デイリー・マネタリー・アフェアーズ 発売日・バックナンバー

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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2017.08.31
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比143円99銭高
  米国株高や円高一服で買戻し、3日ぶり反発。

 **メイ英首相が来日
  3日間滞在で首脳会談や天皇陛下との会見、財界関係者らとの会合。FTA締
  結期待でフォックス国際貿易相や産業界幹部らも同行。

**東芝の半導体メモリ売却は9月にずれ込み
  議決権を巡る主導権争い。日米韓連合はアップル参加の新買収案提示。本
  日取締役会開催。

 **トヨタが東南ア配車サービス最大手グラブと提携
  豊田通商が出資、トヨタのウーバー提携と併せ次世代移動サービスへの取
  り組みを加速。

 **キヤノンが宮崎にデジカメ新工場建設
  自動化を武器に生産国内回帰へ。投資額は約200億円。

 **パナソニックがAIスピーカー発売へ
  欧州最大の家電見本市で発表、グーグル技術を利用。

 **マツキヨとドコモが業務提携
  両社顧客データを共同分析、マーケティングやポイント相互活用などで協
  業。

 **三井物産が東京駅構内にイータリー開店へ
  2015年に資本参加したイタリア食材・外食店。食品分野の事業拡大へ。
 
 **7月小売業販売額は前年同月比1.9%増
  9か月連続増加。自動車が6.6%増、医薬品・化粧品が5.0%増と好調、一
  方で大型小売店は0.2%減。 
 
<海外モニター>

 **NYダウは前日比27.06ドル高
  地政学懸念後退、景況感も好材料でハイテク、金融、素材など買い戻し。
  長期金利は2.13%で横ばい。ドルは堅調、金は一服。

 **米4-6月期GDP改定値は前期比年率換算3.0%増
速報値から0.4ポイント上方修正。個人消費や設備投資が上振れ。約2年
  ぶりの高い伸びに。

 **米ADP民間雇用者数は前月比237,000人増
  商業・運輸・公益が好調で5か月ぶり高水準。雇用市場の堅調持続。

 **トランプ大統領「対話は解決策ではない」
  歴代政権対応を批判しつつ北朝鮮を非難。外交努力に冷水。

 **アマゾンとマイクロソフトが事業提携
  AI利用の音声認識事業で提携。「アレクサ」と「コルタナ」を相互連携。
  ライバル同士が異例の協業。

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  最近のボヤキ                  好調なGDPの裏側
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 米国の4-6月期実質GDPは上方修正され、個人消費や設備投資の堅調さがあら
ためて注目されている。輸出も回復中でまさにバランスの取れた成長軌道に乗
っているように見えるが、3%という数字が下半期も継続するとの見方は乏しく
通年の成長率は2%を僅かに超える水準というのが現在のコンセンサスである。
政権は法人税減税を目玉とする税制改革への取り組みを活発化させているが、
インフラ投資同様に、財源がない状態では議論が行き詰まる可能性が高い。

 戦後三番目の長さになった現在の米国景気拡大期で際立っているのは、その
成長率の低さである。それは、どんなに派手な金融緩和を行っても限界がある
ことを実証したと言えようが、別の角度から見れば、政治が構造改革を怠った
ことも意味している。FT紙は、1930年代のルーズベルト時代の預金保険や財政
出動など様々な重大改革を挙げつつに比べ、今日の政治家の無策ぶりを強く批
判しているが、そこには政治経済学の行き詰まりを問うても良いだろう。量的
緩和策にしても、決して画期的な新型金融政策では無かったのである。

 結果的にはデフレ・スパイラルは逃れたが、慢性的なディスインフレと低成
長構造が残った。世界的に景気は順調とは言いながら、よく見れば中国の持続
不能なエンジンの空ぶかしに支えられているようなものである。だが中国の過
剰需要に支えられている世界は何も文句が言えない。タブーに切り込めないの
は、日本のメディアだけではないのである。そして北朝鮮問題にしても、米国
は中国に圧力を掛けながらも、中国の現政権が北朝鮮・江沢民ルートを抑圧し
切れないことを悟っている。表舞台は派手だが、裏ではパッチワークの連続だ。
堅調なGDPだけ見て浮かれてばかりはいられない。
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2017.07.31
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比119円80銭安
  半導体や証券が下落、好決算の波に乗れない日本株。

**稲田氏は一貫して日報隠蔽関与を否定
  辞任で疑惑に幕引き、特別防衛監察も有耶無耶。安倍政権隠蔽体質の象徴。
  民進代表選は前原・枝野両氏の一騎打ちへ。

 **トヨタ1-6月世界販売台数は前年同期比2.7%増
  約513万台で過去最高更新。北米は乗用車苦戦。ルノー・日産連合やVWには
  届かず。

 **大和ハウスが国内最大の託児所付き物流施設建設
  千葉県流山市。ロボット導入や最大600人の児童を受け入れで女性に優しい
  施設に。新規投資額は1600億円。

 **東電と東北電力が送配電事業連携へ協議
  資材共同調達や設備一体運営などによるコスト削減を検討。

 **三菱重工が新卒事務系社員募集せず
  業績悪化で初の採用見送り。技術系社員は予定通り。

 **住友林業は米国賃貸マンション開発事業参入
  国内市場に限界感。米国市場の成長を取り込む。

 **2016年度宅配便荷物数が前年度比7%増
  40億1900万個と2年連続過去最高更新。ヤマトの総量抑制や値上げで今年度
  はブレーキも。

 **6月全国消費者物価コア指数は前年同月比0.4%上昇
  石油製品価格や電気料金の上昇で6か月連続上昇。コアコアは横ばい。

 **6月家計実質消費支出は前年同月比2.3%増
  268,802円で16か月ぶり増加。基調判断は2か月連続引き上げ。

 **6月完全失業率前月比0.3ポイント低下の28%に
  4か月ぶり低下、自発的な離職などが減少。有効求人倍率は前月比0.02ポイ
  ント上昇の1.51倍、正社員でも1.01倍と初の1倍越え。

<海外モニター>

 **NYダウは前日比33.76ドル高
  好決算で3日連続最高値更新、ナスダックは小幅続落。長期金利は2.29%
  へ低下。

 **米4-6月期成長率は年率2.6%
  個人消費2.8%増、設備投資5.2%増、輸出4.1%増と底堅い成長。住宅
  投資は6.8%減。コアPCE価格指数は年率0.9%上昇と失速気味。

 **米4-6月期雇用コスト指数上昇率は0.5%
  市場予想を下回り前四半期の0.8%から鈍化。賃金・給与は頭打ち。

 **米7月ミシガン大消費者信頼感指数は上方修正
  93.1から93.4に上振れ。1年先の期待インフレ率確報値は2.6%と0.1ポイ
  ント下方修正。

 **米プリーバス首席補佐官が辞任
  スカラムッチ広報担当が公的な場で罵倒、政権罅割れは鮮明に。ティラー
  ソン国務長官にも辞任観測。

 **米上院がオバマケア限定的廃止法案を否決
  ヘルスケア改革頓挫で減税・インフラ投資の財源確保見通し立たず。

**テスラが新車種「モデル3」の納車会開催
  微調整後に本格的な量産体制へ。1台35,000ドル。

 **ユーロ圏7月景況感指数は10年ぶりの高水準
  サービス部門が好調、111.2と3か月連続上昇。

 **ブラジルのテメル政権支持率が5%に低下
  収賄罪で起訴、過去31年間で最低。下には下が。

 **北朝鮮が深夜にICBM級ミサイル発射
  朝鮮戦争休戦記念。韓国はTHAADの追加配備検討、日米中韓には手詰ま
  り感、トランプ大統領は中国に不満表明。

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  最近のボヤキ              ハイテク株とボラティリティ
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 昨年末以来急上昇してきた米国ハイテク株への警戒感が生じ、好決算にも拘
わらず株価の先高観が薄れ、アマゾンの投資拡大に拠る利益圧迫に失望感が強
まるという、ちょっとした逆風が吹いている。ダウは最高値更新と威勢が良い
が、いま世界中の投資家が注目しているのはナスダックやハイテク指数であり
その売り圧力が一時的に終わるのか、市場全体に広がるのか、といった点に焦
点が当たっている。市場の一部には狂気のドットコム・バブルを思い出す向き
もある、という。

 2000年3月にIT関連の株価がピークを付けた当時は「ネットネットと草木も
靡く」状況にあり、利益を生むのか生まぬのか分からないまま各社の株価が急
騰していた時期であった。翌月に株価が暴落してナスダックが奈落の底へと沈
み始めたのを、今でも鮮明に覚えている。別に暴落を予想をしていた訳ではな
いが「来るべきものが来た」というその時の感覚は、2007年のサブプライムロ
ーン破綻の際にも抱いたものであった。だがいま、そこまでの恐怖感はない。
割高感の多少の調整はあってもおかしくないが、激震とまでは行かないように
思われる。

 その感覚のベースに、レバレッジの低さやハイテク企業の業績そして世界経
済の安定感などを挙げることが出来るが、それは金融危機の後遺症として主要
国政府や中銀が市場の過剰反応を極度に恐れた運営を行っていることの裏返し
でもある。市場に端を発する景気後退を許せば、先般の危機から何の教訓も得
ていない、と糾弾されるのは目に見えているからだ。かくして成長率さえも管
理下に置かれ、世界は事実上の計画経済の局面に置かれ始めているようにも見
える。昨今の市場ボラティリティの低下は、単にそうした構造要因から演繹さ
れた、貧しい政治的現象に過ぎないのかもしれない。
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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2017.06.30
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比89円89銭高
  米国株の急回復に安心感。高値圏ではもみ合い。

**側近トリオ問題で揺らぐ安倍政権
  都議選前に暗い影落とす萩生田・稲田・下村の三氏。不信感払拭できぬま
  ま投票日へ。

 **ゆうちょ銀行が東芝メモリに出資か
  日米韓連合に数百億円規模の出資で参加する案が浮上。絶句。

 **黒田電気で株主提案人事案が異例の可決
  旧村上ファンド関係者らが運営する投資会社の提案。経営側は反対、株主
  は賛成。

 **ふくおかFGと十八銀行が経営統合再延期へ
  高い公正取引委員会の審査ハードル。地元顧客の支持が鍵に。

 **「アイワ」ブランド復活
  ソニーから「AIWA」の商標権を取得、今秋新会社設立へ。

 **任天堂の株価が9年ぶりの高値に
  家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の販売好調。

 **カブドットコム証券にサイバー攻撃
  36分間ログインできず。DDos攻撃で日本市場にも被害。

 **2016年度税収は基幹3税が揃って減収
  所得税・消費税・法人税が不振。税収総額は約55兆5千億円で7年ぶりの
  前年割れ。


<海外モニター>

 **NYダウは前日比167.58ドル安
  利益確定でハイテク株急落、金融株は上昇するも三指数は大幅安。長期
  金利は2.27%へ急上昇。

 **米1-3月期GDP確定値は前期比1.4%増
  予想を上回る上方修正。個人消費や輸出が上振れ。

 **メルケル首相が事実上のトランプ批判
  G20サミットを前に連邦議会演説で「孤立主義や保護主義は大きな過ち」と
  ストレート・パンチ。

 **ユーロ圏6月景況感指数は前月比2.1ポイント改善
  111.1と2007年8月以来の高水準に。

 **AIIBがMoody’sからAaa取得
  ADBと並ぶ最高格付けで債券発行へ。

 **米デラウェア州最高裁判所がWHの訴えを却下
  子会社買収でCB&Iに20億ドルの支払いを求めた裁判。 

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  最近のボヤキ               欧州版のTaper Tantrum
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 米国株の急落が本日の金融メディアのヘッドラインを飾っているが、異変が
起きたのは欧州債券市場である。先日述べたようにドラギ総裁、カーニー総裁
そしてポロズ総裁と三人の中銀総裁が揃って緩和からの出口に言及し、欧州国
債市場は「欧州版のTaper Tantrum」の様相を強め、軒並み債券利回りが急上昇
した。国債市場が麻痺している日本国内では「無風」であったが、窓の外は暴
風雨であった。これが株式市場に伝搬し、米国ではハイテク株の急落を引き起
こしている。

 2013年はバーナンキ前議長の発言で市場が大混乱に陥ったが、2017年はドラ
ギ総裁の出番になったようだ。もっとも同総裁の発言には「インフレが定着す
るには緩和の継続が必要だ」という言葉も盛り込まれており、4年前のバーナン
キ発言とは質が違う。ECBからは「総裁の真意は量的緩和の終了ではない」と
火消し発言が相次いでいる。カーニー総裁の利上げ発言にも「景気が順調に推
移すれば」という注釈がつけられている。だが市場は「新しい判断」に飛びつ
くものである。混乱が収束するには時間が掛かるかもしれない。

 金利上昇期到来と見る米国株市場では金融株やバリュー株が買われる一方で
ハイテク株が投げ売られた。先般に続くハイテクの急落地合いは、割高感の修
正だけでなく投資局面の変化を表徴するもの、との見方も増えそうだが、金利
観に関してはまだ修正する必要が無いと筆者は考えている。欧州経済は確かに
復活しつつあるが、インフレ率や金融システムの安定性そしてブレグジットと
いう不確定要素などの面を眺めれば、2013年の米国と同じとまでは言い切れな
い。下半期は上半期ほど穏やかな市場ではないだろうが、金利上昇で大荒れと
いったシナリオまでは想像し難いように思われる。
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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2017.05.31
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比4円72銭安
  円高一服で下げ幅縮小するも3日続落。売買低調。

 **菅官房長官「前川氏は勝手に言っている」
  個人攻撃や証言無視に徹する構え。野党にも決め手なし。泥沼の日本政治。

 **政府が未来投資会議で成長戦略提示
  「日本再興戦略2017」。規制改革は追い付かず即効性にも疑問符。

**ホンダがハイブリッドの海外販売加速へ
  日立との合弁で高効率モーター量産、燃費・価格でより競争力のあるHVを
  海外に。

 **三菱地所が物流施設特化のREIT上場へ
  東証上場準備に着手、年内にも上場見通し。当初運用規模は数百億円。保
  有物件売却で新たな開発資金を取得。

 **銀行のアパートローン新規融資額が減速
  1-3月期は前年同期比0.2%減の1兆508億円。約2年ぶりの減少。当局監視
  強化や市場飽和感で頭打ち。

 **4月有効求人倍率は前月比0.03ポイント上昇
  1.48倍とバブル経済期の水準超え。43年2か月ぶりの高さに。完全失業率
  も2.8%で雇用情勢は「売り手市場」に。

 **4月実質消費支出は前年同月比1.4%減
  1年8か月連続で前年割れ。交通・通信が7.3%減でうち自動車購入が48.4
  %減。教育は15.1%減。縮こまる個人消費。

<海外モニター>

 **NYダウは前週末比50.81ドル安
  金融・エネルギーに売り。アマゾンが1000ドル突破するもナスダックは
  8日ぶり小反落。長期金利は2.21%へ低下。

 **ブレイナードFRB理事が金利道筋見直し示唆
  早期利上げ見通しと同時にインフレ圧力低減への懸念にも言及。

 **米5月CB消費者信頼感指数は前月比1.5ポイント低下
市場予想下回る117.9と2か月連続低下。景況見通しも2.8ポイント低下。
 
 **米5月コアPCEデフレーターは前年同月比1.5%上昇
  前月の1.6%上昇から伸びが鈍化。個人消費支出は前月比0.4%増と持ち
  なおし、個人所得も同0.4%増と堅調。

 **独5月消費者物価指数は前年同月比1.4%上昇
  伸び率は前月の2.0%を下回る。ユーロ圏CPIも鈍化の見通し。


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  最近のボヤキ              外れ続けるFRBの物価見通し 
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 米国のインフレ圧力低下が鮮明になっている。メディアには5月の米個人消費
が堅調で来月の利上げを後押し、といった論調が目立つが、コアPCEデフレータ
の鈍化は3月以来の物価上昇率の鈍化が一時的ではなかった可能性を示唆してお
り、物価見通しに関しては債券市場の予想に軍配が上がってFRBはまたまた読み
を外してしまったように見える。堅調だったソフトデータに関しても、コンファ
レンスボードの消費者信頼感指数が低下するなど、微小な変化が見え始めた。

 これまでの強気な意思表明からしてFOMCが6月利上げを撤回する可能性は乏し
いように思われるが、面目を保った後は慎重な姿勢に転じるかもしれない。昨
日のブレイナード理事の発言にはそんな苦悩も滲んでいる。利上げ反対派のミ
ネアポリス連銀のカシュカリ総裁の発言に耳を傾ける人も増えるだろう。過去
3回の利上げは本当に必要だったのか、との自己批判とも受け取れるシカゴ連銀
エヴァンス総裁の「政策ミス」発言も、重みを増している。バランスシート議
論の行方も左右しそうな、昨今の物価動向だ。

 NYタイムズ紙が物価動向に強い影響力を持つ賃金に関して面白い論考を提示
している。生産性とインフレ率からみたここ数年の米国賃金水準は、上がらな
いのではなく上がり過ぎている、との観測だ。生産性が上がらないで労働力需
給だけで賃金が上がる筈と見るのは誤りだ、という指摘である。足許で上がり
過ぎた賃金が生産性に連動して低下を始めれば、一向に上向かないインフレ率
もまた下がりかねない。モデルに依存した予想が当たらないのは、生産性構造
の崩れに拠るものでもあろう。我々は、歪んだ鏡を眺め続けているのかもしれ
ない。
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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2017.04.28
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比37円56銭安
  米税制改革に不透明感。ドル高・円安一服で5日ぶり小反落。

 **日銀が景気判断を9年ぶり上方修正
  海外経済堅調が支え。2017年度の物価上昇率見通しは1.5%から1.4%へ僅
  かな下方修正、まだ夢を見続ける日銀。

 **大手金融機関が3月期に東芝関連損失計上
  6行で合計2000億円超の見通し。資金繰り支援は継続へ。

 **日生がオープン外債投資増の計画
  2017年度資産運用計画。海外への成長・新規分野に4年間で1兆5000億円の
  投融資計画も。

 **トヨタ2016年度世界販売台数は前年度比1.6%増
  1025万1000台と過去最高更新するもVWに僅差で二位。中国での成長力が順
  位を左右。

 **東芝は綱川社長続投で調整
  指名委員会が評価、元会長の志賀執行役は退任へ。

 **大手銀行がカードローン対策導入
  無担保で多額融資の実態が発覚。収入確認など厳格化へ。 

<海外モニター>

 **NYダウは前日比6.24ドル高
  勢い止まらぬナスダックが好決算期待で最高値更新。長期金利は2.30%
  と強含み。

 **アマゾン1-3月期決算は増収増益
  売上高が前年同期比23%増、純利益は同41%増と絶好調。

 **米3月コア資本財受注は前月比0.2%増
  コア資本財出荷は0.4%増、ヘッドラインは0.7%増。予想は下回る。

 **トランプ大統領「NAFTA撤廃せず」
  首脳会談で方針一転、存続ベースで協定見直し路線へ。

 **ドラギ総裁は緩和継続を強調
  ECB理事会は現状維持。成長見通しはやや上振れも物価には慎重姿勢。ユ
  ーロは小反落。 

 **英独銀行大手がロンドン離脱準備
  ドイツ銀行は4000人異動の可能性示唆、バークレーズは半年以内に配置
転換実施の方針。

 **中国3月工業部門企業利益は前年同月比23.8増
  伸び率が鈍化、製造業の景況動向にピーク感も。 

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  最近のボヤキ                 インフレなき成長
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 日銀の展望レポートはいまや願望レポートと呼ばれているらしい。4年間に
わたる強引な緩和策は、処理不能な中銀バランスシート、修正不能な国債市場
機能、非合理的価格形成の株式市場といった悲惨な金融像を作り上げた。景気
は拡大中だが殆どが海外経済に支えられた結果であり、未曽有の政策が狙った
物価上昇は絵に描いた餅のままである。最大の救いは「物価上昇無き景気拡大」
という足許の経済情勢であるが、それは現総裁の青写真ではなく前総裁が示し
た道である。

 日本の物価上昇率は恐らく日銀のシナリオ通りには進まないだろう。むしろ
その方が出口戦略を示す必要もなく金利急反発も招かず、という日銀にとって
幸いな状況になる。緩和の継続性をひたすら訴え続ける黒田総裁自身の出口戦
略だけは盤石の様に見える。欧州ではドラギ総裁が緩和継続の必要性を訴えて
いるが、日本同様にインフレなき成長を実感しつつある中で、こちらも緩和を
止める上手い口実が見つからない。米国のように金利正常化を進める力は、日
欧ともに無いに等しい。

 だがその米国ですら、本当に利上げペースを維持出来るのか、と債券市場は
疑いを隠さない。ハードデータは総じて弱含みであり、4月以降持ち直しとの
期待感は根強いものの、市場のインフレ期待値は低下傾向を示しており、実際
の賃金や物価データも、景況感が強い割には上昇力が弱い。トランプフレーシ
ョンと呼ばれるリフレ期待にもくっきりと影が差してきた。中国は過剰生産を
抑制すると言いながら、鉄鋼やアルミの増産は続き、デフレ傾向継続の雰囲気
を醸し出している。イオン岡田社長の「脱デフレは幻想」との発言は、世界的
な金利観にも重要な示唆を与えている。
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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2017.03.24
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

**日経平均は前日比43円93銭高
  自律反発で4日ぶり上昇。米オバマケア審議を控え押し目買いは限定的。

 **籠池氏「首相夫人から100万円寄付」
  証人喚問で口止めメールにも言及、焦る自民党。松井大阪府知事が梯子
  外しとも証言。野党は昭恵氏の国会招致要求。

 **3月月例経済報告は基調判断据え置き
  4かカ月連続で同じ表現に。個人消費と企業収益は判断引き上げ。

 **資生堂がヒト型ロボット活用の生産技術導入
  双腕型ロボットで箱詰めなどの細かい作業。多品種少量生産中心の化粧
  品業界での人手不足に対応。

 **パナソニックが自動車関連事業で米新興企業に出資
  車載情報機器や関連サービス開発で資本・業務提携。カーナビなどに同
  技術を活用。

 **エフィッシモが東芝株を大量取得
  旧村上ファンド出身者。15日時点で発行済み8.14%保有、筆頭株主に。

 **東芝主力行が月内のWH破産法申請を要請
  損失の確定を求める銀行。

 **米運用会社キャピタルが任天堂株を一部売却
  保有比率は11.40%から10.39%に低下。

 **1月実質賃金は前年同月比0.1%減
  速報値は下方修正。

<海外モニター>

 **NYダウは前日比4.72ドル安
  下院の審議難航で6日続落。長期金利は2.42%と強含み。

 **米下院がオバマケア代替法案の採決延期へ
  共和党員の反対で法案成立見通し立たず。大きく躓くトランプ政策。

 **米2月新築一戸建て住宅販売件数は前月比6.1%増
  年率換算592,000戸と7か月ぶり高水準に。販売価格中央値は3.9%下落。

 **WTI期近物が続落
  米国在庫増を嫌気した売りが続き47ドル台に。

 **ユーロ圏3月消費者信頼感指数は前月比1.2ポイント上昇
  マイナス5.0と予想上回る。EU全体の指数も2.1ポイント改善。ECBは第1
  四半期の力強い成長率を予想。

 **AIIBに新たに13か国・地域が新規加盟へ
  カナダ、ベルギー、香港など加盟、総数は70か国・地域でADBの67か国・
  地域を上回る。

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  最近のボヤキ                 各国政治経済の綱渡り
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 最近の世界経済の堅調さは、金融危機後に流布した「資本主義の終焉」説を
払拭する、資本システムの頑強性を示すものと言って良い。金融政策に大きく
依存したことは間違いないが、その時間を買う施策を国際的に実体経済が上手
く利用して自力回復してきたことも事実である。現代経済の修復には「充分な
時間が必要」という実感としての認識が生まれたことは貴重な経験であった。
だがその回復基調が綱渡りであることも否定し得ないところである。

 過剰なトランプ期待が消えた後の米国経済に失望感や不透明感が生まれるこ
とは避けられまい。ブレグジットを決めた英国経済のマイナス面はこれから出
て来ると思われる。原油価格低迷で中東やロシアなどの経済の勢いにも影響が
出るかもしれない。日本経済には比較的安定感があるが、森友学園を巡る政治
リスクや北朝鮮の暴発リスクがその巡航を妨げる可能性もある。そして市場の
危機感が薄れつつある中国の過剰負債問題が、史上最大規模の時限爆弾である
ことにも変わりはない。

 新築住宅価格動向を見る限り、中国の不動産市況は安定しているようだが、
実態は昨年末から暗転しているとS&Pは指摘している。大都市圏では昨年住宅
価格が40%上昇したが、年初来は下落に転じており、今年は3年ぶりにマイナ
スになるとの見通しだ。住宅販売額も昨年の10%増から一転して20%減に落ち
込む、とS&Pは予想している。銀行は既に不動産業界への融資を絞り込んでい
るが、その代替であった株・債券も当局の規制強化で厳しい制限を受け始めて
おり、理財商品から不動産融資が締め出され始めている。直近では日本の籠
池劇場や米国のトランプ喜劇が耳目を集めているが、やはり世界最大の綱渡
りの舞台が中国であることは、忘れないでおきたい。
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2017.02.28

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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>
 
 **日経平均は前週末比176円07銭安
  円高基調嫌気、今年初の4日続落で一時280円超安。トランプ効果も剥げ
  落ち。

 **2017年度予算案が衆院通過
  18年ぶりの2月中参院審議入り、年度内の成立確定へ。

 **東レががん治療薬に本格参入へ
  新薬候補を開発、米仏で臨床試験入り。2022年発売目指す。

 **ソフトバンクが衛星事業で再編模索
  出資するワンウェブとインテルサットの合併交渉が進行中。

 **シャープが子会社上場方針へ
  医療関連、物流、知財管理の3分野での鴻海との合弁会社。日中で株式
  公開、受注拡大目指す。

**東芝の半導体事業に5社以上が関心
  同業大手や投資ファンド、取引先など。3月中にも再入札。全株売却で
  2兆5000憶円調達との観測も浮上。

 **日立キャピタルと三菱UFJリースが再生エネファンド
  未着工メガソーラーなどに出資、最大300億円規模に。

 **JR仙台駅前「さくら野百貨店仙台店」が自己破産
  運営会社エマルシェの破産手続き開始決定。百貨店の苦境鮮明に。

 **森友学園幼稚園児「安倍首相がんばれ」宣誓
  まるで北朝鮮並みの洗脳教育。

 **1月大手自動車6社の世界生産実績は前年同月比4.7%増
  現地生産増で5社の海外生産が好調。北米でSUVなどが伸びる。

 **1月外食売上高は前年同月比2.4%増
  年始利用増で堅調維持、ファストフードが4.2%増と好調。 

<海外モニター>

 **NYダウは前週末比15.68ドル高
  政策期待で12日続伸。長期金利は2.37%へ上昇。

 **米1月コア耐久財受注額は前月比0.4%減
  予想を下回り4か月ぶり減少。コア資本財出荷も0.6%減。ヘッドライン
  は輸送関連増で1.8%増。

 **米1月仮契約住宅販売指数は前月比2.8%低下
  2か月ぶり低下、1年ぶりの低水準に。物件不足と住宅ローン金利上昇
  が障害に。

 **米大統領「軍事費を540億ドル増強」
  州知事らと会談、2018会計年度予算案概要を説明。米軍再建へ1割増。
  巨額のインフラ投資にも言及。

 **米海軍長官候補が辞退
  労働長官や陸軍長官の候補に続く事態。トランプ人事は停滞。

 **RCEP首席交渉官会合が開幕
  東アジア地域包括的経済連携。TPP消滅で急浮上、中国は虎視眈々。

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  最近のボヤキ              トランプ
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 トランプ大統領の明日の議会演説で市場トーンが変わるかどうか、予断は許
さない。強気維持の見方もあれば失望を警戒する向きもある。市場の常識的に
は「Sell on Fact」であるが、異例の大統領には異例の相場、ということも無
いとは言えまい。個人的にはゲームから退場して成り行きを見守ることにした
が、より重要なことは、市場動向に引き摺られて米国の実体経済が何処にある
かという観察を疎かにすることがないように、留意することだろう。

 以前にも記したように米国経済の腰は強い。だが2016年を振り返ってみれば
成長率は1.9%のドイツや1.8%の英国より弱く、1.6%で日本と同じである。ト
ランプ旋風でこうした客観的事実が覆い隠され、3-4%という大法螺的な成長率
見通しが堂々とまかり通るのが米国市場だ。過去数年間のFRBによる調子外れの
強気見通しも市場センチメント昂揚に貢献している。確かに雇用は改善して製
造業にも明るさが見え、消費も堅調を維持している。でも2%を超えるような成
長率になかなか届かないのが米国経済の実像なのである。

 期待が現実に結び付きにくい日本と、期待と現実が混在してしまう米国との
違いは、市場にも反映される。潜在成長率も日米の差は縮小中ながらまだ明確
に存在する。それでも米国は生産性低下というハードルを越えられず、経済力
の源泉である新興企業の発足ペースは急低下している。現時点での期待は需要
サイドの回復でしかなく、供給サイドを含めたバランスの良い経済拡張のシナ
リオはトランプ政権には描けないだろう。いつか行き詰ることが明白な政治を
前に短期的な利益を狙うのは投機家の仕事であって、投資家の出番では無いよ
うに思われる。
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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2017.01.31
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前週末比98円55銭安
  一時170円超下落するも業績改善への期待で下げ止まり。海外ではドル円が
  113円台に。

**ホンダが燃料電池量産でGMと提携
  合弁工場で量産開始、価格引き下げへ。

 **コニカミノルタとパイオニアが有機EL照明事業統合へ
  50%ずつの共同出資会社を立ち上げ。

 **トヨタ2016年国内生産は前年比0.7%減
  316万台と当初計画割れ。4年連続の前年割れ。米国向け乗用車輸出が伸
  び悩み。

 **東芝が米WHの売却も検討か
  時事通信報道。出資比率引き下げなどリスクの切り離しへ。

 **三菱UFJ信託が東芝に損害賠償請求へ
  有価証券報告書への虚偽記載。訴訟の方針で同行の請求額は約10億円に。
  他信託も追随か。

 **ソニーが映画事業で1121億円の減損見通し
  動画配信普及で市場縮小、4-12月期決算で営業損失に計上。

 **りそながシンガポールの金融機関買収
  インフラ開発融資のAFCマーチャントバンク。日本企業の現地進出支援。

 **ハウステンボスがサービスロボット事業に参入
  実証実験を通じ技術開発や利用提案へ。九州大学とも連携。

 **ANA・JALが米入国禁止対象旅券客を拒否
  米国便への搭乗を原則として断る方針。欧州各社も同様の措置。

 **12月国内建設受注額は前年同月比6.4%増
  5か月連続増加。民間受注は5.2%増、官公庁は9.7%増。通年総額は前
  年比4.4%増。好調継続見通し。

 **2016年小売業販売額は前年比0.6%減
  2年連続前年割れ。原油安による石油製品価格下落で燃料小売業が低調、
  百貨店の衣料品販売も低迷が顕著に。 

<海外モニター>

 **NYダウは前週末比122.65ドル安
  大統領の移民政策を嫌気、20,000ドル割れ。長期金利は2.49%と横ばい。
  ドルは下落。

 **米12月コアPCEデフレーターは前年同月比1.7%上昇
  前月から横ばいでンフレ率上昇の気配なし。個人消費支出は前月比0.5%
  増と堅調、個人所得は0.3%増。

 **米15州首都の司法長官が大統領令を一斉非難
  連名で「違憲で違法」との声明。無効を求めて提訴することも示唆。

 **トランプ大統領「規制一つで二つ廃案」
  新たな大統領令に署名。
 
 **米スタバが難民1万人の雇用発表
  トランプ政権の方向性に深刻な懸念示す。

 **ユーロ圏1月景況感指数は前月比0.1ポイント改善
  前月の107.8から107.9に上昇、6年ぶり高水準に。

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  最近のボヤキ                    反面教師 
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 楽観論が渦巻いていた市場も、流石にトランプ大統領の「狂気」に付き合っ
て居られなくなったようだ。イスラム教国からの入国禁止措置への衝撃は米国
内だけでなく世界中に拡散されている。ダウは2万ドルの目標を達成したことで
早々にハネムーンは終了、ドルとともに目先は調整局面入りの可能性が高そう
だ。それにしても、米国が選んだ大統領は日を追うごとに醜さを増している。
正式に「人種差別主義者」と認定しても良いだろう。

 裏で糸を引いているのが超右翼のバノン首席戦略官であることは間違いなさ
そうだが、大統領は同氏を国家安全保障会議の常任メンバーに任命すると発表
し、これまた国内に激震を与えている。恐ろしい国になったものだ。日本はも
う「価値観を共有している」などと戯言を述べるのは止めた方が良いだろう。
先に初の首脳会談の相手となったメイ首相は同大統領を英国に招聘すると述べ
ていたが、英国では早速「トランプ来るな」の大合唱となっている。さて日本
では同様の現象が起きるだろうか。
 
 日本は従来から難民受け入れを制限していることから、表立って米大統領を
批判できない立場にある。モノ・サービス。・カネの動きは自由だがヒトは例
外なので、本物のグローバリゼーション国ではない。その意味では、英米は日
本を真似しようとしているようにも見える。悩ましい話であるが、これを契機
に日本のグローバル化の在り方をもう一度考えてみる良い機会になるかもしれ
ない、と思ったりする。ロンドン勤務時代、様々な国々の人から成るグループ
で働いた経験からすれば、多様化はやはり大きな力なのだ。トランプ大統領を
反面教師として、日本も少し学ぶところがあっても良い。
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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2016.12.30
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比256円58銭安
  米国株失速を受けて続落、不振の東芝株に心理悪化。

 **東芝株続落で時価総額一時1兆円割れ
  3日間で約40%下落。経営に強い先行き不透明感。銀行側にも不信感。

 **鴻海がテレビ向け液晶パネル生産会社に追加出資
  シャープと共同経営、開発や設備投資に521億円投資。

 **三菱ガス化学がM&Aに約300億円投資へ
  バイオ医薬品や医療部材など医療関連を検討。

 **大丸浦和パルコ店が来年7月閉店へ
  2007年開業以来赤字続きで黒字化見込めぬと判断。

 **タカタが約10億ドル支払いで和解か
  WSJ報道。米エアバッグ欠陥で司法省と合意へ。

 **黒田総裁「経済は明確に良い方向」
  日経インタビュー。保護主義には向かわないと強弁。
 
<海外モニター>

 **NYダウは前日比13.90ドル安
  エネルギー、金融株に売り。長期金利は2.48%へ低下。

 **WTI期近物は5営業日ぶりに反落
  米国原油在庫増加で需給の緩みを嫌気、利益確定も。

 **米政府が対露制裁発動へ
  サイバー攻撃による大統領選干渉への対抗措置、情報部員35人を追放。
  オバマ大統領によるトランプ氏牽制の側面も。

 **ロシア主導でシリア全土での停戦合意へ
  政治的正常化に向けた協議開始見通し。米国抜きでロシア、トルコ、イ
  ランが和平仲介。  

 **中国が財政政策拡大方針表明
  財政省が支出増や減税などに言及。景気悪化に危機感。

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  最近のボヤキ                    心の壁
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 ブレクジットとトランプ氏勝利という大激震に見舞われた2016年も終幕を迎
えた。市場でもマイナス金利からポンド急落そして米株最高値更新などの奔流
に右往左往する展開が続いたが、それよりも欧米の人々が内向きな選択をし始
めたことの方が記憶と印象に残る年であった。1989年にベルリンの壁が崩壊し
て以来、自由主義や市場経済の価値観が世界に定着したと思い込んでいたが、
この数年間に多くの人は心の中に壁を築き始めていたのだ。

 それが今年、自由主義の旗頭であった英米で表面化することになった意味は
小さくない。そして来年は、その心の壁が生みだす具体的な現象が表徴化する
ことになるのだろう。どこかの中銀総裁のように「世界が保護主義に向かうと
は思えない」などと呑気な経済観を抱く気にはなれない。確かにトランプ氏が
選挙中に放言していた無責任な策をそのまま採用するとは思わないが、米国の
政治が変質することは100%間違いないし、欧州が泥沼のような政治的混迷から
抜け出せるすれば、それは奇跡と呼んでよいだろう。

 市場が政治に関する不透明性を嫌うことは周知の通りだ。筆者は政治リスク
に関して言及できるほどの知識はないが、政治家の言動に関してはより深い洞
察力を持つ必要があると考えている。モーゲンソーは「政策の本性はイデオロ
ギー的偽装のヴェールに隠されている」と喝破した。それは帝国主義における
背景分析であるが、覇権主義や自国優先主義などが闊歩する時代においても、
予測の難しい政治リスクが市場の平穏を乱すことは日常茶飯事になるだろう。 
今年起きた英米での「二大事件」は、来年への単なる材料提供に過ぎないよう
にも思われる。


 今年もまた、拙い殴り書きのようなメルマガを1年間ご愛読頂き、まことに
有難うございました。来年もよろしくお願い申し上げます。

 それでは皆さま、どうぞ良いお年をお迎え下さい。(編集人)

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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2016.11.30
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比49円85銭安
  欧米株安で続落、短期的な過熱感も。

 **富士通が深層学習計算高速化へ新型半導体開発
  独自構造の半導体「DLU」を2018年度に実用化。

 **トヨタの10月海外生産は前年同月比7.9%減
  米中不振で2か月連続で減少。輸出実績も同4.0%減。

 **韓国環境省が日産を行政処分の方針
  ディーゼル車2車種に関し「認証書類に誤り確認」と発表。

**住友化学と伊藤忠が飼料事業で提携へ
  栄養剤「メチオニン」を住化が増産、伊藤忠が国内外で販売。共同出資で
  販売支援会社設立も。
 
 **10月1世帯あたり消費支出は前年同月比0.4%減
  実質的に14か月連続減少。生鮮野菜高騰で節約志向、自動車購入も減少。

 **10月有効求人倍率は前月比0.02ポイント上昇
  2か月連続改善で1.40倍の高水準に。年末を前に人手不足感。

<海外モニター>

 **NYダウは前日比23.70ドル高
  GDP改定値などに反応、原油安には警戒感も。長期金利は2.29%へ低下。

 **米サイバーマンデー小売売上高は前年比12.1%増
  アドビ・デジタル調査で過去最高に。主戦場は実店舗からネットへ。

 **米11月CB消費者信頼感指数は前月比6.3ポイント上昇
  107.1と2007年7月以来の高水準。

 **米7-9月期実質GDP改定値は前期比年率3.2%増
  個人消費上振れで速報値から0.3ポイント上方修正。設備投資は大幅下方
  修正。

 **中国が企業の海外投資に規制導入へ
  100億ドル以上の海外企業買収や10億ドル以上の不動産投資を規制対象に。
  資本流出対策。  

 **WTI期近物が大幅反落
  OPEC総会に警戒感。前日比3.9%下落、45ドル台に失速。サウジとイラン
  が態度硬化との報道。

 **朴大統領が任期前辞任を示唆
  潘国連事務総長が次期大統領選への立候補を示唆。 

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  最近のボヤキ                  危険な米中経済感覚
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 米国GDPの改定値で、個人消費が上向き設備投資が冷え込むという二極化が
一段と鮮明になった。3%台の成長率は大豆など一時的な輸出増が寄与したも
ので持続性はなさそうだが、それでもトランプ効果による高揚感が消費を支え
続けることは確実だ。その勢いを保つためにもトランプ氏はメキシコや中国へ
の「口撃」を止めないだろう。注目されるのは中国に対する「為替操作国認定」
の動向だが、中国はむしろ逆に、人民元急落を止めるのに四苦八苦している。

 FT紙に拠れば、中国政府は100億ドル以上の海外企業買収や10億ドル以上の
海外不動産投資を対象に規制を強化する方針を固めつつある、という。資本流
出が続く中国では人民元の下落ペースが加速しており、年内にも対ドルで7台と
いった憶測も強まっている。先般まで連日のようにドル売り・元買い介入を行
ってきた人民銀行も、その効果の乏しさに少し持て余し気味だ。外貨準備はピ
ークから既に1兆ドル近く減少しており、無駄遣いが出来なくなってきたように
も思われる。

 WTOに加盟しIMFへのロビー活動で人民元をSDR構成通貨入りさせた中国は、政
策の透明化を通じた市場経済化を図る筈であったが、国内で改革派は大きく後
退し、保守化が実権を握って市場コントロール手法が復権しつつあるのだろう。
上述の規制は恐らく非公式な「通達」として企業に伝達されるのではないか。
中国は元安誘導どころか、元急落回避に懸命である。そんな実態を前にして、
トランプ氏は中国の為替マニピュレーションを批判している。G2と呼ばれる時
代に、この両国における時代遅れの経済感覚は極めて危険である。
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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2016.10.31
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比109円99銭高
  円安で安心感、半年ぶりの高値に。

 **福島原発事故の賠償費用を新電力も負担へ
  経産省が新電力との共同負担案を検討。

 **三陽商会が売り場250か所を閉鎖
  バーバリーの国内ライセンス契約切れで業績不振。10ブランド廃止へ。

 **三菱商事が3月期連結最終損益予想を上方修正へ
  原料炭価格が急騰、黒字は2500億円から3200億円へ上振れ見通し。

 **三菱自動車の中間決算赤字は過去最大
  燃費不正で売上高は前年同期比19%減、純損益は2195億円の赤字に。

 **日産が英政府に国外移転計画を伝達
  ゴーン会長がメイ首相に直談判。ハードブレクジットの場合はフランス
  かスペインに移転、と説明。

**三菱UFJ信託がしんきん信託を買収
  信金中金の運用事業を効率化。買収額は百数十億円。

 **9月全国消費者物価コア指数は前年同月比0.5%下落
  7か月連続低下。日銀コアコア指数もプラス0.2%に上昇幅縮小。 

 **9月実質家計支出は前年同月比2.1%減
  こちらも7か月連続減少。

 **9月完全失業率は3.0%に改善
  前月比0.1ポイント低下。の有効求人倍率は1.38倍と25年ぶりの高水準に。

<海外モニター>

 **NYダウは前日比8.49ドル安
  クリントン氏のメール問題で大統領選に再び不透明感。長期金利は1.85%
  と横ばい。

**米7-9月期GDPは前期比年率2.9%
  個人消費は減速したが輸出が10%増、在庫投資もプラスに転じ設備投資も
  僅かながら改善。輸出は大豆のおかげ。

 **米10月ミシガン大消費者態度指数は前月比4.0ポイント低下
  87.2と速報値から0.7ポイント下方修正。1年1か月ぶりの低水準に。

 **米FBIがクリントン氏のメール問題再調査へ
  前代未聞の泥仕合に更に拍車。株安、ドル安を誘発。

 **カーニー英中銀総裁に早期退陣説
  政界にEU離脱支持の責任を問う声が殺到。独立性崩壊の危機。同総裁は年
  内に去就判断との意思表明。

 **EUとカナダが漸く貿易協定調印
  ベルギー首相がワロン地域を説得。ドタバタ劇に終止符。

 **スペインで第二期ラホイ政権樹立
  昨年12月以来の政局混乱が収束。

 **中国がデット・エクイティ・スワップ解禁へ
  17年ぶり。非効率な国営企業の救済策。

**OPECが減産協議先送り
  専門家会合で具体策まとまらず11月25日に再協議へ。暗雲漂うウィーン。

 **韓国検察が大統領府を捜査
  朴大統領の情報漏洩問題。退陣求めソウルで2万人超の大規模集会。
 
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  最近のボヤキ                 英米の政治リスク   
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 米国の7-9月期GDPが予想を大幅に上回った。長期金利が全体的に上向いてき
たことを背景に、この数字を更なる債券ベアの要因に使いたい人も居るようだ。
折しもドイツではCPIが2年ぶりの水準にまで回復し、ポンド急落の英国でも輸
入コストが急上昇してインフレ懸念が浮上している。物価連動債の人気も上昇
中で資金流入額が増加中、といった報道もある。米国市場では利上げペース加
速か、といった気の早い憶測も流れている。

 もっとも、米国からの大豆輸出が南米の不作の影響で急増したことがGDPの
市場予想との大きな乖離の主因であり、また予想通り在庫投資が大幅に増えて
いることを考えれば、このペースが恒常的水準でないことは一目瞭然だ。今期
はまた「定位置」の1%台に戻ることになるだろう。むしろ個人消費ペースが
大幅に鈍化している方に目を向けた方が良い。但しFRBにとっては「利上げの
言い訳を確保できた」という意味では好都合だろうし、大統領選ではクリント
ン氏に有利に働くことも確実だ。

 そのクリントン氏にも新たなメール疑惑が浮上して、勝利が確実視されてい
たムードに水を差している。まあ相手が相手だけに、よほどの致命傷が無い限
り同氏の優位は動かないだろうが、政治リスクは選挙後も続くことだろう。因
みに英国では政治が中銀総裁を辞任に追い込もうとする動きが加速し、カーニ
ー総裁は2021年どころか当初予定の2018年までの任期も全うできない可能性が
強まっている。政治が金融政策を私物化する動きは3年前の日本で始まったが、
遂に英国にも飛び火したようだ。時代は、こうして変質し腐敗していくのだろ
うか。
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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2016.09.30
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比228円31銭高
OPECの減産合意による原油高を好感、ドル円101円台も追い風に。

 **IMF「日本は全体的な賃金水準押し上げを」
  三本の矢では不十分と指摘、段階的な消費税増税の必要性にも言及。

 **ミネベアが岩崎電気と資本業務提携
  4億2300万円投じて発行済み3.83%を取得、岩崎電気の筆頭株主に。照明器
  具事業拡大へ。

 **テルモが米医療機器事業買収提案
  大手アボット・ラボラトリーズの一部門に買収提案。心臓血管治療用機器
  などが対象、買収額は1500億円規模の可能性。

 **川崎重工が半導体製造用ロボットの工場新設
  神戸の敷地内に建設し生産能力を6割増。投資額は100億円。

 **国産ジェットMRJが米国に到着
  試験1号機がワシントン州グラント・カウンティ国際空港に到着。型式証明
  取得への飛行試験が本格化。

 **明治安田生命保険が学資保険一部販売停止へ
  マイナス金利で運用難。副作用は拡大中。

 **8月小売業販売額は前年同月比2.1%減
  6か月連続の前年割れ。原油安で燃料小売業が落ち込み。台風による天候不
  順で衣料品などの販売も不振。

<海外モニター>

 **NYダウは前日比195.79ドル安
  ドイツ銀行への警戒感拡大でリスクオフムード。長期金利は1.56%へ低
  下。

 **米4-6月期GDP確定値は1.4%増に上方修正
  改定値の1.1%から上振れ。設備投資に改善傾向、純輸出も増加。

 **米8月仮契住宅販売指数は前月比2.4%低下
  2か月ぶり低下、108.5と7か月ぶりの低水準。供給不足と価格高騰で勢い
  失速。

 **WTI期近物が1か月ぶりの高値に
  減産合意で続伸。半信半疑ながらも一時48ドル台回復。

 **米大手5社が人工知能普及・啓蒙へ新団体設立
  アルファベット、アマゾン、フェイスブック、IBM、マイクロソフト。

 **米上下院がテロ関与の外国政府への訴訟法案可決
  9.11でサウジへの損害賠償請求が可能に。関係の一段悪化は不可避。

 **コメルツ銀行が投資銀行で9600人削減へ
  2020年までに大幅縮小の方針。成長分野では約2300人を新たに雇用。

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  最近のボヤキ                  ドイツ銀行の黄昏    
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 ドイツ銀行への不信感が世界の市場に蔓延しつつあり、株式市場では原油反
発という好材料をも後退させてしまった。為替市場ではリスクオフ的な円買い
が散見され、長期金利もやや低下圧力を受けている。今年2月にも同行への懸念
が浮上したことがあったが、今回は米司法当局による140億ドルという大規模な
制裁金提示で、実額としての不安感が増大している。現時点での同行の訴訟引
当金はその半分程度の筈であり、交渉によって大幅減額になる可能性はあると
思うが、市場が懸念するのも頷ける。

 独政府に支援要請、メルケル首相は拒絶、独財務相は25%まで資本参加、と
いった様々な憶測が飛び交う中、政府もドイツ銀行も支援協議を真っ向から否
定しているが、逆に霧が晴れない状態になって、市場ムードを悪化させている。
トルコ政府筋が同行買収案に言及するといった茶番まで飛び出し、収拾が付か
なくなった印象もある。EUでは政府救済が行われる条件として民間債務者の債
権放棄が必要になったので、公的支援の場合にはかなりの民間損失が予想され
る。かといって同行がこのまま自力で増資できるかどうかは疑問である。

 こうなると、昨日述べたようにドイツ国内の矛先は「低金利が悪い」として
ドラギ総裁に向かうことになる。日本でもマイナス金利で日銀に批判が殺到し
ているが、それも問題の本質に向けられた議論とは言い難いところがある。日
銀の問題は時代遅れの物価目標にこだわる点であり、マイナス金利はその誤診
から出てきた判断に過ぎない。ECBもまた同じである。だがこうした金融シス
テム不安を契機に政策手段への批判が主軸となってしまうリスクに我々はいま
直面している。枝葉の議論に終始する最近のメディア風潮を、金融界は笑うこ
とは出来まい。
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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2016.08.31
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比12円13銭安
  手掛かり難で投資家は完全に手控えモード。動意薄。

 **2017年度財政投融資の要求総額は16兆円台に
  概算要求で今年度当初予算比約2割増。財投債の日銀購入観測も。

 **三菱自動車が一部車種の販売停止へ
  国交省の燃費測定でカタログ記載の数値と不整合性発覚。信頼感ゼロ。

 **MRJの米国再出発は大幅延期か
  9月下旬以降に遅延の可能性。こちらの三菱も苦戦。

 **グーグルのスマホ決済今秋開始へ
  三菱UFJと提携し「アンドロイドペイ」導入。

 **東武鉄道が日光の名門「金谷ホテル」買収へ
  投資ファンドと従業員持ち株会から61.6%分を取得、子会社化。

 **7月家計実質消費支出は前年同月比0.5%減
  5か月連続減少。ボーナス商戦も振るわず消費に執拗な停滞感。

 **7月完全失業率は前月比べて0.1ポイント改善
  3.0%に低下。有効求人倍率は横ばいの1.37倍。雇用は堅調維持。

 **7月小売業販売額は前年同月比0.2%減
  原油安で5か月連続で前年割れだが、家電販売が好調で経産省は基調判
  断を上方修正。
 
<海外モニター>

 **NYダウは前日比48.69ドル安
  利上げ懸念に反落。長期金利は1.57%と横ばい。ドル円は103円台に。

 **フィッシャー副議長「完全雇用に接近」
  データ次第と言いつつ年2回の利上げに意欲。FOMC内最大のタカ派に。

 **米8月CB消費者信頼感指数は前月比4.4ポイント上昇
  101.0と11か月ぶりの高水準。低調なミシガン大指数との乖離拡大。

 **米6月S&P Case Shiller住宅価格指数は前年同月比5.1%上昇
  主要20都市ベース。特に西海岸北部が堅調。

 **欧州委員会がアップルへの巨額追徴課税指示
  法人税優遇措置を違法な補助金と認定。アイルランドに追徴指示、最大
  130億ユーロ。アイルランド政府とアップルは猛反発。 

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  最近のボヤキ                 批判を浴びるFRB   
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 アップルが欧州委員会から巨額の追徴課税を受け、アイルランド政府は困惑
し米国政府も苛立ちを隠さない。詳細を知っている訳ではないので欧州委員会
の判断の是非には論評しないが、こうした動きはEU内部の分裂症状と欧米間の
TTIPの挫折感を如実に示している。共同体理念もグローバリゼーションも、も
はやお伽噺のように思えてきた。自由貿易は単なるバーチャル・リアリティだ
ったのだろうか。そして、自由市場という概念も次第に影を潜め始めている。

 公的マネーがリスクフリー金利を殺して株価のバリュエーションを勝手に決
める時代を、日本が先導していることは明らかだ。これを課題先進国と言うの
は憚られるが、ユーロ圏や英国でも社債購入拡大など、日本追随型へ靡こうと
している。一方で米国はこうした市場介入型の緩和には一線を画そうとしてお
り、マイナス金利も含めて過激な緩和策は必要ないとの姿勢をイエレン議長は
打ち出している。だが景気後退に陥った際に、下げ余地の乏しい金利と国債買
入れ、フォワード・ガイダンスで十分という同議長の主張に説得力は乏しい。

 FRBは早期利上げによって下げ余地作りを急いでいる感が強いが、それが実
体経済の安定成長の長期化を妨げようとしており、FRBの姿勢に対する民主党
系エコノミストの批判は、サマーズ氏やクルーグマン氏らを筆頭に高まるばか
りである。現時点の金利水準は決して緩和的でない、という議論に対し、FRB
タカ派はインフレやバブルが起きてからでは遅い、と対抗しているが、存在し
ない亡霊と戦っているとの印象は拭えない。債券市場の感覚もFRBに懐疑的だ。
そして日銀もまた、出来もしない目標に向かって突き進むドン・キホーテであ
る。どっちもどっち、というのが正直な感想だ。
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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2016.07.29
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比187円98銭安
  円高基調に一時200円超の下落。日銀決定会合待ち。海外市場では追加緩和
  報道でドル円105円台回復。

 **景気対策13兆円の財政措置内訳判明
  国と地方の歳出7兆円、財政投融資が6兆円。さて日銀は。

 **低所得者22百万人に15,000円給付へ
  補正予算に計上。

 **GPIFの2015年度評価損は約5兆3000億円
  積極的な株式運用が裏目に。5年ぶりの評価損。

 **トヨタ上半期世界販売台数は世界2位に
  中東や米国がやや不振、前年同期比0.6%減の499万2000台でVWは中国・欧
  州が好調で511万6800台。

 **ソニがリチウム電池事業を村田製作所に譲渡
  全額出資子会社のソニーエナジー・デバイス。損失発生の可能性。

 **太平洋セメントがバイオマス発電で売電事業に参入
  235億円投じ岩手県に発電設備新設、イーレックスに販売へ。

 **羽田空港に首都圏低空飛行ルート設定へ
  国際線増便に対応。国交省は来年度から工事着工、東京五輪までに運営
  開始。

 **三菱UFJ信託が米国の投信資産管理会社買収
  ライデックス・ファンド・サービシズを約200億円で。買収後の管理残高
  は約39兆円でで世界6位に。

<海外モニター>

 **NYダウは前日比15.82ドル安
  決算嫌気するも底堅い展開。ナスダックは3日続伸。長期金利は1.51%で
  横ばい。

 **米6月貿易赤字は633億ドルに増加
  赤字幅は3.7%拡大。4-6月期GDP下振れ要因、成長率は1%台の可能性も。

 **原油価格続落でWTI期近物は 41ドル台に
  3か月ぶりの安値。在庫増で原油需給改善への期待感が後退。

 **英10年債利回りが過去最低更新
  初の0.7%割れ。7月消費者信頼感指数は前月比約5ポイント低下、景況感
  悪化が鮮明に。

 **トルコ政府が報道機関131社に閉鎖命令
  政権批判を封殺。どこかで見た風景。

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  最近のボヤキ               ヘリコプター再考
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 どうやら筆者の期待を込めた予想は外れ、日銀は政府に協力して追加緩和す
る方針を固めたようだ。安倍首相があそこまで大風呂敷を広げたからには、静
観という訳にも行かない。マイナス金利深掘りや買い入れ資産増額以外に何を
やるのかが焦点だが、厳密に法に抵触しない手法はまだまだありそうだ。少な
くとも本石町からヘリコプターを飛ばすところまでは可能だろう。市場のレー
ダーは、当面その姿を追い続けることになりそうだ。

 良識派が何を言おうと、もう事実上の財政ファイナンス時代に入っている。
そもそも財政法第5条で定めた「日銀の引受禁止」という考え方がナンセンス
ではないか。引き受なければ財政ファイナンスでない、という言い訳を許して
いるからだ。引き受けてもすぐに売却すれば、リスクは低減される。逆に市中
で買って満期まで持ち続ける方が本来のリスクを表徴することになる。現在の
量的緩和は法に触れない財政ファイナンスであり、その意味では既にヘリコプ
ターは数機飛んでいる、とも言える。

 本日の政策決定会合で何が出るのか、蓋を開けてみないと解らないが、市場
で「失望感による円買い」というコメントが多発されるているのを見ると、今
回はその読みが外れる可能性もあるような気がしてきた。筆者も先行き円高を
見ている一人だが、中長期的な財政ファイナンスへのコンセンサスが定着し始
めれば、反対方向に行くかもしれない、と思い始めている。様々な要因が円高
を示唆しているのは間違いないが、ヘリコプターからのマネー攻撃には勝てな
いとなれば、秋以降のシナリオは組み立て直しが必要かもしれない。
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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2016.06.30
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比243円69銭高
  3日連続で上昇。先週金曜日のほぼ半値戻し。

**長期金利がマイナス0.24%に
  2日連続の最低更新。2年債、5年債も一時過去最低を更新。

 **ドコモが自動運転技術開発に参入
  次世代高速通信技術の開発で先行、路車間通信や車車間通信で攻勢。DeNA
  と提携し実証試験開始へ。

 **ソニーがロボット事業に再参入
  AIブームで決断。「ソニーらしさ」を取り戻せるか。

 **三菱航空機のMRJ量産工場が7月上旬稼働へ
  年末年始までに初号機を組み上げ、2017年から月1機程度のペースで生産。

 **横浜銀行が無担保・無保証融資のファンド設定
  地元の優良中小企業を対象に。

**自動車メーカー8社の5月国内生産は前年同月比2.4%増
  トヨタは12.4%増と挽回、ホンダはフィットの国内生産切り替えで29.4増。
  三菱、スズキは不振。

 **5月小売業販売額は前年同月比1.9%減
  3か月連続で前年割れ。デジカメやパソコンなどの販売が低調。

<海外モニター>

 **NYダウは前日比284.96ドル高
  英国問題により心理悪化が一服。原油反発も順風に。長期金利は1.51%
  へ上昇。

 **米5月PCEコア価格指数は前年同月比1.6%上昇。
  足踏み状態が続く米国物価。個人消費支出は前月比0.4%増、個人所得は
  同0.2増。

 **米5月仮契約住宅販売指数は前月比3.7%低下
  4か月ぶりの低下で前年同月比でも1年9か月ぶりに0.2%低下。

 **パウエルFRB理事「英国のEU離脱は世界経済全体の逆風」
  影響の懸念表明。利上げには言及せず。

 **英保守党の新党首は9月9日選出へ
  ジョンソン氏が有力候補。離脱交渉はそれ以降に持ち越し。

 **オランド仏大統領「シティはユーロ決済出来ず」
  離脱すれば決済拠点はEU内に、と早くもビジネス争奪戦意識。
 
 **ロシアとトルコが関係正常化で合意
  両大統領が電話会談。経済第一、ガスパイプライン計画も再起動へ。

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  最近のボヤキ               興味の尽きない欧州問題
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 ブレクジット・ショックは徐々に収束の気配を見せている。ポンドの急落や
円の急騰、日本株急落以外には、さほどの影響は無かったよう思われるが、そ
れは英国問題が「もう忘れていい話」になったことを意味しない。浮気な市場
の視線は米国経済や中国リスクに向かうことになりそうだが、欧州で動き出し
た政治統合と経済統合の間の亀裂は、今後益々拡大するだろう。興味本位で無
責任な言い方を許して貰えば、これほど面白い題材はない。

 英国を除く27か国のEU首脳会議では、英国が求めそうな「良い所どり」を阻
止すると決意を表明しているが、各国間に溝が無い訳ではない。英国と同様に
移民制限を求める声が強まっている国が増えているのは事実であり、英国はそ
の現実を直視するようEUに迫ったのである。それを無視すれば必ずそのネガテ
ィブ・フィードバックがブラッセルに跳ね返る。理想主義者のユンケル委員長
も夢のような正論ばかりを言っていられなくなるだろう、というのが個人的な
相場感である。

 結局、政治が経済低迷の前に妥協するしかないことは、ロシアとトルコの和
解にも見られるように、普遍的な現象なのだろう。いずれEUもロシアと歩み寄
ることになると思われる。EUが経済低迷と国民不満の高まりから逃れられない
限り、政治統合を無理強いすれば取り返しのつかないことにもなりかねない。
相場の恐怖感は一服したとはいえ、欧州の綱渡りはまだ半年以上は続く。ここ
でECBが手綱を緩めれば、市場不安が再燃することも有り得る。それを考えれば
日本は平和なものである。失業率が低いことの安堵は何物にも代えられない。
もっとも、それが政府や中銀の暴走を許しているコストを支払うのは、哀しい
かな、次世代の人々なのである。
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