看護技術 発売日・バックナンバー

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1,320円
第1特集

◆“ とりあえず…… ” はもうやめよう!!
 誤嚥性肺炎の多面的食支援・栄養ケア
  編集協力/前田圭介(愛知医科大学 緩和ケアセンター・栄養治療支援センター 講師)

 肺炎の発症者,死亡者は年々増加している.その多くは高齢者であり,高齢者肺炎のなかで誤嚥性肺炎が占める割合は大きい.誤嚥性肺炎で,もしくはその疑いで入院してきた高齢者に対しては,“とりあえず禁食” “とりあえず安静” といった対応が
なされることも多く,それによって入院高齢者の身体機能,ADLは著しく低下する.そして,肺炎が治癒し退院しても入院前のADLを取り戻すことはできず,生活の変化を強いられることでQOLの低下を招く.このような状況から近年では,誤嚥性肺炎の高齢患者に対し “とりあえず……” で治療やケアを行うのではなく,その患者のQOLを考慮し,全人的な,多面的な評価と支援を行っていくことが重要視されている.
 本特集では,最近の誤嚥性肺炎の治療・ケアの考え方や,多面的な評価・支援の方法を紹介するとともに,胃瘻の導入や経口摂取継続に関する倫理的問題とその支援の実際について,様々な立場から解説する.

第2特集

◆人生最後の食支援を問う
 「お食い締め」―死から生まれるもの
  執筆/牧野日和(愛知学院大学 心身科学部 健康科学科 講師/言語聴覚士)

 食べられないことで苦しんでいた患者が再び食べられるようになったとき,患者や家族は涙を浮かべ,また苦境を共に歩んだ支援者も魂が揺さぶられるような感動を覚える.しかし看取り期における食支援においては,単に食べることだけに気をとられていてはいけない.なぜなら,命の最後には食べられないほうが自然だからである.【最期まで口から食べる】という合言葉は,どのような患者に対しても最期まで食べさせなくてはいけないといった誤解を生じさせる可能性がある.看取り期には,食べられない患者もいる.最期まで食思を示す患者でも,本当は食べたくないのにもかかわらず,家族のため,支援者のために努力して食べてみせる人がいる.これも看取り期のあり方の一つで,他者のために食べたいという患者の意思を尊重する考えもあるだろう.しかし,不適切な食支援が原因で呼吸困難などに苦しむ最期は避けなくてはいけない.
 看取り期は,機能を取り戻す「治療」や「リハビリテーション」の時期とは異なり,限られた余生を癒されながら過ごす時期である.看取り期の支援は心身の苦しみを伴わない楽しむ範囲の,無理をしない支援が基本である.患者が周囲に合わせて努力するのではなく,周囲が患者のリズムに合わせる.この時期の食支援は,まるであめ細工を扱う職人のように慎重に進める.そのためには,高度な専門知識や技術に裏付けられた見極め,的を射た支援法の選定や展開,有事の際に速やかに対応できる環境整備が欠かせない.
 本特集では,看取り期の食支援のあり方を事例を交えて解説していく.


●目次
第1特集

◆“ とりあえず…… ” はもうやめよう!!
 誤嚥性肺炎の多面的食支援・栄養ケア

●Part1 高齢者肺炎治療とケアの新しい考え方
     前田圭介

●Part2 高齢者肺炎を理解する:誤嚥・肺炎リスク・サルコペニア
     前田圭介

●Part3 誤嚥性肺炎を繰り返す高齢者のアセスメント
     永野彩乃

●Part4 高齢者のQOLを重視した誤嚥性肺炎予防のケア
  ①口腔ケア・義歯
     藤本篤士

  ②栄養管理
     上島順子

  ③食事場面:食事環境を整え,食べたい希望をつなげる
     竹市美加

●Part5 高齢者のQOLを維持するための誤嚥性肺炎発症時のケア
  ①苦痛の緩和(発熱,呼吸困難感,口渇)
     大城清貴

  ②経口摂取の再開・継続の判断と支援
     加藤節子

●Part6 事例で考える 高齢者肺炎に関する意思決定支援:
     胃瘻をつくるか,経口摂取は継続するか
  ①消化器内科医の立場から
     西山順博

  ②総合診療科医の立場から
     花本明子・他

  ③リハビリテーション医の立場から
     高畠英昭

第2特集

◆人生最後の食支援を問う
 「お食い締め」―死から生まれるもの
  執筆/牧野日和

連 載

◆意外に知られていない高齢者の事故
●本当は怖い“車いす”の話
  樋浦裕里

◆臨床現場の“気になる家族”を効果的に支援しよう!!
●食事や治療にこだわりの強い終末期がん患者の家族
  矢野順子

◆アウトブレイク事例から学ぶ感染予防対策
●消毒薬のピットフォール①
 終息までに時間を要したNICUにおける緑膿菌アウトブレイク事例の苦い経験
  崎浜智子

◆看護師の語りから見いだす 看取りのエッセンス
●娘を気づかう母親として病いとともに生きる患者を支えた看取り
  丹生淳子

◆認定看護分野Q&A
●認知症看護編
  梅原里実

●摂食・嚥下障害看護編
  森本葉子

●緩和ケア編
  松本啓子
1,320円
第1特集

◆緩和ケアとして展開する
 終末期がん患者の褥瘡ケア
  編集協力/青木和惠(静岡県立大学看護学部 教授,皮膚・排泄ケア認定看護師)

 褥瘡は要因の取り除きにくい創傷の代表である.特に,がん終末期に起こる褥瘡は,その要因ががん終末期の症状に深く関連して発生しているために,予防すること,または治癒させることが困難である.したがって,終末期がん患者の褥瘡ケアは,患者に苦痛を与えないこと,苦痛を緩和することに焦点を当て,緩和ケアとして展開していくことが重要である.
 本特集では,終末期がん患者の褥瘡の特徴やケアの考え方,終末期がん患者に対してできる褥瘡予防・治癒のためのケアや治療について,がん終末期ケア,がん患者の褥瘡ケアのエキスパートが解説する.

第2特集

◆看護と介護をつなぐ重要ツール
 排尿日誌の活用
  編集協力/佐藤和佳子(山形大学医学部看護学科 教授)

 排尿日誌によって患者の排尿状況を把握することは,患者に応じた排尿ケアや排尿障害の治療を立案するうえで有用である.さらに,排尿日誌から得た情報は,看護師と介護士などの職種間で情報共有しやすく,その情報をもとに共にアセスメントやケア計画の検討を行うことで,効果的な連携,継続的な排尿ケアにつながっていく.このことから,看護師が排尿日誌の記録方法や,排尿日誌から何が読み取れるかを十分に理解しておくことは,効果的な排尿ケアを実施・継続していくうえで非常に重要である.
 本特集では,排尿ケアにおける看護と介護の連携の考え方や排尿日誌について押さえておきたい基本的な知識を解説したうえで,実際に排尿日誌を活用して効果的な排尿ケアを行えた事例を紹介する.


●目次
第1特集

◆緩和ケアとして展開する
 終末期がん患者の褥瘡ケア

●Part1 緩和ケアとして展開するがん終末期の褥瘡ケア
     青木和惠

●Part2 終末期がん患者における褥瘡発生の実態
     西島安芸子

●Part3 要因のアセスメント
     水島史乃

●Part4 要因となるがんの症状とその対応
  ①がん悪液質症候群
     糸川紅子

  ②がん終末期の症状(疼痛,呼吸困難,浮腫)
     久山幸恵

●Part5 基本的な褥瘡ケア
  ①体圧分散
     石川典子

  ②スキンケア
     曽根原聡美

  ③栄養
     知念正佳

●Part6 局所ケア・治療
     安達淑子

●Part7 エンゼルケア
     鈴木知美

●Part8 通院患者への対応
     川村友子

第2特集

◆看護と介護をつなぐ重要ツール
 排尿日誌の活用
  執筆/川口寛介

連 載

◆意外に知られていない高齢者の事故
●本当は怖い“ベッド柵”の話
  深堀浩樹

◆臨床現場の“気になる家族”を効果的に支援しよう!!
●不適切な養育環境,サービス受け入れも拒む家族
  横田益美

◆アウトブレイク事例から学ぶ感染予防対策
●中間まとめ:看護ケアにおける感染予防・管理をきわめる
  崎浜智子

◆看護師の語りから見いだす 看取りのエッセンス
●死の間際で,在宅看取りをめぐって介護者間の対立が表面化した患者の看取り
  東清已

◆認定看護分野Q&A
●認知症看護編
  梅原里実

●摂食・嚥下障害看護編
  川上亜希子

●緩和ケア編
  星野純子
1,320円
第1特集

◆糖尿病を併せもつ人の看護
  編集協力/米田昭子(山梨県立大学看護学部成人看護学 教授,慢性疾患看護専門看護師)

 近年,糖尿病患者の生存期間は長くなり,糖尿病をもたない人と同じように生き抜くことができるようになってきている.これにより糖尿病患者がそのほかの疾患に罹患する機会も増え,糖尿病とそのほかの疾患を併せもつ人が増加してきている.
 糖尿病とほかの疾患を併せもつことで,疾患の相互関係を考慮しながら両方の疾患をコントロールしなければならず,療養生活を送る患者と支える家族の負担は非常に大きくなる.医療者には,診療科の垣根を越えて連携し,糖尿病と併存疾患両方の知識をもって,患者個々に合わせた効果的な治療やケアを行うことが求められる.
 本特集では,看護師が糖尿病とほかの疾患を併せもつ患者に対して効果的に支援できるようになることを目指し,疾患の相互関係や看護のポイントを疾患別に紹介する.

第2特集

◆糖尿病患者セルフケア
 能力測定ツールを活用した療養支援
  編集協力/清水安子(大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻 看護実践開発科学講座 教授)

 糖尿病患者セルフケア能力測定ツールは,患者のセルフケア能力の強み・弱みを把握できるだけでなく,患者自身に経時的な変化を理解してもらうことで,自己効力感を高め,セルフケア能力をより引き出すことにもつながる非常に有用なツールである.
 本特集では,看護師が本ツールを活用して糖尿病患者個々に合わせた療養支援を行えるようになることをねらいとし,ツールの概要とツールを用いた療養支援を行った事例を紹介する.


●目次
第1特集

◆糖尿病を併せもつ人の看護

●Part1 糖尿病とほかの疾患を併せもつ人への支援の考え方
     米田昭子

●Part2 糖尿病を併せもつ人の看護
  ①心疾患
     荻野絢子

  ②慢性腎臓病(CKD)
     大森泉

  ③脳血管障害
     片山将宏

  ④末梢動脈疾患(PAD)
     楢原直美

  ⑤膵臓がん
     飯尾美紀

  ⑥肝硬変
     山﨑優介

  ⑦認知症
     桃坂真由美

  ⑧間質性肺炎
     髙岸弘美・他

  ⑨眼疾患
     前田直子

  ⑩うつ病
     佐藤真理子

  ⑪精神科疾患:統合失調症
     藤本有紀

  ⑫整形外科疾患
     上杉裕子,多和田尚子

第2特集

◆糖尿病患者セルフケア
 能力測定ツールを活用した療養支援

●Part1 糖尿病患者セルフケア能力測定ツールの概要
     清水安子

●Part2 糖尿病患者セルフケア能力測定ツールを活用した療養支援の実際
     武石千鶴子,中尾友美

連 載

◆意外に知られていない高齢者の事故
●本当は怖い“ベッド上安静”の話
  呑香美佳子

◆臨床現場の“気になる家族”を効果的に支援しよう!!
●食事制限を守らない患者と家族
  児玉久仁子

◆アウトブレイク事例から学ぶ感染予防対策
●2018年「はしか(麻疹)“0”プロジェクト」再び!!
  崎浜智子

◆看護師の語りから見いだす 看取りのエッセンス
●真実を聞きたがらない思春期の頸部腫瘍患者の看取り
  萩岡あかね

◆認定看護分野Q&A
●認知症看護編
  梅原里実

●緩和ケア編
  髙橋里江

●摂食・嚥下障害看護編
  大城清貴
1,320円
●説明
第1特集

◆今知っておきたい 終末期がん患者の鎮静
 鎮静のプロセスを支える看護の実践
  編集協力/林ゑり子(藤沢湘南台病院 がん看護専門看護師)

 終末期のがん患者に対しては,耐え難い苦痛を緩和するために,鎮静薬を投与して意識レベルを下げる選択がされることがある.しかし,治療によって症状緩和できる可能性がある段階で鎮静を選択してしまう,鎮静の適応であり患者も希望しているが,家族が鎮静に対して誤ったイメージをもっているために実施できないなど,患者にとって最善の鎮静が行えていないケースもみられる.
 本特集では,患者・家族にとって最善の鎮静を行うために看護師が知っておくべき知識として,患者・家族に対する鎮静に関連する意思決定支援や,鎮静の適応の判断や実施中の評価のポイント,鎮静の対象となる苦痛症状へのアプローチについて紹介する.

第2特集

◆看護師だからできる がん患者の就労支援
  編集協力/賢見卓也(特定非営利活動法人がんと暮らしを考える会 理事長・看護師)

 近年,“がん患者の就労” について注目されており,医療者にも,積極的な就労支援の取り組みが求められ始めている.しかし,いざ取り組もうと考えても,具体的に何をどうすればよいのかがわからず,実際に就労支援を行うことのできている医療者は多くない状況がある.
 本特集では,わが国におけるがん患者の就労支援の現状と今後の展望,看護職だからこそできる就労支援,2018年の診療報酬改定で新設された「療養・就労両立支援指導料」と「相談体制充実加算」のポイントについて解説するとともに,産業保健と臨床現場それぞれにおける就労支援の取り組みを紹介する.


●目次
第1特集

◆今知っておきたい 終末期がん患者の鎮静
 鎮静のプロセスを支える看護の実践

●Part1 変わってきているがん患者の鎮静:適応とその現状
     風間郁子

●Part2 鎮静に関する意思決定支援
     柏木夕香

●Part3 鎮静のアセスメント
     菅野喜久子

●Part4 鎮静前・鎮静中に必ず行う 苦痛症状のマネジメント
  ①疼痛・呼吸困難・倦怠感:鎮静前のケア
     髙橋紀子

  ②疼痛・呼吸困難・倦怠感:鎮静中のケア
     髙橋紀子

  ③せん妄
     小山静

  ④ミオクローヌス・痙攣
     小山静

●Part5 心理・実存的苦痛へのアプローチ
     根岸恵

●Part6 鎮静中の家族の支援:家族の不安に寄り添う支援
     津村明美

第2特集

◆看護師だからできる がん患者の就労支援

●Part1 がん患者の就労支援の現状と今後の展望
     賢見卓也

●Part2 企業における産業保健スタッフの役割
     永田善香

●Part3 病院における就労支援
     西村裕美子

連 載

◆意外に知られていない高齢者の事故
●本当は怖い“高齢者の歩行”の話
  塩田美佐代

◆臨床現場の“気になる家族”を効果的に支援しよう!!
●患者は家に帰りたがっているのに反対する家族
  柏木久美子

◆アウトブレイク事例から学ぶ感染予防対策
●Bacillus cereus(セレウス菌)血流感染多発事例②
  崎浜智子

◆看護師の語りから見いだす 看取りのエッセンス
●患者の大切にしてきた生き方を尊重した看取り
  正井志穂

◆認定看護分野Q&A
●摂食・嚥下障害看護編
  池田真弓

●認知症看護編
  梅原里実

●緩和ケア編
  川島麻美子
1,320円
第1特集

◆認知症高齢者の尊厳を守り,臨床のジレンマを解決する
 認知症ケアにおける看護倫理
  編集協力/角田ますみ(杏林大学保健学部 准教授)

 認知症の人は,認知機能障害の進行に伴い意思決定や他者とのコミュニケーションが困難になっていく.そのため,認知症高齢者の医療においては,医療者や家族が「認知症高齢者には判断能力がない」と思い込んでしまい,治療やケアの方針が本人不在で決定されたり,日常のケアにおいても本人がどう感じているかを考慮せずにケアが実施されたりするなど,認知症高齢者自身の意思や尊厳が尊重されにくく,倫理的課題が生じやすい.したがって,医療者は認知症ケアの倫理について十分な知識をもち,常に配慮しながら認知症高齢者とかかわる必要がある.
 そこで本特集では,認知症ケアにおける倫理,特に看護師が直面しやすい日常ケアにおける倫理的課題の考え方について解説する.

第2特集

◆多職種連携で取り組む
 包括的な転倒予防アプローチ
  編集協力/加藤真由美(金沢大学医薬保健研究域保健学系 教授)

 高齢者の転倒は病院や施設,在宅などあらゆる場で問題となっており,各施設において様々な対策がとられている.病院における転倒対策は看護師が中心となって取り組まれていることが多いが,医師やPT,OTなどのセラピスト,薬剤師など多職種の専門性を生かし,様々な転倒の要因・リスクに対して多方面からアプローチすることで,よりタイムリーで効果的な対策をとることができる.
 本特集では,包括的な転倒予防アプローチとはどのようなものか,転倒予防における看護師を含む各職種の役割,職種間の連携における障壁,看護師として各職種とどのようにかかわることが必要なのかを解説するとともに,多職種連携での転倒予防の実際,具体的なケアの工夫についても紹介する.
●目次
第1特集

◆認知症高齢者の尊厳を守り,臨床のジレンマを解決する
 認知症ケアにおける看護倫理

●特集にあたって
     角田ますみ

●Part1 認知症ケアの倫理を考える際に大切なポイント(視点)
  ①認知症ケアの倫理的ジレンマ解決のヒントとなる看護倫理の考え方
     角田ますみ

  ②ストレングスファインダーⓇをとおして考える
   「その人らしさ」や「その人の価値観」を大事にするケア
     塙英明

●Part2 認知症高齢者に対する意思決定・意思表明支援と倫理的課題
     足立智孝

●Part3 日常的ケアにおける倫理的課題の考え方と対応
  ①日常的ケアにおける倫理的課題の考え方
     寺島涼子

  ②経口栄養・経管栄養
     西村紀子

  ③入浴介助
     寺島涼子

●Part4 事例で考える 認知症ケアの倫理
     宮本芳恵

第2特集

◆多職種連携で取り組む
 包括的な転倒予防アプローチ

●Part1 多職種による転倒予防アプローチにおける看護師の役割
     加藤真由美

●Part2 多職種で取り組む転倒予防アプローチの実際
     黒川美知代

連 載

◆意外に知られていない高齢者の事故
●本当は怖いおむつの話
  平野翔子

◆臨床現場の“気になる家族”を効果的に支援しよう!!
●“家族がいない”患者への家族看護
  浅野悠佳

◆アウトブレイク事例から学ぶ感染予防対策
●Bacillus cereus(セレウス菌)血流感染多発事例①
  崎浜智子

◆看護師の語りから見いだす 看取りのエッセンス
●呼吸困難に対して薬剤使用を拒否する患者の希望に寄り添い続けた看取り
  井口悦子

◆認定看護分野Q&A
●摂食・嚥下障害看護編
  前田春香

●緩和ケア編
  関根伊津子

●認知症看護編
  梅原里美

◆研究レポート
●Evidence Based Practiceのための入院患者へのせん妄ケアに関する文献検討
  瀬戸菜月・他
◆医科歯科連携で取り組む
 オーラルマネジメント
 一歩進んだケア技術と効果的な連携のポイント
  編集: 前原健寿/川﨑つま子/古屋純一/戸原玄

 近年,脳卒中に対する社会一般の関心は高まり治療成績も向上したことから,1970 年代には死因別順位の1位を占めていた脳卒中は,現在第4位に低下している.しかし,後遺症を抱えて家族や施設に依存する生活を余儀なくされている患者は最も多い.また,脳卒中に代わり死亡順位の第3位になった肺炎は,脳卒中後の患者が最も注意しなければならない合併症の一つである.
 したがって脳卒中患者に対する口腔機能管理(オーラルマネジメント)は,肺炎の予防をはじめとして患者の全身状態および予後の改善に重要な役割を果たすことが期待される.もとより脳卒中患者に対する口腔機能管理には,医師,歯科医師のみならず,看護師,歯科衛生士,リハビリテーション技師を含む多職種の包括的治療が必要で,なかでも患者に接する時間が最も多い看護師には,適切な口腔機能管理法の習得が要求される.しかし,看護教育において口腔機能管理や,その実践方法が系統的な授業として行われることはまれである.
 現在,われわれは,日本医療開発機構の研究課題として「脳卒中急性期における口腔機能管理法の開発に関する研究」に取り組んでいる.脳卒中急性期患者に対する歯科介入の効果を検証するとともに,加えて利用しやすいかたちで複数の側面から整理した口腔機能の管理方法を開発し,あわせて退院後の状況を観察することでより効果的な介入方法,マニュアル作成を目指している.
 本増刊号ではマニュアル作成の成果をもとに,口腔機能管理における医科と歯科の連携の重要性を述べ,口腔機能管理の実践および施設間•多職種連携について概説する.さらに,まとめとして口腔機能管理の実際を,急性期,回復期,慢性期の脳卒中患者のみならず,パーキンソン病患者,ALS 患者,口腔咽頭腫瘍術後患者,低栄養患者,口内炎や出血のある患者,認知症患者,終末期患者について紹介する.本増刊号が,実臨床における看護師の適切なオーラルマネジメントの手助けになることを期待している.
●目次
 

●編集にあたって
    前原健寿

総 論

◆オーラルマネジメントと医科歯科連携
 1. 口腔機能管理(オーラルマネジメント)とは
    古屋純一

 2. 医科歯科連携の要点
    戸原玄

 3. 看護師に期待すること
    川﨑つま子

第1章

◆オーラルマネジメントの技術
 1. 全身状態の評価
    後藤由香里

 2. 口腔機能の評価と管理
    佐藤茉莉恵

 3. 口腔ケアの手技とケア用品の選択
    小原由紀

 4. 嚥下機能の評価と訓練
   ①嚥下機能評価
    堤剛
   ②嚥下機能訓練
    大庭優香

 5. 栄養状態の評価と管理
   ①栄養評価
    鳥越純子・他
   ②栄養管理
    豊島瑞枝・他

 6. リスク管理
    田中朋代

第2章

◆オーラルマネジメントにおける
 施設間・多職種連携のポイント
 1. 施設の状況に応じた医科歯科連携
    若杉葉子

 2. 院外連携のポイント
    伊藤亜希

 3. TMDU型口腔機能管理プロトコル

 【COLUMN】オーラルマネジメントQ&A

第3章

◆疾患・状態別
 オーラルマネジメント
 1. 急性期脳卒中患者
    吉見佳那子

 2. 回復期脳卒中患者
    山口浩平

 3. 慢性期脳卒中患者
    原豪志

 4. パーキンソン病患者
    若杉葉子

 5. ALS患者
    原豪志

 6. 口腔咽頭腫瘍術後患者
    中根綾子

 7. 低栄養患者
    中根綾子

 8. 口内炎や出血傾向のある患者
    藤田美帆

 9. 認知症患者
    西野実鈴

 10. 終末期患者
    鵜澤茂代
1,320円
第1特集

◆一般病棟における排尿ケア
 排尿自立指導のために病棟看護師が知っておきたいこと
  編集協力/谷口珠実(山梨大学大学院総合研究部 健康・生活支援看護学講座 准教授)

 排尿の問題は人の尊厳にかかわり,患者のQOL に大きく影響することから,排尿の問題を抱える患者が早期に排尿自立できるよう援助することは非常に重要である.平成28 年度の診療報酬改定で「排尿自立指導料」が新設された影響もあり,近年では排尿自立へ向けた支援がより強く求められている.
 本特集では,病棟看護師が排尿自立のための支援について理解し,排尿ケアチームと効果的に連携してケアを行えるようになることを目標とし,病棟看護師が知っておくべき排尿自立指導におけるアセスメントや排尿ケア,排尿ケアチームとの連携のポイントについて紹介する.

第2特集

◆シームレスな排泄ケア
 地域包括ケアへつなげる看護の連携
  編集協力/佐藤和佳子(山形大学医学部看護学科 教授)

 2025年,団塊の世代すべてが75歳以上となる年に向けて,地域包括ケアシステムの構築が推進されている.しかし,ケアの中心を担う看護職,介護職は,自分たちがこの地域包括ケアシステムのどの位置にあたり,システムを取り巻く様々な機関・部門と連携する必要があるのか,実際のケアの場面において,ジレンマを感じることも多い現状がある.そこで本特集では,Part1で「シームレスな排泄ケア」を推進するケアのポイントを解説し,Part2では連携の実際を事例で紹介する.
 なお,「シームレスな排泄ケア」という言葉について本特集では,高齢者ができるだけ自立した生活ができ,そして重度の要介護状態になっても,住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるための排泄ケアの連携に焦点を当てた用語としてとらえ,解説を進めていくこととする.
●目次
第1特集

◆一般病棟における排尿ケア
 排尿自立指導のために病棟看護師が知っておきたいこと

●Part1 排尿自立指導料とは
     谷口珠実

●Part2 下部尿路機能障害の分類・病態
     三井貴彦,武田正之

●Part3 病棟看護師の行う 排尿自立指導におけるアセスメント
  ①対象者の抽出
     小柳由恵

  ②排尿日誌
     丹波光子

  ③機器を用いた残尿測定
     野﨑祥子

●Part4 尿道カテーテルの管理と早期抜去に向けたケア
     帶刀朋代

●Part5 病棟看護師の行う 排尿自立指導における排尿ケア
  ①生活指導・排尿誘導
     西村かおる

  ②清潔間欠導尿
     田中純子

  ③骨盤底筋訓練
     吉田美香子

  ④排泄用具(おむつ・その他の用具)の使い方
     平山千登勢

●Part6 排尿自立指導の実際
  ①糖尿病患者
     内藤直美

  ②子宮頸がん患者
     津畑亜紀子

  ③脳血管障害患者
     高崎良子

第2特集

◆シームレスな排泄ケア
 地域包括ケアへつなげる看護の連携

●Part1 医療と介護の統合的排泄ケアを促進する看護:2025年に向けて
     佐藤和佳子

●Part2 事例報告:排泄ケア地域連携の実際
  ①急性病院の退院支援から在宅へ
     後藤慶

  ②長期ケア施設から在宅へ
     上山真美

  ③回復期リハビリテーション病棟から在宅へ
     阿部桃子

連 載

◆看護師の語りから見いだす 看取りのエッセンス
●看取りの基本的な考え方と事例から学ぶ看取りケアの視点
  鈴木志津枝

◆意外に知られていない高齢者の事故
●本当は怖いお風呂の話
  横山久美

◆アウトブレイク事例から学ぶ感染予防対策
●多剤耐性緑膿菌/ESBL’s 産生大腸菌多発事例
  崎浜智子

◆臨床現場の“気になる家族”を効果的に支援しよう!!
●認知症の妻の困った行動を暴力で制止する夫
  横田益美

◆認定看護分野Q&A
●緩和ケア編
  宇都健一郎

●認知症看護編
  梅原里実

●摂食・嚥下障害看護編
  川上亜希子
1,320円
第1特集

◆治療を優先しながらできる!
 クリティカルケア領域におけるスキンケア
  編集協力 志村知子(日本医科大学付属病院 急性・重症患者看護専門看護師/皮膚・排泄ケア認定看護師)

 クリティカルケア領域の患者は,医療機器装着による医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)やテープ剥離時のスキン-テア,不動状態が続くことによる褥瘡,常時おむつでの排泄を行うことによる失禁関連皮膚炎(IAD)など,様々な皮膚障害のリスクをもつ.これらの皮膚障害に対する予防的・治療的スキンケアは看護師の重要な役割であるが,患者の状態や治療の都合により体位変換が難しい,機器を取りはずせないため圧迫が回避できないなど,皮膚障害に対する一般的なケアを行うことが困難な場合もある.
 本特集では,重症患者をみる看護師が,患者の生命を守るための治療を最優先せざるを得ないなかでも適切なスキンケアが行えるようになることをねらいとし,クリティカルケア領域の患者に起こりやすい皮膚障害の予防や発生時のケアのポイントを紹介する.


●Part1 クリティカルケア領域の患者に起こりやすい皮膚障害
  ①重症患者の皮膚の特徴と代表的な皮膚障害(圧迫関連創傷)
     志村知子

  ②重症患者の皮膚障害(スキン-テアやIAD,術後皮膚障害)
     志村知子

●Part2 クリティカルケア領域におけるスキンケア
  ①重症患者によくみられる皮膚の症候
     袴田将嗣

  ②重症患者の褥瘡予防
     石井光子

  ③MDRPU機器別予防対策:弾性ストッキング/間欠的空気圧迫装置
     古田愛

  ④MDRPU機器別予防対策:NPPVマスク
     牛島麻衣,志村知子

  ⑤MDRPU機器別予防対策:気管チューブ
     坂下守弘

  ⑥重症患者に生じるスキン-テア
     袴田智美

  ⑦重症患者に生じる便失禁による失禁関連皮膚炎(IAD)
     帶刀朋代

  ⑧術後創のケア:術後離開創
     吉井忍

  ⑨術後創のケア:ドレーン周囲・瘻孔
     佐川愛子

第2特集

◆「日本版重症患者の栄養療法ガイドライン」
 看護師が知っておきたいポイント
  編集協力 清水孝宏(那覇市立病院 看護師長,集中ケア認定看護師)

 重症患者の栄養管理は,いつから栄養を投与するか,経腸栄養,静脈栄養など投与経路をどう選択するか,どのように栄養状態を評価するかなど,判断・対応の難しさがある.これに対して日本集中治療医学会は,2016年に「日本版重症患者の栄養療法ガイドライン」を発表した.
 本特集では,このガイドラインの目的や特徴,看護への影響,看護師が知っておきたい,臨床で活用するためのポイントを紹介する.


●Part1 ガイドラインの概要と看護師への期待
  小谷穣治

●Part2 看護師が知っておきたいガイドラインのポイント
  清水孝宏


連 載

◆意外に知られていない高齢者の事故
●本当は怖い義歯の話:誤飲,破損,紛失
  杉山智子

◆アウトブレイク事例から学ぶ感染予防対策
●インフルエンザ病院内多発事例②
  崎浜智子

◆臨床現場の“気になる家族”を効果的に支援しよう!!
●看護師への怒りを表出する若年がん患者の母
  上村博子

◆研究レポート
●看護師の声・話し方が患者の心とからだに及ぼす影響
  西村葉子・他

◆認定看護分野Q&A
●摂食・嚥下障害看護編
  川上亜希子

●認知症看護編
  梅原里実

●緩和ケア編
  桐山徹
1,320円
第1特集

オンコロジックエマージェンシーの徴候を見逃さない
がん患者の急変対応
編集協力/市川智里(国立がん研究センター東病院 看護部 がん看護専門看護師)

 オンコロジックエマージェンシーとは,がんに関連した原因によって救急対応を必要とする致命的な状態に陥ることを指す.このオンコロジックエマージェンシーは,がんの進行・転移などによって生じる場合や,がん治療に伴い発生する場合などがあり,その原因に合わせた早期の対応が必要となる.
 本特集では,看護師がオンコロジックエマージェンシーについて理解し,その徴候を見逃さずに早期発見・早期対応できるようになることを目標とし,起こりやすい患者の特徴や,予防や対応のポイントなどについて症状別に解説する.

Part1 オンコロジックエマージェンシーとは/市川智里

Part2 症状別 オンコロジックエマージェンシーへの対応
 ① 脊髄圧迫/菅澤勝幸
 ② 頭蓋内圧亢進/小林成光
 ③ 気道閉塞/桑本麻美
 ④ 腸管穿孔/栗山尚子
 ⑤ 上大静脈症候群/平野勇太
 ⑥ 心タンポナーデ/村田長子
 ⑦ 代謝異常(高カルシウム血症/低ナトリウム血症)/安川恵美子
 ⑧ 発熱性好中球減少症/末吉真由美
 ⑨ アナフィラキシーショック/高橋真由美
 
Part3 初期症状からオンコロジックエマージェンシーを予測する/小林直子


第2特集

AYA世代病棟におけるがん看護の実際
執筆/津村明美(静岡県立静岡がんセンター がん看護専門看護師)

 10代後半から30代にかけてのAYA(Adolescent and Young Adult)世代にがんに罹患した患者は,子どもから大人への過渡期にあるAYA世代特有の様々な問題を抱える.看護師には,その特有の問題を考慮した看護を展開することが求められている.
 本特集では,AYA世代がん患者が抱える心理社会的問題やそれに対する看護について,静岡県立静岡がんセンターでの実践をもとに紹介する.

Part1 AYA世代のがん看護

Part2 AYA世代病棟における看護実践

連 載

◆意外に知られていない高齢者の事故
  本当は怖いミトンの話/杉山智子

◆臨床現場の“気になる家族”を効果的に支援しよう!!
  予期せぬ合併症により医療不信を募らせる家族/児玉久仁子

◆アウトブレイク事例から学ぶ感染予防対策
  インフルエンザ病院内多発事例① /崎浜智子

◆認定看護分野Q&A
  摂食・嚥下障害看護編/川上亜希子
  緩和ケア編/六反勝美
  認知症看護編/梅原里実

◆研究レポート
  抗がん剤治療を受ける患者の血管外漏出の現状と課題/小野智恵美・他
1,320円
第1特集

ERAS(R)で変わる周術期管理
編集協力/谷口英喜(済生会横浜市東部病院 周術期支援センター センター長)

 近年では,術後患者の早期回復を目指すため,ERAS(R)(enhanced recovery after surgery)プロトコールが多くの施設で導入されている.このERAS(R)プロトコールはエビデンスのある術後回復促進策をまとめたもので,多職種チームにより共通の目標のもとで実践することで,術後の早期回復,患者のQOL向上につながるとされている.
 本特集では,ERAS(R)に基づく多職種チームでの周術期管理のポイント,そのなかで看護師に求められる役割について,済生会横浜市東部病院周術期支援センターの取り組みをとおして解説する.

Part1 術後回復促進策による周術期管理と看護のかかわり/谷口英喜

Part2 ERAS(R)看護で実践する情報収集とカウンセリング
 ① 情報収集:データベース作成から手術体位まで/石田達也
 ② 術前カウンセリング/伊藤美香
 

Part3 多職種協働で実践する周術期管理
 ① 栄養支援/牛込恵子
 ② 薬剤支援/竹之内正記
 ③ リハビリテーション支援:術前リハから術後離床まで/谷口英喜
 ④ 歯科口腔支援(周術期の口腔ケア)/小川雅子
 ⑤ 術中看護支援(看護ケア)/中西さおり
 ⑥ 術後回復促進を目指した麻酔管理/谷口英喜


Part4 術後回復促進策に基づく周術期管理の実際
 ① 結腸がん手術の術前管理:病棟看護師の視点から/小林希実
 ② 直腸がん手術の術中管理:手術室看護師の視点から/門脇水菜子
 ③ 直腸がん手術の術後管理:ICU看護師の視点から/手島正美


第2特集

ハイフローセラピーの理解と管理のポイント
編集協力/石橋一馬(神戸市立西神戸医療センター 臨床工学室 呼吸治療専門臨床工学技士)

 ハイフローセラピーは,鼻カニュラから高流量・高濃度の酸素を投与できる新しい呼吸管理方法であり,近年急速に普及している.従来の酸素療法に比べて高精度な呼吸管理ができるとともに,実施中に食事や会話などが可能で機器装着中の不快感も少ないことから,気管挿管やNPPVよりも患者のQOLを高く保つことができるとされている.
 本特集では,このハイフローセラピーの適応や特徴,用いる機器の種類,実施中の管理のポイントを解説する.

Part1 ハイフローセラピーの効果と適応/石橋一馬

Part2 実施中の患者管理とトラブル対策/曽根玲司那



連 載

◆意外に知られていない高齢者の事故
  高齢者の事故と予防の考え方/湯浅美千代

◆臨床現場の“気になる家族”を効果的に支援しよう!!
  家族システムとシステムズアプローチの基本的な考え方/畠山とも子

◆アウトブレイク事例から学ぶ感染予防対策
  感染予防の基本的考え方:「感染成立の連鎖」と
  感染予防に必要な“スタンダード・ケア”/崎浜智子

◆認定看護分野Q&A
  摂食・嚥下障害看護編/川上亜希子
  緩和ケア編/筑後幸惠
  認知症看護編/梅原里実
1,320円
第1特集

周術期の
オーラルマネジメント
編集協力/渡邊 裕(東京都健康長寿医療センター研究所 専門副部長)

 がんや心臓外科などの手術を受ける患者に対するオーラルマネジメントは,術後の合併症を予防,低減するとされている.看護師は,ブラッシングによる口腔内の清掃のみならず,口腔内のアセスメントや歯科への介入依頼,口腔機能改善のリハビリテーションなど,オーラルマネジメントにおいて重要な役割を担う.
 本特集では,周術期口腔機能管理料の概要や周術期オーラルマネジメントの考え方,介入方法について概説するとともに,手術部位や患者の特徴に応じたオーラルマネジメントの実際を紹介する.

Part1 周術期における医科歯科連携と看護師の役割/渡邊 裕

Part2 周術期のオーラルマネジメント
 ① 口腔のアセスメント/髙澤理奈,久野彰子
 ② 器質的口腔ケア/細萱順一
 ③ 機能的口腔ケア/三條祐介
 ④ 歯科治療/久野彰子

Part3 周術期オーラルマネジメントの実際
 ① 頭頸部がん手術を受ける患者/大屋朋子
 ② 口腔外科手術を受ける患者/綿引美香
 ③ 心臓外科手術を受ける患者/森 美由紀
 ④ 臓器移植を受ける患者/髙澤理奈



第2特集

終末期患者の口腔ケア
執筆/金子信子 (医療法人おひさま会やまぐちクリニック 歯科衛生士)
   野原幹司 (大阪大学大学院歯学研究科 顎口腔機能治療学教室 准教授)

 終末期の口腔ケアは,口腔内の症状の予防・緩和やそれらの症状に関連する不快感の軽減,会話や経口摂取を続けるための口腔内環境の整備など,最期までQOLを保つために非常に重要である.しかし,終末期患者は痛みやその他症状などによりセルフケアが困難な状況にあることから,看護師や介護者などによる口腔ケアは欠かせない.
 本特集では,看護師が終末期の患者に対してその患者に合わせた口腔ケアを行えるようになることを目標とし,終末期の口腔ケアの目的や考え方,アセスメント,ケアの具体的な方法について,非がん患者へのケアを中心に紹介する.

Part1 終末期における口腔ケアの目的

Part2 口腔ケアの方法と口腔機能評価

Part3 症例にみる口腔ケアの実際


連 載

◆PICSの予防と対策(最終回)
  連載のまとめ/清水孝宏

◆がん患者の症状マネジメント(最終回)
  がん患者の症状マネジメントとセルフケア支援のあり方/荒尾晴惠

◆エンドオブライフケア:実践知が導くケア技術(最終回)
  在宅におけるエンドオブライフケア/野口 忍

◆Q&A(最終回)
  血液ガス編/髙野 洋
  人工呼吸器グラフィックモニタ編/奥田晃久
  人工呼吸器アラーム対応編/石井宣大
1,320円
第1特集

高齢者ケアの新常識
フレイルの理解と対応
編集協力/高梨早苗(国立長寿医療研究センター 看護部 老人看護専門看護師)

 フレイルとは,「高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し,機能障害,要介護状態,死亡などの転機に陥りやすい状態」を指す言葉である.フレイルは健康な状態から要介護に移行する中間で可逆性のある段階であり,早期発見・介入により,低下しつつある心身機能を維持・改善できるとされている.
 本特集では,フレイルの概念やフレイルに対する病棟看護師の役割について解説したうえで,病棟看護師が行える高齢者のフレイル予防・改善のための介入,フレイル高齢者の退院支援のポイントを紹介する.

Part1 フレイルを理解する/佐竹昭介

Part2 包括的な高齢者のアセスメント/高梨早苗
  
Part3 フレイル予防・改善のための介入
 ① 自立へ向けたADLの援助/新美千佳
 ② ロコモティブシンドロームに対するリハビリテーション/相本啓太・他
 ③ オーラルフレイルに対する口腔機能向上の支援/大野友久
 ④ サルコペニア予防・改善のための栄養管理/木下かほり

Part4 フレイルと認知症/猪口里永子

Part5 フレイルと転倒/サブレ森田さゆり

Part6 フレイルと退院支援/銘苅尚子


第2特集

外来・地域におけるフレイル対策
編集協力/善生まり子(埼玉県立大学保健医療福祉学部 看護学科 准教授)

 高齢者が地域で安心して暮らし続けるためには,フレイル予防・改善のための外来や地域全体での継続的な支援が重要である.施設・地域によってはすでに積極的なフレイル対策に取り組んでおり,高齢者の介護予防に成果を上げ始めている.
 本特集では,外来や地域におけるフレイル対策の取り組みを紹介する.

Part1 フレイル高齢者を地域で支える/善生まり子

Part2 外来におけるフレイル対策:医師の取り組み/菅野康二

Part3 地域におけるフレイル対策:さいたま市の取り組み/中島里奈,服部史絵

Part4 住民主体のフレイル予防教室:15年間の研究事業の取り組み/藤縄 理


連 載

◆PICSの予防と対策
  家族へのケア/中村香代,立野淳子

◆がん患者の症状マネジメント
  がん疼痛/荒尾晴惠

◆エンドオブライフケア:実践知が導くケア技術
  高齢者施設におけるエンドオブライフケア/川端 心

◆研究レポート
  食事形態の違いによって起こる食欲への影響
 ―嚥下食のつぶし方と盛り付け方に焦点を当てた検討―/早島拓也・他

◆Q&A
  血液ガス編/髙野 洋
  人工呼吸器グラフィックモニタ編/奥田晃久
  人工呼吸器アラーム対応編/石井宣大
特 集

退院後の生活を見据えた高齢者ケア
包括的アセスメントと健康障害へのアプローチ

 現在わが国は世界に類をみない超高齢社会に突入しており,団塊の世代が75歳を迎える2025年には高齢化率が約30%に達することが見込まれている.高齢者は加齢により身体機能や認知機能の低下がみられ,入院などを契機に健康障害が生じたり悪化したりすることで要介護となることも少なくない.高齢者がいきいきとその人らしく,健やかな生活を送ることができるためにも,医療者は高齢者を包括的にアセスメントしながら生活を見据えたケアを提供していくことが求められている.
 本特集では,高齢者の特徴やアセスメントなど高齢者ケアの基本知識と技術を概説するとともに,高齢者によくみられる健康障害の予防とケアについて解説する.また,地域で健康課題を抱える高齢者への支援についても解説する.

第1章 退院後の生活を見据えた高齢者ケアのための知識
  1.高齢者の特徴/山本由子
 
  2.入院加療が高齢者に与える影響とケアのポイント/金盛琢也
 
  3.退院後の生活を見据えた高齢者のアセスメント/六角僚子
 
  4.高齢者ケアにおける倫理的課題と対応/長谷川美智子

第2章 高齢者が抱える健康障害の予防とケア
  1.転倒/髙原 昭
 
  2.疼痛/齊田綾子
  
  3.皮膚障害
   ① 褥瘡/村山志津子
   ② スキンテア/高木良重・他
   ③ 皮膚感染性疾患/降旗理恵
 
  4.排泄障害
   ① 排尿障害/平山千登勢
   ② 排便障害/積 美保子
   
  5.低栄養/都築智美
 
  6.摂食嚥下障害/小澤公人
 
  7.廃用症候群/稲野聖子
 
  8.感染症/小野寺隆記
 
  9.精神症状
   ① 睡眠障害/尾﨑章子
   ② 認知症/直井千津子
   ③ せん妄/山内典子
   ④ うつ/宮田 郁

第3章 高齢者の地域での生活を見据える視点
  1.高齢者の生活を支えるケアシステム
   ① 地域包括ケアシステム/糸井和佳
   ② 高齢者の生活を支える制度/糸井和佳
   
  2.退院支援/鶴屋邦江

  3.地域における高齢者の健康課題に対する支援
   ① 虚弱高齢者/本田順子・他
   ② 要介護高齢者/佐々木明子,田沼寮子
   ③ 認知症高齢者/田沼寮子,佐々木明子
   ④ 高齢者虐待/田沼寮子,佐々木明子
1,320円
第1特集

救急・クリティカルケア領域における家族ケア
編集協力/山勢博彰(山口大学大学院医学系研究科 教授)

 クリティカルな状態にある患者の家族は,重大・急激な状況の変化による激しい動揺や強い不安,死別への恐怖,悲嘆から危機状態に陥ることが多く,手厚い支援が必要となる.しかし,動揺が強い家族に対し,関係性が十分に構築できていない状況で介入することは困難であり,どのように支援したらよいか迷う医療者も多い.
 本特集では,救急・クリティカルケア領域における家族のとらえ方や家族ケアの考え方,時期や場所に応じたケアのポイントやチームでの介入などについて解説し,様々な事例をとおして家族ケアの実際を紹介する.

Part1 救急・クリティカルケア領域における家族の特徴と家族ケア/立野淳子,山勢博彰

Part2 救急・クリティカルケア領域における家族ケアの基本
 ① 時期・場に応じた家族アセスメントとケアのポイント/加藤 茜
 ② 代理意思決定の支援/田山聡子
 ③ 医療チーム調整と専門職へのコンサルテーション/中谷美紀子
 
Part3 事例にみる家族ケアの実際
【代理意思決定が困難な事例】
 ① 重症心疾患でICUに入院した患者の高齢者の家族/吉田嘉子
 ② 臓器提供の意思表示がある脳死状態の患者の家族/榑松久美子
 ③ 患者の事前指示と異なる意向を示す家族/福田侑子
【グリーフケアが重要な事例】
 ④ 妻の死を受け入れることができない夫/藤本理恵
 ⑤ 親を亡くした未成年(青少年期)の子ども/吉里孝子
 ⑥ 集中治療を受けている子どもを亡くす両親/小島 朗
【家族の混乱が強い事例】
 ⑦ 自殺企図患者の家族/福島綾子
 ⑧ 不慮の事故で救急搬送された小児患者の母親/辻 守栄


第2特集

虐待を疑う患者への対応
編集協力/山田典子(日本赤十字秋田看護大学 教授)

 児童虐待や高齢者虐待,配偶者からの暴力など,虐待,ドメスティックバイオレンス(DV)が社会問題となっている.看護師においても,救急外来や小児病棟などで虐待を受けている患者に出会うことは少なくなく,患者の身体的・心理的苦痛への対応を求められるとともに,適切な機関への通告も義務付けられている.しかし,医療者が“何かおかしい”と虐待を疑ったとしても,確信がもてないことや,加害者からの報復を恐れることなどにより,実際に報告・対応することは困難な場合が多い.このことから,虐待を受けている患者の発見・対応に関する知識をもっておくことは,看護師にとっても非常に重要である.
 本特集では,虐待を受けている患者の特徴や医療機関で虐待に対応するシステム・環境づくりなどについて解説し,虐待を疑う患者と出会った場合の対応やその考え方を事例をとおして紹介する.

Part1 虐待を疑う患者の特徴と社会的なシステム/山田典子,葛西陽子

Part2 事例にみる 虐待を疑う患者への対応/若本彩子・他

連 載

◆PICSの予防と対策
  ICUダイアリー/杉島 寛

◆がん患者の症状マネジメント
  倦怠感/山本瀬奈

◆エンドオブライフケア:実践知が導くケア技術
  病院におけるエンドオブライフケア/西坂恵子,東 めぐみ

◆Q&A
  血液ガス編/髙野 洋
  人工呼吸器グラフィックモニタ編/奥田晃久
  人工呼吸器アラーム対応編/石井宣大
1,320円
第1特集

末期心不全の緩和ケア
患者・家族を最期まで支えるために必要な知識と技術
編集協力/籏持知恵子(大阪府立大学大学院看護学研究科 教授)

 心疾患はわが国における死因の第2位であり,その最たる原因は心不全であるが,高齢化に伴い慢性心不全患者の数はますます増加している.心不全は増悪と緩解を繰り返す経過をたどること,また突然死の可能性がある一方で,心臓移植や補助循環装置による治療によって劇的な回復を遂げる可能性があることから,がんに比べて予後予測や終末期の見極めが困難であるという特徴があるが,患者や家族はそれらの経過に翻弄され,身体的にも精神的にも苦痛を抱えたまま最期を迎えることもある.医療者は患者や家族が病気を抱えながらも自分らしく生活できるよう,また望ましい最期を迎えられるよう適切な治療・支援を行うことが求められている.
 そこで本特集では,末期心不全患者の緩和ケアの実践として,適切な治療を提供するうえで知っておくべき心不全の病態や経過,治療を概説するとともに,心不全に伴う身体的・精神的苦痛へのマネジメントや,治療方法の選択などの意思決定支援,多職種連携について解説する.

Part1 心不全の緩和ケアの特徴と看護師の役割/籏持知恵子

Part2 心不全の病態と治療/民田浩一

Part3 心不全患者の全人的苦痛へのケア
 ① 身体的苦痛へのケア
 1.倦怠感/佐藤千賀
 2.呼吸困難感/佐藤千賀
 3.心不全悪液質に伴う症状/田中奈緒子
 ② 精神的苦痛へのケア/成井花奈恵
 ③ スピリチュアルな痛みへのケア/森田亜紀

Part4 心不全患者の意思決定支援/戸沢智也

Part5 多職種連携,地域連携/武田真弓

Part6 終末期における心不全患者へのケアと看取り/仲村直子

Part7 心不全患者の家族ケア
 ① 末期状態・終末期にある心不全患者の家族に対する支援/田中奈緒子
 ② 家族へのグリーフケア/森田亜紀


第2特集

植込型補助人工心臓装着患者の在宅療養支援
編集協力/山中源治(東京女子医科大学病院 急性・重症患者看護専門看護師)

 内科的治療が限界となった末期重症心不全患者にとって残された治療は心臓移植である.しかし,日本の心ドナー数は他の先進国に比べ少なく,心臓移植待機期間は1,000日を越える.そのため,心臓移植待機患者の多くは,補助人工心臓(ventricular assist device;VAD)を装着し心臓移植へ望みをつないでいるのが現状である.また近年では,心臓移植適応外の患者に対し,最終治療としてVADを選択する長期在宅治療(destination therapy;DT)も検討されており,現在治験が行われている.
 日本では2011年に在宅療養が可能な植込型VADが使用できるようになり,患者と家族への教育や退院支援が重要視されている.今後ますます在宅療養する植込型VAD装着患者が増えることが考えられる.植込型VAD装着患者の退院支援や在宅療養支援には,チーム医療は欠かすことができない.VADチームのなかで看護師は,患者と家族が生活変化に順応できるようサポートしケアする役割を担う.
 本特集では,植込型VAD装着患者がその人らしい生活を取り戻すための退院支援や在宅療養後のケアについて解説する.さらに,終末期の課題まで掘り下げ,死と向き合う患者・家族に対するケアについても考えたい.

Part1 植込型VAD装着患者の退院に向けた支援/山中源治

Part2 植込型VAD装着患者の在宅療養支援の実際
 ① VAD装着患者の訪問看護の実際/伊東紀揮
 ② VAD外来での看護ケア/山中源治

Part3 植込型VAD治療におけるエンドオブライフケア/遠藤美代子,加賀美幸江

Part4 大阪大学医学部附属病院における植込型LVAD治療の緩和ケア/松浦良平・他



連 載

◆PICSの予防と対策
  ICUでの栄養管理/鈴木達郎

◆がん患者の症状マネジメント
  排便異常(下痢・便秘)/根岸 恵

◆エンドオブライフケア:実践知が導くケア技術
  ALS患者のエンドオブライフケア/高橋奈美

◆Q&A
  血液ガス編/矢田理絵
  人工呼吸器グラフィックモニタ編/奥田晃久
  人工呼吸器アラーム対応編/石井宣大

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