判例時報 発売日・バックナンバー

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◆記 事◆

特集 科学と裁判
 序文……大塚 直
 ⑴医学の不確実性と医療過誤判例……米村滋人
 ⑵訴訟と科学──その実務的対応……加藤新太郎

刑法判例と実務
 ──第55回 損壊の概念の周辺──……小林憲太郎

◆判決録細目◆

行 政

○1 県知事による沖縄防衛局に対する公有水面埋立法42条1項に基づく埋立ての承認を取り消す処分が、行政不服審査法に基づく国土交通大臣の裁決により取り消された場合において、当該裁決が地方自治法251条の5第1項の訴訟の対象となる「国の関与」に当たらないとして、同裁決の取消しを求める同項の訴えを却下した事例
 2 公有水面埋立法42条1項に基づく埋立ての承認を取り消す処分は、沖縄防衛局が行政不服審査法7条2項にいう「固有の資格」において相手方となった処分に当たらず、同処分には行政不服審査法の規定が適用されるとした事例
 3 県知事から事務の委任を受けた機関が行った処分に対する行政不服審査法に基づく審査請求について、同機関の処分権限が委任の終了に伴い消滅しているときは、県知事が処分を行った機関の立場を承継しており、当該処分は地方自治法255条の2第1項1号にいう「都道府県知事の処分」に当たり、当該処分に係る事務を規定する法律を所管する大臣が審査請求をすべき行政庁になるとした事例
(福岡高那覇支判令1・10・23)

民 事

○協議離婚時に公正証書で定めた養育費の額(合計月額15万円)が住宅ローンの支払に関する合意と不可分一体のものとなっており、合意の真の意味は、未成年者らの養育監護に使用される実際の養育費としては、住宅ローン月額支払額10万円相当額を除いた、月額合計5万円を抗告人に支払うことを約するものであるとして、前記公正証書で定めた養育費の減額請求につき、住宅ローンに関する合意と切り離して養育費のみを減額することは相当でないとし、これを認めた原審判を取り消して、申立てを却下した事例
(東京高決令1・8・19〈参考原審:千葉家佐倉支審平31・3・26掲載〉)

○国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律に基づき、父である抗告人が、母である相手方に対して、子をその常居所地国であるシンガポールに返還するよう求めた事案において、同法28条1項3号(留置についての同意又は承諾)及び同項4号(重大な危険)の各返還拒否事由があると認められることから、子の返還申立てを却下した原決定は相当であるとして抗告を棄却した事例
(東京高決平30・5・18〈参考原審:東京家決平30・2・13掲載〉)

○産婦人科医師が血糖値測定義務に違反したことと生後3日の新生児が低血糖から胃出血・出血性ショックを起こし低酸素性虚血性脳症を発症し脳性麻痺に至ったこととの間に因果関係が認められた事例
(大阪高判平31・4・12〈参考原審:神戸地判平30・2・20掲載〉)

○推定相続人の被相続人に対する暴力を理由に推定相続人の廃除を認めた事例
(大阪高決令1・8・21〈参考原審:大阪家審平31・4・16掲載〉)

○抗告人と相手方が、婚姻後約9年間同居した後別居し、婚姻から約44年後離婚したという事実関係において、夫婦の扶助義務は別居した場合も基本的に異ならず、老後のための所得保障についても同等に形成されるべきであり、本件では、年金の保険料納付に対する夫婦の寄与を同等とみることが著しく不当であるような特別な事情があるとはいえないとして、按分割合を0・5とすべきとした事例
(大阪高決令1・8・21〈参考原審:大津家高島出審令1・5・9掲載〉)

▽民法750条及び戸籍法74条1号の各規定は、憲法14条1項、24条、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約又は市民的及び政治的権利に関する国際規約に違反することが明白であるとはいえず、その改廃等の立法措置を執らない立法不作為は国家賠償法1条1項の適用上違法とはいえないとされた事例
(東京地判令1・10・2)

▽社会保険労務士が強制執行を免れるために社会保険労務士法人を設立した行為が法人格を濫用したとして、社会保険労務士法人の責任が認められた事例
(東京地判令1・11・27)

▽1 加害行為を行った責任無能力者の両親につき、民法714条1項の法定の監督義務者に当たらないと判断された事例
2 加害行為を行った責任無能力者の両親につき、民法714条1項の法定の監督義務者に準ずべき者に当たらないと判断された事例
(大分地判令1・8・22)

刑 事
○犯人性を争点とする事案において、犯行現場に被告人の眼鏡等が落ちていたこと等の一見して有力な間接事実を認定しながらも、被告人が犯人であると認めるには合理的な疑いが残るとして無罪とした1審判決を維持し、検察官の控訴を棄却した事例
(東京高判令2・1・23〈参考原審:横浜地判令1・5・31掲載〉)
◆記 事◆

最高裁民事破棄判決等の実情
 ──令和元年度──……作田寛之・日置朋弘

改正民法が民事裁判実務に及ぼす影響(11・完)
 債務者の責任財産の保全等に関する見直し……石田 剛

現代型取引をめぐる裁判例(453)……升田 純


◆判決録細目◆

行 政

▽中央防波堤埋立地付近における特別区の境界を、現在の水際線を基礎とした等距離線に利用状況等による修正を加えた線と確定した事例
(東京地判令1・9・20)

民 事

○原審が、父親(抗告人)と3人の子ら(利害関係参加人ら)との直接交流(面会)を認めず、手紙の送付等の間接交流のみを認めたのに対し、抗告審は、原審を基本的に維持しつつ、母親から父親に対して子らの電子メールのアドレス及びLINEのIDを通知すべきことなどは認め、その限度で原審を変更した事例
(東京高決令1・8・23〈参考原審:さいたま家審平31・2・26掲載〉)

○株式会社の社外役員で構成される調査委員会作成に係る調査報告書が民事訴訟法220条4号ニにいう「自己利用文書」に該当しないとされた事例
(大阪高決令1・7・3〈参考原審:大阪地決平31・4・15掲載〉)

▽川崎市内の河川敷で当時13歳であった被害者が未成年者である少年ら3名に殺害された事件について、同少年らのうち2名の少年の各親権者については監督義務違反の責任が認められ、他の1名の少年の親権者については監督義務違反の責任が否定された事例
(横浜地判令1・7・26)

▽被告県が公共工事のために実施した総合評価一般競争入札について、①被告県については、評価が恣意的であり、裁量を逸脱するとして、国家賠償法1条1項に基づき、②被告会社については、被告県に不当な圧力を掛け、恣意的な評価を行わせたとして、民法709条に基づき、損害賠償を求めた原告の請求をいずれも棄却した事例
(津地判令1・5・16)

▽構造改革特別区域法に基づく学校設置認可を受けた学校設置会社が運営する学校において、不適切な単位認定が行われたことから、学校設置を認可した地方公共団体が、履修回復のための費用を支出したことに対し、事務管理に基づく費用償還請求を求めた事案において、請求を認容した事例
(津地判令1・6・20)

▽児童相談所長である申立人が、児童福祉法28条1項に基づき、保護者である母から暴言や暴行を受けて一時保護中の児童について、里親等への委託又は児童養護施設への入所を承認するよう求めた事案において、児童家庭支援センターへの定期的な通所、心理カウンセリングの受講、児童相談所への家庭訪問や助言の受け入れ等を内容とする審判前の指導措置の勧告を行った上で、同勧告に基づく援助を母が肯定的に捉えていることから、児童に対する監護が著しく児童の福祉を害するものとはいえないとして、申立てを却下し、併せて同条7項に基づく同内容の勧告をした事例
(福岡家審令1・8・6)

刑 事

○いわゆる特殊詐欺の事案において、被害者の交付行為を欠くことから、受け子に詐欺未遂罪と窃盗罪が成立する場合に、共謀の内容が詐欺と窃盗にわたるものと認定できるため、共犯者である被告人が窃盗の責任も負うとした事例
(東京高判平31・4・2〈参考原審:水戸地判平30・9・26掲載〉)
◆記 事◆

統治構造において司法権が果たすべき役割第2部(9)
 立法権にとっての憲法と司法権にとっての憲法……毛利 透

死刑制度論のいま──基礎理論と情勢の多角的再考(6)
 死刑制度論における世論の意義……本庄 武

会社法・金融法随想──立法事実からみる、近況・課題(3)
 株式に関する諸問題……神田秀樹

◆判決録細目◆

行 政

▽福岡市において屋台を営んでいた原告らが、道路占用許可の申請の不許可処分の取消しを求めたところ、本件においては、条例の定めと異なる取扱いをすることを認めるべき特段の事情があり、前記不許可処分につき裁量権の範囲の逸脱又は濫用があったとはいえないとされた事例
(福岡地判令1・11・27)

民 事

▽膵尾部切除及び胆嚢摘出の手術を受けた患者に総肝管の狭窄が生じたことにつき、手術担当医に胆管損傷を回避するための措置を怠ったなど治療判断や手技上の過失が否定された事例
(東京地判平31・1・31)

▽私立中学校の学校長が生徒に対して行った校則違反を理由とする退学処分が裁量の範囲を逸脱した違法なものであるとして学校法人に対する損害賠償請求が認容された事例
(さいたま地川越支判令1・6・13)

▽慢性副鼻腔炎と診断された患者が、内視鏡下副鼻腔手術及び粘膜下下鼻甲介骨切除術の施術を受けて後遺障害を負ったことについて、医師に手技上の過失等はないとされた事例
(岡山地判令1・5・22)

知的財産権

▽口コミランキングサイトにおけるランキング表示につき誤認惹起行為の成立が認められた事例
(大阪地判平31・4・11)

刑 事

◎ひそかに児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律2条3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を電磁的記録に係る記録媒体に記録した者が当該電磁的記録を別の記録媒体に記録させて児童ポルノを製造する行為と同法7条5項の児童ポルノ製造罪の成否
(最一決令1・11・12)

◎被告人の記名のみがあり署名押印がいずれもない控訴申立書による控訴申立ての効力
(最一決令1・12・10)

○強制わいせつ未遂事件において、原判決が被告人のわいせつ目的を客観的事情から推認し、その補強として、被告人が5日後にも同種の強制わいせつ行為に及んだ事実を用いたことに違法はないとした事例
(東京高判令1・5・15〈参考原審:千葉地判平30・11・27掲載〉)

▽1 自動車を窃取した際、これを取り返そうとした被害者をボンネットに乗り上げさせて走行し、路上に転落させて殺害した事案につき、被告人がその車を運転していたとして起訴されたのに対し、現場にいた窃盗の共犯者の供述は信用することができないとして無罪とした第1審の判断は論理則経験則に反するとされた事件の差戻審
2 事件後の被告人と共犯者との間の手紙のやりとり等を詳細に検討し、これを用いて共犯者ら及び被告人の供述の信用性を判断した事例
(千葉地判平31・2・26)

▽覚せい剤営利目的所持の事案において、被告人使用車両を追尾するに当たり実施されたGPS捜査を違法と判断し、それにより直接得られた証拠の証拠能力を否定したが、同捜査のほか、被告人の行動確認の結果得られた情報に基づいて行われた捜査によって得られた証拠について、GPS捜査とは密接に関連しないとして証拠能力を肯定した事例
(旭川地判平31・3・28)

◆最高裁判例要旨(2020(令2)1月分)
1,470円
◆記 事◆
衆議院法制局創立七十周年記念講演会(二〇一八)
 衆議院法制局初代局長・入江俊郎の識見とその今日的意義……高見勝利 先生

刑法判例と実務
 ──第54回 「他人のためにその事務を処理する者」の周辺──……小林憲太郎

◆判決録細目◆

民 事

○司法書士が順次売買について登記手続の連件申請を行う場合において、前件の司法書士が、委任関係のない後件の登記権利者に対しても、書類の真否について調査確認すべき義務を負うとした事例
(東京高判令1・5・30〈参考原審:東京地判平30・9・13掲載〉)

○1 個人情報の管理の再委託を受けた外部業者の従業員が当該個人情報を漏えいさせたことにつき、個人情報を受託管理していた会社に、MTP対応スマートフォンに対する書き出し制御措置を講ずべき注意義務違反を認めた事例
2 個人情報の管理を委託していた会社に対して、委託先に対する適切な監督をすべき注意義務違反を認めた事例
3 個人情報の漏えいにより、不快感及び生活の平穏等に対する不安感を生じさせるとして、精神的損害の発生を認めた事例
(東京高判令1・6・27〈参考原審:東京地判平30・6・20掲載〉)

○郵便はがきに、全文、日付及び氏名を自署指印して作成された上、郵送された当該郵便はがきについて、自筆証書遺言としての効力を認めなかった事例
(東京高判令1・7・11〈参考原審:東京地判平31・2・8掲載〉)

▽市立高校のソフトボール部員がノック練習中、捕球時に左手小指を骨折した事故につき、監督教師に過失があるとして、市の国家賠償責任が認められた事例
(京都地判令1・10・24)

▽自動車総合保険契約に基づく加害者側任意保険会社に対する直接請求につき、原告主張の交通事故は、被保険者の故意によって発生したものであるとして、請求が棄却された事例
(名古屋地判令1・6・26)

▽原告が、強姦の被疑事実で逮捕された旨の事実等が掲載されたウェブ記事に関し、原告の検索事業者に対する検索結果削除請求の一部を認容し、不法行為に基づく損害賠償請求を棄却した事例
(札幌地判令1・12・12)

刑 事

◎刑事訴訟法299条の4、299条の5は憲法37条2項前段に違反しない
(最二決平30・7・3)

○自宅で妻を殺害したとして起訴された事件につき、検察官が、被告人以外の者による犯行の可能性がないという「消去法的立証」を試みたのに対し、その可能性は否定できないとして無罪とした原判決を支持した事例
(福岡高那覇支判平30・7・12〈参考原審:那覇地判平29・10・27掲載〉)

◆判例評論◆
11 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項4号(生殖腺除去要件)は、憲法13条、14条1項に違反するか
(最二決平31・1・23)……君塚正臣

12 年金保険金(年金)支払請求権の差押命令の申立てにつき、特に生計の維持のために保険金の受給の必要がなかったとして、差押禁止債権該当性を否定した事例
(東京高決平30・6・5)……渡部美由紀

13 臨時職員と正規職員の基本給・賞与の相違が労契法20条の不合理性を有するとされた例
(福岡高判平30・11・29)……岩出 誠

14 強制わいせつ罪における「性的意図」
(最大判平29・11・29)……木村光江
2,200円
■特集
 ハンセン病家族訴訟熊本地裁判決
 (熊本地判令1・6・28)
  解説
  判決全文
 
〈ハンセン病家族訴訟をめぐって〉
① ハンセン病国賠訴訟(熊本地判令1・6・28)について……内田博文
② ハンセン病家族訴訟判決(熊本地裁令和元年6月28日)
 の意義と今後の課題……小林洋二
③ 裁かれた社会の偏見差別……糠塚康江
④ ハンセン病家族訴訟の検討……植木 淳
⑤ ハンセン病家族訴訟熊本地裁判決の概要と意義……西村淑子
◆記 事◆
衆議院法制局創立五十周年記念講演会(一九九八)
 議会政治と政党政治の間  樋口陽一 先生
 
◎新連載
裁判制度のパラダイムシフト
 ──過去と未来をつなぐ憲法上の10のテーマ(1)
──制度の導入及び定着過程における違憲審査制のデザイン……笹田栄司
 
現代型取引をめぐる裁判例(452)……升田 純
 
海外判例研究──第9回──
 大林啓吾  ダン・ローゼン/西口 元  胡 光輝  カライスコス・アントニオス  佐藤拓磨  神馬幸一  緑 大輔

◆判決録◆
行 政
○国有地の払下げに係る売買契約書に記載された売買代金額等及び瑕疵担保責任免除特約条項が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条2号イ所定の不開示情報に該当せず、処分行政庁がこれを不開示情報に該当すると判断したことが国家賠償法上違法であるとされた事例
(大阪高判令1・12・17〈参考原審:大阪地判令1・5・30掲載〉)

○公職選挙法14条、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の合憲性
(仙台高秋田支判令1・10・25)

民 事
○商品の取り込み詐欺をしていた者から継続的に当該商品を買い受けていた業者について共同不法行為の成立を認めた事例
(東京高判令1・9・19〈参考原審:東京地判平30・11・20掲載〉)

○石綿由来の肺がんにり患したことを理由とする国家賠償請求における遅延損害金の起算日
(福岡高判令1・9・27〈参考原審:福岡地判平31・3・12本誌2425号70頁掲載〉)

▽石綿工場内での石綿ばく露により肺がんを発症した被害者の国に対する国家賠償請求に関し、その遅延損害金の起算日は肺がんの確定診断日と解すべきであるとされた事例(神戸地判令1・9・17)

▽1 破産者のした弁済が、破産法162条1項2号の「その時期が破産者の義務に属しない行為」に該当するか否かが問題とされた事例
2 破産者のした弁済に対する破産法162条1項1号イによる否認が、債権者の単独の意思表示による相殺処理も可能であったとの理由で認められなかった事例
3 破産法162条1項柱書の「既存の債務についてされた担保の供与」の該当性につき、対抗要件具備の経緯が問題とされた事例
(和歌山地判令1・5・15)

刑 事
○クレプトマニア(窃盗症)による執行猶予期間中の万引き事案につき、実刑とした原判決を破棄して、再度の執行猶予を付した事例
(東京高判平30・8・31〈参考原審:さいたま地越谷支判平30・2・20掲載〉)
◆記 事◆
統治構造において司法権が果たすべき役割第2部(8)
 米軍機飛行差止請求訴訟と国内法の適用
 ──最高裁「第三者行為論」の克服に向けて──……福田 護

◆書 評◆
千葉勝美『憲法判例と裁判官の視線―その先に見ていた世界』(有斐閣、2019年)
評者……①高橋和之 ②高見勝利

◆判例特報◆
公職選挙法14条、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の合憲性
 ——2019年参院選投票価値格差訴訟高松高裁判決
(高松高判令1・10・16)

◆判決録◆
民 事
◎高齢者の医療の確保に関する法律による後期高齢者医療給付を行った後期高齢者医療広域連合が当該後期高齢者医療給付により代位取得した不法行為に基づく損害賠償請求権に係る債務についての遅延損害金の起算日
(最二判令1・9・6)

◎貸金の支払を求める訴訟において、前訴でその貸金に係る消費貸借契約の成立を主張していた被告が同契約の成立を否認することは信義則に反するとの原告の主張を採用しなかった原審の判断に違法があるとされた事例
(最二判令1・7・5)

○インターネットのウェブサイト上に掲載された記事について名誉毀損の成立を認め、出版社らに対し、損害賠償の支払に加えて記事の一部の削除と訂正記事の掲載が命じられた事例(東京高判令1・11・27〈参考原審:東京地判平31・2・13掲載〉)

▽市議会議員による、ネット上の記事掲載者に対する名誉毀損等に基づく損害賠償請求(本訴)について、記事掲載者には記事内容が真実であると信じたことに相当の理由があるとして不法行為の成立を否定し、本訴提起が不法行為を構成するとして、記事掲載者の市議会議員に対する賠償請求(反訴)が認められた事例(千葉地松戸支判令1・9・19)

▽1 高校教師の指導が体罰等として違法行為に当たり、この結果、当該生徒が自殺するに至ったとして、学校設置者に対して損害賠償を求めた事案において、当該指導は、生徒指導として許容される限度を超えるものではなかったとして、損害賠償請求が棄却された事例
2 高校生徒の自殺について、全校生徒を対象として行われたアンケートの原本を学校が廃棄してしまったのは、遺族に対する調査報告義務違反を構成するとして、損害賠償請求が一部認容された事例
(札幌地判平31・4・25)

刑 事
◎被告人が強姦及び強制わいせつの犯行の様子を隠し撮りした各デジタルビデオカセットが刑法19条1項2号にいう「犯罪行為の用に供した物」に当たるとされた事例(最一決平30・6・26)

▽1 被告人が、同居の実子A(当時19歳)がかねてより被告人による暴力や性的虐待等により被告人に抵抗できない精神状態で生活していて抗拒不能の状態に陥っていることに乗じてAと性交したとする2件の準強制性交等罪の事案において、抗拒不能状態を認定できないとして無罪が言い渡された事例(①事件)
2 被告人が、深夜被害者に声を掛け、暴行を加えて反抗を著しく困難にして口腔性交をし障害を負わせたとする強制性交等致傷罪の事案において、被告人の加えた暴行は強いものではなかったが、それにより被害者は頭が真っ白になり反抗を著しく困難にする程度に至っていたものの、被告人にその認識があったとは認められないとして無罪が言い渡された事例(②事件)
(①名古屋地岡崎支判平31・3・26、②静岡地浜松支判平31・3・19)

◆最高裁判例要旨(2019(令1)年12月分)
1,470円
◆記 事◆
民法理論のいま──実務への架橋という課題(3)
 「錯誤」理論の新たな展開
 ──改正法によって錯誤制度はどのように変わったか①……近江幸治

刑法判例と実務
 ──第53回 強盗致死傷罪の周辺──……小林憲太郎

◆判決録細目◆
行 政
◎1 市の経営する競艇事業の予算に違法な内容が含まれていた場合において、市長が前記予算を調製したことを理由として不法行為に基づく損害賠償責任を負うとはいえないとされた事例
2 市の経営する競艇事業の管理者が違法な補助金の交付決定をした場合において、前記管理者を補助すべき立場にある職員が前記決定に関与したことを理由として不法行為に基づく損害賠償責任を負うとはいえないとされた事例
(最一判令1・10・17)

○公職選挙法14条1項、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の合憲性(合憲)
(福岡高宮崎支判令1・10・30)

民 事
◎1 振替口座簿に開設された被相続人名義の口座に記載又は記録がされている振替株式等の共同相続により債務者が承継した共有持分に対する差押命令の適否
2 振替株式等の共同相続により債務者が承継した共有持分について譲渡命令を発することの許否
(最二決平31・1・23)

○元請会社及び第一次下請会社の第二次下請会社労働者に対する安全配慮義務違反を理由とする損害賠償責任が認められた事例(過失相殺5割)
(東京高判平30・4・26〈参考原審:東京地判平28・9・12掲載〉)

▽仮想通貨(暗号資産)交換業者に預託していた金銭が何者かによって不正にビットコインに交換され、これが外部のビットコインアドレスに送付されたことについて、前記業者には不正アクセス者による機密取得及び不正取引防止のためのシステム構築義務違反は認められないとされた事例
(東京地判平31・1・25)

▽業務委託契約において、消費税相当額に対応する合意を行っていなかった場合に、消費税法に基づき、業務委託報酬として消費税相当額の支払を求めることは認められないとされた事例
(大阪地判平31・1・25)

▽1 「集団送還」の方法による強制送還執行につき、国家賠償法上の違法性が否定された事例
2 入国警備官が訴えの利益について誤った教示をしたことにつき、国家賠償法上の違法性を肯定した事例
(名古屋地判令1・7・30)

労 働
▽病院の事務職員が自殺した事案において、病院での長時間労働によりうつ病エピソードを発病した結果自殺に至ったものと認定し、病院管理者である被告に安全配慮義務違反に基づく損害賠償責任を認めた上、被告の主張する前記事務職員の業務の進め方、超過勤務申請書の不提出、医療機関の不受診等の事情による過失相殺等がいずれも否定された事例
(岐阜地判平31・4・19)

◆判例評論◆
6 難民に該当することを理由に難民不認定処分の取消判決が確定している外国人について法務大臣が再度不認定処分をする場合には、難民条約における終止条項に該当することを要するとした事例
(東京高判平30・12・5)……阿部浩己

7 民訴法324条に基づく移送決定についての取消しの許否
(最三決平30・12・18)……棚橋洋平

8 訴訟当事者に判決の内容が了知されず又は了知する機会も実質的に与えられなかったことにより不服申立ての機会が与えられないまま確定した外国裁判所の欠席判決に係る訴訟手続が民訴法一一八条三号にいう公の秩序に反するとした事例
(最二判平31・1・18)……松永詩乃美

9 過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律4条)における、「その運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的」及び「その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させること」の意味
(札幌高判平29・1・26)……松尾誠紀

10 原審の摘示した間接事実だけでは被告人においてAが逃走中の「Z」であると認識していたとは認められないとして、事実誤認を理由に犯人蔵匿罪を認めた原判決を破棄した事例について
(大阪高判平30・9・25)……佐藤結美
◆記 事◆
最高裁刑事破棄判決等の実情
 ──平成30年度──……蛭田円香

統治構造において司法権が果たすべき役割 第2部(7)
 「部分社会の法理」と司法権の限界……木下智史

現代型取引をめぐる裁判例(451)……升田 純

◆判決録細目◆

行 政

▽道路の占用料を道路敷地の固定資産税及び都市計画税の額と同額と定めた当該占用料の納入告知が裁量権の範囲を超え又はその濫用があったものとして違法となるとされた事例
(大阪地判令1・7・31)

民 事

◎債権執行における差押えによる請求債権の消滅時効の中断の効力が生ずるためにその債務者が当該差押えを了知し得る状態に置かれることの要否
(最一判令1・9・19)

▽自動車保険契約の申込みの際に、被保険車両の主たる運転者でも、被保険車両を支配、使用する者でもない者を記名被保険者として告知した行為が、詐欺(民法96条1項)に当たるとして、詐欺取消しが認められた事例
(大阪地判令1・5・22)

▽天然石や薬草等を混ぜて焼結させた加工アクセサリーを天珠と称し宗教的効果等があるなどとして、一般消費者に高額で購入させ、さらにそれを清める儀式である浄化と称する機会を設けて来店に誘い、さらに同類商品を6回にわたり高額で購入させた販売店長等の販売行為等について、実質的に暴利行為、目的を隠匿しての勧誘行為、長時間にわたる勧誘行為として不法行為に該当し、それらの各行為を販売会社が組織的に反復継続して行ったものとして、販売会社に使用者責任を認めた事例
(大阪地堺支判令1・5・27)

▽胃がん等の手術を受けたことのある患者が、転院先の病院で、内視鏡的逆行性胆膵管造影(ERCP)及び内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)の処置を受けた後、入院中に痰詰まりにより一時心肺停止になり低酸素性脳症に陥り、3年余り後に敗血症で死亡したことについて、前記病院の担当医師らに施術適応性判断の過誤、手技及び救命措置の不手際、施術に関する説明義務違反などの過失がないとされた事例(反訴請求事件)
(広島地判平29・9・15)

労 働

◎有期労働契約を締結していた労働者が労働契約上の地位の確認等を求める訴訟において、契約期間の満了により当該契約の終了の効果が発生するか否かを判断せずに請求を認容した原審の判断に違法があるとされた事例
(最一判令1・11・7)

○1 就業規則と異なる労働条件である出来高払制の合意をしたとの会社側の主張が排斥された事例
 2 労働者に対するパワーハラスメントが認められるとして、事実上の取締役の不法行為責任及び会社の会社法350条の類推適用による責任が肯定された事例
(福岡高判平31・3・26〈参考原審:福岡地判平30・9・14本誌2413=2414号195頁〉)

刑 事

○1 警察官である被告人が、内偵捜査中に、捜査対象者であった被害者から不審者として問い詰められて身体や衣服をつかまれるなどしたので、その拘束から逃れるために、衣服をつかまれたままの状態で勢いよく自己の身体を反転させる暴行を加え、被害者に傷害を負わせた行為につき、正当防衛の成立を認めた原判決を支持し控訴を棄却した事例
 2 私服警察官による適法な内偵捜査であることを知らない私人が当該警察官を不審者として警察に引き渡す目的で逮捕した場合、現行犯逮捕としての違法性阻却事由が認められないとしても、「相当な範囲での若干の引き留め行為」である限り、社会的正当行為として許容される場合のあることを判示した事例
(東京高判平31・3・1〈参考原審:千葉地判平30・6・29掲載〉)
◆記 事◆

家事事件手続規則の一部を改正する規則の解説……宇田川公輔・山岸秀彬

統治構造において司法権が果たすべき役割第2部(6)
 マクリーン判決の間違い箇所……泉 徳治

死刑制度論のいま──基礎理論と情勢の多角的再考(5)
 エビデンスに基づく死刑制度論の模索……渡邊一弘

再審制度の課題に関する多角的考察(3)
 誤判救済と再審制度──イギリス誤判救済制度からの示唆……葛野尋之

◆判決録細目◆

行 政

▽保佐人による本人の損害賠償金の浪費・費消について、本人から虐待の訴えを受けていた地方公共団体の職員が、本人の財産が散逸する具体的危険性を認識したにもかかわらず、財産散逸を防止する措置を講じなかったことは、国家賠償法上違法であるとして、地方公共団体に対する請求を一部認容した事例
(大津地判平30・11・27)

民 事

◎共同漁業権から派生する漁業行使権に基づく潮受堤防排水門の開門請求を認容する判決が確定した後、当該確定判決に係る訴訟の口頭弁論終結時に存在した共同漁業権から派生する漁業行使権に基づく開門請求権が消滅したことのみでは当該確定判決に対する請求異議の事由とはならないとされた事例
(最二判令1・9・13)

○生活保護の実施を受けていた者に対し、月2社以上の企業面接を受けること等の書面による指示に違反したことを理由に、停止処分を経ることなくされた保護廃止処分が、著しく相当性を欠き、裁量権を逸脱又は濫用したものであるとして、国家賠償法上の違法が肯定され、慰謝料5万円が認容された事例
(名古屋高判平30・10・11〈参考原審:津地判平30・3・15掲載〉)

▽1 民法724条後段の除斥期間による請求権の消滅を妨げるためには除斥期間満了までに裁判外で権利行使の意思を明確にすれば足り、裁判上の権利行使を行うまでの必要はないとした事例
 2 書面による通知が宛先に尋ね当たらないとして返送された場合であっても、受取人に同通知が到達したと認めた事例
(前橋地高崎支判平31・1・10)

▽他人がした投稿を引用する形式で自己のアカウントから投稿する方法(リツイート)によりなされたツイッター上の投稿が、名誉毀損に該当するとして、リツイートをした者に民法709条の不法行為責任が認められた事例
(大阪地判令1・9・12)

知的財産権

▽創作者の1人とは認められないため職務意匠の対価請求には理由がないとされた事例
(大阪地判平29・10・12)

商 事

▽保険法施行日前に締結された生命保険契約について、保険契約者の新保険金受取人に対する保険金受取人変更の意思表示及びその有効性が認められた事例
(和歌山地田辺支判平31・4・24)

労 働

○1 始業時刻及び終業時刻につき、シフト表に加え、PCのメール送信時刻、ログオフログ時刻などを使って認定した事例
 2 定額残業代(固定残業代)の定めが公序良俗に反し無効であるとする1審原告の主張を排斥して、その効力を認めた事例
(東京高判平31・3・28〈水戸地土浦支判平29・4・13掲載〉)

▽私立大学の大学教授の65歳定年後の再雇用に関して、再雇用による雇用継続を期待することに合理性が認められ、大学の再雇用拒否は許されず、定年後も再雇用規程に基づき再雇用されたのと同様の雇用関係が存続しているものと判断した事例
(名古屋地判令1・7・30)

刑 事

▽運転を予定している者に密かに睡眠導入剤を摂取させた上、意識障害等が現れている状況で、運転するように仕向けた行為は、運転者、同乗者及び事故に巻き込まれた第三者を死亡させる事故を惹起する危険性が高い行為であり、殺人の実行行為に当たるとした上、前記の者らに対する未必の殺意も認めた事例
(千葉地判平30・12・4)
1,470円
◆記 事◆

法テラスの破産手続開始申立弁護士費用立替にもとづく償還請求権の財団債権性
 ──借金苦による悲劇を繰り返さないために──……伊藤 眞

死刑制度論のいま──基礎理論と情勢の多角的再考(4)
 死刑執行と自由権規約6条4項の保障……福島 至

法曹実務のための行政法入門(24・完)
 ──行政訴訟⑧等──住民訴訟・行政不服申立て……高橋 滋

刑法判例と実務
 ──第52回 堕胎罪の周辺──……小林憲太郎

◆判決録細目◆

行 政

◎死刑確定者が親族以外の者との間で発受する信書につき刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律139条1項2号所定の用務の処理のために必要とはいえない記述部分がある場合に、同部分の発受を許さないこととしてこれを削除し又は抹消することの可否
(最二判令1・8・9)

◎固定資産評価審査委員会に審査の申出をした者が当該申出に対する同委員会の決定の取消訴訟において同委員会による審査の際に主張しなかった事由を主張することの許否
(最三判令1・7・16)

○無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律5条1項に基づき公安調査庁長官の観察に付する処分を受けた団体が複数の集団に分派又は分裂した場合において、各集団に対してされた同処分の期間を更新する決定は、この両集団を併せて1つの団体と認めることができない場合であっても、各集団について同処分の対象団体と同一性がある団体であると認められるときは、各集団について同処分の期間の更新の要件を満たすものである限り、各集団に対してされた同処分の期間を更新する決定は、その効力が各集団に及ぶものとして適法であるとされた事例
(東京高判平31・2・28〈参考原審:東京地判平29・9・25本誌2363号3頁〉)

〇救急活動記録票に記載された情報のうちの一部が、市情報公開条例で定める非公開事由(利益侵害情報)に該当するとされた事例
(大阪高判令1・5・16〈参考原審:大阪地判平30・11・9掲載〉)

民 事

◎土地改良区が河川法23条の許可に基づいて取水した水が流れる水路への第三者の排水により当該水路の流水についての当該土地改良区の排他的管理権が侵害されたとした原審の判断に違法があるとされた事例
(最一判令1・7・18)

○1 定期傭船契約が解除された場合に、その返船時に残存していた燃料について、船舶所有者と傭船者との間に買取の合意が成立したとはいえないとされた事例
 2 定期傭船契約が解除された場合に、その返船時に残存していた燃料について、船舶所有者と傭船者との間の買取の合意の成否を判断するに当たり、被告の所在地法である準拠法のみならず、傭船契約の準拠法を含めて検討された事例
 3 定期傭船契約が解除された場合に、その返船時に残存していた燃料について、不当利得返還請求権が発生することについて、その準拠法を英国法とした事例
(東京高判平31・1・16〈参考原審:東京地判平30・5・9掲載〉)

労 働

▽長期間にわたって1か月当たり250時間を超える時間外労働に従事していた調理師が、ウイルス性の劇症型心筋炎を発症したことについて、業務起因性が認められた事例
(大阪地判令1・5・15)

▽地方公共団体の設置する中学校に勤めていた教員が過重業務等により精神疾患を発症し自殺したことにつき、同中学校の校長の安全配慮義務違反を認めた事例
(福井地判令1・7・10)

経 済

▽農業協同組合が、除名、出荷停止等の処分を受けるなどした組合員からなすの販売を受託せず、あるいは同農業協同組合の集出荷場以外に出荷した組合員から手数料等を収受するなどしていたことが不公正な取引方法12項に該当し私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律19条に違反する行為であるとされた事例
(東京地判平31・3・28)
◆記 事◆

会社法・金融法随想──立法事実からみる、近況・課題(2)
 会社法改正の歴史……神田秀樹

仮想通貨の機能及びその法律的構成……鬼頭季郎

◆判例特報◆

 地震に伴う津波の襲来により原子力発電所の原子炉建屋が水素ガス爆発するなどして発電所内の作業員を負傷させ、発電所周辺の病院入院患者や施設入所者を死亡させた事故につき、発電所を設置した電力会社の代表取締役会長らには、主要建屋が設置された地盤を超える津波が襲来することについて、発電所の運転停止措置を講じるべき結果回避義務を課すに相応しい予見可能性があったとは認められず、業務上過失致死傷罪が成立しないとされた事例
──東電福島第一原発業務上過失致死傷事件第1審判決
(東京地判令1・9・19)

◆特 集◆

東電福島第一原発業務上過失致死傷事件
──経営陣を無罪とした第1審判決の検討

①福島第一原発水素爆発事件・東電元副社長ら強制起訴事案
 第1審判決と過失犯についての見せかけのドグマ……古川伸彦

②東電無罪判決雑感……小林憲太郎

③東電無罪判決の手法について……福崎伸一郎

④東電経営陣の無罪判決について……樋口英明

⑤福島第一原発事故と東京電力の責任
 ──民事判決との対比から──……大塚正之

⑥東電刑事無罪判決に書かれなかったこと
 ──被害者参加代理人として法廷に立ち会って──……海渡雄一

◆最高裁判例要旨(2019(令1)年11月分)

◆判決録細目◆

行 政

◎都市計画区域内にある公園について湖南市地域ふれあい公園条例(平成17年湖南市条例第35号)に基づく公告がされたことをもって都市公園法2条の2に基づく公告がされたといえるか
(最一判令1・7・18)

▽父が石綿粉じんばく露作業により胸膜中皮腫を発症して死亡した後、その死亡に係る労働者災害補償保険法に基づく遺族補償年金等の支給を受けていた母が死亡した場合において、父の死亡に係る母の遺族給付等に関する調査結果復命書等の情報が、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律12条1項所定の「自己を本人とする保有個人情報」に当たるとされた事例
(大阪地判令1・6・5)

民 事

○金銭消費貸借契約上の借主は会社であるとして会社代表者個人に対する貸金請求を棄却した第1審判決を取り消し、契約前後の事情を総合して、借主を会社代表者個人と認めて請求を認容した事例
(東京高判平30・4・18〈参考原審:静岡地沼津支判平29・11・17掲載〉)

○身寄りがなく、知的能力が十分ではない被相続人の相続財産(約4120万円)につき、同人の元雇用主が相続財産分与の審判を求めた事案で、被相続人が脳梗塞を発症してから死亡するまでの約15年間の支援にのみ着目し、分与額を800万円とする審判をした原審を変更し、抗告人(原審申立人)が被相続人を雇用していた期間(昭和47年~)にも着目し、知的能力が十分でなかった被相続人が4000万円以上もの相続財産を形成・維持することができたのは、抗告人が約28年間にもわたり、労働の対価を超えて実質的な援助を含んだ給与を支給し続けてきたことや、被相続人を解雇した平成13年以降も緻密な財産管理を継続してきたためであるとして、分与額を2000万円とした事例
(大阪高決平31・2・15)

▽1 福島第一発電所事故に関して、発電所の敷地高さを超える浸水高の津波の到来の予見可能性及び水密化対策を講じることによる結果回避可能性を肯定した上、経済産業大臣による規制権限の不行使が国家賠償法上違法と認められるとして、被告国の国家賠償責任を肯定し、相当因果関係が認められる損害全額について、被告国が被告東電と不真正連帯債務を負うと判断した事例
 2 原告らの各人の個別的な属性に応じて、当該個人が当時置かれていた具体的な状況のもとでは、避難を実施したり、避難生活を継続するという選択をしたことが、一般人からみても、やむを得ない事情によるものと評価し得る場合には、当該避難等は、社会通念上相当性があるとした上、原告ら各人について相当因果関係の認められる慰謝料の金額を算定した事例
(松山地判平31・3・26)

知的財産権

○特許権侵害訴訟において、特許法104条の3の特許無効の抗弁を主張することが訴訟上の信義則に反し許されないとされた事例
(知財高判平30・12・18〈参考原審:大阪地判平29・8・31掲載〉)

刑 事

▽暴力団組長であった被告人が、別件の死刑判決が確定した後に、15年以上前の殺人2件につき犯行告白をしたことで起訴された各殺人被告事件について、犯人性や共謀に関し、間接事実だけでは推認できず、被告人には死刑執行の引き延ばしのために虚偽自白をする動機があるなどとして自白の信用性も否定し、証拠全てを総合して検討しても犯人性や共謀を認定するには合理的な疑いが残ると判断して、無罪を言い渡した事例
(東京地判平30・12・13)
1,470円
◆記 事◆

許可抗告事件の実情
 ──平成30年度──……小林宏司・浅野良児

死刑制度論のいま──基礎理論と情勢の多角的再考(3)
 刑罰の正当化根拠と死刑……松原芳博

刑法判例と実務
 ──第51回 名誉毀損罪の周辺──……小林憲太郎

法曹実務のための行政法入門(23)
 ―─行政訴訟⑦―─行政訴訟の審理等(その二)……高橋 滋

◆判決録細目◆

行 政

◎1 東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例(昭和44年東京都条例第55号)におけるいわゆる特例選挙区の存置の適法性
 2 東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例(昭和44年東京都条例第55号)の議員定数配分規定の適法性
 3 東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例(昭和44年東京都条例第55号)におけるいわゆる特例選挙区の存置の合憲性
 4 東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例(昭和44年東京都条例第55号)の議員定数配分規定の合憲性
(最三判平31・2・5)

▽1 1型糖尿病にり患し、国民年金法に基づく障害基礎年金の支給を受けていた者に対してされた同法36条2項本文に基づく支給停止処分が、行政手続法14条1項本文の定める理由提示の要件を欠き、違法であるとされた事例
2 1型糖尿病にり患し、国民年金法に基づく障害基礎年金の支給を受け、同法36条2項本文の規定に基づく支給停止処分を受けた者に対してされた、支給停止を解除しない旨の処分が、行政手続法8条1項本文の定める理由提示の要件を欠き、違法であるとされた事例
(大阪地判平31・4・11)

民 事

◎相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において他の共同相続人が既に当該遺産の分割をしていたときの民法910条に基づき支払われるべき価額の算定の基礎となる遺産の価額
(最三判令1・8・27)

知的財産権

○1 特許法102条2項所定の侵害行為により侵害者が受けた利益の額の算定方法
 2 特許法102条2項による推定の覆滅についての判断基準
 3 特許法102条3項所定の実施に対し受けるべき金銭の額の算定方法
(知財高判令1・6・7〈参考原審:大阪地判平30・6・28掲載〉)

労 働

○じん肺管理区分4の決定を受けていた元炭鉱労働者が、30年以上にわたって療養を続けた後、胃がんを併発した上、肺炎で死亡したことについて、業務起因性が否定された事例
(福岡高判令1・8・22〈参考原審:福岡地判平30・9・28掲載〉)

刑 事

○被告人と犯人との同一性が争われた強盗致傷等被告事件において、被告人と防犯カメラに記録された人物との異同識別等に関する専門家の証言について、資料とされた画像が鮮明度を欠き、分析評価に当たって極端に処理した画像が用いられていることなどに照らすと、前記証人の採用した異同識別法の科学的原理やその理論的正当性を更に解明するとともに、その証拠価値や信用性を判断することが可能となるよう、検察官に対して釈明を求めたり、必要な証拠調べを実施したりして、専門的な知見を得る必要があったのに、それらの措置をとらなかった原審の手続には審理不尽の違法があるとして、原判決を破棄して原裁判所に差し戻した事例
(東京高判平29・11・2〈参考原審:東京地判平29・3・3掲載〉)

○警察官らが管理人の承諾なくマンションの共用部分に立ち入った上、被告人に居室のドアを閉めさせず、室内の様子を窺っていた行為は強制処分に当たるとし、これに引き続いて強制採尿令状に基づき採取された尿につき、その鑑定書等の証拠能力を否定した事例
(大阪高判平30・8・30〈参考原審:大阪地判平30・3・1掲載〉)

▽1 検察官から実質証拠として請求のあった録音・録画記録媒体につき、当該取調べにおける被告人の不利益事実の承認又は自白には任意性を疑わせるような事情はなく証拠能力が認められると判断した事例
 2 前記録音・録画記録媒体につき、その必要性、相当性を考慮し、一部時間帯に限定し、かつ録画映像を除いて証拠として採用した事例
(東京地決令1・7・4)

◆判例評論◆

68 B(投資コンサルタント会社)が、一方で、X(厚生年金基金)との間で年金資産運用助言契約を、他方で、A(不動産ファンド会社)との間で商品販売協力契約を締結し、Aから巨額の歩合報酬を受領するという自己の利益を図って、Xに対しAの商品への過剰な集中投資を推奨し、Xの利益を著しく損なわせていった中で(「利益相反行為」)、Aが、Bに巨額の歩合報酬を支払い続けたことにより、Bにそのような利益相反行為を実行させ続けたことは、XのBに対する適切な助言を受けるべき債権を故意に侵害するものであるとして、Aの元代表者Yに対し、債権侵害の不法行為による損害賠償責任を認めた事例
(東京高判平30・4・11)……新堂明子

69 保護室に収容されている未決拘禁者との面会の申出が弁護人等からあった場合に、その旨を未決拘禁者に告げないまま、保護室収容を理由に面会を許さない刑事施設の長の措置が、国家賠償法上違法となる場合
(最一判平30・10・25)……葛野尋之
◆記 事◆

改正民法が民事裁判実務に及ぼす影響(10)
 消費貸借、賃貸借に関する見直し……遠藤研一郎

再審制度の課題に関する多角的考察(2)
 客観的状況の取扱いについて
 ──大崎事件を素材として……福崎伸一郎

現代型取引をめぐる裁判例(450)……升田 純

◆最高裁判例要旨(2019(令1)年10月分)

◆判決録細目◆

行 政

▽東京都教育委員会によりエンカレッジスクールとして指定された高校の校長であった原告が、その入学者選抜において東京都立高等学校入学者選抜実施要綱に違反したことを理由としてなされた懲戒免職処分の取消しを求めたところ、同懲戒免職処分に裁量権を逸脱濫用した違法があるとは認められないとして、原告の請求が棄却された事例
(東京地判平30・5・15)

民 事

○児童相談所長が児童養護施設に入所中である未成年者の親権者に対する親権喪失の審判を求めた事案で、未成年者については、①親権者による不適切な監護養育から切り離されて保護されており、親権者による不当な引取要求に対しても児童福祉法28条に基づく入所措置または入所措置更新により対応することができること、②児童虐待の防止等に関する法律において親権者による面会通信や接近を禁止できると規定されていることから、親権者の未成年者に対する親権を喪失・停止させる必要があるのは、児童福祉法28条に基づく各措置、あるいは面会通信や接近の禁止によっては未成年者の保護を図れない特段の事情がある場合に限定されるとして申立てを却下した原審判を取り消し、親権者には民法834条所定の親権喪失事由があるとして、抗告人(原審申立人)の申立てを認容した事例
(大阪高決令1・5・27〈参考原審:神戸家姫路支審平31・3・15掲載〉)

 ○乳幼児期に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染し、成人になって慢性肝炎を発症したときのHBe抗原セロコンバージョン後(同抗原陰性化後)に発生した損害につき、HBe抗原セロコンバージョン後のHBe抗原陰性慢性肝炎は、HBe抗原セロコンバージョン前のHBe抗原陽性慢性肝炎と質的に異なるものではなく、その罹患によって新たな損害が発生したということはできないから、HBe抗原陰性慢性肝炎の発症による損害賠償請求権に係る民法724条後段所定の除斥期間の起算点は、HBe抗原セロコンバージョン前のHBe抗原陽性慢性肝炎を発症したときであるとした事例
──B型肝炎九州訴訟・控訴審判決
(福岡高判平31・4・15〈参考原審:福岡地判平29・12・11本誌2397・59掲載〉)

▽1 募集型企画旅行契約において、契約後に旅程先で大地震が発生したことに関し、解除権行使の前提となる情報収集・提供義務違反があったとして損害賠償請求を認めた事例
 2 前記情報収集・提供義務違反を理由とする債務不履行に基づく損害賠償請求において、弁護士費用を請求できるとした事例
(大阪地判平31・3・26)

▽医療法人の病院で膠原病等の治療を受け、麻酔医から経皮吸収型麻酔性鎮痛剤オピオイドパッチを断続的に処方されていた患者に対して、死亡まで同剤処方が継続されず取りやめられたこと及び患者や家族になされたその理由の説明の時期や程度について、過誤がないとされた事例
(那覇地判平31・4・16)

知的財産権

▽1 タイプフェイスの著作物性が否定された事例
  2 タイプフェイスの利用につき、利用許諾の抗弁が認められた事例
(東京地判平31・2・28)

労 働

○1 会員制のスポーツクラブの支店長が労働基準法41条2号に定める管理監督者に当たらないとされた事例
2 給与規程で定められた時間外労働等の割増率が労働基準法所定の割増率を上回る場合において、管理監督者に当たらないとされた労働者の割増賃金を労働基準法所定の割増率で算定した事例
(東京高判平30・11・22〈参考原審:東京地判平29・10・6掲載〉)

刑 事

○1 以前から、麻薬取締官に依頼されて覚せい剤取引の情報提供を行い、麻薬取締官らにその取引状況を監視させるなどの捜査協力を行いつつ、当該密売の仲介者等として利益を得ていた被告人が、共犯者から覚せい剤密輸への協力を依頼された際に、麻薬取締官の求めに応じてこれに加担した事案について、被告人に営利の目的が認められ、共同正犯が成立するとされた事例
2 覚せい剤密輸等を行う際の被告人の保身のため、ひいては密輸等による利益のためになされていた捜査協力を量刑上被告人に有利に考慮する余地はなく、また、被告人が、麻薬取締官から捜査協力のために覚せい剤密輸への加担を求められるなどの助長を受けていたという事実により、被告人の意思決定に対する非難の程度が原判決の量刑を左右するほど減弱するとはいえないなどとされた事例
(東京高判平30・10・18〈参考原審:東京地判平29・7・3掲載〉)

▽1 夜間路上に横臥していた人を自動車で轢過したという事案において、被告人が前方等を注視していたとしても本件事故を回避することができなかった疑いがあるとして、過失運転致死につき無罪とした事例
  2 被告人が本件事故時に人に傷害を負わせたとの認識があったと認めることはできないとして、道路交通法違反(救護義務違反、報告義務違反)について、無罪とした事例
(神戸地判平30・10・24)
◆記 事◆
死刑制度論のいま──基礎理論と情勢の多角的再考(2)
 死刑制度の存廃をめぐって──議論の質を高めるために……井田 良
 
◎新連載
再審制度の課題に関する多角的考察(1)
 刑事裁判において事実を認定するとは如何なることか
 ──大崎事件第三次再審最高裁決定を契機に考える……石塚章夫
 
◆最高裁判例要旨(2019(令1)年9月分)

◆記 事◆

死刑制度論のいま──基礎理論と情勢の多角的再考(2)
 死刑制度の存廃をめぐって──議論の質を高めるために……井田 良

再審制度の課題に関する多角的考察(1)
 刑事裁判において事実を認定するとは如何なることか
 ──大崎事件第三次再審最高裁決定を契機に考える……石塚章夫

◆判決録細目◆

民 事

○1 所管の政策に反対する内容の請願行為をした民間企業の取締役について、当該請願行為を理由に同民間企業への発注停止を示唆して取締役の自発的辞任に追い込んだ国家公務員の行為が、請願を理由とする差別待遇であって、国家賠償法1条の違法な行為に当たると判断された事例
 2 被害者が、国家公務員の違法行為の時点においては加害者が特定の省の本庁又は地方支分部局の職員のうちの誰かであるとの認識はあったが具体的にどの部局のどの役職者かを知る手がかりがなく、その後に弁護士のアドバイスにより行った関係者インタビューの結果特定の部局の幹部が加害者であると確信した場合において、消滅時効の起算点はインタビュー終了時であると判断された事例
(東京高判平31・4・10〈参考原審:東京地判平29・9・15掲載〉)

○大学病院においてクローン病の治療のため回腸結腸吻合部切除術を受けた患者が、手術後腸から出血し、出血性ショックによる低血圧で脳に重篤な障害が残った場合において、出血の可能性を念頭に置いた術後管理をすべき注意義務違反を認め、大学病院及び主治医に対し、損害賠償責任を肯定した事例
(福岡高判平31・4・25〈参考原審:福岡地判平27・6・25掲載〉)

▽国有林の分収育林制度(通称:緑のオーナー制度)に基づき国との間で分収育林契約を締結した者ないしその承継人が、契約書及び管理経営計画所定の主伐の時期に国が主伐を実施しなかったことが債務不履行に当たるとして、解除に基づく原状回復請求として国に対し費用負担金の返還を求めた請求が棄却された事例
(大阪地判令1・5・10)

▽1 医療法人(被告)の矯正歯科において歯科矯正治療を担当した歯科医師が患者(原告)に対して歯列矯正治療期間が1年程度かかると説明したことが、医学的根拠に欠け説明義務違反にあたるとまではいえないとされた事例
  2 埋入期間2年半を経過したアンカーインプラント抜去手術中に骨結合したインプラントが破折し、その一部を骨組織内に残留させたことについて、前記担当歯科医師が抜去時期の判断を誤った過誤があるとはいえないとされた事例
(東京地判平31・3・14)

▽再保険の約款として、Follow the settlement(略してFS) 条項、すなわち「この再保険は、元受保険者が行った一切の保険金支払額の決定に従う。但し、保険金支払義務がないことを知りながら行う支払い及び保険金支払義務があることを認めずに行う支払いは除く。」との文言があったにもかかわらず、当該事案が、地震に引き続いて発生した火災及びその結果として発生した損失に対する保険担保は特別に提供されるとの条項(FFEQ条項)に該当し、元受保険者に元受保険金の支払義務があったとの判断を先行させて、元受保険者の再保険者に対する再保険金の請求を認容した事例
(東京地判平31・1・25)

▽自動車保険契約に付された弁護士費用特約に基づく弁護士費用相当額の保険金請求事件において、弁護士に委任した損害賠償請求事件に係る交通事故が労働者災害補償保険法上の通勤災害に該当する場合、当該事故による障害は前記特約の免責条項に定める「労働災害により生じた身体の障害」に該当するとして、免責を認めた事例
(大阪地判令1・5・23)

▽医師らが頭部CT検査報告書の脳腫瘍の疑いとの記載を見落とし、脳腫瘍を放置した過失と、後医で受けた脳腫瘍摘出術後に残存した後遺障害との間の因果関係が認められた事例
(福岡地判令1・6・21)

▽1 米軍に身柄を拘束された者が日本側に引き渡される場合の緊急逮捕等の手続を定めた日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法12条2項は、米軍に現行犯として身柄を拘束された者に適用される限りにおいて、憲法33条に違反しないとした事例
  2 海上保安官が、米軍に拘束された者の身柄を直ちに引き受けなかったこと及びその後に日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法12条2項に基づき緊急逮捕したことが、いずれも国家賠償法上違法とされた事例
(那覇地判平31・3・19)
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