治療 発売日・バックナンバー

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2,750円
特集 『 WS(ワークショップ),カンファ 』



≪特集の目次≫

■総 論
カンファレンスの医学教育的意義(宮地純一郎)
カンファレンスにおける症例プレゼンテーション手法(片岡 祐,他)
ワークショップのつくり方(松井善典)
医学生の視点からみるよいセッション ─よりよいプレゼンテーションのために─(笹本浩平)
ファシリテーターに求められるプレゼンスマネジメント(宮坂洋子)

■各 論
市立堺病院:各専門内科医師と研修医が参加するカンファレンス(名倉功二)
千葉大学医学部附属病院総合診療部:外来カンファレンス,診断推論カンファレンス(野田和敬,他)
洛和会音羽病院:京都GIM カンファレンス(酒見英太)
北海道家庭医療学センター:FM カンファレンス(山田康介)
医療福祉生協連家庭医療学開発センター:Case based Discussion(CbD)(増山由紀子)
京都家庭医療学センター:SEA カンファレンス(玉木千里)
バリントグループ(小嶋 一)
勤医協中央病院総合診療センター:臨床倫理4 分割カンファレンス(勝田琴絵,他)
湘南鎌倉総合病院救急総合診療科:M&M カンファレンス(山上 浩)
三方よし研究会(花戸貴司)
見える事例検討会®(見え検®):マインドマップ® を応用した多職種カンファレンス(八森 淳)
こどものみかた:小児T&A,HAPPY(児玉和彦)
Clinical Skill Assessment(CSA)(佐々木隆徳,他)
楽しく学ぶ,汗と涙の福井式ジャーナルクラブ ─福井大学ER 総診&福井県キャリアアップコース(ER 総合診療医)─(林 寛之)



≪連載≫

「治療」「薬局」合同企画 データで読むクスリ
ワルファリンvs 新規抗凝固薬(NOAC)シェアが多いのはどっち?!(浜田康次)

すんなりわかる
実践! WS(ワークショップ),カンファ ―遠隔地にいるメンバーでワークショップを実施する方法―(片岡裕貴)

★新連載★
在宅医療をはじめよう! 在宅医療の質=理念×システム×制度の知識(1)
【理念編】なぜ今,在宅医療なのか? ―「多死社会」を迎える日本に,在宅医療は必要不可欠です(永井康徳,他)

タイムマシンに連れられて 30 年後の未来医療(6)
30 年後のアンドロイドと社会(石黒 浩)

私たちはこんな世界を生きている アスペルガー症候群の当事者研究(14)
発達障害を持ちながらの就労について感じたこと(28 歳,女性)

心楽しく働くにはどうしたらよいか?? 信念対立解明アプローチ入門(3)
ごまかす人(京極 真)



≪今月の視点≫

教育活動の創造を刺激する

 臨床研修の制度が大きく切り替わり,医師のキャリアにおいて,多様な進路選択が一般的なものとなってからしばらくが経つ.若手医師はより良質な研修を求めて,自由に環境を変える時代となり,多くの優秀な人材を雇用するために,研修病院や大学が「研修・教育の質」に眼を向けるようになった.そういった流れのなかで,現在,全国各地でさまざまな趣向を凝らした意欲的なワークショップや教育カンファレンスが開催されている.
 本特集では,総論的なワークショップやカンファレンスの構築方法に始まり,各論にて実際に有効なワークショップやカンファレンスを構築している全国の実践例がどのような工夫をもとに成り立っているのかを一同に集めた企画である.これまで,このような内容の類書は乏しく,本特集は悩める多くの研修医療機関や若き指導医たちにとって,今後の教育活動の創造を刺激するような情報が満載となっている.また教育を実際に受ける学習者(医学生,研修医など)にとっては,全国にこのような学習の場がたくさんあることを,1度に知ることができる良質な機会となるのではないだろうか.
 本特集では,あえて若手からベテラン,人気講師といわれる方まで,幅広い背景をおもちの方々にご執筆いただいている.また,とくに医学教育学について詳しい方や,医療とは全く別ジャンルの方にもご参加いただき,より厚みのある内容を目指した.本特集が今後の日本の医学界における教育活動に対して,よき「波」を起こすものとなり,教育の輪が広がることとなれば幸いである.

[編集幹事]
弓削メディカルクリニック/滋賀家庭医療学センター
中村琢弥
2,750円
特集 『 ポリファーマシー -不要な薬に立ち向かう- 』


≪特集の目次≫

■総 論
ポリファーマシー:何が問題なのか? どうすればよいのか?(宮田靖志)
ポリファーマシーを防ぐ適切処方のためのツール:Beers Criteria,STOPP,START(梶 有貴,他)
製薬企業の製品説明をどうみればよいのか? ─薬を使わせる戦略とどうつき合うか─(南郷栄秀)
薬剤師のEBM 教育の現状(佐々木順一,他)
Pill pusher ─薬をねじ込むメガファーマ─(齊尾武郎)
ポリファーマシー対策のための多職種連携をどう進めるか(孫 大輔)
ポリファーマシーと医学教育(茂木恒俊)

すんなりわかる
実践! ポリファーマシー(西村加奈子)

■各 論
高齢者診療の立場から(星 哲哉)
病院総合診療の立場から(石丸裕康)
在宅医療の立場から(古屋 聡,他)
緩和ケアにおけるポリファーマシー(岡本拓也)
開業診療の立場から(小田倉弘典)
小児科診療の立場から(児玉和彦)
精神科領域における多剤処方の実態と背景(山之内芳雄)
抗不安薬,睡眠薬,抗うつ薬の適正使用のために(佐藤創一郎)
地域医療とポリファーマシーへの対応(木村琢磨)
お薬手帳を通じたコミュニケーション(野呂瀬崇彦)
適切な服薬管理のための薬剤師による訪問薬剤管理(古田精一)
残薬調整から医薬品の適正処方・適正使用へつなげる「節薬バッグ運動」 ─九州大学と一般社団法人福岡市薬剤師会との共同事業─(島添隆雄,他)
地域連携でポリファーマシーを削減(吉岡睦展)



≪Series≫

医者のストレス,患者の不満(最終回)
医者のやりがい,患者の満足(寺本研一)

私たちはこんな世界を生きている アスペルガー症候群の当事者研究(13)
みんなの支えあって(Y. K.)

タイムマシンに連れられて 30 年後の未来医療(5)
近未来のプライマリ・ケア(藤沼康樹)

心楽しく働くにはどうしたらよいか?? 信念対立解明アプローチ入門(2)
嫌味の人(京極 真)



≪今月の視点≫

 多くの薬が処方されている状態をポリファーマシーと呼ぶ.耳慣れない言葉かもしれないが,臨床現場ではこのポリファーマシーと呼ばれるケースにしばしば遭遇する.複数の病態や疾患を抱えた高齢患者が増えたことがその要因かもしれない.医療が高度化し難治性疾患を抱えた慢性患者が増加したことも関係しているだろう.もちろん患者側の要因だけではない.医学が進歩しさまざまな治療薬が開発され,患者に使用できる薬が増えたことも影響しているだろう.使用できる薬が増えたことにより,医師は今まで以上に慎重にその使用を検討すべきであるが,適切処方の教育は十分とはいえない.医療・ケア供給システムの複雑化もポリファーマシーの重要な要因となっている.外来,入院,在宅,介護施設,慢性期ケア,緩和ケアなど,患者の状態によってさまざまな医療・ケアが提供されるが,これらを提供する施設,医療関係者の連携も必ずしも十分ではない.とくに,医師と他職種のコミュニケーション不足は深刻であり,そのために処方薬の管理が十分に行われていないことは多い.複数の医療機関に通院し,複数の医師から処方を受けている患者はポリファーマシーとなる傾向があるが,これには医師同士のコミュニケーション不足が大きく関与しているだろう.
 このように,臨床現場で生じるポリファーマシーの要因は複雑であり,ポリファーマシー自体の存在が認識されることはあっても,その効果的な対策が十分に講じられていることはほとんどない.また,ポリファーマシーによって多くの薬物有害反応が発生しているはずであるが,医療従事者のなかではその認識さえ十分になされていないことが多い.
 ポリファーマシーによる患者の不利益を解消することに対して大きな力を発揮できるのは,患者の最も身近なケア供給機能であるプライマリ・ケアにかかわる医療従事者である.ポリファーマシーへの理解を深め,多職種で連携してこの問題の解消に当たろうではないか.

宮田靖志 国立病院機構名古屋医療センター 卒後教育研修センター/総合内科 センター長
2,750円
特集 『 ふるえブラッシュアップ -原因はさまざま! 知識を整理し誤診を防ぐ- 』


≪特集の目次≫

今月の視点(橋本洋一郎)

■ふるえの診察と検査
ふるえの定義と分類(頼田章子,他)
ふるえの問診と身体診察のポイント(福武敏夫 )
表面筋電図・脳波・誘発電位(松永 薫)
画像診断(MRI・SPECT・PET)(平井俊範)

■振 戦
振戦の定義と分類(有水琢朗,他)
生理的ふるえと本態性振戦(榊原隆次)
パーキンソン病の振戦(堀内惠美子,他)
中毒性振戦(阪本徹郎,他)
企図振戦(遠藤邦幸,他)

■ミオクローヌス
ミオクローヌスの定義と分類(上山秀嗣)
ミオクローヌスをきたすてんかん(重藤寛史)
羽ばたき振戦(アステリクシス)(豊田千純子,他)
高齢者におけるアステリクシスを伴う一過性ミオクローヌス状態(橋本修治)

■その他のふるえや鑑別すべき疾患
書 痙(宇山英一郎)
てんかん(人見健文,他)
心因性非てんかん性発作(上原 平,他)
不随意運動や筋緊張異常(鶴田和仁)

すんなりわかる
実践! ふるえブラッシュアップ(張 耀明)

■ふるえの治療
薬物療法(永沼雅基)
外科的治療(山田和慶)



≪Series≫

「治療」「薬局」合同企画 データで読むクスリ
緑内障点眼剤の最新トレンド,シェアが急伸している薬は?! (浜田康次)

心楽しく働くにはどうしたらよいか?? 信念対立解明アプローチ入門(1)
べきの人(京極 真)

タイムマシンに連れられて 30 年後の未来医療 (4)
未来治療を支援する医工連携へのデザイン支援(川崎和男)

医者のストレス,患者の不満(23)
医者より信用できる仲のよい友達(寺本研一)



≪今月の視点≫
 ふるえは,プライマリ・ケアの現場でもよく遭遇する症状であるが,その原因は多岐にわたる.「手のふるえがある」とパーキンソン病を疑って外来を受診する患者では本態性振戦が圧倒的に多い.一方で,安静時振戦はパーキンソン病の初発症状であることも少なくない.
 振戦であれば,安静時か,姿勢時か,運動時に起こるのかといった,ちょっとした診察で,姿勢時に起こる本態性振戦なのか,パーキンソン病に伴う安静時振戦なのかは,かかりつけ医でも診断は可能である.また薬剤に伴うふるえも鑑別しなければならないので,内服薬剤のチェックも欠かせない.感染症に伴う悪寒戦慄,てんかんに伴うけいれん,振戦,ミオクローヌス,その他の不随意運動についても鑑別する必要がある.羽ばたき振戦は,実は陰性ミオクローヌスであり,肝性脳症の重要な徴候である.最近では,高齢者におけるアステリクシスを伴う一過性ミオクローヌス状能も外来や救急外来で診ることが多くなっている.
 本特集によって,プライマリ・ケアの現場で,専門医へ紹介すべきふるえを見極められると期待している.

橋本洋一郎 熊本市民病院 首席診療部長/神経内科部長
2,750円
特集 『 もっと使おう! スマホ&タブレット -急速に導入されつつある医療現場での活用例 - 』


≪特集の目次≫

今月の視点(宗田 聡)

■総 論
スマホ&タブレットの未来─医療と情報通信技術(ICT)─ (楊 浩勇)
スマホ&タブレットを使った医療(髙尾洋之)
産業保健分野におけるスマホ&タブレットの活用(三宅 琢)
海外における現状(堀永弘義)

すんなりわかる
実践! もっと使おう! スマホ&タブレット(松島和樹)

■外来診療
スマホ&タブレットと診療予約システム(森川崇行)
外来診療での活用法(宮川一郎)
タブレットによる問診票活用の実際(宗田 聡)

■在宅医療
遠隔診療利用型在宅医療(小笠原文雄)
在宅医療に役立つ厳選アプリ& Web サービス(遠矢純一郎)
在宅医療・介護支援のための活用法(武藤真祐 他)

■救急・病院
身近なスマホ&タブレットがひらく救急医療の未来(円城寺雄介)
急性期救急病院における遠隔診断・治療補助システムの実際と医療関係者間コミュニケーションアプリの開発(郭 樟吾 他)

■アプリ
ICU における挿管中の患者とのコミュニケーションサポート(立石 実)
スマホアプリ「妊婦手帳 ® 」を用いた妊婦健診(杉田匡聡)
医療系アプリの現状(峯 啓真)


≪Series≫

「治療」「薬局」合同企画 データで読むクスリ
アルツハイマー型認知症治療薬のシェアはドネペジルの先発品 vs GE&新薬 ?! (浜田康次)

私たちはこんな世界を生きている─アスペルガー症候群の当事者研究─ (11)
障害特性による就業中のミスマッチトラブル(B.S.(26 歳,男性))

医者のストレス,患者の不満(21)
権威の先生を紹介する(寺本研一)

タイムマシンに連れられて 30 年後の未来医療 (2)
再生医療の立場からみた 30 年後(大和雅之)


≪Contribution≫

臨床経験
肺化膿症,心筋梗塞を既往に有し生物学的製剤(トシリズマブ)を導入し,導入後2年間の経過観察を行っている関節リウマチ,2型糖尿病の1例(森 康一)

臨床経験
虫垂炎に合併したアメーバ性肝膿瘍の 1 例(増田 亨 他)



≪今月の視点≫
最近では,病医院の待合室でもスマートフォン(スマホ)を片手に集中している人やがおり,電車のなかや街中でも危ないくらい周りを気にせず夢中になっている人が多くなっている.コンピューターもデスクトップからノートブック型に,そしてここ数年はキーボードのないタブレット型の端末も出現し,広く使われるようになってきた.総務省による2013年通信利用動向調査の結果をみると,スマートフォンの世帯保有率は62.6%,数年前に出たばかりのタブレットも21.9%となっている.
 個人にとどまらず,最近ではさまざまな職種や店舗,場面で,タブレットが利用されている.もちろん医療現場でも,スマートフォンやタブレットが導入され活用され始めている.
 本特集は,臨床系の専門誌としては珍しい内容ではあるが,スマホやタブレットといったITツールが医療現場でどのように使われているかについて,最先端かつ最前線でご活躍の方々にお書きいただいた.
 スマートフォンやタブレットの活用は,高齢者には関係のない話と思われる方もいるかもしれない.しかしタブレットは,とくにシニア世代から大きな注目を浴びていることも見逃せない.2014年シニア世代のタブレット端末市場動向調査の結果によると,2013年度のタブレットのシニア向け出荷台数は83万台と推計されている.タブレットは,キーボートを使ったノート型PCの代用でもなく,また,スマートフォンでもない,独自のポジションでシニア世代に広がっている.
 本特集を通じて,これからの医療現場でどのようにスマートフォンやタブレットが利用されていくのか,ぜひ興味をもって読んでいただきたいと思う.そして明日からは,まずご自身でスマートフォンやタブレットに触って,積極的に使ってみてほしい.

宗田 聡 広尾レディース 院長
2,750円
特集 『 めまいのミカタ -非専門医が本当に知りたかったこと- 』


≪特集の目次≫

今月の視点(小宮山 純)

■総 論
めまい診療の手順と手引き(小宮山 純)

■Q&A
Q1 起きたときや横になるとぐるぐる眼が回ります(三並美香,他)
Q2 突然の激しいめまいで身動きできない患者さんが救急車で搬送されたら,どう対処すればよいですか?(田所 浩)
Q3 屈むとめまいがひどくなります(真貝佳代子,他)
Q4 クラクラするめまいがあります(小宮山 純)
Q5 立ちあがったり,歩いたりすると気が遠のく感じがします(土田知也,他)
Q6 前庭神経炎と診断されて薬をのんでいますが,めまいが改善しません(落合 敦)
Q7 耳閉感や耳鳴などの耳症状があって,めまいを繰り返すのはメニエール病ですか?(高橋正紘)
Q8 高齢者のひどいふらつきにはどう対応すればよいでしょうか?(吉江浩一郎)
Q9 めまいの救急点滴薬,外来でのめまい内服薬について教えてください(那須 隆)

すんなりわかる
実践! めまいのミカタ(宮﨑岳大)

■column
薬の副作用としてのめまい・ふらつき(片岡 祐,他)
まれな脳血管性めまいの原因(椎骨脳底動脈解離)(中西優市郎,他)


≪Series≫

タイムマシンに連れられて30年後の未来医療(1)
バイオニックボディで永遠の臓器 ─臓器の長期保存を目指して─(藤本孝子)

私たちはこんな世界を生きている ─アスペルガー症候群の当事者研究─(10)
性衝動,性愛,性交渉について振り返る(唐草子)

医者のストレス,患者の不満(20)
インフルエンザワクチン(寺本研一)


≪Contribution≫

TOPICS
高齢者の慢性便秘症の分類とその対策(長谷川 寛)

臨床経験
緩徐な増大を示した膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)肺転移の1 切除例(河﨑 勉,他)

臨床経験
簡易懸濁法に用いる蒸留水の水温に関する基礎検討(比知屋寛之,他)



≪今月の視点≫
 プライマリ・ケアの医療現場において,めまい診療は今なお多くの混乱がみられる.第1に,めまいの診察手技が普及しておらず,短時間で施行可能な誘発法が行われることなく,1 つの方法にすぎないDix-Hallpike 手技が一人歩きしている.第2に,診察上異常が認められない場合の原因推論ができていない.体平衡維持にかかわる末梢性入力(視覚,固有感覚,前庭),これらの中枢における統合,筋・骨格系への出力といった理解を背景に系統的診察を反復することで,この能力は向上していく.最後に,めまいの治療ができていない.原因診断ができずに「めまい」の対処療法(メイロン(R),メリスロン(R)など)を行うが,これらにはほとんど効果がなく,EBMとは全くかけ離れている.めまいは自然に治まることが多いため,医療サイドはそれで幕引きとするが,診断・予後に関する納得のいく説明を受けない患者は不安を抱えたまま生活することになる.
 このようにめまい診断・治療は非専門医にとって容易ではない.そこで本特集では,徹底して「使えるめまい診療」にこだわった.本誌の読者は地域医療を担う内科の開業医・勤務医の先生方であることから,プライマリ・ケア医が真に欲するめまいについての情報を解説することとした.本特集が,多くの書籍・雑誌と同じように本棚に埋もれることなく,実践書として手元に置いていただけるよう検討を重ねたので,先生方にご実践いただければ幸甚である.

小宮山 純 聖マリアンナ医科大学総合診療内科/川崎市立多摩病院総合診療内科
2,750円
特集 『 どこまで対応する?救急疾患 -最初に診る医者がやるべきことから最新治療まで- 』


≪特集の目次≫

今月の視点(福山正紀,太田 凡)

■プライマリ・ケアで遭遇する救急疾患
心肺停止(西山 慶)
急性冠症候群(山本貴士 他)
急性大動脈解離(安田冬彦)
発作性心房細動(白石裕一)
肺塞栓症(板垣秀弥 他)
脳梗塞(山田丈弘 他)
細菌性髄膜炎(永金義成)
市中肺炎(中村琢弥)
敗血症性ショック(鈴木龍児 他)
上部消化管出血(宮阪 英)
糖尿病性急性代謝失調(小尾口邦彦)
子宮外妊娠(宜保光一郎 他)
急性腎不全(瀬田公一 他)
尿路結石症(診断編)(隅田靖之)
尿路結石症(治療編)(問山大輔 他)
ベンゾジアゼピン中毒(加藤陽一)
多発外傷(清水義博)
熱 傷(小谷聡司 他)
熱中症(福山正紀)
児童虐待(池山由紀)
自殺企図(久村正樹)


≪Series≫

「治療」「薬局」合同企画 データで読むクスリ
ビスホスホネート系製剤の処方で多いのは 月 1 回,週 1 回,それとも 1 日 1 回製剤?!(浜田康次)

私たちはこんな世界を生きている ─アスペルガー症候群の当事者研究─(9)
日本に不向きな私(八島良太)

医者のストレス,患者の不満(19)
検診のストレス(寺本研一 )


≪News & Trend≫

特別寄稿 職業アレルギー ─アレルギー診療の原点としての重要性─(中村 晋)


≪今月の視点≫

 救急医療の重要性に関しては,あらためて述べるまでもないが,旧来の医学教育の課程に「救急医学」が存在しなかった過去の事実も手伝って,プライマリ・ケアを担うべき医師たちの一部に,いまだに「救急医療アレルギー」を実感する世代がいることは否めない.
 しかし,現実の救急活動を俯瞰してみると,昨年(2013年)は救急出動件数,搬送人員とも過去最高を記録しており(2014年3月28日消防庁発表資料),一部地域において病院到達時間の短縮を達成できない現実を,「たらいまわし」などという歪曲された表現による報道からも実感するところである.
 その一方,救急救命士が行う処置範囲は,アドレナリン(エピペン)注射に続き,低血糖・ショック患者にまで拡大され,その成果が期待されるところである.
 このような現状のなかで,プライマリ・ケア医の果たすべき役割はますます大きくなっている.本特集では,主に診療所を想定した救急疾患を厳選し,「プライマリ・ケア医がどこまで診るべきか」という視点と,「専門医が行っている標準的な治療と最新のエビデンス」という視点の両面から,新進の各著者に解説していただいた.
 今後遭遇するかもしれない疾患の基礎知識を得る意味から通読していただくことも,あるいは過去に出会った疾患の反省点を確認する意味から個別事項を精読していただくことも,どちらも可能な編集となっているものと自負するところであり,本企画が役立つ実践書となることを節に願うものである.

福山正紀 ふくやまクリニック院長/同志社大学スポーツ健康科学部講師
太田 凡 京都府立医科大学救急医療学教室 教授
2,750円
特集 『 糖尿病治療薬Q&A -最新のSGLT-2阻害薬を含め賢く使い分ける- 』


≪特集の目次≫

今月の視点(稲垣暢也)

■治療目標
2013年6月から糖尿病学会が提唱している新しい糖尿病の治療目標とはどのようなものですか?(荒木栄一)

■BG 薬
メトホルミンの作用機序について教えてください(太田明雄,他)
海外におけるメトホルミンによる治療の位置づけと,わが国の現状について教えてください(重本 亮,他)
メトホルミンはどのような患者に使えばよいのですか?(福田尚文,他)
メトホルミン使用に当たって注意すべきことはなんですか?(安孫子亜津子,他)

■SU 薬
SU 薬と速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)の種類と作用機序について教えてください(長嶋一昭,他)
SU 薬はどのような患者に適していますか?(勝田秀紀,他)
SU 薬による低血糖を防ぐために注意すべきことはなんですか?(岩倉敏夫)

■グリニド薬
グリニド薬はどのような患者に適していますか?(谷本眞澄,他)

■α-GI 薬
α-GI 薬はどのような患者に適していますか?(辻野大助,他)
α-GI 薬とグリニド薬はどのように使い分ければよいでしょうか?(河盛隆造)

■チアゾリジン薬
チアゾリジン誘導体の作用機序について教えてください(窪田直人)
ピオグリタゾンはどのような患者に適していますか?(宮 愛香,他)
ピオグリタゾン使用に当たって注意するべきことはなんですか?(戸田郷太郎,他)

■インクレチン関連薬
DPP-4 阻害薬の作用機序,種類,代謝・排泄について教えてください(原田範雄)
DPP-4 阻害薬はどのような患者に適していますか?(原島伸一)
DPP-4 阻害薬に期待される効果にはどのようなものがありますか?(清水尚子,他)
DPP-4 阻害薬との併用に適した薬剤はどれですか?(田中 彩,他)
GLP-1 受容体作動薬の種類と作用機序について教えてください(六反麻里代,他)
GLP-1 受容体作動薬はどのような患者に適していますか?(臼井亮太,他)
インクレチン関連薬の副作用について教えてください(勝野朋幸,他)

■SGLT-2 阻害薬
SGLT-2 阻害薬の作用機序について教えてください(金﨑啓造,他)
SGLT-2 阻害薬の有効性について教えてください(小野哲一郎,他)
SGLT-2 阻害薬はどのような患者に適していますか?(前川 聡)
SGLT-2 阻害薬を投与するときに注意すべきことはなんですか?(藤田義人,他)

すんなりわかる
実践! 糖尿病治療薬Q&A(瀧端正博)


≪Series≫
医者のストレス,患者の不満(18)
科学的医療とは何か②(寺本研一)


≪今月の視点≫

 2012年の厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によれば,糖尿病患者数は950万人と過去最高に達し,とくにその大部分を占める2型糖尿病患者の診療は,実地医家の先生方にとって,避けては通れない.一方2型糖尿病の治療薬については,50年以上前にSU薬とBG薬が登場して以来,30年以上新薬が出現しない時代が続いたが,1990 年代に入って,α-GI 薬やチアゾリジン薬,グリニド薬が登場した.そして,2009年以降になって,さまざまなDPP-4阻害薬やGLP-1受容体作動薬が臨床応用され,さらに2014年にはSGLT-2阻害薬の新薬ラッシュを迎え,糖尿病治療薬は今,百花繚乱のごとく大きく変貌しつつある.
 一方,日本糖尿病学会では欧米のように治療薬の処方に関するアルゴリズムを設定しておらず,患者一人ひとりの病態に応じて薬剤を選択することを治療の基本としている.しかし,これだけ一気に薬物療法の選択肢が広がると,とくに非専門医の先生方にとっては,どのようにして薬剤を選ぶかは,必ずしも容易なことではないであろう.
 そこで本特集では,とくにプライマリ・ケアの現場で,実地医家の先生方や病院勤務の先生方が適切な糖尿病の薬物療法を行えるように,できるだけわかりやすく現場の疑問にお答えする形となるよう,すべてQ&A形式とした.とくに,「それぞれの薬剤がどのような患者に適しているのか」,「処方に当たって何に注意すべきか」の説明を厚くし,また最近のDPP-4 阻害薬に関する最新の知見や最近登場したSGLT-2阻害薬についても,それぞれの分野の第一線の先生方にわかりやすくご解説いただいた.本特集が諸先生方の明日からの診療に役立つことを心より願っている.

稲垣暢也 京都大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌・栄養内科学 教授
2,750円
特集 『 JSH 2014を読み解く -GL改訂の機会に,あなたの高血圧診療を見直しませんか? - 』


≪特集の目次≫

今月の視点(梅村 敏)

■JSH2014
JSH2014 の全体像と特徴(島本和明)
JNC-8 と JSH2014 の比較(木村玄次郎)
ESH/ESC2013 との違い(荒川仁香 他)
NICE2011 との違い(大蔵隆文 他)

すんなりわかる
実践! JSH2014 を読み解く(塩田正喜)

■高血圧診療アップデート
高血圧の疫学(三浦克之)
血圧測定・血圧変動(今井 潤 他)
家庭血圧・ABPM・白衣・仮面・早朝・夜間高血圧(苅尾七臣)
検査と診断(下澤達雄)
降圧目標と治療法の選択(石光俊彦 他)
生活習慣の修正(安東克之)
降圧薬治療(島田和幸)
各種降圧薬の特徴(赤澤 宏 他)
治療抵抗性高血圧(河野雄平)
脳血管障害を合併する高血圧(棚橋紀夫)
心疾患を合併する高血圧(甲斐久史 他)
腎疾患を合併する高血圧(伊藤貞嘉)
糖尿病・メタボリックシンドローム合併高血圧(田中正巳 他)
高齢者の高血圧(伊東範尚 他)
認知症と高血圧(小原克彦)
女性の高血圧(鈴木洋通)
小児の高血圧(内山 聖)
高血圧緊急症(長浜一史 他)
二次性高血圧(成瀬光栄 他)
薬剤誘発性高血圧(松浦秀夫)


≪Series≫
「治療」「薬局」合同企画 データで読むクスリ
最近 ARB 配合薬の処方が増えているのはなぜか ?! (浜田康次)

私たちはこんな世界を生きている ─アスペルガー症候群の当事者研究─(8)
私の体験記(K)

医者のストレス,患者の不満(17)
科学的医療とは何か(寺本研一)


≪Contribution≫
臨床経験
早期胃がんに対する腹腔鏡下幽門側胃切除術後早期に発症した Vp3 肝細胞がんの一例(奥本龍夫 他)

臨床経験
限局型原発性硬化性胆管炎の一切除例(奥本龍夫 他)

臨床経験
フルボキサミンマレイン酸塩の後発医薬品の簡易懸濁適正評価(比知屋寛之 他)


≪今月の視点≫

 わが国の高血圧患者数は4,300万人にのぼり,何科を専門にしているにしろ,すべての医師が関与する疾患が高血圧である.その治療の指針である,日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014)」が5年ぶりに改訂され,本年4月に発表された.このタイミングにあわせて,開業医,勤務医の先生方向けの解説を本ガイドライン執筆者を中心にお願いした.読者の皆様の高血圧診療のアップグレードにお役立ていただければ幸いである.
 本ガイドラインは,前JSH2009ガイドラインの12章に,「認知症」の章を加えた全13章から構成され,変更点は46項目にのぼる.主なものは,「家庭血圧評価と血圧分類」,「高齢者高血圧」,「脳血管障害合併高血圧」,「糖尿病合併高血圧」,「リスク層別化」,「第一選択薬と併用」,「心疾患合併高血圧」,「CKD合併高血圧」,「二次性高血圧」などである.
 本ガイドラインの作成の留意点は,作成委員長の島本先生が解説くださっているが,そのポイントは以下のとおりである.
①執筆委員40人,査読委員79人,内・外の評価委員13人を含め,151人の作成委員の参加のもと作成された.
②エビデンスを機械的にレベルづけし推奨グレードをつけるのではなく,コンセンサスも重視した.そのコンセンサス形式には,主なlinicalquestionについてワーキンググループで基本原案を作成した.
③透明性の確保のため,パブリックコメントを求め,評価委員(日本臨床内科医会,日本プライマリ・ケア連合学会,地域関連医師)や患者団体代表,日本薬剤師会などからも意見をいただいた.
 日本高血圧学会が総力をあげて作成し,「実地医家が日常診療で最も高頻度に遭遇する高血圧患者」への,最適な治療のための指導的指針と根拠を示したJSH2014が,皆様のお役に立てることを願っている.

梅村 敏 横浜市立大学医学部循環器・腎臓内科学教室 教授
2,750円
特集 『 咳のはなし -各科における診療の実際と日常臨床の疑問の数々- 』


≪特集の目次≫

今月の視点(亀井三博)

■総 論
咳診療の基本事項(新実彰男)

■私たちは咳をこう診てきた
病院総合医の立場から(山中克郎)
呼吸器内科専門医の立場から ─東洋医学的アプローチも加えて難治性咳嗽に立ち向かう─(福井基成)
診療所医師の立場から① ─一般診療所の医師─(宮崎 仁)
診療所医師の立場から② ─呼吸器内科を標榜する医師─(亀井三博)
ER医師の立場から(北野史浩)
感染症専門医の立場から(大曲貴夫)
消化器内科の立場から ─GERDと咳─(井出広幸)
心療内科の立場から ─咳で困惑するとき,困惑すると咳が出るとき─(井出広幸)
小児科医の立場から(大澤正彦)
耳鼻咽喉科の立場から(内藤健晴)

すんなりわかる
実践! 咳のはなし(松尾規和)

■咳をめぐる疑問の数々
マイコプラズマ感染症はどんな病気なのでしょうか?(片岡 祐,他)
百日咳はどんな病気なのでしょうか?(亀井三博)
子どもの百日咳が増えているって本当ですか?(大澤正彦)
急性気管支炎に抗菌薬は不要って本当ですか?(大曲貴夫)
咳かぜはどうやって診ればよいでしょうか?(岸田直樹)
アトピー咳嗽ってどんな病気なのでしょうか?(藤村政樹)


≪Series≫
私たちはこんな世界を生きている ─アスペルガー症候群の当事者研究─(7)
発達障害デイケアで気付いて貰えた自分の強み(奥村紫月)

医者のストレス,患者の不満(16)
個人的な見解(寺本研一)


≪Contribution≫
臨床経験
L-DOPAによる薬剤性誘発性の精神症状に対しクエチアピンフマル酸塩の単剤投与が有効であった血液透析の1 症例(滝沢義唯,他)

TOPICS
歯科医療が参入した脳卒中地域連携パスの運用(橋谷 進,他)


≪今月の視点≫

鴉の啼かない日はあっても,「咳」の音が診察室に響かない日はない.
 筆者にとって開業は,押し寄せる咳患者さんたちの荒波に翻弄される,大航海の日々の幕開けであった.
 しかし押し寄せる「咳」患者さんたちの波にもまれているのは,呼吸器内科の看板を掲げている筆者だけでないことは,プライマリ・ケア医を訪れる患者さんたちの主訴の上位に「咳」が必ずあげられることからも容易に想像がつく.
 咳の原因疾患は,当院では圧倒的に咳喘息といわれる気管支喘息が多く,ついでマイコプラズマ感染,百日咳,クラミドフィラ,ウイルス感染後の遷延する咳,そしてぐんと離されて,後鼻漏などによる上気道咳症候群がつづく.海外でいわれているように胃食道逆流症(GERD)による咳は日本ではそれほど多くないと感じ,それをことあるごとにお話し,気管支喘息を中心としたアプローチを行い,波を乗り切る方法をお勧めしてきた.しかしふと立ち止まって考えると,「それは確かなことなのだろうか?」という疑問がわいてきた.
 この企画のお話があったとき,これはよい機会だと思った.さまざまな場所で,さまざまな立場から咳と向き合っている先生方にお話を聴き,独りよがりであったかもしれない筆者の「咳」と向き合う方法を,修正する機会にしたいと考えた.そして,それは同時にさまざまな場所で「咳」に向き合う読者のお役に立つと信じている.
 病院で,あるいはERで,はたまた診療所で……という,それぞれの「咳の海」で,総合医,呼吸器内科医,救急医,感染症医,消化器内科医,心療内科医,小児科医,耳鼻咽喉科医として,「咳」航海を乗りきる手練れの航海士の手並みを披露していただき,その「技術」,「考え方」を皆様のものとしていただきたい.
 さて「咳」大航海の始まりである.お楽しみあれ.

亀井三博 亀井内科呼吸器科 院長
2,750円
特集 『 心筋梗塞 最前線 -変わりつつある診療スタイルを徹底紹介!- 』


≪特集の目次≫

今月の視点(朔 啓二郎)

■座談会
心血管インターベンション up-to-date(朔 啓二郎,他)
心筋梗塞最前線
心筋梗塞の疫学:世界のなかの日本の位置づけ(知花英俊,他)
心筋梗塞の発症因子,遺伝因子(辻田賢一,他)
心筋梗塞のリスクファクター(上原吉就,他)
心筋梗塞と心臓 CT(小松 誠,他)
心筋梗塞の画像診断の新しい展開(石塚周一,他)
心筋梗塞における PCI(浅海泰栄,他)
心筋梗塞と心筋灌流領域―FFR の意義―(塩野泰紹,他)
心筋梗塞における薬物治療(古賀聖士,他)

■Q&A
心筋梗塞における非薬物療法での注意点を教えてください(片山卓志,他)
再生医療がもたらす心筋梗塞の治療の将来性について教えてください(武田憲文,他)
心筋梗塞後のペット飼育に問題はないですか?(宮田昌明)
心筋梗塞後の性行為はコントロールすべきですか?(志賀悠平)
心筋梗塞の予防によい食事を教えてください(西田尚史,他)


≪Series≫

「治療」「薬局」合同企画 データで読むクスリ
小児科の抗ヒスタミン薬処方には特徴がある?!(浜田康次)

私たちはこんな世界を生きている─アスペルガー症候群の当事者研究─(6)
見ている世界は同じでも見える世界は違うもの(N.M. )

医者のストレス,患者の不満(15)
薬をのむ人,のまない人(寺本研一)



≪Contribution≫

TOPICS
プライマリ・ケアにおける過活動膀胱治療の重要性と
新規抗コリン薬フェソテロジン(後藤百万,他)

TOPICS
非定型うつ病の臨床心理学的研究(福西朱美)



≪今月の視点≫

 厚生労働省・人口動態調査では,2000〜2010年の急性心筋梗塞(AMI)の死亡率(人口10万人対)はほぼ横ばいであるが,47都道府県別年齢調整死亡率の年次推移は男女共に有意に減少している.一方,2011年循環器疾患診療実態調査報告書(一般社団法人日本循環器学会,2009〜2011年)によるAMI患者数,AMI患者に対する冠動脈形成術数は毎年増加している.つまりAMI死亡率が変化せず,年齢の影響を補正した死亡率が減少し,AMI発症が増えたことが意味することは,高齢化社会と医療の高度化だ.たしかに,AMIの診断技法や治療法の飛躍的な進歩により死亡リスクは減り,その診療スタイルも大きく変化してきた.薬剤溶出性ステントは次世代ステントが開発され,画像診断の精度も大きくあがった.それにつれてAMI発症後の薬物の投薬期間や内容,リハビリテーションの在り方が変化してきた.
 心筋梗塞のケースコントロール研究であるINTERHEART studyによると,9つのリスクで発症寄与リスクの90%が説明される.心血管病リスクの頻度の変化の方向性もさまざまである.たとえば,成人男性の平均喫煙率は32.2%で,1966年の83.7%と比較し大幅に減少した.成人女性の平均喫煙率は8.4%,男女計の喫煙率19.5%(2009年は23.4%)と20%を割り込んだが,糖尿病や腹部肥満は逆に著明に増加し,国家規模の対策が必要だ.つまり,イベント後の血管を部分的にうまく形成することがAMIの治療目標ではないことがわかる.
 本特集は,「心筋梗塞 最前線」として,たとえ専門医でない先生方も知っておくべき最新情報をわかりやすく紹介した.情報化時代において,総合医であれ専門医であれ,全体を大雑把に見渡せる感覚が必要であり,本特集が日常診療における心筋梗塞への医療介入の一助となれば幸いである.

朔 啓二郎 福岡大学医学部長
2,750円
特集 『 お母さんを診よう -妊婦・授乳婦に正しく対応する- 』


≪特集の目次≫

今月の視点(西村真紀,他)

■各 論
妊娠前ケア(妊娠したい人ケア) ─ 基礎体温・葉酸・風疹ワクチン・基礎疾患・STD─(菅長麗依)
妊婦さんが外来に来たとき ①血圧・糖尿(清田実穂)
妊婦さんが外来に来たとき ②投薬(遠井敬大)
授乳中の薬(寺岡英美)
おっぱいの相談(乳房のしこり,痛み)(長尾智子)
母乳育児(野口 愛)
家族計画・避妊(ピル)(池田裕美枝)
女性のがん,HPVワクチン(伊藤雄二)
産後のメンタルヘルス(マタニティーブルーズ,産後うつ病)(森屋淳子)
家庭内暴力,とくに配偶者からの暴力(Intimate Partner Violence:IPV)(小坂文昭)

■column
セクシュアリティ(セックスレス,性交痛)(田頭弘子)
たばこ・アルコール(吉本 尚)
子育て系相談:子どもへの性教育(来住知美,他)
文献・ウェブサイト紹介(西村真紀,他)


≪Series≫

私たちはこんな世界を生きている ─アスペルガー症候群の当事者研究─(5)
広汎性発達障害,自分自身の特異な性質との戦い(林 昌枝)

医者のストレス,患者の不満(14)
医療過誤(寺本研一)



≪今月の視点≫

 「子どもをもつお母さん」に外来で出会ったら,とくに気をつけていることはありますか? 妊婦さん,授乳婦さんは苦手ではないですか?
 女性は一般的に,妊娠前・妊娠中に自分の健康について考えるようになります.この年代は,妊婦健診,乳児健診,子どもの予防接種やかぜなどで,産科や小児科,プライマリ・ケア医へ頻繁に受診します.しかし,出産後の女性は育児に直面し,自分自身の健康に無関心になっていることが多く,症状があっても受診には至らないことが少なくないのが現状です.妊娠糖尿病や妊娠高血圧症の出産後フォローアップも不十分です.
 また,妊娠したい女性,妊娠しているかもしれない女性に対して,医師としてどのようなことに気をつけたらよいのか,学べる機会はあまり多くはありません.妊娠中のX線撮影や,妊娠・授乳中の投薬に関しては,患者側も医療者側も必要以上に警戒していることもよくあります.
 妊娠・出産に伴い,女性に起こる心身の健康問題は,特別なアプローチが必要です.お母さんを診るときは,「子育てをしている」というコンテキスト(背景)を考慮することが大切なのです.母は子どもへの影響を常に考えます.また心理社会面でも子育て中に特異的なストレスがあり,体の不調が多いにもかかわらず,なかなかそのことを訴えることが少ない時期でもあります.
 本特集では,お母さんがかぜなどでプライマリ・ケア医を受診したとき,どのようなことに気をつけるべきかについて,疾患だけでなく健康増進,予防,メンタルヘルスという視点も加えた内容となっています.この特集を読むことで,日常診療のなかでの,お母さん世代のマネジメント能力がアップできるものと考えています.人知れず悩んでいるお母さんたちに声をかけられる素敵なプライマリ・ケア医となるための一助となれば幸いです.

西村真紀 医療福祉生協連 家庭医療学開発センター/川崎医療生活協同組合 あさお診療所 所長
中山明子 大阪家庭医療センター/西淀病院
2,750円
特集 『 へき地医療を考える -日本のへき地を支えるプライマリ・ケア医の重要性- 』


≪特集の目次≫

今月の視点(中桶了太)

■総 論
地域を支える地域包括医療・ケア─へき地医療,それは地域包括ケアシステムの源流─(押淵 徹)

■地域医療の現状
離島医療の現状と将来─長崎県の離島の経験から─ (八坂貴宏)
農山村部の地域医療(由井和也)
地域の周産期医療─離島の周産期医療の現状─(加藤一朗)
地域での在宅看取りについて(中村伸一)
地域の医療機関の連携─地域連携パスの活用─ (大原昌樹)

■専門職連携教育
地域枠入学制度と地域医療教育(前田隆浩)
地域医療を多職種で教える─多職種間連携教育(IPE)─ (吉村 学)
地域における医科・歯科連携─住民の健康維持と咀嚼および歯科分野との関係─(南 温)
地域で医師を育てる(平井愛山)
インターネットを活用した地域での学習─ネットワークカンファレンス『プライマリ・ケアレクチャーシリーズ』─ (木村眞司)
僕が高知県が世界一になれると考える 4 つの理由(伴 正海)

■保健・行政
北海道の幌加内町でのワクチン公費全額助成導入と啓発活動(坂西雄太 他)
小値賀町での肺炎球菌ワクチン導入と,その医療経済的効果(今立俊輔)
住民が守り育てる─福井県高浜町での民・官・医の協働─ (井階友貴)
市民大応援団(金丸吉昌)

すんなりわかる
実践!へき地医療を考える(小林 只)

■災害と地域医療
大震災と地域医療─災害時に求められる地域医療─(大橋博樹)
震災地で地域医療が果たす役割(長 純一)


≪Series≫

「治療」「薬局」合同企画
データで読むクスリ(浜田康次)

医者のストレス,患者の不満(13)
再び医療否定本(寺本研一)

私たちはこんな世界を生きている─アスペルガー症候群の当事者研究─(4)
就職難の実態(20 代,男性)


≪Contribution≫

臨床経験
簡易懸濁法に基づく内服抗がん薬の適否判定:テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合薬(比知屋寛之 他)
臨床経験
抗うつ薬(パロキセチン塩酸塩)における後発医薬品間の簡易懸濁適応性の比較検討(比知屋寛之 他)


≪今月の視点≫

 へき地医療に対する明確な定義はありませんが,一般的には交通が不便で人口減少と高齢化が進行しているへき地で展開される医療のことを指します.
 専門医や研修医の多くは,専門分化した都市の大病院の医療で活動しており,へき地の医療はそこからはみえません.都市部と比較して,へき地に関する情報ソースも限られています.しかし,へき地医療研修を終えた研修医の感想として「イメージと異なった」,「興味深い」,「面白い」,「先駆的」といった感想が多く寄せられます.都市部ではへき地医療の負の幻想が独り歩きしているのではないでしょうか.
 近年,地域の医師不足を解消する目的で,全国の67大学の医学部に地域医療枠が設けられ,いまや医学部定員8,923人のうち1,171人,約10人に1人が地域枠での入学者です.このようにへき地や地域での研修が注目されています.
 へき地では,人口や行政の規模が小さく,医療者が少ないことをアドバンテージとし,さまざまな試みがなされています.顔がみえる関係を構築しやすく,多職種の連携には最適です.この連携をもとにした「保健から医科や歯科,そして介護へのシームレスな関係を提供する地域包括医療・ケア体制の構築」,そして「医療介護施設を結ぶ地域連携パスの導入」,「行政とタイアップしたワクチン接種事業」,「地域住民とともに創る医療の再生」,「各地をインターネットで結び,勉強会での学びの場の創出」,「地域医療の経験を東北地方の被災地域の復興に役立てる試み」など,へき地での取り組みをあげればきりがありません.さらには,その土地のアドバンテージを学ぶためにへき地や地域を研修の場として選択する研修医も現れています.
 私自身,地域で仕事をしていて「なかなかいいぞ!」と感じます.今回の特集を通して,地域の現状に少しでもご興味をもっていただければ幸いです.
 今回の企画に当たり,ご多忙にもかかわらず快くご執筆を引き受けてくださいました先生方に心より感謝いたします.

中桶了太 長崎大学病院へき地病院再生支援・教育機構平戸臨床教育拠点 准教授
2,750円
特集 『 脳から疾患をみる -神経科学最前線!- 』


≪特集の目次≫

今月の視点(村垣善浩)

■総 論
神経科学と治療の進歩(和田圭司)

■パーキンソン病・振戦
パ-キンソン病・振戦などの薬物療法(眞木二葉)
パ-キンソン病・振戦・ジストニアの脳深部刺激療法(宮城 靖)
振戦に対する超音波治療(MRI 誘導下集束超音波)(阿部圭市,他)

■認知症
最近の基礎研究の進歩と診断・治療への応用(大河内正康,他)
アルツハイマー型認知症などの認知症への非薬物療法の現状(DBSなど)(渡辺克成)

■脳血管障害
手術の進歩(森田健一,他)
血管内手術(梶原一輝,他)

■脳腫瘍
手術の進歩と神経科学への貢献(新田雅之,他)
薬物療法の進歩(大野 誠,他)
定位放射線治療 ─ガンマナイフ治療を中心に─(城倉英史)

■うつ病
基礎医学の進歩と薬物療法の展開(谷 将之,他)
うつ病・強迫性障害に対する非薬物療法の現状(杉山憲嗣)
抗うつ薬治療抵抗性うつ病に対する経頭蓋反復磁気刺激療法(rTMS)(三國雅彦)

■統合失調症
基礎医学の進歩と薬物療法の展開(村岡寛之)

すんなりわかる
実践! 脳から疾患をみる(土肥栄祐)

■機能障害
脳卒中後の機能障害に対するリハビリテーションの進歩(水野勝広,他)
装着型ロボット応用の現状と展望(中島 孝,他)


≪Series≫

医者のストレス,患者の不満(12)
患者の話を聞くということ(寺本研一)

私たちはこんな世界を生きている ─アスペルガー症候群の当事者研究─(3)
外部連携未対応機種F84.5(Adler)


≪Contribution≫

臨床経験
胆嚢炎で発症し術前に診断可能で,一期的に根治手術を行えた胆嚢管がんの1 例(奥本龍夫,他)

臨床経験
妊娠を契機に発見され根治手術を施行できた胃消化管間質腫瘍の1 例(奥本龍夫,他)

臨床経験
ホワイトヘッド肛門にALTA 硬化療法が有効であった1 例(徳永行彦)


≪今月の視点≫

 近年,精神神経系疾患の治療領域にさまざまな新潮流が起こっている.アルツハイマー型認知症の病態解明とともに新薬や新薬候補が次々と生み出され,治療困難とされていた変性疾患に関する薬剤開発にも,医療現場は大きな期待をもてるようになった.
 一方で,薬剤抵抗性の疾患に対する新しい薬剤の登場を待つのではなく,手術や電気あるいは磁気などの局所に作用する物理力を用いて治療を行う試みもコンセンサスを得始めている.古くはてんかんに対する迷走神経刺激治療であり,またパーキンソン病に対する脳深部電極による刺激治療も代表的なものである.最近では,うつ病に対して経頭蓋磁気刺激,本態性振戦に対して集束超音波で治療するといった全く新しいアプローチも始まっている.また,リハビリテーションをロボット技術で進化させる試みも臨床応用されている.
 こういった技術の革新は,一刻も早く治療による改善を望む患者側からは当然の要望であり,医療者側も真摯に受け止めなければならない.専門家は新治療について懐疑的であって当然であるが,機序が不明であってもランダム化研究などで効果を示した治療に対して開かれた臨床評価を行うべきである.疾患や部位によって診療科に割り振る時代から,治療法によって診療科が割り振られる時代に移りつつあるのである.
 その流れの源流は脳神経外科にみて取れる.脳血管障害に対する血管内手術や脳腫瘍に対する定位放射線治療の導入によって,診療科にサブスペシャリティーが発生し当該技術の専門医が誕生する時代となっている.一方,従来法の脳神経外科手術も進歩を遂げており,脳神経外科内で討論し,治療法によって担当医が決定するのである.
 本特集は神経疾患に関して,基本治療である薬物療法の進歩を述べるとともに,医療機器を中心とした非薬物療法を紹介する.加えて治療法開発のアイデアの源泉となる神経科学についての最近の知見や,言語やほかの高次機能について覚醒下手術による機能解析といった興味深いテーマも取り上げた.神経系疾患を専門とせずとも,この領域に興味を有する読者の参考となれば幸いである.

村垣善浩 東京女子医科大学先端生命医科学研究所 教授
2,750円
特集 『 各科で遭遇する女性医療 -ライフステージ別にみた女性の健康問題- 』


≪特集の目次≫

■思春期
総論:思春期の月経異常(野崎雅裕)
食行動の変化に伴う体重減少や体重増加(摂食障害,心療内科)(柴山 修 他)
ふらふらして動悸がする─思春期貧血への適切な対応─(貧血,血液内科)(宮崎 仁)
イライラして疲れやすい(甲状腺疾患,内科)(小林佐紀子 他)
よく立ちくらみがある(起立性調節障害,小児科)(松島礼子 他)

■20〜30 代
総論:STD と妊娠(小川 幸 他)
急に排尿回数が増えた,熱っぽい(尿路感染症,泌尿器科)(松木孝和 )
肛門痛と便潜血(痔疾患,肛門科)(山口トキコ)
急な視力低下(多発性硬化症,眼科)(関山英一 他)
微熱があり全身倦怠感(全身性エリテマトーデス,リウマチ内科)(井上有美子 他)
周産期のうつ(気分障害,精神科)(岡野禎治)
腹痛・胃痛(過敏性腸症候群・機能性胃腸症,消化器内科)(鳥居 明)

■更年期(40〜50 代)
総論:更年期障害(松 潔 他)
検査値異常(脂質異常症,内分泌代謝科)(板東 浩 他)
腰が痛い(腰椎椎間板ヘルニア,整形外科)(山田 実 他)
頭が痛い(頭痛,脳神経外科・神経内科)(大和田 潔)
冷え症(更年期障害,漢方外来)(川嶋 朗)

すんなりわかる
実践! 各科で遭遇する女性医療(村田亜紀子)

老年期(60 代〜)
総論:骨盤臓器脱(野村昌良)
胸部の圧迫感・胸痛─中高年女性から老年期まで─(狭心症,循環器内科)(天野惠子)
転倒による骨折(骨粗鬆症,整形外科)(中村 巧 他)


≪Series≫

私たちはこんな世界を生きている─アスペルガー症候群の当事者研究─ (2)
君が好き(藤野 優)

医者のストレス,患者の不満 (11)
医療否定本の否定(寺本研一)


≪News & Trend≫

特別寄稿
看護職者が厳しい病名・予後告知を受けて学んだこと
 ─ 20 数年の時を経て「本当に」理解できた,とある医師からの,あの日あの時のあの授業─(黄田美香)


≪Contribution≫

TOPICS
成人発達障害にみられる気分障害の臨床特徴(福西朱美)
臨床経験
過眠で来院しADHD の存在が明らかになった2 例(福西朱美)


≪今月の視点≫

 欧米では,小児科が一般内科外科より別れて独立した専門分野となったように,1980年代後半よりWomen’s Healthとして,女性も男女区別のなかった一般診療から,より専門分野として分けて診療する考え方が主流になってきた.現在では,小児病院があるようにWomen’s Hospital(女性病院)も一般的になっている.日本では,90年代の終わりにWomen’s Healthが紹介された後,一時「女性外来」の言葉が1人歩きして,いつの間にか「患者が女性」ではなく「医療提供側(医師やスタッフ)が女性」という間違った理解のもと付焼き刃的な外来が一気に乱立した.しかし,そのような外来では本当に悩み病んでいる患者を助けることができないことに気がつき,ようやくジェンダーとか性差という言葉も定着し,その重要性が理解されつつあるようである.
 女性の場合,男性とは異なりホルモンの影響を大きく受けることから,「思春期:10代」,「生殖期:20〜30代」,「更年期:40〜50代」,「老年期:60代以降」と各ステージごとに特徴的な疾患や病態があり,その多くはさまざまな領域にわたり,最初にプライマリ・ケアの現場で相談・診療されている.
 疾患によっては婦人科での診察治療も行われるが,逆に,個々の疾患にあわせた専門領域での診断治療が必要なことも少なくない.ところが,今の医療現場は,専門性が細分化されているメリットも多くある一方で,従来の診療科別専門家制度のもとで患者が診察されると,適切な診断が行われるまでに多くの診療科をたらい回しされてしまうこともある.
 今回の特集では,各領域のプロフェッショナルの先生方に,プライマリ・ケアの現場でよく遭遇する女性医療の診断や治療について,その診療ポイントをわかりやすくまとめていただいた.多くの女性が早期に適切な診断治療を受けることができ,日本のどこにいても,健康で笑顔ある女性たちをみかけられるようになることを願っている.

宗田 聡 広尾レディース 院長
2,750円
特集 『 日常診療能力を高めるための漢方活用術 』


≪特集の目次≫

■漢方薬を処方する際に注意を要する疾患
構成生薬別一覧表(渡辺賢治)

■漢方・東洋医学の教育とエビデンス
小柴胡湯の副作用事例の遺したもの(元雄良治,他)
医学部教育における漢方医学教育(柴原直利,他)
卒後教育における漢方教育 ─卒後臨床研修および研修指導医の現状と課題─(山脇正永)
漢方治療のエビデンス(元雄良治)
鍼灸の検証(山下 仁)
漢方薬の生薬構成について理解する(東 理)
エキス製剤のメリットと限界(入江祥史)
〈column〉漢方と中医学の違い(小池 宙)

■漢方医学的身体所見
舌・口腔の診察 ─とくに舌診について─(三谷和男)
腹 診(並木隆雄)
脈の診察(大野修嗣)

■漢方医学特有の症候
瘀 血(西田欣広)
冷 え(犬塚 央)
腎 虚(渡辺賢治)

すんなりわかる
実践! 日常診療能力を高めるための漢方活用術(藤田浩二)

■各主症状の漢方的診断を併用した分類と治療
一次性頭痛(來村昌紀)
めまい(五野由佳理)
聴覚障害・耳鳴(今中政支)
嗄 声(内薗明裕)
動 悸(小池 宙)
咳(加藤士郎,他)
嚥下困難(米田吉位)
消化管運動(機能)障害(千福貞博)
腰痛・しびれ(川嶋 朗)
関節痛(織部和宏)
排尿障害(頻尿・尿失禁(関口由紀)
肥満症(板東 浩,他)

≪Series≫

医者のストレス,患者の不満(10)
プラセボ効果の怪(寺本研一)

私たちはこんな世界を生きている ─アスペルガー症候群の当事者研究─(1)
当事者がみた成人アスペルガー症候群への支援 ─社会技能と自己認知の観点から─(渡壁典弘)

≪News & Trend≫

「治療」「薬局」「Rp. レシピ」合同座談会
一般内科で遭遇する「不眠」とその薬物療法
第3回 不眠への処方の進め方と管理のポイント(吉尾 隆,他)


≪今月の視点≫

 本特集は,通常の西洋医学的診察を行っている医師に対して,日常診療の診察や治療能力の向上に寄与することを目的に企画・編集しています.つまり,漢方医学特有の基本概念(気血水・陰陽・虚実・表裏・寒熱)に精通していなくとも,臨床現場で役立つ内容を伝えたいと思います.
 具体的には,
① 漢方医学的な身体所見のとり方を経験することで診察する視座が拡大し,
② 漢方医学的分類を症状別に理解することにより治療薬選択の幅が広がり,
③ 日常診療での総合的な患者マネジメント能力がアップしていくものと考えています.
 そこで今回は,漢方の処方経験はほとんどなくても身体診察や総合診療のスキルアップに興味のあるプライマリ・ケア医や,手術後の腸管運動障害に大建中湯,こむら返りに芍薬甘草湯,インフルエンザに麻黄湯,女性の不定愁訴に当帰芍薬散や桂枝茯苓丸などの病名処方の経験はあるという一般臨床医を対象に,実際の現場で活用しやすい漢方医学的な知識や情報に特化し,わかりやすくご解説いただきました.
 とくに,「各主症状の漢方的診断を併用した分類と治療」のコーナーでは,各症状に対して,処方頻度の高い処方に絞ってご推薦いただき,従来の漢方医学書・教科書には記載の少なかった,どの程度(の確率で)有効なのか,効果がある場合はどのような経過をたどるのか,いつ頃効果判定するのがよいのかなどについて,統計学的なデータがない場合は,執筆者の経験知をご教示いただいています.
 総論・各論ともに,日常診療に漢方医学を取り入れようと考えている先生にとって,非情に有用な内容になったと思います.実際に,漢方医学的な身体所見をとったり漢方薬を処方をしてみたりして,お気づきの点や疑問点などが生じましたら,本誌のLetters to the Editor欄にご投稿いただき,双方向的な意見交換ができればとも考えています.

雨森正洋 雨森医院(滋賀県) 院長
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  • 出版社:南山堂
  • 発行間隔:月刊
  • 発売日:毎月1日
  • サイズ:B5判

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