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特集:『アレルギー疾患の新常識 -増え続ける疾患に,あなたはどう立ち向かいますか?-』



≪今月の視点≫

 今回の特集の企画をいただいたときに考えたのは,全部読みたくなるような論文を集めようということであった.
 まず,日常診療をしているうえで絶対に必要な新しい知識として,外来で使うアレルギーの薬に関して,経口薬,点鼻薬,点眼薬,そして漢方のような補完代替医療まで,それぞれの第一線の専門家に詳細な使い分けに関して記述いただいた.客観的な視点からそれぞれの特徴を解説いただいたうえで,実地で活躍されている専門医ならではの思い切った主観的なご意見もいただいている.
 第2に,最新のアレルギーに関するトピックについて取りあげている.睡眠,体内時計,汗などはメディアで取りあげられている程度の表面的な内容ではなく,われわれは医療のプロとして,病態生理に基づいた理解が必要であろう.また,重症薬疹や『茶のしずく石鹸』のような社会問題となっているものに関しては,医師として正確な対応が求められる分野であり,必要な事実と現在の対策などに関して詳述いただいている.
 第3に最新の治療に関してまとめていただいた.喘息におけるSMART療法や経口免疫療法は,筆者がヨーロッパで診療していたときに導入され,日常診療に大きな影響があった分野であり,今後のアレルギー診療において重要な役割を果たすものとして,臨床医にとって興味の尽きないところではないであろうか.
 最後に,抗菌薬アレルギー,造影剤過敏症,アナフィラキシーとエピペンなど,実地臨床で頻繁に遭遇する難題に関して,詳細に解説いただいている.ここに書かれている内容を知っているかどうかで一段レベルの違う臨床になるのではないかと考えている.
 今回の特集の論文の題名と著者名を見渡すと,手に取ってすぐに読み始めたい衝動に駆られるのは私だけではないと想像してやまない.


岡田正人 聖路加国際病院アレルギー膠原病科(SLE,関節リウマチ,小児リウマチ) 部長


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≪特集の目次≫

今月の視点(岡田正人)

■外来で使うアレルギーの薬
新しい抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬(衛藤 光)
アレルギー疾患における補完代替医療(田中敏郎)
アレルギー性鼻炎における点鼻薬の使い分け(柳  清)
アレルギー性結膜疾患における点眼薬の使い分け(海老原伸行 )

■アレルギーのトピック
汗とアレルギー(塩原哲夫)
睡眠とアレルギー(小林茂俊)
体内時計とアレルギー(中尾篤人)
慢性咳嗽の診断と治療(佐野博幸,他)
「茶のしずく石鹸」使用者に発症した小麦依存性運動誘発アナフィラキシー(長島真由美,他)
好酸球増多症をみたら(陶山恭博,他)
重症薬疹(浅田秀夫 )

■最新アレルギー治療
アレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法(大久保公裕)
食物アレルギーの経口免疫療法(栗原和幸)
喘息におけるSMART 療法(有岡宏子)

■押さえておきたいアレルギーの常識
アナフィラキシーとエピペン(山口賢一)
虫刺されアレルギー(内田義孝,他)
造影剤過敏症(大原由利,他)
抗菌薬アレルギー(陶山恭博,他)
ヒスタミン中毒(scombroid poisoning)(大原由利,他)
喘息における抗IgE 抗体(冨島 裕)
過敏性肺炎(仁多寅彦)



≪Series≫

温故医新(30)

抗ヒスタミン薬の始まり(岡田正人)

エキスパートの思考法 認知症診療 (6)
改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)をどう利用するか?(川畑信也)

医師と患者のコミュニケーション (8)
共通言語で対話する(和田忠志)

よりよい医院経営(86)
上海地区における日本人の医療事情と今後の医院経営について(守谷知晃 )
2,750円
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特集:『てんかんの診断と連携
-プライマリ・ケア医に求められるてんかん診療-』



≪今月の視点≫

 てんかんは,乳幼児から高齢者までどの年齢層でも発症する患者数の多い疾患で,家庭医・プライマリ・ケア医が遭遇することが多いいわゆるcommon diseaseの1つである.
 てんかんは,その病因により必要な治療と予測される予後はさまざまなため,てんかんの初期診療におけるプライマリ・ケア医が果たす役割は大きく,てんかんであることを早期に見抜いて適切な対応をすることが求められる.
 したがっててんかんの診断には,その初期から複数の診療科間および非専門医と専門医間の連携が必要とされるが,現状では,地域でどの医師がどのようなてんかん診療を行っているのかわかりにくく,また医師同士でどのような患者をどのようなタイミングで紹介すればよいのかもはっきりしていない.
 筆者らは厚生労働省の研究班において,日本てんかん学会と日本医師会の協力を得て,地域でてんかん診療を行っている医師の名簿づくりを行い,2012 年7 月よりウェブサイト「てんかん診療ネットワーク」(http://www.ecn-japan.com/)を開設し,てんかんの診療連携を促進する試みを行っている.
 てんかんでは,60〜70%の患者が抗てんかん薬の服薬で発作が抑制され,社会生活を支障なく送れるとされている.しかしその間,継続的な服薬,身体疾患に関する対応,就学・就労などの生活上の問題への対応などのケアを必要としており,患者に密着した長期的・総合的な対応ができるプライマリ・ケア医の存在が不可欠である.
 本特集は,てんかん患者を診る機会のあるプライマリ・ケア医に必要なてんかんに関する知識と,紹介および逆紹介などの診療連携のタイミングに関する情報を提供することを目的に作成されている.ぜひ,皆様の日常診療のお役に立つことができれば幸甚である.

大槻泰介 国立精神・神経医療研究センターてんかんセンター センター長/脳神経外科診療部長


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≪特集の目次≫


今月の視点(大槻泰介)

■総 論
てんかんの病因と疫学─ 特発性てんかんと症候性てんかん─(大槻泰介)
小児のてんかん ─てんかん発作の症状と診断・治療アルゴリズム─(宮本雄策,他)
成人および高齢者のてんかん ─てんかん発作の症状と鑑別すべき疾患─(赤松直樹,他)
プライマリ・ケア医のためのてんかん薬物治療 ─抗てんかん薬の使い方入門─(神 一敬,他)
プライマリ・ケア医に必要なてんかん外科治療の知識 ─手術で治るてんかんの早期診断と早期治療─(馬場好一)
てんかん診療における医療連携と社会的医療資源 ─てんかんの一次・二次・三次医療─(井上有史)

■各 論
どのような場合に小児神経科専門医に紹介すべきか?(小国弘量)
どのような場合に神経内科専門医に紹介すべきか?(井内盛遠,他)
どのような場合に脳神経外科専門医に紹介すべきか?(二宮宏智,他)
どのような場合に精神科専門医に紹介すべきか?(渡邊さつき,他)
どのような場合にてんかん専門医あるいはてんかんセンターに紹介すべきか?(亀山茂樹)

すんなりわかる
実践! てんかんの診断と連携(岩佐 紘)

■Q&A
小児にみられる発達障害や行動異常とてんかんの関係について教えてください.てんかんの治療でこれらの症状がよくなることはあるのでしょうか?(須貝研司)
乳幼児・小児でみられるてんかん発作と紛らわしい症状にはどのようなものがありますか? 対応法は?(奥村彰久)
熱性けいれんはてんかんなのでしょうか? 検査や治療が必要な場合,および予後を教えてください(白石秀明)
失神発作とてんかん発作,それぞれの機序・鑑別法・対処法について教えてください(菅野秀宣)
心疾患による意識消失発作とてんかん発作の見分け方,そして抗てんかん薬による心機能障害について教えてください(神 一敬)
てんかんと認知症はどう鑑別すればよいでしょうか? 認知症と間違われやすいてんかん,および認知症に合併するてんかんについて教えてください(木下真幸子)
遺伝子検査がてんかんの診断や治療に役立つ場合はありますか?(友納優子,他)
てんかんを診断するにはどのような検査が必要ですか? 最低限必要なこと,および最新情報も教えてください(高橋章夫)
全身けいれん発作を起こした患者にはどう対処したらよいでしょうか?(太組一朗)
複雑部分発作および自動症とはどういう発作なのですか?(貴島晴彦)
精神疾患と間違われやすいてんかん発作,心因性発作(偽発作),てんかんに合併する精神症状について教えてください(岡崎光俊)
抗てんかん薬はいつ開始すべきで,いつまで飲み続けるのでしょうか? また,てんかんが治ることはあるのでしょうか?(小林勝弘)
てんかん患者は日常生活や社会生活においてどのようなことで困っているのでしょうか?(久保田英幹)
プライマリ・ケア医に必要なてんかんと運転免許の知識について教えてください.どのように指導すればよいのでしょうか?(笹川睦男)


≪News & Trend≫

「治療」「薬局」合同座談会
薬物療法の実践! 認知症患者の薬物療法の難しさ(川畑信也,他)


≪Series≫

温故医新(29)

手術で治るてんかん(大槻泰介)

エキスパートの思考法 認知症診療(5)
病歴,問診・診察から診断を考える⑤(川畑信也)

医師と患者のコミュニケーション(7)
降圧薬服用に抵抗を感じる患者さん②(和田忠志)

よりよい医院経営(86)
「連携」を超えた「一体性」から創造される在宅ホスピスケア(野島あけみ)

何が正解? 循環器治療 EBM で検証(最終回)
高血圧から発症する慢性心不全とは?(内野和顕,他)
2,750円
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特集:『肝疾患 up to date
-プライマリ・ケアで押さえておきたい最新トピックス-』



≪今月の視点≫

 近年の肝疾患診療には著しい進歩があり,より専門的知識が要求されるようになってきた.とくに,C型慢性肝炎に対するテラプレビルを含めた3剤併用抗ウイルス療法や肝細胞癌に対する分子標的治療薬であるソラフェニブは重篤な副作用が出現する可能性があるため,肝臓専門医に限定して使用が可能となっている.一方,わが国の慢性肝疾患の多くを占めるC型肝炎患者は高齢化が進んでおり,糖尿病をはじめとした合併疾患をもっていることが多いため,慢性肝疾患患者の合併疾患をプライマリ・ケア医が診療する機会は多いと思われる.その際には,専門的知識までは必要ないにしろ,肝疾患の最新情報に関してある程度の知識が必要である.
 また,わが国においても食の欧米化と運動の機会が減少したことにより肥満人口が増加し,健康診断受診者のうち脂肪肝によると思われる肝機能障害を指摘される症例が多くなっている.このような症例が二次検査目的でプライマリ・ケア医へ訪れた場合,原因疾患の鑑別においてウイルス性肝炎や非アルコール性脂肪性肝炎を見逃してしまうと,肝硬変,肝細胞癌の存在も見逃してしまうことになる.とくに,非アルコール性脂肪性肝炎は膵癌と同様に糖尿病患者に合併することが多いため,外来で糖尿病患者を診る機会が多いプライマリ・ケア医は非アルコール性脂肪性肝炎の知識をもつことは必須と考えられる.
 今回,プライマリ・ケア医の日常診療に役立つと思われる肝疾患のトピックスをあげ,これらのトピックスについて第一線で活躍されている先生方からプライマリ・ケア医へ情報発信していただいた.この企画が新たな患者の掘り起こしやスムーズな病診連携の一助となれば幸いである.

今井康晴 東京医科大学消化器内科 准教授


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≪特集の目次≫


今月の視点(今井康晴)

■肝疾患の検査に関連するトピックス
健診で肝機能障害を指摘された患者が来たらどうするか(植村一幸)
健診の超音波検査で肝腫瘤を認めたらどうするか(小川眞広)
慢性肝疾患の線維化診断と発癌の関係(飯島尋子,他)

■ウイルス性慢性肝炎に関するトピックス
B 型肝炎ウイルスマーカーの知識を整理する(竹越國夫)
B 型慢性肝炎の治療はどのような患者にどの治療を選択しているのか(田中榮司)
de novo B 型肝炎を知る(持田 智)
C 型慢性肝炎の最新治療と将来展望(中村郁夫)
インターフェロン療法で著効となったC 型肝炎患者の経過観察(川村祐介,他)

■肝硬変に関するトピックス
ウイルス性肝硬変患者への抗ウイルス療法(西村貴士,他)
肝硬変栄養療法のアセスメントと指導を外来でどのように進めるか(今井康晴,他)
腹水・浮腫を伴う肝硬変患者のマネジメント(榎本平之,他)
肝性脳症の診断・治療に必要な知識(ミニマル肝性脳症を含めて)(鈴木一幸,他)

■肝細胞癌に関するトピックス
肝細胞癌を早期診断するにはどうするか(福田和人,他)
肝細胞癌治療の最新情報(内科から)(今井康晴)
肝細胞癌治療の最新情報(外科から)(三瀬祥弘,他)
肝細胞癌治療の最新情報(放射線科から)(北岡久美子,他)

■その他の病態に関するトピックス
急性肝炎の診断と専門医に紹介するタイミング(安田清美)
脂肪肝患者への対処(NASH を含めて)(戸張真紀,他)
B 型肝炎でもない,C 型肝炎でもない慢性肝疾患の診かた(能祖一裕)
肝癌をはじめとする肝疾患の肝移植(宜保行雄)


≪News & Trend≫

「治療」「薬局」合同座談会
使いやすさを検証する!
さまざまな視点からみたアルツハイマー病治療薬(川畑信也,他)


≪Series≫

温故医新(28)

肝炎診療の礎を知る(今井康晴)

エキスパートの思考法 認知症診療(4)
病歴,問診・診察から診断を考える④(川畑信也)

医師と患者のコミュニケーション(6)
降圧薬服用に抵抗を感じる患者さん①(和田忠志)

よりよい医院経営
人事評価と人材管理(マネジメント)(幸田千栄子)

何が正解? 消化器治療 EBM で検証(最終回)
総集編─ 大腸・肝臓・膵臓─ (川名一朗)
2,750円
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特集:『大人の発達障害
-わかっていること・できることをいま整理する-』



≪今月の視点≫

 なぜ今,大人の発達障害特集なのか.精神科では,近年,副診断に広汎性発達障害(pervasive developmental disorder:PDD)や注意欠如・多動性障害(attention deficit/hyperactivity disorder:ADHD)という診断がつくのではないかと思われる,「発達障害」の患者増がホット・トピックとなっている.しかしながら,診療科によっては「発達障害」のある子どもは知っていても,発達障害をもったまま,成人した大人とはどういう人たちなのか,まだ馴染みのない読者の方もおられるかもしれない.
 これまでは,発達障害の患者(ほとんどは児童期に受診)は,小児科や児童精神科を受診し,多くは成人後もそのまま診療が継続されることが多いため,発達障害の大人は限られた医師が限られた医療機関で診ていたにすぎなかった.
 一方,近年注目される「発達障害の大人」は,未診断・未治療のまま社会に出て初めて大きな挫折を体験し,苦悩する人々を指している.発達障害の子どもとの違いは,児童期には顕著だった障害部分は発達過程のなかで各人の努力により,ある程度カバーされているという点である.だから,一見したところ,わかりにくい.長い発達過程における経験の個人差も強く影響することから,診断だけで説明しがたいさまざまな側面もある.
 本号では,発達障害の大人について,最近ようやくわかってきたエビデンスの芽生えを読者と共有することが狙いである.まだ地域のケア・システムは整備されておらず,専門機関も不在のなか,プライマリ・ケア医である読者のみなさんは,彼らの何らかのサインをみつける最初の専門家かもしれない.本特集が,読者の今後の診療の何らかのヒントとなるのであれば,これ以上心強いことはない.


神尾陽子  
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 児童・思春期精神保健研究部 部長


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≪特集の目次≫


今月の視点(神尾陽子)

■総 論
診療の視点 ─何ができるか(神尾陽子)
Social policy としての成人発達障害者に対する医療(福田祐典)
大人の自閉症スペクトラム障害の診断(内山登紀夫)
大人のADHD の診断(中村和彦)
大人の発達障害と医療,保健,福祉サービス(近藤直司)

すんなりわかる
実践! 大人の発達障害(濱野貴通)

■各 論
併存障害への対症療法,発達障害でない患者との相違点(太田豊作,他)
発達障害患者に対する医療機関のデイケア(横井英樹,他)
うつ病と発達障害との接点(宇野洋太,他)
大学生のメンタルヘルスにおける発達障害 ─自閉症スペクトラム障害を中心に(内海 健)
発達障害と司法との接点(安藤久美子)
海外の文献から(土屋政雄)

■Q&A
患者さんの質問に答える ─プライマリ・ケアにおける想定問答集(黒木俊秀)


≪News & Trend≫

「治療」「薬局」合同座談会
新薬登場から1 年! 認知症治療の現状(川畑信也,他)


≪Series≫

温故医新(27)
総合医学としての子どもの心の診療のあり方(神尾陽子)

エキスパートの思考法 認知症診療(3)
病歴,問診・診察から診断を考える③(川畑信也)

医師と患者のコミュニケーション(5)
インフォームド・コンセントに関して② 大臣・事務次官モデル(和田忠志)

何が正解? 循環器治療 EBM で検証(60)
薬剤溶出性ステントはベアメタルステントより優れているのか ─DES の現状と今後について─(高村 武,他)
2,750円
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特集:『血圧コントロール不良への対処
-臨床高血圧の最重要課題をどう対処しますか?-』



≪今月の視点≫

 近年,厳格な血圧管理による脳・心血管・腎臓保護効果は明確に示され,臨床的に使用できる降圧薬にも多くの選択肢が増えた.しかし,日常診療においてはまだまだ十分な降圧が達成されているとはいい難い.
 この血圧コントロール不良の背景には,わが国の高齢化と肥満・メタボリックシンドロームの増加がある.加齢と肥満は食塩感受性を増大させることが知られており,食塩摂取が多いわが国の高血圧患者においては血圧コントロール不良の重要な原因となる.さらに,わが国では,糖尿病や慢性腎臓病が増加し,心房細動や心血管疾患を合併するハイリスク高血圧患者が増加している.これらの合併症を有する高血圧患者は,血圧のサーカディアンリズムが障害されたnon-dipperやriserパターンを示し,血圧変動性も増大していることが知られており,夜間・早朝血圧も含めた「パーフェクト24時間血圧コントロール」が必要なハイリスク高血圧患者である.
 薬剤選択では,心疾患を合併する場合はβ遮断薬を優先するが,通常の降圧療法では,カルシウム拮抗薬,レニン・アンジオテンシン系抑制薬,少量の利尿薬を組み合わせて使用する.この3剤併用療法により,多くの高血圧患者の血圧コントロールが可能であるが,それでもコントロール不良である場合は治療抵抗性高血圧と定義される.近年,この治療抵抗性高血圧に対しては,腎動脈を血管内腔より焼灼する腎交感神経デナーベーションが臨床応用され,その降圧効果に注目が集まっている.
 本特集では,臨床上最も大きな課題である血圧コントロール不良例にいかに対処するかというテーマを掲げ,そのために知っておくべき基礎知識と具体的治療法を,第一線の専門家に解説していただいた.明日からの実地診療にお役立ていただけければ幸いである.

苅尾七臣  自治医科大学内科学講座循環器内科学部門 主任教授


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今月の視点(苅尾七臣)

■血圧コントロール不良例の実際
血圧コントロール不良例の頻度とその規定因子(J-HOME 研究)(小原 拓,他)
血圧コントロール不良例の血圧評価 ─ ABPM の活用法─ (堀尾武史)
血圧コントロール不良例の減塩による降圧・心血管保護効果 (土橋卓也)
RA 系阻害薬投与中のコントロール不良ハイリスク群 (三好賢一,他)
ARB + Ca 拮抗薬併用でも血圧コントロール不良例への対処 (中川直樹,他)
ARB + Ca 拮抗薬+利尿薬併用で血圧が下がらない場合(治療抵抗性高血圧)の対処 (又吉哲太郎,他)

■血圧コントロール不良例への薬の使い方
研究仮説と経験に基づくアルドステロン遮断薬の使い方(福田誠一,他)
研究仮説と経験に基づく交感神経抑制薬の使い方(下澤達雄)
研究仮説と経験に基づくレニン阻害薬の使い方(森本 聡,他)

■ハイリスク患者の血圧コントロール不良例
糖尿病合併例への対処と留意点(栗原 勲,他)
慢性腎臓病患者への対処と留意点(高木彩乃,他)
血圧変動が著しい高齢者高血圧患者への対処と留意点(神出 計,他)
慢性期脳血管障害患者への対処と留意点(棚橋紀夫)
心不全患者への対処と留意点(中川晃志,他)
冠動脈疾患患者への対処と留意点(工藤博司,他)


すんなりわかる
実践! 血圧コントロール不良への対処(柏木秀行)

■治療抵抗性高血圧のデバイス治療
動脈圧受容器刺激装置(松川龍一,他)
腎交感神経デナーベーション(星出 聡)


温故医新(26)
血圧測定の温故知新 ─ 診察室から家庭血圧へ─(苅尾七臣)

医療を適切に受けるためのポライトネス・ストラテジー(15)
診察室のやさしい言葉(矢吹清人)

エキスパートの思考法 認知症診療(2)
病歴,問診・診察から診断を考える②(川畑信也)


よりよい医院経営(84)
医院の組織力を向上する「エンゲージメント」,「学習する組織」─“対話”を活用した医院経営─(吉澤隆治)

医師と患者のコミュニケーション(4)
インフォームド・コンセントに関して① バーチャルな告知(和田忠志)

何が正解? 消化器治療 EBM で検証(81)
総集編 ─ 上部消化管(胃)─ (川名一朗)
2,750円
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特集:『心房細動の抗凝固療法
-選択肢が増えたいま,正しい知識で賢く活用!-』



≪今月の視点≫

 2012年3月,第76回日本循環器学会学術集会が福岡で開催された(会長:鄭 忠和/鹿児島大学大学院教授).メインテーマは「愛と情熱─アジアから世界へ─」である.そのメモリアルレクチャー(プレナリーセッション)に,福岡県久山町疫学研究50周年を記念した国際シンポジウムが開かれた.時と地にふさわしい企画であった.
 久山町研究は当初脳卒中の実態調査が主であったとされるが,現在では生活そのものが対象である.久山町 成人病健診20周年記念「健康宣言」を紹介したい(http://www.town.hisayama.fukuoka.jp/50kenkou/kenkousengen.html).久山町民は,「バランスのとれた食生活をする」,「毎日働いて汗を流す」,「一日一日規則正しい生活をする」,「あらゆる健診をうけ早期発見・早期治療に努める」,「世のため人のため誇りをもって剖検をうける」との内容に感銘を受けた.久山町の1961年から今日に至るデータによると,全脳梗塞に占める各病型の割合が,男性ではラクナ梗塞が減り,アテローム血栓性脳梗塞および心原性脳塞栓の割合が増え,一方女性ではラクナ梗塞とアテローム血栓性脳梗塞の割合にトレンドはなかったが,心原性脳塞栓の割合が増加した.高齢化と生活習慣病罹患率の増加に伴う非弁膜症性心房細動の増加による結果と考えられ,心房細動の薬物治療,とくに抗凝固薬の使い方やワルファリン以外の新薬(抗トロンビン薬,抗Xa薬など)への取り組み,適応,選択,切り替え,導入,維持,抗血小板薬との併用などがこれからの重要な治療標的となる.
 今回の特集では,心房細動,心不全,冠疾患,腎不全などの状況下での抗凝固療法の意義をわかりやすく解説していただいた.本誌が,さまざまな病態を合併する症例の治療におけるディシジョンメイキングの一助となれば幸いである.

朔 啓二郎  福岡大学医学部心臓・血管内科学 主任教授


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今月の視点(朔 啓二郎)

■座談会
循環器内科医からみる新規経口抗凝固薬の可能性(朔 啓二郎,他)

■総 論
心房細動における抗凝固療法の適応と選択(鈴木信也,他)
抗凝固療法の導入と手術時の中止・切り替えのコツ(清水昭彦)
抗凝固療法の維持 ―質を高める工夫はあるのか―(奧山裕司)
新規抗凝固薬はどうなっているか(是恒之宏)

■各 論
高齢者の抗凝固療法のコツと注意点(矢坂正弘)
心不全患者の抗凝固療法はどうするか(小川正浩)
心房細動アブレーション患者の抗凝固療法はどうするか(宮内靖史)
脳卒中後の心房細動の抗凝固療法と管理はどうするか(小林潤平,他)
冠動脈形成術後の心房細動の抗凝固療法 ─抗血小板薬との併用はどうするか─(海北幸一)
腎不全の心房細動患者の抗凝固療法はどうするか(伊藤建二,他)
心房細動の抗凝固薬と抗不整脈薬の併用にポイントはあるか(里見和浩)

すんなりわかる
実践! 心房細動の抗凝固療法(安藤 諭)

■Q&A
ワルファリンとダビガトランの使い分けはどうすればよいですか?(松本直通)
ダビガトランを使用する際に注意点はありますか?(小島 淳,他)
透析患者における抗凝固療法はどうすればよいですか?(深江学芸)
ワルファリンもダビガトランも少量で効果は期待できますか?(上山 剛)
抗凝固療法中に出血性合併症が出現した際の対応はどうすればよいですか?(安田智生)
ワルファリン以外の抗凝固薬の効果のモニタリングは可能ですか?(小宮憲洋)
肝機能低下または腎機能低下時の抗凝固療法はどのようにしますか?(琴岡憲彦)

温故医新(25)
心不全の治療 ─治療は診断である─(朔 啓二郎)
→当時の論文を全文閲覧できます(PDF:8.9MB)

医療を適切に受けるためのポライトネス・ストラテジー(14)
医療ポライトネス・ストラテジーを応用した迅速問診(徳田安春)

エキスパートの思考法 認知症診療(1)
病歴,問診・診察から診断を考える①(川畑信也)

医師と患者のコミュニケーション(3)
キーパーソンの設定と対話 ─家族の構造変化を知る─(和田忠志)

よりよい医院経営(83)
これからの地域連携 ─市川市における医療・介護連携の取り組み─(大塚光宏)

何が正解? 循環器治療 EBM で検証(59)
心不全における貧血管理(上村大輔,他)
2,750円
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特集:『インクレチン関連薬を使いこなす
-かゆいところに手が届く! Q&Aで「知りたい」を「わかった」に-』



≪今月の視点≫

 糖尿病患者は900万人を突破していると報道されている.しかしその約半数しか医療管理下に置かれていないのも現実で,今後合併症の爆発的発症を危惧する意見が多い.
 ところで2012年1月現在,約200万人弱の糖尿病患者に,2009年12月に市場に出現したインクレチン関連薬が投与されていることも糖尿病専門医として驚きを禁じ得ない.多くのプライマリ・ケア医が本薬の臨床経験が少ないのにもかかわらず,多少の不安を抱えながら投与されていることと推察される.
 そこで本特集は,プライマリ・ケア医である筆者が,本薬使用に当たって押さえるべき点,はっきりしたい点を中心に,この分野のトップランナーの先生方に25の質問(Q)を投げかけ,簡潔明瞭な回答(A)で解説していただくことにした.回答する先生方の半数は筆者がまとめ役をしている糖尿病専門クリニックの勉強会である全国臨床糖尿病医会の主力メンバーで,管理糖尿病患者1,000人を超え,かつ本薬の臨床経験の豊富な先生方である.
 筆者の期待どおり,完成した各論文は単なる解説ではなく多くの自験例から得た執筆者の確固たるポリシーと,適切なEBMに基づいた明確な回答で示してあり,その他,保険診療や医療経済からみた本剤の使用など,今までにない切り口でインクレチン関連薬を解説してある.プライマリ・ケア医が本剤を正しく使用する一助になることを期待するものである.

伊藤眞一 伊藤内科クリニック院長/全国臨床糖尿病医会会長


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今月の視点(伊藤眞一)
■Q&A
Q1  糖尿病の勉強会に行くと,以前あまり聞くことがなかったインクレチンというホルモンの話がやたら出てきます.糖代謝に関係しているホルモンだと思っておりますが,どのように理解したらよいのでしょうか?(飯降直男,他)
Q2  SU 薬とインクレチン関連薬の膵臓に対する作用機序の差異をわかりやすく教えてください(足立淳一郎,他)
Q3  インクレチンの糖代謝に対する作用のほか,最近膵外作用が報告されているようです.心血管などにはどうでしょうか?(安成英輔,他)
Q4  インクレチン関連薬使用にあたり必要な臨床検査にはどんなものがあり,それをどう読めばよいのでしょうか?  また投与後経過をみるにはどの検査をすればよいのですか?(長坂昌一郎)
Q5  DPP-4 阻害薬が市場に出ていますが,経口薬としてのポジションはどこですか?(川井紘一)
Q6  DPP-4 阻害薬はdrug-na?ve 2 型糖尿病患者の第一選択薬として適当と思われますか?(川井紘一)
Q7  現在4 種類のDPP-4 阻害薬が市場に出ていますが,薬効の強弱など層別化が可能ですか?(杉本英克)
Q8  4 種類のDPP-4 阻害薬ですが,保険上の併用が可能かどうかはそれぞれどのようになっていますか?(杉本英克)
Q9  DPP-4 阻害薬は,たしかに血糖コントロールはよくなりますが,使用後6ヵ月程度で再びコントロールが悪化するような気がしますがどうでしょうか?(杉本英克)
Q10  インクレチン関連薬でDPP-4 阻害薬とは異なる注射薬が出たそうですが,どう異なるのですか? また,インスリンの注射とはどう違うのですか?(宮川高一)
Q11  現在,ビクトーザ? とバイエッタ? の2 種類の注射があるそうですが,注射導入の方法と可能な併用薬について教えてください(宮川高一)
Q12  GLP-1 受容体作動薬をどのような患者に使用すべきと思われますか? また使用しないほうがよいと思われる症例は?(宮川高一)
Q13  インクレチン関連薬の薬効の1 つのうち,大切なものに体重減少があると思うのですが,この点についてDPP-4 阻害薬およびGLP-1 受容体作動薬に分けて教えてください(栗原義夫)
Q14  従来は糖尿病治療開始時にインスリン分泌不全,インスリン抵抗性の2 つのファクターを考えてみよ,といわれていましたが,インクレチン関連薬の場合はどうですか? インクレチン関連薬投与で脂質の改善,血圧の改善はみられますか?(栗原義夫)
Q15  2011 年9 月よりDPP-4 阻害薬とインスリン製剤の併用が認められました.どのような考えからそのように認められるようになったのですか? また,どのような症例に併用をするのでしょうか?(船山秀昭)
Q16  インスリンの節約作用としてDPP-4 阻害薬に臨床的意義はあるのですか? DPP-4 阻害薬の薬効がいまひとつの場合にインスリン製剤を乗せるのは有効でしょうか?(船山秀昭)
Q17  インクレチン関連薬のresponder,non-responder について教えてください(船山秀昭)
Q18  インクレチン関連薬投与による低血糖が問題となっていますが,どのような症例に起こるのでしょうか?(辻野元祥)
Q19  免疫系の変化,膵炎,膵腫瘍がよく記載されていますが,インクレチン関連薬使用にあたって今後注意深くチェックする点はあるでしょうか?(辻野元祥)
Q20  CGM とはなんですか? SMBG と比較してどのような点がよいのですか?(森  豊)
Q21  DPP-4 阻害薬の効果をCGM からみるとどのようなことがいえますか?(森  豊)
Q22  GLP-1 受容体作動薬の効果をCGM からみるとどのようなデータでしょうか?(森  豊)
Q23  現在市場に出ている4 種のDPP-4 阻害薬の腎機能に配慮した使い方を教えてください(安藤亮一)
Q24  DPP-4 阻害薬は2012 年1 月現在,200 万人弱の糖尿病患者に使用されていると聞きますが,なぜこの薬がこのように糖尿病の治療を一変させてしまったのでしょうか…使用してみてどのような点が優れているのですか? 一方GLP-1 受容体作動薬は現在,一般的な治療とまでは達していないようですが,なぜですか?(伊藤眞一)
Q25 「 糖尿病患者をいかに“治療中断”せず医療管理下に置くか」を絶えず念頭に診療をしておりますが,最近,中断の原因として経済的理由が重要視されているようです.医療経済的視点からみて,インクレチン関連薬使用で知っておかなければならない重要な点は何ですか?(伊藤眞一)

すんなりわかる
実践! インクレチン関連薬を使いこなす(木村武司,他)

温故医新(24)
「糖尿病治療の動向(昭和33年)」から今の治療を考える(伊藤眞一)

医師と患者のコミュニケーション(2)
学生の在宅医療実習(和田忠志)

再生医学のいま ―基礎研究から臨床への展開に向けて―(56)
神経障害性疼痛(complex regional pain syndrome(CRPS) を含む)に対する生体内再生治療(稲田有史,他)

よりよい医院経営(82)
遠隔診療の「見える化」─離れていても向き合える─(山本 伸)
2,750円
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特集:『外来でのアルコール問題
- プライマリ・ケアで遭遇する,アルコール問題を抱えた患者の診かた -』


≪今月の視点≫

「不眠が生じた場合,どのような行動をとるか」を国際比較したデータによると,「医療機関を訪れることが最も少なく,飲酒する率が最も高いのは日本」とされている.この結果の妥当性を実感したのは,昨年,東日本大震災の約半年後に,被災地に医療支援のため赴いたときである.被災地の保健所で保健相談を行ったが,被災後に生じた不眠・不安を紛らわすため飲酒量が増え,その結果,心身の不調が生じているにもかかわらず,医療受診をためらっている方が目立った.筆者を含め多くの医療支援者にとって,過量飲酒がもたらす問題点を伝え,医療受診を促すことが,支援活動の大きな役割の1つであった.
 被災地を去るにあたり,不安が残ったのは,飲酒の問題が生じている被災者が地元の医療機関を訪れた際,どのような対応がなされるかである.過量飲酒がもたらした疾患だけが治療対象となり,飲酒行動自体,あるいは過量飲酒に至る心理社会的問題が顧みられなければ,十分な改善は期待できない.
 被災地の医療支援で感じたことは,「平時の医療や保健体制が不十分な部分は,たとえ被災後に支援を得たとしても,十全に機能するものではない」という点である.普段の医療・保健の水準を十分に高めておくことは,防災上も重要である.しかしながら,アルコール摂取は多様な身体・精神疾患と密接な関連するにもかかわらず,わが国のアルコール問題に対応する医療・保健体制は,残念ながら十分とはいえない.
 このような状況を踏まえ,本特集は一般の医療・保健にかかわる方々に,アルコール問題への対応法を提供することを企図した.総論,各論に加えて,医療・保健場面で想定される質問事項にどう答えるかを具体的に示したQ&Aコーナーを設けた.アルコール問題への関心の高まりと,対応の向上につながることを願うものである.

尾崎紀夫 名古屋大学大学院医学系研究科精神医学・親と子どもの心療学分野 教授


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今月の視点(尾崎紀夫)
■総 論
外来でのアルコール依存の対応(吉村 淳,他)
一般医と精神科医の連携,自助グループについて(西山 仁)
アルコール関連問題基本法(仮称)の制定で何が変わるのか?(烏帽子田 彰)
アルコール医療の新たな展開─ 多量飲酒者対策を含めた医療へ─(杠 岳文)
■各 論
アルコール性肝障害における肝移植(木村宏之)
摂食障害とアルコール・薬物依存(切池信夫)
うつ病,双極性障害とアルコール・薬物依存(中野和歌子,他)
アルコールと睡眠障害(穐山真由美,他)
アルコール・薬物問題と自殺予防(松本俊彦)
■Q&A
お酒を飲んだら車を運転するまでに,どのくらい待たなければならないでしょうか?(松本博志)
飲酒後に顔の赤くなる人は,お酒が体質に合っているのでしょうか?(樋口 進)
飲みすぎで起こる身体の病気にはどのようなものがありますか?(藤田尚己,他)
アルコール依存症と大酒飲みはどこが違うのでしょうか?(中山秀紀)
大酒飲みに対する節酒の指導方法を教えてください(角南隆史,他)
お酒を飲んで暴れたり,大声を出したりして周りに迷惑をかける人にはどのように対処したらよいでしょうか?(村山昌暢)
アルコール依存症の否認とその対処法について教えてください(福田貴博)
抗酒薬とはどのような薬で,どのように使ったらよいでしょうか?(長 徹二)
女性は男性に比べて,飲酒の影響が出やすいと聞いていますが…(真栄里 仁,他)
高齢者の飲酒問題とその対処法について教えてください(松下幸生)
外来患者の家族から本人の飲酒で困っていると相談されました(藤田さかえ)
薬を服用している患者が飲酒を希望するときはどうしたらよいでしょうか?(堀江義則)

すんなりわかる
実践! 外来でのアルコール問題(山梨啓友)

温故医新(23)
アルコール依存症治療の進歩(樋口 進)

医療を適切に受けるためのポライトネス・ストラテジー(13)
患者が医療チームの一員となるための看護師の役割(井部俊子)

医師と患者のコミュニケーション(1)
学生の外来実習への対応(和田忠志)

よりよい医院経営(81)
マインドマップによる医療の「見える化」─ 医院が健康啓発コミュニティの中枢へ─ (山本 伸)

何が正解? 循環器治療 EBM で検証(58)
虚血性心疾患におけるMRI 検査の有用性(加藤真吾,他)

臨床経験
オキサリプラチン誘発性末梢神経障害に対するプレガバリンの使用経験(間遠一成 他 584
自律神経免疫治療は末期悪性腫瘍症例の生活の質を高める(班目健夫)
西洋医学的治療と自律神経免疫治療とを併用した前立腺癌の1 症例(班目健夫)
2,750円
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特集:『過敏性腸症候群の診かた
- 専門領域を越えた,さまざまなアプローチ法とは? -』


≪今月の視点≫

 腹痛,腹部膨満感,便秘,下痢などの症状の原因疾患として最も多いのは過敏性腸症候群であろう.正確な患者数は明らかではないか日本人では10〜15%の有病率で患者数は1,200万人を超えるのではないかともいわれている.先進国で有病率が高くアメリカでの患者数は約6,000万人との報告もある.
 多彩な消化器症状だけでなく他臓器によると思われる症状を伴うこともある.またほとんどの年齢層でもみられる疾患であることも加わり,診断・治療に携わる診療科が大変多くなっている.消化器内科,総合内科,総合診療科,心療内科,精神科,小児科などが診療を行っている.
 治療法も食事,運動,薬物,カウンセリング,鍼灸療法など多くが試みられている.生命を脅かすような疾患ではないがQuality of life(生活の質)が大きく下げられている患者も多く,この疾患による症状のため仕事を休む人も多く,大きな社会的損失になっているとの報告もあり,現在よりよい効果的な治療法が望まれている.いくつかの診断基準があるが,世界で最もよく用いられているものの1つにRomeⅢ基準があり,いくつかの病型分類がなされているが,果たしてこれらのすべてが同じ原因であり,同じ疾患であるかは明らかとなってはいないであろう.
 今回いくつかの観点から過敏性腸症候群について解説していただくとともに,さまざまな診療科の先生方にそれぞれの立場から過敏性腸症候群の特徴,診断・治療について教えていただくことにより,日常の診療に役に立つだけでなく過敏性腸症候群を1つの疾患群と考えてよいのかどうかもみえてくるのではないだろうか.

川名一朗 横浜市立大学附属病院消化器内科 准教授


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今月の視点(川名一朗)
■総 論
過敏性腸症候群の疫学 ―日本の疫学を中心に―(川島耕作,他)
■診 断
診断基準(水田陽平,他)
■病型分類
下痢型(稲森正彦)
便秘型(中島滋美)
混合型(天野智文)
■治 療
ガイドラインに基づく治療方針(多田育賢,他)
食事療法(稲富 理,他)
薬物療法(西澤俊宏,他)
漢方療法(武田宏司)
精神療法(山口 力,他)
鍼灸療法(松本 淳,他)
■それぞれの診療科の立場から
消化器内科(眞部紀明,他)
総合診療科(吉江浩一郎)
心療内科(網谷真理恵,他)
精神科(松島英介)
小児科(小林穂高)

すんなりわかる
実践! 過敏性腸症候群の診かた(茂木恒俊)



≪Series≫
よりよい医院経営(80)
日本医療を見直す ―医療鎖国を考える―(中田健夫)

再生医学のいま -基礎研究から臨床への展開に向けて-(55)
自家培養線維芽細胞によるアンチエイジング(蛯沢克己,他)

何が正解? 消化器治療 EBM で検証(80)
慢性膵炎とアルコール摂取,喫煙(川名一朗,他)
2,750円
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特集:『リウマチ診療のパラダイムシフト
- 大きく変わった診断・治療のエッセンスを徹底解説 -』


≪今月の視点≫

 医学,そして内科学というものは総体として確実に進んでいくものであるが,すべてのサブスペシャリティが等速で進歩しているわけではなく,いくつかの分野が技術革新に伴って飛躍的に進むことで,全体が進歩していく.そうしたなかで関節リウマチの世界は過去30年間ほとんど進歩のない,ほかから取り残された分野であった.もちろんDMARDsの開発や免疫抑制剤などの利用により以前に比べれば進歩はあったのであるが,そこにまさにブレイクスルーとして起こったのがこの数年間の生物学的製剤の導入である.
 TNFαとよばれる免疫系賦活の初動を司るサイトカインを抑制し免疫系を不活化することによって,関節の疼痛が劇的におさまり腫脹がとれることが実証され,またその副作用も比較的小さいことがわかり,高価であるにもかかわらず急速に普及していった.さらにわが国で開発された抗IL-6レセプター抗体(トシリズマブ)など種類も増えた.そしてこれらの薬剤はリウマチの診療そのものを次々と変えている.すなわち早期診断のための診断基準,早期治療の方針,そして手術の方針までも変えてしまった.まさにリウマチ診療のパラダイムシフトが起こったのである.このため一般医がこうした新たな診療方針について行けず,リウマチ専門医の必要度が上がったともいえる.一方で専門医は数が少なく高まる需要に応えられない.この結果,専門医から一般医に逆紹介する医療連携も必要になると考えられる.今回の特集は,わが国のリウマチ専門医の代表といわれる先生方によって,こうしたリウマチ学の大きな変化のなかで一般医が知っておくべき知識は何か,求められているものは何かをわかりやすく解説していただくことを目的としたものである.


高林克日己 千葉大学医学部附属病院企画情報部 教授


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今月の視点(高林克日己)
■診療のパラダイムシフト
リウマチの診療が変わった(高林克日己)
欧米のリウマチ診療ガイドラインとTreat to Target(泉 啓介,他)
早期診断・早期治療,window of opportunity(田村直人)
関節リウマチ診療における関節エコーの有用性(池田 啓,他)
リウマチにおけるMRI 診断(住田孝之,他)
一般医のための関節リウマチ活動性の評価(倉沢和宏)
■治療薬のパラダイムシフト
知っておきたい生物学的製剤の基礎知識(田中良哉)
生物学的製剤をどう使い分けるか(瀬戸洋平,他)
トシリズマブ─日本発の生物学的製剤─(西本憲弘)
MTX の治療法が変わった(鈴木康夫,他)
免疫抑制薬をどう使うか(遠藤平仁)
生物学的製剤と整形外科手術(窪田綾子)
■HOT TOPICS
リウマチと地域医療連携(簑田清次)

すんなりわかる
実践! リウマチ診療のパラダイムシフト(宇井睦人)



≪Series≫
医療を適切に受けるためのポライトネス・ストラテジー(12)
高齢者とコミュニケーション(宇佐美まゆみ)

よりよい医院経営(79)
医療版MB 賞フレームワーク活用による病院の経営革新(末松清一)

再生医学のいま -基礎研究から臨床への展開に向けて-(54)
培養細胞移植による毛包再生治療の開発に向けて(青井則之,他)

何が正解? 循環器治療 EBM で検証(57)
大動脈弁狭窄症の予後および治療について(川浦範之,他)



≪Contribution≫
肺炎治療におけるスイッチ療法(栁原克紀)
2,750円
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特集:『肺炎外来マネジメント
-新たに加わった概念「医療・介護関連肺炎(NHCAP)」など最新の動向を探ります -』


≪今月の視点≫

 「肺炎」は現代においても,常に経験する普遍的な感染症である.また死亡原因統計をみても,肺炎は悪性腫瘍,心疾患,脳血管障害についで第4位を占めている.さらに最近では,脳血管障害を抜いて肺炎が第3位につけている県もいくつかみられる.このような現状の背景には,「肺炎」が社会環境や宿主条件の変化に伴いながら,自らも変容している事実がある.その変容を生じる因子には,高度医療の陰で増加する多彩な免疫低下宿主とその日和見感染の複雑化や,抗菌薬治療から生まれる耐性菌の環境中への拡散,新しい起炎菌や耐性菌の国内移入も問題となっている.また東日本大震災による未曾有の災害は急激な環境破壊をもたらし,その結果として津波肺炎や結核流行といった想定外の感染症の出現をも招来している.
 これら肺炎の変容に対して,最近では新たに「医療・介護関連肺炎(NHCAP)」という疾患概念が確立され,新規ガイドラインが発行されるに至っている.この疾患はわが国の医療環境を勘案したうえでの,市中肺炎(CAP)と院内肺炎(HAP)の間に位置する高齢者を中心とした難治性の肺炎群である.そのほかにも,新規の起炎菌の迅速診断法や,外来静注療法(OPAT),肺炎の外来治療の推進など,新たなトレンドも現れている.
 そこで本特集号では,呼吸器感染症の各分野で最も造詣の深い先生方に,各項の執筆をお願いした.内容的には,市中・院内肺炎に加えてNHCAPの詳細から,さらにワクチン効果や患者満足度まで,とくに外来臨床を中心に役立つ情報を広く網羅したつもりである.本誌を通じて感染症「肺炎」の最新情報が伝わり,臨床現場での肺炎の的確な診断治療に寄与することを,大いに期待するものである.

中浜 力 中浜医院 院長


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今月の視点(中浜 力)
■総 論
市中肺炎― 最近のトピックス―(藤田次郎)
院内肺炎― 最近のトピックス―(青木洋介)
小児肺炎― 最近のトピックス―(黒崎知道)
成人肺炎ガイドラインの臨床的意義とその評価(渡辺 彰)
■各 論
NHCAP(医療・介護関連肺炎)ガイドラインの定義(関 雅文,他)
NHCAP の原因菌と耐性菌の危険因子(進藤有一郎,他)
NHCAP での抗菌薬の選択(石田 直)
NHCAP における誤嚥性肺炎のマネジメント(寺本信嗣)
市中病院でのNHCAP の実際(伊藤功朗)
プライマリ・ケアでのNHCAP の実際(中浜 力)
東日本大震災後の肺炎発症の状況(高橋 洋)
肺炎診断とグラム染色(田里大輔,他)
肺炎迅速診断法のトピックス(福島喜代康)
マイコプラズマ肺炎― 診断法とトピックス― (峰松明日香,他)
クラミジア・ニューモニエ肺炎と百日咳― 診断法とトピックス― (宮下修行)
成人肺炎の耐性菌とその治療法(水谷 哲)
小児肺炎の耐性菌とその治療法(大石智洋)
外来肺炎の診療マネジメント(髙野義久)
在宅肺炎の診療マネジメント(守屋 修)
外来静注療法(OPAT)(加藤元一)
肺炎の予防とワクチン接種(宮良高維)
アメリカにおける肺炎診療の現状(笠原 敬)
市中肺炎患者の治療満足度調査(中浜 力)
■Q&A
肺炎診療におけるCRP とPCT の有用性を教えてください(吉田耕一郎,他)
肺炎診断における血液培養の有用性を教えてください(永田正喜)
院内肺炎(HAP)におけるde-escalation の実際的な治療方法を教えてください(田中孝正,他)
ここ最近に発売された新しい抗菌薬の特徴やよい適応を教えてください(塚田弘樹)

すんなりわかる
実践! 肺炎外来マネジメント(金城謙太郎)



≪Series≫
温故医新(22)
身体診察の奥の深さ(髙野義久)

よりよい医院経営(78)
患者本位の治療に必要な医薬品情報と情報共有(佐藤幸夫)

何が正解? 消化器治療 EBM で検証(79)
NASH はどうやって治療するのか?(川名一朗,他)
2,750円
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特集:『うつ状態を理解する』


≪今月の視点≫

厚生労働省によると,近年うつ病をはじめとする気分障害の患者数が100万人を超えたとされているが,未受診の者も含めその実数はさらに多いと推測される.うつ病は気分の憂うつさや意欲の低下が中核的な症状であるが,それらの精神症状よりも不安に基づく身体的な症状が本人に自覚され,内科などのプライマリ・ケア医のところへ受診することが多い.みられる身体症状は動悸,息切れや呼吸苦,発汗,便秘や下痢,頭痛や腹痛を含めた疼痛,めまいや耳鳴り,吐気や嘔吐,食欲低下や過食などあらゆる身体的な愁訴である.このような身体症状で訪れる患者に検査を行ってもその多くで身体的原因がみつからない.
患者がプライマリ・ケア医の診察に訪れる際には身体的愁訴が主訴なので,通常は精神症状を積極的には訴えない.したがって,医師からあえて質問をしないと精神症状は見いだせないことになる.また,検査で明確な所見が見いだせないときに使われる「ストレス性」あるいは「自律神経失調(症)」も便利なようであるが,医学的にはわかったようでわからない診断名である.
われわれ精神科医の診断は,問診とそのときの患者の様子や態度などから得られる情報で行われる.精神科の診断は通常1回の面接だけでは決められない.したがって,われわれは症状を確認して症状の集まりを状態として捉えている.それを状態像というが,「うつ状態」というのは状態像を診断したものである.「うつ状態」には抑うつ気分や意欲の低下などの精神症状のほかに,不安症状とその表れとしての身体症状も含まれる.そして,このうつ状態を呈する疾患はさまざまあるので,その鑑別診断をその後の診察で行っていく.
状態像診断を行う目的の1つに,状態像が決まると薬物の選択ができるということがある.精神科医はうつ病と診断してから抗うつ薬を開始するのではなく,うつ状態と診断して抗うつ薬を処方する.これは案外,精神科医以外はあまり使わない治療方法かもしれない.その状態像にあった薬物を選び,投与してどのような効果が出ているかという経過を追い,症状の変化をみて,さらにいろいろな情報を得て最終診断へと進んでいく.
今回の企画は「うつ状態」を取りあげ,さまざまな視点からその領域の専門家の先生に執筆をお願いした.プライマリ・ケア医の座右の書になれば望外の幸せである.

五十嵐良雄 メディカルケア虎ノ門 院長



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今月の視点(五十嵐良雄)
■座談会
うつ状態をどのように理解するか(五十嵐良雄,他)
■総 論
うつ状態を呈する疾患(渡辺 登)
現代的なうつ(上瀬大樹,他)
職場結合性気分障害― 職場結合性うつ病・双極性障害―(加藤 敏)
うつ状態を呈する疾患の薬物療(櫻井 準,他)
■タイプ別にみるうつ状態
高機能発達障害のうつ状(山田貴志,他)
パーソナリティ障害のうつ状態― 境界性パーソナリティ障害について―(田中 聡,他)
神経症のうつ状態― 神経症性うつ病から適応障害へ―(牛島定信)
高齢期のうつ状態(中野祥行,他)
産業領域におけるうつ状態(中村 純,他)
■トピックス
若年性認知症とうつ状態(下田健吾,他)
PTSD のうつ状態(飛鳥井 望)
女性のうつ状態(内出容子,他)
うつ状態に対する認知療法・認知行動療法(大野 裕)
うつ状態に対する対人関係療法(水島広子)
うつ状態に対する運動療法(内田 直)
うつ状態に対する入院治療(徳永雄一郎)
うつ状態とNIRS(里村嘉弘,他)
企業におけるうつ状態― 主治医と経営者はなぜ手を結べないのか―(白波瀬丈一郎)
リワークプログラムにおけるうつ患者のリハビリテーション(横山太範)
労災とうつ状態(黒木宣夫)
自殺とうつ状態(稲垣正俊,他)
発達障害のリハビリテーションと自立過程におけるうつ状態(大嶋正浩)
うつ病の社会的コスト(佐渡充洋)



≪Series≫
医療を適切に受けるためのポライトネス・ストラテジー(10)
紹介先の医師に患者の「人となり」を伝える「吹き出し」の効用(矢吹清人)

よりよい医院経営(77)
トヨタ流の病院経営(福岡藤乃)

何が正解? 循環器治療 EBM で検証(56)
拡張期心不全の診断と治療(上村大輔 他)
2,750円
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特集:誰もが知っておくべきHIV/AIDSの基礎知識


≪今月の視点≫

HIV感染者は,さまざまな理由でクリニックや一般病院を受診する.しかし,その多くがプライマリ・ケア医に感染を見逃されている.抗HIV薬の導入によりHIV感染症の予後は著しく改善したが,初期に感染を見逃され診断時すでにAIDSを発症してしまった症例(いわゆる「いきなりエイズ」)では,今なお予後不良である.
救命できなかった患者が,過去に梅毒・急性B型肝炎・帯状疱疹などHIVに関連するエピソードを有しており,「なぜもっと早く診断できなかったのか」と思うことは少なくない.編者らがプライマリ・ケア医に施行したアンケートでのHIV スクリーニング検査の実施率は,梅毒の診断時で45.8%,急性B型肝炎に至ってはわずか33.3%であった.HIV感染症を早期発見すればAIDS発症が予防できるため患者の予後に大きく貢献し,さらには2次感染予防も可能となる.プライマリ・ケア医がHIV感染症を鑑別疾患として想起し,適切な検査で確実に診断することが重要である.
わが国でHIV感染者が増加していること,また感染者に長期の生命予後が期待できるようになったことから,今後はクリニックや一般病院でHIV感染者と接することが増えるであろう.HIV感染者は数10年の外来管理が必要となり,日和見感染症予防・薬剤副作用の管理・メンタル的問題の対応など,感染症診療の修練には最適なケースでもある.けっして「エイズ拠点病院で専門医が診ていればよい疾患」ではなく,ぜひプライマリ・ケア医に積極的に診療に関与していただきたい.本特集がその手助けになればと考えている.

内藤俊夫 順天堂大学医学部総合診療科 准教授


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今月の視点(内藤俊夫)

■HIV/AIDS って?
HIV ってどんなウイルス?(本田美和子)
世界の状況(菊地 正,他)
日本の状況(横幕能行)
■HIV 感染症を見逃さない!
発熱から(内藤俊夫)
呼吸器症状から(柳澤如樹)
皮膚所見から(山中 晃)
性行為感染症から(堀 成美)
血液検査異常から(加藤哲朗)
HIV 感染症と肝疾患― ウイルス性肝炎の合併―(古庄憲浩,他)
■HIV 感染症を疑ったら?
まず最初にする検査(木村宗芳,他)
スクリーニング検査が陽性だった場合の対応(西島 健)
スクリーニング検査が陰性だった場合の対応(乾 啓洋)
HIV 感染症の告知(平井由児)
■HIV 感染症の治療って?
抗HIV 薬の開始・選択(鯉渕智彦)
日和見感染症の予防(村松 崇)
免疫再構築症候群(塚田訓久)
■管理で気をつけることは?
HIV 感染者とワクチン(村中清春,他)
HIV 感染者の結婚・妊娠・出産(小島賢一)
HIV 感染者の婦人科的問題(斎田瑞恵)
メンタル的な問題(渡辺恒二)
HIV 感染者の手術(鶴見 寿)
HIV 感染症の歯科関係における問題(中田たか志)
HIV 感染症に関連した社会保障制度(横見弥世衣,他)
■トピックス
クリニックでHIV 感染症を診るということ(井戸田一朗)
HIV 感染症と結核(皿谷 健)
HIV 感染者に関する医療機器の滅菌・消毒法と針刺し・切創・血液曝露後の対応(神野定男,他)
HIV ワクチンと新規抗HIV 薬の開発状況(山本典生)



≪Series≫
医療を適切に受けるためのポライトネス・ストラテジー(9)
“言葉の補助輪”のすすめ(相澤正夫)

よりよい医院経営(76)
フランスの医療の様子(真野俊樹)

何が正解? 消化器治療 EBM で検証(78)
逆流性食道炎― 高脂肪食摂取で胸やけは起こるのか?(川名一朗,他)



≪Contribution≫
臨床経験 肛門管の臨床解剖,自制と便意,排便機構(長谷川 寛)
2,750円
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特集:認知症の薬物治療
-新薬登場でどう変わるのか?あらたな治療戦略を探ります-


≪今月の視点≫

─かかりつけ医の皆様への認知症医療参入のお勧め
今年に入って,アルツハイマー病の適応を有する3つの新薬が発売された.新たな選択肢の登場は,わが国の認知症医療にとって,大いなる福音である.
確実で選択的なアセチルコリンエステラーゼ(AchE)阻害作用をもち,わが国でも多くのエビデンスがあるドネぺジルに加えて,ニコチン性アセチルコリン(Ach)受容体の感受性を亢進させるデュアル・アクションのガランタミン,ブチリルコリンエステラーゼの阻害作用も有し,パッチ薬の導入で副作用の軽減や服薬コンプライアンスの向上が期待されるリバスチグミンと,独自の薬理作用・特徴をもったAchE阻害薬3薬がラインアップした.さらに,中等度および高度ADでは,NMDA受容体チャネルの過剰な活性化を抑制し,シナプティックノイズを抑えることにより,神経細胞を保護し,認知機能改善作用を示すとされるメマンチンも選択肢に加わった.
長寿高齢化社会に加え,複合家族から核家族への家族形態の変化,そして,社会の高度情報化により“社会生活・日常生活の支障”が顕在化し,プライマリ・ケア医のもとを受診する高齢の軽症認知症患者が増加している.専門医数が限られた現状で,増加する認知症患者に対応するには,プライマリ・ケア医の積極的な認知症医療への参加が望まれる.本特集では,新薬発売を機会に,それぞれのエキスパートに,新薬の特徴と患者選択の目安をご解説いただいた.認知症患者の増加は,けっして医療のみの問題ではない.とくに介護施設の全体的な不足は大きな社会問題である.施設入所の直接のきっかけとなることが多い,行動・心理症状に関しても,症状ごとに焦点を当てて,薬物療法をご解説いただいた.
本特集が,一人でも多くのプライマリ・ケア医の先生の認知症医療への参入の序となれば幸いである.


高橋 智 岩手医科大学医学部神経内科・老年科 准教授


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今月の視点(高橋 智)

■総 論
認知症患者に薬物療法を始める際の病名告知について(今井幸充)
認知症の薬物治療の工夫 ―服薬コンプライアンスをあげるために―(山崎峰雄)
■アルツハイマー病の認知機能改善薬と根本治療薬
海外におけるアルツハイマー病治療薬の使用状況(羽生春夫)
ドネペジルの特徴(川畑信也)
ドネペジルの服薬指導と効果判定(繁信和恵)
ドネペジルの副作用への対応(丸木雄一)
ドネペジル開始と増量のタイミング(福井俊哉)
ドネペジル早期投与の意義について(金田大太)
ドネペジル長期投与のエビデンス(堀 宏治,他)
ガランタミンの基礎および臨床薬理作用の特徴(鍋島俊隆)
Q&A ガランタミンの臨床効果とその判定について教えてください(本井ゆみ子)
リバスチグミンの特徴(中村 祐)
Q&A リバスチグミンが望ましい患者,望ましくない患者のポイントを教えてください(砂田芳秀)
NMDA 受容体拮抗薬の特徴(本間 昭)
Q&A アセチルコリンエステラーゼ阻害薬とNMDA 受容体阻害薬の併用について教えてください(北村 伸)
Q&A 脳血管障害を合併するアルツハイマー病の治療の考え方を教えてください(古川勝敏)
Q&A 現在開発されているアルツハイマー病の根本治療薬について教えてください(藤本陽子)
■BPSD 治療薬
Q&A オフラベルとしてのBPSD 治療薬使用に関する注意点を教えてください(平井茂夫)
Q&A 認知症における易刺激性,焦燥・興奮,脱抑制および異常行動に対する薬物療法を教えてください(佐藤晋爾,他)
Q&A 認知症における不安,抑うつおよび多幸感に対する薬物療法を教えてください(犬塚 伸,他)
Q&A 認知症におけるアパシーおよび食行動異常に対する薬物療法を教えてください(下村辰雄)
Q&A 認知症における睡眠障害の薬物療法を教えてください(上島国利)
■アルツハイマー病以外の認知症
レビー小体型認知症の薬物治療(小阪憲司)
血管性認知症の薬物治療(長田 乾,他)



≪Series≫
温故医新(20)
「プロ」としてのてんかん診療(大生定義)
→当時の論文を全文閲覧できます(PDF:2.7MB)

医療を適切に受けるためのポライトネス・ストラテジー(7)
クリニカルパスをご存知ですか?(有満憲恵,他)

再生医学のいま ―基礎研究から臨床への展開に向けて―(52)
細胞・細胞成長因子・生体材料を応用した皮膚再生医療(黒柳能光)

何が正解? 消化器治療 EBM で検証(77)
過敏性腸症候群に精神安定剤は有効か?(川名一朗,他)


≪Contribution≫
TOPICS:ER 型救急医療が注目される背景(太田 凡)
TOPICS:ER 型救急医療の問題点(太田 凡)
臨床経験:直腸癌Miles 手術29 年後に発症した人工肛門皮膚接合部腺癌の1 例(中尾健太郎,他)
2,750円
―
特集:救急・災害up to date
-これからの救急医療と災害医療をあらためて考える-


≪今月の視点≫

わが国は現在,未曾有の災害のもと復旧・復興に向けて邁進しているところであるが,今震災に際してわれわれ医療人も災害・救急医学の重要性と問題点を再確認・再認識しつつあるのではなかろうか.
とりわけ,現地における災害医療の課題や,収束のみえない原発事故に関連した放射線障害などについて,現段階における報告としてまとめられることの意義は少なくないものと考える.
その一方,ガイドライン2010やJATEC(TM)などのマニュアルやガイドラインの充実,救命士制度やAED普及に関する一定の評価など,数年来の課題点を整理しておくことも重要である.
さらに,近年殊に注目されているそのほかいくつかの臨床的・社会医学的問題点に関してもその現状を理解しておくべきであろう.
すなわち,本特集は,救急・災害の視点から現時点でプライマリ・ケアドクターとして整理および理解をしておくべきポイントに絞ってまとめられたものであり,まさに「救急・災害 up to date」というにふさわしい内容となっているものと考えられる.
本誌で得られた知識が被災地域以外の医師にとって実践の場でいつ必要になるのかは知るすべもないが,実際の局面で慌てないためにもぜひ座右においていただければと願う次第である.

福山正紀 ふくやまクリニック(京都府) 院長
太田 凡 京都府立医科大学救急医療学教室 教授


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今月の視点(福山正紀,他)

■東日本大震災
東日本大震災における災害医療
― 基幹災害拠点病院と県庁災害対策本部から見えたこと―(山田康雄)

■放射線障害
放射線障害が注目される背景(小池 薫 他)
急性期障害と慢性期障害(小池 薫 他)

■救急蘇生ガイドライン2010
ガイドライン作成の課程(石見 拓)
ガイドラインのアウトライン(石見 拓)
胸骨圧迫の重要性(石見 拓)

■AED と突然死
突然死の原因と頻度(三田村秀雄)
AED の効果と使用方法(三田村秀雄)
AED の維持管理の問題(三田村秀雄)

■外傷初期診療の標準化教育(JATEC)
外傷初期診療ガイドラインJATEC(TM)の概要(横田順一朗)
JATEC(TM)コースの意義と概要(横田順一朗)

■脳梗塞の急性期治療
血栓溶解療法の治療効果(永金義成)
その他の急性期治療(山村 修)
新しい取り組み─急性期MRI 診断,血管内治療─(山田丈弘 他)

■様変わりした「熱中症」
熱中症の実態(福山正紀)
熱中症の新しい考え方(福山正紀)

■新しい敗血症診療
Surviving Sepsis Campaign Guidelines とは?(青木克憲)
Surviving Sepsis Campaign Guidelines をめぐる議論(青木克憲)

■救急救命士の活動とメディカルコントロール
救急救命士とは?(大石泰男)
メディカルコントロールの現状と今後の可能性(大石泰男)

■小児虐待
小児虐待の実情(安 炳文)
小児虐待を疑った場合の対応(安 炳文)
小児虐待を減らすためには(安 炳文)

■救急と法律・医療事故
救急医療に関連する医事紛争・医療事故の実例(中西 泉)

■押さえておきたいキーワード
低体温(福山正紀)
エピペン®(大石泰男)
圧挫症候群(crush syndrome)(横田順一朗)
トリアージ(太田 凡)


≪Series≫
温故医新(19)
災害救急の草分け(橋本洋一郎)

よりよい医院経営(75)
スウェーデン医療の実態(真野俊樹)

再生医学のいま -基礎研究から臨床への展開に向けて-(51)
滑膜幹細胞を用いた関節軟骨再生(関矢一郎,他)

何が正解? 循環器治療 EBM で検証(54)
早期再分極症候群―健診でみかけたら?―(細田順也,他)


≪Contribution≫
臨床経験:Basal supported oral therapy では血糖および体重コントロールに難渋していた2 型糖尿病にDPP-4 阻害薬が著効した1 例(稲垣聡子,他)
臨床経験:頻回の低血糖発作で判明した,慢性膵炎合併緩徐進行1 型糖尿病の1 例(和田昌幸)
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  • 出版社:南山堂
  • 発行間隔:月刊
  • 発売日:毎月1日
  • サイズ:B5判

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