治療 発売日・バックナンバー

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2,750円
特集:禁煙 up to date -新型タバコなど喫煙対策の最新情報-

≪今月の視点≫

人々はなぜタバコを吸うのか

 私事で恐縮だが,医師になった後どうにもならない病が多いことを理解し,予防が最もよい治療だと考えるようになった.1988年『喫煙と健康』が発行され,喫煙対策の重要性を認識した.
 患者になぜタバコを吸うのかたずねると意外な答えが返ってきた.「なぜ始めたのだろう……」,「病気になると考えていなかった」,「後悔している」などである.本当はタバコをやめたい人は相当いるだろうと想像した.
 ニコチン依存症に対する禁煙補助剤としてニコチンガムが発売され,1994年禁煙外来を始めた.受診者は多いものと思っていたが外来は閑散としていた.まれに受診し,成功した方もしばらく時が経つと喫煙が再発していた.理由をうかがうと,酒席で勧められたなどであった.禁煙の困難さを実感するうち,喫煙防止のための授業を依頼されるようになった.学校へ行くと,喫煙経験をもつ生徒がいた.喫煙の問題には社会のありようが根底にあるのではないかと考えた.
 2002年『医師とたばこ』(参考文献 1))が発刊された.医師がタバココントロールに取り組む理由が書かれており,ストンと腑に落ちた:① 診療のかなりの部分が喫煙に起因する疾患をもつ患者のために費やされている,②医師は,喫煙によって起こされる悲劇と苦痛に日々直面しており,予防し得る疾患原因のなかで最も大きいものがタバコである,③タバココントロールに参加することは,時代が抱えている公衆衛生上の課題に取り組む絶好の機会である,④健康問題について最も信頼性の高い情報と助言を提供してくれるのは医師であると認識されており,医師は市民のお手本である.
 2016年,新たな知見を含む『喫煙の健康影響に関する報告書』(参考文献 2))が公開された.タバコ煙には多くの有害化学物質が含まれ,喫煙は健康に大きな悪影響を与えている.受動喫煙やサードハンドスモークの問題も報告される.喫煙は自らの体を害する自己への危害性,受動喫煙を介した他者への危害性があり,さらに喫煙そのものは依存症という病のためやめづらい.
 『治療』誌では2000年の特集号を皮切りに喫煙の問題に関する特集が3回組まれてきた.4回目の今回は,とくに新型タバコについての研究の最前線を詳述していただいた.さらに,臨床上遭遇する諸問題について第一線でご活躍の先生方にご執筆をいただいた.本特集が皆さまの診療のお役に立つことができれば幸いである.

参考文献
1)デビット・シンプソン(著),日本医師会(訳):医師とたばこ─ 医師・医師会はいま何をすべきか,タバココントロールリソースセンター,日本医師会,2002.
http://dl.med.or.jp/dl-med/nosmoke/dandt.pdf
2)厚生労働省喫煙の健康影響に関する検討会(編):喫煙と健康─ 喫煙の健康影響に関する検討会報告書,平成28年8月,2016.
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000135586.html

[編集幹事]たかの呼吸器科内科クリニック/一般社団法人くまもと禁煙推進フォーラム 髙野義久

≪特集の目次≫

■特別座談会
新型タバコとは何か? われわれはどう対応すべきか?(作田 学,欅田尚樹,野村英樹,髙野義久)

■新型タバコの分析
電子タバコ(欅田尚樹)
加熱式タバコ(欅田尚樹)

■総 論
喫煙と疾患(井門 明,他)
ニコチン依存症(臼井洋介)

■喫煙と社会
なぜ人はタバコを吸い始めるのか(磯村 毅)
タバコフリー教育─未来を生き抜く力をつけるために─(栗岡成人,他)
病院敷地内禁煙の問題点と進め方(川合厚子)
職場の喫煙対策(村田千里)
タバコ産業の戦略を知って,タバコ対策を進めよう!(田淵貴大)
FCTC をご存知ですか? ─FCTC の理解と応用─ (郷間 厳)

■治 療
禁煙サポート:5A アプローチ(髙野義久)
禁煙サポート:認知行動療法(安陪隆明)
禁煙サポート:動機づけ面接 ─行動変容へ向けて準備ができていない人へのアプローチ─(北田雅子)
禁煙外来の始め方(飯田真美)
禁煙治療(村松弘康)
女性と妊婦のための禁煙支援(中村 靖)
未成年者・若年者の禁煙治療(清水隆裕)
看護職とともに行う禁煙支援(谷口千枝)

■受動喫煙対策:「分煙」ではなぜダメか
受動喫煙とサードハンドスモーク(大和 浩,他)
受動喫煙と法 (岡本光樹)
受動喫煙症(倉田文秋,他)

≪連 載≫

今月のお薬ランキング(20)
ステロイド外用薬(浜田康次)

「治療」「薬局」合同連載 Dr. ヤンデルの言葉のネタ帳
~“病院ことば”の,じっくり,例えば,結局は?(8)
簡単に考えてはいかんぞう~ Note 8.「γ-GTP」を言い換える~(市原 真)

「治療」「薬局」合同企画 ポリファーマシー “処方整理力”を鍛える! Dトレ(19)
おしっこ問題の表と裏(矢吹 拓)
2,750円
特集:救急×家庭医療 -よりよい連携を目指して-

≪今月の視点≫

“救急医療の崩壊”は救急だけの問題なのか
救急医が生存寿命だけを気にする時代は終わった

 救急医療の進歩とともに,内科疾患・外傷を問わず救命率は向上している.華々しい救急の裏でわが国は高齢社会になって久しく,それに伴い救急出動件数および搬送人員ともに毎年過去最多を更新している.全国の救急車の出動回数を平均すれば,およそ約5.3秒間に1回の割合で出動しているのが現状である.現行の救急医療体制では,この現状によって歪みが生じてきている.歪みの根源は何なのか? そのヒントが本特集には散りばめられている.
 本特集は普段,診療所で勤務されているような先生が,読後に救急との円滑な連携ができるよう頻回に遭遇する事案に関して,それぞれ救急医側,家庭医側の医師から解説していただいている.
 本特集が,互いの理解を深め,患者が健康でいられる時間を増やす一助になることを祈っている.普段の読者層は内科医の先生が多いと存じているが,救命センターで働くような救急医の先生にも本特集を活用していただければ幸いである.

[編集幹事]埼玉県立小児医療センター 救急診療科  今本俊郎


 「“救急医療の崩壊”は,はたして救急だけの問題なのだろうか」.今回この企画の話をいただいたときに,以前から自分のなかに抱いていた疑問がはっきりとした形になった.
 救急というとたらい回しの問題など救急搬送の瞬間が大きくクローズアップされることが多いが,実際の現場では搬送前後に問題が隠れていることも多く,防ぎ得る救急搬送も多く存在する.また,家庭医・救急医双方の立場に立った自身の経験から,日々お互いに協力し合って地域の救急問題に取り組む必要性を感じている.
 超高齢化社会が間近に迫っている現在,救急搬送は今後も増加し続けるに違いない.本特集は救急医療を「地域」という視点から,家庭医・救急医にそれぞれの立場から語ってもらった今までにない企画となっている.今後お互いの交流がさらに進んで,地域の総合的な力で救急医療を解決する1つのヒントとなることを期待したい.

[編集幹事]埼玉医科大学総合医療センター 救急科(ER)  遠井敬大

≪特集の目次≫

■総 論
救急車の受け入れ事情(高齢者を中心に)
 救急医の視点(今野健一郎)
 家庭医の視点(宮道亮輔)
情報の共有
 救急医の視点(北井勇也)
 家庭医の視点(小坂文昭)
社会システム
 救急医の視点(安松比呂志,他)
 家庭医の視点(大杉泰弘)

■各 論
心理社会背景について
 救急医の視点(日下伸明)
 家庭医の視点(豊田喜弘,他)
患者教育
 救急医の視点(今本俊郎)
 家庭医の視点(金子 惇)
骨 折
 救急医の視点(井手亮太)
 家庭医の視点(田中久也)
感染症
 救急医の視点(薬師寺泰匡)
 家庭医の視点(藤原悠子,他)
終末期
 救急医の視点(土屋静馬,他)
 家庭医の視点(髙木 暢)
小児の虐待
 救急医の視点(谷口昌志,他)
 家庭医の視点(杉山由加里)
予防医療
 救急医の視点(佐々木隆徳)
 家庭医の視点(家 研也)
医療経済
 救急医の視点(渡瀬剛人)
 家庭医の視点(齋木啓子)

■特別座談会)
救急⇔家庭医療 ジェネラリストとしての視点の違い(遠井敬大,今本俊郎,山上 浩,齊藤裕之)

≪連 載≫

今月のお薬ランキング(19)
痔疾患治療薬(浜田康次)

「 治療」「薬局」合同連載 Dr. ヤンデルの言葉のネタ帳
~“病院ことば”の,じっくり,例えば,結局は~(7)
ぼかしても見えちゃう ~ Note7.「子宮筋腫」を言い換える~(市原 真)
2,750円
特集:お父さんを診よう

≪今月の視点≫

家庭医の診察は疾患ではない部分が大きい

 家庭医として診療していると,年齢・性別にかかわらず,さまざまな訴えを聞く.「はじめまして」の方もおられるが,ほとんどは何度もお会いしたことがある患者さんである.そして,家族や友人,近所付き合いなどもみえてくる.一家庭医には神の「手」も「目」もないが,地域のなかで人を見続けるまなざしが必要であると教わった.
 とりわけ筆者と同じ世代の「お父さん」は大変気になる存在である.医師になって26年目である筆者は,もとは消化器内科医であった.3年前に思い立ち,全科含めて幅広く診ることを目標に家庭医研修の門を叩いた.しかし,研修が進むにつれてどうやら家庭医の診療は疾患ではない部分がかなり大きいと実感するようになった.まさにカルチャーショックであった.
 そこで今回の特集『お父さんを診よう』では,男性医療という視点のみではなく,家庭医として日常的に行っている生物心理社会モデル(BPSモデル)の切り口で「お父さん」を捉えてみた.たとえば「生物」では男性更年期,SAS,泌尿器科領域,感染症,「心理」では,アルコール,ギャンブル,うつ病,「社会」では「お父さんになる」,単身生活,ひとり親家庭,性的マイノリティなどである.しかしながらあくまでも切り口であって,いずれも領域を横断するという前提で読み進めていただければと思う.それぞれが,家庭医として「お父さん」を診るときの手助けになってくれるはずである.
 2014年2月号の特集『お母さんを診よう』は単行本化され,今でも大好評であるが,『お父さんを診よう』もそれと並ぶくらいの評価が得られればと願っている.

[編集幹事]医療福祉生協連家庭医療学開発センター(CFMD)/尼崎医療生協 本田診療所 遠藤 浩

≪特集の目次≫

■総 論
男もつらいよ ─家庭医の視点から「お父さん」を考える─ (森 敬良)

■Bio (生物)
男性更年期,LOH 症候群のお父さん(山前浩一郎)
SAS,いびきのお父さん(御前秀和)
お父さんの性の諸問題を考える(今井 伸)
お父さんのおしっこ問題 ─下部尿路症状─(今井 伸)
お父さん(とみんな)の平和を脅かす感染症(東條文明)

■Psyco (心理)
アルコール問題を抱えるお父さん(吉本 尚)
ギャンブル障害のお父さん(佐藤 拓)
うつ病のお父さん,お父さんの自殺(三村宏明)

■Social (社会)
お父さんになる(稲岡雄太)
単身生活の男性を支援する(髙松典子)
ひとり親家庭,父子家庭について(竹中あすか)
性的マイノリティのエイジング(岸本貴士)
がんになったお父さん ─自分や家族への影響とコミュニケーション─(山田 祐)

■コラム
お父さんを「観よう」 ─お父さんを診よう 番外編─(岡田唯男)

≪連 載≫

今月のお薬ランキング(18)
経口鉄剤(浜田康次)

「治療」「薬局」合同企画 ポリファーマシー“ 処方整理力”を鍛える! Dトレ(18)
終わりなき加齢との戦い……(矢吹 拓)

「 治療」「薬局」合同連載 Dr. ヤンデルの言葉のネタ帳
~“病院ことば”の,じっくり,例えば,結局は~(6)
サイコロで旅路を語るということ ~ Note 6.「予後」を言い換える~(市原 真)
2,750円
特集:皮膚のコモンディジーズとそのピットフォール

≪今月の視点≫

よくある病気に似ている疾患こそがピットフォールになる

 あらゆる診療科の医師がみたり触れたりせずには診療できないものが患者の皮膚である.皮膚に何か異常が起こるとまず発見するのは患者,あるいは患者の身近な人であり,総合診療を行っている医師が患者から「ところでこれは何ですか?」と皮膚病の相談を受けることは非常に多いと思われる.また診療領域の守備範囲の広い先生ほど,このような相談の機会が多いことと推察する.幸い皮膚疾患は命にかかわる重篤なものは少なく,治療法もステロイド外用薬,抗菌外用薬など多くはない.しかし,一方で皮膚疾患は非常に多彩で数多くの疾患がある.学生向けの教本でも400疾患ほどの病名が記載されている.「これはメラノーマかもしれないから念のため皮膚科を受診しなさい」ということはたやすいことだろう.しかし,「これはホクロだからしばらく様子をみてよいですよ」というのには,ちょっと勇気がいるのではないだろうか.
 われわれ皮膚科専門医のところに来院される患者のなかには,近医でとりあえず薬をもらったが治らないという人がしばしばおられる.これは治療が下手とかいう問題ではなく,診断が違っていることがほとんどである.目でみえる病変だけに患者自身が治療の失敗をよく理解している.みたこともないような皮膚病であれば専門医に送るだろうが,よくある病気に似ているが全く違う疾患こそがピットフォールになるのである.
 本特集では,「皮膚のコモンディジーズとそのピットフォール」と題して,ホクロ,ニキビ,湿疹,水虫,薬疹の5つをテーマに総説と鑑別疾患を専門家に解説いただいた.また,総合診療医の診療現場から出た疑問をQ&Aのかたちで取りあげている.本特集が,明日からの診療に役立つことを祈念してやまない.

[編集幹事]東邦大学医学部皮膚科学第一講座 石河 晃

≪特集の目次≫

■ホクロ
―総 説
総説:ホクロとメラノーマ (名嘉眞武国,他)
─メラノーマ以外のホクロの鑑別疾患
基底細胞がん(古賀弘志)
脂漏性角化症(外川八英)
角層下血腫(星野雄一郎,他)
爪甲色素線条(星野雄一郎,他)
─Q&A
Q1 赤ちゃんのホクロ(外川八英)
Q2 皮膚科受診が困難な人(古賀弘志)
Q3 ダーモスコープ(田中 勝)
■ニキビ
─総 説
総説:ニキビ(尋常性痤瘡)(佐々木 駿,他)
─鑑別疾患
酒 皶(山﨑研志)
好酸球性膿疱性毛包炎(寺木祐一)
抗がん薬による痤瘡様皮疹(渡辺秀晃)
─Q&A
Q1 抗菌外用薬の使い分け(菊地克子)
Q2 思春期のセルフケア(菊地克子)
■湿 疹
─総 説
総説:湿疹(関東裕美)
─鑑別疾患
乳房外Paget 病(中村元泰)
Bowen 病(吉田憲司)
日光角化症(志水陽介)
─Q&A
Q1 手湿疹の治し方(鷲崎久美子)
Q2 高齢者のかゆみ(とくに冬)(鷲崎久美子)
Q3 外用ステロイドの副作用(鷲崎久美子)
■水虫(白癬)
─総 説
総説:水虫(白癬)(福田知雄)
─鑑別疾患
掌蹠膿疱症(山本俊幸)
接触皮膚炎(佐藤友隆)
─Q&A
Q1 爪白癬の治療(畑 康樹)
Q2 抗真菌薬とステロイドの併用(畑 康樹)
Q3 白癬治療と蜂窩織炎(畑 康樹)
Q4 白癬の診断(畑 康樹)
■薬 疹
─総 説
総説:薬疹(福田英嗣)
─鑑別疾患
薬剤性Stevens-Johnson 症候群(SJS)初期と水痘(伊藤 崇)
薬剤性SJS とマイコプラズマ感染によるSJS(渡邉裕子)
薬剤性SJS と粘膜類天疱瘡および天疱瘡(石井 健)
─Q&A
Q1 発症時期によって否定できる薬剤(渡辺秀晃)
Q2 具体的な漸減法(渡辺秀晃)
Q3 ガイドラインや,被疑薬の本,インターネット情報(渡辺秀晃)
Q4 被疑薬を止められない薬疹(渡辺秀晃)

≪連 載≫

今月のお薬ランキング(17)
消化性潰瘍治療薬─防御因子増強薬(浜田康次)

「 治療」「薬局」合同連載 Dr. ヤンデルの言葉のネタ帳
~“病院ことば”の,じっくり,例えば,結局は?(5)
必要悪とか言うから黒幕みたいにイメージされちゃうんだ ~Note5.「副作用」を言い換える~(市原 真)

ゼロからわかる遠隔医療(14)
遠隔医療のなかでは何が行われているのか?(竹村昌敏)〈監修〉exMedio

「治療」「薬局」合同企画 ポリファーマシー“ 処方整理力”を鍛える! Dトレ(17)
効き時と止め時(矢吹 拓)
2,750円
特集:複雑困難事例集

≪今月の視点≫

「そんなこと私の仕事ではない」 思わず口にしかけて飲み込んだ

 「そんなことは私の仕事ではない」後期研修医時代,込み入った社会的背景をもつ患者を前に,思わず口にしかけて飲み込んだ言葉だ.当時の力量では絡み合った問題を紐解くことができず,逃げ出したいような気持ちだった.先輩スタッフに助けられながら壁にぶつかっては何とか解決し,ときには解決できないまま無力感にとらわれるといったことを繰り返すうちに,「そんなことは私の仕事ではない」とのつぶやきは,いつの間にか「これは私1人では解決できない,さて誰に相談しよう」に変わっていた.
 複雑な問題を複数抱える患者を診ていくことは,プライマリ・ケア医の大きな役割の1つである.複雑困難症例に向き合うとき,すっきりと解決させてくれるような一元的なツールはなく,理論や手法を学ぶと同時に,そのたびごとに頭と身体を使って取り組む必要がある.マニュアル化できないからこそ,個別性を大切にするマインドをもち,各職種の視点を互いに尊重しながら地域のネットワークを活かして協力し合う地道な努力が必要となる.
 それでも自身の体験から現場で格闘する諸先輩方から学べることは大いにあると確信しており,今回の特集を企画した.前半は総論に加え,各地の最前線で診療されている先生方に各テーマを軸として事例にこだわって執筆いただいた.また後半は多職種連携に焦点を当て,あえて連携における困難さについて執筆いただき,さらに地域で粘り強く活躍されている方々の連携会議という取り組みを座談会形式で紹介している.
 1人でも多くの方,とくにかつての筆者のような若手医師には是非一読いただきたい.諸先生方の汗をかきながら現場に取り組まれる力強い姿から,きっと明日の診療に役立つ知恵と力とが得られるはずである.

[編集幹事]川崎協同病院総合診療科 吉田絵理子

≪特集の目次≫

■総 論
複雑困難な問題を愉しむ ─複雑困難な問題にどう立ち向かえばよいのか?(髙木 博)

■事例集
貧困:ワーキングプア(貧困労働者)が治療を中断する背景(栄原智文)
小児:イラッとするとき,患者は何か困難を抱えている(和田 浩)
LGBT:LGBT診療は究極の「思い至る」診療(星野啓一)
野宿生活者:価値観の個別性に対する配慮(和田浄史)
精神疾患:地域で支えるための一工夫(大矢 亮)
認知症:認知症困難事例(久野遥加,他)
災害時要援護者(災害弱者):災害の急性期で実践した心理社会的アプローチの経験(髙栁宏史)
物質依存(アルコール依存症):増加中の「認知症+アルコール依存症」! 「ハームリダクション」と「連携」で乗り切る!(鈴木 伸)
へき地,医療へのアクセス困難:徘徊や摂食障害がみられたが,ついに衰弱しきるまで入院に至らなかった高齢女性の一例(松澤廣希)
複雑な家族関係:家族により在宅療養の退路を断たれたアルコール依存症のケース(朝倉健太郎)
疾患が重篤:事件性が疑われた,とある急性アルコール中毒によるCPA患者症例から─医師としての適切な捜査協力のあり方とは─(鈴木 諭,他)
疾患が複雑:複雑な原因は何か? 優先順位を考慮せよ(廣瀬由美)
都市部の終末期医療:身寄りのない高齢者の終末期の治療方針を考えるときに (山本一視)
多職種連携(医師の立場から):ケアマネジャーとの連携がうまくいかず,病院スタッフに陰性感情が残った一例(山本由布,他)
多職種連携(MSW の立場から):医療従事者と患者のすれ違い(手呂内裕美)

■特別座談会
地域における院所を超えた多職種カンファレンスの試み ─地域のなかで連携し協力し合うことでできること,これからの課題─ (吉田絵理子,高橋靖明,中澤 伸,仁科淳子,島田珠美)

≪連 載≫

今月のお薬ランキング(16)
片頭痛治療薬(浜田康次)

楽しく臨床(15)
介護力の病態 「介護不全」と「限界家族」(宮森 正)

ゼロからわかる遠隔医療(13)
メディカルスタッフによる遠隔医療(竹村昌敏)〈監修〉exMedio

「治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー“ 処方整理力”を鍛える! Dトレ(16)
それは原因? それとも結果?(矢吹 拓)

「治療」「薬局」合同連載 Dr. ヤンデルの言葉のネタ帳
―“病院ことば”の,じっくり,例えば,結局は―(4)
女子力も免疫力もハラスメントだろうか ―Note4.「免疫」を言い換える―(市原 真)
2,750円
特集:多角的に考える アドバンス・ケア・プランニング

≪今月の視点≫

ACPに潜む天使と悪魔

 昨今,患者の意思決定支援などの観点からアドバンス・ケア・プランニング(advance care planning:ACP)の取り組みが注目されている.しかし医療にかかわらない一般国民の何人がこの言葉を知っているのだろうか?
 われわれは対象となる患者やご家族を含め,国民にほぼ認知されていない,さらに自分以外の職種がどのように捉えているかもよくわからない,得体の知れないものをやろうとしているともいえるのではないか,こう考えたことが本特集を組むきっかけだった.
 本特集では,患者の声だけでなく,疾病(とくにがん)のフェーズごとに考えるACP,非がんのACP,多職種から考えるACPを中心に,今一度ACPを多角的な視点から捉え,深
められるようバラエティーに富んだ方々にご執筆をお願いした.
 実際にご病気を治療されている榎本さんの文章からは,ACPを行おうとしているわれわれは,天使にも悪魔にもなり得る,ということを実感する.「無知を知る」ではないが,われわれはACPを進めることに躍起になるだけではなく,ともにもう少し考え,費やすべきことがあるのかもしれない.皆さまの感性を研ぎ澄ませながら,その一文一文を深くお読みいただければ幸いである.
 がんのフェーズごとに考えるACPでは,一般外来,一般病棟,緩和ケア外来,在宅医療,そして緩和ケア病棟のそれぞれのタイミングから始めるACPについて,実際にその現場に従事されている医師の方々に執筆をお願いした.医師のなかでも悩みが深い,臨床現場に即したACPの考え方を感じていただけるものと考える.
 また非がんのACPでは昨今,触れられるようになった心不全,認知症,神経難病についてまとめるだけではなく,膠原病,妊婦さんのACPに踏み込むものとした.おそらくわが国初のチャレンジングな特集になっており,ぜひ新たな切り口が切り拓く世界を,興味深くご堪能いただければ幸いである.なお世界的にも先行文献がほぼ存在しないなかでご執筆いただいた三好先生・山下先生に,この場をお借りして深謝させていただきたい.
 多職種から考えるACPと特別寄稿では,ソーシャルワーカー,在宅看護師,家族支援看護師,薬剤師,チャプレン,ボランティアリーダーの方々に執筆をお願いした.一般的
な医療従事者だけではなく,宗教家やボランティアがACPでは大きな役割を果たすこともあり,多職種の概念と視野を広げ,深める特集を組めたものと自負している.
 日本は未曾有の超高齢社会を迎え,ACPは総合診療・緩和ケアに携わる職種はもちろんのこと,すべての医療従事者,学生,地域コミュニティーを支える方などに適切な理解が求められるようになっていくものと考えられる.けっして一筋縄ではいかず,丁寧さを欠くと,ときに諸刃の剣とさえなり得るACPについて多角的に理解を深められる特集として,ぜひ本書をお手に取っていただければ幸いである.

[編集幹事]賛育会病院 内科・緩和ケア内科/順天堂大学緩和医療学研究室/ 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医療管理政策学 宇井睦人

≪特集の目次≫

■患者さんが考えるACP
私の考えるACP(榎本悦子)

■がんのフェーズごとのACP
一般的な外来受診時から始める場合のACP(瀬野尾智哉)
一般病棟に入院中から始める場合のACP(山口健也)
腫瘍内科・緩和ケア外来から始める場合のACP(西 智弘)
在宅医療から始める場合のACP(堀越 健)
緩和ケア病棟に転院してから始める場合のACP(相木佐代)

■非がんのACP
がんとどこが違う? 心不全のACP(大森崇史)
認知症のACP(舟槻晋吾)
神経難病のACP(林 健太郎)
膠原病のACP(三好雄二)
妊婦のACP(山下有加)

■多職種から考えるACP
医療ソーシャルワーカーの視点 ─多様な ACP への取り組みと課題─(冨永千晶)
在宅看護師(岩本ゆり)
家族支援専門看護師(石渡未来)
薬剤師(工藤浩史)
チャプレン(瀬良信勝)
患者サロン「ほっとサロンいだ」からみたACP(荒木亜紀子)

■特別寄稿
住民と育む意思決定支援(横山太郎)

≪連載≫

今月のお薬ランキング(15)
骨粗鬆症治療薬(浜田康次)

楽しく臨床(14)
難しい家族(宮森 正)

「治療」「薬局」合同連載 Dr. ヤンデルの言葉のネタ帳
―“病院ことば”の,じっくり,例えば,結局は―(3)
塩を送りながら生きるということ  ―Note 3.「進行がん」を言い換える―(市原 真)

「治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー“ 処方整理力”を鍛える! Dトレ(15)
おまえはなぜ使われているのだ……??(矢吹 拓)

ゼロからわかる遠隔医療(12)
遠隔診療が日本に根づくために(竹村昌敏)〈監修〉exMedio
2,750円
特集:内科疾患のリハビリテーション

≪今月の視点≫

安静が治療の時代は終わった
─寝たきりをつくらない内科医のためのリハビリテーション─

 致死性疾患からの救命率向上と超高齢社会の到来によって,さまざまな慢性疾患や障害を抱えた人が増加している.頭のてっぺんから足の先までトータルに患者を
診ることの重要性は医学生時代から説かれてきた.しかし,高齢者・障害者が多くなった現場でトータルに患者を診るということは,患者の生活機能・運動機能の把
握やその改善も期待されるわけであり,総合診療にはリハビリがセットで盛り込まれねばならない時代になった.
 しかし,医学生時代や研修医時代にきちんとリハビリを学んだ医師は少なく,臨床現場では患者の生活機能・運動機能に関心がなかったり,把握をしていたとして
も改善すべきリハビリ技術をもたないために,多くの患者・家族が困っている状況にある.
 本特集は,リハビリを全くご存じない方でも,読後ただちに無理のない安全なリハビリを患者に提供できるように,専門医に解説してもらうことをコンセプトとし
た.循環器疾患,呼吸器疾患,糖尿病・代謝疾患,重度肥満症,腎臓疾患,肝臓疾患,がん,高齢者に対するリハビリを取り上げ,さらに,治療が安静・運動制限
から運動療法へとコペルニクス的転回をした心不全,慢性腎臓病,重複障害を取り上げている.執筆者は,内科医としての十分な経験をもちながら,きちんとリハビ
リをも行っている専門家ばかりである.
 本特集が,現場で活躍する内科医の診療で,寝たきりの患者をつくらないことに役立てば幸いである.また特集内で紹介した,内科医に必要な基本的リハビリの知
識と技術を身につければ,患者の生活機能や運動機能を改善できる「さらなる名医」になれることだろう.そして,リハビリに興味をもたれたら,ぜひ日本リハビリテー
ション医学会をはじめとするリハビリ関連学会へも入会し,さらに知識と技術を身につけていただくことをお願いしたい.

[編集幹事]東北大学医学系研究科内部障害学/東北大学病院リハビリテーション部 上月正博

≪特集の目次≫

■総 論
内科疾患で今なぜ内部障害リハビリテーションが必要か?(上月正博)

■循環器
心筋梗塞のリハビリテーション(大宮一人)
心不全のリハビリテーション(牧田 茂)
末梢動脈疾患のリハビリテーション(杉村浩之,他)

■呼吸器
COPD のリハビリテーション(黒澤 一)
間質性肺炎のリハビリテーション(海老原 覚,他)
誤嚥性肺炎のリハビリテーション(海老原 覚,他)

■生活習慣病
糖尿病のリハビリテーション(細井雅之,他)
脂質異常症のリハビリテーション(木庭新治)
高度肥満症のリハビリテーション(鈴木文歌,他)
高血圧のリハビリテーション(有田幹雄)
慢性腎臓病のリハビリテーション(笹瀬謙太郎,他)
NAFLD/NASH のリハビリテーション(水田敏彦)

■応用編
がんのリハビリテーション(岡 阿沙子,他)
高齢者内科疾患のリハビリテーション(金丸晶子,他)
重複障害のリハビリテーション(上月正博)

≪連載≫

今月のお薬ランキング(14)
抗うつ薬(浜田康次)

「治療」「薬局」合同連載 Dr. ヤンデルの言葉のネタ帳
―“病院ことば”の,じっくり,例えば,結局は―(2)
こう言い換えたら,快感かい ―Note 2.「寛解」を言い換える―(市原 真)

「治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー“ 処方整理力”を鍛える! Dトレ(14)
一生モノのお薬ですか?(矢吹 拓)

楽しく臨床(13)
嚥下障害の老衰患者をどこで診るか(宮森 正)

ゼロからわかる遠隔医療(11)
遠隔診療をめぐる現状(竹村昌敏)〈監修〉exMedio
2,750円
特集:耳鼻咽喉科for総合診療

≪今月の視点≫

専門医とのgapを埋めて,お互いがWin-Winの関係になれるように

 ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが,筆者はもともと耳鼻咽喉科を専攻しておりました.その後,ある本との出会いによって,総合診療を志すようになり,各施設で研修を行い現在に至ります.耳鼻咽喉科医としても,総合診療医としても,中途半端な筆者ですが,唯一の強みとしては,両方の立場を経験した者として,それぞれの思い(悩み)に共感できることではないかと思います.もともと耳鼻咽喉科医の筆者ですが,今の施設で耳鼻咽喉科疾患に遭遇した際に,ここにある道具でどこまで対応できるかな……というのは悩ましい問題です.「あの道具があれば対応できるのになぁ」と思いながら,耳鼻咽喉科の先生に紹介することもしばしばあります(単に腕が落ちただけということもありますが……(苦笑)).また,これは最初から専門医に紹介してほしいなぁという緊急疾患や,一般医の先生ががんばりすぎることによって,その後の耳鼻咽喉科の処置が難しくなる場合もあります.
 本特集では,非耳鼻咽喉科医の先生と耳鼻咽喉科医の間のgapを埋め,お互いがWin-Winの関係になれるような内容を目標としました.今回取り上げた項目は,非耳鼻咽喉科医向けの耳鼻咽喉科セミナーの開催経験から感じた,「本当に一般医が知りたいこと,疑問に思っていること」について取り上げました.後半のQ&Aの部分も,実際に質問があった項目について取り上げております.執筆者の先生方も,臨床の現場の第一線で勤務されており,一般医の先生方への教育に理解のある先生方にお願い致しました.皆さんが日常診療で耳鼻咽喉科疾患に遭遇した際に,頼りにされる特集となりましたら幸いです.

[編集幹事]井上病院 総合内科 高橋優二

≪特集の目次≫

■総 論
─耳 編
耳鏡の使い方(梅木 寛)
鼓膜所見の書き方(梅木 寛)
耳垢の取り方(梅木 寛)
外耳道異物(高橋優二)
耳鳴り(宮崎浩充)
中耳炎あれこれ(永田理希)
難 聴(宮崎浩充)
緊急性が高い難聴(宮崎浩充)

─鼻 編
鼻鏡の使い方(梅木 寛)
鼻所見の書き方(梅木 寛)
アレルギー性鼻炎(梅木 寛)
鼻出血(梅木 寛)
鼻腔異物(高橋優二)
急性鼻副鼻腔炎(永田理希)

─咽喉頭・頭頸部編
喉頭ファイバーの使い方(西 秀昭)
喉頭ファイバーの所見の書き方(西 秀昭)
咽頭の診かた(永田理希)
緊急性の高い咽喉頭疾患(永田理希)
咽頭異物(西 秀昭)
嚥下障害(梅木 寛)
気道緊急の対処法(西 秀昭)

─めまい編
眼振の診かた(宮崎浩充)
めまいの鑑別 (宮崎浩充)
BPPVとEpley 法(宮崎浩充)
めまいリハビリ(宮崎浩充)

■Q&A
─耳 編
鼓膜損傷の状況別対応を教えてください ─飛行機のなか,花火大会の爆音・圧力,ケンカによる外傷─ (宮崎浩充)
補聴器の導入・使い方などを教えてください(宮崎浩充)

─鼻 編
副鼻腔炎のドレナージが必要な症例を教えてください(永田理希)

─咽喉頭・頭頸部編
気管チューブの正しい交換方法を教えてください(西 秀昭)
嗄声の患者にはどのような点に注意して診察すればいいですか?(西 秀昭)
のどがつまった感じがするという症状で来院した患者への対応を教えてください(西 秀昭)
頭頸部の悪性腫瘍の早期発見のTipsがあれば教えてください(西 秀昭)

─めまい編
Frenzel眼鏡がない時はどのようにすれば眼振が診やすくなりますか?(宮崎浩充)

■コラム
非専門医が耳鼻科疾患に対応する際に診察室に揃えておきたい道具(高橋優二)

≪連載≫

今月のお薬ランキング(13)
抗てんかん薬(浜田康次)

「 治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー“ 処方整理力”を鍛える! Dトレ(13)
β遮断薬を考える!(矢吹 拓)

ゼロからわかる遠隔医療(10)
オンライン診療の発展を考える(竹村昌敏)〈監修〉exMedio

楽しく臨床(12)
診療の実力が問われる在宅ケア(宮森 正)

「治療」「薬局」合同連載 Dr. ヤンデルの言葉のネタ帳
―“病院ことば”の,じっくり,例えば,結局は―(1)
このままではいかんかい ―Note1.「寛解」を言い換える―(市原 真)
2,750円
特集:マイナーディジーズ

≪今月の視点≫

マイナー領域の疾患の対応を知ることで,普段の外来・病棟診療をより楽しくする

 誰が分類をしたのかわからないが,医療にはメジャー科とマイナー科があり,マイナー科には眼科,耳鼻科,皮膚科,整形外科,泌尿器科などが含まれる.しかし,「マイナー」という名前とは裏腹に,外来や病棟で診療している総合診療医にとっては,非常によく遭遇する「コモン」な病気であると感じている方も多いと思う.
 専門医と連携をとりながら診療している場合が多いであろうが,在宅や離島,中小病院での入院患者の診療,夜間の当直など,専門医へのアクセスの閾値が高い場合もあり,ある程度自分たちで対応しなければならないこともあるだろう.また,専門医のアクセスが良好な場合でも,「本当にこんな些細なことで専門医に相談してよいのだろうか?」と迷うこともあるのではないだろうか.
 そんな外来や病棟で経験するマイナー科の病態に対して,病態生理,初期評価や初期治療,専門医に紹介するタイミングなどを専門医に解説してもらうというのが本特集のコンセプトである.
 分野に関しては,皮膚科,整形外科,泌尿器科,眼科,耳鼻科といったマイナー
科の領域に加え,外来・病棟でもよく遭遇する更年期や妊娠中・授乳中といった問題も考慮して婦人科を,そして消化器疾患ではあるがよく遭遇する問題として痔核を取り上げ,その他の項目として加えた.
 執筆していただいた先生は,プライマリ・ケア医とよく連携している方ばかりであり,現場のニーズに沿った内容でご執筆いただいた.マイナー科の診療を知ることで,患者に対する説明もスムーズになり,患者からも信頼され,より楽しく診療ができるのではないだろうか.
 本特集が,現場で活躍する総合診療医のマイナー領域の診療に,少しでも役立つことができれば幸いである.

[編集幹事]飯塚病院総合診療科 江本 賢

≪特集の目次≫

■皮膚科
皮疹のないかゆみ(幸田 太)
白 癬(深町晶子)
ホクロ,シミ,治りにくい傷(吉木竜太郎)

■整形外科
肩 痛(池尻好聰)
変形性膝関節症(手島隆志)
骨折のプライマリ・ケア(山本裕也)

■泌尿器科
頻尿+夜間頻尿(加藤久美子)
尿 閉(松木孝和)
PSA高値(常 義政)

■眼 科
眼が赤い(三重野洋喜)
眼がかゆい(井村泰輔)
眼が痛い(徳毛花菜)

■耳鼻科
耳 鳴(木原千春,他)
難 聴(池田怜吉)
顔面神経麻痺(鈴木 淳)

■婦人科
プライマリ・ケア医のための「更年期障害」総論(水谷佳敬)
プライマリ・ケア医のための「更年期障害」治療編(水谷佳敬)
妊娠中・授乳中の投薬(久保田 希)

■スキルアップ
痔核─しりたいおしり─(徳丸佳世)

≪連載≫

今月のお薬ランキング(12)
抗アレルギー薬(浜田康次)

楽しく臨床(11)
生きていてよかったと思える終末期ケアを(宮森 正)

ゼロからわかる遠隔医療(9)
アメリカにおけるD to Pの現状は?(竹村昌敏)〈監修〉exMedio

「 治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー“ 処方整理力”を鍛える! Dトレ(12)
スタチンを始めるか否か?!(矢吹 拓)
2,750円
特集:健康格差対策

≪今月の視点≫

弱者への対応だけが「健康格差対策」ではない

 50代の男性,A氏は,自宅近くで倒れて救急車でやってきた.重い心臓弁膜症であった.過去のいざこざで家族と離縁し県営住宅で一人暮らし.栄養状態の改善後,手術実施.リハビリをして退院した.案の定,通院中断.心配していた矢先,地元新聞の「お悔やみ欄」で彼の名前を発見した.
 A氏のような極端な事例でなくとも,慢性的な社会ストレスを抱えた人は,なかなか健康行動をとれず,通院の中断も多い.口酸っぱく健康指導をしても一向に聞き入れてくれないことも多い.多忙な外来で対応していくのは,正直,骨が折れる.
 とはいえ,これでよいのか.自堕落な生活を送る人は自己責任であるから「しかたなし」として放置してよいのか.
 「健康格差」という言葉がずいぶん浸透してきた.臨床家の関心もかなり高まってきた.2015年には,世界保健機関(WHO)によるInternational Network of Health Promoting Hospitals&Health Services(HPH)の日本支部が設立され,健康格差対策に向けた実践と研究を続けている.翌2016年にはプライマリ・ケア連合学会が「健康の社会的決定要因検討委員会」を立ち上げ,大変なスタートダッシュで活動を始めている(www.facebook.com/sdhxpc/).
 本特集では,上記の委員会メンバーを中心に執筆者を集め,臨床現場において健康格差対策を進める際の考え方や国内外の動向,そして実践例を紹介する.社会的弱者を取り巻く現状や関連する制度を知っていただきたい.
 弱者への対応だけが「健康格差対策」ではない.医療も社会保障も,基本的にはすべての人を包摂するものである.地域包括ケアしかり,医療機関も「まちづくり」に参画していく時代だ.健康格差というレンズを通して地域社会をのぞけば「健康なまちづくり」の進むべき道がみえてくるだろう.

[編集幹事] 東京大学大学院医学系研究科 近藤尚己

≪特集の目次≫

■健康格差とその対策
健康格差とその対策の現状(坪谷 透,他)
健康格差対策と予防政策 ─海外から学ぶこと─(長嶺由衣子,他)
健康格差対策の進め方 ─医療機関でどう行動すべきか─(長谷田真帆,他)

■医療現場での健康格差対策
医療機関における社会的弱者対策の現状と課題(亀田義人,他)
地域保健×医療で進める健康格差対策 ─CBPR の活用─(横林賢一)
地域保健×医療で進める健康格差対策(坪谷 透,他)
在宅医療と健康格差(小松裕和)
健康格差時代に求められるプライマリ・ケア医の育成(武田裕子,他)
無料低額診療・生活保護(高岡直子,他)

■マイノリティ
子どもの貧困と健康(藤原武男)
LGBTと健康格差(孫 大輔)
ホームレス(森 亮太,他)
外国人と一緒に健康格差を埋めよう(沢田貴志)
障がい者(西村真紀,他)
災害と健康格差(長 純一)

≪連載≫

今月のお薬ランキング(10)
睡眠薬(浜田康次)

「 治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー“ 処方整理力”を鍛える! Dトレ(10)
痒みをなんとかしてください!(矢吹 拓)

ゼロからわかる遠隔医療(7)
オンライン診療サービスの進化(竹村昌敏)〈監修〉exMedio

楽しく臨床(9)
家族との信念対立をどうするか(宮森 正)
2,750円
特集:ポリファーマシー -できること,難しいこと,多職種からの視点-

≪今月の視点≫

実際のポリファーマシーの対処はうまくいかないことが多い

 ポリファーマシーという言葉が医療関係者の間に広く浸透してきた.多くの解説書が出版され,ポリファーマシー対策への啓発が活発に行われるようになり,関心はずいぶん高まってきている.これから徐々にポリファーマシー問題は解決に向かっていくのだろう,と思いきや,実際の診察室での状況を振り返ってみると一抹の不安を覚えざるを得ない.
 多くの場合,これまでの啓発活動や解説書は,危険な薬,薬の相互作用,減薬する際の一般的な手順など,医学的に正しく,誰が考えても妥当な内容に終始しているように思われる.しかし,実際にポリファーマシーのケースに対処してみると,いわゆる教科書的なアプローチではうまくいかないことが多いことを,現場の医療専門職者はたびたび経験している.“処方は,処方医,患者,環境の機能である”といわれ,それぞれの要素が複雑に絡み合っている.これらを含めたさまざまな状況,文脈を考慮して対処しなければ,ポリファーマシー対策はうまくいかないのである.
 とくに患者の置かれている状況や価値観を抜きにして,その対応を講じるのは有用ではない.イギリスのNHS(National Health Service)ではポリファーマシー対策に関する活発な活動を展開しており,“患者中心のポリファーマシー対策の7つのステップ”という1つの有用な方法を次のように提案している.① 患者ニーズを評価する,②患者の置かれている状況と全体的なゴールを明確化する,③リスクのある薬を同定する,④ 個々の患者のコンテクストのなかでリスクと利益を評価する,⑤薬の中止,開始について患者や介護者と合意形成する,⑥合意事項をほかの医療者に伝え共有する,⑦介入後の状態を定期的にモニターする.
 この方法のなかでとくに重要なのは,患者とその介護者と医療専門職者が十分に話し合って,皆で合意形成することである.しかし,実際にはこれはなかなか難しく,価値観をベースにしたコミュニケーションのあり方を身につける必要がある.
 本特集では,さまざまな医療現場,さまざまな立場の医療専門職が経験してきた,教科書的ではない,現実のポリファーマシーの課題とその対応の実際を紹介してもらった.患者中心にポリファーマシー対策に取り組む最前線の多職種の医療専門職は,どのような困難に遭遇し,それにどのように対応してきたのか,さまざまな貴重な経験からは多くの実用的なヒントが得られるであろう.

[編集幹事] 愛知医科大学医学部 地域医療教育学寄附講座/医学教育センター 宮田靖志

≪特集の目次≫

■医師の視点
総合病院にて ─総合内科での実態とアプローチ─(小林裕幸)
都市部診療所にて ─弱い立場の強みを活かせるか─(五十嵐 博,他)
地域中核病院にて ─医師と患者の生き方とポリファーマシー問題への取り組み─(古屋 聡)
地域診療所にて ─患者家族との距離,多職種との距離が近いからこそ「できること」,「難しいこと」─(中川貴史)
在宅医療にて ─信頼関係が鍵─(太田 敦,他)
病院総合診療医として ─視座を変えて「処方の物語」を想像する─(山本 祐)
家庭医として ─患者中心の医療の方法を使ってポリファーマシーに取り組む─(西村真紀,他)
精神科医として─おどしではなく,「やさしくていねいで,かつしつこく」のポリファーマシー対策─(今村弥生)
後期研修医の視点から ─一方的に減薬していませんか?─(小澤 労)
薬のエビデンス ─患者にどう伝える?─(南郷栄秀)

■薬剤師の視点
入院前持参薬鑑別を薬剤師によるポリファーマシーへのかかわりの糸口に(別府紀子,他)
病院薬剤師からみたポリファーマシー対策の難しさ ─高齢患者に合わせた処方の適正化を目指して─(平井みどり)
診療所薬剤師として ─継続的に臨床判断に関与─(八田重雄)
訪問診療同行薬剤師として ─病診連携,薬薬連携の重要性─(大須賀悠子)
患者・医師にエビデンスを伝える(青島周一)

■看護師の視点
訪問看護師として ─薬剤管理は薬剤のみの管理にとどまらない─(藤田 愛)
訪問看護師として ─医療従事者との顔の見える関係の必要性─(髙橋直美)
急性・重症患者看護専門看護師として ─患者を取り巻くストーリーのなかで考える─(井上 潤)

■介護関連職の視点
介護支援専門員の立場より ─お薬大好き,あるだけで安心─(永野裕子)
居宅介護事業者の立場より ─服薬支援のバトンをつなげるために介護ができること─(上村久美子)
訪問介護員の立場より ─ホームヘルパーからみた日常生活における薬─(森 二三子)

≪連載≫

今月のお薬ランキング(9)
解熱鎮痛薬(浜田康次)

在宅医療をはじめよう! 在宅医療の質=理念×システム×制度の知識(24)
【制度の知識編】終末期のがん患者に手厚い在宅ケアを ─在宅がん医療総合診療料と看取りに関する制度─(永井康徳,他)

楽しく臨床(8)
介護のジェンダーとスピリチュアルペイン(宮森 正)

ゼロからわかる遠隔医療(6)
遠隔医療の現況(竹村昌敏)〈監修〉exMedio

「 治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー“ 処方整理力”を鍛える! Dトレ(9)
Lower is better ?!(矢吹 拓)
2,750円
特集:熊本地震 -何が起こり,何を行ったか

≪今月の視点≫

まさかの熊本地震 ─指揮と統制のなかでの医療支援─

 人生には3つの坂がある,「上り坂」,「下り坂」,そして「まさか」である.4月14日21時26分の前震(震源の深さ11km,マグニチュード6.5,益城町震度7,日奈久断層帯),16日1時25分の本震(震源の深さ12km,マグニチュード7.3,西原村と益城町で震度7,布田川断層帯)の熊本地震は,熊本にとっても,筆者にとっても「まさか」の大震災であった.今回,熊本地震で何が起こり,何をしたか,熊本地震で自ら被災しながらも医療活動・支援を行った熊本のメンバーを中心に執筆いただくことにした.
 蛇口をひねると水が出る,毎日お風呂に入れる,コンビニに行けば飲み物・食べ物を24時間買えることのありがたさを実感した.日頃から災害に備えていないと発災直後に生きていくことができない.自院の診療を行いながら被災地の医療支援を即座に行えないばかりか,医療支援の受け皿となることもできない.
 熊本地震において4月19日より開始された深部静脈血栓症(deep vein thrombosis:DVT)検診は,当院の医師・技師・看護師を中心とした熊本のメンバーが受け皿となって,日本循環器学会が支援の窓口になり,同学会や日本臨床衛生検査技師会などからの多くのボランティア(医師や技師)の方々により行われた.日本静脈学会には技術的支援や弾性ストッキングの手配などをしていただいた.4月21日に県庁で「日本循環器学会専門チーム「エコノミークラス症候群」予防活動に関する打ち合わせ」が開催され,熊本地震血栓塞栓症予防プロジェクト(KEEPプロジェクト)が始動し,当院がエ
コー機器や弾性ストッキングの窓口・集積場所になり,command and control(指揮と統制)のなかでの医療支援を行うことができた.
 プライマリ・ケア医は,地域医療を担う役割として,災害時にはPCAT(Primary Care for All Team)をはじめとするような,緊急時の医療を適切に行える必要がある.今回の特集では熊本での災害医療の記録と,そこで得られた次につなげておきたい対策やノウハウをまとめて,今後の大災害に即座に対応できるようにと,発災後に活動した4人で企画した.
 総論の「熊本地震の経緯」では,熊本県医療救護調整本部で指揮を執った熊本赤十字血液センターの井 清司先生に執筆いただき,各論では10人の先生に「発災直後の対応」を,14人の方に「災害時に知っておくべきこと Q&A」を,9人の先生方に「静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE)予防のために何をしたか Q&A」について執筆いただいた.大災害が起こった際に,発災直後から的確にプライマリ・ケア対応をするために,本特集を役立てていただければ幸いである.

[編集幹事] 熊本市民病院神経内科・地域医療連携部 橋本洋一郎

≪特集の目次≫

■総 論
熊本地震の経緯 ─DMAT・日本赤十字・JMAT などの多くの支援チームの調整─(井 清司)

■発災直後の対応
診療所での対応(清田眞由美)
在宅医による避難所への支援(片山貴文)
被災した診療所で何ができるか ─問診とバイタルとスマイル,そしてチームで働く─
(中園光一)
透析病院はどう動いたか(上村克哉)
救急病院はどう動いたか(奥本克己)
小児医療はどう動いたか(中村公俊)
熊本地震 その時阿蘇は!(甲斐 豊)
被災地の看護師はどう動いたか(山本智恵子)
救護班調整本部の役割 ─避難所ニーズに応えるには─(長井洋平)
発災直後から長期にわたる医療支援の必要性 ─東日本大震災の対応と熊本地震の医療支援の経験から─(植田信策)

■災害時に知っておくべきこと Q&A
PCAT はどう動いたか? ─日本プライマリ・ケア連合学会災害支援チーム─(松田 諭)
診療所での DVT 対応は?(髙添啓二)
診療所の診療と避難所支援をどうバランスをとるか?(牟田龍史)
避難所における感染対策活動 ─ノロウイルスアウトブレイクをどう乗り切ったか─(東 陽子)
心疾患の発症はどうだったのか?(小島 淳)
脳卒中やけいれんの発症の実態は?(稲富雄一郎)
JRATで生活不活発病予防をどう行ったか?(三宮克彦)
誤嚥性肺炎の予防をどう行ったか?(太田和俊)
DPATはどう動いたか? ─災害派遣精神医療チーム─(久我弘典,他)
わが国と欧米の避難所の違いは?(榛沢和彦)
医療支援者からみた過去の大震災との違いは?(榛沢和彦)
災害医療支援をしたいがどうしたらよいか?(橋本洋一郎)

■VTE予防のために何をしたか Q&A
熊本地震で VTE 予防はどのように進められたのか?(髙山 啓)
VTE 死亡を予防するためには何が必要だったか?(山村 修)
発災直後の VTE 重症例への対応は?(中尾浩一)
災害時の VTE 検診の意義は?(坂本憲治)
災害時の VTE の効果的予防法は?(細川 浩)
弾性ストッキングの効果的な使用法は?(保田知生,他)
日本臨床衛生検査技師会は何をしたか?(田中信次)
KEEP プロジェクトとは?(掃本誠治)

≪連載≫

今月のお薬ランキング(8)
便秘症治療薬(浜田康次)

ゼロからわかる遠隔医療(5)
オンライン診療の誤解されていること(竹村昌敏)〈監修〉exMedio

在宅医療をはじめよう! 在宅医療の質=理念×システム×制度の知識(23)
【システム編】寄り添う医療をどうシステム化するか ─Doingの医療と Beingの医療─(永井康徳,他)

楽しく臨床(7)
単身独居,高齢,そして認知症(宮森 正)

「 治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー“ 処方整理力”を鍛える! Dトレ(8)
記憶がよくなる薬?(矢吹 拓)
2,750円
特集:コーチング

≪今月の視点≫

コーチングで医療従事者がやりがいを感じ,患者・地域社会へ貢献できる

 みなさんは,コーチングについてどのようなことに興味があるだろうか.
 コーチングは,患者に対する行動変容などのサポート,部下・後輩に対する目標達成・問題解決・技能向上の促進やキャリアサポート,組織に対する活性化,さらにはリーダーシップ開発や自己実現といったさまざまな場面で効果的なツールといわれている.
 コーチングはますます医療に取り入れられてきており,全国各地でコーチングのセミナーや講演がされてきている.筆者自身も長年コーチングを学び,実践し,コーチングについて研究し,セミナーや講演・執筆活動をしていくうちに,コーチングはわれわれ医療従事者がやりがいを感じながら患者や地域社会に貢献できる魅力的なツールであると実感してきている.
 コーチングに興味や関心をもつ医療従事者からは,「初めてコーチングを学ぶのですが,お勧めの本はありますか?」,またコーチングセミナーに参加した医療従事者からは「今後,コーチングを学び,実践していくうえで参考になる本はありますか?」という声をよく聞くようになった.そうしたニーズに応えるため,今回,コーチングについてわかりやすく,すぐに実践できることを目的として本特集を企画した.
 本特集では,医療の現場で日常的にコーチングを実践し,また普及に努めている医師を中心に執筆をお願いした.テーマはコーチングの概要から始まって,基本スキルと実践スキル,コーチングセッションをするのに大切なプロセススキル,相手の状況やスタイルに応じてどのようにコーチングを行うかの洞察スキル,診療・教育・組織活動や運営といった状況に応じたコーチング,セルフコーチングやチームコーチングといった対象に応じたコーチング,コーチングのエビデンスや学問としてのコーチング,コーチングを学ぶ場の紹介や学ぶ環境をつくる方法,コーチングの資格,コーチングセッションを受ける方法などで,医療の現場でコーチングを学び,実践するに当たってのポイントをこの1冊で幅広くカバーしている.
 興味のあるところからお読みいただき,適宜コーチングのセミナーなどで実践力を習得し,実際に現場で活用することでその効果を実感していただきたい.そして,実践したことを振り返り,本特集を読み直すことで理解を深め,さらなる実践によりコーチングの効果が高まっていくことが期待できる.
 本特集によって,コーチングが医療における文化となる一助になれば幸いである.

[編集幹事]  三重大学医学部附属病院 総合診療科 田口智博

≪特集の目次≫

■コーチングスキル
コーチングの概要(児玉和彦)
コーチングの基本スキル(名倉功二)
コーチングの実践スキル(飛松正樹)
コーチングプロセスのスキル ─面談のコンテキストと GROW モデル─(田口智博)
コーチングの洞察スキル(名倉功二)

■状況別のコーチング
○コーチングを使った診療
コーチングを使った医療面接(中村琢弥)
上手くいかない患者と健康教室にこそ使えるコーチング(小坂文昭)
○コーチングを使った教育
卒前教育と解決志向アプローチ ─解決志向コーチング─(井上和興)
コーチングを使った卒後教育 ─研修医の目標設定,中間面談,振り返り─(山藤栄一郎)
コーチングを使ったキャリア・サポート(北村 大)
○コーチングを使った組織活動・運営
コーチングを使った組織運営(大川 薫)
コーチングを使うために知っておく職場環境の知識(齊藤裕之)

■対象別のコーチング
セルフコーチング(田原正夫)
チームコーチング(田口智博)

■コーチングのエビデンス,学問としてのコーチング
コーチングのエビデンス(出江紳一)
学問としてのコーチングの発展と動向(西垣悦代)

■コーチングを学ぶ,コーチングの資格を取る,コーチングセッションを受ける
臨床コーチングとは(田丸 司)
コーチングの資格,コーチングセッション(中村琢弥)
コーチングを学ぶ環境をつくる:組織活動(松本一成)
コーチングを学ぶ環境をつくる:病院活動(山本康久,他)

≪連載≫

今月のお薬ランキング(6)
ヒスタミンH2受容体拮抗薬(浜田康次)

在宅医療をはじめよう! 在宅医療の質=理念×システム×制度の知識(21)
【制度の知識編】医学総合管理料の役割と算定ポイント
─2016年度診療報酬改定より─(永井康徳,他)

心楽しく働くにはどうしたらよいか?? 信念対立解明アプローチ入門(23)
しゃべり魔の人(京極 真)

楽しく臨床(5)
看取りの現場で起きていること(宮森 正)

ゼロからわかる遠隔医療(3)
DtoD? DtoPって?(竹村昌敏)〈監修〉exMedio

「 治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー“ 処方整理力”を鍛える! Dトレ(6)
毒をもって毒を制す?!(矢吹 拓)
2,750円
特集:新薬に飛びつかない! -既存薬・新薬との上手なつきあい方-

≪今月の視点≫

クスリはリスクかもしれない
どのように新薬とかかわればよいのか?

 今回は新薬に関する特集である.これまでよくできなかった病気を改善するような新薬は,人類の夢かもしれないし,よくいわれるように,クスリはリスクかもしれない.ではどのようことに気をつけて新薬とかかわればよいのか?
 実際の患者に対する新薬の適応は,医学的適応はもとより,患者の希望や,医師の特性(専門医か非専門医かなど),薬剤師からのアドバイス,製薬会社からの情報提供などの多様な要因で決まる.幅広い視点から考える必要が求められるのが,新薬とのかかわり方であると思う.
 本特集では,総論と各論に分けて,問題点を整理・提示できる解決策を示している.総論では,EBMを駆使して鋭い情報発信をされている南郷栄秀先生に,また薬剤師の立場から幅広いプライマリ・ケアを実践されている玉城武範先生にご執筆をいただいた.また拙論ではあるが,新薬に対してどのようにかかわるべきか,安全性,忍容性,効果,価格などをキーワードに総論としてまとめた.各論では,新薬 vs既存薬と題して,各領域で活躍されている気鋭の医師にご執筆いただいた.新薬と既存薬のそれぞれ優れている点と注意する点とを比較し,新薬を使うのか,飛びつかない方がいいのかのよきガイドになっている.
 どの内容も最新の医学知識をもとに書かれており,いわゆるエビデンスに基づく新薬の情報提供はもとより,新薬が対象となる最新治療のガイドにもなっている.また,既存薬の価値を見直すことで,疾患に対する治療の基本的な考え方を学ぶことができる内容になっていると考える.本特集が,総合診療に日々向き合い,精進されている医師の方々のお役に立つことができれば幸いである.
 多忙な診療のなかで,本特集にかかわられた編集委員,実際の執筆にかかわっていただいた医師の皆様,また半年以上前から企画・編集を行い,頼りにならない編集幹事を支えていただいた南山堂の皆様に感謝申し上げる.

[編集幹事]  沖縄県立中部病院 総合診療科 本村和久

≪特集の目次≫

■総 論
 新薬とのつき合い方①:総論的視点から(本村和久)
 新薬とのつき合い方②:新薬に慎重な立場から(南郷栄秀)
 新薬とのつき合い方③:既存薬も同時に扱う薬剤師の立場から(玉城武範)

■新薬 vs 既存薬
 糖尿病薬(SGLT-2 阻害薬)(難波雄亮)
 ARB 配合薬(笹沼宏年,他)
 PPI(ボノプラザン:タケキャブ)(佐藤孝生,他)
 機能性ディスペプシア治療薬(アコチアミド:アコファイド)(本村和久)
 オレキシン受容体拮抗薬(スボレキサント:ベルソムラ)(西平賀政,他)
 麻薬(フェンタニルクエン酸塩舌下錠:アブストラル)(新屋洋平,他)
 抗凝固薬(NOAC) ─心房細動への使用法について─(難波雄亮)
 抗てんかん薬(レベチラセタム:イーケプラ)(吉田 剛)
 抗うつ薬(SNRI ベンラファキシン:イフェクサーSR)(西平賀政)
 抗リウマチ薬(イグラチモド:ケアラム)(中西研輔)
 インフルエンザ治療薬(ラニナミビル:イナビル)(吉田 伸)
 吸入薬:チオトロピウム/オロダテロール配合薬(スピオルト レスピマット)(長野宏昭)
 吸入薬:フルチカゾン/ホルモテロール(フルティフォーム)(根井雄一郎)
 便秘薬(ルビプロストン:アミティーザ)(本村和久)
 骨粗鬆症治療薬(テリパラチド:ファルテオ,テリボン / デノスマブ:プラリア)(耒田善彦)
 エリスロポエチン製剤(エポエチンベータペゴル:ミルセラ)(多鹿昌幸)

≪連載≫

今月のお薬ランキング(5)
HMG-CoA 還元酵素阻害薬(浜田康次)

楽しく臨床(4)
患者の訴えに薬で応えてはいないか(宮森 正)

ゼロからわかる遠隔医療(2)
どんなことができるの?(竹村昌敏)〈監修〉exMedio

「 治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー“ 処方整理力”を鍛える! Dトレ(5)
そもそも薬で解決する問題なのか?(矢吹 拓)

心楽しく働くにはどうしたらよいか?? 信念対立解明アプローチ入門(22)
不倫の人(京極 真)

在宅医療をはじめよう! 在宅医療の質=理念×システム×制度の知識(20)
【システム編】「自宅での看取り」のハードルを下げるために
─看取りのパンフレットと独居で看取るための3つの条件─(永井康徳,他)
2,750円
特集:総合診療医❤漢方医 コラボ企画 手強いコモンディジーズ


≪今月の視点≫

総合診療医と漢方医の外来能力をハイブリッド化することで新たな能力を切り拓ける

 新専門医制度が始まり,総合診療医としての新時代に突入する.総合診療と内科は対比するものではないという声が聞こえる一方で,「総合診療の専門性は何なのか?」という素朴な疑問に答える使命を,この時代を生き抜く総合診療医たちは抱いている.新専門医制度では総合診療医の専門性の1つを,「外来のスペシャリスト」としているが,他専門医から認められる外来診療とは一体どのようなものだろうか.
 コモンディジーズとは日常診療でよく遭遇する疾患と定義されるが,総合診療医にとって,その枠組みはより広く,より深くなっていかなければならない.今回集めた12のケースは,外来診療を主戦場としている総合診療医にとっては定期的に遭遇するものばかりである.しかし,鑑別が多岐にわたり,1回の診察では診断が難しいケースであるため,問題解決のプロセスをダイナミックに伝えることは難しい.新専門医制度の総合診療研修プログラムの門を叩く専攻医たちも,例外なくこれらのケースと対面することになるが,総合診療の指導医たちにはこれらのケースを難なく解決できる姿が求められるだろう.
 日本にはもう1人,漢方医という外来のスペシャリストがいる.外来診療を追求している総合診療医も,現在のアプローチだけでは限界を感じ,患者の前で立ち止まってしまう経験をしたことがあるだろう.だが同じケースでも漢方医の視点から眺めた患者像は別風景に映っているはずだ.総合診療医と漢方医の外来能力をハイブリッド化することで,新たな能力を切り拓ける可能性を秘めている.けっして「総合診療×東洋医学」という古い方程式ではない.本特集は,総合診療医,漢方医に新たな外来アプローチを加えることで,外来診療をより高めるための新しいシナプスを構築する一助になることを期待している.
 「手強いコモンディジーズ」という特集タイトルではあるが,全ケースに目を通し“別に手強くない”と感じるようになった総合診療医,漢方医が地域で活躍することを願っている.

[編集幹事]  山口大学医学部附属病院総合診療部 齊藤裕之

≪特集の目次≫

■特別座談会
手強いコモンディジーズに対する総合診療医と漢方医の視点(齊藤裕之,小田浩之,吉永 亮,土倉潤一郎)

■総合診療医から漢方医へのコンサルテーション
case1:胸部 X 線で異常がない 2 ~ 3 週間続く咳嗽のアプローチ
総合診療パート(宮阪 英)
漢方パート(土倉潤一郎)
case2:耳鼻科で喉頭ファイバーを施行してもらっても異常所見のない喉頭違和感
総合診療パート(松下 明)
漢方パート(村井政史)
case3:食欲不振
総合診療パート(久保川 賢)
漢方パート(永田 豊)
case4:検査で異常所見がみつからない腹痛,慢性下痢
総合診療パート(松枝 啓)
漢方パート(村井政史)
case5:小学生の繰り返す腹痛
総合診療パート(久我修二)
漢方パート(上田晃三)
case6:腰椎 MRI で異常がない下肢のしびれのアプローチ
総合診療パート(岡村知直,他)
漢方パート(吉永 亮)
case7:高齢者の下腿浮腫のアプローチ
総合診療パート(高岸勝繁)
漢方パート(吉永 亮)
case8:更年期の女性,四肢末端の冷え
総合診療パート(中山久仁子)
漢方パート(矢野博美)
case9:高齢者の慢性めまい症
総合診療パート(重島祐介)
漢方パート(井上博喜)
case10:高齢女性の倦怠感
総合診療パート(井村 洋)
漢方パート(井上博喜)
case11:妊娠計画のある若い女性の頭痛
総合診療パート(山下洋充,他)
漢方パート(前田ひろみ)
case12:妊娠をしたい女性のイライラ感,不眠
総合診療パート(飯田智子,他)
漢方パート(土倉潤一郎)

■特別寄稿
漢方医学を日常臨床に─痛みから学ぶ漢方医学の叡智─(田原英一)

≪連載≫

今月のお薬ランキング(4)
カルシウム拮抗薬(浜田康次)

在宅医療をはじめよう! 在宅医療の質=理念×システム×制度の知識 (19)
【理念編】患者の意思決定 本人の生き方にどう向き合うか
─終末期の医療と介護に関する松山宣言より─(永井康徳,他)

「治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー “処方整理力”を鍛える! Dトレ(4)
便が出ないと調子が出ない(矢吹 拓)

ゼロからわかる遠隔医療(1)
Introduction(竹村昌敏)

プロ×プロ イナダ(研修医)も学べばブリ(指導医)になる 現場のプロと臨床推論のプロが教える診断能力アップ術 (12)
もう歳だから?(身体機能の低下)(安藤公美惠,林 寛之,大西弘高)

心楽しく働くにはどうしたらよいか?? 信念対立解明アプローチ入門(21)
ズレる人(京極 真)

楽しく臨床(3)
高齢男子の遇し方─入院とオシッコのリスクについて─(宮森 正)
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  • 出版社:南山堂
  • 発行間隔:月刊
  • 発売日:毎月1日
  • サイズ:B5判

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