(公社)土木学会では、社会インフラの現状を広く国民に理解してもらい、維持管理・更新の重要性や課題を認識してもらうために、2016年度から社会インフラの健康診断を行い、その結果を「インフラ健康診断書」として公表している。本稿では、道路・鉄道・港湾・河川・水道・下水道部門を取り纏めて公表した、2020年版インフラ健康診断書の概要について紹介する。

○山岳トンネルにおける覆工コンクリートの急速打設システムの開発/㈱奥村組/齋藤隆弘・浜田元・張志
山岳トンネルにおいて覆工コンクリートの急速施工を実現するため、通常と同程度の打設時間で、施工スパン長を18m以上に延長する工法の開発に取り組んだ。施工スパンが長くなるため、ひび割れ発生リスクが増加することが懸念されたため、打設前にセントル中央部に金属製の目地板を設置し、打設後のこの板を引き抜くことで目地を形成して、ひび割れ発生リスクの低減を図る方法を採用した。本稿では、この方法の適用性・有効性を確認するため、実大施工実験を行った内容を紹介する。

○覆工コンクリート施工目地部の一体化防止材料の適用効果に関する研究/佐藤工業㈱/森賢宇・宇野洋志城/東邦化学工業㈱/對馬大郎
山岳トンネルを施工する際、隣接する覆工コンクリートが直接打ち継がれることにより、施工目地部分に不規則なひび割れが発生する場合が少なくない。それは、新旧覆工コンクリートの一体化防止措置が不完全なために、施工目地部分が一体化することに起因するものである。それら不具合を解消するために、トンネル覆工コンクリートの施工目地部分の一体化を防止する方法を模索した。試験室レベルでの試験を経て、道路トンネル建設工事に適用し、実構造物レベルでの効果と適用性について検証した。その結果、品質、作業工程、それに要する手間、材料の面で優位性が認められたのは、製紙業界で実績のある塗布型一体化防止材であった。

○3眼カメラ配筋検査システムを用いた遠隔臨場時の現場生産性・安全性評価/清水建設㈱/吉武謙二・藤井彰・中野貴公・谷村浩輔/シャープ㈱/有田真一
配筋検査の精度維持と省人化・省力化という課題解決のため、3眼カメラ配筋システムを開発した。日射や天候、配筋仕様の異なる15現場での30回以上の試行や、二色トンネルでの遠隔臨場との組み合わせによる試行も実施した。また、国土交通省の「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」の試行現場である東根川橋上部工工事では段階確認に初めて適用された。取り組みの結果、平均間隔の規格値を判定するために十分な計測精度を有していること、検査時間を1/3程度に削減できること、高所作業時間削減や省人化効果による新型コロナ感染対策など安全性向上にも貢献できることが明らかになった。

○小断面NATMでの用水路トンネル長距離施工/飛島建設㈱/菅原健・藤本克郎
赤羽根下流工区工事は、東海沖地震を想定した大規模地震対策として、豊川用水の複線化による用水の安定供給を目的に、既設水路に併設する形で計画された全長L=3,429mのパイプライン設置工事である。そのうち、L=3,153mについてはNATM工法でのトンネル区間となっており、内挿管方式の圧力トンネルとなっている。施工場所周辺は葉物の畑に囲まれ、牛舎、豚舎に隣接しており、営農や畜産が盛んな地域となっているため、周辺環境の保全に配慮しつつ、トンネル断面積が約6m2と狭小な長距離トンネルの施工、内挿管挿入およびエアーモルタル充填工事を行うにあたっての技術的な課題・対策・工夫および施工実績について紹介する。

■業界情報
○2020年10月度建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会

2,178円
■特集:最近の解体工事で使用される建設機械と工法
○解体騒音低減装置「バブルサイレンサー」の開発/㈱大林組/池上雅之・本田泰大
筆者らは、解体工事に用いるジャイアントブレーカー(ベースマシンのアーム先端にアタッチメントを取り付けた機械。以下、ブレーカー)に後付けする解体騒音低減装置「バブルサイレンサー」を開発した。本稿では、その開発概要と効果を紹介する。

○大型建物解体機の進化/コベルコ建機㈱/橋本淳平
当社は、ニブラー(油圧圧砕機)を装着した超ロング解体機を世界に先駆けて開発し、ユーザーの要望を取り入れながら解体機の普及と改善に取り組んできた。本稿では、多様化してきた解体現場のニーズに対応すべく、当社が開発した大型解体機、NEXTシリーズの技術について紹介する。

○全自動油圧式クイックカプラ/コマツ/山本宏
全自動油圧式クイックカプラによる解体現場の安全・環境・生産性向上革命について紹介する。

○次世代型油圧ショベル高所解体仕様/キャタピラー佐藤庸義
当社では建設機械の生産性と燃費性能を飛躍的に向上し、キャタピラー史上最高の安全機能を標準装備した20トンクラス油圧ショベル(320GC/320/323)を2017年に導入した後、13トンクラスから95トンクラスまでを順次、開発・市場投入している。そしてこの度、次世代型油圧ショベルとしての製品特長を軸に、高所解体作業への機能最適化と更なる安全性の向上を目論み、国内で比較的ボリュームの多い5階建から7階建RC/SRCビルディングの解体に最適化された52トンクラス油圧ショベルの高所解体仕様を発売開始した。本稿では、この352UHD高所解体仕様の製品特長を紹介する。

○ツーピースブーム解体仕様機/日立建機㈱/星野淳志
代表的なアタッチメントは大割・小割圧砕機、カッター、ブレーカー、フォークグラップル、スケルトンバケットなどが挙げられる。解体作業に応じてアタッチメントを使い分け、自由自在に使いこなせる能力・性能、装備品を備えた油圧ショベルとして解体仕様機がシリーズ化されている。解体仕様機シリーズには、解体作業での効率向上を目的にフロントの作業領域が拡大するツーピースブーム仕様機がラインナップされている。本稿では、ZAXIS-6へモデルチェンジしたツーピースブーム仕様機の特徴を紹介する。

○大型低騒音油圧ブレーカの開発/東空販売㈱/髙橋順
現代の都市解体作業には必須である低騒音ブラケットを標準装備とし、打撃力を大幅にアップさせ、高い耐久性も追求した30トンクラス油圧ショベル用の新型油圧ブレーカTNB-30Kについて紹介する。

○ミニショベル搭載用大割用油圧圧砕機/古河ロックドリル㈱/小六陽一
当社は、解体市場向けに、油圧ショベルのアタッチメント製品である油圧圧砕機「Vシリーズ」として、異なる機能をもった4タイプの製品を市場投入してきた。本稿では、当社の豊富な経験と技術力の結集により、ミニショベル搭載用大割用油圧圧砕機を開発したので紹介する。

■技術資料
○ヒンジ位置保証型RC梁への筋違型ダンパーの適用/東東京工業大学/毎田悠承・吉敷祥一・坂田弘安/中国地震局/曲 哲
RC梁に筋違型ダンパーである座屈拘束ブレース(以下、BRB)を取り付けるための接合方法を提案し、主として梁の降伏位置を梁端から遠ざけるヒンジリロケーション(以下、HR)技術に着目した実験を行った。実験パラメータは2種のブレース接合方法にHRの有無を組み合わせたものである。実験の結果、いずれの接合方法においてもBRBは梁より早期にエネルギー吸収を開始し、有効に機能した。また、BRB接合部の挙動から、HRを施すことでBRB接合部の変形を抑えることが可能であることを示した。さらに、有限要素解析モデルによるパラメトリックスタディを行い、BRB接合部におけるHR梁の設計に関して、BRBを有効に機能させるために必要最小なHR曲げ終局強度比βhについて示した。

○熱弾性問題の支配方程式に対する新たなアプローチ/千葉工業大学/内海秀幸
平面ひずみ状態における熱弾性体の適合条件式を紹介する。この適合条件式を用いることにより、温度を唯一の未知項として応力状態を表現する4階の偏微分方程式が導出される。

○コンクリートの線膨張係数に関する研究/広島大学/寺本篤史
本稿では、1.セメントの水和によりコンクリートが流動体から固体へ移行する際に線膨張係数が著しく変化すること、2.硬化後は毛細管張力の影響により内部含水状態の影響を大きく受けること、3.骨材量や種類の選定により線膨張係数の材料設計はある程度可能であるが、一方で構成材料の線膨張係数差に複合材料全体の物性が低下させる可能性があること、について紹介する。

○地中レーダ探査技術を活用した路面切削システムの開発/大成ロテック㈱/越村聡介・森康行・髙橋大蔵
トータルステーションやGNSS測位を活用した3次元マシンコントロール技術は飛躍的な進歩を遂げ、現在では定着した技術となりつつある。しかしその中で、路面切削機におけるICT施工においては検討が必要な事項も多く、空港工事など条件の良い現場での適用に限定されるケースが多い。しかし近年、ICT舗装工においては、路面切削機の維持修繕分野への適用拡大が検討されている。そこで、当社ではGNSS測位のみを利用し、路面切削機の切削ドラムを制御可能なマシンコントロールシステムを開発した。本稿では、当該システムの概要及び、今後の展開について紹介する。

■製品紹介
○全自動ドリルジャンボの開発/古河ロックドリル㈱/小六陽一

■業界情報
○2020年9月度建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会
2,178円
■特集:建設施工の省力化・省人化、ロボット
○作業床を上昇させたまま走行できる高所作業車/㈱竹中工務店/山添 大樹
業界で初めてとなる安全性を確保しつつ、テーブル型高所作業車の作業床を上昇させたまま走行できる。上昇・下降動作の削減が可能となることで、生産性向上を実現した高所作業車「建トゥン」を開発した。

○鉄骨の現場自動溶接工法の開発/大成建設㈱/梅津 匡一
著者らは熟練溶接工不足の補填を目的に、汎用可搬型溶接ロボットを用いた鉄骨の現場自動溶接工法の開発と現場導入を進めてきた。これまで冷間成形角形鋼管柱を主な対象としてきたが、適用対象を拡充し同工法の汎用性を高めるために、溶接組立箱型断面柱への適用検討と性能確認を行った。本稿で紹介する。

○鉄筋組立自動化システムの開発・稼動/三井住友建設㈱/岡本 菜里
国土交通省が提唱する、ICTを活用した建設生産プロセスにおける生産性向上の取り組み「i-Construction」に対して、コンクリート構造物の鉄筋配置・結束作業をロボットアームにて自動で行う鉄筋組立自動化システム「Robotaras(ロボタラス)」を開発した。工場にて大量製作される鉄道構造物の軌道スラブを対象とし、当社の三田川PC工場(佐賀県神埼郡吉野ヶ里町)にて本システムの導入・稼働を行った。本稿では、開発経緯、鉄筋組立自動化の対象工事、動作確認試験、システムの概要・鉄筋組立のフロー、導入の効果そして今後の課題について紹介する。

○耐火被覆吹付けロボットの開発と現場適用 /㈱大林組/池田 雄一・瀬川 紘史・坂上 肇
近年、耐火被覆工事では、作業環境の悪さから建設技能者不足が顕著であり、省人化が可能な技術開発が求められている。著者らは、耐火被覆の吹付け作業の自動化を目指し、耐火被覆吹付けロボットを開発し、建築工事へ適用した。その結果、技能工の歩掛りの約8割の実績を残した。今後、改善策を講じれば、技能工と同等の歩掛りが出せる目処がついた。

○道路橋床版取替工事の桁ケレン作業を機械化/㈱大林組/青木 峻二・丈達 康太・神田 憲成
本稿では、桁ケレン作業のうち、桁フランジ上に付着した錆などの除去を機械化することで省力化を実現した桁ケレン装置「フランジブラスター.」を紹介する。

○自走式マニュプレーターによるガラス・ボード類の取り付け/トーヨーコーケン㈱/山田 健次
主に建築中の建物内でガラスやパネルを運搬し、そのまま窓枠や壁面にはめ合わせるといった、設置工事で使用するための自走形のマニピュレーターである。この導入により、ガラスやパネルの設置工事において、従来工法と比較し、省力化や工期短縮、安全性向上などが期待できる。

○自律走行式床面ひび割れ検査ロボットの開発/㈱安藤・間/羽根田 健
自律走行式床面ひび割れ検査ロボットは、自律走行しながら床面を自動撮影し、撮影画像からAIによるひび割れ検出を直ちに行い、その結果を自動で図面に表示する。そのため、短時間で、 人の手間が掛からず、高品質な検査を行うことができる。本稿では、ロボットの特徴やロボットによる検査業務の効率化について紹介する。

○3Dスキャナを用いた「コンクリート表面評価システム」/東急建設㈱/大島 寛之・加藤 晃敏
近年、外壁タイル工事において、有機系接着剤を用いた工法が普及している。2018年に国土交通省より技術的助言が示され、下地調整の記録を残すこと等を条件に、竣工後の定期調査報告として必要とされていた全面打診検査等が引張試験に代替え可能となった。本稿では、この記録方法として、3Dスキャナを用いて業務の効率化と品質確保を図ることを目的として開発した、「コンクリート表面評価システム」について紹介する。

○現場向け垂直搬送装置/㈱安藤・間/田中 昭臣
本稿では、型枠サポートなどの資材を上下に運搬することが可能であり、機械自体も簡単に垂直移動・水平移動ができる、手軽な垂直搬送装置を紹介する。

○現場清掃の完全自動化を目指した床面ちり吸引ロボット/㈱竹中工務店/中川啓太郎
センサーマーカを配置することにより、エリアを指定を行い、簡単な操作で清掃を行うことができる清掃ロボット「AXキュイーン」を開発し、実プロジェクトでの適用を踏まえ改良を行い、生産性の向上の一助にできるものとできた。

○中間貯蔵施設に清掃ロボットを導入/大成建設㈱/加藤 崇・時吉 正憲・萩原 純一
放射線環境下の現場に自律型清掃ロボットを適用させるため、本ロボットの内部あるいは周辺の線量率を見える化するシステムを開発した。また、無人での清掃作業による効果や線量率の高低に応じたパトランプ点灯状況等を確認し、中間貯蔵施設の現場に導入した。

■技術資料
○建設機械の遠隔操作のための任意視点映像生成・遮蔽物透視映像生成/東京大学/山下 淳
本稿では、建設機械の遠隔操作のための任意視点映像生成手法、および建設機械の遠隔操作のための遮蔽物透視映像生成手法について紹介する。

○大規模空間のリノベーション技術の開発/㈱竹中工務店/鳥居 勇一・渡邉 和久
アーチトラスを有する大規模空間の施工においては、建物の特性上変形を伴うため、実測を行わないと部材の位置が分からないが、複雑な形状であるため実測を正確に行うことが難しい。本稿では、このような建物に対し、3Dスキャナーを用いることで様々な施工改善を図ることができたので紹介する。

○塩害リスクのあるRC構造物に加熱改質フライアッシュを適用/㈱奥村組/齋藤 隆弘/東北大学/皆川 浩/日本製紙㈱/佐藤 貴之
大沢川水門は、満潮時には河川内に海水が流入するため、塩害のリスクが高いRC構造物である。本稿では、塩分浸透を抑制するため、加熱改質フライアッシュをコンクリート用混和材として適用した事例を紹介する。

■業界情報
○2020年8月度 建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会

2,178円
■特集:令和元年度i-Construction大賞受賞1
○函館港若松地区岸壁ドルフィン部その他工事におけるi-Construction/東洋建設㈱/中嶋 道雄・白川 隆司・佐藤 孝志
函館駅前に設置される桟橋形式のクルーズ船専用岸壁は、当社の設計施工で2017年より事業開始して以来、複数工区にわたって建設を進ねている。本稿では、平成30年に当社が建設を行った際にi-Constructionを活用した事例を紹介する。

○渋川西バイパス入沢他改良その1工事/沼田土建㈱/佐藤 賢一
近年のICT建機と現場作業員の実情を紹介する。

○砂防工事におけるICT活用とその先について/石井建材㈱/小谷 周一
兵庫県で施工した砂防堰堤工事で行ったICT活用工事の施工事例と、3次元データを活用した施工管理を将来の展望とともに紹介する。

○平成29-30年度 用石堤防漏水対策(その2)工事/福留開発㈱/生駒 和久
当社は平成27年より現場にICTを導入し、県内では他社に先駆けてi-Constructionに取り組んできた。導入後間もなくICT施工の完全内製化を実現し、大幅な生産性向上を成し遂げてきた。今回の仁淀川・用石堤防漏水対策(その2)工事では、盛土法面整形工において起工測量、設計データ作成、施工・出来形管理・納品といった工程を、全面的ICT活用にて行った。

○地場コンサルからの全体最適化を目指した取り組み/㈱昭和土木設計/佐々木高志
2018年度に実施した建設分野の既成概念に捉われないBIM/CIM、i-Construction推進の取り組みの一端を以下の内容で紹介する。調査点検業務の最適化“汎用機材×アイデア=高コスパ化”、ちょうどいいBIM/CIM“もったいないやりすぎない”、生きた3次元データ作成“次の人に次の世代に”、B IM/CIMへの第0.5歩“適材適所”。

○Landlog Partner制度を通じたベンチャー連携/㈱ランドログ/井川 甲作
当社では、IoT活用を広めるために広く多様な企業と連携を進めている。そのためLandlog Partner制度を提供し、企業間の連携を促進するサービスを提供している。本稿では、サービスの概要、また実際にビジネス化している事例を紹介する。

○中小河川維持管理用ソフトウェア「e-River」の開発/㈱復建技術コンサルタント/市川 健・佐藤 慶治・天谷 香織・那須野 新・楢舘 晋
地方公共団体が管理する中小河川の多くは河川台帳の整備が進んでいない。また、堤防上に距離標も設置されておらず、河道形状(断面図)も把握されていないのが現状である。そこで当社では、i-Constraction技術をFULL活用し、低コストで実用性の高い河川維持管理用システムを開発した。

○「測量美術」舗装修繕工事におけるICT積極活用の取り組み/㈱エムアールサポート/森 誉光
令和2年度から、舗装修繕工においてもICT化が急速に進められているが、本取り組みはそれ以前より舗装修繕工にICTを導入することで、逸早くそこで発生する課題を認識し、その改善策を考案した。本稿では、当該技術の発展に寄与する直近の取り組みも合わせて紹介する。

○EQハウス/㈱竹中工務店/錦古里洋介
EQハウスの特徴的な外装はコンピュータで計算されており、1,200枚ものパネルは図面作成・工場製作・現場取り付けなどにおいて多数の課題が想定された。そこで、①BIMデータの設計施工一貫利用、②サイバー空間での進捗管理、③スマートグラスを用いた施工アシストといった各取り組みを実施し、「生産性向上の実現」や、「BIMモデル活用範囲の拡張」を図り、成果を得た。

○東京メトロ銀座線渋谷駅移設工事におけるBIM/CIMの実践/東急建設㈱/水野 麻香・池田 仲裕48
東京メトロ銀座線渋谷駅線路切替工事は、渋谷駅再開発のプロジェクトの一環として施工を進めていく上で、限られた時間の中で確実な施工と情報共有が求められた。これらを達成するためには2次元図面で表現することは難しく、BIM/CIMを導入した。現在は、発注者協力によって、3次元モデルを正式な提出図書として認められ、基本設計段階で施工性検討を含めたコンカレントエンジニアリングとフロントローディングを実践し、大幅な生産性向上に寄与している。

○点群ブラウザ3DPointStudioによる公共構造物の管理効率化/大阪経済大学/中村 健二/法政大学/今井 龍一/摂南大学/塚田 義典/関西大学/田中 成典/関西大学先端科学技術推進機構/梅原 喜政
公共構造物デジタルツインの構築に向けた研究成果として「点群データの属性管理仕様」、「点群データの構造化」および「点群データの利活用環境」について紹介する。

■技術資料
○豪雨やコロナ等の災害に対する強靭性を持ち、都市を持続可能とする鉄軌道等公共交通のあり方とその実現方策/(国立大学法人)富山大学/金山 洋一
外生的で甚大な影響を及ぼす観点から新型コロナウイルス(パンデミック)も自然災害として捉え、中長期的な視点もあわせ、自然災害による公共交通事業者への影響を展望する。次に、鉄軌道が都市に与えている機能と位置づけを示すことで、都市に貢献する鉄軌道等公共交通の要件を示し、自然災害に対する強靭性を持ち、都市を持続可能なものとする鉄軌道等公共交通のあり方や制度の考え方について考察する。

○建設機械保全における診断技術の高度化/日立建機㈱/國岡 昭吾・津久井 洋
生産性向上とライフサイクルコストの低減が近年益々注目されている。保守サービスにおいては、機械の突発的な休車を発生させないこと、最適なタイミングでの修理が重要な課題となっている。この課題解決策として、ベテランサービス技術者の五感による診断に着目し、スマートフォンアプリとしてツール化を行った。本稿では、特に聴音によるエンジンの重要部品であるインジェクタの診断について紹介する。また、現場診断に求められる要件に基づき、ConSite RHealth Checkアプリを開発した経緯と内容について紹介する。

■業界情報
○2020年7月度…建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会
2,178円
■特集:建設機械レンタル業各社の製品と技術
○レンタル会社としての安全対策機器への取り組み/西尾レントオール㈱/野瀬 健一
安全対策機器の概要説明と、レンタル会社としてのオリジナル商品開発について、重機緊急停止装置開発の例を中心に紹介する。

○水とテクノロジーの可能性に挑戦/㈱キナン/土田 徹
「アイ・ゼッター」は、公害対策の振動杭打機との併用、および無振動杭打工法である油圧圧入機との併用により、貫入不可能と言われたN値30以上の地盤に杭を容易に打ち込む。様々な機種を揃え、多様な現場に対応。本稿では、現場事例や最新モデル「VⅢ」について紹介する。

○進化したエンジン溶接機の機能/デンヨー㈱/平澤 文隆
エンジン溶接機は、主に交流電源がない建設現場などで使用される機械である。溶接機としての種類も多く、ユーザーは、それぞれの現場に適した溶接電流容量や、溶接構造物に応じた仕様を選択している。近年、人手不足などを背景に溶接性能面の高機能化が要望され、また、環境面への配慮も重要となっている。本稿では、進化した機能を盛り込み環境への配慮も行った当社の大容量炭酸ガスエンジン溶接機と、セルフシールドエンジン溶接機を紹介する。

○ユーザーの利益に貢献するレンタル製品/㈱やまびこ/青野 明
当社は、「開発・生産・営業・サービス」の一貫体制で、レンタル機の「貸して安心、使って満足!」を追求する総合メーカーである。本稿では、三相・単相3線同時出力を実現したマルチ発電機をはじめ、現場作業の能率が上がる溶接機や環境対応のLED投光機、エンジンカッターなど、付加価値の高い製品を紹介する。

■技術資料
○誰もが笑顔で移動できる世界を目指して/横浜国立大学/有吉 亮
都市と交通のユニバーサルデザインに向けた国際社会の趨勢を踏まえ、本稿では、公共交通サービスのユニバーサル化を目指す取り組みとして、全日本空輸㈱、京浜急行電鉄株㈱、横須賀市、横浜国立大学の四者が2019年6月に開始したUniversalMaaSプロジェクトを紹介する。

○レジリエンスエンジニアリングと安全/日本大学/鳥居塚 崇
2011年に発生した東日本大震災以降、弾力性や回復力など「レジリエンス」をキーワードとする考え方はさまざまな分野で急速に広まり始めた。2013年に始まった政府主導のプロジェクトである国土強靭化政策もあって、その考え方が広範囲に模索された。本稿では、しなやかさ(弾力性,回復力)を科学的に扱おうとする概念であるレジリエンスエンジニアリングと、その安全について紹介する。

○山岳トンネルの切羽地質情報の定量評価技術の開発/㈱安藤・間 谷口 翔・鶴田 亮介
ICTにより山岳トンネル工事の生産性を大幅に高める取り組みの一環として、山岳トンネルにおける主要な地質情報である岩質部の硬さ、風化程度、割れ目間隔を短時間で高精度にセンシングする「切羽地質情報取得システム」を開発した。計測機器を搭載した専用車両を開発し、データの取得から評価結果の出力までを自動化することで、短時間で同時に、簡易な操作でトンネル切羽の地質評価を可能とした。本稿では、本システムの概要について紹介する。

○3Dオイラン車による建築限界検証/佐藤工業㈱/佐藤 等
3D点群データを利用したトンネル干渉箇所の確認について紹介する。

○超大型洋上風車の建設に対応できる自航式SEP船/清水建設㈱/白枝 哲次・田原 航平
当社は、5兆円超の市場規模となる洋上風力発電施設建設工事の受注に向け、超大型洋上風車の建設に対応できるクレーン能力を備えた高効率の自航式SEP船(Self-Elevating Platform:自己昇降式作業船)の建造に着手した。本稿では、当社SEP船(以下、本船)の基本仕様、主要機器、大型洋上風車の施工について紹介する。また、国内外のSEP船市場における本船の優位性について紹介する。

○レール移動を自動化し生産性と安全性を向上/戸田建設㈱/中林 雅昭・佐佐木秀行・三宅 拓也
山岳トンネル工事において、作業台車や覆工コンクリート用セントルの移動のためには、走行用レールの移動作業が必要となる。このレール移動を自動化したシステム「急曲線対応型自動レール移動システム:Rail WalkerSystem」を開発した。本システムは、作業台車等に設置した特殊装置を1名の作業員がコントローラーにより操作することで、走行用レールをトンネルの曲線形状に合わせながら前方に進めていくシステムである。本システムにより、重機を使用した複数の作業員による従来の移動作業に比べ、生産性と安全性を向上できる。本稿では、Rail WalkerSystemの概要と現場に適用した際の効果等について紹介する。

○超高層ビル建築工事で工事用電力を100%再エネに/戸田建設㈱/五十嵐保裕
超高層オフィスビルの建築工事において、工事に使用する仮設電力を100%再生可能エネルギー由来電力に切り替えた。これにより施工時に使用する電力からカウントされるCO 2はゼロとなる。建設現場では、敷地内に太陽光発電設備等を設置し再エネ電力を自家消費する事例は多く見られるものの、設置スペース等の問題から大規模な展開には課題が残る。一方、電力系統から再エネ電力を購入する仕組みでは、需要家である建設現場が小売電気事業者との契約によって100%再エネ電力を使用することが可能である。本稿では、この仕組みを利用して建設現場で100%再エネ電力を使用した事例について紹介する。

■製品紹介
○遠隔作業支援ソリューション「遠場監督」/㈱ザクティエンジニアリングサービス/奥 智岐

■業界情報
○2020年6月度/建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会

2,178円
■特集:道路・舗装工事で活躍する機械と工法
○橋梁点検作業車/㈱アイチコーポレーション/鈴木 哲郎
社会インフラ機能維持管理のために、メンテナンスサイクルを確実に実行する政策が進められている。橋梁の点検についても、2013年道路法等関係法令の改正により、全国の道路橋72万橋に対して、5年に1度の近接目視による点検が義務化されている。本稿では、橋梁の近接目視点検に活用されている橋梁点検作業車ブリッジマスター・シリーズの機能と特長について紹介する。

○最新の道路維持補修機械について/酒井重工業㈱/後藤 春樹
建設現場における施工品質や作業効率の向上への配慮、安全性や施工環境の改善が必要不可欠の時代を迎えた。本稿では、そうした社会的背景のもとに開発された最新の道路維持補修機械である当社最新切削機ER555Fについて紹介する。

○運転支援装置によるタイヤローラ安全性向上/㈱日立建機カミーノ/海藤 勉
道路施工では人と機械の接触に起因する災害が多くなっており、衝突を回避または被害軽減をアシストする機能及び周囲環境視認機能を搭載したタイヤローラの運転支援装置を開発した。本装置は機械を停止させるだけではなく、作業性に配慮するとともに、現場での使い易さを考慮した。警告・減速・ブレーキ作動の3段階の制御で急減速を防止して施工面の異常発生を防ぎ、作業性に配慮した。さらに運転者に対し液晶モニタでシステム状態とカメラ映像を表示し、周囲作業者や管理監督者に対しては回転灯やブザー音で作動状況を通知するなどの現場での使い易さを考慮した装置とした。また、油圧ショベル等で既に上市している周囲環境視認装置をタイヤローラへ流用することにより、視認性向上の側面からも災害防止に寄与できるようにした。

○小型カッタにセル仕様を展開した新モデル/三笠産業㈱/田島 將史
リチウムバッテリでエンジン始動する12インチの小型カッタは、パワーアップとベルト伝達力を強化して提案する。

○人と環境にやさしいNETIS登録製品/㈱やまびこ/青野 明
アスファルトやコンクリート切断時の粉塵対策を目的として開発した「集塵式エンジンカッター」のほか、夜間使用に適した静かな「LEDバッテリー投光機」について紹介する。

■技術資料
○「掘る」とはなにか/大阪大学/石川 将人
著者らがこれまで従事してきた油圧ショベル掘削作業の効率化の考え方と、そのための掘削過程のモデリングへの取り組み並びに研究動向について紹介する。

○良いコンクリート構造物を次世代に残そう/京都大学/宮川 豊章
土木コンクリート構造物を丈夫で美しく長持ちさせ、残すべき構造物を適切に残す方法を紹介する。

○マウンド均し専用油圧ブレーカの運動解析/琉球大学/金城 寛・大城 尚紀/(国研)海上・港湾・航空技術研究所/平林 丈嗣・喜夛 司/極東建設㈱/上山 淳
水中バックホウのマウンド均し専用のアタッチメントとして油圧ブレーカを用いたときのピストンの運動と地盤沈下量を数学モデルにより解析し、油圧ブレーカのアタッチメントとしての有効性を紹介する。

○吊下型外壁昇降ロボットに搭載する打音検査システムの開発/豊橋技術科学大学/佐野 滋則・髙橋 美央/三信建材工業㈱/石田 敦則・石田 晃啓/㈱長谷工コーポレーション 吉岡 昌洋・関 新之介
「誰もが安全かつ手軽に」操作できることを目指し開発中の、建築物の外壁調査をするための吊下型壁面昇降ロボットと、それに搭載する打音検査システムを紹介する。

○スマートデバイスを用いたバイタル・行動情報の計測システム/立命館大学/橋口 伸樹・児玉 耕太/㈱熊谷組 北原 成郎
建設現場の労働負荷が高い作業者について、スマートデバイスを用いて、就業時間内の心拍、移動加速度などのライフログを収集分析し、そのデータをヒューマンリソースマネジメントに活かす研究に取り組んでいる。研究成果の一部は、令和元年度日本建設機械施工協会シンポジウム論文、およびInternational Journal of EnvironmentResearchand Public Health, 17(10)に掲載されており、詳細は当該論文を参照いただきたい。

○トンネル建設現場における多点粉じん濃度測定のための簡易粉じん測定器の適用/山口大学/掛谷幸士朗・林 久資・進士 正人
トンネル建設現場では、浮遊粉じんがより少ない良好な施工環境の構築を目指し、多様な坑内換気システムが提案されている。本研究では、トンネル坑内を多点かつ多頻度で粉じん濃度測定実施するため、一般家庭用空気清浄機向けに開発された光散乱方式の粉じん濃度測定センサを改良し、トンネル施工現場での小型で安価な浮遊粉塵観測機器を開発する。そして、模擬トンネル実験により坑内での測定器の適用性を検証する。この結果、改良されたトンネル粉じん簡易測定器は、トンネル建設時の粉じん測定に一般に用いられているデジタル粉じん計とほぼ同等の測定結果を得ることができ、トンネル建設中に発生する高濃度の粉じん測定が多点かつ多頻度で可能であることがわかった。

○切羽プロジェクションマッピング/大成建設㈱/谷 卓也
エンターテイメントの分野で知られるプロジェクションマッピング技術を、山岳トンネルの施工に適用した。安全のため吹付けコンクリートで覆われた切羽の地盤状況を、吹付け前の写真映像投影で再現する等、施工上重要な情報の確認や情報共有を容易にし、施工の効率化を実現した。

○有明アリーナの構造計画と施工/㈱竹中工務店/田部井正樹・星野 正宏・阪田 真規・浜田 勇気
本建物は、2020年東京オリンピック時のバレーボール会場及びパラリンピック時の車いすバスケットボール会場としての利用が予定されており、その後は、スポーツ大会のみならず、コンサート等の会場としての活用も想定された設計となっており、東京の新たなスポーツ・文化の拠点となる施設である。本建物の建築的な与条件として「限られた敷地条件の下、収容人数を確保しつつ気積を最小化する」、「短工期での建物の施工」などが挙げられる。これらの課題に対して、客席断面構成に合わせ建物上部に対し下部を絞った立面形状とすることで、敷地面積の有効活用を図り、アリーナ中央部の天井高さを外周スタンド部分より低くして、適切な空間気積を確保することで空調負荷を低減する設計を行った。また、下部構造の積極的なPCa化やトラベリング工法による屋根架構の施工により、工期短縮、下部構造・屋根架構の同時施工を実現した。

○安全性を考慮したトンネル切羽不連続面の走向・傾斜測定に関する取り組み/鉄建建設㈱/中原 法久・舟橋 孝仁・宇田 誠
タブレット端末とトータルステーションを用いて安全かつ容易に不連続面の走向・傾斜を測定することができるシステムの開発に関する現場実証実験の取り組みについて紹介する。

■業界情報
○2020年5月度/建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会
2,178円
■特集:最新の遠隔操作技術と活用事例
○リモートスカイドリル(無線操縦式バックホウドリル)/ライト工業㈱/中田 隼
国土交通省によるi-Constructionの利活用が加速化している状況の中で、当社が新たな補強土削孔システムとして開発したのが「リモートスカイドリル(無線操縦式バックホウドリル)」と「法面削孔機誘導管理システム」である。本稿では、これら削孔システムの概要と現場適用事例について紹介する。

○ロボット制御システム「V-Sido」を用いた建設機械の遠隔化/アスラテック㈱/小野 哲晴
本稿では、ロボット制御システム「V-Sido」を用いた建設業界における事例を紹介するとともに、ロボット技術による建設機械の遠隔化の展望についてまとめる。

○次世代油圧ショベル遠隔操作アタッチメント/キャタピラー/山本 茂太
建設機械の生産性を飛躍的に向上させるべく、2017年に導入した20トンクラス油圧ショベルを皮切りに、従来機と一線を画す革新的な技術を多数取り込んだ次世代油圧ショベルシリーズを順次、開発・導入している。この度、これら次世代油圧ショベルを遠隔で操作できるアタッチメント「Command」を発売開始した。本稿では、従来の遠隔操作アタッチメントとは異なる機能や特徴について紹介する。

○5G活用でブルドーザーを遠隔操作/コマツ/茂木 誠幸・川元 康裕/NTTドコモ/阿部 順一
建設業界は将来深刻な労働力不足に陥る予測が出ており、当社はこの課題解決のためICT建機、スマートコンストラクション等の労働生産性向上に向けた商品を提供してきた。当社は更なる生産性向上に向け自動化・遠隔操作化の取り組みを開始。一方、通信業界では5G技術に注目が集まっており、そのような状況で2017年より当社とNTTドコモは共同で5G活用したブルドーザーの遠隔操作の実用化に取り組んでいる。本稿では、5G活用したブルドーザーの遠隔操作の概要・成果・課題等について紹介する。

○HMDを用いた臨場型遠隔映像システム/大成建設㈱/加藤 崇
本稿では、遠隔地から建設重機を操縦するために不可欠な映像情報システムについて検討を行い、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いた映像システム臨場型遠隔映像システム「T-iROBO RRemote Viewer」について紹介する。

■技術資料
○3Dプリンティングが建設産業にもたらす技術革命/東京大学/石田 哲也/大成建設㈱/木ノ村幸士
本稿では、従来のコンクリート施工に代わりうるセメント系材料3Dプリンティング技術について、現在の状況と今後の可能性を紹介する。

○連続式RIコンクリート水分計の計測支援システム/ソイルアンドロックエンジニアリング㈱/池永 太一
打設するコンクリート全量の単位水量を計測することができる連続式RIコンクリート水分計は、専属の計測人員が必要とされることが課題であった。本稿では、加速度センサとエリア型レーザー測位技術LiDARによって、ポンプ圧送の作動とアジテータトラックの出入りをそれぞれ検知することで無人計測を可能とした、連続式RIコンクリート水分計の計測支援システムについて紹介する。

○地上・宇宙のデュアルユースを目指した建設機械軽量化技術の研究開発/㈱タグチ工業 /岡田 康弘地上において油圧ショベルは「ある程度の自重が無いと車体が浮いて掘削できない」と言われており、軽量化はあまり進んでいない状況であるが、輸送性や性能向上として「軽量化」が求められている。一方、宇宙側では月面拠点建設検討時に想定される宇宙用建設機械は輸送コスト削減や現地での作業性により「大型軽量化」がより求められると考えられる。そこで、地上と宇宙の双方にメリットのある「軽量化」に着目し、油圧ショベルを「サイズを維持したまま軽量化する技術」について本稿にて紹介する。

■話題の工法
○建築分野におけるプレキャスト鉄筋コンクリート技術/清水建設㈱/金本 清臣
本稿では、我が国における建築分野のプレキャスト鉄筋コンクリート(PCa)技術の変遷と、これまでに開発された床、柱、梁、柱梁接合部、架構システム、鋼コンクリート合成構造のPCa工法のうち、代表的な工法を取り上げ、その特徴を紹介する。

○鋼板セル工法による次期処分場護岸建設工事/東亜建設工業㈱/小泉 博之・森 恭介
茨城港常陸那珂港区に建設中の次期処分場の外周は、水深の深い東側に「鋼板セル工法」を採用した。鋼板セル護岸は、円筒形に加工された鋼板を海底の岩盤上に据え置き、筒内に中詰材(土砂等)を充填し施工した。管理型処分場の護岸であるため鋼板による遮断に加えて、鋼板と海底岩盤の間にアスファルトマスチックを充填し、場内の水が外海に浸出しないような構造とした。また、鋼板セル護岸を締め切る部分の施工において、潮流等を考慮した施工を行った。

○ケーソン自動制御据付けシステムの開発/東洋建設㈱/和田 眞郷・加藤 直幸・山口 陽介
海上工事におけるケーソン据付け作業では、海上に浮かんだケーソン上で作業員がウインチやポンプを操作して据え付けを行っていた。筆者らは、従来作業員の手で行っていたウインチとポンプの操作を自動制御する「函ナビAuto」を開発した。本稿では、本システムの詳細及び適用事例について紹介する。

■製品紹介
○スキャナー機能内蔵高精度トータルステーション/ライカジオシステムズ㈱/橋本 靖彦

■業界情報
○2020年4月度 建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会

2,178円
■特集:道路施工における情報化技術
○AI搭載カメラで人を検知する転圧機自動停止装置「EyeThink」/日本道路㈱/上田剛・坂谷嘉信
当社が機械製作会社などと協力して開発した「AI(人工知能)技術を活用したロードローラ安全サポートシステム」を紹介する。

○MCグレーダ施工におけるスリップ回避装置の開発/大成ロテック㈱/中村和瑛・宮本敬太・田沼大佑
MC技術については、技術の革新や昨日の改良も進んでおり、今日ではかなり定着してきたと言える。しかし、MC技術は省力化や施工品質の向上など様々なメリットがある反面、デメリットも存在しており、すべての作業において自動制御に頼ることは難しいのが現実である。そこで、当社ではモータグレーダのMC技術に着目し、作業の効率化や品質向上を目的として、作業負荷を調整することでスリップを回避するシステムを開発した。本稿では、当該システムの概要および、導入効果について紹介する。

○舗装修繕工事への3次元マシンガイダンスの活用/前田道路㈱/加藤康弘・宇田川健治
ICT舗装工(修繕工)が対象とする切削オーバーレイ工は、供用中道路を路面切削機で切削しアスファルトフィニッシャで新たに舗装を構築する工法であるが、ICTの活用には「ICT非対応建設機械」と「交通規制内のICT施工」の課題がある。本稿では、舗装修繕工事への3次元マシンガイダンス技術の適用について紹介する。

○RFID方式によるローラの緊急停止装置/㈱NIPPO/梶原覚
舗装工事現場における重機との接触事故は、重篤災害に繋がる可能性が非常に高い。当社では、従来の「危険を知らせる」安全装置から、「重機を止める」技術を2014年から展開している。「タイヤローラの緊急停止システム(WSS-TR)」の開発から今日までを紹介する。

○振動ローラ加速度応答とGPSを組み合わせた「αシステム」/大林道路㈱/小関裕二/㈱大林組/古屋弘
以前に本誌でGPSと振動ローラの加速度応答を利用して、舗装工事の品質管理の合理化を目指した研究開発について紹介した。現在も引き続き、「 αシステム」を舗装工事に適用する検討を進めている。本稿では、改めて「 αシステム」について紹介するとともに、著者らの取り組みについて紹介する。

○アスファルトフィニッシャ用3Dマシンコントロールシステム/住友建機㈱/寺元陶太
アスファルトフィニッシャにおいてこれまで用いられてきたMC(MachineControl)の技術と、国土交通省主導の取り組みであるi-Constructionに対して、現在どのような技術が用いられているか、当社として今後どのように対応していくかについて紹介する。

■技術資料
○建設生産とロボット技術活用の展望と諸仮説/コマツ/山元弘
建設生産では、施工改善が続けられ、ロボット技術活用の取り組みも続けられた。本稿では、目指すイメージ・目標や諸仮説を列挙し、議論や認識共有のきっかけを紹介する。建設生産とロボット技術活用の今後に向けて、さらに議論が深められ、研究開発や社会実装が進展することを期待する。

○電磁波レーダーを用いた遠隔操作型半水中重運搬ロボットの水中地盤確認手法/熊谷組/大本晋士郎・北原成郎・坂西孝仁
非接触の水中地盤探査技術として水中ではあまり使用例のない電磁レーダーを適用し、車両前方に搭載した結果を中心に紹介する。

○持続可能性に貢献する超低収縮・低炭素コンクリート/三井住友建設㈱/松田拓
建設産業にはこれまで以上に環境に配慮しつつ、さらなる構造物の高耐久性・高生産性を追求する役割が一層強く求められる。本稿では、こうした社会的要請に大きく貢献する革新的な構造材料としてこのたび開発された超低収縮・低炭素コンクリートについて、その概要と適用事例について紹介する。

○長距離飛行可能なドローンの開発と利活用/ルーチェサーチ㈱/渡辺豊
通常のドローンはバッテリーで30分程度しか飛行できない。同一バッテリー使用条件で、50分飛行し、40kmの飛行距離に到達するドローンを開発した。浮上用と推進用の機構を分離した機体構造が、大きな特徴である。当初の開発目的は、災害調査であったが、山岳部などに多い送電設備の定期的な巡視業務にも適用できることを、実例を示して紹介する。

■製品紹介
○排土板の自動制御による整地作業の生産性向上/㈱日立建機ティエラ/中谷賢一郎
近年、建設業における就業者の減少や高齢化が顕著であり、生産性向上の取り組みが盛んに行われている。このような背景から市街地の駐車場など狭小な現場における整地作業の生産性を向上させることを目的として、マシンコントロール用機材を用いて排土板を自動制御することで3次元の設計面に沿って整地作業が可能なミニショベルを開発した。

○新しい価値観を実現する油圧ショベル/コベルコ建機㈱/西本裕章
油圧ショベルとして求められる効率や生産性などの基本性能を追求すると同時に、 “Performance X Design”(パフォーマンスクロスデザイン)をコンセプトに、堅牢かつ先進的な外観と上質感漂うインテリアを兼ね備えた、全く新しい価値観を実現したフルモデルチェンジ機を紹介する。

○現場ニーズに応えた次世代ブルドーザの開発/キャタピラージャパン(同)/冨永安生
建設現場における課題は労働人口の減少および熟練オペレータ不足への対応や現場の生産性・利益性向上の両立である。本稿では、このような現場ニーズに幅広く対応した次世代型ブルドーザの特長を紹介する。

■業界情報
○2020年3月度/建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会
2,178円
■特集:狭隘地・低空頭下工事での工法と建設機械
○上空障害下での施工事例/㈱技研製作所/竹村 龍一
本稿では、2016年8月の九州豪雨により橋台周辺地盤が崩落する被害を受けた宇都橋の復旧工事をもとに、上部工を撤去することなく硬質地盤に鋼管杭を打ち込み、橋梁を復旧させた施工事例を紹介する。

○軌陸両用「低空頭下の杭打施工」/恵比寿機工㈱/松本 俊之
軌陸杭打機による低空頭、軌道内での施工とはどんなものか。本稿では、一般的な杭打ち施工とは違う過酷な条件下での施工の実態、専用重機、安全対策等について紹介する。

○狭隘・低空頭下での小口径鋼管杭工法/NIJ研究会/東芝 崇
本稿では、狭隘・低空頭下での小口径鋼管杭工法として、STマイクロパイル工法の概要および厳しい施工条件での施工事例と小型機械の紹介する。

○CSM工法(低空頭・狭隘地型)/安藤ハザマ 増田 浩二
CSM工法は、コンパクトな機械で大深度・大壁厚のソイルセメント壁を造成する工法である。本稿では、CSM工法の概要・特徴、低空頭・狭隘地型の施工機械の種類、および、現場への展開事例を紹介する。

○狭い空間における小径回転杭の施工事例/千代田工営㈱/深谷 利行・金井 重夫
本稿では、多くの施工制約条件のある駅ホーム上の工事で、機械式継手を設けた小径多翼付き回転杭を、小型の組立式施工機を用いて施工した事例を紹介する。

○低空頭下で活躍する地下仕様機/日立建機㈱/稲元 昭
低空頭下で活躍する建設機械には現場のニーズを盛り込んだ特別な機械が多く存在する。用途別に見ると、街中では橋梁下での耐震工事、護岸工事、基礎工事など、その他にもトンネル工事、地下鉄工事、高層ビルの地下工事などがある。本稿では、地上では見られない地下で活躍する建設機械とその特徴を紹介する。

■技術資料
○水中地盤での車両走行性に関する基礎的実験/(国研)土木研究所/山田 充31
水中地盤での車両の走行性に関する研究事例が殆どなく、水中地盤の固さや車両が牽引力を生み出す基礎的なメカニズム等の基礎的知見が殆どない。基礎的知見を明らかにすることができれば、スタック現象に支配的な要因が明らかになり、電磁波レーダ―の測定対象が明確化され測定精度が向上し、電磁波レーダのスタック回避機能が更に精度向上することが期待される。本稿では、スタック回避のための電磁波レーダの精度向上に資するために、水中地盤の車両走行性に関する基礎的知見を調査した。

○長尺円柱状構造物に沿って昇降する高所点検ロボットの開発/室蘭工業大学/花島 直彦・藤平 祥孝・梶原 秀一・倉重健太郎
長尺円柱状構造物に沿って昇降する高所点検ロボットの開発を行った。登高器方式とキャプスタン式ウインチ方式の昇降装置をそれぞれ製作した。また、ミラー多視点画像統合法により、検査対象の全周画像を取得する装置も製作した。屋外環境における昇降を確認し、点検対象の撮影も行ったので、その概要を紹介する。 …

○FEM解析を用いた壁式鉄筋コンクリート構造の耐震性能の評価/東京大学/王 傑恵・楠 浩一
本稿では、WRC構造の耐震性能評価へのFEM解析の応用について、その一般的な手順と具体的な適用例を紹介する。

○無人化施工・半水中作業のための基盤技術の研究開発/芝浦工業大学/吉見 卓
SIPプロジェクト「遠隔操作による半水中作業システムの実現」は、開発技術のユーザとなる建設・施工会社を中心に進められたが、これと並行して、より高度な無人化施工や半水中環境での施工の実現のための基盤技術の研究開発が行われた。本稿では、プロジェクトの目標達成に向けた開発の側方支援として、研究機関である芝浦工業大学が取り組んだ、無人化施工のための基盤技術の研究について、その概要を紹介する。

○江戸時代の洪水と治水、そして今日の水害/日本大学/知野 泰明
本稿では、今日、多発してきた水害を考える糸口として、近世から(特に江戸時代)の洪水や水害、治水思想や治水技術の体系を紹介する。

○都心部での開削工法による道路トンネル築造/清水建設㈱/安藤 陽・永峯 崇二
本稿では、都道環状2号線事業のうち、交通量の多い新大橋通りと海岸通りの交差点直下にて、且つ上方を首都高八重洲線高架橋・下方を都心環状線汐留トンネルに挟まれた狭隘な空間に、開削工法にて道路トンネルを構築した施工を紹介する。

○中村宿毛道路寺山トンネル工事/㈱鴻池組/山田 浩幸
寺山トンネルの起点側坑口部(工事終点側)は小土被りの脆弱な地山が180m続き、掘削時の地山状況は当初想定より悪く脆弱な状態で地質の変化が著しかった。施工では三次元切羽前方探査に基づく地質予測を行い、小口径多段式長尺鋼管フォアパイリング、長尺鏡ボルト、吹付けインバートによる早期閉合といった補助工法を駆使して施工を無事完了した。

○施工の安全対策とみえる化、効率化を促進する施工管理システム/㈱キック/才原 勝敏・西垣 重臣
本稿では、施工の安全対策とみ(見、観、看、診、視)える化、効率化を促進する施工管制システムについて紹介する。安価なデバイスを使用し、費用対効果の高い導入のしやすいシステムの構築を目的とする。施工AIの検討、重機の転倒の危険性を知らせる転倒防止、他重機の接近を知らせる接近警告、解析用データを高速サンプリングするデータ計測機能、コンクリートの打設時間管制、施工状況を一覧表示する遠隔モニタリングに分けて紹介する。

■業界情報
○2020年2月度/建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会
2,178円
■特集:地盤改良、基礎工事用機械
○仮設工事を減らす「GRBシステム」/㈱技研製作所/竹村 龍一
本来、建設工事において仮設工事は無用なものであり、仮設工事をなくすということは今後の大きな課題である。本稿では、圧入工法の原理を活用し、仮設工事の問題を解決できる「GRBシステム」と、その施工事例について紹介する。

○多目的掘削仕様機/日本車輌製造㈱/大塚 明宏・奥村 高好
本稿では、高い掘削能力のケリードライブを搭載し、フロント装置に各種アタッチメントを取り付けることで、地中障害物撤去・アースドリル工法・クレーン作業が可能な狭隘地向け新機種「DHJ60-3多目的掘削機」を開発したので紹介する。

○急速ソイルセメント地中連続壁工法/早稲田大学/赤木 寛一/戸田建設㈱/田中 孝/前田建設工業㈱/安井 利彰/西松建設㈱/吉野 修/㈲マグマ/上原 精治/太洋基礎工業㈱/中田 寛/㈱地域地盤環境研究所/小野田浩二
本稿では、気泡掘削工法の特徴を活かし、かつ、合理的な施工法を行うことにより、環境負荷の低減と大幅な工期短縮を可能する急速ソイルセメント地中連続壁工法「AWARD-Para工法」の概要、特徴、さらに本工法の有効性を検証すために実施したフィールドでの試験施工について紹介する。

○衝撃弾性波試験に基づく杭長診断法/清水建設㈱/堀田 洋之・吉成 勝美・桐山 貴俊・大和 由佳・木村 匠
本稿では、衝撃弾性波試験に基づく杭長診断法「コンピタ」の概要を紹介し、杭体の弾性波伝播速度を実測して地盤の影響による変化を考慮することにより杭長を精度よく評価できることを実例により示す。

○地盤改良時の六価クロム溶出量を限りなくゼロ化する添加剤/㈱加藤建設/桑原 崇詞・平山千恵子
近年、地震や豪雨などの自然災害に伴う地盤改良へのニーズが高まる中、このような産業活動の活発化と同時に、自然環境に配慮した施工が求められている。一方、セメントおよびセメント系固化材による地盤改良を行う場合、施工前に対象となる原位置土と固化材を混合した試料にて、六価クロム溶出試験が義務付けられており、土壌環境基準(0.05mg/L)を満足する配合を選定することとされている。この際、ある固化材において、他の固化材より強度発現が顕著であったにも関わらず、六価クロムの溶出量によっては、不採用となるケースがある。六価クロム還元剤「エコクロム」を用いることで、上記のような要因により、限定されてしまった選択肢の幅を広げることが可能である。また、有害物質の一つである六価クロムを限りなく抑制できることから、相対的に環境を配慮した施工が望める。本稿では、これらの提案を試験概要および施工事例を交えて紹介する。

○高性能小口径杭工法の改良/㈱大林組/粕谷 悠紀
当社開発の構造物基礎を補強する高性能小口径杭工法を改良し、適用範囲を拡大した。本稿では、適用可能な杭径の拡大や岩盤への適用を可能としたことに加え、土留め杭タイプの開発を行った内容について紹介する。

○アースオーガ/三和機材㈱/林 諭一
近年、基礎工事用機械の動向は構造物の大型化・大深度化による、大径化や一作動施工長の長尺化のニーズに伴い、ベースマンンは大型三点杭打ち機がリリースされ、施工ニーズへの対応が図られている。当社は、陸上用の基礎工事機械として、電動モータ駆動方式の40馬力から240馬力を標準アースオーガとしてラインナップし、長年にわたりユーザーに提供してきたが、その一方で、軽量化による施工ニーズへの対応が長年の課題となっていた。本稿では、その対応について紹介する。

■技術資料
○災害復旧事業におけるトンネルの早期貫通に向けた取り組み/㈱安藤・間/谷口 翔
災害復旧事業である二重峠トンネルは、工期短縮を目的として、技術提案・交渉方式(ECI方式)が全国のトンネル工事で初めて採用された。本稿では、ECI協議を通して実施したトンネル早期貫通に向けた取り組みについて紹介する。

○地下鉄トンネルの拡幅に伴う下床版築造工事/東京地下鉄㈱/吉田 裕介
本稿では、東京メトロ東西線南砂町駅改良土木工事において軟弱地盤下に潜函工法で築造された地下鉄トンネルの拡幅における既設構築直下への下床版築造工事について紹介する。

○300mを超える高被り蛇紋岩地山の変位抑制対策/飛島建設㈱/佐々木和人
本稿では、福井県における原子力災害制圧道路等整備工事、新大島トンネル犬見工区の概要について紹介する。

○函体推進工施工時の周辺地盤挙動抑制対策/大豊建設㈱/西川 圭
SFT工法( Simple and Face-Less Method of ConstructionTunnel)は、既存施設(鉄道や道路など)との立体交差(アンダーパス)を非開削で行う特殊工法であり、その施工概念は箱形ルーフと函体(ボックスカルバート)を置換える施工方法である。SFT工法は、主に低土被り条件での施工が多く、上部の沈下防止、推進方向への上部地盤滑動抑制などが施工中の課題となる。本稿では、SFT工法の概要と周辺地盤の滑動抑制方法について紹介する。

■話題の工法
○Bite/off(バイト/オフ)工法の特徴と役割/日特建設㈱/恵良 桂司
独自に開発した特殊なビットを使用し、既設アンカーを切断・除去する工法である。同じ場所に、新しいアンカーの設置が可能になる。

■製品紹介
○最新のダブルシリンダー型大割圧砕機/オカダアイヨン㈱/栗林 伸仁
本稿では、解体現場の大規模化・高層化に対応するために、販売開始より18年が経過したTS-Wクラッシャーの最新モデルであるTS-WD1200Vについて紹介する。

○大型油圧クローラドリルを開発し製品ラインアップを強化/古河ロックドリル㈱/小六 陽一
昭和52年(1977年)古河は国産初の油圧クローラドリルを開発して以来、モデルチェンジとシリーズ化を図り、国内、海外で広く活躍し高い評価を得てきた。今回、本稿で紹介するHCR1800-EDⅡは、当社の豊富な経験と技術力の結集により従来機種の上位機種を開発したので紹介する。

■業界情報
○2020年1月度 建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会
2,178円
■特集:無電柱化推進を支える技術と国・地方の取り組み
○無電柱化に向けた最近の取り組み/国土交通省/南 知之
防災面や安全面、景観面から、無電柱化へのニーズは高く、2016年には「無電柱化の推進に関する法律」が公布・施行され、2018年には「無電柱化推進計画」が策定されるなど、無電柱化の推進に対する期待が高まっている。本稿では、低コスト化や事業のスピードアップ、電柱の占用制限など、無電柱化を推進する最近の取り組みについて紹介する。

○東京都における無電柱化の取り組み/東京都建設局/三浦 和広
東京都では「都市防災機能の強化」「安全で快適な歩行空間の確保」「良好な都市景観の創出」を目的に無電柱化を積極的に推進している。本稿では、昨年3月に改定した東京都無電柱化推進計画と無電柱化を加速させるための取り組みについて紹介する。

○京都市の無電柱化の推進に向けた取り組み/京都市建設局/梶原 英至
本稿では、無電柱化の課題であるコスト縮減に向けて、先斗町通での「小型ボックス活用埋設方式」の実施事例や東一条通での「直接埋設方式の実用化に向けた実証実験」の事例を紹介する。

○無電柱化推進を支えるミニショベル向け最新技術/コベルコ建機㈱/小林 浩
本稿では、無電柱化にともなう人口密集地や狭小道路などの小規模工事現場での活躍が期待される二つの最新技術、“チルトローテータ”および“iDig”の特徴と利便性について紹介する。

○レジンコンクリート製CCBOXを活用した無電柱化事例/㈱サンレック/古田 圭一
本稿では、軽量かつコンパクトで施工の迅速化及び工期短縮に寄与するとともに、狭隘道路等への現場状況に応じて多様な形状が製造可能な、レジンコンクリート製CCBOX特殊部について、その特徴及び適用事例を紹介する。

■技術資料
○高精度衛星測位の現状と都市土木への活用事例/茨城工業高等専門学校/岡本 修
衛星測位は、ユーザーは小型省電力な受信機を持つだけで、数m~数十mの精度で測位できるもので、現在、携帯電話など多くのものに利用されている。1990年代当初は衛星数が少なかったが、現在では我が国が管理運営する“みちびき”をはじめ、他の衛星システムの配備が進んだことで多衛星時代となり、新時代を迎えている。衛星測位には様々な測位法があるが、実時間に数cmの高精度で測位できるリアルタイム・キネマティック法など高精度な測位法が注目され、その応用が期待されている。近年では、自動車等の自動運転への応用をターゲットにした高性能なローコスト・マルチバンドRTK受信機が複数登場して注目されている。本稿では、高精度GNSS測位の現状や問題点、その展望や測位性能を解説するとともに、都市土木への応用事例を紹介する。

○宇宙居住へ向けた建設技術への期待/東京理科大学/木村 真一
国際宇宙ステーションやスペースシャトルなど、従来有人宇宙活動の中心であった低軌道を超えて、月近傍、月面、火星を目指した有人宇宙活動が提案されるなど、人類は宇宙での活動範囲を急速に拡大しつつある。人類の宇宙活動は、個々の点としての宇宙開発から、活動範囲もプレーヤーも広がった面としての宇宙開拓の時代に入りつつある。宇宙居住の実現には、分野を超えた総合的な技術の結集が必要になる。スペースコロニー研究センターでは広範な分野の大学や企業などとも幅広く協力しつつ、優れた衣食住に関する技術を宇宙につなげる役割を果たしていきたいと考える。本稿では、その現状と今後の方向性について紹介する。

○南海トラフ巨大地震に立ち向かう土木の役割/徳島大学/中野 晋
南海トラフ地震による深刻な被害が間近に迫る中、「国難」に向けた防災・減災対策は一刻の猶予もない。本稿では、四国での官民学の取り組みを通して、南海トラフ巨大地震に立ち向かうために「土木」が果たすべき役割について紹介する。

○都市が縮退する時代における地方都市での交通流モニタリング/高知工科大学/西内 裕晶
本稿では、既存の車両感知器等の交通センサーインフラが十分でない地域においても簡易で安価に交通流モニタリングの可能性が期待されるBluetooth MACアドレスを活用した技術と調査事例を紹介する。具体的には、高知県内の道の駅を対象として施設内および周辺道路にカーナビやスマートフォン等のBluetoothデバイスを検知するスキャナを設置し、道の駅来訪者の検知可能性と滞在時間の把握が可能かを検討したものである。

○建設業へのドローンの活用/芝浦工業大学/長谷川忠大/西武建設㈱/二村憲太郎
本稿では、筆者らが研究・開発を推進している吹付ドローンについて紹介する。これは高所での塗布作業ができる吹付け機能を搭載したドローンで、作業員の転落を防止し、ドローンを活用した生産性の向上が期待できる。

○小土かぶり強風化花崗岩地山における配水池近傍での近接施工/鉄建建設㈱/舟橋 孝仁・濱田 宏・唐戸 裕二・宇田 誠
小土かぶり、強風化花崗岩地山といった特殊な地山条件に位置する配水池が近接した北陸新幹線の山岳トンネルの施工について、数値解析による影響予測、施工方法の検討、計測工等を実施した。本稿では、解析結果を活用した対策工の選定、計測結果を施工にフィードバックした近接施工事例について紹介する。

■話題の工法
○超硬質地盤に適応した大径深層混合処理工法/㈱不動テトラ/田中 肇一・伊藤 竹史・武田 尚也
超硬質地盤に適応した大径深層混合処理工法が必要とされる社会的要請により、当社では信頼性が高いCI-CMC工法やCI-CMC-HA工法の貫入能力をより高める施工機能を導入し、新しくCI-CMC-HG工法を開発、実用化したので、紹介する。

■業界情報
○2019年12月度/建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会

2,178円
■特集:建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト
○革新的技術の導入による建設現場の生産性向上に向けた取組/国土交通省/辛嶋亨
当省では、全ての建設生産プロセスでi-Constructionを推進し、建設現場の生産性を2025年度までに2割向上させることを目標に、ICT技術を活用した効率的な施工データの取得や取得データ活用による「施工の労働生産性の向上」や「品質管理の高度化等」を目指すプロジェクトとして「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」に取り組んでいる。本稿では、プロジェクトの概要や試行技術の事例について紹介する。

○Visual-constructionの導入で施工生産性の向上を実現/㈱堀口組/西川充/㈱環境風土テクノ須田清隆
本稿では、当該プロジェクトに採択された「一般国道239号苫前町霧立峠改良外一連工事」における、映像を活用したICT/IOT化の取り組みについて紹介する。

○土岐口開発造成工事(1)での取り組み/㈱フジタ/上原広行/ジオサーフCS㈱/浮田真樹
土工事で重機に搭載したレーザースキャナーの計測により、移動しながら現場内の任意の位置での面的な出来形座標を取得するシステムを開発した。本稿では、システムの概要とPRISMを活用した現場試行プロジェクトにおける本技術の検証結果について紹介する。

○3次元データによる構造物の出来形管理/カナツ技建工業㈱/高橋広幸
3次元データの有用性に着目し、データ上で計測するという概念を加えて構造物の新たな出来形管理手法を試行、高効率かつ高精度で安全な施工環境を創出。

○Visual-constructionの導入による品質の高度化の取り組み 平成29-30年度松二維持工事/㈱愛亀/黒河洋吾/㈱環境風土テクノ/本田陽一
本稿では、舗装メンテナンス工事における路面調査、温度管理、現場臨場に関して映像を活用した品質管理の高度化等を図る技術の試行について紹介する。

○八ッ場ダムにおけるPRISMの取り組み/清水建設㈱/山下哲一・平塚毅・長谷川悦央・加瀬俊久
本稿では、八ッ場ダムの建設における品質管理の高度化を図る技術開発と新技術の導入について紹介する。

○電子化された生コン情報を利用した品質管理の高度化/大成建設㈱/大友健・渡邉高也・水野智亮・矢部和史
本稿では、生コンの練り混ぜから打ち込みまでの情報をクラウド化し工事関係者間で共有するシステムの生産性と品質の向上効果と、これに打ち込みプロセスとその位置情報、生コン全車の単位水量とスランプ情報を統合して品質管理の高度化を図る手法を紹介する。

■特集:クレーン・高所作業車の安全対応
○クレーンの事故と安全対応/(一社)日本クレーン協会/坪田章
本稿では、クレーン年鑑(平成22年版~令和元年版)に掲載した死亡災害事例の内、建設業の事例を分析した内容と、近年新規に制定、改定発行した日本クレーン協会規格を紹介する。

○クローラクレーンの安全対策/住友重機械建機クレーン㈱/中井健二
タワー式クローラクレーンは、作業姿勢にする過程でタワーブームを90度近傍まで起こす必要があり、また、その姿勢でも作業ができる等の特徴を有するため、傾斜ブーム式クローラクレーンと比較してリスクが高い。本稿では、タワー式クローラクレーンの起伏動作に関する安全装置について紹介する。

○オールテレーンクレーン、及びラフテレーンクレーンの安全対策/㈱タダノ/大森一也・有馬邦裕・岡本俊彦
本稿では、当社が取り組んでいる安全対策の一部を紹介する。オールテレーンクレーンはEN13000の安全機能、ラフテレーンクレーンは「走行安全性の向上」、「クレーン作業安全性の向上」の取り組みについて紹介する。

○ラフテレーンクレーンの安全機能/㈱加藤製作所/丸山幸治
本稿では、ジブ装着作業における高所作業の撤廃や、走行とクレーン作業の両操作時における運手士からの死角を補完するカメラ機能など、ラフテレーンクレーンに搭載されている最新の安全機能に着目して紹介する。

■技術資料
○地図情報を活用した防災対策/香川大学/野々村敦子
大規模な水害が相次いでいる。災害から自分自身や家族の命を守り、被害を最小限に抑えるための行動が大切だ。災害の危険性に曝されている人が、非常事態であることに気が付いて行動することこそが、命を守る行動に繋がる。そのためには、自分自身がいる場所はどのような場所なのかを知ることが、まず、必要である。また、土木工事を行う際にも、その地盤がどのような特性をもつのかを把握した上で建設工法が適切に選択される必要があることから、土地の成り立ちを知ることが重要である。本稿では、土地の成り立ちを知り、災害に備えることに対する課題、および課題を克服するために有効な手段について紹介する。

■話題の工法
○斜面対策工に特化した「のり面CIM」の開発/㈱熊谷組/石濱茂崇
事例の少ない斜面対策工に特化した「のり面CIM」を開発した。グラウンドアンカー工や鉄筋挿入工の設計・施工データを集約・可視化し、一元管理することで、次ブロックの施工へフィードバックすることが容易となり、施工の効率化を図ることができた。

■業界情報
○2019年11月度/建設機械出荷金額統計/(一社)日本建設機械工業会

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