月刊 税理 発売日・バックナンバー

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2,581円
日本版LLP制度等創設の意義と活用の効果及び税務上の課題 日本大学教授
平野 嘉秋
 新会社法においては株式会社等のあり方の見直しが検討されているが、並行して人的資産集約型の組織体の見直しもされ、日本版LLP制度の導入の検討がなされている。構成員の有限責任が保たれ、課税形態は構成員課税が基本形だという日本版LLP制度とはどのような制度で、どのような活用が期待されているのか。また、この日本版LLP制度の課税上の課題にはどのようなものがあるのかを論考いただいた。

減損会計基準に対処すべき税務の問題点 税理士
右山 昌一郎
 減損会計は、今年4月以降に開始する一定の株式会社に適用される。だが、この減損会計と税務間の調整に関して、大きな課題が存在する。減損会計の開始時における税務における評価損の認容、そして減損時の税務における除却による損金算入の必要性の2点を、具体的に検証しながら指摘する。
財産の信託によって発生・移転する受益権の課税上の問題点 水戸短大講師・税理士
橋本 守次
 信託は本来財産管理のための制度で、自ら財産管理が困難な者が信頼できる第三者に財産権を移転し、自らの目的を達成しようとするもの。最近は、遺言信託や、あるいは福祉のために差し出す信託などが発達。最近の信託法の改正で、信託銀行以外の取扱いもできるようになった。ここでは、信託についてしばしば税務上問題となる、信託の受益権の発生評価と、受益権を信託設定者以外の者に指名あるいは移転させた場合の課税関係がどのようになるかを検討する。

節税を目的としたリース商品の税務否認と今後の動向 税理士・公認会計士
杉本 茂
 最近、航空機・船舶等のリース事業を使った節税商品の税務取扱いが話題になっている。中でも最も実務家の耳目を集めたのは、平成16年10月28日の名古屋地裁判決だ。これは、民法上の組合契約を締結した航空機のオペレーティング・リースで、出資した個人投資家は「不動産所得」として損益の計算をしたが、課税庁は「利益配当契約=雑所得」であるとして、損益通算を否認した事案。判決は納税者に軍配を上げ、民法上の組合に当たると認定した。本稿では、この判決のポイントを検証するとともに、同様の民法組合商品を封鎖した平成17年度改正の概要を解説する。



特集 新会社法で変わる中小会社の運営
 商法の現代化に伴う新会社法の要綱案が固まり、平成17年の通常国会で上程が予定されている。本改正は、現行の株式会社と有限会社という会社の類型を見直し、会社法という一つの法律体系にまとめることなど、実態に合わせた制度の見直しが数多くされている。そこで、本特集は、新会社法の概要を踏まえて、関与先の中小企業に対する指導のポイントを示す。(「会社法制の現代化に関する要綱案」は巻末付録『税務情報』42頁参照)
<総論>
会社類型の変更・整備と新しい会社形態の設置 筑波大学大学院教授
弥永 真生
1. 有限会社の新設は認められなくなるが、既存の有限会社であり続けることができる。
2. 株式会社についての規律は株式譲渡制限会社であるか否か、大会社であるか否かによって異なり、株式譲渡制限会社には取締役会も監査役も設置することを要しない。その他、規律が緩和される。
3. 監査役は業務一般について監査制限を有するが、株式譲渡制限会社では、定款に定めておくことによって、会計事項に権限を限定できる。もっとも、そのような会社においては、株主の監督是正権が強化される。
4. 合同会社は内部的には合名会社・合資会社と同じ規定の適用を受け、外部的には社員の間接有限責任が認められる。したがって、出資、剰余金の分配などについては、株式会社と同様の規律がなされているが、一定の債権者保護手続を条件に、退社に基づく払戻しが認められる点で異なる。


中小企業における株式譲渡制限会社の活用可能性 中小企業庁
平井 裕秀
1. 今次の会社法制の見直しに当たっては、会社制度の最大ユーザーである中小企業の実態を踏まえた議論が重要なテーマの一つとなった。
2. 同じ株式会社であっても、大企業と中小企業では、会社法制上の問題点が異なっており、経営と所有が一致している中小企業においては、主に訴訟リスク及びコスト負担の低減といった観点から、意思決定に係る手続や機関設計についての簡素化が検討された。
3. 経営と所有の分離の有無についてのメルクマールとして、定款における株式譲渡制限の定めの有無が採用され、当該定めのある会社については、機関設計の柔軟化や各種の特例措置が設けられた。
4. 株式譲渡制限会社に係る規制緩和に際し、決算公告義務の維持や会計参与制度の導入など、ディスクロージャーの重要性の再確認とその担保が前提としてあることに留意が必要である。


<各論>
会社設立規制の緩和~最低資本金・類似商号規制等の撤廃 税理士
金井 恵美子
1. 登記実務において、会社の目的は厳格な語句の使用基準により審査が行われているが、その包括的な記載が可能となる。
2. 本店所在地が異なれば、目的が同じであっても同市町村内に同じ商号の会社を設立することができることとなる。
3. 最低資本金規制が廃止され、会社設立時の自己資本の確保が不要となる。
4. 株式譲渡制限会社においては、監査役を置かず、取締役は1人とすることができるので、会社設立時の人材の確保が不要となる。
5. 会社設立の形式的なハードルが低くなることにより、新規起業には、実質的な事業計画の検討がより重要となる。


最低資本金の撤廃で変わる会社の信用力とB/Sの整理 税理士
植田 卓
1. 会社法の現代化によって最低資本金制度が撤廃され、既存の会社は資本金の額を自由に増減させることができるようになった。
2. 増資と減資に関する手続は、従来の手続と基本的に変わるところはなく、特に減資については債権者保護手続が必要であるため、現実には一定の制約がある。
3. 会計参与制度の導入にもみられるように、計算書類の適正化については、従来よりも強く要求されていることから、単に正確性だけではなく、会社の実態にふさわしい計算書類を整えていくことも必要であろうと考えられる。特に、資本金のあり方をはじめ、資本の部の計数のあり方については、関心を持たれることが期待される。


簡素・機動的になる会社運営の主体と決定の方法 税理士・公認会計士
櫻庭 周平
1. そもそも現行の株式会社は公開会社を念頭に置いた会社類型であり、有限会社は中小会社を念頭に置いた会社類型であった。
2. この二つの会社類型を統合する新会社法は、会社の運営主体である機関について、表面的には看過されがちだが、根本的な変更を内在している。
3. 新会社法では、株式譲渡制限性と規模の違いで機関の設計が異なる。
4. 株式譲渡制限会社でない大会社の機関設計は、現行と同様である。
5. その他の株式会社に関しては、株式譲渡制限の有無・会社の規模に応じて、現行よりも大幅に機関設計の選択肢が増える。
6. 会計参与制度は戦略的な見地から活用を検討すべき価値が大である。
7. 中小企業の多くは株式譲渡制限会社だが、名目的な取締役会・監査役等といった暗部にメスを入れることで経営改革の端緒となり得る。


自由に選択できる会社の機関設計 税理士・公認会計士
吉田 恵子
1. 今回の商法改正では定款自治を重視し、それぞれの会社で機関設計を自由に選択できるようになる。特に中小・会社では選択の幅が広い。
2. その中でどういう機関設計が最適かアドバイスするのは、税理士の役割である。
3. アドバイスに当たっては、コストと効果を説明する。
4. 会社が成長していく過程で、その時期にあった機関設計をアドバイスしていくことも必要である。


計算書類の公正性を高める制度と会計参与の設置の意義 税理士・公認会計士
吉田 恵子
1. 今回の商法改正では定款自治を重視し、それぞれの会社で機関設計を自由に選択できるようになる。特に中小・会社では選択の幅が広い。
2. その中でどういう機関設計が最適かアドバイスするのは、税理士の役割である。
3. アドバイスに当たっては、コストと効果を説明する。
4. 会社が成長していく過程で、その時期にあった機関設計をアドバイスしていくことも必要である。


計算書類の公正性を高める制度と会計参与の設置の意義 税理士
辻 堅太郎
1. 会計参与制度は、中小会社の計算書類の適正性を高めるために、会社内部の組織として創設された。
2. 会計参与は株主総会で選任し、その任期・報酬・責任については、社外取締役と同様の規律に従うものとされている。
3. 会計参与制度は、金融機関等の要請にも合致した制度である。
4. 会計参与の報酬は、その専門知識と責任に価する額でなければ、会計参与制度は定着しないものと思われる。


株式の分散化を防ぎ集中化を高める株式制度 公認会計士
都井 清史
1. 事業承継に当たり商法上大きな障害となるものに少数株主権があり、具体的には取締役等の解任請求権等がある。この少数株主権は新会社法ではその権利がさらに拡充する予定である。
2. 少数株主対策として、現行商法では議決権のない株式を利用することで少数株主権を排除することが可能であるが、新会社法の施行後は議決権のない株主でも少数株主権を持つことが予定されている。
3. これに関する対策としては、まず現在の少数株主から株式を買い受けて権利をなくし、相続等により一時的に株式が分散しても、早期の買受けによって解決することが最も合理的な方法である。
(イ) 少数株主からの金庫株としての株式の買受け
(ロ) 少数株主からのオーナー個人の株式の買受け
(ハ) 持株会社の設立と少数株主からの株式の買受け


剰余金とその配分の自由度の拡大 税理士
鈴木 修三
1. 今回の商法改正により、年間に複数回の配当ができるようになる。
2. 株式譲渡制限会社は、定款で種類株式の発行を定めることができる。
3. 減資等の資本の部の計数変更がやりやすくなる。


有限会社の存続・組織変更と合同会社の創設 税理士
苅米 裕
1. 有限会社制度は廃止となるが、経過措置により存置が認められる。
2. 関与先の有限会社に対して、株式会社へ組織変更を行う場合のメリット・デメリットを説明すべきである。
3. 合同会社の創設に伴い、中小企業レベルでも活用の余地があるケースを検討する。
4. 合同会社の税務上の取扱いとして、パススルー課税が認められることになるのか、注視する必要がある。







裁決例から探る 青色専従者給与の税務否認回避策 税理士
載本 高広
 平成12年に会計検査院の調査があって以来、青色事業専従者給与のチェックが厳しくなっている。本稿では、専従者が労務に従事した期間、労務の性質、他の使用人や同種・同規模事業者との比較、収益状況などにつき、過去の裁決例等を参考にしつつ否認を受けないための対策を検討する。また、経営状態が悪く未払いが累積している場合や専従者がパート労働をしているケースなど留意すべき事項についても検討する。
ネット取引に係る課税庁の対応と確定申告に向けての留意点 税理士・公認会計士
松澤  進
 最近、インターネットを通じたショッピングやネット・オークションでの売買をする人が増えている。こうした個人の取引は「税金のことなど無関係」と思ってしまいがちだが、ネットを通じた売買や広告収入が一定のラインを超えれば、当然、課税対象となってくる。事実、課税庁はネット取引の所得隠しに眼を光らせており、平成15事務年度では、1件当たり平均955万円の申告漏れ所得金額を指摘したという。そこで本稿では、ネット取引で生じがちな税務上の留意点を整理したうえで、トラブルを未然に防ぐ事前対策を提示する。
相続に伴う事業承継者の手続と確定申告の留意点 税理士
在原 一憲
 平成16年分の確定申告を見据えて、16年に発生した相続に伴う事業承継者に特有の確定申告事項を中心に、その留意点を確認する。事業承継者の留意点としては、所得税以外にも消費税に関しても注意が必要となることから、併せて検討を行う。また、これら申告に付随する申請・届出等の手続面での注意事項をも整理する。


法人税調査で増加する源泉税トラブルと否認の傾向 税理士
田添 正寿
 最近、総合調査あるいは全体の税収が上がらないためか、源泉税の調査が多いと聞く。雇用の形態の多様化があることも原因で、雇用か請負かでの判断、派遣労働者に対する役務の提供の対価や契約社員への手数料など、雇用や契約の状態によって源泉徴収義務があったり、なかったりする。また、最近の租税条約の改正で、アメリカの工業所有権の使用については源泉徴収しなくてよいこととなったが、海外との取引での源泉税も取扱いに変化があり注意が必要になっている。


中古資産の取得と改良・改修等に係る税務留意点 税理士
後藤 政則
 中古資産の取得、特に関係会社間で行う中古資産の売買では、その取得価額の適正性をめぐって税務署から目を付けられやすい。また、取得した中古資産に対して自社に適合するように改良・改修を行った場合には、資本的支出か修繕費か、という問題が待ちかまえている。そして、一定以上の資本的支出を行えば新品の取得とみなされ、減価償却に大きな影響を及ぼすことになる。このように中古資産の取得をめぐり発生する問題のうち、特に注意すべき事項について、設例を交えて検討する。


同族会社による役員借入金利息の肩代わりと課税関係(上) 税理士
松井 宏
 役員個人の借入金の利息を会社が払った場合、その金員は「役員賞与」とみなされる。しかし、これを「役員報酬」と認定した源泉税の納税告知処分は違法か否か? このことが争われた裁判で、1審、2審は「違法」と判断し納税者が勝訴したものの、最高裁は「年月・金額が一致する限度で適法」と判断、一転国側勝訴となった。本稿では、この事件のポイントを1審・控訴審・上告審を比較しながら詳細に検討していく。


損益通算規制対応! 資産譲渡に係る収益の認識とその留意点 税理士
田中 宏志
 16年度改正に係る土地・建物の損益通算規制や100万円控除廃止への対応策として、15年の契約・16年の引渡しのケースでは、収益計上時期を引渡ベースに基づいて申告することが可能である。では、この対応策を講じる場合には、どのような点で留意する必要があるのだろうか。引渡ベースに係る申告についての確認を行った上で、引渡ベースとすることで出てくるトラブルなど、留意したい点をピックアップして検討を行う。

ケーススタディ 相続時精算課税制度の安全・確実な活用法 税理士
守田 啓一
 財務省から発表された「平成15年分相続時精算課税制度に係る贈与税の申告実態調査」により、精算課税制度が多くの人に活用されたことが明らかになった。本稿では、精算課税制度に関する基礎知識を有することを前提に、安全・確実に精算課税を実行するうえで気をつけておきたいポイント(遺留分、予想を超えた資産価格の変動リスクなど)を指摘し、その対策を示す。また、併せて、役員退職給与の支給と精算課税制度を利用した同族株式の贈与を組み合わせた活用法を紹介。

 
評価減額を引き出すための不動産鑑定評価の活用策 税理士・不動産鑑定士
下崎 寛
 税理士が評価の現場にあって、不動産鑑定士の手法を加味すると、より大きな減額を行い得るケースがある。そのためには、税理士は、鑑定士とどのように付き合い、また鑑定評価をどのように扱うべきなのであろうか。鑑定士・税理士の資格を持つ筆者が、その勘所を解説する。


非営利法人に対する特定収入の特例とその実務留意点 税理士・公認会計士
築地 宏明
 簡易課税選択の判定基準が引き下げられたことによって、今後、本則課税を採らざるを得ない非営利法人が増えることが予想される。消費税法60条に定める非営利法人に対する特例のうち、本則課税に特有な概念である特定収入については、消費税法上の規定が非常に複雑であるために、その取扱が難しいものとなっている。本稿では、実務上、十分な理解が不可欠である特定収入の特例に関する留意点を検討する。

 
特定の相続人に死亡保険金の受取りと特別受益をめぐる問題 弁護士森田 茂夫
弁護士榎本 誉
 ある一人の相続人が、被相続人の死亡保険金を独占してしまった場合、この保険金は「特別受益」になるか否か。これに関してこのほど最高裁は、「特段の事情がない限り、相続財産に加えるべきではない」との初判断を示した(最判平16.10.29)。問題は、「特段の事情」、つまり他の共同相続人との間に著しい不公平が生じる場合とはどの程度かということだ。本稿では、相続における死亡保険金の原則的な取扱いを概説した上で、本判決で示された判断の意義を検証し、今後の実務における留意点を探っていく。


婦人服販売業のモデル利益計画 中小企業診断士
平村 一紀
 長引く景気低迷、海外製品の台頭、大型・チェーン店の増加など、婦人服販売店の経営環境はめまぐるしく変化しており、難しい舵取りが迫られている。本稿では、駅から徒歩圏内の住宅街に位置する店舗をモデルに、「不良在庫の増加傾向」「固定的な人件費負担」「客数のばらつき」といった問題点への対応策を紹介し、質の高いサービス実現への処方箋を示す。





 ・ポイント・オブ・ビュー
  政府税制調査会特別委員 尾崎護氏に聞く

 ・税理士事務所みてある記
  税理士法人川原経営(東京都中央区)

 ・好調関与先にはワケがある!
  株式会社カネコ(愛媛県宇和島市)/山中勝雄税理士(四国税理士会宇和島支部)

 ・クローズアップ税務争訟
  「ソフトウエア使用料の国内源泉所得該当性」/朝倉洋子

 ・クマオーの消費税トラブル・バスター
  「届出書の履歴には、要注意!(2)」/熊王征秀

 ・法律問題ワンポイント・レクチャー
  「テナントに泥棒で、オーナーの責任は?」/服部弘

 ・金融機関との上手な付合い方実践編
  「非財務項目のココがチェックされる」/甲賀伸彦

 ・医療法人制度の最新事情
  「自治体病院の管理運営委託~指定管理者制度と税務」/東日本税理士法人

 ・改正税理士法理解→実践のステップアップ/近藤新太郎

 ・新時代の中小企業会計
  「会計」と「税務」の違いを認識する!/長岡勝美

 ・実務の焦点
  「譲渡担保の税務と留意点」/松浪昭二
  「減資に係る企業会計と税務の相違」/辻富世

 ・税務会計相談コーナー
  「国外で勤務していた場合の外国税額控除の計算方法」(所得税関係)/近江修
  「土地の無償返還届を出している場合の株式評価」(資産税関係)/渡邊正則
  「市場価格のない株式の減損処理」(会計関係)/波多野直子

 ・租税訴訟裁判への扉
  「文書提出命令と守秘義務」/藏重有紀

 ・ケース・スタディ 多税目取引の落とし穴~税目違えば、扱い変わる!
 ・ 私のKeyword/松浦薫税理士の休日/望月光男

 ●巻末付録
  税務情報平成17年度税制改正大綱(自由民主党、公明党)
  平成17年度税制改正の大綱(財務省)
  会社法制の現代化に関する要綱案(法制審議会会社法(現代化関係)部会)
 ●別冊付録
  平成16年分所得税・消費税等・贈与税の申告実務

2,581円
年頭所感
国民・納税者の信頼に応え得る税理士制度を確立/日本税理士会連合会会長 森 金次郎
メリハリのある税務行政の推進/国税庁長官 大武 健一郎
審判所の使命達成に向けて/ 国税不服審判所長 春日 通良

巻頭論文
税務行政のスリム化で表れる変化と税理士業務への影響/国士舘大学教授 本庄  資

特集  短期・付随的な業務の受任・実行における専門家責任
スポット的業務での着手・実行・終了時の留意点/植木 康彦
所得税の確定申告業務のみの受任/岸  生子
法人税の確定申告業務のみの受任/中田 研二
相続税申告の受任と相続人・財産の確定/藤山 浩泰
譲渡特例等の適用と選択判断/土屋 栄悦
節税策の提示・提案/清水 謙一
添付書面の作成・提出/林  仲宣
中小会社会計基準チェックリストの添付/上西左大信
更正の請求、不服申立て、補佐人の受任/岡田 利夫
成年後見の受任/田添 正寿
会計参与の受任/松山  遙

所得税実務
 平成16年分確定申告のチェックポイント/松木 昭和
 事例から探る個人事業者に対する交際費関連費用の留意点/久保田和子
法人税実務
 契約の締結に伴い支払われる金銭の授受における税務留意点/岡崎 和雄
 実務で注意したい個別評価による貸倒引当金繰入れのポイント/塩島 好文
会社の税務
 減損会計の導入と税務に与える影響/神門  剛
評価実務
 改めて検証する広大地の通達改正と今後の実務対応/森田 義男
 特定路線価を活用した評価減とその実務手続/笹岡 宏保
経営実務
 今すぐできる! 関与先のための経費削減チェックポイント/長谷川 勇
利益計画
 ビルメンテナンス・清掃業のモデル利益計画/榊原 健男

コラム・連載
ポイント・オブ・ビュー/田中 弥生氏に聞く
税理士事務所みてある記/生駒  学 税理士事務所
好調関与先にはワケがある! (有)世田谷健友館/髙﨑 英彦 税理士
【新連載!】クローズアップ税務争訟/「寄附金」山本 守之
クマオーの消費税トラブル・バスター「届出書の履歴には、要注意!」/熊王 征秀
法律問題ワンポイント・レクチャー「告発記事を書いたら名誉毀損に当たる?」/菅原万里子

巻末付録 税務情報(平成17年度の税制改正に関する答申)
別冊付録 [新様式対応]相続税申告書作成ハンドブック
1,739円
巻頭論文
所得税制の改革と財政制度の役割分担
早稲田大学教授 馬場 義久
 平成17年度税制改正論議において、定率減税の縮小をはじめ所得税の減税制度についての見直しが行われている。平成元年の消費税の導入以来、間接税へ負担を移行する政策がとられていたが、ここにきて所得税に負担を多く求めるようになってきたのは、何故であろうか。国家財政の建直しや社会保障負担を含めた国民負担の構図から、所得税負担増の方向とその良否を検討する。

時局論説
会計専門職大学院の開校に向けた動きと今後の課題
青山学院大学教授 鈴木 豊
 平成17年4月のアカウンティングスクール(会計専門職大学院)の開校に向けて、現在10校で準備が行われている。この大学院は「会計分野に関する専門職大学院で広義の会計専門職を養成する教育機関」とされている。カリキュラム等会計専門職大学院の特徴を紹介するとともに、税理士は会計専門家としてこの機関をどのように利用、活用できるかをガイダンスするもの。


税務研究
法令解釈通達等の適用日をめぐる問題と税理士の対応
税理士 坂部 達夫
 平成16年6月4日付の「財産評価基本通達の一部改正」において、広大地の評価方法が大幅に変更された。この改正によって最大55%の減額が適用できることとなり、従来の通達による評価よりも格段に有利になる。ところがこの通達は、発出日から半年遡って「平成16年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価」に適用する旨が明記されており、平成15年以前に相続が発生した場合と比べると、課税標準・税額に大きな差異が生じてしまうことになる。当然、従来方式により評価せざるを得ない者からは、不満の声が上がることになろう。そこで本稿では、税務通達と租税法律主義の関係を明らかにしながら、通達等の適用日をめぐる問題を考察していく。



特集
実務で目立つ租税手続上のトラブルとその原因分析
 税務を取り扱う者にとって租税手続は必要不可欠な規定であるわけだが、納税者サイド、そして税務行政庁でも租税手続を踏まえないことによるトラブルが多発している。こうしたトラブルは、行為の認定が難しいことに加え、納税者側が国税通則法等の租税手続の理解不足であるという側面も見られる。そこで、租税手続上のトラブルが起こりがちな事項について、手続の仕組みとトラブルが発生する原因を研究し、その回避策を検討していく。
増加する租税手続法上のトラブルへの対応 筑波大学大学院教授
品川 芳宣
1. 租税手続の法理は争訟段階のみではなく、申告・調査時こそ重要になる。
2. 国税通則法と個別税法との関係を理解することが必要である。
3. 徴収手続を軽視すると重大な過誤につながる。
4. 加算税は行政制裁の法理との関係を重視すべきである。


納税地の判定、税務書類の送達・受領をめぐるトラブル 税理士
角田 益雄
1. 各税法は納税地について定めるが、具体的にはどこが納税地となるのか検討が必要である。
2. 納税申告書や異議申立書の送付先は、国税通則法において「現在の納税地」と定められている。
3. 納税地が異動した後の納税申告書や異議申立書の送付先も、国税通則法において「現在の納税地」と定められている。
4. 税務署長からの納税義務者への書類送達先は、必ずしも納税地と一致していない。


期間・期限をめぐる税務トラブル 税理士
岡崎 和雄
1. 期間の計算においては、初日は算入されず、最後の月に応当日がない場合は、その月の末日に期間が満了する--など始期・終期等期限で留意すべき点がある。
2. 贈与による土地の取得の時は、公正証書による贈与契約成立の時ではなく、登記が行われた時である。
3. 前期の売上取引に係る商品の返品による損金については、事後的事由に基づく更正の請求は認められない。
4. 期限内申告に対する更正は、仮にその後修正申告があった場合であっても、法定申告期限から3年を経過した日以後は行うことができない。
5. 付帯税(加算税等)の徴収権の時効は、本税に係る訴訟の提起により中断されることはない。


修正申告の慫慂をめぐるトラブル 税理士
松井 宏
1. 修正申告の提出は納税者の自由意思によりなされる行為であり、行政庁の処分ではないとされる。
2. 修正申告の慫慂の状況によっては、納税者の真意によらない修正申告の提出が行われる場合もあり、その租税債務の存在をめぐって争いが生じる。
3. 租税債務の不存在確認においては、その修正申告が納税者の真意であったか否か、修正申告の慫慂が脅迫的なものであったか否か--等が判断材料になる。
4. 税務代理に当たっては、争点となっている事項は十分に知悉し、納税者の主張、担当税務職員の判断を租税法及び事例に応じた先例となる判例を十分に検討すべき責務がある。


更正を予知した修正申告か否かの判断 税理士
杉田 宗久
1. 納税者の自発的な修正申告の促進等を期待し、修正申告の提出が、調査があったことにより更正があるべきことを予知してされたものでないときは、過少申告加算税が課されない。
2. 非課税の要件は、「調査があった」という客観的事実と、「予知していた」という納税者の主観によるので、判断が困難な場合が多い。
3. 実務的には、調査開始後の修正申告の提出は更正の予知に基づくものと推定され、そうでない場合には納税者が立証する必要がある。
4. 書面添付制度の意見聴取において、個別具体的な非違事項の指摘があった場合には、その後の修正申告について過少申告加算税は非課税とされない。


更正の請求の可否をめぐるトラブル 税理士
千田 喜造
1. 通常の「更正の請求」と後発的事由による「更正の請求」の違い(期間、要件等)を把握する。
2. 後発的事由による「更正の請求」は、その項目が限定的に列挙されており、その射程距離は狭いということを覚悟しておく。
3. 手続法における更正の請求と各実体法における更正の請求の内容、期間をそれぞれ整理して理解する。


更正の期間制限と「偽りその他不正の行為」をめぐるトラブル 税理士
上西 左大信
1. 更正の期間制限の規定(通則法70)は、当該条文の理解のみでなく、更正等の規定(通則法24以下)、徴収権の消滅時効等の規定(通則法72以下)、個別税法における期間制限の規定(相法36等)、個別税法における罰則規定(所法238の1等)及び附帯税(通則法60以下)との関連においても理解しておく必要がある。
2. 国税通則法70条5項の「偽りその他不正の行為」は、重加算税に係る規定である同法68条の「仮装隠ぺい」とは異なる概念である。
3. 「偽りその他不正の行為」により国税を免れた場合等の更正等があったときは、延滞税計算期間の特例(軽減措置)は不適用となるが(通則法61)、重加算税の課税要件を満たした場合には、重加算税の対象となった部分についてのみ不適用となる。
4. 国税通則法70条5項の「偽りその他不正の行為」と個別税法の「偽りその他不正の行為」とは、規制目的が相違することから、その適用面では相違した運用がなされている。


納税の猶予・延納等の可否をめぐるトラブル 税理士
西澤 博
1. 〔納税の猶予〕 納税の猶予の申請は、納期限(修正申告書の提出日)までとされているので、納付計画を早期に検討する。猶予期間は、1年(その延長と併せて2年)とされているので、その判断に資するために資金繰表を作成する。
2. 〔相続税の延納〕 延納申請書の提出は、納期限までとされているので、金銭納付、延納、物納のいずれを選択するかを早期に決める。延納申請書には担保関係書類を添付することになっているので、添付できないときはその事情を説明し、申請書は期限内に提出する。延納税額を支払えなくなった場合は、延納条件の変更を申請するかた、早期の納付方法の弁明に努める。
3. 〔換価の猶予〕 換価の猶予は、税務署長の職権により行われる制度であるため、その発動を促すための分納の申立てに努める。猶予期間内(延長を含め2年)に完納できない場合は、納付委託の活用、事実上の分納方の申立てをする。延滞税の半免をしてもらうため、換価の猶予のための担保の提供を検討する。


各種加算税の賦課に対するトラブル 税理士
秋葉 武
1. 国税通則法の解釈については各種加算税の取扱通達等はあるが、賦課関係条項に対する有権解釈が明らかにされていないためトラブルが多い。
2. 情報公開で明らかになった平成12年7月3日付の事務運営指針は、昭和20年代以来の公表であったが、重加算税の隠ぺい又は仮装については、事例を挙げるのみで理論的解釈に触れていない。
3. 最もトラブルの多い重加算税については、(a)「隠ぺい又は仮装の行為(故意の要否)」とは何を意味するか、(b)つまみ申告について、あるいはことさら過少に申告するとは、(c)棚卸資産の計上漏れ、(d)第三者の仮装又は隠ぺいについての行為の主体が納税者に限定されない(替え玉理論)等の問題がある。


延滞税・利子税の賦課に対するトラブル 税理士
山田 修
1. 延滞税の額は、原則としてその法定納期限の翌日から、その国税を完納する日までの期間の日数に応じ、未納税額に年14.6%を乗じて計算した額である。ただし、一定の期間については延滞税の割合の特例により、平成14年1月1日から平成16年12月31日までは、年4.1%となっている。なお、利子税(相続税、贈与税を除く。)についても同様の取扱いがされている。
2. 法定申告期限から1年を経過する日後に修正申告又は更正があった場合等には、1年を経過する日の翌日から修正申告又は更正通知書が発せられた日までの期間について延滞税は免除される。
3. しかし、重加算税を課された場合、重加算税の対象となった本税については、この特例の適用がないため全期間延滞税が課される。
4. 地方税についても延滞税と同様に延滞金が課される。
5. 一定の条件により納期限の延長が認められた国税については、それぞれ延長された期間に応じ利子税が課される。


一税目の課税に関連した課税に対するトラブル 税理士・公認会計士
八ツ尾 順一
1. 重加算税の賦課決定については、法人税で重加算税がかけられた場合、原則として、認定賞与については重加算税は課されない。
2. 不正事実に対して、所得税又は法人税で重加算税が課された場合は、それに影響する消費税については重加算税が課される。
3. 重加算税が課せられた場合、地方税である事業税については、自動的に重加算金を課することになっている。
4. 延滞税の計算の特例における「偽りその他不正の行為」の要件が一片の通達によって歪められている。
5. 不動産管理会社に支払った管理料が過大であると所得税法157条が適用されて、支払管理料の一部が否認された場合であっても受け取った側である法人の収入金額は減額されない。


第二次納税義務・連帯納付義務の責任の範囲 税理士
中島 孝一
1. 連帯納付義務とは、租税(国税及び地方税、以下同じ。)を連帯して納付する義務をいい、国税通則法・国税徴収法・相続税法等に規定されている。
2. 第二次納税義務者が本来の納税義務者に対する課税処分の違法性を争うことは困難な状況にあったが、東京地裁平成16年1月22日判決では、第二次納税義務者の権利救済が実質的に保護される判断が示された。
3. 相続税の連帯納付義務は期限に関する規定が設けられていないため、他の共同相続人がすべて納税義務を履行するまで納付が発生しうる不安定な状態が継続する。
4. 相続税の延納の許可があった場合には、連帯納付義務を免除すべきである。


税務における代理行為をめぐるトラブル 税理士
益子 良一
1. 代理行為に係る発生原因は3パターンに類型化できる。
2. 無権代理なのか、追認して有効な代理行為になるのか、表見代理なのかの事実認定が重要である。
3. 代理人は、説明責任を果たさないと債務不履行等の問題が生ずる可能性がある。
4. 嘆願書や事実申立書の証拠としての重みを考える必要がある。
5. 課税庁は修正申告について慫慂という名の強要を行うべきではない。


不服申立てをめぐる手続トラブル
1. 期間の起算日の判定や書類の提出時期は、相当の配慮が必要である。
2. 「国税に関する処分」であるか、「不服申立ての利益」はあるか等について、事前準備の段階で入念に検討を行う。
3. 不服申立前置主義を有効に機能させるためにも、税理士等の国税審判官の任命が望まれる。
4. 執行の不停止による納税者のデメリットを考えて対応する必要がある。






源泉税実務
Q&A 平成16年分年末調整の実務ポイント
税理士 三好 毅
 今年分の年末調整で気をつけたい点と、実務上のポイントを解説する。特に年度改正に伴って注意したい配偶者特別控除の部分的廃止等を確認しながら、実務留意点を探っていく。

所得税実務
否認事例から探る「資力喪失」状態の立証ポイント
税理士 清水 ふみ代
 債務弁済のための資産譲渡に係る所得の非課税措置(所法9の10)や保証債務特例(同法64)の適用において、「資力喪失」要件が定められている。昨今の経済状況で、これらの適用が増加しているが、それに比例して「資力喪失」に満たないとの認定による否認事例も増加している。
  そこで、否認事例、それも非公開事例を紐解きながら、資力喪失状態の見極めをつけにくい状況とはどのような場合か、そしてその分水嶺はどこにあるのかを探ると共に、これら特例を適用する際に提出することとなる疎明資料の作成テクニックを探る。

タンス株特例期限切れ間近で再確認する新証券税制の注意点 税理士
宮森 俊樹
 新証券税制のうち,タンス株の特定口座受入れの期限が年末に迫っている。
  新証券税制は、税理士の実務というよりは、証券会社に一任という捉え方もされているようだが、税理士でなければできないチェックポイントもあろう。
  そこで、16年分確定申告も控えたことを踏まえて、新証券税制のうち税理士が積極的に指導すべき項目、税理士が間違いやすい項目等をピックアップし解説を行う。


法人税実務
連結納税等に伴う時価評価で注意したい実務ポイント
税理士・公認会計士 石原 幹郎
 非適格組織再編、連結納税、会社更生法適用の際には、資産の時価評価や評価替えが求められる。この時価評価をめぐって、今年度改正で減価償却資産や繰延資産に対して所要の措置が講じられている(法令31の5、法令48の3・法法32の7、法令64の2)。
  そこで、本稿では、冒頭に再編企業等のモデルを設定し、その改正に伴う減価償却資産等の時価評価のポイントと、それ以外の資産でも気をつけたいの時価評価の注意点を、資産ごとに数字を織り込みながら時価評価算定を行うことにより、税務上で注意すべき点等について解説する。


会社の税務
保険金を原資にした役員退職慰労金の支給と否認回避策
税理士 松浦 宜子
 保険金を原資として役員遺漏退職金を支給する手段は一般的といってよい。実務では、どのような種類の保険を活用するかという問題から、支給額まで広い対応が求められる。
  そこで、税務署による否認要因をピックアップしながら、税理士が知っておきたい必要最低限の知識を検討する。

 
資産税実務
親族間取引に対するみなし贈与の認定回避策 税理士
宮本 恵子
 相続税法7条のみなし贈与規定は、親族間取引において著しく低い価額で譲渡がなされた場合には、時価との差額に対して贈与認定を行うものである。先頃、みなし認定処分が行われた取引に対して、全部取消しとする裁決がなされた。そこで、本規定をさらいながら、本裁決事例を検討することによって、みなし贈与の回避策を探っていく。

相続対策
相続分の譲渡を用いた資産の継承 税理士
山田 俊一
 民法においては、905条で「共同相続人の一人が分割前にその相続分を第三者に譲り渡したときは、他の共同相続人はその価額を償還してその相続分を譲り受けることができる」とあり、相続分の譲渡があることを予定している。相続分の譲渡が可能であれば、相続権を持ちながら相続財産を承継しないことを選択する相続放棄ではなく、対価を得て相続分を他者に譲ることができることになる。相続分の譲渡が相続問題を解決する例をあげて、その場合の譲渡による実行が法的に可能か、また譲渡した場合の課税関係はどのようになるか、を検討するもの。

評価実務
「周囲の状況」が土地の評価に影響するケースと評価のポイント 齊籐 忠彦
 最近の財産評価基本通達の改正で広大地の評価方法が大幅に変更されたが、広大地の判定に際して、いわゆる「マンション適地」は広大地に該当せず、原則として容積率300%以上の地域との考え方が国税庁情報により明らかにされた。また、「市街化調整区域内の雑種地」について、比準する地目の判定としんしゃく割合も公表された。これらはいずれも「周囲の状況」により減額割合が異なったり、適用そのものができないというものだ。そこで本稿では、マンション適地、市街化調整区域雑種地のさまざまなパターンを見ながら、周囲の状況が評価に与える影響と判定のポイントを探っていく。

法務と税務 
農業等で増加する任意組織をめぐるトラブルとその対応 税理士
山本 晋也
 農家が行う直売所等に対する税務署のチェックが厳しくなっている。こうした人格なき社団・任意組合などの任意組織は、農業関連に関わらず税理士の関与が少ないことから、法務・税務の手続きが疎かになっていることがトラブルを誘因しているともいえよう。
  また、これら任意組織は、今後、税理士の関与先ターゲットとなることも想定される。
  そこで、任意組織をめぐるトラブルを介して、その法務上の留意点(両者の違い、法的要件等)を踏まえた組織形態の選択ポイントや、それに対応する税務上の留意点、そして関与後の指導をいかに行うか等につき、検討をする。

利益計画
保育所のモデル利益計画 中小企業診断士
池田 しのぶ
 女性の社会進出に伴って保育所へのニーズは高まるばかりである。また、少子化対策の一環として、行政サイドからも保育所支援の動きも活発化している。このように社会からの高いニーズがある保育所であるが、一方で、利用者のニーズそのものが多様化しており、それに合わせて保育所もサービス・支援機能を充実することが求められている。本稿では、これらの現状を踏まえたうえで、社会福祉法人が経営する保育所をモデルに、効率性の向上、多様なサービス提供、他の施設との差別化について解説する。




連載・コラム
ポイント・オブ・ビュー
(株)日本総合研究所調査部長湯元健治氏に聞く

税理士事務所みてある記
下地盛栄税理士事務所(東京都国分寺市)

好調関与先にはワケがある!
シーピー加工株式会社(埼玉県川口市)/堀江國明税理士(関東信越税理士会東松山支部)

検証! 非公開裁決
「後発的理由による更正の請求」/田代行孝

クマオーの消費税トラブル・バスター
「アフターケアを忘れずに!」/熊王征秀

法律問題ワンポイント・レクチャー
「遺産分割協議書の作成」/服部弘

金融機関との上手な付合い方
「民間金融機関の『融資制度』とは」/甲賀伸彦

医療法人制度の最新事情
「国税庁への照会で触れていない 出資額限度法人の課税関係」/東日本税理士法人

改正税理士法理解→実践のステップアップ/近藤新太郎

税理士事務所のIT戦略 塩見哲/神田祐二

実務の焦点
「給与・外注費の取扱いと留意点」/塩島好文
「留保金課税の適用除外」/在原一憲

税務・会計相談コーナー
「デット・エクイティ・スワップの会計・税務処理」(法人税関係)/宝達峰雄
「不動産売買時に行われる未経過固定資産税精算の取扱い」(資産税関係)/伊藤正彦
「退職給付会計における簡便法から原則法への変更」(会計関係)/波多野直子

租税訴訟裁判への扉
「判決の種類」/藏重有紀

ケース・スタディ
多税目取引の落とし穴~税目違えば、扱い変わる!

私のKeyword/湯川和税理士の休日/中里昌弘

巻末付録税務情報
・「平成16年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」
の一部改正について(法令解釈通達)
・「平成16年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)
・ e-文書法案の概要ほか
別冊付録Ⅰ
・ 平成16年総索引
別冊付録Ⅱ
・ 租税判例の回顧(平成15年下半期)

1,362円
税務訴訟の最近の傾向と補佐人の役割 専修大学大学院教授
増田 英敏
  最近の租税訴訟の傾向は租税法の実体規定の解釈を争点とする質的に高い事例が多く登場している。租税訴訟は納税者の権利救済に不可欠であり、租税訴訟の活発化は納税者の視点からすれば歓迎すべきであろう。
  この租税訴訟に補佐人として積極的に関与することが、税理士に強く求められている。税理士が租税法専門の法律家として真価を発揮する絶好のチャンスであるといえよう。本稿はこの視点から租税訴訟における補佐人税理士の役割を検証する。


特定同族会社株式特例の100%活用法
 中小同族会社の事業承継円滑化政策として、平成14年に設けられた「特定同族会社株式特例」。導入当初は、厳格な適用要件や節税効果の低さなどから、活用を見送る実務家が大半であった。が、平成15年、16年と連年で制度改正が行われ、格段に使いやすい制度になったといわれる。とはいえ、まだまだ適用要件は複雑・難解を極めており、特例の適用に二の足を踏んでいる税理士も少なくないだろう。
  そこで本特集では、特定同族会社株式特例の仕組みや申告書の作成方法を完全解説するとともに、適用における選択判断をパターン別に検討し、特例活用によるトラブルの未然防止策を提示する。
相続対策における特定同族会社株式特例の活用スキーム 税理士
平川 忠雄
1. 拘束性財産である自社株を有利に承継するためにも、特定同族会社株式特例の活用が重要となる。
2. その活用スキームの実行に当たっては、相続時精算課税制度を活用する特定受贈同族会社株式特例を用いる場合には、いつ、誰に、どの程度の贈与を行うかを、特例の適用要件を確認の上、チェックシートと免責協定の策定を踏まえて行うことが肝要となる。
3. また、自社株を後継者に譲渡する手法を複合的に組み合わせることにより、特定受贈同族会社株式特例の要件をクリアさせる等の効果も生じる。
4. 本特例を有効的に活用することにより、後継者にインセンティブを与え、会社の業績アップにもつながる。


特例同族会社株式特例の仕組み 税理士
岩下 忠吾
1. 相続税は、相続等により財産を取得した者(人)と課税対象となる財産(物)との組合せで決まる。
2. 特定同族会社株式特例は、相続により取得した株式と精算課税制度による贈与により取得した株式の双方に適用がある。
3. 相続時精算課税制度による贈与分について本特例の適用を受ける届出書を提出している場合で相続の際に贈与分について本特例の適用を受ける部分については、小規模宅地特例及び相続により取得した同族株式の本特例適用に制限がある。
4. 特定同族会社株式特例には、遺産分割が済んでいること、取得者がその同族会社の役員であること、一定の書類を添付した相続税の申告書を提出すること等の要件が付されている。

特定受贈同族会社株式特例の仕組み 税理士
吉田 幸一
1. 相続時精算課税の適用を受ける贈与により取得した株式等についても本特例の適用が受けられる。
2. 本特例の適用要件等は原則として贈与の時において判定する。
3. 被相続人である特定贈与者の死亡に係る相続税の課税価格計算において減額が受けられる。

特定(受贈)同族会社株式の判定と申告書の作成方法 税理士
坪多 晶子
1. 相続時精算課税制度の適用を選択した特定受贈同族会社株式については、相続時に「特定同族会社株式特例」の適用を受けることができる。
2. 上記の適用を受けようとする相続人等は、その特定受贈株式の贈与税の申告書と同時に、税務署長に対し特例の適用を受ける旨等を記載した書類を提出する必要がある。
3. 特定同族会社株式特例の適用を受けるための計算明細には、当該株式の「贈与時の時価総額」と「相続時の時価総額」、及び「贈与時の1株当たりの時価」と「相続時の1株当たりの時価」のいずれもの記載が必要である。
4. 小規模宅地特例の適用も受ける場合は、特定事業用資産の特例の対象となる特定(受贈)同族会社株式等の調整限度額等の計算の記載に注意が必要である。

贈与時における特定受贈同族会社株式特例の選択判断 税理士
青木 恵一
1. 非上場株式等のうち、現在の株価が安く、将来株式の評価が大いに上がる場合には、贈与時に特定受贈同族会社株式特例の選択を検討する。
2. 現在は特定同族会社株式特例(措法69の5)の要件を満たしているが、相続開始時点では上場を予定するなど、その要件から外れることが確実な非上場株式等の場合には、贈与時に特定受贈同族会社株式特例の選択を検討する。
3. 経営権を早期に移転しておくことが望ましい場合に特定受贈同族会社株式特例を選択することも、経営権の委譲という観点から一案である。
4. 相続時精算課税制度の受贈財産は物納できない。物納を予定している非上場株式等は、相続財産として残しておく必要がある。

特定同族会社株式特例と小規模宅地特例の選択・適用判断 税理士
小林 良治
1. 特定同族会社株式特例における課税価格の軽減額が、平成16年度税制改正において1億円にアップした。これに加えて15年度改正により小規模宅地特例と特定同族会社株式特例との併用が認められており、両制度が併用可能なケースでは特例選択について検討が必要となる。
2. 特定同族会社株式特例を有効活用するためには、小規模宅地特例との損益分岐点を認識し、シミュレーションを行う必要がある。
3. 特定同族会社株式特例の適用のために、株式等の適正な評価が求められる。

相続株式・受贈株式・小規模宅地の調整適用と有利判断 税理士
小林 良治
1. 平成15年度税制改正において、相続時精算課税制度により生前に株式等の贈与を受けた場合であっても特例適用は可能となっており、特定贈与者の相続開始時において株式等の価額が受贈者の相続税の課税価格に算入される際には10%減額の適用を受けることができる。
2. 小規模宅地特例との選択・併用適用に関しては、相続開始時において有利判断が行われることから自社株の評価額推移、あるいは宅地等の評価額推移をある程度総合的に予測した上で株式等の贈与を絡めた有利判断を行うことが重要になってくる。
3. 相続開始時において自社株の評価額の増加が予想され時価総額20億円を上回ってしまう可能性がある等、特定同族会社株式特例を受けるための要件を満たさない場合には評価時点のタイミングを上手に利用し、相続時精算課税制度を利用した生前贈与の活用を考えた対策を行うことも得策となる。


特例選択・適用の陥りがちなミスとその回避策 税理士・公認会計士
徳田 孝司
1. 改正により特定同族会社株式特例適用の判断基準が大きく変わった。
2. 小規模宅地特例により有利になるケースが多くなる。
3. 調査等により結果として不利な選択・適用をしているリスクがある。
4. 税理士に責任が及ばないよう、納税者に対してリスクの内容等を十分説明する必要がある。

特例適用における実務の疑問点 税理士
小池 正明
1. 平成16年度改正において、いわゆる2分の1超株式保有要件は、被相続人を中心として相続開始の前後で判定することとされた。
2. いわゆる20億円未満要件は、平成16年度改正において、特定受贈同族株式等について特例の適用を受ける旨の届出をしなかったものも含めて判定することとされた。
3. 特定受贈同族株式等の場合は、贈与時において判定すべき要件と相続時において判定する要件に分かれるが、贈与時の適用要件が相続時には該当しないこととなっても原則として特例の適用に影響しない。




特別解説   君塚 明宏
  神永 隆行
外形標準課税に係る申告書作成の留意点
 平成16年4月1日からスタートした法人事業税の外形標準課税。これまでの法人事業税とは異なる課税標準(付加価値額及び資本等の金額)を用いていることから、申告書も新たに数種類作られており、記載内容もこれまでの法人事業税のものとは異なっている。本稿では、記載実例を紹介しながら、申告書記載に当たっての留意点等につき解説する。






関係会社へ業務を委託する場合の税務留意点 税理士
長野 匡司
  企業が関連会社へ業務を委託する場合に、委託料が過大または過小であるとして、税務調査で争われることがある。時価と認められる合理的な価額以上の委託料が支払われている場合は、過大部分は委託法人から受託法人への寄附金とされ、過小であれば受託法人から委託法人への寄附金となる。この時価とされる合理的な価額が、いくらかで寄附金課税されるか否かが決定されるが、人の派遣や、あるいは調査に基づいた研究の報告など、時価の判定が困難な場合はどのようにしたらよいのであろうか。法人から個人への委託で争われた事例を含め、時価の判定と委託料の支払等についての留意点を検討する。
社長保有の特許等に係るロイヤリティーに生じがちな留意点 公認会計士
神門 剛
 今日では、自ら保有する特許を基に起業する例も珍しくない。本稿では、企業の技術戦略の中核をなす特許権について、非公開企業を念頭に、そのオーナー経営者等が保有する特許を自社にライセンスするケースにおいて、実務上どのような点に留意すればよいかについて、(1)特許権を(経営者が)取得し、(2)自社へライセンスしてから、(3)最終的には自社へ譲渡するものとのフィクションを置き、これらの3段階における留意点を考察する。社長保有の特許等に係るロイヤリティーをめぐって生じるであろう税務トラブルを、法務を踏まえて検討する。

一括取得した土地・建物・附属設備等の対価区分 税理士・公認会計士
長岡 勝美
土地・建物・附属設備等の固定資産を一括で取得した場合、それらの対価区分を明らかにすることが税務上求められる。通常、売買時の契約書等に対価区分が記載されており、税務上もそれに従えばいいわけだが、これが明らかでない場合には、さまざまな手法が考えられる。土地・建物それぞれの適正価額を求め取得価額の合計額を按分する方法、消費税の逆算による方法、「建物の標準的な建築価額表」を用いて算定する方法……等がある。本稿では、これらの手法を法人・個人別に分けて検討し、実務上の諸問題を整理する。



社団・財団法人が注意したい消費税処理のチェックポイント 税理士・公認会計士
三上 清隆
  このところ、税務調査で公益法人の消費税が狙い打ちにされているという。公益法人の独特な消費税処理としては、特定収入がある場合の仕入れに係る消費税額控除特例の適用があるが、基本的な課税・非課税の判断が不能であるというケース珍しくないと、聞く。そこで、本稿では、特に財団法人・社団法人に焦点を当て、顕著なトラブルを紹介すると共に、どのような指導が必要か、また可否判断のチェックポイント等を検討する。

取得時効が完成した財産の相続における課税 税理士
遠藤 みち
 土地の境界が画然としていないことがまれにある。農地で境界としていたあぜ道が移動していたり、あるいは隣地との境界線の指標が隠れて判然としなかったり、あるいは戦後のどさくさにまぎれて人の土地をそのまま占有していたりする。こうして善意無過失の占有が10年、悪意でも20年続くと取得時効が完成する。民法では、時効を援用した場合その所有は占有開始にさかのぼっての所有となる。しかし、税法では、さかのぼっては課税期間をすぎてしまうことから、時効の完成の時期か、援用の時期か、あるいは裁判等で決定したときにされるが、明示規定がないことから取扱いが異なっている。民法の適用と税法におけるに取扱いの違い、さらに税法における判断の諸説を紹介する。

自動車整備工場のモデル利益計画 中小企業診断士
平村 一紀
 自動車販売数の伸びが鈍化し、総整備売上高が2年連続減少している自動車整備業界。加えて修理工場のフランチャイズチェーンが大きな伸びを見せるなど、まさに変革期にあるところだ。本稿では、ディーラー系や兼業事業者と比べ、苦戦を強いられている自動車整備専業事業者をモデルに、効率性の向上、新車対策に関する経営改善手法を提示する。





ポイント・オブ・ビュー 
横山 彰 中央大学教授に聞く

税理士事務所みてある記
三輪厚二 税理士事務所(大阪府大阪市)

好調関与先にはワケがある!
布川医院(東京都足立区)/安部勝一 税理士(東京税理士会豊島支部)



検証! 非公開裁決 
「小規模宅地等特例と更正の請求」藤曲武美

クマオーの消費税トラブル・バスター
「新規開業の日って、いつなんだろう?」 熊王征秀

法律問題ワンポイント・レクチャー 
「テナント付き中古ビルの購入に当たって注意すべきことは?」菅原万里子



金融機関との上手な付合い方 
「政府系金融機関の活用策」甲賀伸彦

医療法人制度の最新事情 
「特定医療法人における書面添付の必要性」 東日本税理士法人

改正税理士法ステップアップ 近藤新太郎

税理士事務所のIT戦略 塩見哲/神田祐治

実務の焦点
「労働者派遣に係る付加価値割の特例」岡崎和雄
「平成15年分に生じた純損失の金額の平成16年分の繰越控除」川島雅

税務・会計相談コーナー
「新株の交付を行わない分割の課税関係」(法人税関係)諸星健司
「特定の株主による増資の引受けと贈与税課税」/渡邉正則
「四半期財務情報の開示」(会計関係)/新井武広

租税訴訟裁判への扉
「訴訟における新たな事実の主張」藏重有紀ケース・スタディ 

多税目取引の落とし穴~税目違えば、扱い変わる!

私のKeyword/大石和弘

税理士の休日/河本明

1,938円
巻頭論文
会社法改正の動向と法人税制見直しの視点
桜美林大学教授
野田秀三
 会社法見直しの総まとめともなる会社法制の現代化に関する改正案の要綱がまとまりつつあり、改正の概要もみえてきた。これまで法人税法は、おおむね商法の規定に準じてその取扱いが手当てされてきた。そのため、今回の会社法の見直しに伴い、法人税制の見直しを求められるものが出てくることになろう。
  そこで、本稿では要綱案の計算関係、組織再編行為関係を中心に取り上げ、法人税制の見直しとその課題を検証した。


税務論文
第二次納税義務者の権利救済と今日的課題
専修大学教授
増田英敏
 ある者が納税義務を果たさず、滞納処分をしてもなお徴収すべき額に達しない場合には、その者と特殊な関係にある第三者が納税義務を負う。これを「第二次納税義務」というが、このほど、この規定をめぐって争われた事件で、注目すべき判決が下された(東京地裁平16.1.22)。これは、第二次納税義務者の不服申立期間の起算日は、①主たる課税処分が生じた納税義務者に告知された時か、あるいは②第二次納税義務賦課決定の納付告知書を受けた日か――が争われたもの。本稿では、本判決内容を評釈するとともに、第二次納税義務者の権利救済のあり方を論考している。


税務研究
会社分割における二重課税と実務上の留意点
公認会計士
中田幸康
 会社分割を行う場合、適格分割にすべきか否か――。現在の実務では、再編時のコストが低く済むことから、適格分割のほうが好まれているようである。そして、そのために、法人税法に定める要件をクリアすべく、多大な労力が費やされている。しかしながら、税負担につき、分割時における分割法人だけではなく、株主や分割承継法人を含めた企業グループ全体の視点から検討すれば、二重課税が生じる関係上、実は非適格分割のほうが有利であるケースが多いのである。本稿では、単純化されたモデルから非適格分割の有利性を証明し、併せて、分割時・分割後において税務上留意すべき点を指摘する。


座談会
計参与の創設の意義とその責任・義務
出席者
 弥永真生 筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授
 北原  直 全国中小企業団体中央会企画部主幹
 宮口定雄 日本税理士会連合会専務理事<司会>

 商法及び有限会社法等を含めた会社法の枠組みで、大きな改正がされようとしている。最低資本金の撤廃、有限会社の廃止などの改正の他に、譲渡制限会社における計算書類の公正性を確保する手段として、会計参与という機関を新たに創設し、主に中小会社の計算書類を取締役と共同して作成する責任を持たせることにした。この会計参与には、会計専門家として税理士及び公認会計士が就任することになっている。商法の機関として、税理士が会社の取締役と同等の義務・責任を持つことになる会計参与の創設の経緯、その業務と責任、さらには採用の現実性はあるかなどを、改正論議の中で大きな役割を果たしている三人にお話しいただく。



特集
強化される税務調査と税理士の対応
 景気は回復基調にあるものの、わが国の財政事情は、依然きわめて深刻な状況にある。そんな中で、ますます強化されているのが税務調査。平成12年に総合調査担当部門が新設され、従来の「税目別調査」から「税目横断調査」に移行。また同時期、「広域化・国際化・高度情報化」への重点調査が始まり、増え続ける赤字法人への調査も強化されていった。平成16年度の税制調査では、法人税の更正期間が従来の3年から5年へ延長され、より深く厳しい調査の実施が予想されている。
  そこで本特集では、こうした昨今の税務調査の実態を検証するとともに、関与先を守るために税理士としてどう対応していくべきかを探っていく。
逼迫する財政状況と強化される税務調査の因果関係 東京大学大学院教授井堀利宏
1. 我が国の財政赤字はこのままでは解消できない。財政破綻を回避するには、政府が裁量的に増税や歳出削減をすることが求められる。このうち、政府支出の削減のみで財政再建を図るのは容易ではない。
2. 日本の税制は一般的な課税ベースである所得税と消費税が中心であり、徴税システムも機能している。税収を上げる余力は残されており、この面からは財政破綻が現実化する可能性は小さい。ただし、90年代の税制改革で所得税の課税最低限が大幅に引き上げられた結果、多くの国民が所得税を払わない状況になっている。もし政治的圧力によって、こうした非課税となっている国民の既得権を擁護せざるを得ないとすれば、それほど増税の余力はない。
3. したがって、残された増税の手段として、徴税面で実務上の調査を厳しくし、結果として増収を図ることも有力な選択肢になる。
4. 特に、我が国のように税務当局が執行面で自由裁量の余地の大きな徴税体制を構築している場合に、従来以上に経費の計上を厳しく認定するなどして、徴税面から増収を意図する可能性は高いだろう。


法人税における更正期間の延長と税務調査への影響
税理士
鈴木修三
1. 法人の欠損金の繰越期間及び更正期間が5年から7年に延長された。
2. 法人税の構成機関が(欠損金を除き)年から5年に延長された。
3. 税務調査において、法人税以外のほかの税目が関わってきたときの処理方法があいまいである。今後の、課税庁の情報に留意したい。

総合調査の実態
税理士
菅原宣明
1. 総合調査部門は、国家公務員の定員削減という大きなテーマに対処するため、税務調査の効率性を追及する目的を持って誕生したと考えている。
2. 総合調査は、税目横断的な調査と従来の縦割り調査の弊害を排除した新たな調査手法の開発であった。平成12年7月に全国28署でスタートした総合調査部門が、現在49署に拡大している
3. 総合調査は、「究極の税務調査」と呼ぶにふさわしい調査手法である。それは、国税組織内にあるあらゆる申告書や資料情報等を集約して十分な分析ができるため「究極の事前審理表」を描くことができるからである。
4. 総合調査の一つの大きな考えは、相続税と法人税・所得税が表裏一体の関係にあると認識することであった。
5. 総合調査に対処するには、全税目の書面添付が最大の武器となるが、そのためには納税者の全幅の信頼が必要である。

広域化・国際化・高度情報化する取引への税務調査
明治大学大学院教授
税理士・川田剛
1. いわゆる3K(広域化・国際化・高度情報化)は、税務行政に大きなインパクトをおよぼしている。
2. しかも、それは質的な変化を伴うものである。
3. 当局は、調査技法の開発、人材育成を急務としている。
4. このような当局の動きに対応し、税理士サイドでも所要の対応が求められる。

連結納税法人への税務調査等
税理士
岩渕尚樹
1. 連結納税に係る税務調査は、連結親法人を中心に連結子法人についても同時に行われる。
2. 連結納税に係る税務調査では、連結親法人の所轄国税局・税務署が、その所轄外にある連結子法人の税務調査を行うことも想定される。
3. 連結納税の税務調査の対応として、今後は、関与税理士による連結法人グループ全体に対する認識の向上が必要である。

税務調査の緻密化・厳格化 審理事務の強化と税務調査への影響 税理士
本川國雄
1. 税務行政を取り巻く環境の中で、課税の均一性・透明性が求められ、機構再編により「審理事務」が強化された。
2. 恣意的課税は減少したが、原則的課税処理の強化により、納税者にとって新たな厳しい側面も出てきた。
3. 調査官と納税者の阿吽の呼吸(情)による課税処理から、理屈と証拠(理)による課税処理の時代になる。
4. 修正申告などの慫慂に応ずることは、救済権の放棄につながる。

赤字法人への税務調査
税理士
石飛博巳
1. 赤字法人の割合は約70%となり、過去最高の水準である。その中で、赤字法人の税務調査は、黒字法人に比べて確率的には5分の1程度ではあるが、全赤字法人の中でも約2%が毎年調査を受けている。
2. 調査を受けた赤字法人のうち、ニセ赤字法人が20%近くある。また、不正計算のあった赤字法人も20%を超え、赤字を隠れ蓑にしている企業の存在が指摘されている。
3. 赤字法人の調査ポイントは黒字法人と基本的に変わりないが、重点項目や時間配分、赤字原因の究明などで、赤字法人に対する調査の特徴があるため、十分注意しなければならない。


公益法人への税務調査
税理士・公認会計士
赤塚和俊
1. 公益法人に対する税務調査において、法人税では、収益事業の範囲について判断が分かれることがある。
2. 消費税に関しても、課税か非課税かの見極めが困難なことがある。
3. 寄附税制については寄附を受けた金品を本来事業の用に供することが必要である。
4. 固定資産税や事業所税にも公益法人特有の問題があるため、注意を要する。

地方税の調査
税理士
出岡伸和
1. 償却資産に対して課税する固定資産税は、納税義務者の申告によって課税客体を把握し、申告された課税資料に基づき賦課決定を行うものであるため、実地調査が重要な行為となっている。
2. 償却資産の実地調査において、附帯設備と家屋の区分は重要なポイントである。平成16年度の地方税法改正により、家屋の所有者以外のものが平成16年4月1日以後に事業のために設備等を取り付けた場合、取り付けた設備に係る固定資産税については、「取り付けた者が納税義務者」となることができる取扱いが新たに設けられた。
3. 外形標準課税における付加価値割の課税標準は、法人税と異なる課税標準であるため、都道府県による独自の調査が展開されることが予想される。
4. 外形標準課税における付加価値割の計算に当たり、別表の作成、計算書類の整備など会社の事務負担が増加するため、事前準備を行う必要がある。

書面添付制度の利用と税務調査
税理士
西村公克
1. 書面添付制度の本質は、税理士法第1条の社会公共的使命を具現化したものであると同時に、税務行政の効率化、円滑化に繋げようとしたものである。

2. 書面添付制度は、税務の専門家である税理士にのみ付与された権利である、税理士が主体的に本制度の普及・定着に向けた施策に取り組むべきものである。
3. 書面添付制度の普及には、税理士と税務官公署との信頼関係がカギになる。

重加算税の賦課
税理士
内川澄男
1. 国税庁発表の法人税等の課税事績によれば、実地調査を行ったもののうち、約2割近くのものが不正計算を行っている旨の報道がある。
2. 不正計算の手段としては、所得税や法人税等所得課税の場合、売上除外、架空原価の計上といった不正計算のほか、いわゆる「つまみ申告」と呼ばれるものによることも多くみられ、相続税のような財産課税の場合、課税財産の隠匿などが中心である。
3. 各税目について、課税庁における重加算税の取扱い(事務運営指針)が公表されているので、税務調査を受ける場合、事前にこの取扱い基準を確認しておくとともに、裁判や判例での重加算税の賦課事例、取扱事例などを検討しておくことも必要である。
4. 重加算税の賦課決定がなされているような場合には、隠蔽・仮装の具体的事実の説明を求め、納得ができない場合は不服申立てをすることまで考えるべきである。




新法令解説
葉玉匡美
山本憲光
電子公告制度の導入のための商法等の一部改正の概要
「電子公告制度の導入のための商法等の一部を改正する法律」が第159通常国会で成立した。同法は、株式会社の公告方法について、電子公告という方法によることも認めるとともに、債権者保護手続を合理化し、また、会社等に公告の義務を課す理由が乏しいと考えられる公告についての公告義務を撤廃することを内容とするものである。本稿では、同法の立案担当者が、その概要を解説する。





事例研究
返済期限到来前の保証債務の履行と譲渡特例適用の可否
税理士
木島裕子
 巷間、「景気回復」基調がいわれる中、相変わらず中小企業の資金繰りは厳しい状況にある。こうした状況下、赤字企業の代表者がその個人資産を処分して借入金を返済することも珍しくない。また、金融機関が不良債権の処理を進める過程において、こうした代位弁済を迫るケースも後を絶たないと聞く。
 このような場合に、所得税法64条2項による非課税規定の適用の可否が問題となってくるところだが、従来はこの要件がきわめて厳格に解釈され、この特例の適用が受けられない場合も多々見受けられた。こうした状況を踏まえ、平成14年12月には、保証債務の特例における求償権の行使不能の判断基準が公表されたが、依然その適用の可否をめぐってはトラブルも多い。本稿で取り上げる裁判例は、こうした不明確な同法の適用解釈について、裁判所が実務上重要な指針を示して、納税者が勝訴(確定)した事案である。

所得税実務
改めて整理しておきたい損益通算・繰越控除の留意点
税理士
秋山典久
 平成16年度の税制改正で、長期譲渡所得の損益が他所得と通算できなくなった。この改正の成立は、3月末であったが、適用は遡及され、今年1月1日からの適用とされている。この規制で、譲渡所得の損失が他所得と通算できなくなったことは良く知られてきたが、他所得の損失が譲渡益と通算できなくなったことはあまり知られていない。さらに、前年の事業所得の純損失の繰越と今年の譲渡益なども通算できなくなるわけで、かなり影響が大きい。こうした損益通算への影響を様々なパターンで紹介する。また、譲渡契約を前年にしていた場合、修正申告ができるということもあり、この事情も合わせて記述する。


法人税実務
横領等の不正の発覚に伴う税務処理のポイント
税理士
樋之口毅
 マスコミの報道には乗らないことから表沙汰にはならないとはいえ、中小企業の横領等の不正行為は日常茶飯といわれる。その横領等は、告発に至るものと、内部でもみ消しを図るものに分かれよう。また、金銭の横領のみならず、棚卸資産の横流しなどによる横領も多い。そこで、横領が発覚した後の税務処理について、法人税の処理(みなし賞与処理、貸倒処理、過去から横流しを行っていた場合の対応、など)、源泉税の処理、消費税の処理、そして不正を発見できなかった税理士の責任などの諸問題を、設例や裁判例を交えて考察する。

役員退職金の現物支給に伴う税務問題と支給時留意点
税理士
馬場由布子
 役員の退職に伴う退職金として、金員に代えて社宅等の現物で支給するケースがある。この際に税務で問題となりやすいのが、現物財産の時価算定である。では、その時価認識に関して税務調査の際に増差が生じた場合には、退職金の追加払いとして損金算入は可能なのであろうか? 学説を整理しつつ、問題点の所在と税務の留意点を考える。

公益法人等が行う「請負業」に生じがちな問題
税理士・公認会計士
田中義幸
 公益法人等の行う事業が収益事業に当たるか否か、その認定についての問題が後を絶たない。その理由としては、収益・非収益の判断を納税者サイドで行わなければならず、加えて立法技術上の問題で収益事業についての条文の文理が分かりにくいことが挙げられる。本稿では、我が国の収益事業課税の構造はそもそもどうなっているのかを確認しながら、最近特に問題の多い「請負業」の範囲とトラブル事例を紹介する。

社会福祉法人の役員報酬に対する課税の傾向とその対応
税理士
小林広樹
 社会福祉法人における理事の報酬などの使い込み、自費への流用が多数発生し大きな問題となった。これは一方で、課税の問題となっていて、横領とされた理事の使込みを、役員への報酬として、源泉課税できるのか否かで争われている裁判例が青森地裁や京都地裁であった。このように最近社会福祉法人を利用した不正や所得隠しを、課税が厳しく取り扱う傾向が強くなっている。社会福祉法人の役員に対する支出――報酬や、役員費用はどのように、課税されているのか、取扱いの現在の状況を見て、税理士としての指導・対応を検討する。

会社の税務
法人税の否認に伴う消費税等の処理と修正申告留意点
日本大学非常勤講師
・税理士 山元俊一
 赤字会社が多い近年、消費税や源泉税をターゲットにした調査が目立つところである。本稿では、税務調査における法人税の否認項目が消費税に影響するケースにつき主要な点をまとめるとともに、修正が求められた場合の実務処理につき解説を行う。



資産税実務
資産の譲渡損失の処理における税務留意点 
税理士・公認会計士
飯泉清
 経済が右肩上がりの時代に取得した資産の含み損が、近年、損切りにより顕在化する事例が多くなってきている。本稿では、近時問題となっている自己株式の適正時価、損益通算廃止が噂されるゴルフ会員権を中心に、譲渡損失の処理において問題となりやすいポイントを解説する。

評価実務
土地の売買途中の相続発生と評価区分をめぐる判断ポイント
税理士
遠藤 正行
 土地の売買取引は、契約の締結・手付金の支払い・残代金の支払い・引渡し・所有権の移転登記――と、複雑なプロセスを経て敢行されるのが通常だ。ところで、土地売買の途中で当事者が死亡してしまった場合、つまり相続が発生してしまった場合、この土地はどのように評価すればよいのだろうか? 本稿では、この点について判断が示された最近の裁決事例(平15.1.24)を紹介しながら、評価における実務のポイントを解説する。




事務所経営
規定廃止で増加する報酬トラブルへの事前・事後対策
弁護士
内田 久美子
 一昨年の税理士に係る報酬規定の廃止に伴い、このところ報酬をめぐるトラブルが増加しているといわれる。これは、顧客に対して提示した報酬額が過大との不満である等、多岐にわたっているという。その原因としては、税理士から顧客に対する事前の概算額の不提示や、加えてその前提となる各自の報酬規定の不存在など、多くの要因を含んでいる。
  そこで、実際に起きた事件を参考にしながら、とるべき事前対策、そしてトラブルが生じた後の事後対策のノウハウについて考察する。

利益計画
金型製造業のモデル利益計画 中小企業診断士
角田 光則
 大手・中堅企業の下請けである小規模事業者が多い金型製造業界。現在、取引先の海外進出、単価下落による収益性の低下など非常に厳しい環境に追い込まれている。本稿では、納期短縮・顧客開拓・原価管理体制の構築などの手法を提示し、このような厳しい環境下における経営改善策を解説する。




コラム・連載
ポイント・オブ・ビュー 堺屋太一氏に聞く
税理士事務所みてある記 日本パートナー税理士法人(東京都千代田区)
好調関与先にはワケがある! (有)フロムサーティー(東京都杉並区)
/山田清 税理士(東京地方税理士会鎌倉支部)



検証! 非公開裁決 福祉施設の工賃と源泉徴収義務 中西良彦
クマオーの消費税トラブル・バスター 増資や組織変更をしたら、どうなる? 熊王征秀
法律問題ワンポイント・レクチャー 企業外での非行行為と懲戒解雇 服部弘



多税目取引の落とし穴 科目違えば、扱い変わる 大貫利一
医療法人制度の最新事情 医療法人の相続税評価と相続対策 東日本税理士法人
改正税理士法ステップアップ 近藤新太郎
税理士事務所のIT戦略 塩見哲/神田祐治
私のKey Word 藤澤公貴
税理士の休日  長谷川次郎
金融機関との上手な付合い方  甲賀伸彦
頭の体操室
趣味講座 将棋・囲碁教室
租税訴訟裁判への扉 /「理由の差替え」等への対応 蔵重有紀
税務・会計相談コーナー 
   資産税関係・「簡素化された広大地の評価方法」 伊藤正彦
   会計関係・「減損損失に係る税効果会計について」 山中成大
実務の焦点
  「留保金課税の停止措置と期末直前の銀行借入れ」 森川暁
  「嘆願書と請願書の位置付けと活用」 渡邊敬之
  「相続取得の株式のみなし配当課税の特例」 山下久康
速報税理トピックス
ミニ情報
ブックレビュー


別冊付録

・平成16年度全国市町村の市町村税税率一覧表
・付 法人事業税、法人道府県民税税率一覧表

・税務情報
「平成16年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)
「平成16年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)
「財産評価基本通達の一部改正について」通達のあらましについて(情報)
「相続税基本通達等」(法令解釈通達)の一部改正のあらまし(情報)
ほか

1,676円
巻頭論文
電子化時代の税務執行と税理士業務
中央大学アカウンティングスクール教授 渡辺智之
 本年6月から国税電子申告・納税システム(e-Tax)の全国運用がスタートするなど、情報通信技術の発達と普及は、税務執行のあり方にも具体的な影響を及ぼしつつある。
  本稿では、「電子化時代」への流れの意味を、デジタル情報とネットワークという観点からとらえたうえで、今後、税務執行はどのように変わっていくのか、また、税理士業務はどうあるべきかを考察する。


税務論文
金融所得一体課税における資産滅失損の取扱い
桜美林大学教授 野田秀三
 このほど、政府税制調査会・金融小委員会から「金融所得課税の一体化についての基本的考え方」が公表された。この中で取り上げられているテーマの一つが、「資産滅失損の取扱い」。株式の発行会社が倒産して無価値化してしまった場合等の損失を、税務上の損失とすべき旨が示されている。本稿では、この資産滅失損について、従来の税務取扱いとエンジェル税制等との比較、今後求められる方向性等について論考している。



特集
最近の租税事件から探る個人所得課税の問題点
 実務界に衝撃を与えた平和事件について、最高裁判所は原告側の上告申立てを不受理決定した。判決では、問題となった「収入なきところに課税なし」の原則には、結局触れられず、あやふやなまま敗訴が確定している。また、ストック・オプション事件の判決では、ストック・オプションの権利行使益を「給与所得」か「一時所得」とするかの区分を確定できず、司法の判断も分かれている。こうした判決の揺らぎは、実務における予測可能性に大きな影響を及ぼすものである。そこで、最近の個人所得課税事件を検討しながら、現行所得課税の問題点を指摘し、実務の視点から課税のあり方を模索する。


所得課税の原則と制度改革の視点
大阪府立大学教授 田中治
1.個人所得課税は、課税の公平の観点から、総合累進課税を基本とすべきである。
2.個人単位を徹底する見地からは、時代にそぐわない世帯単位主義の仕組み(所得税法56条)を改正する必要がある。
3.立法府は、経済社会の変動に適切に対応するとともに、租税法律主義の具体化、内実化に努めなければならない。
4.租税立法においては、常に総合累進課税の原則に立ち返りながら、立法の趣旨、目的、射程等を明らかにして、具体的で分かりやすい適用要件や基準を定めなければならない


〈所得課税原則〉
「収入なきところに課税なし」原則の破綻―平和事件―
水戸短期大学講師 ・税理士 橋本守次
1.「個人の同族会社への行為計算」が所得税法157条の規定による否認の対象となる「同族会社の行為計算」になるという判決は問題である。
2.より問題のある個人対個人における行為計算の否認の規定を欠くのに、同族
3.この判決を足掛かりとする今後の税務行政への危惧を覚える。

個人の低額譲渡・利益供与における所得課税― 平和事件・「交換か売買か」事件等
中央大学教授大淵博義
1.いわゆる「交換か売買か」事件で、最高裁は納税者の採用した法形式を課税庁が他の法形式に置き換えることができないと判示した。
2.平和事件では、無利息貸付けにつき個人の収入発生をフィクションとすることができるかが争われ、納税者の主張が受け入れられなかった。
3.これらの判決等により、従前の課税実務が変貌する可能性が生じることになったが、本稿では、この判決等が低額譲渡等の課税実務に与える影響を検証する。

「生計一」親族間における対価の授受
税理士金井恵美子
1.所得税法56条の伝統的な解釈及びこれまでの裁判所の判断は、「生計を一にする」場合には限定なく適用されるというものであった。
2.弁護士である夫が、妻である税理士に支払った報酬について所得税法56条の適用の有無を争った事件では、地裁において納税者の主張が認められたが、高裁では逆転敗訴の判決がくだされた。
3.したがって、所得税法56条の適用範囲を限定解釈した実務処理については、課税庁は更正処分の対象とせざるを得ないであろう。
4.立法当時とは、家族のあり様やその意識、産業形態等が変化した今日、所得税法56条はその存在意義を失っており、立法における対応が期待される。


実質所得者の判断
―芸能法人、米国LLC事件等
税理士高畠敏之
1.法人の実態がない場合には、実質所得者課税の原則によって個人所得とされる。
2.法人成りしても、著作権等は、法人に譲渡しない限り個人に権利があり、印税等は個人の所得となる。
3.米国LLCは、米国においてパス・スルー課税が採られていても、日本においては原則として法人として扱われるため、その損失を個人所得に含めることはできない。

実額申告の適用と信義則
税理士浪花健三
1.税法の領域においても、信義則の適用は可能である。
2.ただし、租税法律主義の原則が貫かれるべき租税法律関係においては、信義則の適用については慎重でなければならない。
3.しかしそのあまり、適用要件、特に「公的見解の表示」が限定的に運用されることには若干の問題がある。
4.上記観点から、信義則の当否は総合的、具体的に考察されることが望ましい。

必要経費の事業関連性
税理士刈米裕
1.個人事業者は、稼得行為の主体であるとともに消費経済の主体でもあることから、家事関連費等の発生とは不可分となる。
2.明確に必要経費を算定するために、使用面積比率等による家事関連費等の分離が必要である。
3.収入獲得貢献度合いから考える「事業関連性」支出の疎明を行う。
4.納税者サイドが役務提供の実態に伴う事業蓋然性を主張すべきである。


〈所得区分〉
給与所得か一時所得か―ストック・オプション事件
税理士 志岐昭敏
1.所得税法において、所得区分の基準は、収入を実現させる行為による。
2.ストック・オプションは、「労務提供によってストック・オプションを取得する外部取引」と「権利を行使して株式を取得する外部取引」の二つの課税対象単位に分かれるが、これを一括りとした課税対象単位とすることは無理がある。
3.ストック・オプションに対する課税庁の取扱いは、所得税法34条1項の適用誤りといえよう。

事業所得か給与所得か 中村雅紀

譲渡所得か給与所得か 朝倉洋子




新法令解説 松崎啓介
国税の電子申請等の運用拡大に伴う国税関係電子化省令等の改正 
情報通信技術利用法3条1項の改正により、電子納税証明書を請求する場合の交付手数料の額が一枚370円(改正前:400円)に引き下げられた。また、平成16年9月6日からの電子申請等の利用可能手続の大幅な拡大に伴い、国税関係電子化省令の電子申請等の対象手続を大幅に拡大するほか、所要の改正が行われた。本稿では、その改正の内容について解説する。






留保金課税特例に係る自己資本比率算定の判断ポイント
税理士 博林一典
 15年度改正で拡充された同族会社留保金課税の適用停止措置(措法68の2四)により、多くの中小企業が恩恵を受けている。この措置の適用は、自己資本比率50%以下の場合に適用となるが、これを算定する際の総資産の額、及び自己資本の額の認識の段階で、実務家の混乱が起きている。例えば、小規模私募債を発行している際の取扱いはどうなるか、また50%を少し超えている場合に期末に駆込み融資を受けた場合にはどうか……等々、実務上生じがちな具体的な疑問はどのような点か、またその判断はどうすべきなのだろうか。実務で疑問となるであろう点をさぐり、その対応を考察する。

貸倒損失の損金計上時期をめぐるトラブルパターンとその対応
税理士 小林麿寿美
 景気の低迷により、債権の回収を断念せざるを得ないケースが増加している。この場合、法人税の貸倒損失処理が必要となるが、その実務処理は法人税基本通達9-6-1~9-6-3に規定されているのは周知のとおり。だが、この取扱いでも、例えば債務者に民事再生計画の許可決定があったことを失念し、その年に損金処理をしていなかった場合、また債務者から担保を取っていたケースで債務者に貸倒状況があった場合に、当該年度の利益を勘案して担保の処理を遅らせるなどの行為を行ったなど、トラブルを招くことが予測される。そこで貸倒損失に係る損金算入時期をめぐるトラブルパターンを探り、その対応等を検討する。

形式基準等による資本的支出と修繕費の区分に関する留意点
税理士 中里昌弘
 修繕費か資本的支出か、をめぐるトラブルは常に古くて新しい問題だ。この修繕費か資本的支出かに関して定める法人税基本通達7-8-1~7-8-6を検討し、設例を用いた検討を行う。

役員・法人間で行われがちな相殺取引の注意点
税理士 後久亮
 中小同族会社では、役員と法人間で恣意的な取引が行われやすいことは、周知の通り。例えば、役員所有土地を会社に譲渡し自社ビルを建築する際に、その一部を社長の居住部分を得る場合などでは、土地と建築費を相殺する例が散見される。
  こうした同族会社で起きがちな、役員・法人間で生じがちな相殺取引で、税務上で注意すべき点を、法人税・所得税・消費税別に検討する。

社会保険料等の未納をめぐる問題と税務対応
税理士 浅野務
 国民年金の未払問題をめぐって国会が紛糾し、政府官房長官や野党党首が辞任に追い込まれたことは記憶に新しい。国民年金に限らず、厚生年金や健康保険、労働保険などの保険料を未納・滞納しているケースは、中小企業でもしばしば起こりがちだ。本稿では、社会保険料等の支払いが滞った場合の追納制度や延滞金の徴収制度などを紹介するとともに、税務上の取扱いと留意点を検討・解説していく。



ケース別・土地取引に付随した金銭授受に係る税務トラブル
税理士 木島裕子
 固定資産税の清算金が代表格だが、土地取引に付随して支払われる金銭がある。交換特例に係る交換差金や賃貸建物敷地の譲渡の際の貸借人に対する立退料などの授受にあたっては、その費用性や、額の適正性をめぐり慎重な検討が必要となる。
  そこで、土地取引に付随して支払われる金銭を金員別に検討する。

複数の個別要因が混在する土地評価の留意点
税理士・不動産鑑定士 下崎寛
 一団の土地の評価に当たって、単純な評価で収まるケースは希有だ。評価対象の土地に、例えば二つの容積率が存在するようなケースや、倍率方式による評価を行う場合に異なった評価倍率が付されているようなケースなど、複数の要因が混在しているケースは、その評価に当たって困難となる。また、先の評価通達の改正で広大地の評価も大きく変わっている。そこで、これらの土地をめぐって行う鑑定評価、及び相続財産評価の相違点、他の減額要素との関係で注意すべき点等を考察する。

相続財産の活用による延納の納付対策
税理士 二ノ宮伸幸
 免税点や簡易課税の適用上限が引き下げられたことに伴い、医療機関においても新たに課税事業者となる病医院が大幅に増加すると言われている。このような病院については、消費税の課否判定を今までしていなかったことが多いと思われるので、税理士が指導にあたるうえで注意を要するところだ。本稿では、診療科目別に注意すべき消費税の課否判定について解説する。




医療機関が気をつけたい消費税課否判定のチェックポイント
税理士 吉田久子


通信工事業のモデル利益計画
中小企業診断士 岩崎勝弘
 情報通信技術の発展に伴い、各種新サービスの浸透やインフラの整備が急速に進んでいる。また、建築設備機器に対する高度化ニーズの高まりが見られるなど、長期的な視野で見れば今後、大幅な成長が期待できる業界であるといえよう。しかしながら、現在は工事単価の下落、新技術への対応など、外部環境の変化に対応すべく、的確な経営手腕が求められるところでもある。本稿では、工事単価の下落に悩んでいる企業をモデルに、生産性や採算管理意識を改善する施策を示すとともに、今後の成長に向けた基盤強化の実現手法を紹介する。



ポイント・オブ・ビュー 元参議院議員 野末陳平氏に聞く
税理士事務所みてある記 竹長 徹 税理士事務所(北陸税理士会敦賀支部)
好調関与先にはワケがある! 株式会社新日本住宅(東京都練馬区)
/仁科 忠二郎 税理士(東京税理士会蒲田支部)
検証! 非公開裁決 「前回調査の指摘と過少申告加算税」古矢 文子
クマオーの消費税トラブル・バスター 「新設法人の特例は諸刃の剣!」 熊王征秀
法律問題ワンポイント・レクチャー 「突然、携帯電話にサイト利用料金の支払督促がきた!」菅原万里子
金融機関との上手な付合い方 「財務諸表など計算書類の質の向上に向けた取組み」について-その4-」甲賀伸彦
医療法人制度の最新事情 「特定医療法人における税務調査のポイント」 東日本税理士法人
改正税理士法ステップアップ 近藤新太郎
税理士事務所のIT戦略 塩見哲/神田祐二
「取引先持株会からの配当に係る所得税額控除」 中村 彰宏
税務・会計相談コーナ 
   /「ネッティングによる債権債務の相殺と課税関係」(法人税関係)
   /自閑博巳「債務控除の対象となる葬式費用」(資産税関係)
   /伊藤正彦「連結計算書類制度の適用対象等」(会計関係)/山中成大
租税訴訟裁判への扉 /「総額主義と争点主義」藏重有紀
ケース・スタディ 多税目取引の落とし穴~税目違えば、扱い変わる!
私のKeyword/執行裕子
税理士の休日/斉藤忠彦


別冊付録 税務情報
・相続税法基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)
・「租税特別措置法(相続税法の特例関係)の取扱いについて」等の一部改正について(法令解釈通達)
・会社法制の現代化に関する要綱案(第二次案)(会社法(現代化関係)部会資料30)
  ほか
1,404円
巻頭論文
中小会社における計算の適正確保と法整備
早稲田大学大学院法務研究科教授・弁護士  稲葉 威雄
平成17年通常国会に提出が予定されている新しい会社法に、中小会社の計算書類の信頼性を高めることを目的とした「会計参与(仮称)」制度が創設される方向である。中小会社においても、計算書類の適正確保の必要性が高まっていることの証左といえよう。本稿では、その適正確保に向けた過去の取組み、現状の問題点を踏まえた上で、求められる法整備の方向を提示するとともに、日税連提言の「適正担保証明」及び法務省提示の「会計参与」制度について考察する。


事例研究
同族会社への業務委託手数料の支払いと行為計算否認の可否
税理士松井  宏
各税法では、同族会社とその関係者との取引を通常の取引に引き直して課税する、いわゆる「行為・計算の否認規定」が置かれている。今回、この行為・計算否認の適否が争われていた事案で、納税者の主張を認める判決が下された(広島高裁平16.1.22)。本判決は、司法書士業を営む原告が、自らが代表者を務める同族会社に業務報酬の60%を「業務委託手数料」として支払っていたケースだが、ここでは本判決の概要を解説、評釈するとともに、税理士事務所でも行われがちな隣接法人への手数料支払いと行為計算否認のポイントについて探っていく。


特集
見直された文書回答手続の資産税実務への活かし方
国税庁の文書回答手続が拡大され、これまで受け付けられなかった個別取引等や同業者団体等の取引等に係る照会に対しても回答が行われることとなった。7月号の特集では、改められた文書回答手続の方法や効果を確認するとともに法人税・消費税の項目の具体的事例で事前照会の仕方・見解のノウハウを示したが、本特集では、資産税実務に関する文書回答手続の活用を具体的事例を基に検討する。

〈相続税・贈与税関係〉
相続財産の範囲 税理士・公認会計士 八ツ尾 順一
1.相続財産の非課税範囲については、相続税、租税特別措置法以外の他の法律でも規定がある。
2.相続財産の範囲については、その具体的な規定がない場合、
  法の趣旨、又は当該資産の担税力の有無から判断すべきである。

債務控除 税理士 山田 俊一
1.自然人の行う経済的取引、財産や身体に係る行為は多種多様であり、 一連の行為が完結する前に相続が開始すると、  相続税や所得税の負担について大きな影響を及ぼすことがある。
2.為された取引や契約の権利と義務の主体を、被相続人あるいは相続人のいずれにするかにより、所得や効果の帰属が異なることになる。
3.相続開始の時点を捉えて行われた事実を確認し、これに租税法の規定を適用するについては、 権利や義務及び財産に関する本来の法律効果を先に検討する必要がある。
4.相続税においては、財産と債務の評価や債務控除の可否、所得税においてはその所得が被相続人か相続人のいずれに帰属するかの判断が、申告の内容を決定する。
5.債務控除の対象となる確実な債務、及び所得である債務免除益の帰属に関して判断が困難な場合、文書回答手続により課税庁の見解を照会することも有効なことである。

相続人の範囲・税額の負担 税理士山本 和義
1.相続事案は個人のプライバシーに深く関わる部分が多く、事前照会に当たっては、事案が公表されることについては、共同相続人に対し「十分な説明と同意」が欠かせない。
2.代償債務の評価については、相続時から分割協議が整うまでの間に相当の時間が経過し、代償分割の対象財産の価額が大きく下落したときは、通達によらず相続税法22条の規定により相続時の価額により代償債務を計算することになると思われる。

税額控除 水戸短期大学講師・税理士橋本 守次
1.相続税の納税義務者が、配偶者に係る相続税の課税価格の計算の基礎となる事実の全部又は一部を仮装・隠ぺいし、  その仮装・隠ぺいしたところにより相続税の申告書を提出し、又は提出していなかった場合で、  その相続税について調査があったことにより更正又は決定があるべきことを予知して  期限後申告書又は修正申告書を提出するときは、配偶者の軽減税額の計算に当たって、  その仮装・隠ぺいされた財産については、相続税の課税価格の合計額又は配偶者の課税価格の合計額に含めないこととされている。
2.仮装・隠ぺいをして相続の申告を行った「相続税の納税義務者」とは、その相続に係る被相続人から相続等により財産を取得した者で相続税法1条の3各号に掲げる者に該当するすべてのものをいい、被相続人の配偶者には限られない。
3.仮装・隠ぺいを行った者が、民法891条の規定による相続欠格者であった場合には、配偶者の税額軽減の適用はどのようになるのか。

小規模宅地等特例 税理士 植田  卓
1.ある事案に関して、法令解釈についての疑問が生じ、かつ、法の趣旨や判例、裁決事例等を検討しても、その判断がつきかねる場合など、申告納税制度のもとで、申告の安全性や安定性を図るために、文書回答手続の利用を検討すべきである。
2.小規模宅地等の特例に関して、税法の解釈や適用をめぐって疑義が生じたものは、他の納税者にとっても有用な情報となるものであり、文書回答手続の対象になるが、個々の宅地等が具体的に小規模宅地等に該当するかどうかについての照会は、事実確認によるところが大きく、文書回答手続の対象にはならない。
3.文書回答手続を利用するに当たっては、申告納税制度の理念を踏まえ、あらかじめ納税者・税理士としての見解を十分に検討し整理してから臨むべきであり、安易に税務行政庁の見解を得ることを主目的として利用することは慎むべきである。

贈与財産 税理士 奥田 周年 税理士 渡邉 正則
1.贈与については事実認定の領域が広いため、提出資料のみで正確な事実判断ができるようにすることが重要である。
2.照会者の見解を根拠付けるための情報収集と正確な分析がカギとなる。
3.照会者名、照会内容及び回答が公表されるため関係者の事前調整(同意)を図る必要がある。公表を望まない場合は、従来からの個別相談で対応することになる。

相続時精算課税制度 税理士 坪多 晶子
1.平成15年度の税制改正で創設された相続時精算課税制度は、
  今までの贈与に関する税制とは大きく異なり過去の事例もないため、税法上の解釈が困難なことも予想される。
2.民法上の規定は法定相続を制定していると同時に、相続人間の任意の分割も認めているため、
  法定相続どおりの納税義務の承継は税負担の面から問題が生じることも考えられる。
3.事前照会を行う際には趣旨や事実関係を明確に記載するとともに、憲法、民法、税法の整合性を図ったうえで、手続をする必要があろう。
4.相続時精算課税適用者の相続税額は過大となることも予想されるため、否認された場合の加算税等の負担を考慮すると、事前照会を行ったうえで、納税手段とともに申告についての決断材料を早期に納税者に示すことも重要なことである。

〈譲渡所得税関係〉
取得費 税理士 田中 宏志
1.事前照会手続は、平成14年に設けられた書面添付制度とともに税理士の課税当局に対しての意見表明の手段として有効である。
2.資産税関係の取引等は複雑なケースが多いため、事前照会に当たり、その事実関係は正確に、かつ分かりやすく(場合によっては図表などを用いて)作成する。
3.事前照会を行うに当たり、事前照会者の代理人としての税理士の役割は、照会事例が本手続に適合するものであるかどうかの判断をすることから始まる。

保証債務履行のための資産の譲渡 税理士 高宮  徹
1.今回の見直しによって「特定の納税者の個別事情に係る取引」が文書回答手続の対象となり、対象の範囲が大幅に拡大された。
2.しかし、回答対象となる事例は照会者の氏名の公表等一定の要件があり、また事実認定を必要とする保証債務の履行のための資産の譲渡に係る事例については回答対象から外れる。
3.確定申告期限前に文書回答を得るためには、事例の発生と照会の時期について一定の判断が必要である。


特別解説 外形標準課Q&A総務省自治税務局企画課主査 君塚 明宏
 平成16年4月1日以後開始事業年度より、法人事業税に外形標準課税が導入された。政省令の手当てや取扱通知等は既に明らかにされているものの、従来の課税の仕組みとは大きく異なるものであり理解が難しいところである。本稿では、総務省に寄せられた多く寄せられた質問をもとに、Q&A形式で外形標準課税制度を基礎から解説するものである。制度の理解のためには必読である。



連結グループに賦課された加算税の処理と実務ポイント
税理士・公認会計士 緑川 正博
税理士浦部 千恵
今年度税制改正により、連結納税の付加税が予定通り廃しされたことで、新たに制度選択を視野に入れる企業も増えることが予想される。そんな中で、このほど国税庁より、連結法人税に係る過少申告・無申告・重加算税の取扱いに関する事務運営指針が公表された。連結法人は単体法人と異なり、特殊な所得計算・税額計算が求められるだけに、加算税の賦課においても単体法人とは異なる取扱いが規定されている。そこで本稿では、連結グループにおける加算税賦課基準のポイントと加算税がかかった場合の負担額の計算方法について解説する。


いわゆる義務的修正申告をする意義とその実務留意点 税理士 長野 匡司
買換え特例における措置法37条の2第2項の、取得価額が過大になったときや実行できなくなったときの義務的修正申告、収用交換等に伴い代替資産を取得した場合に取得価額に満たないこととなった場合等の措置法33条の5の修正申告など、修正申告をすることが義務付けられ、それによって加算税の賦課がされなくなる規定が設けられていることがある。こうした義務的修正申告は、どのようなときに、どのような手続でするか、義務的修正申告をする意味と、その効果効用、それに争いがありがちな点を留意事項として記述する。


「指導料」等の支出に伴うトラブルと妥当性の立証 税理士 稲澤 和光
企業が「指導料」名目の金員を支出することがある。これに対して、税務ではその支出の妥当性が求められる。例えば、親会社に対する経営指導料や、大学の教授に対する技術指導料、メーカーが下請けをする場合の発注先への品質保持指導料など多岐にわたるが、その妥当性が認められなければ、交際費や寄附金認定がなされてしまう。このようなトラブルを防止するために、指導料の支出に関して、いかにその妥当性を疎明するか――形式要件・実質要件をいかに担保するか――について、検討を行う。


資産の用途を変更する場合の税務留意点 公認会計士 井上  司
展示のモデルハウスを販売したり、販売用のパソコンを自社使用したり――と、固定資産としていたものを販売したり、販売用のものを自社で使用したりすることは、企業活動のなかでままあることだ。そうした場合、販売の仕入価額、販売額をどうするか、あるいは固定資産として償却する場合の償却額はどうするか、さらに販売用や自社使用の用途を変えるために、改良を加える場合などの支出はどのようにするか税務処理に困ることがある。こうした税務処理と社内での事務処理の留意点・チェックポイントを示す。


同族会社・役員間の金銭消費貸借で生じる問題点 税理士・日本大学非常勤講師 山元 俊一
役員が同族会社に運転資金を貸し付けたり、逆に同族会社が役員に生活費を貸し付けるといった行為は日常茶飯といえよう。だが、会社が行う貸付けに関して利息を付さなかったり、また貸付期間が長期に滞留した場合など、税務では賞与認定や相続財産認定など、予期せぬトラブルに波及していく。そこで、トラブル事例を多く取り入れながら、税務で起こり得る問題点を探る。

貸倒れが生じた場合の消費税処理をめぐる実務の疑問点 税理士 中田 研二
貸倒れが発生した場合の処理については、法人税法上(貸倒損失の計上)も消費税法上(貸倒金額に係る消費税額の控除)も、その要件、取扱いはほぼ同様のものとなっている。しかしながら、法人税、消費税それぞれの独自の規定によって、処理が異なる点もいくつかある。例えば、消費税の免税事業者であった期間の貸倒れ、他社から譲り受けた売掛債権の貸倒れ、輸出売掛金の貸倒れ……などである。本稿では、こうした法人税・消費税間の貸倒処理の異同を解説するとともに、実務上の疑問点を検証する。

これだけは注意したい! 限定承認の活用と留意点 税理士 鈴木  新
近年の景気の低迷は、相続財産にも暗い影をおろしている。相続人による保証債務などによる、いわゆる負の財産で、その評価額も明確ではない相続財産が増加していることから、単純承認が困難となっているのだ。そうした状況で適用が増加傾向にあるといわれているのが限定承認である。そこで本稿では、ほとんど適用がなかったという限定承認が増加に伴う法務・税務両面でのメリット・デメリットとは何かを明確にし、適用上の留意点を詳解する。

携帯電話ショップの税務と経営改善指導 税理士 矢野馬 通永
携帯電話の普及により、街には携帯電話ショップが溢れている。携帯電話のモデルチェンジの速さに加えて、ショップ自体が過当競争となっているという特徴がある。そこで、携帯電話ショップの業界現状を分析したうえで、販売手数料が収益の大半を占め、機種の陳腐化も多いなど、特徴的な経営形態に対する税務の留意点と、その経営改善指導について検討していく。

広告代理業のモデル利益計画 中小企業診断士 齋藤 恭明
広告費は、不況下においては、まっさきに削減されてしまうものであるため、多くの広告会社は現在苦しい経営を強いられている。さらに、今までになかったネット広告など新しい広告手段も開発されつつあり、時代環境にあわせた変化が必須となっている。本稿では、こうした環境を踏まえたうえで、生き残りのための経営改善のポイントを提示する。



連載
ポイント・オブ・ビュー
政策研究大学院大学教授 福井秀夫氏に聞く

税理士事務所みてある記
森谷 修一 税理士事務所(東京税理士会中野支部)

好調関与先にはワケがある!
株式会社ギャレット(愛知県名古屋市)/津田 明人 税理士(名古屋税理士会中支部)

検証! 非公開裁決
「公益法人等の収益事業」 千田 喜造

クマオーの消費税トラブル・バスター
「相続の特例と簡易課税の関係は、どうなる?」 熊王征秀

法律問題ワンポイント・レクチャー
「買収対象会社に株券がなかったら…」菅原万里子

金融機関との上手な付合い方
「財務諸表など計算書類の質の向上に向けた取組み」について-その2-/甲賀伸彦

医療法人制度の最新事情
「病院会計準則改正の影響と問題点」 東日本税理士法人

改正税理士法ステップアップ
近藤新太郎

税理士事務所のIT戦略
塩見哲/神田祐二

租税訴訟裁判への扉
蔵重有紀

私のKeyword/小谷文子

税理士の休日/宮森俊樹

税務・会計相談コーナー


別冊付録 税務情報
・平成16年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
・財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)
・付加価値割及び資本割の課税標準の算定について
  ――「地方税法の施行に関する取扱いについて(都道府県税関係)」(事業税分)の抜粋
・持分の定めのある医療法人が出資額限度法人に移行した場合等の課税関係について〔文書回答事例〕
・金融所得課税の一体化についての基本的考え方(税制調査会金融小委員会)
・わが国経済社会の構造変化の「実像」について(税制調査会基礎問題小委員会) 

1,362円
巻頭論文
金融所得の一元化と番号制度 森信 茂樹
 政府税制調査会で、納税者番号制度の導入が本格的に議論されている。平成16年度の税制改正答申の中で、以後の課題として、金融税制の一元化と、納税者番号制度などによる納税の環境整備が上げられていて、検討の内容をまとめ中間報告されることになっている。税制調査会では、金融所得一体化課税の実施において、番号制度が不可欠としているようであるが、なぜそうなのか。番号制度導入によって、どのような課税の仕組みになるのか--などを明らかにしていただいた。



税務研究
公益法人制度改革の経緯と「議論の中間整理」の問題点 赤塚 和俊
 ここ数年の公益法人改革の議論の流れを踏まえ、3月末に政府から公表された有識者会議の「議論の中間整理」の問題点を指摘する。当面、NPO法人は対象外となったものの、非営利法人=原則課税の前提が維持されたことは将来のNPO法人課税にも影響を与える。さらに最大の問題として、残余財産の分配を容認するといった誤った制度設計が打ち出された点を指摘。中途で退社した社員と解散時の社員との公平性、持分ないところでの配当など矛盾点を挙げた上で、原則課税に道をつけるものとして批判を展開する。


事例研究
犯則調査を目的とした任意調査の違法性と質問検査権の限界 浅野 洋
 法人税法156条では、課税庁の質問検査権は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない、と規定されている。では、脱税事案に係る犯則調査に、税務調査で得られた証拠資料は利用できるのだろうか? 本稿では、任意調査と犯則調査が相次いで行われた事案につき、法人税法に違反するか否かが争われた判決例を検討するとともに、望ましい質問検査権の行使のあり方を提言していく。



特集
見直された文書回答手続と
      法人税・消費税実務への活かし方

 国税庁の文書回答手続が拡充され、これまで受け付けられなかった個別の取引等や同業者団体等の取引等に係る照会に対しても、回答が行われることとなった。回答内容は公表し、納税者の税法適用の予測可能性を高めるとしており、不明・不透明であった課税庁の取扱いが明確になることが期待されている。
  本特集では、改められた文書回答手続の方法や効果を確認するとともに、法人税・消費税の項目の具体的事例で事前照会の仕方・見解のノウハウを示す。
  なお、特集中の文書照会の記載例は、執筆者の実務経験の中から照会の対象になり得ると考えたもので、見解も筆者の個人的見解にとどまる点をお断りしておく。

インタビュー/上斗米明・国税庁課税部審理室長に聞く
               文書回答手続見直しの内容とその留意点


〈実務上の実効性と留意点〉
文書回答手続の対象となる事前照会の範囲

1.文書回答手続は、納税者の予測可能性を向上させるために特定の納税者の個別事情に係る事前照会についても、一定の条件の下に対象とする。
2.文書回答手続の対象の範囲は、事前照会者が自ら行う取引等についての国税に関する法令の解釈・適用その他課税上の取扱いに関する事前照会であって、これまでに法令解釈通達などにより、その取扱いが明らかにされているものは除外される。
3.文書回答手続では、仮定の事実関係や複数の選択肢がある事実関係に基づくものではなく、実際に行われた又は確実に行われる取引等に係る事前照会を対象としているので、事前の税務対策としては利用できない。
4.文書回答どおりの申告を行ったとしても、法令の改正等・調査による事実確認などにより照会に係る事実と異なるような場合には、別の判断に基づく課税処分等が行われる可能性がある。


事前照会への回答とその効力
1.事前照会に対する回答は、照会に示された事実関係に基づき、その時点の法令に則して、その範囲内での国税当局の判断を示すものである。
2.信義則は、租税法にも適用があり、文書回答手続は信義則の対象となる。
3.信義則が適用されるかは、納税者が示した事実関係に隠ぺい等がなかったか、また同一の事実関係であるかが問題となろう。
4.信義則が適用される事例であっても、その効力が及ぶ範囲は制限的であるべきであり、また行政、立法の適切な対応が望まれる。
税理士業務における文書回答手続の活用
1.文書回答手続の拡充は、納税者の予測可能性を高めることを目的として行われたもので、原則として歓迎すべきものである。
2.文書回答手続は、濫用防止との関係での制限が数多く定められており、照会対象の取引の範囲が狭くなっている問題点がある。
3.「確実に行われる取引等」であることを照会するに当たって、納税者は実行確実性を明らかにしなければならない。
4.税理士は、納税者に対する注意・説明義務を果たすために文書回答手続を活用することができる。



〈事項別による記載例〉
役員報酬・賞与・退職金 植田  卓
1.ある事案について、複数の法令解釈が成り立タつと解され、かつ、法の趣旨や判例、裁決事例等を検討しても、その判断がつきかねる場合において、申告納税制度のもとで、申告の安全性や安定性を図るために、文書回答手続の利用を検討すべきである。
2.過大役員報酬に該当するかどうかの判断基準など、税法の解釈や適用をめぐって疑義が生ショウじたものは、他でも生じうる事例であり、その情報は、他の納税者にとっても有用なものであることから、事前照会の対象になるが、個々の役員報酬の額が過大であるかどうかの判定など、具体的な金額の妥当性を照会するものは、事前照会の対象にはならない。
3.文書回答手続を利用するに当たっては、申告納税制度の理念を踏まえ、あらかじめ納税者・税理士としての見解を十分に検討し整理してから臨むべきであり、安易に税務行政庁の見解を得ることを主目的として利用することは慎むべきである。



減価償却 轟木 洋二
1.技術革新、製品の多様化によって、従来では考えられないような「資産」が生まれることは必然であり、法律であらかじめ定義することには限界がある。
2.技術に関して、ある程度の専門的知識がなければ判断し得ないケースも珍しくはない。
3.特にソフトウェアに関しては、その定義からして曖昧である。
4.以上の点をとってみても、事前照会の活用は一考に値するが、先端技術等に関カンする照会では申告までに時間に余裕を持った対応が要請される。


寄附金 上西 左大信
1.子会社等を整理又は再建する場合の取扱いは、法人税基本通達9-4-1又は9-4-2で示されている。
2.子会社等の再建支援策はその方法が多岐にわたり、これらの通達に直ちに該当しない事例がある。
3.親会社の子会社に対する債権放棄の金額は多額である場合が多く、寄附金に該当するか否かは、親会社の税負担を考慮すると、子会社の再建支援に影響を与えることもある。
4.文書回答手続を、税理士に対する損害賠償請求を回避するための方法の一つとして活用することも検討すべきである。


貸倒損失・債権放棄 吉村 博一
1.実務上最も問題となる、債務者の資産状況、支払能力等の状況や回収見込みの有無の判断の妥当性などの「事実認定」に関するものは文書回答手続の対象とならない。
2.提示された事実関係を前提として回答がなされるため、回収不能であること等の事実関係を明らかにする疎明資料の収集・準備がポイントである。

3.事前照会者の求める見解の根拠となる貸倒損失等の裁判例、学説、雑誌等の事例の収集がポイントである。
会費・分担金 山口 義夫

1.会費・分担金は、法人(納税者)が同業者団体等とのかかわりで生ずる負担であり、その支出はすべての会員企業に共通する事項であることが多い。
2.会費・分担金は、原則的には損金となる支出であるが、a)法人業務との関連性の有無、b)同業者団体等の事業目的と留保金の処理、c)支出金の損金計上時期などの事実認定が問題となる。
3.会費・分担金に関する事前照会は、同業者団体等が行い、会員企業に対し、その回答内容を周知して、適正な税務処理を行うように指導する。

課税・非課税・不課税取引区分 益子 良一
1.回答を求めるための文書の作成において、事実関係は時系列的に説明する必要がある。
2.事実関係の記載の仕方及び趣旨の記載の仕方によっては文書回答の対象外となるので、照会内容の表現方法が非常に重要である。
3.課税庁の見解を求めるに当たり、契約書類等、主張を証明する資料の整備が大切である。


仕入税額控除 小池 正明
1.資産の時価の算定など事実認定に属する問題は、事前照会に係る文書回答手続の対象にならない。消費税の仕入税額控除に関しては、課税資産の価額が適正かどうかという課税仕入れの額の認定に関する事例について文書回答を求めることはできない。
2.事前照会を行う際は、その趣旨や事実関係を明確に記載するとともに、事前照会者の求モトめる見解とその理由を明示することがポイントとなる。
3.建物などの不動産の取得を課税仕入れとする仕入税額控除の適用は、その資産の価額が合理的に算定されている限り、当事者間で契約した譲渡価額が課税仕入れに係る支払対価となる。
簡易課税制度 熊王 征秀
1.事業区分の判断ミスは100%顧問税理士の責任である。
2.「性質及び形状を変更しないこと」が第一種事業及び第二種事業に区分するための要件となる。
3.「性質及び形状の変更」についての明快な定義は消費税の法令や通達には存在しない。




法人税実務
連結納税制度に含まれる子会社への指導・対応 鈴木  宏
  平成16年4月1日開始事業年度から、連結納税で税額に2%を加えることとなっていた付加税の制度が廃止されている。これによって、連結納税を選択する企業体が多くなることが予想されるが、中小企業では子会社として連結納税に組み込まれる会社が、多くなろう。子会社に組み込まれる場合、事前に連結会社として会計基準の統一をし、単体の所得計算をして親会社に報告し、連結所得を計算することになることから、親会社との連絡、自社での調整など、さまざまな作業が必要になる。連結所得・税額の計算を踏まえて、連結される子会社の対応すべき事項を検討し、税理士としての指導の留意点を探る。


会社の税務
退職金制度等の改廃に伴う税務の留意点 小田川 典正

景気が回復基調にあるとはいえ、中小企業ではまだまだマイナス方向の対応が目立つ。その対応として、退職金規定・企業年金制度などの見直しを行うなどのアクションを取り入れる中小企業がある。退職金や年金制度の改廃などに関連した企業のアクション、そしてそれに伴い従業員が受け取る清算金の取扱いにつき、改廃パターンごとに税務の留意点を検討する。


株式の税務
ベンチャー企業への投資と株式譲渡の際の税務留意点 山田 啓之
 今年度税制改正で、ベンチャー企業への投資を優遇する「エンジェル税制」が大幅に拡充された。適用対象株式にグリーンシート・エマージング銘柄の株式等が加わり、また、譲渡益が2分の1に圧縮される特例の適用要件が緩和された。経済産業省では、これらの改正により、エンジェル税制の活用件数は15倍以上に跳ね上がると試算している。そこで本稿では、ベンチャー企業の株式を取得・譲渡したときの特例を総ざらいするとともに、譲渡に際しての適正価額判定のポイントを探っていく。


消費税実務
拡充された課税期間短縮制度の活用と留意点 柏木 修一
 今年の4月より、昨年に改正された消費税法が施行された。このうち簡易課税制度は、適用上限額が2億円から5,000万円に引き下げられ、大きな影響を及ぼすことなる。そこで、(1)新課税事業者(課税売上高1,000~5,000万円)が、簡易課税制度を適用するか、否かの選択のポイント、(2)適用除外となる事業者(課税売上高2億~5,000万円)の対応(簡易課税選択届出書等の提出など)――と事業者を大分して、その実務の対応と留意点について検討する。



事務所経営
解禁された証券仲介業への進出のためのチェックポイント 嶋  敬介   
今年4月に解禁となった証券仲介業が、税理士から注目されている。関与先に対して証券仲介を行うことで、業務の拡大を目指したいとの考えもあろうが、では証券仲介業への進出に当たって、どのような手続やハードルがあるのだろうか? 本稿では、証券仲介業制度の概要を確認した上で、進出した場合の税理士事務所のメリット・デメリットや、顧客のニーズについて検討を行っていく。


国際税務
新日米租税条約の発効による源泉地課税の変更点 川田  剛
日米租税条約の大改正が行われて、7月1日から多くの改正事項が適用される。今回の条約改正の最大の特徴は、日米間で相互経済をさらに促進するため投資所得に対する源泉地国での課税を大幅に軽減したことにある。特に、使用料、一定の親子間配当及び一定の利子については源泉地国で免税とするなど、従来の条約からの大転換が図られている。投資所得に対する源泉地国課税、たとえば、アメリカ法人が日本法人へ使用料や配当を支払っている場合にアメリカの源泉課税がなくなることにより、受取額はかなり多くなることから、アメリカへの投資にも意欲が高まることになろう。逆に、アメリカ法人の投資の場合も、投資所得は日本で源泉されない分だけ多くなる。これらの仕組みを解説するとともに、この制度の活用を検討する。


業際研究
節税商品勧誘者の保持すべき専門的知識と注意義務(下) 酒井 克彦
前回(上)に引き続き、節税商品の勧誘事件――等価交換によるマンション建設勧誘事件等――を素材とするが、(下)では裁判所が節税商品勧誘者の注意義務と専門的知識の欠如をどのように指摘しているかに的を絞り、税理士を含めた専門家が専門的知識を修得するための研鑚義務に検討を加える。まとめとして、節税商品勧誘者には税務上の取扱いを含めた商品説明やリスク説明が要請される一方で、これら商品の契約締結過程における法的インフラの整備に関する研究が必要だと指摘する。


利益計画
内装工事業のモデル利益計画 齋藤 恭明
 建設業全体の傾向としては、建築着工件数が減少傾向にあり厳しい環境がつづいているものの、リフォーム需要は底堅く、内装工事業者にとっては、この動向を捉えた機敏な経営判断が求められるところである。本稿では、下請偏重、売上至上主義的な会社をモデルに、いかに元請仕事を増やすか、また、利益率向上のためにどのような原価管理が求められるか、といった点につき、改善策を示す。併せて、今後ますます拡大する見通しであるリフォーム業界において、どのように生残りを図るべきか、その方向性を提示する。




連載
ポイント・オブ・ビュー
東京大学教授・税制調査会金融小委員会委員長 奥野正寛氏に聞く


税理士事務所みてある記
望月 光男 税理士事務所(東海税理士会静岡支部)

好調関与先にはワケがある!
松倉グループ/矢吹 寛 税理士

検証! 非公開裁決
「取締役会議事録の信憑性」上西左大信

クマオーの消費税トラブル・バスター
「相続の特例と簡易課税の関係は、どうなる?」 熊王征秀

法律問題ワンポイント・レクチャー
「買収対象会社に株券がなかったら…」菅原万里子

金融機関との上手な付合い方
「財務諸表など計算書類の質の向上に向けた取組み」について-その2-/甲賀伸彦

医療法人制度の最新事情
「病院会計準則改正の影響と問題点」 東日本税理士法人

改正税理士法ステップアップ
近藤新太郎

税理士事務所のIT戦略
塩見哲/神田祐二

租税訴訟裁判への扉
蔵重有紀

私のKeyword/小谷文子

税理士の休日/宮森俊樹

税務・会計相談コーナー



別冊付録・税務情報
・連結法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)
・連結法人税の仮称申告加算税及び無申告加算税の取扱いについて(事務運営指針)
・「法人税の重加算税の取扱いについて」の一部改正について(事務運営指針)

別冊付録Ⅱ 租税判例の回顧(平成15年上半期)


1,781円
巻頭論文
租税法における遡及立法の検討  首藤重幸


事例研究
取得資産を譲渡する目的で行われた交換と特例適用の可否  朝倉洋子

混合契約における収益の判定をめぐる税務トラブル  金井恵美子



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特集  さあ景気回復!
    中小製造業の設備投資・研究開発費戦略と税務
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景気回復の兆候と中小製造業における先行投資の重要性  酒井宏知


<設備投資のポイント>
 中小企業が利用できる設備投資特例と適用のための要件整備  川村 信悦

 通達等で明らかになったIT税制の取扱い  三上広美

 開発研究用設備の特別償却の取扱い  宝達峰雄

 機械等の「購入」・「リース」の選択  久保澤和彦

 特例適用の際の「税額控除」「特別償却」の選択  三上清隆

 新工場の建設と用地・建物取得における留意点  加藤武人


<研究開発のポイント>
 試験研究費特例の新制度・従来制度の選択  川端雅彦

 共同・委託研究の実行と税務留意点  吉田恵子

 研究開発に係る人件費をめぐる税務留意点  岡崎和雄

 ソフトウェアの開発と税務・会計上の留意点  長谷川次郎


<共通事項>
 設備投資・研究開発のための資金繰りとそのパターン  牧野宏司

 ISOの取得認証による業務改善  行本康文

 知的財産権の出願・登録手続と税務・会計  須田孝一郎


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法人税実務
 法人成りに伴う資産負債等の引継ぎとその税務問題  久保田和子

 中小同族会社における連結納税制度の選択とその落とし穴  秋山典久

 
経営と税務
 従業員持株会の設立・運営のポイント  林孝悦・小川実


資産税実務
 今年中に行う!ゴルフ会員権の損出し譲渡の留意点  大澤清


評価実務
 類似業種目別株価一覧・路線価図の改定に伴う利用の際の留意点  小林登


消費税実務
 簡易課税制度の適用上限額引下げへの対応と留意点  遠藤雅己


利益計画
 医療法人のモデル利益計画  山田一城


業際研究
 節税商品勧誘者の保持すべき専門的知識と注意義務(上)  酒井克彦

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コラム・連載

ポイント・オブ・ビュー
 内野睦巳氏に聞く

税理士事務所みてある記
 矢田慶來税理士事務所

好調関与先にはワケがある!
 (有)セントラルマーケット/秋田耕二郎税理士


検証!非公開決済
 贈与時期/遠藤みち

クマオーの消費税トラブル・バスター
 遺産分割協議を工夫する/熊王征秀

法律問題ワンポイント・レクチャー
  遺言書の文字がきちんと書けません/服部弘


改正税理士法ステップアップ/税理士事務所のIT戦略/私のKey Word/税理士の休日
金融機関との上手な付合い方/頭の体操室/ブックレビュー/医療法人制度の最新事情
趣味講座 将棋・囲碁教室/租税訴訟裁判への扉/税務・会計相談コーナー
実務の焦点/速報税理トピックス/ミニ情報

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別冊付録
税務情報 平成16年度改正税法関係施行規則



2,581円
「金融(資産)所得の一体化課税」へと進む税制改正とその影響 井堀 利宏
  平成16年2月2日から名古屋国税局管内を皮切りに、新しい申告納税の方法である電子申告・電子納税が実施されている。大量に、瞬時に申告書を送ることができ、業務効率を高めることになる電子申告は今後大いに利用されることが期待されているが、それにより、申告・納税環境はどのように変わったか、また事前に取り上げられていた課題はクリアされたのか、等を検証していただいた。

更正の期間制限延長とその問題点 三木 義一
 今年度税制改正により欠損金の繰越期間が7年に延長されたことと平仄を合わせて、法人税に係る(脱税以外の)更正期間が3年から5年に延長されている。この改正は法人税納税義務者の権利関係に大きな変動をもたらす。なぜこのような延長が必要なのか、その理由が明確にされておらず、今後の課税実務への影響が懸念されている。本稿では、更正の期間制限(除斥期間)の意義とこれまでの制度の変遷を追究し、今改正の問題点と今後望まれる課税サイドの対応を提示する。
資産の無償等譲渡をめぐる課税と徴収の交錯(4) 品川 芳宣
 個人又は法人が滞納税額を有していた場合、あるいは各取引段階において生じた税額が滞納となった場合には、詐害行為の取消し又は第二次納税義務の責務が生じることになる。しかし、当該事実関係いかんによっては当該各処分のあり方が問題となる。第4回目の連載となる今回は、詐害行為の取消し及び第二次納税義務と徴収処分について論じる。

関連当事者間の所得振替に対する税務是否認の理論 野口  浩
 個別法人単位主義のもとでは、関連当事者間において所得を振り替えて税額を節減しようとした場合、法人税法22条2項、37条がネックとなり、あるときは両当事者に課税されたり、あるときは課税されないという不統一な結果を生んでいる。裁判例等によりこうした制度上の問題点を浮き彫りにし、連結納税制度が有効な手段となりうるのかを検討した上で、第三の立法的な手段を提案する。



今そこにある危機 税理士業務に伴う訴訟リスク
 税理士が訴訟に巻き込まれるケースが増大している。税理士が受任した税務申告に対し、説明義務や付随義務等トウに関して十分な責務を果たしていないという本来業務以外にも、税理士事務所内部や、事案を連携して請け負オった際の士業者間における責任の所在など、訴訟リスクはいたるところにある。今、あなたに忍び寄ヨる訴訟リスクを徹底的に洗い出す。
訴訟社会の到来で気をつけたい 税理士の訴訟リスク 鳥飼 重和
1. 実例を見れば、税理士の日常業務の中に訴訟リスクが存在することが分かる。
2. 今後の自由競争社会では訴訟リスクが拡大する。
3. 訴訟リスクを回避するには戦略的でなければならない。


〈委任契約に基づく訴訟リスク〉
スポット関与事案と専門家責任 内田久美子
1. 専門家の義務は、1忠実義務、2善管注意義務、3説明・助言義務に分類されるが、近時「聞出し義務」の存在が指摘されている。
2. 税理士は、依頼者との間で合意された契約内容に定められた義務のみならず、これと性質上必然的に伴う事項についても法的義務を負オう場合がある。
3. グレーゾーン事案を受任した場合には、依頼者が自己決定ケッテイ可能なレベルまで十分に説明を行って依頼者に選択してもらうこと、及びそれを証拠化しておくことが重要である。

顧問契約と専門家責任 堀 招子
1. 受任する業務内容について税理士が十分な説明をした上で合意する必要がある。
2. 顧問契約書の作成の重要性を認識すべきである。
3. 顧問契約の締結に当たっては、内容の明確化が肝要となる。

節税スキームの実行に伴う責任 堤 博之
1. 節税スキームが、顧客にとり魅力あるアドバイスであればあるほど、顧客に発生するリスクの把握が必要である。
2. 顧客リスクの把握は、税理士側でのリスク・マネジメントにつながる。
3. 税理士は、節税スキームに関して報酬を受け取トる場合には、受任した業務内容や報酬の対象業務を明確にし、書面化すべきである。
4. 節税スキームが、金融商品の販売を内容とする場合、税理士は販売担当者と見られないよう注意すべきである。
5. 顧客に対するアドバイス内容も、税務の専門家としての領域から離れすぎないことが必要である。

契約が終了した関与先に対する責任 原木 規江
1. 契約が終了した関与先に対しても責任は存在するし、事業を譲渡・廃止した場合も同様である。
2. 想定される訴訟リスクには、届出に関する事例や1回限カギり、あるいは期間制限のある特例の適用の事例などが多い。
3. 訴訟リスクを回避するには、説明義務責任等の専門家責任を果たし、かつ、その記録を保管することである。

隣接専門家との提携と税理士の責任 木山泰嗣
1. 受任の際には、委任の内容を明確に記載した契約書を作成することが必要である
2. 司法は専門家責任に対して厳しい判断をすることを知っておきたい。
3. 裁判で税理士が補助参加することの意味を認識する。

社員税理士・補助税理士・職員に対する責任 内田久美子
1. 所長税理士は、補助税理士・職員のミスに対しても法的責任を負う。
2. 所長税理士の求償権行使は、信義則上相当と認められる限度に制限される。
3. 分業体制の整った大規模事務所だからこそ生じるミスもある。
4. 税理士法人の社員たる税理士の責任は、直接・連帯・無限・補充的責任である。


〈税理士法関連の訴訟リスク〉
守秘義務違反 呰  真希
1. 税理士は、税理士法上及び契約上、業務上知り得エた秘密を守る義務がある。
2. 守秘義務に違反した場合には、税理士法上、税理士業務の禁止・停止・戒告という懲戒処分、刑事罰として懲役、罰金等が課カせられ、民事上、契約義務違反として損害賠償の責任を問われる。
3. 平成15年に制定された個人情報保護法との関連からも、情報管理には注意を怠ってはならない。
4. 守秘義務を守り、訴訟リスクを回避する上で、事務所の情報管理ルールを徹底することが重要である。

関与先の粉飾決算と顧問税理士の責任 松本賢人
1. 粉飾決算の依頼は断固として拒絶する。
2. 「故意」ではなく「過失」により粉飾決算を見逃した場合にも、不法行為責任が生じる可能性がある。
3. 粉飾決算が疑われるケースにおいては、基礎資料を精査する必要がある。

関与先の脱税と顧問税理士の責任 間瀬 まゆ子
1. 納税者の言うとおりに申告した後に当該納税者が重加算税を課された場合、税理士が専門家責任を問われることがあり得る
2. 損害賠償請求のリスクを回避するためには、“依頼を断る”という決断も必要である。
3. 依頼を受ける場合でも書面化を徹底する。
4. 刑事責任を問われるリスクの回避策も、民事責任の場合と同様である。


〈商法関連の訴訟リスク〉
監査役の責任 青戸理成
1. 監査役は、会社に対し、債務不履行責任、任務懈怠責任を負う。
2. 監査役は、第三者に対しても、任務懈怠責任、監査報告書虚偽記載の責任を負う。
3. 訴訟リスクを回避するためには、引き受ける監査役の業務の範囲を確認した上で、適切な権限行使を行う必要がある。

議事録作成に関する責任 青戸理成
1. 作成権限なき者の議事録作成は偽造となり、民事上、刑事上の責任を負う可能性がある。
2. 作成権限があっても、議事録に不実の記載をすれば、同じく民事上、刑事上の責任を負う可能性がある。
3. 訴訟リスクを回避するためには、作成権限(義務)と内容の真実性を確認し、慎重な態度で対応すべきである。



〈労働法関連の訴訟リスク〉
事業主としての職員に対する責任 内藤雅子
1. 労働法についての基本的な知識を確認する必要がある。
2. 労働問題は雇用主にとって、非常に大きなリスクであることを自覚しなければならない。
3. リスクを避けるために、できるだけ職員の視点から労働環境を見直す心がけをしておくべきである。






未払役員退職金に対する税務の留意点 山元俊一
 役員退職金に対する税務否認事案は多い。業績が好調の際には、過大退職金に対する否認が目立っていたが、不況下では退職金自体が未払いとなるケースが増加している。そのトラブルの原因となるが、損金算入時期や未払状態が長期に滞留するケースだ。そこで、トラブルとなった事案を紹介しながら、実務上の留意点を探る。
自己株式の取得・保有・処分をめぐる税務留意点 菅川洋
 平成13年10月に商法改正で「金庫株」が解禁となって、会社の自己株保有による効果を求めて自社株取得を検討するケースもでてきた。ところが、自社株の取得においては、会計上は資本の減少とし取得の費用は営業外費用とするのに対し、税務上では有価証券の購入費用からみなし配当となる金額を控除した金額を取得価額とし、付随費用も自己株式の取得価額に含めるーーというように、会計と税務で、取扱いが異なることがある。
 自社株の取得・保有・譲渡それぞれに、商法上の措置と会計処理、税務処理を比較するとともに、それぞれの取扱い上の留意点を加えていく。

徹底比較相続非上場株式を利用した相続税の納付対策 宮森俊樹
 16年度改正で相続非上場株式を相続税の納税のために発行会社に譲渡するケースでは、みなし配当課税に代えて20%の譲渡益課税とする特例が設けられた。一方、非上場株式については、一昨年、物納も条件付きで認められるようになっている。つまり、相続した非上場株式を用いた相続税納付対策には、大きく2通りの筋道が付いたことになる。
 そこで、創設された相続非上場株式譲渡の特例と非上場株式の物納の両制度を検討した上で、納税者の情況に応じた選択のポイント、メリット・デメリットなどを探る。
マンション底地を物納するための環境整備 二ノ宮伸幸
 相続税において金銭納付が困難な場合は、物納が認められるが、国税庁では物納された財産によって金銭納付と同じ効果を得るため公売や賃貸により金銭を稼得することが出来るかを判断する。物納申請されたものについては、この観点から協議がされ「管理又は処分するのに不適当な」財産については、物納財産の変更を求めることになる。
 以前からマンションの底地については、管理又は処分において、さまざまな権利が関係することから物納不適当財産とされる傾向があるが、中には権利が守られていて管理処分に問題ないものもある。
 マンションの底地において管理処分に不適当なものとはどのようなもので、どのような状態であれば物納が可能か、裁決事例などをもとに検討してみた。

免税事業者から課税事業者になった場合のチェックポイント 熊王征秀
 16年4月より15年度改正による消費税法が施行される。この改正の大きなポイントが、事業者免税点の引下げだ。この改正により、これまで免税事業者だった者が課税事業者に変わった場合には、どのような事項に影響が出てくるのだろうか。新課税事業者に対してチェックしたい、その影響と、とるべき対応策について検討する。

家具販売業のモデル利益計画 工藤南海夫
 欧州産の洗練された家具、中国産の安価な家具が日本の家具市場を席巻している。一方、国産品は、小規模ながらセンスのよい家具を販売するメーカが勢いを増しつつある。つまり、もはや従来の家具を展示して販売するだけの店作ヅクりでは生き残れない状況ということである。
 本稿では、家具産地の小さな工房と提携して販売している事例を紹介しつつ、今後の家具販売店が進むべき方向性を示す。







ポイント・オブ・ビュー
ストック・オプション
訴訟原告井上孝司氏に聞く

税理士事務所みてある記
永井久美子税理士事務所(東京税理士会荻窪支部)

好調関与先にはワケがある!
ウェルライフ・グループ/田中義幸税理士

検証! 非公開裁決
「通称常務の使用人兼務性」 川口浩

クマオーの消費税トラブル・バスター
「中間申告制度は、こう変わる!」 熊王征秀

法律問題ワンポイント・レクチャー
「ウェブ上で誹謗中傷されてしまった…」 服部弘

金融機関との上手な付合い方
「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)とは-その2-」甲賀伸彦

医療法人制度の最新事情 [新連載]
「特定医療法人制度とは」 東日本税理士法人

改正税理士法ステップアップ [新連載]
近藤新太郎

税理士事務所のIT戦略
塩見哲/神田祐二

租税訴訟裁判への扉
蔵重有紀

私のKeyword/井上行忠

税理士の休日/浅野務

税務・会計相談コーナー



巻末付録
税務情報法人税基本通達等の一部改正について
相続時精算課税に関する質疑応答事例について
外形標準課税基本Q&A
別冊付録
平成16年度所得税法等の一部を改正する法律案新旧対照表

2,581円
「金融(資産)所得の一体化課税」へと進む税制改正とその影響 井堀 利宏
  平成16年2月2日から名古屋国税局管内を皮切りに、新しい申告納税の方法である電子申告・電子納税が実施されている。大量に、瞬時に申告書を送ることができ、業務効率を高めることになる電子申告は今後大いに利用されることが期待されているが、それにより、申告・納税環境はどのように変わったか、また事前に取り上げられていた課題はクリアされたのか、等を検証していただいた。

更正の期間制限延長とその問題点 三木 義一
 今年度税制改正により欠損金の繰越期間が7年に延長されたことと平仄を合わせて、法人税に係る(脱税以外の)更正期間が3年から5年に延長されている。この改正は法人税納税義務者の権利関係に大きな変動をもたらす。なぜこのような延長が必要なのか、その理由が明確にされておらず、今後の課税実務への影響が懸念されている。本稿では、更正の期間制限(除斥期間)の意義とこれまでの制度の変遷を追究し、今改正の問題点と今後望まれる課税サイドの対応を提示する。
資産の無償等譲渡をめぐる課税と徴収の交錯(4) 品川 芳宣
 個人又は法人が滞納税額を有していた場合、あるいは各取引段階において生じた税額が滞納となった場合には、詐害行為の取消し又は第二次納税義務の責務が生じることになる。しかし、当該事実関係いかんによっては当該各処分のあり方が問題となる。第4回目の連載となる今回は、詐害行為の取消し及び第二次納税義務と徴収処分について論じる。

関連当事者間の所得振替に対する税務是否認の理論 野口  浩
 個別法人単位主義のもとでは、関連当事者間において所得を振り替えて税額を節減しようとした場合、法人税法22条2項、37条がネックとなり、あるときは両当事者に課税されたり、あるときは課税されないという不統一な結果を生んでいる。裁判例等によりこうした制度上の問題点を浮き彫りにし、連結納税制度が有効な手段となりうるのかを検討した上で、第三の立法的な手段を提案する。



今そこにある危機 税理士業務に伴う訴訟リスク
 税理士が訴訟に巻き込まれるケースが増大している。税理士が受任した税務申告に対し、説明義務や付随義務等トウに関して十分な責務を果たしていないという本来業務以外にも、税理士事務所内部や、事案を連携して請け負オった際の士業者間における責任の所在など、訴訟リスクはいたるところにある。今、あなたに忍び寄ヨる訴訟リスクを徹底的に洗い出す。
訴訟社会の到来で気をつけたい 税理士の訴訟リスク 鳥飼 重和
1. 実例を見れば、税理士の日常業務の中に訴訟リスクが存在することが分かる。
2. 今後の自由競争社会では訴訟リスクが拡大する。
3. 訴訟リスクを回避するには戦略的でなければならない。


〈委任契約に基づく訴訟リスク〉
スポット関与事案と専門家責任 内田久美子
1. 専門家の義務は、1忠実義務、2善管注意義務、3説明・助言義務に分類されるが、近時「聞出し義務」の存在が指摘されている。
2. 税理士は、依頼者との間で合意された契約内容に定められた義務のみならず、これと性質上必然的に伴う事項についても法的義務を負オう場合がある。
3. グレーゾーン事案を受任した場合には、依頼者が自己決定ケッテイ可能なレベルまで十分に説明を行って依頼者に選択してもらうこと、及びそれを証拠化しておくことが重要である。

顧問契約と専門家責任 堀 招子
1. 受任する業務内容について税理士が十分な説明をした上で合意する必要がある。
2. 顧問契約書の作成の重要性を認識すべきである。
3. 顧問契約の締結に当たっては、内容の明確化が肝要となる。

節税スキームの実行に伴う責任 堤 博之
1. 節税スキームが、顧客にとり魅力あるアドバイスであればあるほど、顧客に発生するリスクの把握が必要である。
2. 顧客リスクの把握は、税理士側でのリスク・マネジメントにつながる。
3. 税理士は、節税スキームに関して報酬を受け取トる場合には、受任した業務内容や報酬の対象業務を明確にし、書面化すべきである。
4. 節税スキームが、金融商品の販売を内容とする場合、税理士は販売担当者と見られないよう注意すべきである。
5. 顧客に対するアドバイス内容も、税務の専門家としての領域から離れすぎないことが必要である。

契約が終了した関与先に対する責任 原木 規江
1. 契約が終了した関与先に対しても責任は存在するし、事業を譲渡・廃止した場合も同様である。
2. 想定される訴訟リスクには、届出に関する事例や1回限カギり、あるいは期間制限のある特例の適用の事例などが多い。
3. 訴訟リスクを回避するには、説明義務責任等の専門家責任を果たし、かつ、その記録を保管することである。

隣接専門家との提携と税理士の責任 木山泰嗣
1. 受任の際には、委任の内容を明確に記載した契約書を作成することが必要である
2. 司法は専門家責任に対して厳しい判断をすることを知っておきたい。
3. 裁判で税理士が補助参加することの意味を認識する。

社員税理士・補助税理士・職員に対する責任 内田久美子
1. 所長税理士は、補助税理士・職員のミスに対しても法的責任を負う。
2. 所長税理士の求償権行使は、信義則上相当と認められる限度に制限される。
3. 分業体制の整った大規模事務所だからこそ生じるミスもある。
4. 税理士法人の社員たる税理士の責任は、直接・連帯・無限・補充的責任である。


〈税理士法関連の訴訟リスク〉
守秘義務違反 呰  真希
1. 税理士は、税理士法上及び契約上、業務上知り得エた秘密を守る義務がある。
2. 守秘義務に違反した場合には、税理士法上、税理士業務の禁止・停止・戒告という懲戒処分、刑事罰として懲役、罰金等が課カせられ、民事上、契約義務違反として損害賠償の責任を問われる。
3. 平成15年に制定された個人情報保護法との関連からも、情報管理には注意を怠ってはならない。
4. 守秘義務を守り、訴訟リスクを回避する上で、事務所の情報管理ルールを徹底することが重要である。

関与先の粉飾決算と顧問税理士の責任 松本賢人
1. 粉飾決算の依頼は断固として拒絶する。
2. 「故意」ではなく「過失」により粉飾決算を見逃した場合にも、不法行為責任が生じる可能性がある。
3. 粉飾決算が疑われるケースにおいては、基礎資料を精査する必要がある。

関与先の脱税と顧問税理士の責任 間瀬 まゆ子
1. 納税者の言うとおりに申告した後に当該納税者が重加算税を課された場合、税理士が専門家責任を問われることがあり得る
2. 損害賠償請求のリスクを回避するためには、“依頼を断る”という決断も必要である。
3. 依頼を受ける場合でも書面化を徹底する。
4. 刑事責任を問われるリスクの回避策も、民事責任の場合と同様である。


〈商法関連の訴訟リスク〉
監査役の責任 青戸理成
1. 監査役は、会社に対し、債務不履行責任、任務懈怠責任を負う。
2. 監査役は、第三者に対しても、任務懈怠責任、監査報告書虚偽記載の責任を負う。
3. 訴訟リスクを回避するためには、引き受ける監査役の業務の範囲を確認した上で、適切な権限行使を行う必要がある。

議事録作成に関する責任 青戸理成
1. 作成権限なき者の議事録作成は偽造となり、民事上、刑事上の責任を負う可能性がある。
2. 作成権限があっても、議事録に不実の記載をすれば、同じく民事上、刑事上の責任を負う可能性がある。
3. 訴訟リスクを回避するためには、作成権限(義務)と内容の真実性を確認し、慎重な態度で対応すべきである。



〈労働法関連の訴訟リスク〉
事業主としての職員に対する責任 内藤雅子
1. 労働法についての基本的な知識を確認する必要がある。
2. 労働問題は雇用主にとって、非常に大きなリスクであることを自覚しなければならない。
3. リスクを避けるために、できるだけ職員の視点から労働環境を見直す心がけをしておくべきである。






未払役員退職金に対する税務の留意点 山元俊一
 役員退職金に対する税務否認事案は多い。業績が好調の際には、過大退職金に対する否認が目立っていたが、不況下では退職金自体が未払いとなるケースが増加している。そのトラブルの原因となるが、損金算入時期や未払状態が長期に滞留するケースだ。そこで、トラブルとなった事案を紹介しながら、実務上の留意点を探る。
自己株式の取得・保有・処分をめぐる税務留意点 菅川洋
 平成13年10月に商法改正で「金庫株」が解禁となって、会社の自己株保有による効果を求めて自社株取得を検討するケースもでてきた。ところが、自社株の取得においては、会計上は資本の減少とし取得の費用は営業外費用とするのに対し、税務上では有価証券の購入費用からみなし配当となる金額を控除した金額を取得価額とし、付随費用も自己株式の取得価額に含めるーーというように、会計と税務で、取扱いが異なることがある。
 自社株の取得・保有・譲渡それぞれに、商法上の措置と会計処理、税務処理を比較するとともに、それぞれの取扱い上の留意点を加えていく。

徹底比較相続非上場株式を利用した相続税の納付対策 宮森俊樹
 16年度改正で相続非上場株式を相続税の納税のために発行会社に譲渡するケースでは、みなし配当課税に代えて20%の譲渡益課税とする特例が設けられた。一方、非上場株式については、一昨年、物納も条件付きで認められるようになっている。つまり、相続した非上場株式を用いた相続税納付対策には、大きく2通りの筋道が付いたことになる。
 そこで、創設された相続非上場株式譲渡の特例と非上場株式の物納の両制度を検討した上で、納税者の情況に応じた選択のポイント、メリット・デメリットなどを探る。
マンション底地を物納するための環境整備 二ノ宮伸幸
 相続税において金銭納付が困難な場合は、物納が認められるが、国税庁では物納された財産によって金銭納付と同じ効果を得るため公売や賃貸により金銭を稼得することが出来るかを判断する。物納申請されたものについては、この観点から協議がされ「管理又は処分するのに不適当な」財産については、物納財産の変更を求めることになる。
 以前からマンションの底地については、管理又は処分において、さまざまな権利が関係することから物納不適当財産とされる傾向があるが、中には権利が守られていて管理処分に問題ないものもある。
 マンションの底地において管理処分に不適当なものとはどのようなもので、どのような状態であれば物納が可能か、裁決事例などをもとに検討してみた。

免税事業者から課税事業者になった場合のチェックポイント 熊王征秀
 16年4月より15年度改正による消費税法が施行される。この改正の大きなポイントが、事業者免税点の引下げだ。この改正により、これまで免税事業者だった者が課税事業者に変わった場合には、どのような事項に影響が出てくるのだろうか。新課税事業者に対してチェックしたい、その影響と、とるべき対応策について検討する。

家具販売業のモデル利益計画 工藤南海夫
 欧州産の洗練された家具、中国産の安価な家具が日本の家具市場を席巻している。一方、国産品は、小規模ながらセンスのよい家具を販売するメーカが勢いを増しつつある。つまり、もはや従来の家具を展示して販売するだけの店作ヅクりでは生き残れない状況ということである。
 本稿では、家具産地の小さな工房と提携して販売している事例を紹介しつつ、今後の家具販売店が進むべき方向性を示す。







ポイント・オブ・ビュー
ストック・オプション
訴訟原告井上孝司氏に聞く

税理士事務所みてある記
永井久美子税理士事務所(東京税理士会荻窪支部)

好調関与先にはワケがある!
ウェルライフ・グループ/田中義幸税理士

検証! 非公開裁決
「通称常務の使用人兼務性」 川口浩

クマオーの消費税トラブル・バスター
「中間申告制度は、こう変わる!」 熊王征秀

法律問題ワンポイント・レクチャー
「ウェブ上で誹謗中傷されてしまった…」 服部弘

金融機関との上手な付合い方
「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)とは-その2-」甲賀伸彦

医療法人制度の最新事情 [新連載]
「特定医療法人制度とは」 東日本税理士法人

改正税理士法ステップアップ [新連載]
近藤新太郎

税理士事務所のIT戦略
塩見哲/神田祐二

租税訴訟裁判への扉
蔵重有紀

私のKeyword/井上行忠

税理士の休日/浅野務

税務・会計相談コーナー



巻末付録
税務情報法人税基本通達等の一部改正について
相続時精算課税に関する質疑応答事例について
外形標準課税基本Q&A
別冊付録
平成16年度所得税法等の一部を改正する法律案新旧対照表

2,581円
★特集★ 不況期だから注目したい 税理士事務所の新ビジネス展開

 不況の長期化が、税理士の関与先のみならず税理士事務所の経営をも直撃している。これは、関与先の状況が悪化していることから当然の結果ともいえるが、ではこの不況を税理士事務所はどのように乗り切るべきだろうか。本特集では、(1)不況期だからこそ関与先に必要とされるサービスの掘起し、(2)税理士に新たに付与された職域の拡大、の二つの視点より、税理士事務所の生残り戦略のために必要なノウハウを検討し、新たな業務展開の可能性を探る。

【不況期の関与先サービス】 

●不況で岐路に立つ事務所経営と新ビジネスの模索  山田 淳一郎
1.現況では、リテール型会計業界は不況もしくはそれに近い状況といえるが、ホールセール型会計業界は悪い状況ではない。 他

●融資を引き出すための銀行との交渉  鯨井 基司
1.金融機関による貸付先企業の格付けは、正常先、要注意先、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先ごとに区分されるが、業況、資金使途、経営者の性状等ごとに、より細かいチェックも行われる。
2.貸出金利は、正常先の「基準金利+0.1%」から破綻懸念先の「基準金利+6%」まで、信用リスクに応じて厳格に選別、適用される。 他
 
●資金繰りのための少人数私募社債の活用  高山 和子
1.中小企業に対する金融機関の貸出姿勢は、依然として厳しい。 他
 
●債務の株式化を活用した借入金の圧縮   吉村 博一
1.中小同族法人の「債務の株式化」とは、代表者借入金の現物出資と同様である。 他

●リストラ・事業承継のための組織再編成   矢吹 寛
1.不採算部門を分社等することにより、グループ全体の収益力を向上させる。
2.赤字会社の再生のため、適格組織再編により外部資本を導入する。 他

●種類株式制度を利用した株式発行形態の見直し   都井 清史
1.商法改正により種類株式の制度が拡充され、特に利益配当優先株式でなくても特定の議案について議決権を制限したり、あるいは全く議決権がないものとする無議決権株式の発行が認められた。  他
 
●経営悪化に伴う特定調停・民事再生の適用   佐藤 裕紀
1.特定調停・民事再生手続の適用の際、その再建計画の策定に当たって、弁済原資確保の手段と弁済スケジュールを記載する必要がある。これらの作成のために税理士のニーズが生じる。 他

●地価下落等に伴う賃貸借料の見直し   池田 陽介
1.具体的な賃料引下げ交渉を基にして、対応の実態や士業間の協力態勢の必要性を認識する。
2.税制改正で創設された固定資産税の開示制度の活用など、賃貸借料の引下げのポイントを探る。 他
 
●ソフトウエア等の使用・売買における法務留意点   牧野 和夫
1. 自分で作成した曲、写真、ソフトウエア等は、何ら登録や審査なく著作権法の保護を受けることができる。 他

【税理士の職域の拡大】  

●現物出資等の証明者の役割とビジネスモデル  菅納 敏恭
1.裁判所が選任する検査役の調査が必要とされる現物出資、事後設立、財産引受けが、税理士・税理士法人等の証明があれば、不要となった。 他

●ITコーディネータの役割とビジネスモデル  佐伯 祐司
1.関与先企業も経営のIT化に迫られている。
2.税理士事務所には経営環境やニーズの変化により、多くの脅威がある。 他

●補佐人の役割とビジネスモデル   青木  丈
1.税理士補佐人制度は、いわゆる税務訴訟に限られず、純粋な民事事件においても適用されている。
2.当事者、弁護士、補佐人税理士の関係は、委任契約書により明確にする。

●成年後見人の役割とビジネスモデル   田添 正寿
1.税理士が成年後見制度の担い手となることに対する社会的期待は大きい。 他

●証券仲介業務への進出とビジネスモデル  嶋  敬介
1.2004年4月に証券仲介業務が解禁されるが、関与先のニーズは確実に存在する。
2.証券仲介業務への参入に際して、FP資格の獲得やFPとの連携を探る必要がある。 他
 
●外部監査人の役割と業務   中村 清之
1.地方公共団体に外部監査制度が導入され、監査人に税理士も登用された。 他
 
●通則法実務
「隠ぺい又は仮装」と「偽りその他不正の行為」の認定ポイント 朝倉 洋子

●法人税実務
更正の請求期限を徒過した過年度損益の処理  藤井 茂男
  
●会社の税務
破綻会社株式・ゴルフ会員権に対する税務処理  稲沢 和光  小林  登

●消費税実務
建設業における材料の無償支給と事業判定上の留意点  林  仲宣  角田 敬子
2,581円
〔巻頭論文〕 税源移譲をめぐる論点と分権時代の地方税制  林 宜嗣

〔税務研究〕 非上場自己株式の譲渡における所得課税上の問題点   右山 昌一郎

〔事例研究〕 親族等に対する保証債務をめぐる税務トラブル   笹岡 宏保
 
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●特集/否認されないための情況証拠の残し方

・税務調査における物的証拠と情況証拠   岸田 貞夫/大野 千寿子
・収益・費用の計上   吉村 博一

・関係会社間の取引        山本 清次
・会社・役員間の資産の貸借    大沼 長清
・役員の報酬・退職金       中臺 昭
・従業員の給与          山口 義夫
・使途秘匿金・費途不明金     八ツ尾 順一
・交際費等・寄附金        津田 明人
・債権の貸倒れ・貸倒引当金処理  鈴木 修三
・棚卸資産の廃棄・評価損     岸 生子
・保有資産の修理・除却・評価換え 土屋 晴行
・土地の譲渡・買換え       宝達 峰雄
・消費税における課税仕入れ    熊王 征秀
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・通則法実務 不況で増加する納税保証人制度の利用とその対応   戸田 厚司/羽根 由理子
・法人税実務 関係会社間で行う中古ソフトウエアの売買・償却に係る留意点 轟木 洋二
・所得税実務 譲渡所得の帰属時期をめぐるトラブルとその回避策   宮本 恵子
・法人税実務 同族会社の留保金課税不適用措置の拡充と適用上の留意点 岸田 光正
・資産税実務 小規模宅地・自社株に係る評価減特例の併用ポイント   飯塚 美幸
・法務と税務 遺産分割のやり直しに対する課税の対応   橋本 守次
・経営実務 在職老齢年金の積極活用によるキャッシュフロー改善策  関根 光/亀田 一弘
・利益計画 ベーカリーのモデル利益計画   平村 一紀

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コラム・連載 ポイント・オブ・ビュー    金児 昭氏に聞く
税理士事務所みてある記  税理士法人 平川会計パートナーズ
好調関与先にはワケがある!  ((有)大輪/加藤武人 税理士
この資産には、この評価! 山家一洋
法律問題ワンポイント・レクチャー 菅原万里子
検証! 非公開裁決 千田 喜造
  税理士事務所のCS戦略 塩見 哲
クマオーの消費税トラブル・バスター 熊王 征秀
租税判決への招待 大野重國
ほか



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別冊付録Ⅰ●税務情報 平成15年度改正租税特別措置法施行規則・ほか
別冊付録Ⅱ●租税判例の回顧(平成14年上半期)



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