治療 発売日・バックナンバー

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2,750円
特集の目次

■症候─診断まで─
頻 尿
 Ⅰ専門医の立場から(松本成史 他)
 Ⅱプライマリ・ケア医の立場から(形見智彦)
夜間頻尿
 Ⅰ専門医の立場から(曽根淳史)
 Ⅱプライマリ・ケア医の立場から(作 功一)
尿失禁
 Ⅰ専門医の立場から(平間裕美)
 Ⅱプライマリ・ケア医の立場から(松下 明)
PSA 値上昇
 Ⅰ専門医の立場から(常森寛行)
 Ⅱプライマリ・ケア医の立場から(横井 徹)
肉眼的血尿
 Ⅰ専門医の立場から(内科分野)(祖父江 理)
 Ⅱ専門医の立場から(泌尿器科分野)(佐倉雄馬)
 Ⅲプライマリ・ケア医の立場から(亀井三博)
排尿時痛
 Ⅰ専門医の立場から(武井実根雄)
 Ⅱプライマリ・ケア医の立場から(寺内 勇)

■疾患─診断と治療,主に治療について─
前立腺肥大症
 Ⅰ専門医の立場から(吉村耕治)
 Ⅱプライマリ・ケア医の立場から(藤原靖士)
過活動膀胱
 Ⅰ専門医の立場から(大岡均至)
 Ⅱプライマリ・ケア医の立場から(竹中裕昭)
尿失禁
 Ⅰ専門医の立場から(藤原敦子)
 Ⅱプライマリ・ケア医の立場から(巽 純子)
尿路感染症
 Ⅰ専門医の立場から(和田耕一郎 他)
 Ⅱプライマリ・ケア医の立場から(北代雅也 1633)
勃起障害
 Ⅰ専門医の立場から(永井 敦)
 Ⅱプライマリ・ケア医の立場から(朝倉健太郎)

Series

エキスパートの思考法 認知症診療 (最終回)
認知症介護指導の実際 ③ 易怒性,不安症状に対する非薬物療法(川畑信也)

医者のストレス,患者の不満 ?
あいまいでもいい,わかりたくない気持ち(寺本研一)

News & Trend

「治療」「薬局」「Rp. レシピ」合同座談会
一般内科で遭遇する「不眠」とその薬物療法
第2 回 プライマリ・ケアにおいて使いやすい睡眠薬(吉尾 隆 他)
2,750円
今月の視点

 予防接種は,7価肺炎球菌結合型ワクチン,ヘモフィルスインフルエンザ菌b型ワクチン(インフルエンザ桿菌ワクチン),2価ヒトパピローマウイルスワクチン,4価ヒトパピローマウイルスワクチン,不活化ポリオワクチン,百日咳ジフテリア破傷風不活化ポリオ混合ワクチン,経口弱毒生ロタウイルスワクチンと,2010年度以降に多くのワクチンが承認された.いずれも,多くの先進国ではすでに定期接種に含まれており,関連する分野の多くの医療従事者にとっては,ようやく実現したと感じていると思う.しかし,新規のワクチンが導入されたことで,被接種者や家族の関心も高くなり,接種現場ではこれまで以上に情報提供のために必要とされる知識の増大や,同時接種の実施・定期予防接種の拡大といった大きな変化を受けている.しかし,諸外国と比較すると,定期接種は十分とはいえない.
 このような背景から,従来の定期予防接種だけでなく,任意接種のワクチンもあわせて希望するケースも増えており,一部の自治体では補助も行われている.また,国民生活の多様化に伴い,小児期以外のワクチン接種や海外渡航時の相談など,感染症の予防手段として確立しているワクチンをどのように考えるかということが,医療従事者には求められる.
 おりしも,2012年秋から日本国内では風疹の流行が報告され,2013年6月時点で患者数はすでに9,000人を超えている.これだけの感染者が先進国で短期間に報告されることはきわめて異例である.このような流行性疾患の蔓延を抑えるには,ワクチン接種率を集団として一定に保つことが求められる.普段からの予防が重要であることを,改めて認識せざるを得ない状態である.ワクチンの接種は,プライマリ・ケアにおける対応が重要であり,本特集がその最前線に立つ医療従事者の診療の一助になれば幸いである.

竹下 望 国立国際医療研究センター国際感染症センター

特集の目次

今月の視点(竹下 望)

■総 論
Vaccine Preventable Disease(VPD)(齋藤昭彦)
予防接種法改正の背景(宮本哲也)
諸外国におけるワクチン制度(中野貴司)
予防接種健康被害救済制度(氏家無限)
ワクチン外来を行ううえで必要な設備(奥田丈二)
ワクチンを接種する際に説明するべき内容(渡邊 浩)
副反応に対するファーストエイド(馬渡桃子)
同時接種について(源河いくみ)

■年代ごとに勧めるワクチン
乳児期に勧めるワクチンとスケジューリング(宮入 烈)
幼児期に勧めるワクチンとスケジューリング(森野紗衣子,他)
学童期に勧めるワクチンとスケジューリング(上山伸也)
中学・高校生に勧めるワクチンとスケジューリング(菅長麗依)
成人にワクチンを勧める状況とは?(竹下 望)
妊婦に勧められるワクチン(山元 佳)

■特殊な状況におけるワクチン
海外で幼少期を過ごした場合のワクチン接種(福島慎二)
海外渡航の際に必要なワクチン(短期観光客)(忽那賢志)
海外渡航の際に必要なワクチン(長期赴任)(山本舜悟)
海外渡航の際に必要なワクチン(渡航先・時期が未定の場合)(菅沼明彦)
職業感染対策としてのワクチン(大路 剛)

すんなりわかる
実践! 変わりつつある予防接種(坂西雄大,他)

■今後の課題
未承認ワクチンとは(近 利雄)
VPD の流行・再流行とその予防(堀 成美)
ワクチンの安定供給に必要な仕組み(堀 成美)

Series

ケースで学ぶ予防接種の実際(最終回)
インフルエンザ(大曲貴夫,他)

エキスパートの思考法 認知症診療(15)
認知症介護指導の実際 ② 妄想・幻覚に対する非薬物療法(川畑信也)

医者のストレス,患者の不満(8)
人が最も喜ぶこと(寺本研一)

News & Trend

「治療」「薬局」「Rp. レシピ」合同座談会
一般内科で遭遇する「不眠」とその薬物療法
第1回「 眠れない」原因の現状と薬物治療の留意点(吉尾 隆,他)
2,750円
特集:『 がんだけじゃない! 緩和医療 』



≪今月の視点≫

 わが国でも,ようやく緩和ケア・緩和医療ということばが市民の間に浸透してきた.もっとも,緩和ケアということばを知ってはいても,ホスピス(緩和ケア病棟)で行われているようなケアという漠然とした理解にとどまっているようである.つまり,がん末期で,痛みなどの身体症状のとりわけ厳しい人とその家族に対して行われるケアだと思われている.
 事実,わが国の厚生労働省認可の緩和ケア病棟は,実態として,末期がん患者とその家族のケアに特化しているので,身内を緩和ケア病棟で看取った家族からの伝聞や,緩和ケア病棟を取材したマスコミ・ジャーナリストの報道は,緩和ケアは末期がんを患う人のケアの有り様の1つであるという理解を促進している.医療者のなかにも,緩和ケア・緩和医療=再発進行がんを患った人のケアと考えている人は多い.
 しかし,国際的に広く受け入れられている世界保健機関(WHO)の緩和ケアの定義には,がんとも悪性腫瘍とも末期とも書かれてはいない.
 どのような病気のどの病期にあっても,そこに患者本人や家族を消耗させるような厳しい心身の苦悩があるとき,病気の治癒と病勢の固定化を目指す治療(キュア的な治療)と同時進行に,苦痛・苦悩の緩和を一義的な目的とした治療(ケア的な治療)を行うこと.治癒あるいは病勢の固定が期待できる状況では「患者の闘病意欲を維持する」こと,そしてこれらが期待できない状況では「患者のADLとQOLをよい状態に保つ」こと.これらを実効たらしめるために,医師・薬剤師・看護師・理学療法士・臨床心理士・栄養士などがチームを組んで,有効で効率的な苦悩の軽減・緩和サービスを提供すること.これが,緩和ケア・緩和医療の基本的な立場であり,それを推進する心の働きを緩和ケアマインドという.
 特集にあたり,治癒的治療と緩和的治療は,いつでも混然一体で存在すべきことを強調し,巻頭のことばとしたい.

後明郁男 北見赤十字病院緩和ケア内科 部長


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≪特集の目次≫

今月の視点(後明郁男)

■総 論
緩和ケアマインド ─ 苦悩に寄り添う心─(後明郁男)
社会福祉資源の活用(堀 健太郎)
地域医療と病診連携 ─“のりしろ”としての緩和医療─(桜井 隆)
リハビリテーションの役割 ①(篠塚美穂)
リハビリテーションの役割 ②(大段裕樹)
代替療法 ─ リラクゼーション,アロママッサージ,タッチング─(山口晴美)
東洋医学の応用 ─ 圧痛点ブロック(経穴ブロック)─(後明郁男)
持ち駒を使い果たしたとき(後明郁男)
看護の働き ─ 施設での相談役割と訪問看護との連携─(部川玲子)

すんなりわかる
実践! がんだけじゃない! 緩和医療(西 智弘)

■各 論
がんの緩和医療 ─ 痛み,食欲不振・倦怠感,消化器症状,呼吸器症状─(馬場美華)
非がん患者における緩和医療・終末期医療の諸問題(吉田茂夫)
慢性心疾患の緩和医療・終末期医療(老松 寛)
消化器疾患の緩和医療・終末期医療(上林 実)
慢性呼吸器疾患の緩和医療・終末期医療(西川満則)
認知症の緩和医療・終末期医療(宮本礼子)

≪Series≫

ケースで学ぶ予防接種の実際(7)
肺炎球菌(大曲貴夫 他)
エキスパートの思考法 認知症診療(14)
認知症介護指導の実際 ① 介護の原則を家族に説明する(川畑信也)
医者のストレス,患者の不満 (7)
医者の思い込み ─ 患者の期待を大きく外れる医者 ②(寺本研一)

≪News & Trend≫

「治療」「薬局」「Rp. レシピ」合同座談会
インクレチン関連薬の登場で新たなステージを迎えた2 型糖尿病の薬物治療
第3 回 糖尿病治療における患者指導(金森 晃 他)

特別寄稿:児童精神医学の“The ESSENCE”(原著 クリストファー・ギルバーグ/訳 畠中雄平)


≪Contribution≫

臨床経験:当院のパニツムマブ使用例25 例における皮膚症状の発現状況と対策の実際(田中 寛 他)
2,750円
特集:『 知っておきたい結核のコト 』



≪今月の視点≫

 1940年代のストレプトマイシン登場を皮切りとした新規抗結核薬の開発は,結核治療を様変わりさせた.さらに,薬剤の開発だけでなく,世界保健機関 (WHO)を中心としたDOTS(directly observed therapy short-couse)の展開や「ストップ結核パートナーシップ」の発足など結核対策の世界的連携もあわせて実施されている.しかし 2011年のWHOの統計では,いまだに世界の結核有病者は約1億2千万人,年間新規発症者は約870万人,結核による年間死亡者数は約140万人であり,途上国を中心に依然として最大の感染症であり続けている.
 わが国は,結核罹患率が19.0(人口10万対)とほかの先進諸国より際立って高い結核中蔓延国である.背景にあるのは,世界一の高齢者大国といってよい日本の人口構成であり,また急速なグローバル化による若年者結核や外国人結核の増加,生活習慣病患者やHIV患者の増加,さらに薬剤耐性結核による難治例の増加,膠原病などの治療で急速に普及した生物学的製剤の使用における潜在性結核への対応など,結核診療を取り巻く多様な状況である.このように,現在でも結核は,一般臨床医が診療のなかで遭遇し得る重要な感染症であることを認識する必要がある.一方で中蔓延国であることは,結核治療を行う機会は減少していることをも意味している.診療で遭遇し得る疾患でありながら,治療経験のある医師が減少し,かつ公衆衛生的な問題を内包した結核という疾患への対応はむしろ重要性を増している.
 そこで,本特集では結核を取りあげ,結核診療経験の豊富な先生方にご執筆をお願いした.総論,各論ではわが国の結核の現状・診断・治療について,臨床医が知っておくべき情報から最新の知見に至るまで幅広くご解説をいただいた.さらに,臨床現場でたびたび遭遇し判断に迷うケースをQ&Aとしてまとめ,プライマリ・ケア医のニーズに明快に対応すべく,わかりやすい解説を加えていただいた.
 本特集が結核診療に携わるすべての臨床医の手助けになることを期待する.

河野 茂 長崎大学病院第二内科 病院長/教授


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≪特集の目次≫

今月の視点(河野 茂)

■総 論
世界におけるわが国の結核疫学の特徴(中村茂樹,他)
結核の臨床症状(小林大介,他)
肺結核の画像診断 ─結核を見落とさないためのtips─(芦澤和人)
結核の診断法 up to date ─ベッドサイドでできる簡易検査から遺伝子診断まで─(小宮幸作,他)
肺結核の治療とDOTS ─結核患者のトータル・マネジメント─(西村知泰,他)

■各 論
結核感染症の病態 ─結核発症の危険因子とは?─(大野秀明)
肺外結核の診断と治療(三木 誠)
非結核性抗酸菌症の臨床像(小川賢二,他)
HIV 感染と結核(照屋勝治)
多剤耐性結核症の現状と対策(山岸文雄)
潜在性結核の取り扱いについて ─生物学的製剤やステロイド使用時の対応─(鈴木公典)
新規抗結核薬の開発状況(土井教生)

すんなりわかる
実践! 知っておきたい結核のコト(中山久仁子)

■Q&A
健診(職場健診や学校健診など)による結核対策の実際について教えてください.慎重な経過観察や予防内服が必要となるのはどのような場合でしょうか?(鳴河宗聡,他)
産科領域の結核対策について教えてください.妊娠中に結核に罹患した場合はどのように対処すればよいでしょうか? また,乳幼児には積極的にBCG 接種を受けさせるべきでしょうか?(山岸由佳,他)
クォンティフェロン検査の利点と,その限界について教えてください(福島喜代康)
ステロイドは結核発症の危険因子ですが,結核診療において,逆にステロイドの併用が有効なのはどのような症例でしょうか?(藤田昌樹)
腎不全患者(透析患者も含む)における結核治療のコツを教えてください(徳山鮎子,他)
抗結核薬による副作用が出現し,標準治療の継続が困難な場合はどのように対応すればよいですか? 減感作療法や二次抗結核薬の上手な使い方などについて教えてください(小橋吉博)
結核の院内感染対策について教えてください.入院患者の喀痰塗抹検査で抗酸菌が陽性であった場合,院内感染対策と接触者に対するその後の対応は具体的にどのようにすればよいでしょうか? また病院ごと(大学病院などの総合病院と老人ホームなどの老人施設)の適切な対処法を教えてください(飯沼由嗣)


≪Series≫

ケースで学ぶ予防接種の実際(6)
未承認ワクチン(輸入ワクチン)(近 利雄,他)

エキスパートの思考法 認知症診療(13)
周辺症状(BPSD)に対する向精神薬使用の実際③(川畑信也)

医者のストレス,患者の不満(6)
医者の思い込み ─患者の期待を大きく外れる医者①(寺本研一)


≪News & Trend≫

「治療」「薬局」「Rp. レシピ」合同座談会
インクレチン関連薬の登場で新たなステージを迎えた2 型糖尿病の薬物治療
第2回 経口薬使用にもかかわらずコントロール不良な患者への対策(金森 晃,他)
2,750円
特集:『臨床推論! -デキル先生ってどうやって診断してるの?-』



≪今月の視点≫

近年,臨床推論という用語がよく聞かれるようになった.複数のテレビ番組でも,診断能力に優れた医師が,病歴や診察のみで,複数の専門科領域にまたがる鑑別診断を進めていく能力を目にみえる形にする臨床推論が議論の対象になってきた.とくに,鑑別診断が複数の専門領域にまたがる場合,日常的にこのような患者の訴えに触れる総合診療医は,その強みを発揮しやすい.多くの医師が,こうした臨床全領域に及ぶ臨床推論能力をもつべきであり,またこのような能力は医学部卒業時や初期研修修了時の目標としても重要である.
 1960年代後半から,認知心理学者と臨床医の両者が,臨床推論やその教育に関する研究を行ってきた.しかし,両者の見解には常にギャップがあり,全体像の把握は容易ではなかった.その結果,学習方法,教育方法に関して,経験的に進められてきた印象がある.とはいえ,症例カンファレンス,症例プレゼンテーションとフィードバックといった方法が,今でも初学者には最善の方法といえるだろう.自らの診断プロセスを言語化し,議論することで,考え方を修正していくことができるからである.また,一定レベルに達した臨床家は,各自の現場で経験を積み,コンサルテーションや対話を通じて熟達者の考え方と比較しながら自らの推論プロセスを振り返ることで,能力を高めることができる.
 今回の特集は三部構成である.第一部「臨床推論の定義とその教育」では,理論や方法論についてまとめている.第二部「診療現場による臨床推論の違い」では,総合診療医が働く場によって,臨床推論にどのような違いが生まれるかがわかる.第三部「専門科から総合医へのアドバイス」では,各専門領域の医師の考え方を知ることで,総合医の診療に役立てていただける内容となっている.

大西弘高 東京大学大学院医学系研究科医学教育国際研究センター 講師


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≪特集の目次≫

今月の視点(大西弘高)

■臨床推論の定義とその教育
臨床推論とは(大西弘高)
臨床推論をどう学んできたか(山中克郎)
臨床推論はどう学べばよいか(大西弘高)
1 対1 教育における臨床推論(孫 大輔)
病棟カンファレンスのあり方(吉田 剛 他)
外来カンファレンスのあり方(松田 諭 他)

■診療現場による臨床推論の違い
都会での診療所 ─ドクターベイズによる臨床推論支援─(名郷直樹 他)
地方での診療所(岡田唯男)
へき地での診療所(菅家智史)
大学病院の救急外来やER(軍神正隆)
地方病院での救急外来(高村昭輝)

すんなりわかる
実践! 臨床推論!(山本 祐)
日本プライマリ・ケア連合学会若手医師部会 協力

■専門科から総合医へのアドバイス
循環器(伊賀幹二)
呼吸器(田原正夫)
消化器(北 啓一朗)
神 経(中島 伸)
膠原病とアレルギー(野村篤史 他)
感染症(大曲貴夫)
小児科外来・救急外来(井上信明)
整形外科(古屋 聡)
老年科(洪 英在)

編集幹事:大西弘高 (東京大学大学院医学系研究科医学教育国際研究センター 講師)


≪Series≫

ケースで学ぶ予防接種の実際(5)
HPV ワクチン(近 利雄 他)

エキスパートの思考法 認知症診療(12)
周辺症状BPSD に対する向精神薬使用の実際②(川畑信也)

医者のストレス,患者の不満(5)
不安な薬③(寺本研一)


≪News & Trend≫

「治療」「薬局」「Rp. レシピ」合同座談会
インクレチン関連薬の登場で新たなステージを迎えた2 型糖尿病の薬物治療
第1 回 各種糖尿病薬とインクレチン関連薬との比較(金森 晃 他)
2,750円
特集:『しびれのプライマリ・ケア -診断・治療や紹介のコツ-』



≪今月の視点≫

 しびれは,頭痛やめまいと同様にありふれた症状であり,しびれを経験したことのない人はいないといってよいほどである.一方,自覚的な訴えであり,他覚的な所見がない場合に診断や治療に苦慮することも多く,多くの臨床医が苦手とする症状である.
 しびれは「痺れ」と書き,麻痺をしびれと訴えて受診したり,パーキンソン病の巧緻運動障害をしびれと表現する場合もある.自発的なしびれ(dysesthesia)のこともあるし,触ると変な感じ(paresthesia)をしびれと表現したり,感覚の低下をしびれと表現したりもする.“しびれ”とは便利な言葉であるが,その意味することを理解しないと“しびれ”という診断が一人歩きしてしまう.
 しびれのみが突発する脳卒中(pure sensory stroke),しびれ・痛みが出現して1週間ほどして皮疹が出現する帯状疱疹もある.数年前からしびれてどうにかならないかと受診する場合も多い.最近は手根管症候群ではないかとネットで調べて受診する場合も多い.がんなどの基礎疾患をもった患者がしびれを訴えて受診することも数多く,また糖尿病患者に起きたしびれが,糖尿病に伴う末梢神経障害なのか,ほかの疾患に伴うしびれなのかも鑑別しなければならない.
 しびれの患者の多くはかかりつけ医を受診することが多いが,かかりつけ医がしびれの診療をする際には専門医との病診連携,CTやMRIの撮れる施設との連携,電気生理検査のできる施設との連携,入院可能な施設との連携が必要である.
 本特集では,しびれを訴えた患者が,かかりつけ医を受診した場合の基本的な考え方や,診断・治療のアプローチ,専門医への紹介が必要なケースなどについて解説いただく.
 基礎疾患の有無や的確な病歴の聴取,他覚所見の把握などで臨床的仮診断をし,補助検査から確定診断を行い,治療を開始するが,しびれの部位によっても疾患がちがってくることから,しびれの部位に応じて診断もできるように企画した.

橋本洋一郎 熊本市民病院神経内科 診療部長


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≪特集の目次≫

今月の視点(橋本洋一郎)

■しびれとは
しびれの発症機序(山下太郎,他)
しびれをきたす疾患(発症様式・病変部位)(山本文夫,他)
■診断のコツ
しびれ患者の診察10プラス1 のTIPS(福武敏夫)
顔面・頭部のしびれ(亀山 隆)
上肢のしびれ(伊藤康幸 ,他)
下肢のしびれ(金田明子 ,他)
体幹(胸部・腹部)のしびれ(永島隆秀,他)
半身のしびれ(橋本洋一郎,他)
どのようなしびれを専門医に紹介するか(鶴田和仁)
画像検査はどのような場合に必要か(河野 優,他)
電気生理検査はどのような場合に必要か(松永 薫)

■治療のコツ
プライマリ・ケアにおける亜急性・慢性「しびれ」に対する治療(伊藤康幸,他)
糖尿病におけるしびれの治療(有村公良)
脳卒中後の難治性疼痛およびしびれの治療(平田好文,他)
外傷後のしびれの治療(長谷川 秀)

■Q&A
正座をするとなぜしびれるのでしょうか?(菊井祥二,他)
長く歩くと下肢がしびれる場合は何を考えますか?(菊井祥二,他)
起床時に手がしびれている場合は何を考えますか?(木村成志)
膠原病治療中に出現したしびれの原因は何を考えますか?(村井弘之)
悪性腫瘍治療中に出現したしびれの原因は何を考えますか?(本田省二)
どのようなしびれでギラン・バレー症候群を疑いますか?(和田邦泰)
どのようなしびれで脳卒中を疑いますか?(長谷川泰弘)
片手が5 分ほどしびれたときはTIA でしょうか?(長谷川泰弘)
ビタミン欠乏で起こるしびれにはどのようなものがありますか?(山田 猛)
脊椎疾患に伴うしびれは手術が必要ですか?(相良孝昭)


≪Series≫

ケースで学ぶ予防接種の実際(4)
定期接種以外の任意接種について(金川修造,他)

エキスパートの思考法 認知症診療(11)
周辺症状(BPSD)に対する向精神薬使用の実際①(川畑信也)

医者のストレス,患者の不満(4)
不安な薬②(寺本研一)


≪News & Trend≫

「治療」「薬局」「Rp. レシピ」合同座談会
喘息管理における吸入療法の新たなステージ
第3回 アドヒアランス向上を目指した吸入指導と医師・薬剤師の連携(井端英憲,他)


≪Contribution≫

臨床経験:当院の脳神経外科における新規抗てんかん薬レベチラセタムの使用経験(齋藤正裕,他)
2,750円
特集:『症例でみる腰痛・肩痛・膝痛・外傷 -実は難しい整形外科疾患に対応するコツ教えます-』



≪今月の視点≫

 ある日,筆者の医師1年目のオーベンだった仲田和正先生から今回の特集の依頼が舞い込んできた.趣旨は,プライマリ・ケアの第一線で働いている医師に有用な整形外科的情報を提供して欲しいとのこと.テーマは「腰痛・膝痛・肩関節痛それに基本的な外傷」.厚生労働省から定期的に発行される国民生活基礎調査でいずれも毎回上位にランキングされる国民の愁訴である.ちなみに平成22(2010)年度版では,腰痛は男性の1位,女性の2位であり,膝痛・肩関節痛を手足の関節痛とすれば男性の5位,女性の3位といずれも有症率が非常に高いものである.当然ながら,病院・診療所を訪れる中高年の多数が訴える愁訴でもある.
 また,高齢化に伴い骨粗鬆症を有する人口も増加し,それを反映して大腿骨頸部骨折,橈骨遠位端骨折などの転倒による外傷も増加している.手指の切創や肉離れ,捻挫も日常診療でよく目にする外傷である.もちろん,すべてが緊急手術の対象ではなく,また専門医でなければ対応ができない疾患ばかりではない.しかし,いずれの疾患も初期治療が非常に重要である点では共通している.
 これら日常診療ではありふれた愁訴や外傷であるが,整形外科以外の医師は,実際に関節を触診し,処置することには比較的不慣れであり,苦手とされる方が多い.本特集のみで,それらのすべてを網羅することは困難であるが,できる限りのエッセンスをお届けしたいと考えた.執筆は,なるべく本音を語ってくれるように自治医科大学整形外科および関連施設で活躍している面々ならびに,整形外科以外の腰痛については,プライマリ・ケアの達人である仲田先生に依頼した.また,今回の方針は,「著者がプライマリ・ケア医に伝えたい本音を記載していただく」こととした.そのために,多少独善的な意見も入っていると思うが,熱い想いを伝えたほうが読者にとっては有益と考えたため,どうぞご容赦いただきたい.
 今回の特集により,皆さんの整形外科疾患・外傷への苦手意識が少しでも軽減され,日常診療での守備範囲が広がることを心から願っている次第である.

関矢 仁  自治医科大学整形外科 准教授


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≪特集の目次≫

今月の視点(関矢 仁)

■総 論
腰の解剖と診察法,神経ブロック(遠藤照顕)
肩の解剖と診察法,関節穿刺・関節注射(上本宗唯)
膝の解剖と診察法,関節穿刺・関節注射(高田 尚)

■症例から学ぶ腰痛
整形外科領域の腰痛(木村 敦,他)
整形外科以外の腰痛疾患(仲田和正)

■症例から学ぶ肩痛
中・高齢者の肩痛(笹沼秀幸,他)

■症例から学ぶ膝痛
若年者・スポーツの膝痛(高徳賢三)
中・高齢者の膝痛(関矢 仁)

■症例から学ぶ外傷
上 肢(松村福広)
下 肢(伴 光正)



≪Series≫

ケースで学ぶ予防接種の実際(3)
ポリオワクチン:OPV からIPV への切り替え(金川修造,他)

医師と患者のコミュニケーション(最終回)
家族と意見の違う患者に対応する(和田忠志)

エキスパートの思考法 認知症診療
ドネペジル,リバスチグミン使用の実際(川畑信也)

医者のストレス,患者の不満(3)
不安な薬①(寺本研一)



≪News & Trend≫

「治療」「薬局」「Rp. レシピ」合同座談会
喘息管理における吸入療法の新たなステージ
第2 回 喘息治療における吸入薬の使い分けと新たな使い方(井端英憲,他)
2,750円
特集:『在宅医療の極意 -かかりつけ医が実践する在宅医療のあるべき姿-』



≪今月の視点≫

 わが国は,世界でも例をみない急速な人口構成の高齢化が進んでおり,在宅医療は,
わが国の医療の切り札として官民一体となって懸命の推進が行われている.障害を
得てから,あるいは人生の最期の時期を自宅(あるいは自宅に近い環境)で暮らした
いと願う国民は多く,在宅医療推進は時代の要請であり必然でもある.この時期に,
「治療」において,在宅医療の特集が組まれたことは時機を得たものであり,在宅医
療に携わる者として,非常にうれしく感じている.
 在宅医療を専門的に行う医療機関も増加しているが,筆者は一般の開業医の方々
や病院医師にも,ぜひ在宅医療のことを知って,実践してもらいたいと考えている.
真摯に患者を診療する医師は,患者が高齢化し,虚弱になったとき,在宅医療を要
請される経験を必ずするであろうと考えるからである.その意味で在宅医療は,主
治医と患者との信頼蓄積の延長線上にあるともいえるであろう.「看取り」や「24時
間対応」が話題に上ることが多いが,それらは実践の結果であり,本質は主治医と患
者との継続的な信頼関係にあると考えている.
 また在宅医療というと,「家族に囲まれての幸せな最期」などの美しいストーリー
が語られることが多いが,実際には,高齢者単独世帯や独居世帯の困難もあり,家
族による虐待も珍しくない.家族介護困難から介護施設に在宅医療の裾野は広がり
つつある.本特集では,「現実の患者」に有効に対応する技術を,現場に即して記載
してもらった.
 雑誌という限られた誌面のなかではあるが,在宅医療実践の全貌が理解できるよ
うに構成を試みた.多くの方にお読みいただき,忌憚のないご意見をいただければ
幸いである.

和田忠志 いらはら診療所/あおぞら診療所


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≪特集の目次≫

今月の視点(和田忠志)

■医師の在宅医療
高齢者総合機能評価(葛谷雅文)
在宅医療現場での外傷の対応 (市原利晃)
在宅医療現場での褥瘡への対応 (堀田由浩)
医療・介護関連肺炎 (斉藤康洋)
認知症の在宅医療 (苛原 実)
BPSD の在宅医療 (藤田拓司)
難病の在宅医療 (田島和周)
排尿・排便の在宅医療 (亀井 修)
最期までの支援の考え方 (長尾和宏)
在宅医療における緩和ケア①(疼痛緩和) (三宅敬二郎)
在宅医療における緩和ケア②(本人・家族を支える技術的側面) (田村 学)
歯科の在宅医療 (花形哲夫)

■医師以外の専門職
在宅医療における薬剤師の役割 (川添哲嗣)
在宅医療における訪問看護師の役割 (和田博隆)
在宅医療における福祉用具活用のコツ (保田淳子)

■医学教育
研修医・学生教育 (遠藤光洋)

すんなりわかる
実践!在宅医療の極意(一ノ瀬英史)

■医療連携・多職種連携・地域活動
退院支援と医療連携 (川崎浩二)
在宅リハビリテーション ─ PT・OT・ST に何をどう依頼するか─ (藤井博之)
がん終末期患者の退院から在宅看取りまで ─ 多職種の連携を通して─ (山岡憲夫 他)
在宅患者の虐待の診かたと対応の仕方 (和田忠志)
在宅医療と連携パス (岡田晋吾)
佐久総合病院の在宅医療 (小松裕和)



≪Series≫

ケースで学ぶ予防接種の実際 (2)
Vero 細胞型日本脳炎ワクチン接種における疑問点 (齋藤昭彦 他)

医師と患者のコミュニケーション
本音を語らない患者について (和田忠志)

エキスパートの思考法 認知症診療 (9)
ガラタミン,メマンチン使用の実際 (川畑信也)

医者のストレス,患者の不満 (2)
横たわる深い溝 (寺本研一)



≪News & Trend≫

「治療」「薬局」「Rp. レシピ」合同座談会
喘息管理における吸入療法の新たなステージ
第1 回 喘息管理の重要性と吸入療法の位置付け (井端英憲 他)



≪Contribution≫

TOPICS
アルコール依存症とその罹患患者への支援に関する一考察 (比知屋一寛、比知屋寛之、他)臨床経験

認知症患者の在宅医療を継続していくための問題点と今後の展望 (山口浩二)
腐食性食道狭窄の1 切除例 (増田 亨 他)
2,750円
特集:『診療所経営のテクニック -今,求められている医院経営とは?-』



≪今月の視点≫

世界一の高齢化国である日本において,政治の混迷が著しい.しかし,財政的な制約を受けながらではあるが,高齢者問題を解決していかねばならない.そんななかで,税と社会保障の一体改革は方向性がみえ,超高齢社会を迎えている日本では,医療や介護業界には向かい風と追い風が同時に吹いているといってよい.追い風は,超高齢社会で顧客のニーズが絶対にある業界であるということ.向かい風は,そうであるからこそ他業種の参入が多くなってくることと,政府の関与が大きくなることであろう.諸外国では,「診療所すなわちかかりつけ医」といった方向に1つの流れがある.日本でも地域包括ケアといって,医療と介護,さらには住居といった生活を一体化して面倒をみようという方向性がみえてきた.本特集では,これからの医院経営に求められるものを文化的な視点と技術的な視点で取り上げ,実務的な内容にしている.「経営のテクニック」と銘打ってはいるが,単なるテクニックにとどまらず,大きなトレンドを踏まえたうえでのテクニックに主眼を置いた.総論では,文化的なリーダーシップや倫理の問題に始まり,病院の選択や安全性情報,医療制度の問題に触れる.ついで,診療所経営においては視点を明らかにしたうえで,ITや広報,さらにマーケティング,事業継続計画(BCP)といった手法について考える.また,地域包括ケアでも重視されている医療連携について,病院,薬局,リハビリについて述べ,最後にその方法について述べたい.そして同じく地域包括ケアの注目点である在宅医療について,医師以外の視点,つまり訪問看護と介護,という立場で考えてみたい.加えて,地域包括ケアに関与していくために欠くことができない視点として,医療連携,在宅診療とのかかわりを重点的に記載した.とくに,在宅診療については,看護・介護の立場から述べてもらい,客観的に診療所をみつめ直すきっかけになるように配慮している.本特集が皆様のお役にたてば幸いである.

真野俊樹  多摩大学統合リスクマネジメント研究所 教授


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≪特集の目次≫

今月の視点(真野俊樹)

■総 論
今,医院経営に求められるもの(真野俊樹)
医療倫理と診療所(藤井大輔)
病院や診療所の選択(小林 慎)
進化する薬物療法のリスク管理(古川 綾)
ドラッグ・ラグの改善と医療の向上─ 薬価制度の課題から─(上原 勉)
院内読書会のススメ─ 読んで学んで「癒す」コミュニティ構築へ(山本 伸)

■診療所経営
医院経営に求められるリーダーシップ(末松清一)
診療所経営の視点(野本麻里子)
IT と診療所経営(佐藤正晃)
診療所の広報(山田隆司)
マーケティングと医院(薄井信将)
サービスマーケティングと医院(佐藤幸夫)
医療機関の事業継続計画(BCP)(井上美夫)

■診療所の医療連携
医療連携と診療所(水谷一夫)
診療所と在宅リハビリテーションの連携(石井和彦)

すんなりわかる
実践!診療所経営のテクニック(遠井敬大 )

■診療所と在宅診療
訪問診療と在宅診療(宮木 大,他)
介護と在宅療養支援診療所(内藤茂順)



≪Series≫

ケースで学ぶ予防接種の実際(1)
定期予防接種実施と制度の間に生じる問題点(齋藤昭彦,他)

医師と患者のコミュニケーション(10)
自己決定の支援(和田忠志)

エキスパートの思考法 認知症診療(7)
抗認知症薬の選択と使用の原則を考える(川畑信也)

医者のストレス,患者の不満(1)
医者のストレス,患者の不満(寺本研一)
2,750円
特集:『プライマリ・ケアとしての骨粗鬆症診療 -骨折予防に向けた骨粗鬆症治療-』



≪今月の視点≫

 疾病構造は年々変化しつつあり,感染症などの急性疾患から悪性新生物および糖尿病などの生活習慣病とその関連疾患を中心とする状況へと変遷を遂げてきた.2012年の現在から将来を展望すると,加齢による疾患を中心とするものへと,さらに疾病構造は変化していくことが予想される.もちろん多くの疾患が加齢により影響を受けることはいうまでもないが,とりわけ認知症と骨粗鬆症はその代表といえるであろう.
 骨粗鬆症や認知症が生命予後に影響するという研究成績は数多く存在するが,これらの疾患の真の問題は,QOLに多大な影響を及ぼすという点にある.高齢者の骨折の大多数は骨粗鬆症を背景とするものであり,高齢になればなるほど骨折,なかでも重篤な大腿骨近位部骨折の発生率が高くなる.骨折は自立を失う重要な要因の1つであり,患者のADL とQOL を損なう.また,要介護状態となることも多く,家族や社会に対する影響も大きい.
 認知症と骨粗鬆症は中枢神経と運動器という大きく異なる臓器の障害を原因とする疾患ではあるが,認知症患者では骨折リスクが高いこと,骨粗鬆症による骨折で活動性が制限されると認知症が進行することから,両者の間には密接な関連があることが明らかにされている.したがって,骨折のない高齢期をすごすことは,QOLを維持するうえで欠かせないものである.
 基礎研究に基づく創薬と臨床研究の飛躍的な進展により,私たちは加齢による不可避の疾患である骨粗鬆症に立ち向かう手段を得ることができた.もちろん,今はまだ高齢者の骨折を完全に予防するにはほど遠い状況ではあるが,私たちが今できることを十分に実行すれば,おそらく半数近くの骨折を減らすことができる可能性があると推測されている.そのためには,より多くの医師が,日常診療の現場で骨粗鬆症対策に取り組むことが求められる.この分野におけるプライマリ・ケアを担う医師の役割と意義は,今後飛躍的に増大していくものと期待される.

竹内靖博  虎の門病院内分泌センター 部長


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≪特集の目次≫

今月の視点(竹内靖博)

■総 論
高齢者の骨折を防ぐために骨粗鬆症診療を始めるには(竹内靖博)
『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011 年版』の活用法(太田博明)

■骨折の一次予防
骨粗鬆症検診の活用(細井孝之)
骨によい栄養と生活習慣とは(塚原典子)
骨折リスク因子の評価(渡部玲子,他)
生活習慣病と骨粗鬆症の相互作用(山口 徹)
薬物治療の介入時期(四馬田 恵,他)
骨粗鬆症治療のフォローアップ(石井光一)

■骨折の二次予防
大腿骨近位部骨折の二次予防 ―骨折連鎖を断つ―(遠藤直人)
椎体骨折の二次予防(石橋英明)
骨折および身長低下と生命予後の関連(田中伸哉,他)

■骨粗鬆症の治療薬
ビスホスホネート製剤(萩野 浩)
選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)(茶木 修)
活性型ビタミンD3(遠藤逸朗)
テリパラチド(金沢一平,他)
新しい骨粗鬆症治療薬:抗RANKL 抗体デノスマブ(中村利孝)

すんなりわかる
実践!プライマリ・ケアとしての骨粗鬆症診療(土田知也)

■Q&A
ビタミンD 不足の評価法と改善方法を教えてください(岡崎 亮)
男性骨粗鬆症の診断で注意すべき点を教えてください(鈴木尚宜)
男性骨粗鬆症の治療にはどの薬剤を選べばよいでしょうか?(中山耕之介)
DXA 測定器がない場合は骨密度の評価はどうすればよいでしょうか?(伊東昌子)
ビタミンK 不足の評価と補充の適否の判断方法を教えてください(和田誠基)
ビスホスホネート製剤内服中の患者で注意すべき点を教えてください(木下祐加)
閉経後女性に対するホルモン補充療法の利点と問題点を教えてください(岡野浩哉)
ステロイド内服患者にはどのように対処すればよいのでしょうか?(宗圓 聰)
がん治療患者における骨粗鬆症対策を教えてください(高橋俊二)



≪Series≫

エキスパートの思考法 認知症診療(7)
再来患者さんから認知症をすくいあげる(川畑信也)

医師と患者のコミュニケーション(9)
外来診療の現場で(和田忠志)

よりよい医院経営(最終回)
今後の医院経営のポイント─IT と格差対策─(真野俊樹)
2,750円
特集:『アレルギー疾患の新常識 -増え続ける疾患に,あなたはどう立ち向かいますか?-』



≪今月の視点≫

 今回の特集の企画をいただいたときに考えたのは,全部読みたくなるような論文を集めようということであった.
 まず,日常診療をしているうえで絶対に必要な新しい知識として,外来で使うアレルギーの薬に関して,経口薬,点鼻薬,点眼薬,そして漢方のような補完代替医療まで,それぞれの第一線の専門家に詳細な使い分けに関して記述いただいた.客観的な視点からそれぞれの特徴を解説いただいたうえで,実地で活躍されている専門医ならではの思い切った主観的なご意見もいただいている.
 第2に,最新のアレルギーに関するトピックについて取りあげている.睡眠,体内時計,汗などはメディアで取りあげられている程度の表面的な内容ではなく,われわれは医療のプロとして,病態生理に基づいた理解が必要であろう.また,重症薬疹や『茶のしずく石鹸』のような社会問題となっているものに関しては,医師として正確な対応が求められる分野であり,必要な事実と現在の対策などに関して詳述いただいている.
 第3に最新の治療に関してまとめていただいた.喘息におけるSMART療法や経口免疫療法は,筆者がヨーロッパで診療していたときに導入され,日常診療に大きな影響があった分野であり,今後のアレルギー診療において重要な役割を果たすものとして,臨床医にとって興味の尽きないところではないであろうか.
 最後に,抗菌薬アレルギー,造影剤過敏症,アナフィラキシーとエピペンなど,実地臨床で頻繁に遭遇する難題に関して,詳細に解説いただいている.ここに書かれている内容を知っているかどうかで一段レベルの違う臨床になるのではないかと考えている.
 今回の特集の論文の題名と著者名を見渡すと,手に取ってすぐに読み始めたい衝動に駆られるのは私だけではないと想像してやまない.


岡田正人 聖路加国際病院アレルギー膠原病科(SLE,関節リウマチ,小児リウマチ) 部長


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≪特集の目次≫

今月の視点(岡田正人)

■外来で使うアレルギーの薬
新しい抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬(衛藤 光)
アレルギー疾患における補完代替医療(田中敏郎)
アレルギー性鼻炎における点鼻薬の使い分け(柳  清)
アレルギー性結膜疾患における点眼薬の使い分け(海老原伸行 )

■アレルギーのトピック
汗とアレルギー(塩原哲夫)
睡眠とアレルギー(小林茂俊)
体内時計とアレルギー(中尾篤人)
慢性咳嗽の診断と治療(佐野博幸,他)
「茶のしずく石鹸」使用者に発症した小麦依存性運動誘発アナフィラキシー(長島真由美,他)
好酸球増多症をみたら(陶山恭博,他)
重症薬疹(浅田秀夫 )

■最新アレルギー治療
アレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法(大久保公裕)
食物アレルギーの経口免疫療法(栗原和幸)
喘息におけるSMART 療法(有岡宏子)

■押さえておきたいアレルギーの常識
アナフィラキシーとエピペン(山口賢一)
虫刺されアレルギー(内田義孝,他)
造影剤過敏症(大原由利,他)
抗菌薬アレルギー(陶山恭博,他)
ヒスタミン中毒(scombroid poisoning)(大原由利,他)
喘息における抗IgE 抗体(冨島 裕)
過敏性肺炎(仁多寅彦)



≪Series≫

温故医新(30)

抗ヒスタミン薬の始まり(岡田正人)

エキスパートの思考法 認知症診療 (6)
改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)をどう利用するか?(川畑信也)

医師と患者のコミュニケーション (8)
共通言語で対話する(和田忠志)

よりよい医院経営(86)
上海地区における日本人の医療事情と今後の医院経営について(守谷知晃 )
2,750円
特集:『てんかんの診断と連携
-プライマリ・ケア医に求められるてんかん診療-』



≪今月の視点≫

 てんかんは,乳幼児から高齢者までどの年齢層でも発症する患者数の多い疾患で,家庭医・プライマリ・ケア医が遭遇することが多いいわゆるcommon diseaseの1つである.
 てんかんは,その病因により必要な治療と予測される予後はさまざまなため,てんかんの初期診療におけるプライマリ・ケア医が果たす役割は大きく,てんかんであることを早期に見抜いて適切な対応をすることが求められる.
 したがっててんかんの診断には,その初期から複数の診療科間および非専門医と専門医間の連携が必要とされるが,現状では,地域でどの医師がどのようなてんかん診療を行っているのかわかりにくく,また医師同士でどのような患者をどのようなタイミングで紹介すればよいのかもはっきりしていない.
 筆者らは厚生労働省の研究班において,日本てんかん学会と日本医師会の協力を得て,地域でてんかん診療を行っている医師の名簿づくりを行い,2012 年7 月よりウェブサイト「てんかん診療ネットワーク」(http://www.ecn-japan.com/)を開設し,てんかんの診療連携を促進する試みを行っている.
 てんかんでは,60〜70%の患者が抗てんかん薬の服薬で発作が抑制され,社会生活を支障なく送れるとされている.しかしその間,継続的な服薬,身体疾患に関する対応,就学・就労などの生活上の問題への対応などのケアを必要としており,患者に密着した長期的・総合的な対応ができるプライマリ・ケア医の存在が不可欠である.
 本特集は,てんかん患者を診る機会のあるプライマリ・ケア医に必要なてんかんに関する知識と,紹介および逆紹介などの診療連携のタイミングに関する情報を提供することを目的に作成されている.ぜひ,皆様の日常診療のお役に立つことができれば幸甚である.

大槻泰介 国立精神・神経医療研究センターてんかんセンター センター長/脳神経外科診療部長


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≪特集の目次≫


今月の視点(大槻泰介)

■総 論
てんかんの病因と疫学─ 特発性てんかんと症候性てんかん─(大槻泰介)
小児のてんかん ─てんかん発作の症状と診断・治療アルゴリズム─(宮本雄策,他)
成人および高齢者のてんかん ─てんかん発作の症状と鑑別すべき疾患─(赤松直樹,他)
プライマリ・ケア医のためのてんかん薬物治療 ─抗てんかん薬の使い方入門─(神 一敬,他)
プライマリ・ケア医に必要なてんかん外科治療の知識 ─手術で治るてんかんの早期診断と早期治療─(馬場好一)
てんかん診療における医療連携と社会的医療資源 ─てんかんの一次・二次・三次医療─(井上有史)

■各 論
どのような場合に小児神経科専門医に紹介すべきか?(小国弘量)
どのような場合に神経内科専門医に紹介すべきか?(井内盛遠,他)
どのような場合に脳神経外科専門医に紹介すべきか?(二宮宏智,他)
どのような場合に精神科専門医に紹介すべきか?(渡邊さつき,他)
どのような場合にてんかん専門医あるいはてんかんセンターに紹介すべきか?(亀山茂樹)

すんなりわかる
実践! てんかんの診断と連携(岩佐 紘)

■Q&A
小児にみられる発達障害や行動異常とてんかんの関係について教えてください.てんかんの治療でこれらの症状がよくなることはあるのでしょうか?(須貝研司)
乳幼児・小児でみられるてんかん発作と紛らわしい症状にはどのようなものがありますか? 対応法は?(奥村彰久)
熱性けいれんはてんかんなのでしょうか? 検査や治療が必要な場合,および予後を教えてください(白石秀明)
失神発作とてんかん発作,それぞれの機序・鑑別法・対処法について教えてください(菅野秀宣)
心疾患による意識消失発作とてんかん発作の見分け方,そして抗てんかん薬による心機能障害について教えてください(神 一敬)
てんかんと認知症はどう鑑別すればよいでしょうか? 認知症と間違われやすいてんかん,および認知症に合併するてんかんについて教えてください(木下真幸子)
遺伝子検査がてんかんの診断や治療に役立つ場合はありますか?(友納優子,他)
てんかんを診断するにはどのような検査が必要ですか? 最低限必要なこと,および最新情報も教えてください(高橋章夫)
全身けいれん発作を起こした患者にはどう対処したらよいでしょうか?(太組一朗)
複雑部分発作および自動症とはどういう発作なのですか?(貴島晴彦)
精神疾患と間違われやすいてんかん発作,心因性発作(偽発作),てんかんに合併する精神症状について教えてください(岡崎光俊)
抗てんかん薬はいつ開始すべきで,いつまで飲み続けるのでしょうか? また,てんかんが治ることはあるのでしょうか?(小林勝弘)
てんかん患者は日常生活や社会生活においてどのようなことで困っているのでしょうか?(久保田英幹)
プライマリ・ケア医に必要なてんかんと運転免許の知識について教えてください.どのように指導すればよいのでしょうか?(笹川睦男)


≪News & Trend≫

「治療」「薬局」合同座談会
薬物療法の実践! 認知症患者の薬物療法の難しさ(川畑信也,他)


≪Series≫

温故医新(29)

手術で治るてんかん(大槻泰介)

エキスパートの思考法 認知症診療(5)
病歴,問診・診察から診断を考える⑤(川畑信也)

医師と患者のコミュニケーション(7)
降圧薬服用に抵抗を感じる患者さん②(和田忠志)

よりよい医院経営(86)
「連携」を超えた「一体性」から創造される在宅ホスピスケア(野島あけみ)

何が正解? 循環器治療 EBM で検証(最終回)
高血圧から発症する慢性心不全とは?(内野和顕,他)
2,750円
特集:『肝疾患 up to date
-プライマリ・ケアで押さえておきたい最新トピックス-』



≪今月の視点≫

 近年の肝疾患診療には著しい進歩があり,より専門的知識が要求されるようになってきた.とくに,C型慢性肝炎に対するテラプレビルを含めた3剤併用抗ウイルス療法や肝細胞癌に対する分子標的治療薬であるソラフェニブは重篤な副作用が出現する可能性があるため,肝臓専門医に限定して使用が可能となっている.一方,わが国の慢性肝疾患の多くを占めるC型肝炎患者は高齢化が進んでおり,糖尿病をはじめとした合併疾患をもっていることが多いため,慢性肝疾患患者の合併疾患をプライマリ・ケア医が診療する機会は多いと思われる.その際には,専門的知識までは必要ないにしろ,肝疾患の最新情報に関してある程度の知識が必要である.
 また,わが国においても食の欧米化と運動の機会が減少したことにより肥満人口が増加し,健康診断受診者のうち脂肪肝によると思われる肝機能障害を指摘される症例が多くなっている.このような症例が二次検査目的でプライマリ・ケア医へ訪れた場合,原因疾患の鑑別においてウイルス性肝炎や非アルコール性脂肪性肝炎を見逃してしまうと,肝硬変,肝細胞癌の存在も見逃してしまうことになる.とくに,非アルコール性脂肪性肝炎は膵癌と同様に糖尿病患者に合併することが多いため,外来で糖尿病患者を診る機会が多いプライマリ・ケア医は非アルコール性脂肪性肝炎の知識をもつことは必須と考えられる.
 今回,プライマリ・ケア医の日常診療に役立つと思われる肝疾患のトピックスをあげ,これらのトピックスについて第一線で活躍されている先生方からプライマリ・ケア医へ情報発信していただいた.この企画が新たな患者の掘り起こしやスムーズな病診連携の一助となれば幸いである.

今井康晴 東京医科大学消化器内科 准教授


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≪特集の目次≫


今月の視点(今井康晴)

■肝疾患の検査に関連するトピックス
健診で肝機能障害を指摘された患者が来たらどうするか(植村一幸)
健診の超音波検査で肝腫瘤を認めたらどうするか(小川眞広)
慢性肝疾患の線維化診断と発癌の関係(飯島尋子,他)

■ウイルス性慢性肝炎に関するトピックス
B 型肝炎ウイルスマーカーの知識を整理する(竹越國夫)
B 型慢性肝炎の治療はどのような患者にどの治療を選択しているのか(田中榮司)
de novo B 型肝炎を知る(持田 智)
C 型慢性肝炎の最新治療と将来展望(中村郁夫)
インターフェロン療法で著効となったC 型肝炎患者の経過観察(川村祐介,他)

■肝硬変に関するトピックス
ウイルス性肝硬変患者への抗ウイルス療法(西村貴士,他)
肝硬変栄養療法のアセスメントと指導を外来でどのように進めるか(今井康晴,他)
腹水・浮腫を伴う肝硬変患者のマネジメント(榎本平之,他)
肝性脳症の診断・治療に必要な知識(ミニマル肝性脳症を含めて)(鈴木一幸,他)

■肝細胞癌に関するトピックス
肝細胞癌を早期診断するにはどうするか(福田和人,他)
肝細胞癌治療の最新情報(内科から)(今井康晴)
肝細胞癌治療の最新情報(外科から)(三瀬祥弘,他)
肝細胞癌治療の最新情報(放射線科から)(北岡久美子,他)

■その他の病態に関するトピックス
急性肝炎の診断と専門医に紹介するタイミング(安田清美)
脂肪肝患者への対処(NASH を含めて)(戸張真紀,他)
B 型肝炎でもない,C 型肝炎でもない慢性肝疾患の診かた(能祖一裕)
肝癌をはじめとする肝疾患の肝移植(宜保行雄)


≪News & Trend≫

「治療」「薬局」合同座談会
使いやすさを検証する!
さまざまな視点からみたアルツハイマー病治療薬(川畑信也,他)


≪Series≫

温故医新(28)

肝炎診療の礎を知る(今井康晴)

エキスパートの思考法 認知症診療(4)
病歴,問診・診察から診断を考える④(川畑信也)

医師と患者のコミュニケーション(6)
降圧薬服用に抵抗を感じる患者さん①(和田忠志)

よりよい医院経営
人事評価と人材管理(マネジメント)(幸田千栄子)

何が正解? 消化器治療 EBM で検証(最終回)
総集編─ 大腸・肝臓・膵臓─ (川名一朗)
2,750円
特集:『大人の発達障害
-わかっていること・できることをいま整理する-』



≪今月の視点≫

 なぜ今,大人の発達障害特集なのか.精神科では,近年,副診断に広汎性発達障害(pervasive developmental disorder:PDD)や注意欠如・多動性障害(attention deficit/hyperactivity disorder:ADHD)という診断がつくのではないかと思われる,「発達障害」の患者増がホット・トピックとなっている.しかしながら,診療科によっては「発達障害」のある子どもは知っていても,発達障害をもったまま,成人した大人とはどういう人たちなのか,まだ馴染みのない読者の方もおられるかもしれない.
 これまでは,発達障害の患者(ほとんどは児童期に受診)は,小児科や児童精神科を受診し,多くは成人後もそのまま診療が継続されることが多いため,発達障害の大人は限られた医師が限られた医療機関で診ていたにすぎなかった.
 一方,近年注目される「発達障害の大人」は,未診断・未治療のまま社会に出て初めて大きな挫折を体験し,苦悩する人々を指している.発達障害の子どもとの違いは,児童期には顕著だった障害部分は発達過程のなかで各人の努力により,ある程度カバーされているという点である.だから,一見したところ,わかりにくい.長い発達過程における経験の個人差も強く影響することから,診断だけで説明しがたいさまざまな側面もある.
 本号では,発達障害の大人について,最近ようやくわかってきたエビデンスの芽生えを読者と共有することが狙いである.まだ地域のケア・システムは整備されておらず,専門機関も不在のなか,プライマリ・ケア医である読者のみなさんは,彼らの何らかのサインをみつける最初の専門家かもしれない.本特集が,読者の今後の診療の何らかのヒントとなるのであれば,これ以上心強いことはない.


神尾陽子  
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 児童・思春期精神保健研究部 部長


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≪特集の目次≫


今月の視点(神尾陽子)

■総 論
診療の視点 ─何ができるか(神尾陽子)
Social policy としての成人発達障害者に対する医療(福田祐典)
大人の自閉症スペクトラム障害の診断(内山登紀夫)
大人のADHD の診断(中村和彦)
大人の発達障害と医療,保健,福祉サービス(近藤直司)

すんなりわかる
実践! 大人の発達障害(濱野貴通)

■各 論
併存障害への対症療法,発達障害でない患者との相違点(太田豊作,他)
発達障害患者に対する医療機関のデイケア(横井英樹,他)
うつ病と発達障害との接点(宇野洋太,他)
大学生のメンタルヘルスにおける発達障害 ─自閉症スペクトラム障害を中心に(内海 健)
発達障害と司法との接点(安藤久美子)
海外の文献から(土屋政雄)

■Q&A
患者さんの質問に答える ─プライマリ・ケアにおける想定問答集(黒木俊秀)


≪News & Trend≫

「治療」「薬局」合同座談会
新薬登場から1 年! 認知症治療の現状(川畑信也,他)


≪Series≫

温故医新(27)
総合医学としての子どもの心の診療のあり方(神尾陽子)

エキスパートの思考法 認知症診療(3)
病歴,問診・診察から診断を考える③(川畑信也)

医師と患者のコミュニケーション(5)
インフォームド・コンセントに関して② 大臣・事務次官モデル(和田忠志)

何が正解? 循環器治療 EBM で検証(60)
薬剤溶出性ステントはベアメタルステントより優れているのか ─DES の現状と今後について─(高村 武,他)
2,750円
特集:『血圧コントロール不良への対処
-臨床高血圧の最重要課題をどう対処しますか?-』



≪今月の視点≫

 近年,厳格な血圧管理による脳・心血管・腎臓保護効果は明確に示され,臨床的に使用できる降圧薬にも多くの選択肢が増えた.しかし,日常診療においてはまだまだ十分な降圧が達成されているとはいい難い.
 この血圧コントロール不良の背景には,わが国の高齢化と肥満・メタボリックシンドロームの増加がある.加齢と肥満は食塩感受性を増大させることが知られており,食塩摂取が多いわが国の高血圧患者においては血圧コントロール不良の重要な原因となる.さらに,わが国では,糖尿病や慢性腎臓病が増加し,心房細動や心血管疾患を合併するハイリスク高血圧患者が増加している.これらの合併症を有する高血圧患者は,血圧のサーカディアンリズムが障害されたnon-dipperやriserパターンを示し,血圧変動性も増大していることが知られており,夜間・早朝血圧も含めた「パーフェクト24時間血圧コントロール」が必要なハイリスク高血圧患者である.
 薬剤選択では,心疾患を合併する場合はβ遮断薬を優先するが,通常の降圧療法では,カルシウム拮抗薬,レニン・アンジオテンシン系抑制薬,少量の利尿薬を組み合わせて使用する.この3剤併用療法により,多くの高血圧患者の血圧コントロールが可能であるが,それでもコントロール不良である場合は治療抵抗性高血圧と定義される.近年,この治療抵抗性高血圧に対しては,腎動脈を血管内腔より焼灼する腎交感神経デナーベーションが臨床応用され,その降圧効果に注目が集まっている.
 本特集では,臨床上最も大きな課題である血圧コントロール不良例にいかに対処するかというテーマを掲げ,そのために知っておくべき基礎知識と具体的治療法を,第一線の専門家に解説していただいた.明日からの実地診療にお役立ていただけければ幸いである.

苅尾七臣  自治医科大学内科学講座循環器内科学部門 主任教授


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今月の視点(苅尾七臣)

■血圧コントロール不良例の実際
血圧コントロール不良例の頻度とその規定因子(J-HOME 研究)(小原 拓,他)
血圧コントロール不良例の血圧評価 ─ ABPM の活用法─ (堀尾武史)
血圧コントロール不良例の減塩による降圧・心血管保護効果 (土橋卓也)
RA 系阻害薬投与中のコントロール不良ハイリスク群 (三好賢一,他)
ARB + Ca 拮抗薬併用でも血圧コントロール不良例への対処 (中川直樹,他)
ARB + Ca 拮抗薬+利尿薬併用で血圧が下がらない場合(治療抵抗性高血圧)の対処 (又吉哲太郎,他)

■血圧コントロール不良例への薬の使い方
研究仮説と経験に基づくアルドステロン遮断薬の使い方(福田誠一,他)
研究仮説と経験に基づく交感神経抑制薬の使い方(下澤達雄)
研究仮説と経験に基づくレニン阻害薬の使い方(森本 聡,他)

■ハイリスク患者の血圧コントロール不良例
糖尿病合併例への対処と留意点(栗原 勲,他)
慢性腎臓病患者への対処と留意点(高木彩乃,他)
血圧変動が著しい高齢者高血圧患者への対処と留意点(神出 計,他)
慢性期脳血管障害患者への対処と留意点(棚橋紀夫)
心不全患者への対処と留意点(中川晃志,他)
冠動脈疾患患者への対処と留意点(工藤博司,他)


すんなりわかる
実践! 血圧コントロール不良への対処(柏木秀行)

■治療抵抗性高血圧のデバイス治療
動脈圧受容器刺激装置(松川龍一,他)
腎交感神経デナーベーション(星出 聡)


温故医新(26)
血圧測定の温故知新 ─ 診察室から家庭血圧へ─(苅尾七臣)

医療を適切に受けるためのポライトネス・ストラテジー(15)
診察室のやさしい言葉(矢吹清人)

エキスパートの思考法 認知症診療(2)
病歴,問診・診察から診断を考える②(川畑信也)


よりよい医院経営(84)
医院の組織力を向上する「エンゲージメント」,「学習する組織」─“対話”を活用した医院経営─(吉澤隆治)

医師と患者のコミュニケーション(4)
インフォームド・コンセントに関して① バーチャルな告知(和田忠志)

何が正解? 消化器治療 EBM で検証(81)
総集編 ─ 上部消化管(胃)─ (川名一朗)
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商品情報・内容

  • 出版社:南山堂
  • 発行間隔:月刊
  • 発売日:毎月1日
  • サイズ:B5判

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