看護技術 発売日・バックナンバー

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1,430円
第1特集

◆認知症高齢者の糖尿病療養支援
  編集協力/荒木 厚(東京都健康長寿医療センター 副院長・内科総括部長(糖尿病・代謝・内分泌内科))

 高齢化が加速するわが国では,糖尿病患者の高齢化とそれに伴う様々な症状へのケアが喫緊の課題となっている.なかでも,最近の研究から糖尿病と密接な病理・病態学的関連が認められる認知症を,糖尿病の合併症,あるいは糖尿病性認知症としてとらえ,いかに患者の状態を評価しケアしていくかが模索されている.
 本特集では,糖尿病を患う認知症高齢者への療養支援について,症状の特徴や支援,血糖コントロール設定の意義と方法を概説したうえで,療養支援を行っていくためのノウハウを具体的な実践を交えながら解説する.

第2特集

◆看護師が知っておきたい
 高齢者の糖尿病とサルコペニア肥満のポイント
  執筆/杉本 研(大阪大学大学院医学系研究科 老年・総合内科学 講師)
     楽木宏実(大阪大学大学院医学系研究科 老年・総合内科学 教授)

 運動不足による筋肉の衰えによるサルコペニア・フレイルが,糖尿病と相互に影響しあうことで血糖コントロールを困難にし,高血圧やADLの著しい低下が生じることが明らかになってきている.そのため,サルコペニアと肥満という一見矛盾する状態を的確にアセスメントし,適切なケア方法を導きだすことがより一層重要になってくる.
 本特集では,近年注目されている「サルコペニア肥満」に代表されるサルコペニア・フレイルと糖尿病との関連性について解説し,看護師が臨床の現場で押さえておくべきポイントについて,ガイドラインを含めた近年の動向も踏まえながら紹介する.

●目次
第1特集

◆認知症高齢者の糖尿病療養支援
     編集協力/荒木 厚

●Part1 認知症高齢者の糖尿病療養支援
     千葉優子

●Part2 高齢糖尿病患者の血糖コントロール目標の設定
     田村嘉章

●Part3 糖尿病合併症を発症した際の困難とその対応
  ①視力障害と認知機能障害を伴った高齢糖尿病患者の治療と看護
     舘鼻 彩・ 他

  ②認知症患者における糖尿病性腎症看護について
     渡部 創・ 他

  ③糖尿病神経障害
     石井秀明・ 他

  ④大血管症(動脈硬化症)
     豊島堅志

  ⑤糖尿病足病変
     小寺玲美

●Part4 事例にみる療養支援の実際
  ①MCIからセルフケアが困難になった例
     豊島堅志

  ②シックデイの対応がうまくいかず高浸透圧高血糖状態を起こした患者
     大庭和人・ 荒木 厚

  ③低血糖により認知機能障害をきたした患者
     田村嘉章

  ④高齢糖尿病患者のフットケア
     今野真希

  ⑤フレイルにより身体活動量や意欲が低下した認知機能障害の患者
     千葉優子

第2特集

◆看護師が知っておきたい
 高齢者の糖尿病とサルコペニア肥満のポイント
     執筆/杉本 研・ 楽木宏実

連 載

◆スキンケア用品の正しい選び方・使い方
●手術中のスキンケア:肺がんのD氏①
  吉村美音

◆患者の“食べたい”を支えるテクニック
●食事介助:食事環境の調整
  竹市美加

◆予期せぬ急変の徴候を見逃さない
●Rapid Response Systemで急変を防ぐ:循環【実践編】
  古澤圭壱

◆インシデントから学ぶ 日常ケアに潜む落とし穴
●医療機器(輸液ポンプ編)
  稲吉礼子

◆疾患を限定しない緩和ケア
●家族を含めたトータルケア①:主科と患者家族のニーズを探る
  千葉恵子

◆看護現場での倫理的ジレンマに向き合うための考え方
●実践上の倫理的概念①:「責任・責務」,「協力」
  藤田厚美
1,430円
第1特集

◆がん治療中の「食」を支える!
 栄養管理と食支援の実践
  編集協力/千葉由美(横浜市立大学大学院医学研究科看護学専攻 教授)

 がん治療の副作用による食欲不振や,がんによる代謝の変化により,がん患者の多くに体重(筋肉量)減少が起こる.体重減少は日常生活に影響を及ぼし,治療の継続可否や効果,副作用の程度にも影響し,悪循環を生じる.防止策として,栄養・食事状況のアセスメント,食事の妨げとなる症状への対応,食事が不十分な場合の栄養投与などが必須である.
 本特集では,がん患者のQOLを保つ・高めるための食事・栄養に関する支援のポイントとして,栄養状態のアセスメント,栄養投与経路の選択と経口摂取再開の支援,食事に関連する症状への対応,術後の摂食嚥下リハと食支援について解説する.

第2特集

◆口腔アセスメントガイド(OAG)を活用した
 がん患者の口腔ケア
  編集協力/村松真澄 (札幌市立大学看護学部 准教授)

 口腔ケアは患者の口腔内の環境維持だけでなく,全身状態やQOL向上のために重要なケアの1つにもかかわらず,アセスメント方法や手技が標準化されておらず,看護師一人ひとりの判断に委ねられがちである.
 そこで本特集では,看護師が簡便に使用できる口腔アセスメントツールであるEilers口腔アセスメントガイド(OAG)の活用方法の解説と,実際に活用しながら口腔ケアを行った実践について具体的に紹介する.
●目次
第1特集

◆がん治療中の「食」を支える!
 栄養管理と食支援の実践
     編集協力/千葉由美

●Part1 がん患者の食事と栄養
     丸山道生

●Part2 食事・栄養に関するアセスメント
  ①食事摂取・栄養状態のアセスメント
   :低栄養の新たな診断基準GLIM criteriaを中心に
     臼井正信,東口髙志

  ②摂食嚥下機能のアセスメントのポイント
     三鬼達人

  ③口腔状態のアセスメントのポイント
     三鬼達人,千葉由美

●Part3 栄養投与経路の選択と経口摂取への支援
     丸山道生

●Part4 がん化学療法・放射線治療の有害事象対策
  ①食欲不振,悪心・嘔吐
     三澤 昇

  ②口腔粘膜炎・口腔乾燥
     秦 浩信,大場由貴

  ③味覚・嗅覚の変化
     秦 浩信,大場由貴

●Part5 がん種別 術後の摂食嚥下リハビリテーションと食支援
  ①頭頸部がん
     大橋伸英

  ②食道がん
     大橋伸英

  ③胃がん
     大橋伸英,雁部弘美

  ④大腸がん
     大橋伸英,雁部弘美

第2特集

◆口腔アセスメントガイド(OAG)を活用した
 がん患者の口腔ケア
     編集協力/村松真澄

●Part1 口腔内の状態を適切にアセスメントするためのOAGの活用
     村松真澄

●Part2 化学療法・放射線治療患者の口腔ケア
     宮﨑留美子

連 載

◆スキンケア用品の正しい選び方・使い方
●血糖コントロール目的で入院してきた認知症を既往にもつC氏
  中川由季,山本 潤

◆患者の“食べたい”を支えるテクニック
●摂食嚥下機能の評価
 :早期経口摂取への評価点に応じたケアの工夫
  金 志純

◆予期せぬ急変の徴候を見逃さない
●Rapid Response Systemで急変を防ぐ
 :循環【知識編】
  古澤圭壱

◆インシデントから学ぶ 日常ケアに潜む落とし穴
●食物誤嚥による窒息
  堤 美江

◆疾患を限定しない緩和ケア
●交通外傷直後の不眠患者への緩和ケア
 :症状マネジメントと意思決定支援の後方支援としての役割
  千葉恵子

◆看護現場での倫理的ジレンマに向き合うための考え方
●終末期医療における倫理的課題と対応
  西田三十一
1,430円
第1特集

◆周術期のスキントラブル
 術中・術後に生じる褥瘡・MDRPU・スキン-テア・IADを防ぐ!
  編集協力/室岡陽子( 東京慈恵会医科大学医学部看護学科 講師,皮膚・排泄ケア認定看護師)

 周術期には,術中の長時間の同一体位や,術後の安静,循環動態の変化や様々な機器の装着により,褥瘡や医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)など,様々な皮膚障害を生じるリスクが高い.本特集では,看護師が術後のスキンケア・創傷予防・管理を適切に行えるようになることをねらいとし,術後創傷やスキントラブルの特徴,予防と発生時のケアのポイントを解説する.

第2特集

◆効果的な連携で患者の足を守る!
 地域で取り組むフットケア
  編集協力/駒井宏好 (関西医科大学総合医療センター 血管外科 教授)

 透析患者や糖尿病患者は足病変のリスクが高く,足を守るための観察・ケアを注意深く行う必要がある.これらの患者は在宅療養,外来通院が主で,毎日医療者が足を確認するのは難しいため,地域で連携して患者教育,予防ケア,治療を行っていくことが肝要である.
 本特集では,地域で連携してフットケアに取り組む意義と実際に行われている様々な取り組みを紹介する.

●目次
◆周術期のスキントラブル
 術中・術後に生じる褥瘡・MDRPU・スキン-テア・IADを防ぐ!
     編集協力/室岡陽子

●Part1 術中・術後に生じる皮膚障害の特徴
     杉本はるみ

●Part2 病棟看護師が行う術前・術後のアセスメント
     杉本はるみ

●Part3 周術期に生じる褥瘡対策
     帶刀朋代

●Part4 周術期のMDRPU対策
     志村知子

●Part5 周術期のスキン-テア対策
     江川安紀子

●Part6 周術期のIAD対策
     江川安紀子

第2特集
◆効果的な連携で患者の足を守る!
 地域で取り組むフットケア
     編集協力/駒井宏好

●特集にあたって
     駒井宏好

●Part1 トータルフットケアで健康寿命延伸へ
    :foot for body, body for foot
     森田一郎

●Part2 地域・多職種連携で取り組むフットケアの実際
  ①足病変の早期発見と対応を目指した地域連携フットケアシステム
   「北河内連携フットスキャン」
     大久保 縁

  ②足の創傷治療の在宅と病院の連携
     大浦紀彦・他

  ③下肢うっ滞のフットケア
     仲川眞弓

  ④透析関連のフットケア
     北 和子,皆方弥代里

連 載
◆スキンケア用品の正しい選び方・使い方
●一般病棟で起こる皮膚障害:重症肺炎のB氏②
  石井光子

◆患者の“食べたい”を支えるテクニック
●摂食嚥下機能の評価:早期経口摂取へつなげるためのベッドサイドスクリーニング評価
  金 志純

◆予期せぬ急変の徴候を見逃さない
●Rapid Response Systemで急変を防ぐ:呼吸【実践編】
  渕本雅昭

◆インシデントから学ぶ 日常ケアに潜む落とし穴
●転倒・転落事故予防とその考え方
  遠藤敏行

◆疾患を限定しない緩和ケア
●慢性呼吸器疾患患者の緩和ケア:非がん疾患に対する苦痛症状緩和目的の鎮静について
  千葉恵子

◆看護現場での倫理的ジレンマに向き合うための考え方
●脳死下臓器提供による患者・家族の倫理的課題と求められる看護ケア
  田村南海子
1,430円
第1特集

◆ゆらぐ意思決定を支える
 慢性呼吸器疾患患者へのエンド・オブ・ライフケア
  編集協力/竹川幸恵(大阪はびきの医療センター 呼吸ケアセンター 副センター長,慢性疾患看護専門看護師)

 慢性呼吸器疾患患者は,耐え難い呼吸困難という身体的苦痛だけでなく,心理的,社会的,スピリチュアルな苦痛を長期間に渡って抱えることが多い.また,予後予測が困難なため,本人の意思が明確に把握できないままに看取りを迎える場合もあるため,患者家族も大きな心理的苦痛を伴う.慢性呼吸器疾患患者を支えていくためには,局面ごとに生じる意思決定の「ゆらぎ」にエンド・オブ・ライフケアの観点から寄り添っていく必要がある.
 本特集では慢性呼吸器疾患患者へのエンド・オブ・ライフケアについて,近年の議論を踏まえながら局面ごとの考え方とケア方法について紹介する.

第2特集

◆病棟看護師が押さえるべき禁煙支援のポイント
  編集協力/谷口千枝 (愛知医科大学看護学部 成人看護学(療養生活支援) 講師)

 禁煙はCOPDを代表する呼吸器疾患のマネジメントには必須であり,呼吸機能低下を防止する効果もある.しかし一方で,禁煙支援は生活者としての喫煙者のライフスタイルに合わせた柔軟な対応力や,禁煙へのモチベーションの維持といったメンタル面でのケアも求められるため,ノウハウを身に付けることは容易ではない.
 そこで本特集では,呼吸器疾患の予防と効果的な治療のための大前提である禁煙支援について,病棟看護師が押さえるべきポイントを中心に解説する.
●目次
第1特集

◆ゆらぐ意思決定を支える慢性呼吸器疾患患者へのエンド・オブ・ライフケア
     編集協力/竹川幸恵

●Part1 慢性呼吸器疾患患者へのエンド・オブ・ライフケアの考え方の特徴
     谷本真理子

●Part2 局面別 慢性呼吸器疾患患者へのエンド・オブ・ライフケア
  ①疾病予防・悪化予防~在宅酸素療法導入の局面
     田中鮎美

  ②増悪を繰り返す局面
     中西美貴

  ③人生の最終段階における局面
     竹川幸恵

●Part3 事例にみる 慢性呼吸器疾患患者へのエンド・オブ・ライフケア
  ①慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者
     平田聡子

  ②間質性肺炎の患者
     猪飼やす子

  ③ICUにおける意思決定支援
     桑原田真弓

第2特集

◆病棟看護師が押さえるべき禁煙支援のポイント
     執筆/谷口千枝

連 載

◆スキンケア用品の正しい選び方・使い方
●救命センターで起こる皮膚障害:重症肺炎のB氏①
  志村知子

◆患者の“食べたい”を支えるテクニック
●摂食嚥下機能の評価:良好な機能を引き出すためのケア
  金 志純

◆予期せぬ急変の徴候を見逃さない
●Rapid Response Systemで急変を防ぐ:呼吸【知識編】
  渕本雅昭

◆インシデントから学ぶ 日常ケアに潜む落とし穴
●皮膚トラブルへの対応:「プロセス指向」の考え方から
  杢代馨香

◆疾患を限定しない緩和ケア
●慢性呼吸器疾患患者の緩和ケア:呼吸困難へのオピオイド使用
  千葉恵子

◆看護現場での倫理的ジレンマに向き合うための考え方
●病気を抱えながらはたらく看護師の苦悩における倫理的課題と対応
  中村幸代

◆研究レポート
●精神科医療における行動制限最小化への取り組み
 ~行動制限解除基準としてのPANSS-ECの有用性~
  桂畑 隆・他
1,430円
●説明
第1特集

◆「治せるせん妄」を見逃さない! がん終末期のせん妄
  編集協力/井上真一郎(岡山大学病院 精神科神経科)

 がん終末期にはせん妄が高頻度で出現する.終末期にせん妄を生じると,身体症状の評価や対応,意思の決定や表明が困難になり,患者の望む生活や治療,看取りの妨げとなる.また,終末期患者のせん妄は家族にとっても大きな苦痛・負担となる.
 終末期のせん妄には治療・ケアによって改善する可逆性のせん妄と,改善が見込めない不可逆性のせん妄があり,可逆性のせん妄を見逃さず適切に評価・ケアすること,不可逆性のせん妄を呈する患者の QOL を可能な限り高めるケアを行うことは,看護師の重要な役割である.
 本特集では,終末期がん患者のせん妄ケアの考え方,アセスメントとアプローチのポイントに加え,せん妄患者の家族ケア,在宅看取りにおけるせん妄ケアについても解説する.

第2特集

◆ 「ケミカルコーピング」を理解する オピオイドの適正使用と適切な苦痛緩和のために
  編集協力/林 ゑり子 (藤沢湘南台病院 がん看護専門看護師)

 「ケミカルコーピング」とは,患者が不安などの身体的な痛み以外の苦痛へ対処するためにオピオイドを使用することを指し,オピオイドの不適切使用や苦痛の原因への不十分な対処につながるため,近年問題となっている.
 本特集では,ケミカルコーピングの概要とアセスメント,オピオイド適正使用のための教育のポイント,ケミカルコーピングを疑う患者への対応事例を紹介する.
●目次
第1特集

◆「治せるせん妄」を見逃さない! がん終末期のせん妄

●Part1 終末期におけるせん妄の特徴と看護の役割
     井上真一郎

●Part2 終末期におけるせん妄のアセスメント
     井上真一郎

●Part3 終末期におけるせん妄のアプローチ―可逆性せん妄―
     井上真一郎

●Part4 終末期におけるせん妄のアプローチ―不可逆性せん妄―
     井上真一郎

●Part5 終末期におけるせん妄患者の家族ケア
     萱原沙織

●Part6 在宅看取りにおける終末期のせん妄ケア
     安岡しずか

●Part7 事例にみる がん終末期のせん妄ケア
  ①看取りの場を決定する前にせん妄を発症し,意思確認ができない患者
     伊藤由美子

  ②在宅看取りを希望していたが,せん妄発症を機に家族が不安を訴え始めた事例
     山口 恵,井上尚子


第2特集

◆「ケミカルコーピング」を理解する オピオイドの適正使用と適切な苦痛緩和のために

●Part1 がん医療における「ケミカルコーピング」とは?
     松岡弘道

●Part2 ケミカルコーピングと看護実践:オピオイド適正使用のための患者教育
     林 ゑり子


連 載

◆スキンケア用品の正しい選び方・使い方
●周手術期のスキンケア:直腸がんのA氏②
  帶刀朋代

◆患者の“食べたい”を支えるテクニック
●口腔ケアの方法:困難症例での対応
  一瀬浩隆

◆予期せぬ急変の徴候を見逃さない
●Rapid Response Systemで急変を防ぐ:外観【実践論】
  渕本雅昭

◆インシデントから学ぶ 日常ケアに潜む落とし穴
●患者誤認採血間違いインシデントの事故分析の視点
  林 雅代

◆疾患を限定しない緩和ケア
●透析患者の緩和ケア:自暴自棄になっている患者へのかかわり
  千葉恵子

◆看護現場での倫理的ジレンマに向き合うための考え方
●クリティカルケア領域における意思決定とその対応
  山田理絵
1,430円
第1特集

◆入院中に“要介護者”にしない! サルコペニア対策
  編集協力/若林秀隆(横浜市立大学附属市民総合医療センター リハビリテーション科 講師)

 サルコペニアは,加齢に伴う筋肉量の低下を主な原因とする一次性サルコペニアと,低活動・廃用,低栄養,疾患などによる二次性サルコペニアに分類されるが,こうした様々な原因を把握しないままに“とりあえず禁食”や“とりあえず安静”といった対応を行うことで生じる医原性サルコペニアに近年注目が集まっている.
 本特集では,入院患者を“要介護者”にしないために,早期に原因を見極めるアセスメント方法や介入のあり方などの具体的なサルコペニア対策を紹介する.

第2特集

◆薬剤でフレイル・要介護者にしない! ポリファーマシー対策とリハ薬剤
  編集協力/若林秀隆(横浜市立大学附属市民総合医療センター リハビリテーション科 講師)

 サルコペニア・フレイルの要因として,薬剤を不適切に多剤併用することで患者の生活機能やQOLが低下する「ポリファーマシー」が問題となっている.一方,サルコペニアやフレイルを予防・改善するアプローチとして,リハビリテーションでの訓練内容を考慮した薬物治療,あるいは薬物治療と連動してリハを実施していく「リハ薬剤」の重要性が提唱されている.
 本特集では,医師や薬剤師をはじめとした多職種と連携するために看護師が知っておくべきポリファーマシーの原因と対策,リハ薬剤の考え方について解説する.


●目次
◆入院中に“要介護者”にしない! サルコペニア対策

●特集にあたって
     若林秀隆

●Part1 サルコペニアとは何か
     富樫慎太郎,上月正博

●Part2 サルコペニアのアセスメントと診断
     一柳有紀

●Part3 サルコペニアの摂食嚥下障害とは何か
     平畑典子


●Part4 サルコペニアへの介入
  ①低活動
     内橋 恵

  ②低栄養
     川畑亜加里

  ③疾患
     吉田朱見

  ④環境
     湯山淳子

●Part5 事例から学ぶサルコペニア対策
  ①サルコペニアで摂食嚥下機能が低下している入院患者
     兼本佐和子

  ②末梢静脈栄養のみの栄養管理で体重減少とADLが低下した入院患者
     市川佳孝

  ③集中治療を要する重症疾患でサルコペニアが進行している入院患者
     浅田宗隆

  ④回復期リハ病棟で3食全量経口摂取しているが体重減少している入院患者
     太田純子


第2特集

◆薬剤でフレイル・要介護者にしない! ポリファーマシー対策とリハ薬剤

●Part1 ポリファーマシーの原因と対策
     中道真理子

●Part2 リハ薬剤の考え方
     中村直人


連 載

◆スキンケア用品の正しい選び方・使い方
●周手術期のスキンケア:直腸がんのA氏①
  帶刀朋代

◆患者の“食べたい”を支えるテクニック
●口腔ケアの方法:食べたいにつながる口腔ケア
  一瀬浩隆

◆予期せぬ急変の徴候を見逃さない
●Rapid Response Systemで急変を防ぐ:外観【知識論】
  渕本雅昭

◆インシデントから学ぶ 日常ケアに潜む落とし穴
●移送中のドレーントラブル
  小杉綾子

◆疾患を限定しない緩和ケア
●透析患者への緩和ケア:透析離脱したい患者と
 続けてほしい医療者との調整役として介入した事例
  千葉恵子

◆看護現場での倫理的ジレンマに向き合うための考え方
●手術看護における倫理的課題と対応
  岡島志野

◆家族ケアの“困った場面” 解決法 システムズアプローチの理解と活用
  編集/畠山とも子(福島県立医科大学看護学部 家族看護学部門 教授)
     児玉久仁子(東京慈恵会医科大学附属病院 家族支援専門看護師)

 臨床では“食事制限があるのに家族が差し入れをやめない”“家族が医療者の一挙手一投足を監視していて,ちょっとしたことで怒る”など,家族への対応が難しい場面にしばしば遭遇する.そこで医療者が“この家族には問題がある”と一方的に考えて,問題を何とかしようと無理に説得・教育したり,逆に極力かかわらないように避けたりすると,家族はさらに反発して対応がより難しくなり,医療者は家族へのネガティブな感情を強める,という悪循環が生じる.このような家族ケアの“困った場面”において,視点を変えて患者-家族-医療者の相互関係を多面的に見つめ直すことができれば,そこから支援の糸口が見えてくる.
 本増刊号では,患者-家族-医療者を相互に影響し合う一つのシステムとして包括的にとらえる“システムズアプローチ”の考え方を軸に,家族アセスメントと支援のポイントを解説するとともに,様々な家族への対応事例を紹介する.

●目次
特集によせて

◆“ 対応困難な家族 ”をつくらない家族支援の考え方
    吉川 悟

第1章

◆家族システムとシステムズアプローチの基本的な考え方
    畠山とも子

第2章

◆日常のかかわりのなかでの家族ケア
 1. 日常のかかわりのなかでの家族ケアのポイント
    児玉久仁子

 2. インフォームド・コンセントと家族ケア
    児玉久仁子

第3章

◆家族支援のための一歩進んだ知識と技術
 1. 病気に関連した家族の体験と家族アセスメント
    児玉久仁子

 2. 家族ケアに活かすコミュニケーション技法
    児玉久仁子

第4章

◆臨床でよく出会う“気になる家族”の支援
 1. 予期せぬ合併症により医療不信を募らせる妻
    児玉久仁子

 2. 認知症の妻の困った行動を暴力で制止する夫
    横田益美

 3. 自分勝手に振る舞う身寄りがない患者にとっての「こころの家族」
    浅野悠佳

 4. 看護師への怒りを表出する若年がん患者の母
    上村博子

 5. 患者は家に帰りたがっているのに反対する家族
    柏木久美子

 6. 食事制限を守らない息子と差し入れをする母
    児玉久仁子

 7. 不適切な養育環境,サービス受け入れも拒む家族
    横田益美

 8. 食事や治療にこだわりの強い終末期がん患者の家族
    矢野順子

 9. 家族ミーティングにおける摂食障害の子どもと母親の成長
    畠山とも子

 10. 患者が苦しんでいるのに食べさせようとする家族
    児玉久仁子,藤井真樹

 11. 終末期の母親に当たる思春期の娘,娘を叱る父親
    児玉久仁子


第5章

◆多様な特徴のある家族の支援方法
 1. セクシュアルマイノリティ
    高木明子

 2. 児童虐待と家族支援
    目澤有未,児玉久仁子

 3. 自死遺族
    高木明子

 4. 災害に直面する家族
    浅野悠佳
1,430円
第1特集

◆ABCD-Stomaケアを活用した ストーマ周囲皮膚のスキンケア
  編集協力/紺家千津子(金沢医科大学看護学部 教授)

 ストーマ周囲皮膚のスキンケアは,皮膚の状態だけでなく,オストメイトのQOLやWell-beingをも左右する.そのためストーマ管理は,ストーマ周囲皮膚への配慮だけでなく,オストメイト個々人の身体的な特徴や状況も視野に入れてケアする必要がある.
 本特集では,日本創傷・オストミー・失禁管理学会がストーマスキンケアツールとして開発した ABCD-Stoma ® ケアを,臨床現場で実践的に活用するために内容を改めて整理しつつ,看護師にとって必須の技術といえるスキンケア方法を紹介する.

第2特集

◆面板の形状別に理解する ストーマ装具の適切な選び方
  執筆/小久保恵理(山梨大学医学部附属病院 皮膚・排泄ケア認定看護師)

 ストーマ装具は年々種類が増えており,形状や特性も多様になってきている.たとえば,面板ひとつとっても,平面型・凸面型(やわらかい/硬い)・凹面型と,様々なタイプがある.医療者はオストメイト個々人のストーマや周囲の皮膚の状態も考慮したうえで,適切な装具を選択するための知識とスキルを日々更新していく必要がある.
 そこで本特集では装具の特徴や選択の基準などを比較しながら整理することで,ストーマ装具を適切に選択し患者をケアするための知識を提供する.
●目次
◆ABCD-Stomaケアを活用した ストーマ周囲皮膚のスキンケア

●特集にあたって
     紺家千津子

●Part1 ABCD-Stomaケアを臨床現場で使用する際のポイント
     小西千枝,紺家千津子

●Part2 ストーマ周囲皮膚のスキンケア
  ①排泄物の付着がある場合のスキンケア
     片岡ひとみ

  ②不適切な装具管理がある場合のスキンケア
     政田美喜

  ③がん薬物療法中のスキンケア
     祖父江正代・他

  ④手術部位感染がある場合のスキンケア
     内藤亜由美

  ⑤炎症性腸疾患がある場合のスキンケア
     佐藤 文

  ⑥皮膚感染の疑いのある場合のスキンケア
     木下幸子

●Part3 事例にみるABCD-Stomaケアを活用した ストーマ周囲皮膚のスキンケア
  ①体型が変化したことでストーマ装具が適切に管理できなくなった患者
     高木良重

  ②ストーマ周囲皮膚に強い瘙痒感のある患者
     高橋麻由美

  ③退院直後より装具から排泄物が漏れている在宅療養患者
     南部清美


第2特集

◆面板の形状別に理解する ストーマ装具の適切な選び方

●Part1 面板の形状別に理解するストーマ装具の特徴
     小久保恵理

●Part2 事例で理解する ストーマ装具の適切な選び方
     小久保恵理


連 載

◆スキンケア用品の正しい選び方・使い方
●形成外科医に診てもらうべき皮膚疾患
  柴田 大,松村 一

◆患者の“食べたい”を支えるテクニック
●口腔状態を整える:食べたいにつながる口腔ケア
  一瀬浩隆

◆予期せぬ急変の徴候を見逃さない
●Rapid Response Systemとは【実践編】
  小野澤圭子

◆インシデントから学ぶ 日常ケアに潜む落とし穴
●チューブ類の自己抜去予防とその考え方
  遠藤敏行

◆疾患を限定しない緩和ケア
●透析患者への緩和ケア:疼痛マネジメント
  千葉恵子

◆看護現場での倫理的ジレンマに向き合うための考え方
●救急外来における倫理的課題と対応
  千葉洋介,習田明裕
1,430円
第1特集

◆クリティカルケアにおける倫理的ジレンマ
  編集協力/梶原絢子(自治医科大学附属さいたま医療センタ- EICU
            主任看護師,急性・重症患者看護専門看護師)

 クリティカルケアでは,患者は自身の最期について意思決定することが困難な状態であることが多く,家族と医療者は代理意思決定の際,限られた判断材料と時間のなかで文字どおり患者の生命にかかわる選択を迫られる.このような倫理的ジレンマを生じがちな状況下では,技術だけでなく柔軟な対応力と判断力が求められる.
 本特集では,クリティカルケアにおいて倫理的ジレンマが生じ得る豊富な事例をとおして,倫理的課題に気づき,考え,対応するためのポイントを解説する.

第2特集

◆周術期管理の最前線
 岡山大学病院 周術期管理センター(PERIO)の実践から
  編集協力/足羽孝子(岡山大学病院 周術期管理センター 看護師長, 集中ケア認定看護師)

 近年,周術期を多職種でケアしていく周術期管理チームが複数の病院で組織され,活動が広がっている.しかし,政策による入院期間の短縮や病院の機能分化,周術期の持続的なケアの希薄化やマンパワー不足など,課題は山積している.
 本特集では,2008年に開設以降,研修や公開セミナーなどによる情報発信をはじめ,先駆的な取り組みを精力的に展開している岡山大学病院 周術期管理センター(perioperative management center;PERIO)の実践を紹介し,周術期管理チームにおいて看護師に求められる役割について解説する.
●目次
◆クリティカルケアにおける倫理的ジレンマ

●特集にあたって
     梶原絢子

●Part1 倫理的ジレンマの考え方
   ①臨床における倫理的ジレンマとその解決のプロセスについて
     今長谷尚史

  ②倫理的問題の解決に必要な意思決定モデル
     渡辺かづみ

  ③倫理的問題を解決するためのモデル
     遠藤みどり

●Part2 事例にみるクリティカルケアにおける倫理的ジレンマ
  ①患者の意思が確認できない状況で決断を迫られる家族
     堀 友紀子, 八尾みどり

  ②侵襲的な治療を拒否する患者と希望する家族
     佐藤かおり, 梶原絢子

  ③患者のアドバンス・ケア・プランニングと異なる対応を希望する家族
     小島 朗

  ④医療者に意思決定をゆだねる患者・家族
     新山和也

  ⑤慢性心不全に肺炎を合併した認知症高齢患者への意思決定支援
     多田昌代

  ⑥患者自身の意思が不明瞭なままDNARが指示された例
     齋藤大輔

  ⑦早期に治療に医学的適応がないと判断しようとする医療者
     辻本真由美

  ⑧医師と看護師の認識の違いにより患者の苦痛が緩和されない例
     梶原絢子

  ⑨患者の意向より安全管理を優先し抑制を実施するチーム
     工藤光生, 梶原絢子


第2特集

◆周術期管理の最前線 岡山大学病院 周術期管理センター(PERIO)の実践から

●Part1 PERIOの特徴と活動
     足羽孝子

●Part2 PERIOの実践にみる周術期管理における看護師の役割
  ①喫煙患者へのかかわり
     山口英利子, 田村利枝

  ②病的肥満患者へのかかわり
     廣川万里子

  ③せん妄ハイリスク患者へのかかわり
     市川あい

  ④手術中の体位保持困難な患者へのかかわり
     松下志のぶ, 井原 栞


連 載

◆スキンケア用品の正しい選び方・使い方
●皮膚科医に診てもらうべき皮膚疾患
  入澤亮吉

◆患者の“食べたい”を支えるテクニック
●食事姿勢を考える:困難場面での対応
  竹市美加

◆予期せぬ急変の徴候を見逃さない
●Rapid Response Systemとは【知識編】
  渕本雅昭

◆インシデントから学ぶ 日常ケアに潜む落とし穴
●内服与薬インシデントを減らすための要因を考える
  林 雅代

◆疾患を限定しない緩和ケア
●輸血・侵襲的な処置や検査を希望しない超高齢患者のケース
  千葉恵子

◆看護現場での倫理的ジレンマに向き合うための考え方
●造血幹細胞移植における倫理的課題と対応
  大庭貴子

◆看護師の語りから見いだす 看取りのエッセンス(最終回)
●看護師の語りから見いだす看取りのエッセンスを看取りケアに活かす
  鈴木志津枝
1,430円
第1特集

◆病院看護師の行うがんサバイバー支援
 治療中・治療後の心理・社会的問題を中心に
  編集協力/岡本明美(順天堂大学医療看護学部 准教授)

 がんサバイバーは,治療に伴う長期的な合併症や身体機能・容貌の変化に伴う心理的苦痛,再発・転移への恐怖,治療による就労や就学への影響など様々な心理・社会的問題に直面する.看護師には,患者が抱える,あるいは今後直面すると予測されるこれらの問題に対し,患者自身が気づき,解決策を見いだせるように支援していくことが求められる.
 本特集では,がんの急性期医療を担う病院の看護師が,治療中・治療後のがんサバイバーが直面する心理・社会的問題を理解し支援できるようになるために,がんサバイバーシップの考え方,治療中・治療後のがんサバイバーが抱える心理・社会的苦痛について解説するとともに,病棟や外来での支援の実際を紹介する.

第2特集

◆ がん患者を看取る家族のグリーフケア
  執筆/山﨑智子(東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科 がんエンドオブライフケア看護学分野 准教授,GCC認定グリーフケアカウンセラー)

 人は家族や友人などとの死別によって喪失による悲嘆(グリーフ)を経験し,それにより睡眠障害や抑うつなどの症状を呈することもある.これは通常の反応であり,プロセスを踏んで徐々にそれを乗り越えていくが,時には深刻な罪悪感や希死念慮などの症状を呈することもある.近年このようなグリーフを抱える遺族に対するケアの重要性が認識されてきているが,患者の死後に遺族とかかわる機会は少なく,実際の介入は十分に行われていないのが現状である.
 本特集では,わが国の死因の多くを占めるがんによる死別に焦点を当て,家族・遺族はどのような悲嘆のプロセスを辿るのか,グリーフケアとはどのようなものかを概説するとともに,看護師がこれから患者を看取る,またはすでに看取った家族に対してできる支援のポイントを紹介する.
●目次
◆病院看護師の行うがんサバイバー支援 治療中・治療後の心理・社会的問題を中心に

●Part1 「がんサバイバーシップ」を看護に活かす
     岡本明美

●Part2 がんサバイバーの抱える心理・社会的問題を理解する
     中野真理子

●Part3 がんサバイバー支援の実際
  ①病棟における支援の実際:造血器腫瘍患者を支える
     荻津佳奈江

  ②病棟における支援の実際:婦人科がん患者を支える
     神津三佳

  ③外来における支援の実際:乳がん患者を支える
     宮津珠恵

  ④外来における支援の実際:放射線治療を受ける肺がん患者を支えるる
     桑原麻理子

  ⑤化学療法室における支援の実際:がん薬物療法を受ける患者を支える
     伊藤淳子

●Part4 包括的ながんサバイバー支援における看護師の取り組み
  ①がん患者の在宅療養支援における病棟看護師の役割と実践
     大野稔子

  ②がん相談支援センターにおける相談員としての看護師の取り組み
     吉岡多美子

第2特集

◆がん患者を看取る家族のグリーフケア

●がん患者を看取る家族のグリーフケア
     山﨑智子

連 載

◆スキンケア用品の正しい選び方・使い方
●スキンケアに用いる保湿剤の基礎知識
  関根祐介,藤瀬 遥

◆患者の“食べたい”を支えるテクニック
●食事姿勢を考える:基本的な食事姿勢の調整
  竹市美加

◆予期せぬ急変の徴候を見逃さない
●急変の予兆とは【実践編】
  小野澤圭子

◆インシデントから学ぶ 日常ケアに潜む落とし穴
●注射インシデントを減らすための「プロセス指向」
 :同姓患者に対する抗菌薬の投与間違いから
  稲吉礼子

◆疾患を限定しない緩和ケア
●呼吸困難のある末期心不全患者のケース
  千葉恵子

◆看護現場での倫理的ジレンマに向き合うための考え方
●看護倫理の基本的な考え方
  習田明裕

◆看護師の語りから見いだす 看取りのエッセンス
●不安の強い家族と共に行った若年進行がん患者の看取り
  長嶧美奈子

◆研究レポート
●摂食機能療法の経験学習が看護師にもたらす教育効果
 :ブルームのタキソノミーを用いた質問紙調査から
  光藤桃子・他
●その他
1,430円
第1特集

◆術後患者の「痛み」をとらえる!
 術後疼痛の観察とアセスメント
  編集協力/遠藤みどり(山梨県立大学看護学部 教授)

 痛みを適切に管理することは術後患者の管理において非常に重要であるが,痛みは主観的な感覚であり,患者によって感じ方やその影響は異なるため,医療者中心で画一的に管理することは難しい.このことから,患者の感じている全人的な痛みを的確にとらえ,治療・ケアに反映していくこと,つまり患者中心の術後疼痛管理を行うことが必要である.
 本特集では,患者中心の術後疼痛管理における看護師の役割や,痛みのアセスメントとケアの考え方やポイント,具体的なケア事例を紹介する.

第2特集

◆“快適”な起床を早期回復につなげる
 術後患者のモーニングケア
  執筆/大橋久美子(姫路獨協大学看護学部 准教授)

 術後急性期の患者,特に高齢者は,慣れない入院環境や術中の麻酔の影響,疼痛などの術後の症状などにより,睡眠と覚醒のリズムが崩れる.これによる生活リズムの崩れは,せん妄発症やリハビリテーションの遅延など術後管理に悪影響を及ぼすものであり,生活リズムを整える支援は術後患者の生活をみる看護師の重要な役割である.
 本特集では,生活リズムを整えるために有効なモーニングケア(快適起床ケア)の概要と効果,具体的な方法について解説する.
●目次
◆術後患者の「痛み」をとらえる! 術後疼痛の観察とアセスメント

●Part1 患者個々に合わせた術後疼痛マネジメント:看護師に求められる観察と実践
     遠藤みどり

●Part2 患者の“痛みの体験”をひもとく術後疼痛のアセスメント
     井川由貴,山本奈央

●Part3 術後疼痛のコントロール
  ①薬物療法
     飯嶋哲也

  ②PCA(患者自己調節鎮痛法)
     飯嶋哲也

  ③非薬物療法
     山本真基子,中込洋美

  Topic1 術後疼痛コントロールにおける医療安全を考える
     藤森玲子

  Topic2 術後疼痛コントロールにおける栄養管理
     中瀬 一

●Part4 事例にみる 術後疼痛マネジメント
  ①夜間に痛みを訴える整形外科術後の高齢患者
     上川智彦,山本奈央

  ②胸痛を訴え続ける開胸術後患者
     高取充祥

  ③突如出現した強烈な痛み体験により離床が進まない開腹術後患者
     渡邊泰子,井川由貴

  ④下肢切断による全人的な痛みを抱えた外傷患者
     梶原絢子,遠藤みどり

第2特集

◆“快適”な起床を早期回復につなげる 術後患者のモーニングケア
 
●Part1 快適な起床のためのモーニングケア
     大橋久美子

●Part2 術後患者の回復促進のための「快適起床ケア」
     大橋久美子

連 載

◆スキンケア用品の正しい選び方・使い方
●スキンケアの基礎知識
  帶刀朋代

◆患者の“食べたい”を支えるテクニック
●“口から食べたい”を支える包括的ケア:KTバランスチャートの活用
  竹市美加

◆予期せぬ急変の徴候を見逃さない
●急変前の予兆とは【知識編】
  渕本雅昭

◆インシデントから学ぶ 日常ケアに潜む落とし穴
●日常ケアに潜む落とし穴とは?
  黒川美知代

◆疾患を限定しない緩和ケア
●がんだけが緩和ケアの対象じゃない! “疾患を限定しない”緩和ケア
  千葉恵子

◆看護現場での倫理的ジレンマに向き合うための考え方
●看護における臨床倫理の必要性
  習田明裕

◆看護師の語りから見いだす 看取りのエッセンス
●療養場所の意思決定に関する高齢終末期がん患者と家族の揺らぎを理解し支えた看取り
  吉田希美

◆研究レポート
●がん患者・家族を対象とした傾聴ボランティアの活動について~語りの分析から~
  上河若菜,佐々木直美
1,320円
第1特集

◆何気ないケアがアウトブレイクを引き起こす!
 感染性胃腸炎対策の落とし穴
  編集協力/四宮 聡(箕面市立病院 感染制御部 副部長,感染管理認定看護師)

 毎年ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎が流行し,社会問題となる.流行する季節には,数多くの感染性胃腸炎患者をケアしつつ,感染の拡大を防ぐ対策を講じることが重要な課題となるが,これらの病原微生物は感染力が強く,感染経路もそれぞれ異なるため,多くの医療機関では対応に難渋している.
 本特集では,まず感染性胃腸炎の原因微生物の種類や診断基準などの知識を解説するとともに,日常のケア場面における感染対策の落とし穴と,感染拡大を予防するポイント,アウトブレイク発生時の組織的な対応について紹介する.

第2特集

◆病院における災害時の感染対策
  編集協力/三橋睦子(久留米大学医学部看護学科 教授)

 西日本における豪雨や北海道における地震,度重なる台風など,2018年の日本では多くの自然災害が起こった.災害時には,避難所での集団生活や屋外での長時間の作業などにより,様々な感染症が流行する.医療機関においても,人員や物品の不足や検査機器の故障などにより,平常時同様の感染対策が行えなくなる場合も多いため,災害時に何が起こるかを予測し,備えておくことが必要である.
 本特集では,災害時に流行する感染症の特徴や,被災地での感染対策において看護師ができることを概説するとともに,断水で手指衛生が行えない,物品が足りない,検査ができないなど,災害時に病院内で起こり得るトラブルに対して事前にできる準備や,発生時の対応のポイントについて,災害看護と感染看護,それぞれの視点から解説する.
●目次
◆何気ないケアがアウトブレイクを引き起こす! 感染性胃腸炎対策の落とし穴

●Part1 感染性胃腸炎を理解する:病態と診断,今後の流行
     砂川富正

●Part2 病原微生物の基礎知識
     大石貴幸

●Part3 早期に感染に気づく 感染徴候のアセスメント
     橋本 渚

●Part4 場面別 感染対策の落とし穴
  ①病室の入退室
     髙谷あかね

  ②糞便・吐物の処理
     兵 明子

  ③物品の管理
     四宮 聡

  ④外来での問診
     村上 聡

  ⑤消毒薬の管理と注意点
     山路加奈

●Part5 事例で学ぶ 感染性胃腸炎対策
  ①院内でのアウトブレイク事例
     中谷佳子

  ②地域でのアウトブレイク事例
     岡森景子

第2特集

◆病院における災害時の感染対策
 
●Part1 災害と感染症:被災地における看護師の役割と実際
     三橋睦子

●Part2 災害時に院内で起こり得るトラブルと備え・対応
     岡﨑敦子

●Part3 災害時の感染対策:平常時から行う事前の準備
     三浦美穂

連 載

◆意外に知られていない高齢者の事故(最終回)
●高齢者の事故予防はケアの質の向上によって実現する
  酒井郁子

◆臨床現場の“気になる家族”を効果的に支援しよう!!(最終回)
●終末期の母を怒鳴る思春期の娘:家族ライフサイクルを理解し支援する
  児玉久仁子

◆アウトブレイク事例から学ぶ感染予防対策(最終回)
●看護師はもっと,もっと,患者接触前に手指衛生を!!
  崎浜智子

◆看護師の語りから見いだす 看取りのエッセンス
●患者の最期の希望を引き出し支えた看取り:治療期からのエンパワーメント
  永石恵美

◆認定看護分野Q&A(最終回)
●摂食・嚥下障害看護編
  永野彩乃

●認知症看護編
  梅原里実

●緩和ケア編
  筑後幸惠
1,320円
第1特集

◆退院後も見据えたケアで患者のQOLを高める
 ICU入室時から始めるPICS対策
  編集協力/卯野木 健(札幌市立大学 看護学部 教授)

 PICS(集中治療後症候群)は,重症疾患後の患者に退院後も持続する様々な障害とされているが,実際は ICU 入室時から様々な症状が出ることがわかってきており,早期のケアが患者の予後の QOL や容態に重要な影響を与えることが指摘されている.また,患者だけでなく,その家族にも様々な弊害をもたらすことが注目され,長期的かつ多角的なケアのあり方が求められている.
 そこで本特集では,ICU 入室直後から生じ得る症状や,退院後までを見据えた症状別ケアを紹介し,PICS をより深く知り,状況に応じたケアが行えるようになることをねらいとする.

第2特集

◆ICU患者への面会制限を徹底的に議論する
  編集協力/明神哲也(東京慈恵会医科大学 医学部看護学科 講師)

 面会制限緩和・自由化が活発に議論される一方,医療者不在時の容態急変や,機器の不具合などによる事故のリスク,十分なスペース確保の困難など,環境整備は容易ではなく,単純に制限緩和・自由化を推進できない現状もある.また,患者の高齢化,見舞う家族の構成やライフスタイルの多様化など,患者と家族を取り巻く状況も大きく変動している.
 そこで本特集では,Part 1でICU患者への面会制限の課題と論点を,患者と家族をめぐる今日的状況も踏まえながら整理したうえで,Part 2では面会制限を取り除くことのメリットと制限緩和への指針を,Part 3では面会制限緩和・自由化の課題と,必要な制限をしながらでも行える患者・家族へのサポートのあり方をそれぞれ論じ,面会制限を多角的にとらえることを企図する.
●目次
◆退院後も見据えたケアで患者のQOLを高める ICU入室時から始めるPICS対策

●Part1 PICSの理解に向けて
     卯野木 健

●Part2 PICSの症状別特徴
  ①ICU-AW
     細井沙耶香

  ②認知機能障害
     山田修平,佐土根 岳

  ③メンタルヘルス
     坂口達哉

  ④PICS-F
     相川 玄,櫻本秀明

●Part3 実践PICS対策
  ①離床に向けた早期リハビリテーション
     水戸 綾

  ②ICUダイアリー
     犬童隆太,春名純平

  ③睡眠
     大沢 隆

  ④面会
     河原良美

第2特集

◆ICU患者への面会制限を徹底的に議論する
 
●Part1 面会制限の現状
     明神哲也

●Part2 面会制限を取り除くことによる利点と,
     制限がなくても可能な取り組み
     齋藤大輔

●Part3 面会制限緩和・自由化の課題と,
     面会制限しながらでも行える患者・家族へのサポート
     野村志帆

連 載

◆意外に知られていない高齢者の事故
●本当は怖い“絶飲食”の話
  内橋 恵

◆臨床現場の“気になる家族”を効果的に支援しよう!!
●患者が苦しんでいるのに食べさせようとする家族
  児玉久仁子,藤井真樹

◆アウトブレイク事例から学ぶ感染予防対策
●ノロウイルスを中心とした感染性胃腸炎アウトブレイク事例
  崎浜智子

◆看護師の語りから見いだす 看取りのエッセンス
●最期まで生きることを諦めなかった30代の患者の看取り
  三品陽子

◆認定看護分野Q&A
●摂食・嚥下障害看護編
  川上亜希子

●緩和ケア編
  安達なさ子

●認知症看護編
  梅原里実
特 集

早期から始める心不全のトータルケア
長期の療養を支え,最期までQOLを維持するための看護
  編集/眞茅みゆき(北里大学看護学部 教授)

 日本では高齢化が進み,それに伴って心不全の罹患者数・死亡者数は年々増加している.増悪や寛解,入退院を繰り返しながら,様々な治療や増悪予防のセルフケアを長期間継続し,状態の変化によって生じる様々な問題を抱えて生活していく心不全患者を支援するためには,心不全の病態・経過を理解したうえで,増悪時の治療やケア,在宅療養の支援,治療抵抗性となった時期の苦痛緩和,看取りなど,その時々に必要となる支援を的確に行っていくことが求められる.
 本増刊号では,看護師が心不全の発症・重症化の予防から終末期医療までをトータルにみることができるようになることを目指し,心不全の病態や治療,心不全患者の抱える全人的苦痛のアセスメント,治療方法や療養の場に関する意思決定支援,苦痛症状のケアや家族への支援など,心不全のトータルケアに必要な知識・技術を解説する.

●目次
総 論 病院から在宅をつなぐ心不全のトータルケア
    眞茅みゆき

第1章 心不全の基礎知識
 1. 心不全の病態
    松川龍一

 2. 心不全の治療
    木田圭亮

 3. 心不全患者の全人的苦痛とアセスメント
    若林留美

第2章 心不全患者の意思決定支援
 1. 心不全患者のアドバンス・ケア・プランニング
    高田弥寿子

 2. 心不全治療に関する意思決定支援
    林 亜希子

 3. 療養の場の選択に関する意思決定支援
    中野直美

第3章 心不全症状のケア
 1. 呼吸困難
    石田洋子

 2. 疼痛
    岡田明子

 3. 倦怠感
    石田洋子

 4. 浮腫
    武田真弓

 5. 抑うつ・不安
    竹原 歩

 6. せん妄
    山内典子

第4章 心不全患者の看取り
 1. 病院における看取り
    小泉雅子

 2. 看取りを見据えた在宅療養支援
    伊東紀揮

第5章 心不全患者の家族・グリーフケア
 1. 家族ケア
    平野美樹

 2. グリーフケア
    五十嵐 葵

第6章 事例にみる心不全患者の療養支援
 1. 病識が低く自己管理が不十分な患者
    阿部隼人

 2. 最期の療養の場が決まらない患者
    仲村直子

 3. 認知機能低下のある高齢者
    蛯名由加里

 4. 精査・治療を拒否する患者
    中原さちこ    
1,320円
第1特集

◆意図せず行われている5つの抑制
 認知症患者への「抑制ゼロ」に向けて
  編集協力/習田明裕(首都大学東京健康福祉学部 教授)

 身体拘束を禁止する規定やガイドラインの整備や,それに基づく取り組みが行われて久しい.しかし,コミュニケーションがとりづらく,突発的かつ予測しづらい行動をとりがちな認知症患者に対しては,様々な抑制が今も行われているのが実情である.特に,医療者の行為が意図しないうちに抑制となり得るリスクについては,看護倫理的な側面からも議論される必要がある.
 本特集では,認知症患者のケアに潜む身体拘束,薬剤,言葉,空間的な隔離,カメラ・センサーによる抑制を「5 つの抑制」ととらえ,それぞれの特徴を整理しつつ,抑制に陥らないためのケアの在り方や倫理的課題について,事例を交えながら紹介する.

第2特集

◆あなたのリテラシーは大丈夫!?
 看護師が押さえておきたい 患者の個人情報の取り扱い
  編集協力/品川佳満(大分県立看護科学大学看護学部 健康情報科学研究室 准教授)

  医療分野で扱う情報には,患者の「氏名」や「生年月日」などの基本的な個人情報だけでなく,「病名」や「検査結果」といった身体に関する情報など,ほかの業種と比較して機微な(人には知られたくない)情報を多く含んでいる.このような情報と日々向き合っている看護師は,漏えいなどの事故を起こさないためにも,データの取り扱いには十分な注意が必要である.しかし,医療機関では,USBメモリの紛失といった事案が数多く発生している.
 そこで本特集では,Part1 で医療機関や看護師による患者の個人情報取り扱い事故の現状を概観し,その特徴と対策についてまとめ,Part2 では,具体的な事故事例を紹介し,看護師個人が患者の個人情報を取り扱う際に注意すべきポイントについて紹介する.

●目次
第1特集

◆意図せず行われている5つの抑制
 認知症患者への「抑制ゼロ」に向けて

●Part1 患者の何を抑制しているのか:5つの抑制から考える
     習田明裕

●Part2 認知症と抑制
     増谷順子

●Part3 5つの抑制:知らず知らず行わないために
  ①フィジカルロック
     仙波雅子,村山由子

  ②スピーチロック
     仙波雅子,村山由子

  ③ドラッグロック
     新倉健太郎

  ④カメラ・センサーによる抑制
     福山雄三

  ⑤空間的な抑制
     仙波雅子,村山由子

●Part4 抑制への看護師の倫理的感受性:行わないための心構え
     習田明裕

第2特集

◆あなたのリテラシーは大丈夫!?
 看護師が押さえておきたい患者の個人情報の取り扱い
 
●Part1 知っておきたい医療機関,看護師の個人情報取り扱い事故の特徴
     品川佳満,橋本勇人

●Part2 事例から考える患者の個人情報:取り扱いのポイントと注意点
     伊東朋子・他

連 載

◆意外に知られていない高齢者の事故
●本当は怖い“飲み薬”の話
  中村貴子

◆臨床現場の“気になる家族”を効果的に支援しよう!!
●家族ミーティングにおける摂食障害の子どもと母親の成長
  畠山とも子

◆アウトブレイク事例から学ぶ感染予防対策
●消毒薬のピットフォール②
 NICU緑膿菌アウトブレイク事例の教訓
  崎浜智子

◆看護師の語りから見いだす 看取りのエッセンス
●怒りを表出する患者の孤独に寄り添い支えた看取り
  松野 史

◆認定看護分野Q&A
●摂食・嚥下障害看護編
  黒澤絵理

●認知症看護編
  梅原里実

●緩和ケア編
  佐山順子

看護技術の内容

新人看護師からプリセプターまでの看護師の知りたい,学びたいに応える実践マガジン
単なるHow toにとどまらず,最新の文献やガイドラインをもとに看護の根拠と実践をお届けしています.さらには,より実践に役立つ情報をビジュアル的にも見やすく,わかりやすい本誌は臨床現場で従事する看護師必携の一冊です.

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