判例時報 発売日・バックナンバー

全471件中 181 〜 195 件を表示
◆記 事◆

死刑制度論のいま──基礎理論と情勢の多角的再考(7)
 再審請求中の死刑執行と再審請求手続……葛野尋之

現代型取引をめぐる裁判例(460)……升田 純

特集 集会の自由の意義と広場使用について
 ①「公用物」における集会の自由の意義と限界
     ──金沢市庁舎前広場事件を素材に……山崎友也
 ②集会及び表現の自由とその「場」の確保……小谷順子

ギンズバーグが残した憲法裁判(2)
 ギンズバーグ判事の平等理念
 ──アイコンとしてのRBGの功罪……大林啓吾

コロナ禍社会における法的諸問題(9)
 立ち止まって刑事裁判を考える……福崎伸一郎


◆判決録細目◆

行 政

◎複数の公務員が国又は公共団体に対して連帯して国家賠償法1条2項による求償債務を負う場合
(最三判令2・7・14)

▽同性の犯罪被害者と交際し共同生活を営む関係にあった者が、犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律5条1項1号にいう「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者」に当たらないとされた事例
(名古屋地判令2・6・4)

▽市庁舎前広場の使用許可申請に対する不許可処分が適法とされた事例
(金沢地判令2・9・18)


民 事

○未成年者の祖母である相手方が、抗告人ら(未成年者の母及び養父)に対し、未成年者の監護者を相手方と定めることを求めた事案において、民法766条1項の法意に照らし、相手方は、未成年者を事実上監護する祖母として、未成年者の監護者指定を求める本件申立てをすることができるとした上で、抗告人らの親権の行使が不適当であるため、未成年者を抗告人らに監護させた場合、未成年者の健全な成長を阻害するおそれが十分に認められる一方、相手方による未成年者の監護状況に特段の問題はうかがわれず、未成年者が現時点においては落ち着いた生活を送ることができていることからすれば、未成年者の監護者を相手方と定めるのが相当であるとして、抗告人らの各抗告をいずれも棄却した事例
(大阪高決令2・1・16〈参考原審:大阪家審令1・9・27〉)

▽公立高校に教員として勤務していたAが、先輩教員であるBから度重なる注意を受けたことにより心理的負荷等を過度に蓄積させてうつ状態となり自殺したことについて、校長及び教頭においてAのうつ状態を認識しながらBによる度重なる注意を防止する措置を講じなかったことが安全配慮義務に違反するとして、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求が一部認容された事例
(仙台地判令2・7・1)

▽インターネット・メディアYが管理・運営する検索サービスウェブサイトに掲載されている医療法人Xの経営する歯科クリニックの診療業務の実情に関する口コミ投稿の内容が真実に反しXの名誉権を侵害するとしてなされた同投稿の削除仮処分申立てが却下された事例
(大阪地堺支決令1・12・27)

▽行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律並びに同法に基づき個人番号及び特定個人情報等の収集、保有、管理、利用等を行うマイナンバー制度が、憲法13条の保障する個人に関する情報をみだりに第三者に開示又は公表されない自由を侵害するものではないと判断された事例
(①横浜地判令1・9・26、②名古屋地判令1・12・27)

▽夫婦の一方の各本国法を適用した結果、嫡出の推定が重複した子について、父を定めることを目的とする訴えの方法により、父を確定することができるとした事例
(千葉家松戸支判令2・5・14)


刑 事

○弁護人が提出した新証拠はいずれもそれに対応する旧証拠を弾劾するに足りず、かつ、これらの新証拠を旧証拠と併せて総合評価しても確定審の事実認定に合理的疑いを抱かせるものとはいえないとして、証拠の明白性を否定し、再審請求を棄却した事例
──三鷹事件第2次再審請求事件
(東京高決令1・7・31)
◆記 事◆

コロナ禍社会における法的諸問題(8)
 コロナ禍での財産制限にかかわる科学的知見の不定性……本堂 毅

◎新連載
ギンズバーグが残した憲法裁判(1)
 ルース・B・ギンズバーグと表現の自由……奈須祐治

◎特別寄稿
新規の解釈にもとづく法令の適用と罪刑法定主義
 ──弁護士職務基本規程第13条第1項違反事件をめぐって──……西原春夫


◆判決録細目◆

民 事

◎不動産の所有権移転登記の申請の委任を受けた司法書士に注意義務違反があるとした原審の判断に違法があるとされた事例
(最二判令2・3・6)

○普通地方公共団体の議員らが別の議員に対する問責決議を提案した行為について、国家賠償法1条1項所定の違法な行為又は不法行為に当たるとは認められないとされた事例
(札幌高判令2・8・21〈参考原審:旭川地判令2・2・18掲載〉)

▽1 建物の賃貸人が賃借人の賃料不払による契約解除を原因とする建物明渡等を請求した訴訟について、転借人が民事訴訟法47条1項前段による独立当事者参加(詐害防止参加)をした事例
 2 原賃貸借の終了について債務不履行解除の形式がとられているものの転借人との関係では合意解除と評価すべきであるとし、原賃貸借の解除によっても転借権は消滅せず、原賃貸借の賃貸人は転貸借契約の賃貸人の地位を承継するとされた事例
(東京地判平31・2・21)

▽前訴において司法書士の不動産登記手続の過失による損害賠償責任が肯定された案件について、損害賠償責任は司法書士の故意によって生じたものであり、司法書士賠償責任保険契約に基づく保険金請求は免責されると判断した事例
(東京地判令2・7・1)

▽陸上自衛隊に所属していた申立人の勤務成績が記載された文書の一部の提出を求めた文書提出命令申立事件について、当該部分を証拠として取り調べる必要性があることを前提に、民事訴訟法220条4号に基づき申立てが認容された事例
(札幌地決令2・1・20)

▽氏名不詳者によってインターネット上の動画投稿サイトに投稿された動画等の内容が原告らの名誉・信用を毀損するものであり、また、それが原告らに対する嫌がらせないし復讐を主たる目的とするもので専ら公益を図る目的によるものとはいえないとして、当該動画投稿サイトの管理者である被告に対する当該動画等の削除請求及び発信者情報の開示請求が認められた事例
(徳島地判令2・2・17)


知的財産権

○特許発明を実施した特許権者の製品において、特許発明の特徴部分がその一部分にすぎない場合の特許法102条1項(令和1年法律第3号による改正前のもの)所定の損害額の算定方法、同場合の「単位数量当たりの利益の額」の算定方法及び判断基準並びに同項ただし書の事情として認められる事情について判断した事例
(知財高判令2・2・28)


◆最高裁判例要旨(2020(令2)年8月分)


判例評論

44 検索結果削除請求を認容した事例
(札幌地判令1・12・12)……志田陽子

45 平成29年選挙における東京都議会選挙区の適法性・合憲性
(最三判平31・2・5)……櫻井智章

46 固定資産評価審査委員会に審査の申出をした者が同委員会から棄却決定を受け、その取消訴訟を提起した場合に、同委員会による審査の際に主張していなかった事由を取消訴訟で新たに主張することは許されるとされた事例
(最三判令1・7・16)……海道俊明

47 1 日米地位協定刑事特別法12条2項の緊急逮捕規定は、米軍により現行犯的身柄拘束を受けた者の身柄引渡しに適用される限りにおいて、憲法33条に違反しないとされた事例

  2 米軍に拘束された者の身柄引受けの遅延及びその後の日米地位協定刑事特別法12条2項に基づく緊急逮捕が、いずれも国家賠償法上違法とされた事例
(那覇地判平31・3・19)……森川恭剛

48 親権制限と児童福祉法28条の関係
(大阪高決令1・5・27)……髙橋大輔
◆記 事◆

コロナ禍社会における法的諸問題(7)
 コロナの時代の憲法……棟居快行


現代型取引をめぐる裁判例(459)……升田 純


統治構造において司法権が果たすべき役割(10・完)
 違憲判断の効力と憲法判例の拘束力……野坂泰司


◆判決録細目◆

民 事

▽弁護士に対する懲戒請求が民族的出身に対する差別意識の発現ともいうべき行為であるなどとして、対象弁護士から懲戒請求者に対する不法行為に基づく損害賠償請求が認められた事例
(静岡地判令1・11・7)


▽認可外保育施設に預けられた幼児が同施設において熱中症で死亡した事案について、同施設を運営する法人及びその代表者並びに同施設の保育従事者等及び市に対する損害賠償請求訴訟において、施設側と市側の各過失を認めた事例
(宇都宮地判令2・6・3)


知的財産権

○指定商品を「対流形石油ストーブ」とし、「三つの略輪状の炎の立体的形状」を、石油ストーブの燃焼筒内の中心部の上方に付した位置商標の商標登録出願について、同商標は、商標法3条1項3号に該当し、商標法3条2項には該当しないと判断した事
(知財高判令2・2・12)


刑 事

○第1種少年院を仮退院した少年(当時15歳)に係る戻し収容申請事件において、20歳までである法定の収容期間を変更する趣旨ではない旨説示しつつ、主文において審判の日から1年間となる期間を明示して第1種少年院戻し収容とした原決定につき、重大な違法があり、収容期間を定めたかのような誤解を招く決定主文を審判において告知したとの誹りは免れないとし、これを取り消した事例
(福岡高決令1・9・13)


○相手方が使用する自動車にGPS機器を取り付け、位置情報を取得して相手方の動静を観察する行為は、ストーカー行為等の規制等に関する法律2条1項1号の「通常所在する場所の付近における見張り」には該当しないとした事例
(①福岡高判平30・9・20〈参考原審:福岡地判平30・3・12掲載〉、
 ②福岡高判平30・9・21〈参考原審:佐賀地判平30・1・22掲載〉)


▽1 運転中に低血糖症による意識障害に陥り、衝突事故を起こした事案につき、主位的訴因(危険運転致傷罪)を排斥し、予備的訴因(過失運転致傷罪)を認定した第1審判決が控訴審で破棄された差戻審の判断(①事件)
 2 前記と同様の事案につき、主位的訴因及び予備的訴因をいずれも排斥した事例(②事件)
(①大阪地判令1・5・22、②大阪地判令1・5・30)
◆記 事◆

コロナ禍社会における法的諸問題(6)
 コロナ禍と民事司法……園尾隆司


◆書 評◆

三木浩一=山本和彦=松下淳一=村田渉編
『民事裁判の法理と実践―加藤新太郎先生古稀祝賀論文集』
評者……伊藤 眞


◆判決録細目◆

民 事

◎強制執行の申立てをした債権者が債務者に対する不法行為に基づく損害賠償請求において当該強制執行に要した費用のうち民事訴訟費用等に関する法律2条各号に掲げられた費目のものを損害として主張することの許否
(最三判令2・4・7)


○インターネット上のウェブサイトを運営するプラットフォーマーを被告として原告の逮捕歴を記載した当該ウェブサイト上の投稿記事の削除を請求した事案について、事実を公表されない法的利益が投稿記事を一般の閲覧に供し続ける理由に関する諸事情よりも優越することが明らかであるとはいえないとして、削除請求が棄却された事例
(東京高判令2・6・29〈参考原審:東京地判令1・10・11掲載〉)


▽2筆の土地にまたがって建てられた1棟のマンションについて、その専有部分の区分所有者がこれらの敷地のうちの1筆についてのみ借地権を有する場合に、借地権が設定されていない敷地の所有者が、当該区分所有者に対し、建物の区分所有等に関する法律10条に基づく区分所有権の売渡請求権を行使することができるとされた事例
(東京地判令1・12・11)


▽被告人毎に別々に起訴された共犯刑事事件につき、同一の弁護士が、同一の被害者参加人のために各事件の国選被害者参加弁護士に選定された場合であっても、各事件は、国選被害者参加弁護士の事務に関する契約約款の別紙として定められた報酬及び費用の算定基準5条1項の「同一の事件」に該当するということはできないから、別個に国選被害者参加弁護報酬を算定すべきであり、実際そのような算定によって弁護士が支払を受けた報酬は、民法703条の「法律上の原因」を欠くということはできないとした事例
(千葉地判令2・6・30)


▽破産者が自動車販売会社から購入した自動車の代金を立替払して破産者に対する立替金等債権を有していた信販会社が、契約上帰属清算が予定されている自動車に留保した所有権に基づいて破産者から自動車の引渡しを受けて、自動車を査定し、破産者に不足額を通知し、その後第三者に自動車を売却した場合において、破産者への不足額の通知が破産法162条1項の「債務の消滅に関する行為」に該当するとされた事例
(大阪地判令1・12・20)


刑 事

○1 公判前整理手続における1審弁護人の主張を被告人の主張が変遷したことを示す証拠として用いた1審裁判所の措置は、違法ないし著しく相当性を欠くが、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反があるとはいえないとされた事例(①事件)
 2 火災の原因が被告人による放火か否かが争われた放火事件において、公判前整理手続の争点整理の結果や証明予定事実記載書に記載がなく、検察官が冒頭陳述や論告で述べなかった事実を根拠に被告人の放火行為を認定しても、被告人にとって不意打ちとなるものではなく、1審裁判所において争点を顕在化させるための釈明をすべき場合にも当たらないとされた事例(②事件)
(①大阪高判平25・3・13〈参考原審:神戸地判平24・7・20掲載〉、②東京高判平28・4・20)


▽1 森友学園等の理事長だった被告人X1とその業務を補佐していた被告人X2(X1の妻)に対し、被告人X1については、公訴事実どおり国、大阪府・市からの補助金詐欺及び詐欺未遂の各事実(実被害総額約1億7699万円)を認定した上で懲役5年に処し、被告人X2については、前記各事実のうち一部を認定した上で、懲役3年執行猶予5年に処した事例(求刑は各懲役7年)
 2 欺罔行為による補助金等の詐取については、詐欺罪(刑法246条1項)が成立し、補助金等不正受交付罪(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律29条1項)は成立しない
 3 検察官は、首相(当時)の妻と親しくしていた被告人両名を標的として起訴するために、被告人両名と共謀したとされる者を違法な司法取引をして協力させたとして、公訴棄却及び違法収集証拠排除を求めた弁護人の主張が排斥された事例
──森友学園補助金詐欺事件
(大阪地判令2・2・19)
◆記 事◆

会社法・金融法随想──立法事実からみる、近況・課題(6)
 金融・資本市場に関する法制(その1)……神田秀樹


◆判決録細目◆

行 政

◎固定資産評価基準により隣接する2筆以上の宅地を一画地として認定して画地計算法を適用する場合における各筆の評点数の算出方法
(最一判令2・3・19)


民 事

▽再転相続人による相続放棄に関し、被相続人の相続について相続人は相続放棄申述の熟慮期間を迎えないまま死亡したものであり、かつ、再転相続人による被相続人の相続についての相続放棄は熟慮期間内になされたものであると認められた事例
(東京地判令1・9・5)

▽県公安委員会がした運転免許取消処分について、同委員会が判断の基礎とした資料からは安全運転義務違反を認定できないとして、県の国家賠償責任が認められた事例
(さいたま地判令1・12・11)


知的財産権

○ヒトのアレルギー性眼疾患を処置するための点眼剤に係る発明について、当該発明には当該発明の構成が奏するものとして当業者が予測することができた範囲の効果を超える顕著な効果が認められるとして進歩性が認められた事例
(知財高判令2・6・17)


労 働

○嘱託契約(有期労働契約)の更新の申込みがあったとは認められないと判断した事例
(札幌高判令2・2・27)

▽公演出演のほか、音響照明、小道具等の業務に日々従事していた劇団員の労働基準法上の労働者該当性
(東京地判令1・9・4)


刑 事

○1 高等裁判所がした、控訴取下げを無効と認め控訴審訴訟手続を再開・続行する旨の決定に対して異議申立てをすることができると判断した事例
2 死刑判決を不服として弁護人が控訴した控訴審において、被告人が行った控訴取下げを無効であると認め、控訴審訴訟手続を再開・続行する旨の原決定を取り消し、原裁判所に差し戻した事例
(大阪高決令2・3・16)


判例評論

39 土地改良区が河川法23条の許可に基づいて取水した水が流れる水路への第三者の排水により当該水路の流水についての当該土地改良区の排他的管理権が侵害されたとした原審の判断に違法があるとされた事例
(最一判令1・7・18)……井上孝夫

40 高齢者の医療の確保に関する法律による後期高齢者医療給付を行った後期高齢者医療広域連合が当該後期高齢者医療給付により代位取得した不法行為に基づく損害賠償請求権に係る債務についての遅延損害金の起算日
(最二判令1・9・6)……白石友行

41 福島原発事件について、予見可能性がないとして東京電力幹部が無罪とされた事例──東電福島第一原発業務上過失致死傷事件
(東京地判令1・9・19)……川本哲郎

42 1 刑訴法47条所定の「訴訟に関する書類」に該当する文書につき民訴法220条1号所定のいわゆる引用文書に該当するとして提出を命ずることの可否
  2 刑事事件の捜査に関して作成された書類の写しで、それ自体もその原本も公判に提出されなかったものを、その捜査を担当した都道府県警察を置く都道府県が所持する場合に、当該写しにつき民訴法220条1号所定のいわゆる引用文書又は同条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当するとして提出を命ずることの可否
(最三決平31・1・22)……林 昭一

43 暴力団組長であった被告人が、別件の死刑判決が確定した後に、15年以上前の殺人2件につき犯行告白をしたことで起訴された各殺人被告事件について、犯人性や共謀に関し、間接事実だけでは推認できず、被告人には死刑執行の引き延ばしのために虚偽自白をする動機があるなどとして自白の信用性も否定し、証拠全てを総合して検討しても犯人性や共謀を認定するには合理的な疑いが残ると判断して、無罪を言い渡した事例
(東京地判平30・12・13)……松田岳士
◆記 事◆

現代型取引をめぐる裁判例(458)……升田 純

コロナ禍社会における法的諸問題
 ⑷コロナ禍の中のニュースに接して……孝橋 宏
 ⑸自粛・補償・公表──インフォーマルな規制手法……小山 剛


◆第4回判例時報賞特別賞受賞論文◆

死後認知の訴えの出訴期間制限を定めた民法
 787条但書の憲法14条1項適合性について……近藤博徳

民事訴訟手続における制裁権限の淵源と限界についての緒論……古谷真良


◆判決録細目◆

行 政

○1 最高裁判所裁判官国民審査法が平成29年10月22日執行の国民審査において在外国民の審査権の行使を認めていなかったことと憲法15条1項並びに79条2項及び3項
2 在外国民に次回の最高裁判所の裁判官の任命に関する国民審査において審査権を行使させないことは違法であることの確認を求める訴えの適否
3 平成29年10月22日執行の国民審査の時点において、在外国民の審査権を認めていない最高裁判所裁判官国民審査法の違憲性が明白になっていたものということはできないとして、立法不作為を理由とする国家賠償請求が棄却された事例
──在外邦人国民審査権行使制限憲法適合性訴訟控訴審判決
(東京高判令2・6・25〈参考原審:東京地判令1・5・28本誌2420・35掲載〉)

民 事

◎被用者が使用者の事業の執行について第三者に加えた損害を賠償した場合における被用者の使用者に対する求償の可否──福山通運事件
(最二判令2・2・28)

○建物賃貸借契約における賃貸人の賃借人に対する敷金返還債務は、金銭債務であるが、相続人が分割承継するのではなく、相続により被相続人の賃貸人としての地位を承継した者が全部承継するとした事例
(大阪高判令1・12・26〈参考原審:大阪地判令1・7・31掲載〉)

▽法人の主催するキャンプ行事において、川遊びに参加した男児が溺死した事故につき、同法人のスタッフに注意義務違反があるとして、同法人に対する損害賠償請求を認容した事例
(佐賀地判令1・12・20)

▽遊園地内のゴーカート場で、カートに乗車して待機中の原告が、小学校高学年程度の児童が運転するカートに追突され、頸椎捻挫及び腰椎捻挫等の傷害を負った事故につき、遊園地を経営する被告に対して、事故防止のための措置を怠ったとして不法行為責任を認めた事例
(福岡地判令2・3・17)

労 働

◎歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨の定めがある賃金規則に基づいてされた残業手当等の支払により労働基準法37条の定める割増賃金が支払われたとはいえないとされた事例
──国際自動車事件
(最一判令2・3・30)

▽1 各日の労働時間を裏付ける客観的資料が乏しい中、平均的な時間外労働が認定された事例
 2 割増賃金の未払に対する法人代表者の責任が否定された事例
(福岡地判令1・9・10)

◆最高裁判例要旨(2020(令2)年6・7月分)
◆記 事◆

統治構造において司法権が果たすべき役割(9)
 裁判所における違憲審査の基準……渋谷秀樹


特集 2019年参院選における投票価値較差(4・完)
 参議院投票価値較差訴訟をとらえる視座
 ──令和元年高裁判決の背景にある判例理論──……安西文雄


在外研究だより(14)
 ──古い法学──……山城一真


コロナ禍社会における法的諸問題(3)
 休業・休校要請の法的根拠について
 ──特措法24条9項と45条2項の関係……木村草太


◆判決録細目◆

民 事

▽別居中の元妻が、元夫の意思を確認しないまま融解胚移植の方法により子を出産し、元夫の自己決定権を侵害したとして、元妻の責任が肯定されたが、クリニックの責任は否定された事例
(大阪地判令2・3・12)


▽適格都道府県センターが、暴力団事務所の付近住民の委託に基づき、暴力団会長に対し、暴力団事務所の使用禁止の仮処分を求めた事案において、同センターが任意的訴訟担当の要件を満たすものとして当事者適格を有するとされた事例
(京都地決令1・9・20)


商 事

○1 上場会社が巨額の金融資産の損失の計上を避けるために、ファンドに当該金融資産を簿価で買い取らせるなどして損失を分離するスキームを構築・維持したことについて、取締役の善管注意義務及び忠実義務違反は認められるが、上場会社に損害の発生が認められないとされた事例
2 損失分離スキームの発覚を防ぐことを目的として、疑惑を指摘した代表取締役を解職した取締役らの上場会社に対する損害賠償責任に関して、同解職から生じた上場会社の信用毀損による損害について、民事訴訟法248条により相当な損害額が認定された事例
3 分配可能額を超える剰余金の配当等について会社法462条1項に基づく取締役に対する金銭支払請求が認められるとともに、別件訴訟において成立した和解により上場会社に支払われた金額を控除することが認められた事例
4 有価証券報告書等の虚偽記載について上場会社が支払った課徴金及び罰金相当額について、当該有価証券報告書等の作成提出に関与した取締役の損害賠償責任が認められたが、作成提出時にはすでに退任していた取締役の善管注意義務違反と同損害との因果関係は認められないとされた事例
(東京高判令1・5・16)


労 働

▽1 被告会社との間で期間の定めのない雇用契約を締結し、通信ネットワーク等の企画・開発等事業におけるリーダー的役割を期待されていたシステムエンジニアについて、業務成績が不良であるなどとしてされた解雇が、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であるとは認められないとして、雇用契約上の地位確認請求等が認容された事例
 2 使用者による組織的で違法な退職勧奨やパワーハラスメントの事実自体が認められないか、又は原告に対する関係で不法行為を構成するとはいえないとして、不法行為に基づく損害賠償請求が棄却された事例
(東京地判平31・2・27)


刑 事

○覚せい剤使用の事案において、警察官が、被告人の陰部付近に薬物を隠匿しているのではないかと考えて、令状がないのに意図して陰部付近の捜索を行い、続けざまに被告人に対してそのプライバシーや羞恥心への配慮を全く欠いたまま公道上でパンツを脱ぐように要求し、実際に被告人にパンツを脱ぐに至らせた上、これらの手続的な違法を糊塗するために、令状請求の疎明資料に、令状審査を行う裁判官をして覚せい剤の隠匿の嫌疑に関する事実を誤解させる記載をして裁判所に提出したもので、このような一連の捜査の過程は、令状主義の精神を没却する重大な違法があるとした上で、本件の一連の捜査過程の違法は、覚せい剤の所持の嫌疑に係るものではあるが、強制採尿手続により採取された被告人の尿の鑑定書は、一連の違法な手続の影響を免れず、違法収集証拠として証拠能力を否定すべきであるとして、原判決を破棄し、無罪を言い渡した事例
(東京高判令1・7・16〈参考原審:東京地判令1・7・16掲載〉)


▽1 捜索時に発見したとされる覚醒剤は捜査官が持ち込んだ疑いがあるとし、同所持による現行犯逮捕後に任意提出された尿の鑑定書の証拠能力を否定した事例(①事件)
 2 警察官が被告人の承諾なく居室内靴脱ぎ場に立ち入った行為は無令状の強制処分であって重大な違法があるとし、その結果得られた資料による強制採尿令状に基づいて採取された尿の鑑定書の証拠能力を否定した事例(②事件)
(①大阪地判令1・9・25、②京都地判令1・10・29)


▽被告人に対する職務質問及び現行犯人逮捕手続の後に行われた所持品検査の結果として大麻が発見されたところ、前記職務質問及び現行犯人逮捕手続には令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これと密接な関連を有する前記大麻等を証拠として許容することは、将来における違法な捜査の抑制の見地からして相当でないとして、その証拠能力を否定した事例
(釧路地判令1・9・27)
◆記 事◆

裁判制度のパラダイムシフト─過去と未来をつなぐ憲法上の10のテーマ(3)
 ──判例における「裁判を受ける権利」の過小な役割
 ──裁判を受ける権利は「パンドラの箱」か……笹田栄司


刑法判例と実務
 ──第60回(完)わが国における近年の責任構想について……小林憲太郎・漫画:浅見理都


◎新連載 特集

コロナ禍社会における法的諸問題
 ⑴緊急事態における裁判所の役割……津田智成
 ⑵立憲主義のあり方から見る「自粛か強制か」問題……曽我部真裕


◆判決録細目◆

行 政

◎公有水面埋立法42条1項に基づく埋立ての承認と行政不服審査法7条2項にいう「固有の資格」
(最一判令2・3・26〈参考原審:福岡高那覇支判令1・10・23本誌2443号3頁掲載〉)

▽あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師を教育し又は養成する学校・施設についてのあん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律2条1項の認定について、視覚障害者以外の者を教育し又は養成する学校・養成施設については、視覚障害者であるあん摩マッサージ指圧師の生計維持が著しく困難とならないようにするため必要があると認めるときは、認定をしないことができる旨を定める同法附則19条1項の規定は、憲法22条1項に違反しないとした事例
(①東京地判令1・12・16、②大阪地判令2・2・25)

民 事

◎家屋の評価の誤りに基づき固定資産税等の税額が過大に決定されたことによる損害賠償請求権に係る民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段所定の除斥期間の起算点
(最三判令2・3・24)

○自動車が道路から逸脱して農業用水路に転落・水没し全損となった自損事故につき、被保険者(運転者兼自動車保有者)の故意招致事故であるとして車両保険金支払請求を棄却した原判決が取り消され、被控訴人(自動車保険の保険者)に対し車両保険金の支払が命ぜられた事例
(大阪高判平31・3・19〈参考原審:神戸地姫路支判平30・8・1掲載〉)

▽1 不明確性を有する契約条項と消費者契約法12条3項における消費者契約の不当条項該当性の判断の在り方
 2 「他の会員に不当に迷惑をかけたと当社が判断した場合」などに会員資格取消措置等をとることができ、当該措置により会員に損害が生じたとしても当社は一切の損害を賠償しない旨を定める条項が、消費者契約法12条3項の適用上、同法8条1項1号及び3号の各前段に該当するとされた事例
(さいたま地判令2・2・5)


▽3歳の保育園児が、雲梯で遊戯中に頚部が雲梯に挟まれ死亡した事故において、保育所を運営する法人の責任を認めたが、園長及び担当保育士の過失を否定した事例
(高松地判令2・1・28)


▽建物明渡請求について、原告の本件居室の取得行為は弁護士法73条違反であり、係る行為に基づいた本件請求は権利濫用として認められないとした事例
(熊本地判平31・4・9) 

刑 事

◎覚せい剤譲渡の約束に基づき支払われた代金全額が「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」2条3項にいう「薬物犯罪の犯罪行為により得た財産」に当たるとされた事例
(最二判令1・12・20)


判例評論

37 意匠の共同創作者の認定
(大阪地判平29・10・12)……井関涼子

38 自動車保険契約の車両損害保険条項に基づいて交通事故の被害者に支払われた車両損害保険金は当該交通事故に係る物的損害の全体を補填するものと解するのが相当であるとして、休車損害に係る部分の損害補填にも充てた事例
(東京高判平30・4・25)……山下典孝
◆記 事◆

処分性の拡張から訴えの利益へ……大沼洋一

現代型取引をめぐる裁判例(457)……升田 純


◆判決録細目◆

民 事

◎国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律の規定する子の返還申立事件に係る家事調停における子を返還する旨の定めと同法117条1項の類推適用
(最一決令2・4・16)


▽1 被収容者による宅下げ(保管私物又は領置されている金品を他の者へ交付すること)の申請を許さない刑事施設の長の措置が国家賠償法1条1 項の適用上違法となる場合
2 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律50条各号に該当する事由が認められないにもかかわらず、被収容者が雑誌等を他の者へ交付する申請を許さない宮城刑務所長の措置が国家賠償法1条1項の適用上違法となるとされた事例
(仙台地判令2・5・13)


刑 事

○原決定は、少年の問題性ないし要保護性に関する基礎事情を十分明らかにしていなかったり、これらを一面的に評価しているところがあり、それに伴って、施設収容による矯正教育以外の処遇が困難であることの見極めを十分にしていないといわざるを得ないから、このような調査・審判の過程により、少年を第1種少年院に送致した原決定の処分は著しく不当であるとして、原決定を取り消した事例
(東京高決平30・12・20)
◆記 事◆

特集 2019年参院選における投票価値較差(3)
 参院選・一票の較差(1対3・00)と衆院選・一票の較差(1対1・98)……升永英俊

海外判例研究──第10回──
・憲法
 信教の自由と政教分離の衝突──宗教学校に奨学金を使うことを禁止する州の行為は信教の自由を侵害するとした事例(エスピノーザ判決)……大林啓吾

 行政裁量と司法審査――不法移民に猶予を与える政策(DACA)の変更は行政裁量の逸脱濫用に当たるとした事例(国土安全保障省対カリフォルニア大学評議員判決)……大林啓吾

・民法
 消費者契約における契約条項のうち、加盟国法の任意規定の内容を反映するものは、事業者と消費者の間で交渉されていない場合であっても、不公正契約条項指令93/13/EECの適用を受けない……カライスコス アントニオス

 根抵当権の被担保債権の範囲の変更をめぐる事件……胡 光輝

 原告において、「全ての人は、白人市民が享受しているのと同様に、契約を締結し、強制する権利を有する」ことを保障する42 U.S.C. §1981(a)に基づいて、契約締結を拒否した被告に対して損害賠償を求める場合には、人種差別が契約締結拒否に何らかの役割を果たした旨主張するのみでは足りず、人種差別と損害との間に因果関係(条件関係)があることを主張しなければならないとされた事例……ダン ローゼン・西口 元

・刑法
 「業としての自殺援助罪(ドイツ刑法第217条)」の違憲性……神馬幸一

・刑事訴訟法
 重罪事件の刑事陪審における有罪評決が10対2で足りるとする州法を憲法第6修正違反とした事例……緑 大輔


◆判決録◆

行 政

○店舗販売業者に対し、要指導医薬品の販売等を行う場合には薬剤師に対面による情報の提供等を義務付け、これができないときは要指導医薬品の販売等をしてはならない旨を定める医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律36条の6第1項、3項は憲法22条1項に違反しないとされた事例
(東京高判平31・2・6)

▽精神保健指定医の指定取消処分につき、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律19条の2第2項に規定する「指定医として著しく不適当と認められるとき」に該当するとの処分事由に該当するとした厚生労働大臣の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があったと認められるとされた事例
(東京地判令1・9・12)

民 事

◎合資会社の無限責任社員が退社により当該会社に対して金員支払債務を負う場合
(最三判令1・12・24)

○施設に入所している原告から訴訟委任を受けたとする弁護士が原告訴訟代理人として提起した訴えにつき、原告訴訟代理人が原告本人の意思で訴訟委任を受けたとは認められないとして、当該訴えが却下された事例
(大阪高判令2・3・26〈参考原審:京都地判令1・10・1掲載〉)

○1 警察官による逮捕及び検察官による勾留請求において、犯罪の嫌疑があると判断したことにつき、合理的根拠が客観的に欠如していることが明らかであるということはできないとして、それらの違法性を否定した事例
2 警察官による取調べが、社会通念上相当な範囲を逸脱し、黙秘権及び弁護人選任権を侵害するような方法ないし態様で行われたとまではいえないとして、その違法性を否定した事例
(大阪高判令2・6・11〈参考原審:京都地判令1・9・25掲載〉)

▽自閉症と診断された2歳3か月の幼児に対して、小児神経学の専門医が少量のL―DOPAを継続的に長期間投与したところ、幼児が重度知的障害状態になったことについて、同医師に、投薬開始時点や投薬を長期に続ける際には幼児の両親に同療法が医学水準として確立した治療法でないことや副作用の出現や症状悪化の可能性があることについての説明義務違反があるとされた事例
(東京地判令1・10・17)

▽不妊治療で5つ子を妊娠したのち、減胎手術を受けたものの1人も出産できなかった事案で、医師の過誤を否定した事例
(大阪地判令2・1・28)

▽周辺住民らが開発工事の差止め等を求めた事案において、原告らの主張するまちづくり権について、法的な権利性を有するものとは認められないなどとして、請求が棄却された事例
(神戸地尼崎支判令1・12・17)


▽申立人と相手方は、子らについての親権を申立人と相手方の共同親権として外国において離婚が成立しているところ、申立人が相手方に対し、子らの親権者を申立人に指定するとの審判を求めた事案において、我が国の裁判所に国際裁判管轄があり、準拠法は日本法となる旨判断した上で、本件離婚は民事訴訟法118条の要件を満たすところ、外国における父母の共同親権とする定めが我が国においても有効とされる場合、民法819条6項に基づき、父母の一方の単独親権とすることができるとし、申立人の単独親権へ変更することが子らの利益のために必要であるとして、申立てを認容した事例
(東京家審令1・12・6)
◆記 事◆

特集 2019年参院選における投票価値較差(2)
 投票価値の平等と二院制の趣旨……只野雅人


刑法判例と実務
 ──第59回 未遂犯の構造をめぐる近時の議論について──……小林憲太郎


◆判決録細目◆

民 事

▽警察官の速度違反取締りの対象となった車両の運転者らが死傷した事故について、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任が認められた事例
(横浜地判令2・2・27)

▽防衛大学校の元学生が、在校中に上級生や同級生から暴行、強要、いじめ等の行為を受けたことについて、国に安全配慮義務違反がないとされた事例
(福岡地判令1・10・3)

▽1 精神科病院において身体的拘束を受けた者が肺血栓塞栓症によって死亡した事故につき、担当医師が、身体的拘束を開始・継続したことが違法であるとは認められないとされた事例
 2 前記事故につき、担当医師が、身体的拘束期間中、患者に対し、肺血栓塞栓症の予防措置として弾性ストッキングを装着すべき注意義務に違反したことが認められるが、同注意義務違反と死亡との間の相当因果関係が否定された事例
(金沢地判令2・1・31)

▽上場株式の発行者が、公衆の縦覧に供されている有価証券報告書等に虚偽記載等が存する可能性があることによる株価下落のリスクを一般投資家に予め警告し、流通市場における同株式の取得者が、前記の株価下落のリスクを引き受けていたものとして、同取得者の主張する虚偽記載等と株価下落による損害との間の相当因果関係を否定した事例
(大阪地判令2・3・27)

▽死刑が宣告された殺人被告事件における損害賠償命令が認可された事例
(京都地判令1・10・29)

労 働

▽1 長期間継続して雇用された有期労働契約の労働者が不更新条項の付された雇用契約書に署名押印をしたとしても、直ちに労働契約を終了させる明確な意思を表明したものとはいえないとして、労働契約の合意による終了を認めなかった事例
 2 約30年にわたり29回有期労働契約が更新された労働者に対する雇止めにつき、雇用継続に対する合理的期待が高いとし、労働契約法19条2号該当性を肯定した上、雇止めに客観的合理的理由がなかったとして、従前と同一の労働条件で労働契約が更新されたものと認めた事例
(福岡地判令2・3・17)

刑 事

○1 単独犯と共同正犯の択一的認定により傷害致死罪の成立を認めた原判決には判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認があるとして、原判決を破棄して差し戻した事例(①事件)
2 原審裁判所が、単独犯の訴因に「単独で又は氏名不詳者と共謀の上」を付加した予備的訴因の追加を促した訴訟指揮、それに引き続く訴因変更許可決定、弁護人の求釈明申立てに応ぜず、検察官に釈明を求めなかった訴訟指揮、弁護人の弁論再開請求を却下した決定等に、判決に影響を及ぼすことが明らかな訴訟手続の法令違反があるとして、原判決を破棄して差し戻した事例(②事件)
(①東京高判平30・11・15〈参考原審:新潟地判平30・11・15掲載〉、②東京高判平31・2・8〈参考原審:さいたま地判平30・2・6掲載〉)

▽1 父親が母親を殴ろうとしていると誤信して父親の胸部を包丁で突き刺した第1暴行を誤想過剰防衛とし、これによって倒れて動かなくなった父親の後頸部等を突き刺した第2暴行について、急迫不正の侵害が存在せず、これを誤信する状況でもなかったと認定した上で、第2暴行の殺人未遂罪は第1暴行の殺人罪に吸収されるとした事例
 2 父親を殺害した少年について凶悪性・悪質性を大きく減じて保護処分を許容し得る特段の事情はないとした上、第1暴行につき誤想過剰防衛が成立することなどの事情を考慮して懲役4年以上7年以下に処した事例
(横浜地判平31・2・19)


判例評論

35 都市計画区域内にある公園について、湖南市地域ふれあい公園条例(平成17年湖南市条例第35号)に基づく公告がされたことをもって、都市公園法2条の2に基づく公告がされたとはいえないとした事例
(最一判令1・7・18)……洞澤秀雄

36 子の引渡しを命ずる審判に基づく間接強制の申立てが権利の濫用に当たるとされた事例
(最三決平31・4・26)……稲垣朋子
◆記 事◆

特集2019年参院選における投票価値較差(1)
 2019年参議院議員選挙区選挙の「一票の較差」訴訟をめぐる高裁諸判決……新井 誠


現代型取引をめぐる裁判例(456)……升田 純


◆書籍紹介◆

千葉勝美『判事がメガネをはずすとき』(日本評論社、2020年)


◆判決録細目

行 政

▽1 生活保護費徴収決定に係る通知書の記載が、行政手続法14条1項本文の理由の提示として不十分であるとして、同決定の取消請求が認められた事例
2 生活保護法による保護を受けていた原告が、預金口座への入金及びFX取引により生じた利益を収入として申告しないまま保護費を受給したことが、生活保護法78条にいう「不実の申請その他不正な手段」により保護を受けた場合に該当するとされた事例
(名古屋地判平31・1・31)


民 事

◎婚姻費用分担審判の申立て後に当事者が離婚した場合における婚姻費用分担請求権の帰すう
(最一決令2・1・23)

○1 火災等共済金請求権が破産法34条2項の「破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権」にあたるとした事例
2 火災共済契約を締結した者が破産手続開始決定を受けた場合に、その後に当該契約が自動更新され、かつ、当該破産者において共済掛金の支払を継続したときであっても、当該火災等共済金請求権は、破産財団に属するとした事例
(東京高判平31・4・17〈参考原審:東京地判平30・4・25掲載〉)

○1 職権により成年後見人を追加して選任する審判及び成年後見人の事務を分掌してその権限を行使すべきことを定める審判に対する各即時抗告を不適法なものであるとして原審において却下する旨の決定が相当とされた事例(①事件)
2 成年後見開始申立事件の記録の閲覧謄写の許可の申立てを却下する決定に対する即時抗告を不適法なものであるとして原審において却下する旨の決定が一部取り消された事例(②事件)
(①東京高決令1・12・25、②東京高決令2・1・20〈参考原審:東京家決令1・10・28、参考原々審:東京家決令1・10・15掲載〉)

▽研究者が、その研究資金として交付され、所属する国立大学法人が管理する科研費等の補助金を、正規の手続によらずに支出し、研究用の資材を販売等する業者にいわゆる預け金として預託していたところ、その業者が倒産して預け金の回収が事実上不可能になった場合において、前記国立大学法人の、当該研究者に対する、不法行為による損害賠償請求が認められた事例
(京都地判令1・11・5)

▽果物ナイフで頸部を刺され、搬送先の病院において血気胸と診断された患者について、緊張性血気胸を生じたことにより死亡したとは認められず、止血のための緊急手術終了時までの間及び同手術終了後の各時点において、執刀医に胸腔ドレナージを実施すべき注意義務があったとはいえないとして、病院側の損害賠償責任を認めなかった事例
(札幌地判令2・1・22)

商 事

○転換社債型新株予約権付社債の発行について、有利発行に当たらず、著しく不公正な方法によりされたものともいえず、かつ、発行条件の変更、発行の延期又は撤回等の措置を採らなかったとしても、取締役としての善管注意義務に反するものではないとされた事例
(東京高判令1・7・17〈参考原審:東京地判平30・9・20掲載〉)

刑 事

○1 発注者側の職員による入札の仕様書案の条項の設定が、刑法96条の6第1項及び入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律8条にいう「公正を害すべき行為」に当たるとされた事例
2 当初の入札希望者が一者のみで、実質的には自由競争が形骸化しているなどの事情があったとしても、発注者側の職員がこれを知りつつなした行為が、刑法96条の6第1項の罪及び入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律8条の罪に当たるとされた事例
(大阪高判令1・7・30〈参考原審:大阪地判平30・3・16掲載〉)

▽特殊詐欺の事案において、被告人が、上位者との連絡担当者等として犯行に関与した旨一致して述べる共犯者2名の証言は信用できず、被告人の犯行への関与を認めるに足りる証拠はないとして、被告人に無罪を言い渡した事例
(大津地判令1・9・27)


◆最高裁判例要旨(2020(令2)年3・4月分)
◆記 事◆

会社法・金融法随想──立法事実からみる、近況・課題(5)
 中小会社に関する諸問題……神田秀樹

◆書 評◆

①門口正人『司法的企業運営──最近の会社判例から』(きんざい、2020年)
 評者……井上 聡

②米村滋人『医事法講義』(日本評論社、2020年)
 評者……大谷 實

◆判決録細目◆

行 政

○平成30年法律第75号によって改正された公職選挙法14条、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の合憲性
(名古屋高金沢支判令1・10・29)

民 事

○共同被告の1人が第1回口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面も提出しなかったため、当該被告につき、弁論を分離した上で終結し、判決を言い渡したことについて、訴訟手続に法律違反又はこれに準ずる不当な取扱いがあるとされた事例
(東京高判令1・11・7〈参考原審:水戸地土浦支判平31・4・17掲載〉)

○高額な天珠と称する商品(天然石であるメノウを原材料として模様を染み込ませて焼成された商品)を、短期間に6回にわたって購入させた販売店長等の販売行為等について、最初の2回は違法な勧誘行為等によるものとは認められないが、3回目以降の取引については、少なくとも軽率又は稚拙な判断能力の低下に乗じた社会的相当性を欠く販売方法によるものであるとして不法行為を認めた事例
(大阪高判令1・12・25〈参考原審:大阪地堺支判令1・5・27本誌2435号62頁掲載〉)

○1 仲裁人と同じ法律事務所に所属する別の弁護士が、別件訴訟において仲裁事件当事者の関連会社の訴訟代理人の地位を有していたとの事実は、仲裁法18条4項の開示事実に該当するとされた事例
2 仲裁人の所属する法律事務所が一般的な水準のコンフリクト・チェックシステムを構築している場合、仲裁人は同チェックシステムの存在を前提に、同チェックシステムで必要とされる行動をしている限り、合理的な範囲の調査を継続的に行ったものと評価すべきであるとされた事例
(大阪高決平31・3・11〈参考差戻前抗告審:最三決平29・12・12本誌2365号70頁掲載〉)

▽一般自動車保険契約の人身傷害条項に基づく保険金請求において、実父の営む運転代行業務に従事中であった者が交通事故により死亡したことにつき、同人が前記保険契約に附帯された運転者年齢条件(26歳以上補償)特約における「業務に従事中の使用人」に該当するとして保険金請求が否定された事例
(前橋地判令1・5・15)

▽私立高校校長の男子学生に対する、同校の女子学生に暴力を振るったことを理由とする退学処分が、社会通念上著しく妥当性を欠き、校長の裁量権の逸脱又は濫用に当たるとして、同男子学生が授業を受けることの妨害を禁止する仮処分命令が認められた事例
(山口地宇部支決令2・2・12)

商 事

○先物取引受託会社従業員の違法行為により顧客が被った損失について同社役員の職務執行上の重過失が認められた事例
(名古屋高判令1・8・22〈参考原審:名古屋地判平30・11・8掲載〉)

刑 事

○1 殺人被告事件において、被害者の死因が頸部圧迫による窒息死であるとした原判決の認定には合理的な疑いがあり、むしろ薬物中毒死あるいは、これと被告人の加えた身体拘束による突然死の可能性があるとされた事例
2 被告人が被害者の首に腕を巻き付けて締め付けた行為は、殺人の実行行為とはいえず、また、被害者が被告人の右手を突然噛んできたことなどに照らし、正当防衛が成立するとして、殺人として有罪と認めた原判決を破棄して、無罪が言い渡された事例
(大阪高判平30・10・31〈参考原審:大阪地判平29・3・14掲載〉)

▽刑務所収容中の原告に対し、刑務所長が行った眼鏡の使用不許可、雑誌等の宅下げ等不許可の処分が、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律に反して違法であるとされた事例
(岐阜地判令1・5・10)
◇第4回判例時報賞 結果発表

◆記 事◆

許可抗告事件の実情
 ──令和元年度──……小林宏司・浅野良児

刑法判例と実務
 ──第58回 過失犯無罪判例の構造──……小林憲太郎


◆判決録細目◆

行 政

◎差止めの訴えの訴訟要件である「行政庁によって一定の処分がされる蓋然性があること」を満たさない場合における、将来の不利益処分の予防を目的として当該処分の前提となる公的義務の不存在確認を求める無名抗告訴訟の適否
(最一判令1・7・22)

民 事

◎民法916条にいう「その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時」の意義
(最二判令1・8・9)

○本人の長男が後見開始の申立てをした事案において、原審は、本人につき、後見開始相当との診断書があるものの、同診断書は一方で発語不能としながら、他方で言語による意思疎通が可能ともしており、明らかな矛盾があることなどから、その信用性に疑義があり、後見開始相当の常況にあるか否かを判断するためには鑑定を実施する必要があるが、本人から鑑定に対する協力が得られる見込みがないとして申立てを却下したのに対し、抗告審は、前記診断書の矛盾した記載は単なる誤記に過ぎず、同診断書やHDS︱Rの結果等によれば、本人が精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあると認められるとして原審を取り消したうえ、成年後見人の選任につき、更に審理を尽くさせる必要があるとして、審理を差し戻した事例
(大阪高決令1・9・4)

○人格権に基づき、恐喝事件及び同和利権問題に関与したこと並びに元暴力団構成員であったことが記載されたインターネット検索結果を削除するよう求める請求が、認められなかった事例
(大阪高判令1・5・24)

▽約1年間にわたり著しい長時間労働に従事していた調理師が、劇症型心筋炎を発症して最終的に死亡したことについて、長時間労働による過労状態と死亡との間の相当因果関係を肯定して使用者及びその代表者に対する損害賠償請求を認容した事例
(大阪地判令2・2・21)

労 働

○法定年次有給休暇の日数を超える日数の有給休暇が与えられている場合において使用者が法定年次有給休暇の部分とそれ以外の部分とを区別せずにした時季の指定の効力(消極)
(東京高判令1・10・9)

刑 事

◎1 刑法218条の不保護による保護責任者遺棄罪の実行行為の意義
 2 子に対する保護責任者遺棄致死被告事件について、被告人の故意を認めず無罪とした第1審判決に事実誤認があるとした原判決に、刑事訴訟法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
 3 裁判員の参加する合議体で審理された保護責任者遺棄致死被告事件について、訴因変更を命じ又はこれを積極的に促すべき義務がないとされた事例
(最二判平30・3・19)

◎詐欺罪につき実行の着手があるとされた事例
(最一判平30・3・22)

○少年が店舗で医薬品等を2回にわたり万引きしたという窃盗保護事件において、立件されていない大麻使用に関する事情を非行事実とほぼ並列的に掲げて要保護性を検討した上で少年を第1種少年院送致とした原決定につき、非行事実ではないが処分に実質的に大きな影響を与える可能性のある大麻使用に関する事情を、要保護性の判断として許容される限度を超えて、あたかも非行事実であるかのように扱ったものであり、法令違反があるとしつつ、その法令違反は決定に影響を及ぼすものとまではいえないとした事例
(大阪高決令1・9・12)

○ゲーム依存状態にあった当時14歳1か月の少年が、ゲーム場所を確保しようと考え、空き家であるかを確認するために居宅に侵入したという住居侵入保護事件において、少年を児童自立支援施設送致とした原決定につき、収容処遇となると少年が希望する来年度の高校進学が相当に困難になること、特に悪質な事案ではないことなどを指摘し、基本的に社会内処遇を選択するのが相当として、これを取り消した事例
(広島高決令1・8・28)


◆判例評論◆

31 統合失調症により精神科医の診療を受けていた患者が中国の実家に帰省中に自殺した場合において、医師に患者の自殺を防止するために必要な措置を講ずべき義務がないとされた事例
(最三判平31・3・12)……林 誠司

32 日本における仲裁判断取消審において国内民事訴訟手続の規律ではなく、国際的に通用する解釈を適用すべきとした事例
(東京高決平30・8・1)……宮下摩維子


33 引用発明として主張された発明が「刊行物に記載された発明」であって、当該刊行物に化合物が一般式の形式で記載され、当該一般式が膨大な数の選択肢を有する場合には、当業者は、特定の選択肢に係る具体的な技術的思想を積極的あるいは優先的に選択すべき事情がない限り、当該刊行物の記載から当該特定の選択肢に係る具体的な技術的思想を抽出することはできず、これを引用発明として認定することはできないとして、進歩性が肯定された事例
(知財高判平30・4・13)……淺見節子

34 処遇勧告に関する抗告の適否
(大阪高決平31・3・15)……小西暁和
◆記 事◆

裁判制度のパラダイムシフト──過去と未来をつなぐ憲法上の10のテーマ(2)
 判例に現れた「司法権」の批判的検討
 ──「純然たる訴訟事件」の墨守?……笹田栄司


特集 「検察庁法改正法案」が意味するもの
 ⑶ 憲法問題としての検察制度の個人的な感想……棟居快行
 ⑷ いともたやすく行われるえげつない行為……横大道聡
 ⑸ 「#検察庁法改正案に抗議します」の衝撃
  ──芸能事務所への独占禁止法の適用とその民主的意義……木下昌彦
 ⑹ 検察官の「定年制」および検察幹部の「留任特例」について
  ──憲法の視座から……高見勝利


少年法適用年齢引下げに反対する意見書提出の経緯について……元裁判官呼掛け人一同


◆判決録細目◆

民 事

○法定相続人である抗告人らが相続放棄の各申述をした事案において、抗告人らの各申述の遅れは、相続放棄手続が既に完了したとの誤解や被相続人の財産についての情報不足に起因しており、抗告人らの年齢や被相続人との従前の関係からして、やむを得ない面があったというべきであるから、本件における民法915条1項所定の熟慮期間は、抗告人らが、相続放棄手続や被相続人の財産に関する具体的説明を受けた時期から進行するとして、熟慮期間を経過しているとして本件各申述を却下した原審判を取り消し、各申述をいずれも受理する決定をした事例
(東京高決令1・11・25〈参考原審:①前橋家太田支審令1・9・10、②同令1・10・3掲載〉)

○別居中の妻である相手方が、夫である抗告人に対し、当事者間の子である未成年者らの監護者の指定及び引渡しを求めた事案において、これまでの監護実績に明らかな差はないところ、未成年者らが、父母の同居中の住居と同じ校区内で就学するなど従前からの生活環境によく適応していること、抗告人の監護能力と未成年者らとの関係に問題は見受けられず、未成年者らと相手方との面会交流も安定的に実施されていること等の事情を考慮すれば、未成年者らにとっては、現状の生活環境を維持した上で、県外の実家に転居した相手方との面会交流の充実を図ることが最もその利益に適うなどとして、相手方の申立てをいずれも却下した事例
(福岡高決令1・10・29〈参考原審:福岡家大牟田支審平31・2・22掲載〉)

▽被告の開設する病院に急性腹痛で救急入院した原告妊婦がCT検査により子宮破裂と診断されて緊急帝王切開手術を受けたが死産となったことについて、産科医の当初の診察及び検査時に原告妊婦が子宮破裂を発症していたとはいえず、これを見逃した過失はなく、次いで担当した内科医も腹部全体の触診による判断に過誤があるとは言えないとされた事例
(東京地判令1・8・29)


▽1 東北地方太平洋沖地震により建物の車路スロープが崩落した事故について、建物の構造設計監理者及び意匠設計監理者の不法行為責任が肯定され、施工者の不法行為責任が否定されるとともに、施主に4割の過失相殺がされた事例
 2 民法717条3項の求償権について、土地工作物責任者の過失が競合する場合、各責任者の負担部分の限度で行使することができるとし、施主に4割の過失相殺をした上で、意匠設計及び監理の統括会社の責任を1割5分、設計変更前の構造設計及び構造監理の一部の担当会社の責任を2割、設計変更後の構造設計及び構造監理の一部の担当会社(及びその代表取締役)の責任を2割5分とし、民法724条の類推適用を否定して消滅時効完成を否定した事例
(東京地判令1・6・7)


▽拘置所に収容されている受刑者が慢性骨髄性白血病により死亡したことにつき、拘置所の医師らに、前記受刑者に投与する薬剤を変更する注意義務違反はなかったとして、国家賠償請求が棄却された事例
(東京地判令1・8・9)


▽1 国会が民法750条及び戸籍法74条1号の改廃を行わない立法不作為は、国家賠償法1条1項の規定の適用上違法の評価を受けるものではないとされた事例(①事件)
 2 民法750条及び戸籍法74条1号は、憲法14条1項、24条に違反するものではないなどとして、国会が民法750条及び戸籍法74条1号を改廃する立法措置をとらないという立法不作為の違法を理由とする国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求を棄却した事例(②事件)
(①東京地立川支判令1・11・14、②広島地判令1・11・19)


▽被相続人がした複数の遺言の効力及び解釈について相続人間に争いがあり、これに関して民事訴訟の提起が予定されている遺産分割事件につき、遺産全部の分割を2年間禁止する旨の審判がされた事例
(名古屋家審令1・11・8)

▽原子力委員会又は経済産業大臣が福島第一原子力発電所の地震及び津波対策並びにシビア・アクシデント及びステーションブラックアウト対策に関して規制権限を行使しなかったことが許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くとまで認めることはできず、国家賠償法1条1項の違法性があるとはいえないとされた事例
(山形地判令1・12・17)
おすすめの購読プラン

商品情報・内容

  • 出版社:判例時報社
  • 発行間隔:月2回刊行
  • 発売日:毎月1,15日
  • サイズ:B5

■ 最新重要判例の全文を報道する法律専門誌※2025/4/1発売号から毎月1日、15日発刊になります

調査・判例入手に必読の資料。主要な最高裁判例及び重要な下級審判例の全文を掲載。判例の背景、要旨、意義等についての解説が付されている最も一般的な判例紹介誌。「最高裁判所民事(刑事)破棄判決等の実情」など最高裁判所調査官が最高裁判例を紹介・解説した記事が掲載されるほか、各種連載記事や論文も掲載されている。

この雑誌の読者はこちらの雑誌も買っています!

判例時報の所属カテゴリ一覧

Fujisan.co.jpとは?

株式会社富士山マガジンサービスが運営する、
日本最大級の雑誌オンライン書店です。
一般的な書店と異なり、
定期購読サービスに特化しています。

雑誌、新聞、シリーズ書籍、漫画や
本屋にも無い古い本も見つかる!

法人サービスはこちら >
  • タイトル1万以上

    タイトル1万以上

    豊富なラインナップで
    書店に並ばない本とも出会える

  • 試し読み

    試し読み

    バックナンバー1冊まるごと試し読み
    したり、最新号も試し読みできる

  • タダ読み

    タダ読み

    5,000冊以上の雑誌が
    無料で読み放題

  • 500円OFF

    500円OFF

    普段読んでいる雑誌のレビュー投稿で
    500円割ギフト券をプレゼント

  • 事前予約

    事前予約

    気になる本は
    発売日前から事前予約可能

  • 割引や特典付き

    割引や特典付き

    定期購読なら
    お得に本が読めて
    送料無料の雑誌も!

デジタル雑誌をご利用なら

最新号〜バックナンバーまで7000冊以上の雑誌
(電子書籍)が無料で読み放題!
タダ読みサービスを楽しもう!

総合案内
アフィリエイト
採用情報
プレスリリース
お問い合わせ
©︎2002 FUJISAN MAGAZINE SERVICE CO., Ltd.